説明

バリアブル印刷文書編集システム、および、その方法

【課題】本発明の課題は、割付の不具合を容易に確認できてこれを修正できるバリアブル印刷文書編集システムを提供することである。
【解決手段】送信されたフィールド項目を特定する情報とフィールド項目データを含む部品データを受信して、部品データのフィールド項目毎の最大文字数情報を計測して、フィールド項目を対応付けた文字枠を割付して、前記計測されたフィールド項目の最大文字数情報分の文字を、このフィールド項目に対応付けられた文字枠に配置して、表示することを特徴とするバリアブル印刷用文書編集システムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バリアブル印刷において、バリアブル印刷する文書を編集するシステム、および、その方法に関するものである。
【0002】
このバリアブル印刷は、書面の一部を差替えた文書を連続して印刷するものである。たとえば、ダイレクトメールでは、文面中の宛先名だけを変えながら、バリアブル印刷する。

従来から、DTPシステムを用いて、バリアブル印刷文書の編集作業が行われている。

【背景技術】
【0003】
たとえば、特許文献1では、印刷体裁の設定情報の可否を判定するために、設定された印刷体裁と印刷データを用いて、印刷される文書の状態を情報処理装置にプレビュー表示させる技術が開示されている。
【特許文献1】特開2005−63321号公報(6〜8、13ページ、図1、8)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1の技術では、編集者は、印刷体裁の設定が正しく行われたか否かを確認するためには、プレビュー表示されたページを全て目視しなければならず、多大な作業時間と手間とを要するという欠点があった。
【0005】
本発明はこのような従来技術を考慮してなされたものであって、本発明の課題は、割付の不具合を容易に確認できてこれを修正できるバリアブル印刷文書編集システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。すなわち、請求項1の発明は、部品データ・サーバ装置と文書編集装置とがネットワーク接続されたバリアブル印刷用文書編集システムにおいて、前記印刷データ・サーバ装置は、フィールド項目を特定する情報とフィールド項目データを含む部品データを格納する部品データベースを記憶する記憶手段と、部品データ送信要求を受け付けて、部品データベースを検索して、前記検索された部品データを、文書編集装置に返信する部品データ送信手段と、を備えるサーバ装置であって、前記文書編集装置は、部品データを部品データ・サーバ装置から受信する部品データ受信手段と、部品データのフィールド項目毎の最大文字数を計測する最大文字数計測手段と、文字枠を割付する文字枠割付手段と、前記割付けられた文字枠に、部品データのフィールド項目を対応付けるフィールド項目対応付手段と、前記計測されたフィールド項目の最大文字数分の文字を、フィールド項目に対応付けられた文字枠に配置する最大文字数配置手段と、フィールド項目を特定する情報を含む文字枠および最大文字数分の文字を配置した文字枠を表示する表示手段と、文字枠データを含む文書データを作成する文書作成手段と、を備える編集装置である、ことを特徴とするバリアブル印刷用文書編集システムである。
【0007】
ここで、各文字枠に最大文字数分の文字を割付けて表示することで、編集者は、編集画面の上で、文字枠同士の体裁や下絵との割付体裁を確認して、不具合を発見することが可能である。
【0008】
請求項2の発明は、下絵データを記憶する記憶手段と、下絵データを割付ける割付手段と、を備える、ことを特徴とする請求項1に記載の文書編集装置は、バリアブル印刷用文書編集システムである。
【0009】
編集画面の上で、部品データに存在する最大文字数の文字枠を表示させることが可能となり、割付編集の不具合を発見することが容易となる。
【0010】
請求項3の発明は、フィールド項目データを含む部品データを格納する部品データベースを用いるバリアブル印刷用文書編集方法であって、前記データベースを検索して、所望の部品データを抽出するステップと、前記抽出された部品データのフィールド項目データを参照して、各フィールド項目データの最大文字数を計測する最大文字数計測ステップと、文字枠を割付する文字枠割付ステップと、前記割付けられた文字枠に、部品データのフィールド項目を対応付けるフィールド項目対応付ステップと、前記計測されたフィールド項目の最大文字数分の文字を、フィールド項目に対応付けられた文字枠に配置して、表示する最大文字数配置体裁表示ステップと、文字枠を含む文書データを作成する文書作成ステップと、を含んだ手順でなされることを特徴とする印刷用文書編集方法である。
