説明

バリア層のための保湿性液体ライナー

【課題】バリア層のための保湿性液体ライナー層を提供する。
【解決手段】疎水性成分および乳化剤を含む保湿性液体ライナー組成物が記載される。さらに、バリア層並びに疎水性成分および乳化剤を含む保湿性液体ライナー組成物を備える基材が記載される。基材は物品に組み込まれていてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バリア層のための保湿性液体ライナーを対象とする。
【背景技術】
【0002】
着用者の皮膚に接触するような形で使用されるエラストマー物品がよく知られている。例えば医療用手袋などの物品は、使用者が長時間着用することが予想される。ある種のエラストマー物品は比較的高い頻度並びに長い持続時間で使用されるので、そのような物品の重要な特性には、それらの物理的特性およびそれらの使用の快適性が含まれる。
【0003】
様々な医療用手袋(例えば手術用手袋および検査用手袋)がよく知られており、医療分野において容易に入手できる。そのような手袋に使用されるエラストマーの化学的および物理的特性が研究されており、それらの使用法に応じた望ましい特性を示す手袋が開発されている。それらの使用および/または着用の特性を向上させる、伸び率としての引張強さなどの特性、並びにコーティングおよび潤滑剤が検討されている。天然および合成ラテックスを用いる配合物を含む、様々なエラストマーポリマー組成物もまた調査されている。
【0004】
手袋を長時間着用する場合、手および多量の発汗によって体熱が生じ、水分過剰を引き起こし、角質層によって与えられる天然の皮膚保護機能を損なう可能性がある。手袋が手から外され汗が蒸発した後、手の皮膚は乾燥した過敏なものになり、場合によっては感染する恐れがある。そのような望ましくない皮膚の状態は、皮膚の水分を保つ上皮(epidemical)脂質バリアの損失としての、さらに一層深刻な皮膚の問題を引き起こす恐れがある。
【0005】
さらに、手袋などのエラストマー物品の利用者は多くの場合、頻繁な手の洗浄を必要とする臨床環境で働いている。例えば、医療従事者は自分の手を洗うかまたは少なくとも自分の手を衛生用アルコール製剤で1日に何回も拭かなければならない。この絶え間ない洗浄は皮膚に対して過酷である場合があり、頻繁な手袋の使用によって生じる皮膚の問題を悪化させ得る過度の皮膚乾燥を引き起こす。
【0006】
手袋の着用前に使用者の皮膚に施用するための、着用前スキンローションが開発されている。そのようなローションは通常、別々に皮膚に施用され、その後手袋を着用する。他のローションは、手袋を外した後に皮膚に施用される。水分活性化可能な物質を皮膚接触面に含有する治療用の皮膚保湿性手袋が、Berryによる米国特許第5869072号に記載されている。この参考文献で開示されている水分活性化可能な物質には、ポリビニルアルコール、並びに保湿剤およびビタミンなどの追加成分が含まれ、手袋に一体化された可撓性の多孔シートに塗布される。
【0007】
多くのローションまたはクリームに関連する1つの問題は、エラストマーのバリアおよび物理特性に対する悪影響の結果としての、手袋の性能の低下である。事前にコーティングされた手袋に関連する別の問題は、製造工程および保管の間に直面する殺菌処理および/または高熱環境に、コーティング、エラストマー特性、またはその両方のいずれかが悪影響を受けることなく耐えるそれらの能力である。そのようなローションまたはクリームに関するさらに別の問題は、不快な脂っぽい感触をもたらす可能性のある油性の皮膚軟化剤の使用である。
【0008】
したがって、皮膚接触エラストマー物品の分野において、使用者にとってのそれらの快適性を改善することが必要とされている。熱的に安定であるライナー層組成物で事前にコーティングしたエラストマー手袋を開発すれば特に有利であろう。皮膚への脂っぽくなく快適な感触と保湿効果をもたらすそのようなコーティング層がさらにより望ましいであろう。
【0009】
WangらによるU.S.2004/0126604は、製造工程の一部として物品の皮膚接触面に直接塗布される、エラストマー品のための治療用保湿性コーティング組成物に関する。
【0010】
ChouによるU.S.6,630,152およびU.S.6,425,328およびU.S.6,274,154は、無水物質のコーティングを手袋の内側表面に含む保護手袋を記載している。無水物質は、手袋を着用している手からの発汗に接触すると、手の状態を落ち着かせる。手袋の内側表面にコーティングを設けるいくつかの方法としては、アロエベラを含む溶液による噴霧または浸漬が挙げられる。
【0011】
ChouによるU.S.6,953,582は、無水物質のコーティングを内側表面に含む保護手袋を記載している。無水物質は、手袋を着用している手からの発汗に接触すると、手の状態を落ち着かせる。手袋の内側表面にコーティングを設けるいくつかの方法としては、アロエベラを含む溶液による噴霧または浸漬が挙げられる。
【0012】
