説明

ビスウレア化合物でテクスチュアされた液状脂肪相を有するビスウレア誘導体でテクスチュアされた化粧料組成物。

【課題】ビスウレア化合物でテクスチュア化された液状脂肪相を有する、ビスウレア誘導体でテクスチュア化された化粧料組成物。
【解決手段】生理学的に許容される媒体中に、一般式(I)の少なくとも1の化合物でテクスチュア化された少なくとも1の液状脂肪相を含む化粧料組成物:


ここでAはフェニレン基である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料、より特に、ビスウレア化合物でテクスチュア化された液状脂肪相を有するビスウレア誘導体でテクスチュア化された化粧料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
オイルを構造化して、オイルに所望されるテクスチュア又は粘度を与えるために、有機ゲル化剤を使用することが当業者に公知である。有機ゲル化剤は、オイル中の分子相互作用を変化させ、その物理的及び/又は化学的特徴を変える。しかし、これらの有機ゲル化剤分子のオイル又はオイル混合物への溶解は、しばしば高温を必要とし、追加の加熱コストを生じさせ、中でも熱に敏感な分子の存在と両立し得ない。さらに、このようにして得られたゲルは、時間が経つと所望された安定性を有しない。
【0003】
有機ゲル化剤としてあるビスウレアを使用することは、国際特許出願国際公開第02/47628号、日本国特許出願公開第2003-064346、及び日本国特許出願公開第10-236981号において想定されている。これらの公報は、中でも、化粧料の媒体又は非化粧料の媒体をテクスチュア化するためにビスウレアを使用することを記載している。1以上のウレアで官能化された有機分子を記載する多くの論文もまた存在する。特にBouteillerら、New.J. Chem.,、第24巻、845〜848ページ 、2000年;Langmuir, 第18巻,7218〜7222ページ、2002年、及びJ. Am. Chem. Soc. 第125巻、13148〜13154ページ、2003年、は、有機溶媒、例えばトルエン、四塩化炭素、又はドデカン中で、これらの溶媒をゲル化する目的であるビスウレアを使用することを記載している。挙げられ得る別の例は、Hanabusa Kであり、有機ゲル化剤としてのビスウレア分子の挙動を記載している(Langmuir 、第19巻、第21号、8622-8624ページ、2003年)。Tetrahedron Letters、 第39巻、7447〜7450ページ、 1998年のHamiltonらによる論文に関して、これは、ある有機溶媒中でゲル化剤のように挙動できるあるビスウレア誘導体の能力を記載する。
【0004】
しかし、これらの公報に記載されたすべてのビスウレアが室温において及び/又は任意のオイル、特に化粧料オイルに溶解するわけではない。
【0005】
実際、特定の化粧料組成物を満足できる程度にテクスチュア化でき、該組成物のオイルに室温において溶解されることのできるゲル化剤を認定(identify)するために、一般的に、予め多くの試験が行われなければならない。
【0006】
即ち、多くの種類の種々の化粧料オイルを室温においてテクスチュア化するのに効果的である限り、一般的であるといえる有機ゲル化分子に対する需要がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、これらの要求を満足する新しいビスウレアを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
従って、その一つの特徴に従うと、本発明は生理学的に許容される媒体中に、
C6〜C32のモノアルコール、
分岐状C6〜C32アルカン、
直鎖C13〜C48のアルカン、及び
6〜30の炭素原子及びO及びNから選択された4つのヘテロ原子を含むエステル及び/又はアミドから選択された2つ官能基を含む二官能性オイル
から選択された少なくとも1の親油性化合物を含む少なくとも1の液状脂肪相を含む化粧料組成物において、該脂肪相が、一般式(I)の少なくとも1の化合物の有効量でテクスチュア化されるていることを特徴とする化粧料組成物に関する。
【0009】
【化1】

ここでA及びRは下で定義される通りである。
【0010】
発明者らは、意外なことに、上で定義されたビスウレア化合物は、前述の一般的なオルガノゲル化分子に対する需要を満足するためのゲル化剤の選択であることを見出した。
【0011】
別の特徴に従うと、本発明は、化粧料組成物をテクスチュア化するための上述の式(I)の少なくとも1のビスウレア化合物の使用に関する。
【0012】
その特徴のさらに別の面に従うと、本発明は、ケラチン物質、特に皮膚、特に体又は顔、睫、眉毛、爪及び/又は毛髪をメイクアップする及び/又はケアする方法であって、処置されるべき表面に、上述の式(I)の少なくとも1のビスウレア化合物を含む化粧料組成物を施与することを含む方法に関する。
【0013】
1)ビスウレア
上述されたように、本発明に従ってより特に考慮されているビスウレア化合物は、下の一般式(I)又はそれらの塩又は異性体に対応する。
【0014】
【化2】


ここで、Aは基
【0015】
【化3】


であり、R'は直鎖又は分岐状のC1〜C4アルキル基であり、*は、一般式(I)の化合物の残部の2つの各窒素原子への基Aの結合の位置を表し、
Rは、その炭化水素に基づく鎖が、O、S、及びNから選択された1〜3のヘテロ原子で場合により中断されていてもよいところの、飽和若しくは不飽和の、非環状の、モノ分岐状のC6〜C15アルキル基である。
【0016】
本発明の1つの好ましい実施態様に従うと、Aにより表される基は下記式の基である。
【0017】
【化4】

