バイオチップおよびバイオチップ読み取り装置
【課題】検出対象光を増加させることにより、検出感度を向上させることのできるバイオチップおよびバイオチップ読み取り装置を提供する。
【解決手段】 本発明によるバイオチップは、一方の面に試料(13)を備え、当該試料に関し、試料が発生する蛍光または化学発光による光の検出器と反対側であって、当該試料に対応する位置に反射部材(14、16、17)を備える基板(11)を含む。1実施形態によれば、反射部材が、試料が発生する蛍光または化学発光による光を試料の位置に反射するように構成されている。他の実施形態によれば、反射部材によって反射された、試料が発生する蛍光または化学発光による光が、試料の位置に反射された後、試料の位置を集光位置とする対物レンズを通過して検出器に至るように構成されている。
【解決手段】 本発明によるバイオチップは、一方の面に試料(13)を備え、当該試料に関し、試料が発生する蛍光または化学発光による光の検出器と反対側であって、当該試料に対応する位置に反射部材(14、16、17)を備える基板(11)を含む。1実施形態によれば、反射部材が、試料が発生する蛍光または化学発光による光を試料の位置に反射するように構成されている。他の実施形態によれば、反射部材によって反射された、試料が発生する蛍光または化学発光による光が、試料の位置に反射された後、試料の位置を集光位置とする対物レンズを通過して検出器に至るように構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、DNAチップやプロテインチップなどのバイオチップおよびバイオチップ読み取り装置に関する。特に、検出感度を向上させたバイオチップおよびバイオチップ読み取り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
バイオチップは、ガラス等の基板の上に多種類のDNAの断片(プローブ)や合成オリゴヌクレチオドを貼り付けたものである。バイオチップは、DNAチップ、プロテインチップ、DNAアレイおよびDNAマイクロアレイなどを含む。
【0003】
バイオチップの読み取りは、レーザー等の励起光により試料を照射し、試料から発生した蛍光による光を検出し、または試料から発生した化学発光による光を検出することによって行う。
【0004】
図10は、従来のバイオチップ読み取り装置の構成を示す図である。試料励起光原1からの試料励起光は、ダイクロックミラー2によって反射される。ダイクロックミラー2は、試料励起光の波長を透過せず、試料から発生した蛍光の波長を透過させるような特性のものを選択する。ダイクロックミラー2で反射された試料励起光は、対物レンズ3によって、バイオチップ4の試料の位置に集光される。試料から発生した蛍光の一部は、対物レンズ3を通過し、さらにダイクロックミラー2を透過して検出器5に至り検出される。化学発光検出の場合、試料励起光は照射されないが、試料から発生した光が検出器5に至るまでの過程は同様である。
【0005】
図10において、実線は試料励起光の光路を示す。点線は、試料13から発生した蛍光または化学発光の光の光路を示す。
【0006】
図11は、従来のバイオチップの構成を示す図である。バイオチップ4は、基板11からなり基板11の一方の面には、試料13が配置される。試料励起光は、試料13が配置されている方の面から照射される。基板11は蛍光または化学発光による光を透過させるように、ガラスまたはプラスチップで形成することができる。ここで、試料13に試料励起光が照射されると、試料13から蛍光が発生する。蛍光の一部は、上述のように対物レンズ3の方向に戻り検出器5に到達して検出される。しかし、蛍光の他の部分は、対物レンズの方向と異なる方向に進み、検出器に検出されない。
【0007】
したがって、従来のバイオチップでは、検出感度を向上させることが困難であった。
【0008】
従来のバイオチップを使用したバイオチップ読み取り装置の構成については、たとえば、特許文献1(図1他)、特許文献2(図1、図24他)、および特許文献3(図2、図6他)などに開示されている。
【0009】
【特許文献1】特開2001−194309号公報
【特許文献2】特開2001−311690号公報
【特許文献3】特開2004−138420号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このように、従来のバイオチップは、検出器の方向に向けて射出される光を検出するのみで基板媒質方向に抜ける蛍光または化学発光を検出対象光として取り込むことができないので、検出感度を向上させるのが困難である。
【0011】
したがって、検出対象光を増加させることにより、検出感度を向上させることのできるバイオチップに対するニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によるバイオチップは、一方の面に試料を備え、当該試料に関し、試料が発生する蛍光または化学発光による光の検出器と反対側であって、当該試料に対応する位置に反射部材を備える基板を含む。
【0013】
本発明によるバイオチップ読み取り装置は、試料励起光の光源と、試料励起光を反射させ、試料からの蛍光を透過させるダイクロックミラーと、試料励起光を試料の位置に集光させる対物レンズと、一方の面に試料を備え、当該試料に関し試料励起光の光源と反対側であって、当該試料に対応する位置に反射部材を備える基板を含むバイオチップと、試料からの蛍光を検出する検出器とを備える。
