説明

パネル取付具

【課題】ALC等のパネルをパネル取付具を用いて建物躯体等に取付ける際に、パネル取付具の棒状体及び弾性キャップを挿入穴内への挿入が容易で且つ不用意に落下することがなく、しかも地震等で躯体が大きく振動したり変形した場合にも、パネルに亀裂が生じたり欠落するのを可及的に低減することのできるパネル取付具を提供すること。
【解決手段】パネル取付具3は、基板30と、基板30の一方の面に略垂直に起立させた状態で一体的に固着される棒状体31と、棒状体31の先端部に被着され、弾性変形可能な弾性キャップ32と、を備え、弾性キャップ32には、有底略筒状の外周面から突出する弾性突起33dが形成され、棒状体31には、弾性キャップ32が被着された状態で弾性突起33dが形成された部分の内周面が配置される部分に、内周面が接触しない様に溝加工された溝部31aが形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばALC(軽量気泡コンクリート)等のパネルを建築物の躯体あるいは開口部に取付けて縦壁を形成する場合等に用いるパネル取付具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上記のようなパネルを建築物の躯体や開口部に取付けて縦壁を形成する際のパネル取付構造は種々提案されており、その1つとして、下記特許文献1には、図6に示すように金属鋼板等よりなる基板310の一方の面に、丸棒鋼等の棒状体320を略垂直に起立させた状態で溶接等で一体的に固着してなるパネル取付具300を用いたパネル取付構造が提案されている。
【0003】
すなわち、図6は上記のようなパネル取付具300により建築物の窓等の開口部の上方にALC等よりなるパネル1aでまぐさ壁等を形成する場合の構成例を示すもので、パネル1aの下部の小口面に予め形成した挿入穴10内に、上記パネル取付具300の棒状体320を挿入して基板310を上記小口面に当接させ、その基板310と上記パネル1aとを、上記開口部に沿って設けた水平片21と垂直片22とからなアングル材よりなるパネル支持部材2の水平片21の上面に載置し、上記基板310を上記水平片21に溶接等で固着して上記パネル1aを所定の位置に配置固定する構成である。
【0004】
ところが、上記挿入穴10に対する棒状体320の嵌め合わせがきついと、その棒状体320の挿入穴10への挿入が困難になったり、挿入穴10の周囲のパネル1aの一部が損傷したり破損する等のおそれがある。逆に、挿入穴10に対する棒状体320の嵌め合わせが緩いと、例えば下向きに開口した挿入穴10内に棒状体320を挿入した状態でパネル取付具300をパネル1aと共に持ち運んだり、所定の位置に配置する際に、上記パネル取付具300が抜け落ちる等のおそれがあった。
【0005】
そこで、下記特許文献2においては、上記棒状体の周面に突起を設け、その棒状体を上記挿入穴内に挿入したとき、上記の突起が挿入穴の内周面に食い込んでパネル取付具が抜け落ちるのを防止することが提案されているが、例えば地震等により躯体が大きく振動したり変形した場合には、上記の突起が穴の内周面に深く食い込んでパネルに亀裂が生じたり、破損して欠落する等のおそれがあった。
【0006】
また、下記特許文献3においては、上記の欠点を克服するために、図7にある様に挿入穴10と棒状体320との勘合性を高め、克つ地震の際にひび割れを生じない弾力的圧嵌合を目的とした弾性キャップ330を棒状体320の先端部分に被着したが、加工のバラツキで穴の径が想定していた状態より小さい場合に、やはりその棒状体320及び弾性キャップ330の挿入穴10への挿入が困難な場合が生ずることがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実開昭58−85008号公報
【特許文献2】特開昭63−265046号公報
