説明

ヒドロゲル化カチオン性アミドおよび洗浄剤を含む化粧品組成物

本発明は、水性媒体もしくは水および溶剤中に、少なくとも1種の洗浄剤、およびリンを含まず分子量が2000g/mol未満の少なくとも2個のアミド基と1個の不斉炭素と少なくとも8個の炭素原子を有する脂肪鎖とを含む少なくとも1種のカチオン性ゲル化分子組成物とを含む化粧品組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1種の界面活性剤と、少なくとも1種のヒドロゲル化カチオン性アミド(hydrogelling cationic amide)を含む化粧品組成物に関する。本発明はまた、この組成物を適用することを含む化粧方法、特にヘアケア分野におけるこの使用を目的とするものでもある。
【背景技術】
【0002】
増粘組成物、特に、一般的にヘアスタイルを形成する前に毛髪に塗布する毛髪用ジェルが知られている。次いで、ヘアスタイルを形成し保持するために、ブロー乾燥によるヘアセットが行われる。これらの増粘組成物、特にこれらのジェルは、ポリマー樹脂を含有していてもよい。
【非特許文献1】「Chemistry Letters」、2002、(7)、704〜705頁
【非特許文献2】「New Journal of Chemistry」、2002、26 (7)、817〜818頁
【非特許文献3】「Chemical Communications (Cambridge, United Kingdom)」、2002、(8)、884〜885頁
【非特許文献4】M. R. Porter、「Handbook of Surfactants」、Blackie & Son (Glasgow and London)出版、1991、116〜178頁
【特許文献1】米国特許第2528378号
【特許文献2】米国特許第2781354号
【非特許文献5】「CTFA dictionary」、第3版、1982
【非特許文献6】「CTFA dictionary」、第5版、1993
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、これらは毛髪の美容特性を損なうという欠点をしばしば有している。すなわち、毛髪がゴワゴワしたものとなって櫛通りが悪くなったり、その心地よい手触りおよび外観を欠いたり、あるいはコシを欠いたりすることがある。したがって、特に櫛通りや柔軟性および手触りの点において良好な美容特性を提供できるような毛髪用化粧品組成物が模索されている。
【0004】
加えて、増粘毛髪用化粧品組成物はまた、パウダリング効果を生じさせるという大きな欠点を有している。本発明の目的に関して、「パウダリング」という用語は、毛髪用組成物を乾燥させることによって生じる、毛髪に適用した後に粉を形成する材料の能力を意味する。
【0005】
美容用水性媒体は、一般に、架橋した親水性ポリマーと共にゲル化される。毛髪上で乾燥された後に湿潤な気候に対する良好な耐性を有するような美容用水性ジェルを製造することは、困難である。
【0006】
したがって、上記に示したような欠点を全く有さない、特に湿潤な気候にも耐えうるような化粧組成物、特に増粘毛髪用組成物、特に毛髪用ジェルを見出すことが希求されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この問題を解決するために、本発明は、アミド官能基と脂肪鎖とを有し、カチオン性官能基を含有する小さなキラル分子を化粧品中に使用することを提案する。これらの分子は、少なくとも1種の界面活性剤との組合せで文献中、特に以下の出版物中に記載されている:「Chemistry Letters」、2002、(7)、704〜705頁;「New Journal of Chemistry」、2002、26 (7)、817〜818頁;「Chemical Communications (Cambridge, United Kingdom)」、2002、(8)、884〜885頁。
【0008】
出願人は、毛髪を乾燥した後に、これらのジェルが非常に良好な耐湿性を備えた被覆物を形成することを見出した。
【0009】
本発明の主題の1つは、水性媒体または水+溶剤媒体中に、少なくとも1種の界面活性剤、ならびに、リンを含まず分子量が2000g/molよりも小さく少なくとも:
- 2個のアミド基と
- 不斉炭素と
- 少なくとも8個の炭素を含む脂肪鎖と
を含む少なくとも1種のカチオン性増粘分子化合物、を含む化粧品組成物である。
【0010】
本発明の趣旨に関して、「分子化合物」という用語は、その骨格が重合から生じるものではない、あらゆる化合物を意味する。これは、化合物が、1個または複数のポリオキシアルキレン化もしくはポリオキシグリセロール化基を含有しうることを排除するものではない。
