説明

ピッキング装置

【課題】 限られた設置スペースに多種類の被収納物を収納することができるとともに、ピッキングミスを確実に防止することができるピッキング装置を提供する。
【解決手段】 収納棚4と、収納棚4に引き出し自在に収納される収納用ケース6と、を備え、収納用ケース6の内部には、複数の収納空間28a〜28eを有する内部ケース26と、内部ケース26の周囲に移動自在に配設されたベルト部材32とが設けられている。複数の収納空間28a〜28eのうち特定収納空間28cが選択されると、ベルト部材32は収納用ケース6に対して相対的に所定量だけ移動され、これによりベルト部材32のピッキング用開口40が特定収納空間28cに対向して位置付けられるとともに、残りの収納空間28a,28b,28d,28eはベルト部材32により覆われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば病院や薬局などで使用される薬剤などの被収納物をピッキングするためのピッキング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば病院や薬局などで使用される薬剤などの被収納物を誤りなくピッキングするためのピッキング装置が提案されている。このピッキング装置は、収納棚と、収納棚に引き出し自在に装着された複数の収納用ケースと、収納用ケースを収納棚に収納した状態に保持する保持状態と収納用ケースの引出方向への移動を許容する解除位置とになる開閉手段と、開閉手段を制御するための制御手段と、を備えており、各収納用ケースの内部にはそれぞれ被収納物が収納される(例えば、特許文献1参照)。被収納物のピッキングが行われないときには、各収納用ケースの開閉手段はそれぞれ保持状態に保持されており、各収納用ケースを収納棚から引き出すことができないように構成されている。制御手段により複数の収納用ケースのうち特定収納用ケースが選択されると、選択された特定収納用ケースに対応する開閉手段は保持状態から解除状態となり、これにより特定収納用ケースを収納棚から引き出すことができるようになり、特定収納用ケースに収納された所望の被収納物をピッキングすることができる。したがって、選択された特定収納用ケース以外の収納用ケースが収納棚から誤って引き出されることがなく、所望の被収納物とは異なる種類の被収納物をピッキングすること(すなわち、ピッキングミス)が防止される。
【0003】
【特許文献1】特開2004−209027号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のような従来のピッキング装置では、選択された特定収納用ケースのみを収納棚から引き出せるようにする構成であるので、ピッキングミスを確実に防止するためには、1つの収納用ケースに1種類の薬剤しか収納することができない。したがって、多くの種類の被収納物を収納棚に収納するためには、少なくとも被収納物の種類数と同数の収納用ケースが必要となり、このため複数の収納用ケースを収納する収納棚が大型化してしまい、限られた設置スペースしか確保できない場合にはピッキング装置を設置することができないという問題が生じる。
【0005】
本発明の目的は、限られた設置スペースに多くの種類の被収納物をコンパクトに収納することができるとともに、ピッキングミスを確実に防止することができるピッキング装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に記載のピッキング装置では、収納棚と、前記収納棚から引き出される引出位置と前記収納棚に収納される収納位置との間を移動自在に装着された収納用ケースと、を備え、前記収納用ケースの内部には、前記収納用ケースの引出方向に仕切られた複数の収納空間を有する内部ケースと、前記内部ケースの開口部を覆うように移動自在に配設されたベルト部材とが設けられ、前記ベルト部材はピッキング用開口を有しており、
前記ベルト部材に関連して、前記ベルト部材を前記収納用ケースに対して相対的に移動させるための移動機構と、前記移動機構を制御するための制御手段と、が設けられ、
前記複数の収納空間のうち特定収納空間が選択されると、前記移動機構は、前記ベルト部材を前記収納用ケースに対して相対的に所定量だけ移動させ、これにより前記ベルト部材の前記ピッキング用開口が前記特定収納空間に対向して位置付けられるとともに、前記複数の収納空間のうち残りの収納空間は前記ベルト部材により覆われることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の請求項2に記載のピッキング装置では、前記ベルト部材は、前記内部ケースの周囲に配設された無端状ベルト部材から構成され、前記ベルト部材に関連して、前記ベルト部材の初期位置に対応する初期位置検知部及び前記複数の収納空間の各々に対応する複数の収納空間検知部が前記ベルト部材に設けられ、また前記初期位置検知部及び前記複数の収納空間検知部の各々を検知するための検知センサが前記ベルト部材の移動経路に設けられており、
前記複数の収納空間のうち特定収納空間が選択された場合、前記収納用ケースが前記収納位置から前記引出位置に向けて移動されるときには、前記移動機構は、前記収納用ケースの前記引出方向の移動に伴って、前記ベルト部材を前記収納用ケースに対して相対的に所定方向に移動させ、前記複数の収納空間検知部のうち前記特定収納空間に対応する特定収納空間検知部が前記検知センサにより検知されると、前記ベルト部材の前記収納用ケースに対する相対的移動が停止され、これにより前記ベルト部材の前記ピッキング用開口が前記特定収納空間に対向して位置付けられ、
