説明

パラジウム系金属錯体

【課題】優れた発光特性を示す金属錯体を提供する。
【解決手段】下記式(a)で表される組成を含む金属錯体。[(PdII2(MI2(X)2(L)4(L’)2](a)(式中、MIは、AgI、AuI、又はCuIを表し、Xは、Cl、Br又はIを表す。Lは、下記式(1)で表され、L’は、下記式(2)で表される。2個存在するMIは、同一であっても異なっていてもよい。4個存在するLは、同一であっても異なっていてもよい。2個存在するL’は、同一であっても異なっていてもよい。R1、R2及びR3は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アリール基、又1価の複素環基を表す。)



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パラジウム系金属錯体に関する。
【背景技術】
【0002】
パラジウム系金属錯体は、有機エレクトロルミネッセンス発光素子等の材料として有用であるため、開発が盛んに行われている。
パラジウム系金属錯体としては、3,5-ジメチルピラゾラト(3,5-ジメチルピラゾール(dmpzH)からプロトンが1個解離した1価の陰イオンであり、以下、「dmpz」と言う)が2個のPdIIイオンと4個のAgIイオンとを架橋した多核錯体[Pd2Ag4(μ-dmpz)8]が提案されている(非特許文献1)。
【0003】
【非特許文献1】G. A. Ardizzoia, G. La Monica, S. Cenini, M. Moret, N. Masciocchi, J. Chem. Soc., Dalton Trans. 1996, 1351-1357.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、さらに優れた発光特性を示すバリエーションに富んだパラジウム系金属錯体が求められている。
そこで、本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子等の発光材料として用いることができ、優れた発光特性を示す、新規のパラジウム系金属錯体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は第一に、下記式(a)で表される組成を含む金属錯体を提供する。
[(PdII2(MI2(X)2(L)4(L’)2] (a)
(式中、MIは、AgI、AuI、又はCuIを表し、Xは、Cl、Br又はIを表す。Lは、下記式(1)で表され、L’は、下記式(2)で表される。2個存在するMIは、同一であっても異なっていてもよい。4個存在するLは、同一であっても異なっていてもよい。2個存在するL’は、同一であっても異なっていてもよい。)



(式中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、又は置換されいてもよい1価の複素環基を表す。)
本発明は第二に、前記金属錯体を含む発光層を有する発光素子を提供する。
本発明は第三に、前記発光素子を備えた表示装置を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の金属錯体は、優れた発光特性を示し、新規の金属錯体である。また、本発明の金属錯体は、発光素子、発光装置等に特に有用であり、この金属錯体を用いた発光素子、発光装置も、発光特性が優れるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0008】
<金属錯体>
本発明の金属錯体は、前記式(a)で表される組成を含む金属錯体である。
前記式(a)中、MIは、AgI、AuI、又はCuIを表し、好ましくはAuIである。
前記式(a)中、Xは、Cl、Br、又はIを表し、好ましくはClである。
前記式(a)中、Lは、前記式(1)で表され、L’は、前記式(2)で表される。
【0009】
前記式(1)、(2)中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、又は置換されいてもよい1価の複素環基を表すが、R1、R2及びR3の少なくとも1個は、ハロゲン原子、水酸基、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、又は置換されいてもよい1価の複素環基であること(即ち、R1、R2及びR3の少なくとも1個は水素原子ではないこと)が好ましく、R1、R2及びR3の少なくとも1個は、置換されていてもよいアルキル基又は置換されていてもよいアリール基であることがより好ましい。
【0010】
前記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、好ましくは塩素原子である。
【0011】
前記置換されていてもよいアルキル基は、炭素数が、通常、1〜6程度であり、好ましくは1〜4である。前記置換されていてもよいアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等の非置換のアルキル基;トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基等の置換のアルキル基(特には、フッ素原子等のハロゲン原子で置換のアルキル基)が挙げられ、メチル基、エチル基、t−ブチル基、トリフルオロメチル基が好ましい。
【0012】
前記置換されていてもよいアリール基は、置換されていてもよい芳香族炭化水素(縮合環を有するもの、独立したベンゼン環又は縮合環2個以上が直接又はビニレン等の基を介して結合したものを含む。)から、水素原子1個を除いた原子団である。前記置換されていてもよいアリール基は、炭素数が、通常、6〜20程度であり、好ましくは6〜10である。前記置換されていてもよいアリール基としては、例えば、フェニル基、C1〜C4アルコキシフェニル基(「C1〜C4アルコキシ」は、アルコキシ部分の炭素数が1〜4であることを示す。以下、同様である。)、C1〜C4アルキルフェニル基(「C1〜C4アルキル」は、アルキル部分の炭素数が1〜4であることを示す。以下、同様である。)、1−ナフチル基、2−ナフチル基等の非置換のアリール基;ペンタフルオロフェニル基等の置換のアリール基(特には、フッ素原子等のハロゲン原子で置換のアリール基)が挙げられ、フェニル基、メチルフェニル基、t−ブチルフェニル基が好ましい。
【0013】
前記置換されていてもよい1価の複素環基は、環を構成する元素が炭素原子だけでなく、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等をヘテロ原子として環内に含む複素環式化合物から、1個の原子又は基を取り除いてなる基を意味する。前記置換されていてもよい1価の複素環基としては、置換されていてもよい1価の芳香族複素環基が好ましい。
【0014】
前記Lで表される前記式(1)としては、ピラゾラト(ピラゾール化合物から水素イオンが解離した一価の陰イオン)等が挙げられ、具体的には、以下のものが挙げられる。