【0014】
したがって、試料が発生する蛍光または化学発光による光は、反射部材によって検出器に向けて反射されるので、検出器の感度を向上させることができる。
【0015】
本発明の1実施形態によれば、反射部材が、試料が発生する蛍光または化学発光による光を試料の位置に反射するように構成されている。
【0016】
したがって、試料が発生する蛍光または化学発光による光は、反射部材によって試料の位置に向けて反射され、その後検出器に向かうので、検出器の感度を向上させることができる。
【0017】
本発明の1実施形態によれば、mは1以上の整数として、反射型回折格子が、m次反射回折光の回折効率を最大とするように構成されている。
【0018】
したがって、試料が発生する蛍光または化学発光による光であって、反射型回折格子に入射する光に対する、反射型回折格子によって、検出器に向けて反射される光の比率が最大となるので、検出器の感度をさらに向上させることができる。
【0019】
本発明の1実施形態によれば、反射部材によって反射された、試料が発生する蛍光または化学発光による光が、試料の位置に反射された後、試料の位置を集光位置とする対物レンズを通過して検出器に至るように構成されている。
【0020】
試料が発生する蛍光または化学発光による光は、反射部材によって試料の位置に向けて反射され、試料の位置を集光位置とする対物レンズに向かい、対物レンズによってほぼ平行光とされる。したがって、平行光として検出器に向かうので、検出器の検出面に入射されやすく、検出器の感度をさらに向上させることができる。
【0021】
本発明の1実施形態によれば、反射部材が基板の、試料を備えた面と反対側の面に形成されている。
【0022】
したがって、基板がガラス素材の場合にはインプリンティングによって、基板がプラスチック素材の場合には射出成型または切削によって反射部材を製作するのが容易である。
【0023】
本発明の1実施形態によれば、基板がガラス素材またはプラスチック素材からなる。
【0024】
したがって、基板が蛍光または化学発光による光を透過させるようにするのに都合がよい。
【0025】
本発明の1実施形態によれば、反射部材の面を金属膜でコートしている。
【0026】
したがって、高い反射率を得ることができる。
【0027】
本発明の1実施形態によれば、反射部材の面を誘電体多層膜でコートしている。
【0028】
屈折率の高い誘電体膜と屈折率の低い誘電体膜を交互に積層することにより、高効率の反射膜が得られる。各層の膜厚を最適化することにより、所望の波長の反射特性を高くすることができる。
【0029】
本発明の1実施形態によれば、試料が基板の一方の面に設けられたウエルに配置されている。
【0030】
したがって、試料の位置がウエルの位置によって定まるので都合がよい。
【0031】
本発明の1実施形態によれば、ウエルが、底面に近づくほど細くなっている円錐または円錐台形状である。
【0032】
したがって、試料が、ウエルの底部の狭い領域に集中して配置され、試料の位置が狭い領域に特定されるので都合がよい。
【0033】
本発明の1実施形態によれば、試料励起光が対物レンズによってウエルの底部に集光されるように構成されている場合に、ウエルの円錐または円錐台の側面の傾きが、集光角度にしたがって定められる。
【0034】
本発明の1実施形態によれば、反射部材は反射型回折格子である。
【0035】
したがって、反射部材はコンパクトで反射効率が高い。特に、光軸方向の厚さをきわめて小さくすることができる。
【0036】
本発明の1実施形態によれば、反射部材はフレネル反射面を含む。
【0037】
したがって、反射部材はコンパクトである。
【0038】
本発明の1実施形態によれば、反射部材は反射球面または反射非球面を含む。
【0039】
したがって、反射部材は反射効率が高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
図1は、本発明の1実施形態によるバイオチップ読み取り装置の構成を示す図である。試料励起光原1からの試料励起光は、ダイクロックミラー2によって反射される。ダイクロックミラー2は、試料励起光の波長を透過せず、試料から発生した蛍光の波長を透過させるような特性のものを選択する。ダイクロックミラー2で反射された試料励起光は、対物レンズ3によって、バイオチップ4の試料の位置に集光される。試料から発生した蛍光の一部は、対物レンズ3を通過し、さらにダイクロックミラー2を透過して検出器5に至り検出される。化学発光検出の場合、試料励起光は照射されないが、試料から発生した光が検出器5に至るまでの過程は同様である。
【0041】
図1において、実線は試料励起光の光路を示す。点線は、試料13から発生した蛍光または化学発光の光の光路を示す。
【0042】
