説明

バイナリー発電システム

【課題】バイオマスを含む廃棄物の燃焼による排熱の熱回収率を向上させ、安定して発電できるバイナリー発電システムを提供する。
【解決手段】バイナリー発電システムは、廃棄物を燃焼して排ガスを発生させる焼却炉110と、前記排ガスから熱回収し熱媒体油140を昇温する熱回収部122、熱回収部122により熱回収された前記排ガスに水を噴霧する噴霧器126、及び前記水を噴霧された前記排ガスから熱回収して熱媒体油140を昇温し、昇温した熱媒体油140を熱回収部122へ供給する熱回収部124を有する冷却装置120と、熱回収部122から排出された熱媒体油140と冷媒202との熱交換を行う熱交換器260、270と、熱交換器270により昇温された冷媒202が供給されて回転駆動するタービン210と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、バイナリー発電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化現象の原因の1つとして、COによる温室効果が指摘され、地球環境を守る上で、CO排出抑制への要求が強まっている。これに伴い、COを発生させない太陽光、太陽熱、風力、地熱、潮力、バイオマス等の再生エネルギーを用いた発電方式への需要が高まっている。このうち、発電だけでなく燃料製造としても有望なバイオマスは、その利用可能エネルギー量が最も多いと予想されている。バイオマスは、食品廃棄物、建築廃材等の生活から出てくる廃棄物や、畜産農家・林業から出てくる糞尿・間伐財等の不要物まで多岐にわたる。その再生方法としては、燃焼による熱サイクル発電や、バイオディーゼル・バイオガス等の燃料製造などがある。
【0003】
バイオマスの燃焼による熱サイクル発電では、一般的に、バイオマス用のボイラーで蒸気を製造し、蒸気タービンで発電を行う。バイオマスを燃焼させると、ダイオキシン等の有毒物質を生成するため、バイオマスを燃焼させた後のプロセスが重要になる。一般的に、建築廃材等を燃焼させると、付着している塗料、接着剤、防腐材によりダイオキシンが発生する。ダイオキシンの発生を抑制するために、燃焼ガスを800℃の断熱状態で2秒以上滞留させた後、200℃以下まで急冷し、その後、スクラバーで散水して有害物を水の中に溶解させて分離回収している。
【0004】
上述した燃焼ガスの急冷において、熱交換時間を短くするためには、熱を移動させる媒体と燃焼ガスとの温度差を大きくとることが必要になる。そのため、従来の蒸気タービンサイクルは、高温での熱回収が難しく、蒸気タービン発電効率が低かった。また、バイオマスには様々なものがあり、その種類によって燃焼ガスからの熱回収量が変動するため、安定した発電が困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,964,168号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、バイオマスを含む廃棄物の燃焼による排熱の熱回収率を向上させ、安定して発電できるバイナリー発電システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施形態によれば、バイナリー発電システムは、廃棄物を燃焼して排ガスを発生させる焼却炉と、前記焼却炉から供給された前記排ガスから熱回収し熱媒体油を昇温する第1熱回収部、前記第1熱回収部により熱回収された前記排ガスに水を噴霧する噴霧器、及び前記水を噴霧された前記排ガスから熱回収して前記熱媒体油を昇温し、昇温した前記熱媒体油を前記第1熱回収部へ供給する第2熱回収部を有する冷却装置と、前記第1熱回収部から排出された前記熱媒体油と冷媒との熱交換を行い、前記冷媒を昇温させる熱交換器と、前記熱交換器で熱交換された前記熱媒体油を前記第2熱回収部へ送り込む第1ポンプと、前記熱交換器により昇温された前記冷媒が供給されて回転駆動するタービンと、前記タービンから排出された前記冷媒を凝縮する凝縮器と、前記凝縮器により凝縮された前記冷媒と、前記タービンから排出され前記凝縮器に供給される前記冷媒との熱交換を行う再生器と、前記凝縮器により凝縮された前記冷媒を前記再生器を介して前記熱交換器へ送り込む第2ポンプと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るバイナリー発電システムの概略構成図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係るバイナリー発電システムの概略構成図である。
