説明

バイオマスから炭化水素および酸素含有化合物を製造する方法

1−C5アルコールを製造するための、高級アルコール、および他の酸素含有化合物を合成するための、プラント由来の炭水化物基質の発酵で使用できる方法。C6以上アルコールは直接生化学経路によって得られないので、合成の原材料が本発明の方法によって得られたバイオガスおよび低級C2−C5アルコールであり、場合により酵母自己分解物質から得られたアミノ酸ロイシン、イソロイシン、およびバリン、またはその混合物が発酵の段階で生体触媒として使用される、既知の化学反応を使用してこれらを合成することが提案される。バイオガスを得るためにC2−C5アルコール製造の廃棄物を使用することも提案される。方法は、以下の問題:炭水化物基質の発酵におけるC2−C5アルコールの収率を大幅に上昇させること;C2−C5アルコール製造に関する発酵の生産性を1.5〜2.0倍に向上させること;タンパク質含有廃棄物をC2−C5アルコール製造に利用すること、高級酸素含有化合物および炭化水素の製造において、バイオマス利用の最高の効率に到達することへの解決策を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に生化学および化学工業に、さらに詳細にはC1−C5アルコールを製造するための、そして高級アルコール、他の酸素含有化合物および炭化水素の合成のためはもちろんのこと、バイオマスからのモーター燃料成分の製造のための、植物起源の炭水化物基質の発酵に使用できる方法に関する。C6以上のアルコール、エーテル、アセタールおよび高級炭化水素は直接の生化学経路によって入手できないため、既知の化学反応を使用してこれらを合成することが提案され、ここで発酵の副生成物は前記合成の原材料としてである。
【背景技術】
【0002】
炭水化物の発酵によってアルコールおよび他の酸素含有化合物を得ることはずっと以前から既知であり[Brief Chemical Encyclopaedia,Moscow,1967]、主にエタノールを製造するために工業的に使用されている。しかしながら、エタノールの生化学的製造の最も進化した工程でさえ、供給源の炭水化物基質のほぼ半分を最終市販アルコールに変換するにすぎない。炭水化物の残りの部分は、微生物の生体機能を維持するために使用され、二酸化炭素へ変換される。他のアルコールまたは他の酸素含有化合物、たとえばケトンまたは酸に関して言えば[H.G.Schlegel.Allgemeine Mikrobiologie,1985]、既知の生化学プロセスは、原材料の最終製品への、なおさらに低い程度までの変換を可能にする。これらの工程での炭水化物基質のかなりの部分は、副生成物に変換される。生化学的方法によって炭化水素を得ることも、ずっと以前から周知である[H.G.Schlegel.Allgemeine Mikrobiologie,1985]。しかしながら、畜産業の廃棄物の発酵または細菌によるバイオマスの分解で得られたバイオガスは、主にメタンを含有する。 次にバイオマスから発生する合成ガスからの炭化水素および酸素含有化合物の製造も問題があるように思われる。現在、バイオマスから得られた合成ガスを使用して炭化水素および酸素含有化合物を製造するための工業プロセスはない。石炭、石油および天然ガスから得られた合成ガスは、酸素含有化合物を製造するために工業的に使用される[Re−action of hydroformylation,Kirk−Othmer Encyclopaedia,3rd edition,v. 19,N.Y.,1982]。これらのプロセスは、前記材料を起源とするアルデヒド、アルコールおよび多くの他の酸素含有化合物を製造する工業によって幅広く使用されている。合成ガスから炭化水素を製造する方法も周知であり、工業的に使用されている[Fisher−Tropsch reaction,Kirk−Othmer Encyclopaedia,3rd edition,v.19,N.Y.,1982]。しかしながら、これらのプロセスにおいて生化学原材料から得られた合成ガスを使用することについて何も知られていない。
【0003】
たとえば、より高速の発酵または炭水化物基質のより幅広い利用を特徴とする新しい種類の微生物の導入によって、発酵の連続プロセスまたは細胞固定化のプロセスを使用することによって、あるいは新しいおよび伝統的な種類の原材料の効果的処理によって、エチルアルコールの製造を強化する各種の方法があり、原材料の範囲の拡張および原材料成分のより深い同化を提供する。これらの方法における発酵プロセスの生産性は、1時間につき発酵槽体積1立方メートル当たり10〜15リットルに達することが可能であり、発酵の比速度は、1時間につき酵母バイオマス1グラム当たりエタノール2.5〜3.0リットルに達することが可能であり、発酵炭水化物からのエタノールの収率は重量に関して49〜50%に達した(理論値は51%である)。
【0004】
従来技術は、アルコール発酵のための穀物デンプン含有原材料の調製方法を開示している(RU2145354,C12P7/06,1998)。方法は、混和材料からの穀物の除去、水との混合、熱処理、酵素、酸の添加および糖化を含む。除去の後、穀物は粉状核および穀皮に分けられる。原材料のさらなる加工は、2つの流れで実施する:粉状核を水と混合して、水分が19〜21%質量部に達するようにする。押出によって熱的に処理する。次に水との混合後に、デンプン分解酵素および酸を使用する特定の酵素について最適pH値を提供する量で添加する。これに糖化が続き、その後に穀皮を21〜23%の質量含水率までの水と混合し、少なくとも2質量%のアルカリを添加する。次に材料を、使用した特定の酵素の最適pH値を提供する量での酸を添加して、熱的に処理する。次にセルロース分解酵素を添加して、糖化を実施する。その後、両方の流れをまとめて、発酵に送達する。
【0005】
穀物原材料からエチルアルコールを製造するための既知の方法がある(RU 2127760,C12P7/06,1997)。方法は以下のステップを規定する:穀物から穀皮を除去して、破砕し、液体画分と混合して、熱的に処理してから、デンプンの酵素加水分解を実施するデンプン分解酵素を添加し、塊を滅菌して、冷却し、酵素複合種を添加して、糖化を続けて、発酵温度まで冷却する。得られた麦汁マッシュを蒸留して、エチルアルコールおよび蒸留所廃物を得る。得られた蒸留所廃物の全量を2つの流れに分割して、その一方をさらに2つの流れに分割し、その一方を穀皮から分離された穀物の熱処理の段階に転送して、そこでそれを水との混合物中の液相として使用する;発酵の開始後の15〜16時間後、もう一方の流れは、別個の流れでの発酵段階にて発酵培地体積の15〜20%の量で塊を発酵させる各発酵槽に送達される。蒸留所廃物の残りの流れを、飼料製品として使用するための分離した穀皮を含む混合物中で、工程から取り出す。
【0006】
上述の方法の欠点は、その低い発酵の比速度(1.5〜2.0l/kg*h)およびC3−C5アルコールの低い収率である。C3−C5アルコール(フーゼル油)は、プラント原材料からのエタノール製造の副生成物である。既知の方法によるエタノール製造におけるC3−C5アルコールの収率は、エタノール0.2〜0.6%である。食用グレードのエタノール製造において、C3−C5アルコールは望ましくない混和材料であり、精留および精製によって完全に除去するべきである。原材料調製に始まり、精留で終わる、食用グレードエタノール製造の工程での技術的手段はすべて、フーゼル油の生成を最小限に抑えることまたはその完全な除去を目的としている。
【0007】
続いての制限された加工および使用のためにフーゼル油を収集および貯蔵することは、その低い収率のために好都合ではない。フーゼル油利用の最新の方法は、燃料油を用いた混和材料におけるバーナーでのその焼却(Klimovski D.I,Smirnov
V.N.”Alcohol Technology,Moscow,1967)あるいは精留ユニットでの蒸留による、イソアミルアルコールを製造するための原材料としてのフーゼル油の使用(Russian patent RU 2109724,C07C 31/125,1996)のどちらかを提案している。近年、プラント由来の炭水化物から燃料グレードエタノールを製造する方法は、非常に重要性が高まってきた。プラント由来の炭水化物基質の発酵生成物:内燃エンジン用のモーター燃料またはモーター燃料の成分としてのエチルアルコールおよびC3−C5アルコールを使用するための、各種の既知の方法がある。この場合、エチルアルコールは主に燃料成分として使用されるが、これに対してC3−C5アルコールは、燃料のオクタン価向上添加剤として、またはディーゼル燃料を得るための化学合成における成分として使用される(Russian Patent 2155793,ClOL1/18,2000”High octane additive for obtaining automotive gasoline”,Russian Patent RU 2106391,C10L 1/18,1995”Composition of hydrocarbon fuel”)。
【0008】
上記に照らして、C3−C5アルコールの収率が向上したエチルアルコール製造は、「グリーン」炭水化物原材料を加工することによって製造された各種のモーター燃料の範囲を拡張する可能性を提供する。発酵で得られるフーゼル油の全収率は、炭水化物基質の品質および発酵方法によって変わり、一般に絶対エチルアルコールの0.2〜0.6%である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の要約)
バイオマスまたはバイオマスに由来する生成物から炭化水素および酸素含有化合物を得るための新しい方法を開発した。工程は複数のステップで実施され、前記アルコールから不飽和炭化水素を製造するためのメタン、二酸化炭素、アセトアルデヒド、アセトン、低級C1−C5アルコール、およびグリセリンの生合成、メタンおよび二酸化炭素の使用を含む合成ガスの取得、不飽和炭化水素と合成ガスとの相互作用、得られたアルデヒドの縮合、得られた不飽和アルデヒドのアルコールへの水素添加、ならびに飽和アルコールの飽和炭化水素への変換も含む。それ以外にアルデヒドは酸の取得に使用可能であり、酸は次にエステルに変換される。アルデヒドは、アセタールの合成にも使用できる。アルコールはエーテルに変換することもできる。その上、生合成で得られたC1−C5アルコールおよびグリセリンは最初にアルデヒドに変換することが可能であり、次にこれが高級不飽和アルデヒドに縮合されて、続いて高級飽和アルコールへと水素添加される。
【0010】
本発明は、生化学および化学工業に関し、C1−C5アルコールを製造するための、そして高級アルコール、他の酸素含有化合物および炭化水素の合成のためはもちろんのこと、バイオマスからのモーター燃料成分の製造のための、プラント由来の炭水化物基質を発酵させる方法で使用できる。
【0011】
6以上のアルコール、エーテル、アセタールならびに高級炭化水素は、直接生化学経路によって取得できず、既知の化学反応を使用してこれらを合成することが提案されており、ここで前記合成の供給源原材料は:
−バイオマス発酵で得られた二酸化炭素から、アルコール抽出後のアミノ酸含有蒸留所廃物の発酵で得られたメタンから、および/または木材の加工、穀物の製造、または植物油の製造を含む、バイオマス加工で得られた各種の生成物および廃棄物から、製造された合成ガス;
−発酵段階での生体触媒としてアミノ酸を使用する本発明の方法によって製造されたC1−C5アルコール。アミノ酸は、アスパラギンおよびアンモニウムの分離後に酵母自己分解物質から抽出されたロイシン、イソロイシン、バリン、またアミノ酸の混合物を含む;−本発明の方法によって、および/または脂質の鹸化によって製造されたグリセリン。モーター燃料製造の目的を含めて、再生可能原材料の利用度を向上させるために高級炭化水素および酸素含有化合物の製造にグリセリンを使用することが提案されている;
−本発明の方法によって製造されたアセトアルデヒドおよびアセトン;
である。
【0012】
アルデヒドへのアルコール酸化およびアルデヒドの脂肪酸への工程において、二酸化炭素または二酸化炭素および酸素の混合物を使用することが提案される。アルデヒド縮合の段階において、高級炭化水素の収率を向上させるために、我々はアルコールから得られたアルデヒド以外に、ペントサン含有原材料の加水分解によって得られたフルフラールを使用することを提案する。エーテル化の段階において、高級エステルの収率を向上させるために、我々は、アルデヒドから得られた脂肪酸、生合成によって製造されたC2−C6脂肪酸はもちろんのこと、脂質の鹸化で得られた、そしてトール油から抽出した酸と共に使用
することを提案する。高級エステルの収率を向上させるために、我々はエーテル化段階でテルペンを使用することも提案する。
【0013】
炭化水素および酸素含有化合物の合成においてバイオマス変換度を向上させるために、我々は、バイオマスの酵素処理で得られた二酸化炭素または二酸化炭素および水素の混合物を使用してメタノールを製造することを提案する。二酸化炭素から得られたメタノールは次に、高級炭化水素および酸素含有化合物の製造に送達される。
【0014】
炭化水素および酸素含有化合物の合成におけるバイオマス変換度を向上させるために、バイオマスの酵素処理で得られた二酸化炭素を使用することが提案される。二酸化炭素以外に、前記酸化炭素製造は、穀物製造の廃棄物、木材加工、芝生、およびセルロース含有原材料の加水分解で得られたリグニンを使用できる。
【0015】
合成ガスの製造は、原材料として、穀物、植物油の製造の廃棄物、パルプおよび木炭を含む木材加工の廃棄物はもちろんのこと、C1−C5アルコール生合成、アセトアルデヒド、アセトン,C2−C6酸の生合成で得られた副生成物および廃棄物、そして上記酸素含有化合物の化学処理で得られた副生成物も使用できる。以下:バイオマス熱分解で得られたガス状および液状生成物、フルフラール、テレビン油、コロホニー、トール油、フーゼル油、植物油、および前記生成物の加工で得られた廃棄物は、合成ガスの製造に使用できる。
【0016】
合成ガスの製造のために、発酵の段階から、または各種のバイオマス、および既知の方法によって水から得られた水素から本発明の方法によって得られた酸化炭素を使用することも提案されている。
【0017】
Fisher−Tropsch法によって、ヒドロホルミル化に基づく方法によって、炭化水素および酸素含有化合物を得るための本発明の方法により製造された合成ガスを使用することが提案されている。
【0018】
もちろん、バイオマスまたはバイオマスに由来する生成物から炭化水素および酸素含有化合物を製造するための本発明の方法は、非生物由来のある供給源化合物を使用することを可能にする。たとえば合成ガスの製造において、生合成で得られた二酸化炭素と共に、石油、天然ガスまたは石炭に由来する水素を使用できる。しかしながら最も大きな効果は、供給源化合物が再生可能原材料に由来する物質であるときに達成される。これは、現在十分な程度まで使用されていないが、埋蔵量が連続的に減少している石油、ガスおよび石炭とは対照的に本来、連続的に再生される原材料から人間の生命活動に必要な生成物を得る可能性である。
【0019】
本発明は、以下の問題を解決することを目指している:
−C3−C5アルコールの収率を向上させること;
−炭水化物基質発酵の比速度を向上させること;
−アルコール製造のタンパク質含有廃棄物を利用すること;
−バイオマスから、生化学方法によって得られた原材料を使用して、分子中にC4以上の炭素原子を有するものを含めて、高級酸素含有炭化水素および非酸素含有炭化水素を製造すること;
−前記製造において、低級アルコール、酸および炭化水素の生合成で得られた二酸化炭素;脂質の鹸化で得られたグリセリン;ペントサン含有原材料の加水分解で得られたフルフラール;生合成、脂質鹸化で得られた、ならびに木材の熱分解で得られたトール油、樹脂およびガスから抽出された、脂肪酸を利用すること;
−バイオマスからのモーター燃料製造のための、高級アルコール、他の酸素含有化合物
、および高級炭化水素の合成へのバイオマスの直接利用率を向上させること。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
(発明の詳細な説明)
炭水化物基質の発酵のための本発明の方法は、C3−C5アルコールの収率をエチルアルコール0.65〜3.1%のレベルまで上昇させ、同時に炭水化物基質の発酵の比速度を4.0l/kg*hまで上昇させる。これは以下のように実施される。
【0021】
アルコール発酵を実施する間、炭水化物基質に無機栄養源、すなわち窒素含有およびリン含有塩を添加することが必要である。これらの添加剤は、酵母栄養の必要な要素であり、発酵の途中で増殖するバイオマス細胞の蓄積に関与する。
【0022】
従来、基質中の窒素濃度は50〜600mg/lであり、炭水化物の濃度によって変わる。従来技術において、無機塩、たとえば硫酸アンモニウム、アモフォス(ammophos)、または尿素は、 アルコール発酵を実施する酵母の窒素栄養として使用される。
【0023】
本発明者らは、酵母が、酵母培養物の迅速な発育およびアルコール発酵の高い速度を決定する無機塩の窒素よりも、アミノ酸の窒素を早く同化することを見出した。
【0024】
プラント由来の炭水化物基質の発酵のための本発明の方法は、アミノ酸のロイシン、イソロイシンまたはバリン、あるいはその混合物は、炭水化物基質の調製のための窒素含有成分として、基質中のアミノ窒素の含有率120〜420mg/lを提供する量で使用されることを特徴とする。方法はさらに、4.01/kg/時までのアルコール発酵の比速度と、エチルアルコール0.65%〜3.1%の量のC3−C5アルコール収率での、基質の炭水化物の続いての発酵を特徴とする。使用した炭水化物基質は、ビートまたはサトウキビ糖液、デンプン含有またはセルロース含有植物材料の酸または酵素加水分解物である。
