説明

バッテリ搭載構造

【課題】 バッテリの搭載が容易であり、且つ盗難を防ぐことが可能なバッテリ搭載構造を提供する。
【解決手段】 バッテリ搭載構造1は、フレーム7を有しており、フレーム7の自動二輪車2の内側にバッテリ収容空間25が形成されている。バッテリ収容空間25の上方には、上方に開口するバッテリ出入口32がフレーム7によって囲まれて形成されている。バッテリ21は、バッテリ出入口32からバッテリ収容空間25に出し入れできるようになっている。バッテリ出入口32は、バッテリ21が横向きのときにバッテリ21を出し入れでき、バッテリ21の長手方向が縦向きのときに出し入れできないように形成されている。更に、バッテリ収容空間25は、前記バッテリを横向きと縦向きとの間で回転可能であって、縦向きでバッテリ21を収容するように形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体にバッテリを搭載するためのバッテリ搭載構造に関する。
【背景技術】
【0002】
二輪自動車や四輪自動車等の自動車には、ヘッドランプ、ウィンカ、及びイモビライザのような電装品や電気式セルモータ等の様々な電気機器が備わっている。これらの電気機器は、バッテリに繋がっており、バッテリから電力が供給されている。バッテリは、例えば自動二輪車の座席の下に搭載されており、その位置にバッテリを搭載すべく様々な構造が知られており、例えば、特許文献1のような車体中央部構造と、特許文献2のような組付け構造とがある。
【0003】
特許文献1の車体中央部構造では、バッテリが座席の下に位置しており、エアクリーナの前側にそれと平行に配置されている。また、バッテリは、エキゾーストパイプの発する高熱による影響を避けるべく、エキゾーストパイプに対して車幅方向反対側に左側に寄せて配置されている。そのため、バッテリは、車幅方向に表出しており、車幅方向から取り出せるようにすることができる。
【0004】
特許文献2の組付け構造は、自動二輪車の座席の下に位置しており、ボックス本体と車体フレームとを有している。ボックス本体は、その中にバッテリを嵌入して収容できるようになっている。車体フレームには、このボックス本体を挿入する収容口が形成されており、この収容口の下側にボックス本体を収容する凹部が形成されている。収容口は、ボックス本体を前傾姿勢にしなければ入らないようになっており、前傾にされて収容口に入れられたボックス本体は、ボックス本体の底面全体が収容口の中に入るまで前斜め下側に押し込まれ、底面全体が収容口内に収まった後に下ろすことで凹部に収容される。また、車体フレームには、シートが載せられており、このシートによって収容口が塞がれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−85487号公報
【特許文献2】特開2009−255761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の車体中央部構造では、バッテリを車幅方向に取り出すことができるようになっているが、バッテリが剥き出しになっている。それ故、盗難防止の観点からバッテリをサイドカバーで覆ってしまうことが好ましい。しかし、このサイドカバーは、車両の構造上、車体フレームからの取外しが容易にできないようになっている。そのため、実質的にバッテリの脱着作業が複雑になる。これに対して、特許文献2に記載の組付け構造では、収容口をシートによって塞ぐ構造であるので、バッテリの盗難を防ぐことができ、またキーにより開錠することでシートを車体フレームから容易に取外すことができるので、特許文献1の車体中央部構造に比べてバッテリの脱着操作が容易である。
【0007】
しかし、特許文献2に記載の組付け構造では、収容口にバッテリを入れる際にボックス本体を前傾姿勢にしたり、また、凹部に収容する際、ボックス本体を押し込んだりしなければならない。組付け構造により収容口が低背化されているが、収容口はシート下にあり、収容口は、高い位置にある。このような位置で、重量のあるバッテリを収容したボックス本体を前傾にしたり押込んだりする作業は、大変である。また、バッテリの長手方向が車体の幅方向に平行になるように配置されているので、バッテリがエキゾーストパイプの近くに配置されている。そのため、エキゾーストパイプの発する高熱によりバッテリが悪影響を受けるおそれがある。
【0008】
そこで本発明は、バッテリの搭載が容易であり、且つ盗難を防ぐことが可能なバッテリ搭載構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のバッテリ搭載構造は、車体にバッテリを搭載するためのものであって、前記車体のフレームと、前記フレームより前記車体内側に形成され、前記バッテリを収容可能なバッテリ収容空間と、前記フレームによって囲まれて上方に開口し、前記バッテリ収容空間への前記バッテリの出し入れが可能なバッテリ出入口と、を有し、前記バッテリ出入口は、前記バッテリの長手方向が車体の車幅方向に平行な挿入姿勢のときに前記バッテリを出し入れでき、前記バッテリの長手方向が車体の長手方向に平行な搭載姿勢のときに出し入れできないように形成され、前記バッテリ収容空間は、前記バッテリを挿入姿勢と搭載姿勢との間で回転可能であって、前記搭載姿勢で前記バッテリを収容するように形成されているものである。
