パーツ付詰め替え用容器
【課題】蓋材の構造を簡素にできるとともに、取り扱いが容易で、コストの低減化にも寄与するパーツ付詰め替え用容器を提供する。
【解決手段】容器本体2の開口部2Aの内側にこの開口部2Aとほぼ同径の筒状のリング3Aと、このリング3Aに一体に設けられていて前記開口部に向かってテーパーのある漏斗3Cを一体に備えてなるパーツが固着されていると共に、前記容器本体2の開口部2Aはバリア性を有するシート状の蓋4が貼着されて内部が密封され、前記漏斗3Cには切断刃13が設けられていて、前記容器を開封するために前記蓋4を押す作用によって前記切断刃13が当該蓋4を切断するように構成されたものである。
【解決手段】容器本体2の開口部2Aの内側にこの開口部2Aとほぼ同径の筒状のリング3Aと、このリング3Aに一体に設けられていて前記開口部に向かってテーパーのある漏斗3Cを一体に備えてなるパーツが固着されていると共に、前記容器本体2の開口部2Aはバリア性を有するシート状の蓋4が貼着されて内部が密封され、前記漏斗3Cには切断刃13が設けられていて、前記容器を開封するために前記蓋4を押す作用によって前記切断刃13が当該蓋4を切断するように構成されたものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体や粒体などの詰め替えに用いられるもので、紙を主体としたカップ状の容器本体、リング付のパーツ、シール状の蓋材を備えていて、容器本体の開口部に前記パーツが接合されてなるパーツ付詰め替え用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
この種パーツ付詰め替え用容器にあっては、前記パーツがリングと、例えばインスタントコーヒー等の内容物の移し替えの便に供する漏斗部とを備えてなり、合成樹脂素材、具体的には高密度ポリエチレン(HDPE)や容器本体と同じ紙などを主体とした素材によって一体成形されている。
【0003】
ところで、従来このような詰め替え用としての容器としては、合成樹脂製フィルムからなる包装袋が多く使用されている。例えば上方に再封用のジッパー部を設けた自立性を有するガゼット袋である。
【0004】
しかし、上記のガゼット袋は詰め替えに先立ってあらかじめ開封しておく必要があると共に、詰め替えの際に内容物がこぼれ易いことから、詰め替え作業が非常に面倒であるという問題があった。更には、詰め替える際、インスタントコーヒーなどの内容物が外気に触れてしまうために、内容物の持つ香りや風味が損なわれてしまったり、大気中の水分を吸収したりする問題も生じていた。
【0005】
このような欠点を解消する目的で、別の手段として開発、市販されているのが、例えば紙製容器や紙管の開口にバリア性を備えたシート状の蓋を貼着し、この蓋の上方にオーバーキャップを被せて容器本体の開口部を密封してなり、更にこのシート状の蓋の樹脂層に、開口部の径に相当する全長にわった例えばミシン目やカット線、更には破断線などの強度弱点部を設け、この強度弱点部を押し破ることによって容易に開封できるようにしたものである。
【特許文献1】特開2006―290373号公報
【特許文献2】特開2002―104515号公報
【特許文献3】特開平09―110077号公報
【特許文献4】特開平06−001375号公報
【特許文献5】特開平06−085295号公報
【特許文献6】実開平07−017762号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記従来のバリア性を有する蓋を用いる構造は、強度弱点部を設けて破れ易くしているために、取り扱いが大変デリケートにならざるを得ず、また、蓋材の加工においても多層にするために工程が多岐にわり、コスト高にもなる問題点があった。
【0007】
本発明は、このような問題を解決すべくなされたもので、種々検討の結果、詰め替え作業を容易かつ確実に行えると共に香りや風味が損なわれるおそれを少なくできることは言うまでもなく、特に蓋材の構造を簡素にできるとともに、取り扱いが容易で、コストの低減化にも寄与するパーツ付詰め替え用容器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の技術的な課題を解決するために、本発明の請求項1記載のパーツ付詰め替え用容器は、容器本体の開口部の内側にパーツが固着されていると共に、このパーツは容器本体の開口部とほぼ同径の筒状のリングと、このリングに一体に設けられていて前記開口部に向かってテーパーのある漏斗を備えていると共に、前記容器本体の開口部はバリア性を有するシート状の蓋が貼着されて内部が密封され、前記漏斗にはカッタ−が設けられていて、前記容器を開封するために前記蓋を押す作用によって前記カッターが当該蓋を切断するように構成されことを特徴とする。
【0009】
このように構成されたパーツ付詰め替え用容器では、図6並びに図7に示すように、容器本体を逆さにし、パーツの漏斗を補充用の容器の一例であるジャーの口部に内嵌合出来る位置に宛がう。容器本体内のインスタントコーヒー等の粉体はパーツの漏斗内にも流下してきているが、蓋によって保持されている。次いで、図8並びに図9に示すように、容器本体に、その漏斗をジャーの口部へ向かって押し込むように押圧力を負荷する。この押圧力は、ジャーの口部、一般的には本体から円筒状に立ち上がる筒上部分が蓋を押し破るための力として働く。すなわち、このジャーの口部が蓋を押し上げて、これをパーツのリングと漏斗との間の断面三角形上の空間内に押し込む力として機能する。この押圧力が付加された蓋は、漏斗に設けらたカッターによって破断される。同時にこの漏斗はジャーの口部内に入り込む。その結果、前記パーツの漏斗の開口が開放され、容器本体内のインスタントコーヒー等の粉体が、パーツの漏斗によって、センターへと案内されつつ、一挙にジャー内へ案内流下される。
【0010】
また請求項2に記載のパーツ付詰め替え用容器は、容器本体の開口部の内側にリング付のパーツが固着されていると共に、このパーツは容器本体の開口部とほぼ同径の筒状のリングと、このリングに一体に設けられていて前記開口部に向かってテーパーのある漏斗を備えてなり、更にこの漏斗の開口部にはその端縁から半径方向に所定の間隔を隔てて内外一対のリング体が一体に突設され、内側のリング体が粉止めとして機能するように、この内側のリング体の先端が外側のそれよりも前記開口部に向かってより突出して、先端が前記開口部とほぼ同等の高さレベル位置に設定され、かつ、この内側のリング体の先端は前記開口部に対して遠近自在になるように撓み可能な薄肉厚の連結片で漏斗外側のリング体の内面に連結され、前記外側のリング体の先端には周方向の一部を除いて全周に切断刃が備わっていることを特徴とする。
【0011】