【0025】
糖液の炭水化物の発酵で得られたアルコール酵母は、5〜10%の乾燥物質含有率まで濃縮して、濃縮工程中に水で洗浄し、自己分解によって45〜55℃にて24〜48時間処理した。アミノ酸のバリン、ロイシンおよびイソロイシンを含有し、アミノ窒素含有量が3000〜8000mg/lである、得られた自己分解物質は、炭水化物基質を発酵させるための酵母の窒素栄養源として使用する。
【0026】
デンプン含有植物材料の発酵で得られた、アルコールの抽出後の蒸留所廃物の懸濁物質は、5〜10%の乾燥物質含有率まで濃縮可能であり、pH=2〜pH=8および30〜60℃の温度での、タンパク質分解酵素調製物、たとえばエンドペプチダーゼを含むプロテアーゼ:アミノペプチドアミノ酸ヒドロラーゼ、カルボキシペプチド−アミノ酸ヒドロラーゼ;およびエンドペプチダーゼ:ジペプチドヒドロラーゼおよびペプチド−ペプチドヒドロラーゼを使用する、アルコールを含まない蒸留所廃物のタンパク質の酵素加水分解、または0.2〜0. 5%硫酸または塩酸を使用する、40〜90℃でのアルコールを含まない蒸留所廃物のタンパク質の酸加水分解のどちらかが続く。アミノ酸のバリン、ロイシンおよびイソロイシンをアミノ窒素含有量2000〜6000mg/lで含有する、得られたアミノ酸加水分解物は次に、炭水化物基質の発酵での酵母の窒素栄養として使用できる。
【0027】
あるいは、セルロース含有植物材料の、および微生物のバイオマスの、セルロースのバイオマスに対する比が20: 1〜100:1の複合酸加水分解が実施できる。炭水化物3〜20%およびアミノ窒素50〜600mg/lを含有する、得られた加水分解物は、炭水化物のアルコール発酵に使用される。
【0028】
アルコールの抽出後、蒸留所廃物の水溶性物質は、酵母の通気培養に使用できる;得られた酵母を乾燥物質含有率5〜10%まで濃縮して、45〜55℃にて24〜48時間の間、自己分解によって処理する。アミノ酸のバリン、ロイシンおよびイソロイシンをアミノ窒素濃度3000〜8000mg/で含有する、得られた自己分解物質は、炭水化物基質の発酵における酵母の窒素栄養として使用する。
【0029】
アミノ酸のバリン、ロイシン、およびイソロイシンを炭水化物基質中のアミノ窒素の含有量120〜420mg/lを提供する量で含有する、酵母のアミノ酸自己分解物質であって、酵母の通気培養にてペントース含有蒸留所廃物によって得られる自己分解物質は、アルコールの抽出後に、炭水化物基質の発酵において窒素栄養として使用できる;得られた酵母を乾燥物質含有率5〜10%まで濃縮して、濃縮の間に水で洗浄し、45〜55℃にて24〜48時間の間、自己分解によって処理する。アミノ窒素3000〜8000mg/lを含有する、そのように得られた自己分解物質を、炭水化物基質の発酵における酵母の窒素栄養として使用する。
【0030】
アスパラギンおよびアンモニウム塩の抽出後、酵母タンパク質の自己分解物質、蒸留所廃物のタンパク質の酸または酵素加水分解物は、炭水化物基質の発酵において窒素栄養として使用される。
【0031】
3−C5アルコールの生成は、遊離アンモニアの生成を伴う、酵母細胞中のアミノ酸の脱アミノ化工程の活性機能化の結果である。我々は、アルコール発酵の工程におけるC3−C5アルコールの生成は、増殖する細胞によるアミノ酸のバリン、ロイシン、およびイソロイシンからの窒素の同化によって決定されることを証明してきた。C3−C5アルコールの収率は、純粋なバリン、イソロイシン、およびロイシンが本発明の発酵工程での酵母の唯一の窒素栄養である場合に、エタノール3.1%に達した。その上、アルコール発酵の本発明の工程におけるC3−C5アルコールの最大の生成は、培地pH=6.0および38℃にて発生した(アルコール発酵の標準条件 pH4.5〜5.5;温度28〜34℃)。
【0032】
基質中のアスパラギンおよびアンモニウムイオンの存在は、アミノ酸のバリン、ロイシン、およびイソロイシンに加えて、C3−C5アルコールの生成を阻害することが見出されている。他のアミノ酸は、C3−C5アルコール生成の工程を阻害しない。系ロイシン−硫酸アンモニウムの阻害定数は750mg/l、ロイシン−アスパラギン730mg/l、バリン−アスパラギン650mg/lである。
【0033】
酵母のアミノ酸自己分解物質を使用したとき、C3−C5アルコールの最大収率は、エタノール1.1〜2.1%に達し、醸造かすのアミノ酸タンパク質加水分解物を使用したときに、C3−C5アルコールの最大収率はエタノール0.65〜0.8%であった。酵母自己分解物質または蒸留所廃物タンパク質加水分解物を使用するときのC3−C5アルコールの比較的低い収率は、アスパラギンの存在の結果である。
【0034】
炭水化物基質からのエチルアルコール製造の廃棄物は:発酵工程中に増加する、アルコール酵母のバイオマス;基質の非発酵性溶解性有機成分、たとえばペントース糖、有機酸、ヘキソースおよびエタノール残留物;穀物の非溶解性タンパク質成分などである。
【0035】
製パン用酵母、飼料タンパク質およびアミノ酸生成物を製造するための前記廃棄物の利用についての既知の方法がある。
【0036】
アルコール酵母または基質の非発酵性有機成分を使用した通気培養で得られた酵母のバ
イオマスは、自己分解の既知の方法によってアミノ酸を得るために使用できる。エチルアルコール製造の非溶解性タンパク質廃棄物は、タンパク質の酵素または酸加水分解の既知の方法によってアミノ酸を得るためにも使用できる。
【0037】
イオン交換の既知の方法による、アミノ酸混合物からのアンモニアおよびアスパラギンの抽出は、酵母自己分解物質または加水分解物、蒸留所廃物の酸または酵素加水分解物を炭水化物基質発酵工程での酵母の窒素栄養として使用するときに、C3−C5アルコールの収率をエタノールに関して向上させるために使用できる。
【0038】
3−C5アルコールの総含有率は、アンモニアおよびアスパラギンを含まない酵母自己分解物質、あるいは蒸留所廃物タンパク質の酵母加水分解物および酸または酵素加水分解物がエタノール製造における炭水化物基質発酵工程での窒素栄養として使用されるときに、エタノール0.8〜2.1%から2.2〜2.95%に向上する。
【0039】
アセトンおよびグリセリン生合成の工程において、C3−C5アルコールの収率を向上させるためにエタノールの生合成において本発明に従って使用される方法と類似した、炭水化物基質調製の段階において、窒素含有成分として酵母または蒸留所廃物タンパク質から抽出されたものを含めて、アミノ酸のロイシン、イソロイシン、バリンまたは前記酸の混合物を使用する方法が提案される。
【0040】
炭化水素および酸素含有化合物の合成でのバイオマス変換率を向上させるために、メタン生合成には、アルコール抽出後の酵母の自己分解または加水分解で製造された過剰なアミノ酸を含有する蒸留所廃物を使用することが提案される。メタンは、嫌気条件下でメタン生成細菌を使用して得られるはずである。
【0041】
1−C5アルコールの収率を向上させるために、生合成において脂質の鹸化から得られたグリセリンをn−プロパノールに処理することが提案される。高級アルコールの収率を向上させるために、水素添加による前記グリセリンのn−プロパノールへの処理において、生合成の結果として得られたグリセリンに加えて、植物および動物脂質を使用することが提案される。グリセリンおよび植物および/または動物脂質の混合物の、n−プロピルアルコール、高級C6−C20アルコールおよびC6以上の炭化水素の混合物への工程は、銅−クロム、亜鉛−クロム、ニッケル−クロム触媒の存在下で、300±100℃および10〜30MPaの圧力にて、バイオマスから得られた水素によって実施できる。本工程は、貴金属、たとえばPt、Pd、Re、Ru、Rhを含む触媒の存在下で、200±50℃および5〜20MPaの圧力においても実施できる。
【0042】
本発明の方法によって製造したC1−C5アルコールを高級アルコール、エステルおよび酸に縮合することが提案される。縮合は、100〜400℃の温度および0.1〜10MPaの圧力にて、アルカリ金属または苛性アルカリのアルコラートの存在下で実施できる。
【0043】
炭化水素および酸素含有化合物の合成においてバイオマス変換率を向上させるために、バイオマスの酵素処理で得られた二酸化炭素または二酸化炭素および水素の混合物を、メタノールの製造に使用することが提案される。バイオマスからおよび/または生合成で得られたアルコールの処理にて得られた水から得られた水素を使用することも提案される。水の変換は、既知の方法によって実施できる。バイオマスに由来する原材料を使用するメタノールの合成は、ZnO−Cr23触媒の存在下では350〜450℃の温度にて、CuO−ZnO−Al23(Cr23)の存在下では4〜6MPaの圧力および220〜280℃の温度にて実施できる。二酸化炭素から得られたメタノールは次に、高級炭化水素および酸素含有化合物の製造工程に送達される。
【0044】
炭化水素および酸素含有化合物の合成におけるバイオマス変換率を向上させるために、我々は、酸化炭素を製造するために、バイオマスの酵素処理において得られた二酸化炭素を使用することを提案する。上述の製造は二酸化炭素以外に、木材、リグニン、芝生を含むバイオマス熱分解のガス状生成物、穀物製造および木材処理の固体廃棄物、ならびにセルロース含有原材料の加水分解で得られたリグニンを使用できる。本工程は、固体粒子の沸騰または偽液化層を用いる工業用ガス発生器あるいは他の種類のガス発生器において実施できる。供給ガスは二酸化炭素および酸素の混合物である。反応温度は1000〜1500℃である。必要ならば、二酸化炭素製造工程は2〜6MPaの圧力にて実施できる。生物原材料から得られた酸化炭素は続いて、バイオマスから得られた水素および/または生合成において得られたアルコールの脱水にて得られた水から、または前記アルコールから得られたアルデヒドの縮合で得られた水から得られた水素と混合される。水の変換は、既知の方法によって実施される。このガス混合物は次に、高級アルコール、および他の酸素含有化合物を含む、炭化水素の合成に使用される。
【0045】
アルコールのアルデヒドへの酸化では、生合成工程で得られた二酸化炭素を使用することが提案される。アルコールのアルデヒドへの酸化は、450〜650℃の温度および0.05MPaの圧力にて、銀触媒Ag−Al23の存在下で実施される。既知の工程とは対照的に、180〜200℃に加熱されたC1−C5アルコールおよび二酸化炭素の蒸気−ガス状混合物が酸化へ送達される。この混合物の使用は、酸化酸素または酸素および二酸化炭素の混合物への使用に可能性を与える。我々は、低級アルコールから得られたアルデヒドとフルフラールとの縮合を、アルカリ溶媒中で0〜10℃にて実施することを提案する。低級C1−C5アルコールの酸化で得られた、アルデヒドのクロトン縮合で得られた不飽和アルデヒド、そしてまた、フルフラールと低級C1−C5アルデヒドとの縮合で得られた不飽和アルデヒドを、バイオマスから得られた水素および/またはアルコールの酸化またはアルデヒドの縮合で得られた水から得られた水素によって水素添加することがさらに提案される。水の変換は、既知の方法によって実施される。
【0046】
アルデヒドの脂肪酸への酸化では、我々は生合成で得られた二酸化炭素を使用することを提案する。アルデヒドの脂肪酸への酸化は、50〜250℃の温度および0.05〜0.5MPaの圧力にて酢酸マンガン触媒の存在下で実施する。既知の方法とは対照的に、50〜150℃に加熱したアルデヒドおよび二酸化炭素の蒸気−ガス混合物を酸化に供給する。前記混合物の利用は、酸化酸素または酸素および二酸化炭素の混合物のために使用する可能性を与える。本発明の方法によって得られた脂肪酸のエーテル化では、我々は本発明の方法によって製造されたC1−C5アルコールの混合物を使用すること、または前記アルコールから得られた不飽和C2−C5炭化水素の混合物を使用することを提案する。さらに、高級エステルの収率を向上させるために、我々は本発明の方法によって得られたエーテル化脂肪酸の段階において、生合成によって得られたC2−C6脂肪酸、およびまた脂質の鹸化から得られたおよびトール油から抽出された酸を使用することを提案する。我々は、気相中で100〜200℃の温度および0.5〜2.5MPaの圧力にて、スルホカチオナイト触媒の存在下で、または液相中で50〜200℃の温度および0.1〜0.5MPaの圧力にて、触媒としての非有機酸の存在下で、エーテル化を実施することを提案する。
【0047】
アセタールおよびケタールを得るために、アセトアルデヒド、アセトン、グリセリン、および本発明の方法によって製造されたC3−C5アルコール、生化学的方法によって製造されたエタノールの酸化で得られたアセトアルデヒドおよび生化学的方法によって製造された二酸化炭素によって合成されたメタノールの酸化で得られたホルムアルデヒドの混合物を使用することが提案される。液相中で0〜50℃の温度および0.1〜0.5MPの圧力にて、塩酸または硫酸あるいはこれらの酸の塩を触媒として使用して、アセタールお
よびケタール製造の工程を実施することが提案される。
【0048】
合成ガスを製造するために、穀物製造、植物油、パルプ製造および木炭の製造を含む木材加工の廃棄物、またC1−C5アルコール、グリセリン、アセトアルデヒド、アセトン、C2−C6酸の生合成で得られた副生成物および廃棄物、そして前記酸素含有化合物の化学処理で得られた副生成物および廃棄物を使用できる。合成ガスの製造では、各種のバイオマスおよび同じ製造の発酵段階にて得られた二酸化炭素または他のバイオ生成物の生合成で得られた二酸化炭素の発酵で得られたバイオガスを使用することも提案される。合成ガスを製造するために、生合成で得られた二酸化炭素以外に、木材の熱分解で得られたガスおよび樹脂、フルフラール、テレビン油、コロホニー、トール油、フーゼル油、植物油および上述の生成物の製造の廃棄物を使用することも可能である。合成ガス製造工程は、800〜1100℃の温度および0.1〜3MPaの圧力にてAl23担持NiO触媒の存在下で、または1450〜1550℃および2〜10MPaの圧力にて触媒なしで実施される。炭化水素および酸素含有化合物を製造する本発明の方法によって得られた合成ガスを、Fisher−Tropsch法によって、そしてヒドロホルミル化の反応に基づく工程によって使用することが提案される。
【0049】
Fisher−Tropsch法によって、200〜350℃の温度および2.0〜2.5MPaの圧力にて、アルカリ金属酸化物によって促進された第1鉄触媒の存在下で、あるいは170〜200℃および0.1〜1.0MPaの圧力にてコバルト−トリウム−マグネシウム触媒の存在下で、本発明の方法によって得られた合成ガスから炭化水素の製造を実施することが提案される。Fisher−Tropsch法による、我々の発明の方法によって得られた合成ガスからの酸素含有化合物の製造工程は、180〜250℃の温度および1.0〜3.5MPaの圧力で、アルミニウム、カルシウム、亜鉛、マグネシウムの酸化物、および水に溶解させたときにアルカリ反応を生じるアルカリ性剤、たとえばアルカリ金属の化合物によって促進された、第1鉄−銅触媒の存在下で実施すべきである。
【0050】
続いてヒドロホルミル化またはアルキル化に送達される不飽和炭化水素を製造するには、生合成で得られたC2−C5アルコールの混合物および/またはグリセリンはもちろんのこと、脂質の鹸化によって得られたグリセリンも脱水することが提案される。脱水は、200〜400℃の温度および0.1〜3MPaの圧力で、Al23触媒の存在下で実施される。アルコールおよび/またはグリセリンの混合物は、硫酸と共に加熱することによっても脱水できる。
【0051】
対応するイソアルコールから得られたイソブタンおよびイソペンタンを使用すること、また予め200±50℃の温度に加熱されたテルペンを使用することによって、低級C2−C5アルコールの脱水で得られた不飽和炭化水素をアルキル化することが提案される。0〜10°および0.5〜1MPaの圧力で、触媒としての90〜100%硫酸の存在下で実施されるアルキル化の結果は、C6−C15炭化水素の混合物の獲得であった。アルキル化は、AlCl3触媒の存在下で50〜60℃の温度および1〜2MPaの圧力でも実施できる。
【0052】
バイオマスから得られた合成ガスを使用して低級C2−C5アルコールの脱水で得られた不飽和炭化水素のヒドロホルミル化の工程を、160±20℃の温度および30±10MPaの圧力にてコバルトカルボニル触媒の存在下で;175±25℃の温度および7.5±2.5MPaの圧力にてリン化合物によって修飾されたコバルト触媒の存在下で;または90±10℃および2±1MPaの圧力にてコバルト−ロジウム触媒の存在下で実施することが提案される。
【0053】
バイオマスから得られた水素および/または生合成から得られたアルコールの脱水で得られた水から生成された水素によって、不飽和炭化水素のヒドロホルミル化で得られたアルデヒド、および/またはグリセリンの飽和アルコールへの脱水で得られたアクロレインを水素化することが提案される。水の変換は、既知の方法によって実施される。50〜150℃の温度および1〜2MPaの圧力にてAl23担持NiO触媒の存在下で、または200〜250℃の温度および5〜20MPaの圧力にてCuO−Cr23触媒の存在下で、飽和および不飽和アルデヒドを飽和アルコールへ水素添加することが提案される。
【0054】
それゆえ、バイオマスからの酸素含有化合物を含む高級炭化水素の製造のための本発明の方法は、以下の問題への解決策を提供する:
−分子内に4個以上の炭素原子を有するものを含む、より高い酸素含有化合物および/または非酸素含有炭化水素を、生化学的方法によって得られた原材料を使用してバイオマスから製造すること;