【0010】
本発明に従えば、バッテリを上方からバッテリ出入口に入れてバッテリ収容空間に挿入し、そこでバッテリを挿入姿勢から搭載姿勢に回転させることでバッテリを搭載することができる。それ故、車体のバッテリ収容空間へのバッテリの挿入が容易でありながら、搭載姿勢ではバッテリを直ぐに引き抜くことができない。これにより、取り付け容易性とバッテリの盗難防止とを両立させることができる。
【0011】
上記発明において、前記バッテリ収容空間は、前記バッテリを搭載する搭載位置を有し、前記搭載位置は、前記車体の車幅方向一方側にあるマフラーに対して前記車体の車幅方向の中心から前記車幅方向他方側にオフセット配置されていることが好ましい。
【0012】
上記構成に従えば、バッテリをマフラーから離すことができ、マフラーの熱がバッテリに伝わりにくくすることができる。これによりバッテリの温度が高くなりバッテリの寿命が短くなる等の不都合を抑制できる。
【0013】
上記発明において、前記バッテリ出入口の下側に位置するように前記フレームに取付けられ、中に前記バッテリ収容空間を有するバッテリケースを更に備え、前記バッテリケースは、前記バッテリ出入口に対向する上面、及び前記車幅方向の一側面が開口していることが好ましい。
【0014】
上記構成に従えば、バッテリケースの上面が開口しているので、上方からバッテリを出し入れすることができ、バッテリの出し入れが容易である。また、バッテリケースの車幅方向一側面が開口しているので、バッテリケースの幅が短くても、バッテリケース内でバッテリの回転をさせることができる。これにより、バッテリケースを小型化することができる。
【0015】
上記発明において、前記バッテリケースは、前記車体の車幅方向一方側にあるマフラー側の一側面が開口していることが好ましい。
【0016】
上記構成に従えば、マフラー側を開口させることで、マフラーの熱がバッテリケースに伝播してバッテリケースの温度が上昇することを抑えることができる。これにより、バッテリケースの温度が上昇して溶損することを防ぐことができる。
【0017】
上記発明において、前記バッテリケース内に設けられ、前記バッテリ収容空間の前記搭載姿勢で搭載された前記バッテリを上方から覆って前記バッテリケースに固定するバッテリ固定カバーを更に有し、前記バッテリケースは、その内面で前記バッテリの平面視で隣接する二辺を支持し、前記バッテリ固定カバーは、前記バッテリの平面視で残りの二辺を支持するように構成されていることが好ましい。
【0018】
上記構成に従えば、走行中に振動などによりバッテリが上下左右前後に動くことを抑えることができる。
【0019】
上記発明において、前記バッテリ固定カバーは、平面視で前記バッテリ出入口側に配置される前記バッテリの短辺を支持する第1支持部と、前記短辺に隣接する前記バッテリの長辺を支持する第2支持部を有しており、前記第2支持部は、前記バッテリ出入口から前記長手方向に延在して平面視で前記フレームに交差するように配置されていることが好ましい。
【0020】
上記構成に従えば、第2支持部が長手方向に延在しているので、バッテリの長辺を広い面で支持することができ、バッテリの車幅方向の動きをしっかりと抑えることができる。このように広い面でバッテリを支持すべく第2支持部が平面視でフレームに交差しているが、第1支持部がバッテリ出入口側に配置されるバッテリの短辺を支持するようになっているので、バッテリ固定カバーは、バッテリ出入口から入れた第2支持部の先端部をフレームの下に潜らせ、第1支持部が前記短辺に当たるまで第2支持部を前記バッテリの長辺に沿って移動させることで、バッテリケースに取付けることができる。それ故、固定カバーの取付けが容易である。
【0021】
上記発明において、前記バッテリ固定カバーは、互いに間隔をあけて配置される複数の突起部分を有し、該突起部分で前記バッテリを当接支持していることが好ましい。
【0022】
上記構成に従えば、バッテリの熱を隣り合う突起部分の間から放散することができ、バッテリの温度上昇を更に抑えることができる。これにより、バッテリの温度上昇に起因する不具合の発生を抑えることができる。
【0023】
上記発明において、前記バッテリケースの内面には、互いに間隔をあけて複数のダンパ部材が配置されており、前記バッテリケースの内面は、前記ダンパ部材を介して前記バッテリの側面を当接支持していることが好ましい。
【0024】
上記構成に従えば、バッテリの熱を隣り合うダンパ部材の間から放散することができ、バッテリの温度上昇を更に抑えることができる。これにより、バッテリの温度上昇に起因する不具合の発生を抑えることができる。また、ダンパ部材が弾性変形することで、バッテリの位置ズレ及びバッテリケースの加工精度等を吸収し、しっかりとバッテリを保持することができる。
