説明

ヒンジ構造及び電子機器

【課題】ヒンジ開閉音を小さく抑え、且つ、ヒンジ開閉音の個体差を抑えることができるヒンジ構造を提供する。
【解決手段】第1筐体3に設けられている第1ヒンジ穴51aを有する第1ヒンジ部51と、第2筐体2に設けられている第2ヒンジ部と、第1ヒンジ穴51aに嵌合する筒部81、及び、第2ヒンジ部に固定され、筒部81に対して相対的に回転する可動部82を有するヒンジユニット80とを具備する。第2ヒンジ部は、可動部82が挿入される第2ヒンジ穴11aと、第2ヒンジ穴11aと交差する第3ヒンジ穴11bとを有する第1部材11と、第3ヒンジ穴11bの中に配置され、可動部82と接触するクッション部40と、第3ヒンジ穴11bに嵌合し、クッション部40と接触する突起部31aを有する第2部材31とを備える。第2ヒンジ部は、第2ヒンジ穴11aに挿入された可動部82を、第2ヒンジ穴11aの内面と、クッション部40を介した突起部31aとにより固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は折りたたみ型の電子機器に関し、特にヒンジ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
折りたたみ型の電子機器は、開閉時にカチッというヒンジ開閉音が鳴るものが多数を占めている。ヒンジ開閉音は、ヒンジユニット内部で発生し、筐体とヒンジユニットとの間の微小な空間のばらつきで音が大きくなったり小さくなったりする。例えば、ヒンジ開閉音は、筐体とヒンジユニットとの間の空間が広ければ反響して大きくなり、空間が狭ければ反響し難く小さくなる。ユーザは、大きいヒンジ開閉音よりも、小さいヒンジ開閉音の方を好む傾向がある。
【0003】
特許文献1には、開閉時のクリック音を低減するヒンジ構造が開示されている。このヒンジ構造は、胴部とヘッド部とが回転自在に連結されたヒンジユニットと、胴部が固定された第1部材と、ヘッド部が所定の隙間を保持して挿入された第2部材とを有する。第1部材及び第2部材を最も開いた状態でヘッド部と第2部材とが接触する接触部では、ヘッド部と第2部材とが面接触することを特徴とする。このようなヒンジ構造は、構造が単純で、経時劣化することなく、クリック音を抑制できるというものである。
【0004】
また、携帯電話機のヒンジ機構に関する技術が特許文献2に開示されている。この携帯電話機は、収納位置と通話位置とで保持されるフリップ部を、本体部の下端部にヒンジ接続している。ヒンジ機構は、第1、第2平坦部を有するヒンジ軸と、ヒンジ軸の第1、第2平坦部に面接触する弾性体とを備える。そして、ヒンジ機構は、フリップ部の収納位置において、弾性体がヒンジ軸の第1平坦部に接触して付勢力を加え、フリップ部の通話位置において、弾性体がヒンジ軸の第2平坦部に接触して付勢力を加えることを特徴とする。このようなヒンジ機構は、フリップ部の位置決めを1部品の弾性体で行うことができるため、組立てが簡便になるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2007/004496号
【特許文献2】特開平8−79346号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ヒンジユニットで発生したヒンジ開閉音を小さく抑えるためには、筐体とヒンジユニットとの間の微小な空間を狭めることが有効である。しかし、筐体とヒンジユニットとの間の空間を狭めると、筐体とヒンジユニットとの嵌め込みは難しくなる。空間を狭めれば狭めるほど、筐体とヒンジユニットとの嵌め込みは難しくなり、最悪の場合、ヒンジユニットが筐体に入らなくなり、筐体やヒンジユニットの金型を作り直さなければならなくなる。従って、嵌合を詰めていく作業は慎重に行う必要があり、その嵌合調整に多くの時間と費用とを費やしてしまうことが問題となる。しかも、ヒンジ開閉音の大きさは、筐体とヒンジユニットとの間の微小な空間の大きさの影響を受けるため、筐体とヒンジユニットとの寸法のばらつきによって、個体差が出やすい問題も生じてしまう。
【0007】
