パチンコ機
【課題】画像表示装置の電力の無駄をなくすことができるパチンコ機を実現する。
【解決手段】メモリ30bは、液晶パネル30iの画面上に進出した可動役物42,43(図3)によって覆われる画像表示領域に対応する光源ユニット30jの配置領域を記憶している。LED制御部30cは、可動役物42,43の画面上への進出が終了したと判定すると、LEDバックライト30dを構成する光源ユニット30jのうち、メモリ30bに記憶されている領域に対応する光源ユニット30jを消灯する。
【解決手段】メモリ30bは、液晶パネル30iの画面上に進出した可動役物42,43(図3)によって覆われる画像表示領域に対応する光源ユニット30jの配置領域を記憶している。LED制御部30cは、可動役物42,43の画面上への進出が終了したと判定すると、LEDバックライト30dを構成する光源ユニット30jのうち、メモリ30bに記憶されている領域に対応する光源ユニット30jを消灯する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技球が始動口を通過したときに大当りかハズレかを判定する大当り判定手段と、この大当り判定手段の判定結果を画像によって表示する画像表示装置と、この画像表示装置の画面上に進出した状態と画面上から退避した状態とに変化する可動役物とを備えるパチンコ機に関する。
【背景技術】
【0002】
図17は、従来のパチンコ機の正面説明図である。従来のパチンコ機100は、発射ハンドル101と、遊技盤102と、始動口103と、図柄表示装置104と、上皿105と、入賞装置106とを備える。遊技者が発射ハンドル101を操作して発射された遊技球が始動口103に入賞すると、始動口103に入賞した遊技球を検出するスイッチがオンし、パチンコ機100に内蔵されたマイクロコンピュータが、大当りかハズレかの判定(以下、大当り判定という)を行う。
【0003】
そして、図柄表示装置104が、複数の図柄の変動表示(スクロール表示ともいう)を開始する。たとえば、連続した異なる数字(たとえば、0〜9)を表現した図柄の配列(以下、図柄列という)を画面上の横方向3箇所の表示領域において、数字の昇順に画面の上から下へ移動するように表示する。また、機種によっては画面の右から左へ移動するように表示する。
【0004】
そして、図柄表示装置104が図柄列の変動表示を開始してから所定時間経過すると、各表示領域において図柄列の変動表示が停止し、前述したマイクロコンピュータによる判定結果に対応する図柄が各表示領域に確定表示される。たとえば、抽選結果が大当りであった場合は、「777」などの同一数字から成る大当り図柄が確定表示され、抽選結果がハズレであった場合は、「767」などのハズレ図柄が確定表示される。なお、確定表示とは、大当り判定の結果を示す図柄が確定した表示状態のことであり、図柄が再変動することのない表示状態のことである。
【0005】
図柄表示装置104が大当り図柄を確定表示すると大当りが発生し、入賞装置106が開閉部材107を開作動し、大入賞口108を開口させる。大入賞口108は、普通の入賞口よりも開口面積が大きいため、入賞が容易になる。そして、大入賞口108に規定数(たとえば、10個)の遊技球が入賞したという条件、あるいは、大入賞口108の開口時間が規定時間(たとえば、30秒)に達したという条件が満足されると、開閉部材107が閉成し、大入賞口108が閉口する。そして、大入賞口108の開口から閉口までを1ラウンドとし、複数のラウンド(たとえば、最大14ラウンド)が実行され、その間に遊技者は多量の賞球を獲得することができる。以下、第1ラウンドから最終ラウンドまでの遊技を大当り遊技という。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−315918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、液晶表示装置によって図柄表示装置を構成しているパチンコ機において、LEDバックライトによって液晶パネルを照明するものが提案されている。また、液晶パネルの画面上に進出した状態と画面上から退避した状態とに変化する可動役物とを備えるパチンコ機が提案されている。
【0008】
しかし、このパチンコ機では、可動役物が液晶パネルの画面上に進出した状態になると、可動役物によって覆われた画面の領域は視認不可能になる。
つまり、上記のパチンコ機では、可動役物によって覆われた画面の領域までもLEDバックライトで照明することになるため、液晶表示装置の電力が無駄になるという問題がある。
【0009】
そこでこの発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、画像表示装置の電力の無駄をなくすことができるパチンコ機を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するため、この出願の請求項1に係る発明は、盤面上に遊技領域が形成された遊技盤(5)と、前記遊技盤に設けられた始動口(21)と、遊技球を前記遊技領域へ発射する発射装置(4)と、前記発射装置により発射された遊技球が前記始動口を通過したときに大当りかハズレかを判定する大当り判定手段(52)と、前記大当り判定手段の判定結果を画像によって表示する画像表示装置(30)と、前記画像表示装置の画面上に進出した状態と、前記画面上から退避した状態とに変化する可動役物(42,43)と、を備えるパチンコ機(1)において、前記画像表示装置は、液晶によって前記画像を表示する液晶表示部(30i)と、複数の光源によって前記液晶表示部を裏面から照明するバックライト(30d)と、前記可動役物が前記液晶表示部の画面上に進出した状態になったときに、その進出した可動役物によって覆われた画面上の領域に対応する光源の光量を減少させる光源制御手段(30a〜30d)と、を備えるという技術的手段を用いる。
【0011】
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明の効果】
【0012】
この出願の請求項1に係る発明は、可動役物が液晶表示部の画面上に進出した状態になったときに、その進出した可動役物によって覆われた画面上の領域に対応する光源の光量を減少させる光源制御手段を備えるため、画像表示装置の消費電力の無駄をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明の実施形態に係るパチンコ機の主要構成を示す正面説明図である。
【図2】図1に示す遊技盤5の主要構成を示す正面説明図である。
【図3】図2において可動役物42,43が画面上に進出した状態を示す正面説明図である。
【図4】右側の可動役物43の説明図であり、(a)は右側の可動役物43が画面上から退避した状態を示す説明図、(b)は右側の可動役物43が画面上に進出した状態を示す説明図である。
【図5】図1に示すパチンコ機1の主な電気的構成をブロックで示す説明図である。
【図6】演出表示装置30の主な電気的構成をブロックで示す説明図である。
【図7】主制御用CPU52が実行する主な処理の流れを示すメインフローチャートである。
【図8】主制御用CPU52が図7のS502で実行する始動口処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】図8の処理の続きを示すフローチャートである。
【図10】主制御用CPU52が図7のS504で実行する変動開始処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】演出制御用CPU72が実行する主な処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】演出制御用CPU72が図11のS601で実行するデータ受信処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】演出制御用CPU72が図11のS602で実行する変動パターン抽選処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】演出制御用CPU72が図11のS605で実行する演出処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】演出制御用CPU72が図11のS606で実行する可動役物処理の流れを示すフローチャートである。
【図16】演出表示装置30のLED制御部30dが実行するLED制御の流れを示すフローチャートである。
【図17】従来のパチンコ機の主要構成を示す正面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
この発明の実施形態について説明する。
[主要構成]
この実施形態に係るパチンコ機の主要構成について図を参照して説明する。図1は、この実施形態に係るパチンコ機の主要構成を示す正面説明図である。
【0015】
図1に示すように、この実施形態に係るパチンコ機1には、外殻を構成する外枠セット8が設けられており、この外枠セット8には前枠セット2が設けられている。その前枠セット2には透明なガラス枠セット3が開閉可能に取付けられている。そのガラス枠セット3の内側には遊技盤5が設けられており、前枠セット2の前面右下方には、遊技盤5へ遊技球を発射する発射装置を操作する発射ハンドル4aが取付けられている。発射ハンドル4aには、遊技球の発射強度を調節するための発射レバー4bが発射ハンドル4aに対して回動自在に装着されている。
【0016】
遊技盤5の下方には、パチンコ機内部から払出された賞球や貸球を収容する上受け皿6が設けられており、上受け皿6には、貸球の払出しを行うために遊技者が操作する球貸操作部9が設けられている。上受け皿6の下方には、上受け皿6の収容可能数を超えて流下した遊技球を収容する下受け皿7が設けられている。下受け皿7には、下受け皿7に収容されている遊技球を下受け皿7の外部へ排出するために遊技者が操作する球抜きレバー7aが設けられている。
【0017】
前枠セット2には、払出すべき遊技球が無いことを報知する球切れLED13と、遊技球の払出しの異常を報知する払出異常LED14とが設けられている。また、前枠セット2には、効果音を発生する右スピーカ10と、左スピーカ11と、下スピーカ12とが設けられている。また、上受け皿6には、遊技中にボタン演出が行われた際に遊技者が操作する演出ボタン80が設けられている。ここで、ボタン演出とは、演出ボタン80が操作されたことに応じて開始される遊技上の演出のことである。
【0018】
[遊技盤の主要構成]
次に、遊技盤5の主要構成について図を参照して説明する。図2は、遊技盤5の主要構成を示す正面説明図である。
【0019】
遊技盤5の盤面には、遊技球が流下する遊技領域が形成されており、遊技盤5の盤面には、遊技球の流下経路を規制する多数の遊技釘29が打ち込まれている。遊技盤5の盤面の周囲には、発射装置(図5において符号4で示す)によって発射された遊技球を遊技領域に案内するためのレールセット15が設けられている。
【0020】
遊技盤5の中央には、センター飾り16が設けられている。このセンター飾り16は、盤面から前方へ突出する立体形状に形成されており、遊技領域の中央領域を占有している。センター飾り16には、演出図柄を変動表示したり、各種の演出画像を表示する演出表示装置30が設けられている。この実施形態では、演出表示装置30は、液晶表示装置により構成されている。なお、LEDをドットマトリクス状に配置した表示装置、7セグメントLED、有機ELパネルなどを演出表示装置30として用いることもできる。
【0021】
センター飾り16の左端には、遊技球がセンター飾り16の内部に流入可能な流入口27が開口形成されている。センター飾り16の下部には、流入口27からセンター飾り16の内部に流入した遊技球が遊技領域に流出する流出口28が開口形成されている。盤面の左側には、レールセット15の内周に沿って左サイド飾り36が設けられている。左サイド飾り36とセンター飾り16との間には、遊技球が流下する左寄り遊技領域が形成されている。その左寄り遊技領域には、遊技球の流下経路を変化させる風車35が回転自在に設けられている。
【0022】
左サイド飾り36には、左袖上入賞口17と、左袖入賞口18と、左下入賞口19とが設けられている。センター飾り16の流出口28の直下には、始動口21が設けられている。始動口21の下方には、普通電動役物22が設けられている。普通電動役物22は、一対の開閉翼片22aを備えている。各開閉翼片22aは、その基部が回動可能に軸支されており、その基部の回動によって先端を外方へ開いたり内方へ閉じたりする。図2は、各開閉翼片22aが開放した状態を示す。
【0023】
この状態では、遊技球が開閉翼片22aによって案内され、普通電動役物22の内部に入賞可能になる。開閉翼片22aによって案内され、普通電動役物22の内部に入賞した遊技球は、始動口21から入賞した遊技球を検出する始動口スイッチ(図5において符号21aで示す)によって検出される。つまり、普通電動役物22は、各開閉翼片22aを開放することにより、始動口21の入賞領域を拡大する役割をしている。
【0024】
普通電動役物22の下方には、第1開閉部材24dを有する第1変動入賞装置24が設けられている。第1変動入賞装置24は、演出表示装置30が通常大当り発生を示す演出図柄を確定表示したときに第1開閉部材24dを開放して第1大入賞口24aを開口する。また、第1変動入賞装置24は、第1大入賞口24aへの入賞数が規定数に達したとき、あるいは、第1大入賞口24aの開口から規定時間が経過したときに第1大入賞口24aを閉口する。この実施形態では、第1開閉部材24dは、横長の板状に形成されており、両側の下端を軸にして前後に回動するように構成されている。
【0025】
センター飾り16の上部左側には、第2開閉部材25dを有する第2変動入賞装置25が設けられている。第2変動入賞装置25は、演出表示装置30が第1または第2確変大当り発生を示す演出図柄を確定表示したときに第2開閉部材25dを開放して第2大入賞口25aを開口する。この実施形態では、第2変動入賞装置25は、一定の間隔で第2開閉部材25dを開閉し、一定の間隔で第2大入賞口25aを開閉する。また、第2開閉部材25dは、翼状に形成されており、下端を軸にして左右に回動するように構成されている。
【0026】
