説明

バウチャとクーポンを印刷する方法

極めてセキュリティを必要とするバウチャとあまりセキュリティを必要としないクーポンを印刷するためのプリンタの駆動方法を開示する。プリンタは、例えば、賭博端末(例えば、スロットマシン)、切符販売機、販売時情報管理端末などの中にあってもよい。第1のドライバは、例えば第1コントローラから、印刷するバウチャ情報を示すデータを受け取る。第2のドライバは、例えば第2コントローラから、印刷するクーポン情報を示すデータを受け取る。第1と第2のドライバに反応するプロセッサは、標準プリンタ形式のプリンタコマンドを生成して、それにより同じプリンタを使用してバウチャとクーポンを印刷することができる。バウチャを印刷するために端末製造業者によって提供されるセキュリティを必要とする(かつ通常は独特の)ハードウェアおよび/またはソフトウェアによってクーポンを処理する必要はない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にプリンタに関し、より詳細にはユーザ端末においてプリンタを駆動する方法に関する。係るプリンタは、特に、ゲーム機、自動販売機、販売時点情報管理(POS)端末、交通チケット販売機、娯楽チケット販売機などに適している。
【背景技術】
【0002】
チケットプリンタは、様々な用途に使用される。そのような1つの用途は、抽選端末、スロットマシン、および他の自動賭博(self-service wagering)または取引(例えば、列車乗車券、入場券、航空券)装置に使用される符号化されたチケットまたはバウチャを印刷することである。本開示と添付の特許請求の範囲において、用語「バウチャ」は、実質的な金銭価値を有し(または、有する可能性があり)偽造を防ぐためのセキュリティを確保した技術を使用して印刷されなければならないチケットなどの印刷文書を意味するために使用される。用語「クーポン」は、あってもごく僅かな金銭価値しかなく、バウチャに必要なほど高度なセキュリティを使用せずに印刷することができる文書を指すために使用される。セキュリティを確保した技術を使用してクーポンを印刷してもよいが、セキュリティレベルは、一般に、バウチャと関連して使用される技術より低いことは理解されたい。
【0003】
例えば、カジノや競馬場などで利用される現金を使用しないゲーミングシステムなどの自動端末で使用するために様々なプリンタシステムが提案されてきた。そのようなシステムでは、例えばトークン、キャッシュ、デビットカード、クレジットカードなどの代わりに、ゲーム利用者が使用するためにバウチャが印刷される。そのような自動端末は、中央システムコントローラ(CSC)によってネットワークを介して制御されてもよく、あるいは少なくとも部分的に制御されてもよい。CSCは、端末と同じ場所にあってもよく、離れた場所にあってもよい。離れた場所にあるCSCが、複数の施設(様々なカジノ、競馬場、宝くじ売り場など)にある様々な数の端末にサービスを提供する場合がある。
【0004】
端末を使用する施設で、端末プリンタがバウチャ以外のものを印刷したい場合がある。例えば、そのような施設が、その施設で使用するためのクーポンを印刷したい場合がある。そのようなクーポンは、例えば、施設において無料または割引の食物を提供する場合がある。また、例えば、様々なマーケティング、広告、販売促進の目的を達成するために、将来のイベントの特別値引き、新しい製品とサービスの広告、無料または割引駐車、ホテルルームのアップグレード、旅行および娯楽促進、コンテスト参加など、他のタイプのクーポンも考えられる。
【0005】
既に市場にあるほとんどの端末では、施設管理者が端末のプリンタ部分にアクセスしてバウチャと別(バウチャと無関係でもよい)の特別のクーポンを印刷する方法はない。そのような機能を提供するために、ベンダは、クーポンを印刷することができる新しい型の端末を提示した。これらの新しい端末は、端末プリンタがバウチャとクーポンを印刷することを可能にするために独自のソフトウェア、ハードウェアおよび/またはプロトコルを使用しなければならない。クーポンの印刷は、実行されるとき、バウチャに使用されるセキュリティが確保された処理チャンネルによって処理され、バウチャは、より厳密なアクセス制御とセキュリティ要件を受ける。この解決策は、新しい端末の購入を必要とするため、多くの施設は許容できない。そのような端末を数百台も有する施設では、この解決策には法外なコストがかかる。
【0006】