また前記収納用ケースが前記引出位置から前記収納位置に向けて移動されるときには、前記移動機構は、前記収納用ケースの前記引出方向と反対方向の移動に伴って、前記ベルト部材を前記収納用ケースに対して相対的に前記所定方向と反対方向に移動させ、前記初期位置検知部が前記検知センサにより検知されると、前記ベルト部材の前記収納用ケースに対する相対的移動が停止され、これにより前記ベルト部材が前記初期位置に位置付けられることを特徴とする。
【0008】
さらに、本発明の請求項3に記載のピッキング装置では、前記移動機構は、前記ベルト部材に設けられた係止部と、前記係止部に係止される係止位置と前記係止部から離脱される解除位置との間を移動自在に装着された第1及び第2係止部材と、を備え、
前記制御手段からのピッキング指令信号に基づき、前記第1係止部材は前記係止位置に、前記第2係止部材は前記解除位置に保持され、これにより前記収納用ケースの前記引出方向の移動と連動して、前記ベルト部材が前記収納用ケースに対して相対的に所定方向に移動され、
また前記検知センサが選択された前記特定収納空間検知部を検知すると、前記第1係止部材は前記解除位置に、前記第2係止部材は前記係止位置に保持され、これにより前記収納用ケースの前記引出位置と反対方向の移動と連動して、前記ベルト部材が前記収納用ケースに対して相対的に前記所定方向と反対方向に移動されることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項4に記載のピッキング装置では、前記複数の収納空間の各々の開口部は前記内部ケースの上面に設けられており、前記ベルト部材は、前記各々の開口部の上方を通って前記内部ケースの周囲に移動自在に配設されていることを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明の請求項5に記載のピッキング装置では、前記収納用ケースは複数設けられ、この複数の収納用ケースの各々に対応してランプ手段及びロック手段が設けられており、前記ロック手段は、前記収納用ケースを前記収納位置に保持するロック状態と、前記収納用ケースの前記収納位置からの引き出しを許容するロック解除状態とに選択的に保持され、
前記複数の収納用ケースのうち特定収納用ケースが選択されると、選択された前記特定収納用ケースに対応する前記ランプ手段が点灯され、また選択された前記特定収納用ケースに対応する前記ロック手段が前記ロック状態から前記ロック解除状態となることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の請求項1に記載のピッキング装置によれば、複数の収納空間のうち特定収納空間が選択されると、移動機構がベルト部材を収納用ケースに対して相対的に所定量だけ移動させることにより、ベルト部材のピッキング用開口が選択された特定収納空間に対向して位置付けられるとともに、複数の収納空間のうち残りの収納空間がベルト部材により覆われる。このように構成されているので、収納用ケース内の複数の収納空間のうち選択された特定収納空間に収納された所望の被収納物(例えば、薬剤など)をピッキングすることは可能となるが、残りの収納空間に収納された被収納物のピッキングはできなくなる。したがって、1つの収納用ケースに複数種類の被収納物を収納してもピッキングミスが発生することがないので、収納棚に収納する収納用ケースの数を減じることができ、これにより限られた設置スペースに多くの種類の被収納物をコンパクトに収納することが可能となる。
【0012】
また、本発明の請求項2に記載のピッキング装置によれば、収納用ケースの引出方向への移動に伴いベルト部材が所定方向に移動され、複数の収納空間検知部のうち選択された特定収納空間に対応する特定収納空間検知部が検知センサにより検知されるとベルト部材の移動が停止されるので、ベルト部材のピッキング用開口を選択された特定収納空間に対向して確実に位置付けることが可能となる。また、収納用ケースの引出方向と反対方向の移動に伴いベルト部材が上記所定方向と反対方向に移動され、初期位置検知部が検知センサにより検知されるとベルト部材の移動が停止されるので、収納用ケースが収納位置に戻されたときにベルト部材を初期位置に確実に位置付けることが可能となる。したがって、ベルト部材の移動を精度良く且つ確実に行うことができ、ピッキングミスをより確実に防止することが可能となる。
【0013】
さらに、本発明の請求項3に記載のピッキング装置によれば、制御手段からのピッキング指令信号に基づき、第1係止部材は係止位置に、第2係止部材は解除位置に保持され、また検知センサが特定収納空間検知部を検知すると、第1係止部材は解除位置に、第2係止部材は係止位置に保持されるので、収納用ケースの引出方向又は引出方向と反対方向の移動と連動してベルト部材を移動させることができ、比較的簡単な構成でもってベルト部材を移動させることが可能となる。
【0014】
また、本発明の請求項4に記載のピッキング装置によれば、複数の収納空間の各々の開口部は内部ケースの上面に設けられているので、収納用ケースを収納棚から引き出した際に被収納物が収納空間からこぼれ落ちてしまうことがなく、また被収納物を容易にピッキングすることが可能となる。
