説明

ヒンジ構造およびこれを備えた建設機械用のキャブ

【課題】例えば、建設機械のキャブに取り付けられた場合でも、十分な開閉角度を確保しつつ、キャブの外側へ突出する部分を無くして輸送規制等をクリアすることが可能なヒンジ構造およびこれを備えた建設機械用のキャブを提供する。
【解決手段】ヒンジ22は、乗降用ドア20およびキャブ10の側壁部10aにそれぞれ内包されるように固定された2つの回転軸22b,22cと、これらの回転軸22b,22cに対して回転可能な状態で連結する中間羽根22aと、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧ショベル等の建設機械のキャブに取り付けられた乗降用ドアを開閉するためのヒンジの構造およびこれを備えた建設機械用のキャブに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、油圧ショベルやホイルローダ、ブルドーザ等の建設機械には、オペレータが乗降するための乗降用ドアが取り付けられたキャブが搭載されている。
例えば、特許文献1には、空調装置の外気フィルタ等を点検する点検カバーと乗降用ドアとを共通のヒンジを用いて連結することで、レイアウト設計の自由度を高めた建設機械用のキャブについて開示されている。
【特許文献1】特開2006−57245号公報(平成18年3月2日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の建設機械用のキャブでは、以下に示すような問題点を有している。
すなわち、上記公報に開示された建設機械用キャブでは、ヒンジに含まれる回転軸の部分が外部に突出するように取り付けられているため、油圧ショベルをトレーラー等に載せて輸送する場合、トレーラーの車体幅からヒンジが突出してヒンジを引っ掛けたり、輸送規制にかかってしまうおそれがある。この場合、キャブの大きさを小さくする設計変更を行うか、ヒンジごとドアを取り外して輸送を行う等の措置が必要となる。
【0004】
特に、油圧ショベルやホイルローダ、ブルドーザ等の建設機械の場合には、ドアを約180度開いた状態でオペレータが運転操作を行うようなケースがある。よって、180度の開閉角度を確保するために2つの回転軸を含む2軸ヒンジを採用した場合には、さらにキャブの外側への突出量が増えるおそれがある。
本発明の課題は、例えば、建設機械のキャブに取り付けられた場合でも、十分な開閉角度を確保しつつ、キャブの外側へ突出する部分を無くして輸送規制等の問題をクリアすることが可能なヒンジ構造およびこれを備えた建設機械用のキャブを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の発明に係るヒンジ構造は、ドアと壁とをつなぐように取り付けられ、ドアを開閉させる2つの回転軸を含むヒンジ構造であって、第1・第2回転軸と、中間羽根部材と、を備えている。第1回転軸は、ドア側に内包されるように配置されている。第2回転軸は、壁側に内包されるように配置されている。中間羽根部材は、第1回転軸と第2回転軸とを互いに連結する。
【0006】
ここでは、ドアおよび壁に内包されるようにそれぞれ取り付けられた第1・第2回転軸を、中間羽根部材によって直接的に連結している。
ここで、第1・第2回転軸は、ドアおよび壁側に埋め込まれるように取り付けられた回転軸である。このような2軸のヒンジ構造を採用することで、第1・第2回転軸に対して中間羽根部材を90度ずつ回転させて壁に対してドアを180度開くことが可能となる。また、中間羽根部材は、例えば、平板の両端部に第1・第2回転軸と連結される連結部を有する部材をいう。
【0007】
これにより、従来よりも部品点数を削減しつつ、ドアおよび壁側に内包された第1・第2回転軸、それらを連結する中間羽根部材のいずれの部材も、ドアを閉めた状態においてドアの開放側の面に突出することはない。この結果、例えば、建設機械のキャブのドア用のヒンジとして用いられた場合でも、キャブの外側の面にヒンジの部材が突出した状態で取り付けられることはないため、ヒンジの構造が輸送規制等の問題につながることを回避することができる。
【0008】
第2の発明に係るヒンジ構造は、第1の発明に係るヒンジ構造であって、中間羽根部材は、ドアを閉めた状態において、ドアおよび壁の外側の面に対してほぼ面一になるように取り付けられている。
ここでは、第1・第2回転軸を連結する中間羽根部材が、ドアを閉めた状態におけるドアおよび壁の外側の面に対してほぼ面一(フラット)になるように配置される。換言すれば、中間羽根部材の外側の面が、ドアおよび壁の外側の面とほぼ同一面を形成するように配置される。
【0009】
これにより、例えば、建設機械のキャブのドア開閉用のヒンジとして用いられた場合には、中間羽根部材の部分に段差ができることはないため、キャブの外観性を向上させることができる。
【0010】
第3の発明に係るヒンジ構造は、第1または第2の発明に係るヒンジ構造であって、ドアの上下端部にそれぞれ設けられている。
ここでは、本発明に係るヒンジ構造を、ドアおよび壁の上下端部付近にそれぞれ取り付けている。なお、この場合、例えば、第1・第2回転軸は、ドアおよび壁の上下の端面に形成された穴に挿入されるようにして取り付けられればよい。