【0025】
上記発明において、前記フレームは、前記長手方向に延在する一対のシートレールと、前記長手方向に離して配置されて前記一対のシートレールに渡されている一対のクロスメンバとを有し、前記バッテリ収容空間は、平面視で前記一対のシートレールの間に配置され、且つ前記一対のクロスメンバの少なくとも1つと重なるように形成され、前記バッテリの陽極をその陰極よりも前記クロスメンバから離して前記バッテリを搭載できるように構成されていることが好ましい。
【0026】
上記構成に従えば、バッテリの陰極及び陽極がシートレールに当りにくくなっている。また、クロスメンバを含めフレームは、アースされており、バッテリの陰極がフレームに当たってもフレームに電流が流れることが無い。バッテリの陰極よりも陽極の方をクロスメンバから離しているので、搭載作業時にバッテリの陽極がクロスメンバに当たることが無く、フレームに電流が流れない。それ故、より安全に搭載作業を行うことができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、バッテリの搭載が容易であり、且つ盗難を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係る実施形態のバッテリ搭載構造が備える自動二輪車を示す左側面図である。
【図2】自動二輪車に備わるバッテリ搭載構造付近を図1に示す矢視IIの方向に見た平面図である。
【図3】自動二輪車に備わるバッテリ搭載構造付近を図2に示す矢視IIIの方向に見た部分断面図である。
【図4】自動二輪車に備わるバッテリ搭載構造付近を図1及び2に示す矢視IVの方向に見た部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明に係る実施形態のバッテリ搭載構造1を備える自動二輪車2について、前述する図面を参照して説明する。なお、以下の説明で用いる方向の概念は、自動二輪車に騎乗した運転者から見た方向を基準とする。また、以下に説明するバッテリ搭載構造1は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明は実施の形態に限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で追加、削除、変更が可能である。
【0030】
<第1実施形態>
[自動二輪車]
図1に示す自動二輪車2は、不整地の走行を考慮しつつ舗装路や公道の走行にも対応しているデュアルパーパスタイプのバイクであり、フロントフォーク3を備えている。フロントフォーク3は、所定のキャスター角をもって斜め上方に延在しており、その下端部には、操舵輪である前輪4が回転自在に軸支されている。また、フロントフォーク3の上部側には、図示しないロアブラケット及びアッパーブラケットが上下に間隔をあけて設けられている。アッパーブラケットの上部にあるハンドル支持部5には、バー型のステアリングハンドル6が取付けられている。またロアブラケット及びアッパーブラケットには、フロントフォーク3に平行に延びる図示しないステアリングシャフトが設けられている。このステアリングシャフトは、フレーム7の一部分を構成するヘッドパイプ8に回動自在に軸支されている。これにより、運転者がステアリングハンドル6を左右に回動操作することで、ステアリングシャフトを回転軸として前輪4を所望の方向に転向させることができる。
【0031】
ヘッドパイプ8からは、左右一対のメインフレーム9が若干下方に傾斜しながら後方に延びており、メインフレーム9の後部には、左右一対のスイングアームブラケット10が接続されている。このスイングアームブラケット10には、スイングアーム11が軸支されている。スイングアーム11は、略前後方向に延在しており、その前部がスイングアームブラケット10に軸支され、その後部には、駆動輪である後輪12が回転自在に軸支されている。
【0032】
また、メインフレーム9には、ステアリングハンドル6の後方に燃料タンク13が固定されており、更にその後方に運転者騎乗用のシート15を取付けるべく左右一対のシートレール14(図2〜4も参照)が設けられている。フレームの一部分であるシートレール14は、メインフレーム9から若干上方に傾斜しながら後方に延在しており、その上にシート15を着脱できるようになっている。
【0033】
燃料タンク13の下方には、エンジンEがメインフレーム9とスイングアームブラケット10に支持された状態でエンジンEのシリンダ(図示せず)が前方を向くように配置されている。エンジンEの排気ポート16には、マフラー17が繋がっている。マフラー17は、エキゾーストパイプ18及びサイレンサー19によって構成されており、排気ポート16は、エキゾーストパイプ18を介してサイレンサー19に繋がっている。サイレンサー19は、右側のシートレール14の若干下側に配置され、シートレール14に沿って若干上方に傾斜しながら後方に延在している。エキゾーストパイプ18は、排気ポート16から屈曲して延びており、サイレンサー19の前側部分に繋がっている。
