ヒンジ素子及びそれを使った電子装置
【課題】ヒンジを提供する。
【解決手段】本ヒンジは少なくとも4〜32重量%Mn、16〜37重量%Cr、及び残りのパーセントのFeを含む合金から金属射出成形プロセスで作られる。
【解決手段】本ヒンジは少なくとも4〜32重量%Mn、16〜37重量%Cr、及び残りのパーセントのFeを含む合金から金属射出成形プロセスで作られる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒンジ素子及びこのヒンジ素子を使った電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
当該分野では元素はその名前又は記号で呼ばれることはよく知られている。下記の表1は本発明の明細書と請求項において使用される元素の名前及び記号の一覧を示す。
【0003】
【表1】
【0004】
従来の携帯電子装置、例えばノートパソコン、携帯電話、又はPDAは基部と、スクリーンと、スクリーンと基部とを接続し基部に対してスクリーンを回転可能にする従来のヒンジ素子とを備える。基部及びスクリーンを回転させる方法は滑動、折り畳み、又は滑動と裏返しとの組合せを含む。滑動・裏返し電子装置で使用する従来のヒンジ素子は、ヒンジ部材と滑動板とを備える。このヒンジ部材は両端と、両端に形成された2つの滑動スロットと、回動部とを有する。この回動部は電子装置の基部に取り付けられているので、該ヒンジ部材は基部に対して回動可能である。該滑動板は電子装置のスクリーンに取り付けられ、該2つの滑動スロット間にスライド可能に装着される。該電子装置を使用する時、スクリーンを一方の側の所定の位置へスライドさせ、電子装置の表示器として使用することが出来る。
【0005】
従来のヒンジ素子は304、316L、又は420Lシリーズのステンレス鋼、亜鉛合金、又は非晶質ジルコニウム金属又は非晶質チタン金属からできている。しかし、上記の材料でできた従来のヒンジ素子は下記の欠点を有する。
【0006】
亜鉛合金は低強度の材料であり、従って、亜鉛合金でできた部品は時間経過とともに容易に擦り減り、望ましくないギャップが部品間に形成され、最終的に障害を引き起こす。
【0007】
従来のステンレス鋼でできた部品は、設計された形状に部品を形成する打ち抜き加工によりステンレス鋼板から直接作られる。しかし、ステンレス鋼板の元の形状と打ち抜き加工とにより制限され、部品の形状を設計するのに自由度は少ししかない。また、304シリーズと316Lシリーズのステンレス鋼は持続する強さを提供しない。420Lシリーズのステンレス鋼は高い強度を有するが、強い強磁性であり電子装置の動作を妨げる可能性がある。420Lシリーズのステンレス鋼の飽和誘導強さは200ガウスであり、304シリーズと316Lシリーズのステンレス鋼の5〜10ガウスよりかなり高い。従って、420Lシリーズのステンレス鋼は電子装置において使用するヒンジ素子の材料としては適切でない。
【0008】
成形処理が非晶質金属から部品を作るために必要である。成形された部品は強度と硬度が高い一方、精度が低く、適切な精度を達成するために高精度処理を更に必要とする。この部品の高い強度と高い硬度が高精度処理にとって障害となり、必然的に処理時間が長く、先端摩耗率が高くなり、従って、低歩留りで高コストとなる。
【0009】
また、従来のヒンジ素子は、特許文献1に示されているように、上記の滑動・裏返し機能を実現するよう動作可能な独立したヒンジ部材と独立した滑動板とを備える。しかし、該独立したヒンジ部材と滑動板はそれぞれ本体とスクリーンに留め具で取り付けられるので、部品数と複雑さとが増加し製造コストと組立コストが高くなる。
これらの欠点を克服するために、本発明は上記の問題を緩和又は解決するヒンジ素子を提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】台湾実用新案第M350212号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の主な目的は、ヒンジ素子とこのヒンジ素子を使用した電子装置とを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係るヒンジは少なくとも4〜32重量%Mn、16〜37重量%Cr、及び残りのパーセントのFeを含む合金から金属射出成形(MIM)プロセスで作られる。
【0013】
本ヒンジ素子は一体化された部品に統合され、従来のヒンジ素子より構造的、物理的、及び機械的に優れており、従来のヒンジ素子の欠点を克服し従来のヒンジ素子の問題を緩和又は解決する。
【0014】
好ましくは、ヒンジ素子は合計で12%を超えるNiとCrとを含み、従ってステンレスであり、下記の特徴を有する。
● 降伏強度:350MPa
● 引張り強度:700MPa
● 伸長パーセント:10%
● 硬度:>HRB90
● 飽和誘導強さ:<10.0ガウス(500エルステッドの誘導磁界下で試験した非強磁性ステンレス鋼と同等)
【0015】
強度は従来の非強磁性ステンレス鋼又は亜鉛合金より高く、硬度は非晶質金属より低い。本発明に係るヒンジ素子は非強磁性ステンレス鋼より高い強度と硬度とを提供するだけでなく、非晶質金属製の部品は加工するのに硬すぎるという欠点を解決する。
【0016】