【0011】
請求項4の発明は、下絵データを用いるバリアブル印刷用文書編集方法であって、前記割付ページ作成ステップは、下絵を合成表示させた割付ページを作成する、手順でなされることを特徴とする請求項3に記載の印刷用文書編集方法である。
【0012】
請求項5の発明は、フィールド項目データを含む部品データを格納する部品データベースを用いるバリアブル印刷用文書編集方法であって、文字枠を割付して、開始位置情報と文字寸法情報を含む文字枠を作成する文字枠割付ステップと、前記作成された文字枠に、部品データのフィールド項目を対応付けるフィールド項目対応付ステップと、前記部品データベースを検索して、所望の部品データを抽出するステップと、前記抽出された部品データの各フィールド項目データの最大文字数を計測する最大文字数計測ステップと、前記計測されたフィールド項目の最大文字数分の文字を、フィールド項目に対応付けられた文字枠に配置して、表示する最大文字数配置体裁表示ステップと、文字枠データを含む文書データを作成する文書作成ステップと、を含んだ手順でなされることを特徴とする印刷用文書編集方法である。
【0013】
請求項6の発明は、下絵データを用いるバリアブル印刷用文書編集方法であって、前記割付ページ作成ステップは、下絵を合成表示させた割付ページを作成する、手順でなされることを特徴とする請求項5に記載の印刷用文書編集方法である。
【発明の効果】
【0014】
本願発明によれば、バリアブル印刷における印刷体裁の確認を、簡便に確実に行うことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面等を参照しながら、本発明の実施の形態について、更に詳しく説明する。
【0016】
図1は、本発明によるバリアブル印刷システム1の全体構成を説明する図である。
【0017】
本発明によるバリアブル印刷システムは、文書編集装置100と、下絵作成装置500と、バリアブル印刷装置700と、編集データ変換装置900と、部品データ・サーバ装置300が、ネットワークで接続されて構成される。
【0018】
下絵作成装置500は、下絵データを作成して、文書編集装置100に送信する。
【0019】
部品データ・サーバ装置300は、指定された検索キーに基づいて、部品データベースから、部品データを検索して、文書編集装置100に送信する。また、部品データ・サーバ装置300は、指定された検索キーに基づいて、部品データベースから、文字データと画像データとを含む部品データを検索して、バリアブル印刷装置700に送信する。
【0020】
文書編集装置100は、下絵作成装置500から受信した下絵データと、部品データ・サーバ装置300から受信した部品データを用いて、文書データを作成して、バリアブル印刷装置700に送信する。
【0021】
編集データ変換装置900は、文書編集装置100から受信した文書データを、使用するバリアブル印刷装置の印刷制御データに変換して、そのバリアブル印刷装置700に送信する。
【0022】
バリアブル印刷装置700は、部品データ・サーバ装置300から受信した部品データと、編集データ変換装置900から受信した印刷制御データを用いて、バリアブル印刷物799を作成する。
【0023】
文書編集装置100は、コンピュータプログラムによって制御されるパーソナルコンピュータである。文書編集装置100のコンピュータプログラムは、市販のDTPソフトウエアである。文書編集装置100のコンピュータプログラムに、機能を追加するときには、このコンピュータプログラムが備えるプラグイン機能とC++プログラムを用いて、実現することができる。
【0024】
下絵作成装置500は、コンピュータプログラムによって制御されるパーソナルコンピュータである。下絵作成装置500のコンピュータプログラムは、市販の画像作成ソフトウエアである。
【0025】
編集データ変換装置900は、コンピュータプログラムによって制御されるパーソナルコンピュータである。部品データ・サーバ装置300は、コンピュータプログラムによって制御されるサーバコンピュータである。部品データ・サーバ装置300のコンピュータプログラムは、市販のデータベース・ソフトウエアである。
【0026】
図2は、文書編集装置100の詳細な構成図である。
文書編集装置100は、割付手段110と、文字枠割付手段120と、フィールド項目対応付手段130と、部品データ送信要求手段171と、部品データ受信手段172と、下絵送信要求手段173と、下絵受信手段174と、最大文字数計測手段140と、最大文字数配置手段160と、文書作成手段150と、表示手段180と、記憶手段190と、を備える。
【0027】
