説明

ヒスタミンH3アンタゴニストとしての3−シクロアルキルベンズアゼピン

本発明は、医薬活性を有する新規ベンズアゼピン誘導体、その製造方法、それを含有する組成物および神経障害および精神障害の治療におけるその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬活性を有する新規ベンズアゼピン誘導体、その製造方法、それを含有する組成物および神経障害および精神障害の治療におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
JP2001226269およびWO00/23437(Takeda Chem Ind Ltd)は、肥満の治療において有用であるとされる一連のベンズアゼピン誘導体を記載している。DE2207430、米国特許第4,210,749号およびFR2171879(Pennwalt Corp)およびGB1268243(Wallace and Tiernan Inc)はすべて、麻酔薬(例えば、モルヒネまたはコデイン)の拮抗物質であり、また抗ヒスタミン薬および抗コリン作用薬でもあるとされる一連のベンズアゼピン誘導体を記載している。WO02/14513(Takeda Chem Ind Ltd)は、GPR12活性を有する一連のベンズアゼピン誘導体を記載しており、これは注意欠陥障害、ナルコレプシーまたは不安の治療において有用であることが記載されている。WO02/02530(Takeda Chem Ind Ltd)は、高血圧、アテローム性動脈硬化症および心筋梗塞の治療において有用である一連のベンズアゼピン誘導体を記載している。WO01/03680(Isis Innovation Ltd)は、糖尿病などの疾患の阻害に加えて、移植用細胞の調製における有効な薬剤としての一連のベンズアゼピン誘導体を記載している。WO00/21951(SmithKline Beecham plc)は、抗精神病薬として有用であるドーパミンD3レセプターのモジュレーターとしての一連のテトラヒドロベンズアゼピン誘導体を開示している。WO01/87834(Takeda Chem Ind Ltd)は、肥満の治療において有用であるMCH拮抗物質としての一連のベンズアゼピン誘導体を記載している。WO02/15934(Takeda Chem Ind Ltd)は、神経変性障害の治療において有用であるウロテンシンIIレセプター拮抗物質としての一連のベンズアゼピン誘導体を記載している。WO04/018432(Eli Lilly and Company)は、ヒスタミンH3受容体アンタゴニストとしての一連の置換アゼピンを記載している。WO2004/05639(Glaxo Group Ltd.;2004年7月8日に公開された)は、一連のベンズアゼピン誘導体およびその神経障害における使用を記載している。WO03/090751(Pfizer Products Inc.)は、一連のN−置換ヘテロアリールオキシ−アリールオキシ−2,4,6−トリオンメタロプロテイナーゼ阻害剤を開示している。この化合物は、炎症、癌および他の障害の治療に有用であることが請求されている。JP63094239(Konishiroku Photo KK)は、写真材料におけるベンズアゼピン誘導体の使用を開示している。WO2004/026303(Eli Lilly and Company)は、オピオイド受容体アンタゴニストとしての一連のジアリールエーテルを記載している。この化合物は、肥満の治療に有用であることが開示されている。
【0003】
ヒスタミンH3受容体は、優勢的に哺乳動物の中枢神経系(CNS)において発現され、ある種の交感神経を除く周辺組織においても僅かに発現される(Leurs et al., (1998), Trends Pharmacol. Sci. 19, 177-183)。選択的アゴニストまたはヒスタミンによるH3受容体の活性化は、ヒスタミン作動性およびコリン作動性神経を含む種々の異なる神経群からの神経伝達物質の放出の阻害をもたらす(Schlicker et al., (1994), Fundam. Clin. Pharmacol. 8, 128-137)。加えて、インビトロおよびインビボ研究により、H3アンタゴニストが、認識に関連する脳領域内、例えば、大脳皮質および海馬での神経伝達物質の放出を促進しうることが明らかにされた(Onodera et al., (1998), In: The Histamine H3 receptor, ed LeursおよびTimmerman, pp255-267, Elsevier Science B.V.)。さらに、多くの文献の報告により、5種選択タスク、物体認識、高架式十字迷路法、新規タスクの取得および受動回避を含む齧歯類のモデルにおいて、H3アンタゴニスト(例えば、チオペルアミド(thioperamide)、クロペンプロピット(clobenpropit)、シプロキシファン(ciproxifan)およびGT−2331)の認識増強特性が証明されている(Giovanni et al., (1999), Behav. Brain Res. 104, 147-155)。これらのデータは、現在の本発明の化合物などの新規H3アンタゴニストおよび/または逆アゴニストが、神経疾患における認識機能障害、例えばアルツハイマー病および関連する神経変性障害の治療に有用でありうることを示唆している。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の態様において、本発明は、1−{6−[(3−シクロペンチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)オキシ]−3−ピリジニル}−2−ピロリジノンである化合物またはその医薬上許容される塩を提供する。
【0005】
第2の態様において、本発明は、1−{5−[(3−シクロペンチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)オキシ]−2−ピラジニル}−2−ピロリジノンである化合物またはその医薬上許容される塩を提供する。
【0006】
第3の態様において、本発明は、1−{4−[(3−シクロブチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)オキシ]−3−フルオロフェニル}−3−メチル−2−イミダゾリジノンである化合物またはその医薬上許容される塩を提供する。
【0007】
第4の態様において、本発明は、1−{4−[(3−シクロブチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)オキシ]フェニル}−2−ピロリジノンである化合物またはその医薬上許容される塩を提供する。
【0008】
第5の態様において、本発明は、3−{6−[(3−シクロペンチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)オキシ]−3−ピリダジニル}−1,3−オキサゾリジン−2−オンである化合物またはその医薬上許容される塩を提供する。
【0009】
第6の態様において、本発明は、1−{6−[(3−シクロペンチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)オキシ]−3−ピリダジニル}−2−ピロリジノンである化合物またはその医薬上許容される塩を提供する。
【0010】
第7の態様において、本発明は、3−シクロペンチル−7−{[5−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−2−ピラジニル]オキシ}−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンである化合物またはその医薬上許容される塩を提供する。
【0011】
第8の態様において、本発明は、3−シクロブチル−7−{[5−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−2−ピリジニル]オキシ}−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンである化合物またはその医薬上許容される塩を提供する。
【0012】
第9の態様において、本発明は、3−シクロペンチル−7−{[5−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−2−ピリジニル]オキシ}−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンである化合物またはその医薬上許容される塩を提供する。
【0013】
本発明の化合物は、酸、例えば慣用的な医薬上許容される酸、例えば、マレイン酸、塩酸、臭化水素酸、リン酸、酢酸、フマル酸、サリチル酸、硫酸、クエン酸、乳酸、マンデル酸、酒石酸およびメタンスルホン酸との酸付加塩を形成しうる。本発明の化合物の塩、溶媒和物および水和物は、本発明のさらなる態様を形成する。
【0014】
医薬上許容される酸付加塩は、遊離塩基を、適当な無機酸または有機酸(例えば、臭化水素酸、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、コハク酸、マレイン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、安息香酸、サリチル酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、例えば2−ナフタレンスルホン酸またはヘキサン酸)と、所望により、適当な溶媒、例えば有機溶媒中で反応させて塩を得、これを結晶化および濾過により単離することにより調製することができる。
【0015】
本発明は、水和物および溶媒和物を含む、本発明の化合物の塩のすべての可能性ある化学量論的および非化学量論的形態をその範囲内に含む。
【0016】
本発明の化合物は、立体異性形態で存在することができる。本発明は、本発明の化合物のすべての幾何異性体および光学異性体およびラセミ体を含むその混合物も包含する。互変異性体も、また、本発明の一の態様を形成する。
【0017】
本発明の化合物は、下記一般式(I):
【化1】

で示すことができる。
【0018】
本発明の化合物が1−{6−[(3−シクロペンチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)オキシ]−3−ピリジニル}−2−ピロリジノンである場合、Rはシクロペンチルであり、Rはピリジン−3−イルであり、Rはピロリジン−2−オンイルである。
【0019】
本発明の化合物が1−{5−[(3−シクロペンチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)オキシ]−2−ピラジニル}−2−ピロリジノンである場合、Rはシクロペンチルであり、Rはピラジン−3−イルであり、Rはピロリジン−2−オンイルである。
【0020】
本発明の化合物が1−{4−[(3−シクロブチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)オキシ]−3−フルオロフェニル}−3−メチル−2−イミダゾリジノンである場合、Rはシクロブチルであり、Rは3−フルオロフェニルであり、Rは3−メチル−イミダゾリジン−2−オンイルである。
【0021】
本発明の化合物が1−{4−[(3−シクロブチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)オキシ]フェニル}−2−ピロリジノンである場合、Rはシクロブチルであり、Rはフェニルであり、Rはピロリジン−2−オンイルである。
【0022】
本発明の化合物が3−{6−[(3−シクロペンチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)オキシ]−3−ピリダジニル}−1,3−オキサゾリジン−2−オンである場合、Rはシクロペンチルであり、Rはピリダジン−3−イルであり、Rは1,3−オキサゾリジン−2−オンイルである。
【0023】
本発明の化合物が1−{6−[(3−シクロペンチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)オキシ]−3−ピリダジニル}−2−ピロリジノンである場合、Rはシクロペンチルであり、Rはピリダジン−3−イルであり、Rはピロリジン−2−オンイルである。
【0024】
本発明の化合物が3−シクロペンチル−7−{[5−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−2−ピラジニル]オキシ}−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンである場合、Rはシクロペンチルであり、Rはピラジン−2−イルであり、Rは3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イルである。
【0025】
本発明の化合物が3−シクロブチル−7−{[5−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−2−ピリジニル]オキシ}−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンである場合、Rはシクロブチルであり、Rはピリジン−2−イルであり、Rは3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イルである。
【0026】
本発明の化合物が3−シクロペンチル−7−{[5−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−2−ピリジニル]オキシ}−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンである場合、Rはシクロペンチルであり、Rはピリジン−2−イルであり、Rは3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イルである。
【0027】
また、本発明は、式(I)で示される化合物の製造方法を提供する。該方法は:
(a)式(II):
【化2】