【0015】
さらに、本発明の請求項5に記載のピッキング装置によれば、複数の収納用ケースのうち特定収納用ケースが選択されると、選択された特定収納用ケースに対応するランプ手段が点灯するので、所望の被収納物がどの収納用ケースに収納されているかを容易に知ることができ、効率的に被収納物のピッキングを行うことが可能となる。また、選択された特定収納用ケースに対応するロック手段がロック状態からロック解除状態となるので、選択された特定収納用ケース以外の収納用ケースが収納棚から誤って引き出されることがなく、ピッキングミスを確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明に従うピッキング装置の一実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態によるピッキング装置を示す概略斜視図であり、図2は、図1の収納用ケースが収納位置に位置付けられた状態における収納用ケース及びその周辺の構成を示す概略断面図であり、図3は、図1の収納用ケースが引出位置に位置付けられた状態における収納用ケース及びその周辺の構成を示す概略断面図であり、図4は、図2中のA−A’線による収納用ケースの概略断面図であり、図5は、図3の状態における収納用ケースの内部を示す透過概略斜視図であり、図6は、図1のピッキング装置の構成を簡略的に示すブロック図であり、図7は、図1のピッキング装置におけるピッキングの流れを示すフローチャートであり、図8は、図7のフローチャートにおける特定収納用ケースを引出方向へ移動させる際のピッキングの流れを具体的に示すフローチャートであり、図9は、図7のフローチャートにおける特定収納用ケースを引出方向と反対方向へ移動させる際のピッキングの流れを具体的に示すフローチャートである。
【0017】
図1〜図6を参照して、図示のピッキング装置2は、収納棚4と、収納棚4に引き出し自在に装着された複数の収納用ケース6と、を備えている。本実施形態では、このピッキング装置2が、例えば病院や薬局などにおいて被収納物としての薬剤をピッキングするために用いられる場合について説明する。以下、ピッキング装置2の各構成要素について詳細に説明する。
【0018】
収納棚4には、水平方向(図2において左右方向)に延びる複数(本実施形態では、50個)のケース用空間8が設けられており、これら複数のケース用空間8の各々の開口部10は、収納棚4の前面に例えば縦方向に10段、横方向に5列配設されている。各ケース用空間8の開口部10の上端部近傍には、例えば電磁ソレノイドなどから構成される第1係止部材12及び第2係止部材14が互いに隣接して取り付けられており、第1係止部材12は、第2係止部材14よりもケース用空間8の開口部10側に配設されている(図2参照)。第1及び第2係止部材12,14はそれぞれ、内部にソレノイドコイル(図示せず)を有する第1及び第2係止本体部16,18と、第1及び第2係止本体部16,18のソレノイドコイル内に上下方向に移動自在に配設された第1及び第2作動棒20,22と、から構成されている。収納棚4に設けられた駆動用電源(図示せず)からの励磁電流が第1(第2)係止本体部16(18)内のソレノイドコイルに供給されると、第1(第2)作動棒20(22)がソレノイドコイルに引き付けられて下方に移動されることにより、第1(第2)係止部材12(14)が係止位置に保持され、また駆動用電源からの励磁電流の供給が遮断されると、第1(第2)作動棒20(22)が例えば内蔵されたばね(図示せず)の作用によってソレノイドコイルから離れて上方に移動されることにより、第1(第2)係止部材12(14)が解除位置に保持される。このように駆動用電源からの励磁電流の供給を制御することにより、第1及び第2係止部材12,14はそれぞれ保持位置と解除位置との間を自在に移動される。また、収納棚4の前面において、複数のケース用空間8の各々の開口部10の上方にはそれぞれ、例えば発光ダイオードなどから構成されるランプ手段24が取り付けられている。
【0019】
収納用ケース6は、収納棚4のケース用空間8に移動自在に収納され、収納棚4に収納される収納位置(図2参照)と、収納棚4から少なくともその一部が引き出される引出位置(図3参照)との間を自在に移動される。収納用ケース6の一端部(図2において左側の端部)には取っ手や凹部など(図示せず)が取り付けられており、この取っ手や凹部などを指などに引っ掛けることにより、収納用ケース6を収納棚4から引き出すことができる。収納用ケース6の上面は開放されており、その内部には、収納用ケース6の引出方向(図2において左右方向)に仕切られた複数(本実施形態では、5個)の収納空間を有する内部ケース26が設けられている。複数の収納空間は、例えば仕切壁27a〜27dによって仕切られた第1〜第5収納空間28a〜28eから構成され、これら第1〜第5収納空間28a〜28eは、内部ケース26の一端部(図2において左側の端部)側からこの順に互いに隣接して配設されている。各収納空間28a〜28eの開口部はそれぞれ内部ケース26の上面に設けられており、各収納空間28a〜28eには、例えば互いに種類の異なる薬剤(図示せず)がそれぞれ収納されている。例えば、複数の収納用ケース6のうち最上段の左から5番目の収納用ケース6aの第1〜第5収納空間28a〜28eには、薬剤A〜薬剤Eがそれぞれ収納されている。内部ケース26の左右(図4において左右)の外側面は収納用ケース6の左右(図4において左右)の内側面にそれぞれ取り付けられ、また内部ケース26の高さ及び奥行き方向(図2において左右方向)の大きさは、収納用ケース6の高さ及び奥行き方向の大きさよりもそれぞれ幾分小さく構成されている。