ここでR1’及び*は上で定義された通りである。
【0018】
特に、R'はメチル基であってもよく、そうすると基Aは、より特に下記式の基である。
【0019】
【化5】

ここで*は上で定義された通りである。
【0020】
本発明の第一の実施態様に従うと、Rは、一般式CnH2n+1のモノ分岐状基から選択され得、nは6〜15、特に7〜9の範囲の整数、又は8に等しい整数である。
【0021】
即ち、式(I)の化合物の2つの基Rはそれぞれ、下記の基を表し得る。
【0022】
【化6】


ここで*は一般式(I)の化合物の残部の各窒素原子への各基Rの結合の位置を表す。
【0023】
本発明の第二の実施態様に従うと、Rは一般式Cm-pH2m+1-2pXのモノ分岐状基から選択されてもよく、ここでpは1,2、又は3に、好ましくは1に等しく、mは6〜15の範囲の、好ましくは10〜14の範囲の、特に10〜12の範囲の整数であり、又は11に等しい整数であり、Xは、硫黄及び/又は酸素原子、特に酸素原子を表す。
【0024】
より特に、Rは式Cm’H2m’X−(Cp’H2p’X')r-CxH2x+1の基であり、ここでX及びX'は、互いに独立して酸素又は硫黄原子、好ましくは酸素であり、rは0又は1であり、m’ p’及びxはその合計が6〜15の範囲、特に10〜12の範囲、又は11に等しい整数であるような整数であり、炭素に基づく鎖Cm’H2m’、Cp’H2p’、又はCxH2x+1の少なくとも1が分岐状であることを理解されたい。
【0025】
好ましくは、分岐状であるのは、鎖CH2x+1であり、好ましくはrは0に等しく、好ましくはm'は1〜10の範囲、特に2〜6の範囲の整数であり、特に3に等しく、及び/又は好ましくはxは4〜16の範囲、特に6〜12の範囲の整数であり、特に8に等しい。
【0026】
即ち、式(I)の化合物の2つの基Rは、それぞれ、下記の基を表す。
【0027】
【化7】

ここで*は、一般式(I)の化合物の残部の各窒素原子への各基Rの結合の位置を表す。
【0028】
そのような化合物は異性体、特に基A上の位置異性体との混合物、特に95/5又は80/20における混合物として、本発明に従う組成物中に存在し得る。
【0029】
下の実施例から分かるように、一般式(I)の分子中のこれらの基の一方又は他方の存在が、対応するビスウレア誘導体に、本発明の意味における一般的な性質を与えるのに特に有利であることがわかる。
【0030】
本発明に最も特に適する化合物の非制限的な代表として、より特に、純粋に又は混合物として使用される以下の化合物及びそれらの塩が挙げられ得る:
【0031】
【化8】

【0032】
【化9】

【0033】
用語「本発明の文脈において特に適する」とは、単独で又はすべての割合における混合物として、一般式(I)の化合物が広い範囲のオイルに溶解され得ること、及び考慮下の該オイル又はオイル混合物をテクスチュア化し、そしてそれに所望される物理的及び/又は化学的性質を与えるのに有効であることがわかることを意味する。
【0034】
用語「生理学的に許容できる」とは、毒性がなく、生物、特にヒトの皮膚、口唇及び/又は外皮への施与と両立する媒体を意味する。その結果、本発明に従う組成物は、皮膚、口唇、及び/又は外皮への施与と両立しない、及び/又は当該施与に許容されない化合物を含まない。
【0035】
本発明の目的のために、用語「有効な量」とは、本発明に従う組成物中の考慮下のオイル又はオイル混合物のテクスチュア化を得るのに必要でありかつ十分である量を意味する。
【0036】
用語「テクスチュア化された液状脂肪相」とは、脂肪相がゲル又は増粘された液体の形態をとることを意味する。それ自身の重みで流動し得る。もし応力がその上にかけられたとき、一定の体積で変形され得る。
【0037】
このテクスチュア化は、特に、一般式(I)の少なくとも1の化合物の導入による粘度の増加により特に反映される。
【0038】
例えば、本発明に従う組成物は、組成物の合計重量に対して0.01重量%〜20重量%、特に0.1重量%〜15重量%、又は1重量%〜10重量%、よりよくは2重量%〜8重量%の式(I)の化合物を含み得る。
【0039】
式(I)の化合物の有効量は、液状脂肪相の0.01〜20重量%、特に0.05重量%〜10重量%、例えば0.1〜5重量%、又は0.05〜3重量%を占め得る。
【0040】
明らかな理由から、この有効量は、第一にビスウレア誘導体の置換基Rの性質、その位置、純粋な形で使用されるか、又は式(I)の他のビスウレア誘導体との混合物として使用されるか否かに依存して、第二に、液状脂肪相の性質に依存してかなり変動しやすい。
【0041】
一般的に、本発明に従う一般式(I)の化合物は、下記式
【0042】
【化10】