−炭水化物基質を発酵させることによって、C3−C5アルコールの収率をその生合成工程において、大幅に上昇させること;
−C1−C5アルコール製造技術について発酵段階の生産性を1.5〜2.0倍向上させること;
−メタン製造への目的を含めて、C1−C5アルコール製造の技術の枠内でアルコール抽出後の蒸留所廃物のタンパク質含有廃棄物および他のバイオ成分を利用すること;
−酸素含有化合物を含む炭化水素の製造において、C1−C5アルコールの生合成で得られた二酸化炭素、およびまた他の低級炭化水素の生合成で得られた二酸化炭素を利用すること;
−酸素含有化合物を含む炭化水素の製造において、脂質、脂質の鹸化で得られたグリセリン、ペントサン含有原材料の加水分解で得られたフルフラール、生合成によって得られたC2−C6脂肪酸、脂質の鹸化で得られ、トール油から抽出された酸、木材加工で得られた樹脂、テレビン油、コロホニーおよびトール油を利用すること;
−高級アルコールおよび他の酸素含有化合物、ならびに高級炭化水素の合成へのバイオマスの直接使用率を向上させること;
−モーター燃料の成分として、本発明の方法によるバイオマスから得られた酸素含有化合物を含む炭化水素を使用すること。
【0055】
本発明は、本発明の工程の実行可能性を証明する以下の非制限的な例によってさらに例示される。
【0056】
(実施例1)
破砕したコムギ粒を水と1:3.5の比で混合した。穀物デンプンの酵素加水分解は、第1の段階において熱安定性アミラーゼZymajunt−340C(pH6.5、90℃、消費 穀物デンプン1kg当たり0.25ml)、第2の段階においてグリコアミラーゼGlucozym L−400C(pH5.0、60℃、消費 穀物デンプン1kg当たり0.8ml)を使用して実施した。Ende Industries Inc.,USAによって製造された工業用酵素を使用した。酵素加水分解の結果として、基質中の炭水化物の濃度は16%に達した。基質には:P25200mg/lの含有量を提供する量の過リン酸塩、および4000mg/lの量のアミノ酸ロイシン(アミノ窒素420mg/l)を添加した。スターター酵母バイオマスS.セレビシエを基質に5g/lの濃度で導入した。発酵は、温度38℃およびpH6.0で実施した。
【0057】
発酵の速度は3.0l/g*hであり、発酵終了時のエタノール濃度は8.9体積%であり、イソペンタノール濃度は2300mg/lまたはエタノールの体積の3.1%であった。
【0058】
(実施例2)
破砕したコムギ粒を水と1:3.5の比で混合した。穀物デンプンの酵素加水分解は、第1の段階において熱安定性アミラーゼZymajunt−340C(pH6.5、90℃、消費 穀物デンプン1kg当たり0.25ml)、第2の段階においてグリコアミラーゼGlucozym L−400C(pH5.0、60℃、消費 穀物デンプン1kg当たり0.8ml)を使用して実施した。Ende Industries Inc.,USAによって製造された工業用酵素を使用した。酵素加水分解の結果として、基質中の炭水化物の濃度は16%に達した。基質には:P25200mg/lの含有率を提供する量の過リン酸塩、および3000mg/lの量のアミノ酸バリン(アミノ窒素360mg/l)を添加した。スターター酵母バイオマスS.セレビシエを基質に5g/lの濃度で導入した。発酵は、温度38℃およびpH6.0で実施した。
【0059】
発酵速度は2.8l/g*hであり、発酵終了時のエタノール濃度は8.9体積%であり、イソブタノール濃度は1810mg/lまたはエタノールの体積の2.5%であった。
【0060】
(実施例3)
破砕したコムギ粒を水と1:3.5の比で混合した。穀物デンプンの酵素加水分解は、第1の段階において熱安定性アミラーゼZymajunt−340C(pH6.5、90℃、消費 穀物デンプン1kg当たり0.25ml)、第2の段階においてグリコアミラーゼGlucozym L−400C(pH5.0、60℃、消費 穀物デンプン1kg当たり0.8ml)を使用して実施した。Ende Industries Inc.,USAによって製造された工業用酵素を使用した。酵素加水分解の結果として、基質中の炭水化物の濃度は16%に達した。基質には:P25200mg/lの含有率を提供する量の過リン酸塩、および4000mg/lの量のアミノ酸イソロイシン(アミノ窒素420mg/l)を添加した。スターター酵母バイオマスS.セレビシエを基質に5g/lの濃度で導入した。発酵は、温度38℃およびpH6.0で実施した。発酵の速度は3.0l/g*hであり、発酵終了時のエタノール濃度は8.9%に達し、イソペンタノール濃度2120mg/lまたはエタノール体積の2.8%であった。
【0061】
(実施例4)
破砕したコムギ粒を水と1:3.5の比で混合した。穀物デンプンの酵素加水分解は、第1の段階において熱安定性アミラーゼZymajunt−340C(pH6.5、90℃、消費 穀物デンプン1kg当たり0.25ml)、第2の段階においてグリコアミラーゼGlucozym L−400C(pH5.0、60℃、消費 穀物デンプン1kg当たり0.8ml)を使用して実施した。Ende Industries Inc.,USAによって製造された工業用酵素を使用した。酵素加水分解の結果として、基質中の炭水化物の濃度は16%に達した。基質にP25200mg/lの含有率を提供する量の過リン酸塩を添加し、1000mg/lの量のアミノ酸ロイシン、1000mg/lの量のアミノ酸イソロイシン、および1500mg/lの量のアミノ酸バリンを添加した。酵母スターターバイオマスS.セレビシエを基質に5g/lの量で添加した。発酵は、温度38℃およびpH6.0で実施した。
【0062】
発酵速度は3.5l/g*hであり、発酵終了時のエタノール濃度は8.8体積%であり、イソペンタノール濃度は1290mg/l、イソブタノール濃度は910mg/lであるか、あるいはC4−C5アルコールの全含有率がエタノール体積の3%であった。
【0063】
(実施例5)
破砕したコムギ粒を水と1:3.5の比で混合した。穀物デンプンの酵素加水分解は、第1の段階において熱安定性アミラーゼZymajunt−340C(pH6.5、90
℃、消費 穀物デンプン1kg当たり0.25ml)、第2の段階においてグリコアミラーゼGlucozym L−400C(pH5.0、60℃、消費 穀物デンプン1kg当たり0.8ml)を使用して実施した。Ende Industries Inc.,USAによって製造された工業用酵素を使用した。酵素加水分解の結果として、基質中の炭水化物の濃度は16%に達した。基質には:P25200mg/lの含有率を提供する量の過リン酸塩、および50ml/lの量のアルコール酵母の液体自己分解物質(アミノ窒素320mg/)を添加した。酵母スターターバイオマスS.セレビシエを基質に5g/lの量で添加した。発酵は、温度38℃およびpH6.0で実施した。発酵の速度は4.0l/g*hであり、発酵終了時のエタノール濃度は8.8体積%、イソペンタノール濃度は480mg/l、そしてイソブタノール濃度は270mg/lであった。C3−C5アルコールの全含有率はエタノールの体積の1.1%であった。
【0064】
(実施例6)
サッカロース濃度46%のビート糖液をサッカロース濃度18%まで水で希釈して、pH5.5まで硫酸によって酸性化し、次にアルコール酵母自己分解物質を50ml/lの量で(アミノ窒素350mg/l)、酵母スターターバイオマスS.セレビシエを5g/lの量で添加した。発酵は、温度38℃およびpH5.5で実施した。発酵速度は3.81/g*hであり、発酵終了時のエタノール濃度は8.6体積%、イソペンタノール濃度は490mg/l、イソブタノール濃度は290mg/lであり、全含有率はC3−C5アルコールの全含有率はエタノールの体積の1.1%であるのに対して、アルコール酵母バイオマスの濃度は6.2g/lであった。
【0065】
アルコール酵母を濾過によって液体培養物から分離して、水で洗浄した。得られた酵母は、乾燥物質含有率12%の懸濁物の調製に使用した。酵母の自己分解を実施し、懸濁物をサーモスタット内に48℃の温度にて36時間放置した。得られた自己分解物質中のアミノ窒素含有率は7000mg/lであり、得られた自己分解物質の量は55ml/l培地であった。得られた自己分解物質は、糖液基質の発酵の原料培地を調製するのに使用した。
【0066】
(実施例7)
46%のサッカロース濃度のサトウキビ糖液をサッカロース濃度18%まで水で希釈して、pH5.5まで硫酸によって酸性化し、次にアルコール酵母自己分解物質を60ml/lの量で(アミノ窒素370mg/l)、酵母スターターバイオマスS.セレビシエを5g/lの量で添加した。発酵は、温度38℃およびpH5.5で実施した。発酵速度は4.0l/g*hであり、発酵終了時のエタノール濃度は8.7体積%、イソペンタノール濃度は470mg/l、イソブタノール濃度は290mg/lであり、C3−C5アルコールの全含有率はエタノールの体積の1.2%であった。
【0067】
発酵後培養液(マッシュ)からエタノール、C3−C5アルコールおよび他の揮発性成分を蒸留して除去した。アルコールを含まないマッシュ(蒸留所廃物)に窒素およびリン無機塩を添加して、酵母カンジダ・トロピカリスの通気培養を実施した。培養の結果として、バイオマス濃度15g/lの酵母懸濁物を得た。酵母を培養液から濾過によって分離し、水で洗浄して、実施例6で述べたように自己分解によって処理した。自己分解物質で得られたアミノ窒素含有量は6500mg/lであり、自己分解物質の量は125mg/l培地であった。得られた自己分解物質は、糖液基質の発酵の原料培地を調製するのに使用した。
【0068】
(実施例8)
46%のサッカロース濃度のビート糖液をサッカロース濃度18%まで水で希釈して、pH5.5まで硫酸によって酸性化し、次に酵母の酸加水分解物を120ml/lの量で
(アミノ窒素350mg/l)、酵母スターターバイオマスS.セレビシエを5g/lの量で添加した。発酵は、温度38℃およびpH5.5で実施した。発酵速度は3.4l/g*hであり、発酵終了時のエタノール濃度は8.7体積%、イソペンタノール濃度は460mg/l、イソブタノール濃度は290mg/lであり、C3−C5アルコールの全含有率はエタノールの体積の1.2%であった。
【0069】
発酵後培養液(マッシュ)からエタノール、C3−C5アルコールおよび他の揮発性成分を蒸留して除去した。アルコールを含まないマッシュ(蒸留所廃物)に窒素およびリン無機塩を添加して、酵母カンジダ・トロピカリスの通気培養を実施した。培養の結果として、バイオマス濃度15g/lの酵母懸濁物を得た。酵母を培養液から濾過によって分離し、水で洗浄して、乾燥物質含有率6%のバイオマス懸濁物を調製した。懸濁物の加水分解を4N HClの存在下で100℃にて12時間実施した。得られた加水分解物中のアミノ窒素含有量は3100mg/lであり、加水分解物の量は240ml/l培地であった。得られた酸加水分解物は、糖液基質の発酵の原料培地を調製するのに使用した。
【0070】
(実施例9)
破砕したトウヒ木材(セルロース含有植物材料)を酸加水分解によって、温度180℃、硫酸濃度0.5%、水と木材の比12:1にて、1.5時間の期間処理した。木材の加水分解物を石灰によってpH4.5まで中和して、リグニンおよび石膏残留物から分離した。ヘキソース糖濃度3.2%およびペントース糖濃度0.8%の得られた炭水化物基質に、120mg/lの量の過リン酸塩、40ml/l基質の量の酵母自己分解物質(アミノ窒素120mg/l)、そして5g/lのスターター酵母バイオマスS.セレビシエを添加した。発酵は、温度38℃およびpH5.5で実施した。発酵速度は3.7l/g*hであり、発酵終了時のエタノール濃度は1.5体積%であり、イソペンタノール濃度は170mg/lであり、イソブタノール濃度は90mg/lであり、C3−C5アルコールの全含有率はエタノールの体積の2.1%であった。
【0071】
発酵後培養液(マッシュ)からエタノール、C3−C5アルコールおよび他の揮発性成分を蒸留して除去した。アルコールを含まないペントース含有蒸留所廃物に窒素およびリン無機塩を添加して、カンジダ・トロピカリス酵母の通気培養を実施した。培養の結果として、バイオマス濃度6g/lの酵母懸濁物を得た。酵母を培養液から濾過によって分離し、水で洗浄して、乾燥物質濃度12%の懸濁物を調製した。酵母の自己分解は、懸濁物をサーモスタット内で48℃にて36時間処理することによって実施した。得られた自己分解物質中のアミノ窒素の含有量は7100mg/lであり、自己分解物質の量は50ml/l培地であった。得られた自己分解物質は、木材加水分解物を発酵させるのに使用した。
【0072】
(実施例10)
破砕したトウヒ木材(セルロース含有植物材料)を酸加水分解によって、温度180℃、硫酸濃度0.5%、水と木材の比12:1にて、1.5時間の期間処理した。木材の加水分解物を石灰によってpH4.5まで中和して、リグニンおよび石膏残留物から分離した。ヘキソース糖濃度3.2%およびペントース糖濃度0.8%をそれぞれ有する、得られた炭水化物基質に:P25120mg/lの量の過リン酸塩、イオン交換既知の方法によってアンモニアおよびアスパラギンを精製した、40ml/l基質の量の酵母自己分解物質(アミノ窒素120mg/l)、そして濃度5g/lのスターター酵母バイオマスS.セレビシエを添加した。発酵は、38℃およびpH=6で実施した。発酵の速度は4.0l/g*hであり、発酵終了時のエタノール濃度は1.5体積%であり、イソペンタノールおよびイソブタノール濃度はそれぞれ210mg/lおよび120mg/lであった。C3−C5アルコールの全含有率はエタノールの体積の2.9%であった。
【0073】
発酵後培養液(マッシュ)からエタノール、C3−C5アルコールおよび他の揮発性成分を蒸留して除去した。アルコールを含まないペントース含有蒸留所廃物に窒素およびリン無機塩を添加して、酵母カンジダ・トロピカリスの通気培養を実施した。培養の結果として、バイオマス濃度6g/lを有する酵母懸濁物を得た。酵母を培養液から濾過によって分離し、水で洗浄して、次に乾燥物質12%含有率のバイオマス懸濁物を調製した。酵母の自己分解は、懸濁物を温度48℃にて36時間に渡って静置することによって実施した。得られた自己分解物質中のアミノ窒素濃度は8000mg/lであり、得られた自己分解物質の量は50ml/l培地であった。そのように得られたアミノ酸自己分解物質をイオン交換によって処理して、アンモニア窒素およびアスパラギンを抽出した;その後、アスパラギンおよびアンモニア窒素を含まないアミノ酸の混合物を木材加水分解物の発酵のための窒素栄養として使用した。
【0074】
(実施例11)
破砕したトウヒ木材(セルロース含有植物材料)を酵母バイオマスと共に50:1の比で使用して、温度180℃、硫酸濃度0.5%、水と木材の比12:1にて、1.5時間の期間、加水分解によって処理した。木材の加水分解物を石灰によってpH4.5まで中和して、リグニンおよび石膏残留物から分離した。ヘキソース糖濃度3.2%およびペントース糖濃度0.8%をそれぞれ有する、得られた炭水化物基質に、続いてP25120mg/lの量の過リン酸塩を添加した。酵母タンパク質加水分解で得られた基室中のアミノ窒素の含有量は130mg/lであった。次に加水分解物への酵母バイオマスS.セレビシエの散布を5g/lの量で提供した。発酵は、温度38℃およびpH=5.5で実施した。発酵の速度は3.5l/g*hであり、発酵終了時のエタノール濃度は1.5体積%であり、イソペンタノールおよびイソブタノール濃度はそれぞれ140mg/lおよび80mg/lであった。C3−C5アルコールの全含有率はエタノールの体積の1.8%であった。
【0075】
発酵後培養液(マッシュ)からエタノール、C3−C5アルコールおよび他の揮発性成分を蒸留して除去した。アルコールを含まないペントース含有蒸留所廃物に窒素およびリン無機塩を添加して、酵母カンジダ・トロピカリスの通気培養を実施した。培養の結果として、バイオマス濃度6g/lを有する酵母懸濁物を得た。酵母を培養液から濾過によって分離し、水で洗浄して、乾燥させた。消費した木材に関する酵母バイオマスの収率は48g/kgであった。得られた酵母バイオマスは、木材の酸加水分解に使用した。
【0076】
アルコールの生合成で得られた二酸化炭素を酸素と混合して、ガス発生器に送達した。木材の加水分解で得られた粒状リグニンを同じガス発生器に、供給源ガスと同時に供給した。粒状化の間、リグニンを、木材、コロホニー、ならびにテレビン油、トール油、フーゼル油および植物油の加工で得られた廃棄物の熱分解で得られた樹脂と共に添加した。酸化炭素製造の工程は、1000〜1500℃の温度で実施した。
【0077】
生物原材料からそのように得られた酸化炭素を、水の電気分解によって得られた水素と混合した。このガス混合物を次に、ヒドロホルミル化の反応に基づく高級アルコールの合成に、そしてFisher−Tropsch法による炭化水素および酸素含有化合物の製造にも使用した。
【0078】
Fisher−Tropsch法による炭化水素の獲得は、次のように実施した。本発明の方法によって、成分の比CO:H2=1:0.75、温度190〜230℃および圧力2〜2.5MPaで得られた合成ガスを、以下:97% Fe34+2.5% Al23+0.5% K2Oを含む触媒を充填したリアクターを通じて送達した。1m3当たりの生成物の収率は次の通りである:液体140〜150g+ガス30〜40g。ガスはC1−C4炭化水素で構成されていた;液体は30〜400℃の間で、沸騰で除去された。液体
