説明

パッケージ

本発明は、その中に分配器(12)が収容され、分配器 (12)をその内部で懸架する少なくとも1つの支持部(2)を有するパッケージ(3)を提供する。分配器(12)をパッケージ(3)内に懸架することにより、分配器を輸送中に作動させたり、それが投与計数器を備える場合に残っているか分配された投与回数を誤って計数させるような衝撃とパッケージ(3)の変形から分配器を保護するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分配装置用のパッケージに関する。
【0002】
本発明は、限定的にではないが具体的に、吸入器および特に加圧式定量噴霧式吸入器(以下「pMDI」と呼ぶ)など薬物分配装置のためのパッケージに関する。ただし、本発明は、吸入器分野の当業者である読者によって理解されるように、たとえばドライパウダー吸入器(DPI)などその他の分配器のタイプを包含する。
【背景技術】
【0003】
pMDIは、吸入装置の技術分野でよく知られている。したがって、pMDIの構造および動作については、必要最低限以外は説明しなくてよい。
【0004】
pMDIは、キャニスタユニットおよびハウジングを備える。ハウジングは、必須ではないが一般に管状であり、一般に、例えばプラスチック材料で成形することにより製作される。キャニスタユニットは、通常アルミニウムなど金属で製作された、1つの開端部を有するキャニスタを備える。キャニスタの開端部は、絞り弁アセンブリによって封止して覆われる。弁アセンブリは、キャニスタの開端部から突出する、一般に弁棒の形の中空の分配部材を備える。分配部材は、キャニスタに対して相対的に、分配部材が弁アセンブリ内の付勢機構によってそこへと付勢される拡張位置と、押下位置との間で摺動運動するように取り付けられる。分配部材の拡張位置から押下位置への運動によって、キャニスタから分配部材を通して分配されるエアゾール製剤の、1回の定量投与がもたらされる。
【0005】
使用に際しては、封止されたキャニスタは、加圧された医薬用エアゾール製剤を収容する。製剤は、医薬品および流体噴霧剤、ならびに、任意で1つまたは複数の賦形剤および補助剤を含む。医薬品は通常、製剤中の液剤または懸濁剤である。噴霧剤は通常、無フロン噴霧剤であり、液体噴霧剤が適しており、たとえば、ヒドロフルオロアルカン(HFA)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFA-134a)、および1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFA-227)のうちの1つとすることができる。
【0006】
ハウジングは、開端部を有する内部通路を備える。キャニスタユニットは、まず弁アセンブリがキャニスタユニット内に挿入された状態で、開端部を通って内部通路へと摺動することができる。キャニスタユニットが休止位置でハウジング内に受けられるときにキャニスタの分配部材を受けるステムブロックは、分配部材を受けるための入口端部と、通常マウスピースまたは鼻用ノズルである、ハウジングの分配出口と対面する出口端部とを備える通路を有する。ステムブロックは、分配部材を固定して保持し、キャニスタユニットをその休止位置からさらにハウジング内に作動位置へと押すことによって、分配部材をキャニスタに対して相対的に、拡張位置から押下位置へと移動させる。それによって、エアゾール製剤の1回の定量投与が、ステムブロックの内部通路を通してハウジングの分配出口から分配される。
【0007】
使用時に、医薬用エアゾール製剤の1回の定量投与を必要とする患者は、分配出口上で吸入すると同時に、キャニスタユニットを休止位置から作動位置へと押下する。患者が生み出す吸気流は、医薬用エアゾール製剤の定量投与を、患者の気道内へと流入させる。
【0008】
吸入器は、一般に、吸入器が使用されていないときに分配出口を覆うダストキャップを備える。ダストキャップは、適用されると異物がハウジング内に入ることを妨げる。これにより、例えばハウジング内に蓄積することがある塵または埃を使用者が吸入することが防止される。これは、使用者が、喘息または別の呼吸状態を患い、その結果として異物の吸入による深刻な刺激を生じることがある場合に、特に重要なことである。
【0009】