好ましくは、本発明に係るヒンジ素子は上記の材料でできており、細長いロッドと2つの細長いアームとを備える。該ロッドは両端を有し、該2つの細長いアームは該ロッドの両端にそれぞれ取り付けられている。該各アームは上部回動端と、下部回動端と、該上部回動端の側面に形成された上部回動穴と、該下部回動端の側面に形成され該上部回動穴と軸が平行な下部回動穴とを有する。
【0017】
本発明の別の態様は、上記のヒンジと、基部と、スクリーンとを備える電子装置に関する。該基部は該ヒンジの前記ロッドを受容するためのロッドチャンバーと、該ヒンジの前記2つのアームの前記下部回動端をそれぞれ受容するための2つの下部チャンバーとを備える。該各下部チャンバーは該アームの前記下部回動穴に挿入される回転軸を備える。該スクリーンは該ヒンジの該2つのアームの前記上部回動端をそれぞれ受容するための2つの上部チャンバーを備える。該各上部チャンバーは該アームの前記上部回動穴に挿入される回転軸を備える。
【0018】
上記の構造によって、本発明は一体化された部品として金属射出成形プロセスで迅速かつ容易に作ることが出来るヒンジ素子を提供する。従来のヒンジ素子と比べて、本ヒンジ素子は製造組立コストを大きく低減し、作製又は設計が容易である。
【0019】
本発明の他の目的、利点、及び新規な特徴は、下記の詳細な説明と添付の図面からより明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係るヒンジ素子を備える電子装置の斜視図である。
【図2】図1の電子装置の展開斜視図である。
【図3】図1の電子装置の部分側断面図である。
【図4】図1の電子装置の別の部分側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は金属射出成形プロセスで合金から作られたヒンジ素子を提供する。この合金は高強度で、耐食性で、非強磁性である。下記の実施形態はこの合金の実現可能な組成と特徴とを開示する。金属射出成形プロセスでは、合金の粉末が様々な結合剤、例えばPP、PW、PE、SA、及び他の適切な結合剤と混合され射出材料を形成する。この射出材料は射出成形され、脱油され、焼結される。金属射出成形プロセスの関連する詳細は当分野ではよく知られているので省略する。
【0022】
本発明の第1実施形態は9重量%Mn、16.5重量%Cr、9.5重量%Ni、3重量%Si、0.35重量%N、0.2重量%C、0.03重量%S、0.02重量%P、1重量%Al、2重量%Co、1重量%Mo、0.2重量%O、0.5重量%Zr、及び残りのパーセントのFeからなる合金から金属射出成形プロセスで作られたヒンジ素子に関する。
【0023】
第1実施形態のヒンジ素子は下記の特徴を有する。
● 降伏強度:450MPa
● 引張り強度:720MPa
● 伸長パーセント:45%
● 硬度:>HRB90
● 飽和誘導強さ:<1.43ガウス
【0024】
本発明の第2実施形態は10.2重量%Mn、21重量%Cr、1.2重量%Ni、2重量%Si、0.85重量%N、0.2重量%C、0.03重量%S、0.2重量%P、0.3重量%Al、2重量%Co、0.8重量%Ti、0.5重量%Cu、2重量%W、3重量%Mo、0.1重量%O、0.7重量%Ta、1重量%未満のY及びZr、及び残りのパーセントのFeからなる合金から金属射出成形プロセスで作られたヒンジ素子に関する。
【0025】
第2実施形態のヒンジ素子は下記の特徴を有する。
● 降伏強度:620MPa
● 引張り強度:790MPa
● 伸長パーセント:25%
● 硬度:>HRC25
● 飽和誘導強さ:<4.51ガウス
【0026】
本発明の第3実施形態は30重量%Mn、25重量%Cr、3重量%Ni、0.9重量%N、0.2重量%C、2重量%Ti、0.5重量%Cu、4重量%W、5重量%Mo、0.5重量%B、1重量%Nb、0.6重量%Ta、1重量%未満のY、La、及びZr、及び残りのパーセントのFeからなる合金から金属射出成形プロセスで作られたヒンジ素子に関する。
【0027】
第3実施形態のヒンジ素子は下記の特徴を有する。
● 降伏強度:560MPa
● 引張り強度:750MPa
● 伸長パーセント:38%
● 硬度:>HRC22
● 飽和誘導強さ:<2.43ガウス
【0028】
本発明の第4実施形態は5重量%Mn、30重量%Cr、3重量%Ni、1.5重量%Si、0.4重量%N、0.02重量%C、0.05重量%S、0.03重量%P、0.5重量%Al、0.5重量%V、4重量%W、0.8重量%Nb、0.6重量%Ta、1重量%未満のLa、Ce、及びHf、及び残りのパーセントのFeからなる合金から金属射出成形プロセスで作られたヒンジ素子に関する。
【0029】
第4実施形態のヒンジ素子は下記の特徴を有する。
● 降伏強度:820MPa
● 引張り強度:1150MPa
● 伸長パーセント:12%
● 硬度:>HRC29
● 飽和誘導強さ:<7.43ガウス
【0030】
本発明の第5実施形態は32重量%Mn、16重量%Cr、0.7重量%N、0.01重量%C、4重量%Mo、0.9重量%Nb、1重量%Ta、及び残りのパーセントのFeからなる合金から金属射出成形プロセスで作られたヒンジ素子に関する。
【0031】
第5実施形態のヒンジ素子は下記の特徴を有する。
● 降伏強度:600MPa
● 引張り強度:850MPa
● 伸長パーセント:22%
● 硬度:>HRC25
● 飽和誘導強さ:<3.12ガウス
【0032】