【0011】
本発明の目的に関して、「カチオン性分子」という用語は、少なくとも1個の第四級化窒素原子を含む分子を意味する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
増粘分子化合物
本発明によれば、リンを含まないカチオン性増粘分子化合物は、2000g/mol未満の分子量を有し、少なくとも:
- 2個のアミド基と、
- 不斉炭素と、
- 少なくとも8個の炭素を含む脂肪鎖と、
を含む。
【0013】
脂肪鎖は8から30個の炭素原子を含有していることがより有利であり、8から22個の炭素原子を含有していることがより好ましい。
【0014】
増粘分子化合物は、1000g/mol未満の分子量を有していることが好ましく、800g/molより小さいことがより好ましい。
【0015】
少なくとも1個の脂肪鎖がアミド基に直接結合していること、および特に少なくとも1個の脂肪鎖がアミド基にカルボニル官能基を介して結合していることが有利である。増粘分子化合物は少なくとも2個の脂肪鎖を有していることがより好ましく、少なくとも1個の脂肪鎖がエステル基の一部を形成していることがより好ましい。
【0016】
本発明の好ましい態様の1つによれば、増粘分子化合物は、少なくとも2個の-CONH-結合を含有している。
【0017】
特に、増粘化合物は、化粧品組成物の総重量に対して、水性媒体中に0.1重量%から60重量%、好ましくは0.25重量%から25重量%の重量濃度で存在する。
【0018】
組成物は、乾燥後に被膜を形成することが好ましい。好ましい態様の1つにおいては、被膜は室温では純水には不溶性である。しかしながら、酸性もしくはアルカリ性のpHにおいては可溶性である。
【0019】
増粘分子化合物としては、1-(11-(((1S)-1-エトキシカルボニル-5-((1-オキソドデシル)アミノ)ペンチル)アミノ)-11-オキソウンデシル)ピリジニウムブロマイドを挙げることができる。
【0020】
界面活性剤
界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、または両性界面活性剤、あるいはこれらの混合物とすることができる。
【0021】
本発明の関連において、アニオン性界面活性剤として使用できるのは、単独物でも混合物でもよく、とりわけ塩で形成されるもの、特に、ナトリウム塩のようなアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、アミノアルコール塩もしくは例えばマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩で、以下のタイプのものを挙げることができる:アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、アルキルアミドエーテルサルフェート、アルキルアリールポリエーテルサルフェート、モノグリセリドサルフェート;アルキルスルホネート、アルキルホスフェート、アルキルアミドスルホネート、アルキルアリールスルホネート、α-オレフィンスルホネート、パラフィンスルホネート;アルキルスルホスクシネート、アルキルエーテルスルホスクシネート、アルキルアミドスルホスクシネート;アルキルスルホアセテート;アシルサルコシネート;およびアシルグルタメート(これら全ての化合物のアルキル基およびアシル基は6から24個の炭素原子を含有しており、またアリール基はフェニル基またはベンジル基を好ましくは意味しているもの)。また、アルキルグルコシドシトレート、ポリアルキルグリコシドタートレート、およびポリアルキルグリコシドスルホスクシネートなどの、C6〜C24のアルキルのモノエステルおよびポリグリコシド-ジカルボン酸のモノエステル;アルキルスルホスクシナメート、アシルイセチオネートおよびN-アシルタウレート(これら全ての化合物のアルキル基またはアシル基は12から20個の炭素原子を含有している)、を使用することも可能である。その他に使用できるアニオン性界面活性剤の中では、アシル基が8から20個の炭素原子を含有しているアシルラクチレートも挙げることができる。
【0022】
加えて、アルキル-D-ガラクトシドウロン酸およびこれらの塩、およびポリオキシアルキレン化(C6〜C24)アルキルエーテルカルボン酸、ポリオキシアルキレン化(C6〜C24)アルキル(C6〜C24)アリールエーテルカルボン酸およびポリオキシアルキレン化(C6〜C24)アルキルアミドエーテルカルボン酸およびこれらの塩、特に2から50個のエチレンオキシド単位を含むようなもの、ならびにこれらの混合物も挙げることができる。
