説明

ヒートポンプ給湯機

【課題】運転効率の高いヒートポンプ給湯機を提供する。
【解決手段】圧縮機2、放熱器3、減圧手段4、空気熱交換器5を環状に接続して構成されたヒートポンプ1と、沸き上げポンプ7により貯湯タンク8の底部より水を放熱器4を通して循環させて高温の湯水を貯湯タンク8に溜める貯湯回路18と、貯湯タンク8からの膨張水を排出する膨張水排出管34と、貯湯タンク8からの高温水と給水源(図示せず)からの低温水を混合して適温の湯にするための給湯用混合弁23と、給湯用混合弁23に市水などの低温水を導く給水バイパス管22と、膨張水排出管34を通る膨張水と給水バイパス管22を通る低温水とを熱交換する蓄熱ユニット10より構成したもので、膨張水の熱エネルギーで給水バイパス管22を通る低温水の水温を上昇させることができるので、貯湯タンク8からの高温の湯量が低減でき、エネルギー効率が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱した湯水を貯湯タンクに蓄えて給湯を行うヒートポンプ給湯機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種のヒートポンプ給湯機として、図2に示されるようなものがあった(例えば、特許文献1参照)。図2は、前記特許文献1に記載された従来のヒートポンプ給湯機の回路図である。
【0003】
図2において、従来のヒートポンプ給湯機は、低温の湯水と高温の湯水とが層を成した状態で貯えられている貯湯タンク8と、その湯水を加熱する加熱源であるヒートポンプ1を備え、ヒートポンプ1によって貯湯タンク8の水を加熱して沸き上げて貯湯し給湯に利用するようになっている。
【0004】
最初に、加熱源であるヒートポンプ1の構成について説明する。ヒートポンプ1は、冷媒を圧縮する圧縮機2と、冷媒を冷却する放熱器3と、冷媒を減圧する減圧手段4と、冷媒を蒸発気化する空気熱交換器5で構成され、圧縮機2の吐出側より放熱器3を介して減圧手段4に接続し、さらに圧縮機2の吸入側に接続している。
【0005】
このヒートポンプ1においては、圧縮機2によって圧縮された冷媒は、高温高圧状態の冷媒として放熱器3に入り、ここで放熱して冷却する。その後、減圧手段4において減圧されて低温低圧の湿り蒸気となり、空気熱交換器5で空気と熱交換して蒸発気化し、圧縮機2へ戻される。この時、送風機6は空気熱交換器5の熱交換効率を高めるために強制的に大気を空気熱交換器5に循環させる。
【0006】
一方、湯の沸き上げに関する貯湯回路18は、沸上げ管9が、貯湯タンク8の下部から放熱器3に接続され、さらに放熱器3から貯湯タンク8の上部へ接続している。
【0007】
沸上げ管9が接続されている、貯湯タンク8の上部は、湯水が貯湯タンク8の高温層側であればよく、また、貯湯タンク8の下部は、湯水が貯湯タンク8の低温層側であればよい。
【0008】
貯湯タンク8から放熱器3に湯水を送り貯湯タンク8に戻すために、沸上げ管9の途中には、出力を任意に変化させることができる沸上げポンプ7を設けている。
【0009】
そして、貯湯タンク8内の圧力を保つため、膨張水を排出する圧力逃がし弁29を備えており、排出された膨張水は、膨張水排出管34を通って、膨張水散水管36から外部に排出される。
【0010】
また、ヒートポンプ1において、加熱する前の低湯水の温度を検知する入水温度センサー15を、沸上げ管9の放熱器3の入口側近傍に、加熱した高湯水の温度を検知する出湯温度センサー16を、沸上げ管9における放熱器3の出口近傍にそれぞれ設けている。
【0011】
そして、貯湯タンク8の温度分布と蓄熱量を把握するため、貯湯タンク8の外側壁面の垂直方向に、複数の貯湯温度センサー17a〜17dを備えている。
【0012】
給湯に関する構成としては、貯湯タンク8の底部に給水源から給水を行う給水管19が
接続され、給水源からは、減圧弁20にて適度な圧力に減圧されて給水管19に給水される。
【0013】
貯湯タンク8の上部には、貯湯された高温水を出湯し給湯に利用するための給湯管21が接続され、その途中には、給水管19からの給水バイパス管22が接続されている。また、給湯管21からの高温水と、給水バイパス管22からの低温水を任意の比率で混合可能な給湯用混合弁23が設けられている。
【0014】
