バルブ及びそのバルブの具備された微細流体ポンプ(VALVEANDMICROFLUIDPUMPHAVINGTHESAME)
【課題】所定の抵抗圧力を有するように内部に液体の満たされた排出管からなり、毛細管内に排出管の抵抗圧力より高い圧力が加えられると、気体が排出管を介して外部に排気されるようにする、バルブ及びそのバルブの具備された微細流体ポンプを提供する。
【解決手段】バルブ2の具備された微細流体ポンプは、流体の移動する毛細管1と、毛細管の片側に連結され、内部に流入チェックバルブ31及び排出チェックバルブ32を具備された移送管3と、毛細管内部の流体が移動できるように気体を供給する気体供給手段4とを含むマイクロポンプに関するものであり、毛細管の片側には、毛細管の内部と連通され、一定の抵抗圧力を有するように内部に液体が満たされ、片側が開放される排出管21からなり、毛細管内の気体圧力が排出管の有する抵抗圧力以上になると、毛細管内の気体が排出管を介して排気されるようにするバルブがさらに具備される。
【解決手段】バルブ2の具備された微細流体ポンプは、流体の移動する毛細管1と、毛細管の片側に連結され、内部に流入チェックバルブ31及び排出チェックバルブ32を具備された移送管3と、毛細管内部の流体が移動できるように気体を供給する気体供給手段4とを含むマイクロポンプに関するものであり、毛細管の片側には、毛細管の内部と連通され、一定の抵抗圧力を有するように内部に液体が満たされ、片側が開放される排出管21からなり、毛細管内の気体圧力が排出管の有する抵抗圧力以上になると、毛細管内の気体が排出管を介して排気されるようにするバルブがさらに具備される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルブ及び微細流体ポンプに関するものであり、より詳細には、所定の抵抗圧力を有するように内部に液体の満たされた排出管からなり、毛細管内に排出管の抵抗圧力より高い圧力が加えられると、気体が排出管を介して外部に排気されるようにする、バルブ及びそのバルブの具備された微細流体ポンプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近は、多様な機能をするマイクロ電子機械システム(MEMS:Micro Electro Mechanical System)が活発に開発されており、このようなマイクロ電子機械システムは、遺伝工学、医療診断、新薬開発分野等に広く適用されている。
【0003】
特に最近は、前記マイクロ電子機械システムが、通常の化学反応及び分析等のような全ての工程を、単一チップを利用して実施するLOC(Lab On a Chip)技術が提案されている。
【0004】
LOCは、マイクロマシニング施術を利用して、小型のガラスやプラスチックあるいはシリコンのようなチップ(Chip)上に、試料分析に必要な試料前処理、反応、分離及び検出装置等を集積して、自動的に分析が実施できるようにするものである。
【0005】
このようなLOCを利用した試料分析は、極少量の試料だけでも実験が可能であるという利点から、多量の試料採取が困難な医療、化学、診断分野及び生物学分野で広く利用されている。
【0006】
ところが、このようなLOCを利用して試料や試薬を分析するためには、試料または試薬等の流体をマイクロ単位で運送できる駆動源が必要である。
【0007】
従来のLOC駆動のための駆動源の一例がマイクロポンプであり、圧電素子を利用するポンプ、電気毛細管現象を利用するポンプ、電気分解による気体発生−消滅を利用するポンプ、回転子を利用して流体を流入及び流出させるロータリーポンプ等が提案されたことがある。
【0008】
図1は、従来の技術によるマイクロポンプの一例を示す構成図であり、電位差により変わる界面張力を利用して、液体または気体等の流体を移送するマイクロポンプに関するものであり、一定体積を有する気体室120;前記気体室に連結された毛細管110;前記毛細管110の他方に連結され、内部に流入チェックバルブ190と排出チェックバルブ200とが一方向にだけ流体を通過させるように連結される移送管180;前記毛細管110の中央部分に注入され、内部に電気接触ピン150の具備される水銀130;片側の側面は前記水銀130と隣接して、他方の側面は移送される流体に隣接するように毛細管110に満たされ、内部に電極160の具備される電解質溶液140;及び前記電気接触ピン150と電極160との間に電圧を供給する電源170を含んでいる。
【0009】
前記マイクロポンプの作用をみると、電源170から方形波またはサイン波の電圧を電極に印加すると、水銀130の界面張力が印加される電圧により変わる。電圧により水銀130の界面張力が周期的に変わると、水銀130は毛細管110の内部で供給される電圧の周期に従い往復運動をする。
【0010】
このように、水銀130が毛細管110で気体室120の方へ移動すると、電解質溶液140と毛細管110の他方の端部にあった電解質溶液と流体とも気体室120の方へ移動して、この空間を満たすために流入チェックバルブ190が開放されて、毛細管110の他方の端部に外部の流体が追加で流入される。
【0011】
そして、水銀130が反対に毛細管110で気体室120から遠ざかる方へ移動すると、電解質溶液140と共に移動して、高まった圧力により排出チェックバルブ200が開放されて流体を目的の部分に移送させる。このような過程を繰り返して流体を持続的に移送させることができる。
【0012】
ところが、このような従来のマイクロポンプが作動するためには、一定以上の圧力が形成されなければならず、かつチェックバルブの動作に異常のある場合は、毛細管内部に過度な圧力増加が発生することになる。
【0013】
これにより、マイクロポンプを介して体内に薬品等を注入する場合、危険が発生するという問題点があった。
【0014】
