説明

バルブ構造

【課題】環状の凹部の内奥側に凝縮水が溜まることを防止することができ、シート部材やバルブ部材の腐食を確実に防止することができるコンパクトなバルブ構造を提供する。
【解決手段】バルブ部材13が閉弁位置にあるとき、シート部材12およびバルブ部材13により上向きに開放される環状の凹部15が形成されるバルブ構造であって、環状のシート部材12と閉弁位置のバルブ部材13とが、環状の凹部15の内奥側でバルブ孔11cを閉止するとともに、環状のシート部材12の中心軸線Cが鉛直方向に対して傾斜し、環状の凹部15を形成する環状のシート部材12の上面12fのうち鉛直方向で最も下方側に位置する周方向の一部の上面12faは、その周方向の残部の上面12fbに比べて環状のシート部材12の中心軸線Cに対する開き角度が大きくなっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルブ部材をシート部材に係合・離脱させて開閉されるバルブ構造に関し、特にバルブ部材やシート部材にテーパ面を採用したポペットバルブ等に好適なバルブ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
流量制御バルブに多用されるポペット型等のバルブ構造においては、閉弁時のシール性を確保したり開弁時の所要の流量を確保したりするべく、バルブ部材のシート部材との係合面やシート部材の内周面をテーパ面としたものが多い。
【0003】
このようなバルブ構造は、例えば内燃機関の排気再循環システムに用いられるEGRバルブに好適に用いることができるが、その場合、吸気系に再循環させる排気ガス中に含まれる水分が凝縮して凝縮液が生じ易いことに加えて、その凝縮水に排気ガス中の硫黄化合物等が溶け込み易い。そのため、強い酸性の凝縮水によってEGRバルブの部品が腐食したりEGRバルブの耐久性が低下したりするのを防止することのできるバルブ構造であることが要求される。
【0004】
この種の従来のバルブ構造としては、例えばバルブ部材とシート部材の係合部よりも上流側の流体通路の軸線を水平でなく傾斜させたりバルブ装置の取付け面を傾斜させたりしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、バタフライ型のバルブ構造において、そのバルブ部材の近傍の通路内壁面を頂部としてその前後の通路内壁面を傾斜させるようにしたもの(例えば、特許文献2参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平09−151811号公報
【特許文献2】特開2007−231826号公報(特に、図9)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述のような従来のバルブ構造にあっては、バルブ部材が閉弁位置にあるとき、シート部材およびバルブ部材によって両者間に上向きに開放される環状の凹部が形成され、その環状の凹部の内奥側に閉弁時のシール部位(以下、環状のシールラインという)が形成される構成となっていた。
【0008】
そのため、凝縮水がバルブ部材の近傍から流下し易くなるように流体通路の軸線を傾斜させるだけでは、環状の凹部内であって鉛直方向下方側の部分に酸性の凝縮水が比較的多量(腐食を惹起し易い程度の量の意)に溜まってしまうことを防止できず、環状の凹部を形成するシート部材やバルブ部材の腐食を防止することが非常に困難になっていた。
【0009】
そこで、本発明は、環状の凹部の内奥側に凝縮水が溜まることを防止することができ、シート部材やバルブ部材の腐食を確実に防止することができるコンパクトなバルブ構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るバルブ構造は、上記課題を解決するため、(1)バルブ孔を形成する環状のシート部材と、前記環状のシート部材の内周部に係合して前記バルブ孔を閉止する閉弁位置および前記環状のシート部材の内周部から離脱して前記バルブ孔を開放する開弁位置に変位可能なバルブ部材と、を備え、前記バルブ部材が前記閉弁位置にあるとき、前記環状のシート部材および前記バルブ部材により上向きに開放される環状の凹部が形成されるバルブ構造であって、前記環状のシート部材と前記閉弁位置の前記バルブ部材とが、前記環状の凹部の内奥側で前記バルブ孔を閉止するとともに、前記環状のシート部材の中心軸線が、鉛直方向に対して傾斜し、前記環状の凹部を形成する前記環状のシート部材の上面のうち鉛直方向で最も下方側に位置する周方向の一部の上面は、該周方向の残部の上面に比べて前記環状のシート部材の中心軸線に対する開き角度が大きくなっていることを特徴とする。
【0011】