下絵送信要求手段173は、下絵送信要求を下絵作成装置500に発行する。下絵受信手段174は、下絵データ591を下絵作成装置500から受信して、記憶手段に記憶する。割付手段110は、前記記憶された下絵データ591を割付ける。
【0028】
部品データ送信要求手段171は、所望の部品データの検索キュエリを部品データ・サーバ装置300に発行する手段である。部品データ受信手段172は、文字データ393を受信して、記憶手段190に記憶する。記憶手段190は、フィールド項目データを含む文字データ393を記憶する。
【0029】
最大文字数計測手段140は、前記記憶した文字データ393のフィールド項目毎の最大文字数を計測する。
【0030】
割付手段110は、受信した下絵データを編集用のソフトウエアで作成した割付ページデータに割り付ける。
【0031】
文字枠割付手段120は、編集者が文字枠を下絵データに割付を行うための手段である。
【0032】
フィールド項目対応付手段130は、編集者が作成した文字枠に、文字データ393のフィールド項目を対応付ける。
【0033】
なお、対応付けの方法としては、本発明では文字枠内にフィールド項目名を記入しているが、特段これに限定する必要はなく、たとえば、フィールド項目コード番号のように、フィールド項目を特定できる情報であればよい。
【0034】
最大文字数配置手段160は、編集者が割付けた文字枠に、最大文字計測手段140で計測した最大文字数から、前記割付けられた文字枠データに対応付けられたフィールド項目データの最大文字数を選択して、この最大文字数分のダミー文字を文字枠に配置する。
【0035】
最大文字数分のダミー文字が文字枠に収まらない場合は、文字枠を自動的に横方向にサイズを大きくして、ダミー文字が収まるようにする。編集者は最大文字列数分のダミー文字列が配置された文字枠を確認して、文字枠が下絵データをはみ出す等によりデザインの統一感が失われる場合には、ダミー文字列が流しこまれた文字枠の位置を変更する。あるいは、配置される文字サイズを変更する等の処置を行うことができる。
【0036】
表示手段180は、編集者が下絵データに文字枠を割付ける状態や、文字枠に最大文字数分のダミー文字を配置した結果をディスプレイに表示する手段である
【0037】
文書作成手段150は、編集タグを含む文書データ198を作成する。編集者が下絵データを基にして文字枠を割付けたときに、文字枠の左上の位置情報や文字寸法情報などの割付情報が設定されて、XMLタグを用いて文書データ198が作成される。
【0038】
なお、文書データ198は、下絵データに文字枠を割りつけて文字を配置して作成した電子文書であり、文書編集装置100で作成する文書データ198は、印刷用のデータを作成するときの割付パターンに相当し、文書データ198と部品データ・サーバ装置300から送信された部品データ(=文字データや画像データ)を合わせて印刷用データを作成する。または、印刷時に文書データ198と文字データ、画像データを合わせて印字する。
【0039】
割付手段110と、文字枠割付手段120と、フィールド項目対応付手段130と、部品データ送信要求手段171と、部品データ受信手段172と、下絵送信要求手段173と、下絵受信手段174と、最大文字数計測手段140と、最大文字数配置手段160と、文書作成手段150と、は、コンピュータプログラムである。下絵データ591と、文字データ393と、は、コンピュータプログラムが可読なデータである。記憶手段190は、半導体メモリや、磁気メモリである。表示手段180は、LCD表示装置や、CRT表示装置である。
【0040】
図3は、文字データ393の形式を説明する図である。文字データ393の1列目は、各フィールド項目を特定する情報(=各フィールド項目の定義名称情報)を記述する。2列目以降は、バリアブル印刷に用いる文字データ(=文字列)である。
【0041】
図3の(b)には、文字データ393が例示されている。1列目は、各フィールド項目の定義名称情報「f#name,l#neme,address」の例である。2列目は、「太郎,山川田家,東京都新宿区□□1丁目ABC32号室」、の例が示されている。これは、それぞれ、定義名称情報「f#nameの文字列」=「太郎」、定義名称情報「l#nemeの文字列」=「山川田家」、定義名称情報「addressの文字列」=「東京都新宿区□□1丁目ABC32号室」であることを示している。
【0042】
図4は、文書データの例を説明する図である。文書データ198は、ヘッダデータ198aと、下絵割付データ198bと、文字枠割付データ198cなどから構成されている。ヘッダデータ198aと、下絵割付データ198bと、文字枠割付データ198cはそれぞれ以下で説明する編集タグを含んでいる。
【0043】
