説明

パラフィンの接触分解法

【課題】ゼオライト骨格をもつMCM−68を用いてパラフィンを接触分解することにより、これまでより低い温度でより高いプロピレン選択性を実現する。
【解決手段】アルミノシリケート[Al]-MCM-68のAl量を調節し、ヘキサンの接触分解(クラッキング)反応の触媒として利用したところ、分解生成物中のプロピレンの収率が従来のゼオライト触媒(ZSM-5など)よりも高いことを見出した。パラフィン原料を接触分解して軽質オレフィンを製造する方法であって、Si/Al比が20〜150のアルミノシリケートMCM−68を触媒として用いる方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、パラフィン(アルカン)を接触分解する方法に関し、より詳細には、Si/Alを調節したアルミノシリケートMCM−68を触媒として用いて、パラフィンを接触分解してプロピレンを多く含む軽質オレフィン(アルケン)を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
C6程度のパラフィンを接触分解して、プロピレンを得るために、従来型ゼオライト触媒として、Si/Alを種々調節したZSM−5、ベータ型ゼオライト、モルデナイトなどが知られている(特許文献1など)。しかし、プロピレンの収率には限界があった。プロピレンは現在、主として軽質ナフサの約700〜800℃での熱分解で得られている。しかし、熱分解では理論上エチレンが生成しやすく、実際エチレン選択性が高い。
一方、アルミノシリケートMCM−68は2000年にMobil社により合成された比較的新しいゼオライトである(特許文献2など)。このゼオライトは、大細孔(12員環細孔)や中細孔(10員環細孔)が三次元的に交わった構造をもつ。このタイプのゼオライトは一般に広い表面積と大きな内部空間を持つので、石油精製や石油化学プロセスにおける触媒として有用であり、比較的嵩高い有機分子を基質とする触媒として有用と期待されている。MCM−68はSi/Al比が9〜12であることから比較的Al含有量、つまり活性点が多く、さらに安定なため酸触媒として検討され、中でも、炭化水素の吸着能力が高いため、それが関与する反応、例えば芳香族炭化水素のアルキル化やアルキル芳香族炭化水素のトランスアルキル化、異性化、不均化、脱アルキル化などにおいて高い活性を示すため、炭化水素プロセシング触媒の基盤材料として期待されている。
本発明者らは、このMCM−68を脱アルミニウム処理して得られるSi/Al比が70程度のMCM−68が、ビフェニルのイソプロピル化反応の触媒として有効であることを報告している(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4048458号
【特許文献2】特表2002-535227
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Micropor. Mesopor. Mater., 116, 216-226 (2008)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
アルミノシリケートなどの固体酸を用いた接触分解法を用いれば、反応温度を低下させるとともにプロピレン選択性を向上させることができる。もしプロピレンを軽質ナフサの450〜600℃付近での接触分解で得られれば、熱分解と比較して省エネ効果も非常に大きいと考えられる。
本発明は、今まで全く検討されてこなかった新しいゼオライト骨格をもつMCM−68を用いてパラフィンを接触分解することにより、これまでより低い温度でより高いプロピレン選択性を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、アルミノシリケートMCM−68のAl量を調節し、ヘキサンの接触分解(クラッキング)反応の触媒として利用したところ、分解生成物中のプロピレンの収率が従来のゼオライト触媒(ZSM−5など)よりも高いことを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、パラフィン原料を接触分解して軽質オレフィンを製造する方法であって、Si/Al比が20〜150のアルミノシリケートMCM−68を触媒として用いる方法である。