[式中、Rは上記と同意義である]
で示される化合物を、式R−R−L(式中、RおよびRは上記と同意義であり、Lは適当な脱離基、例えばハロゲン原子(例えば、臭素またはヨウ素)である)で示される化合物を反応させること;または
【0028】
(b)式(III):
【化3】

[式中、R、Rおよびnは上記と同意義である]
で示される化合物を、式R−L(式中、RはRに関して上記と同意義であり、Lは適当な脱離基、例えばハロゲン原子(例えば、臭素、ヨウ素またはトシラート)である)で示される化合物と反応させること;または
【0029】
(c)上記と同意義の式(III)で示される化合物を、式R1’=O(式中、R1’はシクロブチルまたはシクロペンチルである)で示されるケトンと反応させること;または
【0030】
(d)式(I)で示される化合物のR基がピロリジン−2−オンイル、3−メチル−イミダゾリジン−2−オンイルまたは1,3−オキサゾリジン−2−オンイルである場合、式(IV):
【化4】

[式中、RおよびRは上記と同意義であり、Lは適当な脱離基、例えばハロゲン原子(例えば、ヨウ素)である]
で示される化合物を、2−ピロリジノン、1−メチル−2−イミダゾリジノンまたは1,3−オキサゾリジン−2−オンと反応させること;
【0031】
(e)式(I)で示される化合物のR基が3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イルである場合、式(V):
【化5】

[式中、RおよびRは上記と同意義である]
で示される化合物を、1,1’−(オキソメタンジイル)ビス−1H−イミダゾールと反応させること;または
【0032】
(f)保護された式(I)で示される化合物を脱保護すること;
を含む。
【0033】
工程(a)は、WO2004/056369の工程(a)に記載のように行うことができる。
工程(b)は、WO2004/056369の工程(b)に記載のように行うことができる。
工程(c)は、WO2004/056369の工程(c)に記載のように行うことができる。
【0034】
工程(d)は、典型的には、適当な溶媒、例えば乾燥1,4−ジオキサンまたは乾燥1,2−ジオキサン中、高温でのヨウ化銅(I)、炭酸カリウムおよびN,N’−ジメチル−1,2−エタンジアミンの使用を含む。反応は、典型的には、マイクロ波反応器中で行う。
工程(e)は、(1E)−N−ヒドロキシエタンイミダミドの使用を含む。反応は、適当な溶媒、例えばテトラヒドロフラン中、高温で、典型的には還流条件下で行う。
【0035】
工程 (f)において、保護基およびその除去方法の例は、T. W. Greene、「Protective Groups in Organic Synthesis」(J. Wiley and Sons, 1991)にて見ることができる。適当なアミン保護基は、スルホニル(例えば、トシル)、アシル(例えば、アセチル、2’,2’,2’−トリクロロエトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルまたはt−ブトキシカルボニル)およびアリールアルキル(例えば、ベンジル)を含み、これらは、適宜、加水分解(例えば、ジオキサン中の塩酸などの酸またはジクロロメタン中のトリフルオロ酢酸)により、または還元的(例えば、ベンジル基の水素化分解または酢酸中亜鉛を用いる2’,2’,2’−トリクロロエトキシカルボニル基の還元的除去)に除去することができる。他の適当なアミン保護基は、塩基触媒加水分解により除去することができるトリフルオロアセチル(−COCF)または酸触媒加水分解、例えばトリフルオロ酢酸での加水分解により除去することができる固相樹脂結合ベンジル基、例えばメリーフィールド樹脂結合2,6−ジメトキシベンジル基(エルマンリンカー)を含む。式(II)、(III)、(IV)および(V)で示される化合物は、WO2004/056369に記載の一般方法により調製することができる。
【0036】
本発明の化合物は、ヒスタミンH3受容体に対してアフィニティを有し、そのアンタゴニストおよび/または逆アゴニストである。かくして、これらは、アルツハイマー病、痴呆、加齢による記憶機能障害、軽度認識障害、認知障害、癲癇、神経痛、神経炎の痛み、背痛を含む神経障害由来の痛み、炎症性の痛み、片頭痛、パーキンソン病、多発性硬化症、卒中およびナルコレプシーを含む睡眠障害;統合失調症(特に統合失調症の認知障害)、注意欠陥多動性障害、鬱病(特に双極性障害)および依存症を含む精神障害;および肥満症、喘息、アレルギー性鼻炎、鼻詰まり、慢性閉塞性肺疾患および胃腸障害を包含する他の疾患を含む精神障害の治療において有用である可能性があると考えられている。
有利には、本発明の化合物は、よい安定性を有する。
【0037】
かくして、また、本発明は、上記障害、特に、疾患、例えばアルツハイマー病および関連する神経変性障害における認知機能障害の治療または予防における治療物質として用いるための本発明の化合物またはその医薬上許容される塩を提供する。
さらに、本発明は、ヒトを含む哺乳動物における、上記障害の治療または予防方法であって、該対象に有効量の本発明の化合物またはその医薬上許容される塩を投与することを含む方法を提供する。
【0038】
別の態様において、本発明は、上記障害の治療用の医薬の製造における本発明の化合物またはその医薬上許容される塩の使用を提供する。
治療において用いられる場合、本発明の化合物は、通常は、標準的な医薬組成物に処方される。かかる組成物は、標準的な方法を用いて調製することができる。
【0039】
かくして、さらに、本発明は、上記障害の治療に用いるための、本発明の化合物またはその医薬上許容される塩および医薬上許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
さらに、本発明は、本発明の化合物またはその医薬上許容される塩および医薬上許容される担体を含む医薬組成物を提供を提供する。
【0040】
本発明の化合物は、他の治療剤、例えば、ヒスタミンH1アンタゴニストまたはアルツハイマー病の修飾または対症治療として有用である医薬と組み合わせて用いることができる。他の治療剤の適当な例は、5−HTアンタゴニスト、M1ムスカリンアゴニスト、M2ムスカリンアンタゴニストまたはアセチルコリンエステラーゼ阻害剤などのコリン作動性伝達を修飾することが解っている薬物でありうる。本発明の化合物を他の治療剤と組み合わせて用いる場合、本発明の化合物および薬剤は、別個または同時に慣用的な経路により投与することができる。
かくして、本発明は、さらなる態様において、本発明の化合物またはその医薬上許容される誘導体とさらなる治療剤との組み合わせを提供する。
【0041】
上記に関連する組み合わせは、有利には、医薬処方の形態で用いるために提供することができ、かくして上記した組み合わせと医薬上許容される担体または賦形剤とを一緒に含む医薬処方は、発明のさらなる態様を形成する。かかる組み合わせの個々の成分は、別個に、または併合した医薬処方にて連続してまたは同時に投与することができる。
本発明の化合物またはその医薬上許容される誘導体を、同じ病態に対して活性な第2の治療剤と組み合わせて用いる場合、個々の化合物の投与量は、化合物を単独で用いる場合とは異なる。適当な投与量は、当業者であれば容易に理解するであろう。
適当には、常温および大気圧で混合することにより調製することができる、本発明の医薬組成物は、通常、経口、非経口または直腸投与用に用いられ、それ自体が、錠剤、カプセル、経口用液体製剤、散剤、顆粒、ロゼンジ、復元散剤、注射または注入用溶液または懸濁液あるいは座剤の形態であってもよい。経口投与組成物が一般的には好ましい。
【0042】
経口投与用の錠剤およびカプセルは単位剤形であってもよく、慣用的な賦形剤、例えば結合剤、充填剤、錠剤滑剤、崩壊剤および許容される湿潤剤を含有していてもよい。錠剤は、通常の薬務にてよく知られた方法に従ってコートすることができる。
経口液体製剤は、例えば、水性または油性懸濁液、溶液、エマルジョン、シロップまたはエリキシルの形態であってもよく、あるいは、使用前に水または他の適当なビヒクルで復元する乾燥生成物の形態であってもよい。かかる液体製剤は、通常の添加剤、例えば懸濁化剤、乳化剤、非水性ビヒクル(食用油を含んでいてもよい)、保存剤および所望により慣用的なフレーバーまたは着色剤を含有していてもよい。
【0043】
非経口投与の場合、流体単位剤形は、本発明の化合物またはその医薬上許容される塩および滅菌ビヒクルを利用して調製される。使用するビヒクルおよび濃度に応じて、化合物は、ビヒクルに懸濁または溶解することができる。溶液の調製において、化合物は、注射用に溶解し、滅菌濾過し、適当なバイアルまたはアンプルに充填し、シールすることができる。有利には、アジュバント、例えば局所麻酔剤、保存剤および緩衝化剤をビヒクルに溶解させる。安定性を増強するために、バイアルに充填した後に組成物を凍結させ、減圧下で水を除去する。非経口懸濁液は、化合物を溶かす代わりにビヒクル中に懸濁させ、滅菌を濾過により行えないことを除いては実質的に同様の方法で調製する。化合物は滅菌バイアルに懸濁させる前に、エチレンオキシドに暴露して滅菌することができる。有利には、界面活性剤または湿潤剤を組成物に配合し、化合物の均質な分散を容易にする。
【0044】
組成物は、投与する方法に応じて、0.1重量%〜99重量%、好ましくは、10〜60重量%の活性物質を含有する。上記した障害の治療において用いる化合物の投与量は、障害の重度、患者の体重および他の同様の因子により変化するだろう。しかしながら、一般的に推奨されるものとして、適当な単位投与量は、0.05〜1000mg、より適当には0.1〜200mg、さらにより適当には1.0〜200mgであってもよい。一の態様において、適当な単位投与量は、0.1〜50mgであるだろう。かかる投与量は、1日1回以上、例えば1日2または3回投与することができる。かかる治療は、数週間または数ヶ月にわたってもよい。
【0045】
以下の記載および実施例は、本発明の化合物の製造方法を説明する。
記載1
1,1−ジメチルエチル7−[(5−ヨウド−2−ピリジニル)オキシ]−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−カルボキシレート(D1)
【化6】

