説明

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)あるいはC型肝炎ウイルスなどのウイルスに原因するウイルス性血液疾患の治療および予防のための植物ベース組成物

本発明は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)あるいはC型肝炎ウイルスなどのウイルスに原因するウイルス性血液疾病の治療および予防のための植物ベース組成物に関するものである。本発明によれば、この組成物は、主として硫黄華、カテキンとタンニンを含んでいる植物、および薬学的に許容される媒体でなっている。本発明は、さらにこの組成物の製造方法に関するものである。本発明は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)あるいはC型肝炎ウイルスなどのウイルスに原因するウイルス性血液疾病の治療および予防に適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)あるいはC型肝炎ウイルスなどのウイルスに原因するウイルス性血液疾病の治療および予防のための植物ベース組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
HIV感染者は、感染して2年から10年後に疾病に関連した症状が現れてくる。この間、疾病の影響は目に見えるものがなく、感染者は無防備な性交、血液の混合、あるいは母体から子供へと、知らずにウイルスを伝染させることがある。この長い潜伏期間が、この疾病の伝染拡大の一因である。
【0003】
今日では、HIVに対して感染防止するワクチンがなく、レトロウイルス三剤療法など使用可能な既知治療法は、それなりの効果はあるが、治癒するものではない。
【0004】
さらに、ある種の毒性と多くの望ましくない副作用があるために、一般に血清陽性が出た初期には一般に処方しない。最も多くみられ、また、比較的軽い副作用には、頭痛、悪心、嘔吐、疲労感、食欲減退、発熱、手足の鋭い痛みあるいは焼け感、下痢、皮膚疾患がある。多くの副作用は、執拗で、長く続くために次第に就労不可能になる。これらの副作用が続くと、元に戻らず、障害者になることがある。その他の重大な副作用は、時間とともに現れ、それらは一般に毒性のある物質と関係している。
【0005】
ある種の副作用は致命的である。
− アバカビル〔ジアゲン(Ziagen)(登録商標)〕による皮膚あるいは呼吸器系過敏
− ネビラピン〔ヴィラミュン(Viramune)(登録商標)〕による、皮膚過敏および肝機能障害
− ddI〔ヴィデックス(Videx)(登録商標)〕による急性膵炎
それ故に、公知の従来治療方法は、無視できない欠点を持っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、この問題の解決法を提案するものであり、その目的を達すべくウイルス性血液疾患の治療あるいは予防の組成物は、患者のウイルス負荷を軽減し、CDTリンパ球の数を増加させるに有効であり、摂取した患者に副作用が少ないあるいは殆どない。
この目的のために、本発明は、ヒト免疫不全ウィルス(HIV)やC型肝炎ウィルスなどのウイルスに原因するウイルス性血液疾患の治療あるいは予防をする植物ベース組成物に関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、この組成物は、硫黄華、タンニンとカテキンを含有する少なくとも1つの植物、さらに薬学的に許容できる媒体でなっている。
別の特徴によれば、カテキンとタンニンを含む植物は、アグリモニア・エウパトリア(Agrimonia Eupatoria、GAFT)あるいはガンビール(Uncaria gambir)から選ばれる。
【0008】
また、別の形態によれば、組成物は、タンニンとカテキンを含む2つの異なる植物を含んで構成される。この場合、これらの植物は、アグリモニア・エウパトリアとガンビールである。この組成物は、ニジェラ(Nigella)を含むのが好ましい。特に、ニジェラは、油状で存在するのがよい。さらに、この組成物は、防腐剤を含んでよい。好ましくは、防腐剤は、メントールである。
別の特徴によれば、組成物はコーティング剤を含んでいる。このコーティング剤は、特に好ましくは蜂蜜である。
【0009】
上に定義した本発明の組成物は、天然物、植物抽出物、地中鉱物分を、所定の割合で混合したものである。この製品は、実験によるテストで、なんら副作用がなく、鎮痛作用や精神安定化作用を促すものを含んでいないことが証明された。
