説明

バーコード読取装置、バーコード読取方法、商品販売データ処理装置および商品販売データ処理方法

【課題】同一バーコードが多重に読み取られてしまうことを防止することができる。
【解決手段】複数本の走査レーザー光を出射させてバーコードを読み取るバーコード読取手段67と、このバーコード読取手段67により最初に読み取ったバーコードデータと走査レーザー光IDを読取データ記憶エリア66に保存する。次に、バーコードデータと走査レーザー光IDを読み取ったときに、読取データ記憶エリア66に保存しているバーコードデータと読取バーコードデータを比較する。その結果、同一の場合には、さらに、走査レーザー光ID同士を比較する。同一バーコードデータであるが同一走査レーザー光IDでない場合には、2重に読み取りを警告するために音声出力部36または発光ダイオード35により報知出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品に表示されたバーコードを読取るバーコードスキャナー等のバーコード読取装置、バーコード読取方法、POS(Point of Sales:販売時点情報管理)ターミナル等の商品販売データ処理装置および商品販売データ処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケット等の小売店等で販売される各商品に商品コードであるバーコードが表示されている。
【0003】
このバーコードを読取るバーコード読取装置としてのバーコードスキャナーが備えられた商品販売データ処理装置としてPOSターミナルが利用されている。
【0004】
また、バーコードスキャナーは、各商品に表示されているバーコードを読取る動作において、同一商品のバーコードを2重読み防止するために2重読み防止タイマが設けられている(たとえば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のバーコードスキャナーは、各商品に表示されているバーコードを読取ることで会計処理等を行うためにパック商品などトレイ状の上面または下面に表示されたバーコードを走査するために複数方向の走査パターンの複数本の走査レーザー光を出射するようになっている。
【0006】
また、店舗内で使用される買物カゴに多くの商品を入れた場合には、買物カゴの上面付近まで商品が積まれることがある。そして、キャッシャが意図しないタイミングでこれらの商品に表示されたバーコードを読取ってしまう恐れも生じる。
【0007】
また、買物カゴを置く位置がバーコードスキャナーに近い場合には、商品カゴの一部が走査レーザー光の走査範囲に入ってしまうことがある。この場合には、バーコードスキャナーが買物カゴに入っている商品のバーコードを読み取ってしまう(「商品カゴ読取り」という)ことがある。このように、同一のバーコードが多重に読み取られてしまう場合には、商品の代金の合計額に誤りが生じる。
【0008】
また、前記特許文献1には、同一商品のバーコードを2重に読取しないように、2重読取り防止タイマが設けられている。
【0009】
本発明は、前記課題を解決するもので、同一商品のバーコードが多重に読み取られてしまうことを防止することが可能なバーコード読取装置、バーコード読取方法、商品販売データ処理装置および商品販売データ処理方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るバーコード読取装置は、ビームを出射する光源と、この光源から出射される前記ビームを回転ミラーの各反射面により偏向走査するビーム偏向手段と、このビーム偏向手段により走査された走査ビームを複数の固定ミラーにより複数本の走査ビームを生成する走査ビーム生成手段と、この走査ビーム生成手段によって生成される複数本の前記走査ビームを出射させる読取窓と、この読取窓から出射される前記走査ビームによりバーコードを読み取るバーコード読取手段と、複数本の前記走査ビームに対してそれぞれ位置情報を検出する読取位置検出手段と、前記バーコード読取手段により読み取られたバーコードデータと前記読取位置検出手段により検出された位置情報とを関連付けて記憶する読取データ記憶手段と、前記バーコード読取手段により読み取られた読取バーコードデータと前記読取データ記憶手段に記憶されている直前バーコードデータとを比較して一致するか判定するバーコードデータ判定手段と、このバーコードデータ判定手段によりバーコードデータ同士が一致すると判定されると前記読取バーコードデータの位置情報と前記読取データ記憶手段に記憶されている位置情報とを比較して一致するか判定する読取位置判定手段と、この読取位置判定手段により前記位置情報が一致しないと判定されると警告を報知出力する報知手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係るバーコード読取方法は、複数本の走査ビームでバーコードを走査してバーコードデータを読み取るバーコードデータ読取ステップと、前記バーコードデータ読取ステップにより読み取られたバーコードデータの走査ビームの位置情報を検出する位置情報検出ステップと、前記位置情報検出ステップにより検出された前記位置情報と前記バーコードデータとを関連付けて記憶する読取データ記憶ステップと、前記バーコードデータ読取ステップにより読み取られた読取バーコードデータと記憶されている直前バーコードデータとを比較して一致するかを判定するバーコードデータ判定ステップと、前記バーコードデータ判定ステップにより一致すると判定されると前記読取バーコードデータの位置情報と前記直前バーコードデータの位置情報とを比較して一致するかを読取位置情報判定ステップと、前記読取位置情報判定ステップにより前記位置情報が一致しないと判定されると警告を報知出力する警告報知出力ステップと、を含むことを特徴とする。
【0012】