設備がその端末からクーポンを印刷するためのよりコスト効果の高い方法を提供することは有利である。そのようなシステムは、既存の端末を置き換えることなく、現在の端末を使用できることが好ましい。また、端末(例えば、賭博端末、POS端末、または他の消費者端末)の内部にあるコントローラ(例えば、セキュアコントローラ)が端末プリンタと通信してバウチャを印刷でき、また装置の外部にあるCSCが組み込み端末プリンタと通信してクーポンや他の文書を印刷できると好都合である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、既存および将来の端末と共に使用し且つ以上その他の利点を享受する様々なプリンタインタフェースの実施形態を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、プリンタを駆動するための方法が提供される。第1のドライバは、第1コントローラ(例えば、ローカルコントローラ)から、印刷する情報を示すデータを受け取る。第2のドライバは、第2コントローラ(例えば、中央システムコントローラ)から、印刷する情報を示すデータを受け取る。プロセッサが、第1と第2のドライバに応じてプリンタの標準形式のプリンタコマンドを生成する。
【0009】
一実施形態では、第1のドライバは、第1の形式でデータを受け取り、第2のドライバは、第2の形式でデータを受け取る。例えば、第1のドライバは、RS−232、ネットプレックス、USB、イーサネット(登録商標)またはI2Cのうちのいずれかの形式でデータを受け取り、第2のドライバは、RS−232、ネットプレックス、USB、イーサネット(登録商標)またはI2Cのうちの別の形式でデータを受け取る。
【0010】
第1のドライバとプロセッサは、第1コントローラからのデータをデコードし、デコードした第1コントローラデータを標準形式に変換する。第2のドライバとプロセッサは一緒に第2コントローラからのデータをデコードし、デコードした第2コントローラデータを標準形式に変換する。示した実施形態では、第1のドライバプロセスは、バウチャの印刷に使用するために第1コントローラからのキャッシュデータを処理する。第2のドライバは、クーポンの印刷に使用するために第2コントローラからの非キャッシュデータを処理する。
【0011】
インタフェースは、プリンタに組み込まれてもよい。代替として、インタフェースは、プリンタの外部に提供されてもよい。プリンタは、例えば、ゲーム機プリンタ、販売時点情報管理端末プリンタなどを含むことができる。
【0012】
第1コントローラと第2コントローラからプリンタを駆動する方法を開示する。この方法は、第1コントローラと第2コントローラからの通信を監視する工程を含む。コントローラの一方からプリンタ通信を受け取ったとき、プリンタの可用性が判定される。プリンタが使用可能な場合、プリンタデータが、プリンタに通信するためにある形式でデコードされ標準プリンタ形式に変換される。プリンタが使用可能でない場合、プリンタデータは、後でプリンタが使用可能になった後でプリンタに通信するためにある形式でデコードされ標準プリンタ形式に変換される。通信の監視は続く。
【0013】
プリンタが使用可能でないとき、プリンタ通信を受け取ったコントローラに、プリンタが使用中であることを通知することができる。代替として、プリンタが使用可能でない場合、プリンタ通信を受け取ったときにプリンタが使用可能でなかったことを、プリンタ通信を受け取ったコントローラに通知せずに、プリンタデータをバッファし、デコードし、後でプリンタが使用可能になったときに印刷してもよい。
【0014】
更に他の実施形態では、第1コントローラはローカルコントローラであり、第2コントローラは中央システムコントローラである。ローカルコントローラからプリンタデータを受け取ったときにプリンタが使用可能でない場合は、プリンタが使用可能ではないことをローカルコントローラに通知せずに、プリンタデータをバッファし、デコードし、後でプリンタが使用可能になったときに印刷することができる。プリンタデータを中央システムコントローラから受け取ったときプリンタが使用可能でない場合、中央システムコントローラは、プリンタが使用中であるという通知を受ける。その場合、中央システムコントローラからのデータをバッファし、デコードし、後で印刷することもでき、中央システムコントローラが、プリンタデータを後で送ることを試みてもよい。
【0015】