亜鉛合金でできた従来のヒンジ素子の硬度は約HRB30であり、その降伏強度はたった100MPaである。304又は316ステンレス鋼の硬度は、HRB55とHRB70の間であり、このステンレス鋼でできた従来のヒンジ素子の硬度は約HRB55〜HRB60である。このステンレス鋼でできた従来のヒンジ素子の降伏強度はたった約160MPaであり、摩耗及び変形し易い。非晶質金属でできた従来のヒンジ素子の硬度はHRC66より高く、従って更なる加工が困難となり、加工時間が長くなる。
【0033】
本発明に係るヒンジ素子の硬度は亜鉛合金製の従来のヒンジ素子の硬度より高く、非晶質金属製の従来のヒンジ素子の硬度より低いことが明らかである。本発明に係るヒンジ素子は非強磁性ステンレス鋼より高い強度と硬度とを提供するだけでなく、非晶質金属製の部品は加工するのに硬すぎるという欠点を解決する。また、本発明に係るヒンジ素子は304又は316ステンレス鋼製の従来のヒンジ素子より高い強度を提供する。
【0034】
また、本発明に係るヒンジ素子は金属射出成形プロセスで作られるので、高精度で複雑な形状を形成する。一方、304又は316ステンレス鋼から打ち抜き加工で作られるか、又は非晶質金属から成形プロセスで作られる従来のヒンジ素子は高精度で3D形状に大量生産することが出来ない。亜鉛合金から液体金属射出成形で作られた従来のヒンジ素子は、ヒンジ又は動力伝達部品として使用するのに十分な強度を提供できない。
【0035】
図1及び図2を参照すると、好ましくは、本発明に係るヒンジ素子は上述した材料で作られ、基部30とスクリーン40とを有する電子装置に装着され、スクリーン40が基部30に対して立つのを可能にする。このように使用するためのヒンジ素子の構造は当分野の従来技術に属するので、その詳細は省略する。下記はこの構造を例示するための例であり、本発明の範囲を限定するようには意図されていない。
【0036】
上記のように金属射出成形プロセスで作られた本発明に係るヒンジ素子は細長いロッド10と2つの細長いアーム20とを備える。ロッド10は両端と1つ以上の受容スペース101とを有する。2つの細長いアーム20はロッド10の両端にそれぞれ取り付けられている。各アームは上部回動端21と、下部回動端22と、上部回動端21の側面に形成された上部回動穴211と、下部回動端22の側面に形成され上部回動穴211と軸が平行な下部回動穴221とを有する。
【0037】
図3及び図4を参照すると、本発明に係る電子装置はヒンジ素子と基部30とスクリーン40とを備える。
該ヒンジ素子は上記のようにロッド10と2つのアーム20とを備え、位置決め突起222を更に備える。
【0038】
基部30はヒンジ素子のロッド10を受容するためのロッドチャンバー31と、ヒンジ素子の2つのアーム20の下部回動端22を受容するための2つの下部チャンバー32と、ストッパー34とを備える。各下部チャンバー32はアーム20の下部回動穴221に挿入される回転軸33を備える。ストッパー34は下部チャンバー32に装着され下部チャンバー32の回転軸33から離れている。
【0039】
スクリーン40はヒンジ素子の2つのアーム20の上部回動端21を受容するための2つの上部チャンバー41を備える。各上部チャンバー41はアーム20の上部回動穴211に挿入される回転軸42を備える。
【0040】
位置決め突起222は、アーム20が基部30に対して回転する時、ストッパー34と選択的に係合するよう下部回動端22から外方へ突出している。
好ましくは、ヒンジ素子のロッド10は電子部品又は部材を受容するための1つ以上の受容スペース101を更に有する。
【0041】
図3及び図4を更に参照すると、上記開示の構造によって、スクリーン40を基部30と接触する閉位置へ回転させた時、ロッド10は基部30のロッドチャンバー31内に受容される。アーム20の上部回動端21と下部回動端22はそれぞれスクリーン40の上部チャンバー41内と基部30の下部チャンバー32内に受容される。スクリーン40をスライドさせ立たせるために、先ず、スクリーン40の前端を押してスクリーン40をスライドさせると、スクリーン40はヒンジ素子のアーム20を引っ張り下部回動端22に対して回転させる。アーム20が所定の角度まで回転すると、2つのアーム20は下部チャンバー32の壁に当接し、位置決め突起222はストッパー34によって阻止され、アーム20の上部回動端21は上方を指し、スクリーン40を立たせる。
【0042】
本発明に係るヒンジ素子は一体化された部品に統合されてもよい。この一体化された部品は従来のヒンジ素子と比べて構造上簡単で、非強磁性で、耐食性であり、適切な強度と硬度とを提供する。本発明に係るヒンジ素子は金属射出成形プロセスで製造されるのに適し、高精度と滑らかな表面とを提供し、従来のヒンジ素子に比べてコストと処理時間とが低減される。
【符号の説明】
【0043】
10 ロッド
20 アーム
21 上部回動端
22 下部回動端
30 基部
31 ロッドチャンバー
32 下部チャンバー
33 回転軸
40 スクリーン
41 上部チャンバー
42 回転軸
211 上部回動穴
221 下部回動穴
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒンジ素子及びこのヒンジ素子を使った電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