また、このような従来のマイクロポンプは、外部印加電圧により水銀が移動しながら流体を吸入及び排出させるものであり、毛細管の内部に気体だけでなく、水銀及び電解質溶液が内蔵されなければならず、この水銀に電気接触ピンが具備されなければならないので、構成が複雑になるという短所があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
前記従来の技術による問題点を解決するための本発明の目的は、毛細管の片側に一定の抵抗圧力を有する排出管を形成して、毛細管内の気体圧力が排出管の抵抗圧力以下である場合、流体が気体圧力により流入及び排出されるようにして、毛細管内の気体圧力が排出管の抵抗圧力以上になると、気体が排出管を介して毛細管の外部に排気されるようにするリリーフバルブまたは安定器の役割を遂行するようにすることにより、別途の媒介体を具備せずとも、気体圧力だけを利用して流体供給を取り締まることができ、移送管内部に一定以上の圧力が加えられることを防止することのできる微細流体ポンプに形成されたバルブと、このバルブの具備された微細流体ポンプとを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記の技術的な課題を解決するための本発明は、気体供給手段と流体移送管とが各々連結された毛細管を具備した微細流体ポンプに具備され、流体の流入及び排出を取り締まるバルブに関するものであり、前記バルブは、前記毛細管の片側に連結されて前記毛細管の内部と連通され、かつ片側が開放され、一定の抵抗圧力を有するように内部に液体の満たされた排出管を含んでおり、前記毛細管内の気体圧力が排出管の有する抵抗圧力以上になると、毛細管内の気体が前記排出管を介して毛細管の外部に排気されるように構成される。
【0017】
前記の技術的な課題を解決するための本発明のバルブを具備された微細流体ポンプは、流体の移動する毛細管と、前記毛細管の片側に連結され、内部に流入チェックバルブ及び
排出チェックバルブを具備された移送管と、前記毛細管内部の流体が移動できるように気体を供給する気体供給手段とを含むマイクロポンプに関するものであり、前記毛細管の片側には、前記毛細管の内部と連通され、一定の抵抗圧力を有するように内部に液体が満たされ、片側が開放される排出管からなり、前記毛細管内の気体圧力が排出管の有する抵抗圧力以上になると、毛細管内の気体が前記排出管を介して排気されるようにするバルブがさらに具備される。
【0018】
前記本発明のバルブ及びこのバルブの具備された微細流体ポンプにおいて、前記バルブは、前記毛細管の内部圧力が一定圧力以上になると、前記毛細管内部の気体が前記排出管を介して外部に排気されるようにして、内部圧力を大気圧に調整するリリーフバルブの役割を遂行し、または前記排出管の内部に内蔵された液体と前記排出管の片側上部に形成された排気部とをさらに含み、前記毛細管の内部圧力が一定圧力以上になると、前記毛細管内部の圧力が安定化される時まで、毛細管内の気体が前記液体を通過して気泡状態で外部に排気されるようにして、内部圧力を一定に安定化させる安定器の役割を遂行する。
【0019】
本発明は、添付の図面を参照して記述される好ましい実施例を介してより明白になるだろう。以下では本発明の実施例を介して当業者が容易に理解して、再現できるように詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図2は、本発明の一実施例によるバルブを示した構成図であり、本発明の一実施例によるバルブ2は、気体供給手段と流体移送管とが各々連結された毛細管1を具備した微細流体ポンプに具備され、流体の流入及び排出を取り締まるバルブにおいて、前記毛細管1の片側に連結されて前記毛細管1の内部と連通して、その片側が開放され、一定の抵抗圧力を有する排出管21を含んでおり、前記毛細管1内の気体圧力が排出管21の有する抵抗圧力以上になると、前記毛細管1内の気体が前記排出管21を介して完全排気されるようにするリリーフバルブの役割を遂行する。
【0021】
図3及び図4は、本発明の一実施例によるバルブの作用を説明するための図面であり、前記バルブ2は、その内部の液体と気体との間の境界面に形成される管内部圧力(Pb、以下抵抗圧力という)を有する排出管21を含み、図3に示されているように前記毛細管1内の気体は、所定の圧力を介して毛細管1内の流体を押し出すのだが、前記毛細管1内の気体圧力Paが前記抵抗圧力Pbよりも低く、流体の圧力Pcよりも高い場合、流体を持続的に押し出す。
【0022】
一方、図4に示されているように、前記毛細管1内の気体圧力Paが、継続して上昇して排出管21の抵抗圧力Pbよりも高くなると、排出管21の抵抗圧力Pbが、毛細管1内の気体圧力に耐え切れなくなり、気体が流体をそれ以上押し出せなくなり、前記排出管21を介して外部に完全に排気される。
【0023】
このように本発明によるバルブ2は、別途の媒介体を具備せずとも、気体圧力と排出管21の抵抗圧力とだけを利用して、流体を押し出す圧力、つまり毛細管1内の気体圧力が一定圧力以上になると、言い換えれば気体が排出管21の抵抗圧力以上になると、気体が毛細管1の外部に完全に排気されるようにするリリーフバルブの役割を遂行することにより、流体に過度な圧力が加えられることを防止することができる。
【0024】
図5乃至図7は、本発明の一実施例によるバルブの具備された微細流体ポンプ及びその作用を説明するための構成図であり、本発明の微細流体ポンプは、流体の移動する毛細管1と、前記毛細管1の片側に連結され、内部に流入チェックバルブ31及び排出チェックバルブ32を具備された移送管3と、前記毛細管1内部の流体が移動できるように気体を供給する気体供給手段4とを含むマイクロポンプにおいて、前記毛細管1の片側に具備され、前記毛細管1の内部と連通して、一定の圧力を有する排出管21を含んでおり、前記毛細管1内の気体圧力が排出管21の有する抵抗圧力以上になると、毛細管1内の気体が前記排出管21を介して外部に完全排気されるようにするリリーフバルブの役割を遂行するバルブ2がさらに具備されることを特徴とする。
【0025】
このような本発明によるリリーフバルブの役割をするバルブの具備された微細流体ポンプの作用を見てみると、次の通りである。
