説明

パスワード入力システム及び方法

【課題】暗証番号などのパスワードを入力する画面やしぐさを盗撮されてもパスワードが解読・推測されないパスワード入力システムを提供する。
【解決手段】本体装置と端末装置とを含み、前記本体装置は、第1のキャラクタ群のキャラクタを第2のキャラクタ群のキャラクタに対応付ける対応テーブルを発生する対応テーブル発生手段と、前記対応テーブルを前記端末装置に送信する送信手段と、前記第2のキャラクタ群のキャラクタのキャラクタテーブルを表示するキャラクタテーブル表示手段と、前記キャラクタテーブルに表示されたキャラクタを入力するキャラクタ入力手段と、入力された前記第2のキャラクタ群のキャラクタを前記対応テーブルに基づいて前記第1のキャラクタ群のキャラクタに変換する変換手段とを備え、前記端末装置は、前記本体装置から送信される対応テーブルを受信する受信手段と、前記対応テーブルを表示する対応テーブル表示手段とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パスワードを入力するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ATM(Automatic Teller Machine:現金自動支払機)等で現金引き出し等の操作時に暗証番号を入力する画面やしぐさを盗み見られたり盗撮されるなどして悪用される事件が多発している。
【0003】
また、テレビジョン受像機などでは、インターネットやデジタル放送での取引のためにパスワードを入力したり、アダルトコンテンツへのアクセスを制限するためにパスワードの入力を求めたりといったことも多くなってきており、パスワードの安全性を確保することが急務となっている。
【0004】
特許文献1には、ATM認証の後、携帯端末にワンタイムパスワードを発行し、暗証番号による認証に加え、そのパスワードでさらに認証する、本人認証システム及び本人認証方法が記載されている。
【0005】
特許文献2には、5×10個位の入力エリアにキーバッドを表示してどこを押しているのか手の動きからわかりにくくする、暗証番号入力装置が記載されている。
【0006】
特許文献3には、暗証番号を入力するセルの場所や順番まで使用する、暗証番号入力方法が記載されている。
【0007】
特許文献4には、入力キーパッドの配列を変化させる、番号や記号等の配列が変化する暗証入力方式が記載されている。
【0008】
特許文献5には、キーパッドの配列をランダムに表示するのと、物理キーを表示画面を別にして入力する、パスワード入力装置及びパスワード入力変更方法が記載されている。
【0009】
【特許文献1】特開2004−272827号公報
【特許文献2】特開平5−334334号公報
【特許文献3】特開2000−339084号公報
【特許文献4】特開平9−274531号公報
【特許文献5】特開2000−214943号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1に記載の技術のようにワンタイムパスワードが即座に発行されるものは、携帯端末での通信を必要とするため、電波の入らない場所では使用できないという問題があった。また、暗証番号に加えワンタイムパスワードも入力しなければならないため、入力する文字が多くなり、手間がかかるといった問題があった。
【0011】
特許文献2〜5に記載の数字キーの配列パターンを変更するものは、入力画面や物理キーそのものが盗撮されていると暗証番号が解読され、効果がなかった。
【0012】
上述したことを鑑み、本発明は、暗証番号などのパスワードを入力する画面やしぐさを盗撮されてもパスワードが解読・推測されないパスワード入力システム及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のパスワード入力システムは、本体装置と端末装置とを含み、第1のキャラクタ群のキャラクタからなるパスワードを入力するパスワード入力システムであって、前記本体装置は、第1のキャラクタ群のキャラクタを第2のキャラクタ群のキャラクタに対応付ける対応テーブルを発生する対応テーブル発生手段と、前記対応テーブルを前記端末装置に送信する送信手段と、前記第2のキャラクタ群のキャラクタのキャラクタテーブルを表示するキャラクタテーブル表示手段と、前記キャラクタテーブルに表示されたキャラクタを入力するキャラクタ入力手段と、入力された前記第2のキャラクタ群のキャラクタを前記対応テーブルに基づいて前記第1のキャラクタ群のキャラクタに変換する変換手段とを備え、前記端末装置は、前記本体装置から送信される対応テーブルを受信する受信手段と、前記対応テーブルを表示する対応テーブル表示手段とを備えることを特徴とする。