当該分野では元素はその名前又は記号で呼ばれることはよく知られている。下記の表1は本発明の明細書と請求項において使用される元素の名前及び記号の一覧を示す。
【0003】
【表1】
【0004】
従来の携帯電子装置、例えばノートパソコン、携帯電話、又はPDAは基部と、スクリーンと、スクリーンと基部とを接続し基部に対してスクリーンを回転可能にする従来のヒンジ素子とを備える。基部及びスクリーンを回転させる方法は滑動、折り畳み、又は滑動と裏返しとの組合せを含む。滑動・裏返し電子装置で使用する従来のヒンジ素子は、ヒンジ部材と滑動板とを備える。このヒンジ部材は両端と、両端に形成された2つの滑動スロットと、回動部とを有する。この回動部は電子装置の基部に取り付けられているので、該ヒンジ部材は基部に対して回動可能である。該滑動板は電子装置のスクリーンに取り付けられ、該2つの滑動スロット間にスライド可能に装着される。該電子装置を使用する時、スクリーンを一方の側の所定の位置へスライドさせ、電子装置の表示器として使用することが出来る。
【0005】
従来のヒンジ素子は304、316L、又は420Lシリーズのステンレス鋼、亜鉛合金、又は非晶質ジルコニウム金属又は非晶質チタン金属からできている。しかし、上記の材料でできた従来のヒンジ素子は下記の欠点を有する。
【0006】
亜鉛合金は低強度の材料であり、従って、亜鉛合金でできた部品は時間経過とともに容易に擦り減り、望ましくないギャップが部品間に形成され、最終的に障害を引き起こす。
【0007】
従来のステンレス鋼でできた部品は、設計された形状に部品を形成する打ち抜き加工によりステンレス鋼板から直接作られる。しかし、ステンレス鋼板の元の形状と打ち抜き加工とにより制限され、部品の形状を設計するのに自由度は少ししかない。また、304シリーズと316Lシリーズのステンレス鋼は持続する強さを提供しない。420Lシリーズのステンレス鋼は高い強度を有するが、強い強磁性であり電子装置の動作を妨げる可能性がある。420Lシリーズのステンレス鋼の飽和誘導強さは200ガウスであり、304シリーズと316Lシリーズのステンレス鋼の5〜10ガウスよりかなり高い。従って、420Lシリーズのステンレス鋼は電子装置において使用するヒンジ素子の材料としては適切でない。
【0008】
成形処理が非晶質金属から部品を作るために必要である。成形された部品は強度と硬度が高い一方、精度が低く、適切な精度を達成するために高精度処理を更に必要とする。この部品の高い強度と高い硬度が高精度処理にとって障害となり、必然的に処理時間が長く、先端摩耗率が高くなり、従って、低歩留りで高コストとなる。
【0009】
また、従来のヒンジ素子は、特許文献1に示されているように、上記の滑動・裏返し機能を実現するよう動作可能な独立したヒンジ部材と独立した滑動板とを備える。しかし、該独立したヒンジ部材と滑動板はそれぞれ本体とスクリーンに留め具で取り付けられるので、部品数と複雑さとが増加し製造コストと組立コストが高くなる。
これらの欠点を克服するために、本発明は上記の問題を緩和又は解決するヒンジ素子を提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】台湾実用新案第M350212号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の主な目的は、ヒンジ素子とこのヒンジ素子を使用した電子装置とを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係るヒンジは少なくとも4〜32重量%Mn、16〜37重量%Cr、及び残りのパーセントのFeを含む合金から金属射出成形(MIM)プロセスで作られる。
【0013】
本ヒンジ素子は一体化された部品に統合され、従来のヒンジ素子より構造的、物理的、及び機械的に優れており、従来のヒンジ素子の欠点を克服し従来のヒンジ素子の問題を緩和又は解決する。
【0014】
好ましくは、ヒンジ素子は合計で12%を超えるNiとCrとを含み、従ってステンレスであり、下記の特徴を有する。
● 降伏強度:350MPa
● 引張り強度:700MPa
● 伸長パーセント:10%
● 硬度:>HRB90
● 飽和誘導強さ:<10.0ガウス(500エルステッドの誘導磁界下で試験した非強磁性ステンレス鋼と同等)
【0015】
強度は従来の非強磁性ステンレス鋼又は亜鉛合金より高く、硬度は非晶質金属より低い。本発明に係るヒンジ素子は非強磁性ステンレス鋼より高い強度と硬度とを提供するだけでなく、非晶質金属製の部品は加工するのに硬すぎるという欠点を解決する。
【0016】
好ましくは、本発明に係るヒンジ素子は上記の材料でできており、細長いロッドと2つの細長いアームとを備える。該ロッドは両端を有し、該2つの細長いアームは該ロッドの両端にそれぞれ取り付けられている。該各アームは上部回動端と、下部回動端と、該上部回動端の側面に形成された上部回動穴と、該下部回動端の側面に形成され該上部回動穴と軸が平行な下部回動穴とを有する。
【0017】
本発明の別の態様は、上記のヒンジと、基部と、スクリーンとを備える電子装置に関する。該基部は該ヒンジの前記ロッドを受容するためのロッドチャンバーと、該ヒンジの前記2つのアームの前記下部回動端をそれぞれ受容するための2つの下部チャンバーとを備える。該各下部チャンバーは該アームの前記下部回動穴に挿入される回転軸を備える。該スクリーンは該ヒンジの該2つのアームの前記上部回動端をそれぞれ受容するための2つの上部チャンバーを備える。該各上部チャンバーは該アームの前記上部回動穴に挿入される回転軸を備える。