第1変動入賞装置24の右方には、右下入賞口20が設けられており、下方には、どこにも入賞などしなかった遊技球を回収するためのアウト口26が開口形成されている。センター飾り16の左側には、ゲート23が設けられている。センター飾り16の右下には、特別図柄表示装置31と、特別図柄保留数表示装置32と、普通図柄表示装置33と、普通図柄保留数表示装置34とが設けられている。この実施形態では、特別図柄表示装置31、特別図柄保留数表示装置32、普通図柄表示装置33および普通図柄保留数表示装置34は、それぞれLEDにより構成されているが、液晶表示装置などにより構成することもできる。
【0027】
特別図柄表示装置31は複数(たとえば、6個)のLEDにより構成されており、それらのLEDは、遊技球が始動口21に入賞すると所定の点滅パターンで点滅する。それらのLEDが点灯したときの発光色および消灯したときのLEDの地の色が特別図柄を構成し、LEDが点滅している状態が、特別図柄が変動表示している状態である。特別図柄表示装置31は、始動口スイッチ21aがオンしたときに特別図柄の変動表示を開始する。
【0028】
特別図柄表示装置31は、各LEDをランダムに点滅させ、その点滅が停止したときの点灯しているLEDおよび消灯しているLEDの組合せが特定の組合せであるときに大当りが発生し、その組合せの種類によって大当りの種類が異なる。大当りの種類は、大当り遊技において実行可能な最大ラウンド数、通常大当り、確変大当りおよび時短のうちの2つ以上を組み合わせて構成されている。また、大当りの種類によって第1変動入賞装置24および第2変動入賞装置25のどちらかが動作して大当り遊技が行われる。
【0029】
ここで、確変とは、大当り判定において大当りと判定される確率が通常よりも高い遊技状態をいい、確変大当りとは、大当り遊技が終了した以降の所定期間における遊技状態が確変に変化することが約束された大当りをいう。また、通常大当りとは確変大当りではない大当りをいう。また、時短とは、特別図柄が変動表示を開始してから変動表示を終了するまでに要する時間が短縮され、かつ、普通図柄が変動表示を開始してから変動表示を終了するまでに要する時間が短縮された遊技状態をいう。
【0030】
たとえば、特別図柄表示装置31の各LEDが点滅を繰り返した後、総てのLEDが点灯した状態になった場合は、第2変動入賞装置25が作動して最大16ラウンドまで大当り遊技を行うことができ、かつ、大当り遊技終了後の遊技状態が確変に変化する第1確変大当りが発生する。また、2個のLEDが点灯した状態になった場合は、第2変動入賞装置25が作動して最大2ラウンドまで大当り遊技を行うことができ、かつ、大当り遊技終了後の遊技状態が確変に変化する第2確変大当りが発生する。
【0031】
特別図柄表示装置31が特別図柄を変動表示しているときに始動口スイッチ21aがオンしたときは、そのオンに基づく特別図柄の変動表示は直ぐに実行されず、一旦保留される。その保留数は、特別図柄保留数表示装置32によって表示される。この実施形態では、特別図柄保留数表示装置32は4個のLEDによって構成されており、そのLEDの点灯数によって特別図柄保留数を表示する。つまり、この実施形態では、特別図柄保留数は最大4個である。
【0032】
演出表示装置30は、特別図柄表示装置31の演出効果を高める目的で設けられている。つまり、特別図柄表示装置31は、それぞれ複数のLEDによって構成されており、LEDの点滅のみでは演出効果が乏しいため、演出表示装置30が演出図柄を変動表示したり、演出画像を表示したりすることによって演出効果を高めている。なお、演出図柄とは、LEDによって表示される特別図柄に代わって表示する演出用の図柄のことであり、複数の識別情報を表現した図柄である。たとえば、0〜9の数字を表現した図柄であり、演出表示装置30は、図柄列を数字の昇順に表示する。また、演出表示装置30は、動画および静止画像により構成された演出画像を単独で、あるいは、演出図柄と共に表示する。
【0033】
演出表示装置30は、特別図柄表示装置31が特別図柄の変動表示を開始すると同時に演出画像および演出図柄の表示を開始する。また、演出表示装置30は、特別図柄表示装置31が特別図柄の変動表示を終了すると同時に演出画像および演出図柄の表示を終了し、特別図柄表示装置31が確定表示した大当り図柄またはハズレ図柄に対応する演出図柄を確定表示する。
【0034】
普通図柄表示装置33は、複数(たとえば、5個)のLEDにより構成されており、各LEDが点灯したときの発光色および消灯したときのLEDの地の色が普通図柄を構成する。また、普通図柄表示装置33がLEDを点滅させている状態が、普通図柄が変動表示している状態であり、変動表示が終了したときに点灯および消灯しているLEDの組合せによって普通図柄の当りまたはハズレが報知される。当りの普通図柄が確定表示されると、普通電動役物22の各開閉翼片22aの開放時間が長くなり、普通電動役物22への入賞が容易になる。つまり、単位時間当りに特別図柄が変動表示を開始する回数が多くなり、大当りが発生する確率が高くなる。
【0035】
遊技球がゲート23を通過すると、普通図柄表示装置33が普通図柄の変動表示を開始する。そして、普通図柄表示装置33が普通図柄を変動表示しているときに遊技球がゲート23を通過したときは、その通過による普通図柄の変動表示が保留され、その保留数は普通図柄保留数表示装置34により表示される。この実施形態では、普通図柄保留数表示装置34は、4個のLEDによって構成されており、その点灯数が保留数を示し、保留数の最大は4個に設定されている。
【0036】
以下の説明では、特別図柄の変動開始から変動終了までに要する時間を特別図柄変動時間、演出図柄の変動開始から変動終了までに要する時間を演出図柄変動時間、普通図柄の変動開始から変動終了までに要する時間を普通図柄変動時間とそれぞれ称する。演出図柄変動時間は、特別図柄変動時間と等しい。
【0037】
次に、可動役物について図を参照して説明する。
図3は、図2において可動役物42,43が画面上に進出した状態を示す正面説明図である。図4は、右側の可動役物43の説明図であり、(a)は右側の可動役物43が画面上から退避した状態を示す説明図、(b)は右側の可動役物43が画面上に進出した状態を示す説明図である。
【0038】
遊技盤5には、可動役物42,43が設けられている。図3に示すように、可動役物42,43は、演出表示装置30の画面上に進出した状態と、図2に示すように、画面上から退避した状態とに変化する。可動役物42は、画面の左側から画面の略中央に進出し、画面の左側に退避する。可動役物43は、画面の右側から画面の略中央に進出し、画面の右側に退避する。可動役物42,43が画面の略中央に進出したときに両可動役物が一体化し、一つの可動役物を形成する。
【0039】
この実施形態では、一体化した可動役物42,43は、画面に表示された画像と組み合わされることにより、一つの像を構成する。この実施形態では、可動役物42,43は、武将が身に付ける兜を模した形状に形成されており、画面に表示される武将の画像と一体化することにより、兜を身に付けた武将が完成するように構成されている。
【0040】
図4に示すように、右側の可動役物43の下端は、演出表示装置30の画面に沿って横方向に延びたラック44の右端に取付けられている。ラック44は、画面に沿って横方向に延びたレール46に沿って移動するようになっている。ラック44の下面に形成されたラック歯44aには、歯車45aが噛み合っている。歯車45a,45b,45c,45dの順に噛み合っており、歯車45dはモータ46の回転シャフトに軸支されている。つまり、可動役物43は、ラック&ピニオン機構によってレール46に沿って移動するように構成されている。
【0041】
モータ46の回転によってラック44が、図4(a)において矢印F1で示す方向(左方向)へ移動すると、可動役物43も同方向へ移動し、演出表示装置30の画面上に進出する。また、モータ46が逆転すると、ラック44が、図4(b)において矢印F2で示す方向(右方向)へ移動すると、可動役物43も同方向へ移動し、演出表示装置30の画面上から退避する。また、左側の可動役物42もラック&ピニオン機構によってレールに沿って移動するように構成されており、右方向へ移動して液晶表示装置30の画面上に進出したときに右側の可動役物43と一体化し、左方向へ移動すると画面上から退避する。
【0042】
[主な電気的構成]
次に、パチンコ機1の主な電気的構成についてそれをブロックで示す図5を参照して説明する。
【0043】
パチンコ機1には、主制御基板50が設けられており、その主制御基板50には、主制御用MPU(マイクロプロセッサーユニット)51が搭載されている。主制御用MPU51は、主制御用CPU52と、主制御用ROM53と、主制御用RAM54とを備える。主制御用CPU52は、大当り判定、大当り図柄の抽選、大当りの種類の抽選、ハズレ図柄の抽選、特別図柄変動時間(演出図柄変動時間)の抽選、入賞の検出、ゲート通過の検出、普通図柄の当り判定、賞球の払出命令など、遊技における重要な処理を実行する。
【0044】
主制御用ROM53には、主制御用CPU52が上記の各処理を実行するためのコンピュータプログラム、各制御基板へ送信する制御コマンド、大当り判定を行う際に参照する大当り値などが読出し可能に格納されている。主制御用RAM54は、主制御用CPU52が上記のコンピュータプログラムを実行するときに使用するワーク領域を有する。また、主制御用RAM54は、主制御用CPU52が上記のコンピュータプログラムを実行することにより発生する処理結果および判定結果などを読出しおよび書換え可能に格納する。
【0045】
また、主制御基板50には、始動口21に入賞した遊技球、または、開放した開閉翼片22aによって普通電動役物22の内部に案内された遊技球を検出する始動口スイッチ(始動口SW)21aが電気的に接続されている。また、主制御基板50には、払出制御基板60が電気的に接続されている。払出制御基板60には、遊技球を上受け皿6へ払出す部材を駆動するための払出モータ38と、この払出モータ38によって払出された遊技球を検出するための払出センサ39とが電気的に接続されている。
【0046】
さらに、払出制御基板60には、払出す遊技球がなくなった状態を検出するための球切れスイッチ13aと、下受け皿7が遊技球で満杯になった状態を検出するための下皿満杯スイッチ(下皿満杯SW)7bと、ガラス枠セット3が開放された状態を検出するための扉開放スイッチ(扉開放SW)3aと、遊技球を所定時間間隔で1個ずつ連続して発射する発射装置4とが電気的に接続されている。
【0047】
発射装置4には、発射レバー4bの回動量に応じて発射装置4の発射強度を調節するための発射ボリューム4cと、遊技者が発射レバー4bに触れたことを検出して発射装置4を駆動させるためのタッチセンサ4dとが接続されている。発射装置4の駆動源は、ロータリソレノイドまたはモータである。
【0048】
払出制御基板60には、払出制御用MPU61が搭載されており、その払出制御用MPU61は、払出制御用CPU62と、払出制御用ROM63と、払出制御用RAM64とを備える。払出制御用CPU62は、主制御用MPU51から送信される払出制御コマンドに従って払出モータ38を制御し、賞球の払出しを制御する。また、払出制御用CPU62は、払出センサ39から出力される信号の変化を検出し、払出された賞球数を計数する。
【0049】
払出制御用ROM63には、払出制御用CPU62が実行するコンピュータプログラムなどが読出し可能に格納されている。払出制御用RAM64は、払出制御用CPU62が上記のコンピュータプログラムを実行するときに使用するワーク領域を有する。また、払出制御用RAM64は、払出制御用CPU62が上記のコンピュータプログラムを実行することにより発生する処理結果および判定結果などを読出しおよび書換え可能に格納する。
【0050】
主制御基板50には、盤面中継端子板37が電気的に接続されており、その盤面中継端子板37には、第1開閉部材24dを開閉させるための大入賞口ソレノイド24bと、第2開閉部材25dを開閉させるための大入賞口ソレノイド25bと、普通電動役物22の開閉翼片22aを開閉させるための普通電動役物ソレノイド22bと、第1大入賞口24aに入賞した遊技球を検出するための大入賞口スイッチ(大入賞口SW)24cと、第2大入賞口25aに入賞した遊技球を検出するための大入賞口スイッチ(大入賞口SW)25cとが電気的に接続されている。
【0051】
また、主制御基板50には、ゲート23を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(ゲートSW)23aと、左袖上入賞口17に入賞した遊技球を検出するための入賞口スイッチ(入賞口SW)17aと、左袖入賞口18に入賞した遊技球を検出するための入賞口スイッチ(入賞口SW)18aと、左下入賞口19に入賞した遊技球を検出するための入賞口スイッチ(入賞口SW)19aと、右下入賞口20に入賞した遊技球を検出するための入賞口スイッチ(入賞口SW)20aとが電気的に接続されている。
【0052】
さらに、主制御基板50には、演出制御基板70が電気的に接続されている。演出制御基板70には、特別図柄表示装置31と、普通図柄表示装置33と、演出表示装置30と、LED制御基板42と、音声出力装置43と、可動役物制御基板40と、演出ボタン80とが電気的に接続されている。可動役物制御基板40には、可動役物43を移動させるためのモータ47と、可動役物42を移動させるためのモータ48とが電気的に接続されている。
【0053】
演出制御基板70には、演出制御用MPU71が搭載されており、その演出制御用MPU71は、演出制御用CPU72と、演出制御用ROM73と、演出制御用RAM74とを備える。演出制御用ROM73には、演出制御基板70に電気的に接続された前述の各種装置などを制御するためのコンピュータプログラムが読出し可能に格納されている。また、演出制御用ROM73には、演出制御用CPU72がコンピュータプログラムを実行するときに参照する各種のテーブルが読出し可能に格納されている。
【0054】
演出制御用RAM74は、演出制御用CPU72がコンピュータプログラムを実行するときに使用するワーク領域を有する。また、演出制御用RAM74は、演出制御用CPU72がコンピュータプログラムを実行することにより発生する処理結果および判定結果などを読出しおよび書換え可能に格納する。
【0055】
演出制御用ROM73には、特別図柄、普通図柄および演出図柄などの変動パターンを決定するためのテーブルが格納されている。また、演出制御用ROM73には、パチンコ機1に設けられた演出用のLEDの点灯パターンを決定するためのテーブル、効果音や音楽の種類を決定するためのテーブルなど、演出に必要なテーブルやデータなどが格納されている。