給湯用混合弁23の下流側には、混合された給湯温度を検知するために給湯温度センサー25が設けられ、その先に給湯端末24が接続されている。
【0015】
風呂への注湯に関する構成としては、給湯管21の途中から分岐して、浴槽13へ注湯する注湯管28が設けられており、給湯管21と同様に、給湯管21からの高温水と給水バイパス管22からの低温の湯水を混合して注湯できるように風呂用混合弁26が設けられ、その下流には、注湯温度センサー35が設けられている。
【0016】
また、注湯管28は、注湯電磁弁27を備え、それを任意に開閉させて自動で浴槽13に注湯する。
【0017】
浴槽13内の湯水を加熱、保温する風呂加熱運転の回路構成に関しては、利用側回路31においては、浴槽13内の湯水を、利用側ポンプ12により風呂熱交換器14に循環させる。
【0018】
また、浴槽内13の湯の温度を検知するために風呂湯温センサー32を設けている。そして、熱源側回路30では、貯湯タンク8の湯水を熱源側ポンプ11により、風呂熱交換器14に循環して貯湯タンク8に環流する。
【0019】
また、風呂熱交換器14より、利用側ポンプ12で循環し環流された湯水の温度を検知するための環流温度センサー33が取り付けられている。
【0020】
以上のように構成された、従来のヒートポンプ給湯機の動作は、以下の通りである。
【0021】
図2に示すように、貯湯運転では、ヒートポンプ1を加熱源として沸き上げポンプ7で、貯湯タンク8下部の低温水層の水を放熱器3に循環して加熱し、貯湯タンク8の上部送り湯として貯めており、密度差により沸かされた高温の湯と低温水層の水が混じり合うことは殆どなく貯湯タンク8に貯められる。そして、貯湯タンク8に貯まった湯は、利用端末24や浴槽13への給湯に使用される。
【0022】
また、貯湯運転では、貯湯タンク8に密度の小さな湯が貯まってゆくことになり、即ち、水が膨張するので貯湯タンク8の内圧が上昇する。内圧が上昇を続けると、貯湯タンク8の耐圧を越え、最悪の場合破壊するため、貯湯タンク8内が所定の圧力になると圧力逃がし弁29を開き、貯湯タンク8内の湯を膨張水として膨張水排出管34より排出することで、貯等タンク8の内圧を所定の圧力以下に保っている。
【0023】
しかし、高温の膨張水を排出することは、ヒートポンプ給湯機のエネルギー効率を低下させる原因の一つであることから、従来のヒートポンプ給湯機では、膨張水の有効活用の方法として、圧力逃がし弁29より排出した膨張水を、膨張水排出管34を通して空気熱交換器5の上部へと導き、膨張水散水管36より空気熱交換器5に散水して、空気熱交換器5内の冷媒と熱交換して熱を吸収利用する、あるいは、除霜の熱源として利用している。
【特許文献1】特開2005−009723号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
しかしながら、上記従来のヒートポンプ給湯機の構成では、膨張水を空気熱交換器5に散水したとき、散水した湯水は、熱を奪われて、低温の水となるが散水された一部の水は、空気熱交換器5の表面に付着したまま残ることになる。例えば、環境温度が除霜条件以下、すなわち空気熱交換器5と熱交換される空気の温度が2℃程度以下であれば、空気熱交換器5を流れる冷媒は、0℃以下となるため、空気熱交換器5の表面に散水された湯水が、そのまま氷結し、空気熱交換器5の熱交換性能が著しく低下するという課題があった。
【0025】
本発明は、上記従来の課題を解決し、空気熱交換器5を利用することなく、膨張水の持つ熱エネルギーの有効活用を行い、運転効率の高いヒートポンプ給湯機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0026】
上記従来の課題を解決するために、本発明のヒートポンプ給湯機は、圧縮機、放熱器、減圧手段、空気熱交換器を環状に接続して構成されたヒートポンプと、沸き上げポンプにより貯湯タンクの底部より水を前記放熱器を通して循環させて高温の湯水を前記貯湯タンクに溜める貯湯回路と、前記貯湯タンクからの膨張水を排出する膨張水排出管と、前記貯湯タンクからの高温水と給水源からの低温水を混合して適温の湯とするための給湯用混合弁と、前記給湯用混合弁に市水などの低温水を導く給水バイパス管と、前記膨張水排出管を通る膨張水と前記給水バイパス管を通る低温水とが熱交換できるように配置された蓄熱材を内包する蓄熱ユニットより構成されているもので、膨張水の熱エネルギーを蓄熱ユニット内の蓄熱材と熱交換してそれに蓄え、給湯など湯を利用する時には、給水バイパス管を通る低温水と前記蓄熱材と熱交換して水温を上昇させることができる。給湯用混合弁では、貯湯タンクからの高温の湯と、給湯バイパス管からの低温水を混合して適温の調整しているため、給湯バイパス管からの低温水の温度が上昇すれば適温とするための貯湯タンクからの高温の湯量が低減でき、エネルギー効率が向上する。