【0010】
本発明は、さらに上記の組成物の製造方法に関するものである。
この方法は、タンニンとカテキンを含む少なくとも1つの植物を、硫黄華および薬学的に許容される媒体と混合するステップを有している。
特に、このカテキンとタンニンを含む植物は、アグリモニア・エウパトリア(GAFT)とガンビールから選ばれる。
興味ある別の形態によれば、タンニンとカテキンを含む2つの異なる植物が使用され、これらはアグリモニア・エウパトリア(GAFT)とガンビールである。
この方法は、ニジェラ油を加えるステップを有することができる。
【0011】
好ましくは、アグリモニア・エウパトリア(GAFT)は、蒸留して得られた液体形状で使用する。ガンビールは、微細に粉砕した粉体で使用するのがよい。
別の形態によれば、この方法は、メントール結晶を純粋なアルコール中に溶解させる準備ステップを有している。また、薬学的に許容される媒体は、好ましくは高粘性の蜂蜜である。
【0012】
この方法は、アグリモニア・エウパトリア(GAFT)の液体、硫黄華、ニジェラ油、ガンビール油、薬学的に許容できる媒体である蜂蜜を混合する1つのステップがあるだけなので、実施するに簡単である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明は、添付した図面を参考にして以下の記載を読めば、一層よく理解できるであろうし、またそれの他の目的、利点および特徴も明白になるであろう。
【図1】本発明による組成物を投与した3人の患者で測定したウイルス負荷量を示している。
【図2】グラフ1は、本発明の組成物を投与した第1患者についてのウイルス負荷量の変化を、時間に対して示している。グラフ2は、本発明の組成物を投与した第2患者についてのウイルス負荷量の変化を、時間に対して示している。グラフ3は、本発明の組成物を投与した第3患者についてのウイルス負荷量の変化を、時間に対して示している。
【図3】前述の3人の患者について、200日間でのTリンパ球(CD4)値を示している。
【図4】グラフ4〜6は、3人の患者それぞれについて、CD4数の変化を時間に対して示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、第1部で、構成する主成分のリストを、第2部で、これら成分からの製造方法を、続いて、患者への投与方法、および患者に対していった医療テストで明らかになった効果を示している。最後に、最終部でそれぞれの成分の詳細を示している。
【0015】
1.構成成分
本発明の組成物は、表1に挙げた成分でなっていて、理想的にはそこに述べた割合である。
【0016】
【表1】

【0017】
2.製造方法
これらの成分は、以下の方法で一つにまとめられる。
1.5gのメントール結晶を、室温、常圧で容器に入れる。4gの純粋アルコール、好ましくは95°エタノールを、その容器に入れてメントール結晶を溶解させ、次いで、ニジェラ油を加える。全体を5分間静止し、次いで、撹拌して溶解を促進させる。得られた混合物に、2gの食用硫黄華を加える。
【0018】
次いで、5gのGAFT液を加える。このGAFT液は、1kgのGAFTの乾燥葉と幹を、3.5リットルの水に浸漬し、室温で20時間保持し、この混合を、ゆっくり加熱して蒸留し、蒸気を冷却して受器に集め、約2リットルのGAFT抽出物、すなわちGAFT液を得たものである。
【0019】
アルコール、メントール、硫黄華、およびGAFT液体を、胃での吸収を促進させるために900gの蜂蜜と混合して高粘性をもたせる。この混合に、4gの微細に粉砕したガンビールを加える。5gの低温抽出したニジェラ油を、混合物に入れ、溶解させる。
【0020】
3.投与方法
経口による。約20gの組成物を、6時間毎の1日に4回、少なくとも12か月間経口投与し、処置を始めて40日で、組成物の身体に及ぼす影響を観察する。
【0021】
4.HIV感染患者の治療範囲内での有効性
1)第1の患者
第1段階では、この組成物を、HIVに感染し、かつ2005年に胃潰瘍を患っている患者に使用した。この患者は、キューバ生まれの約60歳の女性である。当時、彼女は、激しい胃潰瘍に加えて、HIV感染の全ての徴候が出ている疾病段階であった。
【0022】
組成物は、彼女の胃潰瘍を治療する目的で投与され、驚くべきことに5か月の治療の後に、従来の処置(三剤療法)を行う前の標準テストを受けようとしたとき、胃潰瘍が完全に治癒していたのみならず、彼女のCD4レベルが、(治療前に血液中500ユニット/mmであったが)血液中635ユニット/mmになっていたことが発見され、ウイルス負荷は殆ど検知されず、従来治療を始める必要がなくなった。