これにより、ヒンジ構造に含まれる第1・第2回転軸や中間羽根部材の長さを最小限の大きさとすることができる。
【0011】
第4の発明に係るヒンジ構造は、第3の発明に係るヒンジ構造であって、上下端部の間に形成される隙間を塞ぐカバー部材を、さらに備えている。
ここでは、上述したドアおよび壁の上下端部付近にそれぞれ設けられたヒンジ構造の間に形成される隙間を、カバー部材を用いて覆っている。
これにより、ドア等の上下端部付近に分割して配置されたヒンジの間に隙間が生じてしまうことを回避することができる。
【0012】
第5の発明に係るヒンジ構造は、ドアと壁とをつなぐように取り付けられ、ドアを開閉させる2つの回転軸を含むヒンジ構造であって、第1・第2回転軸と、第1・第2部材と、中間羽根部材と、を備えている。第1回転軸は、ドア側の回転軸となる。第2回転軸は、壁側の回転軸となる。第1部材は、ドアの一部と第1回転軸とにそれぞれ接続されており、ドアを閉めた状態では壁側に配置される。第2部材は、壁の一部と第2回転軸とにそれぞれ接続されており、ドアを閉めた状態ではドア側であって、正面視において第1部材と重なるように配置される。中間羽根部材は、第1・第2回転軸を介して第1回転軸と第2回転軸とを連結するとともに、第1部材の内側に配置される。
【0013】
ここでは、ドア側および壁側の丁番に相当する第1・第2部材を介して、ドアとその回転軸となる第1回転軸、壁とその回転軸となる第2回転軸をそれぞれ接続する。そして、第1・第2部材に接続された第1・第2回転軸を、第1・第2部材に重なるように配置された中間羽根部材を介して接続する。
ここで、第1部材は、一方の端部においてドアに取り付けられ、他方の端部において第1回転軸に取り付けられる。そして、第2部材は、一方の端部において壁に取り付けられ、他方の端部において第2回転軸に取り付けられる。
【0014】
これにより、正面視において、ドア側の第1部材および第1回転軸だけが外側の面に露出している状態としつつ、ドアの外側に突出部のない2軸のヒンジ構造を構成してドアを180度開くことができる。この結果、例えば、建設機械のキャブのドアのヒンジとして用いられた場合でも、外観性を向上させ、かつキャブの外面からヒンジの部品が突出して輸送規制等にかかってしまうような不具合の発生を回避することができる。
【0015】
第6の発明に係るヒンジ構造は、第5の発明に係るヒンジ構造であって、第1・第2部材および中間羽根部材は、第1・第2回転軸の軸方向から見て略S字型になるように構成されている。
ここでは、上述した正面視において互いに重なるように配置された第1・第2部材および中間羽根部材が、第1・第2回転軸の軸方向から見て略S字形状になるように配置されている。つまり、ドアの外側の面に接続された第1部材と、壁の内側の面に接続された第2部材と、その間をつなぐ中間羽根部材と、によって、軸方向から見て略S字形状が形成される。
【0016】
これにより、ヒンジ構造を構成する部品が外側に突出することを回避しつつ、正面視において1軸ヒンジのように見せることで外観性を向上させることができる。
【0017】
第7の発明に係るヒンジ構造は、第5または第6の発明に係るヒンジ構造であって、第1・第2回転軸は、ドアを閉じた状態において、その軸方向から所定の厚み分だけドアの開閉方向にずれた位置に配置されている。
ここでは、ドアを閉じた状態において、軸方向から見て、例えば、第1・第2部材の1枚の厚み分のような所定の量だけオフセットして第1・第2回転軸を配置している。
これにより、第1・第2部材を正面視において重なるように配置した場合でも、第1・第2部材として共通の部品を用いて第1部材が外側に突出しないような構成とすることができる。この結果、構成部品の種類を減らして、構成を簡素化することができる。
【0018】
第8の発明に係るヒンジ構造は、第5から第7の発明のいずれか1つに係るヒンジ構造であって、ドアは、第1回転軸の周りにX度回転し、中間羽根部材は、第2回転軸の周りにY度回転する。ただし、X−Y=180(度)とする。
ここでは、壁に対してドアを180度開く際に、第1回転軸の周りでドアをX度回転させるとともに、第2回転軸の周りで中間羽根部材をY度回転させる。そして、このX度とY度との関係は、X−Y=180度である。
これにより、第1・第2回転軸の周りに所定角度ずつドアや中間羽根部材を回転させることで、結果としてドアを壁に対して180度開くことができる。
【0019】
第9の発明に係るヒンジ構造は、第8の発明に係るヒンジ構造であって、Xは270、Yは90である。
ここでは、上述した第1・第2回転軸周りにおけるドアや中間羽根部材の回転角度として、第1回転軸周りで270度、第2回転軸周りで90度になるように規制されている。
これにより、各回転軸において所定の角度ずつ回転させて結果として180度の開閉角度を持たせることができる。
【0020】
第10の発明に係るヒンジ構造は、第5から第9の発明のいずれか1つに係るヒンジ構造であって、第1・第2部材は、段階的に第1・第2回転軸の周りをそれぞれ回転する。