【図3】同第2の実施形態の変形例によるバイナリー発電システムの概略構成図である。
【図4】本発明の第3の実施形態に係るバイナリー発電システムの概略構成図である。
【図5】同第3の実施形態の変形例によるバイナリー発電システムの概略構成図である。
【図6】同第3の実施形態の変形例によるバイナリー発電システムの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
(第1の実施形態)図1に本発明の第1の実施形態に係るバイナリー発電システムの概略構成を示す。バイナリー発電システムは、燃焼装置100及びタービンサイクル200を備えている。
【0011】
燃焼装置100は、焼却炉110、冷却装置120を備え、熱媒体油140が循環する構成となっている。熱媒体油140には、シリコーン油や、ビフェニルとジフェニルエーテルの混合物等の400℃程度まで安定な熱媒体が用いられる。また、燃焼装置100には、熱媒体油140を貯留するタンク132、及びタンク132に貯留されている熱媒体油140を冷却装置120へ送り込むポンプ134が設けられている。
【0012】
焼却炉110は、バイオマスを含む廃棄物を燃焼させる燃焼器112と、燃焼器112で発生した燃焼ガス(以下、排ガスと称する)116を熱分解するクラッキング部114とを有する。バイオマスは、例えば、食品廃棄物、建築廃材等の生活から出てくる廃棄物や、畜産農家・林業から出てくる糞尿・間伐財等の不要物である。
【0013】
クラッキング部114は、燃焼器112からみて排ガス流路の下流側に設けられており、例えば燃焼器112の上部に設けられている。クラッキング部114は断熱構造になっており、燃焼器112で発生した排ガス116が800℃以上で2秒以上滞留する。クラッキング部114から排出された排ガス116は冷却装置120に供給される。
【0014】
冷却装置120は、高温熱回収部122、低温熱回収部124、及び噴霧器126を有する。
【0015】
高温熱回収部122は、クラッキング部114から排出された排ガス116を用いて、低温熱回収部124から排出された熱媒体油140を昇温させる。排ガス116は高温熱回収部122での熱回収により温度が下がる。このとき、高温熱回収部122を通過した排ガス116の温度が500℃以上となるようにする。これは、排ガス116の温度が250℃〜450℃程度のときにダイオキシンが発生しやすいためである。
【0016】
噴霧器126は、高温熱回収部122から排出された排ガス116に対して水を噴霧し、排ガス116を急速冷却する。例えば、噴霧器126は排ガス116を1秒以内に200℃以下まで冷却する。このような排ガス116の急速冷却により、ダイオキシンの発生を抑制することができる。また、噴霧器126において、排ガス116の酸洗浄等も並行して実施される。
【0017】
低温熱回収部124は、噴霧器126により冷却された排ガス116を用いて、ポンプ134から送り込まれた熱媒体油140を昇温させる。排ガス116は低温熱回収部124での熱回収によりさらに温度が下がる。低温熱回収部124を通過した排ガス116は冷却装置120から排出される。
【0018】
このように、冷却装置120では、低温熱回収部124が、噴霧器126により冷却された排ガス116を用いて熱媒体油140を昇温する。そして、高温熱回収部122が、噴霧器126により冷却される前の排ガス116を用いて、低温熱回収部124により昇温された熱媒体油140をさらに昇温する。そのため、ダイオキシンの発生を抑制しながら、排ガス116の熱を有効に回収することができる。
【0019】
冷却装置120の高温熱回収部122から排出された熱媒体油140は、後述する高温熱交換器270及び低温熱交換器260において、タービンサイクル200を循環する冷媒202と熱交換した後、タンク132に供給される。