【0034】
また、エンジンEの後方には、リアサスペンション20が設けられている。なお、本実施形態の自動二輪車2は、モノサスペンション方式を採用している。リアサスペンション20は、一対のスイングアームブラケット10の間に設けられており、上端部がスイングアームブラケット10に取付けられ、下端部がスイングアーム11に取付けられている。このように取付けられたリアサスペンション20は、シート15の下方に位置している。またこのシート15の下方には、リアサスペンション20を避けるようにその後方にバッテリ搭載構造1が形成され、更にバッテリ搭載構造1を覆うように車幅方向(つまり、左右方向)両側にサイドカバー43が取付けられている。
【0035】
[バッテリ搭載構造]
以下では、バッテリ搭載構造1を図2乃至4を参照しながら説明する。なお、図2〜4において、バッテリ搭載構造1を見やすくするために、自動二輪車2に備わる構成、例えばエンジンEや、シート15及びサイドカバー43を取外した状態で示している。
【0036】
バッテリ搭載構造1は、ヘッドランプ、ウィンカ、及びイモビライザのような電装品(図示せず)や電気式セルモータ等の様々な電気機器(図示せず)に電力を供給するバッテリ21を自動二輪車2に収容して搭載するための構造である。バッテリ搭載構造1は、図2〜4に示すように、大略直方体状に形成されたバッテリ21を収容するバッテリケース22を備えている。バッテリケース22は、バッテリ21を収容可能に構成されており、後輪12(図1参照)を覆うリアフェンダと一体成形されている。バッテリケース22は、ケース本体23と、フェンダー部24とを有している。
【0037】
ケース本体23は、大略的に直方体状の薄肉の箱体であり、その前後、左及び下側に壁を有し、上側及び右側が開口している。このような形状を有するケース本体23は、シートレール14の下側であって平面視で一対のシートレール14より内側に位置している。つまり、ケース本体23は、フレーム7において自動二輪車2の内側に位置している。このように配置されたケース本体23の右側には、サイレンサー19が位置しており、ケース本体23は、サイレンサー19の熱の影響を受け易くなっている。しかし、ケース本体23の右側を開口させることで、サイレンサー19の熱がケース本体23に伝播してケース本体23の温度が上昇することを抑えている。これにより、ケース本体23が熱により溶損することを防ぐことができる。
【0038】
また、ケース本体23は、前壁23aの上端部に前側取付部26を有している。前側取付部26は、車幅方向に延在する板部材であり、前壁23aの上端部から前方に突き出ており、前側ブラケット27に取付けられている。フレーム7の一部である前側ブラケット27は、車幅方向に延在する板状の部材であり、一対のシートレール14に架設されている。前側取付部26は、この前側ブラケット27に下方から当てられてボルト又は溶接によって固定されている。また、前壁23aの下端部は、リアサスペンション20を避けるように角面取りされて後斜め下方に傾斜しており、その部分により傾斜部分23bが形成されている。
【0039】
また、ケース本体23の後壁23cは、前壁23aより高くなっており、その上端部に後側取付部28を有している。後側取付部28は、車幅方向に延在する板状の部材であり、後壁23cの上端部から後斜め上方に突き出るように形成されている。この後側取付部28は、後側ブラケット29に取付けられている。フレーム7の一部である後側ブラケット29は、車幅方向に延在する部材であり、前側ブラケット27より後方に離れて位置して一対のシートレール14に架設されている。後側取付部28は、この後側ブラケット29に下方から当てられてボルト又は溶接によって固定されている。また、後側取付部28には、フェンダー部24が一体的に設けられている。フェンダー部24は、後側取付部28からその延長線上、つまり後斜め上方に延在しており、フェンダー部24の後端側で下がるように湾曲して後輪12を覆っている。
【0040】
このように構成されているケース本体23は、その中にバッテリ収容空間25を有している。バッテリ収容空間25は、その前後、左及び下がケース本体23の壁により塞がれており、上側及び右側が開放されている。このバッテリ収容空間25は、シートレール14の下側であって平面視で一対のシートレール14より内側に位置している。つまり、バッテリ収容空間25は、フレーム7において自動二輪車2の内側に位置している。また、バッテリ収容空間25は、大略直方体状になっており、前後方向が車幅方向よりも長くなっている。このような形状を有するバッテリ収容空間25は、ケース本体23の上側開口により上方に開放されている。この上側開口は、平面視で矩形状になっており、その一部分の領域にクロスパイプ30が重なっている。
【0041】
