説明

バスダクト壁貫通構造およびバスダクト貫通構造

【課題】バスダクトの伸縮を吸収可能でありながらも防火可能であり、省スペースで施工が容易なバスダクト壁貫通構造を提供。
【解決手段】バスダクトが折り曲げられあるいはバスダクトから分岐されて延設される水平布設型バスダクト150が壁貫通孔に挿通されるバスダクト壁貫通構造110において前記水平布設型バスダクトが貫通される開口部を有し、水平布設型バスダクトが開口部を貫通した状態で壁貫通孔を塞ぐ閉塞板20と、閉塞板20に設けられたガイド孔26に挿通された取付部材により、壁160とが摺動可能な程度の距離を維持した状態で、取り付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフィスビルや工場等の建物内で電気幹線路を構成するバスダクトが壁などの貫通孔を貫通するバスダクト壁貫通構造およびバスダクト貫通構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、建物の電気幹線としてバスダクトが用いられており、このバスダクトが壁を貫通する壁貫通孔には、火災時における延焼を防ぐためたとえば特許文献1のように、壁貫通孔とバスダクトとの隙間に不燃材などが設けられている。
【0003】
また、特許文献2のように、壁貫通孔の近傍でパイプが曲げられて布設されている場合には、熱膨張によってパイプが伸びることを考慮し、壁貫通孔を塞ぎつつもパイプ自体が変位可能な構造を実現しているものもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−138144公報
【特許文献2】特表平10−505267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的にバスダクトは、建物内に布設される際、壁際や天井近辺といった部屋の隅、すなわち周囲にスペースが少ない狭い領域に布設されることが多く、その省スペース化や施工の容易さが求められている。
【0006】
その観点からすると、特許文献2の壁貫通の構造では、壁貫通孔を塞ぐための所定の大きさを有する断熱アセンブリを、この断熱アセンブリが動く範囲全体を外側から覆うほどに巨大なプレートで押さえつける必要がある。その結果、この壁貫通構造を建物の隅に近づけて布設することは困難であり、またプレートが巨大であるため、施工時にはさらに広い作業スペースが必要であるという問題があった。
【0007】
本発明はこのような課題に鑑み、バスダクトの伸びを吸収可能でありながらも防火可能であり、省スペースで施工が容易なバスダクト壁貫通構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上述の課題を解決するために、バスダクトが折り曲げられあるいはバスダクトから分岐されて略水平方向に延設される水平布設型バスダクトが壁貫通孔を貫通するバスダクト壁貫通構造は、水平布設型バスダクトが挿通される開口部を有し、水平布設型バスダクトが開口部を挿通した状態で壁貫通孔を塞ぐ閉塞板と、壁貫通孔を水平布設型バスダクトの貫通方向と平行に伸長し、この貫通方向に略垂直なフランジを壁貫通孔の伸長端に有する壁貫通孔部材と、閉塞板およびフランジの少なくとも一方に設けられたガイド孔に挿通され、閉塞板とフランジとが摺動可能な程度の距離を維持した状態で閉塞板をフランジに取り付ける取付部材とを含み、ガイド孔および取付部材のそれぞれは、壁に対する閉塞板の摺動を阻害しない形状および大きさを有する。
【0009】
また、バスダクトが折り曲げられあるいはバスダクトから分岐されて略水平方向に延設される水平布設型バスダクトが壁貫通孔を貫通するバスダクト壁貫通構造は、水平布設型バスダクトが挿通される開口部を有し、水平布設型バスダクトが開口部を挿通した状態で壁貫通孔を塞ぐ閉塞板と、閉塞板に設けられたガイド孔に挿通され、壁と閉塞板とが摺動可能な程度の距離を維持した状態で閉塞板を壁に取り付ける取付部材とを含み、ガイド孔および取付部材のそれぞれは、壁に対する閉塞板の摺動を阻害しない形状および大きさを有する。
【0010】
また、バスダクトが折り曲げられあるいはバスダクトから分岐されて略水平方向に延設される水平布設型バスダクトが壁貫通孔を貫通するバスダクト壁貫通構造は、不燃性あるいは難燃性の材料により形成され水平布設型バスダクトが挿通される開口部を有し、水平布設型バスダクトが開口部を挿通した状態で壁貫通孔を塞ぐ閉塞板と、壁貫通孔を壁の面垂直方向に伸長し、壁と略平行なフランジを壁貫通孔の面垂直方向側の縁に有する壁貫通孔部材と、閉塞板のフランジ側に設けられ平滑な面を有する仕切板と、フランジの閉塞板側に設けられた熱膨張シートと、フランジおよび熱膨張シートに設けられた長孔に挿通され、閉塞板、仕切板、熱膨張シートおよびフランジの合計の厚さ以上の長さを有するスペーサと、スペーサを介して閉塞板および仕切板をフランジに取り付ける取付金具とを含み、閉塞板および仕切板は、長孔の領域内におけるスペーサおよび取付金具の自由度の分だけ摺動し、取付金具が取り付けられるフランジ上の被取付箇所と、取付金具と、長孔とが、壁の面垂直方向視で壁貫通孔よりも外側に位置する。
【0011】
また、第一のバスダクトが折り曲げられあるいは第一のバスダクトから分岐されることで、第一のバスダクトとは異なる方向に延設される第二のバスダクトが構造物の貫通孔を貫通するバスダクト貫通構造は、第二のバスダクトが挿通される開口部を有し、第二のバスダクトが開口部を挿通した状態で貫通孔を塞ぐ閉塞板と、貫通孔を第二のバスダクトの貫通方向と平行に伸長し、貫通方向に略垂直なフランジを貫通孔の伸長端に有する貫通孔部材と、閉塞板およびフランジの少なくとも一方に設けられたガイド孔に挿通され、閉塞板とフランジとが摺動可能な程度の距離を維持した状態で閉塞板をフランジに取り付ける取付部材とを含み、ガイド孔および取付部材のそれぞれは、フランジに対する閉塞板の摺動を阻害しない形状および大きさを有する。
【0012】
また、第一のバスダクトが折り曲げられあるいは第一のバスダクトから分岐されることで、第一のバスダクトとは異なる方向に延設される第二のバスダクトが構造物の貫通孔を貫通するバスダクト貫通構造は、第二のバスダクトが挿通される開口部を有し、第二のバスダクトが開口部を挿通した状態で貫通孔を塞ぐ閉塞板と、閉塞板に設けられたガイド孔に挿通され、構造物と閉塞板とが摺動可能な程度の距離を維持した状態で閉塞板を構造物に取り付ける取付部材とを含み、ガイド孔および取付部材のそれぞれは、構造物に対する閉塞板の摺動を阻害しない形状および大きさを有する。
【0013】
また、バスダクトが構造物の貫通孔を貫通するバスダクト貫通構造は、バスダクトが挿通される開口部を有し、バスダクトが開口部を挿通した状態で貫通孔を塞ぐ閉塞板と、貫通孔をバスダクトの貫通方向と平行に伸長し、貫通方向に略垂直なフランジを貫通孔の伸長端に有する貫通孔部材と、閉塞板およびフランジの少なくとも一方に設けられたガイド孔に挿通され、閉塞板とフランジとが摺動可能な程度の距離を維持した状態で閉塞板をフランジに取り付ける取付部材とを含み、ガイド孔および取付部材のそれぞれは、構造物に対する閉塞板の摺動を阻害しない形状および大きさを有する。
【0014】