【特許文献3】特許第4481918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記の問題点に鑑みて提案されたもので、ALC等のパネルをパネル取付具により建物躯体等に取付ける際に、パネル取付具の棒状体及び弾性キャップを挿入穴内への挿入が容易で且つ不用意に落下することがなく、しかも地震等で躯体が大きく振動したり変形した場合にも、パネルに亀裂が生じたり欠落するのを可及的に低減することのできるパネル取付具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1) 基板と、前記基板の一方の面に略垂直に起立させた状態で一体的に固着される棒状体と、前記棒状体の先端部に被着され、弾性変形可能な弾性キャップと、を備えるパネル取付具において、前記弾性キャップには、有底略筒状の外周面から突出する弾性突起が形成され、前記棒状体には、前記弾性キャップが被着された状態で前記弾性突起が形成された部分の内周面が配置される部分に、前記内周面が接触しない様に溝加工された溝部が形成されていることを特徴とするパネル取付具。
【0010】
ここで、ALC等のパネルをパネル取付具を用いて建物躯体等に取付ける際には、建物躯体等の立ち上がり壁に、水平片と垂直片とからなるアングル材であるパネル支持部材を取り付け、このパネル支持部材の水平片に、パネル取付具の基板を配置して溶接して取り付けると共に、パネル支持部材の垂直片に沿わせてパネルを配置し、パネル取付具の棒状体を弾性キャップと共にパネルの小口面に形成した挿入穴内に挿入する。
【0011】
(1)の発明によれば、パネル取付具は、基板の一方の面に略垂直に起立させた状態で一体的に固着される棒状体に被着され、弾性変形可能な弾性キャップを備え、弾性キャップには、有底略筒状の外周面から突出する弾性突起を形成し、棒状体には、弾性キャップが被着された状態で弾性突起が形成された部分の内周面が配置される部分に、内周面が接触しない様に溝加工された溝部を形成した。
【0012】
これにより、パネル取付具は、パネルの挿入穴内への挿入時には、弾性キャップの弾性突起が挿入穴の内面に圧接され、棒状体の溝部において弾性変形するので、挿入穴に抵抗少なく挿入することが可能となる。
また、パネル取付具は、パネルの挿入穴内への挿入後には、弾性キャップの弾性により弾性突起が挿入穴の内面に圧接嵌合するので、例えば、パネルの挿入穴にパネル取付具を挿入した状態で移動した際に、パネル取付具が挿入穴から脱落しないだけの保持力を持つことが可能となる。
さらに、ALC等のパネルをパネル取付具を用いて建物躯体等に取付けた後に、地震等で躯体が大きく振動したり変形した場合にも、弾性キャップの有底略筒状の部分の緩衝作用で振動等を軽減できると共に、棒状体がパネルの挿入穴の内面に直接当たることがないから、パネルに損傷や亀裂を生じたり欠落するのを防止することができる。
【0013】
したがって、ALC等のパネルをパネル取付具を用いて建物躯体等に取付ける際に、パネル取付具の棒状体及び弾性キャップを挿入穴内への挿入が容易で且つ不用意に落下することがなく、しかも地震等で躯体が大きく振動したり変形した場合にも、パネルに亀裂が生じたり欠落するのを可及的に低減することのできるパネル取付具を提供できる。
【0014】
(2) 前記弾性キャップは、前記内周面から突出し、前記棒状体に被着した状態で前記棒状体の前記溝部と係止する突起を有することを特徴とする(1)に記載のパネル取付具。
【0015】
(2)の発明によれば、弾性キャップに形成した突起が棒状体の溝部に係止し、パネル取付具をパネルの挿入穴に出し入れさせた際に、弾性キャップが棒状体から抜けるのを防止できる。
【0016】
(3) 前記弾性突起は、略四角錐台状に複数形成されていることを特徴とする(1)又は(2)に記載のパネル取付具。
(3)の発明によれば、弾性突起を略四角錐台状に形成したので、パネル取付具をパネルの挿入穴に挿入しやすく、挿入穴から抜けにくくできる。
【0017】
(4) 前記弾性突起は、略半球状、周方向に延びるリング状、フランジ状又はこれらの複合体のいずれかが複数形成されていることを特徴とする(1)又は(2)に記載のパネル取付具。
(4)の発明によれば、弾性突起を多様な形状にできるので、弾性突起の形状を、パネルの種類や厚さに応じて、パネル取付具をパネルの挿入穴に挿入しやすく、挿入穴から抜けにくい形状とすることができる。
【0018】