【0020】
次に、タービンサイクル200について説明する。タービンサイクル200は、タービン210、再生器230、凝縮器240、ポンプ250、低温熱交換器260、及び高温熱交換器270を備え、冷媒202が循環する構成になっている。冷媒202には、例えば、フロン、又は炭化水素系の低沸点媒体が用いられる。
【0021】
冷媒202は、低温熱交換器260において熱媒体油140と熱交換して昇温され、その後、高温熱交換器270において熱媒体油140と熱交換して蒸発し、気水分離される。蒸発した冷媒202はタービン210に供給される。なお、高温熱交換器270とタービン210との間には蒸気流量を調整するバルブ280が設けられている。
【0022】
タービン210は、蒸発した冷媒202により駆動する。タービン210のタービン軸212には、タービン軸212の回転により発電を行う発電機220が連結されている。
【0023】
凝縮器240は、図示しない冷却媒体を用いて、タービン210から排出された冷媒202を凝縮して液化する。
【0024】
凝縮器240により液化された冷媒202は、ポンプ250により低温熱交換器260へ送り込まれる。
【0025】
再生器230は、タービン210から排出された冷媒202と、ポンプ250により低温熱交換器260へ送り込まれる冷媒202との熱交換を行う。再生器230における熱交換により、凝縮器240に供給される冷媒202の温度が低下するため、凝縮器240の熱負荷を低減することができる。これは、タービン210から排出される冷媒202の温度が、凝縮器240の凝縮温度を大きく上回る場合、すなわちタービン210から排出される冷媒202が過熱度の高い蒸気である場合に特に有効である。また、タービン210から排出された冷媒202から、熱を効率的に回収することができる。
【0026】
高温熱交換器270での蒸発温度が冷媒202の臨界温度以下の場合は、ポンプ250に亜臨界圧媒体ポンプを用いることで、高温、高圧の蒸気を生成することができ、タービン210での断熱熱落差が大きくなり、熱回収量に対する発電量を大きくすることができる。また、高温熱交換器270での蒸発温度が冷媒202の臨界温度より高い場合は、ポンプ250に超臨界圧媒体ポンプを用いることがで、冷媒202は超臨界流体となる。
【0027】
本実施形態によるバイナリー発電システムでは、燃焼装置100の焼却炉110で廃棄物を燃焼させることで発生した排ガス116と、熱媒体油140とが、冷却装置120の高温熱回収部122及び低温熱回収部124において熱交換する。低温熱回収部124では、噴霧器126により冷却された後の排ガス116と熱媒体油140とが熱交換する。高温熱回収部122では、噴霧器126により冷却される前の高温の排ガス116と熱媒体油140とが熱交換する。高温熱回収部122を設けることで、熱媒体油140を高温にすることができる。
【0028】
このように排ガス116から効率良く熱を回収して高温になった熱媒体油140により冷媒202を昇温することで、タービン210を駆動する媒体(蒸気)温度を高温化することができ、効率良く安定的に発電を行うことができる。
【0029】
また、冷却装置120の高温熱回収部122において排ガス116から熱媒体油140へ熱回収する際に、排ガス116の温度が500℃未満のダイオキシンが発生しやすい温度まで低下しないようにしている。そして、高温熱回収部122を通過した排ガス116を、噴霧器126の水噴霧により急速冷却する。排ガス116の温度が、ダイオキシンの発生しやすい温度にある状態を極めて短時間にすることで、ダイオキシンの発生を抑制することができる。
【0030】
このように、本実施形態に係るバイナリー発電システムによれば、バイオマスを含む廃棄物の燃焼による排熱の熱回収率及び発電効率を向上させつつ、ダイオキシンの発生を抑制することができる。
【0031】
上記実施形態において、高温熱交換器270及び低温熱交換器260は一体化してもよい。
【0032】