また、バスダクトが構造物の貫通孔を貫通するバスダクト貫通構造は、バスダクトが挿通される開口部を有し、バスダクトが開口部を挿通した状態で貫通孔を塞ぐ閉塞板と、閉塞板に設けられたガイド孔に挿通され、構造物と閉塞板とが摺動可能な程度の距離を維持した状態で閉塞板を構造物に取り付ける取付部材とを含み、ガイド孔および取付部材のそれぞれは、構造物に対する閉塞板の摺動を阻害しない形状および大きさを有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、壁貫通孔を塞いだ状態を維持しながら閉塞板が摺動可能となるため、バスダクトの伸縮の吸収と火災時などにおける防煙とを両立することができる。また閉塞板に設けられたガイド孔に取付部材を挿通するだけの簡易な構造であるため、たとえば閉塞板全体を外側から押えて摺動可能に取り付ける構成に比べて、省スペース化が可能であり、その分だけ施工の自由度が上がる。さらに、通常の壁貫通構造と比して大きな部材が増えることもないため、部材の運搬や施工が容易になり、部材が少なくなる分だけコストも削減できる。さらに、取付部材により閉塞板を壁やフランジなどの構造物に直接取り付けているため、たとえば閉塞板全体を外側から押えて摺動可能に取り付ける構成に比べて、全体として強度を確保することができる。そのため長年に渡って繰り返される摺動などによってがたつきや隙間が生じてしまう事態、つまりは壁貫通孔の防火機能が劣化するという事態を、本発明により回避することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1A】本発明の第1の実施の形態によるバスダクト壁貫通構造を示す正面図である。
【図1B】同実施の形態によるバスダクト壁貫通構造を示す側面図である。
【図1C】同実施の形態によるバスダクト壁貫通構造を示す平面図である。
【図1D】同実施の形態によるバスダクト壁貫通構造を示す部分拡大図である。
【図2】同実施の形態によるバスダクト壁貫通構造の全体構成を示す正面図である。
【図3A】同実施の形態によるバスダクト壁貫通構造部材であるスリーブを示す正面図である。
【図3B】同実施の形態によるバスダクト壁貫通構造部材のスリーブを示す側面図である。
【図3C】同実施の形態によるバスダクト壁貫通構造部材のスリーブを示す背面図である。
【図3D】同実施の形態によるバスダクト壁貫通構造部材のスリーブを示す平面図である。
【図4A】同実施の形態によるバスダクト壁貫通構造部材の耐火ボードを示す正面図である。
【図4B】同実施の形態によるバスダクト壁貫通構造部材の耐火ボードを示す側面図である。
【図4C】同実施の形態によるバスダクト壁貫通構造部材の耐火ボードを示す平面図である。
【図5A】同実施の形態によるバスダクト壁貫通構造部材の仕切板を示す正面図である。
【図5B】同実施の形態によるバスダクト壁貫通構造部材の仕切板を示す側面図である。
【図5C】同実施の形態によるバスダクト壁貫通構造部材の仕切板を示す平面図である。
【図6A】同実施の形態によるバスダクト壁貫通構造部材の熱膨張シートを示す正面図である。
【図6B】同実施の形態によるバスダクト壁貫通構造部材の熱膨張シートを示す側面図である。
【図7A】同実施の形態によるバスダクト壁貫通構造部材のスペーサを示す正面図である。
【図7B】同実施の形態によるバスダクト壁貫通構造部材のスペーサを示す側面図である。
【図8A】同実施の形態によるバスダクト壁貫通構造部材のボルトおよびナットを示す正面図である。
【図8B】同実施の形態によるバスダクト壁貫通構造部材のボルトおよびナットを示す側面図である。
【図9A】同実施の形態によるバスダクト壁貫通構造の摺動状態を説明するための正面図である。
【図9B】同実施の形態によるバスダクト壁貫通構造の摺動状態を説明するための側断面図である。
【図9C】同実施の形態によるバスダクト壁貫通構造の摺動状態を説明するための部分拡大断面図である。
【図10A】同実施の形態によるバスダクト壁貫通構造の摺動状態を説明するための正面図である。
【図10B】同実施の形態によるバスダクト壁貫通構造の摺動状態を説明するための側断面図である。
【図10C】同実施の形態によるバスダクト壁貫通構造の摺動状態を説明するための部分拡大断面図である。
【図11A】本発明の他の実施の形態によるバスダクト壁貫通構造を示す正面図である。
【図11B】同実施の形態によるバスダクト壁貫通構造を示す側面図である。
【図11C】同実施の形態によるバスダクト壁貫通構造を示す平面図である。
【図12】本発明によるバスダクト壁貫通構造部材のスリーブの他の実施の形態を示す正面図である。
【図13】本発明によるバスダクト壁貫通構造部材の取付部材の他の実施の形態を示す側面図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態によるバスダクト壁貫通構造の全体構成を示す正面図である。
【図15A】同実施の形態によるバスダクト壁貫通構造を示す正面図である。
【図15B】同実施の形態によるバスダクト壁貫通構造を示す側面図である。
【図15C】同実施の形態によるバスダクト壁貫通構造を示す平面図である。
【図16A】同実施の形態によるバスダクト壁貫通構造の一部の組立状態を説明するための正面図である。
【図16B】同実施の形態によるバスダクト壁貫通構造の一部の組立状態を説明するための正面図である。
【図17A】本発明の第3の実施の形態によるバスダクト壁貫通構造を示す正面図である。
【図17B】同実施の形態によるバスダクト壁貫通構造を示す側面図である。
【図17C】同実施の形態によるバスダクト壁貫通構造を示す平面図である。
【図18】同実施の形態によるバスダクト壁貫通構造の摺動状態を説明するための正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に添付図面を参照して本発明によるバスダクト壁貫通構造およびバスダクト貫通構造の実施の形態を詳細に説明するが、本発明は係る実施形態に限定されるものではない。図2を参照すると、第1の実施の形態のバスダクト壁貫通構造100は、床120を貫通して階下から垂直方向に布設される垂直布設型バスダクト130が折り曲げ接続部140を介して水平布設型バスダクト150に接続され、すなわち水平方向に略直角に折り曲げられ、この水平布設型バスダクト150が壁160の壁貫通部110を貫通している。垂直布設型バスダクト130は、たとえば各階の床に設けられた床支持部180により支持されている。この床支持部180は、バネの付勢力によって垂直布設型バスダクト130を支持することで、バスダクトの重さを支持しつつも、通電や外気の温度変化に伴う垂直布設型バスダクト130の伸縮(主に伸び)を上部へ開放するようになされている。なお、この第1の実施の形態の場合、水平布設型バスダクト150の断面視で、長軸である幅方向と短軸である厚さ方向とのうち、水平布設型バスダクト150の幅方向が垂直布設型バスダクト130の伸縮方向と平行になるようにバスダクト壁貫通構造100が設置されている。
【0018】
また、垂直布設型バスダクト130の伸縮は、必ずしも上部へ開放する必要はなく、設置構造に応じて下部に開放したり、上部と下部の両方へ開放するようにしてもよい。
【0019】