EngらによるU.S.2006/0070167は、手に優しい乳化混合物の乾燥コーティングを備えた手に優しいゴム手袋物品を記載しており、この混合物は少なくとも1種の水溶性の湿潤保湿剤、少なくとも1種の水溶性潤滑剤、少なくとも1種の水溶性界面活性剤、および少なくとも1種の水不溶性の閉塞性保湿剤を含み、これは混合物中で微細かつ実質的に均一に分散し、混合物は皮膚が生じる水分で活性化されると着用者の皮膚に転移する。場合により、ゴム手袋物品は、繊維が付着する袖口の領域および/またはざらざらした表面を含み、また、手に優しい乳化混合物および手袋物品を作る方法を記載している。
【0013】
WilliamsによるU.S.2005/0081278は、着用者の皮膚に接触するための内側表面を有するポリマー材料を備えた使い捨て手袋を記載している。この手袋はさらに、その内側表面に形成されたコーティングを備える。このコーティングは、フィルム形成化合物および油性の皮膚軟化剤を含む乾燥させたコーティングを含む。この手袋を作る方法も開示されている。
【0014】
DeFinaによるU.S.5,614,202は、中間層がローションで飽和されており、非多孔性材料である外側層が中間層の上面に形成されており、複数の孔を有し中間層の下面に形成されている内側層が、ヒトの四肢(特にヒトの手)を受け入れ包み込むための空洞を作り出している、保湿性手袋を記載している。
【0015】
LooらによるU.S.2004/0115250は、手袋の内側表面が水、グリセリン、および植物抽出物を含むフィルムを含有する手袋を記載している。
【0016】
JohnsonらによるUS2004/0122382は、物品の皮膚接触面にコーティングを含む、例えばエラストマーの手袋などのエラストマー物品を開示している。このコーティングは、予想される使用条件で物品から分離することができ皮膚を滑らかにするのを助けることができるキャリアを含む。このコーティングはまた、臨床的利益を皮膚にもたらし得る添加剤も含む。添加剤は、皮膚軟化剤、湿潤剤、抗酸化剤、または他の何らかの臨床的に有益な添加剤であってもよい。
【0017】
YuらによるWO03022962は、手袋に使用するためのマイクロカプセルを有するコーティングを提供する。このコーティングは手袋の乾湿および装着しやすさの両方を改善する。コーティングは、手袋に塗布するためのマイクロカプセル、水、およびポリウレタンを含む。
【0018】
AmdurによるWO2004043179は、可撓性材料で使い捨て手袋を形成し、手袋の内側表面を液体キャリア、アロエベラ、および少なくとも1種のα−ヒドロキシ酸でコーティングし、コーティングから液体キャリアを除去してアロエベラおよび少なくとも1種のα−ヒドロキシ酸のほぼ乾燥したコーティングを手袋の内側表面に形成することにより、使い捨ての実験用手袋を作ることを記載している。乾燥したコーティングを手袋の内側表面に接着させて、コーティングが手袋の着用者の手に接触するようにする。
【0019】
AmdurによるWO2004043235は、可撓性材料で使い捨て手袋を形成し、手袋の内側表面を液体キャリア、アロエベラ、およびアラントインでコーティングし、コーティングから液体キャリアを除去してアロエベラおよびアラントインのほぼ乾燥したコーティングを手袋の内側表面に形成することにより、使い捨ての実験用手袋を作ることを記載している。乾燥したコーティングを手袋の内側表面に接着させて、コーティングが手袋の着用者の手に接触するようにする。
【0020】
BuchalterによるU.S.3,896,807は、衣料品またはクリーム塗布用器具などの物品を記載しており、この物品は、非油状、非粘着性の固体の形態であるクリーム配合物の油相を含浸させており、水または湿気をそれに加えると治療用の肌クリームとなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
したがって、バリア層のための保湿性ライナー層が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0022】
したがって、本発明の1つの目的は、疎水性成分および乳化剤を含む、バリア層のための保湿性液体ライナーを提供することである。
【0023】
本発明の第2の実施形態は、疎水性成分、乳化剤、およびカチオン性成分を含む、バリア層のための保湿性液体ライナーを提供する。
【0024】
本発明の第3の実施形態は、疎水性成分、乳化剤、カチオン性成分、および水を含む、バリア層のための保湿性液体ライナーを提供する。
【0025】
本発明の第4の実施形態は、エラストマー物品を皮膚に接触させることにより、皮膚を保湿する方法を提供し、このエラストマー物品は、バリア層の皮膚接触面上に、疎水性成分を含む前記バリア層のための保湿性液体ライナーを備える。
【0026】
本発明の第5の実施形態は、バリア層を備え、疎水性成分および乳化剤を含む前記バリア層のための保湿性液体ライナーを皮膚接触面に備える基材を提供する。
【0027】
疎水性成分および乳化剤の組合せが、水分不透過性バリア層に良好なライナー層の機能を与えるという発見によって、本発明のこれらおよび他の目的が実現可能にされている。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】実施例2のパネル試験におけるコンダクタンス測定の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、疎水性成分および乳化剤、および場合によりカチオン性成分、およびさらに場合により水を含む、保湿性液体ライナーに関する。
