説明

パッケージの表示手段

【課題】 パッケージ表面に表示された情報を刻々と変化する状況に即時に対応する手段を提供する。
【解決手段】 記録媒体のパッケージにおいて、例えば、最近、携帯電話で2次元バーコードを読み取って、インターネットへアクセスするという技術が普及していることを利用し、パッケージ表面に携帯電話で検出可能なコードを印刷し、携帯電話で検出した情報を使って、インターネットにアクセスし、記録媒体が使用可能な記録再生装置やプリンターの最新の適合機種情報など、変化情報を入手する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は情報記録媒体のパッケージに係わり、さらに詳しくはパッケージに収納されている製品の最新適合機種情報などを容易に入手するためのパッケージ表示手段に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の情報記録媒体用のパッケージには、例えば、特許文献1のように、紙箱表面に印刷表示したものや印刷フィルムで包装されたものがあった。パッケージ表面には、品名や型番のほか、デザインや使用上の注意、免責事項、連絡先住所などが表示されたものが知られている。これらのパッケージ表面には、パッケージをデザインした時点の情報しか表示できなかった。そのため、新しい記録再生装置が発売されるたびに、対応機種の情報を追加するために一部の印刷を更新することは可能であるが、改版費用が高く、また表記スペースも限られるため、常に新しい情報を提供することができなかった。そのため、対応する記録再生装置やプリンターが発売された時点で、適合機種が記載されたシールをはるなどの対応が必要だった。
【0003】
一方、記録媒体は単独で使用するのではなく、記録再生装置と一緒に用いられる可換媒体であり、またディスク表面に印刷可能なインク受理層を設けたディスクであれば、対応可能なプリンターで印刷を行うことができる。使用可能な記録または再生装置あるいはプリンターなどの対応機種情報は、ハードの開発や販売状況に応じ、刻々と変化する。
【0004】
【特許文献1】特開平10−86968号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
パッケージ表面に表示された情報を印刷の版を変更して書き換えたり、最新情報が記載されたシールを貼付することで最新の対応機種情報を表示することは可能であるが、刻々と変化する状況に即時に対応することは難しく、また変更の度に改版費用も必要となる。
また、変更の頻度が高いと、印刷物の一度に刷る枚数も少なくなり、材料費も高価となってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はこれらの問題を解決すべく発明されたもので、記録媒体のパッケージにおいて、例えば、最近、携帯電話で2次元バーコードを読み取って、インターネットへアクセスするという技術が普及していることを利用し、パッケージ表面に携帯電話で検出可能なコードを印刷し、携帯電話で検出した情報を使って、インターネットにアクセスし、記録媒体が使用可能な記録再生装置やプリンターの最新の適合機種情報など、変化情報を入手することを可能とした。
【0007】
また、プラスチックケースに収納された情報状記録媒体を熱収縮フォルムで覆い、熱を加えて収縮させた記録媒体のパッケージにおいて、パッケージは、厚さ20乃至50μmのポリプロピレンフィルムからなり、フィルムにはグラビア印刷が施され、前記グラビア印刷の解像度が200線/インチ以上でコードを印刷し、携帯電話で検出し、インターネットにアクセスし、記録媒体が使用可能な記録再生装置やプリンターの最新の適合機種情報など、変化情報を入手することを可能とした。
【発明の効果】
【0008】
情報記録媒体が、購入者が使用する機器で未対応であるかまたは対応しているかという対応機種情報は、購入を決断するのに必要な情報であり、店頭で情報を提供する必要性の高い情報である。誤って購入した場合、全く使用できないなど影響も大きい。パッケージに印刷されている2次元バーコード情報からインターネットに直接アクセスして情報を入手することで、重要な情報である対応機種情報を販売時点で購入者へ情報を提供できる仕組みを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
次に本発明に関して実施例を用いて説明する。
【実施例】
【0010】
本発明の実施形態について説明する。本発明に用いられるの製品は、CDやDVDなどの情報記録媒体であり、レコーダーやプレーヤーなどの記録再生装置またはパソコンのデータ記録装置などと一緒に用いられる。また近年は、ディスク表面にインキ受理層を設け、表面にインクジェットプリンタで印刷可能なタイプの製品も多数販売され、これらのインクジェットプリンタを用いてタイトルや画像などの印刷が行われてる。
