ピッキング設備
【課題】検品作業の作業効率の向上を図ることができるピッキング設備を提供する。
【解決手段】ピッキング設備1は、複数の物品保管部3を有する保管手段2を備える。ピッキング設備1は、ピッキング作業者aが各オーダ情報に基づいて物品保管部3からピッキングした物品をオーダ単位で搬送する搬送手段11を備える。ピッキング設備1は、オーダ単位の物品が対応するオーダ情報の物品データと一致するか否かを検品作業者bが検品するための検品用表示手段41と、この検品用表示手段41を制御する制御手段とを備える。検品用表示手段41は、要検品印が付いたオーダ情報に関してのみ、検品用画面を表示する。
【解決手段】ピッキング設備1は、複数の物品保管部3を有する保管手段2を備える。ピッキング設備1は、ピッキング作業者aが各オーダ情報に基づいて物品保管部3からピッキングした物品をオーダ単位で搬送する搬送手段11を備える。ピッキング設備1は、オーダ単位の物品が対応するオーダ情報の物品データと一致するか否かを検品作業者bが検品するための検品用表示手段41と、この検品用表示手段41を制御する制御手段とを備える。検品用表示手段41は、要検品印が付いたオーダ情報に関してのみ、検品用画面を表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検品作業の作業効率の向上を図ることができるピッキング設備に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載されたピッキング設備が知られている。
【0003】
この従来のピッキング設備は、複数の物品保管部を有する保管手段と、ピッキング作業者によって各オーダ情報に基づいて物品保管部からピッキングされた物品をオーダ単位で搬送する搬送手段と、この搬送手段の側部に取り付けられピッキングされた物品を一時的に待機させた後に搬送手段上の所定位置に投入する複数の投入手段とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−184314号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そして、このようなピッキング設備において、例えば投入手段による物品の投入後にピッキング作業者がピッキングミスに気付いた場合や、不慣れなピッキング作業者がいる場合等に、各オーダ情報のすべてに対して検品作業をしたのでは作業効率が悪い。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、検品作業の作業効率の向上を図ることができるピッキング設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載のピッキング設備は、複数の物品保管部を有する保管手段と、ピッキング作業者によって各オーダ情報に基づいて前記物品保管部からピッキングされた物品をオーダ単位で搬送する搬送手段と、この搬送手段にて搬送されるオーダ単位の物品が対応するオーダ情報の物品データと一致するか否かを検品作業者が検品するための検品用表示手段と、検品対象設定部を有し、前記検品用表示手段を制御する制御手段とを備え、前記検品用表示手段は、前記制御手段による制御に基づき、前記検品対象設定部にて検品対象と設定されたオーダ情報に関してのみ、検品用画面を表示するものである。
【0008】
請求項2記載のピッキング設備は、請求項1記載のピッキング設備において、各ピッキング作業者ごとに設けられた検品対象設定用操作手段を備え、制御手段の検品対象設定部は、ピッキング作業者によって前記検品対象設定用操作手段が操作された場合には、その操作時点よりも前にそのピッキング作業者によってピッキングされた物品を含むオーダ単位の物品に対応するオーダ情報のうち、予め設定された設定数のオーダ情報を検品対象と設定するものである。
【0009】
請求項3記載のピッキング設備は、請求項1または2記載のピッキング設備において、制御手段の検品対象設定部は、特定のピッキング作業者によってピッキングされる物品に対応する物品データを含むオーダ情報を検品対象と設定するものである。
【0010】
請求項4記載のピッキング設備は、請求項1ないし3のいずれか一記載のピッキング設備において、搬送手段は、オーダ単位の物品を上面に載せて搬送する物品搬送部を有し、前記物品搬送部に異常が発生した際に操作される異常時操作手段を備え、制御手段の検品対象設定部は、前記異常時操作手段が操作された場合には、その操作時点において前記物品搬送部上に位置するオーダ単位の物品に対応するオーダ情報を検品対象と設定するものである。
【0011】
請求項5記載のピッキング設備は、請求項1ないし4のいずれか一記載のピッキング設備において、搬送手段は、検品対象設定部にて検品対象と設定されたオーダ情報に対応するオーダ単位の物品のみを搬送する検品用分岐搬送部を有するものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明によれば、検品用表示手段は制御手段による制御に基づき検品対象設定部にて検品対象と設定されたオーダ情報に関してのみ検品用画面を表示するため、検品作業者は検品対象と設定されたオーダ情報に対して検品作業をすればよく、検品作業の作業効率の向上を図ることができる。
【0013】
請求項2に係る発明によれば、例えばピッキング作業者がピッキングミスに気付いた場合等であっても、各オーダ情報のすべてに対して検品作業をする必要がなく、検品作業の作業効率の向上を図ることができる。
【0014】
請求項3に係る発明によれば、例えば不慣れなピッキング作業者がいる場合等であっても、各オーダ情報のすべてに対して検品作業をする必要がなく、検品作業の作業効率の向上を図ることができる。
【0015】
請求項4に係る発明によれば、例えば搬送手段の物品搬送部に何らかの異常が発生した場合等であっても、各オーダ情報のすべてに対して検品作業をする必要がなく、検品作業の作業効率の向上を図ることができる。
【0016】
請求項5に係る発明によれば、搬送手段は検品対象設定部にて検品対象と設定されたオーダ情報に対応するオーダ単位の物品のみを搬送する検品用分岐搬送部を有するため、検品不要なオーダ単位の物品を停止させることなく搬送方向下流に搬送できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施の形態に係るピッキング設備の概略平面図である。
【図2】同上ピッキング設備のピッキング部の正面図である。
【図3】同上ピッキング設備のピッキング部の平面図である。
【図4】ピッキング作業者が操作する操作ユニットの平面図である。
【図5】検品作業者が操作する検品用表示手段の斜視図である。
【図6】同上検品用表示手段のタッチパネル表示部に表示される検品用画面の一例である。
【図7】検品指定画面の一例である。
【図8】同上ピッキング設備の制御手段が記憶する各オーダ情報を示す図である。
【図9】同上ピッキング設備の作用説明のためのフローチャートである。
【図10】本発明の他の実施の形態に係るピッキング設備の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0019】
図1ないし図3において、1は集品システムであるピッキング設備で、このピッキング設備1は、所定方向に長手状で互いに平行に配設され所定距離を介して互いに離間対向する対をなす2つの保管棚等の保管手段2を備えている。
