説明

パソコン盗難対策システム

【課題】パソコン本体の設置箇所に拘わらず同じ設定を利用でき、また、周辺機器との位置関係を利用して、パソコン本体が盗難に遭った場合に、パソコン本体に装備されたハードディスク等の記憶メディアに記憶されている情報の漏洩を防止することができるパソコン盗難対策システムを提供する。
【解決手段】マウス装置1とパソコン本体2とにGPS機能を設け、マウス装置1からパソコン本体2にマウス装置1の位置情報を送信し、マウス装置1の位置情報とパソコン本体2の位置情報とから双方の離間距離を算出し、この離間距離が設定された許容離間距離以上に離れた場合に、パソコン本体2に装備されているハードディスク3の動作をロックする。離間距離に拘わらずハードディスク3の動作をロックする機能やロックされた状態を解除する機能も設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パソコン本体が盗難にあった場合に利用可能なパソコン盗難対策システムに関する。より具体的には、周辺機器やパソコン本体にGPS(Global Positioning System)機能を持たせて、これを利用して情報漏洩等の対策を図ったものである。
【背景技術】
【0002】
パソコンの盗難件数は、2005年の統計によると、全世界で75万台とも言われ、現在でも増加傾向にある。盗難に対する対策としては、いろいろと考えられているが、パソコンが盗難された場合には、企業秘密や個人情報の流出などの大きな問題が発生することが予想される。
【0003】
そこで、従来においては、PCの電源が投入され、システムが起動する際に、BIOSメモリ内のプログラムに従って、GPS受信回路で取得した位置情報をLANデバイスよりインターネットを介して所有者へ電子メールで通知して、PCが紛失、盗難に遭った場合でも、確実にPCの所在を確認できるようにした構成(特許文献1参照)や、
GPSの電波を受信して現在の時刻情報および位置情報を取得する時刻位置情報取得部と、予め設定された使用可能な時刻情報および位置情報を設定する設定部と、時刻位置情報取得部で取得した時刻情報および位置情報と、設定部で設定された時刻情報および位置情報とを比較して異常を判定する時刻位置情報判定部とを備えて盗難を防止するようにした構成(特許文献2参照)、
パソコンに、現在位置を測位するGPS受信装置と、現在位置と予め設定しておいた配置許可領域(パソコンを使用しようする者が持ち歩き得る範囲を想定して設定)とを照合する位置照合手段と、位置照合手段により現在位置が前記配置許可領域内でないと判断された場合に、情報の漏洩を防止するための緊急措置を実行する緊急措置実行手段(データの消去、外部入力の無効化を行う手段)とを設け、パソコンが盗難等に合ったとき、GPS受信装置による位置情報に基づいてパソコンが自ら情報漏洩防止のための緊急措置を実行し、重要機密に関わる情報の漏洩を確実に防止することができるようにした構成(特許文献3参照)、
等が考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−094908号公報
【特許文献2】特開2006-65377号公報
【特許文献3】特開2003-242041号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1及び2に示されるGPSを利用した盗難対策においては、盗難されたパソコン本体の所在を正確に得ることは可能であるが、パソコン本体に装備されたハードディスク等の記憶メディアに記憶されている情報の漏洩に対処することができない不都合がある。
【0006】
この点、特許文献3では、情報漏洩に対する対策となり得るが、位置照合手段により現在位置が配置許可領域内であるか否かを判定させるものであるため、パソコンの設置箇所が変われば配置許可領域を設定し直す必要があり、むやみにパソコンの設置箇所を変更することができない不都合がある。
【0007】
また、盗難時においては、パソコン本体のみが盗難され、マウス等の周辺機器は残される場合が多い。このため、パソコン本体と残された周辺機器との位置関係を利用することができれば、盗難時に適切な対応が可能となる。
【0008】
