説明

バッテリーセルの作動寿命を向上させるバッテリーシステム及び方法

【課題】バッテリーセルの作動寿命を向上させるバッテリーシステムを提供する。
【解決手段】バッテリーセル20と、バッテリーセル20に隣接して配置された熱交換器50と、バッテリーセル20と熱交換器50を含んで相互カップリングされた第1及び第2フレーム部と、熱交換器50に冷媒流体を供給し、熱交換器50から冷媒流体を返してもらう流体供給部60と、電圧センサー70と電流センサー80のそれぞれの検出値から計算されるバッテリーセル20の抵抗レベルに基づいて、増加した所望の力がバッテリーセル20の少なくとも何れか一方の側壁に加えられるように、流体供給部60が熱交換器50に供給される冷媒流体の圧力レベルを増加させるようにする制御信号を発生するように構成されたマイクロプロセッサー90と、を含む。バッテリーセル20内の活物質間の距離が減少して、活物質間のイオン伝達効率が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーシステム内のバッテリーセルの作動寿命を向上させるバッテリーシステム及び方法に関するものであって、さらに詳しくは、バッテリーセルの抵抗特性に基づいてイオン伝達効率を上昇させることができるシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明者は、電気車のポーチ型リチウム‐イオンバッテリーセルの交換コストが比較的高価であるということを認知していた。このことから本発明者は、バッテリーの作動寿命を向上させるバッテリーシステム及び方法が必要であるということに着眼するようになった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上述のような従来技術を勘案して創案されたものであって、バッテリーセルの作動寿命を向上させることができるバッテリーシステム及び方法を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記技術的課題を達成するための本発明によるバッテリーシステムは、バッテリーセルと、前記バッテリーセルに隣接して配置された熱交換器とを含む。前記バッテリーシステムは、前記バッテリーセルが備えられる第1及び第2フレーム部をさらに含み、第1及び第2フレーム部の間に前記熱交換器が配置される。前記第1及び第2フレーム部は互いにカップリングされるように構成される。前記バッテリーシステムは、前記熱交換器に冷媒流体を供給し、熱交換器から冷媒流体を返してもらう流体供給部をさらに含む。また前記バッテリーシステムは、一定時間の間のバッテリーセルの出力電圧レベルを表す第1信号を出力する電圧センサーをさらに含む。また前記バッテリーシステムは、前記一定時間の間にバッテリーセルに流れる電流レベルを表す第2信号を出力する電流センサーをさらに含む。また前記バッテリーシステムは、前記第1及び第2信号に基づいて前記バッテリーセルの抵抗レベルを計算するように構成されるマイクロプロセッサーをさらに含む。前記マイクロプロセッサーは、前記抵抗レベルに基づいて、増加した所望の力が前記バッテリーセルの少なくとも何れか一方の側壁に加えられるように、前記流体供給部が前記熱交換器に供給される冷媒流体の圧力レベルを第1圧力レベルに増加させるようにする制御信号を発生するように構成される。
【0005】
望ましくは、前記マイクロプロセッサーは、予め設定された抵抗レベルと計算された抵抗レベルとの差異を算出するように構成され、前記差異に基づいて前記熱交換器が少なくとも一つのバッテリーセルに加える所望の力の大きさを決定するように構成され、前記決定された所望の力の大きさに基づいて前記冷媒流体の第1圧力レベルを決定するように構成されたことを特徴とする。
【0006】
望ましくは、前記バッテリーセルは、ポーチ型リチウム‐イオンバッテリーセルである。
【0007】
望ましくは、前記熱交換器は、前記冷媒流体が流れる内部空間を定義する伸縮性側面部材から作られたことを特徴とする。
【0008】