【0020】
保管手段2は、ピッキング作業者(ピッカー)aによって注文者ごとの各オーダ情報に基づいてピッキングつまり取り出される物品WをケースKに入れた状態で一時的に保管する縦横に並ぶ複数の物品保管部3を有している。なお、物品Wは、例えば低温管理が必要な冷凍食品等の商品である。ケースKは、例えば複数の物品Wを入れられたダンボール箱等である。
【0021】
各物品保管部3は、ピッキング作業者a側に向かって下り傾斜する傾斜状のフリーローラコンベヤ4と、このフリーローラコンベヤ4の搬送終端部に設けられ先頭のケースKとの当接により保管中のケースKの自重移動を規制するストッパ(図示せず)とを有している。
【0022】
そして、物品Wが物品保管部3の前面開口(間口)からピッキングされて先頭のケースKが空になった場合には、ピッキング作業者aは空のケースKをフリーローラコンベヤ4上から取り出す。すると、後続のケースKは、フリーローラコンベヤ4上を搬送終端側に向って自重移動する。新たなケースKの補充は必要に応じて自動補充手段(図示せず)によって自動的に行われ、物品Wを収納した新たなケースKが物品保管部3の後面開口から供給される。
【0023】
なお、予め設定された複数の物品保管部3、すなわち例えば6列4段で合計24の物品保管部3である物品保管部群にて、1人のピッキング作業者aがピッキング作業を担当するピッキングゾーンであるゾーンZ(1A〜8A,1B〜8B)が構成されている。これら複数のゾーンZは保管手段2の長手方向に沿って互いに隣接して並び、これら各ゾーンZごとにピッキング作業者aがそれぞれ1人ずつ配置されている。つまり、図1に示されるように、ゾーン1A〜8Aを構成する一方の保管手段(Aライン)2の長手方向に沿って複数、例えば8人のピッキング作業者aが間隔をおいて並び、ゾーン1B〜8Bを構成する他方の保管手段(Bライン)2の長手方向に沿って複数、例えば8人のピッキング作業者aが間隔をおいて並んでいる。
【0024】
また、保管手段2は、図2に示されるように、各物品保管部3ごとにそれぞれ設けられた保管側指示手段である保管側ランプ5を有している。保管側ランプ5は、対応する物品保管部3のフリーローラコンベヤ4の搬送終端部に設けられている。保管側ランプ5は、点灯することによりピッキング作業者aが次にピッキングすべき物品Wを保管している物品保管部3をピッキング作業者aに対して指示する発光ダイオード等の光源である。つまり、保管側ランプ5は、ピッキング作業者aに対してピッキング先の物品保管部3を指示するものである。
【0025】
なお、図示しないが、物品保管部3から物品Wがピッキングされたことを検出するピッキング検出手段が各物品保管部3ごとにそれぞれ設けられている。また、必要に応じて物品保管部3からピッキングすべき物品Wの数量を示す数量表示器を保管側5の近傍に設けるようにしてもよい。
【0026】
また、ピッキング設備1は、図1ないし図3等に示されるように、ピッキング作業者aによって各オーダ情報に基づいて物品保管部3からピッキングされた物品Wをオーダ情報に対応するオーダ単位で搬送する搬送手段11を備えている。
【0027】
搬送手段11は、オーダ単位の物品(1オーダ情報分の物品)Wを上面の搬送面10に直接載せて搬送方向に搬送する1つの物品搬送部(集品コンベヤ)12と、この物品搬送部12の搬送終端部から搬出されたオーダ単位の物品WをコンテナCに収容した状態で搬送する2つのコンテナ搬送部(コンテナ搬送コンベヤ)13と、物品搬送部12の搬送終端部に設けられオーダ単位の物品Wを2つのコンテナ搬送部13のいずれかに振り分ける物品振分部14とを有している。
【0028】
なお、コンテナ搬送部13の搬送方向上流でコンテナCには袋Fが掛けられるため、オーダ単位の物品Wは物品振分部14に振り分けられて袋F内に投入される。この袋F内に投入されたオーダ単位の物品Wは、コンテナ搬送部13の搬送方向下流で、コンテナCから出荷容器(図示せず)に入れ替えられて出荷処理される。
【0029】
ここで、物品搬送部12は、互いに離間対向する両保管手段2間にこれら保管手段2と平行状に配設されている。物品搬送部12と一方の保管手段(Aライン)2との間にはピッキング作業者aのための作業スペース16があり、物品搬送部12と他方の保管手段(Bライン)2との間にはピッキング作業者aのための作業スペース17がある。
【0030】
物品搬送部12は、例えばオーダ単位の物品Wを略V字状の搬送面10上に直接載せた状態で、水平な搬送方向(図3中、左方向)に搬送しながら幅方向中央側へセンターリングするものである。つまり、物品搬送部12は左右1対の傾斜駆動コンベヤ28にて構成され、各傾斜駆動コンベヤ28は物品Wを搬送する無端状の搬送ベルト29を有し、この搬送ベルト29の上側の往路面部の上面にて搬送面10が構成されている。搬送ベルト29は、コンベヤフレーム30にて支持された複数のローラ27に回行可能に掛け渡され、モータ等の駆動源(図示せず)からの動力で回行して物品Wを搬送する。
【0031】
なお、図3に示されるように、物品搬送部12の搬送面10は、所望の大きさのピッチごとに各オーダ情報が割り付けられることにより、各オーダ情報に対応する各オーダ単位ごとに区画設定されている。つまり、搬送面10は搬送方向に並ぶ複数のオーダ単位エリアにて構成され、各オーダ単位エリアごとにそれぞれオーダ単位の物品Wが投入される。
【0032】
さらに、ピッキング設備1は、図1ないし図3等に示されるように、物品保管部3からピッキングされた物品Wが載置されこの載置された物品Wを一時的に待機させた後に物品搬送部12の搬送面10のうち対応するオーダ単位エリア上に搬送投入する複数の投入コンベヤ等の投入手段31を備えている。
【0033】
投入手段31は、物品搬送部12の幅方向両端部の上方に配設されている。つまり、各ゾーンZごとにつまり各ピッキング作業者aごとに、複数、例えば6つの投入手段31が1組となってそれぞれ配設されている。
【0034】
各投入手段31は、例えばランプ内蔵駆動コンベヤ(マルチトレー)32にて構成されている。ランプ内蔵駆動コンベヤ32は、物品Wが直接載置されこの載置された物品Wを待機させた後に搬送投入する水平な搬送面(載置面)34を上面に有する装置本体35と、この装置本体35の搬送面34の一部から光を上方側へ放射させることによりピッキング作業者aに対してピッキングした物品Wを1個載置すべき投入手段31を指示する光源である投入側ランプ36とを有している。各投入側ランプ36は、ピッキング作業者aに対して物品載置先の投入手段31を指示するものである。
【0035】
装置本体35は、物品Wを搬送投入(搬送案内)する無端状の透光性搬送体37を有し、この透光性搬送体37はコンベヤフレーム38にて支持された複数のローラ39に回行可能に掛け渡され、モータ等の駆動源(図示せず)からの動力で回行して物品Wを物品搬送部12の搬送方向に対して直交する方向へ搬送する。
【0036】
透光性搬送体37は、例えば多数の孔を有する網目状部材からなるもので、この透光性搬送体37の上側の往路面部の上面が搬送面34となっている。つまり、投入側ランプ36の点灯時には透光性搬送体37の搬送面34に形成された孔(搬送面の一部)から光が放射され、この光によって搬送面34上に物品載置位置が指示される。
【0037】