【0030】
本発明による疎水性成分は特に限定されないが、シリコーン油を疎水性成分の少なくとも30重量%、より好ましくは少なくとも40重量%、さらにより好ましくは少なくとも50重量%の量で含む必要がある。シリコーン油は、ジメチコンなどのC1〜22ジアルキルポリシロキサンなどのシリコン骨格を有する液体油となるであろう。さらに、骨格部はC1〜22アルキル基、好ましくはC4〜22アルキル基、より好ましくはセチル基でグラフト化されていてもよい。シリコーン油は、好ましくは700〜20,000、より好ましくは800〜14,000、より好ましくは900〜1,000、より好ましくは約1,000の範囲にある分子量を有するであろう。シリコーン油のシロキサン骨格は特に限定されず、約5〜100のシロキサン単位の範囲にあってもよい。
【0031】
シリコーン油に加えて、疎水性成分はシリコーン油と混和性である疎水性油(炭化水素油、ジアルキルエーテル、アルキルカルボキシレート、アルコキシレートエーテルおよびエステルなど)をさらに含んでいてもよい。
【0032】
好適な疎水性油の非制限的な例としては、PPG−15ステアリルエーテル、ジカプリリルエーテル、カルボン酸ジエチルヘキシル、C12〜15アルキルベンゾエート、パルミチン酸エチルヘキシル、ステアリン酸ヘキシルデシル、パルミチン酸イソセチル、ラウリン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリイソステアリン、プロピレングリコールミリスチルエーテル、ビス−PEG/PPG−20/20ジメチコン、PEG/PPG−4/12ジメチコン、パルミチン酸セチル、パルミチン酸ステアリル、ステアリン酸セチル、ラウリン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、およびそれらの組合せが挙げられる。ユーカリプトール(eucalyptol)、セテラリルグルコシド(ceteraryl glucoside)、ジメチルイソソルビックポリグリセリル−3セチルエーテル(dimethyl isosorbic polyglyceryl-3 cetyl ether)、ポリグリセリル−3デシルテトラデカノール、およびプロピレングリコールミリスチルエーテルなどのエーテル。
【0033】
好適なシリコーン油、例えばABIL(登録商標)EM90、ABIL(登録商標)Wax 9801、ABIL(登録商標)Wax 9814、およびABIL(登録商標)Wax 9840などの櫛型修飾シロキサン、Evonik Degussaの製品、アルキルジメチコン、アルキルメチコン、アルキルジメチコンコポリオール、フェニルシリコーン、アルキルトリメチルシラン、ジメチコン、ジメチコンクロスポリマー、シクロメチコン、並びにそれらの組合せなどは当業者に周知である。好ましくは、疎水性成分はABIL(登録商標)Wax 9801などのセチルジメチコンである。
【0034】
保湿性ライナー組成物中の疎水性成分の量は特に限定されず、典型的にはライナー組成物の重量を基準として20〜70重量%、より好ましくは40〜60重量%、さらにより好ましくは約50重量%の量で存在する。
【0035】
疎水性成分は、保湿性液体ライナー層の粘度を低下させるために、組成物の総重量を基準として50重量%まで、好ましくは30〜46重量%の量で、シクロメチコンなどの補助的なシリコーン油をさらに含んでいてもよい。粘度の低下により、液体ライナー層は、向上した塗り広げやすさを示すことが可能となり、バリア層の表面へのより容易な塗布を実現する。
【0036】
本発明による乳化剤は特に限定されず、親水親油バランス(hydrophilic/lipophilic balance HLB)が3〜8であり、油中水型乳化剤として働くものが好ましいであろう。炭素系乳化剤、ケイ素系乳化剤、非イオン性乳化剤、カチオン性乳化剤、およびそれらの組合せを含めた任意の好適な乳化剤が、本開示の皮膚に有益な組成物中に含まれていてもよい。好適な炭素系乳化剤としては、ポリグリセリル−4イソステアレートなどの炭素系乳化剤が挙げられる。ケイ素系の油中水型乳化剤としては、アルキレンオキシドでグラフト修飾したシリコーン油が挙げられる。好適なアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、およびそれらの混合物が挙げられる。アルキレンオキシド基によるグラフト化は、ランダムまたはブロックで生じてもよい。好ましくはグラフト化は、10:1の重量比での、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドによるブロックグラフト化である。他の乳化剤としては、ビス−PEG/PPG−14/14ジメチコン(Evonikの製品であるABIL(登録商標)EM97)、ポリグリセリル−3オレエート(Goldschmidtの製品であるISOLAN(登録商標)GO 33)、ポリグリセリル−4ジイソステアレート/ポリヒドロシステエート/セバケート(Goldschmidtの製品であるISOLAN(登録商標)GPS)、ポリグリセリル−2ジポリヒドロキシステアレート、ポリグリセリル−3ポリリンシノレエート(polyglyceryl-3 polyrincinoleate)、ジポリヒドロキシステアリン酸PEG−30、ステアリン酸グリセリル、水素化植物性リン酸グリセリド、オレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、ポリグリセリル−3−ジイソステアレート、ポリグリセリル−4オレエート、またはそれらの組合せが挙げられる。
