説明

バス用空調装置

【課題】本発明は、エバポレータ、冷暖房空調ユニット、燃焼式ヒータの配置を工夫して、燃焼式ヒータの排ガスの外気導入口部への進入を防ぎつつ、バス車両の走行安定性の向上が図れるバス用空調装置を提供する。
【解決手段】本発明のバス用空調装置は、コンデンサ15を、床下の車幅方向一方側に配置し、冷暖房空調ユニット17を、コンデンサ15と反対側となる床下の車幅方向他方側に配置し、燃焼式ヒータ21を、床下のコンデンサ15と冷暖房空調ユニット17間のうち、排気口21cを冷暖房空調ユニット17の外気導入口23から遠ざけた、冷暖房空調ユニット17から離れた反対側の地点に配置した。同構成により、バス車両の車幅方向における重量的な片寄りは抑えられるだけでなく、燃焼式ヒータ21の排ガスの外気導入口23への進入が抑えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バス車両の客室を空調するバス用空調装置に関する。
【背景技術】
【0002】
バス車両に搭載されるバス用空調装置には、サブエンジン式と呼ばれる空調装置やメインエンジン直結式と呼ばれる空調装置がある。
サブエンジン式は、バス車両の床下に、コンプレッサを駆動する専用のサブエンジンと共に、コンプレッサと共に冷凍サイクルを形成するコンデンサ、同冷暖房空調ユニット(エバポレータ、ヒータコアなどを内蔵したユニット)を搭載して構成される空調装置で、エバポレータやヒータコアで生成された空調空気(所望温度や湿度の冷風や温風など)を客室の天井・床側から供給する。メインエンジン直結式は、バス車両のリヤに搭載された走行用エンジンにコンプレッサを直結し、バス車両の屋根上に、コンプレッサと組合う冷房ユニットを搭載し、床下に暖房ユニットを搭載して構成される空調装置で、客室の天井側から冷風を供給し、客室の床側から温風を供給する。
【0003】
ところで、こうした空調装置のうちサブエンジン式は、サブエンジンにおける排ガス規制の対応が求められる。このため、開発技術の面、コスト的な面で、かなりの負担が強いられる問題がある。
またメインエンジン直結式の空調装置は、屋根に冷房ユニットを配置するために、バス車両の重心位置が高くなる問題がある。しかも、冷媒配管は、車両上下間(コンプレッサと屋根上の冷房ユニットとの間)に渡すことが多いため、配管作業の工数が多い。そのうえ、車両上下を渡る冷媒配管により、バス車両の重量が増すなどの問題をもつ。
【0004】
そこで、こうした点を改善するべく、走行用エンジンでコンプレッサを駆動するメインエンジン直結式でありながら、客室内で冷風や温風をミックスさせるのではなく、サブエンジン式のように客室の床下に、走行用エンジンで駆動されるコンプレッサと組み合う空調設備、具体的には外気と熱交換するコンデンサ、電動式のコンデンサファンおよび冷暖房空調ユニット(エバポレータ、ヒータコアをケーシングに内蔵したユニット)、冷暖房空調ユニット内で生成した空調空気を客室内へ供給する客室送風機などを据え付ける構造のバス用空調装置が提案されている(特許文献2を参照)。
【0005】
こうした空調装置は、整備性の点から、特許文献2のように車両の床下の車幅方向片側だけに、エバポレータ、エバポレータファン、冷暖房空調ユニット、同空調ユニットで生成された空調空気を客室内へ送風する客室送風機を配置することが行われている。冷暖房空調ユニットのヒータコアを助ける燃焼バーナ式の予熱器(燃焼式ヒータ)も、この配置にならってバス車両の床下の車幅方向片側の地点だけに配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−51424号公報
【特許文献2】特開2003−291636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、同空調装置は、空調装置全体がバス車両の車幅方向片側に片寄って配置されるため、バス車両の車幅方向片側における重量的な負担は大きく、バス車両の走行安定性に影響を与えやすい。特に予熱器(燃焼式ヒータ)は、燃料を燃焼させる燃焼部と、同燃焼部の熱をヒータコアへ伝える熱交換部と、燃焼で生じた排ガスを外部に排気する排気口とを有した重量物の機器で、バス車両の重量バランスに影響を与える。
【0008】