pMDIの開発は、作動指示器またはそのための投与計数器の提供を含んでいる。そのような投与計数器は、Glaxo Group Limited社のPCT特許出願WO-A-9856444号、およびWO-A-2004/001664号に記載されている。pMDIキャニスタユニットは投与計数器を備えることができ、この投与計数器は、キャニスタの弁アセンブリ端部上にしっかりと固定されており、キャニスタから分配されまたはその中に残っている医薬用製剤の定量投与回数を示す表示部を備える。投与計数器の表示部は、ハウジング内に設けられた窓から患者が見ることができる。表示部は、円周上に連続して表示された「0」から「9」の数字を各回転盤が有する、共通の軸の周りに回転可能に取り付けられた複数の指示器回転盤とすることができる。
【0010】
しかし、pMDI装置は、特に、たとえば製造業者と販売業者間の輸送などの運搬時における、不慮の作動に弱い。かかる運搬中に上記装置およびそのパッケージは、衝撃または突発的な運動を受けることが多い。かかる力によってpMDIが作動され、製剤の投与が分配される可能性がある。pMDIが投与計数器を備える場合、運搬時の雑な扱いによって、計数器によって使用者に表示される値が増大または低減され、そのために、その値がpMDIによって分配されまたはその中に残っている投与回数と一致しない可能性がある。医薬品の使用されない投与を分配することは無駄であり、キャニスタに実際に存在するよりも多い投与回数が残っていることを投与計数器が使用者に示すことは、非常に危険となる可能性がある。
【0011】
pMDIは通常、ボール紙箱の中の封止された上包内で保管される。上包は一般に、たとえばフォイル製であり、pMDIを水分から保護する。PCT特許出願WO-A-2001/87392 A2号には、水分の進入を妨げるが、上包内に収容されたpMDIの噴霧気体を透過する封止された上包が記載されている。これは、容器からの推進剤の漏出により内圧が上昇した場合に、上包が破裂することを防止する。乾燥剤もまた、上包内に提供される。
【0012】
PCT特許出願WO-A-2004/002559号には、パッケージ内部を大気圧に維持するために、漏出した噴霧剤を吸収するためのある量のHFA吸収材料を備える、HFAにより噴霧されるpMDI用の封止された上包が記載されている。
【0013】
ただし、こうした従来技術のパッケージでは、pMDIの不慮の作動が防止されない。pMDIを収容するパッケージが雑に扱われる場合、pMDIは、封止されたパッケージの内側で自由に動き、表面をパッケージへと外側に、たとえばボール紙箱などの外部パッケージの壁部へと押し付ける。
【0014】
従来技術のパッケージ内の吸入器の不慮の作動は、様々な状態のうちの1つとして発生する可能性がある。たとえば、外部パッケージの突然の加速によって、吸入器がそれに対して動かされ、内壁に打ち付けられることがある。pMDIの例示的な事例では、壁に対するpMDIのこの衝突は、キャニスタユニットをハウジング内で押下し、投与を分配させ、かつ/または投与計数器を増加または減少させるのに十分である場合がある。あるいは、初期加速自体が、ハウジング内で容器ユニットを作動が生じるのに十分な運動量で動かすのに十分である場合がある。3つめの可能性として、外部パッケージが誤操作により変形されることがあり、パッケージの変形された領域がpMDIに押し付けられ、pMDIを分配させることがある。上記説明は、ハウジングおよびキャニスタユニットを有するpMDIに関して行われるが、その他の吸入器のタイプも同様に不慮に作動されることがあることが理解されるであろう。
【0015】
これは、たとえば作動時にpMDIが、噴霧剤吸収用挿入物によって吸収することができ、または従来技術の上包の「通気性」材料を通って流出することができるよりも高速で、医薬用製剤を分配するので、非常に問題である。したがって、現在のpMDI収容パッケージが雑に扱われる場合、噴霧剤はパッケージ内に蓄積され、圧力が十分でありパッケージが封止されている場合に、パッケージを破裂させる。
【0016】
破裂の可能性以外に、現在のパッケージには明確に別の不利な点がある。運搬中の事故的な作動は無駄であり、購入時に消費者に残される投与数が少なくなる。振動が、pMDIに医療用製剤の少なくとも部分的な投与を分配させるのに十分であるが投与計数器を更新するには不十分である場合に、また衝撃によっていくつかの従来技術の投与計数器が誤って計数し、またはpMDIが「部分的に作動」される可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