水素化ナトリウム(1.67gの60%分散液;41.8mmol)を、乾燥ジメチルホルムアミド(100ml)中の1,1−ジメチルエチル7−ヒドロキシ−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−カルボキシレート(9.2g;34.8mmol、WO02/40471の記載3の方法により得た)の溶液に加え、反応物を氷/水で、アルゴン雰囲気下で冷却した。添加を完了し、混合物を室温に加温し、室温にて2時間撹拌した。2−クロロ−5−ヨウドピリジン(10g;41.8mmol)を加え、混合物を95℃で18時間アルゴン雰囲気下で加熱した。混合物を冷却し、氷/水(約400ml)に注いだ。この混合物を氷が溶けるまで撹拌した。この懸濁液を酢酸エチル(4×250ml)で抽出した。抽出液を合し、洗浄(2×100mlの水、150mlのブライン)し、蒸発させて、ベージュの固体を得た。残渣を、5%、ついで10%のペンタン中酢酸エチルで溶出する400gのbiotageカートリッジで精製した。生成物を含有するフラクションを合し、蒸発させて、白色粉末を得た(13.4g;83%)MS(AP+),m/e467[M+H]。
【0046】
記載1a
1,1−ジメチルエチル7−[(5−ブロモ−2−ピリジニル)オキシ]−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−カルボキシレート(D1a)
【化7】

水素化ナトリウム(8.9gの鉱油中60%分散液;0.22mol)を、乾燥N−メチルピロリジノン(350ml)中の1,1−ジメチルエチル7−ヒドロキシ−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−カルボキシレート(WO02/40471の記載3の方法により得た)(50g、0.21mol)の撹拌溶液に滴下し、混合物を室温にて3時間撹拌した。5−ブロモ−2−クロロピリジン(44.8g、0.23mol)を滴下し、混合物を97℃の開始温度に加熱し、アルゴン雰囲気下で18時間撹拌した。混合物を冷却し、氷水(約4リットル)に激しく撹拌しながら加えた。得られた灰色固体を濾過により回収し、水で洗浄した。これを酢酸エチル(約750ml)中に溶解し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、蒸発させた。残渣を、5%、ついで、10%のペンタン中酢酸エチルで溶出する800gのフラッシュ75biotageカラムに付した。生成物を含有するフラクションを合し、蒸発させて、標題化合物を無色の結晶性固体として得た。MS(AP+)m/e419および421[M+H]
【0047】
記載2
1,1−ジメチルエチル7−{[5−(2−オキソ−1−ピロリジニル)−2−ピリジニル]オキシ}−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−カルボキシレート(D2)
【化8】

方法A
乾燥1,4−ジオキサン(200ml)中の1,1−ジメチルエチル7−[(5−ヨウド−2−ピリジニル)オキシ]−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−カルボキシレート(D1)(12.5g;26.8mmol)、炭酸カリウム(12.3g;96.5mmol)、2−ピロリジノン(4.0ml;53.6mmol)、N,N’−ジメチル−1,2−エタンジアミン(263mg;2.7mmol)およびヨウ化銅(I)(0.5g、2.8mmol)の混合物を、3時間加熱還流した。さらに、ヨウ化銅(I)およびN,N’−ジメチル−1,2−エタンジアミン(各々10mol%)を加え、さらに2時間加熱した。混合物を冷却し、セライトにより濾過した。パッドを酢酸エチルで洗浄し、濾液を蒸発させて、淡青色ガムを得た。残渣を、1−1、ついで、2−1の酢酸エチル−ヘキサンで溶出する400gbiotageカラムで精製した。生成物を含有するフラクションを合し、蒸発させて、白色固体を得た(8.33g;74%)MS(AP+),m/e424[M+H]。
【0048】
方法B
1,4−ジオキサン(20ml)中のヨウ化銅(136mg、0.72mmol)、1,1−ジメチルエチル7−[(5−ブロモ−2−ピリジニル)オキシ]−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−カルボキシレート(D1a)、(3.0g;7.2mmol)、ピロリジノン(1.22g;14.3mmol)、炭酸カリウム(3.6g;25.8mmol)およびN,N’−ジメチル−1,2−エタンジアミン(63mg;0.72mmol)の混合物を、アルゴン雰囲気下で18時間加熱還流した。混合物を、セライトにより濾過し、パッドを酢酸エチルで洗浄した。濾液を蒸発させ、残渣を、1−1〜1−0勾配の酢酸エチル−ペンタンで溶出する40+m biotageカートリッジで精製した。生成物を含有するフラクションを合し、蒸発させて、標題化合物を白色結晶性固体として得た。MS(AP+)m/e424[M+H]
【0049】
記載3
1−[6−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イルオキシ)−3−ピリジニル]−2−ピロリジノン(D3)
【化9】

方法A
ジクロロメタン(50ml)中の1,1−ジメチルエチル7−{[5−(2−オキソ−1−ピロリジニル)−2−ピリジニル]オキシ}−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−カルボキシレート(D2、方法A)(8.1g;19.2mmol)の溶液を、1,4−ジオキサン(48ml;0.192mol)中の4Mの塩化水素溶液に滴下した。添加が完了すると、混合物を室温にて1時間撹拌した。得られた淡黄色固体を濾過により回収し、酢酸エチルで洗浄した。これを、水(50ml)に溶解し、2MのNaOH溶液を添加することによりpHを14に調節した。これを酢酸エチル(6×70ml)で抽出し、抽出物を合し、ブライン(100ml)で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、蒸発させて、標題化合物(5.7g、92%)を得た。MS(AP+),m/e324[M+H]
【0050】
方法B
トリフルオロ酢酸(8ml)を、ジクロロメタン(8ml)中の1,1−ジメチルエチル7−{[5−(2−オキソ−1−ピロリジニル)−2−ピリジニル]オキシ}−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−カルボキシレート(D2、方法B)(2.83g;6.7mmol)の溶液に加え、混合物を、アルゴン雰囲気下、室温にて1時間撹拌した。溶媒をエバポレーションにより除去し、得られた混合物を、2×10gのSCX(強カチオン交換)カートリッジにより精製した。生成物を含有するフラクションを合し、蒸発させて、無色のガムを得、これを静置して固体化させた。MS(ES+)m/e324[M+H]
【0051】
記載4
5−クロロ−2−ピラジンアミン(D4)
【化10】

アミノピラジン(10g、105mmol)をジメチルホルムアミド(60ml)中に溶解し、N−クロロスクシニミド(15.36g、115mmol)を、アルゴン雰囲気下、室温にて滴下した。5分後、温度を25℃から45℃に上げた(要注意−発熱反応)。氷浴を反応混合物の下部に置き、混合物を30分間撹拌し、ついで、室温に加温した。混合物を水に注ぎ、ジエチルエーテル(×5)で抽出した。ジエチルエーテル層を減圧下で蒸発させた。生成物を、10%のペンタン中酢酸エチルで溶出するBiotageカラムクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を得た(1.40g)。H NMR(CDCl)8.02(1H,s),7.76(1H,s),4.61(2H,s)
【0052】
記載5
2,5−ジクロロピラジン(D5)
【化11】

5−クロロ−2−ピラジンアミン(D4)(753mg、5.81mmol)を濃塩酸(8ml)に溶解し、氷−アセトン浴で冷却し、水(6ml)中の硝酸ナトリウム(822mg、11.9mmol)溶液を、1時間にわたって滴下して処理した。混合物を氷水浴に移し、1時間撹拌した。混合物を室温に2時間にわたって加温し、50%の水酸化ナトリウム水溶液を添加することにより中和し、ジクロロメタン(×4)で抽出した。ジクロロメタン層を合し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させた。得られた残渣を、10%のペンタン中酢酸エチルで溶出するBiotageカラムクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(112mg)を得た。H NMR(CDCl)8.40(2H,s)
【0053】
記載6
1,1−ジメチルエチル7−[(5−クロロ−2−ピラジニル)オキシ]−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−カルボキシレート(D6)
【化12】

1,1−ジメチルエチル7−ヒドロキシ−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−カルボキシレート(182mg、0.69mmol:WO02/40471の記載3の方法により得た)を、乾燥ジメチルホルムアミド(3ml)に溶解し、氷浴で冷却し、水素化ナトリウム(鉱油中60%、29mg、0.72mmol)で処理した。混合物を1時間にわたって室温に加温した。ジメチルホルムアミド中の2,5−ジクロロピラジン(D5)(112mg、0.76mmol)の溶液を加え、混合物を室温にて2時間撹拌し、一晩アルゴン雰囲気下に置いた。混合物を水で希釈し、酢酸エチル(×2)で抽出した。酢酸エチル層を合し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させた。残渣を、1:4酢酸エチル:ペンタンで溶出するBiotageカラムクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を得た(208mg)。MS(ES+)m/e376[M+H]
【0054】
記載7
1,1−ジメチルエチル7−{[5−(2−オキソ−1−ピロリジニル)−2−ピラジニル]オキシ}−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−カルボキシレート(D7)
【化13】

1,1−ジメチルエチル7−[(5−クロロ−2−ピラジニル)オキシ]−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−カルボキシレート(D6)(208mg、0.55mmol)、ピロリジノン(0.08ml、1.1mmol)、炭酸カリウム(273mg、1.98mmol)、ヨウ化銅(I)(32mg、0.17mmol)およびN,N−ジメチルエチレンジアミン(0.02ml、0.17mmol)を、一緒に乾燥ジオキサン(5ml)に加え、マイクロ波反応器中、高吸引下、140℃で20分間加熱した。混合物を同様の条件でさらに20分加熱し、ついで、高吸引下150℃で30分加熱した。さらなる量のピロリジノン(2当量)、ヨウ化銅(I)(30mol%)およびN,N−ジメチルエチレンジアミン(30mol%)を加え、混合物を高吸引下150℃で45分間加熱した。混合物を150℃で1時間加熱した。混合物を水で希釈し、酢酸エチル(×3)で抽出した。酢酸エチル層を合し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で蒸発させた。残渣を、1:1酢酸エチル:ペンタンで溶出するBiotageカラムクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(126mg)を得た。MS(ES+)m/e425[M+H]
【0055】
記載8
1−[5−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イルオキシ)−2−ピラジニル]−2−ピロリジノン(D8)
【化14】