【0056】
[演出表示装置30の主な電気的構成]
次に、演出表示装置30の主な電気的構成についてそれをブロックで示す図6を参照して説明する。
【0057】
演出表示装置30は、可動役物データ受信部30aと、メモリ30bと、LED制御部30cと、LEDバックライト30dと、画像データ受信部30eと、液晶表示制御部30fと、ゲートドライバ30gと、ソースドライバ30hと、液晶パネル30iとを備える。
【0058】
液晶パネル30iは、図示しないが2枚のガラスの間に液晶材料を挾み、このガラス上に走査線とデータ線を格子状に配置して構成される。走査線とデータ線はそれぞれ液晶パネル30iの端に配置したゲートドライバ30gおよびソースドライバ30hの駆動によって制御される。ゲートドライバ30gは走査線にパルス状の電圧波形を順次出力する機能を有する。ソースドライバ30hはゲートドライバ30gによるパルス状の電圧波形の出力に対応して液晶に電圧を供給する。このように、液晶パネル30iは、ソースドライバ30hおよびゲートドライバ30gの駆動によって液晶に電圧を印加されることにより画像を表示する。
【0059】
LEDバックライト30dは、液晶パネル30iの背面に配置されており、複数の光源ユニット30jを複数配列して構成されている。各光源ユニット30jは、液晶パネル30iの画像表示領域に背面から光を供給する。LEDバックライト30dと液晶パネル30iの間には、図示しないが、一対の拡散板と、この拡散板に挾まれたプリズムシートとが設けられている。拡散板は光源ユニット30jが供給した光を散乱、拡散させ、画像表示領域全体を均一な明るさにするためのものであり、プリズムシートは、LEDバックライト30dから供給された光の輝度を向上させるためのものである。
【0060】
光源ユニット30jは、RGBの3原色光で発光する複数のLEDから構成されている。光源ユニット51は、RGBの各色、または、黒色や白色などの複数色で発光することができる。
画像データ受信部30eは、演出制御基板70から送信される画像データを受信する。画像データ受信部30eは、受信した画像データを液晶表示制御部30fおよびLED制御部30cに出力する。
【0061】
液晶表示制御部30fは、画像データ受信部30eから出力される画像データを入力し、その入力した画像データに基いてゲートドライバ30gおよびソースドライバ30hを駆動する。
可動役物データ受信部30aは、演出制御基板70から送信される可動役物データを受信する。可動役物データとは、可動役物42,43が液晶パネル30iの画面上に進出し終わったことを知らせるためのデータである。また、可動役物データは、画面上に進出していた可動役物42,43が退避するタイミングになったことを知らせるためのデータでもある。
【0062】
メモリ30bは、LEDバックライト30dを構成する複数の光源ユニット30jのうち、消灯すべき光源ユニット30jの配置領域を記憶している。つまり、メモリ30bは、液晶パネル30iの画面上に進出した可動役物42,43によって覆われる画像表示領域に対応する光源ユニット30jの配置領域(以下、可動役物対応領域という)を記憶している。メモリ30bが記憶している配置領域は、可動役物によって覆われる液晶パネル30iの画像表示領域の面積に応じて書換えることができる。
【0063】
LED制御部30cは、画像データ受信部30eから出力される画像データを入力し、その入力した画像データに基いて光源ユニット30jを駆動し、光源ユニット30jの点灯または消灯を制御する。また、LED制御部30cは、光源ユニット30jの発光色を制御する。さらに、LED制御部30cは、可動役物データ受信部30aから出力される可動役物データに従い、メモリ30bに記憶されている配置領域に対応する光源ユニット30jの消灯または点灯を制御する。
【0064】
この実施形態では、メモリ30bは、液晶パネル30iの画像表示領域のうち、画面上に進出した可動役物42,43によって覆われる画像表示領域に対応する光源ユニット30jの識別情報(たとえば、アドレスなど)を記憶している。そして、可動役物42,43が画面上への進出を終えると、それを示すデータ(以下、進出終了データという)を演出制御基板70が可動役物データ受信部30aへ出力する。
【0065】
続いて、可動役物データ受信部30aが出力した進出終了データを入力したLED制御部30cが、メモリ30bに記憶されている識別情報に対応する光源ユニット30jを消灯する。これにより、液晶パネル30iの画像表示領域のうち、可動役物42,43によって覆われた画像表示領域に対応する光源ユニット30jが消灯するため、LEDバックライト30dの消費電力の無駄をなくすことができる。
【0066】
また、液晶パネル30iの画面上に進出していた可動役物42,43が退避を開始するタイミングになると、それを示すデータ(以下、退避開始データという)を演出制御基板70が可動役物データ受信部30aへ出力する。続いて、可動役物データ受信部30aが出力した退避開始データを入力したLED制御部30cが、メモリ30bに記憶されている識別情報に対応する光源ユニット30jを点灯させる。これにより、液晶パネル30iの画像表示領域のうち、可動役物42,43によって覆われた画像表示領域に対応する光源ユニット30jが点灯するため、消灯による弊害が発生することがない。
【0067】
[遊技の主な流れ]
次に、パチンコ機1における遊技の主な流れについて図を参照して説明する。
(主制御用CPUが実行する主な処理)
最初に、主制御用CPU52が実行する主な処理の流れについて図を参照して説明する。図7は、主制御用CPU52が実行するメインフローチャートである。以下の説明では、処理のステップをSと略す。
【0068】
主制御用CPU52は、パチンコ機1が起動したときに初期設定を実行する(S500)。この初期設定では、主制御用RAM54に格納されているデータを初期値に戻したり、0クリアするなどの処理を行う。次に、主制御用CPU52は、入賞検出処理(S501)、始動口処理(S502)、ゲート処理(S503)、変動開始処理(S504)、普通電動役物処理(S505)、大入賞口処理(S506)および遊技情報送信処理(S507)などを実行する。
【0069】
ゲート処理(S503)では、ゲートスイッチ23a(図5)からの出力信号の変化を検出し、遊技球がゲート23を通過したことを検出し、普通図柄の当り判定を行う。普通電動役物処理(S505)では、ゲート処理(S503)における普通図柄の当り判定が当りであった場合に普通電動役物ソレノイド22b(図5)を作動させ、普通電動役物22の開閉翼片22a(図2)を開放させる。
【0070】
大入賞口処理(S506)では、通常大当りが発生したときの第1大入賞口24aの開閉制御と、第1または第2確変大当りが発生したときの第2大入賞口25aの開閉制御とを実行する。遊技情報送信処理(S507)では、通常大当りの発生回数、確変大当りの発生回数、賞球数の合計(出玉数)などの遊技中に発生する遊技情報をパチンコ機1が設置されているパチンコ店の管理室に設けられた管理コンピュータへ送信する。
【0071】
(始動口処理)
次に、主制御用CPU52が実行する始動口処理(S502)の流れについて図を参照して説明する。図8は、始動口処理の流れを示すフローチャートであり、図9は、図8の続きを示すフローチャートである。
【0072】
主制御用CPU52は、始動口スイッチ21aがオンしたか否か、つまり遊技球が始動口21、あるいは、開放した開閉翼片22aから入賞したか否かを判定する(S10)。ここで、肯定判定すると(S10:Yes)、主制御用RAM54に格納されている特別図柄保留数U1を参照し(S11)、特別図柄保留数U1が上限の4個未満であるか否かを判定する(S12)。ここで、肯定判定すると(S12:Yes)、このとき大当り抽選カウンタがカウントしたカウント値を取得する(S13)。
【0073】
ここで、大当り抽選カウンタとは、連続した複数の異なる数値をカウントするカウンタであり、この実施形態では、0〜499の計500の数値をカウントするリングカウンタである。続いて、主制御用CPU52は、遊技状態が確変に変化していることを示す確変大当りフラグがオンしているか否かを判定する(S14)。ここで、肯定判定した場合は(S14:Yes)、確変大当り用大当り値テーブルを参照し(S15)、否定判定した場合は(S14:No)、通常大当り用大当り値テーブルを参照する(S16)。確変大当り用大当り値テーブルは、確変中に参照する大当り値が設定されたテーブルであり、通常大当り用大当り値テーブルは、通常遊技中に参照する大当り値が設定されたテーブルである。
【0074】
確変大当り用大当り値テーブルには、通常大当り用大当り値テーブルよりも多くの大当り値が設定されており、確変のときに大当りが発生する確率が高くなっている。
この実施形態では、確変大当り用大当り値テーブルには、7,89,137,197,257,307,359,409の計8個の大当り値が設定されており、通常大当り用大当り値テーブルには、7,257の計2個の大当り値が設定されている。
つまり、大当りが発生する確率は、通常時が、2/500=1/250であり、確変時が、8/500=4/250であり、確変時に大当りが発生する確率は、通常時よりも4倍に高くなっている。
【0075】
続いて、主制御用CPU52は、大当りか否かを判定する(S17)。ここで、先のS13において大当り抽選カウンタから取得したカウント値と同じ数値の大当り値が確変大当り用大当り値テーブルまたは通常大当り用大当り値テーブルに設定されている場合は大当りと判定し(S17:Yes)、大当り図柄の抽選を実行する(S18)。大当り図柄の抽選は、複数の連続した異なる数値をカウントする大当り図柄抽選カウンタと、大当り図柄テーブルとを用いて行う。大当り図柄テーブルは、大当り図柄抽選カウンタのカウント値と大当り図柄とを対応付けて構成されている。主制御用CPU52は、大当り図柄抽選カウンタからカウント値を1つ取得し、その取得したカウント値と対応付けられている大当り図柄を大当り図柄テーブルから読出す。
【0076】
たとえば、大当り図柄抽選カウンタは、0〜9をカウントし、大当り図柄テーブルは、0〜9のカウント値と、大当り図柄000・111〜999とを対応付けて構成されている。そして、主制御用CPU52は、大当り図柄抽選カウンタから取得したカウント値が、たとえば7であった場合は、そのカウント値7と対応付けられている大当り図柄「777」を大当り図柄テーブルから読出す。
【0077】
また、S17において大当りではない、つまりハズレと判定した場合は(S17:No)、ハズレ図柄の抽選を実行する(S19)。ハズレ図柄の抽選は、複数の連続した異なる数値をカウントするハズレ図柄抽選カウンタと、ハズレ図柄テーブルとを用いて行う。ハズレ図柄テーブルは、ハズレ図柄抽選カウンタのカウント値とハズレ図柄とを対応付けて構成されている。主制御用CPU52は、ハズレ図柄抽選カウンタからカウント値を1つ取得し、その取得したカウント値と対応付けられているハズレ図柄をハズレ図柄テーブルから読出す。
【0078】
また、主制御用CPU52は、大当り図柄を抽選により決定すると、その決定した大当り図柄の種類に応じて通常大当りであるか否かを判定する(図9のS20)。たとえば、抽選により決定した大当り図柄が000や222などの偶数を表した大当り図柄であった場合は、通常大当りであると判定する。ここで、通常大当りであると判定すると(S20:Yes)、通常大当りであると判定したことを示す通常大当りフラグをオンする(S21)。
【0079】
また、通常大当りではないと判定した場合は(S20:No)、第1確変大当りであるか否かを判定する(S22)。たとえば、抽選により決定した大当り図柄が777であった場合は、第1確変大当りであると判定する。ここで、第1確変大当りであると判定すると(S22:Yes)、第1確変大当りであると判定したことを示す第1確変大当りフラグをオンする(S23)。
【0080】
また、第1確変大当りではないと判定した場合は(S22:No)、第2確変大当りであるか否かを判定する(S24)。たとえば、抽選により決定した大当り図柄が偶数を表した大当り図柄および777以外の大当り図柄であった場合は、第2確変大当りであると判定する。ここで、第2確変大当りであると判定すると(S24:Yes)、第2確変大当りであると判定したことを示す第2確変大当りフラグをオンする(S25)。
【0081】
ここで、通常大当りは、第1変動入賞装置24が作動する大当りであり、第1大入賞口24aが開閉するラウンドをn3ラウンド実行する大当りである。また、第1確変大当りは、第2変動入賞装置25が作動する大当りであり、第2大入賞口25aが開閉するラウンドをn1ラウンド実行する大当りである。また、第2確変大当りは、第2変動入賞装置25が作動する大当りであり、第2大入賞口25aが開閉するラウンドをn2(n2<n1)ラウンド実行する大当りである。たとえば、n1=16、n2=2、n3=15である。
【0082】
また、大当り遊技中に第1大入賞口24aまたは第2大入賞口25aに入賞することによって払出される賞球数の総数の平均値を、第1確変大当りがp1個、通常大当りがp3個、第2確変大当りがp2個とすると、p2<p3<p1となるように構成されている。また、p2/p1=rとすると、0.125≦r<1となるように構成されている。
つまり、遊技者が第2確変大当りにおいて獲得可能な賞球数の総数p2が、第1確変大当りにおいて獲得可能な賞球数の総数p1の0.125倍(1/8)未満にならないように構成されている。
【0083】
そして、主制御用CPU52は、特別図柄変動時間を抽選により決定する(S26)。特別図柄変動時間は演出図柄変動時間と等しいため、特別図柄変動時間の決定は、演出図柄変動時間の決定でもある。特別図柄変動時間の抽選は、特別図柄変動時間抽選カウンタおよび特別図柄変動時間テーブルを用いて行う。特別図柄変動時間抽選カウンタは、連続した異なる複数の数値、たとえば、0〜19をカウントする。特別図柄変動時間テーブルは、主制御用ROM53に格納されており、特別図柄変動時間抽選カウンタのカウント値と特別図柄変動時間とを対応付けて構成されている。
【0084】
たとえば、0〜19のカウント値と、5秒、10秒、15秒・・2分など、時間の異なる複数種類の特別図柄変動時間とを対応付けて構成されている。そして、主制御用CPU52は、S26を実行するタイミングになったときに特別図柄変動時間抽選カウンタからカウント値を1つ取得し、その取得したカウント値と対応付けられている特別図柄変動時間を特別図柄変動時間テーブルから読出す。