図2は、本発明の1実施形態によるバイオチップの構成を示す図である。バイオチップ4は、基板11からなり基板11の一方の面には、ウエル12が形成されている。試料励起光は、ウエル12の形成されている方の面から照射される。基板11は蛍光または化学発光による光を透過させるように、ガラスまたはプラスチップで形成することができる。ウエル12の中に試料が配置される。本実施形態においては、基板11の、ウエル12が形成されている面と反対側の面において、ウエル12に対応する位置に反射型回折格子14が形成されている。すなわち、反射型回折格子14は、ウエル12ごとに形成される。反射型回折格子14の格子面には、反射膜15がコートされている。ここで、ウエル12の形状は、図2に示すように、底部に向けて細くなっている円錐形状または円錐台形状が好ましい。ウエル12の底部に試料13が配置される。ウエル12の形状については、後でさらに説明する。
【0043】
図3は、本発明の反射型回折格子の設計の考え方を示す光路図である。光源側より入射されたコリメート光(試料励起光)は、対物レンズ3により試料の位置に集光される。試料から13から発生した蛍光の一部は、対物レンズ3の方向に向かい、対物レンズ3によってコリメート光に変換され、検出器に戻る。試料13から発生した蛍光の他の部分は、反射型回折格子14の方向に向かう。試料13からの化学発光の光の光路も、蛍光の光路と同様である。反射型回折格子14は、同心円状に形成される。反射型回折格子14は、蛍光または化学発光の光を、試料13の位置、すなわちウエル12の底部に反射させるように設計する。試料13を透過した蛍光または化学発光の光は、対物レンズ3の方向に向かい、対物レンズ3によってコリメート光に変換され、検出器に戻る。このようにして、従来のバイオチップにおいては、検出器に向けられていなかった蛍光または化学発光の光が、検出器に向けられ、検出感度が向上する。
【0044】
図3において、実線は、試料励起光の光路を示す。点線は、試料13から発生した蛍光または化学発光の光であって、反射回折格子14によって、試料13の位置に反射されたものを含む光の光路を示す。また、図3において、θは対物レンズの集光角度(全角)を示す。
【0045】
一般的に、回折格子の格子間隔は回折角を決定する。本実施形態においては、ウエル12の底部に光線が戻るように格子間隔を決定する。また、格子深さは、どの回折次数にどれだけエネルギーを分配するかを決定する。本実施形態においては、1次回折光を利用するので、1次回折光のエネルギーが最大となるように格子深さを決定する。ブレーズ化反射型回折格子の場合に、1次回折光のエネルギーが最大となるように格子深さは、以下のとおりである。
【0046】
λ/(2n)
ここで、は光の波長であり、nは、基板の屈折率である。また、格子の細部の形状については、光路から光路差関数を求め、形状関数に変更することによって求める。
【0047】
図4は、本実施形態で使用した反射型回折格子14の形状を示す。上述のように、反射型回折格子14は、同心円状に形成される。横軸は、同心円の中心からの距離を示す。縦軸は、格子深さを示す。格子深さは、200ナノメータである。ここで、基板はガラスを使用し、屈折率は、1.516である。光の波長は、570ナノメータおよび665ナノメータの2波長に対して最適化している。
【0048】
本実施形態では、1次回折光を利用したが、より高次の回折光を利用しても同様に反射型回折格子14を設計することができる。
【0049】
反射型回折格子14は、基板がガラス素材の場合にはインプリンティングによって、基板がプラスチック素材の場合には射出成型または切削によって製作する。
【0050】
反射型回折格子14の格子面は、金属または誘電体多層膜でコートする。コートは基板の全面に行っても、反射型回折格子14の位置だけに行ってもよい。金属コートの場合には、金やアルミで1層コートする。金の物理膜厚は数百ナノメータ以上であればよい。本実施形態では、300ナノメータである。金コートによる反射特性を図5に示す。横軸は波長、縦軸は反射率を示す。誘電体多層膜コートの場合は、屈折率の高い誘電体膜と屈折率の低い誘電体膜を交互に積層することにより、高効率の反射膜が得られる。本実施形態の場合には、物理膜厚は2.2μmであり、低屈率折材料としてSiO2、高屈折率材料としてTi3O5を使用し、21層構造としている。各層の膜厚は、所望の波長の反射特性を高くするように最適化する。本実施形態の誘電体多層膜コートによる反射特性を図6に示す。横軸は波長、縦軸は反射率を示す。570ナノメータおよび665ナノメータの2波長の付近で反射率がピークとなっている。
【0051】
図7は、反射型回折格子14の代わりにフレネル反射面16を使用した実施形態を示す。フレネル反射面は、以下の式で表せる面を、hを半径とする輪状のゾーン(輪帯)に分割し、それらのゾーンを平面基板上に配置したものである。
【数1】
【0052】
ここで、cは曲率、Rは曲率半径、kはコーニック定数、Aiは非球面係数を示す。本実施形態では、kはゼロとする。他の数値は、以下に示すとおりである。これらの数値は、ウエル12の底部に光線が戻るように定められている。
【表1】
【0053】
図8は、反射型回折格子14の代わりに反射球面17を使用した実施形態を示す。反射球面17の仕様を以下の表に示す。
【表2】
【0054】
図9は、反射球面の有効径2a、有効径2aに対するサグ量bを示す。これらの数値は、ウエル12の底部に光線が戻るように定められている。反射球面の代わりに、放物面、楕円面、双曲面、4次曲面などの反射非球面を使用することもできる。
【0055】
フレネル反射面16および反射球面17も、反射型回折格子14を使用する場合と同様に、金属または誘電体多層膜でコートする。
【0056】