1,1−ジメチルエチル7−{[5−(2−オキソ−1−ピロリジニル)−2−ピラジニル]オキシ}−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−カルボキシレート(D7)(126mg、0.30mmol)を、ジクロロメタン(2ml)中に溶解し、トリフルオロ酢酸(2ml)で処理し、アルゴン雰囲気下室温にて2時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をメタノール中に溶解し、メタノール、ついで、2Mのアンモニア/メタノールで溶出するSCX(強カチオン交換)に通した。塩基性フラクションを合し、蒸発させて、標題化合物(88mg)を得た。MS(ES+)m/e325[M+H]
【0056】
記載9
1,1−ジメチルエチル7−[(2−フルオロ−4−ニトロフェニル)オキシ]−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−カルボキシレート(D9)
【化15】

ジメチルホルムアミド中の1,1−ジメチルエチル7−ヒドロキシ−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−カルボキシレート(WO02/40471の記載3の方法により得た)(10.0g、38.0mmol)および炭酸カリウム(13.0g、94.9mmol)の撹拌懸濁液を、3,4−ジフルオロニトロベンゼン(6.64g、41.8mmol)で処理し、混合物を130℃で18時間撹拌した。常温に冷却した後、反応混合物を酢酸エチルおよび水間で分配した。水層を酢酸エチル(×2)で抽出し、合した有機抽出物をブライン(×3)で洗浄し、乾燥(NaSO)し、減圧下で濃縮した。得られた橙色油を、0〜50%の酢酸エチル/ペンタンで溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を得た;MS(ES+)m/e303[M−BOC+H]
【0057】
記載10
1,1−ジメチルエチル7−[(4−アミノ−2−フルオロフェニル)オキシ]−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−カルボキシレート(D10)
【化16】

エタノール(125ml)中の1,1−ジメチルエチル7−[(2−フルオロ−4−ニトロフェニル)オキシ]−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−カルボキシレート(D9)(17.6g、43.8mmol)を、10%の炭素担持パラジウム存在下、2時間水素化した。セライトにより触媒を濾過した後、溶媒を減圧下で除去して、標題化合物を得た;MS(ES+)m/e273[M−BOC+H]
【0058】
記載11
1,1−ジメチルエチル7−[(2−フルオロ−4−ヨウドフェニル)オキシ]−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−カルボキシレート(D11)
【化17】

乾燥テトラヒドロフラン(100ml)中の1,1−ジメチルエチル7−[(4−アミノ−2−フルオロフェニル)オキシ]−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−カルボキシレート(D10)(5g、13.4mmol)およびヨードホルム(10.0g、26.9mmol)を、30分間、乾燥テトラヒドロフラン(50ml)中のtert−ブチルニトリル(3.2ml、26.0mmol)で処理した。反応混合物を、常温で1時間撹拌し、ついで、1時間加熱還流した。常温に冷却した後、溶媒を減圧下で除去して、残渣を、10%酢酸エチル/ペンタンで溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を得た;MS(ES+)m/e384[M−BOC+H]
【0059】
記載12
7−[(2−フルオロ−4−ヨウドフェニル)オキシ]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン(D12)
【化18】

ジクロロメタン(30ml)中の1,1−ジメチルエチル7−[(2−フルオロ−4−ヨウドフェニル)オキシ]−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−カルボキシレート(D11)(4.8g、10.0mmol)の溶液を、0℃で冷却し、トリフルオロ酢酸(20ml)を滴下し、混合物を3.5時間常温で撹拌した。溶媒を蒸発させた後、残渣をジクロロメタン中に溶解し、氷/0.880アンモニアに撹拌しながら注ぎ、ジクロロメタン(×3)で抽出した。合した有機抽出物を、水で洗浄し、乾燥(NaSO)し、減圧下で濃縮して、標題化合物を得た;MS(ES+)m/e384[M+H]
【0060】
記載13
3−シクロブチル−7−[(2−フルオロ−4−ヨウドフェニル)オキシ]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン(D13)
【化19】

ジクロロメタン(50ml)および酢酸(0.5ml)中の7−[(2−フルオロ−4−ヨウドフェニル)オキシ]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン(D12)(3.6g、9.3mmol)を、シクロブタノン(1.0ml、14.0mmol)で処理し、30分間常温で撹拌した。トリアセトキシボロヒドリドナトリウム(3.0g、14.0mmol)を加え、混合物をさらに3時間撹拌した。2Nの水酸化ナトリウム溶液を、pH14になるまで加え、混合物を30分間撹拌し、水で希釈し、ジクロロメタン(×3)で抽出した。合した有機抽出物を水(×2)およびブラインで洗浄し、乾燥(NaSO)し、減圧下で濃縮して、標題化合物を得た;MS(ES+)m/e438[M+H]
【0061】
記載14
1,1−ジメチルエチル7−[(フェニルメチル)オキシ]−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−カルボキシレート(D14)
【化20】

1,1−ジメチルエチル7−ヒドロキシ−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−カルボキシレート(WO02/40471の記載3に記載の方法により得た)(790mg、3mmol)、炭酸カリウム(1.24g、9mmol)および触媒ヨウ化カリウムを、2−ブタノン(20ml)中に懸濁させた。臭化ベンジル(536μl、4.5mmol)を加え、混合物を24時間加熱還流した。固体を濾過し、ついで、アセトンで洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、粗油を、酢酸エチルおよびヘキサンの混合物(1:4)で溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を得た(1.06g,100%)。H NMR(CDCl)7.44(5H,m),7.03(1H,d,J8.1Hz),6.77(1H,s),6.74(1H,dd,J8.1および2.4Hz),3.49(4H,m),2.84(4H,m),1.48(9H,s)
【0062】
記載15
7−[(フェニルメチル)オキシ]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン(D15)
【化21】

1,1−ジメチルエチル7−[(フェニルメチル)オキシ]−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−カルボキシレート(D14)(1.06g、3mmol)を中にジクロロメタン(15ml)を溶解し、トリフルオロ酢酸(15ml)で処理した。溶液を2時間室温にて撹拌し、減圧下で濃縮し、ついで、ジクロロメタンと2回共沸させた。残渣をメタノール中に溶解し、SCX(Varian bond−elute、10g)に付し、メタノール、ついで、.880アンモニア/メタノールの混合物で洗浄した。合した塩基性フラクションを減圧下で減少させ、残渣を、カラムクロマトグラフィー(1:9:40no
.880アンモニア:エタノール:ジクロロメタン)により精製して、標題化合物を得た(702mg、93%);MS(ES+)m/e254[M+H]
【0063】
記載16
3−シクロブチル−7−[(フェニルメチル)オキシ]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン(D16)
【化22】

7−[(フェニルメチル)オキシ]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン(D15)(25.3g、100mmol)を、2.5%中にジクロロメタン中の酢酸(400ml)に0℃で加え、シクロブタノン(11.2ml、150mmol)を滴下して処理した。混合物を20分間撹拌し、ついで、トリアセトキシボロヒドリドナトリウム(31.8g、150mmol)を滴下した。反応混合物を室温にて4時間撹拌し、飽和炭酸ナトリウム水溶液で塩基性化し、ジクロロメタンで抽出した。合した抽出物を水、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。粗残渣をヘキサンでトリチュレートし、濾過して、標題生成物を得た。MS(ES+)m/e308[M+H]
【0064】
記載17
3−シクロブチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−オール(D17)
【化23】

3−シクロブチル−7−[(フェニルメチル)オキシ]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン(D16)(9.22g、30mmol)を、エタノール(150ml)およびテトラヒドロフラン(50ml)中に溶解した。パラジウム(1.5g、10%炭素担持ペースト)を加え、反応混合物を、水素雰囲気下(1気圧)室温で5時間撹拌した。反応混合物をセライトにより濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。粗残渣をジエチルエーテルでトリチュレートし、濾過して、標題生成物を得、これをさらに精製することなく次の工程に用いた。MS(ES+)m/e218[M+H]
【0065】
記載18
3−シクロブチル−7−[(4−ヨウドフェニル)オキシ]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン(D18)
【化24】

ジメチルホルムアミド(15ml)中の3−シクロブチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−オール(D17)(0.35g、1.6mmol)、4−フルオロヨウドベンゼン(0.23ml、1.9mmol)および炭酸セシウム(0.63g、1.9mmol)を、マイクロ波反応器中、高吸引下、200℃で20分間加熱した。常温に冷却したと、混合物を、酢酸エチルおよび水間で分配した。水層を酢酸エチルに抽出し、合した有機層をブラインで洗浄し、乾燥(NaSO)し、減圧下で濃縮した。残渣を、2.5%(メタノール中2Mアンモニア)/ジクロロメタンで溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を得た;MS(ES+)m/e420[M+H]
【0066】
記載19
2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−オール(D19)
【化25】

乾燥ジクロロメタン(80ml)中の1,1−ジメチルエチル7−ヒドロキシ−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−カルボキシレート(WO02/40471の記載3に記載の方法により得た)(20.0g、76mmol)を0℃に冷却し、トリフルオロ酢酸(40ml)を滴下して処理した。反応混合物を20分間0℃で撹拌し、ついで、1時間常温で撹拌し、ついで、溶媒を減圧下で除去して、標題化合物をトリフルオロアセテート塩として得た;MS(ES+)m/e164[M+H]
【0067】
記載20
3−シクロペンチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−オール(D20)
【化26】

2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−オール(D19)(24.6g、89mmol)を乾燥ジクロロメタン(200ml)中に懸濁させ、0℃に冷却した。トリエチルアミン(13.6ml、98mmol)を加え、混合物を15分間撹拌した。シクロペンタノン(9.4ml、107mmol)を滴下し、混合物を常温に加温し、1時間撹拌した。0℃に冷却した後、トリアセトキシボロヒドリドナトリウム(22.6g、107mmol)を滴下し、混合物を72時間常温で撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を酢酸エチルおよび水間で分配し、セライトにより濾過し、層を分離した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥(MgSO)し、減圧下で濃縮して、標題化合物を得た;MS(ES+)m/e232[M+H]。濾過の残渣をセライトから除去し、2Nの水酸化ナトリウム溶液に溶解した。この水層を2Nの塩酸を添加することによりpH8に中和し、酢酸エチルで抽出(×3)し、乾燥(MgSO)し、減圧下で濃縮して、第2の標題化合物のクロップを得た;MS(ES+)m/e232[M+H]
【0068】
記載21
3−シクロペンチル−7−[(6−ヨウド−3−ピリダジニル)オキシ]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン(D21)
【化27】