【0023】
上記にアニオン性界面活性剤として挙げた中でも、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェートおよびアルキルエーテルカルボキシレートの塩、ならびにこれらの混合物を、本発明においては好ましく用いることができる。
【0024】
非イオン性界面活性剤もまた、これらと同様に、それ自体(per se)が周知の化合物である(この点については、特にM. R. Porter、「Handbook of Surfactants」、Blackie & Son (Glasgow and London)出版、1991、116〜178頁を参照されたい)。すなわち、これらは特に、ポリエトキシ化、ポリプロポキシ化もしくはポリグリセロール化脂肪酸、(C1〜C20)アルキルフェノール、例えば8から18個の炭素原子を含有する脂肪鎖を有するα-ジオールもしくはアルコールから選択することができ、特にエチレンオキシドもしくはプロピレンオキシド基の数は2から50個の範囲であり、特にグリセロール基の数は2から30個の範囲であることが可能である。エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマー、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドと脂肪アルコールとの縮合物;好ましくは2から30モルのエチレンオキシドを有するポリエトキシ化脂肪アミド、平均1から5個、特に1.5から4個のグリセロール基を含有するポリグリセロール化脂肪アミド;2から30モルのエチレンオキシドを有するソルビタンのエトキシ化脂肪酸エステル;スクロースの脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル、(C6〜C24)アルキルポリグリコシド、N-(C6〜C24)アルキルグルカミン誘導体、(C10〜C14)アルキルアミンオキシドもしくはN-(C10〜C14)アシルアミノプロピルモルホリンオキシドなどのアミンオキシド;ならびにこれらの混合物も挙げることができる。
【0025】
上記に挙げた非イオン性界面活性剤の中でも、(C6〜C24)アルキルポリグリコシドを好ましく用いることができる。
【0026】
本発明において適している両性界面活性剤は、とりわけ、脂肪族基が8から22個の炭素原子を含有する線状もしくは分岐の鎖であって、カルボキシレート、スルホネート、サルフェート、ホスフェートもしくはホスホネート基などの水溶性アニオン性基を少なくとも1個含有する脂肪族第二級もしくは第三級アミン誘導体であり;(C8〜C20)アルキルベタイン、スルホベタイン、(C8〜C20)アルキルアミド(C6〜C8)アルキルベタイン、または(C8〜C20)アルキルアミド(C6〜C8)アルキルスルホベタイン;ならびにこれらの混合物も挙げることができる。
【0027】
アミン誘導体の中で、米国特許第2528378号および米国特許第2781354号において記載され、「CTFA dictionary」、第3版、1982において、それぞれ構造(2)
R2-CONHCH2CH2-N+(R3)(R4)(CH2COO-) ・・・(2)
(式中:
R2は加水分解したココナッツ油中に存在する酸R2-COOHに由来するアルキル基、ヘプチル基、ノニル基、もしくはウンデシル基を表し、
R3はβ-ヒドロキシエチル基を表し、
R4はカルボキシメチル基を表す)
【0028】
および(3)
R2'-CONHCH2CH3-N(B)(C) ・・・(3)
(式中:
Bは-CH2CH2OX'を表し、
Cは-(CH2)z-Y'であってz = 1もしくは2を表し、
X'は-CH2CH2-COOH基もしくは水素原子を表し、
Y'は-COOHもしくは-CH2-CHOH-SO3H基を表し、
R2'はココナッツ油もしくは加水分解したアマニ油中に存在する酸Rg-COOHのアルキル基、アルキル基、特にC17のアルキル基およびそのイソ体、不飽和C17基を表す)
【0029】
を有し、両性カルボキシグリシネートおよび両性カルボキシプロピオネートの名称で分類されている、Miranol(登録商標)の名称で市販されている製品を挙げることができる。
【0030】
これらの化合物は、「CTFA dictionary」、第5版、1993において、ココアンホジアセテート二ナトリウム、ラウロアンホジアセテート二ナトリウム、カプリルアンホジアセテート二ナトリウム、カプリロアンホジアセテート二ナトリウム、ココアンホジプロピオネート二ナトリウム、ラウロアンホジプロピオネート二ナトリウム、カプリルアンホジプロピオネート二ナトリウム、カプリロアンホジプロピオネート二ナトリウム、ラウロアンホジプロピオン酸、ココアンホジプロピオン酸の名称で分類されている。
