説明

ピッキング設備およびピッキング方法

【課題】本発明は、現在ピッキング対象の集品容器がどのゾーンを搬送されていても物品の投入ができ、作業者の手待ち時間を減らすことができ、ピッキング作業の効率を向上できるピッキング設備を提供することを目的とする。
【解決手段】複数の集品容器10を連続搬送する第1搬送ライン22および第2搬送ライン23を備え、各搬送ライン22,23にそれぞれ、これらライン22,23に同期して、集品容器10に対応するナンバーを表示するプレートPを搬送するプレート搬送部26,28を設け、各ゾーンZの上流端にそれぞれ、各搬送ライン22,23のピッキング対象の集品容器10に対応するプレートPのナンバーを表示する拡大表示器41を設ける。これにより、ピッキング対象となる集品容器10が第1搬送ライン22または第2搬送ライン23のどこを搬送されていても、ピッキング作業を行うことが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品のピッキングを行うピッキング設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
物流における各種物品の配送センターや倉庫等においては、指定物品の集品や仕分け作業が行われる。この作業は、例えば配送センターにおいては、顧客の注文に応じた物品をピッキングして集品容器であるコンテナなどに収納する、いわゆるピッキング作業が行われる。
【0003】
このようなピッキング作業の基本的な形態は、例えばベルトコンベヤなどの集品容器搬送手段をこの搬送手段の移動方向に沿って複数の作業ゾーンに区画し、各作業ゾーンには他の作業ゾーンとは異なる種類の物品を収納した収納棚を配設するとともに、各作業ゾーン専属の作業者を配置し、ピッキング指示に基づいて各作業者が配置された自分の作業ゾーンの収納棚から指示された物品をピッキングして、ベルトコンベヤにより搬送されてくる集品容器に収納する作業を行うものである。
【0004】
しかし、前述したような基本的なピッキング作業では、作業者が集品容器や物品を間違えたり、物品を収納しないうちに集品容器が搬送されたりする等のトラブルが発生することがある。そこで、物品の収納間違いなどの不都合を解消するべく、これまでに各種のピッキング設備が提案され用いられてきている。
【0005】
特許文献1に開示されたピッキング設備について簡単に説明する。
特許文献1に開示されたピッキング設備は、ベルトコンベヤに沿って所定間隔をおいて配置された複数のガイドランプを備える2列のオーダー表示器を各ゾーンに配設し、1列目のオーダー表示器によりピッキング対象の集品容器が自分のゾーンを通過する際に、ガイドランプが集品容器の移動に同期して順次点灯して作業者にピッキング対象の集品容器を認識させ、また2列目のオーダー表示器により下流のゾーンの作業者に対してピッキング対象となる集品容器が上流のゾーンを通過していることを、ガイドランプの点灯によりを認識させる構成とされている。また各ゾーンには、ベイ表示器が設けられ、ベイ表示器の点灯により、自分のゾーンにおいてピッキングが必要であることを、作業者に報知し、また収納棚の各間口には、アイテム表示器が設けられ、ランプ点滅などによりピッキング対象物品を作業者に指示している。
【0006】
このピッキング設備における動作について概略説明をする。
まず、各ゾーンに設けられたベイ表示器が点灯し、このゾーンにおいてピッキングが必要であることを、ゾーンに配置された作業者に報知し、同時に、物品毎に設けられたアイテム表示器のランプ点滅などによりピッキング対象の物品を指示するとともに、その数量を表示する。
【0007】
一方、1列目のオーダー表示器は、自分のゾーンにピッキング対象となる集品容器が搬送されてくると、ガイドランプのうち集品容器の容器長(搬送方向の長さ)に相当する個数分を単位として、かつ集品容器の移動に追従して順次点灯して作業者に報知する。また2列目のオーダー表示器は、自分のゾーンに下流のゾーンにおいてピッキング対象となる集品容器が搬送されてくると、ガイドランプのうち集品容器の容器長(搬送方向の長さ)に相当する個数分を単位として、かつ集品容器の移動に追従して順次点灯して下流のゾーンの作業者に報知する。
【0008】
作業者は、ピッキング対象の集品容器を1列目のオーダー表示器で認識するとともに、アイテム表示器の表示にしたがってゾーンにある収納棚から物品をピッキングして集品容器に収納する。また1列目のオーダー表示器が表示されてなく、上流の2列目のオーダー表示器が表示されていると、この2列目のオーダー表示器により表示されている集品容器に自分のゾーンでピッキングした物品をピッキングして収納する。このようにランプ追跡型ピッキング方式を採用することで、集品容器の誤認や、物品の種類や数量の間違いといったピッキングミスを防ぎ、また先行ピッキングを行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平7−17610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、従来のピッキング設備では、ピッキング対象である集品容器が自分のゾーン内にある場合か自分のゾーンより1つ上流のゾーン内にある場合にしか、ピッキング対象の集品容器を認識することができず、ピッキング対象である集品容器が2つ以上上流のゾーン内にある場合には、ピッキング対象である集品容器が現在どのゾーン内にあるかを予め認識することができなかった。
【0011】
また現在ピッキング対象の集品容器が自分のゾーンより2つ以上上流のゾーン内にあるときは、作業者はピッキングを行うことができず、手待ち時間が発生していた。
そこで、本発明は、現在ピッキング対象の集品容器がどのゾーンを搬送されていても物品の投入が可能となり、作業者の手待ち時間を減らすことができ、ピッキング作業の効率を向上できるピッキング設備を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、物品をそれぞれ収納する複数の物品収納部を有し、所定数の物品収納部毎に、ピッキング作業を実行するゾーンが設定されたピッキング棚を備え、前記ピッキング棚に沿って、それぞれ仕分け先が割り付けられた複数の集品容器を搬送する搬送手段を備え、前記仕分け先の物品要求情報に応じて、前記ピッキング棚の物品収納部から取り出した物品を、前記集品容器へ投入するピッキング設備であって、
前記集品容器をそれぞれ特定する識別符号を、前記集品容器とともに移動可能に設け、前記ゾーン毎に、ピッキング作業を行う集品容器を、前記識別符号により表示する識別符号表示手段を設けたことを特徴とするものである。
【0013】
上記構成によれば、搬送手段により搬送される各集品容器はそれぞれ、共に移動する前記識別符号により特定され、識別符号表示手段によりピッキング作業を行う集品容器が前記識別符号により表示される。これにより、識別符号表示手段において、自ゾーン、隣接する上流のゾーンだけでなく、もっと上流において搬送されている集品容器の識別符号を表示することが可能となり、作業者は、担当する自ゾーンの物品収納部においてピッキング作業を実行する集品容器を自ゾーンよりもっと上流のゾーンまで認識でき、ピッキング作業の効率が改善される。また作業者は、識別符号によりピッキング作業を行う集品容器を間違えることなく特定でき、ピッキング作業ミスの減少が期待される。
【0014】
また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、前記搬送手段は、前記各集品容器を連続搬送することを特徴とするものである。
上記構成によれば、前記搬送手段は、前記各集品容器を連続搬送する。これにより、集品容器を停止されることがなく、ピッキング作業の効率が向上することを期待できる。
【0015】
また請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明であって、前記搬送手段は、ベルトコンベヤにより構成される複数の搬送ラインから構成されることを特徴とするものである。
【0016】
上記構成によれば、前記搬送手段は、ベルトコンベヤにより構成される複数の搬送ラインから構成される。これにより、複数の搬送ラインを搬送される集品容器に対してピッキング作業を行うことができ、ピッキング作業の効率を向上させることができる。また各搬送ラインをベルトコンベヤから構成することにより、集品容器が搬送途中に位置ずれを起こすことを防止できる。
【0017】
また請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明であって、前記複数の搬送ラインは、前記ピッキング棚側に配置された第1搬送ラインと、前記第1搬送ラインと平行に、且つ前記ピッキング棚より奥側に配置された第2搬送ラインから構成され、前記第1搬送ラインにより搬送される集品容器を特定する前記識別符号はそれぞれ、前記第1搬送ラインと同期して回動する第1無端回動体に設けられた第1識別手段により表示され、前記第2搬送ラインにより搬送される集品容器を特定する前記識別符号はそれぞれ、前記第2搬送ラインと同期して回動する第2無端回動体に設けられた第2識別手段により表示され、前記第2無端回動体は、前記第1無端回動体と、回動面が相違することを特徴とするものである。