このように構成されたパーツ付詰め替え用容器では、図6並びに図7に示すように、容器本体を逆さにし、パーツの漏斗を補充用の容器の一例であるジャーの口部に内嵌合出来る位置に宛がう。容器本体内のインスタントコーヒー等の粉体はパーツの漏斗内にも流下してきているが、蓋によって保持されている。次いで、図8並びに図9に示すように、容器本体に、その漏斗をジャーの口部へ向かって押し込むように押圧力を負荷する。この押圧力は、ジャーの口部、一般的には本体から円筒状に立ち上がる筒上部分が蓋を押し破るための力として働く。すなわち、このジャーの口部が蓋を押し上げて、これをパーツのリングと漏斗との間の断面三角形上の空間内に押し込む力として機能する。この押圧力が付加された蓋は、漏斗に設けらたカッターによって破断される。同時にこの漏斗はジャーの口部内に入り込む。その結果、前記パーツの漏斗の開口が開放され、容器本体内のインスタントコーヒー等の粉体が、パーツの漏斗によって、センターへと案内されつつ、一挙にジャー内へ案内流下される。また、蓋は一部を残して切断され、切断片が完全に分離してしまうことがない。
【0012】
しかも、内側のリング体の先端と開口部とはほぼ同じ高さレベルに位置するので、その上に存在する蓋によって漏斗の開口は押圧されて封止され、蓋と漏斗の開口との密着性が高まり、蓋と漏斗の開口との間に無用な隙間が生じるのを上手く予防できる。しかし、開封時には、前記押圧力によってこの内側のリング体はその先端を蓋に押されて基部の薄肉厚の連結片が撓み、順次容器本体の内側へと押込まれ、最終的には外側のリング体の先端のカッターそ存在位置よりも更に容器本体の内側へ押圧移行される。したがって、外側のリング体に設けられたカッターを、上手く蓋の内面に当接させることができる。
【発明の効果】
【0013】
したがって、この発明は以下の効果を奏する。
本発明の請求項1並びに請求項2に係るパーツ付詰め替え用容器は、従来のスタンディングパウチ等と全く違って、容器本体を詰め替え容器の口部に押し付けて押圧することによって蓋を切断するようにしてあるので、簡単に容器本体と詰め替え容器とを直に連通させることができ、詰め替え作業を大変簡単な操作で、容易かつ確実に行うことができ、内容物を外気に触れさせるおそれも少なく、香りや風味が損なわれるおそれも少ない。
【0014】
特にカッターによって蓋を切断するようにしてあるので、従来のように蓋に強度弱点部を設ける必要がなくなる。したがって、蓋の構成を強度弱点部を設けために多層にする必要がなく、蓋の構成を大変簡単にでき、また取り扱いも大変容易になる。併せて製造工程も簡素になり、廉価に提供できる。
【0015】
また、請求項2に係るパーツ付詰め替え用容器は、漏斗の開口部が蓋でしっかりと押圧されて蓋との間に無用な隙間が生じにくいので、内容物である粉体がこの漏斗の開口と蓋との間から漏斗の外へ回り込むおそれを可及的に少なくできる。従って、詰め替えの際に、この回り込んだ粉体によって詰め替え容器の口部や周辺を不用意に汚してしまうおそれも少なくなり、衛生的に用いることができる。併せて、一部のみがつながった状態で蓋を切断できるので、切断された蓋の部分をインスタントコーヒーなどの内容物と共にジャー内へ落とし込んでしまう問題もなくなる。
【0016】
以上の構成において、本発明は請求項3に記載のように、カッターは凹凸が連続するのこ刃状であるのが望ましい。
蓋の切断をより効果的に行えるからである。
【0017】
また、請求項4に記載のように、容器本体の開口にはオーバーキャップが嵌脱自在に被せるのが望ましい。
漏斗の開口が蓋とオーバーキャップによってしっかりと押圧されて蓋との間に無用な隙間が一層生じ難く、粉体の回り込み現象を可及的に少なくできるからである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、この発明のパーツ付詰め替え用容器を、インスタントコーヒーの詰め替え用容器1に適用した場合の実施の形態について、図面に従って詳細に説明する。
【0019】
尚、本発明は、基本的には、漏斗を備えたパーツが開口部に接合されて、内容物の詰め替えを効率的に行うことができる態様のもの全般に適用できる。したがって、以下の実施例に記載の例に限定されるものでないことは改めて言うまでもない。
【0020】
先ず、詰め替え用容器1は、図1、2に示すように、容器本体2、パーツ3、バリア性を有するシート状の蓋4、オーバーキャップ5からなる。
【0021】
容器本体2は有底の円筒形で、基材には矩形の紙片が用いられる。この紙製の円筒はその外側から順に、紙層、アルミニウム箔層、ポリエチレンテレフタレート層、更に低密度ポリエチレン層が積層されて、高いガスバリア性(酸素、水蒸気、内容物由来揮発成分)を備えた複合材が採用される。積層手段は公知の技術が採用される。例えば、ラミネートや塗着などの一般的な手法である。容器本体2を作製するには、前記のような高いガスバリア性を備えた矩形の紙片を筒状に丸め、左右両サイドを重合させ、この重合部を糊代として適宜に接合される。接合手段は、接着剤を使用したり、熱融着させたり、適宜公知の手段が採用される。そして、上端は、図1、2に示すように、外方に向かって環状に巻込んでカール部6が一体に形成されている。
【0022】
この容器本体2の開口部2A内には、図1、2に示すように、パーツの一例としてのホッパ3(以下単にホッパと言う)が嵌め込まれている。具体的には、このホッパ3は前記容器本体2と同一の素材或いは厚みを0.8mmに設定された高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレンなど適宜の樹脂素材で形成されている。このホッパ3は周囲にリングとしての立ち上がり壁3A(以下単にリングという)を備える。このリング3Aは、その上端に外側に張り出すフランジ3Bを一体に備えていて、その下面が容器本体2の開口部2Aの上端、つまりカール部6の上端面6A上に載置されて、適宜に接合されてこの開口部2A内に嵌め込まれている。また、このリング3Aの下端縁から一体に、上方かつ中央に向かって順次傾斜した壁からなる漏斗3Cが備わっている。そしてこの漏斗3Cのテーパ角は、少なくとも20°、更に好ましくは40〜45°に設定される。また、ホッパ3の漏斗3Cの上端、つまり開口3C1は前記フランジ3Bの上端面とほぼ同じ高さ位置、即ちほぼ同一平面上に配置されるように設計されている。尚、接合の手段は熱融着、高周波溶着、接着剤使用など、適宜最も好ましい手段が採用される。
尚、図中6Bはカール部6に生じる段差であるが、前記シート状の蓋4の最内層に形成されているシーラント層7(後述)によって上手く封止される。
【0023】
前記ホッパ3の上端にはバリア性を有する前記蓋4がシールされている。
このバリア性を有する蓋4は、図4に示すように、最内層7はポリエチレンのシーラント層、このシーラント層7の外側にポリエチレンテレフタレート層8、その外側に接着剤層9を介して金属箔層10が貼着された高いガスバリア性を備えた複合シートが採用される。この層構造は一例を示したに過ぎず、必要に応じて、前記シーラント層7と金属箔層10、更に両者を繋ぐ接着剤層9の三層であっても良く、単にアルミニウムフイルムやアルミニウムをコーティングした樹脂シートなどであっても良い。
【0024】
