説明

ヒスタミンH4受容体アンタゴニストとしての4−アミノピリミジン誘導体

式(I):


(式中、各種置換基の意味は明細書中に指定する通りである)の4−アミノ−ピリミジン誘導体。これらの化合物はヒスタミンH受容体アンタゴニストとして有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規系列の4−アミノピリミジン誘導体、その製造方法、これらの化合物を含有する医薬組成物及び治療におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒスタミンは即時型過敏反応の最も強力なメディエーターである。平滑筋細胞収縮、血管透過性及び胃酸分泌に及ぼすヒスタミンの作用はよく知られているが、免疫系に及ぼすその作用は明らかになり始めたばかりである。
【0003】
数年前に、独立して活動する数件の研究グループによりHと呼ばれる新規ヒスタミン受容体がクローニングされた(Oda T et al,J Biol Chem 2000,275:36781−6;Nguyen T et al,Mol Pharmacol 2001,59:427−33)。そのファミリーの他のメンバーとしては、7個の膜貫通セグメントを含むG蛋白共役受容体(GPCR)が挙げられる。しかし、H受容体は3種類の他のヒスタミン受容体との相同度が低く(Oda T et al)、H受容体との相同度は35%に過ぎないという点に注目される。H受容体の発現は中枢神経系細胞に限られているが、H受容体の発現は主に造血系の細胞、特に好酸球、肥満細胞、好塩基球、樹状細胞、T細胞で認められている(Oda T et al)。H受容体が免疫系の細胞に高度に分布されているという事実から、この受容体は免疫炎症応答に関与していると考えられる。更に、この仮定はインターフェロン、TNFα及びIL−6等の免疫刺激によりその遺伝子発現を調節できるという事実により裏付けられる。しかし、H受容体は関節リウマチ(Wojtecka−Lukasik E et al,Ann Rheum Dis 2006,65(Suppl II):129;Ikawa Y et al,Biol Pharm Bull 2005,28:2016−8)及び変形性関節症(Grzybowska−Kowalczyk A et al,European Histamine Research Society XXXVI Annual Meeting,Florence,Italy,2007,P−11)の患者から得られたヒト滑膜細胞等の他の型の細胞や、ヒト腸管(Sander LE et al,Gut 2006,55:498−504)でも発現している。鼻ポリープ組織では健康なヒトの鼻粘膜に比較してH受容体の発現が増加することも報告されている(Jokuti A et al,Cell Biol Int 2007,31:1367−70)。
【0004】
受容体の特定リガンドによる最近の研究の結果、この受容体の薬理学的性質が確定されつつある。これらの研究の結果、走化性、コンフォメーション変化及びCD11bとCD54のアップレギュレーション等の好酸球でヒスタミンにより誘導される数種類の応答はH受容体により特異的に介在されることが立証された(Ling P et al,Br J Pharmacol 2004,142:161−71;Buckland KF et al,Br J Pharmacol 2003,140:1117−27)。樹状細胞において、H受容体はこれらの細胞の成熟、サイトカイン産生及び移動に影響を与えることが示されている(Jelinek I et al,1st Joint Meeting of European National Societies of Immunology,Paris,France,2006,PA−1255)。更に、肥満細胞におけるH受容体の役割も研究されている。H受容体活性化は肥満細胞脱顆粒を誘導しないが、ヒスタミンと他の増殖メディエーターが放出され、更に、H受容体は肥満細胞の走化性とカルシウム動員に介在することが示されている(Hofstra CL et al,J Pharmacol Exp Ther 2003,305:1212−21)。Tリンパ球については、H受容体活性化はT細胞移動を誘導し、サプレッサー/調節表現型及び機能をもつTリンパ球集団を優先的に吸引し(Morgan RK et al,American Thoracic Society Conference,San Diego,USA,2006,P−536)、CD4+T細胞の活性を調節することが示されている(Dunford PJ et al,J Immunol 2006,176:7062−70)。腸については、H受容体の分布から蠕動と胃酸分泌の調節に役割を果たすのではないかと予想される(Morini G et al,European Histamine Research Society XXXVI Annual Meeting,Florence,Italy,2007,OR−10)。
【0005】
好酸球、肥満細胞及びT細胞で認められるH受容体の種々の機能から、この受容体は免疫炎症応答に重要な役割を果たすのではないかと考えられる。実際に、H受容体アンタゴニストは腹膜炎(Thurmond RL et al,J Pharmacol Exp Ther 2004,309:404−13)、胸膜炎(Takeshita K et al,J Pharmacol Exp Ther 2003,307:1072−8)及び掻痒(Bell JK et al,Br J Pharmacol 2004,142:374−80)のマウスモデルでインビボ活性を示している。更に、H受容体アンタゴニストはアレルギー性喘息(Dunford PJ et al,2006)、炎症性腸疾患(Varga C et al,Eur J Pharmacol 2005,522:130−8)、掻痒症(Dunford PJ et al,J Allergy Clin Immunol 2007,119:176−83)、アトピー性皮膚炎(Cowden JM et al,J Allergy Clin Immunol 2007;119(1):S239(Abs 935),American Academy of Allergy,Asthma and Immunology 2007 AAAAI Annual Meeting,San Diego,USA)、眼球炎症(Zampeli E et al,European Histamine Research Society XXXVI Annual Meeting,Florence,Italy,2007,OR−36)、浮腫及び痛覚過敏(Coruzzi G et al,Eur J Pharmacol 2007,563:240−4)、並びに神経因性疼痛(Cowart MD et al.,J Med Chem.2008;51(20):6547−57)の実験モデルでインビボ活性を示している。
【0006】
従って、H受容体アンタゴニストはアレルギー性、免疫性及び炎症性疾患と疼痛の治療に有用であると予想される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Oda T et al,J Biol Chem 2000,275:36781−6
【非特許文献2】Nguyen T et al,Mol Pharmacol 2001,59:427−33
【非特許文献3】Wojtecka−Lukasik E et al,Ann Rheum Dis 2006,65(Suppl II):129
【非特許文献4】Ikawa Y et al,Biol Pharm Bull 2005,28:2016−8
【非特許文献5】Grzybowska−Kowalczyk A et al,European Histamine Research Society XXXVI Annual Meeting,Florence,Italy,2007,P−11
【非特許文献6】Sander LE et al,Gut 2006,55:498−504
【非特許文献7】Jokuti A et al,Cell Biol Int 2007,31:1367−70
【非特許文献8】Ling P et al,Br J Pharmacol 2004,142:161−71
【非特許文献9】Buckland KF et al,Br J Pharmacol 2003,140:1117−27
【非特許文献10】Jelinek I et al,1st Joint Meeting of European National Societies of Immunology,Paris,France,2006,PA−1255
【非特許文献11】Hofstra CL et al,J Pharmacol Exp Ther 2003,305:1212−21
【非特許文献12】Morgan RK et al,American Thoracic Society Conference,San Diego,USA,2006,P−536
【非特許文献13】Dunford PJ et al,J Immunol 2006,176:7062−70
【非特許文献14】Morini G et al,European Histamine Research Society XXXVI Annual Meeting,Florence,Italy,2007,OR−10
【非特許文献15】Thurmond RL et al,J Pharmacol Exp Ther 2004,309:404−13
【非特許文献16】Takeshita K et al,J Pharmacol Exp Ther 2003,307:1072−8
【非特許文献17】Bell JK et al,Br J Pharmacol 2004,142:374−80
【非特許文献18】Varga C et al,Eur J Pharmacol 2005,522:130−8
【非特許文献19】Dunford PJ et al,J Allergy Clin Immunol 2007,119:176−83
【非特許文献20】Cowden JM et al,J Allergy Clin Immunol 2007;119(1):S239(Abs 935),American Academy of Allergy,Asthma and Immunology 2007 AAAAI Annual Meeting,San Diego,USA
【非特許文献21】Zampeli E et al,European Histamine Research Society XXXVI Annual Meeting,Florence,Italy,2007,OR−36
【非特許文献22】Coruzzi G et al,Eur J Pharmacol 2007,563:240−4
【非特許文献23】Cowart MD et al.,J Med Chem.2008;51(20):6547−57
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、H受容体アンタゴニスト活性をもち、良好な薬剤候補である新規化合物を提供することが望ましい。特に、好ましい化合物はヒスタミンH受容体と強力に結合しながら、他の受容体に対する親和性が低くなければならない。H受容体との結合に加え、化合物は更にインビボ疾患モデルで良好な薬理活性を示す必要がある。更に、化合物は選択された投与経路で投与した場合に標的組織又は臓器に到達する必要があり、好ましい薬物動態特性をもつ必要がある。更に、非毒性であり、副作用が少ないことも必要である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の1側面は式I:
【0010】
【化1】

[式中、

(1)C1−8アルキル;
(2)C3−8シクロアルキル−C0−6アルキル;
(3)アリール−C1−6アルキル(なお、(1)〜(3)の基において任意アルキル基は場合により1個以上のハロゲン基で置換されていてもよく、C3−8シクロアルキル基は場合により独立してC1−4アルキル、ハロゲン及びアリールから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい);
(4)式(i):
【0011】
【化2】

の基;又は
(5)(ii):
【0012】
【化3】

の基を表し;
とRはそれらが結合しているN原子と一緒になり、4〜7員単環式、7〜8員架橋二環式又は8〜12員縮合二環式であり得る飽和複素環基を形成し、前記複素環基は2個までのN原子を含むことができ、他のヘテロ原子を含まず、場合により独立してC1−4アルキル及びNRから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、但し、複素環基は2個のN原子を含み、NR基で置換されていないか、又は1個のN原子を含み、1個のNR基で置換されており;
あるいはRはH又はC1−4アルキルを表し、Rは場合により1個以上のC1−4アルキル基で置換されていてもよいアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル又はアゼパニルを表し;
はH又はC1−4アルキルを表し;
はH又はC1−4アルキルを表し;
あるいはRとRはそれらが結合しているN原子と一緒になり、場合により1個以上のC1−4アルキル基で置換されていてもよいアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル又はアゼパニル基を形成し;
及びRは独立してH及びC1−4アルキルから選択され、更にR又はR基の一方はアリール又はC3−8シクロアルキル−C0−6アルキルを表してもよく、更に同一C原子上の2個のR及びR基は前記C原子と一緒になり、C3−8シクロアルキル基を形成してもよく;
はC1−8アルキル、C3−8シクロアルキル−C0−6アルキル及びアリール−C0−4アルキルから選択される基を表し、ここで任意アルキル基は場合により1個以上のハロゲン基で置換されていてもよく、C3−8シクロアルキル基は場合により独立してC1−4アルキル、ハロゲン及びアリールから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
は1個のO原子を含み、それ以外のヘテロ原子を含まない飽和単環式4〜7員複素環を表し、前記環は利用可能な任意C原子を介して分子の残余と結合することができ、Rは場合により独立してC1−4アルキル及びハロゲンから選択される1個以上の基で置換されていてもよく;
nは1、2又は3を表し;
pは0、1又は2を表し;
アリールは場合により独立してC1−4アルキル、ハロゲン、C1−4アルコキシ、C1−4ハロアルキル、C1−4ハロアルコキシ、シアノ及びアミノから選択される1個以上の基で置換されたフェニル基を表す]の化合物に関する。
【0013】
本発明は式Iの化合物の塩及び溶媒和物にも関する。
【0014】
式Iの化合物にはキラル中心をもつものもあり、各種立体異性体となる場合がある。本発明はこれらの立体異性体の各々とその混合物にも関する。
【0015】
式Iの化合物はヒスタミンH受容体に対して高い親和性を示す。従って、本発明の別の側面は治療用としての式I:
【0016】
【化4】

[式中、

(1)C1−8アルキル;
(2)C3−8シクロアルキル−C0−6アルキル;
(3)アリール−C1−6アルキル(なお、(1)〜(3)の基において任意アルキル基は場合により1個以上のハロゲン基で置換されていてもよく、C3−8シクロアルキル基は場合により独立してC1−4アルキル、ハロゲン及びアリールから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい);
(4)式(i):
【0017】
【化5】

の基;又は
(5)(ii):
【0018】
【化6】

の基を表し;
とRはそれらが結合しているN原子と一緒になり、4〜7員単環式、7〜8員架橋二環式又は8〜12員縮合二環式であり得る飽和複素環基を形成し、前記複素環基は2個までのN原子を含むことができ、他のヘテロ原子を含まず、場合により独立してC1−4アルキル及びNRから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、但し、複素環基は2個のN原子を含み、NR基で置換されていないか、又は1個のN原子を含み、1個のNR基で置換されており;
あるいはRはH又はC1−4アルキルを表し、Rは場合により1個以上のC1−4アルキル基で置換されていてもよいアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル又はアゼパニルを表し;
はH又はC1−4アルキルを表し;
はH又はC1−4アルキルを表し;
あるいはRとRはそれらが結合しているN原子と一緒になり、場合により1個以上のC1−4アルキル基で置換されていてもよいアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル又はアゼパニル基を形成し;
及びRは独立してH及びC1−4アルキルから選択され、更にR又はR基の一方はアリール又はC3−8シクロアルキル−C0−6アルキルを表してもよく、更に同一C原子上の2個のR及びR基は前記C原子と一緒になり、C3−8シクロアルキル基を形成してもよく;
はC1−8アルキル、C3−8シクロアルキル−C0−6アルキル及びアリール−C0−4アルキルから選択される基を表し、ここで任意アルキル基は場合により1個以上のハロゲン基で置換されていてもよく、C3−8シクロアルキル基は場合により独立してC1−4アルキル、ハロゲン及びアリールから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
は1個のO原子を含み、それ以外のヘテロ原子を含まない飽和単環式4〜7員複素環を表し、前記環は利用可能な任意C原子を介して分子の残余と結合することができ、Rは場合により独立してC1−4アルキル及びハロゲンから選択される1個以上の基で置換されていてもよく;
nは1、2又は3を表し;
pは0、1又は2を表し;
アリールは場合により独立してC1−4アルキル、ハロゲン、C1−4アルコキシ、C1−4ハロアルキル、C1−4ハロアルコキシ、シアノ及びアミノから選択される1個以上の基で置換されたフェニル基を表す]の化合物に関する。
【0019】
本発明の別の側面は式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩と1種以上の医薬的に許容可能な賦形剤を含有する医薬組成物に関する。
【0020】
本発明の別の側面はヒスタミンH受容体に介在される疾患の治療用医薬の製造における式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩の使用に関する。
【0021】
本発明の別の側面はアレルギー性、免疫性もしくは炎症性疾患又は疼痛の治療用医薬の製造における式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩の使用に関する。
【0022】
本発明の別の側面はアレルギー性、免疫性又は炎症性疾患の治療用医薬の製造における式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩の使用に関する。より好ましくは、アレルギー性、免疫性又は炎症性疾患は呼吸器疾患、眼疾患、皮膚疾患、炎症性腸疾患、関節リウマチ、多発性硬化症、皮膚エリテマトーデス、全身性エリテマトーデス及び移植片拒絶反応から選択される。更に好ましくは、アレルギー性、免疫性又は炎症性疾患は喘息、アレルギー性鼻炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アレルギー性鼻結膜炎、ドライアイ、白内障、皮膚炎(例えばアトピー性皮膚炎)、乾癬、蕁麻疹、掻痒症、潰瘍性大腸炎、クローン病、関節リウマチ、多発性硬化症、皮膚エリテマトーデス、全身性エリテマトーデス及び移植片拒絶反応から選択される。
【0023】
本発明の別の側面は疼痛の治療用医薬の製造における式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩の使用に関する。より好ましくは、疼痛は炎症性疼痛、炎症性痛覚過敏、痛覚過敏、術後疼痛、片頭痛、癌性疼痛、内臓痛、変形性関節症性疼痛及び神経因性疼痛から選択される。
【0024】
本発明の別の側面はヒスタミンH受容体に介在される疾患の治療用としての式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩に関する。
【0025】
本発明の別の側面はアレルギー性、免疫性もしくは炎症性疾患又は疼痛の治療用としての式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩に関する。
【0026】
本発明の別の側面はアレルギー性、免疫性又は炎症性疾患の治療用としての式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩に関する。より好ましくは、アレルギー性、免疫性又は炎症性疾患は呼吸器疾患、眼疾患、皮膚疾患、炎症性腸疾患、関節リウマチ、多発性硬化症、皮膚エリテマトーデス、全身性エリテマトーデス及び移植片拒絶反応から選択される。更に好ましくは、アレルギー性、免疫性又は炎症性疾患は喘息、アレルギー性鼻炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アレルギー性鼻結膜炎、ドライアイ、白内障、皮膚炎(例えばアトピー性皮膚炎)、乾癬、蕁麻疹、掻痒症、潰瘍性大腸炎、クローン病、関節リウマチ、多発性硬化症、皮膚エリテマトーデス、全身性エリテマトーデス及び移植片拒絶反応から選択される。
【0027】
本発明の別の側面は疼痛の治療用としての式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩に関する。より好ましくは、疼痛は炎症性疼痛、炎症性痛覚過敏、痛覚過敏、術後疼痛、片頭痛、癌性疼痛、内臓痛、変形性関節症性疼痛及び神経因性疼痛から選択される。
【0028】
本発明の別の側面はヒスタミンH受容体に介在される疾患の治療における式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩の使用に関する。
【0029】
本発明の別の側面はアレルギー性、免疫性もしくは炎症性疾患又は疼痛の治療における式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩の使用に関する。
【0030】
本発明の別の側面はアレルギー性、免疫性又は炎症性疾患の治療における式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩の使用に関する。より好ましくは、アレルギー性、免疫性又は炎症性疾患は呼吸器疾患、眼疾患、皮膚疾患、炎症性腸疾患、関節リウマチ、多発性硬化症、皮膚エリテマトーデス、全身性エリテマトーデス及び移植片拒絶反応から選択される。更に好ましくは、アレルギー性、免疫性又は炎症性疾患は喘息、アレルギー性鼻炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アレルギー性鼻結膜炎、ドライアイ、白内障、皮膚炎(例えばアトピー性皮膚炎)、乾癬、蕁麻疹、掻痒症、潰瘍性大腸炎、クローン病、関節リウマチ、多発性硬化症、皮膚エリテマトーデス、全身性エリテマトーデス及び移植片拒絶反応から選択される。
【0031】
本発明の別の側面は疼痛の治療における式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩の使用に関する。より好ましくは、疼痛は炎症性疼痛、炎症性痛覚過敏、痛覚過敏、術後疼痛、片頭痛、癌性疼痛、内臓痛、変形性関節症性疼痛及び神経因性疼痛から選択される。
【0032】
本発明の別の側面はヒスタミンH受容体に介在される疾患の治療を必要とする対象、特にヒトにおける前記疾患の治療方法として、式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩を前記対象に投与する段階を含む方法に関する。
【0033】
本発明の別の側面はアレルギー性、免疫性もしくは炎症性疾患又は疼痛の治療を必要とする対象、特にヒトにおける前記疾患又は疼痛の治療方法として、式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩を前記対象に投与する段階を含む方法に関する。
【0034】
本発明の別の側面はアレルギー性、免疫性又は炎症性疾患の治療を必要とする対象、特にヒトにおける前記疾患の治療方法として、式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩を前記対象に投与する段階を含む方法に関する。より好ましくは、アレルギー性、免疫性又は炎症性疾患は呼吸器疾患、眼疾患、皮膚疾患、炎症性腸疾患、関節リウマチ、多発性硬化症、皮膚エリテマトーデス、全身性エリテマトーデス及び移植片拒絶反応から選択される。更に好ましくは、アレルギー性、免疫性又は炎症性疾患は喘息、アレルギー性鼻炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アレルギー性鼻結膜炎、ドライアイ、白内障、皮膚炎(例えばアトピー性皮膚炎)、乾癬、蕁麻疹、掻痒症、潰瘍性大腸炎、クローン病、関節リウマチ、多発性硬化症、皮膚エリテマトーデス、全身性エリテマトーデス及び移植片拒絶反応から選択される。
【0035】
本発明の別の側面は疼痛の治療を必要とする対象、特にヒトにおける疼痛の治療方法として、式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩を前記対象に投与する段階を含む方法に関する。より好ましくは、疼痛は炎症性疼痛、炎症性痛覚過敏、痛覚過敏、術後疼痛、片頭痛、癌性疼痛、内臓痛、変形性関節症性疼痛及び神経因性疼痛から選択される。
【0036】
本発明の別の側面は上記式Iの化合物の製造方法として、
(a)式II:
【0037】
【化7】