したがって、明らかに、不慮の作動を防止する分配装置用のためのパッケージを提供することが望ましい。また、分配器の投与計数器が分配された投与数を誤って計数することを防止する、分配器のためのパッケージを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の第1の態様は、分配器、および分配器をパッケージ内で懸架する少なくとも1つの支持部を収容するパッケージを提供する。好ましくは、パッケージは、分配器が支持器によってその中で懸架される、外部パッケージを有する。分配器は、その部品の相対運動によって分配するように操作され、吸入器、すなわち、限定的ではないが具体的に、pMDIとすることができる。
【0019】
分配器の懸架によって、分配器とパッケージの間の接触が低減されまたはなくなるので、これは従来技術のパッケージよりも特に有利である。
【0020】
本発明は実質的に、上記する不慮の作動を防止する。パッケージ内に分配器を懸架することによって、衝撃時に分配器がパッケージ内で振り回されることが防止され、したがって分配器が内壁に衝突する可能性がない。また、分配器が壁部から離れて懸架されるので、パッケージの小規模な変形が、分配器に接触する可能性が低い。
【0021】
好ましくは、少なくとも1つの支持部がボール紙などの弾性材料で製作される。すなわち、支持部はパッケージを構造的に補強し、パッケージの変形を防止することを助ける。また、支持部は衝撃時に撓んで振動の一部を吸収するので、いかなる突発的な衝撃の影響も弱める。
【0022】
少なくとも1つの支持部は少なくとも1つの挿入物を備えることができ、折曲げ構成を含む変形形態となることができ、その場合に、非変形形態に戻るようにそれを付勢することができる。
【0023】
好ましい実施形態では、支持部は変形され、ほぼ半円筒状の形を有する。固定手段は、分配器を支持部に対して固定するために提供される。これらの固定手段は、分配器の頂部を固定するためのタブと、前記分配器の基部を固定するための棚部を備えることができる。本実施形態の支持部は、略V字形状の断面を有することもできる。最後に、支持部の側部を片方または両方の端部にて結合する端部フラップが存在することがある。端部フラップは、挿入物がその平坦な形態へ戻ることを妨げ、十分に剛ではなくまたは適当に寸法決めされていないパッケージと共に該挿入物を使用して支持部をその折曲げ形態に保持することを可能にするだけではなく、パッケージの端部への衝撃から分配器を守るために挿入物から離して湾曲させることができる。
【0024】
第1の代替実施形態では、略Z形状に変形された支持部が提供される。支持部は、梱包時に分配器がそれを通って延びる窓を備える。分配器は、それを挿入物内で定位置に固定するために、窓内に締まり嵌めすることができる。分配器の運動をさらに抑制するために、分配器の上方および/または下方の挿入物内に、棚を設けることができる。
【0025】
第2の代替実施形態では、支持部は、分配器の対向する側部上に位置決めされた少なくとも2つの可撓性ウェブを備える。各可撓性ウェブの対向端部は、パッケージの内面上の対向する点に位置決めされる。各ウェブの長さは、好ましくは、その間にウェブが位置決めされる2つの対向点の間の長さよりも大きく、それによってウェブがその点の間で湾曲する。分配器は、湾曲ウェブの間に配置され、それらの間に把持される。ウェブは、凹状に、あるいは凸状に湾曲することができる。ウェブは挿入物とすることができ、または、パッケージが箱または紙箱などである場合、その容器のフラップを延長することによって形成することができる。
【0026】
本発明の第2の態様は、請求項1から35のいずれか一項において規定されるようなパッケージおよび少なくとも1つの支持部を準備すること、分配器を支持部によってパッケージ内に懸架すること、パッケージを閉じること、からなる分配器を梱包する方法を提供する。
【0027】
本発明のさらなる態様および特徴を、添付の特許請求の範囲、ならびに添付の図および図面を参照しながら以下で説明する例示的な実施形態において示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下の説明で、本発明の様々な実施形態における同様の部品を示すために、同様の参照番号を使用した。各実施形態は、手持ちであり、手で操作することのできるpMDIと共に使用されるものである。
【0029】
図1から図3Bは、本発明の第1の実施形態を示す。本実施形態は、pMDI(2)を外部パッケージ内部で支持するための挿入物(1)を備える。ボール紙は、安価で、軽く、再利用可能で弾性および可撓性を有することから、挿入物(1)は好ましくはボール紙で製造される。ボール紙は、その可撓性の性質によって曲がり、光を吸収し、衝撃を緩和し、かつ、より激しい衝撃を吸収するときにしわになりつぶれることができる。