この構成により、本発明では、鉛直方向で最も下方側に位置する周方向の一部の上面が周方向の残部の上面に比べて大きな開き角度を有しているので、環状の凹部内に液体が入ってその内奥側の環状のシールラインの最下点付近に流下したとき、その近傍に位置する流下開始点から環状のシート部材の周方向の一部の上面上を通って液体が環状の凹部の外部に排出され易くなる。しかも、周方向の残部の上面の開き角度は小さくて済むので、環状のシート部材を大径にせずに済む。
【0012】
本発明のバルブ構造においては、好ましくは、(2)前記環状のシート部材の周方向の一部の上面が、前記環状のシート部材の半径方向の内端の近傍に鉛直方向で最も高い流下開始点を有し、該流下開始点より前記環状のシート部材の半径方向の外側の全域にわたって、前記流下開始点以下の鉛直方向高さを有している。この構成により、バルブシール部の加工や耐久性を確保しつつ、環状の凹部の内奥側に凝縮水が溜まるのを防止できる。
【0013】
本発明のバルブ構造においては、(3)前記環状のシート部材の周方向の一部の上面は、前記流下開始点に対して前記径方向の外側で鉛直方向高さが低くなっていることが好ましい。これにより、環状の凹部の内奥側に凝縮水が溜まるのを確実に防止できる。
【0014】
本発明のバルブ構造においては、(4)前記環状のシート部材の周方向の一部の上面が、前記半径方向の外側になるほど鉛直方向高さが低くなるように径方向の略全域にわたって傾斜しているのが好ましい。これにより、環状の凹部内に液体が入っても流下により排出されることになり、環状の凹部の内奥側に凝縮水が溜まることが確実に防止されることとなる。
【0015】
本発明のバルブ構造においては、(5)前記環状のシート部材の周方向の一部に前記環状のシート部材の径方向に延びる切欠き溝が形成され、該切欠き溝の内底面が前記環状のシート部材の前記周方向の一部の上面となっていてもよい。この場合、周方向の一部に切欠き溝を形成することで、環状のシート部材の径寸法を抑えながらも、環状の凹部内に液体が溜まることが確実に防止可能となる。
【0016】
本発明のバルブ構造においては、(6)前記環状のシート部材の上面が、前記環状のシート部材の周方向の一部を除く範囲内で、前記バルブ孔の内周縁から径方向の外側に広がるよう前記バルブ孔の中心軸線に対して傾斜した環状傾斜面を形成していることが望ましい。この場合、環状の凹部内に入る液体を確実に周方向の一部に集め、周方向の一部の上面から環状の凹部の外部に排出させることができる。
【0017】
上記(6)の構成を有するバルブ構造においては、(7)前記環状のシート部材の前記バルブ孔の中心軸線が、前記環状のシート部材の外周面の中心軸線から外れるよう偏倚しており、前記バルブ孔の中心軸線に対する前記環状傾斜面の開き角度が、前記環状のシート部材の周方向の一部側で大きくなっていてもよい。この場合、バルブ孔の中心軸線に対する環状傾斜面の開き角度を環状のシート部材の周方向の一部で大きくしつつ、環状のシート部材の径寸法を抑えることができる。
【0018】
本発明のバルブ構造においては、(8)前記バルブ孔の前後に上流側通路および下流側通路を形成するとともに前記環状のシート部材を保持するバルブハウジングをさらに備え、前記バルブハウジングは、前記流下開始点以下の鉛直方向高さで前記環状のシート部材の周方向の一部の上面に隣接する隣接内壁面を有していることが好ましい。この場合、環状の凹部内に入る液体を環状のシート部材の上面より径方向外側に確実に排出させることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、環状のシート部材の中心軸線に対して、環状のシート部材の上面のうち鉛直方向で最も下方側に位置する周方向の一部の上面の開き角度を周方向の残部の上面の開き角度よりも大きくしているので、環状の凹部内に液体が入って環状のシールラインの最下点付近に流下したとき、その近傍に位置する流下開始点から環状のシート部材の周方向の一部の上面上を通って液体が環状の凹部の外部に排出され易くなるとともに、環状のシート部材を大径にせずに済み、環状の凹部の内奥側にバルブ主要部品の腐食を招来し易い液体が溜まるのを確実に防止できるコンパクトなバルブ構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態に係るバルブ構造の概略断面図である。
【図2】図2(a)は、本発明の第1実施形態に係るバルブ構造を示すその要部拡大断面図であり、図2(b)は、そのバルブシートの内面形状を図2(a)中の右側に向かって見た部分拡大図である。
【図3】本発明の第1実施形態の作用説明図である。
【図4】図4(a)は、本発明の第2実施形態に係るバルブ構造を示すその要部拡大断面図であり、図4(b)は、そのバルブシートの内面形状を図4(a)中の右側に向かって見た部分拡大図である。
【図5】図5(a)は、本発明の第3実施形態に係るバルブ構造を示すその要部拡大断面図であり、図5(b)は、そのバルブシートの内面形状を図5(a)中の右側に向かって見た部分拡大図である。