本発明に係る商品販売データ処理装置は、各商品に表示されたバーコードを読み取るバーコード読取装置を備え、このバーコード読取装置で読取入力された読取データのバーコードデータと位置情報を記憶する読取データ記憶手段と、前記バーコードデータが読取入力されるとその読取入力された読取バーコードデータと前記読取データ記憶手段に記憶されている直前バーコードデータとを比較して一致するか判定するバーコードデータ判定手段と、このバーコードデータ判定手段により一致すると判定されると前記読取バーコードデータの位置情報と前記読取データ記憶手段に記憶されている位置情報とを比較して一致するか判定する読取位置情報判定手段と、この読取位置情報判定手段により前記位置情報が一致しないと判定されると警告を報知出力する報知手段と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る商品販売データ処理方法は、各商品に表示されたバーコードを読み取るバーコード読取装置で読取入力された読取データのバーコードデータと位置情報を関連付けて記憶する読取データ記憶ステップと、前記読取データ記憶ステップにより読取入力された読取バーコードデータと直前バーコードデータを比較して一致するか判定するバーコードデータ判定ステップと、前記バーコードデータ判定ステップにより一致すると判定されると前記読取バーコードデータの位置情報と前記直前バーコードデータの位置情報とを比較して一致するか判定する読取位置判定ステップと、前記読取位置判定ステップにより前記位置情報が一致しないと判定されると警告を報知出力する警告報知出力ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によるバーコード読取装置、バーコード読取方法、商品販売データ処理装置および商品販売データ処理方法によると、同一商品のバーコードの多重の読取りを防止することが可能となる。これによって、たとえば、商品の合計金額が誤って算出されてしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施の形態に係るチェックアウトレーンシステムの要部構成を示す斜視図。
【図2】同実施の形態に係るバーコードスキャナーの要部構成を示すブロック図。
【図3】同実施の形態に係るバーコードスキャナーのRAMに形成される読取データ記憶エリアのデータ構造を示す模式図。
【図4】同実施の形態に係るバーコードスキャナーの要部構成を示す斜視図。
【図5】同実施の形態に係る回転ミラーと各固定ミラーおよび光センサーの関係を示す説明図。
【図6】同実施の形態に係るバーコードデータの読取位置を検出するタイミングチャートを示す説明図。
【図7】同実施の形態に係るPOSターミナルの要部構成を示すブロック図。
【図8】同実施の形態に係るPOSターミナルのRAMに形成される読取データ記憶エリアのデータ構造を示す模式図。
【図9】同実施の形態に係るバーコードスキャナーのCPUが実行するフローチャート。
【図10】同実施の形態に係るPOSターミナルのCPUが実行するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
この一実施の形態は、スーパーマーケット等のチェックアウト業務に用いられるチェックアウトレーンシステムにおけるバーコード読取装置としてバーコードスキャナーおよび商品販売データ処理装置としてPOSターミナルに本発明を適用した場合である。
【実施例】
【0018】
図1は、チェックアウトレーンシステムの構成を示す斜視図である。
【0019】
図1に示すように、バーコード読取装置として固定式のバーコードスキャナー11は、チェックアウトカウンター12のほぼ中央に取り付けられている。このチェックアウトカウンター12の内側には、商品販売データ処理装置としてのPOSターミナル13が設置されている。前記バーコードスキャナー11と前記POSターミナル13とは図示しない伝送路によって相互通信可能に接続されている。
【0020】
そして、前記チェックアウトカウンター12の内側にチェックアウト業務担当のオペレータであるキャッシャが立ち、外側を買上げ商品の会計を待つ買物客が図中右側から左側に順次移動するようになっている。
【0021】
前記POSターミナル13には、キーボード21、店用表示器22、客用表示器23、レシート印字を行うプリンタ24、現金等を収容するためのドロワ25等が備えられている。キーボード21には、商品代金の決済に必要な締めキー等が配置されている。
【0022】
前記バーコードスキャナー11には、読取窓31、キーボード32、店用表示器33、客用表示器34、当該商品に表示されたバーコードの正常読取を報知または、バーコードの異常読取を警告する発光ダイオード(LED)35等が備えられている。さらに、当該商品に表示されたバーコードの正常読取を報知するとともに、バーコードの異常読取を警告する図示しない音声出力部36(図2参照)が内蔵されている。
【0023】
図2は、前記バーコードスキャナー11の主要部構成を示すブロック図である。
【0024】
このバーコードスキャナー11は、制御部本体として各部を制御するCPU(Central Processing Unit)51を設けている。そしてこのCPU51に、バーコード認識プログラムおよび復調処理プログラムなどの制御プログラムの固定的データを予め記憶されたROM(Read Only Memory)52と、各種データの処理に必要な可変的データを記憶するための各種メモリエリアが形成されるRAM(Random Access Memory)53と、日時を計時する時計部54、前記POSターミナル13との間のデータ通信を制御する通信インターフェース(I/F)55と、キーボード32と、店用表示器33と、客用表示器34と、発光ダイオード(LED)35と、音声出力部36と、半導体レーザー56の駆動を制御するレーザー駆動部57と、モーター58に対してパルス信号を発生させる図示しないパルス発信器を含むモーター駆動部59と、光センサー60からの信号を入力する信号入力部61と、光電変換素子62からアナログ信号が出力され、A/D変換部63にてデジタル信号で二値化された電気信号をデコードするデコード部64と、を前記CPU51にアドレスバス、データバスなどのバスライン65により接続している。
【0025】
前記RAM53には、読取データ記憶手段である読取データ記憶エリア66が形成されている。この読取データ記憶エリア66には、図3に示すように、バーコードデータ記憶エリア66aと、位置情報記憶エリア66bおよび読取回数記憶エリア66cと、を設けている。
【0026】
前記バーコードデータ記憶エリア66aには、バーコード読取手段67で読み取られたバーコードデータを記憶する。位置情報記憶エリア66bには、前記バーコードデータがどの走査レーザー光により読み取られたかを示す位置情報としての位置データである走査線IDとしての走査レーザー光IDを記憶する。読取回数記憶エリア66cには、同一バーコードデータと同一走査レーザー光IDで読み取られた読取回数nを記憶する。
【0027】
図4は、前記バーコードスキャナー11の構成を示す斜視図である。
【0028】
図4に示すように、前記バーコードスキャナー11は、ビームであるレーザー光を出射する光源として半導体レーザー56を設けている。また、モーター58の回転軸71を中心に図中矢印方向に回転駆動される3面柱形状の回転ミラー72を設けている。
【0029】
そして、半導体レーザー56から出射されるレーザー光は、光路変更ミラー73で反射し、さらに集光ミラー74の中央部に形成された開口75を通過し、回転ミラー72の各反射面(72A、72B、72C)に入射する。この各反射面(72A、72B、72C)は、回転軸71の鉛直方向に対して互いに少しずつ傾きが異なるようになっている。