この患者は、本発明の組成物を摂取して以来何ら追加の治療をせずに、今も生存して、2005年6月以来キューバで健康に生活している。
【0023】
2)次の5人の患者
ウクライナ生まれの5人の血清陽性患者を、本発明による組成物で治療した。
彼らの血清陽性状態は、1997年と1998年に検出され、そのうちの3人は、本発明による治療を始める前にさらにC型肝炎にも冒されており、5人の患者は、彼らの主治医により注意深く見守られた。
準備の臨床検査が行われ、全員が、不安、発熱、筋肉痛、肝臓の痛み、疲労感、悪心、嘔吐、食欲不振、頭痛の症状を持っていた。
【0024】
治療を始めてから70日間にわたり、日を変えて血液サンプルを試験室で分析した。患者が来た直後、治療後1か月、および治療後2か月の3回、臨床学的および組織学的な検査を行った。
治療後10日で、疾患の第2段階にあった患者がもっていた前述の症状の全てが消えた。どの患者も明らかに健康で、最早C型肝炎もなく、体重も増え、熱もなく、治療の前には殆どなかった性欲も出てきた。
【0025】
同様の改善が、血液学的検査でも観察された。治療の異なる段階でCD4およびウイルス負荷測定を行い、CD4レベルに僅かな改善が見られた。同じ方法で、ウイルス負荷と比較した結果は満足なものであった。
【0026】
3)最後の3人の患者
追加の臨床試験を、パリにある国際HIV研究センターと共同して、他の3人の患者について行なった。
2007年8月中旬に、レバノンの生まれの3人のHIV患者、より正確には、互いに感染した2人の男性と1人の女性が到来した。2人の男性は、疾患の第1段階であったが、26才の女性は、担当医師から従来の治療(三剤療法)を始めることが言い渡されていた。この3人の患者は、前述の研究センターからの薦めで、本発明による組成物で開発された治療方法に忠実に従うことを決心した。さらに、この女性は、従来治療を拒否していていた。
【0027】
本発明による組成物での治療を始める前に、先ず3人の患者から最初の血液サンプルを採取した(図1と図3の表の《0日》)。この結果は、前述の研究センターに渡された。
3人の患者は、2007年8月19日と25日に、本発明の組成物を毎日20グラム、1日に3〜4回、約6時間間隔で経口服用し始めた。
【0028】
2007年10月4日に、2回目の血液サンプルを採取し、前述の研究センターに直接送り、分析、評価および前回テストとの比較が行われた。
【0029】
図1の表に見られるように、40日後の結果は驚くべきものであった。全患者のウイルス負荷は激減していて、第1の患者は76%、第2の患者は88%、そして第3の患者では92%も減少していた。
これらのポジティブな結果を考えれば、3人の患者は、図1および図3の表で言及しているように、本発明による組成物を、さらに160日、全治療期間200日間規則的にとり続けた。
【0030】
血液サンプルから得られた結果は、時間と共に組成物の有効性が確認される。
同じ患者、例えば第1の患者については、ウイルス負荷の低下は、治療の始めから終わり迄一定に続いており、ウイルス負荷は、治療の最後(200日目)で、95%にまで低下している。
【0031】
第2の患者に関しては、治療の初日と40日目で激減がみられ、血液1mL中のウイルス数が88%も下り、引き続く40日後からは、ウイルス量が血液1mL中12,000であったものが最終的に8,000に迄となり、これは、治療の初日と比較すれば、ウイルス数で83%の減少となる。
【0032】
同じことが第3の患者にもいえる。図2のグラフ3で見られるように、最初の40日間でウイルス負荷が92%も激減し、治療の40日と200日の間で血液1mL中20,000以下で安定し、最終的に5,000となり、治療の最初と比較すれば、94%の減少となる。
【0033】
血液1mm中のTリンパ球数の変化については、第1の患者では、治療の0日と200日の間に17%の上昇で、治療の最初と最後で僅かな増加がみられた。第2と第3の患者に関しては、より顕著な上昇がみられた。治療の最初と最後では血液中Tリンパ球数が第2の患者で86%増加し、第3の患者では78%の増加であり、第3の患者のリンパ球数が144日目で血液1mm当たり930となって102%の著しい増加であった。
【0034】
重要なことは、上に述べた全患者が、専門の医者による医学的な監視下にあったし、今でも監視下にあって、良好な健康にあることが確認されている。さらに、副作用が見られていない。
【0035】
行なわれた調査によれば、本発明の組成物の効果は、ウィルス自体に強力な作用を及ぼしていることになる。