また、蓋4の全体形状は、図1、2示すように、前記容器本体2の開口部2Aとほぼ同径、具体的には約90mmφの円形を呈し、その周縁部4Aが前記パーツ3のフランジ3Bの上面に適宜に貼着される。一般的には熱融着手段が採用される。但し、この場合、前記漏斗3Cの上端縁、つまり開口3C1の上縁に対しては、単に接触するのみとしてある。この漏斗3Cの開口部3C1の開放を迅速で、且つ、容易にするためである。
【0025】
オーバーキャップ5は、前記保容器本体2と同一の素材或いは厚みを0.8mm程度に設定された高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレンなど適宜の樹脂が採用され、図1〜3に示すように、前記容器本体2の開口部2Aに外嵌合し、前記蓋4を保護し、併せて内部を衛生的に保つように働く。特に周縁の垂下壁5Aの下端部にはアンダーカット5Bを備えている。このアンダーカット5Bは容器本体2のカール部6に下面に弾性的に係合されて嵌着状態を維持する。
【0026】
以上の構成において、特に本発明では、前記ホッパー3に設けられた漏斗3Cの先端部の構造に特徴がある。
すなわち、図1、2に示すように、漏斗3Cの開口部3C1にはその端縁から半径方向に所定の間隔を隔てて内外一対のリング体11、12が一体に突設されている。内側のリング体11は粉止めとして機能するように、この内側のリング体11の先端が外側のリング体12先端よりも前記容器本体2の開口部2Aに向かってより突出して設けられると共に、この内側のリング体11の先端は前記開口部2Aとほぼ同等の高さレベル位置にあるように設定されている。また、外側のリング体12の先端には、図1、2、5に示すように、周方向の一部13Aを除いて全周に凹凸が連続したのこ刃状の切断刃13が設けられている。更に内側のリング体11の基部は当該リング体11の先端が前記開口部2Aに対して遠近自在に撓み可能となるように漏斗3Cに対して薄肉厚の連結片14で連結されている。更に具体的には、この連結片14は外側のリング体12の内面に一体に連なったフランジで構成され、その内周縁から前記内側のリング体11が上方へ一体に立ち上がった構成が採用されている。
【0027】
この発明による前記詰め替え用容器1の器内部に粉状のインスタントコーヒーPを収容する作業は、一般に、ホッパ3の開口3C1を介して行われる。
【0028】
次に、このように構成された詰め替え用容器1の使用の仕方について説明する。
先ず、オーバーキャップ5を取り外し、次いで図6並びに図7に示すように、容器本体2を逆さにし、ホッパ3の漏斗3Cを補充用の容器の一例であるジャー15の円筒状の口部15Aに内嵌合出来る位置に宛がう。容器本体2内のインスタントコーヒーPはホッパ3から漏斗3C内にも流下してきているが、蓋4によって保持されている。次いで、図8並びに図9に示すように、容器本体2に、その漏斗3Cをジャー15の口部15Aへ向かって押し込むように押圧力を負荷する。この押圧力は、ジャー15の口部15A、一般的には本体から円筒状に立ち上がる筒上部分が蓋4を押し破るための力として働く。すなわち、このジャー15の口部15Aが蓋4を押し上げて、これをホッパ3のリング3Aと漏斗3Cとの間の断面三角形状の空間S内に押し込む力として機能する。この押圧力は内側のリング体11の先端を容器本体2の内側へ押込む力として働き、基部の薄肉厚の前記連結片14を撓ませ、順次容器本体2の内側へと押込む。そして最終的には外側のリング体12の先端の切断刃13の存在位置よりも更に容器本体2の内側へ押圧移行する。したがって、外側のリング体12に設けられた切断刃13を上手く蓋4の内面に当接させることができ、この切断刃13によって蓋4は一部を残し、漏斗3Cの開口部3C1と同等の径でリング状に破断される。同時にこの漏斗3Cはジャー15の口部15A内に入り込む。その結果、前記ホッパ3の漏斗3Cの開口部3C1が開放され、容器本体2内のインスタントコーヒーP等の粉体が、ホッパ3の漏斗3Cによって、センターへと案内されつつ、一挙にジャー15内へ案内流下される。また、一部が蓋4の本体部分に連なって円形状に切断されるために、切断片が完全に分離してしまうことがなく、これをインスタントコーヒーP等の粉体と共にジャー15内へ充填して(落とし込んで)しまうおそれもなくなる。
【0029】
また開封前の段階では、内側のリング体11の先端と容器本体2の開口部2Aとはほぼ同じ高さレベルに位置するので、その上に存在する蓋4によって漏斗3Cの開口部3C1は押圧されて封止され、蓋4と漏斗3Cの開口部3C1との密着性が高まり、蓋4と漏斗3Cの開口部3C1との間に無用な隙間が生じるのを上手く予防できる。
【0030】
この蓋4によって容器本体2内は密閉され、開封されるまではこの詰め替え用容器1内の気密が高度に保たれるので、インスタントコーヒーPは大気と接触することがない。また、ジャー15の口部15Aに内嵌合された漏斗3CはインスタントコーヒーPをジャー15の外部へ零れ落とすことも無く、また、外気に必要以上触れさせるおそれもなく、したがって香りや風味が損なわれるおそれを可及的に少なくできる。
【0031】
そして、重要な点は、詰め替えが行われるまでは、前記漏斗3の開口3C1の口縁は蓋4が密着している。更にその上のオーバーキャップ5の押圧力によって、一層しっかりと密着している。その結果、この漏斗3の開口3C1と蓋4との間に無用な隙間が生じ難く、仮に生じても僅かであり、容器本体2内のインスタントコーヒーPが漏斗3の外方へ回り込むおそれを上手く防止できる。その結果、詰め替えの際に、この回り込んだインスタントコーヒーPによってジャー15の口部15Aや周辺を不用意に汚してしまうおそれも少なくなり、衛生的に用いることができる。併せて、ホッパ3はフランジ3Bによって容器本体2に対して常に一定の位置に取り付けられるので、安定した取り付け状態を確保でき、的確な充填作業を可能にすると共に、インスタントコーヒーPの前記の回り込みを一層的確に防止できる。
【0032】
また、容器本体2の開口部2Aのカール部6は開口部2Aの強度を高めて変形を少なくできるので、ホッパ3の設置位置が所期通り正しく保たれてホッパ3をしっかりと保持し、漏斗3Cの開口3C1と蓋4の隙間を一層生じ難くできる。
【0033】
出来上がった蓋4の性能試験を行った結果、紙カップを用いた開口部2Aの段差6B(図2参照)における浸透液のチェック試験では、漏れの発生が全く見られなかった。更に、高温保存時にも蓋4が紙カップの開口部2Aから剥離する例は見られなかった。また、蓋4全体のバリア性はアルミ蓋と遜色なく好ましい結果を得た。ホットメルト蓋と比較して臭気の発生は全くなかった。
【0034】
以上に説明した実施形態にあって、以下に説明するような、部分的に異なる構成にした構造も採用できる。すなわち、具体的には、図10に示すような、漏斗3の開口部3Cに直接に切断刃14を設けた例であり、また、図11に示すような、内側のリング体11を備えず、外側のリング体12のみを用いた例である。何れの例でもオーバーキャップ5の存在により、通常の使用状態では、簡単には蓋4が切断刃14で破断されるおそれはないことが実験の結果からも証明された。
