説明

ヒト円板組織

本発明は、単離された円板幹細胞集団、組成物、及びそれを取得し、成長させる方法を提供する。さらに、本発明は、単離された円板球、組成物、及びそれを取得し、成長させる方法を提供する。本発明の細胞を含む人工円板は、それを作製する方法と共に提供される。本発明はまた、本発明の細胞及び方法を利用して、椎間板ヘルニアを患う治療対象を治療する方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、髄核幹細胞、及びそれを取得し、成長させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
変性円板疾患に起因する背部痛は、病的状態、身体障害、及び生産性損失の主要な原因である。背部痛は、45歳未満の人の活動性を制限する最も多い原因であり、医師受診理由の2番目であり、入院理由の5番目であり、外科手術の3番目に一般的な理由である。さらに、慢性的な背中の病気(一般的なものと衰弱性のもの両方)は、毎年15〜45%の人に、及び人生のある時期に70〜85%の人に起こる。医療にかかるお金及び労働時間の損失という点から見た社会への財政的影響は、米国だけで年間200億ドルから500億ドルである。
【0003】
変性円板疾患に続発する背下部痛を有する患者のための非手術的及び手術的治療法の選択肢の継続的な改善にも関わらず、この状態をなくすかまたは着実に改善する「特効薬」として役立つ治療法はない。しかしながら、今日、生物医学工学及び分子科学の融合から派生した治療法を開発する新たなかつ刺激的な機会がある。我々は今日、かつてないほどに、変性円板疾患の治療用の新しい治療法及び治療装置を創造するところまで来ている。生物科学の進歩及びそれが臨床的脊椎疾患に及ぼす影響の最近の例としては、融合タンパク質、全円板関節形成術、及びさらに最近では核関節形成術の開発が挙げられる。組換えヒト骨形態形成タンパク質−2(rhBMP-2)などの融合タンパク質は、遺伝子操作で産出されたタンパク質であり、このタンパク質は、新たな骨成長を刺激し、外科的再建の文脈においてより確かでかつ速やかな脊椎骨の融合を可能にする能力を有する。
【0004】
初めての全円板関節形成術は、1950年代後半にファーンストーム(Fernstorm)により実施された。当初は短期間の症状緩和があったが、結局、脊椎骨内にインプラントが沈下したことによって、この人工関節装着手術は失敗に終わった。腰椎の全円板関節形成術は、1980年代後半以降ヨーロッパで実施されているが、米国でのその使用は、SB Charite III(DePuy Spine, Raynham, MA)が導入される2000年3月まで開始されなかった。その後、Maverick(Medtronic Sofamor Danek, Memphis, TN)、ProDisc-L(Spine Solutions/Synthes, Paoli, PA)、及びFleXICore(Stryker Spine, Allendale, NJ)を含む、いくつかのその他の腰椎用人工関節が導入されている。これらの人工関節は各々、座面、骨への固定、関節の数、材料、制約、及び回転中心の可動性に関するデザインが異なっている。腰椎円板関節形成術に加えて、昨年の時点で、頸椎円板関節形成術の治験が米国で開始されている。頸椎円板関節形成術のモデルとしては、ブライアン頸部円板(Medtronic Sofamor Danek)、Prestige ST(Medtronic Sofamor Danek)、Porous Coated Motion人工頸部円板(CerVItech, Rockaway, NJ)、及びProDisc-C(Spine Solutions/Synthes)が挙げられる。
【0005】
PDN(登録商標)人工円板随核代替術のような、変性脊椎疾患のための核関節形成術または核代替装置は、TDAと概念が似ており、成功した結果を示している。PDN(登録商標)装置は、ポリエチレンスリーブに包まれたハイドロゲルコア中心からなる。このハイドロゲルコア中心は、通常の負荷及び除荷の間に収縮及び膨潤し、円板腔の高さの回復を可能にすることによって、健康なヒト円板を模倣する。
【0006】
全椎間板関節形成術及び核形成術は、椎体間脊椎融合の代替法として役立ち得るが、この方法には合併症がないわけではない。最も一般的な合併症としては、隣接レベル脊椎疾患、沈下、及び椎間関節の関節症が挙げられる。さらに、臨床治験による最新の研究によって、感染の発生、椎骨体骨折、インプラントの位置異常、沈下、機械の故障、及び傍脊椎の異所性骨化が示されている。インプラントの前側脱臼を含む、より重篤な合併症が報告されている。全椎間板関節形成術(TDA)による摩耗粒子の問題及びそれが脊髄に及ぼす潜在的な影響も、まだ知られていない。それゆえに、全円板関節形成術の開発は、変性円板疾患の治療における前進であるものの、究極の目標は、機械部分に関連した合併症がない新しい生物学的円板を開発すること、及びそれに変性円板を代替させることであるべきことが明白である。
【0007】
米国では、年間100万件を上回る脊椎外科手術が行われている。さらに、脊椎手術市場のうち腰椎融合の部門は、年間収益において10億ドルをはるかに上回ると見積もられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第4,238,480号明細書
【発明の概要】
【0009】
本発明は、1つの実施形態において、単離された円板幹細胞集団を提供する。
【0010】
別の実施形態において、本発明は、円板幹細胞を単離する方法であって、無血清培地中に円板幹細胞をプレーティングするステップと、髄核細胞を含む円板球(discosphere)を産出し、それにより円板幹細胞を単離するステップとを含む方法を提供する。
【0011】
別の実施形態において、本発明は、円板幹細胞を含む組成物を提供する。
【0012】
別の実施形態において、本発明は、単離された円板球を提供する。
【0013】
別の実施形態において、本発明は、円板球を含む組成物を提供する。
【0014】
別の実施形態において、本発明は、髄核細胞を含む人工円板を提供する。
【0015】
別の実施形態において、本発明は、人工円板を作製する方法であって、円板スキャフォールド(足場)内で円板球を成長させ、それにより脊椎円板代替装置を作製するステップを含む方法を提供する。
【0016】
別の実施形態において、本発明は、椎間板ヘルニアを患う治療対象を治療する方法であって、該治療対象に髄核細胞を含む人工円板を与え、それにより椎間板ヘルニアを患う治療対象を治療するステップを含む方法を提供する。
【0017】
本発明とみなされる内容を特に指摘し、また本明細書の結びの部分で明確に特許請求を行なう。しかしながら、本発明は、添付の図面と共に読まれる時、作用の構成及び方法の両方に関して、その目的、特色、及び利点と共に、以下の詳細な説明を参照することにより、最もよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】骨性終板を有する空になったウサギ髄核へのヒト円板幹細胞のインビトロ移植後3か月の椎間円板培養物の様々な組織染色を用いた顕微鏡による組織形態学的評価を示す。パネル1は、ウサギ円板組織(顕微鏡写真A、C、及びE(対照))ならびに培養椎間円板(顕微鏡写真B、D、及びF)のヘマトキリシン-エオシン染色の顕微鏡写真を示す。倍率は、1.25倍(A及びB)、10倍(C及びD)、ならびに20倍(E及びF)である。顕微鏡写真C及びDは、内側の髄核と外側の繊維輪の間の移行帯を示す。顕微鏡写真E及びFは、髄核の内部域及び個々の髄核細胞を示す。パネル2は、ウサギ円板組織(顕微鏡写真G、I、及びK(対照))ならびに培養椎間円板(顕微鏡写真H、J、及びL)のサフラニン染色の顕微鏡写真を示す。倍率は、1.25倍(G及びH)、10倍(I及びJ)、ならびに20倍(K及びL)である。顕微鏡写真I及びJは、内側の髄核と外側の繊維輪の間の移行帯を示す。顕微鏡写真K及びLは、髄核の内部域及び個々の髄核細胞を示す。パネル3は、ウサギ円板組織(顕微鏡写真M、O、及びQ(対照))ならびに培養椎間円板(顕微鏡写真H、J、及びL)のフォンコッサ染色の顕微鏡写真を示す。倍率は、1.25倍(M及びN)、10倍(O及びP)、ならびに20倍(Q及びR)である。顕微鏡写真O及びPは、内側の髄核と外側の繊維輪の間の移行帯を示す。顕微鏡写真Q及びRは、髄核の内部域及び個々の髄核細胞を示す。
【図2】骨性終板を有する空になったウサギ髄核へのヒト円板幹細胞のインビトロ移植後3か月の椎間円板培養物のII型コラーゲン発現の顕微鏡による組織形態学的評価を示す。(A、C、E)対照(ウサギ円板組織)及び(B、D、F)培養椎間円板のII型コラーゲンに対する免疫染色の顕微鏡写真。倍率は、1.25倍(A及びB)、10倍(C及びD)、ならびに20倍(E及びF)である。顕微鏡写真C及びDは、内側の髄核と外側の繊維輪の間の移行帯を示す。顕微鏡写真E及びFは、髄核の内部域及び個々の髄核細胞を示す。
【図3】骨性終板を有する空になったウサギ髄核へのヒト円板幹細胞のインビトロ移植後3か月の椎間円板培養物のI型コラーゲン発現の顕微鏡による組織形態学的評価を示す。(A、C、E)対照(ウサギ円板組織)及び(B、D、F)培養椎間円板(髄核が化学的に取り除かれ、ヒト円板幹細胞の調製物が導入されている調製された繊維輪マトリックス)のI型コラーゲンに対する免疫染色の顕微鏡写真。倍率は、1.25倍(A及びB)、10倍(C及びD)、ならびに20倍(E及びF)である。顕微鏡写真C及びDは、内側の髄核と外側の繊維輪の間の移行帯を示す。顕微鏡写真E及びFは、髄核の内部域及び個々の髄核細胞を示す。
【図4】骨性終板を有する空になったウサギ髄核へのヒト円板幹細胞のインビトロ移植後3か月の椎間円板培養物のKi−67発現の顕微鏡による組織形態学的評価を示す。(A、C、E)対照(ウサギ円板組織)及び(B、D、F)培養椎間円板(髄核が化学的に取り除かれ、ヒト円板幹細胞の調製物が導入されている調製された繊維輪マトリックス)のKi−67に対する免疫染色の顕微鏡写真。倍率は、1.25倍(A及びB)、10倍(C及びD)、ならびに20倍(E及びF)である。顕微鏡写真C及びDは、内側の髄核と外側の繊維輪の間の移行帯を示す。顕微鏡写真E及びFは、髄核の内部域及び個々の髄核細胞を示す。
【図5】骨性終板を有する椎間円板培養系の模式図を示す。A−円板球(円板幹細胞クラスター)の成長を促進する培地及び条件下で、単一細胞培養物を調製する。その後、円板球を調製し、全ての細胞及び髄核組織が円板から取り除かれている健康なウサギの繊維輪に注入する。B−その後、骨性終板を有する椎間円板繊維輪を、培地及び成長因子を含む培養容器の中に入れる。3か月目の終わりに、円板幹細胞によって、以前は空だった繊維輪が円板様構造で埋められる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
1つの実施形態において、本発明は、単離された円板幹細胞集団を提供する。別の実施形態において、本発明は、円板球を形成することができる円板幹細胞が濃縮された細胞の集団を提供する。別の実施形態において、本発明は、円板前駆細胞を生じさせることができる円板幹細胞が濃縮された細胞の集団を提供する。別の実施形態において、本発明の単離された円板幹細胞集団は、ヒト円板幹細胞集団を含む。別の実施形態において、本発明の単離された円板幹細胞集団は、非ヒト円板幹細胞集団を含む。別の実施形態において、本発明の単離された円板幹細胞集団は、哺乳動物円板幹細胞集団を含む。別の実施形態において、本発明の単離された円板幹細胞は、治療対象の髄核に由来する。別の実施形態において、髄核細胞は、円板幹細胞を含む。
【0020】
別の実施形態において、本発明の幹細胞が濃縮された細胞集団は、ヒトの円板幹細胞集団を含む。別の実施形態において、本発明の幹細胞が濃縮された細胞集団は、非ヒトの円板幹細胞集団を含む。別の実施形態において、本発明の幹細胞が濃縮された細胞集団は、哺乳動物の円板幹細胞集団を含む。別の実施形態において、本発明の幹細胞が濃縮された細胞集団は、治療対象の髄核に由来する。別の実施形態において、髄核細胞は、円板幹細胞を含む。
【0021】
別の実施形態において、髄核は、脊椎円板の真ん中にあるゼリー様物質である。別の実施形態において、髄核は、水を引きつけるヒアルロン長鎖を有する軟骨細胞、コラーゲン細線維、及びプロテオグリカンアグリカンを含む。
【0022】
別の実施形態において、本発明の髄核細胞は、自家移植の髄核細胞を含む。別の実施形態において、本発明の髄核細胞は、同種移植の髄核細胞を含む。別の実施形態において、本発明の髄核細胞は、異種移植の髄核細胞を含む。
【0023】
別の実施形態において、本発明の髄核細胞は、円板幹細胞を含む。別の実施形態において、本発明の髄核細胞は、円板前駆細胞を含む。別の実施形態において、本発明の髄核細胞は、成熟円板細胞を含む。別の実施形態において、本発明の髄核細胞は、末端分化した円板細胞を含む。
【0024】
別の実施形態において、本発明は、円板幹細胞を単離する方法であって、円板球培養物を産出するステップを含む方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、円板幹細胞を単離する方法であって、無血清培地中に髄核細胞をプレーティングするステップを含む方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、髄核細胞を含む球を産出する方法であって、無血清培地中で髄核細胞の培養物を成長させ、それにより円板球を産出するステップを含む方法を提供する。別の実施形態において、本発明によれば、髄核細胞を含む円板球はインビトロで髄核幹細胞により生成された浮遊性構造体である。別の実施形態において、本発明によれば、円板球はインビトロで髄核前駆細胞により生成された浮遊性構造体である。別の実施形態において、本発明によれば、円板球はインビトロで髄核幹細胞及び髄核前駆細胞により生成された浮遊性構造体である。
【0025】
別の実施形態において、本発明の円板幹細胞は、それが円板球を形成する能力または潜在能力によって定義される。別の実施形態において、これらの円板幹細胞は、接着培養で成長させたとき、適切な分化条件下で分化して、成熟するかまたは完全に分化する可能性を有する。別の実施形態において、完全に分化した髄核細胞は、細胞外マトリックス成分を分泌する。別の実施形態において、用語「分化する」または「分化」は、特化した構造及び機能を有する細胞が特化していないかまたはあまり特化していない先駆細胞から発達することを指すように意図され、髄核細胞の構造及び機能を保持する細胞が先駆細胞から発達することを含む。別の実施形態において、用語「分化する」または「分化」は、特化した構造及び機能を有する細胞が円板幹細胞から発達することを指すように意図される。別の実施形態において、用語「分化する」または「分化」は、特化した構造及び機能を有する細胞が円板前駆細胞から発達することを指すように意図される。別の実施形態において、適切な分化条件は、血清を含む培地を含む。
【0026】
別の実施形態において、本発明の方法によれば、円板材料は治療対象の髄核から得られる。別の実施形態において、本発明の方法によれば、円板材料が外科的に取得され、実験室で処理され、髄核細胞の単一細胞懸濁液が作り出される(実施例1)。別の実施形態において、本発明の方法によれば、ヒト円板材料が外科的に取得され、実験室で処理され、髄核細胞の単一細胞懸濁液が作り出される。別の実施形態において、本発明の方法によれば、ヒト髄核が外科的に取得され、実験室で処理され、髄核細胞の単一細胞懸濁液が作り出される。
【0027】
別の実施形態においては、髄核細胞の不均質な集団は、治療対象の髄核を擦り取ることによって得られる。別の実施形態において、髄核細胞の不均質な集団は、円板幹細胞、円板前駆細胞、及び分化した髄核細胞を含む。別の実施形態において、髄核細胞の不均質な集団をヒト治療対象者の髄核から擦り取る。別の実施形態において、本発明によれば、髄核細胞の不均質な集団を無血清培地中に低細胞密度でプレーティングすることによって、髄核幹細胞の生存が結果的にもたらされる。別の実施形態において、用語「髄核幹細胞の生存」は、無血清の細胞培養培地を含む条件下で生存性を維持する髄核幹細胞の能力を指す。別の実施形態において、本発明によれば、髄核細胞(組織中の大多数の細胞)は無血清条件に耐えることができないために次第に消えてゆくが、円板幹細胞(または髄核幹細胞、組織中の少数の細胞)はこのような条件下で成長して円板球になる。
【0028】
別の実施形態において、本発明によれば、髄核細胞の不均質な集団を無血清培地中に低細胞密度でプレーティングすることによって、髄核幹細胞の単離が結果的にもたらされる。別の実施形態において、本発明によれば、髄核細胞の不均質な集団を無血清培地中に低細胞密度でプレーティングすることによって、髄核幹細胞を円板幹細胞について濃縮する結果になる。別の実施形態において、本発明によれば、髄核細胞の不均質な集団を、細胞付着に干渉する物質を含む無血清培地中に低細胞密度でプレーティングすることによって、髄核幹細胞の生存が結果的にもたらされる。別の実施形態において、本発明によれば、髄核細胞の不均質な集団を、細胞付着に干渉するメチルセルロースを含む無血清培地中に低細胞密度でプレーティングすることによって、髄核幹細胞の生存が結果的にもたらされる。
【0029】
別の実施形態において、髄核細胞の不均質な集団は、細かく切って断片にした髄核の生検標本から得られる。別の実施形態において、断片の大きさは0.5〜10mmである。別の実施形態において、断片の大きさは0.5〜20mmである。別の実施形態において、断片の大きさは0.5〜3mmである。別の実施形態において、断片の大きさは3〜6mmである。別の実施形態において、断片の大きさは6〜12mmである。別の実施形態において、断片の大きさは12〜20mmである。別の実施形態において、断片の大きさは1〜6mmである。別の実施形態において、断片の大きさは3〜5mmである。別の実施形態において、断片の大きさは3〜4mmである(実施例1)。
【0030】