壁貫通部110は、図1A〜図1Dに示す構造をしており、壁160の壁貫通孔162を水平布設型バスダクト150の貫通方向(すなわち水平布設型バスダクト150の長さ方向であり、この場合は壁160の面垂直方向でもある)と平行に伸長するようにして、スリーブ10(壁貫通孔部材・貫通孔部材)が設けられており、このスリーブ10のスリーブ開口部14(すなわち壁貫通孔162)を水平布設型バスダクト150が貫通している。そしてスリーブ開口部14を形成する面の中で水平布設型バスダクト150が占めている以外の領域は、閉塞板としての耐火ボード20により塞がれている。
【0020】
ここで水平布設型バスダクト150は、矩形板状の導体に絶縁被覆が施された絶縁被覆導体152が多相で、たとえば3相で積層配置され、絶縁被覆導体152の厚さ方向両側に配置される一対の側板154によってハウジングが構成されており、図示しないリベット等の締着具で側板154の端側を締着することで、3相の絶縁被覆導体152を保持している。なお、垂直布設型バスダクト130も同構成である。
【0021】
スリーブ10は、図3A〜図3Dに示すように、壁160の壁貫通孔162の内壁に沿うように形成された筒状のスリーブ本体12と、スリーブ開口部14端(すなわち壁貫通孔162の伸長側の端であり、この場合は壁160に対する面垂直方向の縁でもある)から水平布設型バスダクト150の貫通方向に垂直(この場合、壁160と平行)に延設されたスリーブフランジ18とで構成されている。またスリーブフランジ18には、ガイド孔としての複数のスリーブ長孔16が、そのすべてのスリーブ長孔16の長軸が垂直布設型バスダクト130の長尺方向、すなわち、垂直布設型バスダクト130の伸縮方向と略平行になるように設けられている。そしてこのスリーブフランジ18における耐火ボード20側の面、すなわち摺動側の表面18aには、熱膨張シート40が貼り付けられている。
【0022】
耐火ボード20は、耐火や断熱の効果を有するたとえば珪酸カルシウム等で形成された板材であり、図4A〜図4Cに示すように、半体である第1の耐火ボード20aおよび第2の耐火ボード20bから形成され、全体としてスリーブ10のスリーブフランジ18全体を覆ってスリーブ開口部14を閉塞可能な大きさを有している。また耐火ボード20には、水平布設型バスダクト150が挿通する矩形状の耐火ボード開口部24が、第1の耐火ボード20aと第2の耐火ボード20bとに跨るように形成されている。すなわち耐火ボード20は、第1の耐火ボード20aと第2の耐火ボード20bとで挟み込むことで耐火ボード開口部24に水平布設型バスダクト150が挿通する状態になり、耐火ボードボルト孔26にボルト60が挿通されてその状態でスリーブ10のスリーブフランジ18に取り付けられる。そしてこの耐火ボード20における壁160側、すなわち耐火ボード20と熱膨張シート40との間(すなわち耐火ボード20の摺動側)には、仕切板30が設けられる。なお、この仕切板30は耐火ボード20に貼り付けて設けても良い。また、耐火ボード20は、水平布設型バスダクト150の接続を外さずに装着できるのであれば、二分割体でなくてもよいし、耐火ボード開口部24の位置関係や素材も特に限定しない。
【0023】
仕切板30は、耐火や難燃の効果を有するたとえば鋼鉄等の金属で形成された板材であり、図5A〜図5Cに示すように、第1の耐火ボード20aおよび第2の耐火ボード20bに対応した、第1の仕切板30aおよび第2の仕切板30bから形成されている。また仕切板30には、耐火ボード開口部24に対応した矩形状の仕切板開口部34や耐火ボードボルト孔26に対応した仕切板ボルト孔36が形成されている。さらに仕切板30には、仕切板開口部34の鉛直方向の両端縁から壁160側に向けて、水平布設型バスダクト150の鉛直方向側(すなわち、垂直布設型バスダクト130の伸縮方向側であり、この場合は、水平布設型バスダクト150の幅方向でもある)を挟持するようにして支持するための仕切板支持片38が突設されている。この仕切板支持片38の突設方向は、壁160側の方向でもその反対方向でも構わず、また両方向に突設されても構わないし、上側の仕切板支持片38と下側の仕切板支持片38とを逆方向に突設するようにしてもよい。そして仕切板30の壁160側の面、すなわち仕切板裏面32は平滑に形成されている。
【0024】
熱膨張シート40は、たとえば熱により発泡膨張する無機素材や有機素材、あるいはその複合材料から形成され、所定の温度にまで加熱された際に厚み方向に膨張するように、材料配合や積層構造が選定されているものである。この熱膨張シート40は、図6A、図6Bに示すように、スリーブ10のスリーブフランジ18に対応した形状をしており、スリーブ開口部14に対応する位置に熱膨張シート開口部44が、スリーブ長孔16と対応する位置に熱膨張シート長孔46が形成されている。なお、この熱膨張シート40がスリーブフランジ18に貼り付けられたときの耐火ボード20側の面である熱膨張シート表面42は平滑な面であることが望ましく、熱膨張シート40自体に粘着性があるような場合には、この熱膨張シート表面42上にフィルムや板を設けて摺動し易くするものとする。
【0025】
ところで実際上、耐火ボード20は、上述したように珪酸カルシウム等の無機材料で形成されていることが多く、防火の機能は高いものの、重量物である水平布設型バスダクト150の周囲に配設される部材としては強度的に弱いという側面がある。しかしながら、仕切板30がスリーブ10との間に設けられることにより、全体として耐火ボード20の強度が増加する効果がある。
このようにして壁貫通部110では、スリーブフランジ18の表面18aに熱膨張シート40が貼り付けられ、その熱膨張シート40と対向するように仕切板30、耐火ボード20の順に配置される。そしてこれら仕切板30、耐火ボード20は、取付部材としてのスペーサ50、ボルト60およびナット70により、スリーブ10に取り付けられる。
【0026】
スペーサ50は、図7A、図7Bに示すように、断面円形のパイプ形状をしており、スペーサボルト孔56を有する。このスペーサ50の長さは、スリーブフランジ18、熱膨張シート40、仕切板30および耐火ボード20を重ねたときの厚さと同じか僅かに長く選定されている。また、スペーサ50の直径は、耐火ボード20の耐火ボードボルト孔26や仕切板ボルト孔36の直径、熱膨張シート長孔46やスリーブフランジ18のスリーブ長孔16の幅よりも小さく選定されている。なお、スペーサ50は断面円形状だけでなく、正方形状や長方形状など、他の形状であってもよいし、必ずしもパイプである必要はなく、つまりは複数の部材間の間隔を決定可能でスペーサとして成立する形状であれば適用可能である。また、通常状態においてスリーブ10と耐火ボード20との間に隙間があることを許容できるような場合であれば、スペーサ50の長さは、スリーブフランジ18、熱膨張シート40、仕切板30および耐火ボード20を重ねたときの厚さよりもさらに長く選定されていても良い。
【0027】
一方、図8A、図8Bに示す取付金具としてのボルト60のボルト頭62の直径やナット70の直径は、耐火ボードボルト孔26や仕切板ボルト孔36の直径、熱膨張シート長孔46やスリーブ長孔16の幅よりも大きく選定されている。
【0028】