(式中、R、R及びRは上記の意味である)の化合物をアンモニアもしくはアンモニア等価物と反応させる工程;又は
(b)式VIIの化合物を式IVの化合物(又はそのアミノ保護体):
【0038】
【化8】

(式中、R、R及びRは上記の意味である)と反応させた後、保護基が存在する場合には必要に応じて保護基を除去する工程;又は
(c)式VIIBの化合物を式IVの化合物(又はそのアミノ保護体):
【0039】
【化9】

(式中、Rは脱離基を表し、R、R及びRは上記の意味である)と反応させた後、保護基が存在する場合には必要に応じて保護基を除去する工程;又は
(d)式Iの化合物においてRがR’−CH−CH−を表す場合には、式IX:
【0040】
【化10】

[式中、R’はC1−6アルキル又はC3−8シクロアルキル−C0−4アルキル又はアリール−C0−4アルキルを表し、ここで任意アルキル基は場合により1個以上のハロゲン基で置換されていてもよく、C3−8シクロアルキル基は場合により独立してC1−4アルキル、ハロゲン及びアリールから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、あるいはR’はnが2を表し、R及びRがHを表す式(i)の基、又はpが2を表し、R及びRがHを表す式(ii)の基を表し;R及びRは上記の意味である]の化合物を還元剤で処理する工程;又は
(e)式Iの化合物を1段階もしくは数段階で式Iの別の化合物に変換する工程
を含む方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0041】
上記定義において、Cx−yアルキルなる用語は炭素原子数x〜yの飽和直鎖又は分岐鎖アルキル鎖を意味する。従って、C1−8アルキル基とは1〜8個のC原子を含む直鎖又は分岐鎖アルキル鎖を意味する。C1−4アルキル基とは1〜4個のC原子を含む直鎖又は分岐鎖アルキル鎖を意味し、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル及びtert−ブチルが挙げられる。Cアルキルなる用語はアルキル基が存在しないことを意味する。
【0042】
1−4ハロアルキル基とはC1−4アルキル基の1個以上の水素原子を同一でも異なっていてもよい1個以上のハロゲン原子(即ちフッ素、塩素、臭素又はヨウ素)で置換することにより得られる基を意味する。例としては特に、トリフルオロメチル、フルオロメチル、1−クロロエチル、2−クロロエチル、1−フルオロエチル、2−フルオロエチル、2−ブロモエチル、2−ヨードエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、3−フルオロプロピル、3−クロロプロピル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、ヘプタフルオロプロピル、4−フルオロブチル及びノナフルオロブチルが挙げられる。
【0043】
1−4アルコキシ基とは式C1−4アルキル−O−(式中、アルキル部分は上記と同義である)の基を意味する。従って、この用語はメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロピル、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ及びtert−ブトキシを包含する。
【0044】
1−4ハロアルコキシ基とはC1−4アルコキシ基の1個以上の水素原子を同一でも異なっていてもよい1個以上のハロゲン原子(即ちフッ素、塩素、臭素又はヨウ素)で置換することにより得られる基を意味する。例としては特に、トリフルオロメトキシ、フルオロメトキシ、1−クロロエトキシ、2−クロロエトキシ、1−フルオロエトキシ、2−フルオロエトキシ、2−ブロモエトキシ、2−ヨードエトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、ペンタフルオロエトキシ、3−フルオロプロポキシ、3−クロロプロポキシ、2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロポキシ、ヘプタフルオロプロポキシ、4−フルオロブトキシ及びノナフルオロブトキシが挙げられる。
【0045】
基として又はC3−8シクロアルキル−C0−yアルキル基の一部としてのC3−8シクロアルキル基とは単環式基でも架橋二環式基でもよい炭素原子数3〜8の飽和炭素環を意味する。例としては特に、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル及びビシクロ[2.2.2]オクタニルをが挙げられる。
【0046】
3−8シクロアルキル−C0−6アルキルなる用語はC3−8シクロアルキルとC3−8シクロアルキル−C1−6アルキルを包含する。
【0047】
3−8シクロアルキル−C1−6アルキル基とはC1−6アルキル基の1個以上の水素原子を同一でも異なっていてもよい1個以上のC3−8シクロアルキル基で置換することにより得られる基を意味する。好ましくは、C1−6アルキル基は1又は2個のC3−8シクロアルキル基で置換され、より好ましくは1個のC3−8シクロアルキル基で置換されている。以下に例示する基:
【0048】
【化11】

のように、C3−8シクロアルキル基はアルキル基のC原子上の1個のH原子に置換してもよいし、アルキル基の同一C原子上の2個のH原子に置換してもよい(その場合には、C3−8シクロアルキル基は1個のC原子をアルキル基と共有する)。C3−8シクロアルキル−C1−6アルキル基の例としては、特にシクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘプチルメチル、シクロオクチルメチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニルメチル、ジシクロプロピルメチル、(1−メチルシクロプロピル)メチル、(1−エチルシクロプロピル)メチル、(1−シクロペンチルメチルシクロプロピル)メチル、2−シクロプロピルエチル、2−シクロブチルエチル、2−シクロペンチルエチル、2−シクロヘキシルエチル、2,2−ジシクロプロピルエチル、2−シクロヘキシル−2−シクロプロピルエチル、2−(1−メチルシクロプロピル)エチル、1−シクロプロピル−1−メチルエチル、1−シクロプロピルエチル、1−シクロブチルエチル、1−シクロペンチルエチル、1−シクロヘキシルエチル、3−シクロプロピルプロピル、3−シクロブチルプロピル、3−シクロペンチルプロピル、3−シクロヘキシルプロピル、1−シクロプロピル−2−メチルプロピル、4−シクロプロピルブチル、3−シクロプロピルブチル、2−シクロプロピルブチル、1−シクロプロピルブチル、4−シクロブチルブチル、4−シクロペンチルブチル、4−シクロヘキシルブチル、5−シクロプロピルペンチル及び6−シクロプロピルヘキシル基が挙げられる。
【0049】
式Iの化合物の定義において、C3−8シクロアルキル基が場合により独立してC1−4アルキル、ハロゲン及びアリールから選択される1個以上の基で置換されていてもよいという場合には、前記置換基は同一でも異なっていてもよく、環を分子の残余と結合する炭素を含めてC3−8シクロアルキル基の利用可能な任意炭素原子上に位置することができる。
【0050】
アリール−C0−4アルキルなる用語はアリールとアリール−C1−4アルキルを包含する。
【0051】
アリール−C1−yアルキル基とはC1−yアルキル基の水素原子をアリール基で置換することにより得られる基を意味する。yが4のとき、アリール−C1−4アルキルの例としては特にベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、1−フェニル−1−メチルエチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル及び2−フェニル−1−メチルプロピル基が挙げられ、ここでフェニル基は場合によりアリールなる用語の定義で上述したように置換されていてもよい。
【0052】
(1)〜(3)の意味に関するRの定義及びRの定義で上述したように、任意アルキル基は場合により1個以上のハロゲン基で置換されていてもよい。これはRとRの両方においてC1−Sアルキル基とC3−8シクロアルキル−C0−6アルキル基の一部を形成するC0−6アルキル基、Rにおいてアリール−C1−6アルキル基の一部を形成するC−1−6アルキル基、及びRにおいてアリール−C0−4アルキル基の一部を形成するC0−4アルキル基についての記載である。
【0053】
上記のように、Rは4〜7個の環原子をもち、1個のO原子を含み、他のヘテロ原子を含まない飽和単環式複素環を表す。前記複素環は利用可能な任意C原子を介して分子の残余と結合することができる。R環の例としては特に、
【0054】
【化12】

が挙げられる。上記のように、任意R環は場合により独立してC1−4アルキル及びハロゲンから選択される1個以上の基で置換されていてもよく、前記置換基は環上の任意の利用可能な位置に位置することができる。
【0055】
ハロゲン原子又はその略称であるハロとはフッ素、塩素、臭素又はヨウ素を意味する。好ましいハロゲン基はフッ素と塩素であり、フッ素がより好ましい。
【0056】
アリールの定義におけるアミノ基とはNHを意味する。
【0057】
「飽和」なる用語は二重又は三重結合を含まない基を意味する。
【0058】
「架橋二環式」基とは、原子数の多い2個の橋が主環を形成し、原子数の少ない橋が「橋」となるように3個の非環状鎖(橋)を結合する2個の共通原子(橋頭)をもつ二環系を意味する。
【0059】
NRの定義において、RとRはそれらが結合しているN原子と一緒になり、2個までのN原子を含み、他のヘテロ原子を含まない飽和4〜7員単環式複素環を形成することができる。例としては特に、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル及びホモピペラジニルが挙げられる。
【0060】
NRの定義において、RとRはそれらが結合しているN原子と一緒になり、7〜8員架橋二環式基を形成することができる。前記架橋二環式基は2個までのN原子を含むことができ、他のヘテロ原子を含まない。例としては特に、2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル及び2,5−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタニルが挙げられる。
【0061】
NRの定義において、「縮合二環式」基なる用語は2個の原子を共有する2個の隣接環から構成される8〜12員二環系を意味する。前記縮合二環式基は任意の利用可能な位置に2個までのN原子を含むことができ、他のヘテロ原子を含まない。例としては特に、オクタヒドロピロロ[3,4−b]ピリジニル、オクタヒドロピロロ[3,2−c]ピリジニル、オクタヒドロピロロ[1,2−a]ピラジニル及びオクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロリジニルが挙げられる。
【0062】
式Iの化合物の定義においてNRなる用語について上述したように、上記3種類の飽和複素環(単環式、架橋二環式及び縮合二環式)は場合により独立してC1−4アルキル及びNRから選択される1個以上の基で置換されていてもよく、但し、複素環基は2個のN原子を含み、NR基で置換されていないか、又は1個のN原子を含み、1個のNR基で置換されている。従って、複素環が1個のN原子を含む場合には、環は1個のNR基で置換されていなければならず、更に場合により1個以上のC1−4アルキル基で置換されていてもよい。環が2個のN原子を含む場合には、場合により1個以上のC1−4アルキル基で置換されていてもよいが、NR基で置換されることはない。置換基が存在する場合には、環の任意の利用可能な位置に位置することができ、C1−4アルキル基の場合にはN原子上が挙げられる。
【0063】
式Iの化合物においてnが2又は3を示すか又はpが2を示し、従って、前記化合物に2個以上のR基と2個以上のRが存在する場合には、各R及び各Rは独立して式Iの化合物の定義で上述した前記置換基の可能な意味のリストから選択され、従って、これらの基は同一でも異なっていてもよい。
【0064】
「場合により1個以上の〜で置換」なる表現は基が1個以上、好ましくは1、2、3又は4個の置換基、より好ましくは1又は2個の置換基で置換されていてもよいことを意味し、但し、前記基は置換できるように十分に利用可能な位置をもつ。これらの置換基は同一でも異なっていてもよく、任意の利用可能な位置に位置することができる。
【0065】
本明細書全体を通して、疾患の「治療」、疾患を「治療する」等の表現は前記疾患の治癒治療と緩和治療又は予防治療の両方を意味する。本発明の目的では、有益又は望ましい臨床結果としては限定されないが、1種以上の症状の緩和又は改善、疾患の程度の軽減、疾患の安定化状態(即ち非悪化)、疾患の素因のある患者又は疾患の症状をまだ示していない患者における疾患発生の予防、疾患進行の遅延又は減速、疾患状態の改善又は緩和、及び(部分的又は完全な)寛解が挙げられる。治療を必要とする対象としては、疾患又は障害を既にもつ対象と、疾患又は障害になり易い対象あるいは疾患又は障害を予防すべき対象が挙げられる。
【0066】
本発明は上記式Iの化合物に関する。
【0067】
別の態様において、本発明はR
(1)C1−8アルキル;
(2)C3−8シクロアルキル−C0−6アルキル;又は
(3)アリール−C1−6アルキルを表し;
(1)〜(3)の基において任意アルキル基は場合により1個以上のハロゲン基で置換されていてもよく、C3−8シクロアルキル基は場合により独立してC1−4アルキル、ハロゲン及びアリールから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい式Iの化合物に関する。
【0068】
別の態様において、本発明はR
(1)C4−6アルキル;
(2)C3−8シクロアルキル−C0−1アルキル;又は
(3)アリール−C1−2アルキル
を表す式Iの化合物に関する。
【0069】
別の態様において、本発明はRがC1−8アルキル又はC3−8シクロアルキル−C0−6アルキルを表し、ここで任意アルキル基は場合により1個以上のハロゲン基(好ましくはフッ素)で置換されていてもよく、C3−8シクロアルキル基は場合により独立してC1−4アルキル、ハロゲン(好ましくはフッ素)及びアリールから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい式Iの化合物に関する。
【0070】
別の態様において、本発明はRがC1−8アルキル又はC3−8シクロアルキル−C0−6アルキルを表す式Iの化合物に関する。
【0071】
別の態様において、本発明はRがC1−8アルキル又はC3−8シクロアルキル−C0−1アルキルを表し、ここでアルキル基は場合により1個以上のハロゲン基(好ましくはフッ素)で置換されていてもよく、C3−8シクロアルキル基は場合により独立してC1−4アルキル、ハロゲン(好ましくはフッ素)及びアリールから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい式Iの化合物に関する。
【0072】
別の態様において、本発明はRがC1−8アルキル又はC3−8シクロアルキル−C0−1アルキルを表す式Iの化合物に関する。
【0073】
別の態様において、本発明はRがC4−6アルキル又はC3−8シクロアルキル−C0−1アルキルを表し、ここでアルキル基は場合により1個以上のハロゲン基(好ましくはフッ素)で置換されていてもよく、C3−8シクロアルキル基は場合により独立してC1−4アルキル、ハロゲン(好ましくはフッ素)及びアリールから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい式Iの化合物に関する。
【0074】
別の態様において、本発明はRがC4−6アルキル又はC3−8シクロアルキル−C0−1アルキルを表す式Iの化合物に関する。
【0075】
別の態様において、本発明はRがイソブチル、2,2−ジメチルプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル又はシクロプロピルメチルを表す式Iの化合物に関する。
【0076】
別の態様において、本発明はRがC1−8アルキル又はC3−8シクロアルキル−Cアルキルを表し、ここでアルキル基は場合により1個以上のハロゲン基(好ましくはフッ素)で置換されていてもよく、C3−8シクロアルキル基は場合により独立してC1−4アルキル、ハロゲン(好ましくはフッ素)及びアリールから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい式Iの化合物に関する。
【0077】
別の態様において、本発明はRがC1−8アルキル又はC3−8シクロアルキル−Cアルキルを表す式Iの化合物に関する。
【0078】
別の態様において、本発明はRがC4−6アルキル又はC3−8シクロアルキル−Cアルキルを表す式Iの化合物に関する。
【0079】
別の態様において、本発明はRがイソブチル、2,2−ジメチルプロピル又はシクロプロピルメチルを表す式Iの化合物に関する。
【0080】
別の態様において、本発明はRが場合により1個以上のハロゲン基(好ましくはフッ素)で置換されたC1−8アルキルを表す式Iの化合物に関する。
【0081】
別の態様において、本発明はRがC1−8アルキルを表す式Iの化合物に関する。
【0082】
別の態様において、本発明はRがC4−6アルキル、好ましくはC4−5アルキル、より好ましくは分岐鎖C4−5アルキルを表す式Iの化合物に関する。
【0083】
別の態様において、本発明はRがイソブチル又は2,2−ジメチルプロピルを表す式Iの化合物に関する。
【0084】
別の態様において、本発明はRがイソブチルを表す式Iの化合物に関する。
【0085】
別の態様において、本発明はRが2,2−ジメチルプロピルを表す式Iの化合物に関する。
【0086】
別の態様において、本発明はRがC3−8シクロアルキル−C0−6アルキルを表し、ここでアルキル基は場合により1個以上のハロゲン基(好ましくはフッ素)で置換されていてもよく、C3−8シクロアルキル基は場合により独立してC1−4アルキル、ハロゲン(好ましくはフッ素)及びアリールから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい式Iの化合物に関する。
【0087】
別の態様において、本発明はRがC3−8シクロアルキル−C0−6アルキルを表す式Iの化合物に関する。
【0088】
別の態様において、本発明はRがC3−8シクロアルキル−C0−1アルキルを表し、ここでアルキル基は場合により1個以上のハロゲン基(好ましくはフッ素)で置換されていてもよく、C3−8シクロアルキル基は場合により独立してC1−4アルキル、ハロゲン(好ましくはフッ素)及びアリールから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい式Iの化合物に関する。
【0089】
別の態様において、本発明はRがC3−8シクロアルキルC0−1アルキルを表す式Iの化合物に関する。
【0090】
別の態様において、本発明はRがシクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル又はシクロプロピルメチルを表す式Iの化合物に関する。
【0091】
別の態様において、本発明はRがC3−8シクロアルキル−C1−6アルキルを表し、ここでアルキル基は場合により1個以上のハロゲン基(好ましくはフッ素)で置換されていてもよく、C3−8シクロアルキル基は場合により独立してC1−4アルキル、ハロゲン(好ましくはフッ素)及びアリールから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい式Iの化合物に関する。
【0092】
別の態様において、本発明はRがC3−8シクロアルキルC1−6アルキルを表す式Iの化合物に関する。
【0093】
別の態様において、本発明はRがC3−8シクロアルキル−Cアルキルを表す式Iの化合物に関する。
【0094】
別の態様において、本発明はRがシクロプロピルメチルを表す式Iの化合物に関する。
【0095】
別の態様において、本発明はRがシクロヘキシルメチルを表す式Iの化合物に関する。
【0096】
別の態様において、本発明はRが場合により独立してC1−4アルキル、ハロゲン(好ましくはフッ素)及びアリールから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよいC3−8シクロアルキルを表す式Iの化合物に関する。
【0097】
別の態様において、本発明はRがC3−8シクロアルキル、好ましくはC4−6シクロアルキルを表す式Iの化合物に関する。
【0098】
別の態様において、本発明はRがシクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルを表す式Iの化合物に関する。
【0099】
別の態様において、本発明はRがアリール−C1−6アルキルを表し、前記アルキル基は場合により1個以上のハロゲン基(好ましくはフッ素)で置換されていてもよい式Iの化合物に関する。
【0100】
別の態様において、本発明はRがアリール−C1−2アルキルを表し、前記アルキル基は場合により1個以上のハロゲン基(好ましくはフッ素)で置換されていてもよい式Iの化合物に関する。
【0101】
別の態様において、本発明はRがアリール−C1−6アルキル、好ましくはアリール−C1−2アルキルを表す式Iの化合物に関する。
【0102】
別の態様において、本発明はRがアリール−C1−6アルキルを表し、前記アルキル基は場合により1個以上のハロゲン基(好ましくはフッ素)で置換されていてもよく、アリールが場合により独立してハロゲン、C1−4アルコキシ、C1−4ハロアルコキシ及びシアノから選択れさる1個以上の基で置換されたフェニルを表す式Iの化合物に関する。
【0103】
別の態様において、本発明はRが(i)を表す式Iの化合物に関する。
【0104】
別の態様において、本発明はRが(ii)を表す式Iの化合物に関する。
【0105】
別の態様において、本発明はR及びRが独立してH及びC1−4アルキルから選択され、更にR又はR基の一方がアリール又はC3−8シクロアルキル−C0−6アルキルを表してもよい式Iの化合物に関する。
【0106】
別の態様において、本発明はR及びRが独立してH及びC1−4アルキルから選択され、更にR又はR基の一方がアリールを表してもよい式Iの化合物に関する。
【0107】
別の態様において、本発明はR及びRが独立してH及びC1−4アルキルから選択される式Iの化合物に関する。
【0108】
別の態様において、本発明はR及びRが独立してH及びメチルから選択される式Iの化合物に関する。
【0109】
別の態様において、本発明はR及びRがHを表す式Iの化合物に関する。
【0110】
別の態様において、本発明はR又はR基の一方がアリールを表す式Iの化合物に関する。
【0111】
別の態様において、本発明はnが1又は2を表す式Iの化合物に関する。
【0112】
別の態様において、本発明はpが1又は2を表す式Iの化合物に関する。
【0113】
別の態様において、本発明はRが場合により1個以上のハロゲン基(好ましくはフッ素)で置換されたC1−8アルキルを表す式Iの化合物に関する。
【0114】
別の態様において、本発明はRがC1−8アルキルを表す式Iの化合物に関する。
【0115】
別の態様において、本発明はRがC3−8シクロアルキル−C0−6アルキルを表し、ここでアルキル基は場合により1個以上のハロゲン基(好ましくはフッ素)で置換されていてもよく、C3−8シクロアルキル基は場合により独立してC1−4アルキル、ハロゲン(好ましくはフッ素)及びアリールから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい式Iの化合物に関する。
【0116】
別の態様において、本発明はRがC3−8シクロアルキル−C0−1アルキルを表し、ここでアルキル基は場合により1個以上のハロゲン基(好ましくはフッ素)で置換されていてもよく、C3−8シクロアルキル基は場合により独立してC1−4アルキル、ハロゲン(好ましくはフッ素)及びアリールから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい式Iの化合物に関する。
【0117】
別の態様において、本発明はRがC3−8シクロアルキル−C0−1アルキルを表す式Iの化合物に関する。
【0118】
別の態様において、本発明はRがアリール−C0−4アルキルを表し、ここでアルキル基は場合により1個以上のハロゲン基(好ましくはフッ素)で置換されていてもよい式Iの化合物に関する。
【0119】
別の態様において、本発明はRがアリール−C0−1アルキルを表す式Iの化合物に関する。
【0120】
別の態様において、本発明はRとRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、
(i)2個のN原子を含み、他のヘテロ原子を含まず、場合により1個以上のC1−4アルキル基で置換されていてもよい複素環基;及び
(ii)1個のN原子を含み、他のヘテロ原子を含まず、1個のNR基で置換されており、場合により1個以上のC1−4アルキル基で置換されていてもよい複素環基
から選択される飽和複素環基を形成し;
前記複素環基(i)及び(ii)は4〜7員単環式、7〜8員架橋二環式又は8〜12員縮合二環式とすることができ;
あるいはRがH又はC1−4アルキルを表し、Rが場合により1個以上のC1−4アルキル基で置換されていてもよいアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル又はアゼパニルを表す式Iの化合物に関する。
【0121】
別の態様において、本発明はRとRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、4〜7員単環式、7〜8員架橋二環式又は8〜12員縮合二環式であり得る飽和複素環基を形成し、前記複素環基は2個までのN原子を含むことができ、他のヘテロ原子を含まず、場合により独立してC1−4アルキル及びNRから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、但し、複素環基は2個のN原子を含み、NR基で置換されていないか、又は1個のN原子を含み、1個のNR基で置換されている式Iの化合物に関する。
【0122】
別の態様において、本発明はRとRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、
(i)2個のN原子を含み、他のヘテロ原子を含まず、場合により1個以上のC1−4アルキル基で置換されていてもよい複素環基;及び
(ii)1個のN原子を含み、他のヘテロ原子を含まず、1個のNR基で置換されており、場合により1個以上のC1−4アルキル基で置換されていてもよい複素環基
から選択される飽和複素環基を形成し;
前記複素環基(i)及び(ii)は4〜7員単環式、7〜8員架橋二環式又は8〜12員縮合二環式とすることができる式Iの化合物に関する。
【0123】
別の態様において、本発明はR及びRが独立してH又はC1−4アルキルを表す式Iの化合物に関する。
【0124】
別の態様において、本発明はR及びRが独立してH、メチル又はエチルを表す式Iの化合物に関する。
【0125】
別の態様において、本発明はR及びRが独立してH又はメチルを表す式Iの化合物に関する。
【0126】
別の態様において、本発明はRがHを表し、RがH又はC1−4アルキルを表す式Iの化合物に関する。
【0127】
別の態様において、本発明はRがHを表し、RがH、メチル又はエチルを表す式Iの化合物に関する。
【0128】
別の態様において、本発明はRがHを表し、RがH又はメチルを表す式Iの化合物に関する。
【0129】
別の態様において、本発明はRがHを表し、RがC1−4アルキルを表す式Iの化合物に関する。
【0130】
別の態様において、本発明はRがHを表し、Rがメチル又はエチルを表す式Iの化合物に関する。
【0131】
別の態様において、本発明はRがHを表し、Rがメチルを表す式Iの化合物に関する。
【0132】
別の態様において、本発明はRとRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、
【0133】
【化13】