ここでは、ドアを開く際には、第1・第2部材が、第1・第2回転軸の周りにおいて、例えば、時間差をあけて段階的に回転することで、180度の開閉角度を持たせている。
これにより、第1・第2部材が2軸の周りをそれぞれ自由に回転するために、ドアの開閉が不安定になってしまうことを回避することができる。この結果、例えば、180度のドアの開閉を安定して行うことができる。
【0021】
第11の発明に係るヒンジ構造は、第5から第10の発明のいずれか1つに係るヒンジ構造であって、第1部材あるいは第2部材が所定の角度だけ回転すると第1部材あるいは第2部材の回動を規制するストッパをさらに備えている。
ここでは、第1・第2回転軸周りにおける、第1・第2部材の回転角度をストッパによって所定角度に規制する。例えば、第1回転軸側においては第1部材の回転角度を270度までに規制するとともに、第2回転軸側においては第2部材の回転角度を90度に規制する。
【0022】
これにより、第1・第2部材が2軸の周りをそれぞれ所定角度以上にまで自由に回転するために、ドアの開閉が不安定になってしまうことを回避することができる。この結果、例えば、180度のドアの開閉を安定して行うことができる。
【0023】
第12の発明に係る建設機械のキャブは、第1から第11の発明のいずれか1つに係るヒンジ構造を備えている。
これにより、上述したように、2軸のヒンジ構造を採用しつつ、十分な開閉角度を確保し、ヒンジ構造としてキャブの外側へ突出する部分を無くして輸送規制等の問題をクリアすることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係るヒンジ構造によれば、十分な開閉角度を確保し、ヒンジ構造としてキャブの外側へ突出する部分を無くして輸送規制等の問題をクリアすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
[実施形態1]
本発明の一実施形態に係るヒンジ構造を採用した建設機械のキャブを搭載した油圧ショベル(建設機械)1について、図1〜図3(d)を用いて説明すれば以下の通りである。
[油圧ショベル1全体の構成]
本実施形態に係る油圧ショベル1は、図1に示すように、下部走行体2と、旋回台3と、作業機4と、カウンタウェイト5と、エンジンルーム6と、機器室9と、キャブ10と、を備えている。
【0026】
下部走行体2は、進行方向左右両端部分に巻き掛けられた履帯Pを回転させることで、油圧ショベル1を前進、後進させるとともに、上面側に旋回台3を旋回可能な状態で搭載している。
旋回台3は、下部走行体2上において、任意の方向に旋回可能であって、上面に作業機4と、カウンタウェイト5と、エンジンルーム6と、キャブ10とを搭載している。
【0027】
作業機4は、ブーム11と、ブーム11の先端に取り付けられたアーム12と、アーム12の先端に取り付けられたバケット13とを含むように構成されている。そして、作業機4は、図示しない油圧回路に含まれる各油圧シリンダ11a,12a,13a等によって、ブーム11やアーム12、バケット13等を上下に移動させながら、土砂や砂礫等の掘削を行う土木工事の現場において作業を行う。
【0028】
カウンタウェイト5は、例えば、鋼板を組み立てて形成した箱の中に屑鉄やコンクリート等を入れて固めたものであって、採掘時等において車体のバランスをとるために旋回台3上におけるエンジンルーム6の後方に設けられている。
エンジンルーム6は、カウンタウェイト5に隣接するように、図示しないメインフレーム上における旋回台3の後端部に配置されている。また、エンジンルーム6は、内部にエンジン等の収納空間を形成している。そして、エンジンルーム6は、下部走行体2や作業機4を駆動するための動力源であるエンジンやアフタークーラ等を内部の収納空間に収納している。
【0029】
機器室9は、作業機4の後方に配置されており、図示しない燃料タンク、作動油タンクおよび操作弁等を収容する。
キャブ10は、油圧ショベル1のオペレータが乗降する運転室であって、作業機4の先端部を見通せるように、旋回台3上における作業機4の側方となる左側前部に配置されている。また、キャブ10の左側面には、図2(a)に示すように、ヒンジ(ヒンジ構造)21,22を回動中心として開閉可能(図中2点鎖線矢印参照)な乗降用ドア(ドア)20が取り付けられている。ヒンジ21,22は、乗降用ドア20とキャブ10の側壁部10aとの連結部分における上下の端部に形成された切欠き部分にそれぞれ取り付けられている。また、キャブ10の左側面に設けられた乗降用ドア20は、180度開いた状態で図示しないロック機構によってロックされる。これにより、キャブ10内のオペレータは、乗降用ドア20を180度開いた状態で油圧ショベル1の運転を行うことができる。
【0030】
[ヒンジ21,22の構造]
本実施形態では、キャブ10に乗り降りするための乗降用ドア20を、ヒンジ21,22を介してキャブ10の側面に開閉可能な状態で取り付けている。
以下では、ヒンジ21,22のうち、下端部に取り付けられたヒンジ22を例としてあげて説明するが、上端部のヒンジ21についても基本的な構成は共通である。
【0031】