(式中、R2は前記と同じ意味を有し、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表し、n−Prはn−プロピル基を表し、n−Buはn−ブチル基を表す。)
【0015】
前記式(2)で表されるL’としては、以下のものが挙げられる。



(式中、R2は前記と同じ意味を有し、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表し、n−Prはn−プロピル基を表し、n−Buはn−ブチル基を表す。)
【0016】
前記式(1)、(2)中のR1、R2及びR3は、各L及びL’において、同一であっても異なっていてもよい。
【0017】
なお、前記L’は、如何なる方法で合成したものであってもよいが、例えば、J.Am.Chem.Soc.,72,1352−1356(1950)に記載の方法により、中間体であるジケトン化合物(A)を得て、Bull.Soc.Chim.,45,877−884(1929)、Chem.Abstr.,24,7541(1930)、Tetrahedron,42,15,4253−4257(1986)、Heterocycles,53,1285(2000)に記載の方法により、ジケトン化合物(A)と、ヒドラジン又はヒドラジン一水和物とを反応させることにより、ピラゾール化合物(B)を合成することができる(下記スキーム1)。なお、前記ジケトン化合物(A)は、例えば、β−不飽和ケトンの酸化反応や、ケトカルボン酸と、アルキルブロマイドのGrignard試薬との反応によって合成してもよい。また、前記L’は、J.Heterocyclic Chem.,35,1377(1998)に記載の方法により合成してもよい。
[スキーム1]

【0018】
本発明の金属錯体は、好ましくは、前記式(a)で表される組成として、下記式(b)で表される組成を含む金属錯体である。
[{(PdII)(MI)(X)(L)2(L’)}2] (b)
(式中、MI、X、L及びL’は、前記と同じ意味を表す。)
前記式(b)で表される組成を含む金属錯体は、2個の{(PdII)(MI)(X)(L)2(L’)}ユニットが二量化したものとみなすことができ、PdIIとMIをLが橋かけし、基底状態又は励起状態で金属原子間に相互作用が及ぶ金属錯体を含んでおり、例えば、下記式(3)又は(4)で示される構造を有する。