【0018】
上記構成によれば、第1無端回動体と第2無端回動体の回動の向きが相違し、第1搬送ラインに設けられる第1識別手段の識別符号と、第2搬送ラインに設けられる第2識別手段の識別符号との表示の向きが相違する。これにより、第1搬送ラインと、第2搬送ラインの位置関係によって、識別符号の表示が見えづらくなる事態を防止可能となり、ピッキング作業の効率を向上させることができる。
【0019】
また請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明であって、前記識別符号は、連続番号とし、前記第1識別手段の識別符号の連続番号と、前記第2識別手段の識別符号の連続番号は、全く異なる番号としたことを特徴とするものである。
【0020】
上記構成によれば、識別符号を連続番号とすることにより、作業者は、自ゾーンを搬送されている集品容器に対応する番号と、識別表示手段に表示されている番号との比較により、次にピッキング作業を行う集品容器が、どのくらい上流にあるのかを推測することが可能となる。また第1識別手段の識別符号の連続番号と、第2識別手段の識別符号の連続番号とが異なることにより、識別表示手段に表示されている番号が、第1搬送ラインにより搬送されている集品容器のものか、第2搬送ラインにより搬送されている集品容器のものかを判断できる。
【0021】
また請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の発明であって、前記物品収納部と前記集品容器との間のピッキング作業を制御する制御手段を設け、前記ゾーン毎に、前記集品容器に割り当てられたピッキング作業が完了したことを制御手段に入力する完了入力手段を、前記搬送手段に沿って前記ピッキング棚側に設けたことを特徴とするものである。
【0022】
上記構成によれば、集品容器に割り当てられたピッキング作業が完了すると入力(操作)される完了入力手段が、作業者側に近いピッキング棚側に設けられる。これにより、完了入力手段が作業者にとって入力しやすい位置に配置されるため、完了入力手段の入力の際の作業者の負担を最小限とすることができ、ピッキング作業の効率を向上させることができる。
【0023】
また請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の発明であって、前記集品容器の移動位置に対応した検出信号を得る移動検出器とを備え、各ゾーンにそれぞれ、前記搬送手段に沿って所定間隔毎に、ピッキングされた物品を投入する集品容器を表示する表示手段を設け、前記移動検出器の検出信号に基づいて、前記集品容器の移動位置に同期させて、ピッキングされた物品を投入する集品容器を、前記表示手段により表示することを特徴とするものである。
【0024】
上記構成によれば、搬送手段により集品容器が搬送される際、その移動位置が移動検出器により検出信号として得られ、かつ検出信号に基づいて搬送手段に沿って設けた表示手段が順次点灯されるので、識別符号の他に、作業者は、集品容器の移動に伴って点灯する表示手段によりピッキング作業を行うべき集品容器を認識することができ、集品容器の特定がより容易となり、ピッキング作業の効率を向上させることができる。
【0025】
また請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明であって、各ゾーンにおいて、ピッキング作業を行う1つの集品容器を、前記識別符号表示手段により前記識別符号によって表示するとともに、前記集品容器の移動に同期して前記表示手段により表示することを特徴とするものである。
【0026】
上記構成によれば、各ゾーンにおいてピッキング作業を行う1つの集品容器が、表示手段と識別符号表示手段の両方により表示される。これにより、作業者は、表示手段による表示と識別符号表示手段による表示との2種類の表示によりピッキング作業を行う集品容器を認識することができ、集品容器の特定が容易となる。
【0027】
また請求項9に記載の発明は、仕分け先がそれぞれ割り付けられた複数の集品容器を搬送しながら、前記仕分け先の物品要求情報に応じて、物品収納部から取り出した物品を、前記集品容器へ投入するピッキング方法であって、前記集品容器をそれぞれ特定する識別符号を前記集品容器とともに移動し、前記識別符号を表示することにより、ピッキング作業を行う集品容器を指示することを特徴とするものである。
【0028】
上記方法によれば、搬送される各集品容器はそれぞれ、共に移動する識別符号により特定され、識別符号を表示することにより、ピッキング作業を行う集品容器が指示される。集品容器と集品容器の識別符号がともに移動するため、ピッキング作業が割り当てられた集品容器を間違えることなく特定でき、ピッキング作業の効率を向上することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明のピッキング設備は、識別符号表示手段に示される識別符号により、自ゾーン、隣接する上流のゾーンだけでなく、もっと上流において搬送されている集品容器の識別符号を表示することが可能となり、作業者は、担当する自ゾーンの物品収納部においてピッキング作業を実行する集品容器を自ゾーンよりもっと上流のゾーンまで認識でき、ピッキング作業の効率が改善でき、また集品容器と識別符号がともに移動することにより、集品容器を確実に特定でき、作業者の作業負担を軽減し、かつ作業効率の向上と作業ミスの低減を図ることができる、という効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施の形態におけるピッキング設備の概略斜視図である。
【図2】同ピッキング設備の概略平面図である。
【図3】同ピッキング設備の側面図である。
【図4】同ピッキング設備の要部拡大図であり、(a)は第1搬送ラインの要部拡大側面図、(b)は第2搬送ラインの要部拡大側面図である。
【図5】同ピッキング設備の拡大表示器の拡大図である。
【図6】同ピッキング設備の制御構成図である。
【図7】同ピッキング設備の統括コントローラにより作成される全体のピッキングデータを示す図である。
【図8】同ピッキング設備のプレート位置検出コントローラのブロック図である。
【図9】同ピッキング設備のゾーンコントローラのブロック図である。
【図10】同ピッキング設備のゾーンコントローラの各メモリに格納されるデータの図である。
【図11】本発明の他の実施の形態であり、搬送ラインを1ラインとした場合のピッキング設備の概略斜視図である。
【図12】同ピッキング設備の概略平面図である。
【図13】同ピッキング設備の側面図である。
【図14】同ピッキング設備の拡大表示器の拡大図であり、(a)は図11で示すピッキング設備で使用される拡大図、(b)は図15で示すピッキング設備で使用される拡大図である。
【図15】本発明の他の実施の形態であり、搬送ラインをピッキング棚近傍に沿って配置した場合のピッキング設備の概略斜視図である。
【図16】同ピッキング設備の概略平面図である。
【図17】同ピッキング設備の側面図である。
【図18】本発明の他の実施の形態であり、搬送ラインに印字する場合のピッキング設備の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。このピッキング設備は、個別の予め登録されたユーザー(仕分け先の一例)から注文を受けた物品11を、ユーザーに割り当てられた、コンテナからなる集品容器10に集めて、配送するピッキング設備である。
【0032】
図1に本発明の実施の形態におけるピッキング設備の概略斜視図を示す。基本的に、集品される物品11が保管されるストレージラインAと、ユーザーからの注文(以下、オーダーという)毎に、ピッキングされた物品11を収納する集品容器10を順送りしていく集品ラインB(搬送手段の一例)とから構成される。
【0033】
ストレージラインAおよび集品ラインBには、ピッキング作業を実行する複数のゾーンZが設定されており、各ゾーンZにおいて、集品ラインBにより連続搬送されてくる各集品容器10に対して、ストレージラインAに格納された物品11をピッキングする作業を実行するように構成され、ピッキング作業を行う作業者Hが1人ずつ配置される。
【0034】
『ストレージラインA』
まず、ストレージラインAについて説明する。ストレージラインAは、図2,図3にも示すように、フローラック12から構成され、フローラック12は、それぞれ1種類{1品目(あるいは物品を収納した収納箱)}の物品11が収納される間口14(物品収納部の一例)を複数備え、複数の間口14(本実施の形態では、3段×5列の15個)毎に前記ゾーンZが形成されている。
【0035】
これらフローラック12の各間口14の前面にはそれぞれ、取出す物品11の数量を表示する数量表示器15Aと、ランプ部を有する完了押釦スイッチ15Bから構成された間口表示器15が設けられている。
【0036】
またゾーンZ毎に、ゾーンZ内のピッキング対象となる物品11が収納される間口14の段を表示するランプを、段毎に備えたベイ表示器50が設けられている。