【0085】
続いて、主制御用CPU52は、特別図柄保留数U1に1を加算し(S27)、特別図柄保留数U1、大当り判定の結果、大当り図柄、ハズレ図柄、大当りの種類、特別図柄変動時間などの抽選結果を示すデータを演出制御基板70へ送信する(S28)。
【0086】
(変動開始処理)
次に、主制御用CPU52が実行する変動開始処理(S504)の流れについて、それを示す図10のフローチャートを参照して説明する。
【0087】
主制御用CPU52は、特別図柄変動時間を計測中であるか否かを判定し(S40)、計測中ではないと判定した場合は(S40:No)、特別図柄保留数U1を参照する(S41)。そして、特別図柄保留数U1が1個以上であるか否かを判定し(S42)、1個以上であると判定した場合は(S42:Yes)、特別図柄保留数U1から1を減算し(S43)、特別図柄および演出図柄の変動開始を指示する変動開始コマンドと、現在の特別図柄保留数U1を示すデータとを演出制御基板70へ送信する(S44)。続いて、特別図柄変動時間(演出図柄変動時間)の計測を開始する(S45)。
【0088】
なお、図示しないが、主制御用CPU52は、変動開始コマンドを演出制御基板70へ送信した回数、つまり、演出表示装置30が演出図柄を変動表示した回数を計数し、その計数値が所定値に達したときに第1または第2確変大当りフラグをオフにする。たとえば、演出図柄の変動表示の回数が70回に達したときに第1または第2確変大当りフラグをオフにする。換言すると、遊技者が確変の利益を享受できる期間は、演出図柄の変動表示の回数が70回に達するまでの期間である。
【0089】
(演出制御用CPUが実行する主な処理)
次に、演出制御用CPU72が実行する主な処理の流れについて、それを示す図11のフローチャートを参照して説明する。
【0090】
演出制御用CPU72は、パチンコ機1が起動したときに初期設定を実行する(S600)。この初期設定では、演出制御用RAM74に格納されているデータを初期値に戻したり、0クリアするなどの処理を行う。次に、演出制御用CPU72は、データ受信処理(S601)、変動パターン抽選処理(S602)、効果音パターン抽選処理(S603)、LED点灯パターン抽選処理(S604)、演出処理(S605)および可動役物処理(S606)などを実行する。
【0091】
(データ受信処理)
演出制御用CPU72が実行するデータ受信処理(S601)の流れについて、それを示す図12のフローチャートを参照して説明する。
【0092】
演出制御用CPU72は、主制御用CPU52からデータを受信したか否かを判定し(S200)、受信したと判定すると(S200:Yes)、その受信したデータを解析する(S201)。そして、その解析の結果、受信したデータが変動開始コマンドであるか、あるいは、大当り判定の結果および変動時間を示す抽選結果であるかを判定する(S202,S203)。
【0093】
ここで、変動開始コマンドではない、つまり、受信したデータは抽選結果であると判定すると(S202:No、S203:Yes)、その受信した抽選結果を演出制御用RAM74に格納し(S204)、変動パターン抽選処理を実行する(S205)。受信した抽選結果は、特別図柄保留数U1の発生した順位に対応して演出制御用RAM74に格納される。また、S202において変動開始コマンドであると判定した場合は、演出処理を実行する(S220)。
【0094】
(変動パターン抽選処理)
次に、演出制御用CPU72がS205(図12)において実行する変動パターン抽選処理の流れについて、それを示す図13のフローチャートを参照して説明する。
【0095】
変動パターンの抽選は、演出図柄変動パターン抽選カウンタおよび演出図柄変動パターンテーブルを用いて行う。演出図柄変動パターン抽選カウンタは、複数の連続した異なる数値をカウントする。演出図柄変動パターンテーブルは、演出図柄変動時間毎に演出制御用ROM73に格納されている。前述したように、演出図柄変動時間は、特別図柄変動時間と等しいため、演出図柄変動パターンテーブルは、特別図柄変動時間の数と同じ数設けられている。
【0096】
演出図柄変動パターンテーブルは、演出図柄変動パターン抽選カウンタのカウント値と演出図柄の変動パターン(通常変動パターン、ノーマルリーチパターンおよびスーパーリーチパターン)とを対応付けて構成されている。また、異なる変動時間毎に各変動パターンが設定されており、1つの変動時間には複数種類の変動パターンが設定されている。
また、短い変動時間には、出現確率の高い変動パターンが設定されており、長い変動時間には、出現確率の低い変動パターンが設定されている。この実施形態では、通常変動パターン、ノーマルリーチパターンおよびスーパーリーチパターンの順に出現確率が低くなり、通常変動パターンの変動時間が最も短く、スーパーリーチパターンの変動時間が最も長い。
【0097】
たとえば、演出図柄変動パターンテーブルには、変動時間15秒に対して10種類の通常変動パターンが0〜9の数値と対応付けて設定されており、変動時間30秒に対して10種類のノーマルリーチパターンが0〜9の数値と対応付けて設定されており、変動時間60秒に対して10種類のスーパーリーチパターンが0〜9の数値と対応付けて設定されている。また、演出図柄変動パターン抽選カウンタは0〜9の連続した数値をカウントする。
【0098】
また、演出図柄の変動パターンの中には、可動役物42,43を動作させる変動パターンが含まれている。たとえば、武将が兜を被って変身する内容の変動パターンには、可動役物42,43を動作させる演出内容が含まれている。
【0099】
演出制御用CPU72は、演出図柄変動パターン抽選カウンタからカウント値を取得し(S206)、演出制御用RAM74に格納されている変動時間を参照する(S207)。続いて、その参照した変動時間に対して設けられている演出図柄変動パターンテーブルを参照し(S208)、その参照した演出図柄変動パターンテーブルの中から上記取得したカウント値と対応付けられている演出図柄の変動パターンを選択し、それを演出制御用RAM74に格納する(S209)。たとえば、参照した変動時間が60秒であり、演出図柄変動パターン抽選カウンタから取得したカウント値が5であった場合は、変動時間60秒に設定されている10種類のスーパーリーチパターンのうちカウント値5に対応付けられているものを選択する。
【0100】
なお、演出制御用CPU72は、上記の変動パターン抽選処理において特別図柄の変動パターンも抽選により決定する。さらに、効果音パターン抽選処理(S603)において効果音の出力パターンや音楽の種類などを抽選により決定し、LED点灯パターン抽選処理(S604)においてパチンコ機1に配置された演出用のLEDの点灯パターンを抽選により決定する。
【0101】
(演出処理)
次に、演出制御用CPU72が実行する演出処理(S605)の流れについて、それを示す図14のフローチャートを参照して説明する。
【0102】
演出制御用CPU72は、演出図柄の変動時間を計測中であるか否かを判定し(S221)、計測中ではないと判定した場合は(S221:No)、演出制御用RAM74を参照し、特別図柄保留数U1の発生順位の1番目に格納されている変動パターンを読出し(S222)、その読出した変動パターンに従った演出図柄の変動表示を演出表示装置30に開始させる(S223)。続いて、演出図柄変動時間をセットし(S224)、演出図柄変動時間の計測を開始する(S225)。
【0103】
続いて、演出制御用RAM74に格納されている各データの格納順位を1つずつ繰り上げ(S226)、特別図柄保留数U1から1を減算して特別図柄保留数U1を更新する(S227)。そして、次のサイクルでこの演出処理を実行するときに、S221において変動時間を計測中であると判定した場合は(S221:Yes)、計測している時間がタイムアップしたか否かを判定し(S228)、タイムアップしたと判定した場合は(S228:Yes)、演出表示装置30に演出図柄の変動を停止させ(S229)、先のS222において読出した変動パターンに対応付けられている確定図柄を演出表示装置30に確定表示させる(S230)。
【0104】
(可動役物処理)
次に、演出制御用CPU72が実行する可動役物処理(S606)の流れについて、それを示す図15のフローチャートを参照して説明する。
【0105】
演出制御用CPU72は、可動役物42,43を演出表示装置30の画面上に進出させるタイミングであるか否かを判定し(S240)、画面上に進出させるタイミングであると判定すると(S240:Yes)、可動役物42,43を演出表示装置30の画面上に進出させる指令を可動役物制御装置40および演出表示装置30(図5)へ出力する(S241)。
【0106】
たとえば、演出制御用CPU72は、演出処理(図14)において変動時間を計測している対象の変動パターンが、可動役物42,43を進退させる演出内容を含む変動パターンである場合に、その変動パターンに対する変動時間の計測時間が、可動役物42,43を演出表示装置30の画面上に進出させるタイミングになったときに可動役物42,43を演出表示装置30の画面上に進出させる指令を可動役物制御装置40へ出力する。
一方、上記の指令を入力した可動役物制御装置40は、モータ47,48を駆動し、可動役物42,43を演出表示装置30の画面上に進出させる。
【0107】
また、演出制御用CPU72は、可動役物42,43を演出表示装置30の画面上に進出させるタイミングではないと判定すると(S240:No)、可動役物42,43を演出表示装置30の画面上から退避させるタイミングであるか否かを判定する(S242)。ここで、画面上から退避させるタイミングであると判定すると(S242:Yes)、可動役物42,43を演出表示装置30の画面上から退避させる指令を可動役物制御装置40および演出表示装置30へ出力する(S243)。
【0108】
(LED制御)
次に、演出表示装置30に備えられたLED制御部30c(図6)が実行するLED制御の流れについて、それを示す図16のフローチャートを参照して説明する。
【0109】
LED制御部30cは、可動役物データ受信部30aから可動役物進出指令を入力したか否かを判定し(S112)、入力したと判定すると(S112:Yes)、可動役物42,43が演出表示装置30の画面上に進出し、その進出が終了して停止したか否かを判定する(S113)。たとえば、可動役物42,43が進出を開始してから特定の位置にて進出を終了するまでに要する時間(以下、進出時間という)を予め測定しておき、可動役物進出指令を入力してから進出時間が経過したか否かに基いて、進出が終了したか否かを判定することができる。
【0110】
ここで、停止したと判定すると(S113:Yes)、メモリ30bに記憶されている可動役物対応領域に対応する光源ユニット30jを消灯する(S114)。これにより、可動役物42,43によって覆われた領域の光源ユニット30jの無駄な消費電力をなくすことができる。
また、LED制御部30cは、S112において、可動役物進出指令を入力していないと判定すると(S112:No)、可動役物データ受信部30aから可動役物退避指令を入力したか否かを判定する(S115)。
【0111】
ここで、可動役物退避指令を入力したと判定すると(S115:Yes)、可動役物対応領域に対応する光源ユニット30jを点灯させる(S116)。これにより、可動役物対応領域を構成する光源ユニット30jによるバックライト照明が復活するため、画面を見ている遊技者が違和感を覚えるおそれがない。
【0112】
[実施形態の効果]
以上のように、上述した実施形態のパチンコ機1を使用すれば、可動役物42,43が演出表示装置30の画面上に進出した状態になったときに、その進出した可動役物42,43によって覆われた画面上の領域に対応する光源ユニット30jを消灯し、光量を0にすることができるため、演出表示装置30の消費電力の無駄をなくすことができる。
【0113】
〈他の実施形態〉
(1)前述の実施形態では、可動役物42,43によって覆われた演出表示装置30の画面上の領域に対応する光源ユニット30jを消灯したが、消灯しないで光量を減少させるように光源ユニット30jを制御することもできる。
【0114】
(2)前述の実施形態では、可動役物42,43の進出が終了したときに可動役物42,43によって覆われた領域に対応する光源ユニット30jを消灯した。しかし、可動役物42,43が進出を開始したときから進出を終了するときまでの期間において、可動役物42,43が覆う領域が次第に増加するため、その増加に応じて消灯する光源ユニット30jを増やすように各光源ユニット30jを制御することもできる。この制御を用いれば、可動役物42,43が進出を開始した段階から消灯する光源ユニット30jが発生するため、進出が終了してから光源ユニット30jを消灯する制御方法よりも演出表示装置30の消費電力の無駄をより一層なくすことができる。
【0115】
(3)前述の実施形態では、光源ユニット30jとしてRGBの3原色を発光可能なLEDによって構成されたものを説明したが、白色などの単色を発光するLEDのみによって構成されたものを用いることもできる。
【符号の説明】
【0116】
1・・パチンコ機、4・・発射装置、5・・遊技盤、21・・始動口、
30・・演出表示装置(画像表示装置)、30e・・LEDバックライト、
30k・・液晶パネル(液晶表示部)、42,43・・可動役物、
52・・主制御用CPU(大当り判定手段)。
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技球が始動口を通過したときに大当りかハズレかを判定する大当り判定手段と、この大当り判定手段の判定結果を画像によって表示する画像表示装置と、この画像表示装置の画面上に進出した状態と画面上から退避した状態とに変化する可動役物とを備えるパチンコ機に関する。
【背景技術】
【0002】
図17は、従来のパチンコ機の正面説明図である。従来のパチンコ機100は、発射ハンドル101と、遊技盤102と、始動口103と、図柄表示装置104と、上皿105と、入賞装置106とを備える。遊技者が発射ハンドル101を操作して発射された遊技球が始動口103に入賞すると、始動口103に入賞した遊技球を検出するスイッチがオンし、パチンコ機100に内蔵されたマイクロコンピュータが、大当りかハズレかの判定(以下、大当り判定という)を行う。