ヒンジ22は、図2(b)および図3(a)等に示すように、乗降用ドア20とキャブ10の側壁部10aとの間における下端部同士を連結するように設けられており、中間羽根(中間羽根部材)22aと、2つの回転軸(第1・第2回転軸)22b,22cと、を備えた2軸タイプのヒンジである。
中間羽根22aは、ドア側および壁側にそれぞれ埋め込まれた回転軸22b,22cに対して回転可能な状態で連結されており、実質的に、乗降用ドア20と側壁部10aとを連結する金属製の部材である。そして、中間羽根22aは、乗降用ドア20および側壁部10aにおける下端部に形成された切欠き部分に嵌め込まれるように取り付けられている。さらに、中間羽根22aは、図3(a)に示すように、乗降用ドア20を閉じた状態において、キャブ10の外周面に沿うように配置されている。これにより、乗降用ドア20とキャブ10との連結部分がフラットな面となり、段差が形成されることを回避している。
【0032】
回転軸(第1回転軸)22bは、乗降用ドア20の下端部から鉛直上向きに埋め込まれた棒状の部材であって、乗降用ドア20の厚みの中に内包されるように取り付けられている。
回転軸(第2回転軸)22cは、キャブ10の側壁部10aの下端部から鉛直上向きに埋め込まれた棒状の部材であって、側壁部10aの厚みの中に内包されるように取り付けられている。
【0033】
<乗降用ドア20開閉時におけるヒンジ22の動き>
本実施形態に係るヒンジ22は、乗降用ドア20を開けていく過程において、図3(a)〜図3(d)に示すように変化する。
具体的には、図3(a)に示すように、乗降用ドア20が閉じられている状態から、油圧ショベル1のオペレータが乗降用ドア20を開けていくと、まず、図3(b)に示すように、回転軸22bにおいて乗降用ドア20だけが回転していく。
【0034】
次に、オペレータがさらに乗降用ドア20を開いていくと、図3(c)に示すように、回転軸22bにおける乗降用ドア20の回転とともに、回転軸22cにおける中間羽根22aの回転も開始される。なお、このとき、回転軸22bにおける乗降用ドア20の回転は、90度回転した状態でそれ以上の回転が規制される。これにより、回転軸22b,22cにおいて乗降用ドア20と中間羽根22aとがそれぞれ回転する第1状態から、回転軸22cにおいて中間羽根22aが回転する第2状態とを経て、乗降用ドア20を段階的に全開状態まで移行させることができる。
【0035】
そして、最後に、図3(d)に示すように、側壁部10aに対して平行になる全開状態まで乗降用ドア20を開くことができる。このとき、上述したように、乗降用ドア20の一部に取り付けられたロック機構によって、乗降用ドア20が側壁部10a側へ固定される。
[本ヒンジ21,22の特徴]
(1)
本実施形態のヒンジ22は、図3(a)〜図3(d)に示すように、乗降用ドア20およびキャブ10の側壁部10aにそれぞれ内包されるように固定された2つの回転軸22b,22cと、これらの回転軸22b,22cに対して回転可能な状態で連結する中間羽根22aと、を備えている。
【0036】
これにより、2軸タイプのヒンジ21,22を採用しつつ部品点数を削減することができるとともに、乗降用ドア20を180度開いた状態を形成することができる。そして、乗降用ドア20とキャブ10の側壁部10aとに内包されるように回転軸22b,22cを配置しているため、ヒンジ21,22の各部品がキャブ10の外周面から突出することを回避することができる。この結果、従来よりも部品点数が少なく、輸送規制等の問題をクリアしやすいキャブ10を構成することができる。
【0037】
(2)
本実施形態のヒンジ22は、図3(a)に示すように、中間羽根22aの外周面が、乗降用ドア20およびキャブ10の側壁部10aの面とフラットになるように配置されている。
これにより、乗降用ドア20とキャブ10の側壁部10aとの連結部分における中間羽根22aの部分において、段差が形成されてしまうことを回避することができる。この結果、2軸タイプのヒンジ21,22を採用した場合でも、キャブ10の外観性を向上させることができる。
【0038】
(3)
本実施形態のヒンジ22は、図2(a)に示すように、乗降用ドア20とキャブ10の側壁部10aとの連結部分における上下端部に、それぞれ設けられている。
これにより、それぞれの回転軸22b,22cを上下それぞれの端面から挿入するようにして取付けを行うことで、中間羽根22aを含むヒンジ21,22の取付けを容易に行うことができる。
【0039】
(4)
本実施形態のキャブ10は、図1に示すように、油圧ショベル1に搭載されており、図2(a)に示すように、上述したヒンジ構造を備えたヒンジ21,22を備えている。
これにより、上述したように、従来よりも部品点数が少なく、輸送規制等の問題をクリアしやすいキャブ10を構成することができる。
【0040】
[実施形態2]
本発明の他の実施形態に係るヒンジ構造を採用したヒンジ61,62について、図4(a)〜図7(f)を用いて説明すれば以下の通りである。