プリンタ通信を両方のコントローラから同時に受け取った場合、第1(例えば、ローカル)コントローラに基本設定を提供することができる。代替として、所望のシステムの実施態様により、第2(例えば、中央システム)コントローラに基本設定を提供することもできる。プリンタには、例えば、ゲーム機プリンタや販売時点情報管理端末プリンタを含むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明は、顧客に提供するためのバウチャとクーポンの印刷に関する。より詳細には、本発明は、プリンタが、第1コントローラからのコマンドに応じてバウチャを印刷し、第2コントローラからのコマンドに応じてクーポンを印刷することを可能にするインタフェースに関する。プリンタは、ゲーム機(例えば、スロットマシンや抽選端末)、自動販売機、自動チケット販売端末、POS端末装置などの顧客が操作する端末内にあることができる。例示的な実施態様では、第1コントローラは、顧客が操作する端末の一部の「ローカルコントローラ」であり、第2コントローラは、端末から遠くに配置された「中央システムコントローラ」である。ゲーム機の実施態様において、第1コントローラは、しばしば「ゲームコントローラ」と呼ばれるゲーム機の一部分を構成することができる。そのような実施態様では、第2コントローラは、しばしば「ゲーム管理ユニット」と呼ばれる中央システムコントローラを構成することができる。一般に、第1コントローラは、顧客にバウチャとクーポンを提供する端末の一部であり、第2コントローラは、リモート装置であり、このリモート装置は、端末が配置された施設と同じ施設内にあってもよく、異なる施設内の実質的に任意の場所にあってもよい。
【0017】
本明細書では、開示した実施形態の様々な要素間で信号を通信する際に使用される様々な周知の規格について述べる。そのような規格には、RS−232、USB、ネットプレックス(Netplex)、イーサネット(登録商標)、I2C規格がある。RS−232は、データ端末装置とデータ通信装置の間のインタフェースを提供する周知の規格であり、シリアルバイナリデータ交換が使用される。ネットプレックスは、米国ネバダ州リノのInternational Game Technologyによって開発された規格で、中央システムと周辺装置の間の分岐シリアル通信リンクを提供し、情報を転送し周辺装置の制御を可能にするために使用される。ユニバーサルシリアルバス(USB:Universal Serial Bus)は、USB−IF(Implementers Forum)によって開発された接続仕様である。USBは、コンピュータの外部の周辺装置を接続するために使用され、特定の装置に必要なカードを取り付けるためにコンピュータケースを開けなくてはならない不便さをなくす。イーサネット(登録商標)は、IEEE 802.3によって定義されたネットワーク仕様で、高速ローカルエリアネットワーク(LAN)、I2C、または2ワイヤ通信を実施するために使用され、Phillips Semiconductorによって開発された同期シリアル通信の一形態である。
【0018】
本明細書で開示するインタフェースは、バウチャとクーポンの両方を提供するために独自の端末を購入しなければならない先行技術のシステムの欠点を克服する。そのような先行技術のシステムを図1に示す。この図では、ゲームコントローラ14からのコマンドに応じてバウチャとクーポンを印刷する端末プリンタ10が提供される。ゲームコントローラ14は、プリンタに対応するプロトコル12を使用してプリンタ10に印刷コマンドを提供する。例えば、プロトコル12は、データ伝送技術では周知のRS−232とネットプレックスプロトコルのいずれかからなることができる。
【0019】
図1の先行技術の実施形態では、ゲームコントローラ14は、ゲーム機に含まれている独自の装置である。ゲームコントローラは、プリンタ、コインディスペンサ、紙幣識別装置、リール(スロットマシン用)を含む基本的なゲーム機ハードウェアを制御し、システムインタフェース16を介して中央システムコントローラから得られたシリアル番号を使ってチケットデータを生成する。システムインタフェースは、中央システムコントローラおよびゲームコントローラと通信する。システムインタフェースは、中央システムコントローラからチケットシリアル番号を取得し、その番号をゲームコントローラに提供する。また、システムインタフェースは、プレーヤを追跡する役割をし、ゲーム機カードの読み取りと表示を制御する。
【0020】
そのような特定のゲーム機製造業者はそれぞれ、一般に、自分のゲームコントローラ技術を有し、そのような技術は、セキュリティと競合のために秘密にされている。プリンタを駆動するゲームコントローラの独自の性質により、顧客は、クーポンなどの他の文書を印刷するためにプリンタに直接アクセスすることができない。また、クーポン印刷が今日のゲーム機で行われる場合、その印刷は、独自のゲームコントローラだけによってのみ提供され、すなわちクーポンを生成するにはゲーム機製造業者と協力しなければならず、特に顧客がクーポンを印刷したい場合、ゲーム機の製造業者は、ゲームコントローラ14で印刷する技術を提供しなければならない。これにより、製造業者は、現在のゲーム機をアップグレードするかあるいはクーポン印刷機能を備えた新しいゲーム機の購入を必要とするための追加料金を課すことができる。