【0003】
そして、図柄表示装置104が、複数の図柄の変動表示(スクロール表示ともいう)を開始する。たとえば、連続した異なる数字(たとえば、0〜9)を表現した図柄の配列(以下、図柄列という)を画面上の横方向3箇所の表示領域において、数字の昇順に画面の上から下へ移動するように表示する。また、機種によっては画面の右から左へ移動するように表示する。
【0004】
そして、図柄表示装置104が図柄列の変動表示を開始してから所定時間経過すると、各表示領域において図柄列の変動表示が停止し、前述したマイクロコンピュータによる判定結果に対応する図柄が各表示領域に確定表示される。たとえば、抽選結果が大当りであった場合は、「777」などの同一数字から成る大当り図柄が確定表示され、抽選結果がハズレであった場合は、「767」などのハズレ図柄が確定表示される。なお、確定表示とは、大当り判定の結果を示す図柄が確定した表示状態のことであり、図柄が再変動することのない表示状態のことである。
【0005】
図柄表示装置104が大当り図柄を確定表示すると大当りが発生し、入賞装置106が開閉部材107を開作動し、大入賞口108を開口させる。大入賞口108は、普通の入賞口よりも開口面積が大きいため、入賞が容易になる。そして、大入賞口108に規定数(たとえば、10個)の遊技球が入賞したという条件、あるいは、大入賞口108の開口時間が規定時間(たとえば、30秒)に達したという条件が満足されると、開閉部材107が閉成し、大入賞口108が閉口する。そして、大入賞口108の開口から閉口までを1ラウンドとし、複数のラウンド(たとえば、最大14ラウンド)が実行され、その間に遊技者は多量の賞球を獲得することができる。以下、第1ラウンドから最終ラウンドまでの遊技を大当り遊技という。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−315918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、液晶表示装置によって図柄表示装置を構成しているパチンコ機において、LEDバックライトによって液晶パネルを照明するものが提案されている。また、液晶パネルの画面上に進出した状態と画面上から退避した状態とに変化する可動役物とを備えるパチンコ機が提案されている。
【0008】
しかし、このパチンコ機では、可動役物が液晶パネルの画面上に進出した状態になると、可動役物によって覆われた画面の領域は視認不可能になる。
つまり、上記のパチンコ機では、可動役物によって覆われた画面の領域までもLEDバックライトで照明することになるため、液晶表示装置の電力が無駄になるという問題がある。
【0009】
そこでこの発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、画像表示装置の電力の無駄をなくすことができるパチンコ機を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するため、この出願の請求項1に係る発明は、盤面上に遊技領域が形成された遊技盤(5)と、前記遊技盤に設けられた始動口(21)と、遊技球を前記遊技領域へ発射する発射装置(4)と、前記発射装置により発射された遊技球が前記始動口を通過したときに大当りかハズレかを判定する大当り判定手段(52)と、前記大当り判定手段の判定結果を画像によって表示する画像表示装置(30)と、前記画像表示装置の画面上に進出した状態と、前記画面上から退避した状態とに変化する可動役物(42,43)と、を備えるパチンコ機(1)において、前記画像表示装置は、液晶によって前記画像を表示する液晶表示部(30i)と、複数の光源によって前記液晶表示部を裏面から照明するバックライト(30d)と、前記可動役物が前記液晶表示部の画面上に進出した状態になったときに、その進出した可動役物によって覆われた画面上の領域に対応する光源の光量を減少させる光源制御手段(30a〜30d)と、を備えるという技術的手段を用いる。
【0011】
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明の効果】
【0012】
この出願の請求項1に係る発明は、可動役物が液晶表示部の画面上に進出した状態になったときに、その進出した可動役物によって覆われた画面上の領域に対応する光源の光量を減少させる光源制御手段を備えるため、画像表示装置の消費電力の無駄をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明の実施形態に係るパチンコ機の主要構成を示す正面説明図である。
【図2】図1に示す遊技盤5の主要構成を示す正面説明図である。
【図3】図2において可動役物42,43が画面上に進出した状態を示す正面説明図である。
【図4】右側の可動役物43の説明図であり、(a)は右側の可動役物43が画面上から退避した状態を示す説明図、(b)は右側の可動役物43が画面上に進出した状態を示す説明図である。
【図5】図1に示すパチンコ機1の主な電気的構成をブロックで示す説明図である。
【図6】演出表示装置30の主な電気的構成をブロックで示す説明図である。
【図7】主制御用CPU52が実行する主な処理の流れを示すメインフローチャートである。
【図8】主制御用CPU52が図7のS502で実行する始動口処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】図8の処理の続きを示すフローチャートである。
【図10】主制御用CPU52が図7のS504で実行する変動開始処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】演出制御用CPU72が実行する主な処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】演出制御用CPU72が図11のS601で実行するデータ受信処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】演出制御用CPU72が図11のS602で実行する変動パターン抽選処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】演出制御用CPU72が図11のS605で実行する演出処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】演出制御用CPU72が図11のS606で実行する可動役物処理の流れを示すフローチャートである。
【図16】演出表示装置30のLED制御部30dが実行するLED制御の流れを示すフローチャートである。
【図17】従来のパチンコ機の主要構成を示す正面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
この発明の実施形態について説明する。
[主要構成]
この実施形態に係るパチンコ機の主要構成について図を参照して説明する。図1は、この実施形態に係るパチンコ機の主要構成を示す正面説明図である。
【0015】
図1に示すように、この実施形態に係るパチンコ機1には、外殻を構成する外枠セット8が設けられており、この外枠セット8には前枠セット2が設けられている。その前枠セット2には透明なガラス枠セット3が開閉可能に取付けられている。そのガラス枠セット3の内側には遊技盤5が設けられており、前枠セット2の前面右下方には、遊技盤5へ遊技球を発射する発射装置を操作する発射ハンドル4aが取付けられている。発射ハンドル4aには、遊技球の発射強度を調節するための発射レバー4bが発射ハンドル4aに対して回動自在に装着されている。
【0016】
遊技盤5の下方には、パチンコ機内部から払出された賞球や貸球を収容する上受け皿6が設けられており、上受け皿6には、貸球の払出しを行うために遊技者が操作する球貸操作部9が設けられている。上受け皿6の下方には、上受け皿6の収容可能数を超えて流下した遊技球を収容する下受け皿7が設けられている。下受け皿7には、下受け皿7に収容されている遊技球を下受け皿7の外部へ排出するために遊技者が操作する球抜きレバー7aが設けられている。
【0017】
前枠セット2には、払出すべき遊技球が無いことを報知する球切れLED13と、遊技球の払出しの異常を報知する払出異常LED14とが設けられている。また、前枠セット2には、効果音を発生する右スピーカ10と、左スピーカ11と、下スピーカ12とが設けられている。また、上受け皿6には、遊技中にボタン演出が行われた際に遊技者が操作する演出ボタン80が設けられている。ここで、ボタン演出とは、演出ボタン80が操作されたことに応じて開始される遊技上の演出のことである。
【0018】
[遊技盤の主要構成]
次に、遊技盤5の主要構成について図を参照して説明する。図2は、遊技盤5の主要構成を示す正面説明図である。
【0019】
遊技盤5の盤面には、遊技球が流下する遊技領域が形成されており、遊技盤5の盤面には、遊技球の流下経路を規制する多数の遊技釘29が打ち込まれている。遊技盤5の盤面の周囲には、発射装置(図5において符号4で示す)によって発射された遊技球を遊技領域に案内するためのレールセット15が設けられている。
【0020】
遊技盤5の中央には、センター飾り16が設けられている。このセンター飾り16は、盤面から前方へ突出する立体形状に形成されており、遊技領域の中央領域を占有している。センター飾り16には、演出図柄を変動表示したり、各種の演出画像を表示する演出表示装置30が設けられている。この実施形態では、演出表示装置30は、液晶表示装置により構成されている。なお、LEDをドットマトリクス状に配置した表示装置、7セグメントLED、有機ELパネルなどを演出表示装置30として用いることもできる。
【0021】
センター飾り16の左端には、遊技球がセンター飾り16の内部に流入可能な流入口27が開口形成されている。センター飾り16の下部には、流入口27からセンター飾り16の内部に流入した遊技球が遊技領域に流出する流出口28が開口形成されている。盤面の左側には、レールセット15の内周に沿って左サイド飾り36が設けられている。左サイド飾り36とセンター飾り16との間には、遊技球が流下する左寄り遊技領域が形成されている。その左寄り遊技領域には、遊技球の流下経路を変化させる風車35が回転自在に設けられている。
【0022】
左サイド飾り36には、左袖上入賞口17と、左袖入賞口18と、左下入賞口19とが設けられている。センター飾り16の流出口28の直下には、始動口21が設けられている。始動口21の下方には、普通電動役物22が設けられている。普通電動役物22は、一対の開閉翼片22aを備えている。各開閉翼片22aは、その基部が回動可能に軸支されており、その基部の回動によって先端を外方へ開いたり内方へ閉じたりする。図2は、各開閉翼片22aが開放した状態を示す。
【0023】
この状態では、遊技球が開閉翼片22aによって案内され、普通電動役物22の内部に入賞可能になる。開閉翼片22aによって案内され、普通電動役物22の内部に入賞した遊技球は、始動口21から入賞した遊技球を検出する始動口スイッチ(図5において符号21aで示す)によって検出される。つまり、普通電動役物22は、各開閉翼片22aを開放することにより、始動口21の入賞領域を拡大する役割をしている。
【0024】
普通電動役物22の下方には、第1開閉部材24dを有する第1変動入賞装置24が設けられている。第1変動入賞装置24は、演出表示装置30が通常大当り発生を示す演出図柄を確定表示したときに第1開閉部材24dを開放して第1大入賞口24aを開口する。また、第1変動入賞装置24は、第1大入賞口24aへの入賞数が規定数に達したとき、あるいは、第1大入賞口24aの開口から規定時間が経過したときに第1大入賞口24aを閉口する。この実施形態では、第1開閉部材24dは、横長の板状に形成されており、両側の下端を軸にして前後に回動するように構成されている。
【0025】
センター飾り16の上部左側には、第2開閉部材25dを有する第2変動入賞装置25が設けられている。第2変動入賞装置25は、演出表示装置30が第1または第2確変大当り発生を示す演出図柄を確定表示したときに第2開閉部材25dを開放して第2大入賞口25aを開口する。この実施形態では、第2変動入賞装置25は、一定の間隔で第2開閉部材25dを開閉し、一定の間隔で第2大入賞口25aを開閉する。また、第2開閉部材25dは、翼状に形成されており、下端を軸にして左右に回動するように構成されている。
【0026】
第1変動入賞装置24の右方には、右下入賞口20が設けられており、下方には、どこにも入賞などしなかった遊技球を回収するためのアウト口26が開口形成されている。センター飾り16の左側には、ゲート23が設けられている。センター飾り16の右下には、特別図柄表示装置31と、特別図柄保留数表示装置32と、普通図柄表示装置33と、普通図柄保留数表示装置34とが設けられている。この実施形態では、特別図柄表示装置31、特別図柄保留数表示装置32、普通図柄表示装置33および普通図柄保留数表示装置34は、それぞれLEDにより構成されているが、液晶表示装置などにより構成することもできる。
【0027】
特別図柄表示装置31は複数(たとえば、6個)のLEDにより構成されており、それらのLEDは、遊技球が始動口21に入賞すると所定の点滅パターンで点滅する。それらのLEDが点灯したときの発光色および消灯したときのLEDの地の色が特別図柄を構成し、LEDが点滅している状態が、特別図柄が変動表示している状態である。特別図柄表示装置31は、始動口スイッチ21aがオンしたときに特別図柄の変動表示を開始する。
【0028】
特別図柄表示装置31は、各LEDをランダムに点滅させ、その点滅が停止したときの点灯しているLEDおよび消灯しているLEDの組合せが特定の組合せであるときに大当りが発生し、その組合せの種類によって大当りの種類が異なる。大当りの種類は、大当り遊技において実行可能な最大ラウンド数、通常大当り、確変大当りおよび時短のうちの2つ以上を組み合わせて構成されている。また、大当りの種類によって第1変動入賞装置24および第2変動入賞装置25のどちらかが動作して大当り遊技が行われる。
【0029】
ここで、確変とは、大当り判定において大当りと判定される確率が通常よりも高い遊技状態をいい、確変大当りとは、大当り遊技が終了した以降の所定期間における遊技状態が確変に変化することが約束された大当りをいう。また、通常大当りとは確変大当りではない大当りをいう。また、時短とは、特別図柄が変動表示を開始してから変動表示を終了するまでに要する時間が短縮され、かつ、普通図柄が変動表示を開始してから変動表示を終了するまでに要する時間が短縮された遊技状態をいう。