これにより、これら耐火ボードボルト孔26、仕切板ボルト孔36、熱膨張シート長孔46およびスリーブ長孔16をまとめて挿通するようにスペーサ50が配置され、そのスペーサボルト孔56の一端側から他端側にボルト60が挿通されてナット70が螺合されると、耐火ボード20、仕切板30、熱膨張シート40およびスリーブフランジ18は、スペーサ50の長さに相当する厚みになるまでボルト60およびナット70により挟持されることになる。
【0029】
このとき、スペーサ50の長さが、スリーブフランジ18、熱膨張シート40、仕切板30および耐火ボード20を重ねたときの厚さと同じか僅かに長く選定されていることにより、熱膨張シート表面42と仕切板裏面32とが、軽く触れる程度か熱膨張シート40が僅かに圧縮される程度の状態で当接することになる。その結果、耐火ボード20がスリーブ10に取り付けられた状態でこの耐火ボード20に垂直布設型バスダクト130の伸びの力が加えられると、熱膨張シート表面42と仕切板裏面32との間に隙間が無い状態を維持したまま、スリーブ長孔16の領域内におけるスペーサ50(含むボルト60)の自由度だけこの耐火ボード20がスリーブ10に対してスライドすることになる。すなわち壁貫通部110において、仕切板裏面32と熱膨張シート表面42において摺動するように、耐火ボード20がスリーブ10に取り付けられることになる。
【0030】
なお、壁貫通部110において熱膨張シート40は、たとえば火災時における防火や防煙をより確実に行う意図で設けられるが、設計上そこまでの確実性を必要としない場合には特に設けなくても良い。その場合、スペーサ50の長さを、スリーブフランジ18、仕切板30および耐火ボード20を重ねたときの厚さよりも僅かに長く選定しておくことで、上述と同様に垂直布設型バスダクト130の伸びの力が加えられた際に、耐火ボード20とスリーブ10のスリーブフランジ18とが、仕切板裏面32とフランジ表面18aとにおいて摺動する。つまりは、スペーサ50の長さは、ボルト60によって把持される部材の合計の厚さと同じか僅かに長く選定されていれば良く、そうすることで、少なくとも耐火ボード20とスリーブフランジ18とが摺動するようになる。ただし、熱膨張シート40がある程度の厚さを有し、通常状態において熱膨張シート40が圧縮されてもスリーブ10と耐火ボード20とが摺動可能な場合には、スペーサ50の長さを、熱膨張シート40、仕切板30および耐火ボード20を重ねたときの厚さよりも僅かに短く選定しても良い。ちなみに、熱膨張シート40の代わりに、単なる薄い不燃材や難燃材等で代用しても良い。
【0031】
このように壁貫通部110は構成され、その内部を水平布設型バスダクト150が挿通するようになされている。実際上、水平布設型バスダクト150は、耐火ボード開口部24や仕切板開口部34との間の僅かな隙間を塞ぐため、たとえば上述した熱膨張シート40と同材質の熱膨張テープ80を詰めたり巻いたりした上に、さらに、耐火ボード20の第1の耐火ボード20aと第2の耐火ボード20bとの隙間や耐火ボード開口部24における水平布設型バスダクト150との接触領域に耐火パテ90を設けている。これにより、火災時における延焼などをさらに確実に防ぐことが可能となる。ちなみに、耐火パテ90の代わりに熱膨張テープ80を用いても良いし、逆に熱膨張テープ80の部分に耐火パテ90を用いても良い。
【0032】
ここで、垂直布設型バスダクト130の伸びに応じて水平布設型バスダクト150が変位する際の壁貫通部110の動きについて、図9A、図9B、図9C、図10A、図10Bおよび図10Cを用いて説明する。
【0033】
図9Aは、布設直後のバスダクト壁貫通構造100の一例として図1Aにおいてスリーブ長孔16を透過して見える状態にした模式図である。図9Bは、同状態における、図1CのA−A断面模式図である。図9Cは、図9Bの円内の断面拡大模式図である。
【0034】
バスダクト壁貫通構造100は、壁貫通部110が上述のように構成されているため、垂直布設型バスダクト130が温度上昇によって鉛直方向に伸びる際、垂直布設型バスダクト130の伸びに応じて水平布設型バスダクト150が上方に変位すると、その動きが耐火ボード開口部24の内壁や仕切板30の仕切板支持片38に伝わり、水平布設型バスダクト150と共に耐火ボード20および仕切板30が上方に変位する。その結果、図10A、図10B、図10Cに示すように、熱膨張シート表面42と仕切板裏面32との間に隙間が無い状態を維持したまま、スリーブ長孔16内におけるスペーサ50の自由度分この耐火ボード20が水平布設型バスダクト150と共にスリーブ10に対して上方に変位することになる。その一方、垂直布設型バスダクト130が温度降下によって鉛直方向に縮む際には、耐火ボード20が水平布設型バスダクト150と共にスリーブ10に対して下方に変位することになる。
【0035】
このようにしてバスダクト壁貫通構造100では、外気や通電時の加熱に伴う温度変化に応じた垂直布設型バスダクト130の伸縮を、耐火ボード20とスリーブ10との摺動によって吸収することができ、壁160やスリーブ10、垂直布設型バスダクト130や水平布設型バスダクト150が損傷してしまう事態を回避できる。また、バスダクト壁貫通構造100では、スリーブ開口部14(壁貫通孔162)を塞いだ状態を維持しながら耐火ボード20が摺動可能となるため、バスダクトの伸縮の吸収と火災時などにおける防炎や防煙とを両立することができる。さらにバスダクト壁貫通構造100では、耐火ボード20をスリーブ10に取り付ける際、耐火ボードボルト孔26とスリーブ長孔16とに取付部材としてのスペーサ50やボルト60を挿通しており、つまりは、水平布設型バスダクト150の長尺方向視(すなわち、壁160の面垂直方向視)で耐火ボード20やスリーブ10の外周から外側に取付部材がはみ出ない構造になっているため、たとえば耐火ボード20全体を外側から押えるような部材を設けて摺動可能に取り付ける構成に比べてより強固に取り付けることができ、構造全体の省スペース化も可能となる上に、部材が少なくて済むためコストも削減でき、結果として取り回し容易で部材も少ないため施工も容易になる。
【0036】
なお、垂直布設型バスダクト130と壁160との距離が短いときには水平布設型バスダクト150自体の反りによる垂直布設型バスダクト130の伸びの吸収が難しくなるため、このようなバスダクト壁貫通構造100による大きな効果が得られる。また、水平布設型バスダクト150に何らかの接続部があると、垂直布設型バスダクト130の伸縮に伴う水平布設型バスダクト150の変位をこの接続部によって吸収することができるため、逆説的ではあるが、水平布設型バスダクト150に接続部が無いときほど、このようなバスダクト壁貫通構造100によってより大きな効果が得られる。
【0037】
また、バスダクト壁貫通構造100では、耐火ボードボルト孔26、被取付箇所となるスリーブ長孔16、スペーサ50、ボルト60およびナット70が、壁160の面垂直方向視で壁貫通孔162よりも常に外側に位置するようになされている。これにより、バスダクト壁貫通構造100では、耐火ボード20の摺動時に壁貫通孔162が外部に露出する危険性が大幅に減少し、バスダクトの伸縮の吸収を可能にしつつも、火災時などにおける防炎や防煙機能をより確実に実現するようになされている。