前記技術的課題を達成するために、バッテリーシステム内のバッテリーセルの作動寿命を向上させるための方法が提供される。前記バッテリーシステムは、前記バッテリーセルが備えられる第1及び第2フレーム部をさらに含み、第1及び第2フレーム部の間に前記熱交換器が配置される。前記熱交換器は、前記バッテリーセルに隣接して配置される。また前記バッテリーシステムは、前記熱交換器に流体の流れを誘発するように連結された流体供給部及びマイクロプロセッサーを含む。前記方法は、電圧センサーを利用して一定時間の間の前記バッテリーセルの出力電圧レベルを表す第1信号を生成するステップを含む。また前記方法は、電流センサーを利用して前記一定時間の間に前記バッテリーセルに流れる電流レベルを表す第2信号を生成するステップをさらに含む。また前記方法は、マイクロプロセッサーを利用して前記第1及び第2信号に基づいて前記バッテリーセルの抵抗レベルを計算するステップをさらに含む。また前記方法は、前記マイクロプロセッサーを利用して前記抵抗レベルに基づいて、増加した所望の力が前記バッテリーセルの少なくとも何れか一方の側壁に加えられるように、前記流体供給部が前記熱交換器に供給される冷媒流体の圧力レベルを第1圧力レベルに増加させるようにする制御信号を発生するステップをさらに含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一側面によれば、バッテリーセルの作動寿命を向上させるためのバッテリーシステム及び方法は、他のバッテリーシステム及び方法よりも顕著な効果を提供する。特に前記バッテリーシステム及び方法は、増加した所望の力が前記バッテリーセルの少なくとも何れか一つの側面に加えられるように、熱交換器に供給される冷媒流体の圧力レベルを増加させ、前記バッテリーセルの作動寿命を向上させる技術的効果を提供する。増加した所望の力が加えられた結果、前記バッテリーセル内の活物質間の距離は、前記バッテリーセル内の活物質間のイオン伝達効率が向上するように減少する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施例によるバッテリーシステムのブロック図である。
【図2】図1のバッテリーシステムに使われるバッテリーセル、フレーム部、及び熱交換器の断面図である。
【図3】図2のバッテリーセル、フレーム部、及び熱交換器の部分を拡大した横断面図である。
【図4】図3のバッテリーセル、フレーム部、及び熱交換器の部分を拡大した横断面図である。
【図5】図2のバッテリーシステムに使われる熱交換器の横断面図である。
【図6】図1のバッテリーセル、フレーム部、及び熱交換器の部分を拡大した他の断面図である。
【図7】図6のバッテリーセル、フレーム部、及び熱交換器の部分を拡大した他の断面図である。
【図8】本発明の他の実施例に従ってバッテリーシステム内のバッテリーセルの作動寿命を向上させる方法を示すフローチャートである。
【図9】バッテリーセルの電圧対電流のカーブを示すグラフである。
【図10】バッテリーセルの単純化された横断面図である。
【図11】圧縮されたバッテリーセルの単純化された他の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1及び図2を参照すれば、本発明の一実施例によるバッテリーシステム10が示されている。前記バッテリーシステム10は、バッテリーセル20、30、第1及び第2フレーム部40、42、熱交換器50、流体供給部60、電圧センサー70、電流センサー80、マイクロプロセッサー90、及びメモリ部92を含む。
【0012】
前記バッテリーシステム10に対した詳細な説明を開始する前に、前記バッテリーシステム10の機能をより理解するために、まず、イオン伝達効率の上昇及びバッテリーセル20の作動寿命向上のための方法論に対した一般的な概観を説明する。たとえ前記バッテリーシステム10は、二つの例示的なバッテリーセルを含んでいるが、単純化のために、前記バッテリーセル20と関連する効果に対してのみ詳しく説明する。しかし、以下の方法論は一つのバッテリーセルまたは複数のバッテリーセルに対しても適用できることを理解しなければならない。図10にポーチ型リチウム‐イオンバッテリーセル20の一部が単純化された横断面図が示されている。前記バッテリーセル20は、活物質22、23、電極25、26、及び電解液が含浸されたセパレーター24を含んでいる。