本発明は、係る事情に鑑みてなされたものであり、パソコン本体の設置箇所に拘わらず同じ設定を利用でき、また、周辺機器との位置関係を利用して、パソコン本体が盗難に遭った場合に、パソコン本体に装備されたハードディスク等の記憶メディアに記憶されている情報の漏洩を防止することが可能なパソコン盗難対策システムを提供することを主たる課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を達成するために、本発明に係るパソコン盗難対策システムは、パソコン本体とその周辺機器のそれぞれに自身の位置情報を取得するGPS機能を持たせて前記パソコン本体の盗難に対応するパソコン盗難対策システムであって、前記周辺機器は、自身のGPS機能を利用して得られる当該周辺機器の位置情報を発信する周辺機器位置情報発信手段を備え、前記パソコン本体は、前記周辺機器位置情報送信手段によって発信された前記周辺機器の位置情報と自身のGPS機能を利用して得られた当該パソコン本体の位置情報とから、前記周辺機器と当該パソコン本体との離間距離を算出する離間距離算出手段と、 前記離間距離算出手段により算出された離間距離が予め設定された許容離間距離以上に離れた場合に、当該パソコン本体に装備されている記憶メディアの動作をロックするロック手段と、を具備することを特徴としている。
ここで、前記周辺機器としては、マウス装置以外のキーボード等であってもよいが、GPS機能を持たせて他の用途にも利用できる携帯性に優れたマウス装置を用いることが好ましい。
【0010】
したがって、離間距離算出手段によって算出された周辺機器と当該パソコン本体との離間距離が、予め設定された許容離間距離以上に離れた場合に、ロック手段によってパソコン本体に装備されている記憶メディアの動作がロックされるので、パソコン本体をどこに移動させても同じ条件で盗難対策を講じることが可能となり、パソコン本体の設置箇所に依存することなく情報漏洩を確実に防ぐことが可能となる。
【0011】
また、前記周辺機器は、前記記憶メディアの動作の強制ロックを指令する強制ロック指令手段を更に備え、前記ロック手段は、前記強制ロック指令手段からの指令により前記離間距離に拘わらず前記記憶メディアの動作をロックする強制ロック手段を更に有するようにしてもよい。
【0012】
このような構成を持たせることで、パソコン本体が盗難にあったことが判明した場合に、周辺機器に設けられた強制ロック指令手段を操作して記憶メディアの動作の強制ロックを指令することで、強制ロック手段によりパソコン本体と周辺機器との離間距離に拘わらず記憶メディアの動作をロックさせることが可能となる。
【0013】
ここで、記憶メディアは、ハードディスクであり、ロック手段による記憶メディアの動作のロックは、記憶メディアの磁気ディスクを回転させるスピンドルモータ、又は、記憶メディアの磁気ヘッドを駆動するステッピングモータを停止させるものであってもよい。
【0014】
また、周辺機器は、前記ロック手段によりロックされた前記記憶メディアのロックの解除を指令するロック解除指令手段を更に備え、前記パソコン本体は、前記ロック解除指令手段からの指令により前記記憶メディアのロックを解除するロック解除手段を更に具備するようにするとよい。
【0015】
このような構成を持たせることで、パソコン本体と周辺機器との離間距離が許容離間距離以上となって記憶メディアの動作がロックされた場合や、強制ロック手段により記憶メディアの動作がロックした場合に、ロック解除手段によって記憶メディアのロックを解除することができるので、盗難に遭ったパソコン本体が回収された後に記憶メディア内の情報を再び利用することが可能となる。
【0016】
また、盗難されたパソコン本体の場所を特定し易くするために、前記パソコン本体に、自身のGPS機能を利用して得られた当該パソコン本体の位置情報を発信するパソコン本体位置情報発信手段を更に具備するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0017】
以上述べたように、本発明によれば、周辺機器のGPS機能を利用して得られる当該周辺機器の位置情報と、パソコン本体のGPS機能を利用して得られる当該パソコン本体の位置情報とから周辺機器とパソコン本体との離隔距離を算出し、この離隔距離が予め設定された許容離間距離以上に離れた場合に、パソコン本体に装備されている記憶メディアの動作がロックされるので、パソコン本体をどこに設置した場合でも、設定を変えることなく同じ条件でパソコン本体の盗難に対応でき、情報漏洩を確実に防ぐことが可能となる。
【0018】
また、周辺機器に記憶メディアの動作のロックを指令する強制ロック指令手段を更に設け、この強制ロック指令手段からの指令により離間距離に係わらず記憶メディアの動作を強制ロックさせることで、パソコン本体が盗難にあったことが判明した場合に、パソコン本体と周辺機器との離間距離に拘わらず記憶メディアの動作をロックさせることが可能となり、情報漏洩に対する対策をいち早く採ることが可能となる。
【0019】
さらに、周辺機器にロック手段によりロックされた記憶メディアのロックの解除を指令するロック解除指令手段を更に設け、このロック解除指令手段からの指令により記憶メディアの動作のロックを解除することで、盗難に遭ったパソコン本体が回収された後に記憶メディア内の情報を再利用することが可能となる。
【0020】