【0026】
まず、図5に示されているように、気体供給手段4からの気体供給が無いと、または毛細管1内部の気体圧力Paが移送管3に流入される流体圧力Pc及び排出管21の抵抗圧力Pbよりも低く、流体の圧力が排出管21の抵抗圧力よりも低いと、流入チェックバルブ31が開放されながら流体が流入される。
【0027】
一方、図6に示されているように、気体供給手段4から気体供給が行われると、毛細管1内部の気体圧力Paが、移送管3に流入される流体圧力Pcより大きくなり流体を押し出すのだが、この時流入チェックバルブ31は閉ざされ、排出チェックバルブ32が開放されながら流体が排出チェックバルブ32を介して排出される。ここで、排出管21の抵抗圧力Pbは、毛細管内部の気体圧力Paよりも大きい。
【0028】
このように、排出チェックバルブ32を介した流体供給により一定量以上の流体が供給されると、またはチェックバルブが故障になると、移送管3に過度な抵抗が発生して、流体圧力Pcが上昇することになり、気体が持続的に供給されると、増加する気体により毛細管1内部の気体圧力Paも高くなる。
【0029】
このように、毛細管1内部の気体圧力Paが高くなり排出管21の抵抗圧力Pb以上になると、排出管21は、それ以上気体に対して抵抗することができなくなり、結局図7に示されているように、圧力の高くなった気体が排出管21を介して毛細管1の外部に排気され、毛細管内の圧力は大気圧状態になる。
【0030】
言い換えると、従来のバルブを利用する場合、流体が一定量以上供給された状態、またはチェックバルブが故障した状態で気体圧力が継続して高くなると、過度な流体が継続して供給される可能性、または微細流体ポンプが誤作動する問題が発生する可能性があり、例えば人体に薬物等を投与する場合、人体が危険状態に陥る可能性があるという問題点があった。
【0031】
しかし、本発明のリリーフバルブの役割をするバルブ2は、一定抵抗圧力を有しており、この抵抗圧力以上の圧力が加えられると、気体を外部に排気させることにより、このような危険原因を解消することができるのである。
【0032】
図8は、本発明の他の実施例によるバルブを示した構成図であり、図9は、図8のA−A’線間の断面図であり、本発明の他の実施例によるバルブ2は、気体供給手段と流体移送管3とが各々連結された毛細管1を具備した微細流体ポンプに具備され、流体の流入及び排出を取り締まるバルブにおいて、前記毛細管1の片側に連結されて前記毛細管1の内部と連通して、一定の抵抗圧力を有しており、その内部に液体211が内蔵され、開放部212の形成された排出管21を含んでおり、前記毛細管1内の気体圧力が排出管21の有する抵抗圧力以上になると、前記毛細管1内の気体が前記排出管21の開放部212を介して気泡状態で排気されるようにして、前記毛細管1内部の圧力を安定化させる安定器の役割を遂行するものである。
【0033】
図10は、本発明による安定器の役割を遂行するバルブの連結された毛細管内の時間に伴う圧力変化を示したグラフであり、図8乃至図10を参照して本発明の他の実施例によるバルブの作用をみると、次の通りである。
【0034】
まず、毛細管1内の気体圧力Paが前記抵抗圧力Pbより低い場合は、流体を持続的に押し出すことになり、継続的な気体供給により毛細管1内の圧力は時間が経つにつれ高くなる。そして、毛細管1内の気体圧力Paが継続して高くなり、前記排出管21の抵抗圧力Pbより高くなる“A”支点に到達すると、排出管21の抵抗圧力Pbが毛細管1内の気体圧力に耐え切れず、毛細管1内の気体が前記排出管21から排気される。
【0035】
このように、毛細管1内の気体が排出管21を介して排出されると、毛細管1内の圧力は区間“3”のように減少することになる。
【0036】
以後、毛細管1から一定量の気泡が定期的に排出管21から排出されるのだが、排出管21から排出される気体は、液体211上部に気泡形態で通過して外部に排気されると、毛細管1内の圧力Paが一定に維持される区間“4”のような平衡状態に到達することになる。
【0037】
図11は、本発明の他の実施例によるバルブの具備された微細流体ポンプ及びその作用を説明するための構成図であり、本発明の他の実施例によるバルブの具備された微細流体ポンプは、流体の移動する毛細管1と、前記毛細管1の片側に連結され、内部に流入チェックバルブ31及び排出チェックバルブ32を具備された移送管3と、前記毛細管1内部の流体が移動できるように気体を供給する気体供給手段4とを含むマイクロポンプにおいて、前記毛細管1の片側に前記毛細管1の内部と連通して、一定の抵抗圧力を有しており、その内部に液体211が内蔵され、開放部212の形成された排出管21を含んでおり、前記毛細管1内の気体圧力が排出管21の有する抵抗圧力以上になると、前記毛細管1内の気体が前記排出管21の開放部212を介して気泡状態で排気されるようにして、前記毛細管1内部の圧力を安定化させる安定器の役割を遂行するバルブ2がさらに具備されるのである。
【0038】
このような本発明による安定器の役割をするバルブの具備された微細流体ポンプの作用をみると、次の通りである。
【0039】
まず、気体供給手段4からの気体供給が無いと、または毛細管1内部の気体圧力Paが排出管21の抵抗圧力Pb及び移送管3に流入される流体圧力Pcよりも低いと、流体チェックバルブ31が開放されながら流体が流入される。
【0040】
一方、気体供給手段4から排出管21の抵抗圧力Pbよりも低い圧力で継続的に気体供給がなされると、毛細管1内部の気体圧力Paが移送管3から流入される流体圧力Pcよりも高くなりながら流体を押し出すのだが、この時流入チェックバルブ31が閉じられ、排出チェックバルブ32が開放されながら、流体は排出チェックバルブ32を介して排出される。
【0041】
このように、毛細管1内への気体供給により流体供給が持続的になされるのだが、流体供給が一定量以上になると、またはチェックバルブが故障になると、移送管3に過度な抵抗が発生して、この状態で気体が継続的に供給されると、毛細管1内部の気体圧力Paも過度に増加する。