(式中、MI、X、L及びL’は、前記と同じ意味を表す。)
【0019】
また、本発明の金属錯体は、分子中に、PdII・・・PdIIの中点とMI・・・MIの中点とを通る2回回転軸が存在する場合(この場合、前記LにおけるR1及びR3は同一である。)と存在しない場合(この場合、前記LにおけるR1及びR3は異なる。)とが考えられるが、配位子となる化合物の入手、合成及び精製の容易性の観点から、存在する場合が好ましい。なお、前記2回回転軸が存在しない場合、L及びL’が異なる様々な幾何異性体が存在する可能性があり、該幾何異性体が異なる発光エネルギーを持つ。例えば、前記式(3)で示される構造は、前記2回回転軸が存在し得るものであり、前記式(4)で示される構造は、前記2回回転軸が存在しないものである。
【0020】
本発明の金属錯体は、如何なる方法で合成されたものであってもよいが、例えば、式:[Pd2Au2Cl2(μ-dmpz)4(dmpzH)2]で表される組成を含む金属錯体([Pd2Au2Cl2(μ-dmpz)4(dmpzH)2]は、一部のdmpzH配位子が脱プロトン化せずに無電荷の状態で配位した金属錯体である)であれば、[PdCl2(CH3CN)2]とdmpzHとAuCl(SC4H8)とをトリエチルアミン存在下で反応させて、[Pd2Au2Cl2(μ-dmpz)4(dmpzH)2]を合成することができる。[Pd2Au2Br2(μ-dmpz)4(dmpzH)2]、[Pd2Au2I2(μ-dmpz)4(dmpzH)2]も、同様にして合成することができる。なお、「dmpzH」は、3,5-ジメチルピラゾールを表し、「dmpz」は、3,5-ジメチルピラゾラト(3,5-ジメチルピラゾールから水素イオンが解離した一価の陰イオン)を表す。
【0021】
本発明の金属錯体は、有機エレクトロルミネッセンス素子等の発光素子の発光層に含有される発光材料として特に有用であるが、有機分子やガス分子等のセンサー、制癌剤、普段は無色透明であるが紫外光照射時のみ発光する塗料等にも有用である。
【0022】
次に、本発明の金属錯体を含む発光層を有する発光素子を説明する。
本発明の発光素子は、前記金属錯体を含む発光層を有していれば、特に限定されないが、例えば、透明な基板の上に、陽極、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、及び陰極が、この順番で形成された発光素子である。また、本発明の発光素子は、この5層型の発光素子に限定されず、5層型の発光素子から電子輸送層を省略した4層型の発光素子、5層型の発光素子から正孔注入層と電子注入層を省略した3層型の発光素子、3層型の発光素子の発光層と電子輸送層を兼用して1つの層とする2層型の発光素子、陽極と陰極の間に発光層のみが形成される単層型であってもよい。なお、この金属錯体は、単層型発光素子及び積層型発光素子のいずれにも用いることができるが、単層型発光素子に用いる方が、より優れた発光特性を得やすい傾向にある。
【0023】
また、前記金属錯体を有利に適用し得る発光素子は、前記金属錯体を発光層に含む発光素子であって、通常、正電圧を印加する陽極と、負電圧を印加する陰極と、陽極から正孔を注入して輸送する正孔注入層・正孔輸送層と、陰極から電子を注入して輸送する電子注入層・電子輸送層と、正孔と電子を再結合させ発光を取り出す発光層とを含んでなる積層型発光素子である。前記金属錯体は、発光素子におけるホスト発光材料として有用である。さらに、前記金属錯体は、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層等の材料としても用いることができる。さらに、トリス(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム等の、8−キノリノール類を配位子とする金属錯体をはじめとする他のホスト発光材料に微量ドープして、その発光効率や発光スペクトルを改善するためのゲスト発光材料としても機能する。従って、本発明の金属錯体は、それのみで用いる以外にも、例えば、ジシアノメチレン(DCM)類、クマリン類、ペリレン類、ルブレン類等の他の発光材料、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層等の材料と組み合わせて、組成物として用いることもできる。
【0024】
本発明の発光素子は、表示装置に用いることができる。即ち、本発明の表示装置は、前記発光素子を備えた表示装置である。
【実施例】
【0025】
次に、本発明にかかる実施例について説明する。但し、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0026】
<実施例1>([Pd2Au2Cl2(μ-dmpz)4(dmpzH)2]の合成)

[PdCl2(CH3CN)2] (52mg、0.20mmol)のアセトニトリル溶液(5ml)に、アルゴン雰囲気下で、AuCl(SC4H8) (64mg、0.20mmol)のアセトニトリル溶液(5ml)、3,5-ジメチルピラゾール(58mg、0.6mmol)のアセトニトリル溶液(5ml)、及びトリエチルアミン(85μl、0.6mmol)を撹拌しながら加え、アルゴン雰囲気下、室温で3.5時間撹拌した。最初は黄色であった溶液が、徐々に黄色の懸濁液に変化した。この懸濁液をろ過し、得られたろ液を自然濃縮したところ、黄色の結晶性化合物(以下、「金属錯体A」という)が12mg得られた(収率9.3%)。
【0027】
この金属錯体Aは、IRスペクトル、元素分析、1H NMR及びFAB−MSにより同定したところ、[Pd2Au2Cl2(μ-dmpz)4(dmpzH)2]であると認められた。
IR (KBr):3224 (br)、3145 (w)、3047 (w)、2975 (m)、2921 (s)、2361 (w)、2341 (w)、2251 (w)、1577 (s)、1534 (s)、1480 (m)、1416 (s)、1378 (m)、1353 (s)、1279 (m)、1174 (m)、1055 (m)、980 (w)、815 (m)、787 (s)、764 (s)、679 (m)、653 (m)、594 (m)、479 (w)、470 (w)、446 (w)
元素分析:C32H47Au2Cl2N13Pd2 (結晶溶媒としてアセトニトリルを1分子含む形、即ち、[Pd2Au2Cl2(μ-dmpz)4(dmpzH)2]・CH3CNで計算した。)に対する計算値:C 29.76; H 3.67; N 14.10%。実測値:C 29.93; H 3.59; N 14.37%。
[表1]
1H NMR data of [Pd2Au2Cl2(μ-dmpz)4(dmpzH)2] (CDCl3、TMS、300 MHz)