【0021】
少なくとも1社のゲーム機製造業者は、中央システムコントローラで入力されたクーポン情報を、通信路18を介してゲーム機システムインタフェース16に通信できるようにする新しいモデル端末を提供した。通信路18は、例えば、専用ネットワーク(有線および/または無線)やインターネットからなることができる。システムインタフェース16は、経路15を介してクーポン情報を独自のゲームコントローラ14に渡し、ゲームコントローラ14は、必要に応じてその情報を変換して、端末プリンタ10に提供されるクーポン印刷コマンドを生成する。ゲームコントローラ14だけがプリンタと通信するので、クーポンの印刷を達成する独自のゲームコントローラ技術の使用を回避する方法はない。従って、ゲーム機を所有する施設(例えば、カジノ)は、ゲーム機が印刷するように既に設計されているバウチャの他にクーポンを印刷する機能を提供するために、ゲーム機製造業者に完全に依存する。
【0022】
図2は、本発明による一実施形態を示し、この実施形態では、ゲーム機製造業者に依存することなくクーポンを印刷することができる。図2の実施形態では、システムインタフェース26と「第1」ゲームコントローラ24とプリンタ20の間にプリンタインタフェース23が提供される。「第2」中央システムコントローラからの情報(印刷される特定のクーポンを定義する情報を任意に含む)は、通信路28を介して(通信路18と同じように)システムインタフェース26に提供される。システムインタフェースは、中央システムコントローラから受け取ったデータを、経路29を介して(図1の経路15と同様)、従来のようにゲームコントローラ24に渡す。ゲームコントローラ24から出力として提供される従来のデータは、例えば、RS−232やネットプレックスなどのゲームコントローラによって使用される通常のプロトコルにより、経路25を介してプリンタインタフェース23に通信される(「プロトコルA」)。また、中央システムコントローラから受け取った情報は、I2Cなどの適切なプロトコルに従って、経路27を介してシステムインタフェース26からプリンタインタフェース23に直接通信される(「プロトコルB」)。プリンタ情報をシステムインタフェース26からプリンタインタフェース23に送るために様々な異なるプロトコルのどれも使用できることを理解されたい。実際には、本発明の利点の1つは、システムインタフェースとプリンタインタフェースの間の通信が、ゲームコントローラとプリンタインタフェースの間の通信と違い、独自の通信でないことである。従って、プロトコルAはゲーム機製造業者によって定義されるが、プロトコルBはそのように定義されない。プロトコルBは、システムインタフェースが通信することができる任意のプロトコルでよい。汎用プリンタインタフェース23を提供することによって、本発明は、中央システムコントローラからのクーポン情報を、ゲームコントローラ24を通しその処理要件を受けることなく印刷することができる。
【0023】
プリンタインタフェース23は、ゲームコントローラ24からのデータ(例えば、バウチャ情報)またはシステムインタフェース26からのデータ(例えば、クーポン情報)を受け取った後、プリンタ20が使用可能かどうかを判定し、使用可能な場合は、受け取ったデータを、適切な形式でプリンタに通信するように処理する。次に、適切にフォーマットされたデータは、プリンタが受け取るように設計されたプロトコル(例えば、RS−232)を使用して、経路22を介してプリンタに送られる。プリンタインタフェースの操作は、図5と関連して後でより詳しく説明される。
【0024】
図3は、プリンタインタフェース23のハードウェアとソフトウェア/ファームウェア構成要素を示すブロック図である。プロセッサ30は、それぞれのドライバ33、34および/または35を介して、ゲームコントローラ24とシステムインタフェース26から受け取ったデータを処理する。ドライバ33は、例えば、ゲームコントローラからのネットプレックスプロトコルを使ってフォーマットされたデータを受け取るように構成されたネットプレックスドライバである。そのようなデータは、例えば、バウチャを印刷するのに必要なデータを含むことができる。代替として、ゲームコントローラは、RS−232プロトコルを使ってバウチャデータを提供するように構成されてもよく、その場合、データは、RS−232ドライバ34を使用してプロセッサ30によって受け取られ渡されることになる。クーポンデータは、例えばI2Cプロトコルを使用し、中央システムコントローラからシステムインタフェースを介してプロセッサ30に提供される。I2Cドライバ35は、システムインタフェースからのクーポンデータを処理し、それをプロセッサ30に渡す。