前記電極25、26は、前記活物質22、23とそれぞれ連結されている。作動中には、前記活物質22から出たイオンが前記セパレーター24及び前記セパレーター24の電解液を通して前記活物質23へと移動する。前記バッテリーセル20の作動寿命を越えると、前記活物質22と前記活物質23との距離X1を渡るイオン伝達効率が減少する。従って、図11を参照すればわかるように、本発明者は、バッテリーセル20の作動寿命中にイオン伝達効率が減少した場合、前記活物質22と前記活物質23との距離を減らせば、良い効果があるはずであることがわかるようになった。前記活物質22と前記活物質23との距離減少は、柔軟(pliable)であるか、または伸縮性のある(flexible)バッテリーセル20の側面110、112に、前記活物質22、23間の距離をX2に狭めるための力(F)を加えることで得ることができる。前記距離X2は前記距離X1よりも短い。前記バッテリーシステム10は、前記バッテリーセル20の抵抗レベルに基づいて前記バッテリーセル20の作動特性が減少したと判断されるとき、前記バッテリーセル20の側面110、112及び前記バッテリーセル30の側面130、132に非常に均一であり垂直的な力(F)を加えるように構成される。
【0013】
図9を参照すれば、前記バッテリーセル20の電圧対電流のカーブを示すグラフ400が示されている。前記バッテリーセル20の抵抗レベルは、前記バッテリーセルの作動特性が減少したか否かを判断できる各電圧対電流のカーブの勾配で示される。例えば、前記カーブ27の勾配は新しいバッテリーセル20に該当し、要求される作動能力を示唆する相対的に低い抵抗レベルを示し、前記カーブ28の勾配は相対的に高い抵抗レベルを有する古いバッテリーセル20に該当する。本発明者は、前記バッテリーセルと関連した前記抵抗レベルは、前記バッテリーセル20のイオン伝達効率が減少したか否かを判断するのに使用することができ、前記バッテリーセル20のイオン伝達効率を上昇及び前記バッテリーセル20の作動寿命を向上させるために、前記バッテリーセル20の側面110、112に加える力の量を決定するのに使用することができるということを認知するようになった。
【0014】
図1ないし図3及び図10を参照すればわかるように、前記バッテリーセル20、30は、前記バッテリーセル20、30それぞれの端子を通じて出力電圧を提供し、負荷12と電気的にカップリングされている。一実施例において、前記バッテリーセル20、30は相互電気的に直列カップリングされており、前記負荷12と直列カップリングされている。前記バッテリーセル20は、ポーチ型ボディー100及び電極25、26を含む。前記ポーチ型ボディー100は、活物質22、23及び側面110、112を含む。一実施例において、前記バッテリーセル20は、ポーチ型リチウム‐イオンバッテリーセルである。他の実施例において、前記バッテリーセル20は、本発明が属する技術分野において通常の知識を持つ者に広く知られた柔軟な側壁を有する他のタイプのバッテリーセルであり得ることは言うまでもない。
【0015】
前記バッテリーセル30は、前記バッテリーセル20と類似の構造を有し、ポーチ型ボディー120、電極122、及び他の電極(図示せず)を含む。前記ポーチ型ボディー120は、活物質及び側面130、132を含む。前記実施例において、前記バッテリーセル30はポーチ型リチウム‐イオンバッテリーセルである。他の実施例において、前記バッテリーセル30は、本発明が属する技術分野において通常の知識を持つ者に広く知られた柔軟な側壁を有する他のタイプのバッテリーセルであり得ることは言うまでもない。
【0016】