【0042】
結局、毛細管1内部の気体圧力Paが排出管21の抵抗圧力Pbよりも高くなり、排出管21は、それ以上気体に対して抵抗することができなくなる。
【0043】
これにより、毛細管1内の気体が排出管21に内蔵された液体を通過して気泡状態で外部に排気され、一定量の気体が外部に排気されると、前記排出管21に内蔵された液体により毛細管1内の圧力は平衡状態に安定化される。
【0044】
このように、本発明の他の実施例による安定器の役割を遂行するバルブ2は、別途の媒介体を具備せずとも、気体圧力と排出管21の抵抗圧力とだけを利用して流体供給を取り締まるのだが、流体を押し出す圧力、つまり毛細管1内の気体圧力が一定圧力以上になると、言い換えれば気体が排出管21の抵抗圧力以上になると、毛細管1内部の圧力が安定化される時まで気体が排出管21に内蔵された液体を通過して気泡状態で排気されるようにすることにより、毛細管内の圧力を一定に維持して安定化させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
上述のように、本発明は、毛細管の片側に一定抵抗による圧力を有する排出管を形成して、毛細管内の気体圧力が排出管の抵抗圧力以下の場合、流体は気体圧力により流入および排出されるようにして、毛細管内の気体圧力が排出管の抵抗圧力以上になると、気体が排出管を介して毛細管の外部に完全に排気されるようにするリリーフバルブの役割を遂行するようにしたり、毛細管内部の圧力が安定化される時まで気泡状態で排気されるようにする安定器の役割を遂行したりするようにすることにより、別途の媒介体を具備せずとも、気体圧力だけを利用して流体供給を取り締まることができ、装置構成を簡素化することができ、移送管内部に一定以上の圧力が加えられることを防止して、破損及び誤作動等の危険原因を解消することができるという利点がある。
【0046】
本発明は、添付の図面を参照して好ましい実施例を中心に記述されたが、当業者ならこのような記載から本発明の範疇を脱することなく、多くの多様で自明な変形が可能だということは明白である。従って、本発明の範疇は、このような多くの変形例を含むように記述された特許請求の範囲により解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】従来の技術によるマイクロポンプの一例を示した構成図である。
【図2】本発明の一実施例によるバルブを示した構成図である。
【図3】本発明の一実施例によるバルブの作用の説明図である。
【図4】本発明の一実施例によるバルブの作用の説明図である。
【図5】本発明の一実施例によるバルブの具備された微細流体ポンプ及びその作用を説明するための構成図である。
【図6】本発明の一実施例によるバルブの具備された微細流体ポンプ及びその作用を説明するための構成図である。
【図7】本発明の一実施例によるバルブの具備された微細流体ポンプ及びその作用を説明するための構成図である。
【図8】本発明の他の実施例によるバルブを示した構成図である。
【図9】図8のA−A’線間の断面図である。
【図10】本発明による安定器の役割を遂行するバルブの連結された毛細管内の時間に伴う圧力変化を示したグラフである。
【図11】本発明による他の実施例によるバルブの具備された微細流体ポンプ及びその作用を説明するための構成図である。
【符号の説明】
【0048】
1:毛細管
2:バルブ
3:移送管
4:気体供給手段
21:排出管
31:流入チェックバルブ
32:排出チェックバルブ
211:液体
212:開放部
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルブ及び微細流体ポンプに関するものであり、より詳細には、所定の抵抗圧力を有するように内部に液体の満たされた排出管からなり、毛細管内に排出管の抵抗圧力より高い圧力が加えられると、気体が排出管を介して外部に排気されるようにする、バルブ及びそのバルブの具備された微細流体ポンプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近は、多様な機能をするマイクロ電子機械システム(MEMS:Micro Electro Mechanical System)が活発に開発されており、このようなマイクロ電子機械システムは、遺伝工学、医療診断、新薬開発分野等に広く適用されている。
【0003】
特に最近は、前記マイクロ電子機械システムが、通常の化学反応及び分析等のような全ての工程を、単一チップを利用して実施するLOC(Lab On a Chip)技術が提案されている。
【0004】
LOCは、マイクロマシニング施術を利用して、小型のガラスやプラスチックあるいはシリコンのようなチップ(Chip)上に、試料分析に必要な試料前処理、反応、分離及び検出装置等を集積して、自動的に分析が実施できるようにするものである。
【0005】
このようなLOCを利用した試料分析は、極少量の試料だけでも実験が可能であるという利点から、多量の試料採取が困難な医療、化学、診断分野及び生物学分野で広く利用されている。
【0006】
ところが、このようなLOCを利用して試料や試薬を分析するためには、試料または試薬等の流体をマイクロ単位で運送できる駆動源が必要である。
【0007】
従来のLOC駆動のための駆動源の一例がマイクロポンプであり、圧電素子を利用するポンプ、電気毛細管現象を利用するポンプ、電気分解による気体発生−消滅を利用するポンプ、回転子を利用して流体を流入及び流出させるロータリーポンプ等が提案されたことがある。
【0008】