【発明の効果】
【0027】
本発明のヒートポンプ給湯機は、膨張水の熱エネルギーを蓄熱ユニット内の蓄熱材と熱交換してその蓄熱材に蓄え、給湯など湯を利用する時に、給水バイパス管を通る低温水と蓄熱ユニット内の蓄熱材と熱交換して水温を上昇させることができるので、運転効率を高めることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
第1の発明は、圧縮機、放熱器、減圧手段、空気熱交換器を環状に接続して構成されたヒートポンプと、沸き上げポンプにより貯湯タンクの底部より水を前記放熱器を通して循環させて高温の湯水を前記貯湯タンクに溜める貯湯回路と、前記貯湯タンクからの膨張水を排出する膨張水排出管と、前記貯湯タンクからの高温水と給水源からの低温水を混合して適温の湯とするための給湯用混合弁と、前記給湯用混合弁に市水などの低温水を導く給水バイパス管と、前記膨張水排出管を通る膨張水と前記給水バイパス管を通る低温水とが熱交換できるように配置された蓄熱材を内包する蓄熱ユニットより構成されているもので、膨張水の熱エネルギーを蓄熱ユニット内の蓄熱材と熱交換してそれに蓄え、給湯など湯を利用する時には、給水バイパス管を通る低温水と前記蓄熱材と熱交換して水温を上昇させることができる。給湯用混合弁では、貯湯タンクからの高温の湯と、給湯バイパス管からの低温水を混合して適温の調整しているため、給湯バイパス管からの低温水の温度が上昇すれば適温とするための貯湯タンクからの高温の湯量が低減でき、エネルギー効率が向
上する。
【0029】
第2の発明は、特に、第1の発明の蓄熱材を潜熱蓄熱材としたもので、蓄熱材の潜熱を利用することができるため、蓄熱材での単位体積当たりの蓄熱量を増加できコンパクト化できる。
【0030】
第3の発明は、特に、第1又は第2の発明のヒートポンプ回路に臨界圧力以上に昇圧された冷媒を用いたもので、放熱器を流れる冷媒は、圧縮機で臨界圧力以上に加圧されているので、放熱器で熱を奪われて温度低下しても凝縮することがない。したがって放熱器全域で冷媒と水とに温度差を形成しやすくなり熱交換効率を高くすることができる。
【0031】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0032】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるヒートポンプ給湯機の回路図である。尚、上記従来のヒートポンプ給湯機と同一部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0033】
図1において、本実施の形態におけるヒートポンプ給湯機は、膨張水排出管34の途中と、給水バイパス管22の途中に、蓄熱ユニット10を接続し、貯湯タンク8から排出された膨張水を、蓄熱ユニット10に導いた後、外部に排出すると共に、膨張水排出管34を通る高温の膨張水と、給水バイパス管22を通る低温水との間で熱交換させるようにしたもので、他の構成は、従来のヒートポンプ給湯機と同一なので、同一部分には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0034】
蓄熱ユニット10は、蓄熱材として潜熱蓄熱材を使用しており、この蓄熱材と流体の熱交換器(図示せず)を内包している。
【0035】
尚、本実施の形態におけるヒートポンプ1には、冷媒として炭酸ガスを用いており、圧縮機2によって圧縮された冷媒は、高温高圧の超臨界状態の冷媒として放熱器3に入り、ここで放熱して冷却するようになっている。
【0036】
以上のように構成された本実施の形態における給湯機の動作、作用について説明する。
【0037】