【0018】
上記の構造によって、本発明は一体化された部品として金属射出成形プロセスで迅速かつ容易に作ることが出来るヒンジ素子を提供する。従来のヒンジ素子と比べて、本ヒンジ素子は製造組立コストを大きく低減し、作製又は設計が容易である。
【0019】
本発明の他の目的、利点、及び新規な特徴は、下記の詳細な説明と添付の図面からより明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係るヒンジ素子を備える電子装置の斜視図である。
【図2】図1の電子装置の展開斜視図である。
【図3】図1の電子装置の部分側断面図である。
【図4】図1の電子装置の別の部分側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は金属射出成形プロセスで合金から作られたヒンジ素子を提供する。この合金は高強度で、耐食性で、非強磁性である。下記の実施形態はこの合金の実現可能な組成と特徴とを開示する。金属射出成形プロセスでは、合金の粉末が様々な結合剤、例えばPP、PW、PE、SA、及び他の適切な結合剤と混合され射出材料を形成する。この射出材料は射出成形され、脱油され、焼結される。金属射出成形プロセスの関連する詳細は当分野ではよく知られているので省略する。
【0022】
本発明の第1実施形態は9重量%Mn、16.5重量%Cr、9.5重量%Ni、3重量%Si、0.35重量%N、0.2重量%C、0.03重量%S、0.02重量%P、1重量%Al、2重量%Co、1重量%Mo、0.2重量%O、0.5重量%Zr、及び残りのパーセントのFeからなる合金から金属射出成形プロセスで作られたヒンジ素子に関する。
【0023】
第1実施形態のヒンジ素子は下記の特徴を有する。
● 降伏強度:450MPa
● 引張り強度:720MPa
● 伸長パーセント:45%
● 硬度:>HRB90
● 飽和誘導強さ:<1.43ガウス
【0024】
本発明の第2実施形態は10.2重量%Mn、21重量%Cr、1.2重量%Ni、2重量%Si、0.85重量%N、0.2重量%C、0.03重量%S、0.2重量%P、0.3重量%Al、2重量%Co、0.8重量%Ti、0.5重量%Cu、2重量%W、3重量%Mo、0.1重量%O、0.7重量%Ta、1重量%未満のY及びZr、及び残りのパーセントのFeからなる合金から金属射出成形プロセスで作られたヒンジ素子に関する。
【0025】
第2実施形態のヒンジ素子は下記の特徴を有する。
● 降伏強度:620MPa
● 引張り強度:790MPa
● 伸長パーセント:25%
● 硬度:>HRC25
● 飽和誘導強さ:<4.51ガウス
【0026】
本発明の第3実施形態は30重量%Mn、25重量%Cr、3重量%Ni、0.9重量%N、0.2重量%C、2重量%Ti、0.5重量%Cu、4重量%W、5重量%Mo、0.5重量%B、1重量%Nb、0.6重量%Ta、1重量%未満のY、La、及びZr、及び残りのパーセントのFeからなる合金から金属射出成形プロセスで作られたヒンジ素子に関する。
【0027】
第3実施形態のヒンジ素子は下記の特徴を有する。
● 降伏強度:560MPa
● 引張り強度:750MPa
● 伸長パーセント:38%
● 硬度:>HRC22
● 飽和誘導強さ:<2.43ガウス
【0028】
本発明の第4実施形態は5重量%Mn、30重量%Cr、3重量%Ni、1.5重量%Si、0.4重量%N、0.02重量%C、0.05重量%S、0.03重量%P、0.5重量%Al、0.5重量%V、4重量%W、0.8重量%Nb、0.6重量%Ta、1重量%未満のLa、Ce、及びHf、及び残りのパーセントのFeからなる合金から金属射出成形プロセスで作られたヒンジ素子に関する。
【0029】
第4実施形態のヒンジ素子は下記の特徴を有する。
● 降伏強度:820MPa
● 引張り強度:1150MPa
● 伸長パーセント:12%
● 硬度:>HRC29
● 飽和誘導強さ:<7.43ガウス
【0030】
本発明の第5実施形態は32重量%Mn、16重量%Cr、0.7重量%N、0.01重量%C、4重量%Mo、0.9重量%Nb、1重量%Ta、及び残りのパーセントのFeからなる合金から金属射出成形プロセスで作られたヒンジ素子に関する。
【0031】
第5実施形態のヒンジ素子は下記の特徴を有する。
● 降伏強度:600MPa
● 引張り強度:850MPa
● 伸長パーセント:22%
● 硬度:>HRC25
● 飽和誘導強さ:<3.12ガウス
【0032】
亜鉛合金でできた従来のヒンジ素子の硬度は約HRB30であり、その降伏強度はたった100MPaである。304又は316ステンレス鋼の硬度は、HRB55とHRB70の間であり、このステンレス鋼でできた従来のヒンジ素子の硬度は約HRB55〜HRB60である。このステンレス鋼でできた従来のヒンジ素子の降伏強度はたった約160MPaであり、摩耗及び変形し易い。非晶質金属でできた従来のヒンジ素子の硬度はHRC66より高く、従って更なる加工が困難となり、加工時間が長くなる。
【0033】