本発明は、ヒンジ開閉音を小さく抑え、且つ、ヒンジ開閉音の個体差を抑えることができるヒンジ構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のヒンジ構造は、第1筐体と第2筐体とを回転自在に連結させるヒンジ構造であって、第1筐体に設けられている第1ヒンジ穴を有する第1ヒンジ部と、第2筐体に設けられている第2ヒンジ部と、第1ヒンジ穴に嵌合する筒部、及び、第2ヒンジ部に固定され、筒部に対して相対的に回転する可動部を有するヒンジユニットとを具備する。第2ヒンジ部は、可動部が挿入される第2ヒンジ穴と、第2ヒンジ穴と交差する第3ヒンジ穴とを有する第1部材と、第3ヒンジ穴の中に配置され、可動部と接触するクッション部と、第3ヒンジ穴に嵌合し、クッション部と接触する突起部を有する第2部材とを備える。第2ヒンジ部は、第2ヒンジ穴に挿入された可動部を、第2ヒンジ穴の内面と、クッション部を介した突起部とにより固定する。
【発明の効果】
【0009】
本発明のヒンジ構造は、ヒンジ開閉音を小さく抑え、且つ、ヒンジ開閉音の個体差を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明のヒンジ構造(ヒンジ部4)を用いて形成された折りたたみ型の携帯電話機1の斜視図である。
【図2】図2は、本発明の開状態の携帯電話機1の分解斜視図である。
【図3】図3は、ヒンジユニット80を示す斜視図である。
【図4】図4は、上部フロントケース10の内側面を示す斜視図である。
【図5】図5は、フロントヒンジ部11の拡大斜視図である。
【図6】図6は、上部リアケース30の内側面を示す斜視図である。
【図7】図7は、リアヒンジ部31の拡大斜視図である。
【図8】図8は、閉状態の携帯電話機1のヒンジ部4の断面図である。
【図9】図9は、図8のAの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態によるヒンジ構造を説明する。本発明のヒンジ構造は、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、及びゲーム機など、筐体同士をヒンジ構造で連結する様々な電子機器に用いることができる。本実施の形態では、携帯電話機を例に以下説明をする。
【0012】
図1は、本発明のヒンジ構造(ヒンジ部4)を用いて形成された折りたたみ型の携帯電話機1の斜視図である。図1を参照すると、携帯電話機1は、上部筐体2と、下部筐体3と、ヒンジ部4とを具備する。上部筐体2と下部筐体3とは、ヒンジ部4によって、回転自在(開閉自在)に連結されている。つまり、携帯電話機1は、上部筐体2と下部筐体3とがヒンジ部4によって開閉し、使用形態として開状態と閉状態とを有する。開状態は、ユーザが携帯電話機1を用いて通話及び操作できる状態を示し、具体的には図1に示した状態である。閉状態は、図1の上部筐体2と下部筐体3とがヒンジ部4の回転軸を支点に互いに近づく方向に回転させられ、上部筐体2の表面と下部筐体3の表面とが最も接近した状態を示す。
【0013】
図2は、本発明の開状態の携帯電話機1の分解斜視図である。図2を参照すると、上部筐体2は、上部フロントケース10と、上部回路基板20と、上部リアケース30と、クッション部40とを備える。下部筐体3は、下部フロントケース50と、下部回路基板60と、下部リアケース70とを備える。
【0014】
まず、上部筐体2を説明する。上部フロントケース10は、上部筐体2の表面として情報を表示するメインディスプレイを保護する面と、側面とを形成する。上部フロントケース10が形成する上部筐体2の表面は、閉状態において外側に表れず、開状態において外側に位置する。上部フロントケース10は、端部に下部筐体3と連結するためのフロントヒンジ部11とフロントヒンジ部12とを含む。尚、フロントヒンジ部11とフロントヒンジ部12とは、ヒンジ部4を構成する一部である。
【0015】
上部回路基板20は、携帯電話機1の情報を表示するための液晶モジュールや、その他の携帯電話機1の上部筐体2に備わる動作を実現するための各種回路を含む。上部回路基板20は、上部フロントケース10と上部リアケース30とによって、上部筐体2の内部に保持される。そして、上部回路基板20は、上部フロントケース10と上部リアケース30とによって、外部の衝撃や環境因子から保護される。
【0016】