さらにまた、パソコン本体に、自身のGPS機能を利用して得られた当該パソコン本体の位置情報を発信するパソコン本体位置情報発信手段を設けることで、盗難に遭ったパソコン本体の場所を特定することが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、本発明に係るパソコン盗難対策システムの構成例を示すブロックダイヤグラムである。
【図2】図2(a)は、本発明で用いる周辺機器としてのマウス装置を示す概観図であり、図2(b)は、本発明で用いられる記憶メディアとしてのハードディスクを示す概観図である。
【図3】図3は、本発明に係るパソコン盗難対策システムの離隔距離の設定動作例を示すフローチャートである。
【図4】図4は、本発明に係るパソコン盗難対策システムの制御動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明に係るパソコン盗難対策システムの実施形態を添付図面を参照しながら説明する。
【0023】
図1において、本発明に係るパソコン盗難対策システムの構成例がブロックダイヤグラムとして示されている。ここでは、周辺機器としてマウス装置1を用い、パソコン本体2の記憶メディアとして内蔵型のハードディスク3を用いた場合について説明する。
【0024】
マウス装置1は、手持ち式であり、面上を移動させることにより図示しないディスプレイの画面上のカーソルを移動させたり、ボタンを操作することでコンピュータ本体にコマンドを送信したりする等の本来のポインティングデバイスとしての機能を有するマウス機能部11と、GPS衛星からの情報をアンテナ12を介して受信して自己の位置情報を取得する(無線通信機能を利用してサーバからGPS衛星に関する情報などを受信して自己の位置情報を取得する場合や、無線通信機能を利用してサーバから自己の位置情報を受信して取得する場合を含む)GPS機能を備えたGPS機能部13と、パソコン本体2との無線通信を行う送受信部14と、GPS機能部13で取得された位置情報を送出すると共に、後述する強制ロックボタン104の押下を判定して強制ロックの指令信号(強制ロック指令信号)を送出する機能、ロック解除ボタン105の押下を判定してロックを解除する指令信号(ロック解除指令信号)を送出する機能を備えた通信制御部15とを有し、送受信部14を介して、マウス装置1の位置情報や強制ロック指令信号、ロック解除指令信号が発信されるようになっている。
【0025】
このマウス装置1は、その表面に、図2(a)に示されるように、右クリック又は左クリックするためのクリックボタン101,102や、クリック及び回転させるホイールクリックボタン103等の通常のボタンの他に、パソコン本体2のハードディスク3の動作の強制ロックを指令する強制ロックボタン104と、ハードディスク3の動作のロックを解除するロック解除ボタン105とが設けられている。これらの強制ロックボタン104とロック解除ボタン105は、マウス使用時の邪魔にならないように、例えば、クリックボタン101,102の脇(マウス装置1の側面)に設けるようにするとよい。
【0026】
これに対して、パソコン本体2は、CPU,ROM,RAM等を備えた通常の情報処理端末としての機能の他に、GPS衛星からの情報をアンテナ21を介して受信して自己の位置情報を取得する(無線通信機能を利用してサーバからGPS衛星に関する情報などを受信して自己の位置情報を取得する場合や、無線通信機能を利用してサーバから自己の位置情報を受信して取得する場合を含む)GPS機能を備えたGPS機能部22と、前記マウス装置1との無線通信を行う送受信部23と、GPS機能部22で取得された位置情報を後述する判定部25に送出すると共に、送受信部23で受信されたマウス装置1の位置情報や、強制ロック及びロック解除の指令信号を判定部25に送出する通信制御部24と、マウス装置1とパソコン本体2との許容離隔距離を0m〜無限大の範囲で設定する許容離隔距離設定部26と、マウス装置1の位置情報とパソコン本体2の位置情報とから両者の離隔距離を算出し、その離隔距離を設定された許容離隔距離と比較すると共に、強制ロック指令やロック解除指令の有無を判定する判定部25と、判定部25の判定結果に基づき、ハードディスク3の駆動部30を制御するハードディスク制御部27とを有している。尚、パソコン本体2も、前記送受信部23を介してパソコン本体2の位置情報が発信されるようになっている。
【0027】
ここで、ハードディスク3は、図2(b)に示されるように、スピンドルモータ301により回転する磁気ディスク302と、ステッピングモータ303により磁気ディスク302の表面上を径方向に移動させる磁気ヘッド304とを備えたそれ自体周知のもので、前記駆動部30は、スピンドルモータ301やステッピングモータ303に相当する。
【0028】