【0037】
乳化剤は単独で、または他の乳化剤と組み合わせて使用してもよい。好ましくは乳化剤は、ポリグリセリル−4イソステアレート、セチルPEG/PPG−10/1ジメチコン、Evonikの製品であるABIL(登録商標)WE09の商標で販売されているラウリン酸ヘキシルの混合物である。
【0038】
保湿性ライナー組成物中の乳化剤の量は特に限定されず、典型的にはライナー組成物の重量を基準として0.4〜10重量%、好ましくは1〜8重量%、より好ましくは3〜6重量%、より好ましくは4〜5重量%の量で存在する。
【0039】
使用の際、疎水性成分は乳化剤と一緒になって閉塞性層を皮膚に形成する。
【0040】
本発明による好適なカチオン性成分は特に限定されず、典型的には柔軟剤として使用されるものである。
【0041】
本明細書における使用に適した炭化水素系柔軟剤は、以下の化合物のクラスから選択される:
【0042】
カチオン性第4級アンモニウム塩。そのようなカチオン性第4級アンモニウム塩の対イオンは、塩化物若しくは臭化物などのハロゲン化物、メチル硫酸、または文献において周知の他のイオンであってもよい。好ましくは、対イオンはメチル硫酸または任意のアルキル硫酸または任意のハロゲン化物であり、メチル硫酸が最も好ましい。
【0043】
カチオン性第4級アンモニウム塩の例としては、従来から既知のモノアルキル第4級アンモニウム塩、ジアルキル第4級アンモニウム塩、およびテトラアルキル第4級アンモニウム塩が挙げられるが、以下のものに限定されない:
【0044】
(1)少なくとも2つのC〜C30、好ましくはC12〜C22のアルキルまたはアルケニル鎖を有する、非環式第4級アンモニウム塩:例えばジメチルジタロウ(ditallow)アンモニウムメチルサルフェート、ジ(水素化タロウ)ジメチルアンモニウムメチルサルフェート、ジステアリルジメチルアンモニウムメチルサルフェート、ジココ(dicoco)ジメチルアンモニウムメチルサルフェートなど。特に好ましいのは、カチオン性成分が、少なくとも1つのエステル結合を介して分子に結合された2つのC12〜C18アルキルまたはアルケニル基を有する化合物を含む、水に不溶性の第4級アンモニウム物質である場合である。より好ましいのは、第4級アンモニウム物質に2つのエステル結合が存在する場合である。本発明において使用するための特に好ましいエステル結合第4級アンモニウム物質は、式:
【0045】
【化1】

によって表すことができ、
式中、各R基は独立に、C〜Cアルキル、ヒドロキシアルキル、またはC〜Cアルケニル基から選択され;Tは
【0046】
【化2】

のいずれかであり、
また式中、各R基は独立に、C〜C28アルキルまたはアルケニル基から選択され;eは0〜5の整数である。
【0047】
第2の好ましいタイプの第4級アンモニウム物質は、式:
【0048】
【化3】

によって表すことができ、
式中、R、e、およびRは上記で定義される通りである。
【0049】
(2)イミダゾリニウム型の環状第4級アンモニウム塩、例えばジ(水素化タロウ)ジメチルイミダゾリニウムメチルサルフェート、1−エチレン−ビス(2−牛脂−1−メチル)イミダゾリニウムメチルサルフェートなど;
【0050】
(3)ジアミド第4級アンモニウム塩、例えば:メチル−ビス(水素化タロウアミドエチル)−2−ヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェート、メチルビ(タロウアミドエチル)−2−ヒドロキシプロピルアンモニウムメチルサルフェートなど;
【0051】
(4)生分解性第4級アンモニウム塩、例えばN,N−ジ(タロウイル(tallowoyl)−オキシ−エチル)−N,N−ジメチルアンモアンモニウムメチルサルフェートおよびN,N−ジ(タロウイル−オキシ−プロピル)−N,N−ジメチルアンモニウムメチルサルフェートなど。生分解性第4級アンモニウム塩は、例えば、米国特許第4137180号、第4767547号、および4789491号に記載されている。
【0052】
好ましい生分解性第4級アンモニウム塩としては、米国特許第4137180号に記載されるような生分解性カチオン性ジエステル化合物が挙げられる。
【0053】
これらのカチオン性成分は、米国特許第4134838号により明確に記載されている。
【0054】