【0035】
尚、前記図10に示される例は、容器本体2の開口部2Aにカール部6をそなえない構造のものを採用しているが、特にこの構造にとらわれることはなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態は適宜に組み合わされる。
【0036】
また、以上の実施形態では内容物としてインスタンの粉コーヒーを対象としているが、その他にも食品、非食品の他の分流体に適用できる。例えば、水溶性のミルク(粉ミルク)、ココア、茶、又はこれらの組み合わせの粉など。更には乾燥マッシュポテトや他の乾燥食品、ソースまたはグレービー粉、スープ粉などの他に複写機のトナーなどである。
【0037】
また、ジャー15に替わるものとして、コーヒー作成装置のコーヒー粉タンク、更には複写機のトナー補充容器などにも適用できる。
【0038】
更に、前記蓋3のバリア材としてはアルミニウム箔が採用されているが、これに代えて、例えばアルミ蒸着フィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVOH)、ポリビニルアルコール(PVA)などのバリア性フイルム、更にはポリ酢酸ビニル(PVAC)やポリビニルアルコールコートフィルムなどのバリア性コーティングフィルムを採用できる。
【0039】
(実施例)
まず、ラミネート加工法によって、容器本体用として、〔容器外側〕紙層(坪量300g/m2 )/接着剤層/アルミニウム箔層(7.0μm)/ポリエチレンテレフタレート層(12μm)/接着剤層/低密度ポリエチレン層(50μm)〔容器内側〕構成の積層材料を作製した。また、ボトム部材として、〔容器外側〕低密度ポリエチレン層(20μm)/紙層(坪量230g/m2 )/低密度ポリエチレン層(20μm)/アルミニウム箔層(7.0μm)/接着剤層/ポリエチレンテレフタレート層(12μm)/接着剤層/低密度ポリエチレン層(50μm)〔容器内側〕構成の積層材料を作製した。これらの積層材料を用い、PMC社製カップ成形機で、胴部上端の外周にカール部をもつカップ状容器本体を作製した。次に、高密度ポリエチレン(三井化学 2100K)を用いて射出成形により、リング3A、フランジ3B、そして漏斗3Cを備えたホッパ3を作製した。リング3A、フランジ3B並びに漏斗3C、更にはない方のリング体11、12は共にほぼ0.8mm厚となるよう成形した。但し、連結片14は0.3mm厚となるよう成形した。更に、〔上側〕金属箔層10としてのアルミニウム箔層(15μm)/接着剤層9/ポリエチレンテレフタレート層(12μm)8/シーラント層7としての低密度ポリエチレン層(40μm)〔下側〕からなる積層材料を作製し、この積層材料を用いて蓋を作製した。
【0040】
次に、上述のカップ状容器本体をアンビルに挿着して、胴部上端のカール部を下側から支えると共に胴部を固定し、胴部上端内側の開口部に、ホッパーをリングの上端がカール部上端から上方へ突出しないようにして挿入して挿着し、溶着機を用い、開口部の内面にリングの外面を接合した。
【0041】
次いで、前記パーツの漏斗の開口を介してインスタントコーヒーを容器本体に充填した。最後に、前記カール部の上面に、ヒートシール法で前述の蓋を熱融着して容器上端側を密封し、更にこの蓋の上からオーバーキッャプを嵌着することでパーツ付紙容器を作製した。
【0042】
また、内側のリング体を備えない容器本体と内外両リング体を備えない容器本体を上記の手法、手段で作製した。
【0043】
得られた製品は何れも、従来のスタンディングパウチ等と全く違って、詰め替え作業を大変簡単な操作で、容易かつ確実に行うことができ、インスタントコーヒーPを外気に触れさせるおそれも少なく、香りや風味が保たれていることが判明した。
特に、漏斗3Cの開口3C1が蓋4とオーバーキャップ5でしっかりと押圧されていて、インスタントコーヒーPがこの漏斗3Cの外部へ回り込んだ形跡は見られなかった。併せて、複数個の試験体の何れも、切断刃14によって蓋4は良好に破断された。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明のパーツ付詰め替え用容器の一実施形態を示し、容器が閉まっているときのこの容器の一端の断面図である。
【図2】図1に示された容器の一部を取り出して拡大表示した拡大図を含む全体分解斜視図である。
【図3】図1に示される断面図の要部の拡大図である。
【図4】図5中A−A線に沿った断面図である。
【図5】切断刃の構造を示す一部切欠き断面図である。
【図6】図1のパーツ付詰め替え用容器の作用の説明図で、ジャーへ内容物を補充する前の蓋と容器とジャーの関係を示す斜視図である。
【図7】図6に示される作用の説明図で、要部の断面図である。
【図8】図1のパーツ付詰め替え用容器の作用の説明図で、ジャーへ内容物を補充する途中の蓋と切断刃並びに容器とジャーの関係を示す斜視図である。
【図9】図8に示される作用の説明図で、要部の断面図である。
【図10】リング体を備えず、カール部を備えない容器本体に適用した別の実施形態を示す要部の拡大断面図である。
【図11】外側のリング体を備えた別の実施形態を示す要部の拡大断面図である。
【符号の説明】
【0045】
1…詰め替え用容器
2…容器本体
2A…開口部
3…ホッパ
3A…リング
3C…漏斗
3C1…開口
4…蓋
5…オーバーキャップ
6…カール部
7…シーラント層
10…金属箔層
11…内側のリング体
12…外側のリング体
13…切断刃
14…連結片
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体や粒体などの詰め替えに用いられるもので、紙を主体としたカップ状の容器本体、リング付のパーツ、シール状の蓋材を備えていて、容器本体の開口部に前記パーツが接合されてなるパーツ付詰め替え用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
この種パーツ付詰め替え用容器にあっては、前記パーツがリングと、例えばインスタントコーヒー等の内容物の移し替えの便に供する漏斗部とを備えてなり、合成樹脂素材、具体的には高密度ポリエチレン(HDPE)や容器本体と同じ紙などを主体とした素材によって一体成形されている。
【0003】
ところで、従来このような詰め替え用としての容器としては、合成樹脂製フィルムからなる包装袋が多く使用されている。例えば上方に再封用のジッパー部を設けた自立性を有するガゼット袋である。
【0004】
しかし、上記のガゼット袋は詰め替えに先立ってあらかじめ開封しておく必要があると共に、詰め替えの際に内容物がこぼれ易いことから、詰め替え作業が非常に面倒であるという問題があった。更には、詰め替える際、インスタントコーヒーなどの内容物が外気に触れてしまうために、内容物の持つ香りや風味が損なわれてしまったり、大気中の水分を吸収したりする問題も生じていた。
【0005】