乾燥ジメチルホルムアミド(10ml)中の3−シクロペンチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−オール(D20)(1.0g、4.5mmol)を、3,6−ジヨウドピリダジン(J. Med. Chem.; 42; (4); 669; (1999))(1.8g、5.4mmol)および炭酸セシウム(1.8g、5.4mmol)で処理し、100℃で2時間加熱した。常温に冷却した後、溶媒を減圧下で除去し、残渣を水およびジクロロメタン間で分配した。有機層を、水およびブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)し、減圧下で蒸発させた。残渣を、0〜2%の(メタノール中2Mアンモニア)/ジクロロメタンで溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を得た;MS(ES+)m/e436[M+H]
【0069】
記載22
1,1−ジメチルエチル7−({5−[(メチルオキシ)カルボニル]−2−ピラジニル}オキシ)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−カルボキシレート(D22)
【化28】

水素化ナトリウム(800mgの60%分散液;20mmol)を、乾燥ジメチルホルムアミド(40ml)中の1,1−ジメチルエチル7−ヒドロキシ−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−カルボキシレート(5g;19mmol;WO02/40471の記載3に記載の方法により得た)の溶液に加え、反応物を、室温にて45分間撹拌した。5−クロロ−2−ピラジンカルボン酸メチル(3.9g;22.8mmol)を加え、混合物を室温にて18時間撹拌した。混合物を水に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出した。抽出物を合し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、蒸発させた。残渣を、2−1のヘキサン−酢酸エチルで溶出するシリカカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色粉末を得た(4.6g;61%)。δ(CDCl3)1.49(s,9H),2.92(m,4H),3.58(m,4H),4.01(s,3H),6.94(m,2H),7.18(m,H),8.48(s,H),8.84(s,H)
【0070】
記載23
5−[(3−{[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)オキシ]−2−ピラジンカルボン酸(D23)
【化29】

2Mの水酸化ナトリウム溶液(18ml;36mmol)を、アセトン(80ml)中の1,1−ジメチルエチル7−({5−[(メチルオキシ)カルボニル]−2−ピラジニル}オキシ)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−カルボキシレート(D22)(5g;12.5mmol)の撹拌溶液に加えた。15分後、混合物を、2Mの塩酸を加えて酸性化し、この混合物を水に注いだ。得られた沈殿物を濾過により回収し、酢酸エチルに溶解した。これを乾燥(硫酸ナトリウム)し、蒸発させて、白色粉末(4.38g;91%)を得た。MS(AP+),m/e386[M+H]
【0071】
記載24
1,1−ジメチルエチル7−{[5−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−2−ピラジニル]オキシ}−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−カルボキシレート(D24)
【化30】

1,1’−(オキソメタンジイル)ビス−1H−イミダゾール(463mg、2.9mmol)を、テトラヒドロフラン(15ml)中の5−[(3−{[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)オキシ]−2−ピラジンカルボン酸(D23)(1g;2.6mmol)に溶解した。混合物を1時間加熱還流し、(1E)−N−ヒドロキシエタンイミダミド(385mg;5.2mmol)を加えた。加熱をさらに18時間続け、混合物を酢酸エチルで希釈した。これを水、希水酸化ナトリウム溶液およびブラインで洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、蒸発させた。残渣を、2−1のペンタン−酢酸エチルで溶出するシリカカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色粉末を得た(310mg;28%)。MS(AP+),m/e424[M+H]
【0072】
記載25
7−{[5−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−2−ピラジニル]オキシ}−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン(D25)
【化31】

トリフルオロ酢酸(4ml)を、ジクロロメタン(4ml)中の1,1−ジメチルエチル7−{[5−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−2−ピラジニル]オキシ}−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−カルボキシレート(D24)(300mg;0.73mmol)の溶液に加え、混合物を室温にて30分間撹拌した。混合物を蒸発させ、メタノール、ついで、メタノール中2Mアンモニア溶液で溶出する10gのSCXイオン交換カラムで精製して、無色ガムを得た(230mg;98%)。MS(AP+),m/e324[M+H]
【0073】
記載26
1,1−ジメチルエチル7−({5−[(メチルオキシ)カルボニル]−2−ピリジニル}オキシ)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−カルボキシレート(D26)
【化32】

水素化ナトリウム(540mgの60%分散液;13.7mmol)を、乾燥ジメチルホルムアミド(20ml)中の1,1−ジメチルエチル7−ヒドロキシ−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−カルボキシレート(3g;11.4mmol;WO02/40471の記載3に記載の方法により得た)の溶液に加え、反応物を室温にて45分間撹拌した。6−クロロ−3−ピリジンカルボン酸メチル(3.9g;22.8mmol)を加え、混合物を100℃で18時間撹拌した。混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出物を合し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、蒸発させた。残渣を、3−1のペンタン−酢酸エチルで溶出するシリカカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色粉末を得た(3.7g;82%)。MS(AP+),m/e399[M+H]
【0074】
記載27
6−[(3−{[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)オキシ]−3−ピリジンカルボン酸(D27)
【化33】

2Mの水酸化ナトリウム溶液(14ml;28mmol)を、アセトン(35ml)中の1,1−ジメチルエチル7−({5−[(メチルオキシ)カルボニル]−2−ピリジニル}オキシ)−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−カルボキシレート(D26)(3.7g;9.3mmol)の撹拌溶液に加えた。15分後、混合物を、2Mの塩酸で酸性化し、この混合物を水に注いだ。得られた沈殿物を濾過により回収し、酢酸エチルに溶解した。これを乾燥(硫酸ナトリウム)し、蒸発させて、白色粉末(3.07g;86%)を得た。MS(AP+),m/e385[M+H]
【0075】
記載28
1,1−ジメチルエチル7−{[5−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−2−ピリジニル]オキシ}−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−カルボキシレート(D28)
【化34】

1,1’−(オキソメタンジイル)ビス−1H−イミダゾール(1.42g、8.8mmol)を、テトラヒドロフラン(30ml)中の6−[(3−{[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)オキシ]−3−ピリジンカルボン酸(D27)(1.42g;8mmol)の溶液に加えた。混合物を1時間加熱還流し、(1E)−N−ヒドロキシエタンイミダミド(1.77g;24mmol)を加えた。加熱をさらに70時間続け、混合物を酢酸エチルで希釈した。これを水、希水酸化ナトリウム溶液およびブラインで洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、蒸発させた。残渣を、2−1のペンタン−酢酸エチルで溶出するシリカカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色粉末を得た。(1.68mg;50%)MS(AP+),m/e423[M+H]
【0076】
記載29
7−{[5−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−2−ピリジニル]オキシ}−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン(D29)
【化35】

トリフルオロ酢酸(15ml)を、ジクロロメタン(15ml)中の1,1−ジメチルエチル7−{[5−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−2−ピリジニル]オキシ}−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−カルボキシレート(D28)(1.68g;4mmol)の溶液に加え、混合物を室温にて30分間撹拌した。混合物を蒸発させて、メタノール、ついで、メタノール中2Mアンモニア溶液で溶出する10gのSCXイオン交換カラムで精製して、無色ガム(230mg;98%)を得た。δ(CDCl3)2.47(3H,s),2.91−3.00(8H,m),6.90(2H,m),7.04(h,m),7.17(H,m),8.33(H,m),8.93(H,m)
【0077】
実施例1
1−{6−[(3−シクロペンチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)オキシ]−3−ピリジニル}−2−ピロリジノン(E1)
【化36】

乾燥ジクロロメタン(4ml)中の1−[6−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イルオキシ)−3−ピリジニル]−2−ピロリジノン(D3、方法A)(0.10g、0.31mmol)を、シクロペンタノン(0.033ml、0.37mmol)で処理し、30分間撹拌した。トリアセトキシボロヒドリドナトリウム(0.078g、0.37mmol)を加え、混合物を一晩室温で撹拌した、粗混合物を、メタノールで希釈し、SCX(強カチオン交換)イオン交換カートリッジ(Varian bond−elute)に付し、メタノール、ついで、メタノール中2Mアンモニアで処理した。塩基性フラクションを減圧下で濃縮した。残渣を、1〜3%(メタノール中2Mアンモニア)/ジクロロメタンで溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を白色固体として得た;MS(ES+)m/e392[M+H]H NMR(CDCl3)d8.28(H,d),8.19(H,s),7.10(H,d),6.91(H,d),6.86−6.86(2H,m),3.85(2H,t),3.00−2.81(5H,m),2.80−2.65(4H,m),2.61(2H,t),2.20(2H,クインテット),1.86(2H,m),1.73−1.40(6H,m)
【0078】
実施例1a
1−{6−[(3−シクロペンチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)オキシ]−3−ピリジニル}−2−ピロリジノンモノ塩酸塩(E1a)
工程1:1−{6−[(3−シクロペンチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)オキシ]−3−ピリジニル}−2−ピロリジノン
ジクロロメタン(25ml)中のトリアセトキシボロヒドリドナトリウム(2.83g;13.4mmol)、1−[6−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イルオキシ)−3−ピリジニル]−2−ピロリジノン(D3、方法B)(2.16g;6.7mmol)、シクロペンタノン(1.18ml;13.4mmol)および氷酢酸(0.5ml)の混合物を、室温にて18時間撹拌した。混合物を、2×10gのSCX(強カチオン交換)カートリッジで希釈した。塩基性フラクションを合し、蒸発させて、白色固体を得、0〜5%の勾配のジクロロメタン中のメタノール中2Mアンモニアで溶出する40+m biotageカートリッジで精製した。生成物を含有するフラクションを合し、蒸発させて、無色ガムを得た。この物質をメタノール中に溶解し、2x10gのSCX(強カチオン交換)カートリッジで精製した。塩基性フラクション合し、蒸発させて、無色ガムを得た。MS(AP+)m/e392[M+H]
【0079】
工程2:1−{6−[(3−シクロペンチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)オキシ]−3−ピリジニル}−2−ピロリジノンモノ塩酸塩
ジエチルエーテル中の1Mの塩化水素(6.6ml;6.6mmol)を、メタノール(20ml)中の1−{6−[(3−シクロペンチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)オキシ]−3−ピリジニル}−2−ピロリジノン(2.46g;6.3mmol)の溶液に加え、混合物を室温にてアルゴン雰囲気下90分間撹拌した。溶媒を蒸発させて除去してクリーム固体を得、酢酸エチル(100ml)中に懸濁させ、約100℃に加熱した。メタノール(約60ml)を、透明な溶液が得られるまで添加した。共沸物を、沈殿物が得られるまで蒸留により除去した。混合物を、ゆっくりとアルゴン雰囲気下で冷却し、18時間撹拌した。得られた固体を濾過により回収し、酢酸エチルで洗浄し、減圧オーブン中40℃で4日間乾燥して、標題化合物を白色粉末として得た。MS(ES+)m/e392[M+H]H NMR(δ−DMSO)δ11.25(H,br),8.34(H,s),8.21(H,d),7.23(H,d),7.05(H,d),6.99(H,s),6.92(H,d)3.83(2H,t),3.64(3H,m),3.46(2H,m),2.99(4H,m),2.50(2H,m),2.01−2.10(4H,m),1.88(2H,m),1.73(2H,m),1.54(2H,m)
【0080】
実施例2
1−{5−[(3−シクロペンチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)オキシ]−2−ピラジニル}−2−ピロリジノン(E2)
【化37】