作業者Hは、このベイ表示器50の表示によりピッキング対象の物品11が収納される間口14の段数を特定し、各間口表示器15の表示に従って、間口14から物品11をピッキングして集品容器10に投入する。
【0037】
『集品ラインB』
集品ラインBは、図2,図3にも示すように、フローラック12側に配置された第1搬送ライン22と、第1搬送ライン22と平行に、且つフローラック12より奥側に配置される第2搬送ライン23とから構成されている。
【0038】
「第1搬送ライン22」
前記第1搬送ライン22は、第1搬送コンベヤ24と、第1プレート搬送部26とから構成され、第1搬送コンベヤ24と第1プレート搬送部26は、同期して駆動される。すなわち、第1搬送コンベヤ24と第1プレート搬送部26とは、同じ速度で移動する構成とされている(後述する)。
【0039】
第1搬送コンベヤ24は、ベルトコンベヤ装置から構成され、複数の集品容器10を連続搬送する。このベルトコンベヤ装置の駆動軸には、第1エンコーダ83(図6を参照)が備えられ、第1エンコーダ83のパルスをカウントし、カウント値を出力する第1カウンタ85(図6を参照)のカウント値をベルトコンベヤ装置が1周分移動したとき“0”にリセットするための第1原点検出器81(図6参照)が備えられている。
【0040】
第1プレート搬送部26は、図4に拡大して示すように、支持部材31Cにより第1搬送コンベヤ24の側面に配置され、第1搬送コンベヤ24の前後両端に配置されたスプロケット(図示せず)と、これらスプロケットの間に張設された第1無端チェーン(第1無端回動体の一例)31と、第1搬送コンベヤ24の搬送方向に沿って、上下に配置された一対のガイドレール31Aと、これらガイドレール31Aに案内され、第1無端チェーン31に一定間隔で取付けられたガイドローラ31Bと、各ガイドローラ31Bに取付けられ、ガイドローラ31Bと共に移動する複数のプレートPと、前記第1無端チェーン31およびプレートPへの接触を防止する樹脂製の透明な安全カバー27とから構成される。また一方のスプロケットの回転軸は第1搬送コンベヤ24の駆動軸に連結されており、よって、第1搬送コンベヤ24と第1プレート搬送部26は同期して駆動される。
【0041】
前記各プレートP(第1識別手段の一例)にはそれぞれ、集品容器10を特定するナンバー(“1”〜“49”までの連続番号;識別符号の一例)が印字され(表示され)、これらプレートPは、一定間隔毎に、ナンバーの表示面31Dが上方に向くように、ガイドローラ31B(第1無端チェーン31)に固定され、これらプレートPは、下流から上流に向けて、“1”〜“49”の連続番号が番号順に並ぶように配置されている(番号“1”が先頭となるように配置されている)。そして、第1プレート搬送部26の上部に前記安全カバー27が覆うようにして設けられ、作業者Hが駆動中のプレートPおよび、前記無端チェーン31に触れないよう構成されている。
【0042】
また第1搬送コンベヤ24には、一定間隔で移動するプレートPに合わせて、集品容器10が投入される。
「第2搬送ライン23」
第2搬送ライン23は、第2搬送コンベヤ25と、第2プレート搬送部28とから構成され、第2搬送コンベヤ25と、第2プレート搬送部28とは、同期して駆動される。すなわち、第2搬送コンベヤ25と第2プレート搬送部28とは、同じ速度で移動する構成とされる(後述する)。
【0043】
また集品容器10に物品11を投入しやすくするために、第2搬送コンベヤ25の搬送面は、第1搬送コンベヤ24の搬送面より高く設定されている。
第2搬送コンベヤ25は、ベルトコンベヤ装置から構成され、複数の集品容器10を連続搬送する。このベルトコンベヤ装置の駆動軸には、第2エンコーダ84(図6を参照)が備えられ、第2エンコーダ84のパルスをカウントし、カウント値を出力する第2カウンタ86(図6を参照)のカウント値をベルトコンベヤ装置が1周分移動したとき“0”にリセットするための第2原点検出器82(図6を参照)が備えられている。
【0044】
第2プレート搬送部28は、図4に拡大して示すように、支持部材32Cにより、第2搬送コンベヤ25の上方奥側(フローラックから遠い側)に配置され、第2搬送コンベヤ25の前後両端に水平な姿勢で配置されたスプロケット(図示せず)と、これらスプロケットの間に張設された第2無端チェーン(第1無端回動体の一例)32と、第2搬送コンベヤ24の搬送方向に沿って、左右に配置された二対のガイドレール32Aと、これら対のガイドレール31Aに案内され、第2無端チェーン32に一定間隔で取付けられたガイドローラ32Bと、各ガイドローラ32Bに取付けられ、ガイドローラ32Bと共に移動する複数のプレートPと、前記第2無端チェーン32およびプレートPへの接触を防止する樹脂製の透明な安全カバー29とから構成される。また一方のスプロケットの回転軸が第2搬送コンベヤ25の駆動軸に連結されており、よって、第2搬送コンベヤ25と第2プレート搬送部28は同期して駆動される。
【0045】
第2プレート搬送部28により搬送されるプレートP(第2識別手段の一例)にはそれぞれ、集品容器10を特定する番号(“51”〜“99”までの連続番号;識別符号の一例)が印字され(表示され)、これらプレートPは、一定間隔毎に、ナンバーの表示面32Eが前方(フローラック12の方向)に向くように、ガイドローラ32B(第2無端チェーン32)に固定して設けられ、これらプレートPは、下流から上流に向けて、“51”〜“99”の連続番号が番号順に並ぶように配置されている。そして、第2プレート搬送部28の前面には、前記安全カバー29が覆うようにして設けられ、作業者Hが駆動中のプレートPと、第2無端チェーン32に触れないように構成されている。
【0046】
また第2搬送コンベヤ25には、一定間隔で移動するプレートPに合わせて集品容器10が投入される。
上記構成により、第1プレート搬送部26の第1無端チェーン31は、第1搬送ライン22と垂直面上を回動し、第2プレート搬送部28の第2無端チェーン32は、第2搬送ライン23とは直角な水平面上を回動する。
【0047】
また集品ラインBには、ゾーンZ毎にそれぞれ、拡大表示器41(識別符号表示手段の一例)と、テープスイッチ17(完了入力手段の一例)と、第1追跡表示部52(表示手段の一例)と、第2追跡表示部53(表示手段の一例)とが備えられている。
【0048】
「拡大表示器41」
拡大表示器41は、第1搬送ライン22および第2搬送ライン23を搬送される集品容器10に対してピッキング作業を行うようゾーンZの作業者Hに指示を行う装置であり、図1〜図3に示すように、ゾーンZの上流側で、第1搬送ライン22および第2搬送ライン23の上方に支持部材43に支持されて設けられる。
【0049】
支持部材43は、図3に示すように、拡大表示器41を支持する部材であり、一端は床面に固定され、他端には、拡大表示器41の表示がゾーンZ内の作業者Hに視認可能となる位置に拡大表示器41が固定されている。
【0050】
拡大表示器41は、図5に示すように、現在ピッキング対象となっている集品容器10に対応するプレートPのナンバーを表示する投入表示部44と、続けてピッキング対象となる第1搬送ライン22上の集品容器10に対応するプレートPのナンバーを表示する第1表示部42Aと、続けてピッキング対象となる第2搬送ライン23上の集品容器10に対応するプレートPのナンバーを表示する第2表示部42Bとを備え、第1表示部42Aと第2表示部42Bはそれぞれ、第1先行投入表示部46、第2先行投入表示部47、第3先行投入表示部48、第4先行投入表示部49とから構成される。
【0051】
投入表示部44、第1先行投入表示部46、第2先行投入表示部47、第3先行投入表示部48、第4先行投入表示部49はそれぞれ、番号表示部41Aとランプ部41Bとを備えている。
【0052】
現在ピッキング作業対象となっている集品容器10に対応するプレートPのナンバーと移動しているゾーンZの情報は、投入表示部44に表示される。また第1搬送ライン22または第2搬送ライン23でそれぞれ、先行ピッキング作業対象となっている集品容器10に対応するプレートPのナンバーおよびゾーンZの情報は、第1表示部42Aまたは第2表示部42Bに表示される。すなわち、次にピッキング対象となっている集品容器10に対応するプレートPのナンバーと移動しているゾーンZの情報は、第1先行投入表示部46に表示され、次の次に投入対象となっている集品容器10の情報は第2先行投入表示部47に表示され、さらに次に投入対象となっている集品容器10の情報は第3先行投入表示部48に表示され、さらに次に投入対象となっている集品容器10の情報は、第4先行投入表示部49に表示される。
【0053】
投入表示部44および第1表示部42Aと第2表示部42Bにおける先行表示部46〜49の各番号表示部41Aには、集品容器10に割り当てられたプレートPに印字されたナンバー(プレートPのナンバー)が表示される。
【0054】
また各ランプ部41Bの色は、ピッキング対象の集品容器10が現在移動しているゾーンZに合わせて更新される(色が変わる)。すなわち、ランプ部41Bは、ピッキング対象の集品容器10が自分のゾーンZ(自ゾーン)を移動しているとき、赤色で点灯表示され、ピッキング対象の集品容器10が、1つまたは2つ上流のゾーンZ内を移動しているとき、橙色で点灯表示され、ピッキング対象の集品容器10が、3つ以上上流のゾーンZを移動しているとき、緑色で点灯表示される。また投入表示部44のランプ41Bは、ピッキング作業を実行するとき点滅表示される。