このような欠点を解消する目的で、別の手段として開発、市販されているのが、例えば紙製容器や紙管の開口にバリア性を備えたシート状の蓋を貼着し、この蓋の上方にオーバーキャップを被せて容器本体の開口部を密封してなり、更にこのシート状の蓋の樹脂層に、開口部の径に相当する全長にわった例えばミシン目やカット線、更には破断線などの強度弱点部を設け、この強度弱点部を押し破ることによって容易に開封できるようにしたものである。
【特許文献1】特開2006―290373号公報
【特許文献2】特開2002―104515号公報
【特許文献3】特開平09―110077号公報
【特許文献4】特開平06−001375号公報
【特許文献5】特開平06−085295号公報
【特許文献6】実開平07−017762号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記従来のバリア性を有する蓋を用いる構造は、強度弱点部を設けて破れ易くしているために、取り扱いが大変デリケートにならざるを得ず、また、蓋材の加工においても多層にするために工程が多岐にわり、コスト高にもなる問題点があった。
【0007】
本発明は、このような問題を解決すべくなされたもので、種々検討の結果、詰め替え作業を容易かつ確実に行えると共に香りや風味が損なわれるおそれを少なくできることは言うまでもなく、特に蓋材の構造を簡素にできるとともに、取り扱いが容易で、コストの低減化にも寄与するパーツ付詰め替え用容器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の技術的な課題を解決するために、本発明の請求項1記載のパーツ付詰め替え用容器は、容器本体の開口部の内側にパーツが固着されていると共に、このパーツは容器本体の開口部とほぼ同径の筒状のリングと、このリングに一体に設けられていて前記開口部に向かってテーパーのある漏斗を備えていると共に、前記容器本体の開口部はバリア性を有するシート状の蓋が貼着されて内部が密封され、前記漏斗にはカッタ−が設けられていて、前記容器を開封するために前記蓋を押す作用によって前記カッターが当該蓋を切断するように構成されことを特徴とする。
【0009】
このように構成されたパーツ付詰め替え用容器では、図6並びに図7に示すように、容器本体を逆さにし、パーツの漏斗を補充用の容器の一例であるジャーの口部に内嵌合出来る位置に宛がう。容器本体内のインスタントコーヒー等の粉体はパーツの漏斗内にも流下してきているが、蓋によって保持されている。次いで、図8並びに図9に示すように、容器本体に、その漏斗をジャーの口部へ向かって押し込むように押圧力を負荷する。この押圧力は、ジャーの口部、一般的には本体から円筒状に立ち上がる筒上部分が蓋を押し破るための力として働く。すなわち、このジャーの口部が蓋を押し上げて、これをパーツのリングと漏斗との間の断面三角形上の空間内に押し込む力として機能する。この押圧力が付加された蓋は、漏斗に設けらたカッターによって破断される。同時にこの漏斗はジャーの口部内に入り込む。その結果、前記パーツの漏斗の開口が開放され、容器本体内のインスタントコーヒー等の粉体が、パーツの漏斗によって、センターへと案内されつつ、一挙にジャー内へ案内流下される。
【0010】
また請求項2に記載のパーツ付詰め替え用容器は、容器本体の開口部の内側にリング付のパーツが固着されていると共に、このパーツは容器本体の開口部とほぼ同径の筒状のリングと、このリングに一体に設けられていて前記開口部に向かってテーパーのある漏斗を備えてなり、更にこの漏斗の開口部にはその端縁から半径方向に所定の間隔を隔てて内外一対のリング体が一体に突設され、内側のリング体が粉止めとして機能するように、この内側のリング体の先端が外側のそれよりも前記開口部に向かってより突出して、先端が前記開口部とほぼ同等の高さレベル位置に設定され、かつ、この内側のリング体の先端は前記開口部に対して遠近自在になるように撓み可能な薄肉厚の連結片で漏斗外側のリング体の内面に連結され、前記外側のリング体の先端には周方向の一部を除いて全周に切断刃が備わっていることを特徴とする。
【0011】
このように構成されたパーツ付詰め替え用容器では、図6並びに図7に示すように、容器本体を逆さにし、パーツの漏斗を補充用の容器の一例であるジャーの口部に内嵌合出来る位置に宛がう。容器本体内のインスタントコーヒー等の粉体はパーツの漏斗内にも流下してきているが、蓋によって保持されている。次いで、図8並びに図9に示すように、容器本体に、その漏斗をジャーの口部へ向かって押し込むように押圧力を負荷する。この押圧力は、ジャーの口部、一般的には本体から円筒状に立ち上がる筒上部分が蓋を押し破るための力として働く。すなわち、このジャーの口部が蓋を押し上げて、これをパーツのリングと漏斗との間の断面三角形上の空間内に押し込む力として機能する。この押圧力が付加された蓋は、漏斗に設けらたカッターによって破断される。同時にこの漏斗はジャーの口部内に入り込む。その結果、前記パーツの漏斗の開口が開放され、容器本体内のインスタントコーヒー等の粉体が、パーツの漏斗によって、センターへと案内されつつ、一挙にジャー内へ案内流下される。また、蓋は一部を残して切断され、切断片が完全に分離してしまうことがない。
【0012】
しかも、内側のリング体の先端と開口部とはほぼ同じ高さレベルに位置するので、その上に存在する蓋によって漏斗の開口は押圧されて封止され、蓋と漏斗の開口との密着性が高まり、蓋と漏斗の開口との間に無用な隙間が生じるのを上手く予防できる。しかし、開封時には、前記押圧力によってこの内側のリング体はその先端を蓋に押されて基部の薄肉厚の連結片が撓み、順次容器本体の内側へと押込まれ、最終的には外側のリング体の先端のカッターそ存在位置よりも更に容器本体の内側へ押圧移行される。したがって、外側のリング体に設けられたカッターを、上手く蓋の内面に当接させることができる。
【発明の効果】
【0013】
したがって、この発明は以下の効果を奏する。
本発明の請求項1並びに請求項2に係るパーツ付詰め替え用容器は、従来のスタンディングパウチ等と全く違って、容器本体を詰め替え容器の口部に押し付けて押圧することによって蓋を切断するようにしてあるので、簡単に容器本体と詰め替え容器とを直に連通させることができ、詰め替え作業を大変簡単な操作で、容易かつ確実に行うことができ、内容物を外気に触れさせるおそれも少なく、香りや風味が損なわれるおそれも少ない。
【0014】
特にカッターによって蓋を切断するようにしてあるので、従来のように蓋に強度弱点部を設ける必要がなくなる。したがって、蓋の構成を強度弱点部を設けために多層にする必要がなく、蓋の構成を大変簡単にでき、また取り扱いも大変容易になる。併せて製造工程も簡素になり、廉価に提供できる。
【0015】
また、請求項2に係るパーツ付詰め替え用容器は、漏斗の開口部が蓋でしっかりと押圧されて蓋との間に無用な隙間が生じにくいので、内容物である粉体がこの漏斗の開口と蓋との間から漏斗の外へ回り込むおそれを可及的に少なくできる。従って、詰め替えの際に、この回り込んだ粉体によって詰め替え容器の口部や周辺を不用意に汚してしまうおそれも少なくなり、衛生的に用いることができる。併せて、一部のみがつながった状態で蓋を切断できるので、切断された蓋の部分をインスタントコーヒーなどの内容物と共にジャー内へ落とし込んでしまう問題もなくなる。