(式中、R及びRは式Iの化合物について上述した意味であり、RはH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはRはHを表す)から選択される飽和複素環基を形成する式Iの化合物に関する。
【0134】
別の態様において、本発明はRとRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、(a)〜(h)から選択される飽和複素環基を形成し、R、R及びRは独立してH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはR、R及びRは独立してH又はメチルを表し、より好ましくはR及びRは独立してH又はメチルを表し、RはHを表す式Iの化合物に関する。
【0135】
別の態様において、本発明はRとRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、(a)及び(b)から選択される飽和複素環基を形成し、ここでR及びRは式Iの化合物について上述した意味であり、RはH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはRはHを表す式Iの化合物に関する。
【0136】
別の態様において、本発明はRとRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、(a)及び(b)から選択される飽和複素環基を形成し、R、R及びRは独立してH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはR、R及びRは独立してH又はメチルを表す式Iの化合物に関する。
【0137】
別の態様において、本発明はRとRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、(a)及び(b)から選択される飽和複素環基を形成し、RはHを表し、RはH又はC1−4アルキルを表し、RはHを表す式Iの化合物に関する。
【0138】
別の態様において、本発明はRとRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、(a)及び(b)から選択される飽和複素環基を形成し、RはHを表し、RはH又はメチルを表し、RはHを表す式Iの化合物に関する。
【0139】
別の態様において、本発明はRとRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、(a)及び(b)から選択される飽和複素環基を形成し、RはHを表し、Rはメチルを表し、RはHを表す式Iの化合物に関する。
【0140】
別の態様において、本発明はRとRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、式(a):
【0141】
【化14】

(式中、R及びRは式Iの化合物について上述した意味であり、RはH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはRはHを表す)の飽和複素環基を形成する式Iの化合物に関する。
【0142】
別の態様において、本発明はRとRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、式(a)の飽和複素環基を形成し、R、R及びRは独立してH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはR、R及びRは独立してH又はメチルを表す式Iの化合物に関する。
【0143】
別の態様において、本発明はRとRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、式(a)の飽和複素環基を形成し、RはHを表し、RはH又はC1−4アルキルを表し、RはHを表す式Iの化合物に関する。
【0144】
別の態様において、本発明はRとRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、式(a)の飽和複素環基を形成し、RはHを表し、RはH又はメチルを表し、RはHを表す式Iの化合物に関する。
【0145】
別の態様において、本発明はRとRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、式(a)の飽和複素環基を形成し、RはHを表し、Rはメチルを表し、RはHを表す式Iの化合物に関する。
【0146】
別の態様において、本発明はRとRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、式(b):
【0147】
【化15】