また、本発明は、Si/Al比が20〜150のアルミノシリケートMCM−68から成るパラフィンの接触分解用触媒である。
更に、本発明は、有機鋳型を用いた結晶化によりSi/Al比が8.3〜15のアルミノシリケートMCM−68を製造する段階、及びこのアルミノシリケートMCM−68を脱アルミニウム化してSi/Al比が20〜150のアルミノシリケートMCM−68を製造する段階から成るパラフィンの接触分解用触媒の製造方法である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の触媒であるアルミノシリケートMCM−68は、パラフィンの接触分解用の触媒としてSi/Al比が最適化されており、パラフィンの接触分解反応に用いた場合、触媒活性が高く、プロピレン(C3=)の選択性・収率が高い。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施例の触媒反応に用いた固定床常圧流通反応装置を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明のアルミノシリケートは、MCM−68の基本骨格を有し、Si/Al比を20〜150、好ましくは30〜80としたものである。Si/Al比がこれよりも小さい領域では、反応初期の瞬間的な活性は高いが、コーキング(炭素析出)による活性劣化が激しく、結果的に活性の低い触媒となってしまう。一方、Si/Al比が高すぎると酸触媒としての活性が低下する。
【0010】
なお、本発明に於て、Si/Al比(モル比)は、誘導結合プラズマ原子発光スペクトル(ICP-AES)分析を用いて定量した値をいう。即ち、ICP-AES測定により得られるAlの重さ(mg/L)からSiのモル数と金属のモル数を計算し、これらから算出されるSi/Alモル比をいう。
通常は、処理時間や温度などの条件に対するSi/Alモル比について予め検量線を作成しておき、その条件を管理することにより所望のSi/Alモル比のシリケートを得ることができる。
【0011】
本発明のアルミノシリケートは、(1)Si/Alが約8.3〜15であるMCM−68を製造する工程、及び(2)このMCM−68を、Si/Alが20〜150、好ましくは30〜80となるように酸処理を行う工程(脱アルミニウム処理工程)から成る製法により得ることができる。
以下、本発明のアルミノシリケートの製法を順に説明する。
(1)まず、Si/Alが約8.3〜15であるMCM−68(以下「Al−MCM−68」とも表す。)を製造する。
MCM-68は、12員環及び10員環のチャンネルが三次元的に交わった構造をもつアルミノシリケートである。ユニットセル(単位胞)はSi100.6Al111.4O224という組成の正方晶系である。MCM-68構造についてはInternational Zeolite Association Structure Commission (IZA-SC)の三文字コードはMSEで、表1に示す原子座標で一義的に決まる骨格トポロジーをもつ。c軸方向にまっすぐな12員環チャンネル(直径0.67nm)、a軸及びb軸方向に2つのうねった10員環チャンネル(直径0.50-0.55nm)が存在する。また、10員環を通ることによってのみアクセス可能な空洞(ケージ)(0.65×1.73nm)を有する(J. Phys. Chem. B, 2006, 110, 2045-2050)。
【0012】
【表1】

注)空間群 P42/mnm (International Union of Crystallography (IUCr)の定めるNo. 136の空間群)格子定数 a (=b) = 18.286(1) Å, c = 20.208(2) Å
【0013】
アルミノシリケートMCM−68は、以下の組成式で表される。
AlSi112−n224
(式中、nは7〜12を表す。)
Si/Alは約8.3〜15である。
また、X線回折データは以下の値を含む。
2θ=6.56±0.10、6.88±0.10、8.16±0.10、8.80±0.10、9.70±0.10、19.50±0.10、21.76±0.10、22.56±0.10、23.10±0.10
【0014】
このアルミノシリケートMCM-68は次のようにして作製することができる。