図3ないし図5を参照すればわかるように、前記熱交換器50は、前記バッテリーセル20、30の間に隣接して配置される。前記熱交換器50は、側壁150、152、吸入口170、及び排出口180を含む。前記側壁150、152は、相互カップリングされており、前記吸入口170から前記排出口180まで延長された流路160を規定する。一実施例において、前記側壁150、152はアルミニウムから作られる。他の実施例において、前記側壁150、152はステンレス鋼から作られる。また他の実施例において、本発明が属する技術分野において通常の知識を持つ者に広く知られ、要求される機能的特性を有する他の種類の物質が使われ得ることは言うまでもない。前記側壁150は複数の伸縮部190を定義し、前記側壁152は複数の伸縮部192を定義する。前記伸縮部190は前記伸縮部192に近く配置される。図4は、前記熱交換器50を通過する冷媒流体の流れが普通または相対的に低い圧力レベルであるときの前記伸縮部190、192及び前記側壁150、152を示している。図6及び図7は、前記熱交換器50を通過する前記冷媒流体の流れが相対的に高い圧力レベル(以下、「第1圧力レベル」)であるときの前記伸縮部190、192及び前記側壁150、152の位置を示している。前記冷媒流体が相対的に高い圧力を持つとき、前記伸縮部190、192は非常に均一な力を前記バッテリーセル20の側面110、112及び前記バッテリーセル30の側面130、132に垂直的に加えるように外側に向かって拡張されることが分かる。図1及び図5を参照すればわかるように、前記吸入口170は、導管210に流体が流入可能にカップリングされており、前記排出口180は、導管212に流体排出が可能にカップリングされている。
【0017】
図2及び図3を参照すればわかるように、前記第1及び第2フレーム部40、42は、前記バッテリーセル20、30、及び前記バッテリーセル20、30の間に配置された熱交換器50を含む。前記第1及び第2フレーム部40、42は相互カップリングされている。一実施例において、前記第1及び第2フレーム部40、42はプラスチックからなり得る。他の実施例において、前記第1及び第2フレーム部40、42は、本発明が属する技術分野において通常の知識を持つ者に広く知られた他の物質からなり得ることは言うまでもない。
【0018】
図1を参照すればわかるように、前記流体供給部60は、前記熱交換器50に冷媒流体を供給するように構成される。前記流体供給部60は、ポンプ200、電源供給器202、圧力センサー203、導管210、212、214、及び貯蔵所220を含んでいる。前記ポンプ200は、冷媒流体を前記貯蔵所220から前記導管210を通して前記熱交換器50へとポンピングする。前記電源供給器202は、前記マイクロプロセッサー90から受信した制御信号に対応して前記ポンプ202が要求される圧力レベルで冷媒流体をポンピングするように制御信号を発生させる。前記冷媒流体は、前記熱交換器50から出て前記導管212を通して前記貯蔵所220へとポンピングされる。その後、前記冷媒流体は、前記貯蔵所220から出て前記導管214を通して前記ポンプ200に戻るようにポンピングされる。すなわち、前記導管210は、前記ポンプ200と前記熱交換器50との間に流体が流れるようにカップリングされている。また、前記導管212は、前記熱交換器50と前記貯蔵所220との間に流体が流れるようにカップリングされており、前記導管214は、前記貯蔵所220と前記ポンプ200との間に流体が流れるようにカップリングされている。前記圧力センサー203は、前記ポンプ200から出る冷媒流体の圧力レベルを表す信号を発生するように構成され、前記信号は、冷媒流体の圧力レベルに対した閉ルーフ制御(closed‐loop control)のために前記マイクロプロセッサー90によって受信される。
【0019】
前記電圧センサー70は、一定時間の間の前記バッテリーセル20の出力電圧レベルを表す第1信号を発生するように構成され、前記信号は、前記マイクロプロセッサー90によって受信される。
【0020】
前記電流センサー80は、一定時間の間に前記バッテリーセル20に流れる電流を表す第2信号を発生するように構成され、前記信号は、前記マイクロプロセッサー90によって受信される。
【0021】
前記マイクロプロセッサー90は、前記メモリ部92、前記電圧センサー70、前記電流センサー80、前記圧力センサー203、及び前記電圧供給器202に動作可能にカップリングされている。前記マイクロプロセッサー90は、前記それぞれの電圧センサー70及び電流センサー80から受信した第1及び第2信号によって前記バッテリーセル20の抵抗レベルを計算するように構成される。前記マイクロプロセッサー90は、前記抵抗レベルに基づいて前記流体供給部60、特に前記ポンプ200が、前記熱交換器50に供給される冷媒流体の圧力を後述する第1圧力レベルに増加させるようにする制御信号を発生するように構成される。前記冷媒流体の圧力レベルが前記第1圧力レベルに上昇したとき、前記バッテリーセル20の側面110、112、及び前記バッテリーセル30の側面130、132に向かって前記熱交換器50の側壁150、152が実質的に均一な増加した所望の力を垂直に加えるように、前記伸縮部190、192が外側に拡張されることに注目すべきである。