本発明に係るヒンジ素子の硬度は亜鉛合金製の従来のヒンジ素子の硬度より高く、非晶質金属製の従来のヒンジ素子の硬度より低いことが明らかである。本発明に係るヒンジ素子は非強磁性ステンレス鋼より高い強度と硬度とを提供するだけでなく、非晶質金属製の部品は加工するのに硬すぎるという欠点を解決する。また、本発明に係るヒンジ素子は304又は316ステンレス鋼製の従来のヒンジ素子より高い強度を提供する。
【0034】
また、本発明に係るヒンジ素子は金属射出成形プロセスで作られるので、高精度で複雑な形状を形成する。一方、304又は316ステンレス鋼から打ち抜き加工で作られるか、又は非晶質金属から成形プロセスで作られる従来のヒンジ素子は高精度で3D形状に大量生産することが出来ない。亜鉛合金から液体金属射出成形で作られた従来のヒンジ素子は、ヒンジ又は動力伝達部品として使用するのに十分な強度を提供できない。
【0035】
図1及び図2を参照すると、好ましくは、本発明に係るヒンジ素子は上述した材料で作られ、基部30とスクリーン40とを有する電子装置に装着され、スクリーン40が基部30に対して立つのを可能にする。このように使用するためのヒンジ素子の構造は当分野の従来技術に属するので、その詳細は省略する。下記はこの構造を例示するための例であり、本発明の範囲を限定するようには意図されていない。
【0036】
上記のように金属射出成形プロセスで作られた本発明に係るヒンジ素子は細長いロッド10と2つの細長いアーム20とを備える。ロッド10は両端と1つ以上の受容スペース101とを有する。2つの細長いアーム20はロッド10の両端にそれぞれ取り付けられている。各アームは上部回動端21と、下部回動端22と、上部回動端21の側面に形成された上部回動穴211と、下部回動端22の側面に形成され上部回動穴211と軸が平行な下部回動穴221とを有する。
【0037】
図3及び図4を参照すると、本発明に係る電子装置はヒンジ素子と基部30とスクリーン40とを備える。
該ヒンジ素子は上記のようにロッド10と2つのアーム20とを備え、位置決め突起222を更に備える。
【0038】
基部30はヒンジ素子のロッド10を受容するためのロッドチャンバー31と、ヒンジ素子の2つのアーム20の下部回動端22を受容するための2つの下部チャンバー32と、ストッパー34とを備える。各下部チャンバー32はアーム20の下部回動穴221に挿入される回転軸33を備える。ストッパー34は下部チャンバー32に装着され下部チャンバー32の回転軸33から離れている。
【0039】
スクリーン40はヒンジ素子の2つのアーム20の上部回動端21を受容するための2つの上部チャンバー41を備える。各上部チャンバー41はアーム20の上部回動穴211に挿入される回転軸42を備える。
【0040】
位置決め突起222は、アーム20が基部30に対して回転する時、ストッパー34と選択的に係合するよう下部回動端22から外方へ突出している。
好ましくは、ヒンジ素子のロッド10は電子部品又は部材を受容するための1つ以上の受容スペース101を更に有する。
【0041】
図3及び図4を更に参照すると、上記開示の構造によって、スクリーン40を基部30と接触する閉位置へ回転させた時、ロッド10は基部30のロッドチャンバー31内に受容される。アーム20の上部回動端21と下部回動端22はそれぞれスクリーン40の上部チャンバー41内と基部30の下部チャンバー32内に受容される。スクリーン40をスライドさせ立たせるために、先ず、スクリーン40の前端を押してスクリーン40をスライドさせると、スクリーン40はヒンジ素子のアーム20を引っ張り下部回動端22に対して回転させる。アーム20が所定の角度まで回転すると、2つのアーム20は下部チャンバー32の壁に当接し、位置決め突起222はストッパー34によって阻止され、アーム20の上部回動端21は上方を指し、スクリーン40を立たせる。
【0042】
本発明に係るヒンジ素子は一体化された部品に統合されてもよい。この一体化された部品は従来のヒンジ素子と比べて構造上簡単で、非強磁性で、耐食性であり、適切な強度と硬度とを提供する。本発明に係るヒンジ素子は金属射出成形プロセスで製造されるのに適し、高精度と滑らかな表面とを提供し、従来のヒンジ素子に比べてコストと処理時間とが低減される。
【符号の説明】
【0043】
10 ロッド
20 アーム
21 上部回動端
22 下部回動端
30 基部
31 ロッドチャンバー
32 下部チャンバー
33 回転軸
40 スクリーン
41 上部チャンバー
42 回転軸
211 上部回動穴
221 下部回動穴
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属射出成形プロセスで下記の成分を含む合金から作られたヒンジ素子。
4〜32重量%Mn、
16〜37重量%Cr、
0〜14重量%Ni、
0〜4.5重量%Si、
0.2〜1重量%N、
0〜0.2重量%C、
0〜0.5重量%S、
0〜0.5重量%P、
0〜1重量%Al、
0〜5重量%Co、
0〜4重量%Ti、
0〜2重量%Cu、
0〜0.5重量%V、
0〜5重量%W、
0〜5重量%Mo、
0〜1重量%B、
0〜0.4重量%O、
0〜2重量%Nb、
0〜1重量%Ta、
Y、La、Ce、Hf、及びZrからなるグループから選択された5重量%未満の濃度の1つ以上の微量元素、及び
残りのパーセントのFe
【請求項2】
前記合金は
9重量%Mn、
16.5重量%Cr、
9.5重量%Ni、
3重量%Si、
0.35重量%N、