【0016】
以上の構成において、本発明は請求項3に記載のように、カッターは凹凸が連続するのこ刃状であるのが望ましい。
蓋の切断をより効果的に行えるからである。
【0017】
また、請求項4に記載のように、容器本体の開口にはオーバーキャップが嵌脱自在に被せるのが望ましい。
漏斗の開口が蓋とオーバーキャップによってしっかりと押圧されて蓋との間に無用な隙間が一層生じ難く、粉体の回り込み現象を可及的に少なくできるからである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、この発明のパーツ付詰め替え用容器を、インスタントコーヒーの詰め替え用容器1に適用した場合の実施の形態について、図面に従って詳細に説明する。
【0019】
尚、本発明は、基本的には、漏斗を備えたパーツが開口部に接合されて、内容物の詰め替えを効率的に行うことができる態様のもの全般に適用できる。したがって、以下の実施例に記載の例に限定されるものでないことは改めて言うまでもない。
【0020】
先ず、詰め替え用容器1は、図1、2に示すように、容器本体2、パーツ3、バリア性を有するシート状の蓋4、オーバーキャップ5からなる。
【0021】
容器本体2は有底の円筒形で、基材には矩形の紙片が用いられる。この紙製の円筒はその外側から順に、紙層、アルミニウム箔層、ポリエチレンテレフタレート層、更に低密度ポリエチレン層が積層されて、高いガスバリア性(酸素、水蒸気、内容物由来揮発成分)を備えた複合材が採用される。積層手段は公知の技術が採用される。例えば、ラミネートや塗着などの一般的な手法である。容器本体2を作製するには、前記のような高いガスバリア性を備えた矩形の紙片を筒状に丸め、左右両サイドを重合させ、この重合部を糊代として適宜に接合される。接合手段は、接着剤を使用したり、熱融着させたり、適宜公知の手段が採用される。そして、上端は、図1、2に示すように、外方に向かって環状に巻込んでカール部6が一体に形成されている。
【0022】
この容器本体2の開口部2A内には、図1、2に示すように、パーツの一例としてのホッパ3(以下単にホッパと言う)が嵌め込まれている。具体的には、このホッパ3は前記容器本体2と同一の素材或いは厚みを0.8mmに設定された高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレンなど適宜の樹脂素材で形成されている。このホッパ3は周囲にリングとしての立ち上がり壁3A(以下単にリングという)を備える。このリング3Aは、その上端に外側に張り出すフランジ3Bを一体に備えていて、その下面が容器本体2の開口部2Aの上端、つまりカール部6の上端面6A上に載置されて、適宜に接合されてこの開口部2A内に嵌め込まれている。また、このリング3Aの下端縁から一体に、上方かつ中央に向かって順次傾斜した壁からなる漏斗3Cが備わっている。そしてこの漏斗3Cのテーパ角は、少なくとも20°、更に好ましくは40〜45°に設定される。また、ホッパ3の漏斗3Cの上端、つまり開口3C1は前記フランジ3Bの上端面とほぼ同じ高さ位置、即ちほぼ同一平面上に配置されるように設計されている。尚、接合の手段は熱融着、高周波溶着、接着剤使用など、適宜最も好ましい手段が採用される。
尚、図中6Bはカール部6に生じる段差であるが、前記シート状の蓋4の最内層に形成されているシーラント層7(後述)によって上手く封止される。
【0023】
前記ホッパ3の上端にはバリア性を有する前記蓋4がシールされている。
このバリア性を有する蓋4は、図4に示すように、最内層7はポリエチレンのシーラント層、このシーラント層7の外側にポリエチレンテレフタレート層8、その外側に接着剤層9を介して金属箔層10が貼着された高いガスバリア性を備えた複合シートが採用される。この層構造は一例を示したに過ぎず、必要に応じて、前記シーラント層7と金属箔層10、更に両者を繋ぐ接着剤層9の三層であっても良く、単にアルミニウムフイルムやアルミニウムをコーティングした樹脂シートなどであっても良い。
【0024】
また、蓋4の全体形状は、図1、2示すように、前記容器本体2の開口部2Aとほぼ同径、具体的には約90mmφの円形を呈し、その周縁部4Aが前記パーツ3のフランジ3Bの上面に適宜に貼着される。一般的には熱融着手段が採用される。但し、この場合、前記漏斗3Cの上端縁、つまり開口3C1の上縁に対しては、単に接触するのみとしてある。この漏斗3Cの開口部3C1の開放を迅速で、且つ、容易にするためである。
【0025】
オーバーキャップ5は、前記保容器本体2と同一の素材或いは厚みを0.8mm程度に設定された高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレンなど適宜の樹脂が採用され、図1〜3に示すように、前記容器本体2の開口部2Aに外嵌合し、前記蓋4を保護し、併せて内部を衛生的に保つように働く。特に周縁の垂下壁5Aの下端部にはアンダーカット5Bを備えている。このアンダーカット5Bは容器本体2のカール部6に下面に弾性的に係合されて嵌着状態を維持する。
【0026】
以上の構成において、特に本発明では、前記ホッパー3に設けられた漏斗3Cの先端部の構造に特徴がある。
すなわち、図1、2に示すように、漏斗3Cの開口部3C1にはその端縁から半径方向に所定の間隔を隔てて内外一対のリング体11、12が一体に突設されている。内側のリング体11は粉止めとして機能するように、この内側のリング体11の先端が外側のリング体12先端よりも前記容器本体2の開口部2Aに向かってより突出して設けられると共に、この内側のリング体11の先端は前記開口部2Aとほぼ同等の高さレベル位置にあるように設定されている。また、外側のリング体12の先端には、図1、2、5に示すように、周方向の一部13Aを除いて全周に凹凸が連続したのこ刃状の切断刃13が設けられている。更に内側のリング体11の基部は当該リング体11の先端が前記開口部2Aに対して遠近自在に撓み可能となるように漏斗3Cに対して薄肉厚の連結片14で連結されている。更に具体的には、この連結片14は外側のリング体12の内面に一体に連なったフランジで構成され、その内周縁から前記内側のリング体11が上方へ一体に立ち上がった構成が採用されている。
【0027】
この発明による前記詰め替え用容器1の器内部に粉状のインスタントコーヒーPを収容する作業は、一般に、ホッパ3の開口3C1を介して行われる。
【0028】
次に、このように構成された詰め替え用容器1の使用の仕方について説明する。