図1は、従来の技術によるマイクロポンプの一例を示す構成図であり、電位差により変わる界面張力を利用して、液体または気体等の流体を移送するマイクロポンプに関するものであり、一定体積を有する気体室120;前記気体室に連結された毛細管110;前記毛細管110の他方に連結され、内部に流入チェックバルブ190と排出チェックバルブ200とが一方向にだけ流体を通過させるように連結される移送管180;前記毛細管110の中央部分に注入され、内部に電気接触ピン150の具備される水銀130;片側の側面は前記水銀130と隣接して、他方の側面は移送される流体に隣接するように毛細管110に満たされ、内部に電極160の具備される電解質溶液140;及び前記電気接触ピン150と電極160との間に電圧を供給する電源170を含んでいる。
【0009】
前記マイクロポンプの作用をみると、電源170から方形波またはサイン波の電圧を電極に印加すると、水銀130の界面張力が印加される電圧により変わる。電圧により水銀130の界面張力が周期的に変わると、水銀130は毛細管110の内部で供給される電圧の周期に従い往復運動をする。
【0010】
このように、水銀130が毛細管110で気体室120の方へ移動すると、電解質溶液140と毛細管110の他方の端部にあった電解質溶液と流体とも気体室120の方へ移動して、この空間を満たすために流入チェックバルブ190が開放されて、毛細管110の他方の端部に外部の流体が追加で流入される。
【0011】
そして、水銀130が反対に毛細管110で気体室120から遠ざかる方へ移動すると、電解質溶液140と共に移動して、高まった圧力により排出チェックバルブ200が開放されて流体を目的の部分に移送させる。このような過程を繰り返して流体を持続的に移送させることができる。
【0012】
ところが、このような従来のマイクロポンプが作動するためには、一定以上の圧力が形成されなければならず、かつチェックバルブの動作に異常のある場合は、毛細管内部に過度な圧力増加が発生することになる。
【0013】
これにより、マイクロポンプを介して体内に薬品等を注入する場合、危険が発生するという問題点があった。
【0014】
また、このような従来のマイクロポンプは、外部印加電圧により水銀が移動しながら流体を吸入及び排出させるものであり、毛細管の内部に気体だけでなく、水銀及び電解質溶液が内蔵されなければならず、この水銀に電気接触ピンが具備されなければならないので、構成が複雑になるという短所があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
前記従来の技術による問題点を解決するための本発明の目的は、毛細管の片側に一定の抵抗圧力を有する排出管を形成して、毛細管内の気体圧力が排出管の抵抗圧力以下である場合、流体が気体圧力により流入及び排出されるようにして、毛細管内の気体圧力が排出管の抵抗圧力以上になると、気体が排出管を介して毛細管の外部に排気されるようにするリリーフバルブまたは安定器の役割を遂行するようにすることにより、別途の媒介体を具備せずとも、気体圧力だけを利用して流体供給を取り締まることができ、移送管内部に一定以上の圧力が加えられることを防止することのできる微細流体ポンプに形成されたバルブと、このバルブの具備された微細流体ポンプとを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記の技術的な課題を解決するための本発明は、気体供給手段と流体移送管とが各々連結された毛細管を具備した微細流体ポンプに具備され、流体の流入及び排出を取り締まるバルブに関するものであり、前記バルブは、前記毛細管の片側に連結されて前記毛細管の内部と連通され、かつ片側が開放され、一定の抵抗圧力を有するように内部に液体の満たされた排出管を含んでおり、前記毛細管内の気体圧力が排出管の有する抵抗圧力以上になると、毛細管内の気体が前記排出管を介して毛細管の外部に排気されるように構成される。
【0017】
前記の技術的な課題を解決するための本発明のバルブを具備された微細流体ポンプは、流体の移動する毛細管と、前記毛細管の片側に連結され、内部に流入チェックバルブ及び
排出チェックバルブを具備された移送管と、前記毛細管内部の流体が移動できるように気体を供給する気体供給手段とを含むマイクロポンプに関するものであり、前記毛細管の片側には、前記毛細管の内部と連通され、一定の抵抗圧力を有するように内部に液体が満たされ、片側が開放される排出管からなり、前記毛細管内の気体圧力が排出管の有する抵抗圧力以上になると、毛細管内の気体が前記排出管を介して排気されるようにするバルブがさらに具備される。
【0018】
前記本発明のバルブ及びこのバルブの具備された微細流体ポンプにおいて、前記バルブは、前記毛細管の内部圧力が一定圧力以上になると、前記毛細管内部の気体が前記排出管を介して外部に排気されるようにして、内部圧力を大気圧に調整するリリーフバルブの役割を遂行し、または前記排出管の内部に内蔵された液体と前記排出管の片側上部に形成された排気部とをさらに含み、前記毛細管の内部圧力が一定圧力以上になると、前記毛細管内部の圧力が安定化される時まで、毛細管内の気体が前記液体を通過して気泡状態で外部に排気されるようにして、内部圧力を一定に安定化させる安定器の役割を遂行する。
【0019】
本発明は、添付の図面を参照して記述される好ましい実施例を介してより明白になるだろう。以下では本発明の実施例を介して当業者が容易に理解して、再現できるように詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図2は、本発明の一実施例によるバルブを示した構成図であり、本発明の一実施例によるバルブ2は、気体供給手段と流体移送管とが各々連結された毛細管1を具備した微細流体ポンプに具備され、流体の流入及び排出を取り締まるバルブにおいて、前記毛細管1の片側に連結されて前記毛細管1の内部と連通して、その片側が開放され、一定の抵抗圧力を有する排出管21を含んでおり、前記毛細管1内の気体圧力が排出管21の有する抵抗圧力以上になると、前記毛細管1内の気体が前記排出管21を介して完全排気されるようにするリリーフバルブの役割を遂行する。
【0021】