の少なくとも1のジイソシアネートと下記式
【0043】
【化11】

のアミンとの反応から誘導される。ここでA及びRは上で定義された通りである。
【0044】
適切であれば、種々のジイソシアネート(X)は、基A上での置換基R’の位置異性体であり得、特に95/5又は80/20の割合であり得る。
【0045】
好ましくは、使用されるアミン(Y)は、ジイソシアネート(X)の1当量当たり2〜3当量、特に2.1〜2.5当量、又は2.2当量のモル比である。一般的な反応スキームは以下の通りである:
【0046】
【化12】

【0047】
反応は、一般的に不活性雰囲気、例えばアルゴン下、例えば15℃〜40℃の間、好ましくは18℃〜25℃の間に維持された反応媒体温度を有する無水の媒体中で行われる。
【0048】
ジイソシアネート(X)は、無水溶媒、例えばテトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、N-メチルピロリドン、酢酸ブチル、又はメチルエチルケトンに、1〜30重量%、好ましくは2重量%〜20重量%、又は4〜10重量%の範囲であってもよい濃度で溶解される。
【0049】
アミン(Y)を含む溶液は、例えば0.1重量%〜99.9重量%の範囲の濃度においてジイソシアネートと同じ溶媒中で一般的に調製される。反応媒体の温度は、優先的には40℃を超えず、従ってアミンの濃度及びアミン(Y)を含む溶液の添加速度は、優先的にこの要求に合わせて調節される。反応媒体は、例えば30分〜12時間攪拌されたままであってもよい。反応進行の監視は、赤外分光計(特に2250〜2280cm-1のNCO吸収帯の消失を観察することにより)により行われる得る。例えば、反応の終わりに、反応媒体は大量の酸性化(特にHClでpH3〜4に)された水に注がれる。次に沈殿が得られ、該沈殿は濾過除去され、例えば特に水で数回、水洗され、減圧下、特に真空で乾燥され、又は凍結乾燥される。沈殿は予想された式(I)の化合物に対応し、NMR分光計(1H及び/又は13C)及び/又はHPLCにより同定され、考慮下のオイル状媒体をテクスチュア化するためにそのまま使用されてもよい。
【0050】
ビスウレア又はビスウレア混合物はテクスチュア化されるべき液状脂肪相に、50℃以下、又は30℃以下、特に室温において有利に可溶である。
【0051】
2)液状脂肪相
本発明の目的のために、用語「液状脂肪相」とは、室温(25℃)及び大気圧(760mmHg)において液状である脂肪相であって、上で定義された1以上の親油性化合物からなり、室温において液状であり、オイルとしてもまた公知であるところの、相互に相溶性があり生理学的に許容される1以上の脂肪物質から場合により構成されていてもよいところの脂肪相を意味する。
【0052】
液状脂肪相は、組成物の1〜99.99重量%、5重量%〜95重量%、特に10重量%〜90重量%、特に20重量%〜50重量%を占めていてもよい。
【0053】
上述したように、本化粧料組成物は、
C6〜C32のモノアルコール、
分岐状C6〜C32アルカン、
直鎖C13〜C48のアルカン、及び
6〜30の炭素原子及びO及びNから選択された4つのヘテロ原子を含むエステル及び/又はアミドから選択された2つ官能基を含む二官能性オイル
から選択された少なくとも1の化合物を含む少なくとも1の脂肪相を含む。
【0054】
本発明の目的のために、そのような化合物は「親油性化合物」ともまた呼ばれる。
【0055】
本発明の1つの特定の実施態様に従うと、C6〜C32モノアルコールは、C8〜C28であり、よりよくはC12〜C26モノアルコール、優先的にはオクチルドデカノールである。
【0056】
別の特定の実施態様に従うと、分岐状のC6〜C32アルカンは、分岐状のC8〜C28であり、よりよくはC12〜C26アルカンであり、優先的にはイソドデカン又は式-(CH2−CH(CH3))n-、ここでnは例えば4〜8の範囲の整数である、のパーレアム(Parleam)(商標)である。
【0057】
本発明の一つの特定の側面に従うと、直鎖のC13〜C48アルカンは直鎖のC18〜C40アルカンであり、よりよくはC20〜C32アルカンである。
【0058】
本発明のさらに別の実施態様に従うと、二官能性オイルは8〜28の炭素原子を含み、よりよくは10〜24の炭素原子を含み、及び/又は該オイルのアミド及びエステル官能基は鎖にあり、特に該二官能性オイルは以下の式を有するイソプロピルN-ラウロイルサルコシネートであり得、より特に味の素社によりEldew SL-205(商標)の名前で販売されている製品であり得る。
【0059】
【化13】

