説明

パーティクル数計測方法

【課題】特定の要因で発生するパーティクルの数を正確に計測することができるパーティクル数計測方法を提供する。
【解決手段】ガラス窓24を介して本排気ライン16内にレーザ光25を入射し、該レーザ光25と交差したパーティクルP1,P2から発生する散乱光L1,L2を光検出器21によって受光し、該受光された散乱光に基づいてパーティクルの数を計測する際に、移動しないパーティクルP2がガラス窓24に付着した汚れと見なされ、移動しないパーティクルP2の数が本排気ライン16内において計測されたパーティクルの数から除外される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーティクル数計測方法であって、特に、レーザ光が照射されたパーティクルから生じる散乱光を受光してパーティクルの数を計測するパーティクル数計測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ウエハを処理する基板処理装置等では、処理室内や排気管内の状況を把握するために処理室内や排気管内を移動するパーティクルの数が計測されている。パーティクルの数の計測には、通常、ISPM(In Situ Particle Monitor)が用いられる。ISPMは、処理室内や排気管内に向けてレーザ光を照射するレーザ光発振器と、パーティクルがレーザ光を通過する際に該パーティクルにより発生する散乱光(以下、「パーティクル散乱光」という。)を受光する光検出器とを少なくとも有し、受光された散乱光を電気信号に変換して電気信号の強度等に基づいてパーティクルの数を計測する。
【0003】
ところで、プラズマを利用してウエハを処理する基板処理装置では、処理室内にプラズマが生じるため、光検出器はパーティクル散乱光の他にプラズマ発光も受光する。したがって、プラズマ発光をパーティクル散乱光と誤認するおそれがあり、パーティクルの数を正確に計測するのは困難であった。
【0004】
そこで、近年、処理室内を観測して得られた取得画像と、基板処理装置の稼動状態に対応する標準背景画像との輝度差分を計算してパーティクルの観測の感度低下を防止するパーティクルモニタ手法(例えば、特許文献1参照。)や、散乱光を所定の波長成分で分離し、所望の周波数成分を抽出してパーティクル散乱光をプラズマ発光と区別する処理室内の汚染状況のリアルタイムモニタリング手法(例えば、特許文献2参照。)が開発されている。
【0005】
また、レーザや散乱光が透過するレーザ光発振器の窓や電子倍増管の窓に比較的大きな異物(パーティクル)が付着して大きな散乱光が発生し、若しくは、処理室の内部へ外部からの比較的強い散乱光、例えば、宇宙線が進入することもある。この場合、受光された散乱光から所定強度以上の散乱光を除去することにより、パーティクル数の計測において外部からの比較的強い散乱光の影響を取り除く手法が用いられる。
【0006】
一方、ウエハから製造される半導体デバイスの加工微細化が近年、益々進み、このような半導体デバイスの性能に影響を与えるパーティクルの大きさも数10nmレベルまで低下しているため、数10nmレベルの大きさのパーティクルの数を正確に把握する必要がある。
【0007】
また、より正確に処理室内や排気管内の状況を把握するために、飛散する複数のパーティクルから特定の要因で発生するパーティクルのみを選別し、その数を正確に把握することも求められている。
【0008】
ところが、特定の要因以外の要因でも数10nmレベルのパーティクルが発生することもある。また、レーザ光発振器の窓や電子倍増管の窓に数10nmレベルのパーティクルが付着することもある。すなわち、数10nmレベルのパーティクルの数を計測しても、その数には特定の要因で発生するパーティクルの数と、特定の要因以外の要因で発生するパーティクルの数とが含まれる。したがって、計測された数10nmレベルのパーティクルの数から特定の要因以外の要因で発生するパーティクルの数を除外する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2000−155086号公報
【特許文献2】特開平11−330053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述した従来の手法はいずれも散乱光の強度、すなわち、パーティクルの大きさに基づいて散乱光を区別するため、大きさが同じであっても発生要因が互いに異なる複数のパーティクルが混在する状況において、特定の要因で発生するパーティクルの数を正確に計測するのは困難である。
【0011】
本発明の目的は、特定の要因で発生するパーティクルの数を正確に計測することができるパーティクル数計測方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、請求項1記載のパーティクル数計測方法は、特定の要因で発生し、且つ所定の空間を移動するパーティクルの数を計測するパーティクル数計測方法であって、前記所定の空間において所定の移動速度よりも低い移動速度で移動する、若しくは所定の移動方向とは逆の移動方向に沿って移動する移動状態のパーティクルの数を、前記所定の空間において計測されたパーティクルの数から除外することを特徴とする。
【0013】