【0030】
したがって、半導体レーザー56から出射する1本のレーザー光は、回転ミラー72が1回転すると、各反射面(72A、72B、72C)で順次反射され、たとえば、3本の平行した走査レーザー光となる。
【0031】
また、回転ミラー72の走査レーザー光の入射側下方には、たとえば、互いに反射角の異なる5枚の固定ミラー(76A、76B、76C、76D、76E)が同一周面上に配置されている。
【0032】
そして、回転ミラー72が1回転する間に各反射面(72A、72B、72C)で反射された走査ビームである走査レーザー光は、5枚の固定ミラー(76A、76B、76C、76D、76E)上を順に走査する。そして、各固定ミラー(76A、76B、76C、76D、76E)でそれぞれ反射された走査ビームである走査レーザー光IDは、互いに異なる5方向の走査パターンとなって読取窓31から外部へ出射される。
【0033】
したがって、読取窓31からは、回転ミラー72が1回転する間に異なる5方向にそれぞれ平行の各3本の走査レーザー光ID、すなわち、計15本の走査レーザー光IDが出射される。以下、「一走査」という。
【0034】
さて、読取窓31から出射された計15本の走査レーザー光IDは、それぞれバーコードを走査すると、そのバーコードにより反射される。そこで、走査レーザー光IDがバーコードを走査したときに反射された反射光の一部を出射時と逆の光路を通して集光ミラー74まで戻される。そして、この集光ミラー74で出射光路と分離させた後、集光レンズ77により光電変換素子62上に集める。
【0035】
さらに、この光電変換素子62からアナログ信号をA/D変換器63(図2参照)でデジタル信号に変換した後、二値化し、デコード部64(図2参照)によりデコードしてバーコードを復号するように構成されている。
【0036】
さらに、バーコードスキャナー11は、固定ミラー76Aの上流側で回転ミラー72の反射面72Aによる走査レーザー光IDの走査軌跡上の位置にビーム検出手段である光センサー60を設けている。
【0037】
この光センサー60を配置することで、回転ミラー72の反射面72Aの走査レーザー光IDのスタート位置を検出する。ここに、読取位置検出手段を構成する。
【0038】
なお、上述したCPU51は、ROM52に記憶されたバーコード認識プログラムおよび復調処理プログラムなどの制御プログラムに基づいて半導体レーザー56、レーザー駆動部57、モーター58、モーター駆動部59、回転ミラー72の各反射面(72A、72B、72C)、固定ミラー(76A、76B、76C、76D、76E)、光センサー60、信号入力部61、光電変換素子62、A/D変換部63およびデコード部64によりバーコード読取手段67として機能する。
【0039】
図5は、回転ミラー72の各反射面(72A、72B、72C)と各固定ミラー(76A、76B、76C、76D、76E)および光センサー60との関係を示す説明図である。
【0040】
半導体レーザー56から出射されたビームであるレーザー光が回転ミラー72の反射面72Aに入射し、この反射面72Aで反射された走査レーザー光が固定ミラー76Aの上流側に設置された光センサー60で検出されると一走査の位置情報である走査レーザー光IDのA1のスタート位置となる。そして、回転ミラー72の反射面72Aの走査レーザー光により固定ミラー76Aが走査されると位置情報である走査レーザー光IDのA1が検出される。さらに、固定ミラー76B、固定ミラー76C、固定ミラー76D、固定ミラー76Eが走査レーザー光により走査されると走査レーザー光IDがA2、A3、A4、A5となる。
【0041】
さらに、回転ミラー72の反射面72Bの走査レーザー光により固定ミラー76Aが走査されると位置情報である走査レーザー光IDがB1となる。さらに、固定ミラー76B、固定ミラー76C、固定ミラー76D、固定ミラー76Eを走査レーザー光により走査されると走査レーザー光IDがB2、B3、B4、B5となる。
【0042】
さらに、回転ミラー72の反射面72Cの走査レーザー光により固定ミラー76Aが走査されると位置情報である走査レーザー光IDがC1となる。さらに、固定ミラー76B、固定ミラー76C、固定ミラー76D、固定ミラー76Eを走査されると走査レーザー光IDがC2、C3、C4、C5となる。
【0043】
図6には、バーコードデータの読取位置を検出するタイミングチャートを示す説明図である。
【0044】
図6に示すように、パルス信号は、回転ミラー72の1回転あたりモーター駆動部59に図示しないパルス発信器によりたとえば、15個が出力されように設定されている。
【0045】
光センサー出力は、回転ミラー72の反射面72Aから出射される走査レーザー光を光センサー60が検出する。この光センサー出力は、ビーム検出手段として機能する。
【0046】
走査レーザー光IDは、光センサー60の光センサー出力に基づいて回転ミラー72の各反射面(72A、72B、72C)で反射された走査レーザー光が各固定ミラー(76A、76B、76C、76D、76E)上を一走査されることによりA1、A2、A3、A4、A5、B1、B2、B3、B4、B5、C1、C2、C3、C4、C5の15個の位置情報が検出されるようになっている。
【0047】
したがって、バーコードのバーコードデータが読み取られたのが、どの走査レーザー光ID、すなわち、光センサー出力から何個目のパルス信号かを確認をすることができる。これにより、商品に表示されたバーコードのバーコードデータをどの走査レーザー光IDで読取ったかがわかる。
【0048】
図6に示すように、バーコード読み取り手段により読み取ったバーコードデータが、たとえば、同一タイミング(走査レーザー光IDのA1)の位置情報で読取られ、そのバーコードデータの内容も一致する場合には、走査レーザー光IDのA1が走査されている場所に同一商品が静止していると判断することができる。すなわち、商品に表示されたバーコードが2重読取りされたことになる。
【0049】
また、図示しないが、走査レーザー光IDのA1が、たとえば、同一バーコードを4回走査されている場合には、「商品カゴ読取り」と判定されるように設定している。
【0050】
図7は、POSターミナル13の主要部構成を示すブロック図である。
【0051】
図7に示すように、POSターミナル13は、制御部本体として各部を制御するCPU81を設けている。このCPU81に、ROM82、RAM83、時計部84、オンライン接続される前記バーコードスキャナー11とのデータ通信を制御する通信インターフェース(I/F)85、I/Oポート86、キーボード21、店用表示器22、客用表示器23、プリンタ24およびドロワ25等をアドレスバス、データバスなどのバスライン87で接続している。