【0030】
挿入物(1)は、好ましくはボール紙である弾性材料のシート(4)を備え、その中に窓(5)が、窓(5)の両端部にタブ(6)およびフラップ(7)を残して切り込まれている。フラップ(7)は、折目線(8)の周りで折り曲げることができ、シート(4)の残りの部分に対してほぼ垂直に折り曲げられて第1の棚部(9a)を形成する。図1に示すように、シート(4)は、軸(A)の周りでU字形に曲げられるが、軸(A)に沿って、たとえばV字形など別の形状に折り曲げまたは曲げることができる。
【0031】
図2は、pMDI(2)をシート内の窓(5)の内側に配置し、タブ(6)をハウジング(12)の開いた端部(10)の内面と容器(11)との間に挿入し、ハウジング(12)の反対側端部、すなわちその「基部」(13)を、第1の棚部(9a)上に載せることにより、pMDI(2)がそれに取外し可能に取り付けられた、図1の挿入物(1)を示す。タブ(6)は、pMDI(2)が上向きにまたは左右に動くことを妨げ、第1の棚部(9a)は、pMDI(2)が下向きに動くことを妨げる。
【0032】
図3Aおよび図3Bは、ボール紙箱(3)内に挿入された、使用時の図2の挿入物(1)およびpMDI(2)を示すが、たとえばヒートシール可能な上包など、その他のパッケージを使用することもできる。シート(4)の材料は弾性を有し、その平坦な構成に戻るように付勢されており、したがって挿入物の側部(14a、14b)は、箱(3)の内壁に押し付けられ、それを内部で定位置に保持する。さらに、挿入物(1)の長さは、挿入物(1)の箱内での軸(A)に沿った運動を抑制するために、好ましくは箱(3)の長さと合わせられる。したがって、箱(3)に対するpMDI(2)の運動が実質的に妨げられ、本発明によるパッケージがもたらされる。
【0033】
もちろん、挿入物(1)とpMDI(2)のアセンブリを、上包内に封止し、次いでボール紙箱(3)内へと挿入することができる。
【0034】
図4は、本発明の第2の実施形態を示し、この第2の実施形態は、タブ(6)が、第2の棚部(9b)に置き換えられており、挿入物(1)が、挿入物(1)の頂部および底部を覆って折り曲げまたは曲げられそこでたとえば糊などの接着剤によって定位置に固定することができるフラップ(17a、17b)をさらに備えること以外は、上記実施形態と同様である。図4で、挿入物(1)は、軸A の周りでほぼU字形に折り曲げて示されるが、その他の形状に曲げまたは折り曲げることができる。フラップ(17a、17b)によって、シート(4)が非折曲げ構成に戻ることが防止される。これによって、挿入物の折曲げ状態を維持する剛性をもたない外部パッケージ内にも挿入物(1)を挿入可能になる。フラップ(17a、17b)は、図5に示すように好ましくは湾曲しており、またはV字形であり、衝撃を弱めるために弾性的に変形可能である。
【0035】
一代替実施形態では、タブ(6)は、第2の棚部によって置き換えらないが、フラップ(17a、17b)が存在する。図5は、そのような構成によって固定されるpMDI(2)を示し、図6は、上包(18)内に挿入された図5のpMDI(2)および挿入物(1)を示す。
【0036】
上包(18)は、ヒートシール可能なフォイルまたはプラスチックで製作することができ、これは次いで、挿入物(1)およびpMDI(2)をその内部に備えてヒートシールされ、本発明によるパッケージをもたらす。そのような上包(18)を外部パッケージとして使用することにより、パッケージ全体の重量およびコストを低減することができ、pMDI(2)がパッケージ内に気密封止されるように水蒸気または空気に対して不透過性にすることができる。上包(18)およびその内容物は、本発明の別の懸架支持を任意に使用して、さらにたとえば箱などの容器内に配置することができる。
【0037】
図7は、図4の挿入物(1)によって固定された、上包(62)内のpMDI(2)を示す。pMDI(2)および上包(62)は、第1および第2の棚部(9aおよび9b)によって支持される。
【0038】
図8は、本発明の別の実施形態で使用される挿入物(19)を示す。ボール紙のシート(20)が、その長さに沿った別々の点にてシートを横断して配置された折目線(21a、21b)の周りで、対向する方向へとZ字形に折り曲げられる。折り曲げられた挿入物(19)は、3つの部分、すなわち頂部(22)、中間部(23)、および底部(24)を有し、頂部(22)および底部(24)が、中間部(23)の対向する端部上にある。窓(25)が、中間部(23)内に設けられており、pMDI(2)が窓(25)に挿入されると締まり嵌めされるように、窓(25)は、pMDI(2)よりわずかに幅が狭い。