【0060】
親油性化合物は、液状脂肪相の特に20重量%〜100重量%、さらに40重量%〜99重量%、特に60重量%〜95重量%を占め得る。
【0061】
液状脂肪相に含まれる親油性化合物に加えて、この脂肪相は、エステルオイル、非シリコーンオイル、及び/又はシリコーンオイルから選択された1の追加のオイル又は追加のオイルの混合物をもまた含み得る。
【0062】
この(これらの)追加オイルは、液状脂肪相の0.1重量%〜80重量%、例えば1重量%〜60重量%、さらに5重量%〜40重量%を占め得る。
【0063】
a 追加のエステルオイル
本発明の1つの変形に従うと、液状脂肪相は、「エステルオイル」として公知であるオイルをもまた含み得、それは特にモノカルボン酸のモノアルコール及びポリアルコールによるエステルから選択される。
【0064】
有利に、該エステルは下の式(II)、
R1-CO-O-R2 (II)
に対応し、ここで
R1は、1〜40の炭素原子、及び好ましくは7〜19の炭素原子の直鎖又は分岐状アルキル基を表し、場合により1以上のエチレン性二重結合を含んでいてもよく、場合により置換されていてもよく、及びその炭化水素をベースとする鎖は、N及びO又は1以上のカルボニル官能基から選択された1以上のヘテロ原子で遮断されていてもよい、及び
R2は、1〜40の炭素原子、好ましくは3〜30の炭素原子、よりよくは3〜20の炭素原子の直鎖又は分岐状アルキル基を表し、場合により1以上のエチレン性二重結合を含んでいてもよく、場合により置換されていてもよく、その炭化水素をベースとする鎖は、N及びO又は1以上のカルボニル官能基から選択された1以上のヘテロ原子で遮断されていてもよい。
【0065】
用語「場合により置換されている」とは、R1及び/又はR2は、例えばO又はNから選択された1以上のヘテロ原子を含む基、例えばアミノ、アミン、アルコキシ、又はヒドロキシから選択された1以上の置換基を有していてもよい。
【0066】
基R1の例は、脂肪酸、好ましくは高級脂肪酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノレン酸、リノール酸、オレオステアリン酸、アラキドン酸、及びエルカ酸、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0067】
本発明に従う組成物の脂肪相において使用され得るエステルの例は、より特にC8〜C48エステルであり、該エステルは、場合によりその炭化水素をベースとする鎖に、N及びOからの1以上のヘテロ原子及び/又は1以上のカルボニル官能基を取り込んでいてもよい。
【0068】
挙げられ得るこれらのエステルの非制限的な例は、より特にプルセリンオイル(セトステアリルオクタノエート)、イソノニルイソノナノエート、イソプロピルミリステート、2−エチルヘキシルパルミテート、2−オクチルドデシルステアレート、2−オクチルドデシルエルケート、イソステアリルイソステアレート、及びヘプタン酸、オクタン酸、デカン酸又はリシノール酸の、アルコール例えば脂肪族アルコールのエステル、又はポリアルコールエステルを含む。
【0069】
好ましくは、R1は、4〜14の炭素原子、好ましくは8〜10の炭素原子の無置換の分岐状アルキル基であり、R2は、5〜15の炭素原子、及び9〜11の炭素原子の無置換の分岐状のアルキル基である。
【0070】
b.追加のシリコーンオイル
本発明に従う組成物の液状脂肪相は、親油性化合物とは異なり、かつ上述のエステルオイルとは異なる1以上の非シリコーンオイルをもまた含み得る。これらの非シリコーンオイルは、炭化水素をベースとするオイル及び揮発性エーテルの群から選択され得る。
【0071】
非シリコーンオイルは、フルオロオイル、例えばパーフルオロポリエーテル、パーフルオロアルカン、例えばパーフルオロデカリン、パーフルオロアダマンタン、パーフルオロリン酸モノエステル、ジエステル、及びトリエステル、及び弗素化エステルオイルからもまた選択され得る。
【0072】
液状脂肪相は、他の非シリコーンオイルをもまた含み得、例えば極性のオイル、例えば
グリセロールの脂肪酸エステル、該エステルにおいて該脂肪酸は種々の鎖長を有し得、これらの鎖は、直鎖又は分岐状、飽和又は不飽和であってもよい、からなる、高いグリセリド含有量を有する炭化水素をベースとする植物油;これらのオイルは、特に小麦胚芽油、コーン油、サンフラワー油、シア油、ヒマシ油、スイートアーモンド油、マカダミア油、アプリコット油、大豆油、菜種油、綿実油、アルファルファ油、ケシ油、かぼちゃ油、胡麻種油、サマースカッシュ油(marrow oil)、アボカド油、ヘーゼルナッツ油、グレープシード油、黒スグリ油、月見草油、キビ油、大麦油、キノア油、オリーブ油、ライ麦油、サフラワー油、ククイナッツ油、パッションフラワー油、又はジャコウバラ油;又はカプリル/カプリン酸トリグリセリド、例えばStearineries Dubois社により販売されるもの、又はDynamitNobel社によりMiglyol 810(商標)、812(商標)、及び818(商標)の名前の下に販売されるもの、