【0020】
収納用ケース6の内部において、内部ケース26の一端部における上端部近傍及び下端部近傍、内部ケース26の他端部(図2において右側の端部)における上端部近傍及び下端部近傍にはそれぞれ移動用ローラ30が水平方向(図2において紙面に対して垂直方向)に回転自在に支持されている。このように内部ケース26の周囲に配設された複数(本実施形態では、4個)の移動用ローラ30には無端状ベルト部材32(以下、「ベルト部材32」という)が移動自在に張架され、これによりベルト部材32は、収納用ケース6の内部において、複数の収納空間28a〜28eの各々の上方を通してこれらの開口部を覆うようにして、内部ケース26の周囲に移動自在に配設される。
【0021】
ベルト部材32の外面には、ベルト部材32の初期位置(後述する)に対応する初期位置検知部34及び第1〜第5収納空間28a〜28eにそれぞれ対応する第1〜第5収納空間検知部36a〜36eが、この順に所定方向(すなわち、図2において反時計方向)に所定間隔(すなわち、各収納空間28a〜28eの開口部の奥行き方向の大きさとほぼ等しい間隔)を置いて設けられている。本実施形態では、これら各検知部34,36a〜36eは、外方に突出された突起から構成されている。また、ベルト部材32の外面において、初期位置検知部34の近傍には係止部38が設けられ、この係止部38は、ベルト部材32が初期位置にあるときに第1係止部材12と第2係止部材14との間に位置している。本実施形態では、この係止部38は、外方に突出された突起から構成されている。ベルト部材32の初期位置検知部34と第1収納空間検知部36aとの間には矩形状のピッキング用開口40が設けられており、このピッキング用開口40の大きさは、各収納空間28a〜28eの開口部の大きさとほぼ等しく又はこれよりも僅かに小さく構成されている。また、収納用ケース6の内部において、収納用ケース6の一端部における上端部には、ベルト部材32の外面に対向して、初期位置検知部34及び第1〜第5収納空間検知部36a〜36eの各々を検知するための検知センサ42が取り付けられており、この検知センサ42はベルト部材32の移動経路(すなわち、各検知部34,36a〜36eの移動経路)に配置される。
【0022】
ここで、ベルト部材32の移動とピッキング用開口40の位置との関係について説明する。後述する薬剤のピッキングが行われないときには、各収納用ケース6のベルト部材32は初期位置(図2参照)に位置付けられており、この初期位置においては、初期位置検知部34は検知センサ42に対向され(すなわち、初期位置検知部34が検知センサ42により検知され)、またピッキング用開口40は、内部ケース26の一端面に対向して位置付けられ、ベルト部材32は、内部ケース26の収納空間28a〜28eの上面開口を覆っている。この状態より、後述するようにしてベルト部材32が収納用ケース6に対して相対的に所定方向(図2中の矢印Qで示す方向)に移動すると、第1収納空間検知部36aが検知センサ42に対向され(すなわち、第1収納空間検知部36aが検知センサ42により検知され)、このときピッキング用開口40は、第1収納空間検知部36aに対応する第1収納空間28aに対向して位置付けられる。ベルト部材32が更に移動することにより、第2(第3)(第4)(第5)収納空間検知部36b(36c)(36d)(36e)が検知センサ42に対向されると、ピッキング用開口40は第2(第3)(第4)(第5)収納空間28b(28c)(28d)(28e)に対向して位置付けられるようになる。
【0023】
また、複数の収納用ケース6の各々に対応してロック手段44(図6参照)が設けられており、このロック手段44は、例えば収納棚4のケース用空間8の上側面における開口部10の近傍に設けられ、収納用ケース6を収納位置に保持するロック状態と、収納用ケース6の収納位置からの引き出しを許容するロック解除状態とに選択的に保持されるように構成されている。このようなロック手段44は、例えば、収納用ケース6側に設けられるロック受部(図示せず)と、収納棚4側に設けられる係合爪部(図示せず)と、係合爪部をロック受部に係合する係合位置とロック受部から外れる非係合位置との間を移動させるための電磁ソレノイド(図示せず)と、を備えるそれ自体公知のものでよく、電磁ソレノイドが励磁されると係合爪部がロック受部から解除される。
【0024】
ベルト部材32に関連して、ベルト部材32を収納用ケース6に対して相対的に移動させるための移動機構46と、移動機構46を制御するための制御手段としての端末装置48と、が設けられている。移動機構46は、上述したベルト部材32に設けられた係止部38と、収納棚4側に設けられた第1及び第2係止部材12,14と、から構成されている。第1(第2)係止部材12(14)が係止位置に保持されると、第1(第2)係止部材12(14)の作動棒20(22)の下端部がベルト部材32の係止部38の移動経路に位置し、また第1(第2)係止部材12(14)が解除位置に保持されると、第1(第2)係止部材12(14)の作動棒20(22)の下端部がベルト部材32の係止部38の移動経路から後退するように構成されている。