投入側ランプ36は、透光性搬送体37の内部、つまり透光性搬送体37の上側の往路面部とこの往路面部と離間対向する下側の復路面部との間に収納配設されている。投入側ランプ36は、例えば発光ダイオード等で、透光性搬送体37の搬送面34の一部を光らせることにより作業者Xに対して搬送面34上の物品載置位置を指示する。
【0038】
なお、物品Wが搬送面34上に載置されたことを検出する載置検出手段(図示せず)が各投入側ランプ36ごとにそれぞれ設けられている。各載置検出手段は、例えば投入側ランプ36に取り付けられ投入側ランプ36の動作時に投入側ランプ36に連動して投入側ランプ36からの光の反射率に基づいて物品Wの載置を検出するセンサ等である。
【0039】
また、ピッキング設備1は、図1および図5に示されるように、搬送手段11の各コンテナ搬送部13による搬送途中で搬送手段11のコンテナ搬送部13にて搬送されるコンテナC内のオーダ単位の物品Wが対応するオーダ情報の物品データと一致するか否かを検品作業者bが検品するための検品用表示手段41と、検品対象設定部42aを有し検品用表示手段41を制御する制御手段42とを備えている。
【0040】
検品用表示手段41は、図5に示すように、コンテナ搬送部13の一部を構成するローラコンベヤ43上の検品位置の近傍に立設された支持脚44と、この支持脚の上端部に取り付けられタッチパネル表示部46を有する表示装置45とを有している。ローラコンベヤ43上の検品位置よりも上流には、コンテナCのコンテナID等のコンテナ情報を読み取る読取手段50が配設されている。
【0041】
そして、検品用表示手段41のタッチパネル表示部46は、検品必要なオーダ単位の物品Wが検品位置に停止した際に、制御手段42による制御に基づき、検品対象設定部42aにて検品対象と設定されてデータ上の要検品印(要検品データ)が付いたオーダ情報に関してのみ、検品作業者bが検品するための検品用画面を表示する(図6参照)。なお、検品作業者bは、例えば各コンテナ搬送部13ごとにそれぞれ1人ずつ配置されている。
【0042】
制御手段42は、オーダ情報に要検品印を付けることによりそのオーダ情報を検品対象と設定する検品対象設定部42aの機能を有している。つまり、この検品対象設定部42aは、後述する検品ボタン53,61等の操作に基づいて要検品フラグのオン/オフを登録する。
【0043】
また、ピッキング設備1は、図3および図4に示されるように、各ゾーンZごとにつまり各ピッキング作業者aごとにそれぞれ設けられ対応するピッキング作業者aによって操作されるゾーン表示器等の操作表示手段51を備えている。操作表示手段51は各組の投入手段31ごとに1つずつ設けられ、1つの操作表示手段51の左右両側方に投入手段31が複数、例えば3つずつ配設されている。
【0044】
操作表示手段51は、欠品確定用操作手段である欠品確定ボタン(赤)52、検品対象設定用操作手段である検品ボタン(青)53および再表示用操作手段である再表示ボタン(黄)54を有している。
【0045】
欠品確定ボタン52は、ピッキングすべき物品Wがない場合に長押し操作され、その物品Wが欠品扱いとなる。欠品確定ボタン52を長押しすることでボタン自身が点灯し、手を離すことで消灯する。
【0046】
検品ボタン53は、物品Wが物品搬送部12の搬送面10上に投入された後(物品Wが投入手段31の搬送面34上に載置された後でもよい)に、ピッキング作業者aがピッキングミス(物品Wの取り間違い)に気付いた場合およびピッキングミスの可能性があると思った場合に、そのピッキング作業者aによって押し操作される。
【0047】
そして、検品ボタン53が操作された場合には、制御手段42の検品対象設定部42aが、その検品ボタン53の操作時点よりも前にそのピッキング作業者aによってピッキングされた物品Wを含む搬送中のオーダ単位の物品Wに対応するオーダ情報のうち、予め設定された設定数(例えば、n=6〜12)のオーダ情報に要検品印を付ける。
【0048】
再表示ボタン54は、物品Wが物品搬送部12の搬送面10上に投入される前に、ピッキング作業者aがピッキングミスに気付いた場合およびピッキングミスの可能性があると思った場合に、そのピッキング作業者aによって押し操作される。
【0049】
再表示ボタン54が操作された場合には、搬送手段11が停止するとともに、その操作時点よりも1つの前のピッキング指示(保管側ランプ5の点灯および投入側ランプ36の点灯)が再表示される。なお、再表示中はボタン自身が点灯する。
【0050】
また、操作表示手段51は、第1ゾーン表示ランプ(緑)56、第2ゾーン表示ランプ(白)57、第3ゾーン表示ランプ(緑)58およびピック無し表示ランプ(緑)59を有している。
【0051】
ゾーン表示ランプ56,57,58は、点灯している保管側ランプ5のおおよその位置、つまりゾーンZを複数のブロックに分け、点灯中の保管側ランプ5に対応するブロックをピッキング作業者aに報知するものである。ピッキング作業が終了した場合(休憩停止を含む)、ゾーン表示ランプ56,57,58の全点滅で作業終了を報知する。3灯で構成され、モード2運用の際は[R]・[C]・[L](右・中・左)と対応し、モード1運用の際は[R]・[消灯]・[L]となり、中央の第2ゾーン表示ランプ57は常時消灯する。モード3運用の際は[R]または[L]が2ブロックに対応する。
【0052】
ピック無し表示ランプ59は、次のピッキング指示まで一定オーダ数以上の時間的な空きがあることをピッキング作業者aに2段階で報知するものである。点灯の場合には十分な時間があり、点滅直後にピッキング指示が出力され、ピッキング指示が出力されると消灯する。この「一定オーダ数」は予め制御コンピュータ等でパラメータ設定する。ピッキング作業者aは、この空き時間を利用して破材の整理等を行うことが可能となる。
【0053】
また、ピッキング設備1は、図3に示されるように、搬送手段11のセンタコンベヤである物品搬送部12に異常が発生した際に、ピッキング作業者a、すなわち例えばゾーン1Aを担当するピッキング作業者aによって操作される異常時操作手段であるコンベヤ異常時検品ボタン61を備えている。コンベヤ異常時検品ボタン61は、例えば物品搬送部12の搬送終端部付近に配設されている。
【0054】
そして、コンベヤ異常時検品ボタン61が操作された場合には、制御手段42の検品対象設定部42aが、その検品ボタン61の操作時点において物品搬送部12の搬送面10上に位置する搬送中のオーダ単位の物品Wに対応するオーダ情報に要検品印を付ける。
【0055】
次に、ピッキング設備1の作用等を説明する。
【0056】
まず、複数のピッキング作業者aの中に、例えばピッキング作業に不慣れな者がいる場合、作業を開始する前に、その不慣れなピッキング作業者aがピッキングした物品Wを含むオーダ単位の物品Wに対応するオーダ情報が検品対象と設定されるように、検品ゾーン指定を行う。
【0057】
すなわち例えば図7に示す検品指定画面を制御手段42の表示部に表示し、マウス等を用いて不慣れなピッキング作業者aが担当するゾーンZを選択して登録する。例えばゾーンZ(8A)が登録された場合、制御手段42の検品対象設定部42aは、そのゾーンZ(8A)を担当するピッキング作業者aによってピッキングされる物品Wに対応する物品データを含むオーダ情報に要検品印を付ける。
【0058】
次いで、ピッキング作業について説明する。
【0059】