【図6】図6(a)は、本発明の第4実施形態に係るバルブ構造の要部拡大半断面図であり、図6(b)は、本発明の第5実施形態に係るバルブ構造の要部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0022】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るバルブ構造を自動車(車両)用の内燃機関のEGRシステム(排気再循環システム)に装備されるEGRバルブ(排気再循環バルブ)に適用したものである。なお、EGRシステム自体については詳述しないが、EGRバルブは、内燃機関の排気通路側から吸気通路に排気ガスの一部を還流させるEGR通路(排気還流通路)の途中に配置されており、EGR通路を吸気通路に接続させる開弁状態と、その接続を制限、例えば遮断する閉弁状態とに切り替え可能になっている。
【0023】
まず、本実施形態の構成について説明する。
【0024】
図1に示すように、本実施形態のEGRバルブ10は、バルブハウジング11と、そのバルブハウジング11内に収納された環状のシート部材12およびポペット状のバルブ部材13と、バルブ部材13をシート部材12に対し相対変位させるバルブ駆動機構14と、を備えている。
【0025】
バルブハウジング11は、図示しない内燃機関の一部、例えば吸気マニホールド、シリンダヘッドまたはシリンダブロックに着脱可能に支持されており、バルブハウジング11が内燃機関の一部に支持されたとき、環状のシート部材12およびバルブ部材13の中心軸線Cは、図2中の一点鎖線Vの延在方向である鉛直方向に対して所定の傾斜角度ψだけ傾斜するようになっている。
【0026】
また、バルブハウジング11の内部には、バルブハウジング11の取付け面側となる外端側で内燃機関の排気通路に連通するよう接続される入口通路11a(上流側通路)と、バルブハウジング11の取付け面側となる外端側で内燃機関の吸気通路に連通するよう接続される出口通路11b(下流側通路)と、これら入口通路11aおよび出口通路11bの内端を互いに連通させるバルブ孔11cとが、それぞれ形成されている。
【0027】
ここで、入口通路11aおよび出口通路11bは、それぞれの内端側で互いに略平行に延在しており、これら入口通路11aおよび出口通路11bの内端部の間の円形のバルブ孔11cは、バルブハウジング11に保持された環状のシート部材12の内方に形成されている。
【0028】
図2に示すように、環状のシート部材12は、その外周側では厚くなっており、その内周側では薄くなっている。また、環状のシート部材12の内周部12eに隣接する上面12fは、環状のシート部材12のバルブ孔11cの中心軸線Cに対して径方向外側に傾斜した線分(直線、曲線もしくは屈曲線またはこれらの組合せのいずれか)をステム部13bの中心軸線回りに回転させた周壁面となっている。
【0029】
バルブ部材13は、環状のシート部材12の内周部12eに係合可能な頭部13aと、一端側に頭部13aが固定されるとともに他端側でバルブ駆動機構14に軸方向移動可能に支持されたステム部13bとを有している。このバルブ部材13は、バルブ駆動機構14により軸方向に駆動され、環状のシート部材12の内周部12eに係合してバルブ孔11cを閉止する閉弁位置(図1中に実線で示すバルブ部材13の位置)と、環状のシート部材12の内周部12eから離脱してバルブ孔11cを開放する開弁位置(図1中に仮想線で示すバルブ部材13の位置)とに、変位可能になっている。
【0030】
また、バルブ部材13の頭部13aは、ステム部13bに支持される部位を頂部とする略円錐形状または円錐台形状を有しており、その頭部13aのテーパ面13fは、ステム部13bの中心軸線Cに対し径方向内側に傾斜した線分(直線、曲線もしくは屈曲線またはこれらの組合せのいずれか)をステム部13bの中心軸線回りに回転させた周壁面となっている。
【0031】
バルブ駆動機構14は、例えばバルブ部材13を開弁側に付勢する電磁力を発生する電磁駆動部と、バルブ部材13を閉弁側に常時付勢する公知の圧縮コイルばね(復帰ばね)とを有する公知のものである。このバルブ駆動機構14は、電磁駆動部に供給される所定時間当りの開弁指示信号の供給時間の長さ(デューティー比)を変化させることで、その開度を制御することができるようになっている。なお、バルブ駆動機構14は、流体圧を用いて付勢力を発生する機構であってもよいし、ねじやカムとモータ等を用いて付勢力を発生させるもの等であってもよい。また、バルブ駆動機構14は、バルブ部材13の頭部13aのような弁体をステム部13bと直交する軸線回りに回動させることで、環状のシート部材12の内周部12eに係合および離脱させるような機構であってもよい。すなわち、EGRバルブ10は、バルブ部材13を直動させるものである必要はない。
【0032】