【0011】
このように、記録媒体はさまざまな装置と一緒に用いられるため、使用可能な装置の対応状況が、装置側の新製品投入に応じ刻々と変化する。
【0012】
販売時点での機器の対応状況をフィルムに記載し、さらに2次元バーコードを表示して最新情報へアクセス可能なインターネットアドレスをコード化して表記し、インターネット上に最新情報を定期的に更新することで、店頭で販売される時点で、最新情報をユーザーへ伝える手段を提供することが可能となる。
【0013】
次にパッケージ形態について説明する。この種の製品のパッケージは、紙製の箱を用いたものや包装フィルムでプラスチックケースを直接覆ったものが知られている。
包装フィルムを使用したものは、量産性が高く大量消費される製品のパッケージ形態として好適である。また包装フィルムを用いたものは、製品を消費した後の廃棄される容器や包装材料を削減する効果もあり、一般的に広く採用されている。
【0014】
さらに包装フィルムに印刷を施すことで美しい外観が得られるため、フィルムに印刷を施したものが広く採用されるようになってきた。
【0015】
CD、DVDなどの製品は、略直方体のプラスチックケースに収納され、図1に示すようにプラスチックケース1個または複数枚を重ねフィルム包装する。
【0016】
図2および図3に包装後の状態を示す。プラスチックケースはポリスチレンなどの硬質合成樹脂の成形品で作られる。包装フィルムは熱シール製に優れたOPPフィルムを用いる。
【0017】
OPPフィルムは内側からグラビア印刷が施され、デザインや商品の説明、バーコードなどが印刷されている。図3に示すように、包装は背面部で重なり部を150℃前後で熱シール部11を熱で接着し、側面部12は内側に折り込んで180℃程度で熱シールする。背面と側面の熱シールを行った後、パッケージを180℃に設定された熱トンネルを数十秒通し、フィルムを加熱収縮させる。収縮によってフィルムのたるみやしわが伸ばされ、きれいな外観となる。収縮によってフィルムの表示が歪んで2次元バーコードの読み取りが困難になることが予想される。そこで印刷は比較的解像度の高いグラビア印刷を用いるのであるが、その上さらにグラビアの版の解像度は200線/インチ以上とすることが好ましく、これより解像度が低いと2次元バーコードの元画像の再現性が劣り、パターンが太くなるなど読み取り率が低下する。2次元バーコード13は、図2に示すように告知のためにパッケージの表面に記載するのが好ましい。
【0018】
また2次元バーコード13の表示位置は、図2に示すようにパッケージの平面部中央が好ましく、ケースの切欠き部、コーナー付近などフィルムがしわになりやすい部分を避けて表示するのが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】情報記録媒体を集積した包装前の状態を表す斜視図
【図2】パッケージ正面側を上にした包装状態を示す斜視図
【図3】パッケージ裏面側を上にした包装状態を示す斜視図
【符号の説明】
【0020】
11 背面熱シール部
12 側面部
13 2次元バーコード


【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体のパッケージにおいて、
パッケージ表面に携帯電話で検出可能なコードを印刷し、携帯電話で検出した情報を使って、インターネットにアクセスし、記録媒体が使用可能な記録再生装置やプリンターなどの最新の適合機種情報など、変化情報を入手することが可能なパッケージの表示手段。
【請求項2】
プラスチックケースに収納された情報状記録媒体を熱収縮フォルムで覆い、熱を加えて収縮させた記録媒体のパッケージにおいて、
パッケージは、厚さ20乃至50μmのポリプロピレンフィルムからなり、フィルムにはグラビア印刷が施され、前記グラビア印刷の解像度が200線/インチ以上でコードを印刷し、携帯電話で検出し、インターネットにアクセスし、記録媒体が使用可能な記録再生装置やプリンターなどの最新の適合機種情報など、変化情報を入手することが可能なパッケージの表示手段。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−176173(P2006−176173A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−372477(P2004−372477)
【出願日】平成16年12月24日(2004.12.24)
【出願人】(000005810)日立マクセル株式会社 (2,366)
【Fターム(参考)】