別の実施形態において、髄核細胞の不均質な集団は、コラゲナーゼII溶液で髄核を処理することによって髄核の生検標本から得られる(実施例1)。別の実施形態において、髄核細胞の不均質な集団は、0.1%〜1%のクロストリジウムコラゲナーゼ(Worthington CLS II、140u/mg)で髄核を処理することによって、髄核の生検標本から得られる。別の実施形態において、髄核細胞の不均質な集団は、コラゲナーゼII溶液で髄核を処理した後にこの標本を振盪器中に置くことにより、髄核細胞の不均質な集団を得ることによって、髄核の生検標本から得られる。
【0031】
別の実施形態において、髄核細胞の不均質な集団は、患者の円板を吸引することによって髄核の生検標本から得られる。別の実施形態において、髄核細胞の不均質な集団は、ドナー動物の円板を吸引することによって髄核の生検標本から得られる。別の実施形態において、髄核細胞の不均質な集団は、ドナー動物の髄核を吸引することによって髄核の生検標本から得られる。別の実施形態において、髄核細胞の不均質な集団は、患者の健康な円板を吸引することによって髄核の生検標本から得られる。
【0032】
別の実施形態において、本発明は、円板球を産出する方法であって、髄核細胞の培養物を無血清培地中で成長させ、それにより円板球を産出するステップを含む方法を提供する。別の実施形態において、本発明によれば、髄核細胞の初代培養物を無血清培地中で成長させるによって、髄核幹細胞が選択される結果になる。別の実施形態において、単離された髄核幹細胞の生存培養物は、本発明の円板球を生じさせる。別の実施形態において、円板幹細胞が濃縮された髄核幹細胞の生存培養物は、本発明の円板球を生じさせる。
【0033】
別の実施形態において、本発明の補充された無血清培地は、髄核幹細胞のみの成長を可能にする。別の実施形態において、本発明の方法によれば、本発明の成長因子が補充された無血清培地中で成長させた時に、濃縮された髄核幹細胞集団が産出される。別の実施形態において、本発明の方法によれば、本発明の濃縮された髄核幹細胞集団は少なくとも60%の髄核幹細胞を含む。別の実施形態において、本発明の方法によれば、本発明の濃縮された髄核幹細胞集団は少なくとも70%の髄核幹細胞を含む。別の実施形態において、本発明の方法によれば、本発明の濃縮された髄核幹細胞集団は少なくとも80%の髄核幹細胞を含む。別の実施形態において、本発明の方法によれば、本発明の濃縮された髄核幹細胞集団は少なくとも85%の髄核幹細胞を含む。別の実施形態において、本発明の方法によれば、本発明の濃縮された髄核幹細胞集団は少なくとも90%の髄核幹細胞を含む。別の実施形態において、本発明の方法によれば、本発明の濃縮された髄核幹細胞集団は少なくとも95%の髄核幹細胞を含む。
【0034】
別の実施形態において、円板球は、単一の髄核幹細胞に由来する。別の実施形態において、髄核細胞が無血清培地中にプレーティングされた時、円板幹細胞のみが成長する。別の実施形態において、髄核細胞が低細胞密度でプレーティングされた時、円板幹細胞のみが成長する。別の実施形態において、髄核細胞が無血清培地中に低細胞密度でプレーティングされた時、円板幹細胞のみが成長する。別の実施形態において、髄核幹細胞のみが、血清の非存在下で浮遊する孤立性細胞として成長することができる。
【0035】
別の実施形態において、本発明によれば、さらに、円板幹細胞は、細胞の成熟を阻害する化合物を含む無血清培地中で成長させられる。別の実施形態において、本発明によれば、さらに、円板幹細胞は、細胞の成熟を阻害するFGFを含む無血清培地中で成長させられる。別の実施形態において、本発明によれば、さらに、円板幹細胞は、細胞の幼若性を維持する化合物を含む無血清培地中で成長させられる。
【0036】
別の実施形態において、本発明によれば、さらに、円板幹細胞は、TGF−βスーパーファミリーメンバーを含む培地中で成長させられる。別の実施形態において、本発明によれば、さらに、円板幹細胞は、BMPを含む培地中で成長させられる。別の実施形態において、本発明によれば、さらに、本発明のBMPは分化(Id)遺伝子を阻害する。
【0037】
別の実施形態において、本発明によれば、さらに、円板幹細胞は、IL6サイトカインファミリーメンバーを含む培地中で成長させられる。別の実施形態において、本発明によれば、さらに、円板幹細胞は、白血病阻害因子(LIF)を含む培地中で成長させられる。
【0038】
別の実施形態において、本発明によれば、さらに、円板幹細胞は、細胞増殖を促進する化合物を含む無血清培地中で成長させられる。別の実施形態において、本発明によれば、さらに、円板幹細胞は、細胞増殖を促進するEGFを含む無血清培地中で成長させられる。別の実施形態において、本発明によれば、さらに、円板幹細胞は、インターロイキン−2(IL−2)を含む無血清培地中で成長させられる。別の実施形態において、本発明によれば、さらに、円板幹細胞は、インターロイキン−6(IL−6)を含む無血清培地中で成長させられる。別の実施形態において、本発明によれば、さらに、円板幹細胞は、幹細胞因子(SCF)を含む無血清培地中で成長させられる。別の実施形態において、本発明によれば、さらに、円板幹細胞は、白血病阻害因子(LIF)を含む無血清培地中で成長させられる。別の実施形態において、本発明によれば、さらに、円板幹細胞は、形質転換成長因子−β(TGF−β)を含む無血清培地中で成長させられる。別の実施形態において、本発明によれば、さらに、円板幹細胞は、細胞分化を阻害する化合物を含む無血清培地中で成長させられる(実施例1ならびに材料及び方法)。
【0039】
別の実施形態において、本発明の円板幹細胞は増殖し、さらなる幹細胞を生じさせる。別の実施形態において、本発明の円板幹細胞は増殖し、円板前駆細胞を生じさせる。別の実施形態において、本発明の円板幹細胞は増殖し、それゆえに円板球を形成する。別の実施形態において、本発明の円板球は、円-球構造で配置された髄核幹細胞及び髄核前駆細胞を含む。別の実施形態において、円板球は、単一の円板幹細胞がそれ自身のクローン(対称性分裂)及び前駆細胞を生じさせる細胞の球である。別の実施形態において、本発明の円板球は、円−球構造で配置された浮遊性の髄核幹細胞及び髄核前駆細胞を含む。別の実施形態において、円板球を含む髄核細胞は互いに付着している。
【0040】
別の実施形態において、用語「髄核幹細胞」及び「円板幹細胞」は置き換え可能に使用される。別の実施形態において、用語「髄核前駆細胞」及び「円板前駆細胞」は置き換え可能に使用される。
【0041】
別の実施形態において、用語「円板球」は、単一の円板幹細胞がそれ自身のクローン(対称性分裂)及び前駆細胞を生じさせる細胞の球を含む。別の実施形態において、用語「前駆細胞」は、可塑的潜在能力及び高増殖率を有する未成熟な幹様細胞を指す。この細胞は、全てとは言えないにしても多くの末端分化した組織細胞を生じさせることができるが、その名が示す通り、円板幹細胞ではない。
【0042】
別の実施形態において、本発明の方法によれば、円板幹細胞を単離するために、一定の環境条件を作り出すことによって、単一細胞懸濁液を調製する。別の実施形態において、本発明の方法によれば、円板球を産出するために、一定の環境条件を作り出すことによって、単一細胞懸濁液を調製する。
【0043】
別の実施形態において、本発明の方法によれば、単一細胞懸濁液は、加湿された培養器内で37℃でインキュベートされる。別の実施形態において、本発明の方法によれば、単一細胞懸濁液は、加湿された培養器内で35℃でインキュベートされる。別の実施形態において、本発明の方法によれば、単一細胞懸濁液は、加湿された培養器内で36℃でインキュベートされる。別の実施形態において、本発明の方法によれば、単一細胞懸濁液は、加湿された培養器内で38℃でインキュベートされる。別の実施形態において、本発明の方法によれば、単一細胞懸濁液は、加湿された培養器内で39℃でインキュベートされる。別の実施形態において、本発明の方法によれば、単一細胞懸濁液は、加湿された培養器内で40℃でインキュベートされる。別の実施形態において、本発明の方法によれば、単一細胞懸濁液は、加湿された培養器内で41℃でインキュベートされる。別の実施形態において、本発明の方法によれば、単一細胞懸濁液は、加湿された培養器内で42℃でインキュベートされる。
【0044】
別の実施形態において、本発明の方法によれば単一細胞懸濁液は、さらに3〜8%のCOを維持する培養器内でインキュベートされる。別の実施形態において、本発明の方法によれば、単一細胞懸濁液は、さらに4%のCOを維持する培養器内でインキュベートされる。別の実施形態において、本発明の方法によれば、単一細胞懸濁液は、さらに5%のCOを維持する培養器内でインキュベートされる。別の実施形態において、本発明の方法によれば、単一細胞懸濁液は、さらに6%のCOを維持する培養器内でインキュベートされる。
【0045】
別の実施形態において、本発明の方法によれば、単一細胞懸濁液は、さらに60〜100%の湿度を維持する培養器内でインキュベートされる。別の実施形態において、本発明の方法によれば、単一細胞懸濁液は、さらに70〜100%の湿度を維持する培養器内でインキュベートされる。別の実施形態において、本発明の方法によれば、単一細胞懸濁液は、さらに80〜100%の湿度を維持する培養器内でインキュベートされる。別の実施形態において、本発明の方法によれば、単一細胞懸濁液は、さらに90〜100%の湿度を維持する培養器内でインキュベートされる。別の実施形態において、本発明の方法によれば、単一細胞懸濁液は、さらに95〜100%の湿度を維持する培養器内でインキュベートされる。
【0046】
別の実施形態において、本発明の方法によれば、単一細胞懸濁液は、1×10細胞/ml未満の最終密度でプレーティングされる。別の実施形態において、本発明の方法によれば、単一細胞懸濁液は、5×10細胞/ml未満の最終密度でプレーティングされる。別の実施形態において、本発明の方法によれば、単一細胞懸濁液は、1×10細胞/ml未満の最終密度でプレーティングされる。別の実施形態において、本発明の方法によれば、単一細胞懸濁液は、8×10細胞/ml未満の最終密度でプレーティングされる。別の実施形態において、本発明の方法によれば、単一細胞懸濁液は、6×10細胞/ml未満の最終密度でプレーティングされる(実施例1)。
【0047】
別の実施形態において、本発明は、円板幹細胞を含む組成物を提供する。別の実施形態において、本発明は、髄核幹細胞が濃縮された髄核細胞の集団を含む組成物を含む。別の実施形態において、組成物は、円板幹細胞を誘導して増殖させ、円板幹細胞の子孫を発生させることができる、本明細書に記載された環境のような、適切な環境をさらに含む。別の実施形態において、用語「円板幹細胞の子孫が置かれる環境」は、円板幹細胞の成長及び発達に影響を及ぼしかつそれらを左右する外部もしくは外因性の物理的及び/または化学的条件の組み合わせを指す。別の実施形態において、環境は、エクスビボまたはインビボであることができる。別の実施形態において、円板スキャフォールドは、円板幹細胞を誘導して子孫を発生させるインビボ環境として役立つことができる。別の実施形態において、環境はエクスビボであり、培養器内の細胞培養物培地中に置かれた円板幹細胞を含む。
【0048】
別の実施形態において、本発明は、円板幹細胞及び培地を含む組成物を提供する。別の実施形態において、培地は無血清培地である。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された上皮性成長因子(EGF)をさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された1〜10ng/mlのEGFをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された1〜100ng/mlのEGFをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された20〜50ng/mlのEGFをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された50〜100ng/mlのEGFをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された5〜15ng/mlのEGFをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された8〜12ng/mlのEGFをさらに含む。
【0049】
別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充されたFGFをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、線維芽細胞成長因子2(FGF2)をさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された1〜100ng/mlのFGF2をさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された20〜50ng/mlのFGF2をさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された50〜100ng/mlのFGF2をさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された5〜15ng/mlのFGF2をさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された8〜12ng/mlのFGF2をさらに含む。
【0050】
別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充されたインスリンをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された1〜100μg/mlのインスリンをさらに含む(実施例1)。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された20〜50μg/mlのインスリンをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された50〜100μg/mlのインスリンをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された5〜15μg/mlのインスリンをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された8〜12μg/mlのインスリンをさらに含む。
【0051】
別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充されたプロゲステロンをさらに含む(実施例1)。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された1〜200ng/mlのプロゲステロンをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された20〜200ng/mlのプロゲステロンをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された50〜150ng/mlのプロゲステロンをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された10〜100ng/mlのプロゲステロンをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された20〜80ng/mlのプロゲステロンをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された30〜50ng/mlのプロゲステロンをさらに含む。
【0052】
別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充されたプトレシンをさらに含む(実施例1)。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された1〜800ng/mlのプトレシンをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された1〜100ng/mlのプトレシンをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された100〜300ng/mlのプトレシンをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された300〜500ng/mlのプトレシンをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された500〜800ng/mlのプトレシンをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された150〜250ng/mlのプトレシンをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された180〜220ng/mlのプトレシンをさらに含む。
【0053】
別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充されたトランスフェリンをさらに含む(実施例1)。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された1〜400ng/mlのトランスフェリンをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された1〜100ng/mlのトランスフェリンをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された100〜200ng/mlのトランスフェリンをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された200〜400ng/mlのトランスフェリンをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された20〜150ng/mlのトランスフェリンをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された80〜200ng/mlのトランスフェリンをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された80〜120ng/mlのトランスフェリンをさらに含む。