の40〜50%は非酸素含有炭化水素であり、液体の50〜60%は酸素含有化合物であり、C6以上のアルコールが優勢であった。工程は、温度180〜220℃および圧力2.5〜3MPaで、アルミニウム、カルシウム、亜鉛、マグネシウム、マンガンの酸化物およびアルカリ剤によって促進されたFe:Cu=10:1を含む触媒の存在下でも実施できる。工程のこれらのパラメータは、本発明の方法によって得られ、成分比CO:H2=1:1.25を有する合成ガスの使用を可能にする。この場合、1m3当たりの生成物の収量は:液体160〜170g+ガス20〜30gである。
【0079】
(実施例12)
46%のサッカロース濃度のビート糖液をサッカロース濃度18%まで水で希釈して、pH5.5まで硫酸によって酸性化し、120ml/lの量の、イオン交換後の酵母酸加水分解物(アミノ窒素360mg/l)、5g/lの量の酵母スターターバイオマスS.セレビシエを添加した。発酵は、温度38℃およびpH5.5で実施した。発酵の速度は3.6l/g*hであり、発酵終了時のエタノール濃度は8.7体積%であり;イソペンタノールおよびイソブタノール濃度はそれぞれ1000mg/lおよび490mg/lであった。C3−C5アルコールの全含有率はエタノールの体積の2.2%であった。
【0080】
発酵後培養液(マッシュ)からエタノール、C3−C5アルコールおよび他の揮発性成分を蒸留して除去した。アルコールを含まないマッシュ(蒸留所廃物)に窒素およびリン無機塩を添加して、酵母カンジダ・トロピカリスの通気培養を実施した。培養の結果として、バイオマス濃度15g/lの酵母懸濁物を得た。酵母を培養液から濾過によって分離し、水で洗浄して、自己分解によって処理し、乾燥物質濃度6%のバイオマス懸濁物を調製した。懸濁物の加水分解を4N HClの存在下で100℃にて12時間実施した。得られた加水分解物中のアミノ窒素含有量は3100mg/lであり、加水分解物の量は240ml/l培地であった。得られた酸加水分解物は、カチオン交換体でのイオン交換によって処理して、アンモニア窒素を抽出した。アスパラギンおよびアンモニア窒素を含まない、得られたアミノ酸の混合物は、糖液基質の発酵の原料培地を調製するのに使用した。
【0081】
酵母の培養後に抽出されたバイオマスの酸加水分解で得られた廃棄物は、糖液基質の発酵の原料培地の調製後に残った余剰のアミノ酸と混合して、培養液によって50g/lの濃度まで希釈し、メタンを製造するために、メタン生成細菌Methanobacterium thermoautotropicumを含有するメタンタンクに送達する。バイオガスの形でのメタンの製造は、厳密な嫌気条件下で実施する。メタンタンクの生産性は、24時間に付き栄養培地2l当たりメタン1lであった。そのように得られたバイオガスを、合成ガスを製造するためのベースとして使用した。
【0082】
(実施例13)
破砕したコムギ粒を水と1:3.5の比で混合した。穀物デンプンの酵素加水分解は、第1の段階において熱安定性アミラーゼZymajunt−340C(pH6.5、90℃、消費 穀物デンプン1kg当たり0.25ml)、第2の段階においてグリコアミラーゼGlucozym L−400C(pH5.0、60℃、消費 穀物デンプン1kg当たり0.8ml)を使用して実施した。Ende Industries Inc.,USAによって製造された工業用酵素を使用した。酵素加水分解の結果として、基質中の炭水化物の濃度は16%に達した。次に基質に、P25200mg/lの含有量を提供する量の過リン酸塩、2000mg/lの量のアミノ酸ロイシンおよび1500mg/lの量のアミノ酸バリン(アミノ窒素含有量390mg/l)を添加した。スターター酵母バイオマスS.セレビシエを基質に5g/lの量で添加した。発酵は、温度38℃およびpH6.0で実施した。発酵の速度は3.5l/g*hであり、発酵終了時のエタノール濃度は8.8体積%であり、イソペンタノール濃度は1250mg/l、イソブタノール濃度は910mg/lであった。C4−C5アルコールの全含有率はエタノールの体積の2.
95%であった。エタノール、C3−C5アルコールおよび他の揮発性成分は、発酵後培養液(マッシュ)から蒸留して除去した。
【0083】
アルコールの生合成で得られた二酸化炭素を、生合成で得られたメタンおよび水蒸気と混合して、合成ガスを製造するためにリアクターに送達した。供給混合物の変換を、NiO−Al23触媒の存在下で830〜850℃にて実施した。そのように得られたガス混合物は以下の組成:CO2−4.8体積%;CO−24.7体積%;H2−68.0体積%;CH4−2.5体積%を有していた。次に変換ガスを冷却して、5MPaに圧縮し、メタノール合成に送達した。メタノール合成を5MPaおよび温度230〜260℃で、CuO−ZnO−Al23(Cr23)触媒の存在下で実施した。二酸化炭素から得られたメタノールを次に、高級炭化水素および酸素含有化合物の製造工程に送達した。
【0084】
合成ガスを獲得する別の工程において、我々は、生合成で得られた二酸化炭素以外に、木材の熱分解、フルフラール、テレビン油、コロホニー、およびフーゼル油の廃棄物で得られたガスおよび樹脂を使用した。合成ガスを獲得する工程は、温度800〜1100℃および圧力0.1〜3MPaで、Al23担持NiO触媒の存在下で実施する。以下の組成:CO2−4.2〜4.6体積%;CO−41.5〜32.7体積%;H2−44.8〜53.3体積%;CH4−5.5〜5.7体積%;N2−3.3〜4.7体積%のガス混合物がそのようにして得られた。次に変換ガスを冷却して、Fisher−Tropsch法による炭化水素の製造に送達した。工程は以下のように実施した。本発明の方法によって得られ、220〜330℃および圧力2.3〜2.5MPaにて成分比CO:H2=1:1.1〜1.7を有する合成ガスを、酸化物(Al23、K2O、MgO)触媒によって促進された合金鉄を充填したリアクターを通じて送達した。1m3当たりの生成物の収量は170〜180gであった。得られた生成物はオレフィンおよびパラフィンで構成されており、液体の蒸留範囲は30〜400℃であり、液体は96%の非酸素含有炭化水素および4%の酸素含有化合物を含有し、その50%はC4以上のアルコールであった。
【0085】
工程は、温度170〜200℃および圧力0.1〜1.0MPaで、コバルト−トリウム−マグネシウム触媒の存在下でも実施できる。これらの工程パラメータは、本発明の方法によって得られ、成分比CO:H2=1:1.5を有する合成ガスの使用を可能にする。工程での生成物の収量は1m3当たり170〜175gであった。生成物はオレフィンおよびパラフィンを含有しており、液体は30〜400℃の間で蒸留され、液体の99%は非酸素含有炭化水素であり、1%は酸素含有化合物であり、その70%はC1−C10アルコールであった。
【0086】
合成ガスを製造するために、我々は、生合成で得られた二酸化炭素以外に、主にメタンを含む天然ガスを使用した。原料混合物の変換は、NiO−Al23触媒の存在下で830〜850℃にて実施した。それゆえ生物原材料の変換で得られた合成ガスに組成が類似した、すなわち:CO2−4.5体積%;CO−22.9体積%;H2−70.1体積%;CH4−2.4体積%;SO2+SO3−0.1体積%のガス混合物が得られた。しかしながら、混合物中の硫黄酸化物の存在は、それが触媒に供給される前に合成ガスのさらなる精製を必要とする。硫黄酸化物をガス混合物から抽出した後に、変換ガスをコンプレッサによって5MPaまで圧縮して、メタノール合成に送達した。メタノールの合成は圧力5MPaおよび温度230〜260℃で、CuO−ZnO−Al23(Cr23)触媒の存在下で実施した。生化学二酸化炭素から得られたメタノールを次に、脂質の鹸化で得られ、トール油から抽出された不飽和および飽和C8−C24酸のエーテル化も含む、高級炭化水素および酸素含有化合物の合成に送達した。
【0087】
(実施例14)
破砕したコムギ粒を水と1:3.5の比で混合した。穀物デンプンの酵素加水分解は、
第1の段階において熱安定性アミラーゼZymajunt−340C(pH6.5、90℃、消費 穀物デンプン1kg当たり0.25ml)、第2の段階においてグリコアミラーゼGlucozym L−400C(pH5.0、60℃、消費 穀物デンプン1kg当たり0.8ml)を使用して実施した。Ende Industries Inc.,USAによって製造された工業用酵素を使用した。酵素加水分解の結果として、基質中の炭水化物の濃度は16%であった。基質には:P25200mg/lの含有量を提供する量の過リン酸塩、1000mg/lの量のアミノ酸ロイシン、1000mg/lの量のアミノ酸イソロイシン、および1500mg/lの量のアミノ酸バリン(アミノ窒素含有量390mg/l)を添加した。スターター酵母バイオマスS.セレビシエを基質に5g/lの量で導入した。発酵は、温度38℃およびpH6.0で実施した。
【0088】
発酵速度は3.5l/g*hであり、発酵終了時のエタノール濃度は8.8体積%、イソペンタノール濃度は1290mg/lであり、イソブタノール濃度は910mg/lであった。C4−C5アルコールの全含有率はエタノールの体積の3%であった。
【0089】
発酵後培養液(マッシュ)からエタノール、C3−C5アルコールおよび他の揮発性成分を蒸留して除去した。
【0090】
エタノールをC3−C5アルコールおよび他の揮発性成分から分離して、Al23の存在下で300±100℃にて脱水した。そのようにして得られたエチレンを、バイオガスから発生した、比CO:H2=1:1を有する合成ガスと混合して、コバルト−ロジウム触媒を含むリアクターに送達した。リアクター内の温度を90±10℃に、圧力を2±1MPaに維持した。リアクター内でそのように得られたプロピオンアルデヒドを、Ni触媒を含有するリアクターに送達して、バイオマスから得られた水素によって150±50℃および圧力1〜2MPaにて水素添加してn−プロピルアルコールとした。それ以外に、プロピオンアルデヒドをイソヘキサンアルデヒドによって濃縮することが可能であり、バイオマスから得られた水素によってNi触媒の存在下でイソヘキサノールへの水素添加が続いた。
【0091】
それ以外に、エチレンを150±20℃および圧力7±3MPaにて、tert−ブチルペルオキシドの存在下でメタノールによってテロマー化もして、反応を開始するために使用して通常の構造のC3−C12アルコールを主に含む酸素含有化合物の混合物を得た。
【0092】
(実施例15)
破砕したコムギ粒を水と1:3.5の比で混合した。穀物デンプンの酵素加水分解は、第1の段階において熱安定性アミラーゼZymajunt−340C(pH6.5、90℃、消費 穀物デンプン1kg当たり0.25ml)、第2の段階においてグリコアミラーゼGlucozym L−400C(pH5.0、60℃、消費 穀物デンプン1kg当たり0.8ml)を使用して実施した。Ende Industries Inc.,USAによって製造された工業用酵素を使用した。酵素加水分解の結果として、基質中の炭水化物の濃度は16%であった。基質には:P25200mg/lの含有量を提供する量の過リン酸塩、および蒸留所廃物タンパク質の酵素加水分解で得られた、70ml/lの量のアミノ酸加水分解物(アミノ窒素360mg/l)を添加した。スターター酵母バイオマスS.セレビシエを基質に5g/lの量で導入した。発酵は、温度38℃およびpH6.0で実施した。
【0093】
発酵の速度は3.5l/g*hであり、発酵終了時のエタノール濃度は8.8体積%、イソペンタノール濃度は260mg/l、イソブタノール濃度は140mg/lであった。C3−C5アルコールの全含有率はエタノールの体積の0.8%であった。
【0094】
発酵後培養液(マッシュ)からエタノール、C3−C5アルコールおよび他の揮発性成分を蒸留して除去した。
【0095】
デンプン加水分解で生じた炭水化物の発酵で得られた、アルコールの抽出後に蒸留所廃物の懸濁物質を乾燥物質含有率5〜10%に濃縮した。その後、蒸留所廃物のタンパク質の酵素加水分解をアルコールの抽出後に、第1の段階においてエンドペプチダーゼペプシン2000FIPU/g、EC3.4.23.1(pH=2、36℃;消費 アルコール抽出後の蒸留所廃物の乾燥物質1kg当たり0.5g)、第2の段階において、エキソペプチダーゼアミノペプチダーゼK EC 3.4.11(pH=8、36℃、消費 アルコール抽出後の蒸留所廃物の乾燥物質1kg当たり0.1g)を使用して実施した。2000〜6000mg/lのアミノ窒素の濃度を有する、そのように得られたアミノ酸加水分解物を、炭水化物基質を発酵させるための酵母の窒素栄養として使用した。
【0096】
プロピルおよびイソプロピルアルコールをC2−C5アルコールおよび他の揮発性成分から分離して、Al23触媒によって300±50℃にて脱水した。脱水で得られたプロピレンを、バイオガスから製造され、比CO:H2=1:1を有する合成ガスと混合して、コバルト−ロジウム触媒を含むリアクターに送達した。リアクター内の温度を90±10℃に、圧力を2±1MPaに維持した。リアクターで得られたブチルおよびイソブチルアルデヒドを、Ni触媒を含むリアクターに移し、そこでバイオマスから得られた水素を使用して温度150±50℃および圧力1±2MPaでこれらに水素添加してブチルおよびイソブチルアルコールとした。
【0097】
さらにブチルアルデヒドを最初にイソオクテンアルデヒドに縮合して、バイオマスから得られた水素によりNi触媒を用いて水素添加してイソオクタノールとすることができる。
【0098】
それ以外にプロピレンをアルコール生合成の段階で得られた二酸化炭素から得られた酸化炭素と、水と1:3:2の比で、鉄ペンタカルボニル、水およびトリエチルアミンを含む複合触媒の存在下で100±10℃および圧力1〜2MPaにて混合して、n−ブチルアルコールを得た。
【0099】
(実施例16)
破砕したコムギ粒を水と1:3.5の比で混合した。穀物デンプンの酵素加水分解は、第1の段階において熱安定性アミラーゼZymajunt−340C(pH6.5、90℃、消費 穀物デンプン1kg当たり0.25ml)、第2の段階においてグリコアミラーゼGlucozym L−400C(pH5.0、60℃、消費 穀物デンプン1kg当たり0.8ml)を使用して実施した。Ende Industries Inc.,USAによって製造された工業用酵素を使用した。酵素加水分解の結果として、基質中の炭水化物の濃度は16%であった。基質には:P25200mg/lの含有量を提供する量の過リン酸塩、および70ml/lの量の、蒸留所廃物タンパク質の酸加水分解で得られたアミノ酸加水分解物(アミノ窒素360mg/l)を添加した。スターター酵母バイオマスS.セレビシエを基質に5g/lの量で添加した。発酵は、温度38℃およびpH6.0で実施した。発酵の速度は3.51/g*hであり、発酵終了時のエタノール濃度は8.8体積%であり、イソペンタノール濃度は240mg/l、イソブタノール濃度は140mg/lであった。C3−C5アルコールの全含有率はエタノールの体積の0.65%であった。
【0100】
発酵後培養液(マッシュ)からエタノール、C3−C5アルコールおよび他の揮発性成分を蒸留して除去した。
【0101】
デンプン加水分解で生じた炭水化物の発酵で得られた、アルコールの抽出後に蒸留所廃物の懸濁物質を乾燥物質含有率5〜10%に濃縮した。硫酸を0.2%濃度のH2SO4を提供する濃度で添加した。その後、アルコール抽出後の蒸留所廃物のタンパク質の酸加水分解を90℃にて実施した。2000−6000mg/lのアミノ窒素濃度を有する、そのように得られたアミノ酸加水分解物を炭水化物基質の発酵での酵母の窒素栄養として使用した。
【0102】
ブチルアルコールの混合物をC2−C5アルコールおよび他の揮発性成分から分離して、Al23触媒によって250±50℃にて脱水した。脱水で得られたイソブチレンを、バイオガスから得られ、比CO:H2=1:1を有する合成ガスと混合して、コバルト触媒を含むリアクターに送達した。リアクター内の温度を160±20℃に、圧力を30±10MPaに維持した。そのように得られたアミルアルデヒドの混合物を、アルデヒドをNi触媒を含むリアクターに送達し、バイオマスから製造した水素によって150±50℃および圧力1−2MPaで水素添加して、アミルアルコールの混合物を得た。
【0103】
さらにアミルアルデヒドを最初にイソデセンアルデヒドに縮合して、次に、Ni触媒の存在下でバイオマスから製造した水素を使用してこれに水素添加してイソデカノールとすることができる。
【0104】
(実施例17)
破砕したコムギ粒を水と1:3.5の比で混合した。穀物デンプンの酵素加水分解は、第1の段階において熱安定性アミラーゼZymajunt−340C(pH6.5、90℃、消費 穀物デンプン1kg当たり0.25ml)、第2の段階においてグリコアミラーゼGlucozym L−400C(pH5.0、60℃、消費 穀物デンプン1kg当たり0.8ml)を使用して実施した。Ende Industries Inc.,USAによって製造された工業用酵素を使用した。酵素加水分解の結果として、基質中の炭水化物の濃度は16%であった。基質には、P25200mg/lの含有量を提供する量の過リン酸塩、およびイオン交換の既知の方法によってアンモニアおよびアスパラギンを精製した蒸留所廃物のタンパク質の酵素加水分解で得られた、100ml/lの量のアミノ酸加水分解物(アミノ窒素400mg/l)を添加した。スターター酵母バイオマスS.セレビシエを基質に5g/lの量で導入した。発酵は、温度38℃およびpH6.0で実施した。発酵の速度は3.61/g*hであり、発酵終了時のエタノール濃度は8.7体積%であり、イソペンタノール濃度は920mg/l、イソブタノール濃度は480mg/lであった。C3−C5アルコールの全含有率はエタノールの体積の2.3%であった。
【0105】
発酵後培養液(マッシュ)からエタノール、C3−C5アルコールおよび他の揮発性成分を蒸留して除去した。
【0106】