図1および図2に示すように、環状のシート部材12およびバルブ部材13の間には、バルブ駆動機構14側に向かって斜め上向きに開放される環状の凹部15が形成されている。また、バルブ部材13が閉弁位置にあるとき、環状の凹部15を形成する環状のシート部材12の上面12fとバルブ部材13の頭部13aのテーパ面13fとは、環状の凹部15の内奥側でバルブ孔11cを液密的に閉止する環状のシールライン16を形成するようになっている。環状のシート部材12と閉弁位置のバルブ部材13とは、バルブ部材13が閉弁位置にあるとき、環状の凹部15の内奥側でバルブ孔11cを閉止するようになっている。
【0033】
また、環状のシート部材12の中心軸線Cが鉛直方向に対して傾斜していることによって、環状のシート部材12の上面12fのうち周方向の一部の上面12faは、環状の凹部15を形成する環状のシート部材12の上面12fのうち鉛直方向で最も下方側に位置している。さらに、この周方向の一部の上面12faは、環状のシート部材12の周方向の残部の上面12fbに比べて、環状のシート部材12の中心軸線Cに対する開き角度が大きくなっている。
【0034】
ここにいう開き角度とは、図3(a)および図3(b)に示すように、環状の凹部15の主要部分15aを形成する環状のシート部材12の上面12fのうち、半径方向における周方向の一部の上面12faの内端とその内端より半径方向の外方側であって鉛直方向で最も高い位置に位置する部分の上端とに接する仮想の直線hが、環状のシート部材12の中心軸線Cに対してなす角度(挟角)である。本実施形態においては、周方向の一部の上面12faが直線を母線とする環状の傾斜面であることから、その内端e1とそれより半径方向の外方側であって鉛直方向で最も高い位置に位置する部分に接する直線は、周方向の一部の上面12faの外端e2を通るものとなり、周方向の一部の上面12faの内端e1と外端e2を結ぶ直線が環状のシート部材12の中心軸線Cに対してなす角度が開き角度となっている。なお、環状の凹部15の主要部分15aとは、環状の凹部15のうち環状のシート部材12と閉弁位置のバルブ部材13との間のわずかな環状隙間部分15b(図3(b)参照)を除く意であり、この環状隙間部分15bは、部品加工や耐久性の面から環状のシールライン16の近傍に要求されるものである。
【0035】
具体的には、環状のシート部材12の周方向の一部の上面12faは、環状のシート部材12の半径方向の内端の近傍に鉛直方向で最も高い位置に位置する流下開始点として内端e1(以下、流下開始点e1という)を有するとともに、その流下開始点e1より環状のシート部材12の半径方向の外側の全域にわたって、流下開始点e1以下の鉛直方向高さを有している。また、環状のシート部材12の周方向の一部の上面12faは、好ましくは、流下開始点e1に対して径方向の外側で鉛直方向高さがわずかに低くなっており、より好ましくは、流下開始点e1より半径方向の外側になるほど鉛直方向高さが徐々に低くなるように径方向の略全域にわたって下方側に傾斜している。
【0036】
すなわち、環状のシート部材12の周方向の一部の上面12faは、環状のシールライン16のうち鉛直方向で最も下方側に位置する最下点16aの近傍に位置する流下開始点e1を上端として、それよりも低い鉛直方向高さを有している。そして、環状の凹部15内に凝縮水等の液体が入っても、その液体が流下により環状の凹部15の外部に排出されるようになっている。
【0037】
より具体的には、環状のシート部材12の周方向の一部には、その内周側上面部で径方向に延びる切欠き溝12gが形成されており、この切欠き溝12gの内壁面が環状のシート部材12の周方向の一部の上面12faとなっている。そして、この周方向の一部の上面12faが、切欠き溝12gの内底部(図2(b)中の切欠き溝12gの幅方向中央部;環状のシート部材12の周方向の一部)にて、径方向の全域(図2(a)中の径方向幅aの範囲)にわたり、流下開始点e1以下の鉛直方向高さに位置している。
【0038】
また、周方向の一部の上面12faは、切欠き溝12gの内底部において、流下開始点e1の鉛直方向高さと径方向外端e2の鉛直方向高さが同一であるか、径方向外端e2の鉛直方向高さの方がわずかに低くなっている。この周方向の一部の上面12faは、切欠き溝12gの内底部において、環状のシート部材12の径方向の外側で鉛直方向高さが低くなり、環状のシート部材12の上面12f上からの凝縮水の排水が可能となるよう、径方向の全域にわたって同一方向に傾斜していることが望ましい。
【0039】
ここにいう高さや傾斜は、本実施形態のEGRバルブ10が取り付けられる内燃機関の停止時の姿勢または内燃機関が最も長い時間にわたってとる姿勢を基準とする。また、内燃機関がその基準姿勢をとるとき、車両は傾斜しないものとする。
【0040】