1.MCM-68作成のための鋳型(構造規定剤:SDA)として、ビシクロ[2.2.2]オクト-7-エン-2,3:5,6-テトラカルボン酸二無水物から3工程でN,N,N',N'-テトラエチルビシクロ[2.2.2]オクト-7-エン-2,3:5,6-ジピロリジニウム 二ヨウ化物を合成する。
2.上記ヨウ化物、コロイダルシリカ、水酸化カリウム、水酸化アルミニウム、水を混合して得たゲルを、オートクレーブ中160℃で16日間加熱する。
3.ろ過して得られた結晶(as-synthesized sample)を600℃で5時間焼成する。
【0015】
(2)脱Al処理(酸処理)段階
この段階では、アルミノシリケートMCM−68を、Si/Al(モル比)が20〜150、好ましくは30〜80となるように酸処理を行う。
酸処理は以下の条件で行う。
酸としては、硝酸、塩酸及び硫酸が挙げられる。この酸を約1〜6Mの水溶液で用いることが好ましい。
この水溶液中でアルミノシリケートMCM−68を通常約80〜100℃で約24時間以上、好ましくは約24〜36時間加熱する。
Si/Al(モル比)を所望の値とするには、酸の種類や濃度及び処理時間や温度などの条件に対する脱アルミの度合い(Si/Alモル比)について予め知見を得ておき、その条件を管理することにより制御する。
このようにして得られたアルミノシリケートをdeAl−MCM−68とも表す。
【0016】
この段階で得られるdeAl−MCM−68は、以下の組成式で表される。
4n−3mAlSi112−n224
(式中、mは0〜0.74、nは7〜12を表す。)
また、X線回折データは以下の値を含む。
2θ=6.56±0.10、6.86±0.10、8.16±0.10、8.80±0.10、9.68±0.10、19.48±0.10、21.76±0.10、22.66±0.10、23.18±0.10
【0017】
工業的パラフィンの接触分解は通常以下のように行われる。
反応管(内径4mm〜400mm、長さ100mm〜10m)に保持した触媒層(0.1g〜10kg)を400〜600℃に加熱し、これにパラフィンまたはナフサを不活性ガスとともに気相で流通させる。触媒反応時の接触時間(W/F)は通常1〜100 g-catalyst h (mol)-1の範囲となるように調節される。
【実施例】
【0018】
以下、実施例にて本発明を例証するが本発明を限定することを意図するものではない。
本実施例において、Si/Ti及びSi/Alは誘導結合プラズマ原子発光分析計(島津製作所製 ICP-8000E)を用いて検量線法(水溶液モード)により決定した。
【0019】
実施例1
(1)アルミノシリケートの合成
アルミノシリケートの合成に先立ち、Al-MCM-68を結晶化するための構造規定剤(structure-directing agent, SDA)であるN,N,N',N'-tetraethylbicyclo[2.2.2]oct-7-ene-2,3:5,6-dipyrrolidinium diiodide (TEBOP2+(I-)2)を既報(特許文献2)に従って調製した。
次にこのSDAを用いてAl-MCM-68の水熱合成を行った。具体的にはまず、内容積180 mLのフッ素樹脂(PFA)製容器にコロイダルシリカ(デュポン社、LUDOX(登録商標)HS-40,SiO2: 40wt%)を6.01 g (40 mmol, SiO2)入れ、Al(OH)3 (Pfaltz & Bauer) 312 mg (4.0 mmol)を溶かして10分間攪拌した。次にKOH (8mol/L, 6.047mmol/g) (Wako)を加え、30分間攪拌し、最後に構造規定剤SDA (TEBOP2+(I-)2) 2.23 g (4.0 mmol)を加え3時間攪拌した。ゲル組成比はSiO2-0.1 TEBOP2+(I-)2- 0.375 KOH-0.1 Al(OH)3-30 H2Oとした。調製したゲルを125 mLオートクレーブに移し、160℃のオーブン中で16日間静置した。得られた生成物を遠心分離し、その後80℃オーブン中で乾燥して白色粉末2.55 g (Al-MCM-68 (as-synthesized))を得た。
【0020】
(2)アルミノシリケートの触媒調製
得られたAl-MCM-68をマッフル炉にて600℃、10時間焼成を行い、アルミノシリケートに含まれるSDAを除去した。このとき、昇温速度は1〜2℃/minとして行った。焼成後の固体試料も粉末X線回折により、MSE構造を保持していることを確認した。