(5) (1)から(4)のいずれかに記載のパネル取付具を備え、水平片と垂直片とからなるアングル材であるパネル支持部材の前記水平片に、前記パネル取付具の前記基板を配置して溶接して取り付けると共に、前記パネル支持部材の前記垂直片に沿わせてパネルを配置し、前記パネル取付具の前記棒状体を前記弾性キャップと共に前記パネルの小口面に形成した挿入穴内に挿入し、前記パネル取付具は、前記挿入穴内への挿入時には、前記弾性キャップの前記弾性突起が前記挿入穴の内面に圧接され、前記棒状体の前記溝部において弾性変形し、前記挿入穴内への挿入後には、前記弾性キャップの弾性により前記弾性突起が前記挿入穴の内面に圧接嵌合することを特徴とするパネル取付構造。
【0019】
(5)の発明によれば、上記(1)から(4)に記載の発明と同様の作用効果を奏する。
【発明の効果】
【0020】
上記のように本発明によるパネル取付具は、パネル取付具の棒状体を、その先端部に被着した有底略筒状の外周面から突出する弾性突起が形成されたゴム等よりなる弾性キャップを介して、パネルの挿入穴の内面に弾力的に圧接する。これにより、弾性キャップの外周面から突出する弾性突起の外周径が挿入穴よりも大きくても、棒状体に形成した溝部において弾性キャップが弾性変形することより、パネル取付具をパネルの挿入穴に挿入するときはスムーズな挿入を行うことが可能になり、下向きに開口した挿入穴内にパネル取付具を挿入した状態でパネルを持ち運んだり、所定の施工位置等に配置する際には、ゴム等の弾性と外周面から突出した弾性突起により、パネル取付具が不用意に抜け落ちるのを簡単・確実に防止することができ、また地震等で建物躯体が大きく振動したり変形した場合にも、上記弾性キャップの略筒状の部分の緩衝作用で振動等を軽減できると共に、上記棒状体が挿入穴の内面に直接当たることがないから、パネルに損傷や亀裂を生じたり欠落したりするのを防止することができる。
【0021】
また、棒状体において、弾性キャップの弾性突起が形成された部分の内周面が配置される部分に溝部を形成したので、上記パネル取付具を挿入穴内に挿入する際には、上記弾性キャップが溝部で弾性変形することで、溝部が設けられていない場合よりもさらに容易に挿入することができると共に、上記棒状体や弾性キャップ及び挿入穴に多少の製作誤差等があっても、それらを弾性キャップの弾力で吸収できるから製造時の歩留まりが向上して容易・安価に製作できる。
【0022】
また、この弾性キャップ内周面から突出し、棒状体の溝部と係止する突起を設けることで、弾性キャップと挿入穴の内壁との摩擦により弾性キャップが挿入穴の内壁に引っ掛かり、弾性キャップが挿入穴の内部に取り残され、棒状体だけが抜け落ちることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本実施形態に係るパネル取付構造を示す斜視図である。
【図2】本実施形態に係るパネル取付具の断面図であり、(a)はパネルの挿入穴に挿入されていない状態を示す断面図であり、(b)はパネルの挿入穴に挿入され状態を示す断面図である。
【図3】本実施形態に係るパネル取付具の斜視図であり、(a)は棒状体に弾性キャップが被着した状態を示す斜視図であり、(b)は棒状体から弾性キャップを外した状態を示す斜視図である。
【図4】本実施形態に係る弾性突起の別態様を示す図である。
【図5】本実施形態に係るパネル取付具の別態様を示す図であり、(a)はパネル取付具の別態様の断面図であり、(b)は(a)における一点鎖線Cで囲んだ部分を拡大した図である。
【図6】従来技術のパネル取付構造を示す斜視図である。
【図7】従来技術のパネル取付構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
以下に説明する実施形態はビル等の建築物Aにおける本発明によるパネル取付構造を適用したもので、パネル1aとして、下記の実施形態においてはALCパネルが用いられている。
【0025】
本発明の実施形態を図を参照して具体的に説明する。図1は、本実施形態に係るパネル取付構造1を示す斜視図である。図2は、本実施形態に係るパネル取付具3の断面図であり、(a)はパネル1aの挿入穴に挿入されていない状態を示す断面図であり、(b)はパネル1aの挿入穴に挿入され状態を示す断面図である。図3は、本実施形態に係るパネル取付具3の斜視図であり、(a)は棒状体に弾性キャップが被着した状態を示す斜視図であり、(b)は棒状体から弾性キャップを外した状態を示す斜視図である。