C6〜C40合成エーテル、
C8〜C32の脂肪酸例えばオレイン酸、リノール酸、又はリノレン酸、
及びそれらの混合物、
を含む。
【0073】
液状脂肪相は、上述の親油性化合物以外の極性油、例えば合成又は鉱物起源の直鎖又は分岐の炭化水素又はフルオロ炭素、例えば液状パラフィン(例えばC8〜C16のイソパラフィン又はイソヘキサデカン)及びそれらの誘導体、石油ゼリー、ポリデセン、及び水素化ポリイソブテン、例えばスクワラン、及びそれらの混合物をもまた含み得る。
【0074】
c.シリコーンオイル
本発明の一つの特定の実施態様に従うと、液状脂肪相は1以上のシリコーンオイルをもまた含み得る。
【0075】
これらのオイルは、揮発性又は非揮発性であり得る。本発明の目的のために、揮発性オイルは、室温(25℃)及び大気圧(760mmHg)において、0.02mmHg〜300mmHg(2.66Pa〜40000Pa)の範囲の蒸気圧、よりよくは0.1mmHg〜90mmHg(13Pa〜12000Pa)の範囲の蒸気圧を有する。従って、非揮発性のオイルは0.02mmHg(2.66Pa)未満の蒸気圧に対応する。
【0076】
シリコーンオイルは、直鎖又は環状の揮発性シリコーンオイル、例えば3〜7のケイ素原子を含む、直鎖又は環状のポリジメチルシロキサン(PDMS)から選択され得る。
【0077】
挙げられ得るそのような揮発性オイルの例は、化合物、例えばオクチルトリメチコン、ヘキシルトリメチコン、デカメチルシクロペンタシロキサン(即ちD5)、オクタメチルシクロテトラシロキサン、シクロテトラジメチルシロキサン(即ちD4)、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン(即ちD6)、デカメチルテトラシロキサン(即ちL4)、信越製KF96A、Dow Corning製PDMS(ポリジメチルシロキサン)DC200(1.5cSt)、Dow Corning製PDMS DC200(2cSt)、Dow Corning製PDMS DC200(5cSt)、及びDow Corning製PDMS DC200(3cSt)、及び/又はそれらの混合物を含む。
【0078】
ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、及びポリメチルセチルジメチルシロキサン、及び/又はそれらの混合物もまた挙げられ得る。
【0079】
揮発性シリコーンオイルは、フルオロシリコーンの群、例えばアルキル及びパーフルオロアルキル基を含むシリコーン、オキシエチレン/オキシプロピレン(OE/PP)側鎖基及びパーフルオロ基を含むシリコーン、パーフルオロ又はポリフルオロ側鎖基及びグリセロール化された側鎖基を含むシリコーン、及びパーフルオロアルキルメチルフェニルシロキサンからもまた選択され得る。
【0080】
非揮発性シリコーンオイルは、ポリジメチルシロキサン、ポリアルキルメチルシロキサン、ジメチコーンコポリオール、アルキルメチコーンコポリオール、セチルジメチコーン、アルキルグリセリルエーテル基を含むシリコーン、アミド側鎖基を含むシリコーン及びジラウロイルトリメチロールプロパンシロキシシリケートであり得る。これらのオイルのアルキル基は、特に2〜24の炭素原子を含む。
【0081】
使用され得る非揮発性シリコーンオイルは、室温において液状である、直鎖の非揮発性ポリジメチルシロキサン(PEMS);シリコーン鎖にぶら下がっている、及び/又は末端にあるアルキル、アルコキシ、又はフェニル鎖を含むポリジメチルシロキサン、これらの基はそれぞれ2〜24の炭素原子を含む;フェニルシリコーン、例えばフェニルトリメチコーン、フェニルジメチコーン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコーン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン、2−フェニルエチルトリメチルシロキシシリケート、1〜12の炭素原子を含む鎖にぶら下がっている、及び/又は鎖の末端にある基であって、そのすべて又はいくつかの水素原子が弗素原子で置換されているフルオロシリコーン、ジメチコノール、及び/又はそれらの混合物であり得る。
【0082】
本発明者らは、2つの基Rがそれぞれ下記の基によって表されるところの、式(I)の少なくとも1のビスウレアと、上で定義された少なくとも1の親油性化合物、特にイソドデカン、オクチルドデカノール、イソプロピルN-ラウロイルサルコシネート、パーレアム(商標)及び/又はそれらの混合物との組み合わせが、本発明の目的のために特に満足できる結果を与えることを見出した。
【0083】
【化14】