【0031】
例としては、Rhodia社からMiranol(登録商標)C2M濃縮物の商品名で市販されている、ココアンホジアセテートを挙げることができる。
【0032】
上記に挙げた両性界面活性剤の中でも、(C8〜C20)アルキルベタイン、(C8〜C20)アルキルアミド(C6〜C8)アルキルベタインおよびアルキルアンホジアセテートならびにこれらの混合物を好ましく用いることができる。
【0033】
上記に記載した界面活性剤は、単独で用いても、混合物として用いてもよく、その総量は、組成物の総重量に対して、0.1重量%から30重量%の間であることが好ましく、より良くは1重量%から25重量%の間、最適には4重量%から20重量%の間である。
【0034】
化粧品として許容できる水性媒体としては、水だけからなるもの、あるいは、C1〜C4の低級アルコール、例えばエタノール、イソプロパノール、tert-ブタノールもしくはn-ブタノール;アルキレングリコール、例えばプロピレングリコールもしくはグリコールエーテルなどの、化粧品として許容できる溶剤と水との混合物とすることができる。
【0035】
当業者は、本発明の組成物の有利な特性を損なわないように注意を払って、その他の添加剤やそれらの量を選定することができる。
【0036】
本発明の組成物のpHは、4と8の間、好ましくは5と7の間である。
【0037】
本発明による組成物はまた、天然または合成の、アニオン性、両性、双性イオン性、非イオン性またはカチオン性の、会合性または非会合性の高分子増粘剤、非高分子増粘剤、例えば酸または電解質、真珠母剤、乳白剤、有機溶剤、香料、鉱物油、植物油および/または合成の油、脂肪酸エステル、染料、揮発性または非揮発性の、オルガノ変性または非オルガノ変性の、環式または非環式の、分岐または非分岐のシリコーン、無機粒子または有機粒子、保存料およびpH安定化剤などの添加剤を含有していてもよい。
【0038】
当業者は、本発明の組成物の特性を損なわないように注意を払って、その他任意の添加剤やそれらの量を選定することができる。
【0039】
これらの添加剤は、本発明による組成物中に、組成物総重量に対して0から20重量%の範囲の量で存在する。
【0040】
組成物は、液体もしくは増粘流動体、ジェル、クリーム、ムース、水中油型もしくは油中水型エマルジョンまたは複合型エマルジョンの形態とすることができる。
【0041】
本発明の組成物は、毛髪、肌、睫毛、眉毛および爪に適用することができる。
【0042】
これらは、例えば、シャンプー、洗い流すか放置する(リーブイン)ケア製品、深部ケアマスク、ならびに頭皮および皮膚処理用またはメイクアップ除去用のローションもしくはクリームとして使用することができる。
【0043】
殊に、これらは毛髪用に最も使用される。
【0044】
組成物を毛髪に適用するにあたっては、様々なモードがある。これらについて以下に挙げる。
【0045】
(適用法1):組成物は、水、アルコールもしくはその他の化粧品として許容できる溶剤またはこれらの混合物を含有する毛髪用組成物の、ジェルもしくは溶液の形態で毛髪に適用される。
【0046】
(適用法2):組成物は、1種または複数の化粧品として許容できる溶剤を含有する毛髪用組成物の溶液の形態で毛髪に適用される。第2段階として水を付け、ゲルを形成させる。
【0047】
(適用法3):組成物は水、アルコールもしくはその他の化粧品として許容できる溶剤またはこれらの混合物を含有する毛髪用組成物のジェルもしくは溶液の形態で毛髪に適用される。乾燥後、
- 温水
- 酸性もしくは塩基性のpH水溶液
- 溶剤もしくは数種類の溶剤の混合物
を付けることによって、毛髪上に形成された被覆物を除去する。
【0048】
本発明はまた、上記に記載した組成物を有効な量でケラチン物質に適用し、場合によっては放置した後に、場合によっては洗い流すことによる、ケラチン物質を処理するための美容方法にも関する。
【0049】
ケラチン物質は、毛髪であることが好ましい。
【0050】
組成物は、エアロゾルの形態でパッケージングしてもよい。
【0051】
発明はまた、耐湿性のあるスタイリング効果を得るための、本発明による化粧組成物の毛髪上への使用にも関する。
【実施例】
【0052】
以下のスタイリングムースを調製した:
1-(11-(((1S)-1-エトキシカルボニル-5-((l-オキソドデシル)アミノ)ペンチル)アミノ)-11-オキソウンデシル)ピリジニウム 0.4%a.m.