入力画面には第2のキャラクタのみが表示され、パスワードを構成する第1のキャラクタと第2のキャラクタの対応テーブルはユーザが手にする端末装置において表示されるので、入力画面を盗撮されるなどしても、パスワードは解読されない。
【0014】
前記対応テーブル発生手段は、前記対応テーブル発生手段は、前記キャラクタ入力手段において1つのキャラクタが入力されるたびに新たな対応テーブルを発生し、前記送信手段から前記端末装置の受信手段に送信してもよい。このようにすれば、端末装置の画面を盗撮されたとしても、次のキャラクタの入力時には対応テーブルが変更されているためパスワードを構成するキャラクタのすべてを第3者に推測されることはなくなるので、セキュリティ度をより向上させることができる。
【0015】
前記対応テーブルは、前記第2のキャラクタ群のキャラクタのみが表示され、前記第2のキャラクタ群のキャラクタは、対応する前記第1のキャラクタ群のキャラクタに対して定められた位置に表示されるようにしてもよい。このようにすれば、端末装置の画面を盗撮されたとしても、第1のキャラクタ群のキャラクタと第2のキャラクタ群のキャラクタとの対応を第3者が推測することはできないため、セキュリティ度をより向上させることができる。
【0016】
この際、前記端末装置は、他の表示手段も備え、前記他の表示手段は、前記第1のキャラクタ群のキャラクタがどの位置に定められているのかを示すキャラクタ位置表を表示するようにしてもよい。このようにすれば、ユーザが第1のキャラクタ群のキャラクタに対応する位置を忘れても、キャラクタ位置表を見ることによって確認することができる。
【0017】
前記本体装置の前記送信部と、前記端末装置の前記受信部は、RFID、二次元バーコード、赤外線、Bluetooth、無線LAN、又は、電子メールによって通信するようにしてもよい。
【0018】
前記キャラクタテーブル表示手段及び前記キャラクタ入力手段はタッチパネルであってもよい。
前記本体装置は現金自動支払機であり、前記端末装置は携帯端末であってもよい。
【0019】
前記端末装置は、操作キーと、前記操作キーの操作に基づいた制御信号を送信する制御信号送信手段を備え、前記本体装置は前記制御信号を受信する制御信号受信手段を備え、前記本体装置の前記キャラクタ入力手段は、前記キャラクタテーブルにおけるキャラクタの選択及び入力を前記制御信号にしたがって行うようにしてもよい。
【0020】
前記本体装置はテレビジョン受像機であり、前記端末装置はリモコン装置であってもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、パスワードを入力する画面やしぐさを盗撮されてもパスワードが解読・推測されないパスワード入力システム及び方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1は、本発明によるパスワード入力システムの第1の実施形態の概略構成図である。本実施形態は、ATMで種々の取引のためにパスワード(暗証番号)を入力する場合を想定している。本システムは、ATM本体1と、携帯端末4とを含む。ATM本体1は、ネットワーク2を介してサーバ3に接続される。ATM本体1は、入力表示部11と対応テーブル送信部12を備える。入力表示部11はタッチパネルになっている。携帯端末4は、ATM本体1の対応テーブル送信部12と無線通信可能であり、通信方式はNFC(Near Field Communication)等のRFID(Radio Frequency Identification)が好適であるが、他の通信方式、例えば、2次元バーコード、赤外線、Bluetooth、無線LAN、電子メール等を使用してもかまわない。2次元バーコードの場合、ATM本体1の対応テーブル送信部12は、所定の情報を表示するサイトのURLを表す2次元バーコードを表示し、携帯端末4は内蔵カメラ(図示せず)でこの2次元バーコードを撮影し、解読したURLにアクセスして情報を得るようにしてもよい。また、この場合2次元バーコードは入力表示部11内に表示され、対応テーブル送信部を含むようなつくりであってもよい。携帯端末4は、種々の情報を表示する液晶画面と、数字を入力するテンキー等を備えている。本実施の形態では、携帯端末4が端末装置に対応し、受信手段を備え、液晶画面が対応テーブル表示手段に対応する。