搬送方向へ移動する物品搬送部12の搬送面10に対して、オーダ当り点数に応じて自動計算されたピッチごとにオーダ情報(オーダ単位エリア)が割り付けられる。なお、各オーダ情報は、図8に示されるもので、オーダナンバ、商品名称、数量、要検品フラグのオン/オフ等を含むものであり、顧客である注文者からの注文内容等に応じて制御手段42の記憶部に記憶される。
【0060】
そして、各ゾーンZでは、割り付けられたオーダ情報の順番にピッキング指示が出力される。つまり、ピッキング作業者aに対して、保管側ランプ5が点灯してピッキング先の物品保管部3を指示し、投入側ランプ36が点灯して物品載置先の投入手段31を指示する。またこのとき、ゾーン表示ランプ56,57,58が点灯中の保管側ランプ5のおおよその棚位置を指示する。
【0061】
ピッキング作業者aは、保管側ランプ5が点灯していることを目視で確認すると、対応する物品保管部3から物品Wを1個だけピッキングし、このピッキングした物品Wを投入側ランプ36が点灯している投入手段31の搬送面34上に載置する。
【0062】
物品Wが投入手段31の搬送面34上に載置されたことを載置検出手段が検出すると、保管側ランプ5および投入側ランプ36が消灯し、その後、次のピッキング指示が出力される。ピッキング作業者aは、ピッキング指示が出力されるたびに、このようなピッキング作業を繰り返す。
【0063】
なお、ピッキングミス防止のために、各ゾーンZの間口の保管側ランプ5および投入手段31の投入側ランプ36は、偶数のゾーンZ(2A,4A,6A,8A,2B,4B,6B,8B)では例えば青色で点灯し、奇数のゾーンZ(1A,3A,5A,7A,1B,3B,5B,7B)では例えば赤色で点灯する。
【0064】
また、投入手段31の搬送面34上に載置された物品Wは、投入手段31上で一時待機した後、対応するオーダ単位エリアが対向位置に到達すると、このオーダ単位エリア上に自動投入される。
【0065】
そして、このようにして自動投入された物品Wは、物品搬送部12の搬送面34のオーダ単位エリア上で、オーダ情報に対応するオーダ単位の物品Wとなり、このオーダ単位の物品Wは、物品振分部14で振り分けられた後、物品搬送部12の搬送終端部から搬出され、コンテナ搬送部13上のコンテナC内に投入収容される。
【0066】
そして、検品対象として設定されているオーダ単位の物品W、つまり要検品印が付いたオーダ情報に関しては、コンテナ搬送部13による搬送途中で、複数の検品エリアの各検品作業者bによる検品作業が行われる。
【0067】
ここで、要検品印が付いて検品対象と設定されたオーダ情報、つまり要検品フラグ(検品指示フラグ)がオン状態のオーダ情報は、不慣れなピッキング作業者aによるもののほか、検品ボタン53の操作によるものと、コンベヤ異常時検品ボタン61の操作によるものとがある。
【0068】
検品ボタン53は、例えば物品Wが物品搬送部12上に投入された後にピッキング作業者aがピッキングミスに気付いた場合等に操作され、この場合にはその操作時点よりも前のn(設定数)のオーダー分前の範囲のオーダ情報に対してのみ要検品フラグがオンされる。nの値は制御手段42で予め設定される。
【0069】
なお、ピッキング作業者aがその場で設定数nを設定変更できるように、設定数nを設定するための設定数設定用操作手段を検品ボタン53の近傍に設けてもよい。
【0070】
コンベヤ異常時検品ボタン61は、例えば物品振分部14で物品Wが詰まって物品搬送部12が異常停止した場合等に操作され、この場合にはその操作時点において物品搬送部12の搬送面10上に位置する範囲のオーダ情報に対してのみ要検品フラグがオンされる。
【0071】
そして、図9のフローチャートに沿って検品作業について説明する。
【0072】
オーダ単位の物品Wが袋Fに入って収容されたコンテナCが検品位置に到着すると(ステップ1)、制御手段42は、対応するオーダ情報の要検品フラグがオンしているか否かを判断する(ステップ2)。
【0073】
要検品フラグがオンの場合には、制御手段42は、ローラコンベヤ43を制御して、コンテナCを検品位置に停止させる(ステップ3)。
【0074】
続いて、制御手段42は、検品用表示手段41を制御して、検品用画面をタッチパネル表示部46に表示させる(ステップ4)。
【0075】
ここで、図6はタッチパネル表示部46に表示される検品用画面の一例である。
【0076】
この検品用画面は、オーダナンバ(オーダ情報の番号)を表示するオーダナンバ表示部71、注文者の名前を表示する顧客表示部72、予定商品一覧(JANコード、商品名称、数量、メッセージ)を表示する一覧表示部73、および商品の種類の数を表示する総点数表示部74を有している。予定商品一覧の各行は、タッチ操作可能なボタン部75となっており、検品作業をしてオーダ情報の物品データと一致する場合にはタッチ操作されて未検知のものと表示状態が異なる。
【0077】
また、この検品用画面は、検品作業が終了した際に操作される検品終了ボタン76、画面を前頁にするための前頁ボタン77、および画面を次頁にするための次頁ボタン78を有している。
【0078】
そして、検品作業者bは、検品用表示手段41のタッチパネル表示部46に表示された検品用画面を見ながら、検品作業を実施する(ステップ5)。つまり、検品位置に停止したコンテナC内のオーダ単位の物品Wと、対応するオーダ情報の物品データとが一致するか否かを検品し、ピッキングミスがあるかどうかを確認する(ステップ6)。
【0079】
ピッキングミスがあった場合には、検品作業者bは、実商品である物品Wを物品データに一致させる(ステップ7)。
【0080】
つまり、余分な物品Wが入っている場合にはその余分な物品WをコンテナC内から取り出し、また物品Wが不足する場合にはその足りない物品WをコンテナC内に投入する。
【0081】
なお、例えば検品異常ボタンを設けてデータ上でオーダ情報に検品NG印を付けたり、或いはピッキングミスの内容を記載した紙の帳票をコンテナC内に入れたりして、下流工程で処理するようにしてもよい。
【0082】
ステップ6でピッキングミスがなかった場合およびステップ7で実商品を物品データに一致させた場合には、検品作業者bは、検品用画面上の検品終了ボタン76を押し操作する(ステップ8)。
【0083】
検品終了ボタン76が押し操作されると、ローラコンベヤ43が作動し、コンテナCが検品位置から発進する(ステップ9)。
【0084】
その後、コンテナC内のオーダ単位の物品Wは、コンテナ搬送部13の搬送方向下流で、コンテナCから出荷容器(図示せず)に入れ替えられて出荷処理される(ステップ10)。
【0085】
そして、このようなピッキング設備1によれば、検品エリアに配置された検品用表示手段41は、制御手段42による制御に基づき、要検品印が付いたオーダ情報に関してのみ、自動的に作動して検品用画面を表示するため、検品作業者bは、各オーダ情報のすべてに対して検品作業をする必要がなく、要検品印が付いたオーダ情報に対してのみ検品作業をすればよく、検品作業の作業効率の向上を図ることができ、よって、設備全体の作業性を向上できる。
【0086】
また、例えば物品Wが物品搬送部12上に投入された後にピッキング作業者aがピッキングミスに気付いた場合等であっても、各オーダ情報のすべてに対して検品作業をする必要がなく、検品対象のオーダ範囲を特定できるので、検品作業者bの負担も軽減でき、検品作業の作業効率の向上を図ることができる。
【0087】
さらに、例えば不慣れでピッキングミスする可能性が高い特定のピッキング作業者aがいる場合等であっても、各オーダ情報のすべてに対して検品作業をする必要がなく、検品対象のオーダ範囲を特定できるので、検品作業の作業効率の向上を図ることができる。