ここで、ウエル12の形状について説明する。本発明においては、反射部材14、16または17の形状は、ウエル12の底部に配置された試料13から発生した蛍光または化学発光の光が、ウエル12の底部に向けて反射されるように設計される。したがって、本発明においては、試料13が、ウエル12の底部の狭い領域に集中して配置されるのが好ましい。このため、ウエル12の形状は、たとえば、断面が半円状のものすなわち半球状のものよりも、図2に示すような、断面が三角形または台形状のもの、すなわち円錐状または円錐台状のものの方が有利である。また、円錐または円錐台の側面の傾きは、集光角度にしたがって定めるのが好ましい。
【0057】
ここで、対物レンズ3の集光角度は、半角11度、全角22度、対物レンズ3と基板11の対物レンズ側との距離は4.3mm、基板11の厚さは1.0mm、ウエル12の基板11面上の半径は0.3mm、ウエル12の深さは0.4mm、ウエル12の底面の半径は0.16mm、反射部材14、16または17の外周円の直径は0.3mmである。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の1実施形態によるバイオチップ読み取り装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の1実施形態によるバイオチップの構成を示す図である。
【図3】本発明の反射型回折格子の設計の考え方を示す光路図である。
【図4】本実施形態で使用した反射型回折格子の形状を示す図である。
【図5】金コートによる反射特性を示す図である。
【図6】本実施形態の誘電体多層膜コートによる反射特性を示す図である。
【図7】本発明のフレネル反射面の設計の考え方を示す光路図である。
【図8】本発明の反射球面の設計の考え方を示す光路図である。
【図9】反射球面の形状を示す図である。
【図10】従来のバイオチップ読み取り装置の構成を示す図である。
【図11】従来のバイオチップの構成を示す図である。
【符号の説明】
【0059】
1 光源
2 ダイクロックミラー
3 対物レンズ
4 バイオチップ
5 検出器
11 基板
12 ウエル
13 試料
14 反射型回折格子
15 反射膜
16 フレネル反射面
17 反射球面
【技術分野】
【0001】
本発明は、DNAチップやプロテインチップなどのバイオチップおよびバイオチップ読み取り装置に関する。特に、検出感度を向上させたバイオチップおよびバイオチップ読み取り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
バイオチップは、ガラス等の基板の上に多種類のDNAの断片(プローブ)や合成オリゴヌクレチオドを貼り付けたものである。バイオチップは、DNAチップ、プロテインチップ、DNAアレイおよびDNAマイクロアレイなどを含む。
【0003】
バイオチップの読み取りは、レーザー等の励起光により試料を照射し、試料から発生した蛍光による光を検出し、または試料から発生した化学発光による光を検出することによって行う。
【0004】
図10は、従来のバイオチップ読み取り装置の構成を示す図である。試料励起光原1からの試料励起光は、ダイクロックミラー2によって反射される。ダイクロックミラー2は、試料励起光の波長を透過せず、試料から発生した蛍光の波長を透過させるような特性のものを選択する。ダイクロックミラー2で反射された試料励起光は、対物レンズ3によって、バイオチップ4の試料の位置に集光される。試料から発生した蛍光の一部は、対物レンズ3を通過し、さらにダイクロックミラー2を透過して検出器5に至り検出される。化学発光検出の場合、試料励起光は照射されないが、試料から発生した光が検出器5に至るまでの過程は同様である。
【0005】
図10において、実線は試料励起光の光路を示す。点線は、試料13から発生した蛍光または化学発光の光の光路を示す。
【0006】
図11は、従来のバイオチップの構成を示す図である。バイオチップ4は、基板11からなり基板11の一方の面には、試料13が配置される。試料励起光は、試料13が配置されている方の面から照射される。基板11は蛍光または化学発光による光を透過させるように、ガラスまたはプラスチップで形成することができる。ここで、試料13に試料励起光が照射されると、試料13から蛍光が発生する。蛍光の一部は、上述のように対物レンズ3の方向に戻り検出器5に到達して検出される。しかし、蛍光の他の部分は、対物レンズの方向と異なる方向に進み、検出器に検出されない。
【0007】
したがって、従来のバイオチップでは、検出感度を向上させることが困難であった。
【0008】
従来のバイオチップを使用したバイオチップ読み取り装置の構成については、たとえば、特許文献1(図1他)、特許文献2(図1、図24他)、および特許文献3(図2、図6他)などに開示されている。
【0009】
【特許文献1】特開2001−194309号公報
【特許文献2】特開2001−311690号公報
【特許文献3】特開2004−138420号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このように、従来のバイオチップは、検出器の方向に向けて射出される光を検出するのみで基板媒質方向に抜ける蛍光または化学発光を検出対象光として取り込むことができないので、検出感度を向上させるのが困難である。
【0011】