【0039】
窓の対向縁部(33、34)の周りで折曲げ可能な第1および第2のフラップ(26、27)を設けるように、シートの中間部(23)を切断することによって、窓(25)を形成することができる。第1のフラップ(26)は、中間部(23)の平面から離して折り曲げられて、中間部(23)の一方の面上に棚部(28)を形成し、第2の棚部(27)が反対側の方向に折り曲げられて、中間部(23)の反対側の面上に第2の棚部(29)を形成する。
【0040】
図9および図10A は、第1および第2の棚部(28、29)を有する、使用中の図8の挿入物(19)を示す。pMDI(2)は、頂部(22)がpMDI(2)の頂部(30)を覆い、底部(24)がpMDI(2)の基部(13)の下に置かれるように、窓(25)内に挿入されている。pMDI(2)が窓(25)内に配置されるとき、第1の棚部(28)は、その頂部(30)を覆いそれを支持し、第2の棚部(29)は、基部(13)の下に置かれそれを支持する。すなわち、pMDI(2)は、窓の側縁部(31、32)の間、および2つの棚部(28、29)の間で確実に保持される。図9に示すように、pMDI(2)は、上包(62)内に挿入することができ、pMDI(2)および上包(62)は共に、窓(25)内に挿入され、棚部(28、29)の間で支持される。棚部(28、29)は、それらの折曲線(33、34)の周りで限定的に動くことができ、それによって衝撃の影響を弱める。
【0041】
使用時に、pMDI(2)が取り付けられた挿入物(19)は、外部パッケージ内に配置される。図10Bはボール紙箱(3)内の挿入物を示すが、その他の外部パッケージを使用することもできる。挿入物(19)がその非折曲げ構成に戻ろうとするので、その頂部(22)および底部(24)が、箱の対向する面(35、36)に対して押し付けられ、挿入物(19)を箱(3)内に固定する。
【0042】
本発明の別の実施形態では、支持部は、弾性材料で製作された少なくとも1つの湾曲ウェブ((37)または(38))を備える。好ましくは、弾性材料はボール紙であり、支持部は、第1および第2のウェブ(または2つの部分に折曲げられる単一のウェブ)を備える。
【0043】
各ウェブは、第1および第2の位置で外部パッケージの内面と接触する第1および第2の端部を有する。ウェブの長さは、第1の位置と第2の位置の間の距離よりも大きく、ウェブはそれらの間で湾曲する。図11は、2つのウェブ(37、38)が共通の第1および第2の位置(39、40)を有する、好ましい一実施形態を示す。
【0044】
図11のウェブは、第1および第2の共通位置(39、40)が箱(3)の対角線上に対向する内縁部と対応するように、立法形の箱(3)の中に配置される。pMDI(2)が、ウェブ(37、38)の間に挿入され、それらの弾性によってそれらの間にpMDI(2)が把持され、箱(3)内に懸架される。こうしてpMDI(2)は、箱(3)内で動くことが実質的に妨げられ、ウェブ(37、38)によって衝撃から守られる。立法形の箱(3)が好ましいが、その他の外部パッケージを使用することができることが、当業者には明らかである。
【0045】
pMDI(2)は、上包(62)内に入れることができ、上包(62)は、ウェブ(37、38)によって懸架して保持される。
【0046】
ウェブは、図11に示すようにパース形状を有する挿入物として形成することができる。パースの端部は、互いに向かって押され、パースを変形し、pMDI(2)(任意で上包(62)内にある)をウェブ(37、38)の間に挿入することを可能にする。次いで挿入物およびpMDI(2)は、箱(3)内に挿入される。
【0047】