図3及び図4は、本発明の一実施例によるバルブの作用を説明するための図面であり、前記バルブ2は、その内部の液体と気体との間の境界面に形成される管内部圧力(Pb、以下抵抗圧力という)を有する排出管21を含み、図3に示されているように前記毛細管1内の気体は、所定の圧力を介して毛細管1内の流体を押し出すのだが、前記毛細管1内の気体圧力Paが前記抵抗圧力Pbよりも低く、流体の圧力Pcよりも高い場合、流体を持続的に押し出す。
【0022】
一方、図4に示されているように、前記毛細管1内の気体圧力Paが、継続して上昇して排出管21の抵抗圧力Pbよりも高くなると、排出管21の抵抗圧力Pbが、毛細管1内の気体圧力に耐え切れなくなり、気体が流体をそれ以上押し出せなくなり、前記排出管21を介して外部に完全に排気される。
【0023】
このように本発明によるバルブ2は、別途の媒介体を具備せずとも、気体圧力と排出管21の抵抗圧力とだけを利用して、流体を押し出す圧力、つまり毛細管1内の気体圧力が一定圧力以上になると、言い換えれば気体が排出管21の抵抗圧力以上になると、気体が毛細管1の外部に完全に排気されるようにするリリーフバルブの役割を遂行することにより、流体に過度な圧力が加えられることを防止することができる。
【0024】
図5乃至図7は、本発明の一実施例によるバルブの具備された微細流体ポンプ及びその作用を説明するための構成図であり、本発明の微細流体ポンプは、流体の移動する毛細管1と、前記毛細管1の片側に連結され、内部に流入チェックバルブ31及び排出チェックバルブ32を具備された移送管3と、前記毛細管1内部の流体が移動できるように気体を供給する気体供給手段4とを含むマイクロポンプにおいて、前記毛細管1の片側に具備され、前記毛細管1の内部と連通して、一定の圧力を有する排出管21を含んでおり、前記毛細管1内の気体圧力が排出管21の有する抵抗圧力以上になると、毛細管1内の気体が前記排出管21を介して外部に完全排気されるようにするリリーフバルブの役割を遂行するバルブ2がさらに具備されることを特徴とする。
【0025】
このような本発明によるリリーフバルブの役割をするバルブの具備された微細流体ポンプの作用を見てみると、次の通りである。
【0026】
まず、図5に示されているように、気体供給手段4からの気体供給が無いと、または毛細管1内部の気体圧力Paが移送管3に流入される流体圧力Pc及び排出管21の抵抗圧力Pbよりも低く、流体の圧力が排出管21の抵抗圧力よりも低いと、流入チェックバルブ31が開放されながら流体が流入される。
【0027】
一方、図6に示されているように、気体供給手段4から気体供給が行われると、毛細管1内部の気体圧力Paが、移送管3に流入される流体圧力Pcより大きくなり流体を押し出すのだが、この時流入チェックバルブ31は閉ざされ、排出チェックバルブ32が開放されながら流体が排出チェックバルブ32を介して排出される。ここで、排出管21の抵抗圧力Pbは、毛細管内部の気体圧力Paよりも大きい。
【0028】
このように、排出チェックバルブ32を介した流体供給により一定量以上の流体が供給されると、またはチェックバルブが故障になると、移送管3に過度な抵抗が発生して、流体圧力Pcが上昇することになり、気体が持続的に供給されると、増加する気体により毛細管1内部の気体圧力Paも高くなる。
【0029】
このように、毛細管1内部の気体圧力Paが高くなり排出管21の抵抗圧力Pb以上になると、排出管21は、それ以上気体に対して抵抗することができなくなり、結局図7に示されているように、圧力の高くなった気体が排出管21を介して毛細管1の外部に排気され、毛細管内の圧力は大気圧状態になる。
【0030】
言い換えると、従来のバルブを利用する場合、流体が一定量以上供給された状態、またはチェックバルブが故障した状態で気体圧力が継続して高くなると、過度な流体が継続して供給される可能性、または微細流体ポンプが誤作動する問題が発生する可能性があり、例えば人体に薬物等を投与する場合、人体が危険状態に陥る可能性があるという問題点があった。
【0031】
しかし、本発明のリリーフバルブの役割をするバルブ2は、一定抵抗圧力を有しており、この抵抗圧力以上の圧力が加えられると、気体を外部に排気させることにより、このような危険原因を解消することができるのである。
【0032】
図8は、本発明の他の実施例によるバルブを示した構成図であり、図9は、図8のA−A’線間の断面図であり、本発明の他の実施例によるバルブ2は、気体供給手段と流体移送管3とが各々連結された毛細管1を具備した微細流体ポンプに具備され、流体の流入及び排出を取り締まるバルブにおいて、前記毛細管1の片側に連結されて前記毛細管1の内部と連通して、一定の抵抗圧力を有しており、その内部に液体211が内蔵され、開放部212の形成された排出管21を含んでおり、前記毛細管1内の気体圧力が排出管21の有する抵抗圧力以上になると、前記毛細管1内の気体が前記排出管21の開放部212を介して気泡状態で排気されるようにして、前記毛細管1内部の圧力を安定化させる安定器の役割を遂行するものである。
【0033】
図10は、本発明による安定器の役割を遂行するバルブの連結された毛細管内の時間に伴う圧力変化を示したグラフであり、図8乃至図10を参照して本発明の他の実施例によるバルブの作用をみると、次の通りである。
【0034】
まず、毛細管1内の気体圧力Paが前記抵抗圧力Pbより低い場合は、流体を持続的に押し出すことになり、継続的な気体供給により毛細管1内の圧力は時間が経つにつれ高くなる。そして、毛細管1内の気体圧力Paが継続して高くなり、前記排出管21の抵抗圧力Pbより高くなる“A”支点に到達すると、排出管21の抵抗圧力Pbが毛細管1内の気体圧力に耐え切れず、毛細管1内の気体が前記排出管21から排気される。
【0035】
このように、毛細管1内の気体が排出管21を介して排出されると、毛細管1内の圧力は区間“3”のように減少することになる。
【0036】
以後、毛細管1から一定量の気泡が定期的に排出管21から排出されるのだが、排出管21から排出される気体は、液体211上部に気泡形態で通過して外部に排気されると、毛細管1内の圧力Paが一定に維持される区間“4”のような平衡状態に到達することになる。