(式中、R及びRは式Iの化合物について上述した意味であり、RはH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはRはHを表す)の飽和複素環基を形成する式Iの化合物に関する。
【0148】
別の態様において、本発明はRとRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、式(b)の飽和複素環基を形成し、R、R及びRは独立してH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはR、R及びRは独立してH又はメチルを表し、より好ましくはR及びRは独立してH又はメチルを表し、RはHを表す式Iの化合物に関する。
【0149】
別の態様において、本発明はRとRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、式(b)の飽和複素環基を形成し、RはHを表し、RはH又はC1−4アルキルを表し、RはHを表す式Iの化合物に関する。
【0150】
別の態様において、本発明はRとRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、式(b)の飽和複素環基を形成し、RはHを表し、RはH又はメチルを表し、RはHを表す式Iの化合物に関する。
【0151】
別の態様において、本発明はRとRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、式(b)の飽和複素環基を形成し、RはHを表し、Rはメチルを表し、RはHを表す式Iの化合物に関する。
【0152】
別の態様において、本発明はRがH又はC1−4アルキルを表し、Rが場合により1個以上のC1−4アルキル基で置換されていてもよいアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル又はアゼパニルを表し、好ましくはRがHを表し、Rが1−メチルピロリジン−3−イルを表す式Iの化合物に関する。
【0153】
別の態様において、本発明は、
がC1−8アルキル又はC3−8シクロアルキル−C0−6アルキル、好ましくはC4−6アルキル又はC3−8シクロアルキル−C0−1アルキル、より好ましくはイソブチル、2,2−ジメチルプロピル又はシクロプロピルメチルを表し;ここでアルキル基は場合により1個以上のハロゲン基(好ましくはフッ素)で置換されていてもよく、C3−8シクロアルキル基は場合により独立してC1−4アルキル、ハロゲン(好ましくはフッ素)及びアリールから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、4〜7員単環式、7〜8員架橋二環式又は8〜12員縮合二環式であり得る飽和複素環基を形成し、前記複素環基は2個までのN原子を含むことができ、他のヘテロ原子を含まず、場合により独立してC1−4アルキル及びNRから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、但し、複素環基は2個のN原子を含み、NR基で置換されていないか、又は1個のN原子を含み、1個のNR基で置換されている式Iの化合物に関する。
【0154】
別の態様において、本発明は、
がC1−8アルキル又はC3−8シクロアルキル−C0−6アルキル、好ましくはC4−6アルキル又はC3−8シクロアルキル−C0−1アルキル、より好ましくはイソブチル、2,2−ジメチルプロピル又はシクロプロピルメチルを表し;ここでアルキル基は場合により1個以上のハロゲン基(好ましくはフッ素)で置換されていてもよく、C3−8シクロアルキル基は場合により独立してC1−4アルキル、ハロゲン(好ましくはフッ素)及びアリールから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、
(i)2個のN原子を含み、他のヘテロ原子を含まず、場合により1個以上のC1−4アルキル基で置換されていてもよい複素環基;及び
(ii)1個のN原子を含み、他のヘテロ原子を含まず、1個のNR基で置換されており、場合により1個以上のC1−4アルキル基で置換されていてもよい複素環基
から選択される飽和複素環基を形成し;
前記複素環基(i)及び(ii)は4〜7員単環式、7〜8員架橋二環式又は8〜12員縮合二環式とすることができる式Iの化合物に関する。
【0155】
別の態様において、本発明は、
がC1−8アルキル又はC3−8シクロアルキル−C0−6アルキル、好ましくはC4−6アルキル又はC3−8シクロアルキル−C0−1アルキル、より好ましくはイソブチル、2,2−ジメチルプロピル又はシクロプロピルメチルを表し;ここでアルキル基は場合により1個以上のハロゲン基(好ましくはフッ素)で置換されていてもよく、C3−8シクロアルキル基は場合により独立してC1−4アルキル、ハロゲン(好ましくはフッ素)及びアリールから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
がH又はC1−4アルキルを表し、Rが場合により1個以上のC1−4アルキル基で置換されていてもよいアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル又はアゼパニルを表し、好ましくはRがHを表し、Rが1−メチルピロリジン−3−イルを表す式Iの化合物に関する。
【0156】
別の態様において、本発明は、
がC1−8アルキル又はC3−8シクロアルキル−C0−6アルキル、好ましくはC4−6アルキル又はC3−8シクロアルキル−C0−1アルキル、より好ましくはイソブチル、2,2−ジメチルプロピル又はシクロプロピルメチルを表し;ここでアルキル基は場合により1個以上のハロゲン基(好ましくはフッ素)で置換されていてもよく、C3−8シクロアルキル基は場合により独立してC1−4アルキル、ハロゲン(好ましくはフッ素)及びアリールから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、(a)〜(h)から選択される飽和複素環基を形成し、ここでR及びRは式Iの化合物について上述した意味であり、RはH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはRはHを表す式Iの化合物に関する。
【0157】
別の態様において、本発明は、
がC1−8アルキル又はC3−8シクロアルキル−C0−6アルキル、好ましくはC4−6アルキル又はC3−8シクロアルキル−C0−1アルキル、より好ましくはイソブチル、2,2−ジメチルプロピル又はシクロプロピルメチルを表し;ここでアルキル基は場合により1個以上のハロゲン基(好ましくはフッ素)で置換されていてもよく、C3−8シクロアルキル基は場合により独立してC1−4アルキル、ハロゲン(好ましくはフッ素)及びアリールから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、(a)〜(h)から選択される飽和複素環基を形成し、R、R及びRは独立してH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはR、R及びRは独立してH又はメチルを表し、より好ましくはR及びRは独立してH又はメチルを表し、RはHを表す式Iの化合物に関する。
【0158】
別の態様において、本発明は、
がC1−8アルキル又はC3−8シクロアルキル−C0−6アルキル、好ましくはC4−6アルキル又はC3−8シクロアルキル−C0−1アルキル、より好ましくはイソブチル、2,2−ジメチルプロピル又はシクロプロピルメチルを表し;ここでアルキル基は場合により1個以上のハロゲン基(好ましくはフッ素)で置換されていてもよく、C3−8シクロアルキル基は場合により独立してC1−4アルキル、ハロゲン(好ましくはフッ素)及びアリールから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、(a)及び(b)から選択される飽和複素環基を形成し、ここでR及びRは式Iの化合物について上述した意味であり、RはH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはRはHを表す式Iの化合物に関する。
【0159】
別の態様において、本発明は、
がC1−8アルキル又はC3−8シクロアルキル−C0−6アルキル、好ましくはC4−6アルキル又はC3−8シクロアルキル−C0−1アルキル、より好ましくはイソブチル、2,2−ジメチルプロピル又はシクロプロピルメチルを表し;ここでアルキル基は場合により1個以上のハロゲン基(好ましくはフッ素)で置換されていてもよく、C3−8シクロアルキル基は場合により独立してC1−4アルキル、ハロゲン(好ましくはフッ素)及びアリールから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、(a)及び(b)から選択される飽和複素環基を形成し、R、R及びRは独立してH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはR、R及びRは独立してH又はメチルを表し、より好ましくはR及びRは独立してH又はメチルを表し、RはHを表し、更に好ましくはRはHを表し、Rはメチルを表し、RはHを表す式Iの化合物に関する。
【0160】
別の態様において、本発明は、
がC1−8アルキル又はC3−8シクロアルキル−C0−6アルキル、好ましくはC4−6アルキル又はC3−8シクロアルキル−C0−1アルキル、より好ましくはイソブチル、2,2−ジメチルプロピル又はシクロプロピルメチルを表し;ここでアルキル基は場合により1個以上のハロゲン基(好ましくはフッ素)で置換されていてもよく、C3−8シクロアルキル基は場合により独立してC1−4アルキル、ハロゲン(好ましくはフッ素)及びアリールから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、式(a)の飽和複素環基を形成し、ここでR及びRは式Iの化合物について上述した意味であり、RはH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはRはHを表す式Iの化合物に関する。
【0161】
別の態様において、本発明は、
がC1−8アルキル又はC3−8シクロアルキル−C0−6アルキル、好ましくはC4−6アルキル又はC3−8シクロアルキル−C0−1アルキル、より好ましくはイソブチル、2,2−ジメチルプロピル又はシクロプロピルメチルを表し;ここでアルキル基は場合により1個以上のハロゲン基(好ましくはフッ素)で置換されていてもよく、C3−8シクロアルキル基は場合により独立してC1−4アルキル、ハロゲン(好ましくはフッ素)及びアリールから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、式(a)の飽和複素環基を形成し、ここでR、R及びRは独立してH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはR、R及びRは独立してH又はメチルを表し、より好ましくはR及びRは独立してH又はメチルを表し、RはHを表し、更に好ましくはRはHを表し、Rはメチルを表し、RはHを表す式Iの化合物に関する。
【0162】
別の態様において、本発明は、
がC1−8アルキル又はC3−8シクロアルキル−C0−6アルキル、好ましくはC4−6アルキル又はC3−8シクロアルキル−C0−1アルキル、より好ましくはイソブチル、2,2−ジメチルプロピル又はシクロプロピルメチルを表し;ここでアルキル基は場合により1個以上のハロゲン基(好ましくはフッ素)で置換されていてもよく、C3−8シクロアルキル基は場合により独立してC1−4アルキル、ハロゲン(好ましくはフッ素)及びアリールから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、式(b)の飽和複素環基を形成し、ここでR及びRは式Iの化合物について上述した意味であり、RはH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはRはHを表す式Iの化合物に関する。
【0163】
別の態様において、本発明は、
がC1−8アルキル又はC3−8シクロアルキル−C0−6アルキル、好ましくはC4−6アルキル又はC3−8シクロアルキル−C0−1アルキル、より好ましくはイソブチル、2,2−ジメチルプロピル又はシクロプロピルメチルを表し;ここでアルキル基は場合により1個以上のハロゲン基(好ましくはフッ素)で置換されていてもよく、C3−8シクロアルキル基は場合により独立してC1−4アルキル、ハロゲン(好ましくはフッ素)及びアリールから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、式(b)の飽和複素環基を形成し、ここでR、R及びRは独立してH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはR、R及びRは独立してH又はメチルを表し、より好ましくはR及びRは独立してH又はメチルを表し、RはHを表し、更に好ましくはRはHを表し、Rはメチルを表し、RはHを表す式Iの化合物に関する。
【0164】
別の態様において、本発明は、
が場合により1個以上のハロゲン基(好ましくはフッ素)で置換されたC1−8アルキルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、4〜7員単環式、7〜8員架橋二環式又は8〜12員縮合二環式であり得る飽和複素環基を形成し、前記複素環基は2個までのN原子を含むことができ、他のヘテロ原子を含まず、場合により独立してC1−4アルキル及びNRから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、但し、複素環基は2個のN原子を含み、NR基で置換されていないか、又は1個のN原子を含み、1個のNR基で置換されている式Iの化合物に関する。
【0165】
別の態様において、本発明は、
が場合により1個以上のハロゲン基(好ましくはフッ素)で置換されたC1−8アルキルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、
(i)2個のN原子を含み、他のヘテロ原子を含まず、場合により1個以上のC1−4アルキル基で置換されていてもよい複素環基;及び
(ii)1個のN原子を含み、他のヘテロ原子を含まず、1個のNR基で置換されており、場合により1個以上のC1−4アルキル基で置換されていてもよい複素環基
から選択される飽和複素環基を形成し;
前記複素環基(i)及び(ii)は4〜7員単環式、7〜8員架橋二環式又は8〜12員縮合二環式とすることができる式Iの化合物に関する。
【0166】
別の態様において、本発明は、
が場合により1個以上のハロゲン基(好ましくはフッ素)で置換されたC1−8アルキルを表し;
がH又はC1−4アルキルを表し、Rが場合により1個以上のC1−4アルキル基で置換されていてもよいアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル又はアゼパニルを表し、好ましくはRがHを表し、Rが1−メチルピロリジン−3−イルを表す式Iの化合物に関する。
【0167】
別の態様において、本発明は、
が場合により1個以上のハロゲン基(好ましくはフッ素)で置換されたC1−8アルキルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、(a)〜(h)から選択される飽和複素環基を形成し、ここでR及びRは式Iの化合物について上述した意味であり、RはH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはRはHを表す式Iの化合物に関する。
【0168】
別の態様において、本発明は、
が場合により1個以上のハロゲン基(好ましくはフッ素)で置換されたC1−8アルキルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、(a)〜(h)から選択される飽和複素環基を形成し、ここでR、R及びRは独立してH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはR、R及びRは独立してH又はメチルを表し、より好ましくはR及びRは独立してH又はメチルを表し、RはHを表す式Iの化合物に関する。
【0169】
別の態様において、本発明は、
が場合により1個以上のハロゲン基(好ましくはフッ素)で置換されたC1−8アルキルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、(a)及び(b)から選択される飽和複素環基を形成し、ここでR及びRは式Iの化合物について上述した意味であり、RはH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはRはHを表す式Iの化合物に関する。
【0170】
別の態様において、本発明は、
が場合により1個以上のハロゲン基(好ましくはフッ素)で置換されたC1−8アルキルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、(a)及び(b)から選択される飽和複素環基を形成し、ここでR、R及びRは独立してH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはR、R及びRは独立してH又はメチルを表し、より好ましくはR及びRは独立してH又はメチルを表し、RはHを表し、更に好ましくはRはHを表し、Rはメチルを表し、RはHを表す式Iの化合物に関する。
【0171】
別の態様において、本発明は、
が場合により1個以上のハロゲン基(好ましくはフッ素)で置換されたC1−8アルキルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、式(a)の飽和複素環基を形成し、ここでR及びRは式Iの化合物について上述した意味であり、RはH又はC1−4アルキルを表し、RはHを表す式Iの化合物に関する。
【0172】
別の態様において、本発明は、
が場合により1個以上のハロゲン基(好ましくはフッ素)で置換されたC1−8アルキルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、式(a)の飽和複素環基を形成し、ここでR、R及びRは独立してH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはR、R及びRは独立してH又はメチルを表し、より好ましくはR及びRは独立してH又はメチルを表し、RはHを表し、更に好ましくはRはHを表し、Rはメチルを表し、RはHを表す式Iの化合物に関する。
【0173】
別の態様において、本発明は、
が場合により1個以上のハロゲン基(好ましくはフッ素)で置換されたC1−8アルキルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、式(b)の飽和複素環基を形成し、ここでR及びRは式Iの化合物について上述した意味であり、RはH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはRはHを表す式Iの化合物に関する。
【0174】
別の態様において、本発明は、
が場合により1個以上のハロゲン基(好ましくはフッ素)で置換されたC1−8アルキルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、式(b)の飽和複素環基を形成し、ここでR、R及びRは独立してH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはR、R及びRは独立してH又はメチルを表し、より好ましくはR及びRは独立してH又はメチルを表し、RはHを表し、更に好ましくはRはHを表し、Rはメチルを表し、RはHを表す式Iの化合物に関する。
【0175】
別の態様において、本発明は、
がC4−6アルキル、好ましくはイソブチル又は2,2−ジメチルプロピルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、4〜7員単環式、7〜8員架橋二環式又は8〜12員縮合二環式であり得る飽和複素環基を形成し、前記複素環基は2個までのN原子を含むことができ、他のヘテロ原子を含まず、場合により独立してC1−4アルキル及びNRから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、但し、複素環基は2個のN原子を含み、NR基で置換されていないか、又は1個のN原子を含み、1個のNR基で置換されている式Iの化合物に関する。
【0176】
別の態様において、本発明は、
がC4−6アルキル、好ましくはイソブチル又は2,2−ジメチルプロピルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、
(i)2個のN原子を含み、他のヘテロ原子を含まず、場合により1個以上のC1−4アルキル基で置換されていてもよい複素環基;及び
(ii)1個のN原子を含み、他のヘテロ原子を含まず、1個のNR基で置換されており、場合により1個以上のC1−4アルキル基で置換されていてもよい複素環基
から選択される飽和複素環基を形成し;
前記複素環基(i)及び(ii)は4〜7員単環式、7〜8員架橋二環式又は8〜12員縮合二環式とすることができる式Iの化合物に関する。
【0177】
別の態様において、本発明は、
がC4−6アルキル、好ましくはイソブチル又は2,2−ジメチルプロピルを表し;
がH又はC1−4アルキルを表し、Rが場合により1個以上のC1−4アルキル基で置換されていてもよいアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル又はアゼパニルを表し、好ましくはRがHを表し、Rが1−メチルピロリジン−3−イルを表す式Iの化合物に関する。
【0178】
別の態様において、本発明は、
がC4−6アルキル、好ましくはイソブチル又は2,2−ジメチルプロピルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、(a)〜(h)から選択される飽和複素環基を形成し、ここでR及びRは式Iの化合物について上述した意味であり、RはH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはRはHを表す式Iの化合物に関する。
【0179】
別の態様において、本発明は、
がC4−6アルキル、好ましくはイソブチル又は2,2−ジメチルプロピルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、(a)〜(h)から選択される飽和複素環基を形成し、R、R及びRは独立してH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはR、R及びRは独立してH又はメチルを表し、より好ましくはR及びRは独立してH又はメチルを表し、RはHを表す式Iの化合物に関する。
【0180】
別の態様において、本発明は、
がC4−6アルキル、好ましくはイソブチル又は2,2−ジメチルプロピルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、(a)及び(b)から選択される飽和複素環基を形成し、ここでR及びRは式Iの化合物について上述した意味であり、RはH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはRはHを表す式Iの化合物に関する。
【0181】
別の態様において、本発明は、
がC4−6アルキル、好ましくはイソブチル又は2,2−ジメチルプロピルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、(a)及び(b)から選択される飽和複素環基を形成し、ここでR、R及びRは独立してH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはR、R及びRは独立してH又はメチルを表し、より好ましくはR及びRは独立してH又はメチルを表し、RはHを表し、更に好ましくはRはHを表し、Rはメチルを表し、RはHを表す式Iの化合物に関する。
【0182】
別の態様において、本発明は、
がC4−6アルキル、好ましくはイソブチル又は2,2−ジメチルプロピルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、式(a)の飽和複素環基を形成し、ここでR及びRは式Iの化合物について上述した意味であり、RはH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはRはHを表す式Iの化合物に関する。
【0183】
別の態様において、本発明は、
がC4−6アルキル、好ましくはイソブチル又は2,2−ジメチルプロピルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、式(a)の飽和複素環基を形成し、ここでR、R及びRは独立してH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはR、R及びRは独立してH又はメチルを表し、より好ましくはR及びRは独立してH又はメチルを表し、RはHを表し、更に好ましくはRはHを表し、Rはメチルを表し、RはHを表す式Iの化合物に関する。
【0184】
別の態様において、本発明は、
がC4−6アルキル、好ましくはイソブチル又は2,2−ジメチルプロピルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、式(b)の飽和複素環基を形成し、ここでR及びRは式Iの化合物について上述した意味であり、RはH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはRはHを表す式Iの化合物に関する。
【0185】
別の態様において、本発明は、
がC4−6アルキル、好ましくはイソブチル又は2,2−ジメチルプロピルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、式(b)の飽和複素環基を形成し、ここでR、R及びRは独立してH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはR、R及びRは独立してH又はメチルを表し、より好ましくはR及びRは独立してH又はメチルを表し、RはHを表し、更に好ましくはRはHを表し、Rはメチルを表し、RはHを表す式Iの化合物に関する。
【0186】
別の態様において、本発明は、
がイソブチルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、4〜7員単環式、7〜8員架橋二環式又は8〜12員縮合二環式であり得る飽和複素環基を形成し、前記複素環基は2個までのN原子を含むことができ、他のヘテロ原子を含まず、場合により独立してC1−4アルキル及びNRから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、但し、複素環基は2個のN原子を含み、NR基で置換されていないか、又は1個のN原子を含み、1個のNR基で置換されている式Iの化合物に関する。
【0187】
別の態様において、本発明は、
がイソブチルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、
(i)2個のN原子を含み、他のヘテロ原子を含まず、場合により1個以上のC1−4アルキル基で置換されていてもよい複素環基;及び
(ii)1個のN原子を含み、他のヘテロ原子を含まず、1個のNR基で置換されており、場合により1個以上のC1−4アルキル基で置換されていてもよい複素環基
から選択される飽和複素環基を形成し;
前記複素環基(i)及び(ii)は4〜7員単環式、7〜8員架橋二環式又は8〜12員縮合二環式とすることができる式Iの化合物に関する。
【0188】
別の態様において、本発明は、
がイソブチルを表し;
がH又はC1−4アルキルを表し、Rが場合により1個以上のC1−4アルキル基で置換されていてもよいアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル又はアゼパニルを表し、好ましくはRがHを表し、Rが1−メチルピロリジン−3−イルを表す式Iの化合物に関する。
【0189】
別の態様において、本発明は、
がイソブチルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、(a)〜(h)から選択される飽和複素環基を形成し、ここでR及びRは式Iの化合物について上述した意味であり、RはH又はC1−4アルキルを表し、RはHを表す式Iの化合物に関する。
【0190】
別の態様において、本発明は、
がイソブチルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、(a)〜(h)から選択される飽和複素環基を形成し、ここでR、R及びRは独立してH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはR、R及びRは独立してH又はメチルを表し、より好ましくはR及びRは独立してH又はメチルを表し、RはHを表す式Iの化合物に関する。
【0191】
別の態様において、本発明は、
がイソブチルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、(a)及び(b)から選択される飽和複素環基を形成し、ここでR及びRは式Iの化合物について上述した意味であり、RはH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはRはHを表す式Iの化合物に関する。
【0192】
別の態様において、本発明は、
がイソブチルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、(a)及び(b)から選択される飽和複素環基を形成し、ここでR、R及びRは独立してH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはR、R及びRは独立してH又はメチルを表し、より好ましくはR及びRは独立してH又はメチルを表し、RはHを表し、更に好ましくはRはHを表し、Rはメチルを表し、RはHを表す式Iの化合物に関する。
【0193】
別の態様において、本発明は、
がイソブチルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、式(a)の飽和複素環基を形成し、ここでR及びRは式Iの化合物について上述した意味であり、RはH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはRはHを表す式Iの化合物に関する。
【0194】
別の態様において、本発明は、
がイソブチルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、式(a)の飽和複素環基を形成し、ここでR、R及びRは独立してH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはR、R及びRは独立してH又はメチルを表し、より好ましくはR及びRは独立してH又はメチルを表し、RはHを表し、更に好ましくはRはHを表し、Rはメチルを表し、RはHを表す式Iの化合物に関する。
【0195】
別の態様において、本発明は、
がイソブチルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、式(b)の飽和複素環基を形成し、ここでR及びRは式Iの化合物について上述した意味であり、RはH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはRはHを表す式Iの化合物に関する。
【0196】
別の態様において、本発明は、
がイソブチルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、式(b)の飽和複素環基を形成し、ここでR、R及びRは独立してH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはR、R及びRは独立してH又はメチルを表し、より好ましくはR及びRは独立してH又はメチルを表し、RはHを表し、更に好ましくはRはHを表し、Rはメチルを表し、RはHを表す式Iの化合物に関する。
【0197】
別の態様において、本発明は、
が2,2−ジメチルプロピルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、4〜7員単環式、7〜8員架橋二環式又は8〜12員縮合二環式であり得る飽和複素環基を形成し、前記複素環基は2個までのN原子を含むことができ、他のヘテロ原子を含まず、場合により独立してC1−4アルキル及びNRから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、但し、複素環基は2個のN原子を含み、NR基で置換されていないか、又は1個のN原子を含み、1個のNR基で置換されている式Iの化合物に関する。
【0198】
別の態様において、本発明は、
が2,2−ジメチルプロピルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、
(i)2個のN原子を含み、他のヘテロ原子を含まず、場合により1個以上のC1−4アルキル基で置換されていてもよい複素環基;及び
(ii)1個のN原子を含み、他のヘテロ原子を含まず、1個のNR基で置換されており、場合により1個以上のC1−4アルキル基で置換されていてもよい複素環基
から選択される飽和複素環基を形成し;
前記複素環基(i)及び(ii)は4〜7員単環式、7〜8員架橋二環式又は8〜12員縮合二環式とすることができる式Iの化合物に関する。
【0199】
別の態様において、本発明は、
が2,2−ジメチルプロピルを表し;
がH又はC1−4アルキルを表し、Rが場合により1個以上のC1−4アルキル基で置換されていてもよいアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル又はアゼパニルを表し、好ましくはRがHを表し、Rが1−メチルピロリジン−3−イルを表す式Iの化合物に関する。
【0200】
別の態様において、本発明は、
が2,2−ジメチルプロピルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、(a)〜(h)から選択される飽和複素環基を形成し、ここでR及びRは式Iの化合物について上述した意味であり、RはH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはRはHを表す式Iの化合物に関する。
【0201】
別の態様において、本発明は、
が2,2−ジメチルプロピルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、(a)〜(h)から選択される飽和複素環基を形成し、R、R及びRは独立してH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはR、R及びRは独立してH又はメチルを表し、より好ましくはR及びRは独立してH又はメチルを表し、RはHを表す式Iの化合物に関する。
【0202】
別の態様において、本発明は、
が2,2−ジメチルプロピルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、(a)及び(b)から選択される飽和複素環基を形成し、ここでR及びRは式Iの化合物について上述した意味であり、RはH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはRはHを表す式Iの化合物に関する。
【0203】
別の態様において、本発明は、
が2,2−ジメチルプロピルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、(a)及び(b)から選択される飽和複素環基を形成し、ここでR、R及びRは独立してH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはR、R及びRは独立してH又はメチルを表し、より好ましくはR及びRは独立してH又はメチルを表し、RはHを表し、更に好ましくはRはHを表し、Rはメチルを表し、RはHを表す式Iの化合物に関する。
【0204】
別の態様において、本発明は、
が2,2−ジメチルプロピルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、式(a)の飽和複素環基を形成し、ここでR及びRは式Iの化合物について上述した意味であり、RはH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはRはHを表す式Iの化合物に関する。
【0205】
別の態様において、本発明は、
が2,2−ジメチルプロピルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、式(a)の飽和複素環基を形成し、ここでR、R及びRは独立してH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはR、R及びRは独立してH又はメチルを表し、より好ましくはR及びRは独立してH又はメチルを表し、RはHを表し、更に好ましくはRはHを表し、Rはメチルを表し、RはHを表す式Iの化合物に関する。
【0206】
別の態様において、本発明は、
が2,2−ジメチルプロピルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、式(b)の飽和複素環基を形成し、ここでR及びRは式Iの化合物について上述した意味であり、RはH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはRはHを表す式Iの化合物に関する。
【0207】
別の態様において、本発明は、
が2,2−ジメチルプロピルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、式(b)の飽和複素環基を形成し、ここでR、R及びRは独立してH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはR、R及びRは独立してH又はメチルを表し、より好ましくはR及びRは独立してH又はメチルを表し、RはHを表し、更に好ましくはRはHを表し、Rはメチルを表し、RはHを表す式Iの化合物に関する。
【0208】
別の態様において、本発明は、
がC3−8シクロアルキル−Cアルキル、より好ましくはシクロプロピルメチルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、4〜7員単環式、7〜8員架橋二環式又は8〜12員縮合二環式であり得る飽和複素環基を形成し、前記複素環基は2個までのN原子を含むことができ、他のヘテロ原子を含まず、場合により独立してC1−4アルキル及びNRから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、但し、複素環基は2個のN原子を含み、NR基で置換されていないか、又は1個のN原子を含み、1個のNR基で置換されている式Iの化合物に関する。
【0209】
別の態様において、本発明は、
がC3−8シクロアルキル−Cアルキル、より好ましくはシクロプロピルメチルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、
(i)2個のN原子を含み、他のヘテロ原子を含まず、場合により1個以上のC1−4アルキル基で置換されていてもよい複素環基;及び
(ii)1個のN原子を含み、他のヘテロ原子を含まず、1個のNR基で置換されており、場合により1個以上のC1−4アルキル基で置換されていてもよい複素環基
から選択される飽和複素環基を形成し;
前記複素環基(i)及び(ii)は4〜7員単環式、7〜8員架橋二環式又は8〜12員縮合二環式とすることができる式Iの化合物に関する。
【0210】
別の態様において、本発明は、
がC3−8シクロアルキル−Cアルキル、より好ましくはシクロプロピルメチルを表し;
がH又はC1−4アルキルを表し、Rが場合により1個以上のC1−4アルキル基で置換されていてもよいアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル又はアゼパニルを表し、好ましくはRがHを表し、Rが1−メチルピロリジン−3−イルを表す式Iの化合物に関する。
【0211】
別の態様において、本発明は、
がC3−8シクロアルキル−Cアルキル、より好ましくはシクロプロピルメチルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、(a)〜(h)から選択される飽和複素環基を形成し、ここでR及びRは式Iの化合物について上述した意味であり、RはH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはRはHを表す式Iの化合物に関する。
【0212】
別の態様において、本発明は、
がC3−8シクロアルキル−Cアルキル、より好ましくはシクロプロピルメチルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、(a)〜(h)から選択される飽和複素環基を形成し、ここでR、R及びRは独立してH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはR、R及びRは独立してH又はメチルを表し、より好ましくはR及びRは独立してH又はメチルを表し、RはHを表す式Iの化合物に関する。
【0213】
別の態様において、本発明は、
がC3−8シクロアルキル−Cアルキル、より好ましくはシクロプロピルメチルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、(a)及び(b)から選択される飽和複素環基を形成し、ここでR及びRは式Iの化合物について上述した意味であり、RはH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはRはHを表す式Iの化合物に関する。
【0214】
別の態様において、本発明は、
がC3−8シクロアルキル−Cアルキル、より好ましくはシクロプロピルメチルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、(a)及び(b)から選択される飽和複素環基を形成し、ここでR、R及びRは独立してH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはR、R及びRは独立してH又はメチルを表し、より好ましくはR及びRは独立してH又はメチルを表し、RはHを表し、更に好ましくはRはHを表し、Rはメチルを表し、RはHを表す式Iの化合物に関する。
【0215】
別の態様において、本発明は、
がC3−8シクロアルキル−Cアルキル、より好ましくはシクロプロピルメチルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、式(a)の飽和複素環基を形成し、ここでR及びRは式Iの化合物について上述した意味であり、RはH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはRはHを表す式Iの化合物に関する。
【0216】
別の態様において、本発明は、
がC3−8シクロアルキル−Cアルキル、より好ましくはシクロプロピルメチルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、式(a)の飽和複素環基を形成し、ここでR、R及びRは独立してH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはR、R及びRは独立してH又はメチルを表し、より好ましくはR及びRは独立してH又はメチルを表し、RはHを表し、更に好ましくはRはHを表し、Rはメチルを表し、RはHを表す式Iの化合物に関する。
【0217】
別の態様において、本発明は、
がC3−8シクロアルキル−Cアルキル、より好ましくはシクロプロピルメチルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、式(b)の飽和複素環基を形成し、ここでR及びRは式Iの化合物について上述した意味であり、RはH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはRはHを表す式Iの化合物に関する。
【0218】
別の態様において、本発明は、
がC3−8シクロアルキル−Cアルキル、より好ましくはシクロプロピルメチルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、式(b)の飽和複素環基を形成し、ここでR、R及びRは独立してH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはR、R及びRは独立してH又はメチルを表し、より好ましくはR及びRは独立してH又はメチルを表し、RはHを表し、更に好ましくはRはHを表し、Rはメチルを表し、RはHを表す式Iの化合物に関する。
【0219】
別の態様において、本発明は、
がC3−8シクロアルキル、好ましくはC4−6シクロアルキル、より好ましくはシクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、4〜7員単環式、7〜8員架橋二環式又は8〜12員縮合二環式であり得る飽和複素環基を形成し、前記複素環基は2個までのN原子を含むことができ、他のヘテロ原子を含まず、場合により独立してC1−4アルキル及びNRから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、但し、複素環基は2個のN原子を含み、NR基で置換されていないか、又は1個のN原子を含み、1個のNR基で置換されている式Iの化合物に関する。
【0220】
別の態様において、本発明は、
がC3−8シクロアルキル、好ましくはC4−6シクロアルキル、より好ましくはシクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、
(i)2個のN原子を含み、他のヘテロ原子を含まず、場合により1個以上のC1−4アルキル基で置換されていてもよい複素環基;及び
(ii)1個のN原子を含み、他のヘテロ原子を含まず、1個のNR基で置換されており、場合により1個以上のC1−4アルキル基で置換されていてもよい複素環基
から選択される飽和複素環基を形成し;
前記複素環基(i)及び(ii)は4〜7員単環式、7〜8員架橋二環式又は8〜12員縮合二環式とすることができる式Iの化合物に関する。
【0221】
別の態様において、本発明は、
がC3−8シクロアルキル、好ましくはC4−6シクロアルキル、より好ましくはシクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルを表し;
がH又はC1−4アルキルを表し、Rが場合により1個以上のC1−4アルキル基で置換されていてもよいアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル又はアゼパニルを表し、好ましくはRがHを表し、Rが1−メチルピロリジン−3−イルを表す式Iの化合物に関する。
【0222】
別の態様において、本発明は、
がC3−8シクロアルキル、好ましくはC4−6シクロアルキル、より好ましくはシクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、(a)〜(h)から選択される飽和複素環基を形成し、ここでR及びRは式Iの化合物について上述した意味であり、RはH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはRはHを表す式Iの化合物に関する。
【0223】
別の態様において、本発明は、
がC3−8シクロアルキル、好ましくはC4−6シクロアルキル、より好ましくはシクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、(a)〜(h)から選択される飽和複素環基を形成し、ここでR、R及びRは独立してH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはR、R及びRは独立してH又はメチルを表し、より好ましくはR及びRは独立してH又はメチルを表し、RはHを表す式Iの化合物に関する。
【0224】
別の態様において、本発明は、
がC3−8シクロアルキル、好ましくはC4−6シクロアルキル、より好ましくはシクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、(a)及び(b)から選択される飽和複素環基を形成し、ここでR及びRは式Iの化合物について上述した意味であり、RはH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはRはHを表す式Iの化合物に関する。
【0225】
別の態様において、本発明は、
がC3−8シクロアルキル、好ましくはC4−6シクロアルキル、より好ましくはシクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、(a)及び(b)から選択される飽和複素環基を形成し、ここでR、R及びRは独立してH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはR、R及びRは独立してH又はメチルを表し、より好ましくはR及びRは独立してH又はメチルを表し、RはHを表し、更に好ましくはRはHを表し、Rはメチルを表し、RはHを表す式Iの化合物に関する。
【0226】
別の態様において、本発明は、
がC3−8シクロアルキル、好ましくはC4−6シクロアルキル、より好ましくはシクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、式(a)の飽和複素環基を形成し、ここでR及びRは式Iの化合物について上述した意味であり、RはH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはRはHを表す式Iの化合物に関する。
【0227】
別の態様において、本発明は、
がC3−8シクロアルキル、好ましくはC4−6シクロアルキル、より好ましくはシクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、式(a)の飽和複素環基を形成し、ここでR、R及びRは独立してH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはR、R及びRは独立してH又はメチルを表し、より好ましくはR及びRは独立してH又はメチルを表し、RはHを表し、更に好ましくはRはHを表し、Rはメチルを表し、RはHを表す式Iの化合物に関する。
【0228】
別の態様において、本発明は、
がC3−8シクロアルキル、好ましくはC4−6シクロアルキル、より好ましくはシクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、式(b)の飽和複素環基を形成し、ここでR及びRは式Iの化合物について上述した意味であり、RはH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはRはHを表す式Iの化合物に関する。
【0229】
別の態様において、本発明は、
がC3−8シクロアルキル、好ましくはC4−6シクロアルキル、より好ましくはシクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、式(b)の飽和複素環基を形成し、ここでR、R及びRは独立してH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはR、R及びRは独立してH又はメチルを表し、より好ましくはR及びRは独立してH又はメチルを表し、RはHを表し、更に好ましくはRはHを表し、Rはメチルを表し、RはHを表す式Iの化合物に関する。
【0230】
別の態様において、本発明は、
がアリール−C1−6アルキル、好ましくはアリール−C1−2アルキルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、4〜7員単環式、7〜8員架橋二環式又は8〜12員縮合二環式であり得る飽和複素環基を形成し、前記複素環基は2個までのN原子を含むことができ、他のヘテロ原子を含まず、場合により独立してC1−4アルキル及びNRから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、但し、複素環基は2個のN原子を含み、NR基で置換されていないか、又は1個のN原子を含み、1個のNR基で置換されている式Iの化合物に関する。
【0231】
別の態様において、本発明は、
がアリール−C1−6アルキル、好ましくはアリール−C1−2アルキルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、
(i)2個のN原子を含み、他のヘテロ原子を含まず、場合により1個以上のC1−4アルキル基で置換されていてもよい複素環基;及び
(ii)1個のN原子を含み、他のヘテロ原子を含まず、1個のNR基で置換されており、場合により1個以上のC1−4アルキル基で置換されていてもよい複素環基
から選択される飽和複素環基を形成し;
前記複素環基(i)及び(ii)は4〜7員単環式、7〜8員架橋二環式又は8〜12員縮合二環式とすることができる式Iの化合物に関する。
【0232】
別の態様において、本発明は、
がアリール−C1−6アルキル、好ましくはアリール−C1−2アルキルを表し;
がH又はC1−4アルキルを表し、Rが場合により1個以上のC1−4アルキル基で置換されていてもよいアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル又はアゼパニルを表し、好ましくはRがHを表し、Rが1−メチルピロリジン−3−イルを表す式Iの化合物に関する。
【0233】
別の態様において、本発明は、
がアリール−C1−6アルキル、好ましくはアリール−C1−2アルキルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、(a)〜(h)から選択される飽和複素環基を形成し、ここでR及びRは式Iの化合物について上述した意味であり、RはH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはRはHを表す式Iの化合物に関する。
【0234】
別の態様において、本発明は、
がアリール−C1−6アルキル、好ましくはアリール−C1−2アルキルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、(a)〜(h)から選択される飽和複素環基を形成し、ここでR、R及びRは独立してH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはR、R及びRは独立してH又はメチルを表し、より好ましくはR及びRは独立してH又はメチルを表し、RはHを表す式Iの化合物に関する。
【0235】
別の態様において、本発明は、
がアリール−C1−6アルキル、好ましくはアリール−C1−2アルキルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、(a)及び(b)から選択される飽和複素環基を形成し、ここでR及びRは式Iの化合物について上述した意味であり、RはH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはRはHを表す式Iの化合物に関する。
【0236】
別の態様において、本発明は、
がアリール−C1−6アルキル、好ましくはアリール−C1−2アルキルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、(a)及び(b)から選択される飽和複素環基を形成し、ここでR、R及びRは独立してH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはR、R及びRは独立してH又はメチルを表し、より好ましくはR及びRは独立してH又はメチルを表し、RはHを表し、更に好ましくはRはHを表し、Rはメチルを表し、RはHを表す式Iの化合物に関する。
【0237】
別の態様において、本発明は、
がアリール−C1−6アルキル、好ましくはアリール−C1−2アルキルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、式(a)の飽和複素環基を形成し、ここでR及びRは式Iの化合物について上述した意味であり、RはH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはRはHを表す式Iの化合物に関する。
【0238】
別の態様において、本発明は、
がアリール−C1−6アルキル、好ましくはアリール−C1−2アルキルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、式(a)の飽和複素環基を形成し、ここでR、R及びRは独立してH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはR、R及びRは独立してH又はメチルを表し、より好ましくはR及びRは独立してH又はメチルを表し、RはHを表し、更に好ましくはRはHを表し、Rはメチルを表し、RはHを表す式Iの化合物に関する。
【0239】
別の態様において、本発明は、
がアリール−C1−6アルキル、好ましくはアリール−C1−2アルキルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、式(b)の飽和複素環基を形成し、ここでR及びRは式Iの化合物について上述した意味であり、RはH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはRはHを表す式Iの化合物に関する。
【0240】
別の態様において、本発明は、
がアリール−C1−6アルキル、好ましくはアリール−C1−2アルキルを表し;
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、式(b)の飽和複素環基を形成し、ここでR、R及びRは独立してH又はC1−4アルキルを表し、好ましくはR、R及びRは独立してH又はメチルを表し、より好ましくはR及びRは独立してH又はメチルを表し、RはHを表し、更に好ましくはRはHを表し、Rはメチルを表し、RはHを表す式Iの化合物に関する。
【0241】
更に、本発明は式Iの化合物について上述した特定の好ましい態様の可能な全組合せを包含する。
【0242】
別の態様において、本発明は、
2−イソブチル−6−((3R)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン;
2−シクロヘキシルメチル−6−((3R)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン;
2−(4−フルオロベンジル)−6−(3−(メチルアミノ)アゼチジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン;
2−イソブチル−6−(3−(メチルアミノ)アゼチジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン;
2−シクロプロピル−6−(3−(メチルアミノ)アゼチジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン;
2−tert−ブチル−6−(3−(メチルアミノ)アゼチジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン;
2−イソプロピル−6−(3−(メチルアミノ)アゼチジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン;
2−(シクロプロピルメチル)−6−(3−(メチルアミノ)アゼチジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン;
6−(3−(メチルアミノ)アゼチジン−1−イル)−2−(フェノキシメチル)ピリミジン−4−アミン;
2−シクロプロピル−6−((3R)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン;
2−tert−ブチル−6−((3R)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン;
2−イソプロピル−6−((3R)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン;
6−((3R)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−イル)−2−(フェノキシメチル)ピリミジン−4−アミン;
6−(3−アミノアゼチジン−1−イル)−2−イソブチルピリミジン−4−アミン;
2−イソブチル−6−(3−メチル−3−(メチルアミノ)アゼチジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン;
6−((3R)−3−アミノピロリジン−1−イル)−2−イソブチルピリミジン−4−アミン;
2−シクロブチル−6−(3−(メチルアミノ)アゼチジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン;
2−シクロブチル−6−((3R)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン;
2−シクロペンチル−6−(3−(メチルアミノ)アゼチジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン;
2−シクロペンチル−6−((3R)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン;
2−(2,2−ジメチルプロピル)−6−(3−(メチルアミノ)アゼチジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン;
2−(2,2−ジメチルプロピル)−6−((3R)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン;
2−(2−シクロペンチルエチル)−6−((3R)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン;
2−シクロヘキシルメチル−6−(3−(メチルアミノ)アゼチジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン;
2−シクロプロピルメチル−6−((3R)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン;
2−シクロヘキシル−6−(3−(メチルアミノ)アゼチジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン;
2−シクロヘキシル−6−((3R)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン;及び
2−(4−フルオロベンジル−6−((3R)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン
から選択される式Iの化合物又はその塩に関する。
【0243】
別の態様において、本発明は、
2−イソブチル−6−((3R)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン;
2−イソブチル−6−(3−(メチルアミノ)アゼチジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン;
2−tert−ブチル−6−(3−(メチルアミノ)アゼチジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン;
2−イソプロピル−6−(3−(メチルアミノ)アゼチジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン;
2−tert−ブチル−6−((3R)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン;
2−イソプロピル−6−((3R)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン;
2−イソブチル−6−(3−メチル−3−(メチルアミノ)アゼチジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン;
6−(3−アミノアゼチジン−1−イル)−2−イソブチルピリミジン−4−アミン;
6−((3R)−3−アミノピロリジン−1−イル)−2−イソブチルピリミジン−4−アミン;
2−(2,2−ジメチルプロピル)−6−(3−(メチルアミノ)アゼチジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン;及び
2−(2,2−ジメチルプロピル)−6−((3R)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン
から選択される式Iの化合物又はその塩に関する。
【0244】
別の態様において、本発明は、
2−イソブチル−6−((3R)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン;
2−イソブチル−6−(3−(メチルアミノ)アゼチジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン;
2−イソブチル−6−(3−メチル−3−(メチルアミノ)アゼチジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン;
6−(3−アミノアゼチジン−1−イル)−2−イソブチルピリミジン−4−アミン;
6−((3R)−3−アミノピロリジン−1−イル)−2−イソブチルピリミジン−4−アミン;
2−(2,2−ジメチルプロピル)−6−(3−(メチルアミノ)アゼチジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン;及び
2−(2,2−ジメチルプロピル)−6−((3R)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン
から選択される式Iの化合物又はその塩に関する。
【0245】
別の態様において、本発明は、
2−イソブチル−6−((3R)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン;
2−イソブチル−6−(3−(メチルアミノ)アゼチジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン;
2−(2,2−ジメチルプロピル)−6−(3−(メチルアミノ)アゼチジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン;及び
2−(2,2−ジメチルプロピル)−6−((3R)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン
から選択される式Iの化合物又はその塩に関する。
【0246】
別の態様において、本発明は、
2−シクロヘキシルメチル−6−((3R)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン;
2−シクロヘキシルメチル−6−(3−(メチルアミノ)アゼチジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン;
2−(シクロプロピルメチル)−6−(3−(メチルアミノ)アゼチジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン;
2−シクロプロピルメチル−6−((3R)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン;及び
2−(2−シクロペンチルエチル)−6−((3R)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン
から選択される式Iの化合物又はその塩に関する。
【0247】
別の態様において、本発明は、
2−シクロプロピル−6−(3−(メチルアミノ)アゼチジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン;
2−シクロプロピル−6−((3R)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン;
2−シクロブチル−6−(3−(メチルアミノ)アゼチジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン;
2−シクロブチル−6−((3R)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン;
2−シクロペンチル−6−(3−(メチルアミノ)アゼチジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン;
2−シクロペンチル−6−((3R)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン;
2−シクロヘキシル−6−(3−(メチルアミノ)アゼチジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン;及び
2−シクロヘキシル−6−((3R)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン
から選択される式Iの化合物又はその塩に関する。
【0248】
別の態様において、本発明は、
2−(4−フルオロベンジル)−6−(3−(メチルアミノ)アゼチジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン;及び
2−(4−フルオロベンジル)−6−((3R)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン
から選択される式Iの化合物又はその塩に関する。
【0249】
別の態様において、本発明は実施例29又は30に記載するアッセイ等のH受容体アッセイで、10μM、より好ましくは1μM、更に好ましくは0.1μMでヒスタミンH受容体活性の50%を上回る阻害を生じる式Iの化合物に関する。
【0250】
本発明の化合物は1個以上の塩基性窒素を含み、従って、有機酸又は無機酸と塩を形成することができる。これらの塩の例としては、特に塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、過塩素酸、硫酸又はリン酸等の無機酸との塩と;メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、フマル酸、蓚酸、酢酸、マレイン酸、アスコルビン酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、マロン酸、グリコール酸、琥珀酸及びプロピオン酸等の有機酸との塩が挙げられる。
【0251】
治療目的に使用する場合に医薬的に許容可能である限り、使用可能な塩の種類は制限されない。医薬的に許容可能な塩なる用語は医学的判断に従い、過度の毒性、刺激、アレルギー反応等を生じずにヒト及び他の哺乳動物の組織と接触使用するのに適した塩を意味する。医薬的に許容可能な塩は当分野で周知である。
【0252】
式Iの化合物の塩は本発明の化合物の最終単離精製中に得ることもできるし、従来通りに塩を得るために十分な量の適切な酸で式Iの化合物を処理することにより製造することもできる。イオン交換樹脂を使用するイオン交換により式Iの化合物を式Iの化合物の他の塩に変換することができる。
【0253】
式Iの化合物とその塩は所定の物性が異なる場合があるが、本発明の目的では等価である。式Iの化合物の全ての塩が本発明の範囲内に含まれる。
【0254】
本発明の化合物は溶媒中で反応するか又は溶媒から沈殿もしくは結晶化して溶媒と共に複合体を形成することができる。これらの複合体を溶媒和物と言う。本明細書で使用する溶媒和物なる用語は溶質(式Iの化合物又はその塩)と溶媒により形成される化学量論比の変動する複合体を意味する。溶媒の例としては、水、エタノール等の医薬的に許容可能な溶媒が挙げられる。水との複合体を水和物と言う。水和物を含めた本発明の化合物(又はその塩)の溶媒和物も本発明の範囲内に含まれる。
【0255】
式Iの化合物は異なる物理的形態、即ち非晶質形態と結晶質形態で存在する場合がある。更に、本発明の化合物は多形と呼ばれる特性である2形態以上で結晶化する能力をもつ場合がある。多形体はX線回折パターン、融点又は溶解度等の当分野で周知の各種物性により識別することができる。その全多形形態(「多形体」)を含めた式Iの化合物の全物理的形態が本発明の範囲内に含まれる。
【0256】
本発明の化合物のうちには数種類の光学異性体及び/又は数種類のジアステレオ異性体として存在するものがある。ジアステレオ異性体はクロマトグラフィーや分別結晶法等の従来の技術により分離することができる。光学異性体は従来の光学分割技術により分割して光学的に純粋な異性体にすることができる。この分割は任意キラル合成中間体又は式Iの生成物で実施することができる。エナンチオ特異的合成を使用して光学的に純粋な異性体を個々に得ることもできる。本発明は合成により得られるか、物理的に混合することにより得られるかに関係なく、個々の全異性体とその混合物(例えばラセミ混合物又はジアステレオマー混合物)を包含する。
【0257】
式Iの化合物は下記方法に従うことにより得ることができる。当業者に自明の通り、所定の化合物を製造するために使用される厳密な方法は化学構造により異なる場合がある。更に、下記方法のうちには、反応性又は変化し易い基を従来の保護基で保護することが必要又は妥当な場合がある。これらの保護基の種類とその導入又は除去方法は当分野で周知である(例えばGreene T.W.and Wuts P.G.M,“Protective Groups in Organic Synthesis”,John Wiley & Sons,3rd edition,1999参照)。特に指定しない限り、下記方法において、各種置換基の意味は式Iの化合物について上述した意味である。
【0258】
一般に、式Iの化合物は下記スキーム:
【0259】
【化16】