デンプン加水分解で生じた炭水化物の発酵で得られた、アルコールの抽出後に蒸留所廃物の懸濁物質を乾燥物質含有率5〜10%に濃縮した。その後、蒸留所廃物のタンパク質の酵素加水分解をアルコールの抽出後に、第1の段階においてエンドペプチダーゼパパイン30000USP−U/g、EC3.4.22.2(pH=5.5、60℃;消費 アルコール抽出後の蒸留所廃物の乾燥物質1kg当たり0.1g)、第2の段階においてエキソペプチダーゼカルボキシペプチダーゼA EC 3.4.17.1(pH=7.5、30℃、消費 アルコール抽出後の蒸留所廃物の乾燥物質1kg当たり0.25g)を使用して実施した;2000〜6000mg/lのアミノ窒素の濃度を有する、そのように得られたアミノ酸加水分解物は、イオン交換によって処理してアンモニア窒素およびアスパラギンを抽出した;その後、アスパラギンおよびアンモニア窒素を含まないアミノ酸の混合物を、炭水化物基質の発酵において酵母の窒素栄養として使用した。
【0107】
アミルアルコールの混合物をC2−C5アルコールおよび他の揮発性成分から分離して、Al23触媒によって250±50℃にて脱水した。脱水で得られたペンテンの混合物をバイオガスから得られ、比CO:H2=1:1を有する合成ガスと混合して、コバルト−ロジウム触媒を含むリアクターに送達した。リアクター内の温度を90±10℃に、圧力を2±1MPaに維持した。リアクター内でそのように得られたヘキシルアルデヒドを、Ni触媒を含むリアクターに送達して、バイオマスから得られた水素を使用して温度150±50℃および圧力1±2MPaでこれらに水素添加してヘキシルアルコールとした。
【0108】
それ以外にヘキシルアルデヒドを最初にイソドデセンアルデヒドに縮合して、バイオマスから製造した水素により、Ni触媒の存在下で続いて水素添加してイソドデカノールとすることができる。
【0109】
(実施例18)
46%のサッカロース濃度のサトウキビ糖液をサッカロース濃度18%まで水で希釈して、pH5.5まで硫酸によって酸性化し、次にイオン交換の既知の方法によってアンモニウムおよびアスパラギンを精製した、アルコールを含まない蒸留所廃物のタンパク質の酸加水分解で得られた、90ml/lの量のアミノ酸加水分解物(アミノ窒素370mg/l)および5g/lの量の酵母スターターバイオマスS.セレビシエを添加した。発酵は、温度38℃およびpH5.5で実施した。発酵の速度は4.0l/g*h、発酵終了時のC2−C5アルコール濃度は8.95体積%であり、エタノールの体積の2.2%に相当するC3−C5アルコール0.2体積%を含んでいた。
【0110】
発酵後培養液(マッシュ)からC2−C5アルコールを蒸留して除去した。
デンプン加水分解で得られた炭水化物の発酵で得られた、アルコールを含まない蒸留所廃物の懸濁物質を乾燥物質含有率5〜10%に濃縮した。塩酸を0.5%のHCl濃度を提供する量で添加した。蒸留所廃物のタンパク質の酸加水分解をアルコールの抽出後に40℃にて実施した;2000〜6000mg/lのアミノ窒素濃度を有する、そのように得られたアミノ酸加水分解物をイオン交換によって処理して、アンモニア窒素およびアスパラギンを抽出した;その後、アスパラギンおよびアンモニア窒素を含まないアミノ酸の混合物を炭水化物基質の発酵において酵母の窒素栄養として使用した。
【0111】
糖液の発酵で得られたC2−C5アルコールの混合物をAl23触媒の存在下で300±100℃にて脱水する。
脱水で得られた不飽和C2−C5炭化水素の混合物を、バイオガスから得られた、比CO:H2=1:1を有する合成ガスと混合して、コバルト−ロジウム触媒を含むリアクターに送達した。リアクター内の温度を90±10℃に、圧力を2±1MPaに維持した。C3−C6アルデヒドの混合物をヒドロホルミル化の反応で得た。次にC3−C6アルデヒドの混合物からプロピオンアルデヒドを抽出して、Ni触媒の存在下で再生可能源の水素によって150±50℃および圧力1〜2MPaにて水素添加してn−プロパノールとした。プロパノールをC2−C5アルコール脱水の段階に戻す。C4−C6アルデヒド混合物を最初に不飽和C8−C12アルデヒドの混合物に濃縮して、次にこれをNi触媒の存在下で再生可能原材料から得られた水素によって水素添加して、飽和C8−C12アルコールの混合物とした。C8アルコールをC8−C12アルコールの混合物から抽出して、250±50℃にてAl23の存在下で脱水してイソオクタンとして、これに続いて、再生可能原材料から得られた水素による水素添加でイソオクタンの混合物とする。
【0112】
それ以外に、ハイドロホルミル化の反応で得られたC3−C6アルデヒド混合物を最初に濃縮して不飽和C6−C12アルデヒドの混合物として、次にこれにNi触媒を用いて再生可能源の水素によって水素添加して、イソ構造の飽和C6−C12アルコールの混合物とす
ることができる。
【0113】
次に飽和C6−C12アルコールがAl23を用いて温度250±50℃にて脱水して、不飽和C6−C12炭化水素の混合物とすることができる。Ni触媒を用いた再生可能源の水素による脱水で得られた不飽和C6−C12炭化水素に水素添加して、イソ構造の飽和C6−C12炭化水素の混合物とする。
【0114】
その上、触媒(金属ハロゲン化物)の存在下で20〜100℃または200±50℃にて触媒なしで、飽和C6−C12炭化水素をC1−C3アルデヒドと縮合して、不飽和C7−C15アルコールの混合物とすることが可能であり、次にこのアルコールをNi触媒の存在下で再生可能水素によって水素添加して、イソ構造の飽和C6−C12アルコールの混合物とする。
【0115】
(実施例19)
46%のサッカロース濃度のビート糖液をサッカロース濃度18%まで水で希釈して、pH5.5まで硫酸によって酸性化し、次に、50ml/lの量のアルコール酵母自己分解物質(アミノ窒素350mg/l)および5g/lの量の酵母スターターバイオマスS.セレビシエを添加した。発酵は、温度38℃およびpH5.5で実施した。発酵の速度は4.0l/g*h、発酵終了時のC2−C5アルコール濃度は8.85体積%であり、エタノールの体積の1.1%に相当するC3−C5アルコール0.1%を含んでいた。
【0116】
発酵後培養液(マッシュ)からC2−C5アルコールを蒸留して除去した。糖液発酵で得られたC2−C5アルコール混合物をAl23触媒によって300±100℃で脱水した。
【0117】
脱水で得られた不飽和C2−C5炭化水素の混合物を、バイオガスから得られた、比CO:H2=1:1を有する合成ガスと混合して、コバルト−ロジウム触媒を含むリアクターに送達した。リアクター内の温度を90±10℃に、圧力を2±1MPaに維持した。ヒドロホルミル化の反応において、C3−C6アルデヒドの混合物を得た。プロピオンアルデヒドをC3−C6アルデヒドの混合物から抽出して、150±50℃および圧力1〜2MPで、Ni触媒の存在下で再生可能源のH2によって水素添加してプロパノールとする。プロパノールをC2−C5アルコール脱水の段階に戻し、前記アルデヒド混合物からN−ブチルアルデヒドを抽出して、縮合して2−エチルヘキシナルとして、次にこれにNi触媒を用いて再生可能源の水素によって水素添加して2−エチルヘキサノールとする。
【0118】
それ以外に、イソ構造のC5アルデヒドをC4−C6アルデヒドの混合物から抽出して、対応するアミレンに変換することが可能であり、アミレンはメタノールとの相互作用によりイソアミルメチルエステルを形成する。C4−C6アルデヒドの残りの混合物は、イソ構造の不飽和C8−C12アルデヒドへと縮合して、次にこれにNi触媒の存在下で再生可能源の水素によって水素添加して、C8−C12アルコールの混合物とする。そのように得られたC8−C12アルコールはAl23を用いて脱水し、次にNi触媒の存在下で250±50℃にて再生可能源の水素によって水素添加して、イソ構造の対応する飽和C8−C12炭化水素とする。
【0119】
(実施例20)
破砕したコムギ粒を重量比1:10で水と混合して80℃まで加熱し、この温度で10分間維持し、その後、温度を100℃まで上昇させて、混合物をさらに30分間静置した。そのように調製した基質を滅菌のために150℃のオートクレーブに送達し、60分間の後に基質を37℃まで冷却した。穀粉の過剰加熱の結果として、基質中のデンプン濃度は約6%に達した。基質には:750mg/lの量のアミノ酸ロイシンおよび560mg/lのアミノ酸バリン(アミノ窒素含有量150mg/l)を添加した。スターター酵母
バイオマスClostridium.acetobutylicumを基質に5g/lの濃度で導入した。発酵を37℃およびpH=5.5で実施した。発酵の速度は3.51/g*hであり、発酵終了時のアルコール濃度は1.85体積%であり、エタノール0.22体積%、イソプロパノール0.01体積%、イソブタノール0.03体積%、n−ブタノール1.54体積%、イソペンタノール0.05体積%を含んでおり、発酵終了時のアセトン濃度は0.9体積%であった。
【0120】
デンプン発酵で得られたC2−C5アルコールおよびアセトンの混合物をアセトンの分離後に、Al23触媒を用いて300±100℃で脱水した。脱水で得られた不飽和C2−C5炭化水素の混合物を、バイオガスに由来し、比CO:H2=1:1を有する合成ガスと混合して、コバルト−ロジウム触媒を含むリアクターに送達した。リアクター内の温度を90±10℃に、圧力を2±1MPaに維持した。
【0121】
3−C6アルデヒドの混合物をヒドロホルミル化の反応で得る。アセトンを添加したC3−C6アルデヒドの混合物に、150±50℃および圧力5±1MPaでNi触媒を用いて発酵で得られた水素によって水素添加して、対応するC3−C6アルコールの混合物とする。前記混合物からC3−C4アルコールを抽出して、脱水段階に戻す。
【0122】
イソ構造を有する残りのC5−C6アルコールを脱水して対応する不飽和炭化水素として、メタノールとの相互作用の後にイソアミルメチルおよびイソアミルカプリルメチルエーテルに変換する。そこでは工程で使用するメタノールは、発酵の段階で得られた二酸化炭素および発酵廃棄物の処理で得られたバイオガスから得られる。
【0123】
通常構造の残りのC5−C6アルコールを脱水して、対応するC10−C12エーテルとする。
【0124】
(実施例21)
破砕したコーン粒を重量比1:10で水と混合して80℃まで加熱し、この温度で10分間維持し、その後、温度を100℃まで上昇させて、混合物をさらに30分間静置した。そのように調製した基質を滅菌のために150℃のオートクレーブに送達し、60分間の後に基質を38℃まで冷却した。穀粉の過剰加熱の結果として、基質中のデンプン濃度は約6%に達した。基質には、イオン交換の既知の方法によるアンモニア抽出後の120ml/lの量の酵母の酸加水分解物(アミノ窒素360mg/l)を添加した。スターター酵母バイオマスClostridium butylicumおよびClostridium acetobutylicum(1:4)を基質に5g/lの濃度で導入した。発酵は37℃およびpH=5.5で実施した。発酵の速度は4.0l/g*hであり、発酵終了時のアルコール濃度は2.0体積%であり、エタノール0.22体積%、イソプロパノール0.15体積%、イソブタノール0.02体積%、n−ブタノール1.58体積%、イソペンタノール0.03体積%を含んでおり、発酵終了時のアセトン濃度は0.95体積%であった。
【0125】
デンプン発酵で得られたC2−C5アルコールおよびアセトンの混合物をアセトンの分離後に、Al23触媒を用いて300±100℃で脱水した。不飽和C2−C5炭化水素の混合物を、バイオガスに由来し、比CO:H2=1:1を有する合成ガスと混合して、リン化合物によって修飾したコバルト触媒を含むリアクターに送達した。リアクター内の温度を175±25℃に、圧力を7.5±2.5MPaに維持した。
【0126】
3−C6アルデヒドの混合物をヒドロホルミル化の反応で得る。通常の構造のC4およびC5アルデヒドを前記混合物から分離する。アセトンを添加した残りのC3−C6アルデヒドに150±50℃および圧力5±1MPaにて、Ni触媒の存在下で発酵において得
られた水素によって水素添加して、対応するC3−C6アルコールの混合物とする。前記混合物からC5−C6アルコールを抽出する;これらはイソ構造のアルコールである。
【0127】
これらのアルコールを脱水して対応する不飽和炭化水素として、メタノールとの相互作用の後、イソアミルメチルおよびイソアミルカプリルメチルエーテルに変換する。工程で使用したメタノールは、発酵段階で得られた二酸化炭素から得られ、バイオガスは発酵廃棄物の処理で得られる。
【0128】
通常の構造のC4−C5アルデヒドを縮合して不飽和C8−C10アルデヒドとし、次に150±50℃および圧力1-2MPaにてNi触媒の存在下で発酵において得られた水素によって水素添加して、飽和C8−C10アルコールとする。
【0129】
(実施例22)
破砕したコムギ粒を水と1:3.5の比で混合した。穀物デンプンの酵素加水分解は、第1の段階において熱安定性アミラーゼZymajunt−340C(pH6.5、90℃、消費 穀物デンプン1kg当たり0.25ml)、第2の段階においてグリコアミラーゼGlucozym L−400C(pH5.0、60℃、消費 穀物デンプン1kg当たり0.8ml)を使用して実施した。Ende Industries Inc.,USAによって製造された工業用酵素を使用した。酵素加水分解の結果として、基質中の炭水化物の濃度は16%であった。基質には、P25200mg/lの含有量を提供する量の過リン酸塩、2000mg/lの量のアミノ酸ロイシンおよび1500mg/lの量のアミノ酸バリン(アミノ窒素含有量390mg/l)を添加した。スターター酵母バイオマスS.セレビシエを基質に5g/lの量で導入した。発酵は、温度38℃およびpH6.0で実施した。発酵の速度は3.5l/g*hであり、発酵終了時のエタノール濃度は8.8体積%であり、イソペンタノール濃度は1250mg/l、イソブタノール濃度910mg/lであり、C4−C5アルコールの全含有率はエタノールの体積の2.95%であった。
【0130】
発酵後培養液(マッシュ)からC2−C5アルコールを蒸留して除去した。デンプン発酵で得られたC2−C5アルコールの混合物を銀触媒の存在下で温度450〜550℃にて、C2−C5アルコールの生合成で得られた酸素および二酸化炭素の混合物によって酸化して、C2−C5アルデヒドの混合物を得た。酸化で得られたC2−C5アルデヒドを縮合して不飽和C4−C15アルデヒドとし、銅触媒の存在下で水素添加して飽和C4−C15アルデヒドの混合物とした。前記混合物からC4−C5アルデヒドを抽出して、縮合段階に戻して、C6−C15アルデヒドは、個々のアルデヒドの抽出に使用するか、Ni触媒の存在下で水素添加して、飽和C6−C15アルコールの混合物とした。後者は脱水および水素添加によって、飽和炭化水素の混合物に変換できる。それ以外に、飽和および不飽和C6−C15アルデヒドはどちらも酸化して対応する酸にできる。アルデヒドの脂肪酸への酸化では、我々は生合成工程からの二酸化炭素を使用した。アルデヒドの脂肪酸への酸化は、液相中で酢酸マンガン触媒の存在下で50〜150℃および圧力0.05MPaにて、または気相中で150〜250℃および圧力0.5MPaにて実施した。既知の方法とは対照的に、アルデヒドおよび二酸化炭素の蒸気ガス混合物を酸化に供給して、50〜150℃に加熱した。前記混合物の利用は、酸化酸素または酸素と二酸化炭素との混合物の使用への可能性を与える。
【0131】
(実施例23)
破砕したトウヒ木材(セルロース含有植物材料)を酸加水分解によって、180℃、硫酸濃度0.5%、水と木材の比12:1にて、1.5時間処理した。木材の加水分解物を石灰によってpH4.5まで中和して、リグニンおよび石膏残留物から分離した。ヘキソース糖濃度3.2%およびペントース糖濃度0.8%を有する、そのように得られた炭水
化物基質に、120mg/lの量の過リン酸塩、イオン交換の既知の方法によってアンモニアおよびアスパラギンを事前に精製した、45ml/l基質の量の酵母自己分解物質(アミノ窒素135mg/l)、そして5g/lのスターター酵母バイオマスS.セレビシエを添加した。発酵は、温度38℃およびpH=6で実施した。発酵速度は4.0l/g*h、発酵終了時のエタノール濃度は1.5体積%であり、イソペンタノール濃度は210mg/lであり、イソブタノール濃度は130mg/lであり、C3−C5アルコールの全含有率はエタノールの体積の2.95%であった。
【0132】
発酵後培養液(マッシュ)からC2−C5アルコールを蒸留して除去した。ヘキソース糖の発酵で得られたC2−C5アルコールの混合物を450〜550℃で銀触媒の存在下で、C2−C5アルコールの生合成で得られた酸素および二酸化炭素の混合物によって酸化して、C2−C5アルデヒドの混合物を得た。酸化で得られたC2−C5アルデヒドを、水酸化ナトリウム0.5%溶液の存在下で0℃にてフルフラールと縮合した。次に不飽和アルデヒドの得られた混合物に銅クロム触媒の存在下で100±50℃および圧力0.1〜5MPaで水素添加して、フリル含有アルコールの混合物とする。続いて後者に、温度100±50℃および圧力5〜10MPaでニッケル触媒の存在下で水素添加して、テトラヒドロフラン環を含有する飽和アルコールの混合物とする。
【0133】
(実施例24)