【0052】
ROM82には、プログラムデータ等の固定的データを予め格納している。
【0053】
RAM83には、各商品の商品コードに対応してその商品の単価等をプリセットした商品コードテーブルや販売処理された商品の商品コード、販売点数、販売金額等からなるトランザクションデータを記憶するトランザクションファイル等の記憶エリアを形成している。
【0054】
そして特に、この実施の形態では、バーコードスキャナー11のバーコード読取手段67で読み取られたバーコードデータ等の読取データを記憶するための読取データ記憶エリア88を形成している。
【0055】
読取データ記憶手段である読取データ記憶エリア88は、図8に示すように、バーコードデータ記憶エリア88a、位置情報記憶エリア88bおよび読取回数記憶エリア88cを設けている。
【0056】
前記バーコードデータ記憶エリア88aには、バーコード読取手段67によりバーコードを読み取ったバーコードデータを記憶する。位置情報記憶エリア88bには、前記バーコードデータを読み取った走査線IDとしての走査レーザー光IDを記憶する。読取回数記憶エリア88cには、同一バーコードデータと同一走査レーザー光IDの読取回数nを記憶する。
【0057】
I/Oポート86には、「登録」、「点検」、「精算」、「設定」等の各種業務モードを選択的に切り替えるためのモードスイッチ89から信号が入力されるようになっている。
【0058】
図9は、バーコードスキャナー11のCPU51がROM52に記憶されているバーコード認識プログラムおよび復調処理プログラムなどの制御プログラムによりバーコード読取処理を実行する主要なフローチャートである。
【0059】
ここでは、POSターミナル13は、モードスイッチ89により「登録」モードが選択されている状態で、商品販売処理を実行しているものとする。ここでは、走査レーザー光IDを走査線IDとして説明する。
【0060】
まず、CPU51は、ST11(ステップ)として当該商品のバーコードの読取が行われるのを待機する。
【0061】
当該商品に表示されているバーコードが読み取られると(ST11−YES)、ST12では、バーコードデータ記憶エリア66aにバーコードデータが記憶されているかを判定する。
【0062】
バーコードデータ記憶エリア66aにバーコードデータが記憶されていない場合には(ST12−NO)、ST13として読取データ記憶エリア66に読取データとしてバーコードデータ記憶エリア66aに新たに読み取られたバーコードデータとともに、位置情報記憶エリア66bにそのバーコードデータを読み取った走査線ID(走査レーザー光ID)を関連付けて一時記憶する。
【0063】
ST14としてバーコードデータを正常に読取ったことをキャッシャに報知するため音声出力部36を駆動して報知音(たとえば、“ピッ”)を報知出力させる。同時に、発光ダイオード35を駆動して報知光(たとえば、青色を点灯させる)を報知出力する。さらに、同時に、店用表示部33および客用表示部34に商品名、単価を表示させる。
【0064】
ST15として読取データ記憶エリア66のバーコードデータ記憶エリア66aに記憶されているバーコードデータが通信インターフェース55を介してPOSターミナル13に伝送出力するようになっている。
【0065】
なお、新規の買物商品がある場合には、ST11において商品に表示されたバーコードを繰り返し読み取りを行い、読み取る商品がなくなるまで行う。
【0066】
また、バーコードデータ記憶エリア66aにバーコードデータが記憶されている場合には(ST12−YES)、ST16として新たに読み取られたバーコードの読取バーコードデータとバーコードデータ記憶エリア66aに記憶されている直前バーコードデータとを比較する。
【0067】
そして、ST17として新たに読み取られたバーコードの読取バーコードデータとバーコードデータ記憶エリア66aに記憶されている直前バーコードデータとが一致するか判定する(バーコードデータ判定手段)。
【0068】
ここで、新たに読み取られた読取バーコードデータとバーコードデータ記憶エリア66aに記憶されている直前バーコードデータとが一致しないと判定した場合には(ST17−NO)、ST13に進む。
【0069】
一方、ST17にて新たに読み取られた読取バーコードデータとバーコードデータ記憶エリア66aに記憶されている直前バーコードデータが一致すると判定した場合には(ST17−YES)、ST18として新たに読取った読取バーコードデータに関連付けられている走査線IDと位置情報記憶エリア66bに記憶されている直前バーコードデータに関連付けられている走査線IDとを比較して一致するか判定する(読取位置判定手段)。
【0070】
ここで、新たに読取った読取バーコードデータの走査線IDと位置情報記憶エリア66bに記憶されている走査線IDが一致すると判定した場合には(ST18−YES)、ST19で同一バーコードデータと同一走査線IDの読取回数記憶エリア66cの読取回数nを「1」だけインクリメントする(読取回数加算手段)。
【0071】
なお、ST19で繰り返して同一バーコードデータを同一走査線IDで読み取られると、現在の読取回数n=1をさらに、「1」だけインクリメントして読取回数nを「2」にする。さらに、繰り返して同一バーコードデータを同一走査線IDで読み取られ、読取回数n=4以上になると「商品カゴ読取り」として捉えるように設定している。
【0072】
一方、ST18において新たに読取った読取バーコードデータの走査線IDと位置情報記憶エリア66bに記憶されている走査線IDとを比較してバーコードの位置情報が一致しないと判定した場合には(ST18−NO)、ST20として2重の読取を警告する音声出力部36を駆動して警告音(たとえば、「ピピッ」を鳴らす)を報知出力する。また、発光ダイオード35を駆動して警告光(たとえば、黄色を点灯する)を報知出力させる。
【0073】
ST21として同一バーコードデータが同一走査線IDで読み取られた読取回数nが読取回数記憶エリア66cを調べN回以上かを判定する。その判定の結果として読取回数記憶エリア66cに記憶されている読取回数nがN回以上でない場合には(ST21−NO)、ST22として多重読取を報知する音声出力部36から警告音(たとえば「ピピピー」を鳴らす)を報知出力する。また、発光ダイオード35から警告光(たとえば、赤色を点滅させる)を報知出力させる。
【0074】
また、同一バーコードデータでかつ同一走査線IDで読み取られた読取回数nがN回以上の場合には(ST21−YES)、ST23で買物カゴXが同じ場所で静止状態にある買物カゴX内の商品のバーコードがN回以上読み取られてしまったことを警告する音声出力部36を駆動して警告音(たとえば、「ビビビビー」を鳴らす)を報知出力する。また、発光ダイオード35を駆動して警告光(たとえば、赤色を点灯させる)を報知出力させる。