【0038】
さらに、バスダクト壁貫通構造100では、壁貫通部110の摺動部分であるスリーブ10と耐火ボード20との間に熱膨張シート40を設けているため、たとえば摺動によってスリーブ10と耐火ボード20との間に隙間が生じたとしても、火災時にはこの熱膨張シート40が熱膨張して隙間を塞ぐとともに、スリーブ10と耐火ボード20とが摺動しないように固定することになり、火災時などにおける防炎や防煙をさらに確実に実現するようになされている。
【0039】
なお、上述の第1の実施の形態においては、熱膨張シート40をスリーブ10側に設けるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、耐火ボード20側に設けたり、あるいはスリーブ10側と耐火ボード20側との両方に設けても同様の効果を得ることができる。さらに熱膨張シート40は、1枚の熱膨張シートを切れ目なく加工して設置するだけでなく、複数のパーツに分割された熱膨張シート40を、少なくとも膨張後には隙間がなくなるように、スリーブ10側や耐火ボード20側に貼り付けるように設置しても良い。ただしここでいう「切れ目なく加工する」とは、特に熱膨張シート開口部44の内側に切れ目がないことを指し、熱膨張シート長孔46については、その一部が切り欠かれて熱膨張シート40の外側と繋がっていても構わない。
【0040】
さらに、バスダクト壁貫通構造100では、耐火ボード20と熱膨張シート40との間に、平滑な仕切板裏面32を有する仕切板30を設けているため、熱膨張シート表面42との間で摺動し易いという効果が得られる。
【0041】
さらに、バスダクト壁貫通構造100では、スリーブ長孔16や熱膨張シート長孔46における長軸が、垂直布設型バスダクト130の伸縮方向と略平行になるように設けられているため、この垂直布設型バスダクト130の伸縮を、スリーブ10と耐火ボード20との摺動によってスムーズに吸収することができる。
【0042】
なお、上述した第1の実施の形態においては、壁貫通孔部材としてスリーブ本体12が壁貫通孔162の中に挿入されるタイプのスリーブ10を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、たとえば、断面視略コ型のチャネル部材を組み上げてフランジを支持するような壁貫通孔部材であってもよく、つまりは、壁貫通孔162を壁160の面垂直方向に伸長するような部材であれば適用できるものとする。さらにこの場合、壁貫通部材としてのスリーブ10を必ずしも設けなくても良い。具体的に言えば、バスダクト壁貫通構造100において、第1の実施の形態と同じ構成の部分に同符号を付した図11A〜図11Cに示すようにスリーブを有しない構造であってもよく、その場合は、耐火ボードボルト孔26の代わりにガイド孔としての耐火ボード長孔126を設けると共に、熱膨張シート40を壁160に直接設ければよい。そしてこの耐火ボード長孔126にスペーサ50を挿通し、壁160に直接設けたネジ穴にボルト60を螺合することで、上述した第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0043】
また、上述した第1の実施の形態について、図1で壁貫通部110のスリーブ10が垂直布設型バスダクト130側の壁160に突出するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、壁160に対して垂直布設型バスダクト130の反対側にスリーブ10を突出するようにしても良いし、両方にスリーブ10を突出させるようにしても良い。つまりは壁貫通部110を壁160のどちら側に設けても良いし、両側に設けても良い。
【0044】
さらに、上述した第1の実施の形態においては、ガイド孔としてスリーブフランジ18にスリーブ長孔16を設けた場合について述べたが、本発明はこれに限らず、図12(a)のような円孔(楕円孔)114や図12(b)のような正方孔(矩形孔)116、図12(c)のような長溝118であってもよい。つまりは、取付部材としてのスペーサ50やボルト60、ナット70に対し、耐火ボード20とスリーブフランジ18との摺動、より詳しくは、熱膨張シート表面42と仕切板裏面32との摺動が可能な程度の大きさや形状のガイド孔であれば良い。特に図12(a)、(b)のように上下左右に摺動可能な領域があるガイド孔であれば、単に垂直布設型バスダクト130の伸縮という垂直方向の一次元的な動きを吸収するだけでなく、水平布設型バスダクト150の長尺方向を軸としたときの半径方向の動きなどのねじれや反りといった上下左右の二次元的な動きを吸収することも可能であり、バスダクト壁貫通構造100の防火防煙構造をより確実なものとできる。さらに言えば、ガイド孔としてのスリーブ長孔16および熱膨張シート長孔46は、必ずしも孔として閉じていなくても良く、図12(d)、(e)に示すように、スリーブフランジ18および熱膨張シート40の外側に一部16aや全体16bが開放していたとしても、スリーブ10への取付後には、取付部材としてのスペーサ50、ボルト60、およびナット70によって位置が規制されることになるため、上述と同様の効果を得ることができる。ちなみに、図示はしないが、膨張シート14にガイド孔として設けられた熱膨張シート長孔46についても、上述したスリーブ長孔16の他の実施形態と同様の構成を適用できる。
【0045】
さらに、上述した第1の実施の形態においては、取付部材としてスペーサ50、ボルト60およびナット70を適用し(特に、取付金具としてボルト60およびナット70を適用し)、スペーサ50によって耐火ボード20とスリーブフランジ18との間隔を決定し、ボルト60およびナット70で取り付けるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、たとえば図13(a)、(b)のように、ボルト64と袋ナット72で取り付けたり、略L字型でスペーサの機能と押えの機能を両方有する取付具74で間隔を決定してボルト66で取り付けるようにしてもよい。つまりは、ガイド孔に挿通でき、且つ、耐火ボード20とスリーブフランジ18との間隔を決定して取り付け可能な部材であれば、取付部材として適用できるものとする。
【0046】
さらに、上述した第1の実施の形態においては、垂直布設型バスダクト130の垂直方向の伸縮、特に伸びに伴う水平布設型バスダクト150の垂直方向の変位を、壁160に設けられた壁貫通部110において吸収するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、たとえば、一の水平布設型バスダクト150を別の方向たとえば略直角に折り曲げて、もしくは分岐して延設される二の水平布設型バスダクト150が壁160を貫通する場合に、この一の水平布設型バスダクト150の水平方向の伸縮に伴う二の水平布設型バスダクト150の水平方向の変位を、壁160に設けられた壁貫通部110において吸収するようにしてもよい。この場合、スリーブフランジ18のスリーブ長孔16の方向を、一の水平布設型バスダクト150の水平方向の伸縮の方向と平行に設けるようにすれば良い。また、壁貫通部110と同構成の床貫通部を床120に設け、水平布設型バスダクト150の水平方向の伸縮に伴う垂直布設型バスダクト130の変位をこの床貫通部で吸収するようにしても良い。さらには、複数の壁貫通部110や床貫通部を任意に複数組み合わせても良い。つまり、この第1の実施の形態では、壁、床、仕切り、パーティション、屋根、屋上などの部屋や階層を隔てる部材を貫通するバスダクトが変位する際に、この部材の防火や防煙、或いは防水の機能を損なわずにバスダクトの変位を吸収し得る構成を端的に示す一例を示したに過ぎず、本発明の権利範囲としては、それらを任意に複数組み合わせて実現する構造を広く含むものである。