これらの患者でテストが行なわれるとともに、組成物、投与方法および製造方法も最適条件が検討された。この最適化の検討から、ウイルス負荷を低減する効果とCD4を増加させる効果を組み合わせるには、GAFTと硫黄華が基本的成分であることがわかる。
【0036】
GAFTには、タンニンとカテキンが含まれている(この明細書の《組成物の主要構成成分の詳細》の項を参照)。
ガンビール(Uncaria Gambir)にも、タンニンとカテキンが含まれている。GAFTの代りに、タンニンとカテキンを含有するガンビールを、硫黄華と共に基本的成分として、ウイルス負荷を低減する効果とおよびCD4を増加させる効果を得ることができる。
【0037】
また、カテキンとタンニンを含有する以下に述べる他の植物も、硫黄華と共に基本的成分として混合すると、ウイルス負荷を低減する効果とおよびCD4を増加させる効果を得ることができる。
【0038】
ニジェラ油は、また、ウイルス負荷を低減し、CD4を増加させる効果に本質的に関わる組成物の構成成分である。
GAFTおよびガンビール植物を含む組成物は、ニジェラ油と硫黄華と組合わせることで、ウイルス負荷を低減させる効果とCD4を増加させる効果に最も満足なものであるかとが分かる。
【0039】
本発明の組成物は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の感染者、C型肝炎ウイルスの感染者、および胃潰瘍患者の治療に有効であることが証明された。
【0040】
この組成物は、有害な副作用を引き起こすことがない植物と鉱物から得られる。
その製造方法は、実施するに容易である。
もちろん、組成物の構成成分とその製造方法について、行なわれたテストではどれも公表していない。実際、患者は、本発明の組成物を受け取ってすぐ服用し、医学チームがある状況下にあった。
本発明の組成物の主要構成成分の詳細を、以下に述べる。
【0041】
5,組成物の主要構成成分の詳細
1)GAFT、あるいはアグリモニィ−またはアグリモニア−エウパトリア(Agrimony or Agrimonia Eupatoria)
学名:アグリモニア・エウパトリア・L(Agrimonia eupatoria L)
科:バラ科(Rosaceae)
その他の呼称:オイパトワール デ ザンシエンネ(Eupatoire des anciens)、エルブ ド サン ギュローム(Herbe de Saint Guillaume)、アグリモニィ(agrimone)、エルブ ド ステ マドレーヌ(Herbe de Ste Madeleine)
植物学および地理学
起源: 全ヨーロッパ、北アフリカ、西および北アジアでの垣、木および地面。

植物学的記述:−赤味の毛状軸を備えた高さ40〜60cmの草木植物、−不均等に分れた大きな葉、−長い房に密集した多数の小さな黄色の花−棘のある萼で囲まれた1−2インチの実
使用した部分:葉と花の先端
含有成分:タンニン、クマリン、フラバン−3−オール(カテキンを構成する)、ケルセチン、ケンプフェロール、ルテオリン、アピゲニン、種々のフェノール酸、ビタミンBおよびK
人に対する危険性:恐らく無い
【0042】
2)ガンビール(Gambier、Gambir、Uncaria Gambir)
界:植物界(Plantae)
亜界:維管束植物(Tracheobionta)
門:被子植物門(Magnoliophyta)
網:双子葉植物(Magnoliopsida)
亜網:キク亜網(Asteridae)
目:アカネ目(Rubiales)
科:アカネ科(Rubiaceae)
属:カギカズラ属(Uncaria)
二名法名称:ガンビール(Uncaria gambir(W.Hunter)Roxb、1824)
目:リンドウ目(Gentianales)
使用:ガンビールは、強壮作用と収斂作用のある薬用植物であり、とりわけ、火傷、下痢、咳、喉痛、潰瘍の治療に使用される。この植物は、タンニンとカテキンを含んでいる。
【0043】
2−1)タンニン酸
この酸は、タンニンの微生物分解で得られる。
【0044】
【化1】

【0045】
タンニンは、グルコースと没食子酸の複合物であり、楢の樹皮、栗の樹皮、没食子に含まれている。タンニンは、皮革を耐腐敗性にするので、革の処理に使用される。また、インクの製造のも使用される。
【0046】
2−2)カテキン:
カテキンは、フラバノール(flavanols)サブクラスのフラボノイド(flavonoids)群の一分子であり、カテコールとして知られている。