請求項2記載のパーティクル数計測方法は、請求項1記載のパーティクル数計測方法において、窓を介して前記所定の空間にレーザ光を入射し、該レーザ光と交差したパーティクルから発生する散乱光を受光し、該受光された散乱光に基づいてパーティクルの数を計測し、移動しないパーティクルを前記窓に付着した汚れと見なし、前記所定の空間において移動しないパーティクルの数を、前記所定の空間において計測されたパーティクルの数から除外することを特徴とする。
【0014】
請求項3記載のパーティクル数計測方法は、請求項1記載のパーティクル数計測方法において、前記特定の要因は、基板処理装置の処理室への大流量のガスパージを伴う前記処理室内のパーティクル除去処理であることを特徴とする。
【0015】
請求項4記載のパーティクル数計測方法は、請求項3記載のパーティクル数計測方法において、前記所定の空間は前記処理室内であり、前記処理室内は真空引きされ、前記移動状態における前記所定の移動速度は1m/秒であることを特徴とする。
【0016】
請求項5記載のパーティクル数計測方法は、請求項3記載のパーティクル数計測方法において、前記所定の空間は前記処理室内からガスを排気する排気管内であり、前記処理室内は真空引きされ、前記移動状態における前記所定の移動速度は2m/秒であることを特徴とする。
【0017】
請求項6記載のパーティクル数計測方法は、請求項1記載のパーティクル数計測方法において、前記所定の空間は前記処理室内からガスを排気する排気管内であり、前記処理室内は真空引きされ、前記移動状態における前記所定の移動方向は前記排気管内において前記ガスが流れる方向であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1記載のパーティクル数計測方法によれば、所定の空間において所定の移動速度よりも低い移動速度で移動する、若しくは所定の移動方向とは逆の移動方向に沿って移動する移動状態のパーティクルの数が、所定の空間において計測されたパーティクルの数から除外される。パーティクルは大きさが同じであっても発生要因が異なれば、移動速度は異なるので、所定の空間において所定の移動速度よりも低い移動速度で移動する、若しくは所定の移動方向とは逆の移動方向に沿って移動するパーティクルの数を除外することにより、特定の要因で発生するパーティクルの数を正確に計測することができる。
【0019】
請求項2記載のパーティクル数計測方法によれば、所定の空間において移動しないパーティクルの数が、所定の空間において計測されたパーティクルの数から除外される。窓に付着した汚れとしてのパーティクルは移動しない。したがって、所定の空間において移動しないパーティクルの数を除外することにより、窓に付着した汚れとしてのパーティクルの数を正確に除外することができる。
【0020】
請求項3記載のパーティクル数計測方法によれば、特定の要因は、基板処理装置の処理室への大流量のガスパージを伴う処理室内のパーティクル除去処理である。該パーティクル除去処理に起因して発生するパーティクルは、大流量のガスパージによって生じる流速の高いガス流に乗って移動するため、移動速度が高い。したがって、所定の空間において所定の移動速度よりも低い移動速度で移動するパーティクルの数を除外することにより、パーティクル除去処理に起因して発生するパーティクルの数を正確に計測することができる。
【0021】
請求項4記載のパーティクル数計測方法によれば、所定の空間は処理室内であり、処理室内は真空引きされ、上記移動状態における所定の移動速度は1m/秒である。パーティクル除去処理に起因して発生するパーティクルは、大流量のガスパージによって生じる流速の高いガス流に乗って処理室内を1m/秒以上の速度で移動する。したがって、1m/秒よりも低い移動速度で移動するパーティクルの数を除外することにより、処理室内においてパーティクル除去処理に起因して発生するパーティクルの数を正確に計測することができる。
【0022】
請求項5記載のパーティクル数計測方法によれば、所定の空間は処理室内からガスを排気する排気管内であり、処理室内は真空引きされ、上記移動状態における所定の移動速度は2m/秒である。パーティクル除去処理に起因して発生するパーティクルは、大流量のガスパージによって生じる流速の高いガス流に乗って排気管内を2m/秒以上の速度で移動する。したがって、2m/秒よりも低い移動速度で移動するパーティクルの数を除外することにより、排気管内においてパーティクル除去処理に起因して発生するパーティクルの数を正確に計測することができる。
【0023】
請求項6記載のパーティクル数計測方法によれば、所定の空間は処理室内からガスを排気する排気管内であり、処理室内は真空引きされ、移動状態における所定の移動方向は排気管内においてガスが流れる方向である。排気管の下流に位置するポンプにおいて高速回転する回転翼によって跳ね返されたパーティクルは排気管内においてガスが流れる方向と逆の移動方向に沿って移動するので、ガスが流れる方向と逆の移動方向に沿って移動するパーティクルをポンプから反跳したパーティクルの数を除外することにより、パーティクル除去処理に起因して発生するパーティクルの数を正確に計測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るパーティクル数計測方法が適用される基板処理装置の構成を概略的に示す断面図である。
【図2】図1の基板処理装置におけるISPMを説明するための図であり、図2(A)は当該ISPMの水平断面図であり、図2(B)は当該ISPMによって測定されたパーティクルの数の分布を示すグラフである。