1−[5−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イルオキシ)−2−ピラジニル]−2−ピロリジノン(D8)(60mg、0.19mmol)を、ジクロロメタン(3ml)中に溶解し、シクロペンタノン(0.03ml、0.38mmol)および酢酸(2滴)で処理した。混合物を室温にて5分間アルゴン雰囲気下で撹拌した。トリアセトキシボロヒドリドナトリウム(81mg、0.38mmol)を加え、混合物を30分間撹拌した。反応混合物をメタノールで希釈し、メタノール、ついで、2Mアンモニア/メタノールで溶出するSCX(強カチオン交換)カラムに付した。塩基性フラクションを合し、減圧下で蒸発させた。生成物を、5%(メタノール中2Mアンモニア)−95%ジクロロメタンで溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(61mg)を得た。MS(ES+)m/e393[M+H]H NMR(CDCl)9.25(1H,s),8.10(1H,s),7.12−7.09(1H,d),6.87−6.85(2H,m),4.06−4.02(2H,t),2.92−2.86(5H,m),2.72−2.64(6H,m),2.21−2.15(2H,m),1.87−1.85(2H,m),1.58−1.47(6H,m)
【0081】
実施例3
1−{4−[(3−シクロブチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)オキシ]−3−フルオロフェニル}−3−メチル−2−イミダゾリジノン(E3)
【化38】

乾燥1,4−ジオキサン(5ml)中の3−シクロブチル−7−[(2−フルオロ−4−ヨウドフェニル)オキシ]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン(D12)(0.30g、0.69mmol)、1−メチル−2−イミダゾリジノン(0.14g、1.37mmol)、ヨウ化銅(I)(0.040g、0.21mmol)、炭酸カリウム(0.34g、2.5mmol)およびN,N’−ジメチル−1,2−エタンジアミン(0.018g、0.20mmol)の混合物を、マイクロ波反応器中、高吸引下、140℃で1時間加熱した。常温に冷却した後、反応混合物を、水および酢酸エチル間で分配した。有機層を酢酸エチルでさらに抽出し、合した有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥(NaSO)し、減圧下で濃縮した。残渣を、2%(メタノール中の2Mアンモニア)/ジクロロメタンで溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を得た;MS(ES+)m/e410[M+H]
【0082】
実施例4
1−{4−[(3−シクロブチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)オキシ]フェニル}−2−ピロリジノン(E4)
【化39】

乾燥1,4−ジオキサン(5ml)中の3−シクロブチル−7−[(4−ヨウドフェニル)オキシ]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン(D18)(0.27g、0.65mmol)、2−ピロリジノン(0.11g、1.3mmol)、ヨウ化銅(I)(0.040g、0.21mmol)、炭酸カリウム(0.32g、2.3mmol)およびN,N’−ジメチル−1,2−エタンジアミン(0.02g、0.20mmol)の混合物を、マイクロ波反応器中、高吸引下、140℃で1時間加熱した。常温に冷却した後、反応混合物を、水および酢酸エチル間で分配した。有機層をさらに酢酸エチルで抽出し、合した有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥(NaSO)し、減圧下で濃縮した。残渣を、2.5%(メタノール中の2Mアンモニア)/ジクロロメタンで溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を得た;MS(ES+)m/e377[M+H]
【0083】
実施例5
3−{6−[(3−シクロペンチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)オキシ]−3−ピリダジニル}−1,3−オキサゾリジン−2−オン(E5)
【化40】

乾燥1,2−ジオキサン(4ml)中の3−シクロペンチル−7−[(6−ヨウド−3−ピリダジニル)オキシ]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン(D21)(0.20g、0.46mmol)、1,3−オキサゾリジン−2−オン(0.079g、0.92mmol)、ヨウ化銅(I)(0.027g、0.14mmol)、炭酸カリウム(0.23g、1.7mmol)およびN,N’−ジメチル−1,2−エタンジアミン(0.020ml、0.14mmol)を、マイクロ波反応器中、高吸引下、140℃で15分間加熱した。常温に冷却した後、粗混合物を、SCXイオン交換カートリッジ(Varian bond−elute)に付して、メタノール、ついで、メタノール中2Mアンモニアで洗浄した。塩基性フラクションを減圧下で減少させて、標題化合物を得た;MS(ES+)m/e395[M+H]
【0084】
実施例6
1−{6−[(3−シクロペンチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)オキシ]−3−ピリダジニル}−2−ピロリジノン(E6)
【化41】

乾燥1,2−ジオキサン(4ml)中の3−シクロペンチル−7−[(6−ヨウド−3−ピリダジニル)オキシ]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン(D21)(0.20g、0.46mmol)、2−ピロリジノン(0.078g、0.92mmol)、ヨウ化銅(I)(0.027g、0.14mmol)、炭酸カリウム(0.23g、1.7mmol)およびN,N’−ジメチル−1,2−エタンジアミン(0.020ml、0.14mmol)を、マイクロ波反応器中、高吸引下、140℃で15分間加熱した。常温に冷却した後、粗混合物を、SCXイオン交換カートリッジ(Varian bond−elute)に付して、メタノール、ついで、メタノール中2Mアンモニアで洗浄した。塩基性フラクションを減圧下で減少させ、0〜2%(メタノール中2Mアンモニア)/ジクロロメタンカラムで溶出するクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物;MS(ES+)m/e393[M+H]
【0085】
実施例7
3−シクロペンチル−7−{[5−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−2−ピラジニル]オキシ}−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン(E7)
【化42】

トリアセトキシボロヒドリドナトリウム(93mg;0.44mmol)を、ジクロロメタン(4ml)中の7−{[5−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−2−ピラジニル]オキシ}−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン(D25)(130mg;0.4mmol)、シクロペンタノン(0.07ml;0.8mmol)および氷酢酸(1滴)の撹拌混合物に加えた。室温にて90分間撹拌した後、混合物をメタノールで希釈し、メタノール、ついで、メタノール中の2Mアンモニア溶液で溶出する10gのSCXイオン交換カラムにより精製した。ついで、残渣を、3−97のジクロロメタン中のメタノール中2Mアンモニアで溶出する、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色粉末を得た(98mg;63%)。MS(AP+),m/e392[M+H]
【0086】
実施例8
3−シクロブチル−7−{[5−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−2−ピリジニル]オキシ}−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン(E8)
【化43】

トリアセトキシボロヒドリドナトリウム(196mg;0.93mmol)を、ジクロロメタン(4ml)中の7−{[5−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−2−ピリジニル]オキシ}−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン(D29)(150mg;0.47mmol)、シクロブタノン(0.11ml;1.4mmol)および氷酢酸(1滴)中の撹拌混合物に加えた。室温にて90分間混合した後、混合物をメタノールで希釈し、メタノール、ついで、メタノール中の2Mアンモニア溶液で溶出する10gのSCXイオン交換カラムで精製した。ついで、残渣を、3−97のジクロロメタン中のメタノール中2Mアンモニアで溶出するシリカカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色粉末を得た(122mg;69%)。MS(AP+),m/e377[M+H]
【0087】
実施例9
3−シクロペンチル−7−{[5−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−2−ピリジニル]オキシ}−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン(E9)
【化44】