本実施形態のヒンジ61,62は、実施形態1のヒンジ21,22と同様に、図4に示すように、油圧ショベル1(図1参照)に搭載されるキャブ50の側面部分において、乗降用ドア(ドア)60を開閉可能な状態で取り付け固定している。また、ヒンジ61,62は、乗降用ドア60とキャブ50の側壁部(壁側)50aとの連結部分における上下の端部から所定の距離だけ内側に形成された切欠き部分にそれぞれ取り付けられている。
【0041】
以下では、ヒンジ61,62のうち、乗降用ドア60の下部に取り付けられたヒンジ62を例としてあげて説明するが、上部のヒンジ61についても基本的な構成は共通である。
ヒンジ62は、図4(b)および図5等に示すように、乗降用ドア60とキャブ50の側壁部50aとの間における下部同士を連結するように設けられており、中間羽根(中間羽根部材)62aと、2つの回転軸(第1・第2回転軸)62b,62cと、第1・第2部材62e,62dと、を備えた2軸タイプのヒンジである。
【0042】
中間羽根62aは、壁側およびドア側の回転軸62b,62cに対して回転可能な状態で連結されており、実質的に、乗降用ドア60と側壁部50aとを連結する金属製の部材である。そして、中間羽根62aは、乗降用ドア60および側壁部50aにおける下部に形成された切欠き部分に嵌め込まれるように取り付けられている。さらに、中間羽根62aは、図5に示すように、乗降用ドア60を閉じた状態において、壁側の回転軸62bとともにキャブ50の外周面側からは見えないように配置される。これにより、キャブ50の外観上、乗降用ドア60とキャブ50との連結部分を1軸タイプのヒンジ構造のように見せることで、キャブ50の外観性を向上させることができる。
【0043】
回転軸(第2回転軸)62bは、壁側の第2部材62dを介してキャブ50の側壁部50aに鉛直方向に沿って取り付けられた棒状の部材であって、乗降用ドア60を開閉する際には、中間羽根62aの回転中心として機能する。また、回転軸62bは、図5に示すように、乗降用ドア60を閉じた状態において、キャブ50の外側からの正面視において見えないように配置される。
【0044】
回転軸(第1回転軸)62cは、ドア側の第1部材62eを介して乗降用ドア60に鉛直方向に沿って取り付けられた棒状の部材であって、乗降用ドア60を開閉する際には、中間羽根62aに対する第1部材62eの回転中心として機能する。また、回転軸62cは、図5に示すように、断面において、壁側の回転軸62bに対して所定の距離dだけキャブ50の外側にずれた位置に配置される。これにより、中間羽根62aを介して互いに連結される、ドア側の回転軸62cおよび第1部材62eと、壁側の回転軸62bおよび第2部材62dと、をそれぞれ同じ部品によって構成して部品の種類を削減することができる。
【0045】
第2部材62dは、壁側に固定された金属製の部材であって、壁側の回転軸62bとキャブ50の側壁部50aとを連結するように取り付けられている。
第1部材62eは、ドア側に取り付けられた金属製の部材であって、ドア側の回転軸62cと乗降用ドア60とを連結するように取り付けられている。
本実施形態では、図5に示す断面図に示すように、上述した各部材を略S字形状になるように連結させている。つまり、第2部材62dから回転軸62bを介して中間羽根62a、回転軸62cを介して第1部材62eに至るまでに、略S字形状を形成する。これにより、キャブ50の外側から見た正面視においては、ヒンジ62の部分にはドア側の回転軸62cおよび第1部材62eだけが見える状態となる。これにより、2軸タイプのヒンジ62であるにもかかわらず、1軸タイプのような簡易な構成のヒンジ構造とすることができる。
【0046】
<乗降用ドア60開閉時におけるヒンジ62の動き>
本実施形態に係るヒンジ62は、乗降用ドア60を開けていく過程において、図6(a)〜図7(c)に示すように変化する。
具体的には、図6(a)に示すように、乗降用ドア60が閉じられている状態から、油圧ショベル1のオペレータが乗降用ドア60を開けていくと、まず、図6(b)に示すように、回転軸62cにおいて乗降用ドア60、回転軸62bにおいて中間羽根62aが、それぞれが並行して回転していく。
【0047】
次に、オペレータがさらに乗降用ドア60を開いていくと、図6(c)に示すように、回転軸62cにおける乗降用ドア60の回転、回転軸62bにおける中間羽根62aの回転がさらに進んでいく。
次に、図7(a)に示すように、回転軸62bにおいて中間羽根62aの回転が90度に到達すると、第1回転規制部(ストッパ)71によって中間羽根62aのそれ以上の回転が規制される。一方、回転軸62cにおいては、ドア側の第1部材62eがさらに回転していく。
【0048】
次に、図7(b)に示すように、さらに回転軸62cにおいてドア側の第1部材62eだけを回転させていく。
最後に、図7(c)に示すように、回転軸62cにおいて、ドア側の第1部材62eを270度まで回転させると、第2回転規制部(ストッパ)72によって、第1部材62eのそれ以上の回転が規制される。このとき、乗降用ドア60は、図示しないロック機構によって側壁部50a側へロックされ、180度開いた全開状態となる。なお、上記第1・第2回転規制部71,72については、回転軸62b,62cに取り付けられた突起物等によって中間羽根62aおよびドア側の第1部材62eに当接することで所定角度以上の回転を規制するものである。