上部リアケース30は、上部フロントケース10と対向する上部筐体2の表面と、側面とを形成する。上部リアケース30が形成する上部筐体2の表面は、開状態及び閉状態で共に外側に位置する。上部フロントケース10と上部リアケース30とが結合することで、上部筐体2の外郭が形成される。上部リアケース30は、端部に下部筐体3と連結するためのリアヒンジ部31とリアヒンジ部32とを含む。尚、リアヒンジ部31とリアヒンジ部32とは、ヒンジ部4を構成する一部である。
【0017】
クッション部40は、ウレタンやゴムなど振動を抑える制振材料である。クッション部40は、フロントヒンジ部11、詳細には後述するヒンジ穴11bの中に配置される。クッション部40は、ヒンジ穴11bに配置されて、後述するヒンジユニット80を上部筐体2に固定し、且つ、ヒンジ開閉音を抑制するために用いられる。クッション部40は、ヒンジ部4を構成する一部である。
【0018】
下部筐体3を説明する。下部フロントケース50は、下部筐体3の表面として操作ボタンが配置された面と、側面とを形成する。下部フロントケース50が形成する下部筐体3の表面は、閉状態において外側に表れず、開状態において外側に位置する。つまり、携帯電話機1は、閉状態おいて、上部フロントケース10の表面と下部フロントケース50の表面とが最も接近する。下部フロントケース50は、閉状態のとき内側に位置する面の端部に、下部筐体3と連結するための下部ヒンジ部51を含む。下部ヒンジ部51は、ヒンジ部4を構成する一部である。下部ヒンジ部51はヒンジ穴51aを有する。
【0019】
下部回路基板60は、携帯電話機1の各種機能を実現するための回路基板である。下部回路基板60は、信号の送受信が可能なように上部回路基板20と電気的に接続される。下部回路基板60は、下部フロントケース50と下部リアケース70とによって、下部筐体3の内部に保持される。そして、下部回路基板60は、下部フロントケース50と下部リアケース70とによって、外部の衝撃や環境因子から保護される。
【0020】
下部リアケース70は、下部フロントケース50と対向する下部筐体3の表面と、側面とを形成する。下部リアケース70が形成する下部筐体3の表面は、開状態及び閉状態で共に外側に位置する。下部フロントケース50と下部リアケース70とが結合することで、下部筐体3の外郭が形成される。
【0021】
本発明のヒンジ構造としてのヒンジ部4について説明する。ヒンジ部4は、上部筐体2と下部筐体3とを回転自在に連結する。ヒンジ部4は、上部筐体2に設けられている上部ヒンジ部と、下部筐体3に設けられている下部ヒンジ部51と、ヒンジユニット80とを具備する。上部ヒンジ部は前述したように、フロントヒンジ部11と、フロントヒンジ部12と、リアヒンジ部31と、リアヒンジ部32と、クッション部40とによって構成される。ヒンジ部4は、携帯電話機1を開閉できるように機能するが、開閉動作に伴いヒンジ開閉音を発生させる。本発明のヒンジ部4は、このヒンジ開閉音を小さく抑え、且つ、携帯電話機1毎のヒンジ開閉音の個体差も抑えることができる。
【0022】
ヒンジ部4の詳細として、まず、ヒンジユニット80について説明する。図3は、ヒンジユニット80を示す斜視図である。図3を参照すると、ヒンジユニット80は、固定筒部81と、可動部82とを有する。固定筒部81は、ヒンジ部51のヒンジ穴51aに挿入され嵌合する。可動部82は、上部筐体2に設けられている上部ヒンジ部に固定され、上部筐体2と共に固定筒部81に対して相対的に回転する。詳細には、可動部82は、固定筒部81が固定された状態において、ヒンジユニット80の内部に含まれるX方向の回転軸に基づいて、固定筒部81に対して相対的に回転軸方向に回転する。可動部82が固定筒部81に対して回転することで、ユーザは携帯電話機1を開状態から閉状態へ、閉状態から開状態へ自在に開閉することができる。ヒンジユニット80は、固定筒部81と可動部82とが相対的に回転するときに、内部構造に基づく音を発生させる。この音が、携帯電話機1のヒンジ開閉音となる。
【0023】
上部ヒンジ部であるフロントヒンジ部11及びフロントヒンジ部12について説明する。図4は、上部フロントケース10の内側面を示す斜視図である。図4を参照すると、上部フロントケース10は、端部にフロントヒンジ部11とフロントヒンジ部12とを備える。フロントヒンジ部11は、ヒンジユニット80を固定する。フロントヒンジ部12は、図示していないヒンジ部材と結合し、上部回路基板20と下部回路基板60とを電気的に接続する配線が配置される。