(第2の実施形態)図2に本発明の第2の実施形態に係るバイナリー発電システムの概略構成を示す。本実施形態は、図1に示す第1の実施形態と比較して、2種類の熱媒体油が循環している点が異なる。図2において、図1に示す第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0033】
図2に示すように、本実施形態に係る燃焼装置100は、焼却炉110に設けられた熱回収部118、タンク152、及びポンプ154を備え、熱媒体油160が循環する構成になっている。熱媒体油160は、熱媒体油140よりも耐高温性のある熱媒体が用いられる。タンク152は、熱媒体油160を貯留する。ポンプ154は、タンク152に貯留されている熱媒体油160を熱回収部118へ送り込む。
【0034】
熱回収部118は、燃焼器112の下方に設けられ、高温の灰等が堆積する。熱回収部118は、堆積した高温の灰等を用いて、ポンプ154から送り込まれた熱媒体油160を昇温させる。熱回収部118により昇温された熱媒体油160は、高温熱交換器270に供給され、冷媒202と熱交換した後、タンク152に供給される。熱回収部118により加熱された熱媒体油160は、冷却装置120の高温熱回収部122及び低温熱回収部124により加熱された熱媒体油140よりも高温になる。
【0035】
冷却装置120の高温熱回収部122から排出された熱媒体油140は、低温熱交換器260に供給され、冷媒202と熱交換した後、タンク132に供給される。
【0036】
冷媒202は、低温熱交換器260において熱媒体油140と熱交換して昇温された後、高温熱交換器270において熱媒体油160と熱交換してさらに昇温される。本実施形態によれば、上記第1の実施形態と比較して、冷媒202をより高温・高圧にすることが可能となるため、冷媒202によるバイナリーサイクル発電出力をさらに増加させることができる。
【0037】
このように、本実施形態によれば、バイオマスを含む廃棄物の燃焼による排熱の熱回収率及び発電効率を向上させつつ、ダイオキシンの発生を抑制することができる。さらに、排ガス116の熱だけでなく、焼却炉110の高温灰等の熱を回収することで、発電効率をさらに向上させることができる。
【0038】
なお、焼却炉110に投入されるバイオマス燃料に亜鉛や鉄等の重金属が含まれる場合や、化石燃料の追加投入がある場合は、ダイオキシンの発生しやすい温度帯域が広がるため、ダイオキシンの発生を抑制しつつ高温熱回収部122で熱回収を行うことが困難になる。従って、このような場合は、図3に示すように、冷却装置120の高温熱回収部122を省略し、低温熱回収部124により加熱された熱媒体油140を低温熱交換器260へ供給する構成にすることが好ましい。
【0039】
(第3の実施形態)図4に本発明の第3の実施形態に係るバイナリー発電システムの概略構成を示す。本実施形態は、図2に示す第2の実施形態と比較して、低温熱交換器260で加熱された冷媒202により駆動するタービン214をさらに設けた点が異なる。図4において、図2に示す第2の実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0040】
タービン214はタービン軸212を介してタービン210に連結されている。タービン214は、低温熱交換器260で加熱された冷媒202及びタービン210から排出された冷媒202が供給され、回転駆動する。低温熱交換器260で加熱された冷媒202は分岐し、一方はタービン214に供給され、他方は高温熱交換器270に供給される。低温熱交換器260で加熱された冷媒202の分岐点とタービン214との間にはバルブ282が設けられ、タービン214への冷媒202の供給量を調整できるようになっている。
【0041】
タービン214から排出された冷媒202は、再生器230を介して凝縮器240に供給される。凝縮器240により液化された冷媒202は、例えば超臨界圧媒体ポンプであるポンプ250により、再生器230を介して低温熱交換器260に供給される。
【0042】
高温熱交換器270では、焼却炉110の高温灰等により加熱された高温の熱媒体油160により冷媒202が加熱されるため、タービン210に供給される冷媒202は高温になる。一般に、フロン系や炭化水素系の低沸点媒体(冷媒202)の多くは、タービンで膨張仕事する際に、飽和線より離れ過熱度が高くなる。タービン214入口での媒体蒸気の過熱度が高いと、タービン214出口での過熱度が大きくなり、再生器230の熱負荷が大きくなる。