(式中、R、R及びRは式Iの化合物について上述した通りの意味である)に示すように、式IIの化合物をアンモニア又はアンモニア等価物と反応させることにより得ることができる。アンモニア等価物とはアンモニアの保護体を意味する。ベンゾフェノンイミン、ベンジルアミン又はベンズヒドリルアミン等の任意の公知アンモニア等価物を使用することができ、ベンゾフェノンイミンが好ましい。
【0260】
式IIの化合物とベンゾフェノンイミンの反応は例えば二酢酸パラジウム、好ましくはトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)等のパラジウム触媒と、ホスフィン型リガンド、好ましくは2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチルと、塩基、好ましくはナトリウムtert−ブトキシドの存在下で実施することができる。反応は1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン又はN,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒中、好ましくはトルエン中で室温から還流温度までの温度、好ましくは85℃にて実施することができる。その後、イミノ基を式Iの化合物中に存在するアミノ基に加水分解するために、反応混合物を適切な溶媒、好ましくはテトラヒドロフラン中で強酸、好ましくは塩酸水溶液により処理する。
【0261】
アンモニア又はアンモニアの前駆体である他のアミン(例えばベンジルアミン又はベンズヒドリルアミン)を使用する場合には、特にエタノール、ブタノール、アセトニトリル又はジメチルスルホキシド等の適切な溶媒中で加熱下に熱作用により反応を実施してもよいし、あるいは触媒を使用してもよく、例えばアンモニアを使用する場合には硫酸銅を使用し、ベンジルアミン又はベンズヒドリルアミンを使用する場合にはパラジウム触媒を使用する。後者の場合には、アミノ官能基を除去するために、接触水素化等の脱保護工程が必要になる。
【0262】
式IIの化合物は下記スキーム:
【0263】
【化17】