オキシエチレン化ソルビタンモノラウレート(20 EO) 0.2%a.m.
水 94.5%a.m.
イソブタン/プロパン(85/15) 5%a.m.
【0053】
毛髪に適用した後、このムースは、以下のムースに比べて良好な耐湿性を与えるものであることが分かった:
Carbopol Ultrez 10(登録商標)(Noveon) 0.4%a.m.
オキシエチレン化ソルビタンモノラウレート(20 EO) 0.1%a.m.
水 94.5%a.m
イソブタン/プロパン(85/15) 5%a.m.

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性媒体または水+溶剤媒体中に、少なくとも1種の界面活性剤と、リンを含まず分子量が2000g/mol未満の少なくとも1種のカチオン性増粘分子化合物とを含み、この分子化合物が少なくとも:
- 2個のアミド基と、
- 不斉炭素と、
- 少なくとも8個の炭素を含む脂肪鎖と
を含むものである化粧品組成物。
【請求項2】
増粘分子化合物が少なくとも2個の-CONH-結合を含有していることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
脂肪鎖が8から30個の炭素原子、より好ましくは8から22個の炭素原子を含有していることを特徴とする請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
増粘分子化合物が1000g/mol未満、好ましくは800g/mol未満の分子量を有していることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
少なくとも1個の脂肪鎖がアミド基と直接結合していることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
少なくとも1個の脂肪鎖がカルボニル官能基を介してアミド基と結合していることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
増粘分子化合物が少なくとも2個の脂肪鎖を含有していることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
少なくとも1個の脂肪鎖がエステル基の一部を形成していることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
化粧品組成物の総重量に対して、増粘化合物が水性媒体中に0.1重量%から60重量%の間、好ましくは0.25重量%から25重量%の間の重量濃度で存在していることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
組成物が乾燥後に被膜を形成することを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
被膜が室温で純水に不溶性であることを特徴とする請求項9に記載の組成物。
【請求項12】
被膜が酸性またはアルカリ性のpHにおいて可溶性であることを特徴とする請求項10に記載の組成物。
【請求項13】
界面活性剤が、アニオン性、非イオン性および両性の界面活性剤、ならびにこれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
アニオン性界面活性剤が、以下の化合物、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、アルキルアミドエーテルサルフェート、アルキルアリールポリエーテルサルフェート、モノグリセリドサルフェート、アルキルスルホネート、アルキルホスフェート、アルキルアミドスルホネート、アルキルアリールスルホネート、α-オレフィンスルホネート、パラフィンスルホネート;アルキルスルホスクシネート、アルキルエーテルスルホスクシネート、アルキルアミドスルホスクシネート;アルキルスルホアセテート;アシルサルコシネート;およびアシルグルタメートの塩(これらの化合物のアルキル基およびアシル基は6から24個の炭素原子を含有しており、またアリール基がフェニル基またはベンジル基を好ましくは意味する);C6〜C24のアルキルエステルおよびポリグリコシド-カルボン酸エステル;アルキルスルホスクシナメート、アシルイセチオネートおよびN-アシルタウレート(アルキル基またはアシル基は12から20個の炭素原子を含有している);アシル基が8から20個の炭素原子を含有しているアシルラクチレート;アルキル-D-ガラクトシドウロン酸およびこれらの塩、ポリオキシアルキレン化(C6〜C24)アルキルエーテルカルボン酸、ポリオキシアルキレン化(C6〜C24)アルキル(C6〜C24)アリールエーテルカルボン酸およびポリオキシアルキレン化(C6〜C24)アルキルアミドエーテルカルボン酸およびこれらの塩;ならびにこれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