【図3】第1の変形例に係るISPMを説明するための図であり、図3(A)は当該ISPMの水平断面図であり、図3(B)は当該ISPMに用いられる光検出器におけるリニアノードPMTの正面図であり、図3(C)は当該ISPMによって測定されたパーティクルの数の分布を示すグラフである。
【図4】第2の変形例に係るISPMを説明するための図であり、図4(A)は当該ISPMの水平断面図であり、図4(B)は当該ISPMに用いられる光検出器におけるリニアノードPMTの正面図であり、図4(C)は当該ISPMによって測定されたパーティクルの数の分布を示すグラフである。
【図5】NPPCシーケンスを示すフローチャートである。
【図6】NPPCパーティクルを説明するための図であり、図6(A)は本排気ライン内におけるNPPCパーティクルの様子を示す図であり、図6(B)はNPPCパーティクルから発生する散乱光に対応する信号波を示す図である。
【図7】剥離パーティクルや逆流パーティクルを説明するための図であり、図7(A)は本排気ライン内における剥離パーティクルの様子を示す図であり、図7(B)は本排気ライン内における逆流パーティクルの様子を示す図であり、図7(C)は剥離パーティクルや逆流パーティクルから発生する散乱光に対応する信号波を示す図である。
【図8】チャンバにISPMを設け、該ISPMによってチャンバ内を移動するパーティクルの数を計測する場合を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0026】
まず、本発明の第1の実施の形態に係るパーティクル数計測方法について説明する。
【0027】
図1は、本実施の形態に係るパーティクル数計測方法が適用される基板処理装置の構成を概略的に示す断面図である。本基板処理装置は、基板としての半導体デバイス用のウエハ(以下、単に「ウエハ」という。)にプラズマエッチング処理を施す。
【0028】
図1において、基板処理装置10は、ウエハWを収容するチャンバ11(処理室)を有し、該チャンバ11内には円柱状のサセプタ12が配置され、チャンバ11内の上部にはサセプタ12に対向するように円板状のシャワーヘッド13が配置されている。また、基板処理装置10にはチャンバ11内を排気する排気系14が接続されている。
【0029】
サセプタ12は静電チャックを内蔵し、該静電チャックはクーロン力等によって載置されたウエハWをサセプタ12の上面へ静電吸着する。また、サセプタ12には高周波電源(図示しない)が接続されて該サセプタ12及びシャワーヘッド13の間の処理空間Sに高周波電力を印加する下部電極として機能する。シャワーヘッド13は処理ガス供給装置(図示しない)に接続され、該処理ガス供給装置から供給された処理ガスを処理空間Sに向けて拡散して導入する。
【0030】
排気系14は、粗引きライン15と、本排気ライン16(排気管)と、APCバルブ17とを有する。粗引きライン15は下流側においてドライポンプ(図示しない)に接続されてチャンバ11内を粗引きする。本排気ライン16はターボ分子ポンプ(Turbo Molecular Pump、以下「TMP」という。)18を有し、該TMP18によってチャンバ11内を高真空引きする。具体的には、ドライポンプはチャンバ11内を大気圧から中真空状態(例えば、1.3×10Pa(0.1Torr)以下)まで減圧し、TMP18はドライポンプと協働してチャンバ11内を中真空状態より低い圧力である高真空状態(例えば、1.3×10−3Pa(1.0×10−5Torr)以下)まで減圧する。
【0031】
本排気ライン16は、TMP18の下流側において粗引きライン15と接続され、粗引きライン15及び本排気ライン16には各ラインを遮断可能なバルブV1,V2が配されている。APCバルブ17はバタフライバルブやスライドバルブからなり、チャンバ11及びTMP18の間に介在してチャンバ11内の圧力を所望の値に制御する。
【0032】
基板処理装置10では、排気系14によってチャンバ11が排気されてチャンバ11内が高真空状態まで減圧された後、シャワーヘッド13によって処理空間Sへ処理ガスが導入され、サセプタ12によって処理空間Sへ高周波電力が印加される。このとき、処理ガスが励起されてプラズマが生じ、該生じたプラズマに含まれる陽イオンやラジカルによってウエハWにプラズマエッチング処理が施される。
【0033】
上述した基板処理装置10の各構成部品の動作は、基板処理装置10が備える制御部(図示しない)のCPUがプラズマエッチング処理に対応するプログラムに応じて制御する。
【0034】
ところで、基板処理装置10では、排気系14が本排気ライン16に配置されたISPM(In Situ Particle Monitor)19を備える。ISPM19は、本排気ライン16内を流れるパーティクルの数を光学的に計測する。
【0035】
図2は、図1の基板処理装置におけるISPMを説明するための図であり、図2(A)は当該ISPMの水平断面図であり、図2(B)は当該ISPMによって測定されたパーティクルの数の分布を示すグラフである。
【0036】
まず、図2(A)において、ISPM19は、本排気ライン16内に向けてレーザ光を照射するレーザ光発振器20と、散乱光を受光する光検出器21とを有する。レーザ光発振器20は、レーザ光25を射出するレーザダイオード22と、該射出されたレーザ光を拡散又は屈折させて本排気ライン16内の所定の角度範囲をレーザ光25で走査するレーザ光走査部23と、レーザダイオード22やレーザ光走査部23を本排気ライン16内から仕切るガラス窓24とを有する。