ここでは、一般式(I)の化合物の残部の各窒素原子への各基Rの結合の位置を表す。
【0084】
同様に、2つの基Rがそれぞれ下記の基によって表されるところの、式(I)の少なくとも1のビスウレアと、上で定義された少なくとも1の親油性化合物、特にイソドデカン、オクチルドデカノール、イソプロピルN-ラウロイルサルコシネート、パーレアム(商標)及び/又はそれらの混合物を含む脂肪相との組合せもまた、本発明の目的のために特に満足できる結果を与える。
【0085】
【化15】

ここで、は、一般式(I)の化合物の残部の各窒素原子への結合の各基Rの位置を表す。
【0086】
3)他の脂肪物質
本発明に従う組成物は、ワックス及び/又はペースト状化合物から選択され得る少なくとも1の固体脂肪物質をもまた含み得る。
【0087】
より特に、本発明に従う組成物は、組成物の合計重量に対して0.1〜40重量%、特に0.1〜30重量%、より特に0.5〜25重量%の固体脂肪物質を含み得る。
【0088】
本発明に従う目的のために、用語、合成の「親油性化合物」は、可逆的な固体/液体の状態の変化を有し、30℃以上、よりよくは45℃超であって120℃までであり得る融点を有する、室温(25℃)において固体である化合物を意味する。
【0089】
本発明の第一の組成物において使用され得るワックスとして、ビーズワックス、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、セレシン、又はオゾケライト;合成ワックス、例えばポリエチレンワックス又はフィッシャー−トロプシュワックス、シリコーンワックス、例えば16〜45の炭素原子を含むアルキル又はアルコキシジメチコーンが挙げられ得る。
【0090】
組成物は、マイクロワックスとして公知であるマイクロ化されたワックスをもまた含み得る。
【0091】
指針として、本発明に従う組成物は、その合計重量に対して0.1〜50重量%、よりよくは1〜30重量%のワックスを含み得る。
【0092】
4)水性相
組成物は、適切であれば、本質的に水から構成されていてもよい、又はされていなくてもよい少なくとも1の水性相を含み得る。
【0093】
組成物は、水及び水と混和性の有機溶媒(25℃において50重量%の水中における混和性)、例えば1〜5の炭素原子を含む低級モノアルコール、例えばエタノール又はイソプロパノール、2〜8の炭素原子を含むグリコール、例えばプロピレングリコール、エチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、又はジプロピレングリコール、C3〜C4ケトン及びC2〜C4アルデヒド、との混合物をもまた含み得る。
【0094】
水性相(水及び水と混和性の有機溶媒であってもよい)は組成物の合計重量に対して1〜95重量%、特に3重量%〜80重量%、特に5〜60重量%の範囲の含有量で存在し得る。
【0095】
本発明に従う別の実施態様に従うと、製造は水を含まない。
【0096】
5)染料
1つの実施態様に従うと、本発明に従う組成物は、少なくとも1の有機又は無機の染料、特に顔料又は真珠層タイプをもまた含み得る。
【0097】
別の実施態様に従うと、本発明に従う組成物は、親油性染料、親水性染料、顔料、真珠層、及び特定の光学効果を有する物質、及びそれらの混合物から選択される少なくとも1の染料をもまた含み得る。
【0098】
用語「真珠層」は、特に、ある種の軟体動物によりその殻の中で生産され、あるいは合成され、光の干渉により色効果を有する、遊色効果のあり得る、又はあり得ない、任意の形態の着色された粒子を意味すると理解されるべきである。
【0099】
この染料は、組成物の合計重量に対して0.01〜50重量%、特に0.5〜40重量%、より特に5〜25重量%、特に0.01〜20重量%、特に0.1〜10重量%、又は2〜5重量%の割合で存在し得る。
【0100】
6)他の添加物
本発明の組成物は、考慮下の分野において通常使用される任意の成分をもまた含み得る。
【0101】
言うまでもなく、当業者は、想定される添加により、本発明に従う組成物の有利な性質が悪影響を受けない、又は実質的に悪影響を受けないように、選択的な追加の成分及び/又はそれらの量を注意して選択する。
【0102】
特に、一般式(I)に対応するもの以外のフィラー、ビタミン、増粘剤、一般式(I)に対応するもの以外のゲル化剤、微量元素、柔軟剤、保湿剤、封止剤、香料、酸性化又は塩基性化剤、保存剤、サンスクリーン、界面活性剤、抗酸化剤、抗抜け毛剤、ふけ防止剤、発泡剤(propellant)、セラミド、一般的な化粧料活性剤、(アンチエージング、白髪、抗抜け毛活性剤、顔面及び/又は体のケア活性剤、痩身剤等)、酸化剤、還元剤(染色用)及び皮膚科学活性剤及び/又はそれらの混合物が挙げられ得る。
【0103】
本発明に従う組成物は、懸濁物、分散物、溶液、特に有機溶液、ゲル、エマルジョン、特に水中油型(O/W)、又は油中水型(W/O)又はマルチ型(W/O/W又はポリオール/O/W又はO/W/O)エマルジョン又はクリーム、ペースト、ムース、特にイオン性又はノニオン性脂質のベシクル分散物、2相又は多相ローション、スプレー、粉末、スティック若しくは棒の形態であってもよい。
【0104】
当業者は、第一に、使用される成分の性質、特に支持体へのその溶解度を、第二に該組成物の意図された使用を考慮に入れて自己の知識に基づいて適切な剤型、及びそれを製造する方法を選択し得る。
【0105】
本発明に従う組成物は、メイクアップ組成物、特に顔色製品、例えばファンデーション、メイクアップルージュ又はアイシャドウ;口唇製品例えば口紅又は口唇ケア製品;コンシーラー製品;頬紅、マスカラ又はアイライナー;眉毛メイクアップ製品、口唇ペンシル若しくはアイペンシル;爪製品例えばマニュキア若しくは爪ケア製品;ボディメイクアップ製品;毛髪メイクアップ製品(毛髪マスカラ又は毛髪ラッカー)であり得る。
【0106】
本発明に従う組成物は、顔、首、手、又は体の皮膚を保護する若しくはケアするための組成物、特に抗しわ組成物、抗疲労組成物又は皮膚を輝かせるためのアンチエージング組成物、保湿する若しくは処理するための組成物;日焼け止め組成物又は日焼け後用組成物又は人工の日焼け組成物であり得る。本発明に従う組成物は毛髪製品、特に毛髪の染色、ケア又は衛生のための製品、ヘアスタイルを保持するための製品又は毛髪を形作るための製品でもまたあり得る。毛髪組成物は、好ましくは、シャンプー、ジェル、毛髪固定ローション、ブロー乾燥ローション、毛髪ケア又は毛髪衛生組成物、又は固定するための、及びスタイリングするための組成物、例えばラッカー又はスプレーである。毛髪製品は、種々の形態で包装され得る(ジェル、ペースト、クリーム等)。それらは、蒸発された形態で又はムースの形態で組成物を施与するために、特に蒸発装置又はポンプディスペンサーボトル又はエアロゾル容器中のローションであってもよい。
【0107】
本発明に従う組成物は、化粧料又は皮膚科学において一般的に使用される公知の方法により製造され得る。
【0108】
本発明の課題は、ケラチン物質、特に体又は顔の皮膚、爪、眉毛、毛髪及び/又は睫をメイクアップする、クレンジングする、日焼け防止する、形作る、染色する、又はケアするための化粧的なトリートメント方法であって、上で定義された化粧料組成物の該物質への施与を含む方法である。
【0109】
下に与えられた実施例は本発明の分野の非制限的な例として提示される。
【0110】
物質及び方法
下に与えられた実施例1〜3は、反応混合物において使用されたアミン(Y)の化学的性質、及び出発ジイソシアネート(X) においてもまた異なる。記号(X)及び(Y)は、上述の一般反応スキームの試薬を示す。
【0111】
別に述べられない限り、実施例1〜3のそれぞれにおいて考慮された一般式(I)の化合物は、下に記載されるのと同じ方法に従って製造された。化合物X及びYに対して保有されている特定の量は、以下の実施例において特定される。
【0112】
2.2当量のアミンとトルエンジイソシアネートとのTHF溶液としての混合物がアルゴン下での反応により調製される。反応は、15〜40℃に維持された反応媒体の温度を有する無水媒体中で不活性雰囲気下、行われる。
【0113】
平行して、THF中のアミン(Y)の溶液が製造される。反応媒体の温度は40℃を超えるべきではないので、アミンの濃度及びアミン(Y)溶液の添加の速度がこの要求に合わせて調節される。反応媒体は、赤外分光計により反応の進行を監視しながら攪拌下、放置される。(2250〜2280cm-1のNCO吸収帯の消失)
【0114】
ジイソシアネートが完全に反応したら、塩化水素酸でpH3に酸性化された水が反応混合物に添加され、得られた沈殿は濾過除去され、水で数回洗浄され、最終的に乾燥される。白色の粉末が得られ、分析(質量分析計に接続されたHPLC)後、得られたままで使用される。
【0115】
実施例1:
(X)=95/5の割合の2,4異性体及び2,6異性体の混合物としての50gのトルエンジイソシアネート
(Y)=79.6gの2-エチルヘキシルアミン
【0116】
【化16】