【0054】
別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された亜セレン酸ナトリウムをさらに含む(実施例1)。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された1〜400ng/mlの亜セレン酸ナトリウムをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された1〜100ng/mlの亜セレン酸ナトリウムをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された100〜200ng/mlの亜セレン酸ナトリウムをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された200〜400ng/mlの亜セレン酸ナトリウムをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された20〜150ng/mlの亜セレン酸ナトリウムをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された40〜180ng/mlの亜セレン酸ナトリウムをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された40〜80ng/mlの亜セレン酸ナトリウムをさらに含む。
【0055】
別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充されたメチルセルロースをさらに含む(実施例1)。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された0.5〜10%のメチルセルロースをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された0.5〜3%のメチルセルロースをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された3〜5%のメチルセルロースをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された5〜8%のメチルセルロースをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された7〜10%のメチルセルロースをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された0.5〜2.5%のメチルセルロースをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された1〜2.5%のメチルセルロースをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された1.5〜2.5%のメチルセルロースをさらに含む。
【0056】
別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された抗生物質をさらに含む(実施例1)。別の実施形態において、培地に補充される抗生物質は、ペニシリン-ストレプトマイシンである。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された1000〜10000U/mlのペニシリン-ストレプトマイシンをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された1000〜3000U/mlのペニシリン-ストレプトマイシンをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された3000〜6000U/mlのペニシリン-ストレプトマイシンをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された6000〜10000U/mlのペニシリン-ストレプトマイシンをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された3000〜8000U/mlのペニシリン-ストレプトマイシンをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された4000〜6000U/mlのペニシリン-ストレプトマイシンをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された5000U/mlのペニシリン-ストレプトマイシンをさらに含む。
【0057】
別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充されたKO血清代替物をさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された0.5〜30%のKO血清代替物をさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された5〜30%のノックアウト(KO)血清代替物をさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された3〜5%のKO血清代替物をさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された5〜15%のKO血清代替物をさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された15〜30%のKO血清代替物をさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された10〜20%のKO血清代替物をさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された15〜25%のKO血清代替物をさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された20%のKO血清代替物をさらに含む。
【0058】
別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された非必須アミノ酸をさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された0.1〜10%の非必須アミノ酸をさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された0.1〜1%の非必須アミノ酸をさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された1〜5%の非必須アミノ酸をさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された5〜10%の非必須アミノ酸をさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された15〜30%の非必須アミノ酸をさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された0.5〜1%の非必須アミノ酸をさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された0.8〜1.2%の非必須アミノ酸をさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された1%の非必須アミノ酸をさらに含む。
【0059】
別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充されたL−グルタミンをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された0.1〜10mMのL−グルタミンをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された0.1〜5mMのL−グルタミンをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された5〜10mMのL−グルタミンをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された5〜8mMのL−グルタミンをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された0.5〜2.5mMのL−グルタミンをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された1.5〜3mMのL−グルタミンをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された0.5〜1.5mMのL−グルタミンをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された0.8〜1.2mMのL−グルタミンをさらに含む。
【0060】
別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充されたb-メルカプトエタノールをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された0.01〜1mMのb−メルカプトエタノールをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された0.01〜0.5mMのb−メルカプトエタノールをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された0.5〜1mMのb−メルカプトエタノールをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された0.5〜0.8mMのb−メルカプトエタノールをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された0.05〜0.25mMのb−メルカプトエタノールをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された0.15〜0.3mMのb−メルカプトエタノールをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された0.05〜0.15mMのb−メルカプトエタノールをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された0.08〜0.12mMのb−メルカプトエタノールをさらに含む。
【0061】
別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)を含む培地をさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、DMEM/F12を含む培地をさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、ハム培養培地を含む培地をさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、ハム/F12培養培地を含む培地をさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、ESGRO CompleteTM AccutaseTMを含む培地をさらに含む。別の実施形態において、ESGRO CompleteTM AccutaseTMは、ESGRO CompleteTM Clonal Grade Mediumを用いて無血清条件で培養された幹細胞の剥離に使用するのに適したタンパク質分解酵素及びコラーゲン分解酵素の細胞剥離溶液である。別の実施形態において、ダルベッコPBS中の1X Accutase(商標)酵素は、0.5mM EDTA・4Na及び3mg/Lフェノールを含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、HEScGRO hES細胞培地(Chemicon Temecula, CA)を含む培地をさらに含む。
【0062】
別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、超低付着プレートに円板幹細胞をプレーティングするのに使用される。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、接着防止物質でプレコーティングされた超低付着プレートに円板幹細胞をプレーティングするのに使用される。別の実施形態において、接着防止物質は、ポリ2-ヒドロキシエチルメトアクリレートである。
【0063】
別の実施形態において、本発明は、単離された円板球を提供する。別の実施形態において、本発明の円板幹細胞は、単離された円板球を生じさせる。別の実施形態において、本発明の円板球は、さらなる幹細胞及び前駆細胞を生じさせる幹細胞増殖の結果である。別の実施形態において、円板球は、円板幹細胞増殖の結果として形成される。
【0064】
別の実施形態において、本発明の単離された円板球は、円-球構造で配置された髄核幹細胞及び髄核前駆細胞を含む。別の実施形態において、単離された円板球は、単一の円板幹細胞がそれ自身のクローン(対称性分裂)及び前駆細胞を生じさせる細胞の球である。別の実施形態において、本発明の円板球は、円-球構造で配置された髄核幹細胞及び髄核前駆細胞の浮遊性集塊物である。別の実施形態において、本発明の円板球培養物は、孤立性の浮遊性円板球を含む。
【0065】
別の実施形態において、本発明の方法によれば、本発明の円板球の単離は光学顕微鏡下で当業者によって容易に実施される。
【0066】
別の実施形態において、本発明の方法によれば、円板幹細胞を単離するために、円板幹細胞を無血清培地中にプレーティングしかつインキュベートすることによって、単一細胞懸濁液が調製される。別の実施形態において、本発明の方法によれば、円板球を産出するために、円板幹細胞を無血清培地中にプレーティングしかつインキュベートすることによって、単一細胞懸濁液が調製される。
【0067】
別の実施形態において、本発明は、円板球を産出する方法であって、髄核細胞の培養物を無血清培地中で成長させ、それにより円板球を産出するステップを含む方法を提供する。別の実施形態において、本発明によれば、髄核細胞の初代培養物を無血清培地中で成長させることが、髄核幹細胞を選択することになる。別の実施形態において、髄核の残りの単離された培養物は、本発明の円板球を生じさせる。別の実施形態において、髄核幹細胞の残りの濃縮された培養物は、本発明の円板球を生じさせる。別の実施形態において、本発明の方法による円板球は、本発明の組成物中で成長する。別の実施形態において、本発明の方法による円板球は、本発明の補充された培地中で成長する。別の実施形態において、本発明の方法による円板球は、細胞−基質接着を許さない条件下で成長する。別の実施形態において、細胞−基質接着を許さない条件は、例えば、本発明の細胞培養培地への約0.2〜2%のメチルセルロースの添加を含む。
【0068】
別の実施形態において、本発明は、円板球を含む組成物を提供する。別の実施形態において、本発明の組成物は、単一の円板球を含む。別の実施形態において、本発明の組成物は、少なくとも1×10個の円板球を含む。別の実施形態において、本発明の組成物は、少なくとも1×10個の円板球を含む。別の実施形態において、本発明の組成物は、少なくとも1×10個の円板球を含む。別の実施形態において、本発明の組成物は、少なくとも1×10個の円板球を含む。別の実施形態において、本発明の組成物は、少なくとも1×10個の円板球を含む。
【0069】
別の実施形態において、本発明の組成物は、円板球及び培地を含む。別の実施形態において、培地は、無血清培地である。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充されたEGFをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された1〜10ng/mlのEGFをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された1〜100ng/mlのEGFをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された20〜50ng/mlのEGFをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された50〜100ng/mlのEGFをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された5〜15ng/mlのEGFをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された8〜12ng/mlのEGFをさらに含む。
【0070】
別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充されたFGFをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充されたFGF2をさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された1〜100ng/mlのFGF2をさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された20〜50ng/mlのFGF2をさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された50〜100ng/mlのFGF2をさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された5〜15ng/mlのFGF2をさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された8〜12ng/mlのFGF2をさらに含む。
【0071】