【0075】
なお、同一バーコードデータが同一走査線IDで読み取られた読取回数nがN回とは、たとえば、4回設定しているが、5回以上、自由に設定してもよいことは勿論である。
【0076】
このように構成された本実施の形態においては、図1に示すように、チェックアウトカウンター12の内側にはチェックアウト業務担当のキャッシャが前記バーコードスキャナー11の読取窓31に向かった位置に立ち、そして、買物客が買上げる商品をチェックアウトカウンター12上の上流側、すなわち、読取窓31に向かって右側には、買物客が商品を入れた買物カゴXを置く。
【0077】
キャッシャは、読取窓31に向い左側に空の買物カゴYを置き、買物カゴXから商品を一ずつ手に取って読取窓31の前方の所定の位置を通過させた後、買物カゴYへ収める。
【0078】
このとき、キャッシャは、商品に表示されているバーコードを読取窓31へ向けて移動させる。すると、読取窓31から出射された走査レーザー光が商品に表示されているバーコードを走査し、そのバーコードからの反射光がバーコード読取手段67で読取入力される。
【0079】
当該商品に表示されたバーコードが読取入力されると、読取データ記憶エリア66のバーコードデータ記憶エリア66aにバーコードデータが記憶されているかを調べる。
【0080】
バーコードデータ記憶エリア66aにバーコードデータが記憶されていない場合には、読取データ記憶エリア66に読取データのバーコードデータ記憶エリア66aに新たに読み取られたバーコードデータと位置情報記憶エリア66bにそのバーコードデータを読み取った走査レーザー光IDを関連付けて一時記憶する。
【0081】
次に、バーコードデータを正常に読取ったことをキャッシャに報知するため音声出力部36を駆動して報知音を報知出力させる。同時に、報知手段としての発光ダイオード35を駆動して報知光を報知出力させる。さらに、同時に、店用表示部33および客用表示部34に商品名、単価を表示させる。
【0082】
次に、読取データ記憶エリア66のバーコードデータ記憶エリア66aのバーコードデータ等について通信インターフェース55を介してPOSターミナル13に伝送出力するようになっている。
【0083】
また、バーコードデータ記憶エリア66aにバーコードデータが記憶されている場合には、新たに読み取られたバーコードの読取バーコードデータとバーコードデータ記憶エリア66aに記憶されている直前バーコードデータとを比較する。
【0084】
そして、その結果、新たに読み取られたバーコードの読取バーコードデータとバーコードデータ記憶エリア66aに記憶されている直前バーコードデータが同一のバーコードデータかを調べる。
【0085】
ここで、新たに読み取られた読取バーコードデータとバーコードデータ記憶エリア66aに記憶されている直前バーコードデータが一致していない場合には、読取データ記憶エリア66に読取データとしてバーコードデータ記憶エリア66aに新たに読み取られたバーコードデータとともに、位置情報記憶エリア66bにそのバーコードデータを読み取った走査レーザー光IDを関連付けて一時記憶する。
【0086】
一方、新たに読み取られた読取バーコードデータとバーコードデータ記憶エリア66aに記憶された直前バーコードデータが一致している場合には、新たに読取ったバーコードデータに関連付けられた走査レーザー光IDと位置情報記憶エリア66bに記憶された直前バーコードデータに関連付けられている走査レーザー光IDとを比較して一致するか調べる。
【0087】
ここで、新たに読取った読取バーコードデータの走査レーザー光IDと位置情報記憶エリア66aに記憶されている走査レーザー光IDとが一致する場合には、読取回数記憶エリア66Cの読取回数nを「1」だけ加算する。
【0088】
次に、新たに読取った読取バーコードデータの走査レーザー光IDと位置情報記憶エリア66bに記憶されている走査レーザー光IDとを比較してバーコードの位置情報が一致しない場合には、2重読取りを警告する報知手段として音声出力部36を駆動して警告音を報知出力する。同時に、報知手段として発光ダイオード35を駆動して警告光を報知出力させる。
【0089】
次に、同一のバーコードデータが同一の走査レーザー光IDで読み取られた読取回数nがN回以上であるかを調べる。その結果として読取回数エリア66cに記憶されている読取回数nがN回以上でない場合には、多重読取を警告する報知手段として音声出力部36を駆動して警告音を報知出力する。同時に、報知手段として発光ダイオード35を駆動して警告光を報知出力させる。
【0090】
また、同一バーコードデータでかつ同一走査レーザー光IDで読み取られた読取回数nがN回以上の場合には、買物カゴXが同じ場所で静止状態において買物カゴX内の商品に表示されたバーコードが読み取られてしまったことを警告する報知手段として音声出力部36を駆動して「商品カゴ読取り」の警告を報知出力させる。同時に、報知手段として発光ダイオード35を駆動して警告光を報知出力させる。
【0091】
図10は、POSターミナル13における商品販売データ処理の動作を示すフローチャートである。
【0092】
なお、POSターミナル13は、モードスイッチ89により「登録」モードが選択されている状態で、CPU81は、ROM82の制御プログラムにより商品販売データ処理を実行するものとなっている。ここでは、走査レーザー光IDを走査線IDとして説明する。
【0093】
まず、CPU81は、ST31として通信インターフェース85を介してバーコードスキャナー11で読み取られた読取データが入力されるのを待機する。
【0094】
次に、バーコードスキャナー11からバーコードデータと走査線IDの読取データが入力されると(ST31−YES)、ST32では、バーコードデータ記憶エリア88aにバーコードデータが記憶されているかを判定する。
【0095】
そして、読取データ記憶エリア88のバーコードデータ記憶エリア88aにバーコードデータが記憶されていない場合には(ST32−NO)、ST33として読取データ記憶エリア88に読取データとしてのバーコードデータ記憶エリア88aに新たに読み取られたバーコードデータを記憶するとともに位置情報記憶エリア88bにそのバーコードデータを読み取った走査線IDを関連付けて一時記憶する。
【0096】
ST34としてバーコードデータを正常に読み取ったことをキャッシャに報知するためスピーカー音信号および発光ダイオード信号が通信インターフェース85を介してバーコードスキャナー11に出力すると、バーコードスキャナー11のCPU51は、音声出力部36を駆動して報知音(たとえば、「ピッ」)を報知出力する。同時に、発光ダイオード35を駆動して報知光(たとえば、青色を点灯させる)を報知出力させる。さらに、同時に、店用表示部22および客用表示部23に商品名、単価を表示させる。