【0023】
図2は、ATM本体1の構成の一例を示すブロック図である。ATM本体1は、入力表示部11及び対応テーブル送信部12に加えて、通帳取扱部13と、硬貨取扱部14と、硬貨収納部15と、装置全体の制御を行う制御部16と、記憶部17と、キャッシュカード取扱部18と、紙幣取扱部19と、紙幣収納部20と、通信部21とを備える。本実施形態では、ATM本体1が本体装置に対応し、制御部16が対応テーブル発生手段を含み、対応テーブル送信部12が送信手段に対応し、入力表示部11がキャラクターテーブル表示手段及びキャラクタ入力手段を兼ねている。通帳取扱部13と、硬貨取扱部14と、硬貨収納部15、キャッシュカード取扱部18と、紙幣取扱部19と、紙幣収納部20は、従来のATMに備わるものと同様であり、本発明を説明する上で重要ではないため、特に詳細は説明しない。
【0024】
図1及び2を参照し、本実施形態のパスワード入力システムにおける動作について説明する。パスワードは4桁の数列とする。
【0025】
ユーザは、ATM本体1における種々の取引のために、例えばキャッシュカードをキャッシュカード取扱部18に挿入し、入力表示部11で所望の取引を選択する。パスワードを入力する際、まず携帯電話機等の携帯端末4を対応テーブル送信部12に翳す。対応テーブル送信部12は、携帯端末4に図1に示すような対応テーブルを送信する。この対応テーブルは、「0」〜「9」の数字に平仮名の「あ」〜「ん」からランダムに選択された1つの文字をそれぞれ対応付けるものである。図示した例では、「0:へ」、「1:そ」、「2:れ」、「3:い」、「4:お」、「5:む」、「6:ま」、「7:う」、「8:ろ」、「9:つ」のように割り当てられている。携帯端末4は、受信したこのような対応テーブルを液晶画面に表示する。対応テーブルは、取引のたびに新たなものが生成される。また、平仮名を1文字入力するたびに新たな対応テーブルを生成してもよい。
【0026】
この際、ATM本体1の入力表示部11は、図1に示すような入力可能な平仮名テーブルを表示する。入力表示部11はタッチパネルとなっており、ユーザが指で触れることにより平仮名テーブルの各平仮名を入力することができる。ユーザは、自分のパスワードを携帯端末4に表示された対応テーブルに基づいて平仮名列に置き換え、ATM本体1の入力表示部11の平仮名テーブルにおいて入力する。例えば、図示した例において、ユーザのパスワードは「5762」であるとする。これを図1の対応テーブルに基づいて平仮名列に置き換えると、「むうまれ」となる。平仮名テーブルによって入力される平仮名は、記憶部17に記憶される。この際、入力される平仮名を入力表示部11において順次表示してもよい。図1に示す入力表示部11の画面では、最初の3文字の「むうま」までが入力された状態を示す。この表示はなくてもよい。又は入力済みの平仮名が伏字「*」で表示されても良い。パスワードに対応する4文字の平仮名が入力されたら(この際、ユーザが確定ボタン等を押すことによってパスワードの入力が完了したことを明確に示すようにしてもよい)、制御部16は、記憶部17に記憶された平仮名列を元のパスワードに変換し、変換されたパスワードを通信部21によってサーバ3に送信し、パスワードの認証を行う。
【0027】