しかも、予熱器は、車両片側の配置により、冷暖房空調ユニットの近くにレイアウトされやすいため、バス車両の停車時などの際、予熱器の排気口から排出された排ガスが、冷暖房空調ユニットの外気導入口部から吸い込まれて客室内へ進入するおそれがある(外気導入口に予熱器の排気口が接近するため)。このため、別途、排ガスの進入を防ぐための手立てが求められる場合もある。
そこで、本発明の目的は、コンデンサ、冷暖房空調ユニット、燃焼式ヒータの配置を工夫して、燃焼式ヒータの排ガスの外気導入口部への進入を防ぎつつ、バス車両の走行安定性の向上が図れるバス用空調装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、コンデンサは、床下の車幅方向一方側に配置し、冷暖房空調ユニットは、コンデンサと反対側となる床下の車幅方向他方側に配置し、燃焼式ヒータは、床下のコンデンサと冷暖房空調ユニット間のうち、排気口を冷暖房空調ユニットの外気導入口から遠ざけた、冷暖房空調ユニットから離れた反対側の地点に配置した。
同構成によると、コンデンサ、冷暖房空調ユニットは、床下の車幅方向両側に配置されるうえ、燃焼式ヒータはその両者間に配置されるから、バス車両の車幅方向における重量的な片寄りが抑えられる。しかも、燃焼式ヒータは、冷暖房空調ユニットの外気導入口から離した地点に配置されるので、別途、排ガスを逃がす手立てを講じることなく、燃焼式ヒータの排ガスの外気導入口への進入が抑えられる。
【0010】
請求項2の発明は、上記目的に加え、重量バランスを損なわずに、客室送風機が配置されるよう、客室送風機は2基とし、客室送風機のうちの一方は、冷暖房空調ユニットとダクトでつながり、コンデンサ側に寄せて車幅方向一方側に配置し、客室送風機のうちの他方は、冷暖房空調ユニットと接続され反対側の冷暖房空調ユニット側に寄せて車幅方向他方側に配置した。
請求項3の発明は、上記目的に加え、床下のスペースを有効に活用して燃焼式ヒータが設置されるよう、一方の客室送風機と他方の客室送風機とを、車両前後方向においてずらして配置し、燃焼式ヒータを、位置ずれで空いた、冷暖房空調ユニットから最も離れた地点に配置することとした。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、バス車両の車幅方向における空調装置の重量的な片寄りが抑えられるだけでなく、燃焼式ヒータの排ガスが冷暖房空調ユニットの外気導入口に進入し難くなる。
したがって、燃焼式ヒータの排ガスの外気導入口部への進入を防ぎつつ、バス車両の走行安定性の向上を図ることができる。しかも、排ガスの進入防止は、別途、排ガスを逃がす手段を必要としないので、簡素な構造ですむうえ、コスト的な負担も軽減できる。
【0012】
請求項2の発明によれば、バス車両の重量バランスを良好に保ちながら、客室送風機を配置することができる。
請求項3の発明によれば、床下のスペースを有効に活用し、さらには重量バランスを良好に保ちながら、コンデンサ、冷暖房空調ユニット、燃焼式ヒータ、客室送風機を設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係るバス用空調装置が搭載されたバス車両を示す斜視図。
【図2】同バス用空調装置の床下に組み込まれた空調設備を拡大して示す斜視図。
【図3】同空調設備をバス車両から離して示した斜視図。
【図4】(a)は同空調設備を構成するコンデンサ、冷暖房空調ユニット、燃焼式ヒータ、客室送風機のレイアウトを示す平面図、(b)は同じく正面図。
【図5】燃焼式ヒータの排気口周辺を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を図1ないし図5に示す一実施形態にもとづいて説明する。
図1は、バス用空調装置が搭載されたバス車両、例えばハイデッカタイプの観光バスの全体、図2および図3は同バス用空調装置の空調ユニット(本願の空調設備に相当)の組込み構造、図4および図5は同空調ユニットの各機器のレイアウトをそれぞれ示している。
【0015】
図1に示す観光バス(以下、バス車両という)を説明すると、図中1は車両前後方向に延びた箱形の車体、2は車体1の内部に形成された客室、2aは同客室2の床を示している。車体1の最後部(リヤ)に形成されたエンジンルーム(図示しない)には、同バス車両の走行用エンジン3が収められている。また客室2の天井の車幅方向両側には、一対の冷房用ダクト5が設けられ、客室2の床板の車幅方向両側には、一対の暖房用ダクト6が設けられている。なお、両ダクト5,6は、いずれも客室2の前後方向に沿って配置してある。