【0049】
本実施形態では、以上のように、回転軸62b,62cにおいて乗降用ドア60と中間羽根62aとがそれぞれ回転する第1状態から、回転軸62bにおいて中間羽根62aがロックされて回転軸62cにおいてドア側の第1部材62eだけが回転する第2状態とを経て、乗降用ドア60を段階的に全開状態まで移行させることができる。
[本ヒンジ61,62の特徴]
(1)
本実施形態のヒンジ62では、図5等に示すように、ドア側の回転軸62cおよび第1部材62eと、壁側の回転軸62bおよび第2部材62dと、第1・第2回転軸62b、62cを連結する中間羽根62aと、を備えている。そして、ヒンジ62は、回転軸62b,62cを介して互いに連結された第1部材62e、中間羽根62aおよび第2部材62dが、正面視において重なるように配置されている。
【0050】
これにより、2軸タイプのヒンジ構造を採用して180度の全開状態を可能としつつ、キャブ50の外周面において突出する部分をなくして、輸送規制等の問題を容易にクリアすることが可能なキャブ50を構成することができる。また、回転軸62b,62cを介して互いに連結された第1部材62e、中間羽根62aおよび第2部材62dを、正面視において重なるように配置しているため、2軸タイプであっても外観上は1軸タイプのように見せることができる。よって、外観性の高いキャブ50を構成することができる。
【0051】
(2)
本実施形態のヒンジ62は、図5に示すように、回転軸62b,62cの軸方向からみて、略S字形状になるように、回転軸62b,62c、第1部材62e、第2部材62d、中間羽根62aを配置している。
これにより、正面視において、乗降用ドア60を閉めた状態において、第1部材62eによって、中間羽根62a、回転軸62b、第2部材62dを隠すことができる。この結果、1軸タイプのヒンジ構造に見せることで、外観性を向上させることができる。
【0052】
(3)
本実施形態のヒンジ62は、図5に示すように、ドア側の回転軸62cと壁側の回転軸62bとを、乗降用ドア60の厚み方向にずらして配置している。
これにより、第1部材62e,第2部材62dおよび中間羽根62aを、正面視において重なるように配置した場合でも、キャブ50の外周面から突出した部分が形成されることを回避することができる。さらには、乗降用ドア60と回転軸62cとを連結する第1部材62eと、キャブ50の側壁部50aと回転軸62bとを連結する第2部材62dと、を共通の部品とすることで部品の種類を削減することができる。
【0053】
(4)
本実施形態のヒンジ62は、図7(c)に示すように、ドア側の回転軸62cにおける回転角度Xと壁側の回転軸62bにおける回転角度Yとの差が180度になるようにすることで、乗降用ドア60を180度の全開状態とする。
これにより、回転軸62b,62cにおいて各部材を回転させることで、結果として乗降用ドア60を180度の全開状態とすることができる。
【0054】
(5)
本実施形態のヒンジ62は、図7(c)に示すように、ドア側の回転軸62cにおける回転角度X(270度)と壁側の回転軸62bにおける回転角度Y(90度)となるように構成することで、乗降用ドア60を180度の全開状態とする。
これにより、各回転軸62b,62c周りにおいて各部材を上記回転角度分だけ回転させることで、結果として、180度の全開状態とすることができる。
【0055】
(6)
本実施形態のヒンジ62は、図6(a)〜図7(c)に示すように、乗降用ドア60は、ドア側の回転軸62cにおいて第1部材62e、壁側の回転軸62bにおいて中間羽根62aが、それぞれ段階的に回転しながら、180度の全開状態へと移行する。すなわち、回転軸62b,62cにおいて各部材が回転する第1状態と、回転軸62cにおいてのみ第1部材62eが回転する第2状態を経て、乗降用ドア60を全開状態へと移行させる。
【0056】
これにより、乗降用ドア60の開閉時に、乗降用ドア60の動きが不安定になって、壁側へ接触する等の不具合の発生を防止することができる。この結果、乗降用ドア60を、安定した動きで180度全開状態とすることができる。
(7)
本実施形態のヒンジ62は、図7(c)に示すように、ドア側の回転軸62cにおいて第1部材62e、壁側の回転軸62bにおいて中間羽根62aの回転角度をそれぞれ規制する回転規制部71,72をさらに備えている。
【0057】
これにより、乗降用ドア60の開閉時において段階的な開閉を行って、乗降用ドア60の開閉を不安定にしてしまうことを防止することができるとともに、180度の全開角度を容易に設定することができる。
(8)
本実施形態のキャブ50は、図1に示すように、油圧ショベル1に搭載されており、図4(a)に示すように、上述したヒンジ構造を備えたヒンジ61,62を備えている。
【0058】
これにより、上述したように、従来よりも部品点数が少なく、輸送規制等の問題をクリアしやすいキャブ50を構成することができる。
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0059】
(A)