【0097】
ST35としてバーコードデータ記憶エリア88aに記憶されたバーコードデータの商品コードに基づいて当該商品の商品販売データ処理を実行する。
【0098】
具体的には、RAM83の商品コードテーブルを検索して当該商品コードに対応する品名および単価を呼出し、その単価に販売点数を乗算して販売金額を算出する。そして、品名、販売金額等に表示データを作成してバーコードスキャナー11の店用表示器33および客用表示器34に表示させる、とともに、POSターミナル13の客用表示器22および客用表示器23にも表示させる
一方、バーコードデータ記憶エリア88aにバーコードデータが記憶されている場合には(ST32−YES)、ST36として新たに読み取られたバーコードの読取バーコードデータとバーコードデータ記憶エリア88aに記憶されている直前のバーコードデータとを比較する。
【0099】
そして、ST37として新たに読み取られたバーコードの読取バーコードデータとバーコードデータ記憶エリア88aに記憶されている直前のバーコードデータが一致するか判定する(バーコードデータ判定手段)。
【0100】
ここで、新たに読み取られた読取バーコードデータとバーコードデータ記憶エリア88aに記憶されている直前バーコードデータが一致しないと判定した場合には(ST37−NO)、ST33に進む。
【0101】
一方、ST37にて新たに読み取られた読取バーコードデータとバーコードデータ記憶エリア88aに記憶された直前バーコードデータが一致すると判定した場合には(ST37−YES)、ST38として新たに読取った読取バーコードデータの走査線IDとバーコードデータ記憶エリア88aに記憶された直前バーコードデータの走査線IDとを比較して一致するか判定する(読取位置判定手段)。
【0102】
ここで、新たに読取った読取バーコードデータの走査線IDとデータ記憶エリア88aに記憶されている走査線IDとが一致すると判定した場合には(ST38−YES)、ST39で同一バーコードデータと同一走査線IDの読取回数記憶エリア88cの読取回数nを「1」だけインクリメントする(読取回数加算手段)。
【0103】
ST38において新たに読取った読取バーコードデータの走査線IDと位置情報記憶エリア88bに記憶されている走査線IDとを比較してバーコードの位置情報が一致しないと判定した場合には(ST38−NO)、ST40として2重の読取を警告する音声出力部36を駆動して警告音(たとえば、「ピピッ」を鳴らす)を報知出力する。また、発光ダイオード35を駆動して警告光(たとえば、黄色を点灯する)を報知出力させる。
【0104】
ST41では、同一バーコードデータでかつ同一走査線IDで読み取られた読取回数nが読取回数記憶エリア88cを調べてN回以上かを判定する。その判定の結果として同一バーコードデータの読取回数nがN回以上でない場合には(ST41−NO)、ST42として多重読取を警告する音声出力部36を駆動して警告音(たとえば、「ピピピー」を鳴らす)を報知出力する。同時に、発光ダイオード35を駆動して警告光(たとえば、赤色を点滅させる)を報知出力させる。
【0105】
また、同一バーコードデータが同一走査線IDで読み取られた読取回数nがN回以上の場合には(ST41−YES)、ST43で買物カゴXが同じ場所で静止状態に置かれていて買物カゴX内の商品に表示されたバーコードがN回以上読み取られたことを警告する音声出力部36を駆動して警告音(たとえば、「ビビビビー」を鳴らす)を報知出力する。また、発光ダイオード35を駆動して警告光(たとえば、赤色を点灯させる)を報知出力させる。
【0106】
このように構成された本実施の形態のPOSターミナル13は、通信インターフェース85を介してバーコードスキャナー11からバーコードデータと走査レーザー光IDの読取データが入力されると、読取データ記憶エリア88のバーコードデータ記憶エリア88aにバーコードデータが記憶されているかを調べる。
【0107】
次に、バーコードデータ記憶エリア88aにバーコードデータが記憶されていない場合には、読取データ記憶エリア88のバーコードデータ記憶エリア88aに新たに読み取られたバーコードデータを記憶するとともに、位置情報記憶エリア88bにそのバーコードデータを読み取った走査レーザー光IDを関連付けて記憶する。
【0108】
次に、バーコードデータを正常に読み取ったことをキャッシャに報知するためにスピーカー音信号および発光ダイオード信号が通信インターフェース85を介してバーコードスキャナー11に出力するとともに、商品コードテーブルを検索して当該商品コードに対応する品名および単価を呼出し、その単価に販売点数を乗算して販売金額を算出する。そして、品名、販売金額等に表示データを作成して店用表示器22および客用表示器23に表示させる。
【0109】
バーコードスキャナー11のCPU51は、報知手段である音声出力部36を駆動して報知音(たとえば、「ピッ」)を報知出力する。また、発光ダイオード35を駆動して報知光を報知出力させる。
【0110】
また、バーコードデータ記憶エリア88aにバーコードデータが記憶されている場合には、新たに読み取られたバーコードの読取バーコードデータとバーコードデータ記憶エリア88aに記憶されている直前のバーコードデータとを比較するとともに新たに読み取られたバーコードの読取バーコードデータとバーコードデータ記憶エリア88aに記憶されている直前のバーコードデータとが一致しているかを調べる。
【0111】
ここで、新たに読み取られた読取バーコードデータとバーコードデータ記憶エリア88aに記憶されている直前のバーコードデータとが一致していない場合には、読取データ記憶エリア88に読取データとしてのバーコードデータ記憶エリア88aに新たに読み取られたバーコードデータを記憶するとともに、位置情報記憶エリア88bにそのバーコードデータを読み取った走査レーザー光IDを関連付けて記憶する。
【0112】
一方、新たに読み取られた読取バーコードデータとバーコードデータ記憶エリア88aに記憶された直前のバーコードデータが一致している場合には、新たに読取ったバーコードデータの走査レーザー光IDとバーコードデータ記憶エリア88aに記憶された直前のバーコードデータの走査レーザー光IDとを比較して一致しているかを調べる。
【0113】
ここで、新たに読取った読取バーコードデータの走査レーザー光IDとデータ記憶エリア88aに記憶されている走査レーザー光IDとが一致している場合には、同一のバーコードデータの読取回数を「1」だけ加算する。
【0114】