【0025】
端末装置48は、収納棚4に隣接して配設された作業台50に載置されており、各種データが記憶されている記憶手段52と、各種データ及び各種処理命令などを入力操作するための入力手段54と、各種データなどを表示するための表示手段56と、各種処理命令を実行するためのコンピュータ58と、を備えている(図6参照)。記憶手段52は、例えばハードディスクなどから構成されており、この記憶手段52には、薬剤の種類と、薬剤が収納されている収納用ケース6の収納空間28a〜28eとの関係を示す収納場所データが記憶されている。入力手段54は例えばキーボード、バーコードリーダ又はカードリーダなどから構成され、また表示手段56は例えば液晶モニタやCRTなどから構成されている。
【0026】
コンピュータ58は、記憶手段52に記憶されている収納場所データを読み出すための読出し手段60と、読み出された収納場所データに基づき特定収納用ケース6の特定収納空間28a〜28eを選択するための選択手段62と、ピッキング指令信号、ピッキング完了信号及び切替信号を生成するためのピッキング指令手段64と、検知センサ42による各検知部34,36a〜36eの検知回数を計数するための計数手段66と、計数手段66による計数結果に基づきベルト部材32の移動が所要の通りに完了されたか否かを判定するための判定手段68と、を含んでいる。
【0027】
次に、図7〜図9を用いて、本実施形態のピッキング装置2による薬剤のピッキングの流れについて説明する。薬剤のピッキングが行われないときには、各収納用ケース6のロック手段44はそれぞれロック状態に保持されており、各収納用ケース6は収納棚4から引き出すことができない。各収納用ケース6のベルト部材32はそれぞれ初期位置に位置付けられ、また各収納用ケース6に対応する第1及び第2係止部材12,14はそれぞれ解除位置に保持されている。また、各収納用ケース6に対応するランプ手段24はそれぞれ消灯されている。
【0028】
例えば調剤者などが処方箋などを受け取ると、調剤者などは、この処方箋などに記載された事項に基づき調剤すべき薬剤の種類(例えば、薬剤C)を示す薬剤データを入力手段54により入力する(ステップS1)。このように入力手段54により薬剤データを入力すると、読出し手段60は、記憶手段52に記憶されている収納場所データを読み出し(ステップS2)、選択手段62は、この読み出された収納場所データに基づき、薬剤Cが収納されている特定収納用ケース6a(例えば、最上段の左から5番目の収納用ケース6a)の特定収納空間28c(例えば、第3収納空間28c)を選択する(ステップS3)。
【0029】
選択手段62により特定収納用ケース6aの特定収納空間28cが選択されると、この特定収納用ケース6aの特定収納空間28cに関する情報が表示手段56に表示され、ピッキング指令手段64はピッキング指令信号を生成し(ステップS4)、この生成されたピッキング指令信号を特定収納用ケース6aに対応するランプ手段24、ロック手段44、第1及び第2係止部材12,14にそれぞれ送出する(ステップS5)。
【0030】
特定収納用ケース6aに対応するランプ手段24は、ピッキング指令信号に基づき点灯し(ステップS6)、このようにランプ手段24が点灯することにより、ピッキングすべき薬剤Cがどの収納用ケース6に収納されているのかを容易に知ることができる。なお、ランプ手段24は点滅させるようにしてもよい。特定収納用ケース6aに対応するロック手段44は、ピッキング指令信号に基づきロック状態からロック解除状態に保持され(ステップS7)、これにより特定収納用ケース6aが収納棚4から引き出すことができるようになる。また、このピッキング指令信号に基づき、駆動用電源(図示せず)からの励磁電流が特定収納用ケース6aに対応する第1係止部材12に供給され、これにより、第1係止部材12は解除位置から係止位置に保持される(ステップS8)。なお、このとき第2係止部材14は、解除位置に保持された状態となっている。
【0031】
この状態において、調剤者などが収納棚4の前に移動してランプ手段24が点灯された特定収納用ケース6aを引出方向(図2中の矢印Pで示す方向)に手前側に引き出すと(ステップS9)、第1係止部材12の作動棒20の下端部が係止部38の前面側(図2において左側の面)に当接することにより、特定収納用ケース6aの引出方向の移動と連動して、ベルト部材32が特定収納用ケース6aに対して相対的に所定方向(図2中の矢印Qで示す方向)に移動される(ステップS9−1)。このようにベルト部材32が移動されると、初期位置検知部34及び第1〜第3収納空間検知部36a〜36eがこの順にそれぞれ検知センサ42により検知され(ステップS9−2)、計数手段66は、検知センサ42により各検知部34,36a〜36eが検知された回数を計数する(ステップS9−3)。判定手段68は、計数手段66による計数結果及び選択手段62の選択した特定収納空間28cに基づき、例えば計数された検知回数が4回となった時点で(すなわち、特定収納空間28cに対応する特定収納空間検知部としての第3収納空間検知部36cが検知センサ42により検知された時点で)ベルト部材32のピッキング用開口40が第3収納空間28cに対向して位置付けられたと判定する(ステップS9−4)。
【0032】