【0088】
また、例えば搬送手段11の物品搬送部12に何らかの異常が発生した場合等であっても、各オーダ情報のすべてに対して検品作業をする必要がなく、検品対象のオーダ範囲を特定できるので、検品作業の作業効率の向上を図ることができる。
【0089】
さらに、センタコンベヤである物品搬送部12を停止させることなく、検品作業をすることが可能であるため、ピッキング作業の作業効率の低下を防止でき、設備全体の作業性を向上できる。
【0090】
なお、例えば図10に示すように、コンテナCの順番が前後しても下流工程で支障がない場合等には、搬送手段11のコンテナ搬送部13が検品対象設定部42aにて検品対象と設定されたオーダ情報に対応するオーダ単位の物品Wのみを搬送する検品用分岐搬送部81を有する構成でもよい。
【0091】
つまり、この図10に示す搬送手段11のコンテナ搬送部13は、要検品印が付いていないオーダ情報に対応するオーダ単位の物品Wを収容したコンテナC、すなわち検品不要なコンテナCを停止させることなく搬送する主搬送部82と、この主搬送部82の途中位置に搬送始端部および搬送終端部が連結され検品必要なコンテナCのみを搬送する平面視コ字状の検品用分岐搬送部81とを有している。そして、検品用分岐搬送部81上の検品位置で検品必要なコンテナCが自動停止し、続いて、検品用表示手段41のタッチパネル表示部46が検品用画面を表示し、検品作業者bがその検品用画面を見ながら検品作業をする。
【0092】
そして、この図10の構成とすれば、検品対象と設定されていない検品不要なオーダ単位の物品Wを停止させることなく、搬送方向下流の出荷処理工程に搬送できるため、設備全体の作業性を向上できる。
【0093】
また、ピッキング設備1は、物品Wを自動投入する投入手段31を備えた構成には限定されず、例えばピッキング作業者aがピッキングした物品Wを搬送手段11で搬送される集品箱(コンテナC)に直接投入する構成や、ピッキング作業者aがハンディターミナルを携帯してその表示部をみながらピッキングした物品Wを集品箱に直接投入する構成等であってもよい。
【0094】
さらに、例えば異常時操作手段であるコンベヤ異常時検品ボタン61が、各ピッキング作業者aごとにそれぞれ設けられた構成でもよい。
【0095】
また、例えば検品対象設定解除用操作手段を設けて、検品対象の設定後にその設定を解除できるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0096】
1 ピッキング設備
2 保管手段
3 物品保管部
11 搬送手段
12 物品搬送部
41 検品用表示手段
42 制御手段
42a 検品対象設定部
53 検品対象設定用操作手段である検品ボタン
61 異常時操作手段であるコンベヤ異常時検品ボタン
81 検品用分岐搬送部
a ピッキング作業者
b 検品作業者
W 物品
【技術分野】
【0001】
本発明は、検品作業の作業効率の向上を図ることができるピッキング設備に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載されたピッキング設備が知られている。
【0003】
この従来のピッキング設備は、複数の物品保管部を有する保管手段と、ピッキング作業者によって各オーダ情報に基づいて物品保管部からピッキングされた物品をオーダ単位で搬送する搬送手段と、この搬送手段の側部に取り付けられピッキングされた物品を一時的に待機させた後に搬送手段上の所定位置に投入する複数の投入手段とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−184314号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そして、このようなピッキング設備において、例えば投入手段による物品の投入後にピッキング作業者がピッキングミスに気付いた場合や、不慣れなピッキング作業者がいる場合等に、各オーダ情報のすべてに対して検品作業をしたのでは作業効率が悪い。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、検品作業の作業効率の向上を図ることができるピッキング設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載のピッキング設備は、複数の物品保管部を有する保管手段と、ピッキング作業者によって各オーダ情報に基づいて前記物品保管部からピッキングされた物品をオーダ単位で搬送する搬送手段と、この搬送手段にて搬送されるオーダ単位の物品が対応するオーダ情報の物品データと一致するか否かを検品作業者が検品するための検品用表示手段と、検品対象設定部を有し、前記検品用表示手段を制御する制御手段とを備え、前記検品用表示手段は、前記制御手段による制御に基づき、前記検品対象設定部にて検品対象と設定されたオーダ情報に関してのみ、検品用画面を表示するものである。
【0008】
請求項2記載のピッキング設備は、請求項1記載のピッキング設備において、各ピッキング作業者ごとに設けられた検品対象設定用操作手段を備え、制御手段の検品対象設定部は、ピッキング作業者によって前記検品対象設定用操作手段が操作された場合には、その操作時点よりも前にそのピッキング作業者によってピッキングされた物品を含むオーダ単位の物品に対応するオーダ情報のうち、予め設定された設定数のオーダ情報を検品対象と設定するものである。
【0009】
請求項3記載のピッキング設備は、請求項1または2記載のピッキング設備において、制御手段の検品対象設定部は、特定のピッキング作業者によってピッキングされる物品に対応する物品データを含むオーダ情報を検品対象と設定するものである。
【0010】
請求項4記載のピッキング設備は、請求項1ないし3のいずれか一記載のピッキング設備において、搬送手段は、オーダ単位の物品を上面に載せて搬送する物品搬送部を有し、前記物品搬送部に異常が発生した際に操作される異常時操作手段を備え、制御手段の検品対象設定部は、前記異常時操作手段が操作された場合には、その操作時点において前記物品搬送部上に位置するオーダ単位の物品に対応するオーダ情報を検品対象と設定するものである。
【0011】
請求項5記載のピッキング設備は、請求項1ないし4のいずれか一記載のピッキング設備において、搬送手段は、検品対象設定部にて検品対象と設定されたオーダ情報に対応するオーダ単位の物品のみを搬送する検品用分岐搬送部を有するものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明によれば、検品用表示手段は制御手段による制御に基づき検品対象設定部にて検品対象と設定されたオーダ情報に関してのみ検品用画面を表示するため、検品作業者は検品対象と設定されたオーダ情報に対して検品作業をすればよく、検品作業の作業効率の向上を図ることができる。
【0013】
請求項2に係る発明によれば、例えばピッキング作業者がピッキングミスに気付いた場合等であっても、各オーダ情報のすべてに対して検品作業をする必要がなく、検品作業の作業効率の向上を図ることができる。
【0014】
請求項3に係る発明によれば、例えば不慣れなピッキング作業者がいる場合等であっても、各オーダ情報のすべてに対して検品作業をする必要がなく、検品作業の作業効率の向上を図ることができる。
【0015】