次に、新たに読取った読取バーコードデータの走査レーザー光IDとバーコードデータ記憶エリア88aに記憶されている走査レーザー光IDとを比較してバーコードの同一バーコードデータの読取の位置情報が一致しない場合には、2重の読取を警告する報知手段である音声出力部36を駆動して警告音を報知出力する。また、報知手段である発光ダイオード35を駆動して警告光を報知出力させる。
【0115】
次に、同一バーコードデータかつ同一走査レーザー光IDで読み取られた同一バーコードデータの読取回数がN回以上かを調べる。その結果として同一バーコードデータの読取回数がN回以上でない場合には、多重の読取を警告する報知手段として音声出力部36を駆動して警告音を報知出力する。また、報知手段として発光ダイオード35を駆動して警告光を報知出力させる。
【0116】
また、同一バーコードデータが同一走査レーザー光IDで読み取られた同一バーコードデータの読取回数がN回以上の場合には、買物カゴXが同じ場所で静止状態になっていて買物カゴX内の商品に表示されたバーコードがN回以上読み取られたことを警告する報知手段として音声出力部36を駆動して警告音を報知出力する。また、報知手段として発光ダイオード35を駆動して警告光を報知出力させる。
【0117】
本実施の形態では、買物カゴXから買物カゴYへ向かう方向に移動するように説明したが、買物カゴYから買物カゴXへ向かうようにしてもよい。
【0118】
また、回転ミラー72を3面角桂形状とし、この回転ミラー72の各反射面から反射される走査レーザー光を5枚の固定ミラー(76A、76B、76C、76D、76E)上で走査させる構造のバーコードスキャナー11に本発明を適用したが回転ミラー72の反射面数や固定ミラーの枚数が異なる構造のバーコードスキャナー11に対しても本発明は適用できるものである。
【0119】
また、バーコードのバーコードデータを読み取った走査線IDである走査レーザー光IDの位置情報である位置データを検出する光センサー60を固定ミラー76Aの上流側の回転ミラー72の反射面72Aでの走査軌跡上に配置したが、固定ミラー76Aの上流側の回転ミラー72の各反射面72A、72B、72Cの走査軌跡上に各々配置してもよい。
【0120】
以上説明したように、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、実施の段階ではその趣旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能であるのは勿論である。
【符号の説明】
【0121】
11…バーコードスキャナー、13…POSターミナル、21、32…キーボード、22、33…店用表示器、23,34…客用表示器、35…発光ダイオード、36…音声出力部、51、81…CPU、66、88…読取データ記憶エリア(読取データ記憶手段)、66a、88a…バーコードデータ記憶エリア、66b、88b…位置情報記憶エリア、66c、88c…読取回数記憶エリア、67…バーコード読取手段。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0122】
【特許文献1】特開2001−13559号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビームを出射する光源と、
この光源から出射される前記ビームを回転ミラーの各反射面により偏向走査するビーム偏向手段と、
このビーム偏向手段により走査された走査ビームを複数の固定ミラーにより複数本の走査ビームを生成する走査ビーム生成手段と、
この走査ビーム生成手段によって生成される複数本の前記走査ビームを出射させる読取窓と、
この読取窓から出射される前記走査ビームによりバーコードを読み取るバーコード読取手段と、
複数本の前記走査ビームに対してそれぞれ位置情報を検出する読取位置検出手段と、
前記バーコード読取手段により読み取られたバーコードデータと前記読取位置検出手段により検出された位置情報とを関連付けて記憶する読取データ記憶手段と、
前記バーコード読取手段により読み取られた読取バーコードデータと前記読取データ記憶手段に記憶されている直前バーコードデータとを比較して一致するか判定するバーコードデータ判定手段と、
このバーコードデータ判定手段によりバーコードデータ同士が一致すると判定されると前記読取バーコードデータの位置情報と前記読取データ記憶手段に記憶されている位置情報とを比較して一致するか判定する読取位置判定手段と、
この読取位置判定手段により前記位置情報が一致しないと判定されると警告を報知出力する報知手段と、
を備えたことを特徴とするバーコード読取装置。
【請求項2】
ビームを出射する光源と、
この光源から出射される前記ビームを回転ミラーの各反射面により偏向走査するビーム偏向手段と、
このビーム偏向手段により走査された走査ビームを複数の固定ミラーにより複数本の走査ビームを生成する走査ビーム生成手段と、
この走査ビーム生成手段によって生成される複数本の前記走査ビームを出射させる読取窓と、
この読取窓から出射される前記走査ビームによりバーコードを読み取るバーコード読取手段と、
複数本の前記走査ビームに対してそれぞれ位置情報を検出する読取位置検出手段と、
前記バーコード読取手段により読み取られたバーコードデータと前記読取位置検出手段により検出された位置情報とを関連付けて記憶する読取データ記憶手段と、
前記バーコード読取手段により読み取られた読取バーコードデータと前記読取データ記憶手段に記憶されている直前バーコードデータとを比較して一致するか判定するバーコードデータ判定手段と、
このバーコードデータ判定手段によりバーコードデータ同士が一致すると判定されると前記読取バーコードデータの位置情報と前記読取データ記憶手段に記憶されている位置情報とを比較して一致するか判定する読取位置判定手段と、
この読取位置判定手段により一致すると判定されると読取データ記憶手段に記憶されている読取回数に1を加算する読取回数加算手段と、
この読取回数加算手段により前記読取回数がN回以上になると買物カゴ読取り警告を報知出力する報知手段と、
を備えたことを特徴とするバーコード読取装置。
【請求項3】
前記読取位置検出手段は、固定ミラーの上流側に走査ビームを検出するビーム検出手段を設け、このビーム検出手段により走査ビームの位置情報を検出することを特徴とする請求項1および2記載のバーコード読取装置。
【請求項4】
前記報知手段は、音声出力部を駆動して警告音を報知出力することを特徴とする請求項1および2記載のバーコード読取装置。
【請求項5】
前記報知手段は、発光ダイオードを駆動して警告光を報知出力することを特徴とする請求項1および2記載のバーコード読取装置。
【請求項6】
商品に表示されたバーコードを読み取るバーコード読取装置のバーコード読取方法において、
複数本の走査ビームでバーコードを走査してバーコードデータを読み取るバーコードデータ読取ステップと、