【0022】
以下、前記図1及び図8を参照しながら、前記バッテリーシステム10における前記バッテリーセル20の作動寿命を向上させる方法のフローチャートを説明する。後述する方法も同じく、前記バッテリーセル30の作動寿命を向上させることに注目する必要がある。
【0023】
ステップ300において、前記電圧センサー70は、一定時間の間の前記バッテリーセル20の出力電圧レベルを表す第1信号を発生する。
【0024】
ステップ302において、前記電流センサー80は、一定時間の間に前記バッテリーセル20に流れる電流レベルを表す第2信号を発生する。
【0025】
ステップ304において、前記マイクロプロセッサー90は、前記第1及び第2信号に基づいて前記バッテリーセルの抵抗レベルを計算する。具体的に、前記抵抗レベルは、前記電圧レベルを前記電流レベルで割って計算する。
【0026】
ステップ308において、前記マイクロプロセッサー90は、下記の数式1を利用して前記熱交換器50によって前記バッテリーセル20の側面112に加える所望の力の量を決定する。
所望の力の量=(抵抗レベル−設定された抵抗レベル)×Y
(数式1)
(Yは、実験によって得られた定数)
【0027】
ステップ310において、前記マイクロプロセッサー90は、下記の数学式2を利用して前記所望の力の量によって前記冷媒流体の第1圧力レベルを決定する。
第1圧力レベル=所望の力の量/バッテリーセル20の側壁の面積
(数式2)
ステップ312において、前記マイクロプロセッサー90は、所望の力の量が前記バッテリーセル20の側面112に加えられるように、前記流体供給部60が前記熱交換器50に供給する前記冷媒流体の圧力レベルが第1圧力レベルに増加するようにする制御信号を発生する。
【0028】
前記バッテリーセルの作動寿命を向上させるためのバッテリーシステム10及び方法は、他のバッテリーシステム及び方法よりも顕著な効果を提供する。特に前記バッテリーシステム10及び方法は、増加した所望の力が前記バッテリーセルの少なくとも何れか一つの側面に加えられるように、熱交換器に供給される冷媒流体の圧力レベルを増加させ、前記バッテリーセルの作動寿命を向上させる技術的効果を提供する。増加した所望の力が加えられた結果、前記バッテリーセル内の活物質間の距離は、前記バッテリーセル内の活物質間のイオン伝達効率が向上するように減少する。
【0029】
以上のように、本発明は、たとえ限定された実施例と図面とによって説明されたが、本発明はこれによって限定されず、本発明が属する技術分野において通常の知識を持つ者により本発明の技術思想と特許請求範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能なのは言うまでもない。また、本明細書に本発明の多様な実施例を記載したが、本発明は説明された実施例の一部のみを含むことができると理解しなければならない。従って、本発明は、前記明細書に記述された説明によって限定されない。
【符号の説明】
【0030】
10:バッテリーシステム
12:負荷
20、30:バッテリーセル
22、23 :活物質
24:セパレーター
25、26、122:電極
27:新しいバッテリーセル
28:古いバッテリーセル
40、42:第1及び第2フレーム部
50:熱交換器
60:流体供給部
70:電圧センサー
80:電流センサー
90:マイクロプロセッサー
92:メモリ部
100、120:ポーチ型ボディー
110、112、130、132:側面
150、152:側壁
160:流路
170:吸入口
180:排出口
190、192:伸縮部
200:ポンプ
202:電源供給器
203:圧力センサー
210、212、214:導管
220:貯蔵所