図4には、XML形式の文書データ198が例示されている。下絵割付データ198bは、編集タグ「<Baseimage></Baseimage>」、「<BasestartX></BasestartX>」、「<BasestartY></BasestartY>」、「<PageNo></PageNo>」を用いた「<Baseimage>graphic.eps</Baseimage><BasestartX>0</BasestartX><BasestartY>0</BasestartY> <PageNo>1</PageNo>」が示されている。
【0044】
文字枠割付データ198cの例として、編集タグ「「<Field></Field>」「<Fieldname> </Fieldname>」、「<Columnname></Columnname>」「<StartX></StartX>」「<StartY></StartY>」「<Font> </Font>」「<Fontsize></Fontsize>」「<Fontcolor></Fontcolor>」「<Position></Position>」を用いた「<Field><Fieldname>住所</Fieldname><Columnname>address</Columnname><StartX>17</StartX><StartY>34</StartY><Font>Mincho-R</Font><Fontsize>12</Fontsize><Fontcolor>1 0.7 0 0</Fontcolor><Position>1</Position>」が示されている。ここで、「<Fieldname> </Fieldname>」は、文字項目を定義する。「<StartX></StartX>」「<StartY></StartY>」は、文字枠の開始位置(たとえば、枠の左上)の座標値(X,Y)を定義する。同様に、「<Font> </Font>」は、文字枠に配置する文字のフォント、「<Fontsize></Fontsize>」はフォントの大きさを、「<Fonttransform> </Fonttransform>」は、フォントの変形率を、それぞれ定義する。
【0045】
図5は、下絵データ591の表示例を説明する図である。図5には、表示された割付ページデータに割り付けた下絵が例示されている。表示された下絵は、クレジットカードの利用明細であって、利用者の住所氏名欄を割り付ける領域591a、利用明細記載欄を割り付ける領域591bなどが設定されている。
【0046】
図6は、編集画面の例を説明する図である。図6の(a)は、下絵591を表示した編集画面180aである。編集画面180aには、下絵の利用者の住所氏名欄の領域591aに、文字枠の開始位置と文字寸法を指定した文字枠が割り付けられた編集画面が例示されている。
【0047】
図6(b)には、部品データのフィールド項目「f#name」と「l#name」とが対応付けられた文字枠と、部品データのフィールド項目「address」とが対応付けられた文字枠が例示されている。
【0048】
図6の(c)は、さらに、最大文字数の文字を配置した編集画面180cである。各文字枠の最大文字数分の文字が配置された編集画面180cが例示されている(図6)。編集画面には、最大文字数が配置された文字枠が下絵の罫線に重なっている例が示されている。
【0049】
このように、部品データの最大文字数を調べて、文字枠にダミー文字を組版することで、他の文字枠や下絵の絵柄と重なるか否かを、目視で検証ことが可能となる。重なる場合には、文字枠の開始点を移動して、割付を修正する。
【0050】
図7は、下絵作成装置500の詳細な構成図である。下絵作成装置500は、下絵作成手段510と、下絵送信手段520と記憶手段590を備える。記憶手段590は、下絵部品データ599を記憶する。
【0051】
下絵作成手段510は、下絵部品データ599を編集加工して、下絵データ591を作成する。下絵送信手段520は、前記作成された下絵データ591を文書編集装置100に送信する。
【0052】
下絵作成手段510と下絵送信手段520とは、コンピュータプログラムである。下絵部品データ591は、コンピュータプログラムが可読なデータである。記憶手段590は、半導体メモリや、磁気メモリである。
【0053】
図8は、部品データ・サーバ装置300の詳細な構成図である。部品データ・サーバ装置300は、部品データ送信要求受付手段320と検索結果送信手段330と記憶手段390とを備える。記憶手段390は、部品データベースを記憶する。
【0054】
部品データベースには、バリアブル印刷を行う素材データとなる部品データが記憶されており、部品データは、品目単位に個人情報、商品情報等の文字データとそれに使用する画像データから構成されている。