したがって、検出対象光を増加させることにより、検出感度を向上させることのできるバイオチップに対するニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によるバイオチップは、一方の面に試料を備え、当該試料に関し、試料が発生する蛍光または化学発光による光の検出器と反対側であって、当該試料に対応する位置に反射部材を備える基板を含む。
【0013】
本発明によるバイオチップ読み取り装置は、試料励起光の光源と、試料励起光を反射させ、試料からの蛍光を透過させるダイクロックミラーと、試料励起光を試料の位置に集光させる対物レンズと、一方の面に試料を備え、当該試料に関し試料励起光の光源と反対側であって、当該試料に対応する位置に反射部材を備える基板を含むバイオチップと、試料からの蛍光を検出する検出器とを備える。
【0014】
したがって、試料が発生する蛍光または化学発光による光は、反射部材によって検出器に向けて反射されるので、検出器の感度を向上させることができる。
【0015】
本発明の1実施形態によれば、反射部材が、試料が発生する蛍光または化学発光による光を試料の位置に反射するように構成されている。
【0016】
したがって、試料が発生する蛍光または化学発光による光は、反射部材によって試料の位置に向けて反射され、その後検出器に向かうので、検出器の感度を向上させることができる。
【0017】
本発明の1実施形態によれば、mは1以上の整数として、反射型回折格子が、m次反射回折光の回折効率を最大とするように構成されている。
【0018】
したがって、試料が発生する蛍光または化学発光による光であって、反射型回折格子に入射する光に対する、反射型回折格子によって、検出器に向けて反射される光の比率が最大となるので、検出器の感度をさらに向上させることができる。
【0019】
本発明の1実施形態によれば、反射部材によって反射された、試料が発生する蛍光または化学発光による光が、試料の位置に反射された後、試料の位置を集光位置とする対物レンズを通過して検出器に至るように構成されている。
【0020】
試料が発生する蛍光または化学発光による光は、反射部材によって試料の位置に向けて反射され、試料の位置を集光位置とする対物レンズに向かい、対物レンズによってほぼ平行光とされる。したがって、平行光として検出器に向かうので、検出器の検出面に入射されやすく、検出器の感度をさらに向上させることができる。
【0021】
本発明の1実施形態によれば、反射部材が基板の、試料を備えた面と反対側の面に形成されている。
【0022】
したがって、基板がガラス素材の場合にはインプリンティングによって、基板がプラスチック素材の場合には射出成型または切削によって反射部材を製作するのが容易である。
【0023】
本発明の1実施形態によれば、基板がガラス素材またはプラスチック素材からなる。
【0024】
したがって、基板が蛍光または化学発光による光を透過させるようにするのに都合がよい。
【0025】
本発明の1実施形態によれば、反射部材の面を金属膜でコートしている。
【0026】
したがって、高い反射率を得ることができる。
【0027】
本発明の1実施形態によれば、反射部材の面を誘電体多層膜でコートしている。
【0028】
屈折率の高い誘電体膜と屈折率の低い誘電体膜を交互に積層することにより、高効率の反射膜が得られる。各層の膜厚を最適化することにより、所望の波長の反射特性を高くすることができる。
【0029】
本発明の1実施形態によれば、試料が基板の一方の面に設けられたウエルに配置されている。
【0030】
したがって、試料の位置がウエルの位置によって定まるので都合がよい。
【0031】
本発明の1実施形態によれば、ウエルが、底面に近づくほど細くなっている円錐または円錐台形状である。
【0032】
したがって、試料が、ウエルの底部の狭い領域に集中して配置され、試料の位置が狭い領域に特定されるので都合がよい。
【0033】
本発明の1実施形態によれば、試料励起光が対物レンズによってウエルの底部に集光されるように構成されている場合に、ウエルの円錐または円錐台の側面の傾きが、集光角度にしたがって定められる。
【0034】
本発明の1実施形態によれば、反射部材は反射型回折格子である。
【0035】
したがって、反射部材はコンパクトで反射効率が高い。特に、光軸方向の厚さをきわめて小さくすることができる。
【0036】
本発明の1実施形態によれば、反射部材はフレネル反射面を含む。
【0037】
したがって、反射部材はコンパクトである。
【0038】
本発明の1実施形態によれば、反射部材は反射球面または反射非球面を含む。
【0039】
したがって、反射部材は反射効率が高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
図1は、本発明の1実施形態によるバイオチップ読み取り装置の構成を示す図である。試料励起光原1からの試料励起光は、ダイクロックミラー2によって反射される。ダイクロックミラー2は、試料励起光の波長を透過せず、試料から発生した蛍光の波長を透過させるような特性のものを選択する。ダイクロックミラー2で反射された試料励起光は、対物レンズ3によって、バイオチップ4の試料の位置に集光される。試料から発生した蛍光の一部は、対物レンズ3を通過し、さらにダイクロックミラー2を透過して検出器5に至り検出される。化学発光検出の場合、試料励起光は照射されないが、試料から発生した光が検出器5に至るまでの過程は同様である。