クロスパイプ30は、シート15の一部を構成するシートフレーム31を下から支持するクロスメンバである。クロスパイプ30は、車幅方向に延在する円筒状のパイプ部材であり、一対のシートレール14に架設されている。クロスパイプ30は、平面視で前側ブラケット27と後側ブラケット29との間に配置されており、クロスパイプ30と後側ブラケット29との間には、それらと一対のシートレール14によって囲まれて上方に開口するバッテリ出入口32(図2において太線で示す)が形成されている。
【0042】
バッテリ出入口32は、大略的に矩形状に形成されており、その前後方向の長さ(つまり、バッテリ出入口32の長さ)d2よりバッテリ出入口32の車幅方向の長さ(つまり、バッテリ出入口32の幅)d1の方が長くなっている。そして、バッテリ出入口32の長さd2は、平面視でバッテリ21の短尺方向の長さよりも長くなっており、バッテリ出入口32の幅d1は、バッテリ21の長手方向の長さよりも長くなっている。これにより、バッテリ出入口32は、バッテリ21の姿勢をその長手方向が車幅方向に平行になる横向き(挿入姿勢、図2の符号21A参照)にすることで、バッテリ出入口32からバッテリ収容空間25にバッテリ21を出し入れすることができるようになっている。他方、バッテリ21の姿勢をその長手方向が前後方向に略平行になる縦向き(例えば、図2の実線で示す姿勢)すると、バッテリ出入口32は、バッテリ21を出し入れすることができないようになっている。つまり、バッテリ出入口32の長さd2は、バッテリ21の長手方向の長さよりも短くなっている。
【0043】
バッテリ収容空間25において、バッテリ21は、図2〜図4の実線で示す縦向き(搭載姿勢)で収容されており、ケース本体23の左壁23d及び前壁23aの方に寄せて配置されている。このように左壁23dに寄せることで、バッテリ21は、自動二輪車2の車幅方向の中心L1から左側にオフセット配置され、車幅方向右側に配置されたサイレンサー19(マフラー17)から離して配置される。これにより、サイレンサー19から発生する熱の影響、例えばバッテリ21の寿命が短くなることを抑えることができる。また、バッテリ21は、図2に示すようにその前側下端が傾斜部分23bに当たるまで前壁23aに寄せられるようになっており、この傾斜部分23bにより前後方向の位置が決めされるようになっている。このようにバッテリ21は、左壁23d及び前壁23aに寄せられた搭載位置にて搭載されている。
【0044】
バッテリ出入口32から横向きで挿入されたバッテリ21をこのような搭載姿勢及び搭載位置にて配置すべく、ケース本体23は、その中でバッテリ21を前後方向及び車幅方向に直交する軸線回りに回動させてバッテリ21の姿勢及び位置を変えることができるようになっている。本実施形態では、ケース本体23の右側の開口からバッテリ21の右側の一部分を外に出しながら(図2の符号21B参照)バッテリ21を回動させてバッテリ21の長辺が前後方向に平行になるようにその姿勢を変えつつ、左壁23d及び前壁23aに寄せることができるようになっている。このようにケース本体23の右側に開口を形成することで、ケース本体23の幅が短くてもバッテリ21を回動させることができるので、ケース本体23を小形化することができる。
【0045】
また、バッテリ21は、その上面に陽極端子21aと陰極端子21bとを有している。これら2つの端子21a,21bは、夫々長手方向に離して位置している。バッテリ21を回動させる際に、これら2つの端子21a、21bがクロスパイプ30に当たらないように、ケース本体23の底面は、少なくともバッテリ21の高さ分だけクロスパイプ30よりも下に位置している。そして、回動させたバッテリ21は、ケース本体23内において図3に示すように陽極端子21aが後側に位置し、陰極端子21bが前側に位置する収容位置にて収容されている。また、ケース本体23の左壁23d及び前壁23aの内面には、ダンパ部材33a〜33cが設けられている。
【0046】
ダンパ部材33a〜33cは、弾性変形可能な合成樹脂から成る板状の衝撃吸収部材であり、左壁23dの内側に2つ、そして前壁23aの内側に1つ設けられている。ダンパ部材33a,33bは、前後に離して左壁23dに固定されており、搭載位置にあるバッテリ21の左側面の一部分を当接支持している。また、ダンパ部材33cは、前壁23aに固定されており、搭載位置にあるバッテリ21の前面の一部分を当接支持している。このように、バッテリ21を当接支持するダンパ部材33a〜33cは、ケース本体23の左壁23d及び前壁23aの内側(つまり、内面)に互いに間隔をあけて配置されている。それ故、バッテリ21の熱をダンパ部材33a〜33cの間からバッテリ21の熱を放散させることができ、バッテリ21の温度上昇を抑えることができる。これにより、バッテリ21の温度上昇に起因する不具合の発生を抑えることができる。また、バッテリ21の右側面、後面及び上面は、固定カバー34によって支持されている。
【0047】