図3は、このようなパスワード入力システムの動作を説明するフローチャートである。ステップs101で、制御部16は対応テーブルを作成する。ステップs102で、入力表示部11において、例えば「携帯電話をかざしてください」と表示し、ユーザに携帯端末4を対応テーブル送信部12に翳すように促す。ユーザが携帯端末4を対応テーブル送信部12に翳すと、ステップs103で、対応テーブル送信部12から対応テーブルが携帯端末4に送信される。携帯端末4は、受信した対応テーブルを液晶画面に表示する。ステップs104で、入力表示部11において、平仮名テーブルを表示する。ステップs105で、入力される平仮名のカウント用の変数nを0にリセットする。ステップs106で、入力表示部11の平仮名テーブルにおいて画面がタッチされ、平仮名が入力されたかどうかを判定する。平仮名が入力されたら、ステップs107で、入力された平仮名を入力表示部11において表示する。又は平仮名を表示せずに伏字「*」を表示するような作りでも良い。ステップs108で、制御部16は、入力された平仮名を対応テーブルに基づいて数字に変換し、記憶部17に記憶する。ステップs109で、nを1増分する。ステップs110で、nが3かどうかを判定する。nが3であれば4文字のパスワードが入力されたことになるのでステップs111に進み、そうでなければステップs106に戻る。ステップs111で、制御部16は、記憶部17に記憶された4桁のパスワードを通信部21によってサーバ3に送信し、パスワードの認証を行う。通信部21は、サーバ3からの認証結果を受信する。ステップs112で、パスワードが正しければステップs113に進んで取引を開始する。パスワードが正しくなければ、ステップs114で、入力表示部11において、例えば「パスワードが違います。再度入力してください」と表示し、ステップs104に戻ってユーザにパスワードを再度入力させる。
【0028】
ステップs112においてパスワードが正しくない場合、ステップs105に戻ってもよい。また、ステップs101に戻り、新たに対応テーブルを作成してからパスワードの入力をやり直してもよい。
【0029】
ステップs108では、入力された平仮名一文字ごとに数字に変換しているが、4文字の平仮名が入力された後(ステップs111の前に)、一度に数字に変換するようにしてもよい。また、平仮名を一文字入力するたびに対応テーブルを新たに発生し、携帯端末に送信するようにしてもよい。この場合は、平仮名が一文字入力される度に、入力された平仮名に対応する数字に変換し、「携帯端末をかざしてください」と入力表示部11に表示するほうがよい。
【0030】
図4は、対応テーブルの他の例を示す図である。携帯端末の表示部には、図4aに示すような平仮名の配列だけが表示される。ユーザは図4bに示すような数字の配列を記憶しておき、図4aにおける各平仮名がどの数字に対応するかを知る。さらに、端末装置の他の表示部(携帯端末のサブ画面等)に図4bに示すような数字の配列を表示させるようにしてもよい。このような配列は、ユーザが任意に携帯端末に事前に設定、もしくはATMシステムに事前に設定できるようにしてもよい。また、図4aのみが表示されている時に携帯端末4に備わっているあるボタンを押下している間だけ、図4bが表示されるような仕組みであっても良い。
【0031】
図5は、本発明によるパスワード入力システムの第2の実施形態の概略構成図である。本実施形態は、テレビジョン受像機であり、インターネット等のネットワークに接続可能な場合はネットワーク上の種々の取引や、テレビジョン受像機本体におけるコンテンツの表示制限のためにパスワードを入力する場合を想定している。本システムは、テレビジョン受像機30とリモコン装置40から成る。テレビジョン受像機30は、表示部31と送受信部32を備える。リモコン装置40は、テレビジョン受像機30の送受信部32と双方向通信可能であり、液晶表示画面と、テンキーと、カーソルキーとを備える。本実施の形態では、リモコン装置40が端末装置に対応し、受信手段を備え、液晶表示画面が対応テーブル表示手段に対応する。
【0032】
図6は、テレビジョン受像機30の構成の一例を示すブロック図である。テレビジョン受像機30は、表示部31及び送受信部32に加えて、チューナ部33と、装置全体の制御を行う制御部34と、通信部35と、記憶部36と、スピーカ部37とを備える。本実施形態では、テレビジョン受像機30が本体装置に対応し、制御部34が対応テーブル発生手段を含み、送受信部32が送信手段に対応し、表示部12がキャラクターテーブル表示手段及びキャラクタ入力手段を兼ねている。チューナ部33と、スピーカ部従来のテレビジョン受像機に備わるものと同様であり、本発明を説明する上で重要ではないため、特に詳細は説明しない。通信部は、インターネット等に接続するためのものであり、インターネット等に接続しない場合はなくてもよい。