請求項4に係る発明によれば、例えば搬送手段の物品搬送部に何らかの異常が発生した場合等であっても、各オーダ情報のすべてに対して検品作業をする必要がなく、検品作業の作業効率の向上を図ることができる。
【0016】
請求項5に係る発明によれば、搬送手段は検品対象設定部にて検品対象と設定されたオーダ情報に対応するオーダ単位の物品のみを搬送する検品用分岐搬送部を有するため、検品不要なオーダ単位の物品を停止させることなく搬送方向下流に搬送できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施の形態に係るピッキング設備の概略平面図である。
【図2】同上ピッキング設備のピッキング部の正面図である。
【図3】同上ピッキング設備のピッキング部の平面図である。
【図4】ピッキング作業者が操作する操作ユニットの平面図である。
【図5】検品作業者が操作する検品用表示手段の斜視図である。
【図6】同上検品用表示手段のタッチパネル表示部に表示される検品用画面の一例である。
【図7】検品指定画面の一例である。
【図8】同上ピッキング設備の制御手段が記憶する各オーダ情報を示す図である。
【図9】同上ピッキング設備の作用説明のためのフローチャートである。
【図10】本発明の他の実施の形態に係るピッキング設備の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0019】
図1ないし図3において、1は集品システムであるピッキング設備で、このピッキング設備1は、所定方向に長手状で互いに平行に配設され所定距離を介して互いに離間対向する対をなす2つの保管棚等の保管手段2を備えている。
【0020】
保管手段2は、ピッキング作業者(ピッカー)aによって注文者ごとの各オーダ情報に基づいてピッキングつまり取り出される物品WをケースKに入れた状態で一時的に保管する縦横に並ぶ複数の物品保管部3を有している。なお、物品Wは、例えば低温管理が必要な冷凍食品等の商品である。ケースKは、例えば複数の物品Wを入れられたダンボール箱等である。
【0021】
各物品保管部3は、ピッキング作業者a側に向かって下り傾斜する傾斜状のフリーローラコンベヤ4と、このフリーローラコンベヤ4の搬送終端部に設けられ先頭のケースKとの当接により保管中のケースKの自重移動を規制するストッパ(図示せず)とを有している。
【0022】
そして、物品Wが物品保管部3の前面開口(間口)からピッキングされて先頭のケースKが空になった場合には、ピッキング作業者aは空のケースKをフリーローラコンベヤ4上から取り出す。すると、後続のケースKは、フリーローラコンベヤ4上を搬送終端側に向って自重移動する。新たなケースKの補充は必要に応じて自動補充手段(図示せず)によって自動的に行われ、物品Wを収納した新たなケースKが物品保管部3の後面開口から供給される。
【0023】
なお、予め設定された複数の物品保管部3、すなわち例えば6列4段で合計24の物品保管部3である物品保管部群にて、1人のピッキング作業者aがピッキング作業を担当するピッキングゾーンであるゾーンZ(1A〜8A,1B〜8B)が構成されている。これら複数のゾーンZは保管手段2の長手方向に沿って互いに隣接して並び、これら各ゾーンZごとにピッキング作業者aがそれぞれ1人ずつ配置されている。つまり、図1に示されるように、ゾーン1A〜8Aを構成する一方の保管手段(Aライン)2の長手方向に沿って複数、例えば8人のピッキング作業者aが間隔をおいて並び、ゾーン1B〜8Bを構成する他方の保管手段(Bライン)2の長手方向に沿って複数、例えば8人のピッキング作業者aが間隔をおいて並んでいる。
【0024】
また、保管手段2は、図2に示されるように、各物品保管部3ごとにそれぞれ設けられた保管側指示手段である保管側ランプ5を有している。保管側ランプ5は、対応する物品保管部3のフリーローラコンベヤ4の搬送終端部に設けられている。保管側ランプ5は、点灯することによりピッキング作業者aが次にピッキングすべき物品Wを保管している物品保管部3をピッキング作業者aに対して指示する発光ダイオード等の光源である。つまり、保管側ランプ5は、ピッキング作業者aに対してピッキング先の物品保管部3を指示するものである。
【0025】
なお、図示しないが、物品保管部3から物品Wがピッキングされたことを検出するピッキング検出手段が各物品保管部3ごとにそれぞれ設けられている。また、必要に応じて物品保管部3からピッキングすべき物品Wの数量を示す数量表示器を保管側5の近傍に設けるようにしてもよい。
【0026】
また、ピッキング設備1は、図1ないし図3等に示されるように、ピッキング作業者aによって各オーダ情報に基づいて物品保管部3からピッキングされた物品Wをオーダ情報に対応するオーダ単位で搬送する搬送手段11を備えている。
【0027】
搬送手段11は、オーダ単位の物品(1オーダ情報分の物品)Wを上面の搬送面10に直接載せて搬送方向に搬送する1つの物品搬送部(集品コンベヤ)12と、この物品搬送部12の搬送終端部から搬出されたオーダ単位の物品WをコンテナCに収容した状態で搬送する2つのコンテナ搬送部(コンテナ搬送コンベヤ)13と、物品搬送部12の搬送終端部に設けられオーダ単位の物品Wを2つのコンテナ搬送部13のいずれかに振り分ける物品振分部14とを有している。
【0028】
なお、コンテナ搬送部13の搬送方向上流でコンテナCには袋Fが掛けられるため、オーダ単位の物品Wは物品振分部14に振り分けられて袋F内に投入される。この袋F内に投入されたオーダ単位の物品Wは、コンテナ搬送部13の搬送方向下流で、コンテナCから出荷容器(図示せず)に入れ替えられて出荷処理される。
【0029】
ここで、物品搬送部12は、互いに離間対向する両保管手段2間にこれら保管手段2と平行状に配設されている。物品搬送部12と一方の保管手段(Aライン)2との間にはピッキング作業者aのための作業スペース16があり、物品搬送部12と他方の保管手段(Bライン)2との間にはピッキング作業者aのための作業スペース17がある。
【0030】
物品搬送部12は、例えばオーダ単位の物品Wを略V字状の搬送面10上に直接載せた状態で、水平な搬送方向(図3中、左方向)に搬送しながら幅方向中央側へセンターリングするものである。つまり、物品搬送部12は左右1対の傾斜駆動コンベヤ28にて構成され、各傾斜駆動コンベヤ28は物品Wを搬送する無端状の搬送ベルト29を有し、この搬送ベルト29の上側の往路面部の上面にて搬送面10が構成されている。搬送ベルト29は、コンベヤフレーム30にて支持された複数のローラ27に回行可能に掛け渡され、モータ等の駆動源(図示せず)からの動力で回行して物品Wを搬送する。
【0031】
なお、図3に示されるように、物品搬送部12の搬送面10は、所望の大きさのピッチごとに各オーダ情報が割り付けられることにより、各オーダ情報に対応する各オーダ単位ごとに区画設定されている。つまり、搬送面10は搬送方向に並ぶ複数のオーダ単位エリアにて構成され、各オーダ単位エリアごとにそれぞれオーダ単位の物品Wが投入される。
【0032】
さらに、ピッキング設備1は、図1ないし図3等に示されるように、物品保管部3からピッキングされた物品Wが載置されこの載置された物品Wを一時的に待機させた後に物品搬送部12の搬送面10のうち対応するオーダ単位エリア上に搬送投入する複数の投入コンベヤ等の投入手段31を備えている。
【0033】