前記バーコードデータ読取ステップにより読み取られたバーコードデータの走査ビームの位置情報を検出する位置情報検出ステップと、
前記位置情報検出ステップにより検出された前記位置情報と前記バーコードデータとを関連付けて記憶する読取データ記憶ステップと、
前記バーコードデータ読取ステップにより読み取られた読取バーコードデータと記憶されている直前バーコードデータとを比較して一致するかを判定するバーコードデータ判定ステップと、
前記バーコードデータ判定ステップにより一致すると判定されると前記読取バーコードデータの位置情報と前記直前バーコードデータの位置情報とを比較して一致するかを読取位置情報判定ステップと、
前記読取位置情報判定ステップにより前記位置情報が一致しないと判定されると警告を報知出力する警告報知出力ステップと、
を含むことを特徴とするバーコード読取方法。
【請求項7】
商品に表示されたバーコードを読み取るバーコード読取装置のバーコード読取方法において、
複数本の走査ビームでバーコードを走査してバーコードデータを読み取るバーコードデータ読取ステップと、
前記バーコードデータ読取ステップにより読み取られたバーコードデータの走査ビームの位置情報を検出する位置情報検出ステップと、
前記位置情報検出ステップにより検出された前記位置情報と前記バーコードデータとを関連付けて記憶する読取データ記憶ステップと、
前記バーコードデータ読取ステップにより読み取られた読取バーコードデータと記憶されている直前バーコードデータとを比較して一致するかを判定するバーコードデータ判定ステップと、
前記バーコードデータ判定ステップにより一致すると判定されると前記読取バーコードデータの位置情報と前記直前バーコードデータの位置情報とを比較して一致するかを読取位置情報判定ステップと、
前記読取位置情報判定ステップにより一致していると判定されると読取回数に1を加算する読取回数加算ステップと、
前記読取回数加算ステップにより前記読取回数nがN回以上なると買物カゴ読取り警告を報知出力する買物カゴ読取り警告報知出力ステップと、
を含むことを特徴とするバーコード読取方法。
【請求項8】
各商品に表示されたバーコードを読み取るバーコード読取装置を備え、
このバーコード読取装置で読取入力された読取データに基づいて当該商品の販売処理を行う商品販売データ処理装置において、
前記バーコード読取装置で読取入力された読取データのバーコードデータと位置情報を記憶する読取データ記憶手段と、
前記バーコードデータが読取入力されるとその読取入力された読取バーコードデータと前記読取データ記憶手段に記憶されている直前バーコードデータとを比較して一致するか判定するバーコードデータ判定手段と、
このバーコードデータ判定手段により一致すると判定されると前記読取バーコードデータの位置情報と前記読取データ記憶手段に記憶されている位置情報とを比較して一致するか判定する読取位置情報判定手段と、
この読取位置情報判定手段により前記位置情報が一致しないと判定されると警告を報知出力する報知手段と、
を備えたことを特徴とする商品販売データ処理装置。
【請求項9】
各商品に表示されたバーコードを読み取るバーコード読取装置を備え、
このバーコード読取装置で読取入力された読取データに基づいて当該商品の販売処理を行う商品販売データ処理装置において、
前記バーコード読取装置で読取入力された読取データのバーコードデータと位置情報を記憶する読取データ記憶手段と、
前記バーコードのバーコードデータが読取入力されるとその読取入力された読取バーコードデータと前記読取データ記憶手段に記憶されている直前バーコードデータとを比較して一致するか判定するバーコードデータ判定手段と、
このバーコードデータ判定手段により一致すると判定されると前記読取バーコードデータの位置情報と前記読取データ記憶手段に記憶されている位置情報とを比較して一致するか判定する読取位置情報判定手段と、
この読取位置情報判定手段により前記位置情報が一致すると判定されると前記読取データ記憶手段に記憶されている読取回数に1を加算する読取回数加算手段と、
この読取回数加算手段により前記読取データ記憶手段に記憶されている前記読取回数がN回以上なると買物カゴ読取り警告を報知出力する報知手段と、
を備えたことを特徴とする商品販売データ処理装置。
【請求項10】
各商品に表示されたバーコードを読み取るバーコード読取装置を備え、販売処理を行う商品販売データ処理装置の商品販売データ処理方法において、
前記バーコード読取装置で読取入力された読取データのバーコードデータと位置情報を関連付けて記憶する読取データ記憶ステップと、
前記読取データ記憶ステップにより読取入力された読取バーコードデータと直前バーコードデータを比較して一致するか判定するバーコードデータ判定ステップと、
前記バーコードデータ判定ステップにより一致すると判定されると前記読取バーコードデータの位置情報と前記直前バーコードデータの位置情報とを比較して一致するか判定する読取位置情報ステップと、
前記読取位置情報ステップにより前記位置情報が一致しないと判定されると警告を報知出力する警告報知出力ステップと、
を含むことを特徴とする商品販売データ処理方法。
【請求項11】
各商品に表示されたバーコードを読み取るバーコード読取装置を備え、販売処理を行う商品販売データ処理装置の商品販売データ処理方法において、
前記バーコード読取装置で読取入力された読取データのバーコードデータと位置情報を記憶する読取データ記憶ステップと、
前記読取データ記憶ステップにより読取入力された読取バーコードデータと直前バーコードデータを比較して一致するか判定するバーコードデータ判定ステップと、
前記バーコードデータ判定ステップにより一致すると判定されると前記読取バーコードデータの位置情報と前記直前バーコードデータの位置情報とを比較して一致するか判定する読取位置情報判定ステップと、
前記読取位置情報判定ステップにより前記位置情報が一致すると判定されると前記読取データの読取回数記憶手段の読取回数に1を加算する読取回数加算ステップと、
前記読取回数加算ステップにより前記読取回数がN回以上になると買物カゴ読取り警告を報知出力する買物カゴ読取り警告報知出力ステップと、
を含むことを特徴とする商品販売データ処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−250676(P2010−250676A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−100973(P2009−100973)
【出願日】平成21年4月17日(2009.4.17)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】