【0041】
図1において、実線は試料励起光の光路を示す。点線は、試料13から発生した蛍光または化学発光の光の光路を示す。
【0042】
図2は、本発明の1実施形態によるバイオチップの構成を示す図である。バイオチップ4は、基板11からなり基板11の一方の面には、ウエル12が形成されている。試料励起光は、ウエル12の形成されている方の面から照射される。基板11は蛍光または化学発光による光を透過させるように、ガラスまたはプラスチップで形成することができる。ウエル12の中に試料が配置される。本実施形態においては、基板11の、ウエル12が形成されている面と反対側の面において、ウエル12に対応する位置に反射型回折格子14が形成されている。すなわち、反射型回折格子14は、ウエル12ごとに形成される。反射型回折格子14の格子面には、反射膜15がコートされている。ここで、ウエル12の形状は、図2に示すように、底部に向けて細くなっている円錐形状または円錐台形状が好ましい。ウエル12の底部に試料13が配置される。ウエル12の形状については、後でさらに説明する。
【0043】
図3は、本発明の反射型回折格子の設計の考え方を示す光路図である。光源側より入射されたコリメート光(試料励起光)は、対物レンズ3により試料の位置に集光される。試料から13から発生した蛍光の一部は、対物レンズ3の方向に向かい、対物レンズ3によってコリメート光に変換され、検出器に戻る。試料13から発生した蛍光の他の部分は、反射型回折格子14の方向に向かう。試料13からの化学発光の光の光路も、蛍光の光路と同様である。反射型回折格子14は、同心円状に形成される。反射型回折格子14は、蛍光または化学発光の光を、試料13の位置、すなわちウエル12の底部に反射させるように設計する。試料13を透過した蛍光または化学発光の光は、対物レンズ3の方向に向かい、対物レンズ3によってコリメート光に変換され、検出器に戻る。このようにして、従来のバイオチップにおいては、検出器に向けられていなかった蛍光または化学発光の光が、検出器に向けられ、検出感度が向上する。
【0044】
図3において、実線は、試料励起光の光路を示す。点線は、試料13から発生した蛍光または化学発光の光であって、反射回折格子14によって、試料13の位置に反射されたものを含む光の光路を示す。また、図3において、θは対物レンズの集光角度(全角)を示す。
【0045】
一般的に、回折格子の格子間隔は回折角を決定する。本実施形態においては、ウエル12の底部に光線が戻るように格子間隔を決定する。また、格子深さは、どの回折次数にどれだけエネルギーを分配するかを決定する。本実施形態においては、1次回折光を利用するので、1次回折光のエネルギーが最大となるように格子深さを決定する。ブレーズ化反射型回折格子の場合に、1次回折光のエネルギーが最大となるように格子深さは、以下のとおりである。
【0046】
λ/(2n)
ここで、は光の波長であり、nは、基板の屈折率である。また、格子の細部の形状については、光路から光路差関数を求め、形状関数に変更することによって求める。
【0047】
図4は、本実施形態で使用した反射型回折格子14の形状を示す。上述のように、反射型回折格子14は、同心円状に形成される。横軸は、同心円の中心からの距離を示す。縦軸は、格子深さを示す。格子深さは、200ナノメータである。ここで、基板はガラスを使用し、屈折率は、1.516である。光の波長は、570ナノメータおよび665ナノメータの2波長に対して最適化している。
【0048】
本実施形態では、1次回折光を利用したが、より高次の回折光を利用しても同様に反射型回折格子14を設計することができる。
【0049】
反射型回折格子14は、基板がガラス素材の場合にはインプリンティングによって、基板がプラスチック素材の場合には射出成型または切削によって製作する。
【0050】
反射型回折格子14の格子面は、金属または誘電体多層膜でコートする。コートは基板の全面に行っても、反射型回折格子14の位置だけに行ってもよい。金属コートの場合には、金やアルミで1層コートする。金の物理膜厚は数百ナノメータ以上であればよい。本実施形態では、300ナノメータである。金コートによる反射特性を図5に示す。横軸は波長、縦軸は反射率を示す。誘電体多層膜コートの場合は、屈折率の高い誘電体膜と屈折率の低い誘電体膜を交互に積層することにより、高効率の反射膜が得られる。本実施形態の場合には、物理膜厚は2.2μmであり、低屈率折材料としてSiO2、高屈折率材料としてTi3O5を使用し、21層構造としている。各層の膜厚は、所望の波長の反射特性を高くするように最適化する。本実施形態の誘電体多層膜コートによる反射特性を図6に示す。横軸は波長、縦軸は反射率を示す。570ナノメータおよび665ナノメータの2波長の付近で反射率がピークとなっている。
【0051】
図7は、反射型回折格子14の代わりにフレネル反射面16を使用した実施形態を示す。フレネル反射面は、以下の式で表せる面を、hを半径とする輪状のゾーン(輪帯)に分割し、それらのゾーンを平面基板上に配置したものである。
【数1】
【0052】
ここで、cは曲率、Rは曲率半径、kはコーニック定数、Aiは非球面係数を示す。本実施形態では、kはゼロとする。他の数値は、以下に示すとおりである。これらの数値は、ウエル12の底部に光線が戻るように定められている。