【0030】
たとえば、特別図柄表示装置31の各LEDが点滅を繰り返した後、総てのLEDが点灯した状態になった場合は、第2変動入賞装置25が作動して最大16ラウンドまで大当り遊技を行うことができ、かつ、大当り遊技終了後の遊技状態が確変に変化する第1確変大当りが発生する。また、2個のLEDが点灯した状態になった場合は、第2変動入賞装置25が作動して最大2ラウンドまで大当り遊技を行うことができ、かつ、大当り遊技終了後の遊技状態が確変に変化する第2確変大当りが発生する。
【0031】
特別図柄表示装置31が特別図柄を変動表示しているときに始動口スイッチ21aがオンしたときは、そのオンに基づく特別図柄の変動表示は直ぐに実行されず、一旦保留される。その保留数は、特別図柄保留数表示装置32によって表示される。この実施形態では、特別図柄保留数表示装置32は4個のLEDによって構成されており、そのLEDの点灯数によって特別図柄保留数を表示する。つまり、この実施形態では、特別図柄保留数は最大4個である。
【0032】
演出表示装置30は、特別図柄表示装置31の演出効果を高める目的で設けられている。つまり、特別図柄表示装置31は、それぞれ複数のLEDによって構成されており、LEDの点滅のみでは演出効果が乏しいため、演出表示装置30が演出図柄を変動表示したり、演出画像を表示したりすることによって演出効果を高めている。なお、演出図柄とは、LEDによって表示される特別図柄に代わって表示する演出用の図柄のことであり、複数の識別情報を表現した図柄である。たとえば、0〜9の数字を表現した図柄であり、演出表示装置30は、図柄列を数字の昇順に表示する。また、演出表示装置30は、動画および静止画像により構成された演出画像を単独で、あるいは、演出図柄と共に表示する。
【0033】
演出表示装置30は、特別図柄表示装置31が特別図柄の変動表示を開始すると同時に演出画像および演出図柄の表示を開始する。また、演出表示装置30は、特別図柄表示装置31が特別図柄の変動表示を終了すると同時に演出画像および演出図柄の表示を終了し、特別図柄表示装置31が確定表示した大当り図柄またはハズレ図柄に対応する演出図柄を確定表示する。
【0034】
普通図柄表示装置33は、複数(たとえば、5個)のLEDにより構成されており、各LEDが点灯したときの発光色および消灯したときのLEDの地の色が普通図柄を構成する。また、普通図柄表示装置33がLEDを点滅させている状態が、普通図柄が変動表示している状態であり、変動表示が終了したときに点灯および消灯しているLEDの組合せによって普通図柄の当りまたはハズレが報知される。当りの普通図柄が確定表示されると、普通電動役物22の各開閉翼片22aの開放時間が長くなり、普通電動役物22への入賞が容易になる。つまり、単位時間当りに特別図柄が変動表示を開始する回数が多くなり、大当りが発生する確率が高くなる。
【0035】
遊技球がゲート23を通過すると、普通図柄表示装置33が普通図柄の変動表示を開始する。そして、普通図柄表示装置33が普通図柄を変動表示しているときに遊技球がゲート23を通過したときは、その通過による普通図柄の変動表示が保留され、その保留数は普通図柄保留数表示装置34により表示される。この実施形態では、普通図柄保留数表示装置34は、4個のLEDによって構成されており、その点灯数が保留数を示し、保留数の最大は4個に設定されている。
【0036】
以下の説明では、特別図柄の変動開始から変動終了までに要する時間を特別図柄変動時間、演出図柄の変動開始から変動終了までに要する時間を演出図柄変動時間、普通図柄の変動開始から変動終了までに要する時間を普通図柄変動時間とそれぞれ称する。演出図柄変動時間は、特別図柄変動時間と等しい。
【0037】
次に、可動役物について図を参照して説明する。
図3は、図2において可動役物42,43が画面上に進出した状態を示す正面説明図である。図4は、右側の可動役物43の説明図であり、(a)は右側の可動役物43が画面上から退避した状態を示す説明図、(b)は右側の可動役物43が画面上に進出した状態を示す説明図である。
【0038】
遊技盤5には、可動役物42,43が設けられている。図3に示すように、可動役物42,43は、演出表示装置30の画面上に進出した状態と、図2に示すように、画面上から退避した状態とに変化する。可動役物42は、画面の左側から画面の略中央に進出し、画面の左側に退避する。可動役物43は、画面の右側から画面の略中央に進出し、画面の右側に退避する。可動役物42,43が画面の略中央に進出したときに両可動役物が一体化し、一つの可動役物を形成する。
【0039】
この実施形態では、一体化した可動役物42,43は、画面に表示された画像と組み合わされることにより、一つの像を構成する。この実施形態では、可動役物42,43は、武将が身に付ける兜を模した形状に形成されており、画面に表示される武将の画像と一体化することにより、兜を身に付けた武将が完成するように構成されている。
【0040】
図4に示すように、右側の可動役物43の下端は、演出表示装置30の画面に沿って横方向に延びたラック44の右端に取付けられている。ラック44は、画面に沿って横方向に延びたレール46に沿って移動するようになっている。ラック44の下面に形成されたラック歯44aには、歯車45aが噛み合っている。歯車45a,45b,45c,45dの順に噛み合っており、歯車45dはモータ46の回転シャフトに軸支されている。つまり、可動役物43は、ラック&ピニオン機構によってレール46に沿って移動するように構成されている。
【0041】
モータ46の回転によってラック44が、図4(a)において矢印F1で示す方向(左方向)へ移動すると、可動役物43も同方向へ移動し、演出表示装置30の画面上に進出する。また、モータ46が逆転すると、ラック44が、図4(b)において矢印F2で示す方向(右方向)へ移動すると、可動役物43も同方向へ移動し、演出表示装置30の画面上から退避する。また、左側の可動役物42もラック&ピニオン機構によってレールに沿って移動するように構成されており、右方向へ移動して液晶表示装置30の画面上に進出したときに右側の可動役物43と一体化し、左方向へ移動すると画面上から退避する。
【0042】
[主な電気的構成]
次に、パチンコ機1の主な電気的構成についてそれをブロックで示す図5を参照して説明する。
【0043】
パチンコ機1には、主制御基板50が設けられており、その主制御基板50には、主制御用MPU(マイクロプロセッサーユニット)51が搭載されている。主制御用MPU51は、主制御用CPU52と、主制御用ROM53と、主制御用RAM54とを備える。主制御用CPU52は、大当り判定、大当り図柄の抽選、大当りの種類の抽選、ハズレ図柄の抽選、特別図柄変動時間(演出図柄変動時間)の抽選、入賞の検出、ゲート通過の検出、普通図柄の当り判定、賞球の払出命令など、遊技における重要な処理を実行する。
【0044】
主制御用ROM53には、主制御用CPU52が上記の各処理を実行するためのコンピュータプログラム、各制御基板へ送信する制御コマンド、大当り判定を行う際に参照する大当り値などが読出し可能に格納されている。主制御用RAM54は、主制御用CPU52が上記のコンピュータプログラムを実行するときに使用するワーク領域を有する。また、主制御用RAM54は、主制御用CPU52が上記のコンピュータプログラムを実行することにより発生する処理結果および判定結果などを読出しおよび書換え可能に格納する。
【0045】
また、主制御基板50には、始動口21に入賞した遊技球、または、開放した開閉翼片22aによって普通電動役物22の内部に案内された遊技球を検出する始動口スイッチ(始動口SW)21aが電気的に接続されている。また、主制御基板50には、払出制御基板60が電気的に接続されている。払出制御基板60には、遊技球を上受け皿6へ払出す部材を駆動するための払出モータ38と、この払出モータ38によって払出された遊技球を検出するための払出センサ39とが電気的に接続されている。
【0046】
さらに、払出制御基板60には、払出す遊技球がなくなった状態を検出するための球切れスイッチ13aと、下受け皿7が遊技球で満杯になった状態を検出するための下皿満杯スイッチ(下皿満杯SW)7bと、ガラス枠セット3が開放された状態を検出するための扉開放スイッチ(扉開放SW)3aと、遊技球を所定時間間隔で1個ずつ連続して発射する発射装置4とが電気的に接続されている。
【0047】
発射装置4には、発射レバー4bの回動量に応じて発射装置4の発射強度を調節するための発射ボリューム4cと、遊技者が発射レバー4bに触れたことを検出して発射装置4を駆動させるためのタッチセンサ4dとが接続されている。発射装置4の駆動源は、ロータリソレノイドまたはモータである。
【0048】
払出制御基板60には、払出制御用MPU61が搭載されており、その払出制御用MPU61は、払出制御用CPU62と、払出制御用ROM63と、払出制御用RAM64とを備える。払出制御用CPU62は、主制御用MPU51から送信される払出制御コマンドに従って払出モータ38を制御し、賞球の払出しを制御する。また、払出制御用CPU62は、払出センサ39から出力される信号の変化を検出し、払出された賞球数を計数する。
【0049】
払出制御用ROM63には、払出制御用CPU62が実行するコンピュータプログラムなどが読出し可能に格納されている。払出制御用RAM64は、払出制御用CPU62が上記のコンピュータプログラムを実行するときに使用するワーク領域を有する。また、払出制御用RAM64は、払出制御用CPU62が上記のコンピュータプログラムを実行することにより発生する処理結果および判定結果などを読出しおよび書換え可能に格納する。
【0050】
主制御基板50には、盤面中継端子板37が電気的に接続されており、その盤面中継端子板37には、第1開閉部材24dを開閉させるための大入賞口ソレノイド24bと、第2開閉部材25dを開閉させるための大入賞口ソレノイド25bと、普通電動役物22の開閉翼片22aを開閉させるための普通電動役物ソレノイド22bと、第1大入賞口24aに入賞した遊技球を検出するための大入賞口スイッチ(大入賞口SW)24cと、第2大入賞口25aに入賞した遊技球を検出するための大入賞口スイッチ(大入賞口SW)25cとが電気的に接続されている。
【0051】
また、主制御基板50には、ゲート23を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(ゲートSW)23aと、左袖上入賞口17に入賞した遊技球を検出するための入賞口スイッチ(入賞口SW)17aと、左袖入賞口18に入賞した遊技球を検出するための入賞口スイッチ(入賞口SW)18aと、左下入賞口19に入賞した遊技球を検出するための入賞口スイッチ(入賞口SW)19aと、右下入賞口20に入賞した遊技球を検出するための入賞口スイッチ(入賞口SW)20aとが電気的に接続されている。
【0052】
さらに、主制御基板50には、演出制御基板70が電気的に接続されている。演出制御基板70には、特別図柄表示装置31と、普通図柄表示装置33と、演出表示装置30と、LED制御基板42と、音声出力装置43と、可動役物制御基板40と、演出ボタン80とが電気的に接続されている。可動役物制御基板40には、可動役物43を移動させるためのモータ47と、可動役物42を移動させるためのモータ48とが電気的に接続されている。
【0053】
演出制御基板70には、演出制御用MPU71が搭載されており、その演出制御用MPU71は、演出制御用CPU72と、演出制御用ROM73と、演出制御用RAM74とを備える。演出制御用ROM73には、演出制御基板70に電気的に接続された前述の各種装置などを制御するためのコンピュータプログラムが読出し可能に格納されている。また、演出制御用ROM73には、演出制御用CPU72がコンピュータプログラムを実行するときに参照する各種のテーブルが読出し可能に格納されている。
【0054】
演出制御用RAM74は、演出制御用CPU72がコンピュータプログラムを実行するときに使用するワーク領域を有する。また、演出制御用RAM74は、演出制御用CPU72がコンピュータプログラムを実行することにより発生する処理結果および判定結果などを読出しおよび書換え可能に格納する。
【0055】
演出制御用ROM73には、特別図柄、普通図柄および演出図柄などの変動パターンを決定するためのテーブルが格納されている。また、演出制御用ROM73には、パチンコ機1に設けられた演出用のLEDの点灯パターンを決定するためのテーブル、効果音や音楽の種類を決定するためのテーブルなど、演出に必要なテーブルやデータなどが格納されている。
【0056】
[演出表示装置30の主な電気的構成]
次に、演出表示装置30の主な電気的構成についてそれをブロックで示す図6を参照して説明する。
【0057】
演出表示装置30は、可動役物データ受信部30aと、メモリ30bと、LED制御部30cと、LEDバックライト30dと、画像データ受信部30eと、液晶表示制御部30fと、ゲートドライバ30gと、ソースドライバ30hと、液晶パネル30iとを備える。
【0058】
液晶パネル30iは、図示しないが2枚のガラスの間に液晶材料を挾み、このガラス上に走査線とデータ線を格子状に配置して構成される。走査線とデータ線はそれぞれ液晶パネル30iの端に配置したゲートドライバ30gおよびソースドライバ30hの駆動によって制御される。ゲートドライバ30gは走査線にパルス状の電圧波形を順次出力する機能を有する。ソースドライバ30hはゲートドライバ30gによるパルス状の電圧波形の出力に対応して液晶に電圧を供給する。このように、液晶パネル30iは、ソースドライバ30hおよびゲートドライバ30gの駆動によって液晶に電圧を印加されることにより画像を表示する。
【0059】
LEDバックライト30dは、液晶パネル30iの背面に配置されており、複数の光源ユニット30jを複数配列して構成されている。各光源ユニット30jは、液晶パネル30iの画像表示領域に背面から光を供給する。LEDバックライト30dと液晶パネル30iの間には、図示しないが、一対の拡散板と、この拡散板に挾まれたプリズムシートとが設けられている。拡散板は光源ユニット30jが供給した光を散乱、拡散させ、画像表示領域全体を均一な明るさにするためのものであり、プリズムシートは、LEDバックライト30dから供給された光の輝度を向上させるためのものである。
【0060】