【0026】
パネル取付構造1は、建築物Aの開口縁部等に沿うようにして配置されているパネル支持部材2(水平片21と垂直片22とからなるアングル材よりなる横材2a)上に、複数のパネル取付具3を介して、パネル1aが配置され取付けられる。
【0027】
上記各パネル取付具3は、図3に示すように、金属鋼板等よりなる基板30の一方の面に金属棒鋼等よりなる棒状体31を略垂直に起立させた状態で溶接等で一体的に固着し、その棒状体31の基板30と反対側(図3中矢印F側)の先端部にゴム等よりなる有底略筒状の弾性キャップ32を嵌めた構成である。
【0028】
弾性キャップ32には、有底略筒状の外周面から突出する弾性突起33dが複数形成されている。弾性キャップ32は、ゴム等の弾性変形可能な部材により形成されている。弾性突起33dは、本実施形態における一例として、弾性キャップ32の底側(図3中矢印F側)から底側の反対側である開口側(図3中矢印B側)に向けて裾が広がる略四角錐台状に形成されている。
【0029】
図4は、本実施形態に係る弾性突起33dの別態様を示す図である。
本実施形態の弾性突起33dは、略四角錐台状に形成されているが、弾性突起33dの形状はこれに限らず、有底略筒状の外周面から突出する他の形態とすることができる。
例えば、図4(a)に示すように、弾性突起33dは、複数の略半球状に形成することができる。また、図4(b)に示すように、弾性突起33dは、複数の周方向に延びるリング状に形成することができる。また、図4(c)に示すように、弾性突起33dは、フランジ状に形成することができる。また、弾性突起33dは、上記の態様の複合体とすることができる。例えば、図4(d)に示すように、弾性突起33dは、複数の略半球状とフランジ状との複合体で形成することができる。
【0030】
棒状体31には、図2に示すように、弾性キャップ32が被着された状態で弾性突起33dが形成された部分の内周面が配置される部分に、この弾性キャップ32の内周面が接触しない様に溝加工された溝部31aが形成されている。なお、上記棒状体31は図の場合は丸棒鋼を用いたものであるが、角棒鋼等を用いることもできる。
【0031】
図5は、本実施形態に係るパネル取付具3の別態様を示す図であり、(a)はパネル取付具3の別態様の断面図であり、(b)は(a)における一点鎖線Cで囲んだ部分を拡大した図である。
本実施形態に係るパネル取付具3と別態様であるパネル取付具3Aとでは、弾性キャップの形態が異なる。
パネル取付具3Aの弾性キャップ32Aは、内周面から突出し、棒状体31に被着した状態で棒状体31の溝部31aと係止する突起32aを有する。
【0032】
図1に戻って、パネル取付構造1は、より詳細に説明すると、その各基板30をアングル材よりなる横材2aの水平片21の上面側又は下面側に配置して溶接等で取付けられると共に、各棒状体31の先端部に弾性キャップ32を被着したパネル取付具3を、パネル1aの小口面に形成した挿入穴10内に挿通嵌合する構成である。
【0033】
また、パネル取付具3は、パネル1aの挿入穴10内に挿通嵌合すると、図2(b)に示すように、弾性キャップ32の弾性突起33dが形成された部分が棒状体31の溝部31aにおいて弾性変形することによって、パネル取付具3を上記弾性キャップ32の略四角錐台状の弾性突起33dを介して上記挿入穴10の内面に弾力的に圧接嵌合する。
【0034】
なお、上記パネル1aの小口面と、横材2aの水平片21との間には基板30が介在し、その基板30が存在する箇所以外のパネル1aの小口面と横材2aの水平片21との間には、上記基板30の厚さに相当する空隙が設けられている。その空隙によって例えば地震等で躯体が変形もしくは変位したときに各パネル1aがパネル支持部材2に押し付けられて損傷するのを防止することができる。また上記パネル1aの上部は、それぞれ従来公知のいわゆるイナズマプレートやアングル材等を介して梁材等の建物躯体に取付けられているが図には省略した。
【0035】