(式中、R、R及びRは式Iの化合物について上述した通りの意味である)に示すように、式IIIの化合物を式IVの化合物と反応させることにより得ることができる。
【0264】
式IIIの化合物と式IVの化合物の反応はエタノール、メタノール、ブタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン又はトルエン等の適切な溶媒、好ましくはエタノール中で、特にトリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ジメチルアニリン及びジエチルアニリン等の有機アミンを含む塩基、好ましくはN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下で、好ましくは50〜100℃の温度に加熱下に実施することができる。加熱は熱作用でもよいし、上記温度に到達可能な消費電力でマイクロ波を照射してもよい。
【0265】
あるいは、下記スキーム:
【0266】
【化18】

(式中、R、R及びRは式Iの化合物について上述した通りの意味である)に示すように、合成シーケンスの工程の順序を変更することにより、即ち先ずIIIをベンゾフェノンイミン又はアンモニア(又は任意の他の公知のその等価物)と反応させて式IIBの化合物を得た後に式IIBの化合物を式IVのアミンと反応させることにより、式IIIの化合物から式Iの化合物を得ることもできる。
【0267】
ベンゾフェノンイミンを使用する場合には、IIIからIIBへの変換は例えば式IIの化合物とベンゾフェノンイミンの反応について上述した条件を使用してパラジウム触媒下に実施することができる。アンモニア又は等価アミンを使用する場合には、使用する反応条件は式IIIの化合物と式IVの化合物の反応について上述した条件とする。
【0268】
式IIBの化合物と式IVの化合物の反応は式IIIの化合物と式IVの化合物の反応について上述した条件下で実施することができ、好ましい溶媒はメタノール又はエタノールであり、好ましくは還流温度に加熱下に実施する。加熱は熱作用でもよいし、上記温度に到達可能な消費電力でマイクロ波を照射してもよい。
【0269】
一般に、式IIIとIV、又はIIBとIVの化合物の反応を実施する前に、副生物の形成を防ぐために式IVの化合物のアミノ置換基を保護する。同様に、必要に応じて式IIBの化合物のアミノ基も保護することができる。例えばtert−ブトキシカルボニル(Boc)基等の適切な任意保護基を使用することができる。式IV及び/又はIIBの化合物のアミノ置換基を保護する場合には、後続脱保護工程が必要な場合があり、標準条件下で実施する。保護基がBocである場合には、HCl等の強酸を1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル又はメタノール等の適切な溶媒に溶解した溶液、あるいはトリフルオロ酢酸のジクロロメタン溶液を加えることにより、得られた粗生成物に直接脱保護を実施することができる。
【0270】
式IIIの化合物は下記スキーム:
【0271】
【化19】

(式中、Rは式Iの化合物について上述した通りの意味である)に示すように、式Vの化合物から得ることができる。
【0272】
場合により適切な溶媒の存在下のPOCl、又は1,4−ジオキサンもしくは1,2−ジクロロエタン等の適切な溶媒の存在下のPOCl/PClもしくはN,N−ジメチルホルムアミド/塩化オキサリル混合物、好ましくはPOCl等のハロゲン化剤との反応により式Vの化合物からの−OH基をハロゲン等の脱離基、好ましくは塩素に変換することができる。反応は加熱下、好ましくは還流下に実施することができる。
【0273】
式Vの化合物は、下記スキーム:
【0274】
【化20】

(式中、Rは式Iの化合物について上述した通りの意味である)に示すように、式VIのアミジンをマロン酸ジエチルと反応させることにより得ることができる。
【0275】
反応は適切な溶媒中、好ましくはエタノール中でナトリウムtert−ブトキシド又はナトリウムメトキシド等の塩基、好ましくはナトリウムエトキシドの存在下に実施される。反応は通常では室温から還流温度までの適切な温度に加熱下、好ましくは還流下に実施することができる。
【0276】
式IVの化合物は市販品でもよいし、文献に記載の手順を使用して得ることもできる。
【0277】
式VIの化合物は市販品でもよいし、公知方法(Tetrahedron Letters 1995,36,48,8761参照)により市販のニトリルから容易に得ることもできる。
【0278】
あるいは、下記スキーム:
【0279】
【化21】

(式中、R、R及びRは式Iの化合物について上述した通りの意味であり、Rはハロゲン、トリフラート又はトシラート等の脱離基を表す)に示すように、式VIIのヒドロキシ誘導体を式IVのアミンと反応させることにより式Iの化合物を得ることもできる。Rが塩素原子を表すとき、式VIIBの化合物は式IIBの化合物に対応する。
【0280】
式VIIの化合物と式IVの化合物の反応は例えば適切な溶媒中、好ましくはアセトニトリル又はアセトニトリルと1,4−ジオキサンの混液中で、塩基、好ましくはトリエチルアミンの存在下に室温から還流温度までの温度にて例えばPyBOP(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート)等のカップリング剤を使用して実施することができる。
【0281】
あるいは、化合物VII中に存在するヒドロキシ基をハロゲン、トリフラート又はトシラート等の脱離基、好ましくは塩素に変換することにより得られる式VIIの化合物の反応性誘導体(VIIB)と式IVの化合物を反応させることにより式Iの化合物を得ることもできる。
【0282】
即ち、場合により適切な溶媒の存在下のPOCl(Journal of Medicinal Chemistry 1998,41,3793参照)、又は1,4−ジオキサンもしくは1,2−ジクロロエタン等の適切な溶媒の存在下のPOCl/PClもしくはN,N−ジメチルホルムアミド/塩化オキサリル混合物等のハロゲン化剤との反応により、式VIIの化合物からの−OH基をハロゲン等の脱離基、好ましくは塩素に変換することができる。反応は好ましくは100℃〜140℃の温度に加熱下に実施される。同様に、ピリジンの存在下でトリフルオロメタンスルホン酸無水物と反応させることにより式VIIの化合物のヒドロキシ基をトリフラート基に変換することができ、ジクロロメタン等の溶媒とトリエチルアミン等の塩基の存在下で塩化p−トルエンスルホニルと反応させることによりトシラート基に変換することができる。
【0283】
式Iの化合物を得るために、こうして得られた式VIIの化合物の反応性誘導体(VIIB)を式IVの化合物と反応させる。反応はエタノール、メタノール、ブタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、アセトニトリル又はトルエン等の適切な溶媒、好ましくはメタノール又はエタノール中で、特にトリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ジメチルアニリン及びジエチルアニリン等の有機アミンを含む塩基の存在下で、好ましくは100℃又は還流温度に加熱下に実施される。加熱は熱作用でもよいし、上記温度に到達可能な消費電力でマイクロ波を照射してもよい。
【0284】
式VIIの化合物は下記スキーム:
【0285】
【化22】

(式中、Rは式Iの化合物について上述した通りの意味である)に示すように、 式VIのアミジンをシアノ酢酸エチル(Journal of Medicinal Chemistry 1998,41,3793参照)又は3−エトキシ−3−イミノプロピオン酸エチル(European Journal of Medicinal Chemistry 1996,31,4,273参照)と反応させることにより得ることができる。
【0286】
あるいは、下記スキーム:
【0287】
【化23】

(式中、Rは式Iの化合物について上述した通りの意味であり、Xはハロゲンを表す)に示すように、式VIIIの亜鉛誘導体を4−アミノ−2,6−ジクロロピリミジン(市販品)と反応させることにより、式IIBの化合物を得ることもできる。
【0288】
式VIIIの化合物と4−アミノ−2,6−ジクロロピリミジンの反応はパラジウム触媒、好ましくは二酢酸パラジウムと、ホスフィン型リガンド、好ましくはトリ−tert−ブチルホスフィンの存在下で実施することができる。反応はテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン又は1−メチル2−ピロリジノン等の適切な溶媒中、好ましくはテトラヒドロフランと1−メチル2−ピロリジノンの混液中で室温から還流温度までの温度、好ましくは100℃にて実施することができる。
【0289】
式VIIIの化合物は市販品でもよいし、標準手順を使用して市販化合物から容易に得ることもできる。
【0290】
あるいは、下記スキーム:
【0291】
【化24】

[式中、R’はC1−6アルキル又はC3−8シクロアルキル−C0−4アルキル又はアリール−C0−4アルキルを表し、ここで任意アルキル基は場合により1個以上のハロゲン基で置換されていてもよく、C3−8シクロアルキル基は場合により独立してC1−4アルキル、ハロゲン及びアリールから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、あるいはR’はnが2を表し、R及びRがHを表す式(i)の基、又はpが2を表し、R及びRがHを表す式(ii)の基を表し;R及びRは式Iの化合物について上述した意味である]に示すように、式IXの化合物の還元によりRがR’−CH−CH−を表す式Iの化合物(即ち式I’の化合物)を得ることもできる。
【0292】
反応は例えばメタノール又はエタノール等の適切な溶媒中で、好ましくは気体形態(H)の水素源と金属触媒、好ましくは均一又は不均一形態のパラジウム、より好ましくはPd/Cから構成することが好ましい還元雰囲気下に実施される。反応は通常では室温から還流温度までの適切な温度に加熱下、好ましくは室温で実施することができる。
【0293】
式IXの化合物は下記スキーム:
【0294】
【化25】

(式中、R’は上記の意味であり、R及びRは式Iの化合物について記載した意味である)に示すように、式Xの化合物を式IVの化合物と反応させることにより得ることができる。
【0295】
反応は式Iの化合物を得るために化合物IIB又はVIIBとIVの反応について上述したと同一条件下で実施することができる。
【0296】
上述した式IIB又はIIIとIVの化合物からの式Iの化合物の製造と同様に、式X及びIVの化合物の反応を実施する前に、副生物の形成を防ぐために式IVの化合物のアミノ置換基を保護すべきである。同様に、必要に応じて式Xの化合物のアミノ基も保護することができる。式IV及び/又はXの化合物のアミノ置換基を保護する場合には、後続脱保護工程が必要な場合があり、標準条件下で実施する。
【0297】
式Xの化合物は下記スキーム:
【0298】
【化26】