【表1】
【0053】
図8は、反射型回折格子14の代わりに反射球面17を使用した実施形態を示す。反射球面17の仕様を以下の表に示す。
【表2】
【0054】
図9は、反射球面の有効径2a、有効径2aに対するサグ量bを示す。これらの数値は、ウエル12の底部に光線が戻るように定められている。反射球面の代わりに、放物面、楕円面、双曲面、4次曲面などの反射非球面を使用することもできる。
【0055】
フレネル反射面16および反射球面17も、反射型回折格子14を使用する場合と同様に、金属または誘電体多層膜でコートする。
【0056】
ここで、ウエル12の形状について説明する。本発明においては、反射部材14、16または17の形状は、ウエル12の底部に配置された試料13から発生した蛍光または化学発光の光が、ウエル12の底部に向けて反射されるように設計される。したがって、本発明においては、試料13が、ウエル12の底部の狭い領域に集中して配置されるのが好ましい。このため、ウエル12の形状は、たとえば、断面が半円状のものすなわち半球状のものよりも、図2に示すような、断面が三角形または台形状のもの、すなわち円錐状または円錐台状のものの方が有利である。また、円錐または円錐台の側面の傾きは、集光角度にしたがって定めるのが好ましい。
【0057】
ここで、対物レンズ3の集光角度は、半角11度、全角22度、対物レンズ3と基板11の対物レンズ側との距離は4.3mm、基板11の厚さは1.0mm、ウエル12の基板11面上の半径は0.3mm、ウエル12の深さは0.4mm、ウエル12の底面の半径は0.16mm、反射部材14、16または17の外周円の直径は0.3mmである。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の1実施形態によるバイオチップ読み取り装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の1実施形態によるバイオチップの構成を示す図である。
【図3】本発明の反射型回折格子の設計の考え方を示す光路図である。
【図4】本実施形態で使用した反射型回折格子の形状を示す図である。
【図5】金コートによる反射特性を示す図である。
【図6】本実施形態の誘電体多層膜コートによる反射特性を示す図である。
【図7】本発明のフレネル反射面の設計の考え方を示す光路図である。
【図8】本発明の反射球面の設計の考え方を示す光路図である。
【図9】反射球面の形状を示す図である。
【図10】従来のバイオチップ読み取り装置の構成を示す図である。
【図11】従来のバイオチップの構成を示す図である。
【符号の説明】
【0059】
1 光源
2 ダイクロックミラー
3 対物レンズ
4 バイオチップ
5 検出器
11 基板
12 ウエル
13 試料
14 反射型回折格子
15 反射膜
16 フレネル反射面
17 反射球面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の面に試料を備え、当該試料に関し、試料が発生する蛍光または化学発光による光の検出器と反対側であって、当該試料に対応する位置に反射部材を備える基板を含むバイオチップ。
【請求項2】
反射部材が、試料が発生する蛍光または化学発光による光を試料の位置に反射するように構成された請求項1に記載のバイオチップ。
【請求項3】
反射部材によって反射された、試料が発生する蛍光または化学発光による光が、試料の位置に反射された後、試料の位置を集光位置とする対物レンズを通過して検出器に至るように構成された請求項1または2に記載のバイオチップ。
【請求項4】
反射部材が基板の、試料を備えた面と反対側の面に形成された請求項1から3のいずれかに記載のバイオチップ。
【請求項5】
基板がガラス素材またはプラスチック素材からなる請求項1から4のいずれかに記載のバイオチップ。
【請求項6】
反射部材の面を金属膜でコートした請求項1から5のいずれかに記載のバイオチップ。
【請求項7】
反射部材の面を誘電体多層膜でコートした請求項1から5のいずれかに記載のバイオチップ。
【請求項8】
試料が基板の前記一方の面に設けられたウエルに配置される請求項1から7のいずれかに記載のバイオチップ。
【請求項9】
ウエルが、底面に近づくほど細くなっている円錐または円錐台形状である請求項1から8のいずれかに記載のバイオチップ。
【請求項10】
試料励起光が対物レンズによってウエルの底部に集光されるように構成されている場合に、ウエルの円錐または円錐台の側面の傾きを、集光角度にしたがって定める請求項9に記載のバイオチップ。
【請求項11】
反射部材が反射型回折格子である請求項1から10のいずれかに記載のバイオチップ。
【請求項12】
mは1以上の整数として、反射型回折格子が、m次反射回折光の回折効率を最大とするように構成された請求項11に記載のバイオチップ。
【請求項13】
反射部材がフレネル反射面を含む請求項1から10のいずれかに記載のバイオチップ。
【請求項14】
反射部材が反射球面または反射非球面を含む請求項1から10のいずれかに記載のバイオチップ。
【請求項15】
試料励起光の光源と、試料励起光を反射させ、試料からの蛍光を透過させるダイクロックミラーと、試料励起光を試料の位置に集光させる対物レンズと、一方の面に試料を備え、当該試料に関し試料励起光の光源と反対側であって、当該試料に対応する位置に反射部材を備える基板を含むバイオチップと、試料からの蛍光を検出する検出器とを備えるバイオチップ読み取り装置。