【0055】
「テープスイッチ17」
前記テープスイッチ17は、長尺状のスイッチであり、第1搬送ライン22に沿って、第1プレート搬送部26の側方外方(フローラック側)に設けられる。
【0056】
「追跡表示部52,53」
第1追跡表示部52は、第1プレート搬送部26とテープスイッチ17との間に上方に向けて設けられ、複数のガイドランプにより構成される。第1追跡表示部52は、第1搬送ライン22によりゾーンZ内に順次搬入されてくる集品容器10のうちピッキング対象(物品を投入する対象)となる集品容器10が搬送されてくると、第1追跡表示部52を構成するガイドランプのうち集品容器10の集品容器長(搬送方向の長さ)に相当する個数分を単位として、集品容器10の移動に追従して順次点灯して作業者Hに報知する。
【0057】
また第2追跡表示部53は、第2プレート搬送部28の上方位置に前方に向けて設けられ、複数のガイドランプにより構成される。第2追跡表示部53は、第2搬送ライン23によりゾーンZ内に順次搬入されてくる集品容器10のうちピッキング対象(物品を投入する対象)となる集品容器10が搬送されてくると、第2追跡表示部53を構成するガイドランプのうち集品容器10の集品容器長(搬送方向の長さ)に相当する個数分を単位として、集品容器10の移動に追従して順次点灯して作業者Hに報知する。
【0058】
作業者Hは、ピッキング対象の集品容器10を、拡大表示器41、第1追跡表示部52、第2追跡表示部53の各表示により特定することができる。
『制御構成』
図6にピッキング設備の制御構成を示す。
【0059】
なお、第1搬送ライン22に同期して回動するプレートPのナンバー“1”から順に、プレートPの位置に合わせて集品容器10が投入され、同様に、第2搬送ライン23に同期して回動するプレートPのナンバー“51”から順に、プレートPの位置に合わせて集品容器10が投入されるものとする。
【0060】
ピッキング設備の制御手段として、統括コントローラ56と、プレート位置検出コントローラ57と、ゾーンZ毎のゾーンコントローラ58が備えられている。
“統括コントローラ56”
統括コントローラ56には、プレート位置検出コントローラ57と、各ゾーンZのゾーンコントローラ58と、第1搬送ライン22と、第2搬送ライン23が接続され、予め次のデータが設定されている。
【0061】
・配送方面別に、予め登録されたユーザーが、第1搬送ライン22および第2搬送ライン23に振り分けられており、前記第1搬送ライン22に投入される集品容器10に割り当てられたユーザーに、“1”から順にプレートPのナンバーが割り当てられ、および第2搬送ライン23に順に投入される集品容器10に割り当てられたユーザーに、“51”から順にプレートPのナンバーが割り当てられることから、ユーザー(ユーザー情報)とプレートPのナンバーが対にして設定されている。
【0062】
・注文対象の物品11がそれぞれ格納されているゾーンZの間口14の配列データが設定されている。
統括コントローラ56は次の機能を有している。
【0063】
(イ).プレート位置検出コントローラ57と、各ゾーンZのゾーンコントローラ58へ作業の開始指令と終了指令を出力する。
(ロ).第1搬送ライン22および第2搬送ライン23を起動し、停止する。これら第1搬送ライン22および第2搬送ライン23の起動により、第1搬送コンベヤ24および第2搬送コンベヤ25が連続駆動され、同時に第1無端チェーン31と第2無端チェーン32が同期して連続駆動される。また後述する第1搬送ラインプレート位置更新部63より、第1搬送ライン22の停止信号を入力すると、第1搬送ライン22を一旦停止し、起動信号を入力すると、再起動する。また後述する第2搬送ラインプレート位置更新部65より、第2搬送ライン23の停止信号を入力すると、第2搬送ライン23を一旦停止し、起動信号を入力すると、再起動する。
【0064】
(ハ).予め登録された各個別のユーザーから注文データ{各仕分け先からの物品要求情報の一例;物品を特定する情報(例えば、物品の品種、物品名、物品コード等)と数量(個数)からなる単数または複数のデータ}を受け付けると、図7に示すように、全体のピッキングデータを形成し、ユーザーに割り当てられたプレートPのナンバーとともに、形成した全体の仕分けデータを、各ゾーンZのゾーンコントローラ58へ出力する。
【0065】
このように、統括コントローラ56において、第1搬送ライン22および第2搬送ライン23を起動・停止が実行され、さらに各ユーザーからの注文(オーダー)が入力されると、全体のピッキングデータ(ゾーンZ毎のピッキングデータ)が形成され、各ゾーンコントローラ58へ出力される。
【0066】
“プレート位置検出コントローラ57”
図8にプレート位置検出コントローラ57の制御構成図を示す。
プレート位置検出コントローラ57には、第1原点検出器81と、第2原点検出器82と、第1エンコーダ83と、第2エンコーダ84が接続されている。
【0067】
プレート位置検出コントローラ57は、第1カウンタ85、第2カウンタ86、第1プレート位置検出部89、第2プレート位置検出部90、第1変換メモリ91、第2変換メモリ92、第1搬送ラインプレート位置メモリ93、第2搬送ラインプレート位置メモリ94により構成される。
【0068】
各カウンタ85,86は、各エンコーダ83,84よりパルスが入力されると、パルス数をカウント値として、各プレート位置検出部89,90へ出力する。第1搬送コンベヤ24と第2搬送コンベヤ25にそれぞれ同期して、第1無端チェーン31と第2無端チェーン32が1周分回転すると、各原点検出器81,82の原点検出信号により、各カウンタ85,86のカウント値が“0”にリセットされる。
【0069】
第1変換メモリ91、第2変換メモリ92には、各カウンタ85,86のカウント値毎の、各第1無端チェーン31と第2無端チェーン32上の各プレートPの位置が予め記憶されている。すなわち、あるカウント値のときの各プレートPの各搬送ライン22,23上の位置を一意的に記憶している。各プレート位置検出部89,90は、各カウンタ85,86からカウント値を入力すると、各変換メモリ91,92をそのカウント値により検索し、検索された各プレートPの位置を、各搬送ラインプレート位置メモリ93,94に出力する。各搬送ラインプレート位置メモリ93,94は、入力された現在の各プレートPの位置を記憶する。
【0070】
このように、プレート位置検出コントーラ57は第1搬送ライン22上の各プレートPの現在位置および第2搬送ライン23上の各プレートPの現在位置を求めている。
“ゾーンコントローラ58”
各ゾーンコントローラ58は、それぞれ対応するゾーンZの制御用のコントローラであり、統括コントローラ56と、プレート位置検出コントローラ57と、対応するゾーンZの間口表示器15、ベイ表示器50、テープスイッチ17、拡大表示器41、第1追跡表示部52、および第2追跡表示部53に接続されている。
【0071】
各ゾーンコントローラ58は、図9に示すように、ゾーンピッキングデータ形成部61と、ピッキングデータメモリ62と、第1搬送ラインプレート位置更新部63と、第1搬送ライン対象容器メモリ64と、第2搬送ラインプレート位置更新部65と、第2搬送ライン対象容器メモリ66と、第1搬送ラインピッキング検出部67と、第1搬送ラインピッキング実行容器メモリ68と、第2搬送ラインピッキング検出部69と、第2搬送ラインピッキング実行容器メモリ70と、ピッキング対象容器検出部71と、集品容器物品投入制御部72と、ピッキング制御部73と、拡大表示器制御部74とから構成されている。
【0072】
「ピッキングデータメモリ62」
ピッキングデータメモリ62には、統括コントローラ56より入力された上記全体のピッキングデータ(図7参照)の内、対応するゾーンZのピッキング作業を実行するピッキングデータ(プレートPのナンバー毎に仕分ける物品11が格納された間口14のNo.および数量のデータ)が記憶するように構成されている。
【0073】
「ゾーンピッキングデータ形成部61」
ゾーンピッキングデータ形成部61は、統括コントローラ56より上記全体のピッキングデータを入力すると、対応する自ゾーンZのピッキング作業を実行するピッキングデータ(プレートPのナンバー毎に仕分ける物品11が格納された間口14のNo.および数量のデータ)を求め、ピッキングデータメモリ62に記憶する。
【0074】
「ピッキング制御部73」
ピッキング制御部73は、ゾーンZの間口14毎の間口表示器15と、テープスイッチ17と、ベイ表示器50と、ピッキングデータメモリ62と、ピッキング対象容器検出部71に接続されている。
【0075】
ピッキング制御部73には、ピッキングを実行する集品容器10に対応するプレートPのナンバー(最下流のプレートPのナンバー)がピッキング対象容器検出部71より入力される(後述する)。
【0076】