さらに、カチオン性成分はカチオン修飾したシリコーン系界面活性剤であってもよく、これは当業者に周知であり、シリコーンビス型第4級(bisquaterbary)化合物がその例となる。好適なビス型第4級化合物は、各端部で第4級アンモニウム基により末端修飾され、10〜100、好ましくは60〜100のシロキサン単位のシロキサン骨格を有していてもよい。一実施形態において、ビス型第4化合物の末端はアルキルアミド第4級アンモニウムヒドロキシ基(アルキルアミドアミンによるエポキシドの開環から生じるものなど)を含む。好ましくはカチオン性成分は、Evonikの製品である、ABIL(登録商標)Quat 3474などのクオタニウム(quaternium)−80である、シリコーンビス型第4級化合物である。
【0055】
保湿性液体ライナー層の成分が塩形成基(シリコーンビス型第4級化合物など)を含む限り、保湿性液体ライナー層はそのような塩形成基の塩を含んでいてもよい。好適な塩は当業者に公知であり、第4級アンモニウム基の酢酸塩が挙げられるであろう。
【0056】
保湿性液体ライナー組成物中のカチオン性成分の量は特に限定されず、典型的にはライナー組成物の重量を基準として0.01〜10重量%、好ましくは0.5〜8重量%、より好ましくは約1〜5重量%、さらにより好ましくは約1重量%の量で存在する。
【0057】
保湿性液体ライナー層は、ワセリン、鉱油、植物系油、スクアレン、エイエチルヘキシルシクロヘキサン(eiethylhexylcyclohexane)、フェニルシリコーン、およびアルキルトリメチルシランなどの皮膚軟化剤などの、組成物に悪影響を与えない成分をさらに含んでいてもよい。
【0058】
一実施形態において、皮膚に有益な薬剤を、リポソーム中の皮膚に有益な組成物中に保持させてもよい。リポソームは、薬剤を皮膚に送達するための媒体である。より具体的には、リポソームは、水系薬剤(保湿剤または皮膚軟化剤など)を取り囲む脂肪族化合物、脂質から形成される微細な球体である。リポソームが皮膚にすり込まれると、リポソームは角質層の至る所に薬剤を放出する。
【0059】
別の実施形態において、有益な薬剤はマイクロカプセル材料の形態でキャリア中に存在してもよい。マイクロカプセル材料は、ゼラチン膜によって取り囲まれた皮膚軟化剤の球体であり、ゼラチン膜は皮膚軟化剤が組成物中の他の成分と反応するのを防ぎ、圧力が加えられ膜が壊れるときに皮膚軟化剤をより均一に分配するのを助ける。これらのビーズを形成する方法はマイクロカプセル化と呼ばれ、当技術分野で一般に知られている。
【0060】
一実施形態において、保湿性液体ライナー層はαヒドロキシルラクトンを含まない。別の実施形態において、保湿性液体ライナー層は多価アルコールを含まない。別の実施形態において、保湿性液体ライナー層は、JohnsonらによるUS2004/0122382に記載されるような自己乳化性ワックスを含まない。別の実施形態において、保湿性液体ライナー層は、脂肪族アルコール、脂肪酸、およびまたはC20界面活性剤との脂肪エステルの混合物を含まない。別の実施形態において、保湿性液体ライナー層は、セルロース、コラーゲン、およびまたはビニルピロリドン由来のカチオン性ポリマーのいずれも含まない。別の実施形態において、保湿性液体ライナー層はシリコーンワックスを含まない。
【0061】
ライナー層として使用することによって、保湿性液体ライナー組成物は典型的には90重量%までの量の水分を皮膚から吸収することになる。典型的には保湿性液体ライナー層は70重量%未満の水を含有することになる。一実施形態において、保湿性液体ライナー組成物は無水である。保湿性液体ライナー組成物が乳化剤を含む場合、水はライナー組成物内にエマルションとして分散する。典型的には、使用の前に、ライナー層は少量の水(例えば<5重量%、より好ましくは<1重量%、さらにより好ましくは<0.5重量%)しか含まないことになるが、水が少しでもあると、水がライナー層の粘度を増加させる傾向があるためである。
【0062】
本発明による組成物は、均一な混合物が得られるまで単純に成分を混合することにより製造することができる。
【0063】
保湿性液体ライナー層を水分不透過性バリア層の表面に被着させて基材を形成する。好適なバリア層は、コーティング組成物の成分と化学的に適合する、任意の天然または合成エラストマーポリマーであってもよい。好適なエラストマーとしては、合成および天然ゴムラテックスが挙げられるが、それらに限定されない。使用することができる天然ゴムとしては、パラゴムノキのゴムラテックスおよびグアユールゴムのゴムラテックスから作られるゴムが挙げられる。使用することができる合成ゴムポリマーとしては、ニトリルゴム、ニトリルブタジエンゴム、ポリウレタン、ポリイソプレン、ネオプレン、ポリクロロプレン、スチレンブロックコポリマー、およびそれらのポリマーブレンドが挙げられる。使用することができる合成ゴムとしてはまた、アクリルジエンブロックコポリマー、アクリルゴム、ブチルゴム、EPDMゴム、ポリブタジエン、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、およびフッ素ゴムも挙げられる。エラストマーは、単独でまたは混合物として組み合わせて使用してもよい。好ましい実施形態において、エラストマーはニトリルブタジエンゴム、ラテックス、ビニル、およびニトリルゴムである。水分がバリア層を通り抜けるのをバリア層が防ぐならば、バリア層の表面はそれ自体が多孔性であってもよい。