先ず、オーバーキャップ5を取り外し、次いで図6並びに図7に示すように、容器本体2を逆さにし、ホッパ3の漏斗3Cを補充用の容器の一例であるジャー15の円筒状の口部15Aに内嵌合出来る位置に宛がう。容器本体2内のインスタントコーヒーPはホッパ3から漏斗3C内にも流下してきているが、蓋4によって保持されている。次いで、図8並びに図9に示すように、容器本体2に、その漏斗3Cをジャー15の口部15Aへ向かって押し込むように押圧力を負荷する。この押圧力は、ジャー15の口部15A、一般的には本体から円筒状に立ち上がる筒上部分が蓋4を押し破るための力として働く。すなわち、このジャー15の口部15Aが蓋4を押し上げて、これをホッパ3のリング3Aと漏斗3Cとの間の断面三角形状の空間S内に押し込む力として機能する。この押圧力は内側のリング体11の先端を容器本体2の内側へ押込む力として働き、基部の薄肉厚の前記連結片14を撓ませ、順次容器本体2の内側へと押込む。そして最終的には外側のリング体12の先端の切断刃13の存在位置よりも更に容器本体2の内側へ押圧移行する。したがって、外側のリング体12に設けられた切断刃13を上手く蓋4の内面に当接させることができ、この切断刃13によって蓋4は一部を残し、漏斗3Cの開口部3C1と同等の径でリング状に破断される。同時にこの漏斗3Cはジャー15の口部15A内に入り込む。その結果、前記ホッパ3の漏斗3Cの開口部3C1が開放され、容器本体2内のインスタントコーヒーP等の粉体が、ホッパ3の漏斗3Cによって、センターへと案内されつつ、一挙にジャー15内へ案内流下される。また、一部が蓋4の本体部分に連なって円形状に切断されるために、切断片が完全に分離してしまうことがなく、これをインスタントコーヒーP等の粉体と共にジャー15内へ充填して(落とし込んで)しまうおそれもなくなる。
【0029】
また開封前の段階では、内側のリング体11の先端と容器本体2の開口部2Aとはほぼ同じ高さレベルに位置するので、その上に存在する蓋4によって漏斗3Cの開口部3C1は押圧されて封止され、蓋4と漏斗3Cの開口部3C1との密着性が高まり、蓋4と漏斗3Cの開口部3C1との間に無用な隙間が生じるのを上手く予防できる。
【0030】
この蓋4によって容器本体2内は密閉され、開封されるまではこの詰め替え用容器1内の気密が高度に保たれるので、インスタントコーヒーPは大気と接触することがない。また、ジャー15の口部15Aに内嵌合された漏斗3CはインスタントコーヒーPをジャー15の外部へ零れ落とすことも無く、また、外気に必要以上触れさせるおそれもなく、したがって香りや風味が損なわれるおそれを可及的に少なくできる。
【0031】
そして、重要な点は、詰め替えが行われるまでは、前記漏斗3の開口3C1の口縁は蓋4が密着している。更にその上のオーバーキャップ5の押圧力によって、一層しっかりと密着している。その結果、この漏斗3の開口3C1と蓋4との間に無用な隙間が生じ難く、仮に生じても僅かであり、容器本体2内のインスタントコーヒーPが漏斗3の外方へ回り込むおそれを上手く防止できる。その結果、詰め替えの際に、この回り込んだインスタントコーヒーPによってジャー15の口部15Aや周辺を不用意に汚してしまうおそれも少なくなり、衛生的に用いることができる。併せて、ホッパ3はフランジ3Bによって容器本体2に対して常に一定の位置に取り付けられるので、安定した取り付け状態を確保でき、的確な充填作業を可能にすると共に、インスタントコーヒーPの前記の回り込みを一層的確に防止できる。
【0032】
また、容器本体2の開口部2Aのカール部6は開口部2Aの強度を高めて変形を少なくできるので、ホッパ3の設置位置が所期通り正しく保たれてホッパ3をしっかりと保持し、漏斗3Cの開口3C1と蓋4の隙間を一層生じ難くできる。
【0033】
出来上がった蓋4の性能試験を行った結果、紙カップを用いた開口部2Aの段差6B(図2参照)における浸透液のチェック試験では、漏れの発生が全く見られなかった。更に、高温保存時にも蓋4が紙カップの開口部2Aから剥離する例は見られなかった。また、蓋4全体のバリア性はアルミ蓋と遜色なく好ましい結果を得た。ホットメルト蓋と比較して臭気の発生は全くなかった。
【0034】
以上に説明した実施形態にあって、以下に説明するような、部分的に異なる構成にした構造も採用できる。すなわち、具体的には、図10に示すような、漏斗3の開口部3Cに直接に切断刃14を設けた例であり、また、図11に示すような、内側のリング体11を備えず、外側のリング体12のみを用いた例である。何れの例でもオーバーキャップ5の存在により、通常の使用状態では、簡単には蓋4が切断刃14で破断されるおそれはないことが実験の結果からも証明された。
【0035】
尚、前記図10に示される例は、容器本体2の開口部2Aにカール部6をそなえない構造のものを採用しているが、特にこの構造にとらわれることはなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態は適宜に組み合わされる。
【0036】
また、以上の実施形態では内容物としてインスタンの粉コーヒーを対象としているが、その他にも食品、非食品の他の分流体に適用できる。例えば、水溶性のミルク(粉ミルク)、ココア、茶、又はこれらの組み合わせの粉など。更には乾燥マッシュポテトや他の乾燥食品、ソースまたはグレービー粉、スープ粉などの他に複写機のトナーなどである。
【0037】
また、ジャー15に替わるものとして、コーヒー作成装置のコーヒー粉タンク、更には複写機のトナー補充容器などにも適用できる。
【0038】
更に、前記蓋3のバリア材としてはアルミニウム箔が採用されているが、これに代えて、例えばアルミ蒸着フィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVOH)、ポリビニルアルコール(PVA)などのバリア性フイルム、更にはポリ酢酸ビニル(PVAC)やポリビニルアルコールコートフィルムなどのバリア性コーティングフィルムを採用できる。
【0039】
(実施例)
まず、ラミネート加工法によって、容器本体用として、〔容器外側〕紙層(坪量300g/m2 )/接着剤層/アルミニウム箔層(7.0μm)/ポリエチレンテレフタレート層(12μm)/接着剤層/低密度ポリエチレン層(50μm)〔容器内側〕構成の積層材料を作製した。また、ボトム部材として、〔容器外側〕低密度ポリエチレン層(20μm)/紙層(坪量230g/m2 )/低密度ポリエチレン層(20μm)/アルミニウム箔層(7.0μm)/接着剤層/ポリエチレンテレフタレート層(12μm)/接着剤層/低密度ポリエチレン層(50μm)〔容器内側〕構成の積層材料を作製した。これらの積層材料を用い、PMC社製カップ成形機で、胴部上端の外周にカール部をもつカップ状容器本体を作製した。次に、高密度ポリエチレン(三井化学 2100K)を用いて射出成形により、リング3A、フランジ3B、そして漏斗3Cを備えたホッパ3を作製した。リング3A、フランジ3B並びに漏斗3C、更にはない方のリング体11、12は共にほぼ0.8mm厚となるよう成形した。但し、連結片14は0.3mm厚となるよう成形した。更に、〔上側〕金属箔層10としてのアルミニウム箔層(15μm)/接着剤層9/ポリエチレンテレフタレート層(12μm)8/シーラント層7としての低密度ポリエチレン層(40μm)〔下側〕からなる積層材料を作製し、この積層材料を用いて蓋を作製した。