投入手段31は、物品搬送部12の幅方向両端部の上方に配設されている。つまり、各ゾーンZごとにつまり各ピッキング作業者aごとに、複数、例えば6つの投入手段31が1組となってそれぞれ配設されている。
【0034】
各投入手段31は、例えばランプ内蔵駆動コンベヤ(マルチトレー)32にて構成されている。ランプ内蔵駆動コンベヤ32は、物品Wが直接載置されこの載置された物品Wを待機させた後に搬送投入する水平な搬送面(載置面)34を上面に有する装置本体35と、この装置本体35の搬送面34の一部から光を上方側へ放射させることによりピッキング作業者aに対してピッキングした物品Wを1個載置すべき投入手段31を指示する光源である投入側ランプ36とを有している。各投入側ランプ36は、ピッキング作業者aに対して物品載置先の投入手段31を指示するものである。
【0035】
装置本体35は、物品Wを搬送投入(搬送案内)する無端状の透光性搬送体37を有し、この透光性搬送体37はコンベヤフレーム38にて支持された複数のローラ39に回行可能に掛け渡され、モータ等の駆動源(図示せず)からの動力で回行して物品Wを物品搬送部12の搬送方向に対して直交する方向へ搬送する。
【0036】
透光性搬送体37は、例えば多数の孔を有する網目状部材からなるもので、この透光性搬送体37の上側の往路面部の上面が搬送面34となっている。つまり、投入側ランプ36の点灯時には透光性搬送体37の搬送面34に形成された孔(搬送面の一部)から光が放射され、この光によって搬送面34上に物品載置位置が指示される。
【0037】
投入側ランプ36は、透光性搬送体37の内部、つまり透光性搬送体37の上側の往路面部とこの往路面部と離間対向する下側の復路面部との間に収納配設されている。投入側ランプ36は、例えば発光ダイオード等で、透光性搬送体37の搬送面34の一部を光らせることにより作業者Xに対して搬送面34上の物品載置位置を指示する。
【0038】
なお、物品Wが搬送面34上に載置されたことを検出する載置検出手段(図示せず)が各投入側ランプ36ごとにそれぞれ設けられている。各載置検出手段は、例えば投入側ランプ36に取り付けられ投入側ランプ36の動作時に投入側ランプ36に連動して投入側ランプ36からの光の反射率に基づいて物品Wの載置を検出するセンサ等である。
【0039】
また、ピッキング設備1は、図1および図5に示されるように、搬送手段11の各コンテナ搬送部13による搬送途中で搬送手段11のコンテナ搬送部13にて搬送されるコンテナC内のオーダ単位の物品Wが対応するオーダ情報の物品データと一致するか否かを検品作業者bが検品するための検品用表示手段41と、検品対象設定部42aを有し検品用表示手段41を制御する制御手段42とを備えている。
【0040】
検品用表示手段41は、図5に示すように、コンテナ搬送部13の一部を構成するローラコンベヤ43上の検品位置の近傍に立設された支持脚44と、この支持脚の上端部に取り付けられタッチパネル表示部46を有する表示装置45とを有している。ローラコンベヤ43上の検品位置よりも上流には、コンテナCのコンテナID等のコンテナ情報を読み取る読取手段50が配設されている。
【0041】
そして、検品用表示手段41のタッチパネル表示部46は、検品必要なオーダ単位の物品Wが検品位置に停止した際に、制御手段42による制御に基づき、検品対象設定部42aにて検品対象と設定されてデータ上の要検品印(要検品データ)が付いたオーダ情報に関してのみ、検品作業者bが検品するための検品用画面を表示する(図6参照)。なお、検品作業者bは、例えば各コンテナ搬送部13ごとにそれぞれ1人ずつ配置されている。
【0042】
制御手段42は、オーダ情報に要検品印を付けることによりそのオーダ情報を検品対象と設定する検品対象設定部42aの機能を有している。つまり、この検品対象設定部42aは、後述する検品ボタン53,61等の操作に基づいて要検品フラグのオン/オフを登録する。
【0043】
また、ピッキング設備1は、図3および図4に示されるように、各ゾーンZごとにつまり各ピッキング作業者aごとにそれぞれ設けられ対応するピッキング作業者aによって操作されるゾーン表示器等の操作表示手段51を備えている。操作表示手段51は各組の投入手段31ごとに1つずつ設けられ、1つの操作表示手段51の左右両側方に投入手段31が複数、例えば3つずつ配設されている。
【0044】
操作表示手段51は、欠品確定用操作手段である欠品確定ボタン(赤)52、検品対象設定用操作手段である検品ボタン(青)53および再表示用操作手段である再表示ボタン(黄)54を有している。
【0045】
欠品確定ボタン52は、ピッキングすべき物品Wがない場合に長押し操作され、その物品Wが欠品扱いとなる。欠品確定ボタン52を長押しすることでボタン自身が点灯し、手を離すことで消灯する。
【0046】
検品ボタン53は、物品Wが物品搬送部12の搬送面10上に投入された後(物品Wが投入手段31の搬送面34上に載置された後でもよい)に、ピッキング作業者aがピッキングミス(物品Wの取り間違い)に気付いた場合およびピッキングミスの可能性があると思った場合に、そのピッキング作業者aによって押し操作される。
【0047】
そして、検品ボタン53が操作された場合には、制御手段42の検品対象設定部42aが、その検品ボタン53の操作時点よりも前にそのピッキング作業者aによってピッキングされた物品Wを含む搬送中のオーダ単位の物品Wに対応するオーダ情報のうち、予め設定された設定数(例えば、n=6〜12)のオーダ情報に要検品印を付ける。
【0048】
再表示ボタン54は、物品Wが物品搬送部12の搬送面10上に投入される前に、ピッキング作業者aがピッキングミスに気付いた場合およびピッキングミスの可能性があると思った場合に、そのピッキング作業者aによって押し操作される。
【0049】
再表示ボタン54が操作された場合には、搬送手段11が停止するとともに、その操作時点よりも1つの前のピッキング指示(保管側ランプ5の点灯および投入側ランプ36の点灯)が再表示される。なお、再表示中はボタン自身が点灯する。
【0050】
また、操作表示手段51は、第1ゾーン表示ランプ(緑)56、第2ゾーン表示ランプ(白)57、第3ゾーン表示ランプ(緑)58およびピック無し表示ランプ(緑)59を有している。
【0051】
ゾーン表示ランプ56,57,58は、点灯している保管側ランプ5のおおよその位置、つまりゾーンZを複数のブロックに分け、点灯中の保管側ランプ5に対応するブロックをピッキング作業者aに報知するものである。ピッキング作業が終了した場合(休憩停止を含む)、ゾーン表示ランプ56,57,58の全点滅で作業終了を報知する。3灯で構成され、モード2運用の際は[R]・[C]・[L](右・中・左)と対応し、モード1運用の際は[R]・[消灯]・[L]となり、中央の第2ゾーン表示ランプ57は常時消灯する。モード3運用の際は[R]または[L]が2ブロックに対応する。
【0052】
ピック無し表示ランプ59は、次のピッキング指示まで一定オーダ数以上の時間的な空きがあることをピッキング作業者aに2段階で報知するものである。点灯の場合には十分な時間があり、点滅直後にピッキング指示が出力され、ピッキング指示が出力されると消灯する。この「一定オーダ数」は予め制御コンピュータ等でパラメータ設定する。ピッキング作業者aは、この空き時間を利用して破材の整理等を行うことが可能となる。
【0053】