【0064】
水分不透過性バリア層は、過度の実験なしに、医療用手袋の製造に用いられる方法などの当業者に公知の従来法により調製してもよい。
【0065】
本発明のライナー層組成物は、追加の有益な成分をさらに含有することができるが、ただし、そのような成分が本発明の組成物と化学的に適合し、組成物の所望の治療特性に悪影響を与えない場合に限る。コーティング組成物中に含むことができる追加の成分としては、保湿剤、抗菌剤、抗炎症薬、局所クレンジング剤、制汗剤、皮膚コンディショニング剤、薬剤、日焼け止め、老化防止剤などが挙げられるが、それらに限定されない。ライナー層組成物を基準として0.5〜10重量%の量のジメチコン(350cs)が好適な保湿剤である。
【0066】
水分不透過性バリア層は、典型的には、手袋、手袋のライナー、医療用途の外科手術用マスク、靴下、スパマスク、コンドーム、などのエラストマー性であってもよい物品、またはシャツ、ズボン、若しくは下着などの衣料物品で、その表面が皮膚と接触する物品へ組み込まれる。バリア層はまた、残肢を受けるための人工装具のライナーの皮膚接触面に組み込むこともできる。一実施形態において、物品は手袋ではない。皮膚に接触しようとする物品の表面には、本発明の保湿性液体バリア層の層が備えられる。組成物を、液体として手および/または他の体の部分にすり込むまたは噴霧することにより、皮膚に直接施用することもできる。
【0067】
本発明は、皮膚に接触するバリア層の皮膚接触面に塗布される保湿性液体ライナー組成物を提供する。その場合バリア層は着用される物品の一部であり、保湿性液体ライナー組成物は水分に触れると水和し、使用中に着用者の皮膚へ転移し、組成物の成分によって与えられる局所的な恩恵をもたらす。着用者の皮膚からの水分は、ライナー層組成物を水和した液体「ローション」の形態へ転換し、この「ローション」の形態はバリア層の皮膚接触面から着用者の皮膚へ、着用中に直接転移される。保湿性液体ライナー組成物は、それを取り外した後、長期の治療的恩恵を皮膚に与え続ける。ライナー層組成物はバリア層の材料と化学的に適合し、バリア層の物理的特性に実質的に影響を与えない。本発明のライナー層組成物は熱的に安定であり、製造およびある種の殺菌処理に付随する温度上昇に耐える。ライナー層組成物は、快適な非粘着性の脂っぽくない感触を有する。
【0068】
保湿性液体ライナー層組成物は、典型的には保湿効果をもたらすのに有効な量でバリア層の表面に被着される(deposited on)。非制限的な量としては、好ましくは1cmのバリア層あたり0.01〜10mg、好ましくは1cmのバリア層あたり0.1〜1mg、より好ましくは1cmのバリア層あたり0.3〜0.6mg、より好ましくは1cmのバリア層あたり約0.5mgの量が挙げられる。
【0069】
特許請求される保湿性液体ライナー層のさらなる利点は、使用後に、通常はバリア層の使用に付随する臭気が低減されることである。
【0070】
保湿性液体ライナー層を含むバリア層を皮膚に接触させることにより、皮膚を保湿する方法が実現される。着用者の皮膚が皮膚に有益な組成物と接触すると、少なくとも一部の皮膚に有益な組成物の乳化を引き起こし得る十分な水分および熱が生成されることになり、保湿効果および他の皮膚健康に有益な効果を物品の着用者の皮膚に与えるローション様エマルションの形成をもたらすことになる。ライナー層組成物の有益な効果は、手袋などの物品を着用する間、物品を外した後、および次に続く皮膚洗浄の後の両方において感じることができる。好都合なことに、ライナー層組成物の皮膚利益は、比較的短い手袋の着用時間(例えば約1分)の後であっても生じ得る。本開示の物品はこのように、頻繁な手の洗浄が皮膚の炎症および乾燥を引き起こすことが多い、医療および食品調理の環境において特に有用である。
【0071】
本発明を全体的に述べてきたが、さらなる理解は特定の具体例を参照することにより得ることができ、この具体例は本明細書において説明の目的のみのために示され、別途指定されない限り制限することを意図しない。
【実施例】
【0072】
(実施例1)
配合A
ABIL(登録商標)WE 09 4.0%
シクロメチコン 46.0%
ABIL(登録商標)Was 9801 47%
ABIL(登録商標)Quat 3474 1.0
ジメチコン(350cst) 2.0%
【0073】
配合物は、各材料を室温で分散するまで混合することにより調製した。
【0074】
(実施例2)
この実施例において、実施例1で調製された皮膚に有益な組成物を、手袋と組み合わせて使用した場合の皮膚保湿性へのその効果について評価した。
【0075】
18歳〜68歳の間の16人の被験者をこの調査のために採用した。試験部位の異常な皮膚色素沈着、皮膚疾患、皮膚損傷、日光曝露による皮膚損傷、腕の試験領域の入れ墨若しくは打撲傷、または過度の乾燥若しくは紅斑を有する個体は除外された。被験者は試験前の24時間未満および試験中に、肌クリーム、オイル、軟膏、パウダー、香水、またはローションを手に使用しないように指示された。
【0076】
試験当日、被験者を基準値試験の前に、温度および湿度を制御した部屋(70°±2°F;相対湿度40%±5%)に15分間順応させた。平衡後、皮膚の水分(コンダクタンス)についてベースライン測定を行った。