このように、環状のシート部材12の上面12fは、環状のシート部材12の周方向の一部に形成された切欠き溝12gの内底部において、流下開始点e1と同一かそれより低い鉛直方向高さを有するとともに、バルブ孔11cの中心軸線Cに対して開き角度θaだけ傾斜している。また、環状のシート部材12の周方向の残部の上面12fbは、切欠き溝12gを除く周方向の残部の範囲内で、環状のシールライン16から径方向の外側に広がるように径方向の全域にわたって同一方向に傾斜し、バルブ部材13および環状のシート部材12の中心軸線Cに対して開き角度θaより小さい開き角度θbだけ傾斜した環状傾斜面となっている。
【0041】
一方、バルブハウジング11は、流下開始点e1以下の鉛直方向高さで環状のシート部材12の周方向の一部の上面12faに隣接する隣接内壁面11faと、周方向の残部の上面12fbに隣接する隣接内壁面11fbとを有している。
【0042】
次に、作用について説明する。
【0043】
上述のように構成された本実施形態のEGRバルブ10においては、内燃機関の排気ガス中の水分が排気通路内で凝縮したり、その凝縮水に排気ガス中の硫黄化合物が溶け込んで酸性の液体となったりする。
【0044】
そして、そのような酸性の凝縮水が環状の凹部15内に流入し、その凝縮水が環状の凹部15内に一定量以上溜まると、内燃機関の運転中に例えば凝縮水の水分が蒸発してその凝縮水の濃度が濃くなった状態で、閉弁状態が長時間続く可能性がある。さらに、環状の凹部15内に一定量以上の凝縮水が溜まると、その凝縮水中の水分が蒸発しても、そこに溶け込んでいた硫黄化合物等が環状のシート部材12およびバルブ部材13の表面に付着して残留し、環状の凹部15内に溜まる凝縮水の濃度を増加させる要因が増すこととなる。したがって、従来のようなバルブシート形状のままであれば、環状のシールライン16の最下点16aの近傍において、環状のシート部材12およびバルブ部材13の上面12f,13fが腐食し易くなる。
【0045】
しかし、本実施形態では、凝縮水が環状の凹部15内に流入し、その凝縮水が環状のシールライン16の付近に流下すると、その最下点16aの付近から環状のシート部材12の周方向の一部の上面12fa上を通って環状の凹部15の外部に排出されることになる。したがって、環状の凹部15の内奥側に一定量を超える比較的多量の凝縮水が溜まることが防止される。
【0046】
すなわち、従来のようにバルブシートの内周側上面の開き角度が一定となる場合、図3(a)中に仮想線15c1で示すような液面高さとなり得るので、環状の凹部15内に比較的多量の凝縮水が溜まり得る。これに対し、本実施形態では、環状の凹部15内に溜まる凝縮水の液面高さは流下開始点e1を超えて流下し始めるときの液面高さまでに制限される。したがって、環状の凹部15の内奥側に一定量を超える比較的多量の凝縮水が溜まることが防止される。
【0047】
さらに、本実施形態においては、環状のシート部材12の周方向の一部の上面12faが、環状のシート部材12の周方向の一部における径方向の全域にわたって最下点16aと同一かそれより低い鉛直方向高さを有しているので、さらに、径方向の外側でその鉛直方向高さが低くなるよう径方向の全域にわたってわずかに傾斜するので、環状の凹部15の内奥部に凝縮水が溜まることを確実に防止できることになる。
【0048】
また、本実施形態においては、環状のシート部材12の周方向の一部に環状のシート部材12の径方向に延びる切欠き溝12gが形成され、その切欠き溝12gの内底面が環状のシート部材12の周方向の一部の上面12faとなっているので、環状のシート部材12の径寸法を抑えながらも、環状の凹部15内に液体が溜まることが確実に防止できることとなる。
【0049】
加えて、環状のシート部材12の周方向の一部を除く範囲内の上面、すなわち周方向の残部の上面12fbが、環状のシールライン16を形成する環状のシート部材12の内周縁から径方向の外側に広がるようバルブ孔11cの中心軸線Cに対して傾斜した環状傾斜面を形成しているので、環状の凹部15内に入る凝縮水を確実に周方向の一部に集め、周方向の一部の上面12faから環状の凹部15の外部に排出させることができる。
【0050】
また、本実施形態においては、バルブ孔11cの前後に入口通路11aおよび出口通路11bを形成するとともに環状のシート部材12を保持するバルブハウジング11を備え、そのバルブハウジング11が、流下開始点e1以下の鉛直方向高さで環状のシート部材12の周方向の一部の上面12faに隣接する隣接内壁面11faを有していることから、環状の凹部15内に入る液体を環状のシート部材12の上面12fより径方向外側に確実に排出させることができる。
【0051】