光源ユニット30jは、RGBの3原色光で発光する複数のLEDから構成されている。光源ユニット51は、RGBの各色、または、黒色や白色などの複数色で発光することができる。
画像データ受信部30eは、演出制御基板70から送信される画像データを受信する。画像データ受信部30eは、受信した画像データを液晶表示制御部30fおよびLED制御部30cに出力する。
【0061】
液晶表示制御部30fは、画像データ受信部30eから出力される画像データを入力し、その入力した画像データに基いてゲートドライバ30gおよびソースドライバ30hを駆動する。
可動役物データ受信部30aは、演出制御基板70から送信される可動役物データを受信する。可動役物データとは、可動役物42,43が液晶パネル30iの画面上に進出し終わったことを知らせるためのデータである。また、可動役物データは、画面上に進出していた可動役物42,43が退避するタイミングになったことを知らせるためのデータでもある。
【0062】
メモリ30bは、LEDバックライト30dを構成する複数の光源ユニット30jのうち、消灯すべき光源ユニット30jの配置領域を記憶している。つまり、メモリ30bは、液晶パネル30iの画面上に進出した可動役物42,43によって覆われる画像表示領域に対応する光源ユニット30jの配置領域(以下、可動役物対応領域という)を記憶している。メモリ30bが記憶している配置領域は、可動役物によって覆われる液晶パネル30iの画像表示領域の面積に応じて書換えることができる。
【0063】
LED制御部30cは、画像データ受信部30eから出力される画像データを入力し、その入力した画像データに基いて光源ユニット30jを駆動し、光源ユニット30jの点灯または消灯を制御する。また、LED制御部30cは、光源ユニット30jの発光色を制御する。さらに、LED制御部30cは、可動役物データ受信部30aから出力される可動役物データに従い、メモリ30bに記憶されている配置領域に対応する光源ユニット30jの消灯または点灯を制御する。
【0064】
この実施形態では、メモリ30bは、液晶パネル30iの画像表示領域のうち、画面上に進出した可動役物42,43によって覆われる画像表示領域に対応する光源ユニット30jの識別情報(たとえば、アドレスなど)を記憶している。そして、可動役物42,43が画面上への進出を終えると、それを示すデータ(以下、進出終了データという)を演出制御基板70が可動役物データ受信部30aへ出力する。
【0065】
続いて、可動役物データ受信部30aが出力した進出終了データを入力したLED制御部30cが、メモリ30bに記憶されている識別情報に対応する光源ユニット30jを消灯する。これにより、液晶パネル30iの画像表示領域のうち、可動役物42,43によって覆われた画像表示領域に対応する光源ユニット30jが消灯するため、LEDバックライト30dの消費電力の無駄をなくすことができる。
【0066】
また、液晶パネル30iの画面上に進出していた可動役物42,43が退避を開始するタイミングになると、それを示すデータ(以下、退避開始データという)を演出制御基板70が可動役物データ受信部30aへ出力する。続いて、可動役物データ受信部30aが出力した退避開始データを入力したLED制御部30cが、メモリ30bに記憶されている識別情報に対応する光源ユニット30jを点灯させる。これにより、液晶パネル30iの画像表示領域のうち、可動役物42,43によって覆われた画像表示領域に対応する光源ユニット30jが点灯するため、消灯による弊害が発生することがない。
【0067】
[遊技の主な流れ]
次に、パチンコ機1における遊技の主な流れについて図を参照して説明する。
(主制御用CPUが実行する主な処理)
最初に、主制御用CPU52が実行する主な処理の流れについて図を参照して説明する。図7は、主制御用CPU52が実行するメインフローチャートである。以下の説明では、処理のステップをSと略す。
【0068】
主制御用CPU52は、パチンコ機1が起動したときに初期設定を実行する(S500)。この初期設定では、主制御用RAM54に格納されているデータを初期値に戻したり、0クリアするなどの処理を行う。次に、主制御用CPU52は、入賞検出処理(S501)、始動口処理(S502)、ゲート処理(S503)、変動開始処理(S504)、普通電動役物処理(S505)、大入賞口処理(S506)および遊技情報送信処理(S507)などを実行する。
【0069】
ゲート処理(S503)では、ゲートスイッチ23a(図5)からの出力信号の変化を検出し、遊技球がゲート23を通過したことを検出し、普通図柄の当り判定を行う。普通電動役物処理(S505)では、ゲート処理(S503)における普通図柄の当り判定が当りであった場合に普通電動役物ソレノイド22b(図5)を作動させ、普通電動役物22の開閉翼片22a(図2)を開放させる。
【0070】
大入賞口処理(S506)では、通常大当りが発生したときの第1大入賞口24aの開閉制御と、第1または第2確変大当りが発生したときの第2大入賞口25aの開閉制御とを実行する。遊技情報送信処理(S507)では、通常大当りの発生回数、確変大当りの発生回数、賞球数の合計(出玉数)などの遊技中に発生する遊技情報をパチンコ機1が設置されているパチンコ店の管理室に設けられた管理コンピュータへ送信する。
【0071】
(始動口処理)
次に、主制御用CPU52が実行する始動口処理(S502)の流れについて図を参照して説明する。図8は、始動口処理の流れを示すフローチャートであり、図9は、図8の続きを示すフローチャートである。
【0072】
主制御用CPU52は、始動口スイッチ21aがオンしたか否か、つまり遊技球が始動口21、あるいは、開放した開閉翼片22aから入賞したか否かを判定する(S10)。ここで、肯定判定すると(S10:Yes)、主制御用RAM54に格納されている特別図柄保留数U1を参照し(S11)、特別図柄保留数U1が上限の4個未満であるか否かを判定する(S12)。ここで、肯定判定すると(S12:Yes)、このとき大当り抽選カウンタがカウントしたカウント値を取得する(S13)。
【0073】
ここで、大当り抽選カウンタとは、連続した複数の異なる数値をカウントするカウンタであり、この実施形態では、0〜499の計500の数値をカウントするリングカウンタである。続いて、主制御用CPU52は、遊技状態が確変に変化していることを示す確変大当りフラグがオンしているか否かを判定する(S14)。ここで、肯定判定した場合は(S14:Yes)、確変大当り用大当り値テーブルを参照し(S15)、否定判定した場合は(S14:No)、通常大当り用大当り値テーブルを参照する(S16)。確変大当り用大当り値テーブルは、確変中に参照する大当り値が設定されたテーブルであり、通常大当り用大当り値テーブルは、通常遊技中に参照する大当り値が設定されたテーブルである。
【0074】
確変大当り用大当り値テーブルには、通常大当り用大当り値テーブルよりも多くの大当り値が設定されており、確変のときに大当りが発生する確率が高くなっている。
この実施形態では、確変大当り用大当り値テーブルには、7,89,137,197,257,307,359,409の計8個の大当り値が設定されており、通常大当り用大当り値テーブルには、7,257の計2個の大当り値が設定されている。
つまり、大当りが発生する確率は、通常時が、2/500=1/250であり、確変時が、8/500=4/250であり、確変時に大当りが発生する確率は、通常時よりも4倍に高くなっている。
【0075】
続いて、主制御用CPU52は、大当りか否かを判定する(S17)。ここで、先のS13において大当り抽選カウンタから取得したカウント値と同じ数値の大当り値が確変大当り用大当り値テーブルまたは通常大当り用大当り値テーブルに設定されている場合は大当りと判定し(S17:Yes)、大当り図柄の抽選を実行する(S18)。大当り図柄の抽選は、複数の連続した異なる数値をカウントする大当り図柄抽選カウンタと、大当り図柄テーブルとを用いて行う。大当り図柄テーブルは、大当り図柄抽選カウンタのカウント値と大当り図柄とを対応付けて構成されている。主制御用CPU52は、大当り図柄抽選カウンタからカウント値を1つ取得し、その取得したカウント値と対応付けられている大当り図柄を大当り図柄テーブルから読出す。
【0076】
たとえば、大当り図柄抽選カウンタは、0〜9をカウントし、大当り図柄テーブルは、0〜9のカウント値と、大当り図柄000・111〜999とを対応付けて構成されている。そして、主制御用CPU52は、大当り図柄抽選カウンタから取得したカウント値が、たとえば7であった場合は、そのカウント値7と対応付けられている大当り図柄「777」を大当り図柄テーブルから読出す。
【0077】
また、S17において大当りではない、つまりハズレと判定した場合は(S17:No)、ハズレ図柄の抽選を実行する(S19)。ハズレ図柄の抽選は、複数の連続した異なる数値をカウントするハズレ図柄抽選カウンタと、ハズレ図柄テーブルとを用いて行う。ハズレ図柄テーブルは、ハズレ図柄抽選カウンタのカウント値とハズレ図柄とを対応付けて構成されている。主制御用CPU52は、ハズレ図柄抽選カウンタからカウント値を1つ取得し、その取得したカウント値と対応付けられているハズレ図柄をハズレ図柄テーブルから読出す。
【0078】
また、主制御用CPU52は、大当り図柄を抽選により決定すると、その決定した大当り図柄の種類に応じて通常大当りであるか否かを判定する(図9のS20)。たとえば、抽選により決定した大当り図柄が000や222などの偶数を表した大当り図柄であった場合は、通常大当りであると判定する。ここで、通常大当りであると判定すると(S20:Yes)、通常大当りであると判定したことを示す通常大当りフラグをオンする(S21)。
【0079】
また、通常大当りではないと判定した場合は(S20:No)、第1確変大当りであるか否かを判定する(S22)。たとえば、抽選により決定した大当り図柄が777であった場合は、第1確変大当りであると判定する。ここで、第1確変大当りであると判定すると(S22:Yes)、第1確変大当りであると判定したことを示す第1確変大当りフラグをオンする(S23)。
【0080】
また、第1確変大当りではないと判定した場合は(S22:No)、第2確変大当りであるか否かを判定する(S24)。たとえば、抽選により決定した大当り図柄が偶数を表した大当り図柄および777以外の大当り図柄であった場合は、第2確変大当りであると判定する。ここで、第2確変大当りであると判定すると(S24:Yes)、第2確変大当りであると判定したことを示す第2確変大当りフラグをオンする(S25)。
【0081】
ここで、通常大当りは、第1変動入賞装置24が作動する大当りであり、第1大入賞口24aが開閉するラウンドをn3ラウンド実行する大当りである。また、第1確変大当りは、第2変動入賞装置25が作動する大当りであり、第2大入賞口25aが開閉するラウンドをn1ラウンド実行する大当りである。また、第2確変大当りは、第2変動入賞装置25が作動する大当りであり、第2大入賞口25aが開閉するラウンドをn2(n2<n1)ラウンド実行する大当りである。たとえば、n1=16、n2=2、n3=15である。
【0082】
また、大当り遊技中に第1大入賞口24aまたは第2大入賞口25aに入賞することによって払出される賞球数の総数の平均値を、第1確変大当りがp1個、通常大当りがp3個、第2確変大当りがp2個とすると、p2<p3<p1となるように構成されている。また、p2/p1=rとすると、0.125≦r<1となるように構成されている。
つまり、遊技者が第2確変大当りにおいて獲得可能な賞球数の総数p2が、第1確変大当りにおいて獲得可能な賞球数の総数p1の0.125倍(1/8)未満にならないように構成されている。
【0083】
そして、主制御用CPU52は、特別図柄変動時間を抽選により決定する(S26)。特別図柄変動時間は演出図柄変動時間と等しいため、特別図柄変動時間の決定は、演出図柄変動時間の決定でもある。特別図柄変動時間の抽選は、特別図柄変動時間抽選カウンタおよび特別図柄変動時間テーブルを用いて行う。特別図柄変動時間抽選カウンタは、連続した異なる複数の数値、たとえば、0〜19をカウントする。特別図柄変動時間テーブルは、主制御用ROM53に格納されており、特別図柄変動時間抽選カウンタのカウント値と特別図柄変動時間とを対応付けて構成されている。
【0084】
たとえば、0〜19のカウント値と、5秒、10秒、15秒・・2分など、時間の異なる複数種類の特別図柄変動時間とを対応付けて構成されている。そして、主制御用CPU52は、S26を実行するタイミングになったときに特別図柄変動時間抽選カウンタからカウント値を1つ取得し、その取得したカウント値と対応付けられている特別図柄変動時間を特別図柄変動時間テーブルから読出す。
【0085】
続いて、主制御用CPU52は、特別図柄保留数U1に1を加算し(S27)、特別図柄保留数U1、大当り判定の結果、大当り図柄、ハズレ図柄、大当りの種類、特別図柄変動時間などの抽選結果を示すデータを演出制御基板70へ送信する(S28)。
【0086】
(変動開始処理)
次に、主制御用CPU52が実行する変動開始処理(S504)の流れについて、それを示す図10のフローチャートを参照して説明する。
【0087】
主制御用CPU52は、特別図柄変動時間を計測中であるか否かを判定し(S40)、計測中ではないと判定した場合は(S40:No)、特別図柄保留数U1を参照する(S41)。そして、特別図柄保留数U1が1個以上であるか否かを判定し(S42)、1個以上であると判定した場合は(S42:Yes)、特別図柄保留数U1から1を減算し(S43)、特別図柄および演出図柄の変動開始を指示する変動開始コマンドと、現在の特別図柄保留数U1を示すデータとを演出制御基板70へ送信する(S44)。続いて、特別図柄変動時間(演出図柄変動時間)の計測を開始する(S45)。
【0088】
なお、図示しないが、主制御用CPU52は、変動開始コマンドを演出制御基板70へ送信した回数、つまり、演出表示装置30が演出図柄を変動表示した回数を計数し、その計数値が所定値に達したときに第1または第2確変大当りフラグをオフにする。たとえば、演出図柄の変動表示の回数が70回に達したときに第1または第2確変大当りフラグをオフにする。換言すると、遊技者が確変の利益を享受できる期間は、演出図柄の変動表示の回数が70回に達するまでの期間である。
【0089】
(演出制御用CPUが実行する主な処理)
次に、演出制御用CPU72が実行する主な処理の流れについて、それを示す図11のフローチャートを参照して説明する。