【0047】
さらに、上述した第1の実施の形態においては、折り曲げ接続部140により、垂直布設型バスダクト130を略直角に折り曲げて垂直布設型バスダクト130と接続するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、任意の角度に対応した折り曲げ接続部140を用意すれば、バスダクトの接続角度もしくは折り曲げ角度は特に限定しない。
【0048】
さらに、上述した第1の実施の形態においては、垂直布設型バスダクト130から折り曲げられたあるいは分岐された水平布設型バスダクト150が壁160を貫通する場合に、壁貫通部110を適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、垂直布設型バスダクト130の有無に関係なく 、水平に布設される水平布設型バスダクト150が壁160を貫通する場合にこの壁貫通部110を適用しても良い。そうすることで、地震などの振動に伴う水平布設型バスダクト150の変位をこの壁貫通部110によって吸収することができる。また、たとえば建物の外と内との温度差に伴う構造体の歪みをこの壁貫通部110によって吸収することもできる。さらには、通電に伴う水平布設型バスダクト150の反りを吸収することもできる。
【0049】
さらに、上述した第1の実施の形態においては、水平布設型バスダクト150の断面視で、長軸である幅方向と短軸である厚さ方向とのうち、水平布設型バスダクト150の幅方向が垂直布設型バスダクト130の伸縮方向と平行になるようにバスダクト壁貫通構造100が設置されている場合について述べたが(図1および図2)、本発明はこれに限らず、水平布設型バスダクト150の厚さ方向が垂直布設型バスダクト130の伸縮方向と平行になるように設置してもよい。以下では、この場合について第2の実施の形態として説明する。
【0050】
第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同構成の部分には同じ符号を付した図14に示すように、200は本発明にかかるバスダクト壁貫通構造であり、床支持部180を介して床120の階下からから垂直方向に布設される垂直布設型バスダクト130が、分岐部290を介して天井すなわち上階の床120を貫通する垂直布設型バスダクト130に接続される(すなわち垂直方向に延設される)と共に、水平布設型バスダクト150に接続される(すなわち水平方向に分岐される)。そしてこの水平布設型バスダクト150が壁160の壁貫通部210を貫通している。なお、この第2の実施の形態における床支持部180は、水平布設型バスダクト150および垂直布設型バスダクト130の設置方向が90°回転していることに応じて同様に90°回転して布設されている。
【0051】
壁貫通部210は、図15A〜図15Cに示す構造をしており、第1の実施の形態の壁貫通部110に比べて水平布設型バスダクト150が90°回転していることに応じてスリーブ10も同様に回転して壁160に設けられている。また、この場合における耐火ボード220は、半体である第1の耐火ボード220aおよび第2の耐火ボード220bから形成され、全体として壁貫通孔162を閉塞可能な大きさを有している。また、この耐火ボード220では、第1の実施の形態のスリーブフランジ18に設けられていたスリーブ長孔16に対応する耐火ボード長孔226がボルト孔の代わりに設けられている。また、図示しないが仕切板においても耐火ボード同様に仕切板長孔が設けられている。
【0052】
このように、第2の実施の形態の壁貫通部210は、第1の実施の形態の壁貫通部110と異なる構成をしているが、外気の温度変化や通電時の加熱に伴う垂直布設型バスダクト130の伸縮を、耐火ボード220とスリーブ10との摺動によって吸収することができる点では同じであり、上述した第1の実施の形態と同様の効果を得ることが可能である。
【0053】
さらに、この第2の実施の形態の場合、第1の耐火ボード220aと第2の耐火ボード220bとを相互に結合する一対の耐火ボード結合具228が設けられている。この耐火ボード結合具228により、第1の耐火ボード220aと第2の耐火ボード220bとが相互に結合されるため、水平布設型バスダクト150の変位によって生じる耐火ボード220とスリーブ10との摺動の結果として、耐火ボード長孔226とスペーサ50(含むボルト60)との隙間の分だけ第1の耐火ボード220aと第2の耐火ボード220bとのがたつきにより相互の間に隙間が生じてしまうような事態を確実に回避でき、バスダクト壁貫通構造200の防火および防煙機能をより一層向上することが可能となる。
【0054】
なお、この耐火ボード結合具228を設ける代わりに、図16A、図16Bに示すように、仕切板230の半体としての第1の仕切板230aおよび第2の仕切板230bの分割方向を、第1の耐火ボード220aおよび第2の耐火ボード220bの分割方向と異ならせても良い。たとえば水平布設型バスダクト150を基準として、耐火ボード220を水平方向に二分割し、仕切板230を垂直方向に二分割することで、第1の耐火ボード220aと第2の耐火ボード220bとのがたつきにより相互の間に隙間が生じてしまうような事態が生じても、第1の仕切板230aおよび第2の仕切板230bでその隙間を塞ぎ続けることになる。同様に、第1の仕切板230aと第2の仕切板230bとのがたつきにより相互の間に隙間が生じてしまうような事態が生じても、第1の耐火ボード220aおよび第2の耐火ボード220bでその隙間を塞ぎ続けることになる。本発明はこれに限らず、たとえば、水平布設型バスダクト150を基準として、耐火ボード220を垂直方向に二分割し、仕切板230を水平方向に二分割するようにしてもよく、つまりは、水平布設型バスダクト150を基準としたときの耐火ボード220と仕切板230の分割方向が異なるのであれば、水平布設型バスダクト150の変位によって隙間が生じないようにできる。従ってバスダクト壁貫通構造200の防火および防煙機能は確実に確保されることになる。これに加えて耐火ボード220と仕切板230の分割方向が同じであっても、分割位置が重ならないようにそれぞれの分割位置をずらしてもよく、その場合であっても同様の効果を得ることができる。
【0055】
次に、第3の実施の形態について、図17A〜図17Cを用いて説明する。この第3の実施の形態のバスダクト壁貫通構造では、1つの壁貫通部310に複数の水平布設型バスダクトが布設されている点で、上述した第1の実施の形態とは異なる。従って以下では、第1の実施の形態と異なる点のみを説明し、それ以外についての説明は省略する。