別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充されたインスリンをさらに含む(実施例2ならびに材料及び方法)。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された1〜100μg/mlのインスリンをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された20〜50μg/mlのインスリンをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された50〜100μg/mlのインスリンをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された5〜15μg/mlのインスリンをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された3〜7μg/mlのインスリンをさらに含む。
【0072】
別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充されたプロゲステロンをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された1〜200ng/mlのプロゲステロンをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された20〜200ng/mlのプロゲステロンをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された50〜150ng/mlのプロゲステロンをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された10〜100ng/mlのプロゲステロンをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された20〜80ng/mlのプロゲステロンをさらに含む。別の実施形態において、円板幹細胞を含む組成物は、培地に補充された15〜25ng/mlのプロゲステロンをさらに含む。
【0073】
別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充されたプトレシンをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された1〜800ng/mlのプトレシンをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された1〜100ng/mlのプトレシンをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された100〜300ng/mlのプトレシンをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された300〜500ng/mlのプトレシンをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された500〜800ng/mlのプトレシンをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された150〜250ng/mlのプトレシンをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された140〜160ng/mlのプトレシンをさらに含む。
【0074】
別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充されたトランスフェリンをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された1〜400ng/mlのトランスフェリンをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された1〜100ng/mlのトランスフェリンをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された100〜200ng/mlのトランスフェリンをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された200〜400ng/mlのトランスフェリンをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された20〜150ng/mlのトランスフェリンをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された80〜200ng/mlのトランスフェリンをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された30〜70ng/mlのトランスフェリンをさらに含む。
【0075】
別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された亜セレン酸ナトリウムをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された1〜400ng/mlの亜セレン酸ナトリウムをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された1〜100ng/mlの亜セレン酸ナトリウムをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された100〜200ng/mlの亜セレン酸ナトリウムをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された200〜400ng/mlの亜セレン酸ナトリウムをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された20〜150ng/mlの亜セレン酸ナトリウムをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された40〜180ng/mlの亜セレン酸ナトリウムをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された20〜40ng/mlの亜セレン酸ナトリウムをさらに含む。
【0076】
別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充されたメチルセルロースをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された0.5〜10%のメチルセルロースをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された0.5〜3%のメチルセルロースをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された3〜5%のメチルセルロースをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された5〜8%のメチルセルロースをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された7〜10%のメチルセルロースをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された0.5〜2.5%のメチルセルロースをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された1〜2.5%のメチルセルロースをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された0.6〜1%のメチルセルロースをさらに含む。
【0077】
別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された抗生物質をさらに含む。別の実施形態において、培地に補充された抗生物質は、ペニシリン−ストレプトマイシンである。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された1000〜10000U/mlのペニシリン−ストレプトマイシンをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された1000〜3000U/mlのペニシリン−ストレプトマイシンをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された3000〜6000U/mlのペニシリン−ストレプトマイシンをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された6000〜10000U/mlのペニシリン−ストレプトマイシンをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された3000〜8000U/mlのペニシリン−ストレプトマイシンをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された4000〜6000U/mlのペニシリン−ストレプトマイシンをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された5000U/mlのペニシリン−ストレプトマイシンをさらに含む。
【0078】
別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充されたKO血清代替物をさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された0.5〜30%のKO血清代替物をさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された5〜30%のKO血清代替物をさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された3〜5%のKO血清代替物をさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された5〜15%のKO血清代替物をさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された15〜30%のKO血清代替物をさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された10〜20%のKO血清代替物をさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された15〜25%のKO血清代替物をさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された20%のKO血清代替物をさらに含む。
【0079】
別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された非必須アミノ酸をさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された0.1〜10%の非必須アミノ酸をさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された0.1〜1%の非必須アミノ酸をさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された1〜5%の非必須アミノ酸をさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された5〜10%の非必須アミノ酸をさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された15〜30%の非必須アミノ酸をさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された0.5〜1%の非必須アミノ酸をさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された0.8〜1.2%の非必須アミノ酸をさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された1%の非必須アミノ酸をさらに含む。
【0080】
別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充されたL−グルタミンをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された0.1〜10mMのL−グルタミンをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された0.1〜5mMのL−グルタミンをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された5〜10mMのL−グルタミンをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された5〜8mMのL−グルタミンをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された0.5〜2.5mMのL−グルタミンをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された1.5〜3mMのL−グルタミンをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された0.5〜1.5mMのL−グルタミンをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された0.8〜1.2mMのL−グルタミンをさらに含む。
【0081】
別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充されたb−メルカプトエタノールをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された0.01〜1mMのb−メルカプトエタノールをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された0.01〜0.5mMのb−メルカプトエタノールをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された0.5〜1mMのb−メルカプトエタノールをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された0.5〜0.8mMのb−メルカプトエタノールをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された0.05〜0.25mMのb−メルカプトエタノールをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された0.15〜0.3mMのb−メルカプトエタノールをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された0.05〜0.15mMのb−メルカプトエタノールをさらに含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、培地に補充された0.08〜0.12mMのb−メルカプトエタノールをさらに含む。
【0082】
別の実施形態において、円板球を含む組成物は、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)を含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、DMEM/F12をさらに含む培地を含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、ESGRO CompleteTM AccutaseTMをさらに含む培地を含む。別の実施形態において、ESGRO CompleteTM AccutaseTMは、ESGRO CompleteTM Clonal Grade Mediumを用いて無血清条件で培養された幹細胞の剥離に使用するのに適したタンパク質分解酵素及びコラーゲン分解酵素の細胞剥離溶液である。別の実施形態において、ダルベッコPBS中の1X Accutase(商標)酵素は、0.5mM EDTA・4Na及び3mg/Lフェノールを含む。別の実施形態において、円板球を含む組成物は、HEScGRO hES細胞培地(Chemicon Temecula, CA)を含む培地を含む。
【0083】
別の実施形態において、本発明によれば、本発明の方法によって得られる円板球をさらに拡大する。別の実施形態において、本発明によれば、円板球は、コラゲナーゼが補充されたDMEM/F12培地における37℃でのインキュベーションによって解離される。別の実施形態において、本発明によれば解離した細胞は、メチルセルロースベースの培地中にそれを再プレーティングすることによって拡大される。
【0084】
別の実施形態において、本発明の方法によれば、円板組織を成長させる時に、培地に8〜20%胎仔ウシ血清(FBS)を補充する。別の実施形態において、本発明の方法によれば、円板組織をスキャフォールド内で成長させる時に、培地に8〜20%胎仔ウシ血清(FBS)を補充する。別の実施形態において、培地は、初代ヒト包皮線維芽細胞の培養に由来する30〜70%培地、またはその組み合わせを含む。別の実施形態において、本発明の方法によれば、円板幹細胞、円板前駆細胞、またはその組み合わせを成長させる時に、培地は血清を含まない。別の実施形態において、本発明の方法によれば、円板幹細胞、円板前駆細胞、またはその組み合わせを成長させる時に培地は血清代替物を含まない。別の実施形態において、本発明の方法によれば、円板幹細胞を成長させる時に培地はFBSを含まない。別の実施形態において、本発明の方法によれば、髄核幹細胞を成長させる時に培地はFBSを含まない。別の実施形態において、本発明の方法によれば、前駆細胞を成長させる時に培地はFBSを含まない。別の実施形態において、本発明の方法によれば、髄核前駆細胞を成長させる時に培地はFBSを含まない。
【0085】