その名前が由来するベグノキ(Acacia catechu)の実に最初に発見され、カテキンおよびその多くの異性体は、強力な酸化防止剤で、炎症性および冠状動脈障害疾患の予防に有効である。
【0047】
カテキンは、(+)−カテキンと(−)−カテキンの2つの対称な形体を持つキラル分子である。この種類と構造の間の混乱を避けるため、この明細書では(+/−)−カテキンとする。
【0048】
【化2】

【0049】
(+)−カテキンは、抗生物質であり、また遊離基の生成を抑える酸化防止剤である。
【0050】
ガンビール以外のカテキンとタンニン酸に富んでいる植物:
茶(Camellia sinensis):茶葉からのフラボノイドは、80%が、(+)−カテキンC、(−)−エピカテキンEC、(+)−ガロカテキン、およびそれらの没食子酸エステルであるフラバノールからなっている。
緑茶、ウーロン茶および紅茶は、不正確に《発酵》と呼ばれる製造工程で葉が受ける酵素酸化の程度で区別される。緑茶のフラボノイドは、新鮮な葉のものと同じで、フラバノールが80%であるが、酸化された後では、紅茶に20−30%しか残っていない。茶は、タンニンに富んでいることで知られている。
【0051】
ブドウ(Vitis vinifera):ブドウは、(+)−カテキン、(−)−エピカテキン、およびそれらの没食子酸エステル、エピカテキン−3−没食子酸エステルに富んでいる。これらのフラバノールは、種に濃度が高く、ブドウの品種、土壌、収穫年、フェノール性物質の成熟度によりその含有量が変わる。マルロー(Merlot)とカベルネソヴィニョン(Cabernet Sauvignon)種のブドウ種に高含有量が見出されている。ブドウは、タンニンに富んでいる。
【0052】
ココア(Theobroma cacao):カカオ豆は、ポリフェノールを約12〜18%(乾燥品の%で)含んでいて、その35%が(−)−エピカテキン(発酵していないフォラステロ(Forastero)豆で)である。ココアにするには、豆を発酵、乾燥、炒らなければならない。これらの多数の操作中に、カテキンとプロシアニドール(procyanidols)の殆どは、キノンになる。
【0053】
しかしながら、ココアには、第1に(−)エピカテキン、次いで(+)カテキン、(+)ガロカテキン、(−)エピガロカテキンのポリフェノールと、(+)カテコールおよび/または(−)エピカテコールの2または3ユニットでなるプロアントシアニドール、すなわちプロシアニドールB1、B2,B3,B4,B5,C1およびDの多くが残っている。高温度で炒ると、(−)エピカテキンはエピマーである(−)カテキンになる。
コートジボアールからの商用ココアは、エピカテキンを2.2〜4.8g/kg含んでいる。カカオ豆は、さらにタンニンを含んでいる。
【0054】
そら豆は、カテキンとタンニンに富んでいる。
多くの木の実は、カテキンとタンニンに富んでいる:ブラックベリーを筆頭に、ぶどう、さくらんぼ、アンズ、ラズベリー、りんご、プルーン、イチゴ、洋梨、桃が続く。
【0055】
3)硫黄華
別称: 硫黄クリーム(CREME DE SULFRE)
別称: 硫黄華(FLEUR DE SULFRE)
番号: 2179
塩または誘導体:コロイダル硫黄
塩または誘導体:析出硫黄
塩または誘導体:昇華溶岩硫黄
化学硫黄クラス
構成:硫黄が少なくとも99.5パーセント
【0056】
4)ニジェラ(Nigella Sativa 、Habbat al Barakah、あるいはNigella、あるいはblack cumin )
成分:
ミリスチン酸:5%
パルミチン酸:11.2〜13.7%
ステアリン酸:2.1〜2.6%
パルミトレイン酸:0.1%
オレイン酸:20.0〜23.7%
リノール酸(オメガ6):57.9%
アルファリノレン酸(オメガ3):0.2%
アラキドン酸:1.3%
ニジェラの油は、スパイシーな香りをもつ茶緑色の油である。
油は、低温抽出されたものでなければならない。
【0057】
5)メントール
結晶状で使用した。
【0058】
6)エタノール
純粋なものを使用した。
7)純粋蜂蜜
蜂蜜の粘性は、胃での物質の吸収を促進するために本質的なものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)またはC型肝炎ウイルスのようなウイルスに原因するウイルス性血液疾患の治療または予防をする植物ベースの組成物であって、
硫黄華、タンニンとカテキンを含むアグリモニア・エウパトリア〔Agrimonia Eupatoria(GAFT)〕またはガンビール(Uncaria gambir)から選ばれる少なくとも1つの植物、および薬学的に許容される媒体を含んでなることを特徴とするウイルス性血液疾患の治療および予防の植物ベース組成物。