【0090】
演出制御用CPU72は、パチンコ機1が起動したときに初期設定を実行する(S600)。この初期設定では、演出制御用RAM74に格納されているデータを初期値に戻したり、0クリアするなどの処理を行う。次に、演出制御用CPU72は、データ受信処理(S601)、変動パターン抽選処理(S602)、効果音パターン抽選処理(S603)、LED点灯パターン抽選処理(S604)、演出処理(S605)および可動役物処理(S606)などを実行する。
【0091】
(データ受信処理)
演出制御用CPU72が実行するデータ受信処理(S601)の流れについて、それを示す図12のフローチャートを参照して説明する。
【0092】
演出制御用CPU72は、主制御用CPU52からデータを受信したか否かを判定し(S200)、受信したと判定すると(S200:Yes)、その受信したデータを解析する(S201)。そして、その解析の結果、受信したデータが変動開始コマンドであるか、あるいは、大当り判定の結果および変動時間を示す抽選結果であるかを判定する(S202,S203)。
【0093】
ここで、変動開始コマンドではない、つまり、受信したデータは抽選結果であると判定すると(S202:No、S203:Yes)、その受信した抽選結果を演出制御用RAM74に格納し(S204)、変動パターン抽選処理を実行する(S205)。受信した抽選結果は、特別図柄保留数U1の発生した順位に対応して演出制御用RAM74に格納される。また、S202において変動開始コマンドであると判定した場合は、演出処理を実行する(S220)。
【0094】
(変動パターン抽選処理)
次に、演出制御用CPU72がS205(図12)において実行する変動パターン抽選処理の流れについて、それを示す図13のフローチャートを参照して説明する。
【0095】
変動パターンの抽選は、演出図柄変動パターン抽選カウンタおよび演出図柄変動パターンテーブルを用いて行う。演出図柄変動パターン抽選カウンタは、複数の連続した異なる数値をカウントする。演出図柄変動パターンテーブルは、演出図柄変動時間毎に演出制御用ROM73に格納されている。前述したように、演出図柄変動時間は、特別図柄変動時間と等しいため、演出図柄変動パターンテーブルは、特別図柄変動時間の数と同じ数設けられている。
【0096】
演出図柄変動パターンテーブルは、演出図柄変動パターン抽選カウンタのカウント値と演出図柄の変動パターン(通常変動パターン、ノーマルリーチパターンおよびスーパーリーチパターン)とを対応付けて構成されている。また、異なる変動時間毎に各変動パターンが設定されており、1つの変動時間には複数種類の変動パターンが設定されている。
また、短い変動時間には、出現確率の高い変動パターンが設定されており、長い変動時間には、出現確率の低い変動パターンが設定されている。この実施形態では、通常変動パターン、ノーマルリーチパターンおよびスーパーリーチパターンの順に出現確率が低くなり、通常変動パターンの変動時間が最も短く、スーパーリーチパターンの変動時間が最も長い。
【0097】
たとえば、演出図柄変動パターンテーブルには、変動時間15秒に対して10種類の通常変動パターンが0〜9の数値と対応付けて設定されており、変動時間30秒に対して10種類のノーマルリーチパターンが0〜9の数値と対応付けて設定されており、変動時間60秒に対して10種類のスーパーリーチパターンが0〜9の数値と対応付けて設定されている。また、演出図柄変動パターン抽選カウンタは0〜9の連続した数値をカウントする。
【0098】
また、演出図柄の変動パターンの中には、可動役物42,43を動作させる変動パターンが含まれている。たとえば、武将が兜を被って変身する内容の変動パターンには、可動役物42,43を動作させる演出内容が含まれている。
【0099】
演出制御用CPU72は、演出図柄変動パターン抽選カウンタからカウント値を取得し(S206)、演出制御用RAM74に格納されている変動時間を参照する(S207)。続いて、その参照した変動時間に対して設けられている演出図柄変動パターンテーブルを参照し(S208)、その参照した演出図柄変動パターンテーブルの中から上記取得したカウント値と対応付けられている演出図柄の変動パターンを選択し、それを演出制御用RAM74に格納する(S209)。たとえば、参照した変動時間が60秒であり、演出図柄変動パターン抽選カウンタから取得したカウント値が5であった場合は、変動時間60秒に設定されている10種類のスーパーリーチパターンのうちカウント値5に対応付けられているものを選択する。
【0100】
なお、演出制御用CPU72は、上記の変動パターン抽選処理において特別図柄の変動パターンも抽選により決定する。さらに、効果音パターン抽選処理(S603)において効果音の出力パターンや音楽の種類などを抽選により決定し、LED点灯パターン抽選処理(S604)においてパチンコ機1に配置された演出用のLEDの点灯パターンを抽選により決定する。
【0101】
(演出処理)
次に、演出制御用CPU72が実行する演出処理(S605)の流れについて、それを示す図14のフローチャートを参照して説明する。
【0102】
演出制御用CPU72は、演出図柄の変動時間を計測中であるか否かを判定し(S221)、計測中ではないと判定した場合は(S221:No)、演出制御用RAM74を参照し、特別図柄保留数U1の発生順位の1番目に格納されている変動パターンを読出し(S222)、その読出した変動パターンに従った演出図柄の変動表示を演出表示装置30に開始させる(S223)。続いて、演出図柄変動時間をセットし(S224)、演出図柄変動時間の計測を開始する(S225)。
【0103】
続いて、演出制御用RAM74に格納されている各データの格納順位を1つずつ繰り上げ(S226)、特別図柄保留数U1から1を減算して特別図柄保留数U1を更新する(S227)。そして、次のサイクルでこの演出処理を実行するときに、S221において変動時間を計測中であると判定した場合は(S221:Yes)、計測している時間がタイムアップしたか否かを判定し(S228)、タイムアップしたと判定した場合は(S228:Yes)、演出表示装置30に演出図柄の変動を停止させ(S229)、先のS222において読出した変動パターンに対応付けられている確定図柄を演出表示装置30に確定表示させる(S230)。
【0104】
(可動役物処理)
次に、演出制御用CPU72が実行する可動役物処理(S606)の流れについて、それを示す図15のフローチャートを参照して説明する。
【0105】
演出制御用CPU72は、可動役物42,43を演出表示装置30の画面上に進出させるタイミングであるか否かを判定し(S240)、画面上に進出させるタイミングであると判定すると(S240:Yes)、可動役物42,43を演出表示装置30の画面上に進出させる指令を可動役物制御装置40および演出表示装置30(図5)へ出力する(S241)。
【0106】
たとえば、演出制御用CPU72は、演出処理(図14)において変動時間を計測している対象の変動パターンが、可動役物42,43を進退させる演出内容を含む変動パターンである場合に、その変動パターンに対する変動時間の計測時間が、可動役物42,43を演出表示装置30の画面上に進出させるタイミングになったときに可動役物42,43を演出表示装置30の画面上に進出させる指令を可動役物制御装置40へ出力する。
一方、上記の指令を入力した可動役物制御装置40は、モータ47,48を駆動し、可動役物42,43を演出表示装置30の画面上に進出させる。
【0107】
また、演出制御用CPU72は、可動役物42,43を演出表示装置30の画面上に進出させるタイミングではないと判定すると(S240:No)、可動役物42,43を演出表示装置30の画面上から退避させるタイミングであるか否かを判定する(S242)。ここで、画面上から退避させるタイミングであると判定すると(S242:Yes)、可動役物42,43を演出表示装置30の画面上から退避させる指令を可動役物制御装置40および演出表示装置30へ出力する(S243)。
【0108】
(LED制御)
次に、演出表示装置30に備えられたLED制御部30c(図6)が実行するLED制御の流れについて、それを示す図16のフローチャートを参照して説明する。
【0109】
LED制御部30cは、可動役物データ受信部30aから可動役物進出指令を入力したか否かを判定し(S112)、入力したと判定すると(S112:Yes)、可動役物42,43が演出表示装置30の画面上に進出し、その進出が終了して停止したか否かを判定する(S113)。たとえば、可動役物42,43が進出を開始してから特定の位置にて進出を終了するまでに要する時間(以下、進出時間という)を予め測定しておき、可動役物進出指令を入力してから進出時間が経過したか否かに基いて、進出が終了したか否かを判定することができる。
【0110】
ここで、停止したと判定すると(S113:Yes)、メモリ30bに記憶されている可動役物対応領域に対応する光源ユニット30jを消灯する(S114)。これにより、可動役物42,43によって覆われた領域の光源ユニット30jの無駄な消費電力をなくすことができる。
また、LED制御部30cは、S112において、可動役物進出指令を入力していないと判定すると(S112:No)、可動役物データ受信部30aから可動役物退避指令を入力したか否かを判定する(S115)。
【0111】
ここで、可動役物退避指令を入力したと判定すると(S115:Yes)、可動役物対応領域に対応する光源ユニット30jを点灯させる(S116)。これにより、可動役物対応領域を構成する光源ユニット30jによるバックライト照明が復活するため、画面を見ている遊技者が違和感を覚えるおそれがない。
【0112】
[実施形態の効果]
以上のように、上述した実施形態のパチンコ機1を使用すれば、可動役物42,43が演出表示装置30の画面上に進出した状態になったときに、その進出した可動役物42,43によって覆われた画面上の領域に対応する光源ユニット30jを消灯し、光量を0にすることができるため、演出表示装置30の消費電力の無駄をなくすことができる。
【0113】
〈他の実施形態〉
(1)前述の実施形態では、可動役物42,43によって覆われた演出表示装置30の画面上の領域に対応する光源ユニット30jを消灯したが、消灯しないで光量を減少させるように光源ユニット30jを制御することもできる。
【0114】
(2)前述の実施形態では、可動役物42,43の進出が終了したときに可動役物42,43によって覆われた領域に対応する光源ユニット30jを消灯した。しかし、可動役物42,43が進出を開始したときから進出を終了するときまでの期間において、可動役物42,43が覆う領域が次第に増加するため、その増加に応じて消灯する光源ユニット30jを増やすように各光源ユニット30jを制御することもできる。この制御を用いれば、可動役物42,43が進出を開始した段階から消灯する光源ユニット30jが発生するため、進出が終了してから光源ユニット30jを消灯する制御方法よりも演出表示装置30の消費電力の無駄をより一層なくすことができる。
【0115】
(3)前述の実施形態では、光源ユニット30jとしてRGBの3原色を発光可能なLEDによって構成されたものを説明したが、白色などの単色を発光するLEDのみによって構成されたものを用いることもできる。
【符号の説明】
【0116】
1・・パチンコ機、4・・発射装置、5・・遊技盤、21・・始動口、
30・・演出表示装置(画像表示装置)、30e・・LEDバックライト、
30k・・液晶パネル(液晶表示部)、42,43・・可動役物、
52・・主制御用CPU(大当り判定手段)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
盤面上に遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技盤に設けられた始動口と、
遊技球を前記遊技領域へ発射する発射装置と、
前記発射装置により発射された遊技球が前記始動口を通過したときに大当りかハズレかを判定する大当り判定手段と、
前記大当り判定手段の判定結果を画像によって表示する画像表示装置と、
前記画像表示装置の画面上に進出した状態と、前記画面上から退避した状態とに変化する可動役物と、を備えるパチンコ機において、
前記画像表示装置は、
液晶によって前記画像を表示する液晶表示部と、
複数の光源によって前記液晶表示部を裏面から照明するバックライトと、
前記可動役物が前記液晶表示部の画面上に進出した状態になったときに、その進出した可動役物によって覆われた画面上の領域に対応する光源の光量を減少させる光源制御手段と、
を備えることを特徴とするパチンコ機。
【請求項1】
盤面上に遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技盤に設けられた始動口と、
遊技球を前記遊技領域へ発射する発射装置と、
前記発射装置により発射された遊技球が前記始動口を通過したときに大当りかハズレかを判定する大当り判定手段と、
前記大当り判定手段の判定結果を画像によって表示する画像表示装置と、
前記画像表示装置の画面上に進出した状態と、前記画面上から退避した状態とに変化する可動役物と、を備えるパチンコ機において、
前記画像表示装置は、
液晶によって前記画像を表示する液晶表示部と、
複数の光源によって前記液晶表示部を裏面から照明するバックライトと、
前記可動役物が前記液晶表示部の画面上に進出した状態になったときに、その進出した可動役物によって覆われた画面上の領域に対応する光源の光量を減少させる光源制御手段と、
を備えることを特徴とするパチンコ機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−75760(P2012−75760A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−225394(P2010−225394)
【出願日】平成22年10月5日(2010.10.5)
【出願人】(591142909)マルホン工業株式会社 (524)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月5日(2010.10.5)
【出願人】(591142909)マルホン工業株式会社 (524)
【Fターム(参考)】
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