ピッキング制御部73は、(後述する)プレートPのナンバーの入力により、ピッキングデータメモリ62を検索して、プレートPのナンバーに対応するピッキングデータを求め、求めたピッキングデータに基づいてゾーンZの各間口14(15個)の間口表示器15の数量表示器15Aへ、物品11のピッキング数量を出力し、完了押釦スイッチ15Bのランプを赤色に点灯する。また同時に、点灯する間口14の高さ位置(段)に応じて、ベイ表示器50のランプを点灯する。
【0077】
完了押釦スイッチ15Bの押し操作により間口14からの物品11の取り出しを確認し、確認すると、間口表示器15の数量表示器15Aと完了押釦スイッチ15Bのランプを消灯する。また各段における物品11の取り出しの終了を確認すると、その段のベイ表示器50のランプを消灯する。
【0078】
これら間口14からの対応する集品容器10に対するピッキングが終了し、テープスイッチ17より終了信号が入力されると、ピッキング対象容器検出部71へ、入力したプレートPのナンバーのデータを含むピッキング終了信号を出力する。また、入力したプレートPのナンバーにより、ピッキングデータメモリ62を検索した結果、ピッキングデータがないと(ピッキング不要のとき)、即に前記ピッキング終了信号を出力する。
【0079】
「第1搬送ライン対象容器メモリ64」
第1搬送ライン対象容器メモリ64には、図10に示すように、第1搬送ライン22においてゾーンZ内でピッキング作業を実行する集品容器10に対応したプレートPのナンバーと、このプレートP(ナンバー)の現在位置と、ピッキング作業が終了したかどうかのフラグを記憶するように構成されている。
【0080】
「第1搬送ラインプレート位置更新部63」
第1搬送ラインプレート位置更新部63は、この第1搬送ライン対象容器メモリ64と、ピッキングデータメモリ62と、プレート位置検出コントローラ57の第1搬送ラインプレート位置メモリ93に接続されている。
【0081】
第1搬送ラインプレート位置更新部63は次の機能を有している。
(イ).ピッキングデータメモリ62に記憶されたプレートPのナンバーにより、第1搬送ライン22により搬送されてくるプレートPのナンバーを検出して、すなわち、ナンバーが“1”〜“49”にあるかどうかにより検出して、ナンバーの順に、第1搬送ライン対象容器メモリ64に記憶する。
【0082】
(ロ).第1搬送ラインプレート位置メモリ93を、検出したプレートP(ナンバー)により検索して、各プレートPのナンバーの現在位置を、第1搬送ライン対象容器メモリ64に記憶する。この機能は、所定時間毎に実行され、各プレートP(ナンバー)の現在位置は常に更新される。
【0083】
(ハ).第1搬送ライン対象容器メモリ64に記憶されたフラグ(ピッキング作業が終了したかどうかのフラグ)がオフ(未終了)で、各プレートP(ナンバー)の現在位置が、自ゾーンZの最下流に近づくと、統括コントローラ56ヘ第1搬送ライン22の停止信号を出力し、停止させる。そして、フラグがオン(終了)となると、統括コントローラ56ヘ起動信号を出力し、再起動させる。
【0084】
「第2搬送ライン対象容器メモリ66」
第2搬送ライン対象容器メモリ66には、図10に示すように、第2搬送ライン23においてゾーンZ内でピッキング作業を実行する集品容器10に対応するプレートPのナンバーと、このプレートP(ナンバー)の現在位置と、ピッキング作業が終了したかどうかのフラグを記憶するように構成されている。
【0085】
「第2搬送ラインプレート位置更新部65」
第2搬送ラインプレート位置更新部65は、この第2搬送ライン対象容器メモリ66と、ピッキングデータメモリ62と、プレート位置検出コントローラ57の第2搬送ラインプレート位置メモリ94に接続されている。
【0086】
第2搬送ラインプレート位置更新部65は、第1搬送ラインプレート位置更新部63と同じ機能を有しており、詳細な説明は省略する。第2搬送ラインプレート位置更新部65は、第2搬送ライン23に対応している。
【0087】
「第1搬送ラインピッキング実行容器メモリ68」
第1搬送ラインピッキング実行容器メモリ68には、図10に示すように、第1搬送ライン22においてゾーンZ内で順にピッキング作業を実行する集品容器10に対応する5つのプレートPのナンバーと、このプレートP(ナンバー)の現在位置と、この現在位置に対応するゾーンZを記憶するように構成されている。
【0088】
「第1搬送ラインピッキング検出部67」
第1搬送ラインピッキング検出部67は、第1搬送ライン対象容器メモリ64と、第1搬送ラインピッキング実行容器メモリ68に接続されている。
【0089】
第1搬送ラインピッキング検出部67には、予め、自ゾーンZの搬送ライン先端からの位置の範囲、自ゾーンZに隣接する1つおよび2つ上流のゾーンZの搬送ライン先端からの位置の範囲が設定される。
【0090】
第1搬送ラインピッキング検出部67は、次の機能を有している。
(イ).第1搬送ライン対象容器メモリ64を検索して、記憶されたフラグ(ピッキング作業が終了したかどうかのフラグ)がオフ(未終了)である、各プレートPのナンバーを順に5つピックアップし、これら各プレートPのナンバーの現在位置を求めて、第1搬送ラインピッキング実行容器メモリ68に記憶する。この機能は、所定時間毎に実行され、更新される。
【0091】
(ロ).次に各プレートPのナンバーの現在位置から、各プレートPがどのゾーンZに位置しているかどうかを、前記記憶した各ゾーンZの位置の範囲から求め、自ゾーンのとき、“0”を第1搬送ラインピッキング実行容器メモリ68に記憶し、1つおよび2つ上流のゾーンZのとき、“1”を第1搬送ラインピッキング実行容器メモリ68に記憶し、それ以上に上流のゾーンZのとき、“2”を第1搬送ラインピッキング実行容器メモリ68に記憶する。この機能は、所定時間毎に実行され、更新される。
【0092】
「第2搬送ラインピッキング実行容器メモリ70」
第2搬送ラインピッキング実行容器メモリ70には、図10に示すように、第2搬送ライン23においてゾーンZ内で順にピッキング作業を実行する集品容器10に対応する5つのプレートPのナンバーと、このプレートP(ナンバー)の現在位置と、この現在位置に対応するゾーンZを記憶するように構成されている。
【0093】
「第2搬送ラインピッキング検出部69」
第2搬送ラインピッキング検出部69は、第2搬送ライン対象容器メモリ66と、第2搬送ラインピッキング実行容器メモリ70に接続されている。
【0094】
第2搬送ラインピッキング検出部69は、第1搬送ラインピッキング検出部67と同じ機能を有しており、詳細な説明は省略する。第2搬送ラインピッキング検出部69は、第2搬送ライン23に対応している。
【0095】
「ピッキング対象容器検出部71」
ピッキング対象容器検出部71は、第1搬送ライン対象容器メモリ64と、第2搬送ライン対象容器メモリ66と、第1搬送ラインピッキング実行容器メモリ68と、第2搬送ラインピッキング実行容器メモリ70と、集品容器物品投入制御部72と、ピッキング制御部73と、拡大表示器制御部74に接続されている。
【0096】
ピッキング対象容器検出部71は、次の機能を有している。
(イ).第1搬送ラインピッキング実行容器メモリ68および第2搬送ラインピッキング実行容器メモリ70に記憶されている、各プレートPのナンバーの現在位置から、最も下流に位置するプレートPのナンバーを選択し、このプレートPのナンバーに対応する集品容器10に対してピッキング作業を実行することを決め、ピッキング制御部73に対して、上述した、ピッキングを実行する集品容器10に対応するプレートPのナンバー(最下流のプレートPのナンバー)を出力し、同時にこのプレートPのナンバーを、集品容器物品投入制御部72と、拡大表示器制御部74に出力する。
【0097】
(ロ).ピッキング制御部73より、上述したプレートPのナンバーのデータを含むピッキング終了信号を入力すると、このプレートPのナンバーにより、第1搬送ライン対象容器メモリ64と第2搬送ライン対象容器メモリ66を検索し、このプレートPのナンバーのフラグ(ピッキング作業が終了したかどうかのフラグ)をオン(終了)とする。
【0098】
上記(イ)の機能は、ピッキング終了信号を入力すると、再実行される。
このように第1搬送ライン対象容器メモリ64と第2搬送ライン対象容器メモリ66のフラグがオンとなると、第1搬送ラインピッキング検出部67または第2搬送ラインピッキング検出部69により、第1搬送ラインピッキング実行容器メモリ68または第2搬送ラインピッキング実行容器メモリ70の内容が更新される。ピッキング作業が終了したプレートPのナンバーは削除され、順に繰り上がり、5つ目に新たに、プレートPのナンバーが付加される。
【0099】
「拡大表示器制御部74」
拡大表示器制御部74は、ピッキング対象容器検出部71と、第1搬送ラインピッキング実行容器メモリ68と、第2搬送ラインピッキング実行容器メモリ70と、拡大表示器41に接続されている。
【0100】
拡大表示器制御部74は、次の機能を有している。