固定カバー34は、合成樹脂等によって構成されており、バッテリ収容空間25に設けられている。固定カバー34は、右側支持部35を有している。右側支持部35は、バッテリ21の右側面と略同じ外径寸法を有する板状の部材であり、右側支持部35の下端部の前後方向中間部分にケース側取付板35aを有している。ケース側取付板35aは、右側支持部35の下端部から右方向に延びており、ボルト等の締結部材によってケース本体23の底面23eに固定されている。
【0048】
固定された右側支持部35は、車幅方向に直交させて配置されており、バッテリ出入口32よりも前方に延在しており、平面視でクロスパイプ30に交差している。このように配置された右側支持部35は、バッテリ21の右側面に沿って位置しており、右側支持部35の一表面である支持面35bがバッテリ21の右側面に対向している。この支持面35bには、2つの突条部分35cが形成されている。突起部分である突条部分35cは、互いに前後方向に間隔をあけて位置しており、ケース本体23の左壁23d(つまり、バッテリ21の右側面)に向かって突出し、上下方向に延在している。これら突条部分35cは、バッテリ21の右側面を当接支持しており、バッテリ21を左壁23dのダンパ部材33a,33bに押付けてそれらと共にバッテリ21を挟持している。また、右側支持部35には、後側支持部36及び上側カバー部37が設けられている。
【0049】
後側支持部36は、右側支持部35の後端部35dに一体成形されており、そこから左壁23dに向かってバッテリ21の後面の中程まで延在している。このような形状を有する後側支持部36の前面は、バッテリ21の後右角からその後面の中程までの領域を覆っており、そこにもまた突条部分36aが形成されている。突起部分である突条部分36aは、ケース本体23の左壁23d(つまり、バッテリ21の右側面)に向かって突出し、上下方向に延在している。突条部分36aは、バッテリ21の後面を当接支持しており、バッテリ21を前壁23aのダンパ部材33cに押付けてそれらと共にバッテリ21を挟持している。
【0050】
このようにダンパ部材33a〜33cと突条部分35c,36aによって挟持することで、バッテリ21の収納位置が多少ズレたり、ケース本体23の加工精度が低いため所望の形状になっていなくても、バッテリ21の位置やケース本体23の形状に合わせてダンパ部材33a〜33cが変形してバッテリ21を搭載位置でしっかりと保持することができる。つまり、ダンパ部材33a〜33cを設けることにより、バッテリ21の位置ズレ、及びケース本体23の加工精度を吸収し、バッテリ21をしっかり保持することができるようになっている。また、ダンパ部材33a〜33cと同様に、固定カバー34の右側支持部35及び後側支持部36において、突条部分35c,36aが互いに間隔をあけて形成されているので、それらの間からバッテリ21の熱を放散させることができ、バッテリ21の温度上昇を抑えることができる。なお、ダンパ部材33a〜33を固定カバー34の方に設け、突条部分35c,36aをケース本体23の方に設けても同様の効果が得られる。
【0051】
上側カバー部37は、右側支持部35の上端部の前後方向中間部分に一体成形されており、そこから左壁23dまで延在している。上側カバー部37は、板状の部材であり、平面視でバッテリ21に重なっており、バッテリ21が持ち上がることを阻止している。この上側カバー部37の左側端部には、フレーム側取付部38が形成されている。フレーム側取付部38は、上側カバー部37の左側端部から上方に延在しており、その上端部がボルト等の図示しない締結部材によりシートレール14に固定されている。
【0052】
このように固定される固定カバー34では、右側支持部35が前記バッテリ21の右側面に沿って配置され、且つその外径寸法が右側面の外径寸法と略同じになっているので、バッテリ21の右側面(平面視で長辺)を広い面で支持することができ、バッテリ21の車幅方向の動きをしっかりと防ぐことができる。このように広い面でバッテリ21の右側面を支持するため、右側支持部35aがクロスパイプ30と交差するようになっているが、後側支持部36がバッテリ21の後面(平面視で短辺)だけを支持するようになっているため、後述するように固定カバー34を傾けて右側支持部35の前端部をクロスパイプの下に潜らせてバッテリ21の右側面に沿って押込むことでバッテリ収容空間25に挿入してそれに取付けることができるので、取付けが容易である。
【0053】
また、バッテリ収容空間25には、電子式点火装置であるイグナイター39が収容されており、上側カバー部37の車幅方向中間部分には、このイグナイター39を取付けるイグナイター取付ブラケット40が設けられている。イグナイター取付ブラケット40は、上側カバー部37に一体成形されており、支持部40a及び取付部40bを有している。支持部40a及び取付部40bは、共に板状の部材であり、支持部40aは、上側カバー部37から後方に延在しており、取付部40bは、支持部40aの先端部から上方に延在している。従って、イグナイター取付ブラケット40には、側面視でL字状に形成されている。イグナイター39の前面には、平面視でU字状に形成された取付部材41がその開口をイグナイター39の方に向けた状態で設けられており、この取付部材41とイグナイター39との間に装着孔42が形成されている。この装着孔42にイグナイター取付ブラケット40の取付部40bを挿通させることで、イグナイター39が取付けられている。