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーセルと、
前記バッテリーセルに隣接して配置された熱交換器と、
前記バッテリーセルと前記バッテリーセルの間に配置された熱交換器を備え相互カップリングされた第1及び第2フレーム部と、
前記熱交換器に冷媒流体を供給し、熱交換器から冷媒流体を返してもらう流体供給部と、
一定時間の間のバッテリーセルの出力電圧レベルを表す第1信号を出力する電圧センサーと、
前記一定時間の間にバッテリーセルに流れる電流レベルを表す第2信号を出力する電流センサーと、
前記第1及び第2信号に基づいて前記バッテリーセルの抵抗レベルを計算するように構成され、増加した所望の力が前記バッテリーセルの少なくとも何れか一方の側壁に加えられるように、前記抵抗レベルに基づいて、前記流体供給部が前記熱交換器に供給される冷媒流体の圧力レベルを第1圧力レベルに増加させるようにする制御信号を発生するように構成されたマイクロプロセッサーとを備えてなる、バッテリーシステム。
【請求項2】
前記マイクロプロセッサーが、
予め設定された抵抗レベルと計算された抵抗レベルとの差異を算出するように構成され、
前記差異に基づいて前記熱交換器が少なくとも一つのバッテリーセルに加える所望の力の大きさを決定するように構成され、
前記決定された所望の力の大きさに基づいて前記冷媒流体の第1圧力レベルを決定するように構成されてなる、請求項1に記載のバッテリーシステム。
【請求項3】
前記バッテリーセルが、ポーチ型リチウム‐イオンバッテリーセルである、請求項1に記載のバッテリーシステム。
【請求項4】
前記熱交換器が、前記冷媒流体が流れる内部空間を定義する伸縮性側面部材から作られてなる、請求項1に記載のバッテリーシステム。
【請求項5】
バッテリーシステムにおける前記バッテリーセルの寿命を向上させる方法であって、
前記バッテリーシステムが、バッテリーセルと、前記バッテリーセルの間に位置する熱交換器を含む第1及び第2フレーム部と、前記バッテリーセルに隣接して配置された熱交換器と、前記熱交換器に流体の流れを誘発するように連結された流体供給部と、及びマイクロプロセッサーとを備えてなるものであり、
電圧センサーを利用して一定時間の間の前記バッテリーセルの出力電圧レベルを表す第1信号を生成するステップと、
電流センサーを利用して前記一定時間の間に前記バッテリーセルに流れる電流レベルを表す第2信号を生成するステップと、
マイクロプロセッサーを利用して前記第1及び第2信号に基づいて前記バッテリーセルの抵抗レベルを計算するステップと。
前記マイクロプロセッサーを利用して前記抵抗レベルに基づいて、増加した所望の力が前記バッテリーセルの少なくとも何れか一方の側壁に加えられるように、前記流体供給部が前記熱交換器に供給される冷媒流体の圧力レベルを第1圧力レベルに増加させるようにする制御信号を発生するステップとを含んでなる、バッテリーセルの寿命向上方法。
【請求項6】
前記マイクロプロセッサーを利用して所望の抵抗レベルと前記抵抗レベルとの差異を表す値を決定するステップと、
前記マイクロプロセッサーを利用して前記差に基づいて前記熱交換器が少なくとも何れか一つのバッテリーセルに加える所望の力の量を決定するステップと、
前記マイクロプロセッサーを利用して前記所望の力の量に基づいて冷媒流体の第1圧力レベルを決定するステップとを含んでなる、請求項5に記載のバッテリーセルの寿命向上方法。
【請求項7】
前記バッテリーセルが、ポーチ型リチウム‐イオンバッテリーセルである、請求項5に記載のバッテリーセルの寿命向上方法。
【請求項8】
前記熱交換器が、前記冷媒流体が流れる内部空間を定義する伸縮性側面部材から形成されてなるものである、請求項5に記載のバッテリーセルの寿命向上方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−230886(P2012−230886A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−70119(P2012−70119)
【出願日】平成24年3月26日(2012.3.26)
【出願人】(500239823)エルジー・ケム・リミテッド (1,221)
【Fターム(参考)】