【0037】
レーザ光発振器20から照射されたレーザ光25が、本排気ライン16内を移動するパーティクルP1と交差すると、該パーティクルP1から散乱光L1が生じる。散乱光の強度はパーティクルP1の大きさに依存し、散乱光L1の発生持続時間はパーティクルP1がレーザ光25を通過する時間、すなわち、パーティクルP1の移動速度に依存する。
【0038】
光検出器21には複数の光電子倍増管(Photomultiplier Tube)(以下、「PMT」という。)が配列されており、各PMTは受光した散乱光の強度等を電気信号へ変換して基板処理装置10の制御部に送信する。当該電気信号においてパーティクルからの散乱光は信号波で表される。
【0039】
この電気信号を受信した制御部は該電気信号における信号波の大きさ、発生頻度、発生持続時間や該電気信号を送信したPMTの位置情報等に基づいて本排気ライン16内を移動するパーティクルの数の分布を算出する。
【0040】
ところで、ガラス窓24にも汚れとしてパーティクルP2が付着している場合、レーザ光25はパーティクルP2とも交差するので、該パーティクルP2からは散乱光L2が発生する。この散乱光L2も光検出器21によって受光されて電気信号に変換され、該電気信号は制御部へ送信される。したがって、パーティクルP2が本排気ライン16内を移動するパーティクルであると誤認される可能性がある。
【0041】
ISPM19においてレーザ光25の発振及び散乱光の受光を繰り返す際、本排気ライン16内を移動するパーティクルP1は一度しかレーザ光25と交差しないが、ガラス窓24に付着するパーティクルP2はレーザ光25の発振を行う度に該レーザ光25と交差する。したがって、所定時間内においてパーティクルP1からは1回しか散乱光が発生しないが、パーティクルP2からは何度でも散乱光が発生する。
【0042】
ここで、制御部は散乱光(電気信号における信号波)の発生頻度がパーティクルの数に相当するとみなすため、図2(B)に示すように、パーティクルP1の位置に対応するレーザ光発振角度(パーティクル検出位置)では1個のパーティクルP1が検出されたとみなされる一方、パーティクルP2の位置に対応するレーザ光発振角度では数10〜数100個ものパーティクルP2が検出されたとみなされる。それ故、同一のレーザ光発振角度において数10〜数100個ものパーティクルが検出される場合は、当該検出されたパーティクルは移動しないパーティクルであり、ガラス窓24に付着した汚れとしてのパーティクルP2であるとみなすことができる。
【0043】
そこで、ISPM19を用いるパーティクル数計測方法では、発生頻度や発生持続時間が特異である散乱光を除外する。具体的には、光検出器21が受光した複数の散乱光において、同一のレーザ光発振角度にて数10〜数100回も発生する散乱光はガラス窓24に付着した移動しないパーティクルから発生する散乱光であるとみなして除外する。換言すると、パーティクルの数の分布を算出する際、移動しないパーティクルの数が本排気ライン16内において計測されたパーティクルの数から除外される。
【0044】
上述したISPM26はレーザ光28によって本排気ライン16内を走査するが、ISPMとしてはレーザ光によって本排気ライン16内を走査しないものも用いることができる。
【0045】
図3は、第1の変形例に係るISPMを説明するための図であり、図3(A)は当該ISPMの水平断面図であり、図3(B)は当該ISPMに用いられる光検出器におけるリニアノードPMTの正面図であり、図3(C)は当該ISPMによって測定されたパーティクルの数の分布を示すグラフである。
【0046】
まず、図3(A)において、ISPM26は、本排気ライン16内に向けてレーザ光28を照射するレーザ光発振器27と、照射されたレーザ光28を受光するレーザ光吸収器29と、散乱光を受光する光検出器30とを有する。レーザ光発振器27は、レーザ光28を射出するレーザダイオード31と、レーザダイオード31を本排気ライン16内から仕切るガラス窓32とを有する。レーザ光吸収器29は照射されたレーザ光28を吸収又は照射方向とは異なる方向へ反射する反射防止部(図示しない)と、該反射防止部を本排気ライン16内から仕切るガラス窓33とを有する。また、光検出器30は複数のPMTが一次元的に配置されて形成されたリニアアノードPMT34(図3(B)参照。)と、該リニアアノードPMT34を本排気ライン16内から仕切るガラス窓35とを有する。
【0047】
レーザ光発振器27から照射されたレーザ光28が、本排気ライン16内を移動するパーティクルP3と交差すると、該パーティクルP3から散乱光L3が生じる。リニアアノードPMT34におけるパーティクルP3の位置に対応するPMTは散乱光L3を受光し、該受光した散乱光L3の強度等を電気信号へ変換して基板処理装置10の制御部に送信する。
【0048】
ところで、ガラス窓32又は33に汚れとしてパーティクルP4が付着している場合(図3(A)はガラス窓33にパーティクルP4が付着している状態を示す。)、レーザ光28はパーティクルP4とも交差するので、該パーティクルP4からは散乱光L4が発生する。この散乱光L4も光検出器30によって受光されて電気信号に変換され、該電気信号は制御部へ送信されるので、ISPM26においてレーザ光28の発振及び散乱光の受光を繰り返す際、図3(C)に示すように、パーティクルP4の位置(パーティクル検出位置)に対応するPMTは数10〜数100個ものパーティクルを検出したとみなされる。