【0043】
本実施形態は、タービン210から排出された高温の冷媒202と、低温熱交換器260で加熱された冷媒202とを混合してタービン214に供給する。そのため、上記第2の実施形態と比較して、タービン214から再生器230に供給される冷媒202の温度を低下させることができ、再生器230の熱負荷を低減することができる。
【0044】
このように、本実施形態によれば、バイオマスを含む廃棄物の燃焼による排熱の熱回収率及び発電効率を向上させつつ、ダイオキシンの発生を抑制することができる。さらに、排ガス116の熱だけでなく、焼却炉110の高温灰等の熱を回収することで、発電効率をさらに向上させることができる。また、再生器230の負荷を低減することができる。
【0045】
なお、焼却炉110に投入されるバイオマス燃料に亜鉛や鉄等の重金属が含まれる場合や、化石燃料の追加投入がある場合は、ダイオキシンの発生しやすい温度帯域が広がるため、ダイオキシンの発生を抑制しつつ高温熱回収部122で熱回収を行うことが困難になる。従って、このような場合は、図5に示すように、冷却装置120の高温熱回収部122を省略し、低温熱回収部124により加熱された熱媒体油140を低温熱交換器260へ供給する構成にすることが好ましい。
【0046】
また、図6に示すように、上記第3の実施形態において、凝縮器240により液化された冷媒202を分岐し、一方をポンプ250により再生器230を介して低温熱交換器260へ供給し、他方をポンプ252により高温熱交換器270へ供給するようにしてもよい。ポンプ252はポンプ250より高圧なポンプである。
【0047】
高温熱交換器270において熱媒体油160と熱交換した冷媒202はタービン210に供給される。また、低温熱交換器260において熱媒体油140と熱交換した冷媒202は、高温熱交換器270には供給されず、タービン210から排出された冷媒202と混合されてタービン214に供給される。このような構成によっても、上記第3の実施形態と同様に、再生器230の負荷を低減することができる。
【0048】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0049】
100 燃焼装置
110 焼却炉
112 燃焼器
114 クラッキング部
116 燃焼ガス(排ガス)
120 冷却装置
122 高温熱回収部
124 低温熱回収部
126 噴霧器
132 タンク
134 ポンプ
140 熱媒体油
200 タービンサイクル
202 冷媒
210 タービン
212 タービン軸
220 発電機
230 再生器
240 凝縮器
250 ポンプ
260 低温熱交換器
270 高温熱交換器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物を燃焼して排ガスを発生させる焼却炉と、
前記焼却炉から供給された前記排ガスから熱回収し熱媒体油を昇温する第1熱回収部、前記第1熱回収部により熱回収された前記排ガスに水を噴霧する噴霧器、及び前記水を噴霧された前記排ガスから熱回収して前記熱媒体油を昇温し、昇温した前記熱媒体油を前記第1熱回収部へ供給する第2熱回収部を有する冷却装置と、
前記第1熱回収部から排出された前記熱媒体油と冷媒との熱交換を行い、前記冷媒を昇温させる熱交換器と、
前記熱交換器で熱交換された前記熱媒体油を前記第2熱回収部へ送り込む第1ポンプと、
前記熱交換器により昇温された前記冷媒が供給されて回転駆動するタービンと、
前記タービンから排出された前記冷媒を凝縮する凝縮器と、
前記凝縮器により凝縮された前記冷媒と、前記タービンから排出され前記凝縮器に供給される前記冷媒との熱交換を行う再生器と、
前記凝縮器により凝縮された前記冷媒を前記再生器を介して前記熱交換器へ送り込む第2ポンプと、
を備えるバイナリー発電システム。
【請求項2】
前記焼却炉に設けられ、前記廃棄物の燃焼により発生する灰から熱回収して第2熱媒体油を昇温する第3熱回収部と、