(式中、R’は上記の意味である)に示すように、式XIのアルキンを市販の4−アミノ−2,6−ジクロロピリミジンとカップリング反応させることにより得ることができる。
【0299】
反応は例えばテトラキス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(0)(Pd(PPh)又はビス(トリフェニルホスフィノ)ジクロロパラジウム(II)(Pd(PhP)Cl)等のトリフェニルホスフィンの存在下のパラジウム触媒と、補助触媒としてCuI等のCu(I)触媒と、ジエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン等の塩基、好ましくはトリエチルアミンを使用して薗頭条件下で実施することができる。反応は通常では無水嫌気性条件下で実施される。反応はジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン等の溶媒中、好ましくはテトラヒドロフラン中で、通常では60℃〜100℃の温度に加熱下に実施することができる。
【0300】
式XIの化合物は市販品でもよいし、標準手順を使用して市販化合物から容易に得ることもできる。
【0301】
更に、式Iの所定の化合物は標準実験条件下に有機化学で周知の反応を使用して1段階以上の官能基の適切な変換反応により式Iの他の化合物から得ることができる。
【0302】
上記のように、本発明の化合物は強力なヒスタミンH受容体アンタゴニスト活性を示す。従って、本発明の化合物はヒトを含めた哺乳動物においてH受容体に介在される疾患を治療するために有用であると予想される。
【0303】
本発明の化合物で治療することができる疾患としては、特にアレルギー性、免疫性もしくは炎症性又は疼痛が挙げられる。
【0304】
本発明の化合物で治療することができるアレルギー性、免疫性又は炎症性疾患の例としては限定されないが、喘息、アレルギー性鼻炎及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)等の呼吸器疾患;アレルギー性鼻結膜炎、ドライアイ及び白内障等の眼疾患;皮膚炎(例えばアトピー性皮膚炎)、乾癬、蕁麻疹及び掻痒症等の皮膚疾患;潰瘍性大腸炎及びクローン病等の炎症性腸疾患;関節リウマチ;多発性硬化症;皮膚エリテマトーデス;全身性エリテマトーデス;並びに移植片拒絶反応が挙げられる。
【0305】
本発明の化合物で治療することができる疼痛病態としては、特に炎症性疼痛、炎症性痛覚過敏、痛覚過敏、術後疼痛、片頭痛、癌性疼痛、内臓痛、変形性関節症性疼痛及び神経因性疼痛が挙げられる。
【0306】
好ましい1態様において、本発明の化合物はアレルギー性、免疫性又は炎症性疾患の治療に使用される。より好ましい1態様において、本発明の化合物は呼吸器疾患、眼疾患、皮膚疾患、炎症性腸疾患、関節リウマチ、多発性硬化症、、皮膚エリテマトーデス、全身性エリテマトーデス及び移植片拒絶反応から選択されるアレルギー性、免疫性又は炎症性疾患の治療に使用される。更に好ましい1態様において、アレルギー性、免疫性又は炎症性疾患は喘息、アレルギー性鼻炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アレルギー性鼻結膜炎、ドライアイ、白内障、皮膚炎(例えばアトピー性皮膚炎)、乾癬、蕁麻疹、掻痒症、潰瘍性大腸炎、クローン病、関節リウマチ、多発性硬化症、皮膚エリテマトーデス、全身性エリテマトーデス及び移植片拒絶反応から選択される。
【0307】
別の好ましい態様において、本発明の化合物は疼痛、好ましくは炎症性疼痛、炎症性痛覚過敏、痛覚過敏、術後疼痛、片頭痛、癌性疼痛、内臓痛、変形性関節症性疼痛又は神経因性疼痛の治療に使用される。
【0308】
化合物がヒスタミンH受容体と相互作用する能力を測定するためのアッセイは当分野で周知である。例えば、実施例29に詳細に説明するアッセイ等のH受容体結合アッセイを使用することができる。別の有用なアッセイはH受容体を発現する膜とのGTP[γ− 35S]結合アッセイである。例えば細胞内cAMPレベルやCa2+移動等のH受容体に関連するセカンドメッセンジャーにより介在される任意種の細胞活性を測定するシステムでH受容体発現細胞による機能アッセイを使用することもできる。この点で、抗H受容体活性を測定するために使用することができる非常に有用な機能アッセイは実施例30に詳細に開示するような好酸球、例えばヒト好酸球におけるゲート自家蛍光前方散乱(Gated Autofluorescence Forward Scatter)アッセイ(GAFS)であり、このアッセイは当分野で周知である(例えば、上記背景技術の欄に引用し、本明細書に援用するBuckland KF et al,2003に開示されている方法参照)。本発明の化合物の活性を試験するために使用することができるインビボアッセイも当分野で周知である(例えば背景技術の欄にインビボ動物モデルについて列挙し、いずれも本明細書に援用する各種文献、特に腹膜炎、胸膜炎、アレルギー性喘息、炎症性腸疾患、アトピー性皮膚炎、掻痒症及び疼痛のインビボモデルに関する文献参照)。
【0309】
本発明の化合物の選択性プロファイルは、実施例29に開示するアッセイと同様に各種ヒスタミン受容体を使用する標準ヒスタミン受容体結合アッセイを使用して試験することができる。更に、他の受容体又はイオンチャネルに対する選択性を試験するために、文献に報告されている標準手順に従って、対応する放射性リガンドの置換アッセイを使用することができる(例えばCerep−Le Bois l’Eveque 2008カタログとその引用文献参照)。酵素選択性を試験するためには、その基質からの生成物形成による酵素活性の測定を使用することができる。
【0310】
活性化合物を選択するためには、実施例29に記載する試験において10μMで試験した結果、H受容体活性の50%を上回る阻害が得られなければならない。より好ましくは、化合物はこのアッセイにおいて1μM、更に好ましくは0.1μMで50%を上回る阻害を示すべきである。好ましい化合物は更に実施例30のGAFSアッセイにおいて強力な活性を示すべきであり、好ましくは、化合物はこのアッセイにおいて10μM、より好ましくは1μM、更に好ましくは0.1μMで50%を上回る阻害を示すべきである。
【0311】
好ましい化合物は他の受容体、特にH、ムスカリン、アドレナリン、ドーパミン及びセロトニン受容体よりもH受容体に対して選択的親和性を示すべきである。
【0312】
本発明は更に式Iの化合物(又はその医薬的に許容可能な塩もしくは溶媒和物)と1種以上の医薬的に許容可能な賦形剤を含有する医薬組成物に関する。賦形剤は組成物の他の成分と相溶性であり、そのレシピエントに無害であるという意味で「許容可能」でなければならない。
【0313】
本発明の化合物は任意製剤として投与することができ、その種類は周知の通り、活性化合物の種類とその投与経路による異なる。例えば経口、非経口、鼻孔内、眼球内、局所及び直腸投与等の任意投与経路を使用することができる。
【0314】
経口投与用固体組成物としては、錠剤、顆粒剤及びカプセル剤が挙げられる。いずれの場合も、製造方法は活性化合物と賦形剤の単純な混合、乾式顆粒化又は湿式顆粒化に基づく。これらの賦形剤としては、例えばラクトース、微結晶セルロース、マンニトール又はリン酸水素カルシウム等の希釈剤;例えば澱粉、ゼラチン又はポビドン等の結合剤;カルボキシメチル澱粉ナトリウム又はクロスカルメロースナトリウム等の崩壊剤;及び例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルク等の滑沢剤が挙げられる。更に、長時間持続作用を提供するため、又は単にその官能性もしくはその安定性を改善するために胃腸管におけるその崩壊と吸収を遅らせる目的で公知技術を使用することにより適切な賦形剤を錠剤にコーティングしてもよい。天然又は合成フィルムコーティング剤を使用して不活性ペレットにコーティングすることにより、活性化合物を配合することもできる。活性化合物を水又は油性溶媒(例えばココナツ油、鉱油又はオリーブ油)と混合したソフトゼラチンカプセルも可能である。
【0315】
水の添加により経口懸濁液を調製するための散剤及び顆粒剤は活性化合物を分散剤又は湿潤剤、懸濁剤及び防腐剤と混合することにより得ることができる。例えば甘味剤、香味剤及び着色剤等の他の賦形剤も添加できる。
【0316】
経口投与用液体剤形としては、精製水、エタノール、ソルビトール、グリセロール、ポリエチレングリコール(マクロゴール)及びプロピレングリコール等の一般に使用されている不活性希釈剤を含有するエマルション、溶液、懸濁液、シロップ及びエリキシル剤が挙げられる。前記組成物に更に湿潤剤、懸濁剤、甘味剤、香味剤、防腐剤及び緩衝剤等の補助添加剤を添加できる。
【0317】
本発明の非経口投与用注射用製剤としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール又は植物油等の水性又は非水性溶媒の滅菌溶液、懸濁液又はエマルションが挙げられる。これらの組成物に更に湿潤剤、乳化剤、分散剤及び防腐剤等の補助添加剤を添加できる。これらの組成物は任意の公知方法により滅菌することができ、使用直前に水又は他の任意無菌注射用溶媒に溶解する無菌固体組成物として製造することもできる。無菌材料から出発し、全製造工程を通してこれらの条件下に維持することも可能である。
【0318】
この経路で接近可能な領域又は臓器(例えば眼球、皮膚及び腸管)で発生する病変の治療に局所施用するように本発明の化合物を製剤化することもできる。製剤としては、化合物を適切な賦形剤に分散又は溶解したクリーム、ローション、ジェル、散剤、溶液剤及びパッチが挙げられる。
【0319】
鼻孔内投与用又は吸入用では、適切な噴射剤を使用して簡便に放出することができるエアゾールとして化合物を製剤化することができる。
【0320】
用量と投与頻度は特に治療する疾患の種類と重篤度、患者の年齢、一般健康状態及び体重、並びに投与する特定化合物と投与経路により異なる。1例として、適切な用量範囲は1日当たり約0.01mg/Kg〜約100mg/Kgを1回又は複数回に分けて投与することができる。
【0321】
以下、実施例により本発明を例証する。
【0322】
(実施例)
実施例では以下の略語を使用する:
AcN:アセトニトリル
BINAP:2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル
n−BuOH:1−ブタノール
Cone:濃縮
DIEA:N,N−ジイソプロピルエチルアミン
EtOAc:酢酸エチル
EtOH:エタノール
MeOH:メタノール
Min:分
MS:質量分析法
NMP:1−メチル2−ピロリジノン
Pd(dba):トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)
PyBOP:(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
TEA:トリエチルアミン
THF:テトラヒドロフラン
:保持時間
LC−MS:液体クロマトグラフィー−質量分析法。
【0323】
以下の方法の一方を使用し、LC−MSスペクトルを測定した。
方法1:X−Terra MS C18カラム5μm(100mm×2.1mm),温度:30℃,流速:0.35mL/分,溶離液:A=AcN,B=NHHCO 10mM,勾配:0分10%A;10分90%A;15分90%A。
方法2:Acquity UPLC BEH C18 1.7μm(2.1×50mm)カラム,温度:40℃,流速:0.50mL/分,溶離液:A=AcN,B=NHHCO 10mM,勾配:0分10%A;0.25分10%A;3.00分90%A;3.75分90%A。
【0324】
(参考例1)
メチル[(3R)−ピロリジン−3−イル]カルバミン酸tert−ブチル
(a)[(3R)−1−ベンジルピロリジン−3−イル]メチルカルバミン酸tert−ブチル
0℃に冷却した(3R)−1−ベンジル−N−メチルピロリジン−3−アミン(10g,52.55mmol)のCHCl(115mL)溶液に、二炭酸ジ−tert−ブチル(11.6g,53.07mmol)のCHCl(15mL)溶液を加えた。得られた溶液を室温で18時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、溶離液として極性を増加しながらヘキサン/EtOAc混液を使用し、シリカゲルクロマトグラフィーにより粗生成物を精製し、目的化合物14.5gを得た(収率:95%)。LC−MS(方法1):t=9.55分;m/z=291(MH)。
【0325】
(b)標記化合物
上記のように得られた化合物(14.5g,50.14mmol)と、Pd/C(10%,50%水湿潤品)(3g)と、ギ酸アンモニウム(12.7g,200.5mmol)をMeOH(390mL)と水(45mL)の混液に溶解した溶液を5時間加熱還流した。反応混合物をCelite(登録商標)で濾過し、濾過助剤をEtOAcとMeOHで洗浄した。溶媒を蒸発乾涸し、標記化合物10.6gを油状物として得た(収率:100%)。H NMR(300MHz,CDCl)δ:1.38(s,9H),1.72(m,1H),1.96(m,1H),2.53(s,NH),2.80(s,3H),2.87(m,1H),2.93(m,1H),3.11(m,2H),4.58(m,1H)。
【0326】
(参考例2)
アゼチジン−3−イル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル
(a)[1−(ジフェニルメチル)アゼチジン−3−イル]メチルカルバミン酸tert−ブチル
(3R)−1−ベンジル−N−メチルピロリジン−3−アミンの代わりに1−(ジフェニルメチル)−N−メチルアゼチジン−3−アミンを使用した以外は、参考例1のセクションa)に記載した手順と同様の手順に従い、目的化合物を得た(収率:73%)。LC−MS(方法1):t=10.14分;m/z=353(MH)。
【0327】
(b)標記化合物
上記のように得られた化合物(6.18g,17.53mmol)をMeOH 60mLとEtOAc 15mLに溶解した溶液をアルゴンパージした。Pd/C(10%,50%水湿潤品)(929mg)を加えた後、溶液を再びアルゴンパージし、H雰囲気下で18時間撹拌した。反応混合物をCelite(登録商標)で濾過し、濾過助剤をEtOAcとMeOHで洗浄した。溶媒を蒸発乾涸し、標記化合物とジフェニルメタン1当量の混合物5.66gを得、後続段階でそのまま使用した。H NMR(300MHz,CDOD)δ:1.44(s,9H),2.88(s,3H),3.56(m,2H),3.71(m,2H),4.75(m,1H)。
【0328】
(参考例3)
6−クロロ−2−イソブチルピリミジン−4−アミン
方法A
2,6−ジクロロピリミジン−4−アミン(0.75g,4.56mmol)と、酢酸パラジウム(51mg,0.23mmol)と、トリ−tert−ブチルホスフィン(1Mトルエン溶液0.45mL,0.45mmol)をフラスコに仕込み、系を真空/アルゴンサイクルで3回パージした。次に2:1THF−NMP混液(24mL)を加え、再び真空/アルゴンで3回パージした。10分間室温で撹拌し、臭化イソブチル亜鉛(0.5M THF溶液13.7mL,6.84mmol)を加えた。再び真空/アルゴンサイクルで不活性ガス置換し、反応混合物を100℃に一晩加熱した。粗反応生成物を室温まで冷却し、Celite(登録商標)で濾過し、フィルターを酢酸エチルで洗浄した。濾液を蒸発乾涸し、残渣を酢酸エチルで希釈し、相分離した。有機相を3回水洗し、NaSOで乾燥し、濃縮乾涸した。溶離液として極性を増加しながらヘキサン/EtOAc混液を使用し、シリカゲルクロマトグラフィーにより残渣を精製し、2種類の位置異性体の1:1混合物として標記化合物0.69gを得た(収率:異性体混合物として81%,目的異性体約40%)。LC−MS(方法2):t=1.64分;m/z186/188(MH)。
【0329】
方法B
参考例31(2g,12mmol)をオキシ塩化リン(11.1mL,120mmol)に懸濁し、混合物を10時間加熱還流すると、混合物は溶液になった。溶媒とオキシ塩化リンを減圧留去した。THF(36mL)と0.5N HCl(36mL)を残渣に加え、混合物を2時間加熱還流した。混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルで希釈した。相分離し、有機相を捨てた。酸性相を再び酢酸エチルで洗浄し、再び捨て、水相のpHを濃アンモニアで塩基性(約10)に調整した。混合物を冷蔵庫で一晩冷却すると、固形分が沈殿した。生成物を濾取し、水洗し、真空オーブンで乾燥し、目的化合物1.36gを得た(収率62%)。
【0330】
(参考例4〜5)
臭化イソブチル亜鉛の代わりに適切な出発材料を使用した以外は参考例3の方法Aに記載した手順と同様の手順に従うことにより以下の化合物を得た。
【0331】
【表1】

【0332】
(参考例6)
2−イソブチルピリミジン−4,6−ジオール
ナトリウム(0.75g,32.94mmol)とエタノール(20mL)をフラスコに仕込んだ。ナトリウムが完全に溶解したら、3−メチルブタンイミドアミド塩酸塩(1.5g,10.98mmol)とマロン酸ジエチル(1.67mL,10.98mmol)を加えた。室温で1時間、還流下に5時間撹拌した。粗反応生成物を室温に冷却し、濃縮乾涸した。得られた固形分を水に溶解し、pHを酢酸で5に調整した。形成された沈殿を濾過し、標記化合物1.5gを得た(収率:81%)。LC−MS(方法2):t=0.32分;m/z169(MH)。
【0333】
(参考例7〜11)
3−メチルブタンイミドアミド塩酸塩の代わりに適切な出発材料を使用した以外は参考例6に記載した手順と同様の手順に従い、以下の化合物を得た。
【0334】
【表2】

【0335】
(参考例12)
4,6−ジクロロ−2−イソブチルピリミジン
参考例6で得られた化合物(1.5g,8.95mmol)にオキシ塩化リン(12.5mL,134.28mmol)を加え、6時間還流下に撹拌した。次に、過剰のオキシ塩化リンを留去した。得られた残渣を酢酸エチルと飽和NaHCO水溶液で希釈した。相分離し、水相を酢酸エチルで3回抽出した。有機相を合わせてNaSOで乾燥し、濃縮乾涸し、定量的収率で標記化合物2gを得た。LC−MS(方法2):t=2.70分;m/z。
【0336】
(参考例13〜17)
適切な出発材料を使用した以外は参考例12に記載した手順と同様の手順に従うことにより以下の化合物を得た。
【0337】
【表3】

【0338】
(参考例18)
4−[3−(tert−ブトキシカルボニル(メチル)アミノ)アゼチジン−1−イル]−6−クロロ−2−イソブチルピリミジン
参考例2で得られた化合物(ジフェニルメタンとの1:1混合物3.23g,9.13mmol)を参考例12(2g,8.95mmol)とDIEA(2.33mL,13.43mmol)のEtOH(20mL)溶液に加え、得られた混合物を6時間加熱還流した。冷却し、溶媒を蒸発乾涸した。溶離液として極性を増加しながらヘキサン/EtOAc混液を使用し、得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、標記化合物2gを得た(収率:65%)。LC−MS(方法2):t=2.84分;m/z355/357(MH)。
【0339】
(参考例19〜27)
適切な出発材料を使用した以外は参考例18に記載した手順と同様の手順に従うことにより以下の化合物を得た。
【0340】
【表4】

【0341】
(参考例28)
2−(2−シクロペンチルエチニル)−6−クロロピリミジン−4−アミン
2,6−ジクロロピリミジン−4−アミン(0.2g,1.22mmol)と、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(42mg,0.043mmol)と、ヨウ化銅(14mg,0.07mmol)をフラスコに仕込んだ。THF−トリエチルアミン2:3混液(5mL)を加え、系を真空/アルゴンサイクルで3回不活性ガス置換した。最後に、シクロペンチルアセチレン(0.16mL,1.34mmol)を加え、得られた混合物を100℃に一晩加熱した。粗反応生成物を室温に冷却し、Celite(登録商標)で濾過した。溶媒を蒸発乾涸し、溶離液として極性を増加しながらヘキサン/EtOAc混液を使用し、シリカゲルクロマトグラフィーにより残渣を精製し、不純物としてその位置異性体を含有する標記化合物0.15gを得た。LC−MS(方法2):t=1.98分;m/z=222/224(MH)。
【0342】
(参考例29)
2−(2−シクロペンチルエチニル)−6−((3R)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン
(a)(R)−1−(4−アミノ−2−(2−シクロペンチルエチニル)ピリミジン−6−イル)ピロリジン−3−イル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル
参考例28で得られた化合物(位置異性体混合物として0.15g,0.67mmol)とDIEA(0.13g,1.0mmol)をn−BuOH(2mL)に加えた混合物に参考例1で得られた化合物(0.16g,0.8mmol)を加え、得られた混合物を密閉管に入れて一晩100℃に加熱した。冷却し、溶媒を蒸発乾涸した。溶離液として極性を増加しながらヘキサン/EtOAc混液を使用し、得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、標記化合物85.5mgを得た(収率:2,6−ジクロロピリミジン−4−アミンから18%)。LC−MS(方法2):t=2.65分;m/z=386(MH)。
【0343】
(b)標記化合物
セクションa)で得られた化合物(85.5mg,0.22mmol)の無水ジクロロメタン(9.5mL)溶液を0℃に冷却し、トリフルオロ酢酸(0.5mL)を加え、得られた混合物を室温で3時間撹拌した。溶媒を蒸発乾涸し、粗生成物をEtOAcと水に溶解した。相分離し、有機相を捨てた。水相のpHを1N NaOHで9に調整し、クロロホルムで3回抽出した。有機相を合わせてNaSOで乾燥し、濃縮乾涸し、目的化合物47.3mgを得た(収率:75%)。LC−MS(方法2):t=1.64分;m/z=286(MH)。
【0344】
(参考例30)
3−メチルアゼチジン−3−イル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル
(a)[1−(ジフェニルメチル)−3−メチルアゼチジン−3−イル]メチルカルバミン酸tert−ブチル
(3R)−1−ベンジル−N−メチルピロリジン−3−アミンの代わりに1−(ジフェニルメチル)−N,3−ジメチルアゼチジン−3−アミンを使用した以外は参考例1のセクションa)に記載した手順と同様の手順に従い、目的化合物を定量的収率で得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ:1.53(s,12H),2.59(s,3H),2.89(m,2H),3.16(m,2H),4.30(s,1H),7.17(m,1H),7.26(m,2H),7.42(m,1H)。
【0345】
(b)標記化合物
セクションa)で得られた化合物(6.06g,16.5mmol)をMeOH 60mLとEtOAc 15mLに溶解した溶液をアルゴンパージした。Pd/C(10%)(814mg)を加えた後、混合物を再びアルゴンパージし、H雰囲気下で一晩撹拌した。反応混合物をCelite(登録商標)で濾過し、フィルターケーキをEtOAcとMeOHで洗浄した。溶媒を蒸発乾涸し、標記化合物とジフェニルメタン1当量の混合物4.55gを得、後続段階でそのまま使用した。H NMR(300MHz,CDCl)δ:1.45(s,12H),2.67(s,3H),3.28(m,1H),3.61(m,1H),3.87(m,1H),4.00(m,1H)。
【0346】
(参考例31)
6−アミノ−2−イソブチルピリミジン−4−オール
ナトリウムエトキシド(21%エタノール溶液210mL,563mmol)を無水エタノール(290mL)で希釈した。次にナトリウムエトキシド溶液に3−メチルブタンイミドアミド酢酸塩(45g,281mmol)と3−エトキシ−3−イミノプロピオン酸エチル塩酸塩(59g,85%純度,256mmol)を順次加え、混合物を一晩加熱還流した。混合物を冷却し、溶媒をストリッピングし、残渣を水(100mL)で希釈した。pHを2N HClで6〜7に調整し、スラリーを加熱還流した。水(350mL)を加えたが、固形分の完全な溶解は得られなかった。固形分を濾取し、減圧乾燥し、標記化合物18.6gを得た。冷却すると、更に生成物が沈殿し、濾過により単離し、減圧乾燥し、更に8.18gの生成物を得た。固形分を合わせると、合計26.8g(収率:62%)であった。LC−MS(方法2):t=0.84分;m/z168(MH)。
【0347】
(参考例32〜34)
3−メチルブタンイミドアミドの代わりに適切な出発材料を使用した以外は参考例31に記載した手順と同様の手順に従うことにより以下の化合物を得た。
【0348】
【表5】