【0025】
ゲームコントローラとシステムインタフェースから受け取ったデータを、プリンタが必要な形式にデコードし変換する方法をプロセッサ30に指示するソフトウェアおよび/またはファームウェアが、EEPROM36とフラッシュメモリ31の1つまたは複数に記憶される。プロセッサ30によって計算された暫定値と当該技術分野で既知の他の一時的情報を記憶するためにSDRAM32が提供される。バウチャまたはクーポン情報は、印刷に適した形式にデコードされ変換された後で、RS−232ドライバ34を介してプリンタに通信される。プリンタに送られる前に、印字データを一時的にSDRAM32に記憶することができる。
【0026】
図4は、プリンタインタフェース23が端末プリンタに組み込まれている代替実施形態のブロック図である。詳細には、図3に示したすべての要素を端末プリンタ40に組み込むことができる。プリンタ内に既にあるプリンタコントローラが、プリンタインタフェースプロセッサ30によって提供される機能の(全てではないが)多くを提供することができるので、そのような実施形態は、代替として、図2に示したような別個のプリンタインタフェースを経済的に提供することができる。また、プリンタインタフェースの要求に応えるために、プリンタ内に既にあるメモリを共用することもできる。このような実施態様により、2つの別個のプロセッサと追加メモリが不要になる。
【0027】
図4に示したように、次に、図2と関連して検討したゲームコントローラとシステムインタフェースの間のすべての通信が、端末プリンタ40に直接渡される。プリンタインタフェース23と通信路22の機能は、プリンタ40自体と統合された同等な要素によって実行される。
【0028】
図5は、プリンタインタフェースの通信フローを示すフローチャートである。示した通信フローが、プリンタインタフェースの1つの可能な実施態様の一例であり、他の実施態様が可能であり本発明の意図された範囲に含まれることに注意されたい。
【0029】
図5のルーチンは、ボックス50から始まる。ボックス52で、ゲームコントローラとシステムインタフェースからの通信ポートの通信イベントが監視される。例えば、図2に示した実施形態では、プリンタインタフェース23は、経路25を介したゲームコントローラ24からの通信を監視する。同様に、システムインタフェース26からの通信が経路27を介して監視される。ボックス54で通信イベント(例えば、プリンタへのメッセージ)が検出された場合、ボックス56で通信ソース(ゲームコントローラまたはシステムインタフェース)が判定される。
【0030】
システムインタフェースからプリンタメッセージが到着したと判定されたとき、メッセージはボックス56からボックス58に導かれ、プリンタが中央システムコントローラから受け取ったクーポンを印刷できるかどうかが決定される。印刷できない場合、後で再びメッセージを送信できるようにシステムインタフェースに使用状態信号が送られる(ボックス60)。代替として、後でプリンタが使用可能になったときに印刷するためにプリンタメッセージをバッファしてもよい(そのオリジナルの形式またはデコードされた形式で)。そのような場合、所望の実施態様に応じてシステムインタフェースに使用中信号が送られてもよく送られなくてもよい。次に、ルーチンは、ボックス52に示したように通信ポートを監視し続ける。
【0031】
ボックス58で、プリンタがクーポンを印刷できると判定された場合は、クーポンデータをシステムインタフェースから受け取り(ボックス62)、デコードし(ボックス64)、標準プリンタデータストリームに変換する(ボックス66)。標準プリンタデータストリームは、クーポンを印刷しようとしている特定のプリンタ(例えば、図2の端末プリンタ20または図4の端末プリンタ40)用にフォーマットされる。クーポンとバウチャを印刷するために異なるプリンタを提供することができるが、好ましい実施形態は、両方の印刷に同じプリンタを使用することである。クーポン情報が、ボックス66に示したような標準プリンタデータストリームに変換された後で、その情報は、クーポンの印刷のためにプリンタに転送される(ボックス80)。次に、ルーチンはボックス52に戻り、通信ポートがモニタされ続ける。