【0077】
基準値のコンダクタンス測定を、手の甲の指関節のおよそ2cm下にある試験部位においてDermaLab Moisture Flat Probe(Cortex Technology、Hadsund Denmark)を使用して行った。コンダクタンスは皮膚中の水分を測定するための化粧品業界標準である。DermaLab Moisture Flat Probeをすべての測定について使用した。これは同心円状の輪として配置された電極を使用して、皮膚を通すように一連の交流電流を送る。電流に対する抵抗は、角質層の水分結合能(water binding capacity)、すなわち水分レベルを示し、コンダクタンスの表示値を提供する。コンダクタンスの表示値が高いほど、皮膚中の水分のレベルが高いことを示す。装置のプローブを被験者の手の試験部位に置き、5秒間の連続測定を3回行った。
【0078】
基準値測定の終わりに、手袋を被験者の手にはめた。この試験で使用される手袋は、0.015g/g、0.030g/g、若しくは0.045g/gの付加量の、実施例1で調製された組成物により処理されたニトリル系手袋か、または付加される組成物を含まない対照物であった。手袋は10分間着用された。10分後に手袋は取り外され、被験者の手からの汗を蒸発させるために、被験者は温度/湿度が制御された室内にさらに20分とどまるように指示された。この20分間の待機の後、上記の手順を用いて最終のコンダクタンス測定を行った。組成物の様々な付加量を有する手袋、または未処理の対照用手袋を着用した被験者について、基準値コンダクタンス測定に対するコンダクタンス測定の比較を行った。結果を図1に示す。
【0079】
結果は、すべての処理済み手袋が未処理の手袋と比較して増進した手の保湿をもたらすことを示した。図1から理解できるように、3つの異なる組成物付加レベルを含有する手袋は、未処理の手袋より大きい統計的に有意なコンダクタンスの増加をもたらした。驚くことに、低い組成物付加レベル(すなわち、0.015g/g)を含有する手袋が、高い組成物付加レベル(すなわち、0.045g/g)を含有する手袋と同等な手の保湿の増進をもたらしたことが認められ、このことは、ある程度の皮膚健康の利益を供給するのに手袋に少量の組成物しか必要としないことを示唆している。
【0080】
処理済み手袋を着用後の手の感触を判定するため、第2の調査を行った。18〜65歳の40人の医療従事者が参加するために採用された。未処理の手袋並びに0.015g/gおよび0.045g/gの手袋処理を試験した。被験者は手袋を10分間着用し、それらを取り外し、次いで15分間待機した。15分間の待機後、被験者は自分の手がどのように感じたかを示すように求められた。
【0081】
未処理の手袋と比較して、より高い割合の被験者が、いずれかの処理済み手袋を着用後の自分の手が対照のコードと比較してより柔らかく、より滑らかで、より刺激が少なく、より締め付け感が少なく、よりパサパサしていないと述べた。0.015g/gおよび0.045g/gの処理コードの間で、数はわずかな違いしかなかった。
【0082】
上記の教示に照らして、本発明の多数の修飾および変形が明らかに可能である。したがって、添付の特許請求の範囲内で、本明細書に具体的に記載されるのとは別の方法で本発明を実施できることが理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
疎水性成分と
乳化剤と
を含む、保湿性液体ライナー組成物。
【請求項2】
カチオン性成分をさらに含む、請求項1に記載の保湿性液体ライナー組成物。
【請求項3】
前記カチオン性成分がカチオン修飾シリコーンである、請求項2に記載の保湿性液体ライナー組成物。
【請求項4】
前記カチオン性成分がカチオン性第4級アンモニウム塩である、請求項2または3に記載の保湿性液体ライナー組成物。
【請求項5】
前記カチオン性成分がクオタニウム−80である、請求項2から4のいずれか1項に記載の保湿性液体ライナー組成物。
【請求項6】
前記疎水性成分がジアルキルポリシロキサンであり、ここで、前記アルキル基がそれぞれ独立にC4〜22アルキル基である、請求項1から5のいずれか1項に記載の保湿性液体ライナー組成物。
【請求項7】
前記疎水性成分がセチルジメチコンを含む、請求項1から6のいずれか1項に記載の保湿性液体ライナー組成物。
【請求項8】
前記乳化剤がシリコーン系油中水型乳化剤である、請求項1から7のいずれか1項に記載の保湿性液体ライナー組成物。
【請求項9】
前記乳化剤がポリグリセリル−4−イソステアレート、セチルPEG/PPG−10/1ジメチコン、およびラウリン酸ヘキシルを含む、請求項1から8のいずれか1項に記載の保湿性液体ライナー組成物。
【請求項10】
20〜70重量%の前記疎水性成分を含む、請求項1から9のいずれか1項に記載の保湿性液体ライナー組成物。
【請求項11】
40〜60重量%の前記疎水性成分を含む、請求項1から10のいずれか1項に記載の保湿性液体ライナー組成物。
【請求項12】
前記乳化剤の親水親油バランスが3〜8である、請求項1から11のいずれか1項に記載の保湿性液体ライナー組成物。