上記実施形態1では、中間羽根22aが、乗降用ドア20および側壁部10aの外側の面に沿って配置されている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、図8に示すように、回転軸22b,22cを連結する直線状の部材を中間羽根(中間羽根部材)122aとして用いたヒンジ122であってもよい。
【0060】
この場合でも、ヒンジ構造においてキャブ10の外周面側に突出する部分を無くすことができるため、キャブを搬送する際の輸送規制等の問題を容易にクリアすることができる。
ただし、キャブの外観としてはヒンジ部分において段差がない方が好ましいため、上記実施形態1のように、中間羽根22aを乗降用ドア20等の外面に沿うように配置することがより好ましい。
【0061】
(B)
上記実施形態1では、キャブ10の側面に取り付けられた乗降用ドア20における上下の端部にそれぞれヒンジ21,22を設置するための切欠き部分を設けた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、図9に示すように、ヒンジ21,22の間に形成される隙間にカバー部材23を取り付けたキャブ110であってもよい。
【0062】
この場合には、ヒンジ21,22を取り付けるための切欠き部分を、乗降用ドアあるいはキャブの側壁部側に設ける必要がなくなる。そして、ヒンジ21,22の間に形成される隙間をカバー部材によって塞ぐことで、外観性の高いキャブ110を構成することができる。
(C)
上記実施形態1では、乗降用ドア20の上下端部にそれぞれヒンジ21,22を取り付けた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0063】
例えば、ヒンジの取付位置としては、乗降用ドアにおける上下端部から若干内側へ入った部分であってもよい。
(D)
上記実施形態2では、図6(a)〜図7(c)に示すように、第1・第2回転規制部71,72によって、回転軸62b,62cの双方において回転する第1状態と、回転軸62cのみで回転する第2状態とを切り換えて、乗降用ドア60を段階的に開閉する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0064】
例えば、図10(a)および図10(b)に示すように、中間羽根(中間羽根部材)222aと、回転軸(第1回転軸)222bと、回転軸(第2回転軸)222cと、ドア側の丁番222dと、壁側の丁番222eと、を備えたヒンジ222によって、乗降用ドアとキャブの側壁部とを連結してもよい。
このヒンジ222は、図10(b)に示すP部分の拡大図である図11(a)に示すように、ブシュ(ストッパ)225の一部に締め代をきつくした小径部225aを設けている。これにより、2軸タイプのヒンジ構造において、片方の回転軸222cにおける回転抵抗を付加することで、乗降用ドアを段階的に開閉することができる。
【0065】
また、P部分の他の構成として、図11(b)に示すように、締め代をきつくしたカラー226bをブシュ226(ストッパ)の本体226aによって押しつけるように取り付けたヒンジ226を用いてもよい。この場合でも、2軸タイプのヒンジ構造において、片方の回転軸222cにおける回転抵抗を付加することで、乗降用ドアを段階的に開閉することができる。
【0066】
(E)
上記実施形態1,2では、油圧ショベル1に搭載されたキャブ10の乗降用ドア20を開閉するためのヒンジ21,22に対して、本発明に係るヒンジ構造を採用した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、クレーン車やブルドーザ、ホイルローダ、モータグレーダ等の他の建設機械に搭載されたキャブのドアを開閉するためのヒンジに対して、本発明のヒンジ構造を採用してもよい。
【0067】
特に、上述した実施形態1,2のような油圧ショベルやクレーン車のように、運転中に乗降用ドアを180度全開にした状態で作業を行う可能性がある建設機械に搭載されたキャブに対して採用されることが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明のヒンジ構造は、十分な開閉角度を確保し、キャブの外側へ突出する部分を無くして輸送規制等の問題をクリアすることができるという効果を奏することから、各種ドアや扉の開閉部分に用いられるヒンジに対して広く適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の一実施形態に係るヒンジ構造を採用したキャブを搭載した油圧ショベル全体の構成を示す斜視図。
【図2】(a)は、図1の油圧ショベルに搭載されたキャブの構成を示す外観図。(b)は、(a)のキャブの一部であるヒンジ部分を拡大した正面図。
【図3】(a)〜(d)は、図2のキャブの乗降用ドアを開閉する際のヒンジの動きを示す断面図。
【図4】(a)は、本発明の他の実施形態に係るヒンジを含むキャブの構成を示す外観図。(b)は、(a)のキャブの一部であるヒンジ部分を拡大した正面図。
【図5】図4(b)のヒンジ部分の拡大断面図。
【図6】(a)〜(c)は、乗降用ドアを開閉する際の図5のヒンジの動きを示す断面図。