【0049】
すなわち、ISPM26を用いる場合も、ISPM19を用いる場合と同様、或るPMTが数10〜数100個ものパーティクルを検出した場合は、当該検出されたパーティクルは移動しないパーティクルであり、ガラス窓33に付着した汚れとしてのパーティクルP4であるとみなすことができる。
【0050】
そこで、ISPM26を用いるパーティクル数計測方法では、或るPMTが数10〜数100回も発生する散乱光を受光した場合、当該散乱光はガラス窓32又は33に付着した移動しないパーティクルから発生する散乱光であるとして除外する。
【0051】
図4は、第2の変形例に係るISPMを説明するための図であり、図4(A)は当該ISPMの水平断面図であり、図4(B)は当該ISPMに用いられる光検出器におけるリニアノードPMTの正面図であり、図4(C)は当該ISPMによって測定されたパーティクルの数の分布を示すグラフである。第2の変形例に係るISPM36はその構成、作用が上述したISPM26と基本的に同じであるので、重複した構成、作用については説明を省略し、以下に異なる構成、作用についての説明を行う。
【0052】
図4(A)において、ISPM36は、レーザ光発振器27と、レーザ光吸収器29と、散乱光を受光する光検出器37とを有する。光検出器37は複数のPMTが二次元的に配置されて形成されたマルチアノードPMT38(図4(B)参照。)と、該マルチアノードPMT38を本排気ライン16内から仕切るガラス窓35とを有する。なお、光検出器37においては、該マルチアノードPMTの他、CCD、イメージインテンシファイア付きCCDやCMOSイメージセンサを用いることができる。
【0053】
このISPM36でも、レーザ光28の発振及び散乱光の受光を繰り返す際、図4(C)に示すように、ガラス窓33に汚れとして付着しているパーティクルP4の位置(パーティクル検出位置)に対応するPMTは数10〜数100個ものパーティクルを検出したとみなされる。
【0054】
すなわち、ISPM36を用いる場合も、或るPMTが数10〜数100個ものパーティクルを検出した場合は、当該検出されたパーティクルは移動しないパーティクルであり、ガラス窓33に付着した汚れとしてのパーティクルP4であるとみなすことができる。
【0055】
そこで、ISPM36を用いるパーティクル数計測方法では、或るPMTが数10〜数100回も発生する散乱光を受光した場合、当該散乱光はガラス窓32又は33に付着した移動しないパーティクルから発生する散乱光であるとして除外する。
【0056】
図2乃至図4に示された本実施の形態に係るパーティクル数計測方法によれば、移動しないパーティクルはガラス窓24、32又は33に付着した汚れとしてのパーティクルP2(P4)であるとみなされ、移動しないパーティクルの数が本排気ライン16内において計測されたパーティクルの数から除外される。これにより、ガラス窓24、32又は33に付着した汚れとしてのパーティクルの数を正確に除外して本排気ライン16内を移動するパーティクルの数を正確に計測することができる。
【0057】
また、本実施の形態に係るパーティクル数計測方法では、ガラス窓24、32又は33に汚れが付着していても本排気ライン16内を移動するパーティクルの数が正確に計測されるので、ガラス窓24、32又は33を高頻度で洗浄する必要がない。これにより、メンテナンスの回数を減らすことができるので、基板処理装置10の稼働率を向上することができる。また、ガラス窓24、32又は33の洗浄において清浄度をさほど上げる必要がなく、メンテナンスに要する時間も短縮することができる。
【0058】
上述した本実施の形態に係るパーティクル数計測方法では、本排気ライン16内を移動するパーティクルの数が計測されたが、本パーティクル数計測方法は、チャンバ11にISPMを設け、該ISPMによってチャンバ11内を移動するパーティクルの数を計測する際にも用いることができる。
【0059】
また、上述した本実施の形態に係るパーティクル数計測方法では、ガラス窓24、32又は33に汚れとして付着したパーティクルを検出することができるので、ガラス窓24、32又は33に汚れとして付着したパーティクルを検出した際には基板処理装置10が有するディスプレイ(図示しない)等にその旨を知らせる警告を表示してもよい。さらに、ガラス窓24、32又は33に付着したパーティクルを検出したPMTを特定することによってガラス窓24、32又は33におけるパーティクルの付着位置を特定することができるので、該特定された付着位置を上記警告と共に上記ディスプレイに表示してもよい。
【0060】
次に、本発明の第2の実施の形態に係るパーティクル数計測方法について説明する。
【0061】
本実施の形態は、その構成、作用が上述した第1の実施の形態と基本的に同じであり、計測の対象外とされるパーティクルの種類が異なるのみなので、重複した構成、作用については説明を省略し、以下に異なる構成、作用についての説明を行う。
【0062】