別の実施形態において、本発明の方法によれば、円板幹細胞または円板前駆細胞を単離する時に、培地は血清または血清代替物を含まない。別の実施形態において、本発明の方法によれば、円板幹細胞、円板前駆細胞、またはその組み合わせの不均質な細胞の集団を濃縮する時に、培地は血清または血清代替物を含まない。別の実施形態において、本発明の方法によれば、円板幹細胞、円板前駆細胞、またはその組み合わせを含む円板球を成長させる時に、培地は血清または血清代替物を含まない。別の実施形態において、本発明の方法によれば、円板幹細胞、円板前駆細胞、またはその組み合わせを含む培養物を拡大する時に、培地は血清または血清代替物を含まない。別の実施形態において、本発明の方法によれば、円板幹細胞、円板前駆細胞、またはその組み合わせが濃縮された培養物を拡大する時に、培地は血清または血清代替物を含まない。
【0086】
別の実施形態において、本発明は、髄核細胞を含む円板代替装置を提供する。別の実施形態において、本発明は、髄核細胞を含む人工円板を提供する。別の実施形態において、円板代替装置は、椎間円板代替装置である。別の実施形態において、椎間円板は、隣接椎体終体の陥凹状関節面の間にある。別の実施形態において、本発明の円板代替装置は、屈曲、伸展、側方屈曲、及び回転などの動きを可能にする。別の実施形態において、本発明の円板代替装置を用いて、負傷または損傷した椎間円板を修復及び/または代替する。別の実施形態において、本発明の円板代替装置は、高負荷を支えるための、患者の椎骨の安定性と十分な可動性及び適切な脊柱負荷分布を患者に提供するための柔軟性の両方を組み合わせる人工関節円板を提供する。
【0087】
別の実施形態において、円板代替装置は、円板スキャフォールドを含む。別の実施形態において、スキャフォールドは、形状記憶合金を含む。別の実施形態において、形状記憶合金は、そのマルテンサイト相の間に変形し得るが、オーステナイト相温度などの、一定の温度を超えて加熱された時に、その元の形状を取り戻す。別の実施形態において、本発明の形状記憶合金は、超弾性特性を示し、それによりその構造を損傷することなく大きい変形を吸収することができる。
【0088】
別の実施形態において、円板代替装置は、椎骨接触面から伸びて、椎体に広がる突起を有する脊椎の間に嵌まる剛体を含む。別の実施形態において、円板代替装置は、脊椎円板の代替用の円板関節形成装置を含む。別の実施形態において、円板代替装置は、回転を可能にする球状関節を含む。別の実施形態において、円板代替装置は、上関節部と下関節部の間の動きを可能にする中間層を含む。
【0089】
別の実施形態において、円板代替装置は、脊椎骨の上面及び底面に固定されている2つの終板を含む。別の実施形態において、円板代替装置は、脊椎骨の上面及び底面に固定されている2つの金属製終板を含む。別の実施形態において、金属は、コバルトクロム合金である。別の実施形態において、終板を、髄核細胞接着分子でコーティングする。別の実施形態において、終板を、髄核細胞成長を促進する分子でコーティングする。
【0090】
別の実施形態において、円板代替装置はセラミックスを含む。別の実施形態において、円板代替装置は注射可能な流体を含む。別の実施形態において、円板代替装置はハイドロゲルを含む。別の実施形態において、円板代替装置は、柔軟で、弾力性のない、織られたポリエチレン被覆物の中にハイドロゲルコアを含む。別の実施形態において、円板代替装置はポリビニルアルコール材料を含む。別の実施形態において、円板代替装置はインフレータブルを含む。別の実施形態において、円板代替装置は弾性コイルを含む。別の実施形態において、円板代替装置は細長い弾性記憶コイリングスパイラルを含む。別の実施形態において、細長い弾性記憶コイリングスパイラルは、ポリカーボネートウレタンでできている。別の実施形態において、円板代替装置は、半関節形成術として下椎体に固定する凸表面のセラミックまたは金属のワンピースインプラントを含む。別の実施形態において、円板代替装置は、ポリウレタンでできた風船状のインプラントを含む。別の実施形態において、円板代替装置はタンパク質ハイドロゲルを含む。別の実施形態において、円板代替装置はサーモポリマーを含む。
【0091】
別の実施形態において、円板スキャフォールドはECM成分を含む。別の実施形態において、ECM成分は構造タンパク質である。別の実施形態において、円板スキャフォールドはコラーゲンを含む。別の実施形態において、構造タンパク質はエラスチンである。いくつかの実施形態において、ECM成分は特殊なタンパク質である。別の実施形態において、特殊なタンパク質はフィブリリンである。別の実施形態において、特殊なタンパク質はフィブロネクチンである。別の実施形態において、特殊なタンパク質はラミニンである。いくつかの実施形態において、ECM成分はプロテオグリカンである。1つの実施形態において、プロテオグリカンは、極めて複雑な高分子量成分を形成するグリコサミノグリカン(GAG)と呼ばれる繰り返し二糖単位の長い鎖が付着するタンパク質コアから構成される。
【0092】
別の実施形態において、コラーゲンはI型コラーゲンである。別の実施形態において、I型コラーゲンは[a1(I)]2[a(I)]鎖を含む。別の実施形態において、I型コラーゲンは、皮膚、腱、または骨に由来する。
【0093】
別の実施形態において、コラーゲンはII型コラーゲンである。別の実施形態において、II型コラーゲンは[a1(II)]3鎖を含む。別の実施形態において、II型コラーゲンは軟骨または硝子体液に由来する。別の実施形態において、II型コラーゲン細線維は、IX型コラーゲンによってマトリックス中でプロテオグリカンに交差結合している。
【0094】
別の実施形態において、コラーゲンはIII型コラーゲンである。別の実施形態において、III型コラーゲンは[a1(III)]3鎖を含む。別の実施形態において、III型コラーゲンは、皮膚または筋肉に由来し、多くの場合I型と共に見出される。
【0095】
別の実施形態において、コラーゲンはIV型コラーゲンである。別の実施形態において、IV型コラーゲンは[a1(IV)2[a2(IV)]鎖を含む。別の実施形態において、IV型コラーゲンは基底膜に由来する。
【0096】
別の実施形態において、コラーゲンは、V型コラーゲンである。別の実施形態において、V型コラーゲンは、[a1(V)][a2(V)][a3(V)]鎖を含む。別の実施形態において、V型コラーゲンは、I型コラーゲンと関連した間質組織に由来する。
【0097】
別の実施形態において、コラーゲンはVI型コラーゲンである。別の実施形態において、VI型コラーゲンは[a1(VI)][a2(VI)][a3(VI)]鎖を含む。別の実施形態において、VI型コラーゲンは、I型コラーゲンと関連した間質組織に由来する。別の実施形態において、VI型コラーゲンは、約40nm長の球状ドメインによって隔てられた約60nm長の比較的短い3重らせん領域からなる。いくつかの実施形態において、純粋なVI型コラーゲンの細線維は、糸に通したビーズと同様の構造を形成する。
【0098】
1つの実施形態において、コラーゲンはVII型コラーゲンである。1つの実施形態において、VII型コラーゲンは[a1(VII)]3鎖を含む。別の実施形態において、VII型コラーゲンは上皮に由来する。
【0099】
別の実施形態において、コラーゲンはVIII型コラーゲンである。別の実施形態において、VIII型コラーゲンは[a1(VIII)]3鎖を含む。別の実施形態において、VII型コラーゲンは内皮細胞に由来する。
【0100】
別の実施形態において、コラーゲンはIX型コラーゲンである。別の実施形態において、IX型コラーゲンは[a1(IX)][a2(IX)][a3(IX)]鎖を含む。別の実施形態において、IX型コラーゲンはII型コラーゲンと関連した軟骨に由来する。
【0101】
別の実施形態において、コラーゲンはX型コラーゲンである。別の実施形態において、X型コラーゲンは[a1(X)]3鎖を含む。別の実施形態において、X型コラーゲンは肥大性でかつ鉱化する軟骨に由来する。
【0102】
別の実施形態において、コラーゲンはXI型コラーゲンである。別の実施形態において、XI型コラーゲンは[a1(XI)][a2(XI)][a3(XI)]鎖を含む。別の実施形態において、XI型コラーゲンは軟骨に由来する。
【0103】
別の実施形態において、コラーゲンはXII型コラーゲンである。別の実施形態において、XII型コラーゲンはa1(XII)鎖を含む。別の実施形態において、XII型コラーゲンは、I型及びIII型コラーゲンが存在する部位に由来する。
【0104】
別の実施形態において、I型コラーゲン分子は、横に並んで密集し、50〜200nmの直径を有する細線維を形成する。いくつかの実施形態において、細線維、つまり、隣接するコラーゲン分子は、互いから67nm、すなわち、その長さのもう4分の1程離れている。いくつかの実施形態において、I型、II型、III型、及びV型コラーゲンは、横並びの相互作用を介して棒状の3重らせんを形成する。
【0105】
別の実施形態において、本発明のコラーゲンはウシに由来する。別の実施形態において、本発明のコラーゲンは、患者自身の脂肪またはヒアルロン酸に由来する。
【0106】
別の実施形態において、コラーゲンはコラーゲン様物質である。この物質は、コラーゲンを水に溶かし、このように溶かしたコラーゲンを修飾することによって、その表面の電荷が修飾前よりも効果的に正になるように修飾されている。別の実施形態において、この材料は周知であり、例えば、特許文献1に開示されている。別の実施形態において、修飾されたコラーゲンは、凍結乾燥されて、ゼラチンの固体塊を形成する。いくつかの実施形態において、ゼラチンの塊は、棒状、ストリップ状、薄膜状、またはフレーク状で形成されてもよい。
【0107】
別の実施形態において、本発明で使用するのに好適であるその他の形態のコラーゲンとしては、Semed F(いかなる化学的または酵素的修飾もせずにネイティブな線維形態で製造されたコラーゲン調製物)、及びSemed S(新鮮なウシの皮から抽出された凍結乾燥コラーゲン粉末)が挙げられる。別の実施形態において、Semed F材料がI型コラーゲンである(95%超)のに対し、Semed Sは、I型及びIII型コラーゲン巨大分子の混合物である。この巨大分子の中では、天然のらせん配向にあるトロポコラーゲンの形状及び寸法が保持されている。
【0108】
別の実施形態において、凍結乾燥されるべき液体中のコラーゲンの濃度の範囲は、0.5〜10%、好ましくは1〜5%であることができ、より低い濃度は、低密度固体または不連続固体を形成する。別の実施形態において、0.5〜1%のより低い濃度で、Semed Fは、密度の高いクモの巣に近い構造を形成する。
【0109】
別の実施形態において、薄膜の強度が保たれ、コラーゲンポリマーの3重らせん構造が無傷で維持されている、ネイティブなコラーゲン薄膜を、単独でまたはそれと一緒に組み入れられる可塑剤と共に、使用することもできる。
【0110】
別の実施形態において、ゼラチンまたはその他の水溶性形態のコラーゲンを利用する。別の実施形態において、可溶性形態のコラーゲンは、体温で容易に重合し、安定な皮下ゲルを形成する。別の実施形態において、可溶性形態のコラーゲンが体内に移植された時、重合材料には、体内に移植された髄核細胞及び宿主線維芽細胞が速やかに集合するようになる。いくつかの実施形態において、この材料に血管が発達するようになり、組織学的に安定であり続けることができる。別の実施形態において、この材料に血管が発達するようになり、少なくとも4か月間、組織学的に安定であり続けることができる。別の実施形態において、この材料に血管が発達するようになり、少なくとも6か月間、組織学的に安定であり続けることができる。別の実施形態において、この材料に血管が発達するようになり、少なくとも8か月間、組織学的に安定であり続けることができる。別の実施形態において、この材料に血管が発達するようになり、少なくとも10か月間、組織学的に安定であり続けることができる。別の実施形態において、この材料に血管が発達するようになり、少なくとも12か月間、組織学的に安定であり続けることができる。別の実施形態において、この材料に血管が発達するようになり、少なくとも15か月間、組織学的に安定であり続けることができる。別の実施形態において、この材料に血管が発達するようになり、少なくとも18か月間、組織学的に安定であり続けることができる。
【0111】
別の実施形態において、本発明は、各段階の最も望ましい特色を得るために、本発明の様々な種類のコラーゲンの混合物を提供する。
【0112】
別の実施形態において、フィブロネクチンは、2つの類似したペプチドの二量体である。別の実施形態において、フィブロネクチンの各鎖は、長さ60〜70nm、厚さ2〜3nmである。別の実施形態において、フィブロネクチンは、各々ヘパラン硫酸、コラーゲン(I型、II型、及びIII型コラーゲンの別々のドメイン)、ならびにフィブリンならびに細胞表面受容体などの異なる基質に対する高い親和性を有する少なくとも6つのしっかりと折り畳まれたドメインを含む。
【0113】
別の実施形態において、ラミニン分子は、α鎖、β鎖、及びγ鎖から組み立てられたヘテロ三量体である。いくつかの実施形態において、ラミニンは、独立したネットワークを形成し、エンタクチンを介してIV型コラーゲンネットワークと関連し、またパールカンと関連する。いくつかの実施形態において、ラミニンは、細胞の生存、付着、及び分化、細胞の形状及び運動、組織表現型の維持、ならびに組織生存の促進に寄与する。
【0114】
別の実施形態において、プロテオグリカンは、コンドロイチン硫酸鎖及びデルマタン硫酸鎖を含む。別の実施形態において、プロテオグリカンは、ヘパリン鎖及びヘパラン硫酸鎖を含む。別の実施形態において、プロテオグリカンは、ケラタン硫酸鎖を含む。別の実施形態において、プロテオグリカンは、軟骨中の主要プロテオグリカンである、アグリカンである。別の実施形態において、プロテオグリカンは、血管及び皮膚を含む多くの成体組織に存在する、バーシカンである。別の実施形態において、プロテオグリカンは、小型ロイシンリッチリピートプロテオグリカン(SLRP)である。別の実施形態において、SLRPとして、デコリン、ビグリカン、フィブロモジュリン、及びルミカンが挙げられる。
【0115】
別の実施形態において、細胞外マトリックス成分を小片化(morselized)する。別の実施形態において、細胞外マトリックスタンパク質の小片化は、髄核細胞付着の表面積を増大させる。別の実施形態において、細胞外マトリックスタンパク質の小片化は、円板球付着のための表面積を増大させる。別の実施形態において、細胞外マトリックスタンパク質の小片化は、円板幹細胞付着のための表面積を増大させる。別の実施形態において、細胞外マトリックスタンパク質の小片化は、円板前駆細胞付着のための表面積を増大させる。別の実施形態において、細胞外マトリックスタンパク質の小片化は、表面積を増大させ、それによりインプラントへの栄養分の拡散及びインプラントからの老廃物の拡散を助ける。別の実施形態において、細胞外マトリックスタンパク質の小片化は、針または小型カニューレによる円板スキャフォールドへの髄核細胞の導入を可能にする。別の実施形態において、細胞外マトリックスタンパク質の小片化は、針または小型カニューレによる円板スキャフォールドへの円板球の導入を可能にする。別の実施形態において、細胞付着のために、円板スキャフォールドの中に小さい穴を開けることができる。
【0116】
別の実施形態において、本発明によれば、円板スキャフォールドは動物またはヒトから得られる。別の実施形態において、本発明によれば、円板スキャフォールドは無傷で残った椎体終体を有する椎間円板である。別の実施形態において、本発明によれば、円板スキャフォールドは無傷で残った椎体終体を有するウサギの椎間円板である(実施例3)。別の実施形態において、本発明によれば、円板スキャフォールドは無傷で残った椎体終体を有するイヌの椎間円板である。別の実施形態において、本発明によれば、円板スキャフォールドは無傷で残った椎体終体を有するウマの椎間円板である。別の実施形態において、本発明によれば、円板スキャフォールドは無傷で残った椎体終体を有するサルの椎間円板である。別の実施形態において、本発明によれば、円板スキャフォールドは無傷で残った椎体終体を有するブタの椎間円板である。別の実施形態において、本発明によれば、円板スキャフォールドは無傷で残った椎体終体を有するウシの椎間円板である。別の実施形態において、本発明によれば、コラーゲンを含む円板スキャフォールドはセラミックまたは金属などの追加の材料をさらに含む。
【0117】
別の実施形態において、本発明によれば、円板代替装置は髄核細胞を含む。別の実施形態において、本発明によれば、円板代替装置はヒト髄核細胞を含む。別の実施形態において、本発明によれば、円板代替装置は髄核幹細胞を含む。別の実施形態において、本発明によれば、円板代替装置は髄核前駆細胞を含む。別の実施形態において、本発明によれば、円板代替装置は本発明の円板球を含む。
【0118】
別の実施形態において、円板代替装置は培地をさらに含む。別の実施形態において、培地は本発明の細胞培養培地を含む(実施例3)。
【0119】
別の実施形態において、本発明は、人工円板を作製する方法であって、円板スキャフォールド内で円板球を成長させるステップを含む方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、椎間円板代替装置を作製する方法であって、円板スキャフォールド内で円板球を成長させるステップを含む方法を提供する。別の実施形態において、円板球を円板スキャフォールドの上に投与する。別の実施形態において、円板球を、円板スキャフォールド内にコラーゲンを含む層の中に投与する。別の実施形態において、円板球を、円板スキャフォールド内にコラーゲンを含む層の上に投与する。別の実施形態において、円板球を、円板スキャフォールドの中に注入する(実施例4)。別の実施形態において、円板球を、円板スキャフォールドの上に注入する。別の実施形態において、円板球を、円板スキャフォールド内にコラーゲンを含む層の中に投与する。別の実施形態において、円板球を、円板スキャフォールド内にコラーゲンを含む層の上に注入する。別の実施形態において、本発明の円板球を、本発明の組成物と一緒に、円板スキャフォールドの中または上に、塗布または注入する。別の実施形態において、本発明の円板球を、10%FCSが補充されたDMEM/F12培地と一緒に、円板スキャフォールドの中または上に、塗布または注入する。