このように、本実施形態のバルブ構造においては、環状のシート部材12の中心軸線Cに対して、環状のシート部材12の上面12fのうち鉛直方向で最も下方側に位置する周方向の一部の上面12faの開き角度θaを周方向の残部の上面12fbの開き角度θbよりも大きくしているので、環状の凹部15内に液体が入って環状のシールライン16の最下点16a付近に流下したとき、その近傍に位置する流下開始点e1から環状のシート部材12の周方向の一部の上面12fa上を通って液体が環状の凹部15の外部に排出され易くなるとともに、環状のシート部材12を大径にせずに済み、環状の凹部15の内奥側にバルブ主要部品の腐食を招来し易い液体が溜まるのを確実に防止できるコンパクトなバルブ構造を提供することができる。
【0052】
(第2実施形態)
図4(a)は、本発明の第2実施形態に係るバルブ構造を示すその要部拡大断面図であり、図4(b)は、そのバルブシートの内面形状を図4(a)中の右側に向かって見た部分拡大図である。
【0053】
なお、以下に説明する各実施形態は、図1〜図3に示した上述の第1実施形態と類似する全体構成を有しているので、同一または類似する構成については、図1〜図3中の対応する構成要素と同一の符号を用いて、その詳細な説明を省略し、特に第1実施形態と相違する構成について説明する。
【0054】
本実施形態においては、バルブハウジング11の入口通路11aおよび出口通路11bの間の円形のバルブ孔21cが、バルブハウジング11に保持された環状のシート部材22の内方に形成されている。
【0055】
この環状のシート部材12の周方向の一部には、その内周側上面部で径方向に延びる切欠き溝22gが形成されており、この切欠き溝22gの内壁面が環状のシート部材22の周方向の一部の上面22faとなっている。そして、この周方向の一部の上面22faが、切欠き溝22gの内底部(図4(b)中の切欠き溝22gの幅方向中央部;環状のシート部材22の周方向の一部)にて、径方向の全域(図4(a)中の径方向幅aの範囲)にわたり、流下開始点e1以下の鉛直方向高さに位置している。
【0056】
また、周方向の一部の上面22faは、切欠き溝22gの内底部において、流下開始点e1の鉛直方向高さと径方向外端e2の鉛直方向高さが略同一であるか、または、径方向外端e2の鉛直方向高さの方が流下開始点e1のそれよりわずかに低くなっている。また、この周方向の一部の上面22faにおいては、流下開始点e1と径方向外端e2の間で鉛直方向高さが最も低くなっている。
【0057】
この場合、環状のシート部材22の周方向の一部の上面22faは、切欠き溝22gの内底部において同一方向に傾斜してはいないので、環状の凹部15内に入る凝縮水の量が少なければその凝縮水は切欠き溝22gの中央部の凹み部分に溜まり得るが、その溜まる量が一定量に達して液面が環状のシールライン16の最下点16a付近に近付くと、それ以上の凝縮水は径方向外端e2から排出されることになる。
【0058】
したがって、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、環状の凹部15の内奥側に凝縮水が溜まることを防止することができ、環状のシート部材22やバルブ部材13の腐食を確実に防止することができるコンパクトなバルブ構造を提供できる。
【0059】
(第3実施形態)
図5(a)は、本発明の第3実施形態に係るバルブ構造を示すその要部拡大断面図であり、図5(b)は、そのバルブシートの内面形状を図5(a)中の右側に向かって見た部分拡大図である。
【0060】
本実施形態においては、バルブハウジング11の入口通路11aおよび出口通路11bの間の円形のバルブ孔31cが、バルブハウジング11に保持された環状のシート部材32の内方に形成されている。
【0061】
この環状のシート部材32のバルブ孔31cの中心軸線C1は、環状のシート部材32の外周面32pの中心軸線C2から外れるよう偏倚しており、バルブ孔31cの中心軸線C1に対する環状のシート部材32の周方向の一部の上面32fa(環状傾斜面)の開き角度θaは、環状のシート部材32の周方向の残部の上面32fbの開き角度θbに比べて大きくなっている。また、環状のシート部材32の周方向の一部の上面32faの開き角度θaは、環状のシート部材32の周方向の各部のうち最も大きくなっている。
【0062】
そして、環状のシート部材32の中心軸線C1、C2が鉛直方向に対して傾斜角度ψだけ傾斜していることによって、環状のシート部材32の上面32fのうち周方向の一部の上面32faが、環状の凹部15を形成する環状のシート部材32の上面32fのうち鉛直方向で最も下方側に位置している。
【0063】
本実施形態においても、バルブハウジング11は、流下開始点e1以下の鉛直方向高さで環状のシート部材32の周方向の一部の上面32faに隣接する隣接内壁面11faと、周方向の残部の上面32fbに隣接する隣接内壁面11fbとを有しており、周方向の一部の上面32faと隣接内壁面11faとのうち少なくとも隣接内壁面11faは、流下開始点e1から離れるほど鉛直方向下方側に位置するよう緩く連続的に傾斜している。
【0064】