【0056】
この第3の実施の形態の壁貫通部310では、図17A〜図17Cに示すように、二本の水平布設型バスダクト(以下、これを第1の水平布設型バスダクト352および第2の水平布設型バスダクト354と呼ぶ)が一つのスリーブ10を貫通しているため、耐火ボード320が、第1の耐火ボード320a、第2の耐火ボード320b、第3の耐火ボード320cおよび第4の耐火ボード320dの4つに分割されており、全体としてスリーブフランジ18全体を覆って壁貫通孔362を閉塞可能な大きさを有している。また耐火ボード320には、第1の水平布設型バスダクト352が挿通する矩形状の耐火ボード開口部324が第1の耐火ボード320aと第2の耐火ボード320bとに跨るように形成され、第2の水平布設型バスダクト354が挿通する矩形状の耐火ボード開口部326が第3の耐火ボード320cと第4の耐火ボード320dとに跨るように形成されている。なお、仕切板についても同様に4分割されている。
【0057】
壁貫通部310はこのように構成されているため、上述した第1の実施の形態と同様の効果を得られるだけでなく、図18に示すように、たとえば、バスダクトの電気容量が異なることに起因して第1の水平布設型バスダクト352と第2の水平布設型バスダクト354との変位量が異なる場合(ここでは、第2の水平布設型バスダクト354の電気容量の方が大きいものとする)に、第1の水平布設型バスダクト352の動きに対応して第1の耐火ボード320aおよび第2の耐火ボード320bが追随して摺動し、第2の水平布設型バスダクト354の動きに対応して第3の耐火ボード320cおよび第4の耐火ボード320dが追随して摺動することになる。その場合も、バスダクト壁貫通構造では、壁貫通孔362を塞いだ状態を維持しながら第1の耐火ボード320a、第2の耐火ボード320b、第3の耐火ボード320cおよび第4の耐火ボード320dが摺動可能であるため、複数のバスダクトの伸縮の吸収機能と火災時などにおける防火や防煙機能とを両立させることができる。
【0058】
なお、上述した第3の実施の形態において、スリーブ10を挿通する水平布設型バスダクトが2本の場合について述べたが、本発明はこれに限らず、何本でも良く、その本数に合わせて耐火ボードを分割することで同様の効果を得ることができる。
【0059】
また、上述した第3の実施の形態においては、第2の耐火ボード320bと第3の耐火ボード320cとの間も摺動するが、この部分に熱膨張シート340を設けるようにしても良く、そうすることでたとえば火災時における防火防煙機能をより高めることが可能となる。
【0060】
さらに、上述した第3の実施の形態においては、第1の水平布設型バスダクト352の動きに第1の耐火ボード320aおよび第2の耐火ボード320bが追随して摺動し、第2の水平布設型バスダクト354の動きに第3の耐火ボード320cおよび第4の耐火ボード320dが追随して摺動するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、たとえば、第1の水平布設型バスダクト352と第2の水平布設型バスダクト354とが同系統の並列配線として同様の電力が供給され、第1の水平布設型バスダクト352と第2の水平布設型バスダクト354とが同調して伸縮する場合には、別々に摺動せずに一緒に摺動する構成にしてもよい。
【0061】
以上のように第1〜第3の実施の形態および他の実施の形態を用いて本発明を詳しく説明したが、本発明はこれに限らず、第1〜第3の実施の形態および他の実施の形態の各構成を部分的に抽出した形態や、その一部又は全部を任意に抽出して組み合わせた形態、本発明の趣旨を変更しない程度に各構成を変更した形態についても広く適用できるものである。たとえば、第1の実施の形態の耐火ボード20の代わりに、第2の実施の形態の耐火ボード220を適用し、スリーブフランジ18のスリーブ長孔16と耐火ボード220の耐火ボード長孔226とが略十字型に交わるようにして、水平布設型バスダクト150が上下左右に変位可能にしてもよい。また第1の実施の形態において、防火の程度によっては、耐火ボード20を設けずに仕切板30だけ設けることで簡易な防火や防煙機能に対応して部材を減らし、施工量やコストを低減するようにしても良い。さらに、第2の実施の形態の仕切板230の構成を第1および第3の実施の形態に適用しても良い。さらに、各実施の形態において、熱膨張テープ80や耐熱パテ90を設けない構成や、その代わりにシリコンなどのシール材やガスケットを設けた構成、バスダクトの外形に合わせて形成したOリングなどを設ける構成でもよい。さらには、上下左右に折れ曲がったり分岐したりする複数の水平布設型バスダクト150や垂直布設型バスダクト130が挿通するバスダクト壁貫通構造の各部分に、第1〜第3の実施の形態および他の実施の形態の各構成を任意に抽出して適用しても良い。つまり、本発明を説明するために上述した実施の形態や他の実施の形態は、発明を具体的に実現するための一例であって、請求項の各要件には、それらを部分的に抽出したものや、その一部又は全部を任意に抽出して組み合わせたもの等を広く用いることができる。
【符号の説明】
【0062】
100,200, バスダクト壁貫通構造
110,210,310 壁貫通部
120 床
130 垂直布設バスダクト
150 水平布設バスダクト
160 壁
10 スリーブ
20 耐火ボード
30 仕切板
40 熱膨張シート
50 スペーサ
60 ボルト
70 ナット
80 膨張テープ
90 耐火パテ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バスダクトが折り曲げられあるいはバスダクトから分岐されて略水平方向に延設される水平布設型バスダクトが壁貫通孔を貫通するバスダクト壁貫通構造において、該壁貫通構造は、
前記水平布設型バスダクトが挿通される開口部を有し、該水平布設型バスダクトが該開口部を挿通した状態で前記壁貫通孔を塞ぐ閉塞板と、
前記壁貫通孔を前記水平布設型バスダクトの貫通方向と平行に伸長し、該貫通方向に略垂直なフランジを該壁貫通孔の伸長端に有する壁貫通孔部材と、
前記閉塞板および前記フランジの少なくとも一方に設けられたガイド孔に挿通され、該閉塞板と該フランジとが摺動可能な程度の距離を維持した状態で該閉塞板を該フランジに取り付ける取付部材とを含み、
前記ガイド孔および前記取付部材のそれぞれは、前記壁に対する前記閉塞板の摺動を阻害しない形状および大きさを有することを特徴とするバスダクト壁貫通構造。
【請求項2】
バスダクトが折り曲げられあるいはバスダクトから分岐されて略水平方向に延設される水平布設型バスダクトが壁貫通孔を貫通するバスダクト壁貫通構造において、該壁貫通構造は、
前記水平布設型バスダクトが挿通される開口部を有し、該水平布設型バスダクトが該開口部を挿通した状態で前記壁貫通孔を塞ぐ閉塞板と、
前記閉塞板に設けられたガイド孔に挿通され、前記壁と該閉塞板とが摺動可能な程度の距離を維持した状態で該閉塞板を該壁に取り付ける取付部材とを含み、
前記ガイド孔および前記取付部材のそれぞれは、前記壁に対する前記閉塞板の摺動を阻害しない形状および大きさを有することを特徴とするバスダクト壁貫通構造。
【請求項3】