【0120】
別の実施形態において、本発明は、椎間円板代替装置を作製する方法であって、円板スキャフォールド内で髄核細胞を成長させるステップを含む方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、脊椎円板組織を産出する方法であって、円板スキャフォールド内で円板球を成長させ、それにより脊椎円板組織を産出するステップを含む方法を提供する。別の実施形態において、本発明の脊椎円板組織は、本発明の円板スキャフォールドを含む。別の実施形態において、本発明の脊椎円板組織は、本発明の髄核細胞を含む。別の実施形態において、本発明の脊椎円板組織は、本発明の円板スキャフォールドを含む。別の実施形態において、本発明の脊椎円板組織は、本発明の円板スキャフォールド上で成長した本発明の髄核細胞を含む。別の実施形態において、本発明の脊椎円板組織は、本発明の円板スキャフォールドを含む。別の実施形態において、本発明の脊椎円板組織は、本発明の円板スキャフォールドに付着した本発明の円板球に由来する成熟した髄核細胞を含む。別の実施形態において、本発明の脊椎円板組織は、本発明の円板スキャフォールドに付着した本発明の円板幹細胞に由来する成熟した髄核細胞を含む。別の実施形態において、本発明の脊椎円板組織は、線維芽細胞及び本発明の円板スキャフォールドに付着した本発明の円板球に由来する成熟した髄核細胞を含む。
【0121】
別の実施形態において、本発明は、椎間円板代替装置を作製する方法であって、本発明の円板スキャフォールドを髄核細胞成長因子でコーティングするステップを含む方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、椎間円板代替装置を作製する方法であって、本発明の円板スキャフォールドを髄核細胞接着因子でコーティングするステップを含む方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、椎間円板代替装置を作製する方法であって、本発明の円板スキャフォールドを髄核細胞分化因子でコーティングするステップを含む方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、椎間円板代替装置を作製する方法であって、本発明の円板スキャフォールドを、髄核細胞成長因子、髄核細胞接着因子、及び髄核細胞分化因子を含む培地中に置くステップを含む方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、椎間円板代替装置を作製する方法であって、本発明の円板スキャフォールドを、髄核細胞成長因子、髄核細胞接着因子、及び髄核細胞分化因子を含む細胞培養培地中に置くステップを含む方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、椎間円板代替装置を作製する方法であって、本発明の円板スキャフォールドを、DMEM/F12培地を含む培地中に置くステップを含む方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、椎間円板代替装置を作製する方法であって、本発明の円板スキャフォールドを、DMEM/F12培地及び10%胎仔ウシ血清(FCS)を含む培地中に置くステップを含む方法を提供する(実施例3)。
【0122】
別の実施形態において、本発明は、椎間円板代替装置を作製する方法であって、本発明の円板スキャフォールドを、本発明の培地中で35〜42℃でインキュベートするステップを含む方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、椎間円板代替装置を作製する方法であって、本発明の円板スキャフォールドを、本発明の培地中で36〜38℃でインキュベートするステップを含む方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、椎間円板代替装置を作製する方法であって、本発明の円板スキャフォールドを、本発明の培地中で37℃でインキュベートするステップを含む方法を提供する。
【0123】
別の実施形態において、本発明は、椎間円板代替装置を作製する方法であって、本発明の円板スキャフォールドを、4〜10%のCOを維持しながら本発明の培地中でインキュベートするステップを含む方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、椎間円板代替装置を作製する方法であって、本発明の円板スキャフォールドを、4〜8%のCOを維持しながら本発明の培地中でインキュベートするステップを含む方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、椎間円板代替装置を作製する方法であって、本発明の円板スキャフォールドを、5%のCOを維持しながら本発明の培地中でインキュベートするステップを含む方法を提供する。
【0124】
別の実施形態において、本発明は、椎間円板代替装置を作製する方法であって、本発明の円板スキャフォールドを、培養器内で2〜12時間、本発明の培地中でインキュベートするステップを含む方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、椎間円板代替装置を作製する方法であって、本発明の円板スキャフォールドを、培養器内で3〜10時間、本発明の培地中でインキュベートするステップを含む方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、椎間円板代替装置を作製する方法であって、本発明の円板スキャフォールドを、培養器内で6〜10時間、本発明の培地中でインキュベートするステップを含む方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、椎間円板代替装置を作製する方法であって、本発明の円板スキャフォールドを、培養器内で8時間、本発明の培地中でインキュベートするステップを含む方法を提供する。
【0125】
別の実施形態において、本発明によれば、本発明の円板スキャフォールドを培養器内で、本発明の培地中でインキュベートするステップは、髄核細胞を円板スキャフォールドの中または上に塗布する前に円板スキャフォールドを調製するステップを含む。別の実施形態において、本発明によれば、本発明の円板スキャフォールドを培養器内で、本発明の培地中でインキュベートすることによって、本発明の髄核細胞が円板スキャフォールド上で接着し、成長し、分化することを可能にする。別の実施形態において、本発明によれば、本発明の円板スキャフォールドを培養器内で、本発明の培地中でインキュベートすることによって、本発明の円板球が円板スキャフォールド上で接着し、成長し、分化することを可能にする。別の実施形態において、本発明によれば、本発明の円板前駆細胞を培養器内で、本発明の培地中でインキュベートすることによって、本発明の髄核細胞が円板スキャフォールド上で接着し、成長し、分化することを可能にする。別の実施形態において、本発明によれば、本発明の円板スキャフォールドを培養器内で、本発明の培地中でインキュベートすることによって、本発明の円板幹細胞が円板スキャフォールド上で接着し、成長し、分化することを可能にする。別の実施形態において、本発明によれば、本発明の円板スキャフォールドを培養器内で、本発明の培地中でインキュベートすることによって、髄核細胞、円板幹細胞、円板前駆細胞、円板球、またはその任意の組み合わせが円板スキャフォールド上で接着し、成長し、分化することを可能にする。
【0126】
別の実施形態において、本発明によれば、自家移植の髄核細胞が、採取され、培養され、円板スキャフォールドの中心に注入される(実施例4)。別の実施形態において、本発明によれば、同種移植の髄核細胞が、採取され、培養され、円板スキャフォールドの中心に注入される。別の実施形態において、本発明によれば、異種移植の髄核細胞が、採取され、培養され、円板スキャフォールドの中心に注入される。
【0127】
別の実施形態において、本発明によれば、髄核幹細胞、髄核前駆細胞、円板球、またはその組み合わせが、円板スキャフォールドの中に移植され、生きた髄核を形成する。別の実施形態において、細胞培養から得られた髄核幹細胞、髄核前駆細胞、円板球、またはその組み合わせは、円板スキャフォールドの中に移植され、生きた髄核を形成する。
【0128】
別の実施形態において、円板幹細胞を円板スキャフォールドの上に投与する。別の実施形態において、円板幹細胞を、円板スキャフォールド内にコラーゲンを含む層の中に投与する。別の実施形態において、円板幹細胞を、円板スキャフォールド内にコラーゲンを含む層の上に投与する。別の実施形態において、円板幹細胞を円板スキャフォールドの中に注入する。別の実施形態において、円板幹細胞を円板スキャフォールドの上に注入する。別の実施形態において、円板幹細胞を、円板スキャフォールド内にコラーゲンを含む層の中に注入する。別の実施形態において、円板幹細胞を、円板スキャフォールド内にコラーゲンを含む層の上に注入する。別の実施形態において、本発明の円板幹細胞を、本発明の組成物と一緒に、円板スキャフォールドの中または上に、塗布または注入する。別の実施形態において、本発明の円板幹細胞を、10%FCSを含むDMEM/F12培地と一緒に、円板スキャフォールドの中または上に、塗布または注入する。
【0129】
別の実施形態において、本発明は、椎間円板代替装置を作製する方法であって、円板スキャフォールド内で髄核初代細胞を成長させるステップを含む方法を提供する。別の実施形態において、円板初代細胞を円板スキャフォールドの上に投与する。別の実施形態において、円板初代細胞を、円板スキャフォールド内にコラーゲンを含む層の中に投与する。別の実施形態において、円板初代細胞を、円板スキャフォールド内にコラーゲンを含む層の上に投与する。別の実施形態において、円板初代細胞を円板スキャフォールドの中に注入する。別の実施形態において、円板初代細胞を円板スキャフォールドの上に注入する。別の実施形態において、円板初代細胞を、円板スキャフォールド内にコラーゲンを含む層の中に注入する。別の実施形態において、円板初代細胞を、円板スキャフォールド内にコラーゲンを含む層の上に注入する。別の実施形態において、本発明の円板初代細胞を、本発明の組成物と一緒に、円板スキャフォールドの中または上に、塗布または注入する。別の実施形態において、本発明の円板初代細胞を、10%FCSを含むDMEM/F12培地と一緒に、円板スキャフォールドの中または上に、塗布または注入する。
【0130】
別の実施形態において、本発明は、椎間円板代替装置を作製する方法であって、当業者に公知の方法によって本発明の細胞培養培地から円板球、円板幹細胞、円板前駆細胞、またはその混合物を回収するステップと、これらの細胞をDMEM/F12に置くステップとを含む方法を提供する。別の実施形態において、本発明によれば、円板球、円板幹細胞、円板前駆細胞、またはその混合物は、まず洗浄されて、細胞−基質接着阻害因子を含まないようにされる。別の実施形態において、本発明によれば、円板球、円板幹細胞、円板前駆細胞、またはその混合物は、まず洗浄されて、メチルセルロースを含まないようにされる。
【0131】
別の実施形態において、本発明によれば、細胞−基質接着阻害因子を実質的に含まない洗浄した円板球、円板幹細胞、円板前駆細胞、またはその混合物が、細胞培養培地中に置かれる。別の実施形態において、本発明によれば、細胞−基質接着阻害因子を実質的に含まない洗浄した円板球、円板幹細胞、円板前駆細胞、またはその混合物が、DMEM中に置かれる。別の実施形態において、本発明によれば、細胞−基質接着阻害因子を実質的に含まない洗浄した円板球、円板幹細胞、円板前駆細胞、またはその混合物が、DMEM/F12中に置かれる。別の実施形態において、本発明によれば、細胞−基質接着阻害因子を実質的に含まない洗浄した円板球、円板幹細胞、円板前駆細胞、またはその混合物が、血清を含むDMEM/F12中に置かれる。
【0132】
別の実施形態において、円板球、円板幹細胞、円板前駆細胞、またはその混合物が、本発明の細胞培養培地中で円板スキャフォールドに導入される。別の実施形態において、円板球、円板幹細胞、円板前駆細胞、またはその混合物が、組換え生成した形態形成タンパク質を含む細胞培養培地中で円板スキャフォールドに導入される。別の実施形態において、円板球、円板幹細胞、円板前駆細胞、またはその混合物が、PDGFを含む細胞培養培地中で円板スキャフォールドに導入される。別の実施形態において、円板球、円板幹細胞、円板前駆細胞、またはその混合物が、TGF−βを含む細胞培養培地中で円板スキャフォールドに導入される。別の実施形態において、円板球、円板幹細胞、円板前駆細胞、またはその混合物が、EGF/TGF−αを含む細胞培養培地中で円板スキャフォールドに導入される。別の実施形態において、円板球、円板幹細胞、円板前駆細胞、またはその混合物が、IGF−Iを含む細胞培養培地中で円板スキャフォールドに導入される。別の実施形態において、円板球、円板幹細胞、円板前駆細胞、またはその混合物が、βFGFを含む細胞培養培地中で円板スキャフォールドに導入される。別の実施形態において、円板球、円板幹細胞、円板前駆細胞、またはその混合物が、ハイドロゲルを含む細胞培養培地中で円板スキャフォールドに導入される。別の実施形態において、円板球、円板幹細胞、円板前駆細胞、またはその混合物が、コラーゲン、フィブリン、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、またはポリテトラフルオロエチレンなどの、しかしこれらに限定されない、吸収性もしくは非再吸収性の合成ポリマーまたは天然ポリマーを含む細胞培養培地中で円板スキャフォールドに導入される。別の実施形態において、円板球、円板幹細胞、円板前駆細胞、またはその混合物が、抗生物質を含む細胞培養培地中で円板スキャフォールドに導入される。別の実施形態において、円板球、円板幹細胞、円板前駆細胞、またはその混合物が、抗炎症薬を含む細胞培養培地中で円板スキャフォールドに導入される。別の実施形態において、円板球、円板幹細胞、円板前駆細胞、またはその混合物が、免疫抑制薬を含む細胞培養培地中で円板スキャフォールドに導入される。
【0133】
別の実施形態において、本発明によれば、線維輪のコラーゲン線維は5〜50枚の層状または薄層状に配置される。別の実施形態において、本発明によれば、線維輪のコラーゲン線維は10〜40枚の層状または薄層状に配置される。別の実施形態において、本発明によれば、線維輪のコラーゲン線維は20〜30枚の層状または薄層状に配置される。
【0134】
別の実施形態において、本発明によれば、薄層の線維の方向は層間で互い違いになっている。別の実施形態において、本発明によれば、先の尖っていない針またはカニューレを繊維輪に押し込むことができる。別の実施形態において、本発明によれば、移植した髄核細胞または円板球を注入した後で針を引き抜く時に、分離した薄層の線維が正常な位置に戻り、繊維輪を塞ぐ。別の実施形態において、本発明によれば、針は円板スキャフォールドの前方部または側方部の中に挿入される。別の実施形態において、本発明によれば、針は、蛍光透視ガイダンスを用いて経皮的に円板の側方部の方向に及び腹腔鏡下で円板の前方部の方向に導くことができるということを当業者が理解するであろう。
【0135】
別の実施形態において、本発明によれば、本発明の髄核細胞のレシピエントがドナーである。別の実施形態において、本発明によれば、本発明の髄核細胞のレシピエントが少なくとも一部はドナーの機能を果たし得る。別の実施形態において、本発明によれば、本発明の髄核細胞のドナーが単一のドナーである。別の実施形態において、本発明によれば、複数のドナーが本発明の髄核細胞を単一のレシピエントに提供する。別の実施形態において、本発明によれば、複数のドナーが本発明の髄核細胞を複数のレシピエントに提供する。別の実施形態において、本発明によれば、胎児の供給源が使用される。別の実施形態において、本発明によれば、免疫抑制を最小限に抑えるかまたはそれを避けるために、本発明の髄核細胞のドナーが好ましくはレシピエントとの家族関係を有している。別の実施形態において、本発明によれば、免疫抑制物質の必要性を最小限に抑えるかまたはそれを避けるために、本発明の髄核細胞のドナーが好ましくはレシピエントとの家族関係を有している。別の実施形態において、本発明によれば、外科的な摘出技術、ドナーの死から組織調達までの時間、ドナーの感染性疾患の検査を含む組織調達の指針は、当業者に周知である。
【0136】
別の実施形態において、本発明によれば、円板スキャフォールドの中または上に注入された髄核細胞が細胞外マトリックス成分を堆積させる。別の実施形態において、本発明によれば、円板スキャフォールドの中または上に注入された円板球が円板の細胞外マトリックス成分を堆積させる。別の実施形態において、本発明によれば、これらの細胞外マトリックス成分は円板のその後の生理学的機能を作り上げる。別の実施形態において、本発明によれば、これらの細胞外マトリックス成分は円板のその後の生体力学的機能を作り上げる。別の実施形態において、本発明によれば、インキュベーションの第2週目までに円板組織が圧力に抵抗性を示す。別の実施形態において、本発明によれば、インキュベーションの第3週目までに円板組織が圧力に抵抗性を示す。別の実施形態において、本発明によれば、圧力への抵抗性によって円板が成熟していることが示される。別の実施形態において、本発明によれば、圧力への抵抗性によって円板が引張特性を獲得したことが示される。別の実施形態において、本発明によれば、第8週目までに円板組織が最大の厚さ及び圧縮への抵抗性を示す。別の実施形態において、本発明によれば、第9週目までに円板組織が最大の厚さ及び圧縮への抵抗性を示す。別の実施形態において、本発明によれば、第10週目までに円板組織が最大の厚さ及び圧縮への抵抗性を示す。
【0137】
別の実施形態において、本発明は、全円板置換のための方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、部分的な円板置換のための方法を提供する。別の実施形態において、部分的な円板置換の方法は髄核の置換を含む。
【0138】