貯湯タンク8に湯を貯める貯湯運転では、ヒートポンプ1は、圧縮機2によって圧縮された冷媒は、高温高圧の超臨界状態の冷媒として放熱器3に入り、ここで放熱して冷却する。その後、減圧手段4において減圧されて低温低圧の湿り蒸気となり、空気熱交換器5において空気と熱交換して蒸発気化し圧縮機2へ戻される。この時、送風機6が空気熱交換器5の熱交換効率を高めるために強制的に大気を空気熱交換器5に循環させる。
【0038】
またこの時、貯湯タンク8の下部にある低温層の湯水は沸上げポンプ7により放熱器3に送られ放熱器3の熱を吸熱して加熱される。
【0039】
即ち、貯湯タンク8の下部にある低温層の湯水を、ヒートポンプ1により加熱し、貯湯タンク8に戻す貯湯運転においては、沸上げポンプ7を駆動し、貯湯タンク8からの低温水を加熱し、加熱された湯は、沸き上げ管9を通って貯湯タンク8の上部に送られる。
【0040】
そして、出湯温度センサー16によりヒートポンプ6で加熱された水の温度を検知し、沸上げポンプ7の出力を変えることで、ヒートポンプ6からの出湯温度を制御して目標の
温度となるように加熱を行う。
【0041】
このようにして、貯湯タンク8に、高温の湯を貯めてゆき、貯湯温度検知手段17a、17b、17c、17d及び入水温度センサー15で検知した温度によって、貯湯タンク8内の蓄熱量を検知して、所定の蓄熱量となった時、ヒートポンプ1を停止する。
【0042】
さらに、貯湯運転中は、貯湯タンク8に密度の小さな湯が貯まってゆくことになり、即ち、水が膨張するので貯湯タンク8の内圧が上昇する。貯湯タンク8の内圧が上昇を続けると、最悪は、貯湯タンク8の耐圧を越えて、破壊するため、貯湯タンク8内が所定の圧力になると、圧力逃がし弁29を開き、貯湯タンク8内の湯を膨張水として膨張水排出管34より排出することで、貯等タンク8の内圧を所定の圧力以下に保っている。
【0043】
排出された膨張水は、膨張水排出管34を通って、蓄熱ユニット10に導かれる。蓄熱ユニット10では、内の潜熱蓄熱材と膨張水が熱交換して、膨張水の熱エネルギーを潜熱蓄熱材が吸熱した後、膨張水は外部に排出される。
【0044】
給湯端末24への給湯運転では、給湯端末24が給湯のために開けられると、貯湯タンク8内の湯水が給湯管21から出湯されるとともに、給水管19から貯湯タンク8に給水される。
【0045】
また、給水管19から給水を分岐した給水バイパス管22からの低温水と貯湯タンク8からの高湯水との混合比を給湯用混合弁23で変えて、混合することで、給湯温度を変化させて給湯端末24に給湯する。
【0046】
この時、給水バイパス管22の途中には、蓄熱ユニット10が設置されており、潜熱蓄熱材と給水バイパス管22を通る低温水とが熱交換する。潜熱蓄熱材には貯湯運転時に熱エネルギーが蓄えられており、低温水が熱エネルギーを吸収することで、給水バイパス管22を通る低温水の温度が上昇する。温度の上昇した給湯バイパス管22を通る水が給湯用混合弁23に送られる。
【0047】
また、この時の混合比は、給湯温度センサー25で検知される給湯温度に応じて制御され、リモコン(図示せず)により、利用者が選択した給湯温度となるように保たれる。貯湯タンク8内の高温水と低温水を混ぜて温度を低下させることによって所定温度の給湯を行うので、低温水側の温度が上昇することによって、高温水側の流量を低減することができる。
【0048】
風呂への注湯運転では、注湯運転を開始すると、注湯電磁弁27が開成され、給水バイパス管22により給水を分岐し、貯湯タンク8からの高温水と給水源からの低温水を風呂用混合弁26において混合比を変えて混合することで、注湯温度を変化させて浴槽13に注湯する。
【0049】
この時の混合比は、注湯温度センサー35で検知される注湯温度に応じて制御され、リモコン(図示せず)により利用者が選択した注湯温度となるように保たれる。
【0050】
即ち、貯湯タンク8内の高温水と水を混ぜて温度を低下させることによって浴槽13に注湯を行うことになる。
【0051】
この時も給湯運転同様に、給水バイパス管22の途中には、蓄熱ユニット10が設置されており、潜熱蓄熱材と給水バイパス管22を通る低温水とが熱交換する。潜熱蓄熱材には、貯湯運転時に熱エネルギーが蓄えられており、低温水が熱エネルギーを吸収すること
で低温水の温度が上昇する。温度の上昇した給湯バイパス管22を通る水が給湯用混合弁23に送られる。
【0052】