【0033】
図5及び6を参照し、本実施形態のパスワード入力システムにおける動作について説明する。パスワードは4桁の数列とする。本実施例では、テレビジョン受像機30内でパスワードの認証を行う場合を想定する。
【0034】
ユーザがテレビジョン受像機30においてパスワードを入力する際、テレビジョン受像機30は、リモコン装置40に図5に示すような対応テーブルを送信する。この対応テーブルは、「0」〜「9」の数字に平仮名の「あ」〜「ん」からランダムに選択された1つの文字をそれぞれ対応付けるものである。図示した例では、「0:へ」、「1:そ」、「2:れ」、「3:い」、「4:お」、「5:む」、「6:ま」、「7:う」、「8:ろ」、「9:つ」のように割り当てられている。リモコン装置40は、受信したこのような対応テーブルを液晶画面に表示する。対応テーブルは、取引のたびに新たなものが生成される。また、パスワードを1文字入力するたびに新たな対応テーブルを生成してもよい。
【0035】
この際、テレビジョン受像機30の表示部31は、図5に示すような平仮名テーブルを表示する。リモコン装置40のカーソルキーの操作によって、平仮名テーブルにおける平仮名を選択し、入力することができる。ユーザは、自分のパスワードをリモコン装置40に表示された対応テーブルに基づいて平仮名列に置き換え、リモコン装置40のカーソルキーを操作し、テレビジョン受像機30の表示部31に表示された平仮名テーブルにおいて所望の平仮名を選択し、入力する。例えば、図示した例において、ユーザのパスワードは「5762」であるとする。これを図5の対応テーブルに基づいて平仮名列に置き換えると、「むうまれ」となる。平仮名テーブルによって入力される平仮名は、記憶部36に記憶される。この際、入力される平仮名を表示部31において順次表示してもよく、図5に示す表示部31の画面では、最初の3文字の「むうま」までが入力された状態を示す。又は入力済みの平仮名が伏字「*」で表示されても良い。パスワードに対応する4文字の平仮名が入力されたら(この際、ユーザが確定ボタン等を押すことによってパスワードの入力が完了したことを明確に示すようにしてもよい)、制御部34は、記憶部36に記憶された平仮名列を元の4桁の数字のパスワードに変換し、変換されたパスワードを記憶部に記録されているユーザが予め設定したパスワードと比較を行い、認証を行う。
【0036】
図7は、このような第2の実施形態のパスワード入力システムの動作を説明するフローチャートである。パスワード入力処理が開始されると、ステップs201で、制御部34は対応テーブルを作成する。ステップs202で、送受信部32からリモコン装置40に対応テーブルが送信される。リモコン装置40は、受信した対応テーブルを液晶画面に表示する。ステップs203で、表示部31において、平仮名テーブルを表示する。ステップs204で、入力される平仮名のカウント用の変数nを0にリセットする。ステップs205で、リモコン装置40のカーソルキーの操作によって平仮名テーブルにおいて平仮名が選択され、入力されたかどうかを判定する。平仮名が入力されたら、ステップs206で、入力された平仮名を表示部31において表示する。又は入力された平仮名が伏字「*」で表示されても良い。ステップs207で、制御部34は、入力された平仮名を前記対応テーブルに基づいて数字に変換し、記憶部36に記憶する。ステップs208で、nを1増分する。ステップs209で、nが3かどうかを判定する。nが3であれば4桁のパスワードが入力されたことになるのでステップs210に進み、そうでなければステップs205に戻る。ステップs210で、制御部34は、記憶部36に記憶された4桁のパスワードの認証を行う。ステップs211で、パスワードが正しければパスワード入力処理を終了する。パスワードが正しくなければ、ステップs212で、表示部31において、例えば「パスワードが違います。再度入力してください」と表示し、ステップs203に戻ってユーザにパスワードを再度入力させる。
【0037】
ステップs211においてパスワードが正しくない場合、ステップs212の後にステップs204に戻ってもよい。また、ステップs201に戻り、新たに対応テーブルを作成してからパスワードの入力をやり直してもよい。