アニオン性界面活性剤が、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェートおよびアルキルエーテルカルボキシレートの塩、ならびにこれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
非イオン性界面活性剤が、ポリエトキシ化、ポリプロポキシ化またはポリグリセロール化C8〜C18脂肪酸、(C1〜C20)アルキルフェノール、α-ジオールもしくはアルコール(エチレンオキシド基またはプロピレンオキシド基の数が2から50個の範囲であり、グリセロール基の数が2から30個の範囲であってよい)、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマー、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドと脂肪アルコールとの縮合物;2から30モルのエチレンオキシドを有するポリエトキシ化脂肪アミド、平均1から5個のグリセロール基を含有するポリグリセロール化脂肪アミド;2から30モルのエチレンオキシドを有するポリエトキシ化脂肪アミン;2から30モルのエチレンオキシドを有するソルビタンのエトキシ化脂肪酸エステル;スクロースの脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル、(C6〜C24)アルキルポリグリコシド、N-(C6〜C24)アルキルグルカミン誘導体、アミンオキシド;ならびにこれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項13に記載の組成物。
【請求項17】
両性界面活性剤が、脂肪族基が8から22個の炭素原子を含有する直鎖または分岐の鎖であって、カルボキシレート、スルホネート、サルフェート、ホスフェートもしくはホスホネート基などの少なくとも1個の水溶性アニオン性基を含有する脂肪族第二級または第三級アミン誘導体;(C8〜C20)アルキルベタイン、スルホベタイン、(C8〜C20)アルキルアミド(C6〜C8)アルキルベタイン、または(C8〜C20)アルキルアミド(C6〜C8)アルキルスルホベタイン;ならびにこれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項13に記載の組成物。
【請求項18】
界面活性剤の総量が、組成物の総重量に対して、0.1重量%から30重量%の間、より良くは1重量%から25重量%の間、最良には4重量%から20重量%の間であることを特徴とする請求項1から17のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
天然または合成の、アニオン性、両性、双性イオン性、非イオン性またはカチオン性の、会合性または非会合性の高分子増粘剤、非高分子増粘剤、例えば酸または電解質、真珠母剤、乳白剤、有機溶剤、香料、鉱物油、植物油および/または合成の油、脂肪酸エステル、染料、揮発性または非揮発性の、オルガノ変性または非オルガノ変性の、環式または非環式の、分岐または非分岐のシリコーン、無機粒子または有機粒子、保存料およびpH安定剤などの添加剤も含むことを特徴とする請求項1から18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
水性媒体または水+溶剤媒体中に、少なくとも1種の毛髪用界面活性剤と、リンを含まず分子量が2000g/mol未満の少なくとも1種のカチオン性増粘分子化合物とを含み、この分子化合物が、少なくとも:
- 2個のアミド基と、
- 不斉炭素と、
- 少なくとも8個の炭素を含む脂肪鎖と
を含む化粧品組成物をケラチン繊維に適用し、また、この組成物を、場合によっては放置した後に、場合によっては洗い流すことを特徴とするケラチン繊維の美容トリートメント方法。
【請求項21】
ケラチン物質が毛髪であることを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
水性媒体または水+溶剤媒体中に、少なくとも1種の界面活性剤と、リンを含まず分子量が2000g/mol未満の少なくとも1種のカチオン性増粘分子化合物とを含み、この分子化合物が少なくとも:
- 2個のアミド基と、
- 不斉炭素と、
- 少なくとも8個の炭素を含む脂肪鎖と
を含む化粧品組成物の、耐湿スタイリング効果を得るための毛髪への使用。

【公表番号】特表2006−515022(P2006−515022A)
【公表日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−518713(P2005−518713)
【出願日】平成16年2月2日(2004.2.2)
【国際出願番号】PCT/FR2004/000228
【国際公開番号】WO2004/068998
【国際公開日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】