【0024】
ヒンジユニット80を固定するフロントヒンジ部11の詳細を説明する。図5は、フロントヒンジ部11の拡大斜視図である。図5を参照すると、上部フロントケース10に設けられているフロントヒンジ部11は、ヒンジ穴11aとヒンジ穴11bとを含む。ヒンジ穴11aは、ヒンジユニット80の可動部82が挿入される部位である。ヒンジ穴11aに挿入された可動部82は、ヒンジ穴11aの内面と接触する。尚、ヒンジ穴11aの内面と可動部82との間には、一部に僅かな空間が存在する。この空間の大きさは、ヒンジ穴11aの大きさや、可動部82の大きさなどのばらつきによって、個体毎で異なることがある。ヒンジ穴11bは、ヒンジ穴11aと交差するように設けられている。詳細には、ヒンジ穴11bは、ヒンジ穴11aに挿入された柱状のヒンジユニット80の外周面、つまり可動部82の外周面に対して垂直方向に設けられることが好ましい。言い換えると、ヒンジ穴11bは、ヒンジユニット80のX方向の回転軸に対して、垂直方向(X軸と交差し、且つ、YZ平面上となる方向)に設けられている。尚、クッション部40は、このヒンジ穴11bの中に配置され、可動部82と接触する。
【0025】
次に、上部ヒンジ部であるリアヒンジ部31及びリアヒンジ部32について説明する。図6は、上部リアケース30の内側面を示す斜視図である。図6を参照すると、上部リアケース30は、端部にリアヒンジ部31とリアヒンジ部32とを備える。リアヒンジ部31は、上部フロントケース10のフロントヒンジ部11と結合し、フロントヒンジ部11と共に、可動部82を固定する。リアヒンジ部32は、上部フロントケース10のフロントヒンジ部12と結合する。
【0026】
リアヒンジ部31の詳細を説明する。図7は、リアヒンジ部31の拡大斜視図である。図7を参照すると、下部リアケース30に設けられているリアヒンジ部31は、突起部31aを含む。突起部31aは、上部フロントケース10と上部リアケース30とが結合して上部筐体2を形成すると、フロントヒンジ部11のヒンジ穴11bに挿入されて、ヒンジ穴11bと嵌合する。そして、突起部31aは、ヒンジ穴11bの中に配置されているクッション部40と接触する。尚、クッション部40は、突起部31aに押されて、可動部82と接触する。
【0027】
断面図を用いてヒンジ部4を説明する。図8は、閉状態の携帯電話機1のヒンジ部4の断面図である。尚、図8は、図1に示した携帯電話機1を閉状態とし、Y方向に見たヒンジユニット80を含む側のヒンジ部4の断面図である。図8を参照すると、ヒンジユニット80の固定筒部81は、下部ヒンジ部51のヒンジ穴51aに挿入され、嵌合している。つまり、固定筒部81は、ヒンジ穴51aの内面によって動かないように固定されている。一方、ヒンジユニット80の可動部82は、フロントヒンジ部11のヒンジ穴11aに挿入され、フロントヒンジ部11、リアヒンジ部31及びクッション部40によって固定されている。
【0028】
図9は、図8のAの拡大図である。図9を参照すると、可動部82はその外周面が、ヒンジ穴11aの内面と接触している。また、可動部82はその外周面の一部が、クッション部40と接触している。突起部31aは、クッション部40を押し込みつつ、ヒンジ穴11bに嵌合している。従って、クッション部40は、可動部82と突起部31aとにより挟み込まれ、常に潰れた状態となっている。本発明のヒンジ部4は、この様にして、上部ヒンジ部(フロントヒンジ部11と、リアヒンジ部31と、クッション部40)が、ヒンジ穴11aに挿入された可動部82を、ヒンジ穴11aの内面と、クッション部40を介した突起部31aとにより十分に固定する。ヒンジ穴11aの内面と可動部82との間には、一部に僅かな空間が存在する。この空間は、ヒンジユニット80で発生するヒンジ開閉音を反響させてしまう。しかし、本発明のヒンジ部4は、クッション部40が突起部31aによって押し込まれ可動部82に接触しているため、その空間を狭めることができる。つまり、クッション部40は、空間を狭めてヒンジユニット80で発生するヒンジ開閉音を反響させ難くし、ヒンジ開閉音を小さく抑える効果を奏する。更に、クッション部40は、ヒンジユニット80に接触しているため、制振材料として、ヒンジ開閉音となるヒンジユニット80の振動を抑えることができる。即ち、クッション部40は、可動部82とヒンジ穴11aの内面との間の空間を減らすと共に、制振材料として、接触したヒンジユニット80の振動を抑え、ヒンジ開閉音を小さく抑える効果を奏している。