図3及び図4に上述したマウス装置1とパソコン本体2とを用いた盗難対策制御の動作例がフローチャートとして示され、以下、このフローチャートに基づき制御動作例を説明すると、まず、図3に示されるように、パソコン本体2において、マウス装置1とパソコン本体2との許容離隔距離の設定値を、0m〜∞mの範囲で数値入力等によって入力し(ステップ40)、その入力された許容離隔距離を図示しないメモリに記憶しておく(ステップ42)。
【0029】
このように許容離隔距離が設定された状態において、図4に示されるように、マウス装置1は、マウス装置1のGPS機能を利用して一定間隔毎にGPS衛星からの情報を受信して自己の位置を検出し(ステップ50)、その位置情報をパソコン本体に送受信部14を介して送信する(ステップ52)。
また、マウス装置1は、強制ロックボタン104を押下した場合には、パソコン本体2に対してハードディスク3の駆動部30に強制ロックをかける強制ロック指令信号を出力し(ステップ54)、ロック解除ボタン105を押下した場合には、パソコン本体2に対してハードディスク3の駆動部30の強制ロックを解除するロック解除指令信号を出力する(ステップ56)。
【0030】
これに対して、パソコン本体2においては、パソコン本体2のGPS機能を利用して一定間隔毎にGPS衛星からの情報を受信して自己の位置を検出し(ステップ60)、また、マウス装置1から送信されたマウス装置1の位置情報を送受信部23を介して受信する(ステップ62)。
【0031】
そして、マウスの位置情報を受信した後に、パソコン本体2は、ハードディスク3の強制ロック指令があるか否か、又は、ハードディスク3のロック状態の有無を示すフラグがハードディスク3のロック状態を示す“1”であるか否かを判定し(ステップ64)、強制ロック指令がなく、また、ハードディスク3がロック状態でない(FLAGが0である)場合には、マウス装置1の位置情報とパソコン本体2の位置情報とからマウス装置1とパソコン本体2との離隔距離を算出する(ステップ66)。
【0032】
その後、算出された離隔距離が予め設定された許容離隔距離以上に離れているか否かを判定し(ステップ68)、マウス装置1とパソコン本体2とが許容離隔距離以上に離れていないと判定された場合には、ステップ60以降の処理を繰り返してマウス装置1とパソコン本体2との離隔距離をモニタリングする。
【0033】
これに対して、ステップ68において、算出された離隔距離が許容離隔距離以上に離れていると判定された場合には、ハードディスク3のロック状態の有無を示すフラグをハードディスク3のロック状態を示す“1”に設定した上で(ステップ70)、ハードディスク3の動作をロック状態にする(ステップ72)。
【0034】
このハードディスクの動作のロックは、図2(b)で示される前述の構成においては、磁気ディスク302を回転させるスピンドルモータ301、又は、磁気ヘッド304を駆動させるステッピングモータ303を停止させることによって行う。
【0035】
その後、マウス装置1のロック解除ボタン105が押下されてロック解除の指令があるか否かが判定され(ステップ74)、ロック解除の指令がなければ、ステップ60以降の処理を繰り返し、ロック解除の指令があれば、ハードディスク3のロック状態の有無を示すフラグをハードディスク3のロックの解除状態を示す“0”に設定した上で(ステップ76)、ハードディスク3のロック状態を解除し(ステップ78)、ステップ60以降の処理を繰り返す。
【0036】
尚、ステップ64でフラグが既にハードディスク3のロック状態を示す“1”に設定されていると判定された場合には、再度、マウス装置1とパソコン本体2との離隔距離を演算することなく、ロック解除指令が出されるまでハードディスク3のロック状態を維持する(ステップ70〜74)。
【0037】
また、マウス装置1の強制ロックボタン105が押下されて、ステップ64で強制ロックの指令があると判定された場合には、マウス装置1とパソコン本体2との離隔距離に関係なく、ステップ70へ進み、ハードディスク3のロック状態の有無を示すフラグをハードディスク3のロック状態を示す“1”に設定した上で、ハードディスク3をロック状態にする(ステップ72)。
【0038】
したがって、上述の構成によれば、パソコン本体2が盗難にあった場合において、マウス装置1との離隔距離が予め設定された許容離隔距離以上となった場合にハードディスク3の動作がロックされるので、ハードディスク内のデータの漏洩を防ぐことが可能となり、また、パソコン本体2をどこに設置した場合でも、同じ条件で情報漏洩を防ぐことが可能となり、パソコン本体の設置箇所によって盗難対策の設定を変える不都合がなくなる。
【0039】
尚、利用者は、記憶メディアの動作をロックさせるための離隔距離を設定するだけで、情報漏洩の防止を図ることができるが、マウス装置1を使用せずにパソコン本体を持ち歩く場合などは、設定を無限大(∞m)に設定しておくことで使用上の不都合はなくなる。
【0040】