(イ).ピッキング対象容器検出部71より、ピッキングを実行する集品容器10に対応するプレートPのナンバー(最下流のプレートPのナンバー)を入力すると、プレートPのナンバーを投入表示部44の番号表示部41Aへ表示し、続いてこのプレートPのナンバーにより第1搬送ラインピッキング実行容器メモリ68と第2搬送ラインピッキング実行容器メモリ70を検索して、ゾーンのナンバーを求め、ランプ部41Bを、ゾーンのナンバーが“0”のとき赤色、ゾーンのナンバーが“1”のとき橙色、ゾーンのナンバーが“2”のとき緑色で点滅する。この機能は、所定時間毎に実行され、更新される。
【0101】
(ロ).第1搬送ラインピッキング実行容器メモリ68を検索して、前記入力したプレートPのナンバーを除いて、順に4つのプレートPのナンバーとゾーンのナンバーを求め、順に、手前側(第1搬送ライン側)の、第1先行投入表示部46、第2先行投入表示部47、第3先行投入表示部48、および第4先行投入表示部49の各番号表示部41AにプレートPのナンバーを表示させ、各ランプ部41Bを、ゾーンのナンバーが“0”のとき赤色、ゾーンのナンバーが“1”のとき橙色、ゾーンのナンバーが“2”のとき緑色で点灯する。この機能は、所定時間毎に実行され、更新される。
【0102】
(ハ).第2搬送ラインピッキング実行容器メモリ70を検索して、前記入力したプレートPのナンバーを除いて、順に4つのプレートPのナンバーとゾーンのナンバーを求め、順に、奥側(第2搬送ライン側)の、第1先行投入表示部46、第2先行投入表示部47、第3先行投入表示部48、および第4先行投入表示部49の各番号表示部41AにプレートPのナンバーを表示させ、各ランプ部41Bを、ゾーンのナンバーが“0”のとき赤色、ゾーンのナンバーが“1”のとき橙色、ゾーンのナンバーが“2”のとき緑色で点灯する。この機能は、所定時間毎に実行され、更新される。
【0103】
「集品容器物品投入制御部72」
集品容器物品投入制御部72は、ピッキング対象容器検出部71と、第1搬送ライン対象容器メモリ64と、第2搬送ライン対象容器メモリ66と、第1追跡表示部52と、第2追跡表示部53に接続されている。
【0104】
集品容器物品投入制御部72には、予め、自ゾーンZの搬送ライン先端からの位置の範囲、およびこの範囲内において、プレートPのナンバーの現在位置に対応して表示するガイドランプ群(上記集品容器長さに応じて点灯されるガイドランプ)が記憶されている。これらガイドランプ群は、プレートPが下流へ移動すると共に下流に移動する。
【0105】
集品容器物品投入制御部72は、次の機能を有している。
ピッキング対象容器検出部71より、ピッキングを実行する集品容器10に対応するプレートPのナンバー(最下流のプレートPのナンバー)を入力すると、このプレートPのナンバーにより第1搬送ライン対象容器メモリ64と第2搬送ライン対象容器メモリ66を検索して現在位置を求め、この現在位置が、自ゾーンZの位置の範囲に入ると、現在位置に応じて、ガイドランプ群を求め、これらガイドランプ群を構成するガイドランプを点灯する。この機能は、所定時間毎に実行され、更新され、プレートPが下流へ移動すると同時に、点灯するガイドランプ群が移動する。
【0106】
上記ゾーンコントローラ58の構成による作用を説明する。
まず、ゾーンピッキングデータ形成部61により、対応する自ゾーンZのピッキング作業を実行するピッキングデータが求められ、ピッキングデータメモリ62に記憶される。
【0107】
また第1搬送ラインプレート位置更新部63により、図10に示すように、第1搬送ライン22においてゾーンZ内でピッキング作業を実行する集品容器10に対応するプレートPのナンバーとこのプレートP(ナンバー)の現在位置が、第1搬送ライン対象容器メモリ64に記憶され、常に更新される。
【0108】
また同様に、第2搬送ラインプレート位置更新部65により、図10に示すように、第2搬送ライン23においてゾーンZ内でピッキング作業を実行する集品容器10に対応するプレートP(ナンバー)と、このプレートP(ナンバー)の現在位置が、第2搬送ライン対象容器メモリ66に記憶され、常に更新される。
【0109】
また第1搬送ラインピッキング検出部67により、第1搬送ライン対象容器メモリ64の記憶内容に基づいて、図10に示すように、第1搬送ライン22においてゾーンZ内で順にピッキング作業を実行する集品容器10に対応する5つのプレートPのナンバーと、このプレートP(ナンバー)の現在位置と、この現在位置に対応するゾーンZが、第1搬送ラインピッキング実行容器メモリ68に記憶され、常に更新される。
【0110】
また同様に、第2搬送ラインピッキング検出部69により、第2搬送ライン対象容器メモリ66の記憶内容に基づいて、図10に示すように、第2搬送ライン23においてゾーンZ内で順にピッキング作業を実行する集品容器10に対応する5つのプレートPのナンバーと、このプレートP(ナンバー)の現在位置と、この現在位置に対応するゾーンZが、第2搬送ラインピッキング実行容器メモリ70に記憶され、常に更新される。
【0111】
またピッキング対象容器検出部71において、第1搬送ラインピッキング実行容器メモリ68と第2搬送ラインピッキング実行容器メモリ70の記憶内容に基づいて、最も下流に位置するプレートPのナンバーが選択され、このプレートPのナンバーに対応する集品容器10に対してピッキング作業を実行することが決められ、ピッキングを実行する集品容器10に対応するプレートPのナンバー(最下流のプレートPのナンバー)が出力される。
【0112】
ピッキング制御部73により、入力されたプレートPのナンバーに応じて、ピッキングデータメモリ62が検索されて、プレートPのナンバーに対応するピッキングデータが求められ、求められたピッキングデータに基づいてゾーンZの各間口14の間口表示器15とベイ表示器16の表示が制御され、物品11を取り出す間口14が表示される。全ての物品11が取り出され、テープスイッチ17が操作されると、プレートPのナンバーを含む終了信号が出力され、これにより第1搬送ライン対象容器メモリ64または第2搬送ライン対象容器メモリ66の対応するプレートPのナンバーのフラグが更新される。
【0113】
また拡大表示器制御部74により、第1搬送ラインピッキング実行容器メモリ68と第2搬送ラインピッキング実行容器メモリ70の記憶内容により、拡大表示器41を対象にその表示が制御され、上方の投入表示器44の番号表示部41Aによりピッキング作業を実行する集品容器10のプレートPのナンバーが示され、ランプ部41Bにより集品容器10が位置するゾーンZが、その色で示され、点滅されて、表示されたプレートPのナンバーの集品容器10がピッキング対象であることが示される。また各搬送ライン22,23毎に、先行表示部46〜49に、下流から4つまで、番号表示部41Aにより次にピッキング作業を実行する集品容器10のプレートPのナンバーが示され、ランプ部41Bにより集品容器10が位置するゾーンZが、その色で示され、以降のピッキング対象の集品容器10が先行して表示される。
【0114】
このように、集品容器10をそれぞれ特定するナンバーが付されたプレートPは、集品容器10とともに移動し、拡大表示器41によりプレートPのナンバーが表示されることにより、ピッキング作業を行う集品容器10が指示される。
【0115】
また集品容器物品投入制御部72により、ピッキングを実行する集品容器10に対応するプレートP(ナンバー)が、自ゾーンZの位置の範囲に入ると、現在位置に応じて、ガイドランプ群を構成するガイドランプが点灯され、プレートPが下流へ移動すると同時に、ガイドランプ群が移動される。
【0116】
またピッキング作業の終了により、図5(b)に示すように、拡大表示器41の表示が更新され、次のピッキング対象の集品容器10に対応するプレートPのナンバーが繰り上げられ、次のピッキング作業対象の集品容器10が、ランプ部41Bの点滅により示される。
【0117】
なお、ピッキング作業対象の集品容器10が、ピッキング作業が終了する前に、自ゾーンZの下流端に到達するとし、その搬送ライン22または23は停止され、ピッキング作業が終了すると、再起動される。
【0118】
『作用』
ゾーンZに配置された作業者Hのピッキング作業を説明する。
ゾーンZに配置された作業者Hは、拡大表示器41の表示と、ベイ表示器50の表示と、各間口表示器15の表示と、第1追跡表示部52の表示と、第2追跡表示部53の表示に基づいて、ゾーンZ内のフローラック12の各間口14と集品容器10との間で、物品11のピッキング作業を行う。
【0119】
すなわち、拡大表示器41の表示を確認し、ランプ部41Bが点滅している投入表示部44の番号表示部41AのプレートPのナンバーと、ランプ部41Bのランプの色を確認する。確認したプレートPのナンバーに対応する集品容器10へピッキング作業を行うことを確認し、ランプ部41Bの色により、ピッキング対象の集品容器10の現在位置を確認する。赤色のとき自ゾーンZに位置し、橙色のとき隣接する1または2上流のゾーンZに位置し、緑色のとき隣接する3以上の上流のゾーンZに位置することを判断できる。
【0120】
また拡大表示器41の先行表示部46〜49の表示により、搬送ライン22,23毎に、以降にピッキング作業対象となる集品容器10のプレートPのナンバーとその位置(ゾーンZ)を確認でき、作業の時間の配分を判断できる。
【0121】