【0038】
ステップs207では、入力された平仮名一文字ごとに数字に変換しているが、4文字の平仮名が入力された後(ステップs210の前に)、一度に数字に変換するようにしてもよい。また、平仮名を一文字入力するたびに対応テーブルを新たに発生し、携帯端末に送信するようにしてもよい。この場合は、平仮名が一文字入力される度に、入力された平仮名に対応する数字に変換するほうがよい。
【0039】
上記で説明した第1及び第2の実施の形態では、パスワードは4桁の数字から成り、入力時に平仮名テーブルを使用したが、これらは一例である。パスワードは、数字以外でもよく、例えば、平仮名、片仮名、アルファベット、記号、又は、図形でもよく、これらの組み合わせであってもよい。また、桁数(文字数)も4桁(文字)に限定されない。平仮名テーブルの代わりに、他のキャラクタ、例えば、数字、片仮名、アルファベット、記号、又は、図形の群又はこれらの組み合わせからなるテーブルを用いることもできる。また、携帯端末4もしくはリモコン装置40が、対応テーブルを受信する際の通信手段としては、無線LANやBluetooth、赤外線などどのような手段でも良いことから、実施形態においては、携帯端末4を対応テーブル送信部12に翳すという操作をしなくても対応テーブルを受信できるようになっていても良く、テレビジョン受信機30から対応テーブルをリモコン装置40が受け取る場合でも、赤外線通信の場合はリモコン装置40の図示していない赤外線受光部をテレビジョン受像機の送受信部32に向けて通信を行うようにしても良く、Bluetoothの場合には送受信部32に向けなくても通信が可能である。つまり、使用される通信手段によってふさわしい形態で情報の送受信が行われればよい。
【0040】
以上説明したように、本発明のパスワード入力システムでは、パスワードの入力画面の盗撮などをされても、パスワードの入力画面には、端末装置(携帯電話等の携帯端末やリモコン装置等)に表示される対応テーブルを見ることができないものには理解不能な、パスワードを構成するキャラクタとは異なるキャラクタの列しか表示されないため、第3者にパスワードを解読、推測されることがない。
【0041】
上記で説明した実施の形態では、ATMとテレビジョン受像機を例として挙げたが、本発明は、パスワードの入力を行う他のいかなる用途、例えば、店舗のクレジット決済等の用途にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、パスワード入力システム及び方法に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明によるパスワード入力システムの第1の実施形態の概略構成図である。
【図2】ATM本体1の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】第1の実施形態のパスワード入力システムの動作を説明するフローチャートである。
【図4】対応テーブルの他の例を示す図である。
【図5】本発明によるパスワード入力システムの第2の実施形態の概略構成図である。
【図6】テレビジョン受像機30の構成の一例を示すブロック図である。
【図7】第2の実施形態のパスワード入力システムの動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0044】
1 ATM本体
2 ネットワーク
3 サーバ
4 携帯端末
11 入力表示部
12 対応テーブル送信部
13 通帳取扱部
14 硬貨取扱部
15 硬貨収納部
16 制御部
17 記憶部
18 キャッシュカード取扱部
19 紙幣取扱部
20 紙幣収納部
21 通信部
30 テレビジョン受像機
31 表示部
32 送受信部
33 チューナ部
34 制御部
35 通信部
36 記憶部
37 スピーカ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体装置と端末装置とを含み、第1のキャラクタ群のキャラクタからなるパスワードを入力するパスワード入力システムであって、
前記本体装置は、
第1のキャラクタ群のキャラクタを第2のキャラクタ群のキャラクタに対応付ける対応テーブルを発生する対応テーブル発生手段と、