【0032】
ゲームコントローラから通信イベントが検出された場合、この事実はボックス54と56で決定され、ボックス70で、プリンタがバウチャを印刷できるかどうかが判定される。印刷できない場合は、ゲームコントローラに使用中状態を送ることができる(ボックス72)、通信ポートを継続的に監視するためにルーチンはボックス52に戻る。代替として、プリンタが使用可能でないとき、プリンタが使用可能になったときに後で印刷するためにバウチャデータをバッファすることができる(そのオリジナルの形式またはデコードされた形式で)。そのような場合、所望の実施態様により、使用中信号がゲームコントローラに送られてもよく送られなくてもよい。例えば、コントローラに使用中信号を送らないことによってインプリメンテーションをゲームコントローラに透明にしておくことが有利な場合がある。
【0033】
ボックス70でプリンタが使用可能であると判定された場合、ゲームコントローラデータは、ボックス74で受け取られ、ボックス76でデコードされ、ボックス78で標準プリンタデータストリームに変換される。プリンタ用にフォーマットされた標準プリンタデータストリームは、ボックス80で示したように、バウチャの印刷用にプリンタに渡される。次に、ルーチンは、通信ポートを継続的に監視するためにボックス52に戻される。
【0034】
標準プリンタデータストリームは、使用される特定のプリンタによって必要なプロトコルに従ってフォーマットされる。例えば(また図3に示したように)、プリンタデータストリームは、RS−232形式でもよい。当業者は、I2C、ネットプレックス、USBなどの他の形式を使用できることを理解するであろう。プリンタインタフェースに適切なドライバを提供することによって、新しいプリンタ形式が開発されたときにその形式に対応することができる。
【0035】
このように、本発明は、プリンタを駆動するためのインタフェースを提供することを理解されたい。例えば、プリンタは、前述のタイプの顧客端末内にあってもよく、クーポンとバウチャを提供する他の装置内にあってもよい。示した実施形態では、第1のドライバは、例えば第1コントローラから、印刷するバウチャ情報を表すデータを受け取る。第2のドライバは、例えば第2コントローラから、印刷するクーポン情報を表すデータを受け取る。プロセッサが、第1と第2のドライバに応じて、プリンタの標準形式のプリンタコマンドを生成する。本発明によるプリンタインタフェースを使用することにより、1台または複数台の端末プリンタを、端末製造業者によって提供されるセキュリティを確保した(かつ通常独自の)ハードウェアおよび/またはソフトウェアでクーポンを処理することなく、バウチャとクーポンの両方に使用することができる。
【0036】
本発明を様々な特定の実施形態と関連して説明したが、特許請求の範囲に示した本発明の意図する範囲から逸脱することなく実施形態に多数の適応および改良を行うことができることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】スロットマシン内のプリンタを制御するための先行技術のアーキテクチャのブロック図である。
【図2】本発明によるシステムアーキテクチャのブロック図である。
【図3】本発明による例示的なインタフェースの実施態様のブロック図である。
【図4】本発明による別のシステムアーキテクチャの実施形態のブロック図である。
【図5】本発明を実行するために実施することができる例示的な通信フローを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0038】
20 端末プリンタ
22 プロトコル
23 プリンタインタフェース
24 ゲームコントローラ
25 プロトコルA
26 システムインタフェース
27 プロトコルB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1コントローラと第2コントローラからプリンタを駆動する方法であって、
前記第1コントローラと第2コントローラからの通信を監視する工程と、
前記コントローラの一方からプリンタ通信を受け取ったときにプリンタの可用性を判定する工程と、
(i)プリンタが使用可能な場合に、受け取ったプリンタデータをプリンタに標準プリンタ形式で通信する工程と、
(ii)プリンタが使用可能でない場合に、受け取ったプリンタデータをバッファし、プリンタが使用可能になった後でそのデータをプリンタに標準プリンタ形式で通信する工程と、
前記通信を監視し続ける工程とを含む方法。
【請求項2】