0.2重量%C、
0.03重量%S、
0.02重量%P、
1重量%Al、
2重量%Co、
1重量%Mo、
0.2重量%O、
0.5重量%Zr、及び
残りのパーセントのFe
を含む請求項1に記載のヒンジ素子。
【請求項3】
前記合金は
10.2重量%Mn、
21重量%Cr、
1.2重量%Ni、
2重量%Si、
0.85重量%N、
0.2重量%C、
0.03重量%S、
0.2重量%P、
0.3重量%Al、
2重量%Co、
0.8重量%Ti、
0.5重量%Cu、
2重量%W、
3重量%Mo、
0.1重量%O、
0.7重量%Ta、
1重量%未満の濃度のY及びZr、及び
残りのパーセントのFe
を含む請求項1に記載のヒンジ素子。
【請求項4】
前記合金は
30重量%Mn、
25重量%Cr、
3重量%Ni、
0.9重量%N、
0.2重量%C、
2重量%Ti、
0.5重量%Cu、
4重量%W、
5重量%Mo、
0.5重量%B、
1重量%Nb、
0.6重量%Ta、
1重量%未満の濃度のY、La、及びZr、及び
残りのパーセントのFe
を含む請求項1に記載のヒンジ素子。
【請求項5】
前記合金は
5重量%Mn、
30重量%Cr、
3重量%Ni、
1.5重量%Si、
0.4重量%N、
0.02重量%C、
0.05重量%S、
0.03重量%P、
0.5重量%Al、
0.5重量%V、
4重量%W、
0.8重量%Nb、
0.6重量%Ta、
1重量%未満の濃度のLa、Ce、及びHf、及び
残りのパーセントのFe
を含む請求項1に記載のヒンジ素子。
【請求項6】
前記合金は
32重量%Mn、
16重量%Cr、
0.7重量%N、
0.01重量%C、
4重量%Mo、
0.9重量%Nb、
1重量%Ta、及び
残りのパーセントのFe
を含む請求項1に記載のヒンジ素子。
【請求項7】
両端を有する細長いロッドと、
該ロッドの両端にそれぞれ取り付けられた2つの細長いアームと
を備え、
該各細長いアームは上部回動端と、下部回動端と、該上部回動端の側面に形成された上部回動穴と、該下部回動端の側面に形成され該上部回動穴と軸が平行な下部回動穴とを有する請求項1に記載のヒンジ素子。
【請求項8】
前記各アームは前記下部回動端から外方へ突出した位置決め突起を更に有する請求項7に記載のヒンジ素子。
【請求項9】
前記ロッドは1つ以上の受容スペースを更に有する請求項7に記載のヒンジ素子。
【請求項10】
請求項7に記載のヒンジ素子と、
基部と、
スクリーンと
を備え、
該基部は
該ヒンジ素子の前記ロッドを受容するためのロッドチャンバーと、
該ヒンジ素子の前記2つのアームの前記下部回動端をそれぞれ受容するための2つの下部チャンバーと
を備え、
該各下部チャンバーは該アームの前記下部回動穴に挿入される回転軸を備え、
該スクリーンは該ヒンジ素子の該2つのアームの前記上部回動端をそれぞれ受容するための2つの上部チャンバーを備え、
該各上部チャンバーは該アームの前記上部回動穴に挿入される回転軸を備える、電子装置。
【請求項11】
前記基部は、前記下部チャンバーに装着され該下部チャンバーの前記回転軸から離れたストッパーを更に備え、
前記ヒンジ素子は、前記アームが該基部に対して回転する時、該ストッパーと選択的に係合するための、前記下部回動端から外方へ突出した位置決め突起を更に備える請求項10に記載の電子装置。
【請求項12】
前記ヒンジ素子の前記ロッドは1つ以上の受容スペースを更に有する請求項10に記載の電子装置。
【請求項13】
両端を有する細長いロッドと、
該ロッドの両端にそれぞれ取り付けられた2つの細長いアームと
を備え、
該各細長いアームは上部回動端と、下部回動端と、該上部回動端の側面に形成された上部回動穴と、該下部回動端の側面に形成され該上部回動穴と軸が平行な下部回動穴とを有し、
金属射出成形プロセスで下記の成分を含む合金から作られたヒンジ素子。
4〜32重量%Mn、
16〜37重量%Cr、
0〜14重量%Ni、
0〜4.5重量%Si、
0.2〜1重量%N、
0〜0.2重量%C、
0〜0.5重量%S、
0〜0.5重量%P、
0〜1重量%Al、
0〜5重量%Co、
0〜4重量%Ti、
0〜2重量%Cu、
0〜0.5重量%V、
0〜5重量%W、
0〜5重量%Mo、
0〜1重量%B、
0〜0.4重量%O、
0〜2重量%Nb、
0〜1重量%Ta、
Y、La、Ce、Hf、及びZrからなるグループから選択された5重量%未満の濃度の1つ以上の微量元素、及び
残りのパーセントのFe
【請求項1】
金属射出成形プロセスで下記の成分を含む合金から作られたヒンジ素子。
4〜32重量%Mn、
16〜37重量%Cr、
0〜14重量%Ni、
0〜4.5重量%Si、
0.2〜1重量%N、
0〜0.2重量%C、
0〜0.5重量%S、
0〜0.5重量%P、
0〜1重量%Al、
0〜5重量%Co、
0〜4重量%Ti、
0〜2重量%Cu、
0〜0.5重量%V、
0〜5重量%W、
0〜5重量%Mo、
0〜1重量%B、
0〜0.4重量%O、
0〜2重量%Nb、
0〜1重量%Ta、
Y、La、Ce、Hf、及びZrからなるグループから選択された5重量%未満の濃度の1つ以上の微量元素、及び
残りのパーセントのFe
【請求項2】
前記合金は
9重量%Mn、
16.5重量%Cr、
9.5重量%Ni、
3重量%Si、
0.35重量%N、
0.2重量%C、
0.03重量%S、
0.02重量%P、
1重量%Al、
2重量%Co、
1重量%Mo、