近年、基板処理装置のチャンバ内からパーティクルを除去する方法として、プラズマを用いないNPPC(Non Plasma Particle Cleaning)シーケンス(パーティクル除去処理)が用いられる(例えば、特開2005−317900号公報参照。)。NPPCシーケンスでは、ガス衝撃力、ガス粘性力及び電磁応力を用いてチャンバ内の構成部品からパーティクルを剥離させるとともにチャンバから排出する。
【0063】
図5は、NPPCシーケンスを示すフローチャートである。NPPCシーケンスは、通常、チャンバ11がウエハWを収容していない状態で実行される。
【0064】
図5において、まず、APCバルブ17を開いてTMP18やドライポンプによってチャンバ11内の真空引きを行い(ステップS51)、内部の圧力が所定値まで下がったときに、APCバルブ17を閉じ、以後はドライポンプのみでチャンバ11内を粗引きする(ステップS52)。
【0065】
次いで、シャワーヘッド13からチャンバ11内へNガスを大流量でパージする(ステップS53)。このとき、チャンバ11内ではガス衝撃波が発生し、該ガス衝撃波がチャンバ11内の構成部品の表面に到達すると、該表面に付着するパーティクルにガス衝撃波に起因するガス衝撃力が作用してパーティクルが表面から剥離して巻き上げられ、その後、排気系14から排出される。また、Nガスのパージは継続されるため、チャンバ11内にNガスの粘性流が生じる。該粘性流が構成部品の表面に到達すると、該表面に付着するパーティクルに粘性流に起因するガス粘性力が作用してパーティクルが表面から剥離して巻き上げられ、その後、排気系14から排出される。
【0066】
なお、チャンバ11内が所定の圧力以上であれば粘性流が生じやすくなるため、APCバルブ17は、チャンバ11内の圧力が、所定の圧力、例えば、133Pa(1Torr)を下回らないように、好ましくは、チャンバ11内の圧力が、数万Pa(数百Torr)を下回らないように、チャンバ11内の圧力を制御する。
【0067】
ここで、チャンバ11内へ導入されるガスは、Nガスに限られず、不活性ガスであればよく、例えば、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)、ラドン(Rn)等のガスや、Oガスなどを用いてもよい。
【0068】
次いで、不図示の直流電源からサセプタ12の静電チャックへの直流の高電圧(HV)の印加・不印加が繰り返される(ステップS54)。このとき、静電チャックへの高電圧の印加に起因して、静電場が発生してチャンバ11の構成部品の表面に電磁応力が作用することにより、各構成部品の表面からパーティクルが剥離して巻き上げられ、その後、排気系14から排出される。
【0069】
上記電磁応力は、静電チャックへの高電圧の印加の開始時及び停止時に、構成部品の表面に効果的に作用する。ここで、基板処理装置10では、静電チャックへの高電圧の印加が繰り返し行われるため、構成部品の表面に効果的な電磁応力が繰り返して作用する。これにより、構成部品の表面に付着したパーティクルを除去することができる。
【0070】
次いで、シャワーヘッド13からのNガスの大流量パージを中止し(ステップS55)、さらに、APCバルブ17を開き、ドライポンプのみによる粗引きを中止し(ステップS56)、NPPCシーケンスを終了する。
【0071】
通常、チャンバ内のパーティクルの数と排気系14を流れるパーティクルの数とは相関関係があると考えられているため、このNPPCシーケンスの実行中、チャンバ内のパーティクルの数を推定するために、本排気ライン16内を流れる、NPPCシーケンス(特定の要因)に起因して発生するパーティクル(以下、「NPPCパーティクル」という。)の数が計測される。
【0072】
一方、NPPCシーケンスの初期や終期においてAPCバルブ17の開閉が行われるため、開閉の衝撃によって該APCバルブ17から剥離したパーティクル(以下、「剥離パーティクル」という。)がAPCバルブ17の下流側に位置する本排気ライン16内に存在することがある。また、NPPCシーケンスの全般に亘り、本排気ライン16を経由してTMP18に吸い込まれたパーティクルが該TMP18内にて高速回転する回転翼に衝突し、高い運動エネルギーを与えられて本排気ライン16へ反跳して戻ってくることがある。
【0073】
したがって、本排気ライン16内を流れるパーティクルの数を計測するために本排気ライン16にISPMを設けても、NPPCシーケンスの実行中、NPPCパーティクルだけでなく逆流したパーティクルも検出し、特に、NPPCシーケンスの初期段階においては、逆流パーティクルに加えて剥離パーティクルも検出することがある。
【0074】
ところが、NPPCシーケンスでは開始から数秒の間にチャンバ11内の構成部品からパーティクルが剥離して排気系14へ多量に流れ込むため、チャンバ内のパーティクルの数を推定するためには、NPPCシーケンスの初期段階において発生するパーティクルの数を正確に計測する必要がある。すなわち、NPPCシーケンスの初期段階において本排気ライン16内を移動するパーティクルを、NPPCパーティクルと、剥離パーティクルや逆流パーティクルとを正確に区別する必要がある。
【0075】
ここで、NPPCシーケンスの実行中、Nガスの大流量パージによって流速の高いガス流がチャンバ11内から本排気ライン16内にかけて発生し、NPPCパーティクルはこの流速の高いガス流に乗ってチャンバ11内から本排気ライン16内へ移動するため、移動速度が高く、且つ本排気ライン16の下流側に向かって一様に移動する。一方、剥離パーティクルはチャンバ11内から本排気ライン16へ移動する訳ではないので、上述した流速の高いガス流に乗ることが無く、移動速度が低い。また、逆流パーティクルは本排気ライン16内を上流側に向かって移動し、本排気ライン16内を流れる排気流による抵抗を受けるため移動速度が低い。