【請求項2】
タンニンとカテキンを含む2つの異なる植物を含むことを特徴とする請求項1に記載のウイルス性血液疾患の治療および予防の植物ベース組成物。
【請求項3】
前記2つの異なる植物が、アグリモニア・エウパトリア〔Agrimonia Eupatoria(GAFT)〕とガンビール(Uncaria gambir)であることを特徴とする請求項2に記載のウイルス性血液疾患の治療および予防の植物ベース組成物。
【請求項4】
さらに、ニジェラ(Nigella)を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のウイルス性血液疾患の治療および予防の植物ベース組成物。
【請求項5】
前記ニジェラが、油状であることを特徴とする請求項4に記載のウイルス性血液疾患の治療および予防の植物ベース組成物。
【請求項6】
さらに、防腐剤を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のウイルス性血液疾患の治療および予防の植物ベース組成物。
【請求項7】
前記防腐剤が、メントールであることを特徴とする請求項6に記載のウイルス性血液疾患の治療および予防の植物ベース組成物。
【請求項8】
さらに、コーティング剤を含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のウイルス性血液疾患の治療および予防の植物ベース組成物。
【請求項9】
前記コーティング剤が、蜂蜜であることを特徴とする請求項8に記載のウイルス性血液疾患の治療および予防の植物ベース組成物。
【請求項10】
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)またはC型肝炎ウイルスのようなウイルスに原因する
ウイルス性血液疾患の治療または予防をする植物ベース組成物の製造方法であって、
タンニンとカテキンを含むアグリモニア・エウパトリア〔Agrimonia Eupatoria(GAFT)〕またはガンビール(Uncaria gambir)から選ばれる少なくとも1つの植物を、硫黄華および薬学的に許容される媒体と混合するステップでなることを特徴とするウイルス性血液疾患の治療および予防の植物ベース組成物の製造方法。
【請求項11】
タンニンとカテキンを含むアグリモニア・エウパトリア〔Agrimonia Eupatoria(GAFT)〕とガンビール(Uncaria gambir)の2つの異なる植物を用いることを特徴とする請求項10に記載のウイルス性血液疾患の治療および予防の植物ベース組成物の製造方法。
【請求項12】
ニジェラ油を加えるステップを含むことを特徴とする請求項10または11に記載のウイルス性血液疾患の治療および予防の植物ベース組成物の製造方法。
【請求項13】
アグリモニア・エウパトリア〔Agrimonia Eupatoria(GAFT)〕が、蒸留によって得られた液体形状で使用されることを特徴とする請求項10乃至12のいずれか1項に記載のウイルス性血液疾患の治療および予防の植物ベース組成物の製造方法。
【請求項14】
ガンビールが、微細に粉砕された粉体状で使用されることを特徴とする請求項10乃至12のいずれか1項に記載のウイルス性血液疾患の治療および予防の植物ベース組成物の製造方法。
【請求項15】
メントール結晶を純粋なアルコール中に溶解させる準備ステップを有することを特徴とする請求項10乃至14のいずれか1項に記載のウイルス性血液疾患の治療および予防の植物ベース組成物の製造方法。
【請求項16】
薬学的に許容される媒体が、高粘性の蜂蜜であることを特徴とする請求項10乃至15のいずれか1項に記載のウイルス性血液疾患の治療および予防の植物ベース組成物の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−523396(P2012−523396A)
【公表日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−504043(P2012−504043)
【出願日】平成21年4月10日(2009.4.10)
【国際出願番号】PCT/FR2009/050678
【国際公開番号】WO2010/116048
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(511245352)
【出願人】(511245363)
【Fターム(参考)】