このように判定されると、ピッキング指令手段64は、判定手段68からの判定信号に基づき切替信号を生成し(ステップS9−5)、この切替信号を特定収納ケース6aに対応する第1及び第2係止部材12,14にそれぞれ送出する(ステップS9−6)。この切替信号に基づき、第1係止部材12は係止位置から解除位置に、第2係止部材14は解除位置から係止位置にそれぞれ保持され(ステップS9−7,S9−8)、これにより第1係止部材12の作動棒20の下端部がベルト部材32の係止部38から離脱され、特定収納用ケース6aの引出方向の移動と連動したベルト部材32の特定収納用ケース6aに対する相対的移動が停止され(ステップS9−9)、特定収納用ケース6aを更に手前側に引き出してもベルト部材32は移動することはない。
【0033】
このようにベルト部材32の移動が停止されると、ベルト部材32のピッキング用開口40は選択された第3収納空間28cに対向して位置付けられ、また第1〜第5収納空間28a〜28eのうち残りの第1,第2,第4,第5収納空間28a,28b,28d,28eはベルト部材32のピッキング用開口40以外の部位により覆われる(図3及び図4参照)。したがって、選択された第3収納空間28cに収納された薬剤Cのみをピッキング用開口40を通してピッキングすることができ、他の収納空間28a,28b,28d,28eに収納された薬剤A,B,D,Eを誤ってピッキングすることがなく、ピッキングミスを確実に防止することが可能となる。
【0034】
第3収納空間28cに収納された薬剤Cのピッキングが完了すると(ステップS10)、調剤者などは、再び特定収納用ケース6aを上記引出方向と反対方向(図3中の矢印Rで示す方向)に移動させる(ステップS11)。このように特定収納用ケース6aを移動させると、第2係止部材14の作動棒22の下端部が係止部38の背面側(図3において右側の面)に当接することにより、特定収納用ケース6aの上記引出方向と反対方向の移動と連動して、ベルト部材32が特定収納用ケース6aに対して相対的に所定方向(図3中の矢印Sで示す方向)に移動される(ステップS11−1)。このようにベルト部材32が移動されると、第3,第2,第1収納空間検知部36c,36b,36a及び初期位置検知部34がこの順にそれぞれ検知センサ42により検知され(ステップS11−2)、計数手段66は、検知センサ42により各検知部34,36a〜36cが検知された回数を計数する(ステップS11−3)。判定手段68は、計数手段66による計数結果及び選択手段62の選択した特定収納空間28cに基づき、計数された検知回数が4回となった時点で(すなわち、初期位置検知部34が検知センサ42により検知された時点で)ベルト部材32が初期位置に位置付けられたと判定する(ステップS11−4)。なお、このようにベルト部材32が初期位置に位置付けられると、特定収納用ケース6aは収納位置に位置付けられる。
【0035】
このように収納されると、ピッキング指令手段64は、判定手段68からの判定信号に基づきピッキング完了信号を生成し(ステップS11−5)、このピッキング完了信号を特定収納ケース6aに対応するランプ手段24、ロック手段44、第1及び第2係止部材12,14にそれぞれ送出する(ステップS11−6)。このピッキング完了信号に基づき、第2係止部材14は係止位置から解除位置に保持され(ステップS11−7)、これにより第2係止部材14の作動棒22の下端部がベルト部材32の係止部38から離脱され、ベルト部材32の特定収納用ケース6aに対する相対的移動が停止され(ステップS11−8)、ベルト部材32は初期位置に位置付けられる。
【0036】
また、特定収納用ケース6aに対応するランプ手段24は、ピッキング完了信号に基づき消灯され(ステップS12)、特定収納用ケース6aに対応するロック手段44は、ピッキング完了信号に基づきロック解除状態からロック状態に保持され(ステップS13)、これにより特定収納用ケース6aを収納棚4から引き出すことができなくなる。以上のようにして、ピッキング装置2によるピッキングが完了する。
【0037】
本実施形態では、第3収納空間28cに収納された薬剤Cをピッキングする場合について説明したが、第1,第2,第4及び第5収納空間28a,28b,28d,28eに収納された薬剤A,B,D,Eについても、上述したのと同様にしてピッキングを行うことができる。
【0038】
また、本実施形態では、1種類の薬剤Cのみをピッキングする場合について説明したが、これに限られず、複数種類の薬剤をピッキングする場合についても、上述したのと同様に行うことができる。例えば、2種類の薬剤X及び薬剤Yをピッキングする場合において、第3段目(すなわち、最上段より3段目)の左から1番目の収納用ケース6bの第2収納空間(図示せず)に薬剤Xが収納され、また最下段の左から3番目の収納用ケース6cの第5収納空間(図示せず)に薬剤Yが収納されているとすると、調剤者などがこれら薬剤X及び薬剤Yに関する薬剤データを入力手段54により入力し、選択手段62は、薬剤Xが収納されている特定収納用ケース6bの第2収納空間及び薬剤Yが収納されている特定収納用ケース6cの第5収納空間をそれぞれ選択するようになる。したがって、特定収納用ケース6b,6cのそれぞれについて、上述したステップS1〜ステップS13と同様にして薬剤X及び薬剤Yのピッキングが行われる。
【0039】