破砕したジャガイモを1:1の比で水と混合した。ジャガイモデンプンの酵素加水分解は、第1の段階において熱安定性アミラーゼZymajunt−340C(pH6.5、90℃、消費 ジャガイモデンプン1kg当たり0.25ml)、第2の段階においてグリコアミラーゼGlucozym L−400C(pH5.0、60℃、消費 ジャガイモデンプン1kg当たり0.8ml)を使用して実施した。Ende Industries Inc.,USAによって製造された工業用酵素を使用した。酵素加水分解の結果として、基質中の炭水化物の濃度は8.0%に達した。基質には:P25200mg/lの含有量を提供する量の過リン酸塩、1000mg/lの量のアミノ酸ロイシン、および750mg/lのアミノ酸バリン(アミノ窒素含有量195mg/l)を添加した。スターター酵母バイオマスS.セレビシエを基質に5g/lの量で添加した。発酵は、温度38℃およびpH6.0で実施した。発酵の速度は4.0l/g*hであり、発酵終了時のエタノール濃度は4.3体積%であり、イソペンタノール濃度は630mg/l、イソブタノール濃度は460mg/lであった。C4−C5アルコールの全含有率はエタノールの体積の3.0%であった。
【0134】
発酵後培養液(マッシュ)からC2−C5アルコールを蒸留して除去した。発酵で得られたC2−C5アルコールの混合物を300±100℃でAl23触媒の存在下で脱水した。脱水で得られた不飽和C2−C5炭化水素の混合物をバイオガスから発生した、比CO:H2=1:1を有する合成ガスと混合して、次に、リン化合物によって修飾されたコバルト触媒を含有するリアクターに送達した。リアクター内の温度を175±25℃に、圧力を7.5±2.5MPaに維持した。ヒドロホルミル化の反応の結果として、C3−C6アルデヒドの混合物を得る。C3−C6アルデヒドの混合物にNi触媒の存在下で再生可能原材料から製造された水素によって水素添加してC3−C6アルコールの混合物を得て、次に脱水の段階に戻した。
【0135】
アルデヒドの混合物中にC8アルデヒドが出現するまで工程を反復する。C8アルデヒドがアルデヒドの混合物中に出現した後、工程を2つの経路で実施できる。第1の経路において、C8アルデヒドを抽出および縮合して不飽和C16アルデヒドとし、次に水素添加して飽和C16アルコールとして、必要ならばさらに処理して飽和C16炭化水素とする。第2の経路において、抽出したC8アルデヒドにNi触媒の存在下で再生可能水素によって直接水素添加して、C8アルコールの混合物とすることが可能であり、次にC8炭化水素の混
合物へと変換する。
【0136】
(実施例25)
破砕したジャガイモを1:1の比で水と混合した。ジャガイモデンプンの酵素加水分解は、第1の段階において熱安定性アミラーゼZymajunt−340C(pH6.5、90℃、消費 ジャガイモデンプン1kg当たり0.25ml)、第2の段階においてグリコアミラーゼGlucozym L−400C(pH5.0、60℃、消費 穀物デンプン1kg当たり0.8ml)を使用して実施した。Ende Industries Inc.,USAによって製造された工業用酵素を使用した。酵素加水分解の結果として、基質中の炭水化物の濃度は8.0%に達した。基質には:P25200mg/lの含有量を提供する量の過リン酸塩、およびアスパラギンおよびアンモニウム塩の除去のためにイオン交換によって処理した、130ml/lの量の酵母の酸加水分解物(アミノ窒素390mg/l)を添加した。スターター酵母バイオマスS.セレビシエを基質に5g/lの量を導入した。発酵は、温度38℃およびpH6.0で実施した。発酵の速度は4.0l/g*hであり、発酵終了時のエタノール濃度は4.4体積%であり、イソペンタノール濃度は560mg/l、イソブタノール濃度は340mg/lであった。C3−C5アルコールの全含有率は、エタノールの体積の2.65%に達した。
【0137】
発酵後培養液(マッシュ)からC2−C5アルコールを蒸留して除去した。発酵で得られたC2−C5アルコールの混合物を300±100℃でAl23触媒の存在下で脱水した。脱水で得られた不飽和C2−C5炭化水素の混合物をバイオガスから発生した、比CO:H2=1:1を有する合成ガスと混合して、次に、リン化合物によって修飾されたコバルト触媒を含有するリアクターに送達した。リアクター内の温度を175±25℃に、圧力を7.5±2.5MPaに維持した。ヒドロホルミル化の反応の結果として、C3−C6アルデヒドの混合物を得た。C3−C6アルデヒドの混合物にNi触媒の存在下で再生可能原材料から製造された水素によって水素添加してC3−C6アルコールの混合物を得て、次に脱水の段階に戻した。
【0138】
アルデヒドの混合物中にC8アルデヒドが出現するまで工程を反復する。その後、C8アルデヒドを縮合して不飽和C16アルデヒドとして、次に水素添加して飽和C16アルコールとした。後者を200〜300℃で銀触媒の存在下で、C2−C5アルコールの生合成で得られた酸素および二酸化炭素の混合物によって酸化して、不飽和C16酸の混合物を得た。不飽和C16酸の得られた混合物をメタノールによって酸触媒の存在下でエーテル化して、不飽和C16酸のメチルエステルの混合物とした。続いて不飽和C16酸のメチルエステルに温度125〜200℃で再生可能水素によってNiまたはCu触媒の存在下で水素添加して、飽和C16酸のメチルエステルの混合物とした。
【0139】
(実施例26)
46%のサッカロース濃度のビート糖液をサッカロース濃度18%まで水で希釈して、pH5.5まで硫酸によって酸性化した。次に以下:イオン交換によってアスパラギンおよびアンモニウム塩を除去した、120ml/lの量の酸酵母加水分解物(アミノ窒素360mg/l)、5g/lの量の酵母スターターバイオマスS.セレビシエを添加した。発酵は、温度38℃およびpH5.5で実施した。発酵の速度は3.6l/g*hであり、発酵終了時のエタノール濃度は8.7体積%であり、イソペンタノール濃度は1000mg/l、イソブタノール濃度は490mg/lであり、C3−C5アルコールの全含有率はエタノールの体積の2.2%であった。
【0140】
発酵後培養液(マッシュ)からC2−C5アルコールを蒸留して除去した。糖液発酵で得られたC2−C5アルコール混合物は、Al23触媒を用いて300±100℃にて脱水した。
【0141】
脱水で得られた不飽和C2−C5炭化水素の混合物を、バイオガスから得られた、比CO:H2=1:1を有する合成ガスと混合して、コバルト−ロジウム触媒を含むリアクターに送達した。リアクター内の温度を90±10℃に、圧力を2±1MPaに維持した。ヒドロホルミル化の反応の結果として、C3−C6アルデヒドの混合物が得られた。C3−C6アルデヒドの混合物からプロピオンアルデヒドを抽出して、Ni触媒の存在下で再生可能源の水素によって水素添加してプロパノールとした。次にプロパノールをC2−C5アルコール脱水の段階に戻す。C4−C6アルデヒドの混合物を最初に縮合して不飽和C8−C12アルデヒドの混合物とし、次に再生可能水素によってNi触媒の存在下で水素添加して飽和C8−C12アルコールの混合物とする。C8−C12アルコールの混合物からC8アルコールを抽出して、次にAl23の存在下で温度200±25°にて脱水してイソオクタンとして、次に再生可能水素によってNi触媒の存在下で水素添加してイソオクタンの混合物とする。
【0142】
その上、ヒドロホルミル化の反応で得られたC3−C6アルデヒドの混合物全体を最初に縮合して不飽和C6−C12アルデヒドの混合物とし、次に再生可能水素によってNi触媒の存在下で水素添加してイソ構造の飽和C6−C12アルコールの混合物とする。次に飽和C6−C12アルコールをAl23の存在下で250±50℃にて水素添加して不飽和C6−C12炭化水素の混合物とする。脱水で得られた不飽和C6−C12炭化水素を、C2−C5アルコールの生合成で得られた二酸化炭素から得られたメタノールと混合して、200±100℃および圧力0.1±10kPaで、C2−C5アルコールの生合成で得られた二酸化炭素から得られた酸化炭素によって、ハロゲン誘導体によって促進された鉄、ニッケル、コバルト、またはロジウムカルボニルの存在下で処理される。それゆえ飽和酸のC6−C12メチルエステルが得られる。
【0143】
(実施例27)
破砕したコムギ粒を水と1:3.5の比で混合した。穀物デンプンの酵素加水分解は、第1の段階において熱安定性アミラーゼZymajunt−340C(pH6.5、90℃、消費 穀物デンプン1kg当たり0.25ml)、第2の段階においてグリコアミラーゼGlucozym L−400C(pH5.0、60℃、消費 穀物デンプン1kg当たり0.8ml)を使用して実施した。Ende Industries Inc.,USAによって製造された工業用酵素を使用した。酵素加水分解の結果として、基質中の炭水化物の濃度は16%に達した。基質には、Na2HSO3の3〜4%含有率を提供する量のヒドロ亜硫酸ナトリウム、P25200mg/lの含有量を提供する量の過リン酸塩、2000mg/lのアミノ酸ロイシン、および1500mg/lのアミノ酸バリン(アミノ窒素含有量390mg/l)を添加した。酵母スターターバイオマスS.セレビシエを基質に5g/lの量で導入した。発酵は、温度38℃およびpH6.0で実施した。発酵の速度は3.5l/g*h、発酵終了時のグリセリン濃度は3.0体積%、エタノール濃度は4.4体積%、アセトアルデヒド濃度は2.2体積%、イソペンタノール濃度は0.15体積%、イソブタノール濃度0.11体積%であった。
【0144】
発酵後培養液(マッシュ)からC2−C5アルコールを蒸留して除去した。上述の実施例で述べたように、これらのアルコールを処理して高級炭化水素にすることができる。発酵後培養液(マッシュ)からグリセリンおよびアセトアルデヒドを続いて除去して、0〜50℃および圧力0.1〜0.5MPaを触媒としての塩酸または塩化亜鉛の存在下でアセタール化し、1,2−グリセリンアセタールアセトアルデヒド(2−メチル−4−オキシメチル−1,3−ジオキサン)を得た。1,2−グリセリンアセタールアセトアルデヒドはモーター燃料の成分として使用できる。
【0145】
(実施例28)
破砕したコムギ粒を水と1:3.5の比で混合した。穀物デンプンの酵素加水分解は、第1の段階において熱安定性アミラーゼZymajunt−340C(pH6.5、90℃、消費 穀物デンプン1kg当たり0.25ml)、第2の段階においてグリコアミラーゼGlucozym L−400C(pH5.0、60℃、消費 穀物デンプン1kg当たり0.8ml)を使用して実施した。Ende Industries Inc.,USAによって製造された工業用酵素を使用した。Na2HSO3の3〜4%含有率を提供する量のヒドロ亜硫酸ナトリウム、P25200mg/lの含有量を提供する量の過リン酸塩、およびイオン交換の既知の方法によってアンモニアおよびアスパラギンを精製した蒸留所廃物のタンパク質の酵素加水分解で得られた、100ml/lの量のアミノ酸加水分解物(アミノ窒素400mg/l)を添加した。スターター酵母バイオマスS.セレビシエを基質に5g/lの量で導入した。発酵は、温度38℃およびpH=6.0で実施した。発酵の速度は3.5l/g*h、発酵終了時のグリセリン濃度は3.1体積%、エタノール濃度は4.5体積%、アセトアルデヒド濃度は2.4体積%、イソペンタノール濃度は0.12体積%、イソブタノール濃度は濃度0.06体積%であった。
【0146】
発酵後培養液(マッシュ)からC2−C5アルコールを蒸留して除去した。その後、発酵後培養液(マッシュ)からグリセリンを抽出して、植物および/または動物脂質と混合した。この混合物に銅−クロム,亜鉛−クロム、ニッケルクロム触媒の存在下で300±100℃および圧力10〜30MPaで水素添加して、n−プロピルアルコール、高級C6−C20アルコールおよびC6以上の炭化水素の混合物とした。水素添加は、バイオマスから、および/または炭水化物基質の発酵における生化学的方法によって、および/または生合成で生じたアルコールの処理で得られた水から得られた水素を使用して実施した。水の変換は、既知の方法によって実施した。グリセリンならびに植物および/または動物脂質の混合物にも、貴金属、たとえばPt、Pd、Re、Ru、Rhを含有する触媒の存在下で200±50℃および圧力5〜20MPaで水素添加することができる。
【0147】
(実施例29)
破砕したコムギ粒を水と1:3.5の比で混合する。穀物デンプンの酵素加水分解は、第1段階において熱安定性アミラーゼZymajunt−340C(pH=6.5、90℃、消費 穀物1kg当たり0.25ml)を、第2段階においてグルコアミラーゼGlucozym L−400C(pH=5.0;60℃;消費 穀物1kg当たり0.8ml)を使用して実施する。米国のEnde Industries Inc.によって製造された工業用酵素が使用されている。酵素加水分解の結果として、基質中の炭水化物濃度は16%に達した。基質には、3〜4%のNa2HSO3含有率を与える量のヒドロ亜硫酸ナトリウム、200mg/lのP25含有量を与える過リン酸塩、イオン交換の既知の方法によって以前にアンモニアおよびアスパラギンを精製した、アルコールを含まない蒸留所廃物のタンパク質の酵素加水分解で得られた、90m/lの量のアミノ酸加水分解物(アミノ窒素370mg/l)を添加した。酵母スターターバイオマスS.セレビシエを基質に5g/lの量で導入した。発酵を38℃およびpH=6.0にて実施した。発酵の速度は3.5l/g*hであり、発酵終了時のグリセリン濃度は3.2体積%、エタノール濃度は4.3体積%、アセトアルデヒド濃度は2.4体積%、C3−C5アルコール濃度は0.2体積%であった。
【0148】
発酵後培養液(マッシュ)からC2−C5アルコールを蒸留により除去し、アセトアルデヒドを抽出した。その後、グリセリンを発酵後培養液(マッシュ)から抽出して、脂質の鹸化で得られたグリセリンと混合した;得られた混合物をAl23触媒の存在下で350±50℃にて脱水した。グリセリンの脱水で得られたアクロレインを、Ni触媒を含有するリアクターに送達して、100±10℃および圧力1〜2MPaで、バイオマスから得られた、および/または炭水化物基質の発酵で得られた、および/または生合成で得られたアルコールの処理で得られた水から得られた水素を使用して水素添加し、n−プロピル
アルコールとした。水の変換は既知の方法によって実施した。
【0149】
そのように得られたN−プロピルアルコールを生合成で得られたC2−C5アルコールと一緒にした;そのように得られた低級C2−C5アルコールの混合物を縮合して、C4−C15アルコール、C2−C5脂肪酸、およびC4−C10エステルの混合物を得た。低級C2−C5アルコールの縮合の工程は、150±50℃および圧力0.1〜0.5MPaで触媒としてのナトリウムアルコラートおよびNi−Cr23の存在下で実施した。この反応のナトリウムアルコラートは、水酸化ナトリウムから縮合の工程で直接調製される。縮合生成物の収率を上昇させるために、反応で得られた水を非縮合アルコールとの共沸混合物の形で抽出した。C4−C15アルコールおよびC4−C10エステルからC2−C5脂肪酸を分離して、酸触媒の存在下でテルペンの混合物によってエーテル化して、C2−C5脂肪酸のテルペンエステルの混合物とした。非縮合C2−C5アルコールをAl23触媒の存在下で300±50℃にて脱水し、白金の存在下で予め200±50℃に加熱しておいたテルペンと混合した。温度0〜10℃および圧力0.5〜1MPaで触媒として90〜100%硫酸を使用して実施したアルキル化の結果として、C12−C15炭化水素の混合物を得た。アルキル化の工程は、AlCl3触媒の存在下で50〜60℃および圧力1〜2MPaでも実施できる。テルペンエステルおよびテルペンから得られた高級炭化水素、低級C2−C5アルコールおよびC2−C5脂肪酸を次にモーター燃料の成分として使用した。
【0150】
(実施例30)
破砕したコムギ粒を水と1:3.5の比で混合した。穀物デンプンの酵素加水分解は、第1の段階において熱安定性アミラーゼZymajunt−340C(pH6.5、90℃、消費 穀物デンプン1kg当たり0.25ml)、第2の段階においてグリコアミラーゼGlucozym L−400C(pH5.0、60℃、消費 穀物デンプン1kg当たり0.8ml)を使用して実施した。Ende Industries Inc.,USAによって製造された工業用酵素を使用した。酵素加水分解の結果として、基質中の炭水化物の濃度は16%に達した。基質には、4%含有率のNa2HPO4を提供する量のヒドロオルトリン酸ナトリウム、2000mg/lの量のアミノ酸ロイシン、および1500mg/lの量のアミノ酸バリンを添加した。酵母スターターバイオマスS.セレビシエを基質に5g/lの濃度で導入した。発酵は、温度38℃およびpH=6.0で実施した。発酵の速度は3.5l/g*hであり、発酵終了時のグリセリン濃度は4.5体積%、エタノール濃度は4.1体積%、酢酸濃度は4.0体積%、イソペンタノール濃度は0.15体積%、イソブタノール濃度は0.11体積%であった。
【0151】
発酵後培養液(マッシュ)からC2−C5アルコールを蒸留して除去して、酢酸を抽出して、これをさらに処理して上述の実施例で述べたように高級炭化水素とすることができる。その後、発酵後培養液(マッシュ)からグリセリンを抽出して、Al23触媒の存在下で350±50℃にて脱水した。
【0152】
グリセリンの脱水で得られたアクロレインを、CuO−Cr23触媒を含有するリアクターに送達して、バイオマスから得られた、および/またはグリセリンの脱水で得られた水から得られた水素によって、175±25℃および圧力1−5MPaで水素添加して、プロピオンアルデヒドおよびn−プロピルアルコールの混合物とした。水の変換は既知の方法を使用して実施した。得られた混合物からプロピオンアルデヒドを抽出して、2つの経路でさらに処理できる。第1の経路はプロピオンアルデヒドのイソヘキサンアルデヒドへのさらなる縮合を提供し、Ni触媒の存在下で150±10℃および圧力1〜5MPaでバイオマスから得られた、および/またはグリセリンの脱水から得られた水から得られた水素による、イソヘキサノールへの水素添加が続く。水の変換は既知の方法によって実施される。
【0153】