【0037】
図11は、本発明の他の実施例によるバルブの具備された微細流体ポンプ及びその作用を説明するための構成図であり、本発明の他の実施例によるバルブの具備された微細流体ポンプは、流体の移動する毛細管1と、前記毛細管1の片側に連結され、内部に流入チェックバルブ31及び排出チェックバルブ32を具備された移送管3と、前記毛細管1内部の流体が移動できるように気体を供給する気体供給手段4とを含むマイクロポンプにおいて、前記毛細管1の片側に前記毛細管1の内部と連通して、一定の抵抗圧力を有しており、その内部に液体211が内蔵され、開放部212の形成された排出管21を含んでおり、前記毛細管1内の気体圧力が排出管21の有する抵抗圧力以上になると、前記毛細管1内の気体が前記排出管21の開放部212を介して気泡状態で排気されるようにして、前記毛細管1内部の圧力を安定化させる安定器の役割を遂行するバルブ2がさらに具備されるのである。
【0038】
このような本発明による安定器の役割をするバルブの具備された微細流体ポンプの作用をみると、次の通りである。
【0039】
まず、気体供給手段4からの気体供給が無いと、または毛細管1内部の気体圧力Paが排出管21の抵抗圧力Pb及び移送管3に流入される流体圧力Pcよりも低いと、流体チェックバルブ31が開放されながら流体が流入される。
【0040】
一方、気体供給手段4から排出管21の抵抗圧力Pbよりも低い圧力で継続的に気体供給がなされると、毛細管1内部の気体圧力Paが移送管3から流入される流体圧力Pcよりも高くなりながら流体を押し出すのだが、この時流入チェックバルブ31が閉じられ、排出チェックバルブ32が開放されながら、流体は排出チェックバルブ32を介して排出される。
【0041】
このように、毛細管1内への気体供給により流体供給が持続的になされるのだが、流体供給が一定量以上になると、またはチェックバルブが故障になると、移送管3に過度な抵抗が発生して、この状態で気体が継続的に供給されると、毛細管1内部の気体圧力Paも過度に増加する。
【0042】
結局、毛細管1内部の気体圧力Paが排出管21の抵抗圧力Pbよりも高くなり、排出管21は、それ以上気体に対して抵抗することができなくなる。
【0043】
これにより、毛細管1内の気体が排出管21に内蔵された液体を通過して気泡状態で外部に排気され、一定量の気体が外部に排気されると、前記排出管21に内蔵された液体により毛細管1内の圧力は平衡状態に安定化される。
【0044】
このように、本発明の他の実施例による安定器の役割を遂行するバルブ2は、別途の媒介体を具備せずとも、気体圧力と排出管21の抵抗圧力とだけを利用して流体供給を取り締まるのだが、流体を押し出す圧力、つまり毛細管1内の気体圧力が一定圧力以上になると、言い換えれば気体が排出管21の抵抗圧力以上になると、毛細管1内部の圧力が安定化される時まで気体が排出管21に内蔵された液体を通過して気泡状態で排気されるようにすることにより、毛細管内の圧力を一定に維持して安定化させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
上述のように、本発明は、毛細管の片側に一定抵抗による圧力を有する排出管を形成して、毛細管内の気体圧力が排出管の抵抗圧力以下の場合、流体は気体圧力により流入および排出されるようにして、毛細管内の気体圧力が排出管の抵抗圧力以上になると、気体が排出管を介して毛細管の外部に完全に排気されるようにするリリーフバルブの役割を遂行するようにしたり、毛細管内部の圧力が安定化される時まで気泡状態で排気されるようにする安定器の役割を遂行したりするようにすることにより、別途の媒介体を具備せずとも、気体圧力だけを利用して流体供給を取り締まることができ、装置構成を簡素化することができ、移送管内部に一定以上の圧力が加えられることを防止して、破損及び誤作動等の危険原因を解消することができるという利点がある。
【0046】
本発明は、添付の図面を参照して好ましい実施例を中心に記述されたが、当業者ならこのような記載から本発明の範疇を脱することなく、多くの多様で自明な変形が可能だということは明白である。従って、本発明の範疇は、このような多くの変形例を含むように記述された特許請求の範囲により解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】従来の技術によるマイクロポンプの一例を示した構成図である。
【図2】本発明の一実施例によるバルブを示した構成図である。
【図3】本発明の一実施例によるバルブの作用の説明図である。
【図4】本発明の一実施例によるバルブの作用の説明図である。
【図5】本発明の一実施例によるバルブの具備された微細流体ポンプ及びその作用を説明するための構成図である。
【図6】本発明の一実施例によるバルブの具備された微細流体ポンプ及びその作用を説明するための構成図である。
【図7】本発明の一実施例によるバルブの具備された微細流体ポンプ及びその作用を説明するための構成図である。
【図8】本発明の他の実施例によるバルブを示した構成図である。
【図9】図8のA−A’線間の断面図である。
【図10】本発明による安定器の役割を遂行するバルブの連結された毛細管内の時間に伴う圧力変化を示したグラフである。
【図11】本発明による他の実施例によるバルブの具備された微細流体ポンプ及びその作用を説明するための構成図である。
【符号の説明】
【0048】
1:毛細管
2:バルブ
3:移送管
4:気体供給手段
21:排出管
31:流入チェックバルブ
32:排出チェックバルブ
211:液体
212:開放部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体供給手段と流体移送管とが各々連結された毛細管1を具備した微細流体ポンプに具備され、流体の流入及び排出を取り締まるバルブにおいて、
前記バルブ2は、