前記第3熱回収部から排出された前記第2熱媒体油と、前記熱交換器により昇温された前記冷媒との熱交換を行い、前記冷媒を昇温して前記タービンへ供給する第2熱交換器と、
前記第2熱交換器で熱交換された前記第2熱媒体油を前記第3熱回収部へ送り込む第3ポンプと、
をさらに備える請求項1に記載のバイナリー発電システム。
【請求項3】
前記熱交換器により昇温された前記冷媒の一部と、前記タービンから排出された前記冷媒とが混合されて供給され回転駆動する第2タービンをさらに備え、
前記再生器は、前記凝縮器により凝縮された前記冷媒と、前記第2タービンから排出され前記凝縮器に供給される前記冷媒との熱交換を行うことを特徴とする請求項2に記載のバイナリー発電システム。
【請求項4】
前記焼却炉に設けられ、前記廃棄物の燃焼により発生する灰から熱回収して第2熱媒体油を昇温する第3熱回収部と、
前記第3熱回収部から排出された前記第2熱媒体油と、前記凝縮器により凝縮された前記冷媒の一部との熱交換を行い、前記冷媒を昇温する第2熱交換器と、
前記第2熱交換器から前記冷媒が供給されて回転駆動する第2タービンと、
前記第2熱交換器で熱交換された前記第2熱媒体油を前記第3熱回収部へ送り込む第3ポンプと、
をさらに備え、
前記タービンには、前記第2タービンから排出された前記冷媒と、前記熱交換器から排出された前記冷媒とが混合されて供給されることを特徴とする請求項1に記載のバイナリー発電システム。
【請求項5】
前記第1熱回収部により熱回収された後の前記排ガスの温度は500℃以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のバイナリー発電システム。
【請求項6】
廃棄物を燃焼して排ガスを発生させる焼却炉と、
前記焼却炉から供給された前記排ガスに水を噴霧する噴霧器、及び前記水を噴霧された前記排ガスから熱回収して第1熱媒体油を昇温する第1熱回収部を有する冷却装置と、
前記第1熱回収部から排出された前記第1熱媒体油と冷媒との熱交換を行い、前記冷媒を昇温させる第1熱交換器と、
前記第1熱交換器で熱交換された前記第1熱媒体油を前記第1熱回収部へ送り込む第1ポンプと、
前記焼却炉に設けられ、前記廃棄物の燃焼により発生する灰から熱回収して第2熱媒体油を昇温する第2熱回収部と、
前記第2熱回収部から排出された前記第2熱媒体油と、前記第1熱交換器により昇温された前記冷媒との熱交換を行い、前記冷媒を昇温する第2熱交換器と、
前記第2熱交換器で熱交換された前記第2熱媒体油を前記第2熱回収部へ送り込む第2ポンプと、
前記第2熱交換器により昇温された前記冷媒が供給されて回転駆動するタービンと、
前記タービンから排出された前記冷媒を凝縮する凝縮器と、
前記凝縮器により凝縮された前記冷媒と、前記タービンから排出され前記凝縮器に供給される前記冷媒との熱交換を行う再生器と、
前記凝縮器により凝縮された前記冷媒を前記再生器を介して前記第1熱交換器へ送り込む第3ポンプと、
を備えるバイナリー発電システム。
【請求項7】
前記第1熱交換器により昇温された前記冷媒の一部と、前記タービンから排出された前記冷媒とが混合されて供給され回転駆動する第2タービンをさらに備え、
前記再生器は、前記凝縮器により凝縮された前記冷媒と、前記第2タービンから排出され前記凝縮器に供給される前記冷媒との熱交換を行うことを特徴とする請求項6に記載のバイナリー発電システム。
【請求項8】
前記第2ポンプが、亜臨界圧媒体ポンプであることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のバイナリー発電システム。
【請求項9】
前記第2ポンプが、超臨界圧媒体ポンプであることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のバイナリー発電システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−76383(P2013−76383A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−217318(P2011−217318)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】