トリアセトキシボロヒドリドナトリウム(196mg;0.93mmol)を、ジクロロメタン(4ml)中の7−{[5−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−2−ピリジニル]オキシ}−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン(D29)(150mg;0.47mmol)、シクロペンタノン(0.12ml;1.4mmol)および氷酢酸(1滴)の撹拌混合物に加えた。室温にて90分間撹拌した後、混合物を、メタノールで希釈し、メタノール、ついで、メタノール中2Mアンモニアで溶出する10gのSCXイオン交換カラムで精製した。ついで、残渣を、3−97のジクロロメタン中のメタノール中2Mアンモニアで溶出するシリカカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色粉末を得た(109mg;59%)。MS(AP+),m/e391[M+H]
【0088】
生物学的データ
ヒスタミンH3受容体を含有する膜調製物は、以下の操作に従って調製することができる:
【0089】
(i)ヒスタミンH3細胞株の生成
ヒトヒスタミンH3遺伝子(Huvar, A. et al. (1999) Mol. Pharmacol. 55(6), 1101-1107)をコード化するDNAを、ホールディングベクター、pCDNA3.1 TOPO(InVitrogen)にクローン化し、プラスミドDNAを制限酵素BamH1およびNot−1で消化することによりそのcDNAをこのベクターから単離し、同様の酵素で消化された誘導発現ベクターpGene(InVitrogen)にライゲートさせた。GeneSwitch(登録商標)システム(導入遺伝子の発現がインデューサーの不在の下でオフとなり、インデューサーの存在下でオンとなるシステム)を米国特許第5364791号;第5874534号;および第5935934号の記載に従って行った。ライゲートさせたDNAをコンピテントDH5αイー・コリ宿主細菌細胞中に形質転換し、Zeocin(登録商標)(pGeneおよびpSwitch上に存在するsh ble遺伝子を発現する細胞の選択を可能にする抗生物質)を含有する、ルリアブロス(Luria Broth)(LB)寒天に50μg/mlで平板培養した。再びライゲートさせたプラスミドを含有するコロニーを、制限分析により同定した。pGeneH3プラスミドを含有する宿主細菌細胞の培養物(250ml)から、哺乳動物の細胞にトランスフェクトするためのDNAを調製し、DNA調製キット(Qiagen Midi-Prep)を用いて製造業者(Qiagen)の説明通りに単離した。
【0090】
予めpSwitch調節プラスミド(InVitrogen)でトランスフェクトしたCHO K1細胞を、使用する24時間前に、10%v/vの透析したウシ胎児血清、L−グルタミンおよびヒグロマイシン(100μg/ml)を補足したHams F12(GIBCOBRL, Life Technologies)培地を含有する、完全培地にT75フラスコ当たり2×10細胞で播種した。プラスミドDNAを、リポフェクタミン・プラスを用いて、製造業者(InVitrogen)の指示に従って細胞にトランスフェクトした。トランスフェクションから48時間経過した後、Zeocin(登録商標)(500μg/ml)を補足した完全培地に細胞を置いた。
【0091】
選択から10〜14日経過後、10nMのミフェプリストン(InVitrogen)を培地に加えて受容体の発現を誘発した。誘発の18時間後、エチレンジアミン四酢酸(EDTA;1:5000;InVitrogen)を用いて細胞をフラスコから取り出し、リン酸塩緩衝化セイライン(pH7.4)で数回洗浄し、最小必須培地(MEM)を含有し、フェノールレッド不含の、アール塩および3%Foetal Clone 11(Hyclone)を補足したソーティング培地に再び懸濁させた。ヒスタミンH3受容体のN−末端ドメインに拮抗して惹起されたウサギポリクローナル抗体、4aを用いて染色し、60分間氷上でインキュベートし、つづいて、ソーティング培地で2回洗浄することで約1×10の細胞を受容体発現について試験した。該細胞をAlexa 488蛍光マーカー(Molecular Probes)とコンジュゲートしたヤギ抗ウサギ抗体と一緒に氷上で60分間インキュベートすることにより、受容体結合抗体を検出した。さらにソーティング培地で2回洗浄した後、細胞を50μmのFilcon(登録商標)(BD Biosciences)で濾過し、ついで、自動細胞沈降装置を備えたFACS Vantage SE Flow Cytometerで分析した。対照細胞は同様の方法で処理した非誘発細胞であった。陽性染色の細胞を500μg/mlのZecin(登録商標)含有の完全培地を含有する96−ウェルプレートに単細胞として分類し、増殖させ、抗体を介する受容体発現について再度分析し、リガンド結合実験を行った。一のクローン、3H3を膜調製のために選択した。
【0092】
(ii)培養した細胞からの膜調製物
プロトコルのすべての工程は、4℃で、かつ試薬を前もって冷却して行う。細胞ペレットを、10−4Mのロイペプチン(Leupeptin)(アセチル−ロイシル−ロイシル−アルギナル;Sigma L2884)、25μg/mlのバシトラシン(bacitracin)(Sigma B0125)、1mMのフェニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF)および2×10−6MのペプスタインA(pepstain A)(Sigma)を補足した、10倍容量の均質化緩衝液(50mMのN−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸(HEPES)、1mMのエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、KOHによりpH7.4)に再び懸濁させる。ついで、1リットルのガラスワーリング・ブレンダーでの2×15秒バーストにより細胞を均質化し、つづいて500gで20分間遠心分離に付す。ついで、上清を48,000gで30分間スピン処理に付す。このペレットを、均質化緩衝液(元の細胞ペレットの4倍容量)に、5秒間渦流させて再び懸濁させ、つづいて、Dounceホモジナイザー(10〜15ストローク)で均質化させる。この時点で、調製物をポリプロピレン管にアリコートし、−80℃で貯蔵する。
【0093】
本発明の化合物は、インビトロでの生物学的活性に関して、以下のアッセイに従って試験することができる:
【0094】
(I)ヒスタミンH3機能的アンタゴニストアッセイ(方法A)
アッセイする各々の化合物を白色の384ウェルプレートに添加した:
(a)5μlの試験化合物を、10%DMSOで必要な濃度に希釈する(または対照として5μlの10%DMSO);および
(b)30μlのビーズ/膜/GDP混合物を、Wheat Germ Agglutinin Polystyrene Lead Seeker(登録商標)(WGA PS LS)シンチレーション近接アッセイ(SPA)ビーズを膜(上記の方法に従って調製した)と混合し、アッセイ緩衝液(20mMのN−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸(HEPES)+100mMのNaCl+10mMのMgCl、NaOHでpH7.4)で希釈して、ウェル当たり5μgの蛋白質および0.25mgのビーズを含有する30μlの最終容量とすることにより調製し、4℃で30分間ローラー上でインキュベートし、プレートに添加する直前に、10μMの最終濃度のグアノシン5’ジホスフェート(GDP)(Sigma;アッセイ緩衝液で希釈した)を加える。
ついで、プレートを、室温にて30分間振盪させてインキュベートし、ついで:
(c)15μlの0.38nMの[35S]−GTPγS(Amersham;放射活性濃度=37MBq/ml;比活性=1160Ci/mmol)、ヒスタミン(EC80でありヒスタミンの最終アッセイ濃度を得る濃度で)を加える。
2〜6時間後、プレートを1500rpmで5分間遠心分離に付し、613/55フィルターを用いるViewlux計数器で、プレート当たり5分間計数する。データを4−パラメータのロジスティック式を用いて分析する。基底活性、すなわちヒスタミンをウェルに加えないものを最小活性として用いた。
【0095】
(II)ヒスタミンH3機能的アンタゴニストアッセイ(方法B)
(I)ヒスタミンH3機能性アンタゴニストアッセイ(方法A)
アッセイする各々の化合物を白色の384ウェルプレートに添加した:
(a)0.5μlの試験化合物を、DMSOで必要な濃度に希釈する(または対照として1.5μlのDMSO);
(b)30μlのビーズ/膜/GDP混合物を、Wheat Germ Agglutinin Polystyrene Lead Seeker(登録商標)(WGA PS LS)シンチレーション近接アッセイ(SPA)ビーズを膜(上記の方法に従って調製した)と混合し、アッセイ緩衝液(20mMのN−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸(HEPES)+100mMのNaCl+10mMのMgCl、NaOHでpH7.4)で希釈して、ウェル当たり5μgの蛋白質および0.25mgのビーズを含有する30μlの最終容量とすることにより調製し、室温で60分間ローラー上でインキュベートし、プレートに添加する直前に、10μMの最終濃度のグアノシン5’ジホスフェート(GDP)(Sigma;アッセイ緩衝液で希釈した):
(c)15μlの0.38nMの[35S]−GTPγS(Amersham;放射活性濃度=37MBq/ml;比活性=1160Ci/mmol)、ヒスタミン(EC80でありヒスタミンの最終アッセイ濃度を得る濃度で)を加える。
2〜6時間後、プレートを1500rpmで5分間遠心分離に付し、613/55フィルターを用いるViewlux計数器で、プレート当たり5分間計数する。データを4−パラメータのロジスティック式を用いて分析する。基底活性、すなわちヒスタミンをウェルに加えないものを最小活性として用いた。
【0096】
結果
実施例E1〜E12の化合物を、ヒスタミンH3機能的アンタゴニストアッセイ(方法A)で試験した。すべての化合物が、このアッセイにおいて、下記表に示すようなアンタゴニズムを示した。結果は、機能的pK(fpK)値として示す。機能的pKiは、培養H3細胞から得られた膜を用いるH3機能的アンタゴニストアッセイで測定した、アンタゴニスト平衡解離定数の負の対数である。結果を多数の実験の平均値で示す。
【0097】
【表1】

【0098】
また、実施例E1〜E3の化合物を、ヒスタミンH3機能的アンタゴニストアッセイ(方法B)で試験した。すべての化合物が、このアッセイにおいて、下記表に示すようなアンタゴニズムを示した。結果を機能的pK(fpK)値として、多数の実験の平均値で示す。
【0099】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
1−{6−[(3−シクロペンチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)オキシ]−3−ピリジニル}−2−ピロリジノンである化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項2】
1−{5−[(3−シクロペンチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)オキシ]−2−ピラジニル}−2−ピロリジノンである化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項3】
1−{4−[(3−シクロブチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)オキシ]−3−フルオロフェニル}−3−メチル−2−イミダゾリジノン;
1−{4−[(3−シクロブチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)オキシ]フェニル}−2−ピロリジノン;
3−{6−[(3−シクロペンチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)オキシ]−3−ピリダジニル}−1,3−オキサゾリジン−2−オン;
1−{6−[(3−シクロペンチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)オキシ]−3−ピリダジニル}−2−ピロリジノン;
3−シクロペンチル−7−{[5−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−2−ピラジニル]オキシ}−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
3−シクロブチル−7−{[5−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−2−ピリジニル]オキシ}−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
3−シクロペンチル−7−{[5−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−2−ピリジニル]オキシ}−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
からなる群から選択される化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項4】
請求項1〜3いずれか1項記載の化合物またはその医薬上許容される塩および医薬上許容される担体または賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項5】
治療に用いるための請求項1〜3いずれか1項記載の化合物。
【請求項6】
神経疾患の治療に用いるための請求項1〜3いずれか1項記載の化合物。
【請求項7】
神経疾患の治療用の医薬の製造における、請求項1〜3いずれか1項記載の化合物の使用。
【請求項8】
神経疾患の治療方法であって、該治療を必要とするホストに有効量の請求項1〜3いずれか1項記載の化合物またはその医薬上許容される塩を投与することを含む方法。
【請求項9】
神経疾患の治療において用いるための、請求項1〜3いずれか1項記載の化合物またはその医薬上許容される塩および医薬上許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項10】
1−{6−[(3−シクロペンチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)オキシ]−3−ピリジニル}−2−ピロリジノンの製造方法であって:
(a)式(VI):
【化1】