続いて、ベイ表示器16の表示と、各間口表示器15の表示に基づいて、前記集品容器10へ投入する物品11を取り出して、取り出す毎に、間口表示器15の完了押釦スイッチ15Bを押し、間口表示器15の表示の消灯を確認して、確認した集品容器10へ投入する。そして、全ての物品11の投入が終了すると、テープスイッチ17を押し、対象の集品容器10に対するピッキング作業を終了する。
【0122】
このように、作業者Hは、拡大表示器41に表示されるプレートPのナンバーの表示に基づいて、ピッキング作業を行うため、集品容器10の搬送位置に関わらず、集品容器10へ物品11を投入することができる。
【0123】
また対象の集品容器10が自ゾーンZに位置しているとき、集品容器10の移動にしたがって、対象の集品容器10を移動している搬送ライン22または23のガイドランプ群が移動しながら点滅するので、このガイドランプ群によりピッキング作業対象の集品容器10を確実に確認できる。
【0124】
以上のように、本実施の形態によれば、第1搬送ライン22と第2搬送ライン23により搬送される各集品容器10はそれぞれ、第1プレート搬送部26と第2プレート搬送部28により移動するプレートPのナンバーにより特定され、拡大表示器41により、自ゾーンZ、隣接する上流のゾーンZだけでなく、もっと上流のゾーンZにおいて搬送されている集品容器10に対応するプレートPのナンバーが表示されることにより、作業者Hは、担当するゾーンZのフローラック12の間口14との間でピッキング作業を実行する集品容器10を自ゾーンZよりもっと上流のゾーンZまで認識でき、ピッキング作業の効率を改善できる。また作業者Hは、プレートPに表示されるナンバーによりピッキング作業を行う集品容器10を間違えることなく特定でき、ピッキング作業ミスの減少を期待できる。
【0125】
また本実施の形態によれば、第1搬送ライン22および第2搬送ライン23はそれぞれ、集品容器10を連続搬送することから、集品容器10を停止されることなく、ピッキング作業の効率を向上することができる。
【0126】
また本実施の形態によれば、集品ラインBは第1搬送ライン22と第2搬送ライン23により構成されることにより2ラインでピッキング作業を実行でき、ピッキング効率を改善でき、さらに第1搬送ライン22および第2搬送ライン23はそれぞれ、ベルトコンベヤ装置から構成されることにより、集品容器10が搬送途中に位置ずれを起こすことを防止できる。
【0127】
また本実施の形態によれば、第1搬送ライン22のプレートPは、第1搬送コンベヤ24と同様に垂直面上を回動する第1無端チェーン31に固定され、第2搬送ライン23のプレートPは、第2搬送コンベヤ25とは直角な水平面上を回動する第2無端チェーン32に固定され、第1搬送ライン22に設けられるプレートPの(番号)表示面31Dは、上方を向いて表示され、第2搬送ライン23に設けられるプレートPの(番号)表示面32Dは、フローラック12に向いて表示され、プレートPの表示面31D,32Dの向きが相違されていることにより、プレートPの表示面の表示が見えづらくなる事態を防止可能となり、ピッキング作業の効率を向上させることができる。
【0128】
また本実施の形態によれば、第1プレート搬送部26と第2プレート搬送部28のプレートPに印字される(付される)ナンバーをそれぞれ、“1”〜“49”または“51”〜“99”の連続番号とすることにより、作業者Hは、自ゾーンZを搬送されている集品容器10に対応するプレートPのナンバーと、拡大表示器41に表示されているプレートPのナンバーとを比較することで、次にピッキング作業を行う集品容器10が、どのくらい上流にあるのかを推測が可能となり、ピッキング作業の時間を配分でき、また第1プレート搬送部26と第2プレート搬送部28とのプレートPのナンバーが異なることにより、拡大表示器41に表示されているナンバーが、第1搬送コンベヤ24により搬送されている集品容器10に対応するものか、第2搬送コンベヤ25により搬送されている集品容器10に対応するものかを判断できる。
【0129】
また本実施の形態によれば、集品容器10に割り当てられたピッキング作業が完了すると入力(操作)されるテープスイッチ17は、作業者H側に近いフローラック12側に設けられ、テープスイッチ17が作業者Hにとって入力しやすい位置に配置されていることにより、テープスイッチ17の入力の際の作業者Hの負担を最小限とすることができ、ピッキング作業の効率を向上させることができる。
【0130】
また本実施の形態によれば、第1搬送ライン22および第2搬送ライン23により集品容器10が搬送される際、その移動位置が第1原点検出器81と第1エンコーダ83と第1カウンタ85および第2原点検出器82と第2エンコーダ84と第2カウンタ86により検出信号として得られ、かつ検出信号に基づいて、第1搬送ライン22および第2搬送ライン23に沿って設けた第1追跡表示部52および第2追跡表示部53のガイドランプ群が順次点灯されることにより、プレートPのナンバーの他に、作業者Hは、これら集品容器10の移動に伴って点灯する第1追跡表示部52および第2追跡表示部53のガイドランプ群の移動によりピッキング作業を行うべき集品容器10を認識することができ、集品容器10の特定がより容易となり、ピッキング作業の効率を向上させることができる。
【0131】
また本実施の形態によれば、各ゾーンZにおいて、1つの集品容器が、拡大表示器41と、第1追跡表示部52または第2追跡表示部53のガイドランプ群との両方により表示されることにより、作業者Hは、拡大表示器41による表示と、ガイドランプ群による表示との2種類の表示によりピッキング作業を行う集品容器10を認識することができ、集品容器10の特定が容易となり、ピッキング作業の効率を向上させることができる。
【0132】
また本実施の形態によれば、第1プレート搬送部26のプレートPおよび第2プレート搬送部28のプレートPにそれぞれ、第1無端チェーン31または第2無端チェーン32に接触を防止する樹脂製の安全カバー27,29を設けたことにより、作業者HがプレートP、第1無端チェーン31および第2無端チェーン32に接触することを防止できる。
【0133】
なお、本実施の形態では、集品ラインBを第1搬送ライン22と、第2搬送ライン23から構成しているが、集品ラインBを第1搬送ライン22のみによって構成することもできる。また集品ラインBを第1搬送ライン22のみによって構成する場合は、図11〜図13に示すように、第1搬送ライン22とフローラック12との間に作業者Hを配置する構成と、図15〜図17に示すように、フローラック12、第1搬送ライン22、作業者Hの順で配置する構成とする場合があるが、何れの構成であっても本発明が適用できることは言うまでもない。このとき、図14(a)に示すように、拡大表示器41’の先行表示部46〜49は1列のみとされる。また図14(b)に示すように、拡大表示器41”にベイ表示器のランプを付加することもできる。また本実施の形態では、集品ラインBを3以上の搬送ラインにより構成するようにすることもできる。
【0134】
また本実施の形態では、第2搬送ライン23の搬送面は、第1搬送ライン22の搬送面より高く構成されているが、第1搬送ライン22の搬送面と第2搬送ライン23の搬送面を同じ高さに構成したり、第2搬送ライン23の搬送面は、第1搬送ライン22側に向かって下り傾斜状に構成したりすることもできる。
【0135】
また本実施の形態では、第1搬送コンベヤ24と第1無端チェーン31、第2搬送コンベヤ25と第2無端チェーン32をそれぞれ、同じ動力により駆動しているが、集品容器10とプレートPとが同期して移動する構成であればよく、第1搬送コンベヤ24と第1無端チェーン31、第2搬送コンベヤ25と第2無端チェーン32をそれぞれ、別の動力で駆動する構成とすることもできる。
【0136】
また本実施の形態では、集品容器10としてコンテナを用いているが、この集品容器10は、物品11を一時収納することができればどのようなものでもよく、例えば、段ボール、パレット等を用いることができる。
【0137】
また本実施の形態では、拡大表示器41に4つ先のピッキング対象となる集品容器10のプレートPのナンバーとゾーンの情報を表示することとしているが、もちろん4つに限ることはなく、その数を1つ〜2つあるいは5つ以上としてもよい。
【0138】
また本実施の形態では、搬送手段としてベルトコンベヤ装置を用いているが、一定経路に沿って、集品容器10を連続搬送できる形式であればどのようなものでもよい。
また本実施の形態では、第2プレート搬送部28を第2搬送ライン23の奥側に設けているが(図3を参照)、この第2プレート搬送部28を、第1搬送ライン22と第2搬送ライン23との間に設けるようにしてもよい。このとき、第2プレート搬送部28を、第1プレート搬送部26と同一の構成としてもよく、第2無端チェーン33の回動面を、第1無端チェーン31の回動面と同じ角度としてもよい。もちろん、第1搬送ライン22により集品容器10が搬送されているとき、作業者Hより第2プレート搬送部28のプレートPのナンバーが見えるように配置される。
【0139】