【0040】
次に、上述のカップ状容器本体をアンビルに挿着して、胴部上端のカール部を下側から支えると共に胴部を固定し、胴部上端内側の開口部に、ホッパーをリングの上端がカール部上端から上方へ突出しないようにして挿入して挿着し、溶着機を用い、開口部の内面にリングの外面を接合した。
【0041】
次いで、前記パーツの漏斗の開口を介してインスタントコーヒーを容器本体に充填した。最後に、前記カール部の上面に、ヒートシール法で前述の蓋を熱融着して容器上端側を密封し、更にこの蓋の上からオーバーキッャプを嵌着することでパーツ付紙容器を作製した。
【0042】
また、内側のリング体を備えない容器本体と内外両リング体を備えない容器本体を上記の手法、手段で作製した。
【0043】
得られた製品は何れも、従来のスタンディングパウチ等と全く違って、詰め替え作業を大変簡単な操作で、容易かつ確実に行うことができ、インスタントコーヒーPを外気に触れさせるおそれも少なく、香りや風味が保たれていることが判明した。
特に、漏斗3Cの開口3C1が蓋4とオーバーキャップ5でしっかりと押圧されていて、インスタントコーヒーPがこの漏斗3Cの外部へ回り込んだ形跡は見られなかった。併せて、複数個の試験体の何れも、切断刃14によって蓋4は良好に破断された。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明のパーツ付詰め替え用容器の一実施形態を示し、容器が閉まっているときのこの容器の一端の断面図である。
【図2】図1に示された容器の一部を取り出して拡大表示した拡大図を含む全体分解斜視図である。
【図3】図1に示される断面図の要部の拡大図である。
【図4】図5中A−A線に沿った断面図である。
【図5】切断刃の構造を示す一部切欠き断面図である。
【図6】図1のパーツ付詰め替え用容器の作用の説明図で、ジャーへ内容物を補充する前の蓋と容器とジャーの関係を示す斜視図である。
【図7】図6に示される作用の説明図で、要部の断面図である。
【図8】図1のパーツ付詰め替え用容器の作用の説明図で、ジャーへ内容物を補充する途中の蓋と切断刃並びに容器とジャーの関係を示す斜視図である。
【図9】図8に示される作用の説明図で、要部の断面図である。
【図10】リング体を備えず、カール部を備えない容器本体に適用した別の実施形態を示す要部の拡大断面図である。
【図11】外側のリング体を備えた別の実施形態を示す要部の拡大断面図である。
【符号の説明】
【0045】
1…詰め替え用容器
2…容器本体
2A…開口部
3…ホッパ
3A…リング
3C…漏斗
3C1…開口
4…蓋
5…オーバーキャップ
6…カール部
7…シーラント層
10…金属箔層
11…内側のリング体
12…外側のリング体
13…切断刃
14…連結片
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体の開口部の内側にこの開口部とほぼ同径の筒状のリングと、このリングに一体に設けられていて前記開口部に向かってテーパーのある漏斗を一体に備えてなるパーツが固着されていると共に、前記容器本体の開口部はバリア性を有するシート状の蓋が貼着されて内部が密封され、前記漏斗にはカッタ−が設けられていて、前記容器を開封するために前記蓋を押す作用によって前記カッターが当該蓋を切断するように構成されていることを特徴とするパーツ付詰め替え用容器。
【請求項2】
容器本体の開口部の内側にリング付のパーツが固着されていると共に、このパーツは容器本体の開口部とほぼ同径の筒状のリングと、このリングに一体に設けられていて前記開口部に向かってテーパーのある漏斗を備えてなり、更にこの漏斗の開口部にはその端縁から半径方向に所定の間隔を隔てて内外一対のリング体が一体に突設され、内側のリング体が粉止めとして機能するように、この内側のリング体の先端が外側のそれよりも前記開口部に向かってより突出して、先端が前記開口部とほぼ同等の高さレベル位置に設定され、かつ、この内側のリング体の先端は前記開口部に対して遠近自在になるように撓み可能な薄肉厚の連結片で漏斗外側のリング体の内面に連結され、前記外側のリング体の先端には周方向の一部を除いて全周に切断刃が備わっていることを特徴とするパーツ付詰め替え用容器。
【請求項3】
カッターは凹凸が連続するのこ刃状に形成されている請求項1または請求項2のいずれかに記載のパーツ付詰め替え用容器。
【請求項4】
容器本体の開口にはオーバーキャップが嵌脱自在に被さっている請求項1〜3のいずれかに記載のパーツ付詰め替え用容器。
【請求項1】
容器本体の開口部の内側にこの開口部とほぼ同径の筒状のリングと、このリングに一体に設けられていて前記開口部に向かってテーパーのある漏斗を一体に備えてなるパーツが固着されていると共に、前記容器本体の開口部はバリア性を有するシート状の蓋が貼着されて内部が密封され、前記漏斗にはカッタ−が設けられていて、前記容器を開封するために前記蓋を押す作用によって前記カッターが当該蓋を切断するように構成されていることを特徴とするパーツ付詰め替え用容器。
【請求項2】
容器本体の開口部の内側にリング付のパーツが固着されていると共に、このパーツは容器本体の開口部とほぼ同径の筒状のリングと、このリングに一体に設けられていて前記開口部に向かってテーパーのある漏斗を備えてなり、更にこの漏斗の開口部にはその端縁から半径方向に所定の間隔を隔てて内外一対のリング体が一体に突設され、内側のリング体が粉止めとして機能するように、この内側のリング体の先端が外側のそれよりも前記開口部に向かってより突出して、先端が前記開口部とほぼ同等の高さレベル位置に設定され、かつ、この内側のリング体の先端は前記開口部に対して遠近自在になるように撓み可能な薄肉厚の連結片で漏斗外側のリング体の内面に連結され、前記外側のリング体の先端には周方向の一部を除いて全周に切断刃が備わっていることを特徴とするパーツ付詰め替え用容器。
【請求項3】
カッターは凹凸が連続するのこ刃状に形成されている請求項1または請求項2のいずれかに記載のパーツ付詰め替え用容器。
【請求項4】
容器本体の開口にはオーバーキャップが嵌脱自在に被さっている請求項1〜3のいずれかに記載のパーツ付詰め替え用容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−58834(P2010−58834A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−228804(P2008−228804)
【出願日】平成20年9月5日(2008.9.5)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月5日(2008.9.5)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
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