で示される化合物を、式3−(ピロリジン−2−オン)−ピリジン−6−イル−L(式中、Lは、ハロゲン原子のような適当な脱離基(例えば、臭素またはヨウ素)または活性化されていてもよいヒドロキシル基である)で示される化合物と反応させること;
(b)式(VII):
【化2】

で示される化合物を、式シクロペンチル−L(式中、Lは、ハロゲン原子のような適当な脱離基(例えば、臭素、ヨウ素またはトシラート)である)で示される化合物と反応させること;
(c)上記と同意義の式(VII)で示される化合物を、シクロペンタノンと反応させること;
(d)(VIII):
【化3】

[式中、Lは、ハロゲン原子のような適当な脱離基(例えば、ヨウ素)である]
で示される化合物を、ピロリジノンと反応させること;または
(f)保護化合物を脱保護して、1−{6−[(3−シクロペンチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)オキシ]−3−ピリジニル}−2−ピロリジノンを得ること、
を含む方法。
【請求項11】
1−{5−[(3−シクロペンチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)オキシ]−2−ピラジニル}−2−ピロリジノンの製造方法であって:
(a)式(VI):
【化4】

で示される化合物を、式5−(ピロリジン−2−オン)−ピラジン−2−イル−L(式中、Lは、ハロゲン原子のような適当な脱離基(例えば、臭素またはヨウ素)または活性化されていてもよいヒドロキシル基である)で示される化合物と反応させること;
(b)式(IX):
【化5】

で示される化合物を、式シクロペンチル−L(式中、Lは、ハロゲン原子のような適当な脱離基(例えば、臭素、ヨウ素またはトシラート)である)で示される化合物と反応させること;
(c)上記と同意義の式(IX)で示される化合物を、シクロペンタノンと反応させること;
(d)式(X):
【化6】

[式中、Lは、ハロゲン原子のような適当な脱離基(例えば、ヨウ素)である]
で示される化合物を、ピロリジノンと反応させること;または
(f)保護化合物を脱保護して、1−{5−[(3−シクロペンチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)オキシ]−2−ピラジニル}−2−ピロリジノンを得ること、
を含む方法。
【請求項12】
1−{4−[(3−シクロブチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)オキシ]−3−フルオロフェニル}−3−メチル−2−イミダゾリジノンの製造方法であって:
(a)式(XI):
【化7】

で示される化合物を、式4−(3−メチル−イミダゾリジン−2−オン)−2−フルオロフェニル−L(式中、Lは、ハロゲン原子のような適当な脱離基(例えば、臭素またはヨウ素)または活性化されていてもよいヒドロキシル基である)で示される化合物と反応させること;
(b)式(XII):
【化8】

で示される化合物を、式シクロブチル−L(式中、Lは、ハロゲン原子のような適当な脱離基(例えば、臭素、ヨウ素またはトシラート)である)で示される化合物と反応させること;
(c)上記と同意義の式(XII)で示される化合物を、シクロブタノンと反応させること;
(d)式(XIII):
【化9】

[式中、Lは、ハロゲン原子のような適当な脱離基(例えば、ヨウ素)である]
で示される化合物を、1−メチル−2−イミダゾリジノンと反応させること;または
(f)保護化合物を脱保護して、1−{4−[(3−シクロブチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)オキシ]−3−フルオロフェニル}−3−メチル−2−イミダゾリジノンを得ること、
を含む方法。
【請求項13】
1−{4−[(3−シクロブチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)オキシ]フェニル}−2−ピロリジノンで示される化合物の製造方法であって:
(a)式(XI):
【化10】

で示される化合物を、式ピロリジン−2−オン−フェニル−L(式中、Lは、ハロゲン原子のような適当な脱離基(例えば、臭素またはヨウ素)または活性化されていてもよいヒドロキシル基である)で示される化合物と反応させること;
(b)式(XIV):
【化11】

で示される化合物を、式シクロブチル−L(式中、Lは、ハロゲン原子のような適当な脱離基(例えば、臭素、ヨウ素またはトシラート)である)で示される化合物と反応させること;
(c)上記と同意義の式(XIV)で示される化合物を、シクロブタノンと反応させること;
(d)式(XV):
【化12】

[式中、Lは、ハロゲン原子のような適当な脱離基(例えば、ヨウ素)である]
で示される化合物を、2−ピロリジノンと反応させること;または
(f)保護化合物を脱保護して、1−{4−[(3−シクロブチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)オキシ]フェニル}−2−ピロリジノンを得ること、
を含む方法。
【請求項14】
3−{6−[(3−シクロペンチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)オキシ]−3−ピリダジニル}−1,3−オキサゾリジン−2−オンの製造方法であって:
(a)式(VI):
【化13】

で示される化合物を、式3−(1,3−オキサゾリジン−2−オン)−ピリダジン−6−イル−L(式中、Lは、ハロゲン原子のような適当な脱離基(例えば、臭素またはヨウ素)または活性化されていてもよいヒドロキシル基である)で示される化合物と反応させること;
(b)式(XVI):
【化14】

で示される化合物を、式シクロペンチル−L(式中、Lは、ハロゲン原子のような適当な脱離基(例えば、臭素、ヨウ素またはトシラート)である)で示される化合物と反応させること;
(c)上記と同意義の式(XVI)で示される化合物を、シクロペンタノンと反応させること;
(d)式(XVII):
【化15】

[式中、Lは、ハロゲン原子のような適当な脱離基(例えば、ヨウ素)である]
で示される化合物を、1,3−オキサゾリジン−2−オンと反応させること;または
(f)保護化合物を脱保護して、3−{6−[(3−シクロペンチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)オキシ]−3−ピリダジニル}−1,3−オキサゾリジン−2−オンを得ること、
を含む方法。
【請求項15】
1−{6−[(3−シクロペンチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)オキシ]−3−ピリダジニル}−2−ピロリジノンの製造方法であって:
(a)式(VI):
【化16】

で示される化合物を、式3−(ピロリジノン−2−オン)−ピリダジン−6−イル−L(式中、Lは、ハロゲン原子のような適当な脱離基(例えば、臭素またはヨウ素)または活性化されていてもよいヒドロキシル基である)で示される化合物と反応させること;
(b)式(XVIII):
【化17】

で示される化合物を、式シクロペンチル−L(式中、Lは、ハロゲン原子のような適当な脱離基(例えば、臭素、ヨウ素またはトシラート)である)で示される化合物と反応させること;
(c)上記と同意義の式(XVIII)で示される化合物を、シクロペンタノンと反応させること;
(d)式(XVII):
【化18】

[式中、Lは、ハロゲン原子のような適当な脱離基(例えば、ヨウ素)である]
で示される化合物を、ピロリジノンと反応させること;または
(f)保護化合物を脱保護して、1−{6−[(3−シクロペンチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)オキシ]−3−ピリダジニル}−2−ピロリジノンを得ること、
を含む方法。
【請求項16】
3−シクロペンチル−7−{[5−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−2−ピラジニル]オキシ}−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンの製造方法であって:
(a)式(VI):
【化19】

で示される化合物を、式5−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−2−イル)−ピラジン−2−イル−L(式中、Lは、ハロゲン原子のような適当な脱離基(例えば、臭素またはヨウ素)または活性化されていてもよいヒドロキシル基である)で示される化合物と反応させること;
(b)式(XIX):
【化20】

で示される化合物を、式シクロペンチル−L(式中、Lは、ハロゲン原子のような適当な脱離基(例えば、臭素、ヨウ素またはトシラート)である)で示される化合物と反応させること;
(c)上記と同意義の式(XIX)で示される化合物を、シクロペンタノンと反応させること;
(d)式(XX):
【化21】

で示される化合物を、1,1’−(オキソメタンジイル)ビス−1H−イミダゾールと反応させること;または
(f)保護化合物を脱保護して、3−シクロペンチル−7−{[5−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−2−ピラジニル]オキシ}−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンを得ること、
を含む方法。
【請求項17】
3−シクロブチル−7−{[5−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−2−ピリジニル]オキシ}−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンの製造方法であって:
(a)式(XI):
【化22】

で示される化合物を、式5−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−2−イル)−ピリジン−2−イル−L(式中、Lは、ハロゲン原子のような適当な脱離基(例えば、臭素またはヨウ素)または活性化されていてもよいヒドロキシル基である)で示される化合物と反応させること;
(b)式(XXI):
【化23】

で示される化合物を、式シクロブチル−L(式中、Lは、ハロゲン原子のような適当な脱離基(例えば、臭素、ヨウ素またはトシラート)である)で示される化合物と反応させること;
(c)上記と同意義の式(XXI)で示される化合物を、シクロブタノンと反応させること;
(d)式(XXII):
【化24】

で示される化合物を、1,1’−(オキソメタンジイル)ビス−1H−イミダゾールと反応させること;または
(f)保護化合物を脱保護して、3−シクロブチル−7−{[5−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−2−ピリジニル]オキシ}−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンを得ること、
を含む方法。
【請求項18】
3−シクロペンチル−7−{[5−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−2−ピリジニル]オキシ}−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンの製造方法であって:
(a)式(VI):
【化25】

で示される化合物を、式5−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−2−イル)−ピリジン−2−イル−L(式中、Lは、ハロゲン原子のような適当な脱離基(例えば、臭素またはヨウ素)または活性化されていてもよいヒドロキシル基である)で示される化合物と反応させること;
(b)式(XXI):
【化26】

で示される化合物を、式シクロペンチル−L(式中、Lは、ハロゲン原子のような適当な脱離基(例えば、臭素、ヨウ素またはトシラート)である)で示される化合物と反応させること;
(c)上記と同意義の式(XXI)で示される化合物を、シクロペンタノンと反応させること;
(d)式(XXIII):
【化27】

で示される化合物を、1,1’−(オキソメタンジイル)ビス−1H−イミダゾールと反応させること;または
(f)保護化合物を脱保護して、3−シクロペンチル−7−{[5−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−2−ピリジニル]オキシ}−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンを得ること、
を含む方法。

【公表番号】特表2008−502644(P2008−502644A)
【公表日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−515905(P2007−515905)
【出願日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【国際出願番号】PCT/EP2005/006861
【国際公開番号】WO2005/123723
【国際公開日】平成17年12月29日(2005.12.29)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】