また、パソコン本体2とマウス装置1とが許容離隔距離以上に離れていない場合でも、パソコン本体2の所有者が盗難にあったことを気付いた場合には、マウス装置1の強制ロックボタン104を押下することで、マウス装置1とパソコン本体2との離間距離に拘わらず、ハードディスク3の動作をロックされることができるので、情報漏洩に対する対策をいち早く採ることが可能となり、データの漏洩を確実に防ぐことが可能となる。
【0041】
さらに、一旦、ロックがかかったハードディスク3は、マウス装置1のロック解除ボタン105を押下することで解除されるので、盗難に遭ったパソコン本体2が回収された後にハードディスク内のデータを再び利用することが可能となる。
また、上述の構成においては、パソコン本体2の送受信部23を介して、パソコン本体2の位置情報が発信されるので、パソコン本体2が盗難に遭った場合でも、パソコン本体2の場所を特定しやすいものとなる。
【0042】
尚、上述の構成においては、GPS機能を有する周辺機器としてマウス装置1を用いた場合を示したが、キーボード等の他の周辺機器にGPS機能を持たせて、同様の構成としてもよい。
また、記憶メディアとしてハードディスク3を用いた例を示したが、SSD(Solid State Drive)等の他の記憶メディアに対しても、メディアにアクセスする信号を遮断する等の手段により記憶メディアの動作をロックするようにしてもよい。
さらに、上述の構成においては、マウス装置1とパソコン本体2との許容離隔距離をパソコン本体側で設定するようにしたが、マウス装置側で設定するようにし、パソコン本体側へ設定情報を送信するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 マウス装置
2 パソコン本体
3 ハードディスク
104 強制ロックボタン
105 ロック解除ボタン
301 スピンドルモータ
303 ステッピングモータ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
パソコン本体とその周辺機器のそれぞれに自身の位置情報を取得するGPS機能を持たせて前記パソコン本体の盗難に対応するパソコン盗難対策システムであって、
前記周辺機器は、
自身のGPS機能を利用して得られる当該周辺機器の位置情報を発信する周辺機器位置情報発信手段を備え、
前記パソコン本体は、
前記周辺機器位置情報送信手段によって発信された前記周辺機器の位置情報と自身のGPS機能を利用して得られた当該パソコン本体の位置情報とから、前記周辺機器と当該パソコン本体との離間距離を算出する離間距離算出手段と、
前記離間距離算出手段により算出された離間距離が予め設定された許容離間距離以上に離れた場合に、当該パソコン本体に装備されている記憶メディアの動作をロックするロック手段と、
を具備することを特徴とするパソコン盗難対策システム。
【請求項2】
前記周辺機器は、前記記憶メディアの動作の強制ロックを指令する強制ロック指令手段を更に備え、
前記ロック手段は、前記強制ロック指令手段からの指令により前記離間距離に拘わらず前記記憶メディアの動作をロックする強制ロック手段を更に有することを特徴とする請求項1記載のパソコン盗難対策システム。
【請求項3】
前記記憶メディアは、ハードディスクであり、前記ロック手段による前記記憶メディアの動作のロックは、前記記憶メディアの磁気ディスクを回転させるスピンドルモータ、又は、前記記憶メディアの磁気ヘッドを駆動するステッピングモータを停止させるものであることを特徴とする請求項1又は2記載のパソコン盗難対策システム。
【請求項4】
前記周辺機器は、前記ロック手段によりロックされた前記記憶メディアのロックの解除を指令するロック解除指令手段を更に備え、
前記パソコン本体は、前記ロック解除指令手段からの指令により前記記憶メディアのロックを解除するロック解除手段を更に具備することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のパソコン盗難対策システム。
【請求項5】
前記パソコン本体には、自身のGPS機能を利用して得られた当該パソコン本体の位置情報を発信するパソコン本体位置情報発信手段を更に具備することを特徴とする請求項1記載のパソコン盗難対策システム。
【請求項6】
前記周辺機器はマウス装置であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のパソコン盗難対策システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−53815(P2012−53815A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−197499(P2010−197499)
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】