【0029】
以上のように、本発明のヒンジ部4は、クッション部40が可動部82とヒンジ穴11aの内面との間の空間を減らすと共に、制振材料として、接触したヒンジユニット80の振動を抑えることができるため、ヒンジ開閉音を小さく抑えることができる。特に、クッション部40の制振作用によるヒンジ開閉音の抑制は、可動部82とヒンジ穴11aの大きさのみでヒンジ開閉音を抑える場合よりも、寸法のばらつきに依存せずヒンジ開閉音を安定して抑えることができるため、ヒンジ開閉音の個体差を抑制する効果を奏する。これによって、本発明のヒンジ部4は、可動部82とヒンジ穴11aとの間の難しい嵌合調整を必要とせず、組み立てが容易となり、金型調整のための費用と日程とを抑えて、製造コストを低減する効果を奏している。尚、本発明の実施の形態によるヒンジ部4は、クッション部40が可動部82に接触するとして説明したが、クッション部40が固定筒部81に接触するように配置してもよい。つまり、下部ヒンジ部51にヒンジ穴11bと同様のヒンジ穴を設け、リアヒンジ部31と突起部31aと同様の作用をする部材で、クッション部40を押し付ける構成とすることもできる。
【符号の説明】
【0030】
1 携帯電話機
2 上部筐体
3 下部筐体
4 ヒンジ部
10 上部フロントケース
11 フロントヒンジ部
11a ヒンジ穴
11b ヒンジ穴
12 フロントヒンジ部
20 上部回路基板
30 上部リアケース
31 リアヒンジ部
31a 突起部
32 リアヒンジ部
40 クッション部
50 下部フロントケース
51 下部ヒンジ部
51a ヒンジ穴
60 下部回路基板
70 下部リアケース
80 ヒンジユニット
81 固定筒部
82 可動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1筐体と第2筐体とを回転自在に連結させるヒンジ構造であって、
前記第1筐体に設けられている第1ヒンジ穴を有する第1ヒンジ部と、
前記第2筐体に設けられている第2ヒンジ部と、
前記第1ヒンジ穴に嵌合する筒部、及び、前記第2ヒンジ部に固定され、前記筒部に対して相対的に回転する可動部を有するヒンジユニットと
を具備し、
前記第2ヒンジ部は、
前記可動部が挿入される第2ヒンジ穴と、前記第2ヒンジ穴と交差する第3ヒンジ穴とを有する第1部材と、
前記第3ヒンジ穴の中に配置され、前記可動部と接触するクッション部と、
前記第3ヒンジ穴に嵌合し、前記クッション部と接触する突起部を有する第2部材と
を備え、
前記第2ヒンジ部は、前記第2ヒンジ穴に挿入された前記可動部を、前記第2ヒンジ穴の内面と、前記クッション部を介した前記突起部とにより固定する
ヒンジ構造。
【請求項2】
請求項1に記載のヒンジ構造であって、
前記クッション部は、制振材料である
ヒンジ構造。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のヒンジ構造であって、
前記第3ヒンジ穴は、前記第2ヒンジ穴に挿入された柱状の前記可動部の外周面に対して垂直方向に設けられる
ヒンジ構造。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載のヒンジ構造であって、
前記第1部材は、前記第2筐体の第1面を形成し、
前記第2部材は、前記第1面と対向する前記第2筐体の第2面を形成し、
前記第2ヒンジ部は、前記第1部材と前記第2部材との結合に基づいて、前記可動部を固定する
ヒンジ構造。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載のヒンジ構造を用いた
電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2011−179556(P2011−179556A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−42821(P2010−42821)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】