【0016】
バス車両に搭載されているバス用空調装置10は、走行用エンジン3で駆動されるコンプレッサ11をエンジンルームに収め、コンプレッサ11と組み合う空調設備であるところの空調ユニット12を客室2の床下に組み込んで構成されている。このうち空調ユニット12が、図1および図2に示されるように例えば前輪7aと、同前輪7aと後輪7b間に形成した荷物室8との間に有する床下の限られた大きさの車幅方向空間αに組み込まれている。
【0017】
さらに述べると、車体1は、シャシフレーム9上に据え付けられ、同シャシフレーム9により客室2を高い位置に配置させている。シャシフレーム9(車体を支える部材)は、図1〜図3に示されるように車両車幅方向に延びる複数のクロスメンバ部9a(一部しか図示せず)と、車両前後方向に延びる複数のサイドレール部9b(一部しか図示せず)とを井桁状に組み合わせて構成される。通常、このシャシフレーム9の車幅方向中央には、剛性の確保や車両前後方向に渡る渡り配線や渡り配管(いずれも図示しない)の保持などのため、車両前部から車両後部に渡り、骨格をなすフレーム部材9cが一直線状に設けられている。
【0018】
空調ユニット12は、このシャシフレーム9のうち、前輪7a直後のクロスメンバ部、例えば前輪7aのホイールハウスの骨格の一部を兼ねる高さ寸法の低いホイールハウス骨格部9dと、荷物室8の骨格の一部をなす最もフロント寄りの高さ寸法の高いクロスメンバ部9a間の限られた車幅方向空間αに搭載される。
この空調ユニット12は、図1〜図3に示されるように外気と熱交換するコンデンサ15、同コンデンサ15に装備される複数、例えば4基の電動式のコンデンサファン15a、冷暖房空調ユニット17、客室送風機18、レシーバ19、ドライヤ20、燃焼バーナ式の予熱器21(本願の燃焼バーナ式ヒータに相当)などを有している。
【0019】
このうち冷暖房空調ユニット17は、図3に示されるように空調ケーシング22の側部に外気導入口23を有し、上部に内気導入口24を有し、さらに同導入口23,24の切り換えを行う切換機構25が組み付き、内部にエバポレータ27、ヒータコア28を収めて構成される。
【0020】
予熱器21は、図3および図4にも示されるようにバーナノズルやファンモータ(いずれも図示せず)を内蔵して構成された燃焼部21a(燃料を燃焼させる部分)と、ヒータコア28へ向うエンジン冷却水(温水)に燃焼で生じる熱を伝える熱交換部21bと、燃焼で生じた排ガスを外部に排気する排気口21cとを有して構成される。さらに述べると、燃焼部21aの下部からは図4に示されるように排気管部21dが突出していて、同排気管部21dの下端開口から排気口21cを形成している。
また客室送風機18は、複数、例えば2基(一対)の電動式のブロアファン18a、18b(電動送風機)から構成してある。
【0021】
こうした空調ユニット12の主要の機器は、図2に示されるようにホイールハウス骨格部9dとクロスメンバ部9a間を斜めに通るフレーム部材9c部分を避けながら、床下の車幅方向空間αにレイアウトされている。
すなわち、図4(a),(b)に詳図されるようにコンデンサ15は、床下のフレーム部材9c部分(車幅方向中央に有るフレーム部材)を避けた、同フレーム部材9c部分と隣接する車幅方向一方側の空いた空間部に配置される。さらに述べれば、コンデンサ15は、最も車幅方向一方側に寄せた最外側の地点に配置され、車体1の側部に着脱可能に設けたコンデンサ用グリル部1a(図1、4に図示)に臨む。
【0022】
冷暖房空調ユニット17は、これらと反対側となるフレーム部材9c部分を避けた、フレーム部材9c部分と隣接する車幅方向他方側の空いた空間部に配置される。さらに述べれば、冷暖房空調ユニット17は、これとは反対側となる車幅方向一方側に寄せた最外側の地点に配置され、車体1の側部に着脱可能に設けた外気導入用グリル部1b(図1、4に図示)に臨む。
【0023】
また予熱器21は、コンデンサ15と冷暖房空調ユニット17間のうち、排気口21cを冷暖房空調ユニット17の外気導入口23から遠ざけた位置、すなわち冷暖房空調ユニット17から離れた反対側(コンデンサ15側)の地点に配置され、冷暖房空調ユニット17から離すという構造により、排気口21cから排出される排ガスを外気導入口23へ進入しづらくしている。