図12は、本発明の別の関連する実施形態のための外部パッケージを示す。外部パッケージは、弾性材料、好ましくはボール紙から製作された箱(41)を備える。箱(41)の頂部(46)および底部(47)はそれぞれ、蓋(42)、蓋フラップ(43)、および側部フラップ(44、45)を備える。箱(41)の各端部(46、47)にて、蓋(42)の第1の縁部(61)が、第1の折曲げ線(50)に沿って箱(41)の第1の側部(48)に取り付けられ、蓋フラップ(43)が、蓋(42)の、第2の反対側の辺(51)にて設けられ、第2の折曲げ線(52)に沿って蓋(42)に結合される。互いに対向しそれぞれ前記第1の側部(48)に隣接する、箱(42)の第2および第3の側部(53、54)は、折曲げ線(55、56)に沿って箱に取り付けられた側部フラップ(44、45)を備える。蓋(42)は、閉位置に動かされるとき、第1の折曲げ線(50)に沿って折曲げられ、その蓋フラップ(43)が、箱(41)の第1の側部(48)に対向する前面(57)と側部フラップ(44、45)との間で、箱(41)内へと挿入される。蓋フラップ(42)は、第1の折曲げ線(50)に沿ったスリットを備え、スリットは、側部フラップ(44、45)と係合し、蓋(42)をその閉位置内に保持する。
【0048】
上記説明によるボール紙箱は、従来技術で一般的なものである。ただし、本実施形態でパッケージとして使用するのに適した箱はさらに、少なくとも1つの延長フラップを備える。好ましくは、各端部にて、1つフラップが延長される。図12は、1つの側部フラップ(44)が、箱(41)の頂端部(46)にて延長される、可能な一実施形態を示すが、これに加えて、またはその代わりに、その他のフラップ(43、45)を延長することもできる。
【0049】
図13は、使用中の、各端部(46、47)にて延長された側部フラップ(44)を有し、pMDI(2)を収容する箱(41)を示す。延長フラップ(44)は、箱の両端部(46、47)間で湾曲され、弾力的に変形可能な弾性クッション(58)を、その頂部(46)と底部(47)の間に作り出す。箱(41)および延長フラップ(44)は、pMDI(2)がクッション(58)の間で把持され、したがって箱(41)内部で懸架されるように寸法決めされる。箱(41)内でpMDI(2)の運動を実質的に低減するのと同時に、クッション(58)は、箱(41)が受ける衝撃のpMDI(2)への影響を弱める。
【0050】
pMDI(2)は、pMDI(2)を収容する上包(62)がクッション(58)の間に懸架されて保持されるように、箱(41)内に挿入される前に上包(62)内に挿入することができる。
【0051】
好ましい実施形態では、延長フラップの長さは、それが取り付けられる側部の幅の2倍以上である。図12の実施例では、延長された側部フラップ(44)は、長さがd1+d2であり、ここで、d1は、第2および第3の側部(53、54)間の距離であり、d2>d1である。使用時に、延長フラップ(44)は、箱(41)の頂部(46)を横断して、蓋(42)の下に折曲げられ、フラップ(44)の第2の部分(60)が、折曲げ線に沿って折り返される。第1の部分(59)の長さ(d2)は、d1より大きいので、第1の部分(59)は、箱(41)内へと凹状に湾曲し、クッション(58)を形成する。この湾曲の深さは、長さd2を変えることによって選択することができ、これは、好ましくは、pMDI(2)が、対向するクッション(58)間に締まり嵌めされるように選択される。
【0052】
より利点が少ない実施形態としては、延長フラップの長さがd2であり、それ自体の上には折り返されず、対向する側面の間で湾曲するのみの形態である。この実施形態は、蓋フラップがもはや下にある延長側部フラップによって支持されないので、箱の構造を弱めるため、利点がより少ない。
【0053】
図13は、箱(41)の各端部(56、57)にて延長側部フラップ(44)を備える一実施形態を示すが、蓋フラップ(43)をその代わりに延長することができる。さらに、延長フラップは、必ずしも箱(4)の頂部(56)と底部(57)を覆って湾曲させる必要はなく、そのかわりに、pMDI(2)の側部が水平に把持されるように、箱の内部側壁(48、53、54、57)を横断して湾曲させることができる。最後に、pMDI(2)を2つ以上の次元で同時に把持するために、複数のクッション(58)を使用することができる。
【0054】
本発明を、以上で例示のためだけに説明してきたこと、および/上記説明は、添付の特許請求の範囲の範囲に、いかなる制限を与えるものとして理解されるべきではないことが理解されるであろう。本発明は、その完全な精神および範囲が、添付の特許請求の範囲によって規定される。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施形態による、pMDI用パッケージのための変形可能な挿入物を示す図である。
【図2】図1の挿入物によって固定されたpMDIを示す図である。
【図3A】外部パッケージ内にある図2の挿入物およびpMDIを示す図である。
【図3B】外部パッケージ内にある図2の挿入物およびpMDIを示す図である。