【0349】
(実施例1)
2−イソブチル−6−((3R)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン
参考例1で得られた化合物(144mg,0.72mmol)を参考例3(2種類の位置異性体の約50%混合物89mg,目的位置異性体0.24mmolに等価の0.48mmol)とDIEA(0.25mL,1.44mmol)のn−BuOH(6mL)溶液に加え、得られた混合物を密閉管に入れて一晩100℃に加熱した。更に参考例1(96mg,0.48mmol)とDIEA(0.25mL)を加え、100℃に更に1日加熱した。冷却し、溶媒を蒸発乾涸した。得られた粗生成物を分取HPLC−MS(カラムX−Terra PREP MS C18 5μm(100mm×19mm),流速:20mL/分,溶離液:A=AcN,B=NHHCO 75mM,勾配:0分25%A;1分25%A;11分90%A;12分90%A)により精製し、生成物を含有する画分を蒸発乾涸し、Boc保護中間体26.9mgを得た(収率:32%)。HCl(4M 1,4−ジオキサン溶液,1.5mL)とMeOH(1mL)をこの中間体に加え、混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を蒸発乾涸した。残渣を水に溶解し、塩基性pHになるまで1N NaOH溶液を加え、クロロホルムで3回抽出した。有機相を合わせて無水NaSOで乾燥し、濃縮乾涸した。得られた粗生成物を分取HPLC−MS(カラムX−Terra PREP MS C18 5μm(100mm×19mm),流速:20mL/分,溶離液:A=AcN,B=NHHCO 75mM,勾配:0分10%A;1分10%A;8分90%A)により精製し、生成物を含有する画分を蒸発乾涸し、標記化合物5.2mgを得た(収率:27%)。LC−MS(方法2):t=1.20分;m/z250(MH)。
【0350】
(実施例2〜3)
適切な出発材料を使用した以外は実施例1に記載した手順と同様の手順に従うことにより以下の化合物を得た。
【0351】
【表6】

【0352】
(実施例4)
2−イソブチル−6−(3−(メチルアミノ)アゼチジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン
方法A
参考例18の化合物(2g,6.0mmol)と、ベンゾフェノンイミン(1.1mL,6.60mmol)と、ナトリウムtert−ブトキシド(0.86g,9.0mmol)と、ラセミ体BINAP(0.22g,0.36mmol)と、トルエン(60mL)をシュレンク管に仕込んだ。系を真空/アルゴンサイクルで3回パージした。次にPd(dba)(0.11g,0.12mmol)を加え、再び真空/アルゴンで3回パージした。反応混合物を85℃に一晩加熱した。粗反応生成物を室温に冷却し、Celite(登録商標)で濾過し、フィルターケーキを酢酸エチルで洗浄した。濾液を蒸発乾涸した。残渣をTHF(127mL)に溶解後、3N HCl(127mL)を加え、3時間室温で撹拌した。これを蒸発乾涸した。粗生成物を水と酢酸エチルに溶解し、相分離し、有機相を捨てた。次に塩基性pHになるまで酸性水相に0.5N NaOHを加えた。水相をEtOAcで3回抽出した。有機相を合わせてNaSOで乾燥し、濃縮乾涸した。溶離液として極性を増加しながらヘキサン/EtOAc混液を使用し、シリカゲルクロマトグラフィーにより残渣を精製し、標記化合物0.67gを得た(収率:23%)。LC−MS(方法2):t=1.15分;m/z236(MH)。
【0353】
方法B
参考例3(163mg,0.88mmol)と、参考例2(ジフェニルメタンとの1:1混合物500mg,1.4mmol)と、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(245μL,1.4mmol)をエタノール(2mL)に加え、混合物を還流下(油浴温度を100℃に設定)に一晩撹拌した。溶媒を留去し、残渣を0.2N NaHCOと酢酸エチルで希釈した。相分離し、水相を更に2回酢酸エチルで抽出した。有機相を合わせてNaSOで乾燥し、濃縮乾涸し、Boc保護前駆体を得た。この粗生成物をメタノール(6mL)に溶解し、4M HClの1,4−ジオキサン溶液(6mL)を加えた。混合物を室温で2時間撹拌後、蒸発乾涸した。残渣を水に溶解し、酸性相を酢酸エチルで2回洗浄し、捨てた。次に水相のpHを塩基性(>9)に調整し、生成物を酢酸エチルで3回抽出した。有機相を合わせてNaSOで乾燥し、溶媒を蒸発乾涸した。溶離液として極性を増加しながらEtOAc/MeOH/濃NH混液を使用し、得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、標記化合物136mgを得た(収率:36%)。
【0354】
(実施例5〜13)
適切な出発材料を使用した以外は実施例4の方法Aに記載した手順と同様の手順に従うことにより以下の化合物を得た。
【0355】
【表7】

【0356】
(実施例14)
6−(3−アミノアゼチジン−1−イル)−2−イソブチルピリミジン−4−アミン
参考例2の代わりにアゼチジン−3−イルカルバミン酸tert−ブチルを使用した以外は、実施例4の方法Bに記載した手順と同様の手順に従い、目的化合物を得た。LC−MS(方法2):t=0.97分;m/z222(MH)。
【0357】
(実施例15)
2−イソブチル−6−(3−メチル−3−(メチルアミノ)アゼチジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン
a)1−(6−アミノ−2−イソブチルピリミジン−4−イル)−3−メチルアゼチジン−3−イル(メチル)カルバミン酸tert−ブチル
参考例31で得られた化合物(0.15g,0.90mmol)と、参考例30で得られたアミン(ジフェニルメタンとの1:1混合物0.57g,100%では0.29gに等価,1.4mmol)と、PyBOP(0.52g,0.99mmol)をTEA(6mL)とアセトニトリル(6mL)と1,4−ジオキサン(6mL)の混液に加え、90℃に2日間加熱した。反応混合物を濃縮乾涸した。溶離液として極性を増加しながらヘキサン/EtOAc混液を使用し、得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、目的化合物229mgを得た(収率:73%)。LC−MS(方法2):t=2.15分;m/z350(MH)。
【0358】
b)標記化合物
セクションa)で得られた化合物を1,4−ジオキサン(5mL)とHCl(4M 1,4−ジオキサン溶液,5mL)の混液中で室温にて2時間撹拌した。溶媒を蒸発乾涸した。残渣を水に溶解し、EtOAcで2回洗浄し、捨てた。次に塩基性pHになるまで酸性水相に1N NaOH溶液を加え、EtOAcで2回抽出した。有機相を合わせて無水NaSOで乾燥し、濃縮乾涸した。溶離液として極性を増加しながらEtOAc/MeOH/濃NH混液を使用し、得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、標記化合物49mgを得た(収率:30%)。LC−MS(方法2):t=1.22分;m/z250(MH)。
【0359】
(実施例16〜22)
適切な出発材料を使用した以外は実施例15に記載した手順と同様の手順に従うことにより以下の化合物を得た。
【0360】
【表8】

【0361】
(実施例23)
2−(2−シクロペンチルエチル)−6−((3R)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−イル)ピリミジン−4−アミン
参考例29(44mg,0.15mmol)のMeOH(1.8mL)溶液をアルゴンパージした。Pd/C(5%,50%水湿潤品)(14mg)を加えた後、混合物を再びアルゴンパージし、H雰囲気下で一晩撹拌した。反応生成物をCelite(登録商標)で濾過し、フィルターケーキをMeOHで洗浄した。溶媒を蒸発乾涸し、得られた粗生成物を分取HPLC−MS(C18 X−Bridge PREP Column OBD 5μm(50mm×19mm),流速:19mL/分+ACD(At Column Dilution)法によりAcN 1mL/分,溶離液:A=AcN,B=NHHCO 75mM,勾配:0分5%A;3分5%A;10分85%A)により精製した。生成物を含有する画分を蒸発乾涸し、目的化合物17.4mgを得た(収率:39%)。LC−MS(方法2):t=1.86分;m/z290(MH)。
【0362】
(実施例24〜28)
適切な出発材料から出発した以外は上記手順と同様の手順に従い、更に以下の化合物を製造することができる。
【0363】
【表9】

【0364】
(実施例29)
H]−ヒスタミンとヒトヒスタミンH受容体の競合結合アッセイ
結合アッセイを実施するために、ヒトヒスタミンH受容体を発現する安定なCHO組換え細胞株(Euroscreen/Perkin−Elmer)から調製した膜抽出物を使用した。
【0365】
総容量250μLの50mM Tris−HCl,pH7.4,1.25mM EDTA中で、10nM[H]−ヒスタミンと膜抽出物15μgの存在下に被験化合物を目的濃度で2本ずつ60分間25℃にてインキュベートした。未標識ヒスタミン100μMの存在下で非特異的結合を測定した。予め0℃の0.5%ポリエチレンイミンに2時間浸漬しておいた96ウェルプレート(Multiscreen HTS Millipore)で真空コレクター(Multiscreen Millipore)を使用して濾過することにより反応を停止した。次にプレートを0℃の50mM Tris(pH 7.4),1.25mM EDTAで洗浄し、フィルターを1時間50〜60℃で乾燥後、ベータプレートシンチレーションカウンターにより結合放射能を測定するためにシンチレーション液を加えた。
【0366】
実施例1〜7及び9〜23の化合物をこの試験でアッセイした処、10μMでヒスタミンとヒトヒスタミンH受容体の結合の50%を上回る阻害を示した。更に、実施例1〜7、10、11、12及び14〜22の化合物は1μMの濃度で50%を上回る阻害を生じた。
【0367】
(実施例30)
ヒト好酸球でヒスタミンにより誘導される形状変化アッセイ(ゲート自家蛍光前方散乱アッセイ,GAFS)
本アッセイでは、ヒト好酸球でヒスタミンにより誘導される形状変化をフローサイトメトリーにより測定し、細胞の寸法増加(前方散乱,FSC)として検出する。
【0368】
ヒト健康ボランティアの全血から多形核白血球(PMNL,好中球と好酸球を含有する画分)を調製した。要約すると、1.2%デキストラン(SIGMA)で沈降させることにより赤血球を分離し、Ficoll−Paque(登録商標)(Biochrom)の存在下に450gで20分間遠心により白血球高含有画分(PMNL)を最上層から単離した。PMNLをPBS緩衝液に細胞1.1×10個/ml/管の濃度で再懸濁し、(PBSに溶解した)各種濃度の試験化合物で30分間37℃にて前処理後、300nMヒスタミン(Fluka)で5分間刺激した。最後に、パラホルムアルデヒド(PBS中1%終濃度)を加え、反応を終了し、細胞形状を維持した。細胞形状変化をフローサイトメトリー(FACS Calibur,BD Biosystems)により分析した。好中球よりも強い自家蛍光(蛍光チャネルFL2)に基づいてPMNL中の好酸球をゲーティングした。細胞形状変化を前方散乱シグナル(FSC)でモニターした。試験化合物の濃度毎にヒスタミンにより誘導される形状変化の阻害百分率として結果を表す。
【0369】
実施例1〜4、11、12、15及び17〜22の化合物をこの試験でアッセイした処、1μMでヒスタミンにより誘導されるヒト好酸球形状変化の50%を上回る阻害を生じた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、

(1)C1−8アルキル;
(2)C3−8シクロアルキル−C0−6アルキル;
(3)アリール−C1−6アルキル(なお、(1)〜(3)の基において任意アルキル基は場合により1個以上のハロゲン基で置換されていてもよく、C3−8シクロアルキル基は場合により独立してC1−4アルキル、ハロゲン及びアリールから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい);
(4)式(i):
【化2】

の基;又は
(5)(ii):
【化3】

の基を表し;
とRはそれらが結合しているN原子と一緒になり、4〜7員単環式、7〜8員架橋二環式又は8〜12員縮合二環式であり得る飽和複素環基を形成し、前記複素環基は2個までのN原子を含むことができ、他のヘテロ原子を含まず、場合により独立してC1−4アルキル及びNRから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、但し、複素環基は2個のN原子を含み、NR基で置換されていないか、又は1個のN原子を含み、1個のNR基で置換されており;
あるいはRはH又はC1−4アルキルを表し、Rは場合により1個以上のC1−4アルキル基で置換されていてもよいアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル又はアゼパニルを表し;
はH又はC1−4アルキルを表し;
はH又はC1−4アルキルを表し;
あるいはRとRはそれらが結合しているN原子と一緒になり、場合により1個以上のC1−4アルキル基で置換されていてもよいアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル又はアゼパニル基を形成し;
及びRは独立してH及びC1−4アルキルから選択され、更にR又はR基の一方はアリール又はC3−8シクロアルキル−C0−6アルキルを表してもよく、更に同一C原子上の2個のR及びR基は前記C原子と一緒になり、C3−8シクロアルキル基を形成してもよく;
はC1−8アルキル、C3−8シクロアルキル−C0−6アルキル及びアリール−C0−4アルキルから選択される基を表し、ここで任意アルキル基は場合により1個以上のハロゲン基で置換されていてもよく、C3−8シクロアルキル基は場合により独立してC1−4アルキル、ハロゲン及びアリールから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
は1個のO原子を含み、それ以外のヘテロ原子を含まない飽和単環式4〜7員複素環を表し、前記環は利用可能な任意C原子を介して分子の残余と結合することができ、Rは場合により独立してC1−4アルキル及びハロゲンから選択される1個以上の基で置換されていてもよく;
nは1、2又は3を表し;
pは0、1又は2を表し;
アリールは場合により独立してC1−4アルキル、ハロゲン、C1−4アルコキシ、C1−4ハロアルキル、C1−4ハロアルコキシ、シアノ及びアミノから選択される1個以上の基で置換されたフェニル基を表す]の化合物又はその塩。
【請求項2】

(1)C1−8アルキル;
(2)C3−8シクロアルキル−C0−6アルキル;又は
(3)アリール−C1−6アルキル
を表し;
(1)〜(3)の基において任意アルキル基は場合により1個以上のハロゲン基で置換されていてもよく、C3−8シクロアルキル基は場合により独立してC1−4アルキル、ハロゲン及びアリールから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい請求項1に記載の化合物。
【請求項3】

(1)C4−6アルキル;
(2)C3−8シクロアルキル−C0−1アルキル;又は
(3)アリール−C1−2アルキル
を表す請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
がC1−8アルキル又はC3−8シクロアルキル−C0−6アルキルを表し、ここで任意アルキル基は場合により1個以上のハロゲン基で置換されていてもよく、C3−8シクロアルキル基は場合により独立してC1−4アルキル、ハロゲン及びアリールから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
がC1−8アルキル又はC3−8シクロアルキル−C0−6アルキルを表す請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
がC4−6アルキル又はC3−8シクロアルキル−C0−1アルキルを表す請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
がイソブチル、2,2−ジメチルプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル又はシクロプロピルメチルを表す請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
が場合により1個以上のハロゲン基で置換されたC1−8アルキルを表す請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
がC4−6アルキルを表す請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
がイソブチル又は2,2−ジメチルプロピルを表す請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
がイソブチルを表す請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
が2,2−ジメチルプロピルを表す請求項10に記載の化合物。
【請求項13】
がC3−8シクロアルキル−C0−6アルキルを表し、ここでアルキル基は場合により1個以上のハロゲン基で置換されていてもよく、C3−8シクロアルキル基は場合により独立してC1−4アルキル、ハロゲン及びアリールから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
がC3−8シクロアルキル−Cアルキルを表す請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
がシクロプロピルメチルを表す請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
がシクロヘキシルメチルを表す請求項14に記載の化合物。
【請求項17】
が場合により独立してC1−4アルキル、ハロゲン及びアリールから選択される1個以上の置換基で置換されたC3−8シクロアルキルを表す請求項1に記載の化合物。
【請求項18】
がシクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルを表す請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
がアリール−C1−6アルキルを表す請求項1に記載の化合物。
【請求項20】
がアリール−C1−2アルキルを表す請求項19に記載の化合物。
【請求項21】
が(i)を表す請求項1に記載の化合物。
【請求項22】
が(ii)を表す請求項1に記載の化合物。
【請求項23】
及びRがHを表す請求項21又は22に記載の化合物。
【請求項24】
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、4〜7員単環式、7〜8員架橋二環式又は8〜12員縮合二環式であり得る飽和複素環基を形成し、前記複素環基は2個までのN原子を含むことができ、他のヘテロ原子を含まず、場合により独立してC1−4アルキル及びNRから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、但し、複素環基は2個のN原子を含み、NR基で置換されていないか、又は1個のN原子を含み、1個のNR基で置換されている請求項1から23のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項25】
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、
【化4】

(式中、RはH又はC1−4アルキルを表す)から選択される飽和複素環基を形成する請求項24に記載の化合物。
【請求項26】
がHを表す請求項25に記載の化合物。
【請求項27】
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、(a)及び(b)から選択される飽和複素環基を形成する請求項25又は26に記載の化合物。
【請求項28】
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、式(a)の飽和複素環基を形成する請求項25又は26に記載の化合物。
【請求項29】
とRがそれらと結合しているN原子と一緒になり、式(b)の飽和複素環基を形成する請求項25又は26に記載の化合物。
【請求項30】
及びRが独立してH又はC1−4アルキルを表す請求項1から29のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項31】
及びRが独立してH又はメチルを表す請求項30に記載の化合物。
【請求項32】
がHを表し、RがH又はメチルを表す請求項27から29のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項33】
がHを表し、Rがメチルを表す請求項32に記載の化合物。
【請求項34】
請求項1から33のいずれか一項に記載の式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩と1種以上の医薬的に許容可能な賦形剤を含有する医薬組成物。
【請求項35】
治療用としての請求項1から33のいずれか一項に記載の式Iの化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項36】
ヒスタミンH受容体に介在される疾患の治療用としての請求項1から33のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項37】
アレルギー性、免疫性もしくは炎症性疾患又は疼痛の治療用としての請求項1から33のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項38】
ヒスタミンH受容体に介在される疾患の治療用医薬の製造における請求項1から33のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩の使用。
【請求項39】
ヒスタミンH受容体に介在される疾患がアレルギー性、免疫性もしくは炎症性疾患又は疼痛である請求項38に記載の使用。
【請求項40】
(a)式II:
【化5】

(式中、R、R及びRは請求項1に記載した意味である)の化合物をアンモニアもしくはアンモニア等価物と反応させる工程;又は
(b)式VIIの化合物を式IVの化合物(又はそのアミノ保護体):
【化6】

(式中、R、R及びRは請求項1に記載した意味である)と反応させた後、保護基が存在する場合には必要に応じて保護基を除去する工程;又は
(c)式VIIBの化合物を式IVの化合物(又はそのアミノ保護体):
【化7】

(式中、Rは脱離基を表し、R、R及びRは請求項1に記載した意味である)と反応させた後、保護基が存在する場合には必要に応じて保護基を除去する工程;又は
(d)式Iの化合物においてRがR’−CH−CH−を表す場合には、式VI:
【化8】

[式中、R’はC1−6アルキル又はC3−8シクロアルキル−C0−4アルキル又はアリール−C0−4アルキルを表し、ここで任意アルキル基は場合により1個以上のハロゲン基で置換されていてもよく、C3−8シクロアルキル基は場合により独立してC1−4アルキル、ハロゲン及びアリールから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、あるいはR’はnが2を表し、R及びRがHを表す式(i)の基、又はpが2を表し、R及びRがHを表す式(ii)の基を表し;R及びRは請求項1に記載した意味である]の化合物を還元剤で処理する工程;又は
(e)式Iの化合物を1段階もしくは数段階で式Iの別の化合物に変換する工程
を含む請求項1に記載の式Iの化合物の製造方法。

【公表番号】特表2011−506566(P2011−506566A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−538738(P2010−538738)
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際出願番号】PCT/EP2008/067950
【国際公開番号】WO2009/080721
【国際公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(508075605)
【Fターム(参考)】