【0054】
[バッテリの搭載方法]
以下では、バッテリ搭載構造1にバッテリ21を搭載する方法について説明する。まず、自動二輪車2において、シートレール14に載せられて図示しないロック機構によってロックされたシート15を取外し、バッテリ出入口32を表出させる。次に、バッテリ出入口32からバッテリ収容空間25にバッテリ21を挿入する。この際、平面視でバッテリ21がバッテリ出入口32に重なるようにバッテリ21を横向きにし、且つ陰極端子21bを左側に配置してバッテリ出入口32にバッテリ21を挿入する。このバッテリ21を真直ぐ下ろしてケース本体23の底面23eに置き、その後バッテリ21を時計回りに90度回動させて縦向きにする。
【0055】
この際、横向きの時に左側に配置されていた陰極端子21bがクロスパイプ30の下を通過し、陽極端子21aより前側に配置される。クロスパイプ30は、前輪3及び後輪12を介してアースされているため、バッテリ21を回動させる際に仮に陰極端子21bが接触してもクロスパイプ30に電流が流れることがない。それ故、バッテリ交換時における感電を防ぐことができる。
【0056】
縦向きにした後、バッテリ21の下端が傾斜部分23bに当たるまでバッテリ21を前方に押してケース本体23の前壁23aに寄せてバッテリ21の位置決めを行なう。更に、バッテリ21は、その左側面がダンパ部材33a,33bに当たるまで左方に押されてケース本体23の左壁23dに寄せられる。このようにケース本体23の前壁23a及び左壁23dに寄せられることで、バッテリ21が搭載位置に配置される。
【0057】
搭載位置に配置した後、バッテリ出入口32から固定カバー34が挿入される。固定カバー34は、バッテリ収容空間25で装着される装着姿勢のままだと右側支持部35の前端部及び後端部がクロスパイプ30及び後側ブラケット29に引っ掛る。それ故、固定カバー34は、装着時の姿勢よりも右側支持部35の前側を下げるように斜めに傾けてクロスパイプ30の下に潜らせ、そのままバッテリ21の右側面に沿って前側に押し込まれるようにしてバッテリ出入口32から入れられる。押込まれて固定カバー34の後側支持部36がバッテリ収容空間25に入ると、固定カバー34の後側支持部36側を降ろしてケース側取付板35aをケース本体23の底面23eに置く。
【0058】
置いた後、固定カバー34を動かして右側支持部35の突条部分35c及び後側支持部36の突条部分36aをバッテリ21に当接支持させる。当接支持した後、固定カバー34を介してバッテリ21をダンパ部材33a〜33cに押付ける。この状態でケース側取付板35aがケース本体23の底面23eに固定され、フレーム側取付部38がシートレール14に固定される。このように固定カバー34が取付けられることでバッテリ21がバッテリ搭載構造1に搭載される。このようにして搭載されたバッテリ21は、走行中に振動等により動かないように前後左右がしっかりと支持され、また振動などにより上方からとび出ないように規制されている。なお、搭載されたバッテリ21は、前述の搭載方法の手順と逆の手順で行なうことでバッテリ搭載構造1から取外すことができる。
【0059】
このようにバッテリ搭載構造1では、バッテリ出入口32にバッテリ21を横向きで挿入し、そのままバッテリ21を真直ぐ降ろしてケース本体23の底面23eに降し、そしてバッテリ21を回動させて縦向きにすることでバッテリ21を搭載することができる。それ故、作業者は、従来の技術のようにバッテリ出入口32に挿入する際にバッテリ21を収容したバッテリケース22を持ったまま押したり動かしたりする必要が無く、バッテリ21の搭載作業が容易であり、またバッテリ21が平面視でクロスパイプ30と重なるので、バッテリ21が取外しにくく盗難を防ぐことができる。つまり、バッテリ収容空間25へのバッテリ21の挿入が容易でありながら、バッテリ21を直ぐに引く抜くことができないので、取り付け容易性とバッテリ21の盗難防止とを両立させることができる。他方、固定カバー34は合成樹脂からなるので、その重量自体がバッテリ21よりも小さく、上述するように傾けて挿入するような方法であっても取付が容易である。
【0060】
[その他の実施形態について]