別の実施形態において、本発明によれば、脱出した椎間板は、10〜25mmの傍脊椎切開による最小限に侵襲的な方法で切除される。別の実施形態において、本発明によれば、脱出した椎間板は、10〜20mmの傍脊椎切開による最小限に侵襲的な方法で切除される。別の実施形態において、本発明によれば、脱出した椎間板は、15〜18mmの傍脊椎切開による最小限に侵襲的な方法で切除される。別の実施形態において、本発明によれば、脱出した椎間板は、16〜20mmの傍脊椎切開による最小限に侵襲的な方法で切除される。
【0139】
別の実施形態において、本発明は、事前に調製したスキャフォールドを円板腔の中に挿入することを提供する。別の実施形態において、本発明は、コラーゲンを含む事前に調製したスキャフォールドを円板腔の中に挿入することを提供する。別の実施形態において、本発明は、事前に調製したスキャフォールドを円板腔の中に挿入し、拡大し、この腔を埋めることを提供する。
【0140】
別の実施形態において、レシピエントに、本発明の円板代替装置を与える。別の実施形態において、レシピエントに、本発明の髄核細胞を与える。別の実施形態において、レシピエントに、局所麻酔を与える。別の実施形態において、レシピエントに、全身麻酔を与える。別の実施形態において、正確な麻酔プロトコルは、当業者によって決定される。
【0141】
別の実施形態において、損傷した円板は、当業者に公知の方法によってレシピエントから切除される。別の実施形態において、本発明の円板代替装置は、損傷した円板を代替する。別の実施形態において、本発明の前処置した円板スキャフォールドは、損傷した円板を代替する。別の実施形態において、コラーゲンを含む本発明の前処置した円板スキャフォールドは、損傷した円板を代替する。別の実施形態において、本発明の様々なコラーゲンを含む本発明の前処置した円板スキャフォールドは、損傷した円板を代替する。別の実施形態において、様々なECM成分を含む本発明の前処置した円板スキャフォールドは、損傷した円板を代替する。
【0142】
別の実施形態において、円板スキャフォールドを外科的にレシピエントの中に置いた後、髄核細胞を本発明の円板スキャフォールドに投与する。別の実施形態において、用語「髄核細胞」は、円板幹細胞、円板前駆細胞、円板球、またはその組み合わせを含む。別の実施形態において、髄核細胞は先の尖っていない針で投与される。別の実施形態において、髄核細胞はカニューレで投与される。別の実施形態において、髄核細胞は繊維輪に押し込まれる。別の実施形態において、髄核細胞は円板の前方部または側方部に挿入した針で投与される。別の実施形態において、当業者は、針を、蛍光透視ガイダンスを用いて経皮的に円板の側方部の方向に及び腹腔鏡下で円板の前方部の方向に導くことができるということを理解するであろう。
【0143】
別の実施形態において、患者の髄核に本発明の髄核細胞が加えられる。別の実施形態において、患者の円板は標準的な技術で切除される。別の実施形態において、患者の円板核を標準的な酵素技術で切除することができる。別の実施形態において、患者の円板核をキモパパインで切除することができる。別の実施形態において、患者の円板核を、レーザーの助けを借りて切除することができる。別の実施形態において、患者の円板核を、吸引装置の助けを借りて切除することができる。別の実施形態において、患者の円板核を、剃刀の助けを借りて切除することができる。別の実施形態において、患者の円板核を、任意のその他の有用な手術器具の助けを借りて切除することができる。別の実施形態において、核を切除する場合、繊維輪の穴を小さくし、手術の最後に閉じなければならない。
【0144】
別の実施形態において、移植した核に追加の治療物質が加えられる。別の実施形態において、移植した円板スキャフォールドに追加の治療物質が加えられる。別の実施形態において、本発明の移植した円板代替装置に追加の治療物質が加えられる。
【0145】
別の実施形態において、移植した核に追加の再吸収性培養培地が加えられる。別の実施形態において、移植した核に追加の組織成長因子が加えられる。別の実施形態において、移植した核に追加の組織分化因子が加えられる。別の実施形態において、移植した核に追加の組換え生成した形態形成タンパク質が加えられる。別の実施形態において、移植した核に追加のPDGFが加えられる。別の実施形態において、移植した核に追加のTGF−βが加えられる。別の実施形態において、移植した核に追加のEGF/TGF−αが加えられる。別の実施形態において、移植した核に追加のIGF−Iが加えられる。別の実施形態において、移植した核に追加のFGFが加えられる。別の実施形態において、移植した核に追加のハイドロゲルが加えられる。別の実施形態において、移植した核に追加の非再吸収性の合成ポリマーまたは天然ポリマーが加えられる。別の実施形態において、移植した核に追加のコラーゲンが加えられる。別の実施形態において、移植した核に追加のフィブリンが加えられる。別の実施形態において、移植した核に追加のポリグリコール酸が加えられる。別の実施形態において、移植した核に追加のポリテトラフルオロエチレンが加えられる。別の実施形態において、移植した核に追加の抗生物質が加えられる。別の実施形態において、移植した核に追加の抗炎症薬が加えられる。別の実施形態において、移植した核に追加の免疫抑制薬が加えられる。
【0146】
別の実施形態において、移植した円板スキャフォールドに追加の再吸収性培養培地が加えられる。別の実施形態において、移植した円板スキャフォールドに追加の組織成長因子が加えられる。別の実施形態において、移植した円板スキャフォールドに追加の組織分化因子が加えられる。別の実施形態において、移植した円板スキャフォールドに追加の組換え生成した形態形成タンパク質が加えられる。別の実施形態において、移植した円板スキャフォールドに追加のPDGFが加えられる。別の実施形態において、移植した円板スキャフォールドに追加のTGF−βが加えられる。別の実施形態において、移植した円板スキャフォールドに追加のEGF/TGF−αが加えられる。別の実施形態において、移植した円板スキャフォールドに追加のIGF−Iが加えられる。別の実施形態において、移植した円板スキャフォールドに追加のFGFが加えられる。別の実施形態において、移植した円板スキャフォールドに追加のハイドロゲルが加えられる。別の実施形態において、移植した円板スキャフォールドに追加の非再吸収性の合成ポリマーまたは天然ポリマーが加えられる。別の実施形態において、移植した円板スキャフォールドに追加のコラーゲンが加えられる。別の実施形態において、移植した円板スキャフォールドに追加のフィブリンが加えられる。別の実施形態において、移植した円板スキャフォールドに追加のポリグリコール酸が加えられる。別の実施形態において、移植した円板スキャフォールドに追加のポリテトラフルオロエチレンが加えられる。別の実施形態において、移植した円板スキャフォールドに追加の抗生物質が加えられる。別の実施形態において、移植した円板スキャフォールドに追加の抗炎症薬が加えられる。別の実施形態において、移植した円板スキャフォールドに追加の免疫抑制薬が加えられる。
【0147】
別の実施形態において、移植した円板代替装置に追加の再吸収性培養培地が加えられる。別の実施形態において、移植した円板代替装置に追加の組織成長因子が加えられる。別の実施形態において、移植した円板代替装置に追加の組織分化因子が加えられる。別の実施形態において、移植した円板代替装置に追加の組換え生成した形態形成タンパク質が加えられる。別の実施形態において、移植した円板代替装置に追加のPDGFが加えられる。別の実施形態において、移植した円板代替装置に追加のTGF−βが加えられる。別の実施形態において、移植した円板代替装置に追加のEGF/TGF−αが加えられる。別の実施形態において、移植した円板代替装置に追加のIGF−Iが加えられる。別の実施形態において、移植した円板代替装置に追加のFGFが加えられる。別の実施形態において、移植した円板代替装置に追加のハイドロゲルが加えられる。別の実施形態において、移植した円板代替装置に追加の非再吸収性の合成ポリマーまたは天然ポリマーが加えられる。別の実施形態において、移植した円板代替装置に追加のコラーゲンが加えられる。別の実施形態において、移植した円板代替装置に追加のフィブリンが加えられる。別の実施形態において、移植した円板代替装置に追加のポリグリコール酸が加えられる。別の実施形態において、移植した円板代替装置に追加のポリテトラフルオロエチレンが加えられる。別の実施形態において、移植した円板代替装置に追加の抗生物質が加えられる。別の実施形態において、移植した円板代替装置に追加の抗炎症薬が加えられる。別の実施形態において、移植した円板代替装置に追加の免疫抑制薬が加えられる。
【0148】
別の実施形態において、本発明の移植した円板球、円板幹細胞、円板前駆細胞、またはその混合物に追加の再吸収性培養培地が加えられる。別の実施形態において、本発明の移植した円板球、円板幹細胞、円板前駆細胞、またはその混合物に追加の組織成長因子が加えられる。別の実施形態において、本発明の移植した円板球、円板幹細胞、円板前駆細胞、またはその混合物に追加の組織分化因子が加えられる。別の実施形態において、本発明の移植した円板球、円板幹細胞、円板前駆細胞、またはその混合物に追加の組換え生成した形態形成タンパク質が加えられる。別の実施形態において、本発明の移植した円板球、円板幹細胞、円板前駆細胞、またはその混合物に追加のPDGFが加えられる。別の実施形態において、本発明の移植した円板球、円板幹細胞、円板前駆細胞、またはその混合物に追加のTGF−βが加えられる。別の実施形態において、本発明の移植した円板球、円板幹細胞、円板前駆細胞、またはその混合物に追加のEGF/TGF−αが加えられる。別の実施形態において、本発明の移植した円板球、円板幹細胞、円板前駆細胞、またはその混合物に追加のIGF−Iが加えられる。別の実施形態において、本発明の移植した円板球、円板幹細胞、円板前駆細胞、またはその混合物に追加のFGFが加えられる。別の実施形態において、本発明の移植した円板球、円板幹細胞、円板前駆細胞、またはその混合物に追加のハイドロゲルが加えられる。別の実施形態において、本発明の移植した円板球、円板幹細胞、円板前駆細胞、またはその混合物に追加の非再吸収性の合成ポリマーまたは天然ポリマーが加えられる。別の実施形態において、本発明の移植した円板球、円板幹細胞、円板前駆細胞、またはその混合物に追加のコラーゲンが加えられる。別の実施形態において、本発明の移植した円板球、円板幹細胞、円板前駆細胞、またはその混合物に追加のフィブリンが加えられる。別の実施形態において、本発明の移植した円板球、円板幹細胞、円板前駆細胞、またはその混合物に追加のポリグリコール酸が加えられる。別の実施形態において、本発明の移植した円板球、円板幹細胞、円板前駆細胞、またはその混合物に追加のポリテトラフルオロエチレンが加えられる。別の実施形態において、本発明の移植した円板球、円板幹細胞、円板前駆細胞、またはその混合物に追加の抗生物質が加えられる。別の実施形態において、本発明の移植した円板球、円板幹細胞、円板前駆細胞、またはその混合物に追加の抗炎症薬が加えられる。別の実施形態において、本発明の移植した円板球、円板幹細胞、円板前駆細胞、またはその混合物に追加の免疫抑制薬が加えられる。
【0149】
別の実施形態において、重要な栄養分が詰め込まれたマトリックス処方した円板幹細胞調製物は、円板腔の中に注入され、時間が経つと成長して円板組織構造体になり、損傷した円板を回復させる(実施例4)。別の実施形態において、マトリックス処方した円板幹細胞調製物は、再吸収性の培養培地をさらに含む。別の実施形態において、マトリックス処方した円板幹細胞調製物は、組織成長因子をさらに含む。別の実施形態において、マトリックス処方した円板幹細胞調製物は、組織分化因子をさらに含む。別の実施形態において、マトリックス処方した円板幹細胞調製物は、組換え生成した形態形成タンパク質をさらに含む。別の実施形態において、マトリックス処方した円板幹細胞調製物は、PDGFをさらに含む。別の実施形態において、マトリックス処方した円板幹細胞調製物は、TGF−βをさらに含む。別の実施形態において、マトリックス処方した円板幹細胞調製物は、EGF/TGF−αをさらに含む。別の実施形態において、マトリックス処方した円板幹細胞調製物は、IGF−Iをさらに含む。別の実施形態において、マトリックス処方した円板幹細胞調製物は、FGFをさらに含む。別の実施形態において、マトリックス処方した円板幹細胞調製物は、ハイドロゲルをさらに含む。別の実施形態において、マトリックス処方した円板幹細胞調製物は、非再吸収性の合成ポリマーまたは天然ポリマーをさらに含む。別の実施形態において、マトリックス処方した円板幹細胞調製物は、コラーゲンをさらに含む。別の実施形態において、マトリックス処方した円板幹細胞調製物は、フィブリンをさらに含む。別の実施形態において、マトリックス処方した円板幹細胞調製物は、ポリグリコール酸をさらに含む。別の実施形態において、マトリックス処方した円板幹細胞調製物は、ポリテトラフルオロエチレンをさらに含む。別の実施形態において、マトリックス処方した円板幹細胞調製物は、抗炎症薬をさらに含む。別の実施形態において、マトリックス処方した円板幹細胞調製物は、抗生物質をさらに含む。別の実施形態において、マトリックス処方した円板幹細胞調製物は、免疫抑制薬をさらに含む。
【0150】
別の実施形態において、本発明は、椎間板ヘルニアを患う治療対象を治療する方法であって、髄核細胞を含む人工円板を治療対象に与えるステップを含む方法を提供する。別の実施形態において、治療対象はヒトである。別の実施形態において、治療対象は家畜動物である。別の実施形態において、治療対象はペット動物である。
【0151】
別の実施形態において、本発明は、治療対象に人工円板を与えることが、治療対象に人工円板を移植することを含むことを提供する。別の実施形態において、本発明によれば、代替装置は単一ドナー由来の処理された生物学的組織を含む。別の実施形態において、本発明によれば、代替装置は人工円板を必要とする患者である単一ドナー由来の処理された生物学的組織を含む。別の実施形態において、本発明によれば、代替装置は人造材料と組み合わせた処理された生物学的組織を含む。別の実施形態において、本発明によれば、代替装置はプラスチックベースの材料と組み合わせた処理された生物学的組織を含む。別の実施形態において、本発明によれば、代替装置はセラミックと組み合わせた処理された生物学的組織を含む。別の実施形態において、本発明によれば、代替装置は金属と組み合わせた処理された生物学的組織を含む。
【0152】
別の実施形態において、本発明は、椎間板ヘルニアを患う治療対象を治療する方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、変性円板疾患(DDD)を有する治療対象を治療する方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、腰椎の1つのレベル(L3からS1にかけて)にDDDを有する治療対象を治療する方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、グレード1の脊椎すべり症を有する治療対象を治療する方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、グレード2以上の脊椎すべり症を有する治療対象を治療する方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、少なくとも6か月の非外科的治療の後で痛みが緩和していないグレード1の脊椎すべり症を有する治療対象を治療する方法を提供する。
【0153】
別の実施形態において、本発明によれば、治療対象に人工円板を与えることによって、円板高が回復する。別の実施形態において、本発明によれば、治療対象に人工円板を与えることによって、痛みが軽減し得る。別の実施形態において、本発明によれば、治療対象に人工円板を与えることによって、それが移植されたレベルでの運動が回復する。別の実施形態において、本発明は、円板切除後の後側方繊維輪切除を提供する。
【0154】
実験詳細セクション
【0155】
材料及び方法
【0156】
円板幹細胞/前駆細胞を円板球に拡大するためのメチルセルロースベースの培地
【0157】
円板幹細胞/前駆細胞を含む円板球を拡大するためのメチルセルロースベースの培地は、2%メチルセルロース、10μg/mlインスリン、40nMプロゲステロン、200μMプトレシン、100μg/mlトランスフェリン、60nM亜セレン酸ナトリウム、10ng/ml組み換えFGF2、及び10ng/ml組み換えEGFが補充された基本DMEM/F12培地を含んでいた。
【0158】
円板幹細胞/前駆細胞を含む円板球を拡大するためのメチルセルロースベースの培地
【0159】
円板幹細胞/前駆細胞を含む円板球を拡大するためのメチルセルロースベースの培地は、0.8%メチルセルロース、5μg/mlインスリン、20nMプロゲステロン、100μMプトレシン、50μg/mlトランスフェリン、及び30nM亜セレン酸ナトリウムが補充された基本DMEM/F12培地を含んでいた。10ng/mlのFGF2及び10ng/mlのEGFbを3日目毎に添加した。
【0160】
組織化学
【0161】
ヘマトキシリン-エオシン染色
【0162】
実施例3に開示された手順によって産出された円板から得られた円板生検に対するヘマトキシリン−エオシン染色を以下のように行なった。ホルマリン固定したパラフィン包埋組織切片(5μm)を連続的に脱パラフィン及び再水和した。その後、スライドをハリスのヘマトキシリンで10分間染色し、流水道水中で1分間洗浄して青く染め、酸アルコール(70%アルコール中1%塩酸)中で10秒間分別し、流水道水中で5分間洗浄して青く染め、エオシンで4分間染色し、最後に水道水中で洗浄し、段階的アルコールに通して脱水し、キシレンで透明化した。
【0163】
フォンコッサ染色
【0164】
実施例3に開示された手順によって産出された円板から得られた円板生検に対するフォンコッサ染色を以下のように行なった。ホルマリン固定したパラフィン包埋組織切片(5μm)を連続的に脱パラフィン及び再水和した。切片を、紫外光下に置かれた透明なガラス製コプリンジャー中で1%硝酸銀溶液と20分間インキュベートした。その後、数回蒸留水を替えて切片をすすぎ、5%チオ硫酸ナトリウムで5分間、未反応の銀を除去した。その後、数回蒸留水を替えて切片をすすぎ、ヌクレアファストレッドで5分間、対比染色した。最後に、数回蒸留水を替えて切片をすすぎ、段階的アルコールに通して脱水し、キシレン中で透明化した。