また、例えば1つの収納用ケース6内に収納された薬剤A及び薬剤Bをピッキングする場合には、まずステップS1〜ステップS11により薬剤Aのピッキングを行い、その後に再びステップS8に戻り、ステップS8〜ステップS13により薬剤Bのピッキングを行えばよい。
【0040】
本実施形態によるピッキング装置2では、収納用ケース6は50個設けられ、また1つの収納用ケース6の内部には5つの収納空間28a〜28eが設けられているので、最大250種類の薬剤を収納棚4に収納することができ、例えば収納用ケースが50個設けられている従来のピッキング装置と比較すると、5倍の種類数の薬剤を収納することができる。したがって、限られた設置スペースに多くの種類の被収納物をコンパクトに収納することができるとともに、ピッキングミスを確実に防止することができるピッキング装置2を提供することが可能となる。なお、収納用ケース6の数や、収納用ケース6の内部に設けられる収納空間28a〜28eの数を適宜設定することにより、収納棚4に収納される薬剤の種類数を適宜設定することができ、例えば、3坪の面積を有する設置スペースに1500種類の薬剤を収納することができる。
【0041】
以上、本発明に従うピッキング装置の一実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
【0042】
例えば、上記実施形態では、病院や薬局などで使用される薬剤をピッキングする場合について説明したが、これに限られず、例えば、プリント配線基板に実装される抵抗素子やICなどの電子部品をピッキングする場合などにも適用することができる。
【0043】
また例えば、上記実施形態では、収納用ケース6の引出方向又は引出方向とは反対方向の移動と連動して、ベルト部材32が収納用ケース6に対して相対的に移動されるように構成したが、例えば電動モータなどの駆動源(図示せず)を用いてベルト部材32を移動させるようにしてもよい。すなわち、ピッキング指令手段64からのピッキング指令信号に基づき、駆動源を所定方向に回転させてベルト部材32を所定方向に移動させ、検知センサ42が特定収納空間検知部を検知すると、ピッキング指令手段64からの切替信号に基づき、駆動源の回転を停止させてベルト部材32の移動を停止させるように構成すればよい。また、被収納物のピッキングが完了すると、例えば収納棚4の前面に設けたスイッチ(図示せず)などを押圧することにより、駆動源を上記所定方向とは反対方向に回転させてベルト部材32を上記所定方向とは反対方向に移動させ、またピッキング指令手段64からのピッキング完了信号に基づき、駆動源の回転を停止させてベルト部材32の移動を停止させるように構成すればよい。
【0044】
また例えば、上記実施形態では、各検知部34,36a〜36eを外方に突出した突起から構成したが、これに限られず、これらを例えばスリット、凹部又はマークなどから構成してもよい。この場合には、検知センサ42を赤外線センサなどから構成することにより、検知センサ42により各検知部34,36a〜36eを検知することができる。
【0045】
また例えば、上記実施形態では、係止部38を外方に突出した突起から構成したが、これに限られず、これを例えばベルト部材32に設けた凹部や開口などから構成してもよい。この場合には、第1(第2)係止部材12(14)が係止位置に保持されると、第1(第2)係止部材12(14)の作動棒20(22)の下端部がベルト部材32に設けた凹部や開口などに挿入されるように構成すればよい。
【0046】
また例えば、上記実施形態では、係止部38を1つのみ設けたが、例えばこの係止部38を2つ設け、一方の係止部が第1係止部材12に係止され、他方の係止部が第2係止部材14に係止されるように構成してもよい。
【0047】
また、ベルト部材32の各検知部34,36a〜36eの配置や、検知センサ42及び移動機構46の配設部位などは、上述したようなベルト部材32の移動が行えるような構成であれば適宜設定することができ、例えば、各検知部34,36a〜36eをベルト部材32の幅方向に異なる部位に配設し、各検知部34,36a〜36eにそれぞれ対応する専用の検知センサで検知するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の一実施形態によるピッキング装置を示す概略斜視図である。
【図2】図1の収納用ケースが収納位置に位置付けられた状態における収納用ケース及びその周辺の構成を示す概略断面図である。
【図3】図1の収納用ケースが引出位置に位置付けられた状態における収納用ケース及びその周辺の構成を示す概略断面図である。
【図4】図2中のA−A’線による収納用ケースの概略断面図である。
【図5】図3の状態における収納用ケースの内部を示す透過概略斜視図である。
【図6】図1のピッキング装置の構成を簡略的に示すブロック図である。
【図7】図1のピッキング装置におけるピッキングの流れを示すフローチャートである。
【図8】図7のフローチャートにおける特定収納用ケースを引出方向へ移動させる際のピッキングの流れを具体的に示すフローチャートである。
【図9】図7のフローチャートにおける特定収納用ケースを引出方向と反対方向へ移動させる際のピッキングの流れを具体的に示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0049】
2 ピッキング装置
4 収納棚
6,6a,6b,6c 収納用ケース
12 第1係止部材