焼成後のAl-MCM-68を硝酸処理により、適宜脱アルミニウムを行った。具体的には、100-mLナスフラスコへ0.5〜2.0 Mの硝酸水溶液45 mLを入れ、そこに焼成したAl-MCM-68を1.5 g加えたのち、空気雰囲気、還流条件下で2時間撹拌した。硝酸処理後には、ろ過・蒸留水による洗浄を行ってから、回収した固体を100℃で一晩乾燥した。硝酸処理後の固体試料も粉末X線回折により、MSE構造を保持していることを確認した。硝酸処理により、適度に脱アルミニウムしたAl-MCM-68(deAl-MCM-68、Si/Al比=51、74及び156)が得られた。
【0021】
比較のため、脱アルミニウム処理を行っていないAl-MCM-68も調製した。焼成後のAl-MCM-68のイオン交換サイトに存在するKカチオンを除去するためにアンモニウムイオン交換を行った。具体的には、250 mL-PPボトル中で硝酸アンモニウム(NH4NO3)3.0 gを蒸留水75 gに溶解したのち、焼成したAl-MCM-68を1.5 g加えて、80℃で24時間加熱した。加熱後、ろ過して固体試料を回収した。イオン交換及びろ過の作業を合わせて3回繰り返し行ったのち、固体試料を乾燥し、アンモニウム型Al-MCM-68を得た。その後、マッフル炉にて550℃、6時間焼成を行い、プロトン型Al-MCM-68とした。イオン交換及び焼成後の固体試料も粉末X線回折により、MSE構造を保持していることを確認した。またプロトン型Al-MCM-68のSi/Al比は13であり、もとのAl-MCM-68のSi/Al比12からほとんど変わっておらず、脱アルミニウムはほとんど起きていないものと考えられる。
【0022】
(3)触媒反応装置
触媒反応実施に先立ち、粉末状のアルミノシリケートを成型・整粒した。具体的には、アルミノシリケート粉末1〜2 gを内径20 mmの錠剤成型器に詰めたのち、油圧プレスにて0.4 MPaで加圧成型し、径が20 mmのペレットを得た。このペレットをふるいの上で適度に粉砕し、500〜600μmに整粒してこれを触媒として用いた。
本実施例における触媒反応は固定床常圧流通反応装置を用いて行った。装置の概略図を図1に示す。反応物であるヘキサンはシリンジポンプを用いてシリンジから供給し、キャリアガスであるメタン(5%)−ヘリウム混合ガスに導入した。シリンジポンプから供給されたヘキサンは、あらかじめ加熱した気化室に導入されるため蒸発して気体となり、この気体をキャリアガスに同伴した。反応装置のガスラインには内径2 mmのステンレスパイプを用いて、ヒーターで外側から適温に加熱することで気化したヘキサンの凝縮を防いだ。
反応管は内径8 mmの石英管を用い、これに先に整粒したアルミノシリケート触媒を100 mg詰め、石英ウールで触媒層を反応管中央部に保持した。反応前処理として、空気流通下で約7℃/minの昇温速度で650℃まで昇温し、この雰囲気で1時間保持した。その後、ヘリウム流通に切り替えてから5℃/minで450℃まで反応管温度を下げた。450℃で安定したのを確認してから、ヘキサンを同伴したメタン−ヘリウム混合ガスを触媒層に供給し、触媒反応を開始した。反応実施中は所定時間に六方バルブを切り替えることで、サンプリングループに溜めた反応後の生成物をガスクロマトグラフへ導入し、キャピラリーカラムで分離後、水素炎検出器(FID)にて各生成物・未反応物の定性・定量を行った。所定時間(70分)経過後、触媒層へのヘキサンの供給をやめ、ヘリウム流通に切り替えた。その後で、1〜2℃/minで500℃まで昇温して温度が安定したところで、再びヘキサンを供給し、触媒反応を行った。同様の操作を550及び600℃でも続けて行った。触媒反応時のW/Fはいずれの反応温度でも、12.1 g-catalyst h (mol-hexane)-1とした。600℃での触媒反応を停止した後には、ヘリウム流通下で自然放冷した。
【0023】
(4)結果
各アルミノシリケート触媒でのヘキサンのクラッキングの結果を表2に示す。各生成物への選択率はカーボンベース(炭素原子換算)で求めた。プロピレン収率(C=収率)は、転化率×プロピレン(C=)への選択率で求めた。アルミノシリケートの表記中のかっこの中の数字はSi/Al比(原子比)を表す。
なお、反応温度は、固定床常圧流通反応装置の石英製反応管を外側から加熱するように設置したヒーターと、反応管との間で測定したものである。
【表2】

【0024】