【請求項13】
前記乳化剤が前記組成物の重量を基準として0.4〜10重量%の量で存在する、請求項1から12のいずれか1項に記載の保湿性液体ライナー組成物。
【請求項14】
前記乳化剤が前記組成物の重量を基準として1〜8重量%の量で存在する、請求項1から13のいずれか1項に記載の保湿性液体ライナー組成物。
【請求項15】
前記カチオン性成分が前記組成物の重量を基準として0.01〜10重量%の量で存在する、請求項2から14のいずれか1項に記載の保湿性液体ライナー組成物。
【請求項16】
前記疎水性成分がシクロメチコンをさらに含む、請求項1から15のいずれか1項に記載の保湿性液体ライナー組成物。
【請求項17】
前記シクロメチコンが前記組成物の重量を基準として50重量%までの量で存在する、請求項16に記載の保湿性液体ライナー組成物。
【請求項18】
バリア層と、
前記バリア層の表面に被着される保湿性液体ライナー組成物と
を備える基材に皮膚を接触させるステップを含む、皮膚を保湿する方法であって、
前記保湿性液体ライナー組成物が
疎水性成分と、
乳化剤と
を含む方法。
【請求項19】
a)バリア層と、
b)前記バリア層の表面に被着された保湿性液体ライナー組成物と
を備えた基材であって、前記保湿性液体ライナー組成物が
疎水性成分と
乳化剤と
を含む基材。
【請求項20】
前記保湿性液体ライナー組成物が実質的に無水である、請求項19に記載の基材。
【請求項21】
前記保湿性液体ライナー組成物がカチオン性成分をさらに含む、請求項19または20に記載の基材。
【請求項22】
前記基材が物品に組み込まれている、請求項19から21のいずれか1項に記載の基材。
【請求項23】
前記物品が、手袋、手袋ライナー、医療用途の外科手術用マスク、靴下、スパマスク、コンドーム、シャツ、ズボン、人工装具のライナー、および下着からなる群から選択される、請求項22に記載の基材。
【請求項24】
前記保湿性液体ライナー組成物が、バリア層1cm当たり保湿性液体ライナー組成物0.01〜10mgの用量で被着される、請求項19から23のいずれか1項に記載の基材。
【請求項25】
前記保湿性液体ライナー組成物が、バリア層1cm当たり保湿性液体ライナー組成物0.1〜1mgの用量で被着される、請求項19から24のいずれか1項に記載の基材。
【請求項26】
前記保湿性液体ライナー組成物が、バリア層1cm当たり保湿性液体ライナー組成物0.3〜6mgの用量で被着される、請求項19から25のいずれか1項に記載の基材。
【請求項27】
前記疎水性成分が、シリコーン、エステル、エーテル、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項19から26のいずれか1項に記載の基材。
【請求項28】
前記疎水性成分が、シクロメチコン、セチルジメチコン、ジアルキルポリシロキサン(前記アルキル基はそれぞれ独立にC4〜22アルキル基である)、およびそれらの組合せからなる群から選択されるシリコーンである、請求項27に記載の基材。
【請求項29】
前記疎水性成分が、パルミチン酸セチル、パルミチン酸ステアリル、ステアリン酸セチル、ラウリン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、およびそれらの組合せからなる群から選択されるエステルである、請求項27または28に記載の基材。
【請求項30】
前記疎水性成分が、ユーカリプトール、セテラリルグルコシド、ジメチルイソソルビックポリグリセリル−3セチルエーテル、ポリグリセリル−3デシルテトラデカノール、プロピレングリコールミリスチルエーテル、およびそれらの組合せからなる群から選択されるエーテルである、請求項27から29のいずれか1項に記載の基材。
【請求項31】
前記乳化剤が、非イオン性乳化剤、カチオン性乳化剤、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項19から30のいずれか1項に記載の基材。
【請求項32】
前記保湿性液体ライナー組成物が、皮膚コンディショニング剤、抗酸化剤、キレート剤、植物抽出物、およびそれらの組合せからなる群から選択される、油溶性の皮膚に有益な薬剤をさらに含む、請求項19から31のいずれか1項に記載の基材。
【請求項33】
前記保湿性液体ライナー組成物がカチオン性成分をさらに含む、請求項19から32のいずれか1項に記載の基材。

【図1】
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【公表番号】特表2011−510946(P2011−510946A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−544668(P2010−544668)
【出願日】平成21年1月23日(2009.1.23)
【国際出願番号】PCT/EP2009/050746
【国際公開番号】WO2009/095351
【国際公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【出願人】(507375465)エヴォニク ゴールドシュミット ゲーエムベーハー (100)
【Fターム(参考)】