【0055】
部品データ送信要求受付手段320は、文書編集装置100からの部品データ送信要求を受け付ける。部品データ送信要求の例としては、文書編集装置100で編集を行う品目名を検索キーとして入力し、部品データ・サーバ装置300に送信する。検索手段310は、部品送信要求に含まれる品目名を検索キーにして、印刷データベースを検索して、関連する文字データや画像データを抽出する。検索結果送信手段330は、前記抽出された部品データや画像データを文書編集装置100に送信する。
【0056】
検索手段310と部品データ送信要求受付手段320と検索結果送信手段330とは、コンピュータプログラムである。文字データと画像データは、コンピュータプログラムが可読なデータである。記憶手段390は、半導体メモリや、磁気メモリである。
【0057】
図9は、本発明による文書編集処理の手順を説明する図である。
(1)下絵作成装置500の下絵作成手段510は、下絵を割付けた下絵データ591を作成する。(ステップS1a)
(2)下絵作成装置500の下絵送信手段520は、この下絵データ591を文書編集装置100に送信する。(ステップS1b)
(3)文書編集装置100の割付手段110は、受信した下絵データ591を割付ページデータに割付ける。(ステップS1c)
(4)文書編集装置100の部品データ送信要求手段171は、品目名称等を含む文字列の入力を受け付けて、これを部品データ・サーバ装置300に送信する。(ステップS2a)
(5)部品データ・サーバ装置300の部品データ送信要求受付手段320は、部品データ送信要求手段171からのデータを受信する。(ステップS2b)
(6)部品データ・サーバ装置300の検索手段310は、文字送信要求から検索キーを作成して、部品データベースを検索して、該当する文字データ393を選択する。(ステップS2c)
(7)部品データ・サーバ装置300の検索結果送信手段330は、選択された文字データ393を文書編集装置100に送信する。(ステップS2d)
(8)文書編集装置100の部品データ受信手段171は、この送信された文字データ393を受信する。(ステップS2e)
(9)文書編集装置100の最大文字数計測手段140は、受信した文字データ393の各フィールド項目データの最大文字数を計測する。(ステップS2f)
(10)文書編集装置100の文字枠割付手段120は、前記表示された下絵や既に割り付けた文字枠を基にして、文字枠を割付ける。(ステップS3a)
(11)文書編集装置100のフィールド項目対応付手段130は、この割付けられた文字枠に文字データ393のフィールド項目を対応付ける。(ステップS3b)
(12)文書編集装置100の最大文字数配置手段150は、文字枠に対応付けられたフィールド項目の最大文字数を、計測したフィールド項目の最大文字数を参照して調べて、最大文字数分のダミー文字を文字枠に配置して表示する。(ステップS3c)
このとき、最大文字数分のダミー文字を配置した文字枠の割付が不都合であると編集者が判断すれば、ステップS3aに戻る。その際に、配置した最大文字数分のダミー文字を表示したままステップS3aに戻ってもよいし、配置した最大文字数分のダミー文字を非表示にしてステップS3aに戻ってもよい。
(13)文書編集装置100の文書作成手段150は、編集タグを含む文書データ198を作成する。(ステップS4a)
【0058】
編集者が下絵データに複数の文字枠を割付けている場合は、文字枠一個ずつにダミー文字を配置し、レイアウトを編集者が確認して文字枠の位置を調整する。具体的には、図9のステップ3aからステップ3cまでを繰り返す。
【0059】
文書編集装置100にて、下絵を割付けた下絵データ591を作成してもよい。
【0060】
図10は、本発明によるダミー文字表示処理手順の例である。
図3の(b)に例示された文字データ393を用いて、図6の編集画面180cのダミー文字表示の処理手順を説明する。
【0061】
文字データ393の各フィールド項目の最大文字数は、フィールド項目「f#name」の最大文字数(最大バイト数)は「はなえこ」の「4文字(8バイト)」で、フィールド項目「l#neme」の最大文字数(最大バイト数)は「山川田家」の「4文字(8バイト)」で、フィールド項目「address」の最大文字数(最大バイト数)は「東京都世田谷区▽▽2丁目**マンション114号室」の「24文字 (48バイト)」である(図10(1))。
【0062】
そこで、「address」が対応つけられた文字枠には、24文字分の文字(たとえば、○)を配置する(同(2))。また、「f#name」と「l#name」が対応付けられた文字枠には、「f#name」として4文字分の文字と、「l#neme」として4文字分の文字をそれぞれ配置する(同(3))。