第2の可能性は、生合成で得られたC2−C5アルコールによってプロピオンアルデヒド縮合して対応するプロパノールとすること;またはアクロレインの水素添加によって得られたn−プロピルアルコールによって、アクロレイン:プロピオンアルデヒドのモル比2:1でプロピオンアルデヒドを縮合してジプロピルプロパノールとすることである。後者はディーゼルおよびガスタービンエンジンの燃料の良好な成分である。
【0154】
(実施例31)
破砕したコムギ粒を水と1:3.5の比で混合した。穀物デンプンの酵素加水分解は、第1の段階において熱安定性アミラーゼZymajunt−340C(pH6.5、90℃、消費 穀物デンプン1kg当たり0.25ml)、第2の段階においてグリコアミラーゼGlucozym L−400C(pH5.0、60℃、消費 穀物デンプン1kg当たり0.8ml)を使用して実施した。Ende Industries Inc.,USAによって製造された工業用酵素を使用した。酵素加水分解の結果として、基質中の炭水化物の濃度は16%に達した。基質には、4%含有率のNa2HPO4を提供する量のヒドロオルトリン酸ナトリウム、およびイオン交換の既知の方法によってアンモニウムおよびアスパラギンを精製した、アルコールを含まない蒸留所廃物のタンパク質の酸加水分解で得られた、90ml/lの量のアミノ酸加水分解物(アミノ窒素370mg/l)を添加した。酵母スターターバイオマスS.セレビシエを基質に5g/lの量で導入した。発酵は温度38℃およびpH=6.0で実施した。発酵の速度は4.0l/g*hであり、発酵終了時のグリセリン濃度は4.7体積%であり、エタノール濃度は4.0体積%、酢酸濃度は4.2体積%、C3−C5アルコール濃度は0.2%であった。
【0155】
発酵後培養液(マッシュ)からC2−C5アルコールを最初に蒸留して除去して、酢酸を抽出し、これは上述の実施例で述べたようにさらに処理して高級炭化水素にすることができる。その後、発酵後培養液(マッシュ)からグリセリンを抽出して、脂質の鹸化で得られたグリセリンと混合した。この混合物をAl23触媒の存在下で350±50℃の存在下で脱水した。グリセリンの脱水で得られたアクロレインをベンゼンと混合して、ダイマー化リアクターに送達し、170±10℃および圧力1〜2MPaでヒドロキノンの存在下で、アクロレインのダイマー(2−ホルミル−3,4−ジヒドロ−2H−ピラン)を得た。アクロレインのダイマー(2−ホルミル−3,4−ジヒドロ−2H−ピラン)をベンゼンおよびヒドロキノンから分離し、Ni触媒の存在下で150±10℃および圧力5〜10MPaで、バイオマスから得られた水素によって、および/またはグリセリンの脱水で得られた水から得られた水素によって水素添加して、テトラヒドロピラン−2−メタノールとした。水の変換は既知の方法によって実施する。そのように得られたテトラヒドロピラン−2−メタノールは、ディーゼルおよびガスタービンエンジン用のモーター燃料の良好な成分である。
【0156】
(実施例32)
破砕したコムギ粒を水と1:3.5の比で混合した。穀物デンプンの酵素加水分解は、第1の段階において熱安定性アミラーゼZymajunt−340C(pH6.5、90℃、消費 穀物デンプン1kg当たり0.25ml)、第2の段階においてグリコアミラーゼGlucozym L−400C(pH5.0、60℃、消費 穀物デンプン1kg当たり0.8ml)を使用して実施した。Ende Industries Inc.,USAによって製造された工業用酵素を使用した。酵素加水分解の結果として、基質中の炭水化物の濃度は16%に達した。
【0157】
基質には:P25 200mg/lの含有量を提供する量の過リン酸塩、およびイオン交換の既知の方法によってアンモニウムおよびアスパラギンを精製した、アルコールを含まない蒸留所廃物のタンパク質の酸加水分解で得られた、100ml/lの量のアミノ酸加水分解物(アミノ窒素400mg/l)を添加した。酵母スターターバイオマスS.セ
レビシエを基質に5g/lの量で導入した。発酵は温度38℃およびpH=6.0で実施した。発酵の速度は3.6l/g*hであり、発酵終了時のエタノール濃度は8.7体積%、イソペンタノール濃度は920mg/l、イソブタノール濃度は480mg/lであり、C3−C5アルコールの全含有率はエタノールの体積の2.3%であった。
【0158】
発酵後培養液(マッシュ)からエタノール、C3−C5アルコールおよび他の揮発性成分を蒸留して除去した。C3−C5アルコールおよび他の揮発性成分は、上述の実施例で述べたようにさらに処理して高級炭化水素とすることができる。アルコールの生合成で得られた二酸化炭素を主にメタンを含有するバイオガスと、そして水蒸気と混合して、合成ガス製造用のリアクターに送達した。原料混合物の変換は、NiO−Al23触媒の存在下で温度830〜850℃にて実施する。それゆえ以下の組成のガス混合物が得られる:C02−4.8体積%;CO−24.7体積%;H2−68.0体積%;CH4−2.3体積%。次に変換されたガスを冷却して、コンプレッサによって5MPaまで圧縮して、メタノール合成に送達した。メタノール合成は5MPaおよび温度230〜260℃で、CuO−ZnO−Al22(Cr23)の存在下で実施する。二酸化炭素から得られたメタノールを、生合成で得られたエタノールと混合して、そのように得られた混合物を450〜550℃にて銀触媒の存在下で、C2−C5アルコールの生合成で得られた酸素および二酸化炭素の混合物によって酸化して、アセトアルデヒドおよびホルムアルデヒドの混合物を得た。続いてアセトアルデヒドおよびホルムアルデヒドの混合物を300〜400℃でAl23の存在下でアクロレインに変換した。アクロレインを上述の実施例で述べたように、炭化水素を含有する酸素を含む、高級炭化水素へと処理した。
【0159】
(実施例33)
破砕したコムギ粒を水と1:3.5の比で混合した。穀物デンプンの酵素加水分解は、第1の段階において熱安定性アミラーゼZymajunt−340C(pH6.5、90℃、消費 穀物デンプン1kg当たり0.25ml)、第2の段階においてグリコアミラーゼGlucozym L−400C(pH5.0、60℃、消費 穀物デンプン1kg当たり0.8ml)を使用して実施した。Ende Industries Inc.,USAによって製造された工業用酵素を使用した。酵素加水分解の結果として、基質中の炭水化物の濃度は16%に達した。
【0160】
基質には:P25 200mg/lの含有量を提供する量の過リン酸塩、およびイオン交換の既知の方法によってアンモニウムおよびアスパラギンを精製した、アルコールを含まない蒸留所廃物のタンパク質の酸加水分解で得られた、100ml/lの量のアミノ酸加水分解物(アミノ窒素400mg/l)を添加した。酵母スターターバイオマスS.セレビシエを基質に5g/lの量で導入した。発酵は温度38℃およびpH=6.0で実施した。発酵の速度は3.6l/g*hであり、発酵終了時のエタノール濃度は8.7体積%、イソペンタノール濃度は920mg/l、イソブタノール濃度480mg/lであり、C3−C5アルコールの全含有率はエタノールの体積の2.3%であった。
【0161】
発酵後培養液(マッシュ)からエタノール、C3−C5アルコールおよび他の揮発性成分を蒸留して除去した。イソブチルおよびイソアミルアルコールをC2−C5アルコールから分離した。イソブチルおよびイソアミルアルコールの抽出後に得られたC2−C5アルコールの混合物をAl23触媒の存在下で300±100℃にて脱水して、その間にイソブチルおよびイソアミルアルコールをAl23触媒の存在下で250±50℃にて脱水した。次にそのように得られたイソブテンおよびイソペンテンをNi触媒の存在下で150±50℃および圧力1〜2MPaで、バイオマスから得られた水素によって、および/またはアルコールの脱水で得られた水から得られた水素によって水素添加して、イソブテンおよびイソペンタンとした。水の変換は従来の方法で実施する。そのように得られたイソブタンおよびイソペンタンを、0−10℃および圧力0.5〜1MPaで触媒として硫酸を含
有するリアクター内で、対応するアルコールの脱水で得られた不飽和C2−C5炭化水素と混合した。合成の結果として、飽和C6−C10炭化水素の混合物が得られ、これはガソリン燃料の良好な成分である。
【0162】
このアルキル化工程は、触媒としてのAlCl3の存在下で、温度50〜60℃および圧力1〜2MPaでも実施できる。
【0163】
その上、対応するC2−C5アルコールの脱水で得られた不飽和C2−C5炭化水素を、白金の存在下で予め200±50℃に加熱しておいたテルペンと混合した。0〜10℃および圧力0.5〜1MPaで触媒として90〜100%硫酸を使用して実施したアルキル化の結果として、C12−C15炭化水素の混合物を得た。アルキル化の本工程は、触媒として使用されたAlCl3の存在下で50〜60℃および圧力1〜2MPaでも実施できる。テルペンおよび低級C2−C5アルコールから得られた高級C12−C15炭化水素をモーター燃料の成分として使用した。
【0164】
(実施例34)
破砕したコーン粒を重量比1:10で水と混合して80℃まで加熱し、この温度で10分間維持し、その後、温度を100℃まで上昇させて、混合物をさらに30分間静置した。そのように調製した基質を滅菌のために150℃のオートクレーブに送達し、60分間の後に基質を37℃まで冷却した。穀粉の過剰加熱の結果として、基質中のデンプン濃度は約6%に達した。基質には、100ml/lの量の、アルコールを含まない蒸留所廃物のタンパク質の酵素加水分解であって、イオン交換の既知の方法によって予めアンモニアから精製された加水分解物(アミノ窒素400mg/l)を添加した。その後、スターター細菌バイオマスClostridium butylicumおよびClostridium acetobutylicumを(1:4の比で)基質に5g/lの濃度で導入した。発酵は37℃およびpH=5.5で実施した。発酵の速度は4.0l/g*hであり、発酵終了時のアルコール濃度は2.05体積%であり、エタノール0.24体積%、イソプロパノール0.12体積%、イソブタノール0.03体積%、n−ブタノール1.61体積%、イソペンタノール0.05体積%を含んでおり、発酵終了時のアセトン濃度は0.7体積%であった。
【0165】
穀物デンプンの発酵で得られた培養液から抽出したC2−C5アルコールの混合物は、上述の実施例で述べたように処理して高級炭化水素にすることができる。培養液から蒸留により除去されたアセトンをアルドールおよびクロトン縮合によって処理して、ジアセトンアルコール、メシチルオキシド、ホロン、およびメシチレンの混合物を得た。メシチルオキシドおよびイソホロンを得られた混合物から抽出して、触媒の存在下で150±10℃および圧力1〜5MPaで水素添加して、対応するC6およびC9アルコールとした。
【0166】
そのように得られたC6およびC9アルコールを、ジアセトンアルコールおよびメシチレンと一緒にして、得られた混合物をガソリンの成分として使用した。
【0167】
その上、培養液から蒸留により除去されたアセトンを、生合成または脂質の鹸化で得られたグリセリンによって縮合して、アセトン1,2グリセリンケタール(2,2−ジメチル−4−オキシメチル1,3−ジオキサン)を製造した。後者もモーター燃料の成分として使用した。
【0168】
もちろん本発明の考えられる実施形態は、説明された実施例に限定されない。これらの実施例は、酸素含有炭化水素を含む高級炭化水素を製造するための低級アルコールの生合成を含め、バイオマス処理の工程の本発明の実施例の考えられる経路のごく一部を説明した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭水化物基質の発酵を強化し、アルコールの収率を上昇させ、発酵培地の非発酵性有機物質を利用する方法であって:
窒素源を含む、炭水化物濃度3〜20%の水性炭水化物基質を調製するステップと;
以下の生成物、C1−C5アルコール、グリセリン、アセトアルデヒド、酢酸およびアセトンの全体濃度1.5〜10%まで基質を発酵させるステップと;
発酵培地から所望の生成物を分離するステップと;
を含み、窒素源として、アミノ酸ロイシン、イソロイシン、バリン、またはその混合物が水性炭水化物基質に、120〜420mg/lの炭水化物基質中のアミノ窒素の含有量を提供する量で添加されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
発酵の工程が1時間当たり2.8〜4.0l/gの速度で実施されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
使用された炭水化物基質がビートまたはサトウキビ糖液、異なる種類の穀物またはジャガイモの糖化デンプン(酸または酵素デンプン加水分解物)であることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
培地中のアミノ窒素の含有量が320〜400mg/l、好ましくは350〜370mg/lであることを特徴とする、上述請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
炭水化物基質の発酵で得られた酵母を乾燥物質含有率5〜10%まで濃縮するステップと;
3000〜8000mg/lのアミノ窒素含有量を示す自己分解物質を得るための、酵母タンパク質の45〜55℃での24〜48時間の自己分解のステップと;
をさらに含むことを特徴とする、上述請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
発酵培地に含有される懸濁物質を、炭水化物基質の発酵およびそこからのアルコールの分離後に、乾燥物質含有率5〜10%まで濃縮するステップと;
2000〜6000mg/lのアミノ窒素含有量を示すタンパク質の酸加水分解物を得るために、硫酸または塩酸を使用した前記物質に含有されるタンパク質の酸加水分解あるいはタンパク質分解酵素調製物を使用した前記物質に含有されるタンパク質の酵素加水分解のどちらかのステップと;
をさらに含むことを特徴とする、上述請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
炭水化物基質の発酵およびそこからのアルコールの分離後に、発酵培地に含有される水溶性物質を使用した酵母の通気培養のステップと;
そのように得られた酵母を乾燥物質含有率5〜10%まで濃縮するステップと;
3000〜8000mg/lのアミノ窒素含有量を示す自己分解物質を得るための、酵母タンパク質の45〜55℃で24〜48時間の自己分解のステップと;
をさらに含むことを特徴とする、上述請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
炭水化物基質がセルロース含有材料の酸加水分解物である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項9】
培地中のアミノ窒素の含有量が120〜150mg/lであることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
炭水化物基質の発酵およびそこからのアルコールの分離後に、ペントース含有発酵培地
を用いた酵母の通気培養のステップと;
そのように得られた酵母を乾燥物質含有率5〜10%まで濃縮するステップと;
3000〜8000mg/lのアミノ窒素含有量を示す自己分解物質を得るための、酵母タンパク質の45〜55℃での24〜48時間の自己分解のステップと;
をさらに含むことを特徴とする、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
酵母の自己分解物質、得られた酵母の酸または酵素加水分解物、あるいはその組合せが炭水化物基質の発酵における窒素源として使用されることを特徴とする、請求項5〜7および10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
アスパラギンおよびアンモニア塩を酵母自己分解物質、およびアミノ酸を含有する酸または酵素酵母加水分解物から除去するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
エタノール含有率96.9〜99.35体積%、C3−C5アルコール含有率0.65〜3.1体積%を示すアルコール混合物が発酵培地から蒸留によって分離されることを特徴とする、上述請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
グリセリン含有率30.9〜31.0体積%、エタノール含有率43.4〜44.4体積%、C3−C5アルコール含有率1.9〜2.5体積%およびアセトアルデヒド含有率22.7〜23.2体積%を示すアルコール混合物が発酵培地から蒸留によって分離されることを特徴とする、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
グリセリン含有率35.0〜35.9体積%、エタノール30.5〜31.0体積%、C3−C5アルコール1.5〜2.0体積%および酢酸31.1〜32.1体積%を示すアルコール混合物が発酵培地から蒸留によって分離されることを特徴とする、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
アセトン含有率25.5〜32.7体積%、n−ブタノール56.0〜58.5体積%、エタノール7.3〜8.7体積%、イソプロパノール0.4〜4.4体積%、イソブタノール1.1〜1.5体積%、およびイソペンタノール1.8〜2.2体積%を示す生成物混合物が発酵培地から分離されることを特徴とする、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