請求項1または2に記載のバスダクト壁貫通構造において、前記取付部材が取り付けられる被取付箇所と、該取付部材と、前記ガイド孔とが、水平布設型バスダクトの貫通方向視で前記壁貫通孔よりも外側に位置することを特徴とするバスダクト壁貫通構造。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載のバスダクト壁貫通構造において、前記閉塞板と前記壁との間、あるいは、前記閉塞板と前記フランジとの間に、熱膨張シートが設けられていることを特徴とするバスダクト壁貫通構造。
【請求項5】
請求項4に記載のバスダクト壁貫通構造において、前記熱膨張シートの摺動側には、平滑な面が設けられていることを特徴とするバスダクト壁貫通構造。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載のバスダクト壁貫通構造において、前記閉塞板の摺動側には、平滑な面を有する仕切板が設けられていることを特徴とするバスダクト壁貫通構造。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載のバスダクト壁貫通構造において、前記取付部材は、前記閉塞板と前記フランジあるいは前記壁との距離を決定するスペーサと、前記スペーサを介して前記閉塞板を前記壁あるいは前記フランジに取り付ける取付金具とを含み、
前記スペーサの長さは、前記取付金具によって把持される部材の合計の厚さ以上であることを特徴とするバスダクト壁貫通構造。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載のバスダクト壁貫通構造において、前記ガイド孔は長孔であり、すべての該長孔が前記バスダクトの伸縮に応じた前記水平布設バスダクトの変位方向に該長孔の長軸を向けて設けられていることを特徴とするバスダクト壁貫通構造。
【請求項9】
バスダクトが折り曲げられあるいはバスダクトから分岐されて略水平方向に延設される水平布設型バスダクトが壁貫通孔を貫通するバスダクト壁貫通構造において、該壁貫通構造は、
不燃性あるいは難燃性の材料により形成され前記水平布設型バスダクトが挿通される開口部を有し、該水平布設型バスダクトが該開口部を挿通した状態で前記壁貫通孔を塞ぐ閉塞板と、
前記壁貫通孔を前記壁の面垂直方向に伸長し、該壁と略平行なフランジを該壁貫通孔の前記面垂直方向側の縁に有する壁貫通孔部材と、
前記閉塞板の前記フランジ側に設けられ平滑な面を有する仕切板と、
前記フランジの前記閉塞板側に設けられた熱膨張シートと、
前記フランジおよび前記熱膨張シートに設けられた長孔に挿通され、該閉塞板、前記仕切板、該熱膨張シートおよび該フランジの合計の厚さ以上の長さを有するスペーサと、
該スペーサを介して前記閉塞板および前記仕切板を前記フランジに取り付ける取付金具とを含み、
前記閉塞板および前記仕切板は、前記長孔の領域内における前記スペーサおよび前記取付金具の自由度の分だけ摺動し、
該取付金具が取り付けられる前記フランジ上の被取付箇所と、該取付金具と、前記長孔とが、前記壁の面垂直方向視で前記壁貫通孔よりも外側に位置することを特徴とするバスダクト壁貫通構造。
【請求項10】
第一のバスダクトが折り曲げられあるいは第一のバスダクトから分岐されることで、該第一のバスダクトとは異なる方向に延設される第二のバスダクトが構造物の貫通孔を貫通するバスダクト貫通構造において、該貫通構造は、
前記第二のバスダクトが挿通される開口部を有し、該第二のバスダクトが該開口部を挿通した状態で前記貫通孔を塞ぐ閉塞板と、
前記貫通孔を前記第二のバスダクトの貫通方向と平行に伸長し、該貫通方向に略垂直なフランジを該貫通孔の伸長端に有する貫通孔部材と、
前記閉塞板および前記フランジの少なくとも一方に設けられたガイド孔に挿通され、該閉塞板と該フランジとが摺動可能な程度の距離を維持した状態で該閉塞板を該フランジに取り付ける取付部材とを含み、
前記ガイド孔および前記取付部材のそれぞれは、前記フランジに対する前記閉塞板の摺動を阻害しない形状および大きさを有することを特徴とするバスダクト貫通構造。
【請求項11】
第一のバスダクトが折り曲げられあるいは第一のバスダクトから分岐されることで、該第一のバスダクトとは異なる方向に延設される第二のバスダクトが構造物の貫通孔を貫通するバスダクト貫通構造において、該貫通構造は、
前記第二のバスダクトが挿通される開口部を有し、該第二のバスダクトが該開口部を挿通した状態で前記貫通孔を塞ぐ閉塞板と、
前記閉塞板に設けられたガイド孔に挿通され、前記構造物と該閉塞板とが摺動可能な程度の距離を維持した状態で該閉塞板を該構造物に取り付ける取付部材とを含み、
前記ガイド孔および前記取付部材のそれぞれは、前記構造物に対する前記閉塞板の摺動を阻害しない形状および大きさを有することを特徴とするバスダクト貫通構造。
【請求項12】
バスダクトが構造物の貫通孔を貫通するバスダクト貫通構造において、該貫通構造は、
前記バスダクトが挿通される開口部を有し、該バスダクトが該開口部を挿通した状態で前記貫通孔を塞ぐ閉塞板と、
前記貫通孔を前記バスダクトの貫通方向と平行に伸長し、該貫通方向に略垂直なフランジを該貫通孔の伸長端に有する貫通孔部材と、
前記閉塞板および前記フランジの少なくとも一方に設けられたガイド孔に挿通され、該閉塞板と該フランジとが摺動可能な程度の距離を維持した状態で該閉塞板を該フランジに取り付ける取付部材とを含み、
前記ガイド孔および前記取付部材のそれぞれは、前記構造物に対する前記閉塞板の摺動を阻害しない形状および大きさを有することを特徴とするバスダクト貫通構造。
【請求項13】
バスダクトが構造物の貫通孔を貫通するバスダクト貫通構造において、該貫通構造は、
前記バスダクトが挿通される開口部を有し、該バスダクトが該開口部を挿通した状態で前記貫通孔を塞ぐ閉塞板と、
前記閉塞板に設けられたガイド孔に挿通され、前記構造物と該閉塞板とが摺動可能な程度の距離を維持した状態で該閉塞板を該構造物に取り付ける取付部材とを含み、
前記ガイド孔および前記取付部材のそれぞれは、前記構造物に対する前記閉塞板の摺動を阻害しない形状および大きさを有することを特徴とするバスダクト貫通構造。
【請求項14】
請求項1ないし9のいずれかに記載のバスダクト壁貫通構造、あるいは請求項10ないし13のいずれにかに記載のバスダクト貫通構造において、
前記閉塞板は、複数の水平型バスダクトのそれぞれあるいは複数の第二のバスダクトのそれぞれあるいは複数のバスダクトのそれぞれが個別に挿通される複数の開口部を有し、該複数の水平布設型バスダクトのそれぞれあるいは該複数の第二のバスダクトのそれぞれあるいは該複数のバスダクトのそれぞれが個別に摺動可能なように分割されていることを特徴とするバスダクト壁貫通構造またはバスダクト貫通構造。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−166738(P2010−166738A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−8169(P2009−8169)
【出願日】平成21年1月16日(2009.1.16)
【出願人】(000162135)共同カイテック株式会社 (66)
【Fターム(参考)】