【0063】
このように、最大文字数を算出し、文字枠エリアを自動伸縮させて、最大文字数で表示させることが可能となる。
【0064】
図11は、編集データ変換装置900の詳細な構成図である。
編集データ変換装置900は、文書受信手段920と印刷装置指定手段910と制御コード変換手段930と制御データ送信手段940と記憶手段990とを備える。記憶手段990は、制御コード対応表997を記憶する。
【0065】
制御コード対応表997は、印刷装置指定情報を含み、文書データ198の所定のデータ(たとえば、編集タグ)と印刷装置のプリンタ制御コードを対応付けたデータである。
【0066】
文書受信手段920は、文書編集装置100から文書データ198を受信する。印刷装置指定手段910は、印刷装置指定情報の入力を受け付ける。制御コード変換手段930は、前記受け付けられた印刷装置指定情報の制御コード対応表997を選択して、これを用いて、前記受信した文書データ198の所定のデータを、プリンタ制御コードに変換して制御データ998を作成する。制御データ送信手段940は、変換された文書データを用いて、制御データを作成して、これを送信する。
【0067】
文書受信手段920と印刷装置指定手段910と制御コード変換手段930と制御データ送信手段940とは、コンピュータプログラムである。記憶手段990は、半導体メモリや、磁気メモリである。制御コード対応表997は、コンピュータプログラムが可読なデータである。
【0068】
図12は、バリアブル印刷処理の手順の例である。
(1)文書編集装置100は、文書データを編集データ変換装置900に送信する。(ステップS1)
(2)編集データ変換装置900の文書受信手段920は、文書編集装置100から文書データを受信する。(ステップS2)
(3)編集データ変換装置900の制御コード変換手段930は、指定された印刷装置の制御コード対応表997を用いて、文書データの編集タグを制御コードに変換して制御データ998を作成する。(ステップS3)
(4)編集データ変換装置900の制御データ送信手段940は、制御データ998をバリアブル印刷装置700に送信する。(ステップS4)
(5)バリアブル印刷装置700は、送信された制御データ998を受信する。(ステップS5)
(6)部品データ・サーバ装置300は、文字データ393や画像データ395をバリアブル印刷装置700に送信する。(ステップS6)
(7)バリアブル印刷装置700は、送信された文字データ393や画像データ395を受信する。(ステップS7)
(8)バリアブル印刷装置700は、前記受信された制御データ998と文字データ393や画像データ395とを用いて、印刷データを作成する。(ステップS8)
(9)バリアブル印刷装置700は、印刷データを用いて、バリアブル印刷して、バリアブル印刷物799を作成する。(ステップS9)
【0069】
図13は、バリアブル印刷物799の例である。
バリアブル印刷物799は、下絵と文字と画像とが印刷されている。
【0070】
以上詳しく説明したように、本願発明によれば、バリアブル印刷における印刷体裁の確認を、簡便に確実に行うことが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明によるバリアブル印刷システムの全体構成
【図2】本発明による文書編集装置100の詳細な構成図
【図3】部品データの形式と例
【図4】文書データの例(XML形式)
【図5】下絵の例
【図6】編集画面の例
【図7】下絵作成装置500の詳細な構成図
【図8】部品データ・サーバ装置500の詳細な構成図
【図9】本発明による文書編集処理の手順
【図10】本発明によるダミー文字表示処理手順の例
【図11】編集データ変換装置900の詳細な構成図
【図12】バリアブル印刷処理の手順
【図13】バリアブル印刷物
【符号の説明】
【0072】
1 本発明によるバリアブル印刷システム
100 文書編集装置
110 割付手段
120 文字枠割付手段
130 フィールド項目対応付手段
140 最大文字数計測手段
150 文書作成手段
160 最大文字数配置手段
171 部品データ送信要求手段
172 部品データ受信手段
173 下絵送信要求手段
174 下絵受信手段
180 表示手段
180a 編集画面
180b 部分拡大した編集画面
180c 最大文字数の文字が配置された編集画面
190 記憶手段
198 文書データ
198a ヘッダデータ
198b 下絵割付データ
198c 文字枠割付データ
300 部品データ・サーバ装置
320 部品データ送信要求受付手段
330 検索結果送信手段
390 記憶手段
393 文字データ
393b フィールド項目
395 画像データ