【図7】(a)〜(c)は、乗降用ドアを開閉する際の図5のヒンジの動きを示す断面図。
【図8】本発明のさらに他の実施形態に係るヒンジ構造の一例を示す断面図。
【図9】本発明のさらに他の実施形態に係るキャブの構成を示す外観図。
【図10】(a)および(b)は、本発明のさらに他の実施形態に係るヒンジの構造を示す断面図および正面図。
【図11】(a)および(b)は、図10(b)のP部分に相当するブッシュ周辺の構成を示す断面図。
【符号の説明】
【0070】
1 油圧ショベル(建設機械)
2 下部走行体
3 旋回台
4 作業機
5 カウンタウェイト
6 エンジンルーム
9 機器室
10 キャブ
10a 側壁部(壁側)
11 ブーム
11a 油圧シリンダ
12 アーム
12a 油圧シリンダ
13 バケット
13a 油圧シリンダ
20 乗降用ドア(ドア)
21 ヒンジ(ヒンジ構造)
22 ヒンジ(ヒンジ構造)
22a 中間羽根(中間羽根部材)
22b 回転軸(第1回転軸)
22c 回転軸(第2回転軸)
23 カバー部材
50 キャブ
50a 側壁部(壁側)
60 乗降用ドア(ドア)
61 ヒンジ(ヒンジ構造)
62 ヒンジ(ヒンジ構造)
62a 中間羽根(中間羽根部材)
62b 回転軸(第2回転軸)
62c 回転軸(第1回転軸)
62d 第2部材
62e 第1部材
71 第1回転規制部(ストッパ)
72 第2回転規制部(ストッパ)
122a 中間羽根(中間羽根部材)
222 ヒンジ
222a 中間羽根(中間羽根部材)
222b 回転軸(第1回転軸)
222c 回転軸(第2回転軸)
222d 丁番
222e 丁番
225 ブッシュ(ストッパ)
225a 径小部
226 ブッシュ(ストッパ)
226a 本体
226b カラー
P 履帯

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアと壁とをつなぐように取り付けられ、前記ドアを開閉させる2つの回転軸を含むヒンジ構造であって、
前記ドア側に内包されるように配置された第1回転軸と、
前記壁側に内包されるように配置された第2回転軸と、
前記第1回転軸と前記第2回転軸とを互いに連結する中間羽根部材と、
を備えているヒンジ構造。
【請求項2】
前記中間羽根部材は、前記ドアを閉めた状態において、前記ドアおよび前記壁の外側の面に対してほぼ面一になるように取り付けられている、
請求項1に記載のヒンジ構造。
【請求項3】
前記ドアの上下端部にそれぞれ設けられている、
請求項1または2に記載のヒンジ構造。
【請求項4】
前記上下端部の間に形成される隙間を塞ぐカバー部材を、さらに備えている、
請求項3に記載のヒンジ構造。
【請求項5】
ドアと壁とをつなぐように取り付けられ、前記ドアを開閉させる2つの回転軸を含むヒンジ構造であって、
前記ドア側の回転軸となる第1回転軸と、
前記壁側の回転軸となる第2回転軸と、
前記ドアの一部と前記第1回転軸とにそれぞれ接続されており、前記ドアを閉めた状態では前記壁側に配置される第1部材と、
前記壁の一部と前記第2回転軸とにそれぞれ接続されており、前記ドアを閉めた状態では前記ドア側であって、前記第1部材の内側に配置される第2部材と、
前記第1・第2回転軸を介して前記第1回転軸と前記第2回転軸とを連結するとともに、正面視において前記第1・第2部材に重なるように配置される中間羽根部材と、
を備えているヒンジ構造。
【請求項6】
前記第1・第2部材および前記中間羽根部材は、前記第1・第2回転軸の軸方向から見て略S字型になるように構成されている、
請求項5に記載のヒンジ構造。
【請求項7】
前記第1・第2回転軸は、前記ドアを閉じた状態において、その軸方向から見て所定の厚み分だけ前記ドアの開閉方向にずれた位置に配置されている、
請求項5または6に記載のヒンジ構造。
【請求項8】
前記ドアは、前記第1回転軸の周りにX度回転し、
前記中間羽根部材は、前記第2回転軸の周りにY度回転する、
請求項5から7のいずれか1項に記載のヒンジ構造。
(ただし、X−Y=180(度)とする。)
【請求項9】
前記Xは270、前記Yは90である、
請求項8に記載のヒンジ構造。
【請求項10】
前記第1・第2部材は、段階的に前記第1・第2回転軸の周りをそれぞれ回転する、
請求項5から9のいずれか1項に記載のヒンジ構造。
【請求項11】
前記第1部材あるいは前記第2部材が所定の角度だけ回転すると前記第1部材あるいは前記第2部材の回動を規制するストッパをさらに備えている、
請求項5から10のいずれか1項に記載のヒンジ構造。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項に記載のヒンジ構造を備えている、
建設機械のキャブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−24414(P2009−24414A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−189231(P2007−189231)
【出願日】平成19年7月20日(2007.7.20)
【出願人】(000001236)株式会社小松製作所 (1,686)
【Fターム(参考)】