本実施形態によれば、上記のようにパネル取付具3を、棒状体31の先端部に挿入嵌合したゴム等よりなる弾性キャップ32の略四角錐台状の弾性突起33dを介して挿入穴10の内面に弾力的に圧接嵌合するようにした。これにより、例えば図2のように下向きに開口した挿入穴10内にパネル取付具3を挿入した状態でパネル1aを持ち運んだり、所定の施工位置に配置する際にパネル取付具3が不用意に抜け落ちるのを簡単・確実に防止することができる。また地震等で躯体が大きく振動したり変形した場合にも、上記弾性キャップ32の緩衝作用で振動等を軽減できると共に、上記棒状体31が挿入穴10の内面に直接当たることがないから、パネル1aに損傷や亀裂が生じたり欠落するのを防ぐことができる。
【0036】
さらにパネル取付具3は、挿入穴10内に挿入する際には、弾性キャップ32が棒状体31の溝部31aにおいて弾性変形して、挿入穴10の内壁に圧接し、且つ弾性キャップ32の弾性突起33dの端面部が挿入穴10の内壁に引っ掛かる様に接触する為、緩やかな圧接によっても挿入後の移動や振動で抜け落ちずにその位置を保つことが出来る。
【0037】
また、本実施形態の別態様であるパネル取付具3Aによれば、弾性キャップ32Aがその内周面から突出し、棒状体31に被着した状態において棒状体31の溝部31aと係止する突起32aを有するので、弾性キャップ32Aと挿入穴10の内壁との摩擦により弾性キャップ32Aが挿入穴10の内壁に引っ掛かり、弾性キャップ32Aが挿入穴10の内部に取り残され、棒状体31だけが抜け落ちることを防止できる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、例えば建築物の壁材、屋根、床材等として使用されるALC(軽量気泡コンクリート)に利用することができる。
【符号の説明】
【0039】
3 パネル取付具
30 基板
31 棒状体
31a 溝部
32 弾性キャップ
33d 弾性突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、前記基板の一方の面に略垂直に起立させた状態で一体的に固着される棒状体と、
前記棒状体の先端部に被着され、弾性変形可能な弾性キャップと、を備えるパネル取付具において、
前記弾性キャップには、有底略筒状の外周面から突出する弾性突起が形成され、
前記棒状体には、前記弾性キャップが被着された状態で前記弾性突起が形成された部分の内周面が配置される部分に、前記内周面が接触しない様に溝加工された溝部が形成されていることを特徴とするパネル取付具。
【請求項2】
前記弾性キャップは、前記内周面から突出し、前記棒状体に被着した状態で前記棒状体の前記溝部と係止する突起を有することを特徴とする請求項1に記載のパネル取付具。
【請求項3】
前記弾性突起は、略四角錐台状に複数形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のパネル取付具。
【請求項4】
前記弾性突起は、略半球状、周方向に延びるリング状、フランジ状又はこれらの複合体のいずれかが複数形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のパネル取付具。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載のパネル取付具を備え、
水平片と垂直片とからなるアングル材であるパネル支持部材の前記水平片に、前記パネル取付具の前記基板を配置して溶接して取り付けると共に、前記パネル支持部材の前記垂直片に沿わせてパネルを配置し、前記パネル取付具の前記棒状体を前記弾性キャップと共に前記パネルの小口面に形成した挿入穴内に挿入し、
前記パネル取付具は、
前記挿入穴内への挿入時には、前記弾性キャップの前記弾性突起が前記挿入穴の内面に圧接され、前記棒状体の前記溝部において弾性変形し、
前記挿入穴内への挿入後には、前記弾性キャップの弾性により前記弾性突起が前記挿入穴の内面に圧接嵌合することを特徴とするパネル取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−237124(P2012−237124A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−106217(P2011−106217)
【出願日】平成23年5月11日(2011.5.11)
【出願人】(399117730)住友金属鉱山シポレックス株式会社 (195)
【Fターム(参考)】