前記対応テーブルを前記端末装置に送信する送信手段と、
前記第2のキャラクタ群のキャラクタのキャラクタテーブルを表示するキャラクタテーブル表示手段と、
前記キャラクタテーブルに表示されたキャラクタを入力するキャラクタ入力手段と、
入力された前記第2のキャラクタ群のキャラクタを前記対応テーブルに基づいて前記第1のキャラクタ群のキャラクタに変換する変換手段とを備え、
前記端末装置は、
前記本体装置から送信される対応テーブルを受信する受信手段と、
前記対応テーブルを表示する対応テーブル表示手段とを備えることを特徴とするパスワード入力システム。
【請求項2】
前記対応テーブル発生手段は、前記キャラクタ入力手段において1つのキャラクタが入力されるたびに新たな対応テーブルを発生し、前記送信手段から前記端末装置の受信手段に送信することを特徴とする請求項1記載のパスワード入力システム。
【請求項3】
前記対応テーブルは、前記第2のキャラクタ群のキャラクタのみが表示され、前記第2のキャラクタ群のキャラクタは、対応する前記第1のキャラクタ群のキャラクタに対して定められた位置に表示されることを特徴とする請求項1又は2に記載のパスワード入力システム。
【請求項4】
前記端末装置は、他の表示手段も備え、前記他の表示手段は、前記第1のキャラクタ群のキャラクタがどの位置に定められているのかを示すキャラクタ位置表を表示することを特徴とする請求項3記載のパスワード入力システム。
【請求項5】
前記本体装置の前記送信部と、前記端末装置の前記受信部は、RFID、二次元バーコード、赤外線、Bluetooth、無線LAN、又は、電子メールによって通信することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のパスワード入力システム。
【請求項6】
前記本体装置の前記キャラクタテーブル表示手段及び前記キャラクタ入力手段はタッチパネルであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のパスワード入力システム。
【請求項7】
前記本体装置は現金自動支払機であり、前記端末装置は携帯端末であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のパスワード入力システム。
【請求項8】
前記端末装置は、操作キーと、前記操作キーの操作に基づいた制御信号を送信する制御信号送信手段を備え、前記本体装置は前記制御信号を受信する制御信号受信手段を備え、前記本体装置の前記キャラクタ入力手段は、前記キャラクタテーブルにおけるキャラクタの選択及び入力を前記制御信号にしたがって行うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のパスワード入力システム。
【請求項9】
前記本体装置はテレビジョン受像機であり、前記端末装置はリモコン装置であることを特徴とする請求項1乃至5及び8のいずれか1項に記載のパスワード入力システム。
【請求項10】
第1のキャラクタ群のキャラクタからなるパスワードを入力するパスワード入力方法であって、
本体装置が、前記第1のキャラクタ群のキャラクタと第2のキャラクタ群のキャラクタとの対応テーブルを発生するステップと、
前記本体装置が端末装置に前記対応テーブルを送信するステップと、
前記本体装置が、前記第2のキャラクタ群のキャラクタのキャラクタテーブルを表示するステップと、
前記端末が前記対応テーブルを表示するステップと、
前記本体装置において、前記キャラクタテーブルに含まれるキャラクタの入力を受けるステップと、
前記本体装置において、入力された前記第2のキャラクタ群のキャラクタを、前記対応テーブルに基づいて前記第1のキャラクタ群のキャラクタに変換するステップとを含むことを特徴とするパスワード入力方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−234440(P2008−234440A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−74958(P2007−74958)
【出願日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】