0.2重量%O、
0.5重量%Zr、及び
残りのパーセントのFe
を含む請求項1に記載のヒンジ素子。
【請求項3】
前記合金は
10.2重量%Mn、
21重量%Cr、
1.2重量%Ni、
2重量%Si、
0.85重量%N、
0.2重量%C、
0.03重量%S、
0.2重量%P、
0.3重量%Al、
2重量%Co、
0.8重量%Ti、
0.5重量%Cu、
2重量%W、
3重量%Mo、
0.1重量%O、
0.7重量%Ta、
1重量%未満の濃度のY及びZr、及び
残りのパーセントのFe
を含む請求項1に記載のヒンジ素子。
【請求項4】
前記合金は
30重量%Mn、
25重量%Cr、
3重量%Ni、
0.9重量%N、
0.2重量%C、
2重量%Ti、
0.5重量%Cu、
4重量%W、
5重量%Mo、
0.5重量%B、
1重量%Nb、
0.6重量%Ta、
1重量%未満の濃度のY、La、及びZr、及び
残りのパーセントのFe
を含む請求項1に記載のヒンジ素子。
【請求項5】
前記合金は
5重量%Mn、
30重量%Cr、
3重量%Ni、
1.5重量%Si、
0.4重量%N、
0.02重量%C、
0.05重量%S、
0.03重量%P、
0.5重量%Al、
0.5重量%V、
4重量%W、
0.8重量%Nb、
0.6重量%Ta、
1重量%未満の濃度のLa、Ce、及びHf、及び
残りのパーセントのFe
を含む請求項1に記載のヒンジ素子。
【請求項6】
前記合金は
32重量%Mn、
16重量%Cr、
0.7重量%N、
0.01重量%C、
4重量%Mo、
0.9重量%Nb、
1重量%Ta、及び
残りのパーセントのFe
を含む請求項1に記載のヒンジ素子。
【請求項7】
両端を有する細長いロッドと、
該ロッドの両端にそれぞれ取り付けられた2つの細長いアームと
を備え、
該各細長いアームは上部回動端と、下部回動端と、該上部回動端の側面に形成された上部回動穴と、該下部回動端の側面に形成され該上部回動穴と軸が平行な下部回動穴とを有する請求項1に記載のヒンジ素子。
【請求項8】
前記各アームは前記下部回動端から外方へ突出した位置決め突起を更に有する請求項7に記載のヒンジ素子。
【請求項9】
前記ロッドは1つ以上の受容スペースを更に有する請求項7に記載のヒンジ素子。
【請求項10】
請求項7に記載のヒンジ素子と、
基部と、
スクリーンと
を備え、
該基部は
該ヒンジ素子の前記ロッドを受容するためのロッドチャンバーと、
該ヒンジ素子の前記2つのアームの前記下部回動端をそれぞれ受容するための2つの下部チャンバーと
を備え、
該各下部チャンバーは該アームの前記下部回動穴に挿入される回転軸を備え、
該スクリーンは該ヒンジ素子の該2つのアームの前記上部回動端をそれぞれ受容するための2つの上部チャンバーを備え、
該各上部チャンバーは該アームの前記上部回動穴に挿入される回転軸を備える、電子装置。
【請求項11】
前記基部は、前記下部チャンバーに装着され該下部チャンバーの前記回転軸から離れたストッパーを更に備え、
前記ヒンジ素子は、前記アームが該基部に対して回転する時、該ストッパーと選択的に係合するための、前記下部回動端から外方へ突出した位置決め突起を更に備える請求項10に記載の電子装置。
【請求項12】
前記ヒンジ素子の前記ロッドは1つ以上の受容スペースを更に有する請求項10に記載の電子装置。
【請求項13】
両端を有する細長いロッドと、
該ロッドの両端にそれぞれ取り付けられた2つの細長いアームと
を備え、
該各細長いアームは上部回動端と、下部回動端と、該上部回動端の側面に形成された上部回動穴と、該下部回動端の側面に形成され該上部回動穴と軸が平行な下部回動穴とを有し、
金属射出成形プロセスで下記の成分を含む合金から作られたヒンジ素子。
4〜32重量%Mn、
16〜37重量%Cr、
0〜14重量%Ni、
0〜4.5重量%Si、
0.2〜1重量%N、
0〜0.2重量%C、
0〜0.5重量%S、
0〜0.5重量%P、
0〜1重量%Al、
0〜5重量%Co、
0〜4重量%Ti、
0〜2重量%Cu、
0〜0.5重量%V、
0〜5重量%W、
0〜5重量%Mo、
0〜1重量%B、
0〜0.4重量%O、
0〜2重量%Nb、
0〜1重量%Ta、
Y、La、Ce、Hf、及びZrからなるグループから選択された5重量%未満の濃度の1つ以上の微量元素、及び
残りのパーセントのFe
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図2】
【図3】
【図4】
【公開番号】特開2012−111972(P2012−111972A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−259095(P2010−259095)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【出願人】(301031716)新日興股▲分▼有限公司 (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−259095(P2010−259095)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【出願人】(301031716)新日興股▲分▼有限公司 (2)
【Fターム(参考)】
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