500下絵作成装置
510 下絵作成手段
520 下絵送信手段
590 記憶手段
591 下絵データ
591a 利用者の住所氏名欄を割り付ける領域
591b 利用明細記載欄を割り付ける領域
599 下絵部品データ
700 バリアブル印刷装置
900編集データ変換装置
910 印刷装置指定手段
920 文書受信手段
930 制御コード変換手段
940 制御データ送信手段
990 記憶手段
997 制御コード対応表
998 制御データ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品データ・サーバ装置と文書編集装置とがネットワーク接続されたバリアブル印刷用文書編集システムにおいて、
前記印刷データ・サーバ装置は、
フィールド項目を特定する情報とフィールド項目データを含む部品データを格納する部品データベースを記憶する記憶手段と、
部品データ送信要求を受け付けて、部品データベースを検索して、前記検索された部品データを、文書編集装置に返信する部品データ送信手段と、
を備えるサーバ装置であって、
前記文書編集装置は、
部品データを部品データ・サーバ装置から受信する部品データ受信手段と、
部品データのフィールド項目毎の最大文字数を計測する最大文字数計測手段と、
文字枠を割付する文字枠割付手段と、
前記割付けられた文字枠に、部品データのフィールド項目を対応付けるフィールド項目対応付手段と、
前記計測されたフィールド項目の最大文字数分の文字を、フィールド項目に対応付けられた文字枠に配置する最大文字数配置手段と、
フィールド項目を特定する情報を含む文字枠および最大文字数分の文字を配置した文字枠を表示する表示手段と、
文字枠データを含む文書データを作成する文書作成手段と、
を備える編集装置である、ことを特徴とするバリアブル印刷用文書編集システム。
【請求項2】
前記文書編集装置は、
下絵データを記憶する記憶手段と、
下絵データを割付ける割付手段と、
を備える編集装置である、
ことを特徴とする請求項1に記載のバリアブル印刷用文書編集システム。
【請求項3】
フィールド項目データを含む部品データを格納する部品データベースを用いるバリアブル印刷用文書編集方法であって、
前記データベースを検索して、所望の部品データを抽出するステップと、
前記抽出された部品データのフィールド項目データを参照して、各フィールド項目データの最大文字数を計測する最大文字数計測ステップと、
文字枠を割付する文字枠割付ステップと、
前記割付けられた文字枠に、部品データのフィールド項目を対応付けるフィールド項目対応付ステップと、
前記計測されたフィールド項目の最大文字数分の文字を、フィールド項目に対応付けられた文字枠に配置して、表示する最大文字数配置体裁表示ステップと、
文字枠を含む文書データを作成する文書作成ステップと、
を含んだ手順でなされることを特徴とする印刷用文書編集方法。
【請求項4】
下絵データを用いるバリアブル印刷用文書編集方法であって、
前記割付ページ作成ステップは、下絵を合成表示させた割付ページを作成する、
手順でなされることを特徴とする請求項3に記載の印刷用文書編集方法。
【請求項5】
フィールド項目データを含む部品データを格納する部品データベースを用いるバリアブル印刷用文書編集方法であって、
文字枠を割付して、開始位置情報と文字寸法情報を含む文字枠を作成する文字枠割付ステップと、
前記作成された文字枠に、部品データのフィールド項目を対応付けるフィールド項目対応付ステップと、
前記部品データベースを検索して、所望の部品データを抽出するステップと、
前記抽出された部品データの各フィールド項目データの最大文字数を計測する最大文字数計測ステップと、
前記計測されたフィールド項目の最大文字数分の文字を、フィールド項目に対応付けられた文字枠に配置して、表示する最大文字数配置体裁表示ステップと、
文字枠データを含む文書データを作成する文書作成ステップと、
を含んだ手順でなされることを特徴とする印刷用文書編集方法。
【請求項6】
下絵データを用いるバリアブル印刷用文書編集方法であって、
前記割付ページ作成ステップは、下絵を合成表示させた割付ページを作成する、
手順でなされることを特徴とする請求項5に記載の印刷用文書編集方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−134961(P2008−134961A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−322239(P2006−322239)
【出願日】平成18年11月29日(2006.11.29)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】