前記毛細管1の片側に連結されて前記毛細管1の内部と連通され、かつ片側が開放され、一定の抵抗圧力を有するように内部に液体の満たされた排出管21を含んでおり、前記毛細管1内の気体圧力が排出管21の有する抵抗圧力以上になると、毛細管1内の気体が前記排出管21を介して毛細管の外部に排気されるように構成されていることを特徴とするバルブ。
【請求項2】
前記バルブ2は、
前記毛細管1の内部圧力が一定圧力以上になると、前記毛細管1内部の気体が前記排出管21を介して外部に排気されるようにして、内部圧力を大気圧に調整するリリーフバルブの役割を遂行することを特徴とする請求項1に記載のバルブ。
【請求項3】
前記バルブ2は、
前記排出管21の片側上部に形成された排気部212をさらに含み、
前記毛細管1の内部圧力が一定圧力以上になると、前記毛細管1内部の圧力が安定化される時まで、毛細管1内の気体が前記液体211を通過して気泡状態で外部に排気されるようにして、内部圧力を一定に安定化させる安定器の役割を遂行することを特徴とする請求項1に記載のバルブ。
【請求項4】
流体の移動する毛細管1と、
前記毛細管1の片側に連結され、内部に流入チェックバルブ31及び排出チェックバルブ32を具備された移送管3と、
前記毛細管1内部の流体が移動できるように気体を供給する気体供給手段4とを含むマイクロポンプにおいて、
前記毛細管1の片側には、
前記毛細管1の内部と連通され、一定の抵抗圧力を有するように内部に液体が満たされ、片側が開放される排出管21からなり、前記毛細管1内の気体圧力が排出管21の有する抵抗圧力以上になると、毛細管1内の気体が前記排出管21を介して排気されるようにするバルブ2がさらに具備されていることを特徴とするバルブの具備された微細流体ポンプ。
【請求項5】
前記バルブ2は、
前記毛細管1の内部圧力が一定圧力以上になると、前記毛細管1内部の気体が前記排出管21を介して外部に排気されるようにして、内部圧力を大気圧に調整するリリーフバルブの役割を遂行することを特徴とする請求項4に記載のバルブの具備された微細流体ポンプ。
【請求項6】
前記バルブ2は、
前記排出管21の片側に形成された排気部212をさらに含み、
前記毛細管1の内部圧力が一定圧力以上になると、前記毛細管1内部の圧力が安定化される時まで、毛細管1内の気体が前記液体211を通過して気泡状態で外部に排気されるようにして、内部圧力を一定に安定化させる安定器の役割を遂行することを特徴とする請求項4に記載のバルブの具備された微細流体ポンプ。
【請求項1】
気体供給手段と流体移送管とが各々連結された毛細管1を具備した微細流体ポンプに具備され、流体の流入及び排出を取り締まるバルブにおいて、
前記バルブ2は、
前記毛細管1の片側に連結されて前記毛細管1の内部と連通され、かつ片側が開放され、一定の抵抗圧力を有するように内部に液体の満たされた排出管21を含んでおり、前記毛細管1内の気体圧力が排出管21の有する抵抗圧力以上になると、毛細管1内の気体が前記排出管21を介して毛細管の外部に排気されるように構成されていることを特徴とするバルブ。
【請求項2】
前記バルブ2は、
前記毛細管1の内部圧力が一定圧力以上になると、前記毛細管1内部の気体が前記排出管21を介して外部に排気されるようにして、内部圧力を大気圧に調整するリリーフバルブの役割を遂行することを特徴とする請求項1に記載のバルブ。
【請求項3】
前記バルブ2は、
前記排出管21の片側上部に形成された排気部212をさらに含み、
前記毛細管1の内部圧力が一定圧力以上になると、前記毛細管1内部の圧力が安定化される時まで、毛細管1内の気体が前記液体211を通過して気泡状態で外部に排気されるようにして、内部圧力を一定に安定化させる安定器の役割を遂行することを特徴とする請求項1に記載のバルブ。
【請求項4】
流体の移動する毛細管1と、
前記毛細管1の片側に連結され、内部に流入チェックバルブ31及び排出チェックバルブ32を具備された移送管3と、
前記毛細管1内部の流体が移動できるように気体を供給する気体供給手段4とを含むマイクロポンプにおいて、
前記毛細管1の片側には、
前記毛細管1の内部と連通され、一定の抵抗圧力を有するように内部に液体が満たされ、片側が開放される排出管21からなり、前記毛細管1内の気体圧力が排出管21の有する抵抗圧力以上になると、毛細管1内の気体が前記排出管21を介して排気されるようにするバルブ2がさらに具備されていることを特徴とするバルブの具備された微細流体ポンプ。
【請求項5】
前記バルブ2は、
前記毛細管1の内部圧力が一定圧力以上になると、前記毛細管1内部の気体が前記排出管21を介して外部に排気されるようにして、内部圧力を大気圧に調整するリリーフバルブの役割を遂行することを特徴とする請求項4に記載のバルブの具備された微細流体ポンプ。
【請求項6】
前記バルブ2は、
前記排出管21の片側に形成された排気部212をさらに含み、
前記毛細管1の内部圧力が一定圧力以上になると、前記毛細管1内部の圧力が安定化される時まで、毛細管1内の気体が前記液体211を通過して気泡状態で外部に排気されるようにして、内部圧力を一定に安定化させる安定器の役割を遂行することを特徴とする請求項4に記載のバルブの具備された微細流体ポンプ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−75866(P2008−75866A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−344324(P2006−344324)
【出願日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【出願人】(501384562)コリア インスティチュート オブ マシナリー アンド マテリアルズ (15)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【出願人】(501384562)コリア インスティチュート オブ マシナリー アンド マテリアルズ (15)
【Fターム(参考)】
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