【0117】
化合物(I)は、以下の式を有する化合物の混合物の形態で得られる:
【0118】
【化17】

【0119】
異性体のモル比は、1HNMR分光計及び/又はHPLCにより決定される。NMRスペクトルは予想された構造と一致する。得られた生成物の混合物は白色粉末の形態である。
【0120】
実施例2
(X)=95/5の割合の2,4異性体及び2,6異性体の混合物としての19.8gのトルエンジイソシアネート
(Y)=47.2gの3-(2-エチルヘキシロキシ)プロピルアミン
【0121】
【化18】

【0122】
化合物(I)は、以下の式の混合物の形態で得られる:
【0123】
【化19】

【0124】
異性体のモル比は、1HNMR分光計及び/又はHPLCにより決定される。NMRスペクトルは予想された構造と一致する。得られた生成物の混合物は白色粉末の形態である。
【0125】
実施例3
(X)=80/20の割合の2,4異性体及び2,6異性体の混合物としての8.7gのトルエンジイソシアネート
(Y)=14.2gの2-エチルヘキルアミン:
【0126】
【化20】

【0127】
化合物(I)は、以下の式の混合物の形態で得られる:
【0128】
【化21】

【0129】
異性体のモル比はい1HNMR分光計及び/又はHPLCにより決定される。NMRスペクトルは予想された構造と一致する。得られた生成物の混合物は白色粉末の形態である。
【0130】
実施例4
下のビスウレアの混合物が比較目的のために製造された:
【0131】
【化22】