両方のコントローラから同時にプリンタ通信を受け取った場合に、コントローラのうちの所定のコントローラに基本設定を提供する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記プリンタはゲーム機プリンタである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記プリンタは販売時情報管理端末プリンタである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
プリンタが使用可能でない場合に、プリンタ通信を受け取ったコントローラにプリンタが使用中であることを通信する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
プリンタが使用可能でない場合に、プリンタ通信を受け取ったときにプリンタが使用可能でなかったことを、プリンタ通信を受け取ったコントローラに通知せずに、受け取ったプリンタデータをバッファし、後でプリンタが使用可能になったときに印刷する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
プリンタインタフェースを提供する工程と、
第1の通信路を介して前記第1コントローラから通信を受け取り監視する工程と、
第2の通信路を介して前記第2コントローラから通信を受け取り監視する工程と、
プリンタが使用可能でない場合に、前記受け取ったプリンタデータをバッファする工程と、
前記受け取ったプリンタデータを第3の通信路を介して前記プリンタに送る工程とを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記プリンタインタフェースはプリンタの外部にある、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記プリンタインタフェースで両方のコントローラから同時にプリンタデータを受け取った場合に、コントローラの所定の一方に基本設定を提供する、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記コントローラの所定の一方から受け取ったプリンタデータが、前記第3の通信路を介して前記プリンタに送られ、
前記コントローラの他方から受け取ったプリンタデータがバッファされ、
前記バッファされたプリンタデータは、前記コントローラの所定の一方からの前記プリンタデータが印刷された後で前記第3の通信路を介して前記プリンタに送られる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
第1コントローラと第2コントローラからプリンタを駆動する方法であって、
前記コントローラからの通信を監視する工程と、
プリンタ通信を前記コントローラの一方から受け取ったときにプリンタの可用性を判定する工程と、
(i)プリンタが使用可能な場合に、受け取ったプリンタデータをプリンタに標準プリンタ形式で送る工程と、
(ii)第1コントローラからプリンタデータを受け取ったときにプリンタが使用可能でない場合は、プリンタが使用可能ではないことを第1コントローラに通知せずに、受け取ったプリンタデータをバッファし、後でプリンタが使用可能になったときに前記標準プリンタ形式でプリンタに送る工程と、
そして
(iii)プリンタデータを第2コントローラから受け取ったときにプリンタが使用可能でない場合に、第2コントローラにプリンタが使用中であることを通知する工程とを含む方法。
【請求項12】
第1コントローラはローカルコントローラであり、第2コントローラは中央システムコントローラである、請求項11に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−538034(P2008−538034A)
【公表日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−505391(P2008−505391)
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【国際出願番号】PCT/US2006/012008
【国際公開番号】WO2006/110348
【国際公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【出願人】(505233066)トランザクト・テクノロジーズ・インコーポレイテッド (10)
【氏名又は名称原語表記】TRANSACT TECHNOLOGIES INCORPORATED
【Fターム(参考)】