表2から、Si/Al比が上がるにつれて転化率は下がり、特に、deAl-MCM-68(156)はdeAl-MCM-68(51)に比べて低い。
また、Si/Al比が低いと(13では)、プロピレン(C=)への選択率は低い。脱アルミニウム処理をしていないAl-MCM-68(13)では顕著な活性低下が起こり、反応温度600℃ではより低い反応温度でのクラッキング活性を下回っていた。deAl-MCM-68(51)は、反応温度によらず、高いプロピレン選択性を示し、また顕著な失活も起こらなかった。具体的には、deAl-MCM-68(51)では450℃から600℃の広い範囲かつ反応開始5分後から65分経過後でも、45%を超えるプロピレン選択率が得られた。
反応温度600℃において、Si/Al比が50〜80の場合、プロピレン収率は30%以上であり、パラフィンを接触分解してプロピレンを多く含む軽質オレフィン(アルケン)を製造するためには好ましいといえる。
【0025】
次に、反応後に回収したアルミノシリケート触媒の炭素析出量を求めた。
触媒を用いて、順に反応温度を450℃、500℃、550℃、600℃として70分間ずつ反応を実施してからヘリウム気流下で放冷した後に室温で触媒を回収した。回収した触媒を示差熱・熱重量分析装置(TG-DTA)にて重量減少値を測定した。重量減少値のうち、150〜800℃までの重量減少を触媒上に析出した炭素が燃焼したものと考え、析出炭素量を重量(WA)で見積もった。一方、無機物である触媒はこの測定中に酸化・燃焼が全く起こらないものと考えて、測定前の試料重量(WB)から800℃までに減少した重量(WC)を差し引いたものを触媒そのものに由来する重量(WD(=WB−WC))として見積もった。炭素析出量は(WA/WD)により百分率で算出した。炭素析出が起きると活性低下の原因となると考えられる。結果を表3に示す。
【表3】

deAl-MCM-68(51)及びdeAl-MCM-68(156)は、温度によらず、クラッキング活性はほとんど低下せず、炭素析出量も非常に少なかった。しかし、Al-MCM-68(13)の炭素析出量は非常に多いことから、Si/Al比が20未満では激しい炭素析出が起こり、触媒としては好ましくないといえる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パラフィン原料を接触分解することから成る軽質オレフィンを製造する方法であって、Si/Al比が20〜150のアルミノシリケートMCM−68を触媒として用いる方法。
【請求項2】
Si/Al比が30〜80である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
反応温度が450〜600℃である請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記パラフィン原料がC5−C8炭化水素を含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記パラフィン原料がナフサである請求項4に記載の方法。
【請求項6】
Si/Al比が20〜150のアルミノシリケートMCM−68から成るパラフィンの接触分解用触媒。
【請求項7】
Si/Al比が30〜80である請求項6に記載の触媒。
【請求項8】
有機鋳型を用いた結晶化によりSi/Al比が8.3〜15のアルミノシリケートMCM−68を製造する段階、及びこのアルミノシリケートMCM−68を脱アルミニウム化してSi/Al比が20〜150のアルミノシリケートMCM−68を製造する段階から成るパラフィンの接触分解用触媒の製造方法。
【請求項9】
脱アルミニウム化の段階で、Si/Al比が30〜80のアルミノシリケートMCM−68を製造する請求項8に記載の方法。

【図1】
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【公開番号】特開2010−202613(P2010−202613A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−51952(P2009−51952)
【出願日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(504182255)国立大学法人横浜国立大学 (429)
【Fターム(参考)】