【0132】
【化23】

【0133】
【化24】

【0134】
【化25】

【0135】
【化26】

【0136】
実施例5
各実施例1、2及び3で得られた生成物又は生成物の混合物、及び比較化合物A、B、C、D及びEが、親油性化合物のリスト(イソドデカン、オクチルドデカノール、パーレアム(商標)、及びイソプロピルN-ラウロイルサルコシネート)に関して室温におけるテクスチュア性について、考慮下の親油性化合物100ml中において1重量%〜2重量%の割合において試験された。
【0137】
テクスチュア性は、もし化合物又は化合物の混合物が該親油性化合物中に室温において溶解し、適切である場合には、それが親油性化合物の粘度を増加させるならば、満足できるものであると判断される。
【0138】
本発明に従う化合物を含む実施例1、2、及び3の混合物のみが、イソドデカン、オクチルドデカノール、及びパーレアム(商標)に室温において溶解し、これらの親油性化合物の粘度を増加させることに留意されたい。
【0139】
他方、比較例A、B、C、D及びEの誘導体は80℃においてさえ、これらの親油性化合物に1重量%において溶解しないことが見出される。
【0140】
同様に、実施例1又は3の混合物が、イソプロピルN-ラウロイルサルコシネートに0.5〜10重量%の範囲の濃度において室温において溶解し、この化合物の粘度を増加させることが観察される。
【0141】
他方、比較例A及びBの誘導体は、80℃においてさえ、この親油性化合物に1重量%において溶解せず、従ってこの化合物において構造化剤として機能し得ない。
【0142】
実施例6
オイル混合物の例として、実施例1において得られた化合物(I)は、イソドデカン中に2%において室温において溶解される(25gのイソドデカン中の0.5gの混合物)。一旦、均一なジェルが得られると、25gのシリコーンオイルD5が添加される。イソドデカン/D5混合物中において経時的に安定なジェルが最終的に得られる。
【0143】
実施例7
オイル混合物の例として、実施例3において得られた化合物(I)は、イソドデカン中に2%において室温において溶解される(25gのイソドデカン中の0.5gの混合物)。均一なジェルが得られたとき、25gのシリコーンオイルD5がそこに添加される。イソドデカン/D5混合物中において経時的に安定なジェルが最終的に得られる。
【0144】
実施例8:マスカラ
以下の組成物が調製される:
【0145】
【表1】

【0146】
完全に満足できる化粧料の質を有するジェルが得られる。要求される化粧料の質を有するマスカラが得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生理学的に許容される媒体中に、
C6〜C32のモノアルコール、
分岐状C6〜C32アルカン、
直鎖C13〜C48のアルカン、及び
6〜30の炭素原子及びO及びNから選択された4つのヘテロ原子を含む、エステル及び/又はアミドから選択された2つ官能基を含む二官能性オイル
から選択された少なくとも1の親油性化合物、又はその塩又はその異性体を含むところの、少なくとも1の液状脂肪相を含む化粧料組成物において、該脂肪相が、一般式(I)の少なくとも1の化合物の有効量でテクスチュア化されるていることを特徴とする化粧料組成物、

ここで
Aは、式

の基であり、
R’は、直鎖又は分岐状のC1〜C4アルキル基であり、*は、一般式(I)の化合物の残部の2つの各窒素原子への基Aの結合の位置を表し、
Rは、その炭化水素に基づく鎖が、O、S、及びNから選択された1〜3のヘテロ原子で場合により中断されていてもよいところの、飽和若しくは不飽和の、非環状の、モノ分岐状のC6〜C15アルキル基である。
【請求項2】
基Aが下記式の基であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物、

ここで*は請求項1に記載された通りである。
【請求項3】
2つの基Rがそれぞれ下記の基を表すことを特徴とする、請求項1又は2のいずれか1項に記載の組成物、


ここで*は、一般式(I)の化合物の残部の各窒素原子への各基Rの結合の位置を表す。
【請求項4】
基Rが、式Cm’H2m’X−(Cp’H2p’X')r−CxH2x+1の基であり、ここでX及びX'は、互いに独立して酸素原子であり、rは0又は1であり、m’ p’及びxはその合計が6〜15の範囲であるような整数であることを特徴とする、請求項1又は2のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
2つの基Rがそれぞれ下記の基を表すことを特徴とする、請求項4に記載の組成物、


ここで*は、請求項3に記載された通りである。
【請求項6】
以下の化合物、それらの塩及びそれらの異性体から選択された少なくとも1の化合物を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。



【請求項7】
組成物の合計重量に対して2重量%〜8重量%の一般式(I)の化合物を含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
一般式(I)の化合物が、液状脂肪相の3重量%未満に相当することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記脂肪相が、
少なくともイソドデカン、オクチルドデカノール、イソプロピルN-ラウロイルサルコシネート、パーレアム、及び/又はそれらの混合物、及び
2つの基Rが、それぞれ基、


を表し、*は請求項3に記載された通りであるところの、式(I)の少なくとも1のビスウレア、
を含むことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
前記脂肪相が、
少なくともイソドデカン、オクチルドデカノール、パーレアム、イソプロピルN-ラウロイルサルコシネート、及び/又はそれらの混合物、及び
2つの基Rが、2つの基、


を表し、*は請求項3に記載された通りであるところの、式(I)の少なくとも1のビスウレア、
を含むことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
一般式(I)の前記化合物が、下記式

の少なくとも1のジイソシアネートと下記式


のアミンとの反応から誘導されたものであることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物、
ここでA及びRは、請求項1〜5のいずれか1項に記載された通りである。
【請求項12】
請求項1〜5及び11のいずれか1項に記載の一般式(I)の化合物を、化粧料組成物をテクスチュア化するために使用する方法。
【請求項13】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物を、処置されるべき表面へ施与することを含む、ケラチン物質、特に皮膚をケアするための、及び/又はメイクアップするための方法。

【公開番号】特開2007−119465(P2007−119465A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−288426(P2006−288426)
【出願日】平成18年10月24日(2006.10.24)
【出願人】(595100370)ロレアル (108)
【氏名又は名称原語表記】L′OREAL
【Fターム(参考)】