【0165】
組織中のI型コラーゲン、II型コラーゲン、またはKi67の免疫組織化学的同定
【0166】
実施例3からの円板生検上でのI型コラーゲン、II型コラーゲン、またはKi67の免疫組織化学的染色を以下のように行なった。ホルマリン固定したパラフィン包埋組織切片(5μm)を連続的に脱パラフィンし、再水和し、Trilogyアンマスキング溶液(Cell Marque, Hot Springs AR)中で、95℃、25分間の抗原賦活化の後、内在性ペルオキシダーゼ活性をブロッキングした。スライドをビオチンでブロッキングし、血清でブロッキングし、ヤギABC Elite Kit(Vector Labs, Burlingame, CA)を用いて免疫染色した。I型コラーゲンに対する抗体(カタログ番号:63170, MP Biomedicals, Solon, OH)、II型コラーゲンに対する抗体(カタログ番号:MAB 1330, Chemicon, Billerica, MA)、またはKi67に対する抗体(カタログ番号:MAB4062, Chemicon, Billerica, MA)を1:100希釈で、室温で1時間、適用した。陽性染色をDAB(3,3’−ジアミノベンジジン)で検出した。免疫反応性をバイオ・ラッド共焦点顕微鏡で可視化し、後の解析のために画像をコンピュータで回収した。
【0167】
軟骨のサフラニンO染色
【0168】
この方法は、ホルマリン固定したパラフィン包埋組織切片上での軟骨の検出に用いた。軟骨をオレンジから赤に染色し、核を黒に染色した。背景を緑に染色した。ワイゲルト鉄ヘマトキシリン溶液を2つのストック溶液から調製した。ストック溶液A:ヘマトキシリン1g、95%アルコール100ml。ストック溶液B:29%塩化第二鉄水溶液4ml、蒸留水95ml、塩酸1ml。等量のストック溶液を混合し、ワイゲルト鉄ヘマトキシリン溶液を得た。
【0169】
0.1gサフラニンO(C.I.50240)と100ml蒸留水を混合することによって、0.1%サフラニンO溶液を調製した。その後、スライドを脱パラフィンし、蒸留水に対して再水和し、その後、スライドをワイゲルト鉄ヘマトキシリンワーキング溶液で10分間染色した。その後、スライドを流水道水中で10分間洗浄し、ファストグリーン(FCF)溶液で5分間染色し、1%酢酸溶液で10秒間素早くすすぎ、0.1%サフラニンO溶液中で5分間染色した。その後、スライドを脱水し、95%エチルアルコール、完全エチルアルコール、及びキシレンを、2分ずつ、2回ずつ替えて用いて透明化した。最後に、樹脂剤を用いてスライドを標本にした。
【0170】
実施例1:円板球を成長させる方法
【0171】
ヒト髄核の生検標本を細かく切って、大きさ約2〜3ミリメートルの細片にし、標準的な抗生物質及び抗真菌薬(濃度1:100の標準的ペニシリン/ストレプトマイシン溶液(GIBCO BRL))が補充された30mlのリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)を含む50mlファルコンチューブに移した。
【0172】
PBSを吸引し、300U/mlのコラゲナーゼII溶液を含むF12(DMEM/F12)培地を含む30mlのダルベッコ改変イーグル培地を50mlチューブに添加した。
【0173】
断片が完全に解離するまで、このチューブを37℃、100RPMで2〜3時間、振盪培養器内で水平位に置いた。
【0174】
細胞懸濁液をナイロンメッシュに通して、50mlファルコンチューブ中に濾過し、火で磨いたパスツールピペットで粉砕し、単一細胞懸濁液を形成した。細胞計数をこの時点で行ない、細胞濃度を決定した。
【0175】
その後、細胞懸濁液を室温で4分間、400gで遠心分離し、その後、吸引で上清を除去した。
【0176】
細胞を120,000細胞/mlの最終密度になるよう、インスリン(10ug/ml)、プロゲステロン(40nM)、プトレシン(200uM)、トランスフェリン(100ug/ml)、亜セレン酸ナトリウム(60nM)が補充されたDMEM/F12培地に再懸濁した。
【0177】
先に得られた最終容量と等しい容量の2%メチルセルロースのDMEM/F12培地溶液を、この細胞懸濁液に添加し、ボルテックスすることによって混合した。
【0178】
成長因子EGF及びFGF2を最終濃度10ng/mlまで添加し、再び混合した。
【0179】
最後に、細胞/培地懸濁液を、ウェル当たり約120,000細胞を含む約2ml/ウェルで6ウェルプレートに添加し、37℃、5%CO2中でインキュベートした。各ウェルを、製造業者の奨めに従って、接着防止物質(例えば、ポリ2−ヒドロキシエチルメトアクリレート(#P-3932 Sigma)接着防止コーティング)でプレコーティングした。
【0180】
成長因子を3日目毎に添加した。
【0181】
約2週間後、円板球が培養液中に形成されていた。
【0182】
実施例2:円板球細胞培養物を拡大する方法
【0183】
実施例1に開示された方法で得られた円板球を、コラゲナーゼII(300U/ml)が補充されたDMEM/F12培地における37℃でのインキュベーションによって解離させた。
【0184】
実施例1に記載されたのと同じプレーティング及び培養の技術を用いて細胞を継代することによって、解離した細胞を6ウェルプレートで拡大した。
【0185】
実施例3:脊椎円板コラーゲンスキャフォールド(繊維輪)を得る方法
【0186】
死後の(ウサギの死体)椎間円板を、椎間終体を無傷で残しつつ、解剖で取り除いた。椎間円板試料を4Mチオシアン酸グアニジンに室温で24時間浸漬し、円板内の生体材料を取り除いた。24時間後、円板内の生体材料を液体化した。
【0187】
この液体を吸引し、残りの円板スキャフォールドを室温PBSで3回洗浄した。
【0188】
この段階で、円板スキャフォールドをPBS中、4℃で最大1年保存できる。
【0189】
実施例4;人工円板を得る方法
【0190】
実施例3に開示された方法に従って得られた円板スキャフォールドを組織培養容器中に置き、10%FCSを含むDMEM/F12培地で3回洗浄し、37℃、5%CO2で8時間インキュベートした。
【0191】
円板球を培養液からプールし、DMEM/F12中に回収した。その後、円板球をDMEM/F12で洗浄してメチルセルロースを含まないようにし、200μlのDMEM/F12培地に懸濁した。
【0192】
懸濁した円板球を、37℃、5%CO2で8時間インキュベートしたスキャフォールドの中心に注入した。
【0193】
その後、円板組織培養容器をDMEM/F12培地で満たし、37℃、5%CO2でインキュベートした。培地を3日目毎に取り替えた。
【0194】
結果
【0195】
髄核細胞をドナー患者から採取し、実施例1に記載されたような単一細胞懸濁液として調製した。約2週間後、円板球を回収し、前処理したウサギ線維輪への注入用に調製した。その後、円板幹細胞調製物を含むこの円板スキャフォールドを組織培養容器中に3か月間置いた。培地を3日目毎に取り替えた。毎日、各円板組織に下向きの圧力を加えて、生体力学的な調節された分化プログラムを誘導した。
【0196】
生体力学的特性
【0197】
円板細胞は、円板の細胞外マトリックス成分を築き、次に、円板のその後の生理学的及び生体力学的機能を作り上げた。3週目までに、円板組織は、その成熟及び引張特性の獲得を示す圧力への抵抗性を示し始めた。10週目までに、円板組織は、最大の厚さ及び圧縮力への抵抗性を示した。
【0198】
比較組織学
【0199】
培養3か月後、円板組織を培養液から取り除き、クライオスタットで切片を作製した。選択された組織染色及び免疫組織化学を用いて、基本的な組織学的解析を終えた。
【0200】
図1(パネル1)に示すように、円板幹細胞から成長したヒト円板組織の全体構造及び細胞形態が、健康なウサギの円板組織から得られたものとほぼ近いことが、ヘマトキシリン−エオシン染色により分かった。さらに、サフラニン染色(図1、パネル2)により、硫酸化プロテオグリカンの豊富な軟骨マトリックスが円板幹細胞によって細胞外マトリックス中に分泌され、解析の時点で健康なウサギの円板組織と同程度であることが示された。フォンコッサ染色(図1、パネル3)により、この培養系ではインビトロ円板幹細胞の骨形成分化がないことが示された。最後に、II型コラーゲン(図2)及びI型コラーゲン(図3)による免疫組織化学的染色により、それぞれ円板組織の成熟を示す高発現及び低発現が示され、この場合もやはり健康対照と同程度であることが分かった。
【0201】
組織での増殖がないことの証明
【0202】
円板組織が成熟しており、したがって、いかなる未成熟細胞及び/または増殖細胞も含まないことをさらに示すものとして、Ki67(増殖のマーカー)免疫染色を組織に対して行なった。図4に示すように、対照組織またはヒト円板幹細胞から成長した円板組織において増殖細胞は認められなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単離された円板幹細胞集団。
【請求項2】
前記円板幹細胞集団が、ヒト円板幹細胞集団であることを特徴とする請求項1に記載の単離された円板幹細胞集団。
【請求項3】
前記円板幹細胞集団が、治療対象の髄核に由来することを特徴とする請求項1に記載の単離された円板幹細胞集団。
【請求項4】
円板幹細胞を単離する方法であって、
(a)無血清培地中に円板幹細胞をプレーティングするステップと、
(b)髄核細胞を含む円板球を産出し、それにより円板幹細胞を単離するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項5】
前記円板球が、ヒト髄核細胞を含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記円板球を産出するステップが、無血清培地中に髄核細胞の培養物を成長させるステップを含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記培地が、FGF2、EGF、SCF、IL−6、IL−2、TGF−β、LIF、またはその組み合わせをさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記髄核細胞の培養物を成長させるステップが、1×10細胞/ml未満の密度で髄核細胞をプレーティングするステップを含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記髄核細胞の培養物を成長させるステップが、未結合の髄核細胞を成長させるステップを含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項10】
enriched円板幹細胞集団を含む組成物。
【請求項11】
前記円板幹細胞が、ヒト円板幹細胞であることを特徴とする請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記円板幹細胞が、治療対象の髄核から得られることを特徴とする請求項10に記載の組成物。
【請求項13】
円板前駆細胞をさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の組成物。
【請求項14】
培地をさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の組成物。
【請求項15】
前記培地が無血清培地であることを特徴とする請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記培地が、FGF2、EGF、SCF、IL−6、IL−2、TGF−β、LIF、またはその組み合わせをさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
単離された円板球。
【請求項18】
前記円板球が、円板幹細胞を含むことを特徴とする請求項17に記載の円板球。
【請求項19】
前記円板球が、円板前駆細胞を含むことを特徴とする請求項17に記載の円板球。
【請求項20】
前記円板球が、ヒト円板球であることを特徴とする請求項17に記載の円板球。
【請求項21】
円板球を産出する方法であって、無血清培地中に髄核細胞の培養物を成長させ、それによって円板球を産出するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項22】
前記髄核細胞が、ヒト髄核細胞であることを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記円板球が、単一円板幹細胞由来の細胞を含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記円板球が、円板幹細胞、円板前駆細胞、またはその混合物を含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記培地が、FGF2、EGF、SCF、IL−6、IL−2、TGF−β、LIF、またはその組み合わせをさらに含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記髄核細胞の培養物を成長させるステップが、1×10細胞/ml未満の密度で前記髄核細胞をプレーティングするステップを含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記髄核細胞の培養物を成長させるステップが、未結合の髄核細胞を成長させるステップを含むことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項28】
円板球を含む組成物。
【請求項29】
前記円板球が、随核細胞を含むことを特徴とする請求項28に記載の組成物。
【請求項30】
前記随核細胞が、ヒト随核細胞であることを特徴とする請求項28に記載の組成物。
【請求項31】
前記円板球が、単一円板幹細胞由来の細胞を含むことを特徴とする請求項28に記載の組成物。
【請求項32】
前記円板球が、円板幹細胞、円板前駆細胞、またはその混合物を含むことを特徴とする請求項28に記載の組成物。
【請求項33】
前記組成物が、培地を含むことを特徴とする請求項28に記載の組成物。
【請求項34】
前記培地が、無血清培地であることを特徴とする請求項33に記載の組成物。
【請求項35】
前記培地が、FGF2、EGF、SCF、IL−6、IL−2、TGF−β、LIF、またはその組み合わせをさらに含むことを特徴とする請求項34に記載の組成物。
【請求項36】
随核細胞を含む人工円板。
【請求項37】
前記円板代替装置が、円板スキャフォールドをさらに含むことを特徴とする請求項36に記載の人工円板。
【請求項38】
前記円板スキャフォールドが、椎間円板スキャフォールドであることを特徴とする請求項43に記載の人工円板。
【請求項39】
前記円板スキャフォールドが、コラーゲンを含むことを特徴とする請求項37に記載の人工円板。
【請求項40】
前記随核細胞が、ヒト随核細胞であることを特徴とする請求項36に記載の人工円板。
【請求項41】
前記髄核細胞が、円板幹細胞、円板前駆細胞、またはその混合物を含むことを特徴とする請求項36に記載の人工円板。
【請求項42】
前記円板代替装置が、培地をさらに含むことを特徴とする請求項36に記載の人工円板。
【請求項43】
人工円板を作製する方法であって、
円板球を円板スキャフォールド内で成長させ、それにより脊椎円板代替装置を作製するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項44】
前記円板球を前記円板スキャフォールド内で成長させるステップが、前記円板球を前記円板スキャフォールドの中に注入するステップを含むことを特徴とする請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記注入が、前記円板スキャフォールドの中心に向けられることを特徴とする請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記円板スキャフォールドが、椎間円板スキャフォールドであることを特徴とする請求項43に記載の方法。
【請求項47】
前記円板スキャフォールドが、コラーゲンを含むことを特徴とする請求項43に記載の方法。
【請求項48】
前記円板球が、治療対象から得られた随核細胞を含むことを特徴とする請求項43に記載の方法。
【請求項49】
前記円板球が、円板幹細胞、円板前駆細胞、またはその混合物を含むことを特徴とする請求項43に記載の方法。
【請求項50】
椎間板ヘルニアを患う治療対象を治療する方法であって、
髄核細胞を含む人工円板を前記治療対象に投与し、それにより椎間板ヘルニアを患う治療対象を治療するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項51】
前記円板代替装置が、円板スキャフォールドを含むことを特徴とする請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記円板スキャフォールドが、椎間円板スキャフォールドであることを特徴とする請求項50に記載の方法。
【請求項53】
前記円板スキャフォールドが、コラーゲンを含むことを特徴とする請求項50に記載の方法。
【請求項54】
前記随核細胞が、ヒト随核細胞であることを特徴とする請求項50に記載の方法。
【請求項55】
前記随核細胞が、円板幹細胞、円板前駆細胞、またはその混合物を含むことを特徴とする請求項50に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−532994(P2010−532994A)
【公表日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−516034(P2010−516034)
【出願日】平成20年7月7日(2008.7.7)
【国際出願番号】PCT/US2008/008316
【国際公開番号】WO2009/009020
【国際公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(510010285)
【Fターム(参考)】