【図4】挿入物が、それを折曲げ形態に保持するために使用することができる固定可能な端部フラップを備える、本発明の別の実施形態による、pMDI用パッケージのための変形可能な挿入物を示す図である。
【図5】図4の挿入物によって固定されたpMDIを示す図である。
【図6】上包内にある図5の挿入物およびpMDIを示す図である。
【図7】pMDIが上包内に封止され2つの棚部の間で支持される、本発明の別の実施形態による、pMDIおよび上包を固定するpMDI用パッケージのための挿入物を示す図である。
【図8】挿入物が略Z形状を有する、本発明の別の実施形態によるpMDI用パッケージのための挿入物を示す図である。
【図9】pMDIが上包内で任意に封止された、図8の挿入物によって固定されたpMDIを示す図である。
【図10A】pMDIを固定する図8の挿入物を示す図である。
【図10B】外部パッケージ内にある挿入物およびpMDIを示す図である。
【図11】本発明の別の実施形態による、上包内で任意に封止されたpMDIを外部パッケージ内で懸架する、2つのウェブを示す図である。
【図12】延長フラップを有する箱を備える外部パッケージを示す図である。
【図13】本発明の別の実施形態による、上包内で任意に存在する、図10の外部パッケージ内に懸架されたpMDIを示す図である。
【符号の説明】
【0056】
1…挿入物、2…pMDI、3…箱、4…シート、5…窓、6…タブ、7…フラップ、12…ハウジング、18…上包

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分配器と該分配器をパッケージ内で懸架する少なくとも1つの支持部を収容するパッケージ。
【請求項2】
前記パッケージは、前記分配器が前記支持部によってその中で懸架される外部パッケージを有する、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項3】
前記分配器は、その部品の相対運動によって分配するように操作される、請求項1または2に記載のパッケージ。
【請求項4】
前記分配器が吸入器である、請求項1から3のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項5】
前記分配器がpMDIである、請求項3に記載のパッケージ。
【請求項6】
前記支持部が弾性材料で製作される、請求項1から5のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項7】
弾性材料がボール紙である、請求項6に記載のパッケージ。
【請求項8】
前記少なくとも1つの支持部が少なくとも1つの挿入物を備える、請求項1から7のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項9】
前記少なくとも1つの支持部が変形形態である、請求項1から8のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項10】
前記少なくとも1つの支持部が、その非変形形態に戻るように付勢される、請求項9に記載のパッケージ。
【請求項11】
その変形形態にある前記支持部が略半円筒状の形を有する、請求項9または10に記載のパッケージ。
【請求項12】
その変形形態にある前記支持部が略V字形状の断面を有する、請求項9または10に記載のパッケージ。
【請求項13】
前記支持部は、前記分配器を前記支持部に固定するための固定手段を備える、請求項1から12のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項14】
前記固定手段は、前記分配器がその上に配置される少なくとも1つの棚部を備える、請求項13に記載のパッケージ。
【請求項15】
前記固定手段は、前記分配器に係合する少なくとも1つのタブを備える、請求項13または14に記載のパッケージ。
【請求項16】
前記支持部は、少なくとも1つの端部の1つの側部に端部フラップを備え、該端部フラップは前記支持部の反対側の側部に固定されて、前記支持部がその非変形形態になることが妨げられる、請求項10または請求項10に従属する請求項11から15のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項17】
前記支持部が端部フラップを両端部に備える、請求項16に記載のパッケージ。
【請求項18】
前記少なくとも1つの端部フラップは、前記支持部の2つの側部の間の距離よりも長く、前記支持部から離れて突出する、請求項16または17に記載のパッケージ。