【0076】
図6は、NPPCパーティクルを説明するための図であり、図6(A)は本排気ライン内におけるNPPCパーティクルの様子を示す図であり、図6(B)はNPPCパーティクルから発生する散乱光に対応する信号波を示す図である。なお、本排気ライン16ではISPM19が用いられるが、説明を簡単にするために、図6(A)ではISPM19の一部(ガラス窓24、レーザ光25及び光検出器21)のみを示す。
【0077】
図6(A)に示すように、NPPCパーティクルP5は流速の高いガス流に乗り、本排気ライン16内を進路R5に沿って下流側(図中下方)へ移動する。NPPCパーティクルP5がレーザ光25を通過する間、NPPCパーティクルP5からは散乱光L5が発生し続けるが、NPPCパーティクルP5の移動速度が高いため、散乱光L5の発生持続時間は短い。したがって、図6(B)に示すように、光検出器21によって受光された散乱光L5から変換された信号波W5の波長は短い。
【0078】
ここで、信号波W5の波長はNPPCパーティクルP5がレーザ光25を通過するのに要する時間t5に相当するが、通常、時間t5は移動速度が2m/秒であるパーティクルがレーザ光25を通過するのに要する時間tよりも短いことが本発明者によって確認されている。
【0079】
一方、図7(A)に示すように、剥離パーティクルP6は重力等によって本排気ライン16内を進路R6に沿って下流側(図中下方)へ移動する。また、図7(B)に示すように、逆流パーティクルP7は本排気ライン16内を進路R7に沿って上流側(図中上方)へ移動する。剥離パーティクルP6や逆流パーティクルP7がレーザ光25を通過する間、剥離パーティクルP6や逆流パーティクルP7からは散乱光L6、L7が発生し続けるが、剥離パーティクルP6や逆流パーティクルP7の移動速度が低いため、散乱光L6、L7の発生持続時間は長い。したがって、図7(C)に示すように、光検出器21によって受光された散乱光L6、L7から変換された信号波W6の波長は長い。
【0080】
ここで、信号波W6の波長は剥離パーティクルP6や逆流パーティクルP7がレーザ光25を通過するのに要する時間t6に相当するが、通常、時間t6は移動速度が2m/秒であるパーティクルがレーザ光25を通過するのに要する時間tよりも長いことが本発明者によって確認されている。
【0081】
そこで、本実施の形態に係るパーティクル数計測方法では、移動速度に基づいてNPPCパーティクルP5と、剥離パーティクルP6や逆流パーティクルP7とを区別する。具体的には、移動速度が2m/秒以上であるパーティクルはNPPCパーティクルP5であると判別し、移動速度が2m/秒に満たないパーティクルは剥離パーティクルP6や逆流パーティクルP7であると判別する。すなわち、本排気ライン16内を移動するパーティクルの数を計測する際、移動速度が2m/秒に満たないパーティクルは除外される。
【0082】
本実施の形態に係るパーティクル数計測方法によれば、移動速度が2m/秒に満たないパーティクルは剥離パーティクルP6や逆流パーティクルP7であると判別され、移動速度が2m/秒に満たないパーティクルの数が本排気ライン16内において計測されたパーティクルの数から除外される。これにより、剥離パーティクルP6や逆流パーティクルP7の数を除外して本排気ライン16内のNPPCパーティクルP5の数を正確に計測することができる。
【0083】
また、逆流パーティクルP7は必ず本排気ライン16内を上流側へ移動して排気流を遡るので、移動速度にかかわらず、本排気ライン16内を流れる排気流を遡るパーティクルを除外してもよい。これにより、逆流パーティクルP7の数を正確に除外することができる。
【0084】
上述した本実施の形態に係るパーティクル数計測方法では、本排気ライン16内を移動するパーティクルの数が計測されたが、本パーティクル数計測方法は、図8に示すように、チャンバ11にレーザ光発振器39及び光検出器40からなるISPMを設け、該ISPMによってチャンバ11内を移動するパーティクルの数を計測する際にも用いることができる。この場合、チャンバ11内のNPPCパーティクルP5は流速の高いガス流に乗る時間が短いため、本排気ライン16内のNPPCパーティクルP5よりも移動速度が低くなり、該移動速度は最低で1m/秒程度であることが本発明者によって確認されている。一方、剥離パーティクルP6や逆流パーティクルP7は本排気ライン16内の排気流を遡ってチャンバ11内に進入するため、移動速度が極端に低くなり、該移動速度は最高でも1m/秒に満たないことが本発明者によって確認されている。
【0085】
したがって、NPPCシーケンスの実行中、移動速度が1m/秒に満たないパーティクルの数をチャンバ11内において計測されたパーティクルの数から除外することにより、チャンバ11内のNPPCパーティクルP5の数を正確に計測することができる。
【0086】
なお、本実施の形態に係るパーティクル数計測方法では、チャンバ11内が真空引きされたが、除外されるパーティクルの移動速度の上限を適切に設定すれば、チャンバ11内が大気圧であっても本実施の形態に係るパーティクル数計測方法を用いることができる。
【0087】