【請求項16】
反射部材が、試料からの蛍光を試料の位置に反射するように構成された請求項15に記載のバイオチップ読み取り装置。
【請求項17】
反射部材によって反射された蛍光が、試料の位置に反射された後、対物レンズを通過して検出器に至るように構成された請求項15または16に記載のバイオチップ読み取り装置。
【請求項18】
反射部材が反射型回折格子である請求項15から17のいずれかに記載のバイオチップ読み取り装置。
【請求項19】
mは1以上の整数として、反射型回折格子が、m次反射回折光の回折効率を最大とするように構成された請求項18に記載のバイオチップ読み取り装置。
【請求項20】
反射部材がフレネル反射面を含む請求項15から17のいずれかに記載のバイオチップ読み取り装置。
【請求項21】
反射部材が反射球面または反射非球面を含む請求項15から17のいずれかに記載のバイオチップ読み取り装置。
【請求項1】
一方の面に試料を備え、当該試料に関し、試料が発生する蛍光または化学発光による光の検出器と反対側であって、当該試料に対応する位置に反射部材を備える基板を含むバイオチップ。
【請求項2】
反射部材が、試料が発生する蛍光または化学発光による光を試料の位置に反射するように構成された請求項1に記載のバイオチップ。
【請求項3】
反射部材によって反射された、試料が発生する蛍光または化学発光による光が、試料の位置に反射された後、試料の位置を集光位置とする対物レンズを通過して検出器に至るように構成された請求項1または2に記載のバイオチップ。
【請求項4】
反射部材が基板の、試料を備えた面と反対側の面に形成された請求項1から3のいずれかに記載のバイオチップ。
【請求項5】
基板がガラス素材またはプラスチック素材からなる請求項1から4のいずれかに記載のバイオチップ。
【請求項6】
反射部材の面を金属膜でコートした請求項1から5のいずれかに記載のバイオチップ。
【請求項7】
反射部材の面を誘電体多層膜でコートした請求項1から5のいずれかに記載のバイオチップ。
【請求項8】
試料が基板の前記一方の面に設けられたウエルに配置される請求項1から7のいずれかに記載のバイオチップ。
【請求項9】
ウエルが、底面に近づくほど細くなっている円錐または円錐台形状である請求項1から8のいずれかに記載のバイオチップ。
【請求項10】
試料励起光が対物レンズによってウエルの底部に集光されるように構成されている場合に、ウエルの円錐または円錐台の側面の傾きを、集光角度にしたがって定める請求項9に記載のバイオチップ。
【請求項11】
反射部材が反射型回折格子である請求項1から10のいずれかに記載のバイオチップ。
【請求項12】
mは1以上の整数として、反射型回折格子が、m次反射回折光の回折効率を最大とするように構成された請求項11に記載のバイオチップ。
【請求項13】
反射部材がフレネル反射面を含む請求項1から10のいずれかに記載のバイオチップ。
【請求項14】
反射部材が反射球面または反射非球面を含む請求項1から10のいずれかに記載のバイオチップ。
【請求項15】
試料励起光の光源と、試料励起光を反射させ、試料からの蛍光を透過させるダイクロックミラーと、試料励起光を試料の位置に集光させる対物レンズと、一方の面に試料を備え、当該試料に関し試料励起光の光源と反対側であって、当該試料に対応する位置に反射部材を備える基板を含むバイオチップと、試料からの蛍光を検出する検出器とを備えるバイオチップ読み取り装置。
【請求項16】
反射部材が、試料からの蛍光を試料の位置に反射するように構成された請求項15に記載のバイオチップ読み取り装置。
【請求項17】
反射部材によって反射された蛍光が、試料の位置に反射された後、対物レンズを通過して検出器に至るように構成された請求項15または16に記載のバイオチップ読み取り装置。
【請求項18】
反射部材が反射型回折格子である請求項15から17のいずれかに記載のバイオチップ読み取り装置。
【請求項19】
mは1以上の整数として、反射型回折格子が、m次反射回折光の回折効率を最大とするように構成された請求項18に記載のバイオチップ読み取り装置。
【請求項20】
反射部材がフレネル反射面を含む請求項15から17のいずれかに記載のバイオチップ読み取り装置。
【請求項21】
反射部材が反射球面または反射非球面を含む請求項15から17のいずれかに記載のバイオチップ読み取り装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−98213(P2006−98213A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−284624(P2004−284624)
【出願日】平成16年9月29日(2004.9.29)
【出願人】(597073645)ナルックス株式会社 (38)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月29日(2004.9.29)
【出願人】(597073645)ナルックス株式会社 (38)
【Fターム(参考)】
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