【請求項19】
前記支持部が略Z形状を有する、請求項1から18のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項20】
前記支持部が窓を備え、前記分配器が該窓を通って延びる、請求項1から19のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項21】
前記分配器が前記窓内に締まり嵌めされる、請求項20に記載のパッケージ。
【請求項22】
前記支持部が、前記分配器を支持する少なくとも1つの棚部をさらに備える、請求項19から21のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項23】
前記支持部が、前記分配器の両端部にて第1および第2の棚部を備える、請求項22に記載のパッケージ。
【請求項24】
前記支持部が、前記分配器の対向する側部上に位置決めされた少なくとも2つの可撓性ウェブを備える、請求項1から7のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項25】
各可撓性ウェブの対向端部が、前記外部パッケージの内面の対向する点に位置決めされ、前記ウェブが、それらの点の間で湾曲するようにそれら2つの点の間の距離より大きな長さを有する、請求項2に従属する請求項24に記載のパッケージ。
【請求項26】
前記ウェブが前記分配器に向かって湾曲する、請求項25に記載のパッケージ。
【請求項27】
前記ウェブが前記分配器から離れて湾曲する、請求項25に記載のパッケージ。
【請求項28】
前記分配器が前記ウェブの間で把持される、請求項24から27のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項29】
前記ウェブが挿入物である、請求項24から28のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項30】
前記パッケージが2つ以上の延長フラップを有する箱を備える、請求項24から28のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項31】
各ウェブが延長フラップによって形成される、請求項30に記載のパッケージ。
【請求項32】
シースを備え、前記分配器が任意に懸架されて該シース内に取り囲まれる、請求項1から31のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項33】
前記シースがヒートシールされる、請求項32に記載のパッケージ。
【請求項34】
前記支持部が前記シースの内側にある、請求項32または33に記載のパッケージ。
【請求項35】
前記支持部が前記分配器をその内部に備えた前記シースを懸架する、請求項32または33に記載のパッケージ。
【請求項36】
分配器を梱包する方法であって、
請求項1から35のいずれか一項に記載のパッケージおよび少なくとも1つの支持部を準備し、
前記分配器を前記支持部によって前記パッケージ内に懸架し、
前記パッケージを閉じること、からなる方法。
【請求項37】
実質的に、添付の図面の、図1〜3、または図4、または図5、図6、または図7、または図8〜10、または図11、または図12、図13を参照しながら上記で説明したような、分配器の不慮の作動を防止または阻止するようになされたパッケージ。
【請求項38】
実質的に、添付の図面の図1〜3、または図4、または図5、図6、または図7、または図8〜10、または図11、または図12、図13を参照しながら上記で説明したような、分配器の不慮の作動を防止または阻止するようになされた、分配器を梱包する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2008−504180(P2008−504180A)
【公表日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−518689(P2007−518689)
【出願日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【国際出願番号】PCT/GB2005/002549
【国際公開番号】WO2006/003386
【国際公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】