【0024】
これより、床下の車幅方向空間αに、コンデンサ15、冷暖房空調ユニット17、予熱器21をバランスよく配置させている。なお、コンデンサ15の後側には、ヒータコア28に温水を循環させる温水ウォータポンプ35が配置され、コンデンサ15の側部には燃料フィルタ36が配置され、冷暖房空調ユニット17の側部にはストレーナ37が配置される(いずれも図4のみ図示)。ちなみに、内気導入口24は客室2内と連通する。
【0025】
また図4に示されるように客室送風機18を構成する一方のブロアファン18aは、空調ケーシング22の空調空気の導出部(図示しない)と延長ダクト29(ダクト)でつなげて、コンデンサ15側に寄せた床下の車幅方向一方側に配置され、他方のブロアファン18bは、空調ケーシング22の空調空気の導入部(図示しない)と直接つなげ、反対側の冷暖房空調ユニット17側に寄せた床下の車幅方向他方側に配置され、限られた車幅方向空間αの全体に空調ユニット12の主要の機器をバランスよく配置させている。
【0026】
特に2基のブロアファン18a、18bは、図4に示されるように車両前後方向において相互の位置をずらして配置され、この位置ずれで空いた2基のブロアファン18a、18bの空いたコンデンサ15側の空間に、上記予熱器21、同予熱器21とつながる温水三方流調弁30が配置され、各種機器を床下の車幅方向空間αの全体にコンパクトに配置させている。
【0027】
こうした車幅方向両側に配置したコンデンサ15と冷暖房空調ユニット17との間は、複数本の支持アーム31で連結してある。また支持アーム31には、ブロアファン18a、18b、予熱器21、レシーバ19、ドライヤ20などが支持され、図3に示されるような床下(車幅方向空間α)への組込みに適した機器レイアウトの空調ユニット12を構成している。特に各機器が配置される下部、すなわちコンデンサ15と冷暖房空調ユニット17との間の開放部分は、アンダカバー、例えばアンダプレート39で覆ってある(図3、図4中の二点鎖線で図示)。予熱器21の排気管部21dの先端は、このアンダプレート39を貫通していて、アンダプレート39を活用して、一層、排気口21cからの排ガスを外気導入口23へ進入しにくくしている。そして、支持アーム31はクロスメンバ部9aなどに固定具、例えばボルトで固定され、床下に空調ユニット12の全体を組み付けている。
【0028】
コンデンサ15、エバポレータ27、レシーバ19、ドライヤ20は、順に冷媒配管(図示しない)を介して、コンプレッサ11と接続され、冷凍サイクルを構成する。またヒータコア28は、予熱器21や温水ウォータポンプ35を介して、走行用エンジン3の冷却水導出部(いずれも図示しない)に接続され、冷凍サイクル運転やヒータコア28運転により、外気導入口23や内気導入口24で取り込まれる空気の温度や湿度を調整する。
【0029】
床下の左右両側に組み込んだ2基のブロアファン18a、18bは、図1および図2に示されるように前輪7aのホイールハウス間を通るX形の供給ダクト33や、冷・暖房切換ダンパー(図示しない)内蔵の中継ダクト34を介して、客室2内の両側の冷房用ダクト5、暖房用ダクト6にそれぞれ接続され、冷暖房空調ユニット17内で生成された空調空気(冷風、温風など)を冷房用ダクト5、暖房用ダクト6から客室2内へ吹き出せるようにしている。
【0030】
このように床下の車幅方向空間αの一方側にコンデンサ15を配置し、他方側に冷暖房空調ユニット17を配置し、予熱器21を冷暖房空調ユニット17から離れた地点に配置すると、重量物である、コンデンサ15、冷暖房空調ユニット17は、床下の車幅方向両側に配置され、予熱器21はその両者間に配置されるので、重量は車幅方向に均等に加わり、バス車両の車幅方向における重量的な片寄りは抑えられる。しかも、予熱器21は、冷暖房空調ユニット17の外気導入口23から離した地点に配置されるので、別途、排ガスを逃がす手立てを講じることなく、予熱器21から排出された排ガスの外気導入口23への進入を抑えることができる。
【0031】