【0028】
また、金属錯体Aについて、FAB−MS法により質量分析を行った。得られた結果は、次のとおりである。
FAB-MS : m/z : 1251.1 [M+H]+ (但し、Mは錯体分子[Pd2Au2Cl2(μ-dmpz)4(dmpzH)2]を表す。)
【0029】
金属錯体Aの有機溶媒への溶解性を観察したところ、金属錯体Aは、クロロホルム、塩化メチレンには可溶であり、トルエン、ベンゼンには微溶であり、エタノール、アセトン、ジエチルエーテル、メタノール、アセトニトリル、ヘキサンには難溶であった。
【0030】
金属錯体Aの構造について説明する。
[Pd2Au2Cl2(μ-dmpz)4(dmpzH)2]は、アセトニトリルを1分子含んだ形で結晶化した。単結晶X線構造解析により分子構造を決定した。その結晶学的データを表2に示す。
[表2]
[Pd2Au2Cl2(μ-dmpz)4(dmpzH)2]・CH3CNの結晶学的データ

【0031】
ここで、表中の各項目は、上から、組成、式量、測定温度、測定波長(MoKα線=0.7107Å)、晶系、空間群、格子定数(a、b、c、α、β、γ)、格子体積、Z値、密度、線吸収係数、独立な反射の数、データ数とパラメータ数、最終R値、全反射を用いた場合のR値、GOF値である。
【0032】
金属錯体A([Pd2Au2Cl2(μ-dmpz)4(dmpzH)2])の分子構造を示すORTEP図を図1に示す。金属錯体Aは、2個のPdIIイオン、2個のAuIイオン、2個の塩化物イオン、4個のdmpz配位子、及び2個のdmpzH配位子からなる4核錯体である。各々のPd原子に配位したそれぞれ2個のdmpz配位子がPd原子とAu原子を架橋しており、各々のパラジウム(Pd)原子の残りの配位座には、Cl原子とdmpzH配位子がそれぞれ1個ずつ配位している。また、各々のCl原子は、異なるPd原子に配位したdmpzH配位子との間で水素結合を形成している。分子内にはPd・・・Pd軸に垂直に擬似的な2回回転軸が存在し、Pd・・・Pd距離は4.5330(5)Å、Au・・・Au距離は3.5319(3)Åであり、Pd・・・Au距離は3.4144(4)〜3.5556(4)Åの範囲である。また、Pd−Cl距離は2.306(1)Å及び2.313(1)Åであり、Pd−N距離は1.995(4)〜2.027(4)Å、Au−N距離は2.001(4)〜2.009(4)Åの範囲である。
【0033】
金属錯体Aは、254nm又は365nmの紫外光の照射により、固体状態でオレンジ色の発光を示した。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】金属錯体Aの分子構造を示すORTEP図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(a)で表される組成を含む金属錯体。
[(PdII2(MI2(X)2(L)4(L’)2] (a)
(式中、MIは、AgI、AuI、又はCuIを表し、Xは、Cl、Br又はIを表す。Lは、下記式(1)で表され、L’は、下記式(2)で表される。2個存在するMIは、同一であっても異なっていてもよい。4個存在するLは、同一であっても異なっていてもよい。2個存在するL’は、同一であっても異なっていてもよい。)



(式中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、又は置換されいてもよい1価の複素環基を表す。)
【請求項2】
下記式(b)で表される組成を含む請求項1に記載の金属錯体。
[{(PdII)(MI)(X)(L)2(L’)}2] (b)
(式中、MI、X、L及びL’は、前記と同じ意味を表す。)
【請求項3】
前記R1、R2及びR3の少なくとも1個は、ハロゲン原子、水酸基、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、又は置換されいてもよい1価の複素環基である請求項1又は2に記載の金属錯体。
【請求項4】
前記R1、R2及びR3の少なくとも1個は、置換されていてもよいアルキル基又は置換されていてもよいアリール基である請求項3に記載の金属錯体。
【請求項5】
分子中に2回回転軸が存在する請求項1〜4のいずれか一項に記載の金属錯体。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の金属錯体を含む発光層を有する発光素子。
【請求項7】
請求項6に記載の発光素子を備えた表示装置。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2009−191027(P2009−191027A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−34306(P2008−34306)
【出願日】平成20年2月15日(2008.2.15)
【出願人】(504205521)国立大学法人 長崎大学 (226)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】