したがって、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、環状の凹部15の内奥側に凝縮水が溜まることを防止することができ、環状のシート部材32やバルブ部材13の腐食を確実に防止することができるコンパクトなバルブ構造を提供できる。
【0065】
しかも、本実施形態では、バルブ孔31cの中心軸線C2に対する周方向の一部の上面32faの開き角度θaを大きくしながらも、周方向の残部の上面32fbの開き角度θbをそれより小さくしているので、環状のシート部材32の径寸法を抑えることができ、よりコンパクトなバルブ構造にできる。
【0066】
(第4実施形態)
図6(a)は、本発明の第4実施形態に係るバルブ構造の要部拡大半断面図である。
【0067】
本実施形態のバルブ構造は、図1〜図3に示した第1実施形態におけるバルブハウジング11および環状のシート部材12を用いるが、バルブ部材13に代えて、環状のシート部材12の内周部に係合可能なテーパ面43fを有する頭部43aと、一端側に頭部43aが固定されるとともに他端側でバルブ駆動機構14に軸方向移動可能に支持されたステム部43bとを有している。ここで、頭部43aのテーパ面43fは、第1実施形態の頭部13aのテーパ面13fとは逆方向のテーパ面となっている。
【0068】
バルブ部材43は、バルブ駆動機構14により軸方向に駆動され、環状のシート部材12の内周部12eに係合してバルブ孔11cを閉止する閉弁位置と、環状のシート部材12の内周部12eから離脱してバルブ孔11cを開放する開弁位置とに、変位可能になっている。
【0069】
本実施形態においても、第1実施形態と同様に、環状の凹部15の内奥側に凝縮水が溜まることを防止することができ、環状のシート部材12やバルブ部材43の腐食を確実に防止することができるコンパクトなバルブ構造を提供できる。
【0070】
(第5実施形態)
図6(b)は、本発明の第5実施形態に係るバルブ構造の要部拡大断面図である。
【0071】
本実施形態のバルブ構造は、図6(a)に示した第4実施形態のバルブ部材43に類似するバルブ部材53と、このバルブ部材53のテーパ面53fに係合する内周側の第1エッジ部52e1およびこの第1エッジ部52e1から軽方向外側および軸方向一方側(上方側)に位置する第2エッジ部52e2を有するよう円形の段付凹部52cが形成された環状のシート部材52と、を備えている。この場合、傾斜した環状のシート部材52の円形の段付凹部52cの内壁面が環状のシート部材52の上面52fとなる。
【0072】
環状のシート部材52の周方向の一部には、その内周側上面部で径方向に延びる切欠き溝52gが形成されており、この切欠き溝52gの内壁面が環状のシート部材52の周方向の一部の上面52faとなっている。そして、この周方向の一部の上面52faが、切欠き溝52gの内底部(切欠き溝52gの幅方向中央部;環状のシート部材52の周方向の一部)にて、径方向の全域(図6(b)中の径方向幅aの範囲)にわたり、流下開始点となる第1エッジ部52e1の最下点である流下開始点e1と同一かそれより低い鉛直方向高さに位置している。
【0073】
バルブ部材53は、バルブ駆動機構14により軸方向に駆動され、環状のシート部材52の内周部52eに係合してバルブ孔51cを閉止する閉弁位置と、環状のシート部材52の内周部52eから離脱してバルブ孔51cを開放する開弁位置とに、変位可能になっている。
【0074】
本実施形態においても、第1実施形態と同様に、環状の凹部15の内奥側に凝縮水が溜まることを防止することができ、環状のシート部材52やバルブ部材53の腐食を確実に防止することができるコンパクトなバルブ構造を提供できる。
【0075】
なお、上述の各実施形態は、本発明をEGRバルブ10に適用したものであったが、本発明は、弁体と弁座の間に上方側に開放された環状の凹部が形成され、そこに腐食等の問題を惹起する液体が溜まり易いEGRバルブ以外のバルブ構造にも適用できる。
【0076】
以上説明したように、本発明に係るバルブ構造は、環状のシート部材の中心軸線に対して、環状のシート部材の上面のうち鉛直方向で最も下方側に位置する周方向の一部の上面の開き角度を周方向の残部の上面の開き角度よりも大きくしているので、環状の凹部内に液体が入って環状のシールラインの最下点付近に流下したとき、その近傍に位置する流下開始点から環状のシート部材の周方向の一部の上面上を通って液体が環状の凹部の外部に排出され易くなるとともに、環状のシート部材を大径にせずに済み、環状の凹部の内奥側にバルブ主要部品の腐食を招来し易い液体が溜まるのを確実に防止できるコンパクトなバルブ構造を提供することができるという効果を奏するものであり、バルブ部材をシート部材に係合・離脱させて開閉されるバルブ構造に関し、特にバルブ部材やシート部材にテーパ面を採用したポペットバルブ等に好適なバルブ構造全般に有用である。
【符号の説明】
【0077】
10 EGRバルブ(バルブ構造)
11 バルブハウジング