貯湯タンク8内の高温水と低温水を混ぜて温度を低下させることによって所定温度の給湯を行うので、低温水側の温度が上昇することによって、高温水側の流量を低減することができる。
【0053】
浴槽13内の湯を加熱する風呂加熱運転では、貯湯タンク8内の湯水の熱を浴槽13内の湯水に放熱することで行っている。
【0054】
利用側回路31においては、流路切換手段(図示せず)は、浴槽13内の湯水を利用側ポンプ12により風呂熱交換器14に循環させる。一方、熱源側回路30では貯湯タンク8の湯水を熱源側ポンプ11により風呂熱交換器14に循環して貯湯タンク8に環流している。
【0055】
そして、風呂熱交換器14では、高温の熱源側回路30の湯と、温度の低い利用側回路31の湯が熱交換を行って、利用側回路31の湯を加熱する。この一連の動作は、風呂湯温センサー32によって所定の風呂湯温に達したと判断されるまで持続される。
【0056】
この様に、貯湯タンク8の膨張水を排出する膨張水排出管34と、貯湯タンク8からの高温の湯と低温水を混合して適温の湯とするための給湯用混合弁23と、給湯用混合弁23に、市水などの低温の水を導く給水バイパス管22を有し、膨張水排出管34を通る高温の湯と前記給水バイパス管22を通る低温の水とが熱交換できるように配置された蓄熱材を内包する蓄熱ユニット10を設置することにより、膨張水の熱エネルギーを蓄熱ユニット10内の蓄熱材と熱交換して蓄え、給湯など湯を利用する時には、給水バイパス管22を通る低温水と蓄熱ユニット10内の蓄熱材と熱交換して水温を上昇させることができ、貯湯タンク8内の高温水の使用湯量を低減できるので、エネルギー効率が向上する。
【産業上の利用可能性】
【0057】
以上のように、本発明にかかるヒートポンプ給湯機は、膨張水の熱エネルギーを蓄熱ユニット内の蓄熱材と熱交換して蓄え、給湯など湯を利用する時には給水バイパス管を通る低温水と蓄熱ユニット内の蓄熱材と熱交換して水温を上昇させることができ、貯湯タンク内の高温水の使用湯量を低減できるので、エネルギー効率の高いヒートポンプ給湯機として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施の形態1におけるヒートポンプ給湯機の回路図
【図2】従来のヒートポンプ給湯機の回路図
【符号の説明】
【0059】
1 ヒートポンプ
2 圧縮機
3 放熱器
4 減圧手段
5 空気熱交換器
7 沸上げポンプ
8 貯湯タンク
10 蓄熱ユニット
18 貯湯回路
22 給水バイパス管
23 給湯用混合弁
34 膨張水排出管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機、放熱器、減圧手段、空気熱交換器を環状に接続して構成されたヒートポンプと、沸き上げポンプにより貯湯タンクの底部より水を前記放熱器を通して循環させて高温の湯水を前記貯湯タンクに溜める貯湯回路と、前記貯湯タンクからの膨張水を排出する膨張水排出管と、前記貯湯タンクからの高温水と給水源からの低温水を混合して適温の湯とするための給湯用混合弁と、前記給湯用混合弁に市水などの低温水を導く給水バイパス管と、前記膨張水排出管を通る膨張水と前記給水バイパス管を通る低温水とが熱交換できるように配置された蓄熱材を内包する蓄熱ユニットより構成されていることを特徴とするヒートポンプ給湯機。
【請求項2】
蓄熱材を潜熱蓄熱材としたことを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプ給湯機。
【請求項3】
ヒートポンプ回路に臨界圧力以上に昇圧された冷媒を用いたことを特徴とする請求項1又は2に記載のヒートポンプ給湯機。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−216335(P2009−216335A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−62182(P2008−62182)
【出願日】平成20年3月12日(2008.3.12)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成17年度新エネルギー・産業技術総合開発機構「高密度実装技術を用いたCO2ヒートポンプ給湯器の小型化開発」に関する委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】