本実施形態では、デュアルパーパスタイプのバイクについて説明したが、オフロードタイプやオンロードタイプのバイクであってもよく、またATV(All Terrain Vehicle)のような自動四輪車であってもよい。また、バッテリケース22のようなケースが必要ではなく、フレーム7によってバッテリ収容空間25を形成し、このバッテリ収容空間25にバッテリ21を収容してフレーム7に固定するような構成であってもよい。また、本実施形態では、バッテリ21とサイレンサー19との間に何ら部品が介在していないが、断熱壁等の断熱部材を介在させてもよい。これにより、バッテリ21の温度上昇を抑えてそれに起因する不具合の発生をより抑制することができる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、車体にバッテリを搭載するためのバッテリ搭載構造を備える車両に適用することができる。
【符号の説明】
【0062】
1 バッテリ搭載構造
2 自動二輪車
17 マフラー
21 バッテリ
21a 陽極端子
21b 陰極端子
22 バッテリケース
25 バッテリ収容空間
30 クロスパイプ
32 バッテリ出入口
33a ダンパ部材
33c ダンパ部材
34 固定カバー
35 右側支持部
35c 突条部分
36 後側支持部
36a 突条部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体にバッテリを搭載するためのバッテリ搭載構造であって、
前記車体のフレームと、
前記フレームより前記車体内側に形成され、前記バッテリを収容可能なバッテリ収容空間と、
前記フレームによって囲まれて上方に開口し、前記バッテリ収容空間への前記バッテリの出し入れが可能なバッテリ出入口と、を有し、
前記バッテリ出入口は、前記バッテリの長手方向が車体の車幅方向に平行な挿入姿勢のときに前記バッテリを出し入れでき、前記バッテリの長手方向が車体の長手方向に平行な搭載姿勢のときに出し入れできないように形成され、
前記バッテリ収容空間は、前記バッテリを挿入姿勢と搭載姿勢との間で回転可能であって、前記搭載姿勢で前記バッテリを収容するように形成されている、バッテリ搭載構造。
【請求項2】
前記バッテリ収容空間は、前記バッテリを搭載する搭載位置を有し、
前記搭載位置は、前記車体の車幅方向一方側にあるマフラーに対して前記車体の車幅方向の中心から前記車幅方向他方側にオフセット配置されている、請求項1に記載のバッテリ搭載構造。
【請求項3】
前記バッテリ出入口の下側に位置するように前記フレームに取付けられ、中に前記バッテリ収容空間を有するバッテリケースを更に備え、
前記バッテリケースは、前記バッテリ出入口に対向する上面、及び前記車幅方向の一側面が開口している、請求項1又は2に記載のバッテリ搭載構造。
【請求項4】
前記バッテリケースは、前記車体の車幅方向一方側にあるマフラー側の一側面が開口している、請求項3に記載のバッテリ搭載構造。
【請求項5】
前記バッテリケース内に設けられ、前記バッテリ収容空間の前記搭載姿勢で搭載された前記バッテリを上方から覆って前記バッテリケースに固定するバッテリ固定カバーを更に有し、
前記バッテリケースは、その内面で前記バッテリの平面視で隣接する二辺を支持し、
前記バッテリ固定カバーは、前記バッテリの平面視で残りの二辺を支持するように構成されている、請求項3又は4に記載のバッテリ搭載構造。
【請求項6】
前記バッテリ固定カバーは、平面視で前記バッテリ出入口側に配置される前記バッテリの短辺を支持する第1支持部と、前記短辺に隣接する前記バッテリの長辺を支持する第2支持部を有しており、
前記第2支持部は、前記バッテリ出入口から前記長手方向に延在して平面視で前記フレームに交差するように配置されている、請求項5に記載のバッテリ搭載構造。
【請求項7】
前記バッテリ固定カバーは、互いに間隔をあけて配置される複数の突起部分を有し、該突起部分で前記バッテリを当接支持している、請求項5又は6に記載のバッテリ搭載構造。
【請求項8】
前記バッテリケースの内面には、互いに間隔をあけて複数のダンパ部材が配置されており、
前記バッテリケースの内面は、前記ダンパ部材を介して前記バッテリの側面を当接支持している、請求項5乃至7に記載のバッテリ搭載構造。
【請求項9】
前記フレームは、前記長手方向に延在する一対のシートレールと、前記長手方向に離して配置されて前記一対のシートレールに渡されている一対のクロスメンバとを有し、
前記バッテリ収容空間は、平面視で前記一対のシートレールの間に配置され、且つ前記一対のクロスメンバの少なくとも1つと重なるように形成され、前記バッテリの陽極をその陰極よりも前記クロスメンバから離して前記バッテリを搭載できるように構成されている、請求項1乃至8の何れか1つに記載のバッテリ搭載構造。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−6429(P2012−6429A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−141864(P2010−141864)
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【出願人】(000000974)川崎重工業株式会社 (1,710)
【Fターム(参考)】