14 第2係止部材
24 ランプ手段
26 内部ケース
28a〜28e 第1〜第5収納空間
32 ベルト部材
34 初期位置検知部
36a〜36e 第1〜第5収納空間検知部
38 係止部
40 ピッキング用開口
42 検知センサ
46 移動機構
48 端末装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納棚と、前記収納棚から引き出される引出位置と前記収納棚に収納される収納位置との間を移動自在に装着された収納用ケースと、を備え、前記収納用ケースの内部には、前記収納用ケースの引出方向に仕切られた複数の収納空間を有する内部ケースと、前記内部ケースの開口部を覆うように移動自在に配設されたベルト部材とが設けられ、前記ベルト部材はピッキング用開口を有しており、
前記ベルト部材に関連して、前記ベルト部材を前記収納用ケースに対して相対的に移動させるための移動機構と、前記移動機構を制御するための制御手段と、が設けられ、
前記複数の収納空間のうち特定収納空間が選択されると、前記移動機構は、前記ベルト部材を前記収納用ケースに対して相対的に所定量だけ移動させ、これにより前記ベルト部材の前記ピッキング用開口が前記特定収納空間に対向して位置付けられるとともに、前記複数の収納空間のうち残りの収納空間は前記ベルト部材により覆われることを特徴とするピッキング装置。
【請求項2】
前記ベルト部材は、前記内部ケースの周囲に配設された無端状ベルト部材から構成され、前記ベルト部材に関連して、前記ベルト部材の初期位置に対応する初期位置検知部及び前記複数の収納空間の各々に対応する複数の収納空間検知部が前記ベルト部材に設けられ、また前記初期位置検知部及び前記複数の収納空間検知部の各々を検知するための検知センサが前記ベルト部材の移動経路に設けられており、
前記複数の収納空間のうち特定収納空間が選択された場合、前記収納用ケースが前記収納位置から前記引出位置に向けて移動されるときには、前記移動機構は、前記収納用ケースの前記引出方向の移動に伴って、前記ベルト部材を前記収納用ケースに対して相対的に所定方向に移動させ、前記複数の収納空間検知部のうち前記特定収納空間に対応する特定収納空間検知部が前記検知センサにより検知されると、前記ベルト部材の前記収納用ケースに対する相対的移動が停止され、これにより前記ベルト部材の前記ピッキング用開口が前記特定収納空間に対向して位置付けられ、
また前記収納用ケースが前記引出位置から前記収納位置に向けて移動されるときには、前記移動機構は、前記収納用ケースの前記引出方向と反対方向の移動に伴って、前記ベルト部材を前記収納用ケースに対して相対的に前記所定方向と反対方向に移動させ、前記初期位置検知部が前記検知センサにより検知されると、前記ベルト部材の前記収納用ケースに対する相対的移動が停止され、これにより前記ベルト部材が前記初期位置に位置付けられることを特徴とする請求項1に記載のピッキング装置。
【請求項3】
前記移動機構は、前記ベルト部材に設けられた係止部と、前記係止部に係止される係止位置と前記係止部から離脱される解除位置との間を移動自在に装着された第1及び第2係止部材と、を備え、
前記制御手段からのピッキング指令信号に基づき、前記第1係止部材は前記係止位置に、前記第2係止部材は前記解除位置に保持され、これにより前記収納用ケースの前記引出方向の移動と連動して、前記ベルト部材が前記収納用ケースに対して相対的に所定方向に移動され、
また前記検知センサが選択された前記特定収納空間検知部を検知すると、前記第1係止部材は前記解除位置に、前記第2係止部材は前記係止位置に保持され、これにより前記収納用ケースの前記引出位置と反対方向の移動と連動して、前記ベルト部材が前記収納用ケースに対して相対的に前記所定方向と反対方向に移動されることを特徴とする請求項2に記載のピッキング装置。
【請求項4】
前記複数の収納空間の各々の開口部は前記内部ケースの上面に設けられており、前記ベルト部材は、前記各々の開口部の上方を通って前記内部ケースの周囲に移動自在に配設されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のピッキング装置。
【請求項5】
前記収納用ケースは複数設けられ、この複数の収納用ケースの各々に対応してランプ手段及びロック手段が設けられており、前記ロック手段は、前記収納用ケースを前記収納位置に保持するロック状態と、前記収納用ケースの前記収納位置からの引き出しを許容するロック解除状態とに選択的に保持され、
前記複数の収納用ケースのうち特定収納用ケースが選択されると、選択された前記特定収納用ケースに対応する前記ランプ手段が点灯され、また選択された前記特定収納用ケースに対応する前記ロック手段が前記ロック状態から前記ロック解除状態となることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のピッキング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−126270(P2007−126270A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−321846(P2005−321846)
【出願日】平成17年11月7日(2005.11.7)
【出願人】(505406523)有限会社スミタシステム (6)
【Fターム(参考)】