モーター燃料の調製において、生合成で得られたC1−C5アルコール、グリセリン、アセトアルデヒド、およびアセトンを使用するステップをさらに含む、上述請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
動物用飼料として使用するための酵母タンパク質の過剰な自己分解物質を乾燥させるステップをさらに含む、請求項5〜7および10〜17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
基質として過剰な加水分解物を用いたタンパク質の酸または酵素加水分解または自己分解で得られた懸濁物質を使用する、メタンの生合成のステップをさらに含む、請求項5〜7および10〜18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
発酵培地から分離したC1−C5アルコール、グリセリン、アセトアルデヒドおよびアセトンの生成物混合物を使用して、分子中に4個以上の炭素原子を有するものを含む高級酸素含有化合物および/または非酸素含有炭化水素を得るステップをさらに含むことを特徴とする、上述請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
モーター燃料の調製において請求項20の方法で得られた化合物を使用するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
不飽和C2−C5炭化水素を得るための、発酵後に分離されたC1−C5アルコールの生成物混合物の脱水のステップと;
アルデヒドを得るために、ヒドロホルミル化反応において前記不飽和C2−C5炭化水素を合成ガスと反応させるステップと;
前記アルデヒドに水素添加して高級アルコールの混合物とする、あるいは前記アルデヒドを最初に縮合して高級不飽和アルデヒドとして、次にこれに水素添加して対応する高級飽和アルコールにするステップと;
をさらに含むことを特徴とする、請求項20または21に記載の方法。
【請求項23】
バイオマスから、および/または分離された生成物混合物の高級炭化水素、C2−C6酸への処理で得られた廃棄物から合成ガスを、および/または生化学手段によって得られたメタンまたは生化学手段によって得られた二酸化炭素から合成ガスを調製するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
生化学手段によって得られた二酸化炭素の存在下で発酵後に分離されたC1−C5アルコールの生成物混合物を酸化して、C1−C5アルデヒドの混合物とするステップと;
前記アルデヒドを縮合して高級不飽和アルデヒドの混合物とするステップと;
続いて水素添加して、対応する高級不飽和アルコールの混合物とするステップと;
をさらに含むことを特徴とする、請求項20〜23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
飽和C4以上のアルコールを脱水して、対応する不飽和炭化水素とするステップと;
前記不飽和炭化水素に水素添加して、対応する飽和C4以上の炭化水素とするステップと;
をさらに含むことを特徴とする、請求項20〜24のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
飽和C3以上のアルコールを脱水して、対応するエーテルを得るステップをさらに含むことを特徴とする、請求項20〜25のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
対応するメチルエーテルを得るために、イソ構造の不飽和C5−C6炭化水素をメタノールと反応させるステップをさらに含むことを特徴とする、請求項20〜26のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
アルデヒドの混合物を得るために、生化学手段によって得られた二酸化炭素の存在下で発酵後に分離されたC1−C5アルコールの生成物混合物を酸化するステップと;
前記混合物を縮合して、高級不飽和アルデヒドの混合物とするステップと;
生化学手段によって得られた二酸化炭素の存在下で前記不飽和アルデヒドを酸化して、高級不飽和酸の混合物とするステップと;
対応するメチルエステルを得るために、前記酸をメタノールと反応させるステップと;をさらに含むことを特徴とする、請求項20〜27のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
高級不飽和酸に水素添加して、高級飽和酸とするステップと;
対応するメチルエステルを得るために前記飽和酸をメタノールと反応させるステップと;
をさらに含むことを特徴とする、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
生化学手段によって得られた二酸化炭素、生化学手段によって得られたメタン、およびバイオマスから、および/または炭水化物基質の発酵における生化学的方法によって、お
よび/または生合成で得られたアルコールの処理で得られた水から得られた水素を使用するメタノールの調製をさらに含むことを特徴とする、請求項27〜29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
対応するエステルを製造するための、メタノールとC4以上の脂肪酸との反応をさらに含むことを特徴とする、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
4以上の脂肪酸を得るために、発酵後に分離された生成物混合物からのC4−C5アルコールを酸化するステップと;および/または脂肪酸を得るための、C4−C6脂肪酸の生合成のステップと;および/またはトール油からの脂肪酸の抽出のステップと;および/または脂質の鹸化のステップをさらに含むことを特徴とする、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
飽和C4以上のアルコールを脱水して、対応する不飽和C4以上の炭化水素とするステップと;
対応するエステルを得るために、前記炭化水素をC1以上の脂肪酸と反応させるステップと;
を含むことを特徴とする、請求項20〜23のいずれかに記載の方法。
【請求項34】
発酵後に分離された生成物混合物からのC1−C5アルコールを酸化することによって、C1以上の脂肪酸を調製するステップ;および/または生合成を介してC2−C6脂肪酸を調製するステップ;および/またはトール油から脂肪酸を抽出するステップ;および/または脂質の鹸化によって脂肪酸を調製するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
対応するエーテルを得るために、対応する飽和アルコールの脱水で得られた不飽和C4以上の炭化水素を、生合成で得られたC2−C5アルコールと反応させるステップをさらに含むことを特徴とする、請求項22〜24のいずれかに記載の方法。
【請求項36】
飽和炭化水素の混合物からイソブタンおよびイソペンタンを抽出するステップと;
飽和C6以上の炭化水素を得るために、対応する飽和アルコールの脱水で得られた不飽和C2以上の炭化水素と反応させるステップと;
をさらに含むことを特徴とする、請求項20〜24のいずれかに記載の方法。
【請求項37】
植物および/または動物脂質、および/または脂質の鹸化で得られたグリセリン、および/または生合成で得られたグリセリンを処理して、n−プロピルアルコールとするステップと;
前記n−プロピルアルコールを発酵後に分離したC1−C5と混合するステップと;
前記混合物を使用して、分子中に4個以上の炭素原子を有するものを含む高級酸素含有化合物および/または非酸素含有炭化水素を調製するステップと;
をさらに含むことを特徴とする、請求項20または21に記載の方法。
【請求項38】
炭水化物基質の発酵で得られたC3−C5アルコールの生成物混合物から抽出されたグリセリンを抽出するステップと;
前記グリセリンを脱水して、アクロレインとするステップと;
アクロレインに水素添加して、プロピオンアルデヒドおよびプロピルアルコールとするステップと;
前記プロピオンアルデヒドを炭水化物基質の発酵で得られたC3−C5アルコール、およびアクロレインの水素添加で得られたプロパノールと縮合して、対応するプロパノールとするステップと;
あるいはプロピオンアルデヒドを最初に縮合して不飽和イソヘキサンアルデヒドとして、
次にこれに水素添加して飽和アルコールイソヘキサノールとするステップと;
をさらに含むことを特徴とする、請求項20または21に記載の方法。
【請求項39】
炭水化物基質の発酵で得られたC3−C5アルコールの生成物混合物から抽出されたグリセリンを抽出するステップと;
前記グリセリンを脱水して、アクロレインとするステップと;
アクロレインを縮合して、アクロレインダイマー(2−ホルミル−3,4−ジヒドロ−2H−ピラン)とするステップと;
アクロレインダイマーに水素添加して、テトラヒドロピラン−2−メタノールとするステップと、同時に、分子中に4個以上の炭素原子を有するものを含む高級酸素含有化合物および/または非酸素含有炭化水素を得るために、炭水化物基質の発酵で得られたC3−C5アルコールの残りの混合物を使用するステップと;
をさらに含むことを特徴とする、請求項20または21に記載の方法。
【請求項40】
炭水化物基質の発酵で得られたC1−C5アルコールの混合物からメタノールおよびエタノールを抽出するステップと;
炭水化物基質の発酵で得られた二酸化炭素から製造されたメタノール、およびバイオマスに由来する水素を添加するステップと;
前記メタノールおよびエタノールを酸化して、それぞれホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒドとするステップと;
ホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒドの得られた混合物を縮合して、アクロレインとするステップと;
アクロレインを縮合して、アクロレインダイマー(2−ホルミル−4,4−ジヒドロ−2H−ピラン)とするステップと;
アクロレインダイマーに水素添加して、テトラヒドロピラン−2−メタノールとするステップと、同時に、分子中に4個以上の炭素原子を有するものを含む高級酸素含有化合物および/または非酸素含有炭化水素を得るために、炭水化物基質の発酵で得られたC3−C5アルコールの残りの混合物を使用するステップと;
をさらに含むことを特徴とする、請求項20または21に記載の方法。
【請求項41】
飽和C6以上のアルコール、飽和C5以上のエステル、およびC2以上の脂肪酸を製造するために、発酵後に分離されたC1−C5アルコールの混合物、および/またはグリセリンから得られたn−プロピルアルコールを縮合するステップと;
同時に、分子中に4個以上の炭素原子を有するものを含む高級酸素含有化合物および/または非酸素含有炭化水素を製造するために、縮合で得られた、縮合しなかった残りの低級アルコール、およびガス状生成物,を使用するステップと;
をさらに含むことを特徴とする、請求項20、21、および37のいずれかに記載の方法。
【請求項42】
不飽和C6以上の炭化水素を得るために、C1−C5アルコールの縮合で得られた飽和C6以上のアルコールを脱水するステップと;
前記不飽和C6以上の炭化水素に水素添加して、飽和C6以上の炭化水素とするステップと;
をさらに含むことを特徴とする、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
対応するC7以上のエーテルを得るために、対応する飽和アルコールの脱水で得られた不飽和C6以上の炭化水素を非縮合C1−C5アルコールと反応させるステップと;
をさらに含むことを特徴とする、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
不飽和C2−C5炭化水素を得るために、非縮合低級アルコールC2−C5を脱水するステ
ップと;
12以上の炭化水素を得るために、不飽和C2−C5炭化水素によってテルペンをアルキル化するステップと;
をさらに含むことを特徴とする、請求項41に記載の方法。
【請求項45】
対応するC8以上のエステルを得るために、C1−C5アルコールの縮合で得られたC2以上の脂肪酸を、対応する飽和アルコールの脱水で得られた不飽和C6以上炭化水素と反応させるステップと;
をさらに含むことを特徴とする、請求項41または42に記載の方法。
【請求項46】
12以上のエステルを得るために、C1−C5アルコール縮合工程で得られたC2以上の脂肪酸をテルペンと反応させるステップと;
をさらに含むことを特徴とする、請求項41に記載の方法。
【請求項47】
炭水化物基質の発酵で得られたC2−C5アルコールの混合物からアセトンを分離するステップと;ジアセトンアルコール、メシチルオキシド、ホロン、およびメシチレンの混合物を得るために、アセトンをアルドールおよびクロトン縮合によって処理するステップと;
同時に、分子中に4個以上の炭素原子を有するものを含む高級酸素含有化合物および/または非酸素含有炭化水素を得るために、残りのC2−C5アルコールの混合物を使用するステップと;
をさらに含むことを特徴とする、上述請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項48】
アセトンのアルドールおよびクロトン縮合の結果で得られた炭化水素の混合物からメシチルオキシドおよびホロンを抽出するステップと;
飽和イソヘキシルおよびイソノニルアルコールを得るために、続いてメシチルオキシドおよびホロンに水素添加するステップと;
をさらに含むことを特徴とする、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
不飽和C2以上の炭化水素をC2以上のアルデヒドによって縮合して、不飽和C4以上のアルコールとするステップと;
不飽和C4以上のアルコールに添加して、対応する飽和C4以上のアルコールとするステップと;
をさらに含むことを特徴とする、請求項20、21、22、24、28、37および38に記載の方法。
【請求項50】
バイオマスから、および/または生化学的方法によって、および/または生合成によって得られたアルコールの処理で得られた水から、水素添加に使用するための水を得るステップと;
をさらに含むことを特徴とする、請求項22〜49に記載の方法。
【請求項51】
炭水化物基質の発酵で得られたC3−C5アルコールの混合物からグリセリンを分離するステップと;
グリセリンを、グリセリンアセタールを得るために、生化学的方法によって得られたアセトアルデヒド、またはグリセリンケタールを得るために、生化学的方法によって得られたアセトンのどちらかと縮合するステップと;
同時に、分子中に4個以上の炭素原子を有するものを含む高級酸素含有化合物および/または非酸素含有炭化水素を得るために、残りのC2−C5アルコールの混合物を使用するステップと;
をさらに含むことを特徴とする、請求項20または21に記載の方法。
【請求項52】
バイオマスからの、および/または炭水化物基質の発酵で得られた生成物のいずれかの高級炭化水素への処理で得られた廃棄物からの合成ガスを、および/または生化学的方法によって二酸化炭素から製造されたメタンから、合成ガスを調製するステップと;
フィッシャー−トロプシュ(Fisher−Tropsch)法によって非酸素含有炭化水素を製造するために、生化学原材料から得られた前記合成ガスを使用するステップと;
をさらに含むことを特徴とする、上述請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項53】
バイオマスからの、および/または炭水化物基質の発酵で得られた生成物のいずれかの高級炭化水素への処理で得られた廃棄物からの合成ガスを、および/または生化学的方法によって二酸化炭素から製造されたメタンから、合成ガスを調製するステップと;
フィッシャー−トロプシュ(Fisher−Tropsch)法によって酸素含有炭化水素を製造するために、生化学原材料から得られた前記合成ガスを使用するステップと;をさらに含むことを特徴とする、上述請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項54】
対応する飽和C3以上のアルコールを得るために、生合成で得られた対応する飽和アルコールの脱水で得られた不飽和C2以上の炭化水素を、生化学原材料から得られた酸化炭素、および水と反応させるステップと;
をさらに含むことを特徴とする、請求項20、21または22のいずれかに記載の方法。
【請求項55】
エタノールの脱水で得られたエチレンをメタノールおよびブチレンペルオキシドと混合するステップと;
得られた混合物をC3−C12アルコールの混合物を得るために、得られた混合物をテロマー化によって処理するステップと;
をさらに含むことを特徴とする、請求項20、21または22に記載の方法。

【公表番号】特表2007−533301(P2007−533301A)
【公表日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−536486(P2006−536486)
【出願日】平成16年10月22日(2004.10.22)
【国際出願番号】PCT/SE2004/001534
【国際公開番号】WO2005/040392
【国際公開日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(506138199)スウェディッシュ・バイオフュエルズ・アクチボラゲット (1)
【氏名又は名称原語表記】SWEDISH BIOFUELS AB
【Fターム(参考)】