したがって、予熱器21の排ガスの外気導入口23への進入を防ぎつつ、バス車両の走行安定性の向上を図ることができる。しかも、排ガスの進入防止は、機器のレイアウトですむから、別途、排ガスを逃がす手段を必要とせずにすみ、簡素な構造ですむ。このため、コスト的な負担も少ない。特にコンデンサ15〜冷暖房空調ユニット17間の下部の開放した部分を覆っているアンダプレート39から予熱器21の排気口21cを突き出せると、アンダプレート39が障害物となり、一層、予熱器21の排ガスを外気導入口23へ進入しにくくできる。
【0032】
しかも、2基のうちの一方のブロアファン18aをコンデンサ15側に寄せて配置し、他方のブロアファン18bを、反対側の冷暖房空調ユニット17側に寄せて配置すると、重量バランスを損なわずに、客室送風機18が配置できる。特に2基のブロアファン18a,18bを車両前後方向にずらし、位置ずれで空いた部分に予熱器21を配置すると、占有スペースを必要とする予熱器21でもコンパクトに収められる。
なお、本発明は上述した一実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々可変して実施しても構わない。例えば一実施形態では、バス車両の前輪直後の床下の地点に空調ユニット(空調設備)を設けた例を挙げたが、他の地点に空調ユニットを設ける構造でも構わない。
【符号の説明】
【0033】
1 車体
3 走行用エンジン
11 コンプレッサ
12 空調ユニット(空調設備)
15 コンデンサ
17 冷暖房空調ユニット
18 客室送風機
21 予熱器(燃焼式ヒータ)
21a 燃焼部
21b 熱交換部
21c 排気口
23 外気導入口
24 内気導入口
27 エバポレータ
28 ヒータコア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バス車両に、同バス車両の走行用エンジンで駆動されるコンプレッサを設け、バス車両の客室の床下に、前記コンプレッサと組み合う空調設備を設けて構成されるバス用空調装置であって、
前記空調設備は、外気と熱交換するコンデンサと、外気を導入する外気導入口および内気を導入する内気導入口を有し、前記コンデンサと共に冷凍サイクルを構成するエバポレータおよびヒータコアを用いて前記外気導入口および内気導入口から導入された空気を温度調整し空調空気を生成する冷暖房空調ユニットと、燃料を燃焼させる燃焼部および燃焼で生じる排ガスを外部に排気する排気口を有し、燃焼の熱により前記コアヒータを助ける燃焼式ヒータとを有してなり、
前記コンデンサは、前記床下の車幅方向一方側に配置され、
前記冷暖房空調ユニットは、前記コンデンサと反対側となる前記床下の車幅方向他方側に配置され、
前記燃焼式ヒータは、前記床下の前記コンデンサと前記冷暖房空調ユニット間のうち、当該排気口を前記冷暖房空調ユニットの外気導入口から遠ざけた、前記冷暖房空調ユニットから離れた反対側の地点に配置される
ことを特徴とするバス用空調装置。
【請求項2】
更に、前記冷暖房空調ユニットで生成された空調空気を客室内へ供給する客室送風機を2基有し、
前記客室送風機のうちの一方は、前記冷暖房空調ユニットとダクトでつながり、前記コンデンサ側に寄せて車幅方向一方側に配置され、
前記客室送風機のうちの他方は、前記冷暖房空調ユニットと接続され反対側の前記冷暖房空調ユニット側に寄せて車幅方向他方側に配置される
ことを特徴とする請求項1に記載に記載のバス用空調装置。
【請求項3】
前記一方の客室送風機と前記他方の客室送風機とは、車両前後方向において位置がずれ、
前記燃焼式ヒータは、前記位置ずれで空いた、前記冷暖房空調ユニットから最も離れた地点に配置されることを特徴とする請求項2に記載のバス用空調装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−131321(P2012−131321A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−284375(P2010−284375)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(598051819)ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト (1,147)
【氏名又は名称原語表記】Daimler AG
【住所又は居所原語表記】Mercedesstrasse 137,70327 Stuttgart,Deutschland
【Fターム(参考)】