11a 入口通路(上流側通路)
11b 出口通路(下流側通路)
11c,21c,31c,51c バルブ孔
11fa 隣接内壁面
11fb 隣接内壁面
12,22,32,52 環状のシート部材
12e 内周部
12f,22f,32f 上面
12fa,22fa,32fa,52fa 周方向の一部の上面
12fb,22fb,32fb 周方向の残部の上面
12g,22g,52g 切欠き溝
13,43,53 バルブ部材
13a,43a,53a 頭部
13b,43b,53b ステム部
13f,43f,53f テーパ面
14 バルブ駆動機構
15 環状の凹部
15a 主要部分
15b 環状隙間部分
16 環状のシールライン
16a 最下点
32p 外周面
52c 段付凹部
52e1 第1エッジ部
52e2 第2エッジ部
C,C1,C2 中心軸線
e1 流下開始点(内端)
θa 周方向の一部の上面の開き角度
θb 周方向の残部の上面の開き角度
ψ 環状のシール部材の傾斜角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルブ孔を形成する環状のシート部材と、前記環状のシート部材の内周部に係合して前記バルブ孔を閉止する閉弁位置および前記環状のシート部材の内周部から離脱して前記バルブ孔を開放する開弁位置に変位可能なバルブ部材と、を備え、前記バルブ部材が前記閉弁位置にあるとき、前記環状のシート部材および前記バルブ部材により上向きに開放される環状の凹部が形成されるバルブ構造であって、
前記環状のシート部材と前記閉弁位置の前記バルブ部材とが、前記環状の凹部の内奥側で前記バルブ孔を閉止するとともに、
前記環状のシート部材の中心軸線が、鉛直方向に対して傾斜し、
前記環状の凹部を形成する前記環状のシート部材の上面のうち鉛直方向で最も下方側に位置する周方向の一部の上面は、該周方向の残部の上面に比べて前記環状のシート部材の中心軸線に対する開き角度が大きくなっていることを特徴とするバルブ構造。
【請求項2】
前記環状のシート部材の周方向の一部の上面が、前記環状のシート部材の半径方向の内端の近傍に鉛直方向で最も高い流下開始点を有し、該流下開始点より前記環状のシート部材の半径方向の外側の全域にわたって、前記流下開始点以下の鉛直方向高さを有していることを特徴とする請求項1に記載のバルブ構造。
【請求項3】
前記環状のシート部材の周方向の一部の上面は、前記流下開始点に対して前記径方向の外側で鉛直方向高さが低くなっていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のバルブ構造。
【請求項4】
前記環状のシート部材の周方向の一部の上面が、前記半径方向の外側になるほど鉛直方向高さが低くなるように径方向の略全域にわたって傾斜していることを特徴とする請求項1ないし請求項3のうちいずれか1の請求項に記載のバルブ構造。
【請求項5】
前記環状のシート部材の周方向の一部に前記環状のシート部材の径方向に延びる切欠き溝が形成され、該切欠き溝の内底面が前記環状のシート部材の前記周方向の一部の上面となっていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のうちいずれか1の請求項に記載のバルブ構造。
【請求項6】
前記環状のシート部材の上面が、前記環状のシート部材の周方向の一部を除く範囲内で、前記バルブ孔の内周縁から径方向の外側に広がるよう前記バルブ孔の中心軸線に対して傾斜した環状傾斜面を形成していることを特徴とする請求項1ないし請求項5のうちいずれか1の請求項に記載のバルブ構造。
【請求項7】
前記環状のシート部材の前記バルブ孔の中心軸線が、前記環状のシート部材の外周面の中心軸線から外れるよう偏倚しており、
前記バルブ孔の中心軸線に対する前記環状傾斜面の開き角度が、前記環状のシート部材の周方向の一部側で大きくなっていることを特徴とする請求項6に記載のバルブ構造。
【請求項8】
前記バルブ孔の前後に上流側通路および下流側通路を形成するとともに前記環状のシート部材を保持するバルブハウジングをさらに備え、
前記バルブハウジングは、前記流下開始点以下の鉛直方向高さで前記環状のシート部材の周方向の一部の上面に隣接する隣接内壁面を有していることを特徴とする請求項1ないし請求項7のうちいずれか1の請求項に記載のバルブ構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−241781(P2012−241781A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−111621(P2011−111621)
【出願日】平成23年5月18日(2011.5.18)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000116574)愛三工業株式会社 (1,018)
【Fターム(参考)】