なお、上述した各実施の形態においてプラズマエッチング処理が施される基板は半導体デバイス用のウエハに限られず、LCD(Liquid Crystal Display)等を含むFPD(Flat Panel Display)等に用いる各種基板や、フォトマスク、CD基板、プリント基板等であってもよい。
【0088】
本発明の目的は、上述した各実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを記録した記憶媒体を、コンピュータ等に供給し、コンピュータのCPUが記憶媒体に格納されたプログラムを読み出して実行することによっても達成される。
【0089】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラム自体が上述した各実施の形態の機能を実現することになり、プログラム及びそのプログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0090】
また、プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えば、RAM、NV−RAM、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD(DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW)等の光ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、他のROM等の上記プログラムを記憶できるものであればよい。或いは、上記プログラムは、インターネット、商用ネットワーク、若しくはローカルエリアネットワーク等に接続される不図示の他のコンピュータやデータベース等からダウンロードすることによりコンピュータに供給されてもよい。
【0091】
また、コンピュータのCPUが読み出したプログラムを実行することにより、上記各実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、CPU上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0092】
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0093】
上記プログラムの形態は、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給されるスクリプトデータ等の形態から成ってもよい。
【符号の説明】
【0094】
W ウエハ
S 処理空間
P1,P2,P3,P4 パーティクル
P5 NPPCパーティクル
P6 剥離パーティクル
P7 逆流パーティクル
L1,L2,L3,L4,L5,L6,L7 散乱光
10 基板処理装置
11 チャンバ
14 排気系
16 本排気ライン
19,26,36 ISPM
21,30,37 光検出器
24,32,33 ガラス窓
25,28 レーザ光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の要因で発生し、且つ所定の空間を移動するパーティクルの数を計測するパーティクル数計測方法であって、
前記所定の空間において所定の移動速度よりも低い移動速度で移動する、若しくは所定の移動方向とは逆の移動方向に沿って移動する移動状態のパーティクルの数を、前記所定の空間において計測されたパーティクルの数から除外することを特徴とするパーティクル数計測方法。
【請求項2】
窓を介して前記所定の空間にレーザ光を入射し、該レーザ光と交差したパーティクルから発生する散乱光を受光し、該受光された散乱光に基づいてパーティクルの数を計測し、
移動しないパーティクルを前記窓に付着した汚れと見なし、前記所定の空間において移動しないパーティクルの数を、前記所定の空間において計測されたパーティクルの数から除外することを特徴とする請求項1記載のパーティクル数計測方法。
【請求項3】
前記特定の要因は、基板処理装置の処理室への大流量のガスパージを伴う前記処理室内のパーティクル除去処理であることを特徴とする請求項1記載のパーティクル数計測方法。
【請求項4】
前記所定の空間は前記処理室内であり、前記処理室内は真空引きされ、前記移動状態における前記所定の移動速度は1m/秒であることを特徴とする請求項3記載のパーティクル数計測方法。
【請求項5】
前記所定の空間は前記処理室内からガスを排気する排気管内であり、前記処理室内は真空引きされ、前記移動状態における前記所定の移動速度は2m/秒であることを特徴とする請求項3記載のパーティクル数計測方法。
【請求項6】
前記所定の空間は前記処理室内からガスを排気する排気管内であり、前記処理室内は真空引きされ、前記移動状態における前記所定の移動方向は前記排気管内において前記ガスが流れる方向であることを特徴とする請求項1記載のパーティクル数計測方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−180015(P2011−180015A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−45414(P2010−45414)
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】