また本実施の形態では、集品容器10を特定する手段として、各搬送ライン22,23に同期して駆動されるプレート搬送部26,28を設け、この各プレート搬送部26,28にはそれぞれ、等間隔にプレートPを設置し、集品容器10にプレートPのナンバーを割り付け、そのプレートPのナンバーを拡大表示器41に表示することにより、ピッキング作業対象の集品容器10を特定しているが、集品容器10を特定できればどのような方式でもよく、図18に示すように、搬送コンベヤ(ベルトコンベヤ)24,25のベルト部に直接プレートPを設け、あるいはベルト部に直接連続した数字を印字し、その印字された数字を集品容器10に割り当て拡大表示器41に表示する方式であってもよい。このとき、集品容器10をベルトコンベヤ装置へ置いた際に、印字された数字は隠れない位置に配置される。またクリップラベル方式を用いてもよい。
【0140】
クリップラベル方式とは、搬送ライン22,23の上流端において、集品容器10の投入順と同じ順で、ナンバーを印字したラベルを添付したクリップを集品容器10に取り付け、このクリップのナンバーを集品容器10に割り付け、ナンバーを集品容器10に割り当て拡大表示器41に表示する方式である。またナンバーを印字したラベルをクリップに添付する方式に代えて、ナンバーを印字したシールを貼り付ける方式や、ナンバー札を単に置く方式や、集品容器10の縁に差し込む方式や、ナンバーを印字したものをピン等で取付ける方式であってもよい。
【0141】
また本実施の形態によれば、仕分け設備の一例としてピッキング設備について説明しているが、本発明はアソート(類別仕分け)設備にも適用することができる。このとき、各集品容器10には、物品11が品目単位で収納され、搬送ライン22,23に投入される。フローラック12の各間口14にはユーザーに対応するナンバーが割り当てられ、ゾーンZの作業者Hに対して、拡大表示器41により集品容器10より物品11を取り出す集品容器10が指示され、作業者Hは、間口表示器15により数量が指定された間口14へ集品容器10より取り出した物品11を投入する(仕分け作業が行われる)。
【0142】
また本実施の形態では、物品収納棚としてフローラック12を使用しているが、物品11または収納箱が移動しない一般棚を使用することもできる。
また本実施の形態では、集品容器10を特定する符号として数字を使用しているが、アルファベットなどの文字や絵文字、画像などを使用することもできる。このとき、文字や絵文字、画像に順を決めて、その順に集品容器10に割付けて第1搬送ライン22および第2搬送ライン23へ投入する。
【0143】
また本実施の形態では、完了入力手段として、テープスイッチ17を使用しているが、単にピッキング作業を完了入力するスイッチであればよく、単なる押釦スイッチでもよい。
【0144】
また本実施の形態では、各ゾーンZは、1人の作業者Hを配置する構成としているが、各ゾーンZに複数(例えば、2人)の作業者Hを配置する構成とすることもできる。これにより、ゾーンZ内にピッキング対象の集品容器10が間を置くことなく搬入される状況にあっても、ゾーンZ内の作業速度が向上するため、各集品ラインBを緊急停止する状況が発生する可能性を低減でき、ピッキング作業の効率を向上できる。
【0145】
また本実施の形態では、仕分け先をユーザー別としているが、ユーザーに限ることはなく、店舗別、商品などのカテゴリー別あるいは区分別、地域別、搬送トラック別などとすることもできる。
【0146】
また本実施の形態では、ランプ部41Bの色を変えることにより、作業者Hに集品容器10のゾーン情報を伝達する方式としているが、作業者Hがゾーン情報を認識できる方式であればどのような方式でもよく、ランプの光の強弱により伝達する方式としてもよい。
【0147】
また本実施の形態では、フローラック12を搬送ライン22,23に沿って配置しているが、物品収納部がゾーンZ毎に配置されていればよく、ゾーンZ毎に搬送ライン22,23とは、直角な向きに配置してもよい。
【0148】
また本実施の形態では、安全カバー27,29を各プレート搬送部26,28と共に設けているが、奥側の第2プレート搬送部28の安全カバー29はなくてもよい。有る方がよいことはいうまでもない。
【0149】
また本実施の形態では、第1搬送ライン22および第2搬送ライン23は、連続搬送としているが、連続搬送とする代わりに、複数個の集品容器10により群を形成し、群単位で、各ゾーンZを間欠的に搬送する、所謂タクト搬送とすることもできる。
【符号の説明】
【0150】
A ストレージライン
B 集品ライン
P プレート
Z ゾーン
10 集品容器
11 物品
12 フローラック
14 間口
15 間口表示器
17 テープスイッチ
22,23 搬送ライン
24,25 搬送コンベヤ
26,28 プレート搬送部
27,29 樹脂製の安全カバー
31,32 無端チェーン
41,41’,41” 拡大表示器
44 投入表示部
46〜49 先行表示部
52,53 追跡表示部
56 統括コントローラ
57 プレート位置検出コントローラ
58 ゾーンコントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品をそれぞれ収納する複数の物品収納部を有し、所定数の物品収納部毎に、ピッキング作業を実行するゾーンが設定されたピッキング棚を備え、
前記ピッキング棚に沿って、それぞれ仕分け先が割り付けられた複数の集品容器を搬送する搬送手段を備え、
前記仕分け先の物品要求情報に応じて、前記ピッキング棚の物品収納部から取り出した物品を、前記集品容器へ投入するピッキング設備であって、
前記集品容器をそれぞれ特定する識別符号を、前記集品容器とともに移動可能に設け、
前記ゾーン毎に、ピッキング作業を行う集品容器を、前記識別符号により表示する識別符号表示手段を設けたこと
を特徴とするピッキング設備。
【請求項2】
前記搬送手段は、前記各集品容器を連続搬送すること
を特徴とする請求項1に記載のピッキング設備。
【請求項3】
前記搬送手段は、ベルトコンベヤにより構成される複数の搬送ラインから構成されること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載のピッキング設備。
【請求項4】
前記複数の搬送ラインは、前記ピッキング棚側に配置された第1搬送ラインと、前記第1搬送ラインと平行に、且つ前記ピッキング棚より奥側に配置された第2搬送ラインから構成され、
前記第1搬送ラインにより搬送される集品容器を特定する前記識別符号はそれぞれ、前記第1搬送ラインと同期して回動する第1無端回動体に設けられた第1識別手段により表示され、
前記第2搬送ラインにより搬送される集品容器を特定する前記識別符号はそれぞれ、前記第2搬送ラインと同期して回動する第2無端回動体に設けられた第2識別手段により表示され、
前記第2無端回動体は、前記第1無端回動体と、回動面が相違すること
を特徴とする請求項3に記載のピッキング設備。
【請求項5】
前記識別符号は、連続番号とし、
前記第1識別手段の識別符号の連続番号と、前記第2識別手段の識別符号の連続番号は、全く異なる番号としたこと
を特徴とする請求項4に記載のピッキング設備。
【請求項6】
前記物品収納部と前記集品容器との間のピッキング作業を制御する制御手段を設け、
前記ゾーン毎に、前記集品容器に割り当てられたピッキング作業が完了したことを制御手段に入力する完了入力手段を、前記搬送手段に沿って前記ピッキング棚側に設けたこと
を特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のピッキング設備。
【請求項7】
前記集品容器の移動位置に対応した検出信号を得る移動検出器を備え、
各ゾーンにそれぞれ、前記搬送手段に沿って所定間隔毎に、ピッキングされた物品を投入する集品容器を表示する表示手段を設け、
前記移動検出器の検出信号に基づいて、前記集品容器の移動位置に同期させて、ピッキングされた物品を投入する集品容器を、前記表示手段により表示すること
を特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のピッキング設備。
【請求項8】
各ゾーンにおいて、ピッキング作業を行う1つの集品容器を、前記識別符号表示手段により前記識別符号によって表示するとともに、前記集品容器の移動に同期して前記表示手段により表示すること
を特徴とする請求項7に記載のピッキング設備。
【請求項9】
仕分け先がそれぞれ割り付けられた複数の集品容器を搬送しながら、前記仕分け先の物品要求情報に応じて、物品収納部から取り出した物品を、前記集品容器へ投入するピッキング方法であって、
前記集品容器をそれぞれ特定する識別符号を前記集品容器とともに移動し、
前記識別符号を表示することにより、ピッキング作業を行う集品容器を指示すること
を特徴とするピッキング方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate


【公開番号】特開2011−162285(P2011−162285A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−24975(P2010−24975)
【出願日】平成22年2月8日(2010.2.8)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】