また、ピッキング設備1は、図3に示されるように、搬送手段11のセンタコンベヤである物品搬送部12に異常が発生した際に、ピッキング作業者a、すなわち例えばゾーン1Aを担当するピッキング作業者aによって操作される異常時操作手段であるコンベヤ異常時検品ボタン61を備えている。コンベヤ異常時検品ボタン61は、例えば物品搬送部12の搬送終端部付近に配設されている。
【0054】
そして、コンベヤ異常時検品ボタン61が操作された場合には、制御手段42の検品対象設定部42aが、その検品ボタン61の操作時点において物品搬送部12の搬送面10上に位置する搬送中のオーダ単位の物品Wに対応するオーダ情報に要検品印を付ける。
【0055】
次に、ピッキング設備1の作用等を説明する。
【0056】
まず、複数のピッキング作業者aの中に、例えばピッキング作業に不慣れな者がいる場合、作業を開始する前に、その不慣れなピッキング作業者aがピッキングした物品Wを含むオーダ単位の物品Wに対応するオーダ情報が検品対象と設定されるように、検品ゾーン指定を行う。
【0057】
すなわち例えば図7に示す検品指定画面を制御手段42の表示部に表示し、マウス等を用いて不慣れなピッキング作業者aが担当するゾーンZを選択して登録する。例えばゾーンZ(8A)が登録された場合、制御手段42の検品対象設定部42aは、そのゾーンZ(8A)を担当するピッキング作業者aによってピッキングされる物品Wに対応する物品データを含むオーダ情報に要検品印を付ける。
【0058】
次いで、ピッキング作業について説明する。
【0059】
搬送方向へ移動する物品搬送部12の搬送面10に対して、オーダ当り点数に応じて自動計算されたピッチごとにオーダ情報(オーダ単位エリア)が割り付けられる。なお、各オーダ情報は、図8に示されるもので、オーダナンバ、商品名称、数量、要検品フラグのオン/オフ等を含むものであり、顧客である注文者からの注文内容等に応じて制御手段42の記憶部に記憶される。
【0060】
そして、各ゾーンZでは、割り付けられたオーダ情報の順番にピッキング指示が出力される。つまり、ピッキング作業者aに対して、保管側ランプ5が点灯してピッキング先の物品保管部3を指示し、投入側ランプ36が点灯して物品載置先の投入手段31を指示する。またこのとき、ゾーン表示ランプ56,57,58が点灯中の保管側ランプ5のおおよその棚位置を指示する。
【0061】
ピッキング作業者aは、保管側ランプ5が点灯していることを目視で確認すると、対応する物品保管部3から物品Wを1個だけピッキングし、このピッキングした物品Wを投入側ランプ36が点灯している投入手段31の搬送面34上に載置する。
【0062】
物品Wが投入手段31の搬送面34上に載置されたことを載置検出手段が検出すると、保管側ランプ5および投入側ランプ36が消灯し、その後、次のピッキング指示が出力される。ピッキング作業者aは、ピッキング指示が出力されるたびに、このようなピッキング作業を繰り返す。
【0063】
なお、ピッキングミス防止のために、各ゾーンZの間口の保管側ランプ5および投入手段31の投入側ランプ36は、偶数のゾーンZ(2A,4A,6A,8A,2B,4B,6B,8B)では例えば青色で点灯し、奇数のゾーンZ(1A,3A,5A,7A,1B,3B,5B,7B)では例えば赤色で点灯する。
【0064】
また、投入手段31の搬送面34上に載置された物品Wは、投入手段31上で一時待機した後、対応するオーダ単位エリアが対向位置に到達すると、このオーダ単位エリア上に自動投入される。
【0065】
そして、このようにして自動投入された物品Wは、物品搬送部12の搬送面34のオーダ単位エリア上で、オーダ情報に対応するオーダ単位の物品Wとなり、このオーダ単位の物品Wは、物品振分部14で振り分けられた後、物品搬送部12の搬送終端部から搬出され、コンテナ搬送部13上のコンテナC内に投入収容される。
【0066】
そして、検品対象として設定されているオーダ単位の物品W、つまり要検品印が付いたオーダ情報に関しては、コンテナ搬送部13による搬送途中で、複数の検品エリアの各検品作業者bによる検品作業が行われる。
【0067】
ここで、要検品印が付いて検品対象と設定されたオーダ情報、つまり要検品フラグ(検品指示フラグ)がオン状態のオーダ情報は、不慣れなピッキング作業者aによるもののほか、検品ボタン53の操作によるものと、コンベヤ異常時検品ボタン61の操作によるものとがある。
【0068】
検品ボタン53は、例えば物品Wが物品搬送部12上に投入された後にピッキング作業者aがピッキングミスに気付いた場合等に操作され、この場合にはその操作時点よりも前のn(設定数)のオーダー分前の範囲のオーダ情報に対してのみ要検品フラグがオンされる。nの値は制御手段42で予め設定される。
【0069】
なお、ピッキング作業者aがその場で設定数nを設定変更できるように、設定数nを設定するための設定数設定用操作手段を検品ボタン53の近傍に設けてもよい。
【0070】
コンベヤ異常時検品ボタン61は、例えば物品振分部14で物品Wが詰まって物品搬送部12が異常停止した場合等に操作され、この場合にはその操作時点において物品搬送部12の搬送面10上に位置する範囲のオーダ情報に対してのみ要検品フラグがオンされる。
【0071】
そして、図9のフローチャートに沿って検品作業について説明する。
【0072】
オーダ単位の物品Wが袋Fに入って収容されたコンテナCが検品位置に到着すると(ステップ1)、制御手段42は、対応するオーダ情報の要検品フラグがオンしているか否かを判断する(ステップ2)。
【0073】
要検品フラグがオンの場合には、制御手段42は、ローラコンベヤ43を制御して、コンテナCを検品位置に停止させる(ステップ3)。
【0074】
続いて、制御手段42は、検品用表示手段41を制御して、検品用画面をタッチパネル表示部46に表示させる(ステップ4)。
【0075】
ここで、図6はタッチパネル表示部46に表示される検品用画面の一例である。
【0076】
この検品用画面は、オーダナンバ(オーダ情報の番号)を表示するオーダナンバ表示部71、注文者の名前を表示する顧客表示部72、予定商品一覧(JANコード、商品名称、数量、メッセージ)を表示する一覧表示部73、および商品の種類の数を表示する総点数表示部74を有している。予定商品一覧の各行は、タッチ操作可能なボタン部75となっており、検品作業をしてオーダ情報の物品データと一致する場合にはタッチ操作されて未検知のものと表示状態が異なる。
【0077】
また、この検品用画面は、検品作業が終了した際に操作される検品終了ボタン76、画面を前頁にするための前頁ボタン77、および画面を次頁にするための次頁ボタン78を有している。
【0078】
そして、検品作業者bは、検品用表示手段41のタッチパネル表示部46に表示された検品用画面を見ながら、検品作業を実施する(ステップ5)。つまり、検品位置に停止したコンテナC内のオーダ単位の物品Wと、対応するオーダ情報の物品データとが一致するか否かを検品し、ピッキングミスがあるかどうかを確認する(ステップ6)。
【0079】
ピッキングミスがあった場合には、検品作業者bは、実商品である物品Wを物品データに一致させる(ステップ7)。
【0080】
つまり、余分な物品Wが入っている場合にはその余分な物品WをコンテナC内から取り出し、また物品Wが不足する場合にはその足りない物品WをコンテナC内に投入する。
【0081】
なお、例えば検品異常ボタンを設けてデータ上でオーダ情報に検品NG印を付けたり、或いはピッキングミスの内容を記載した紙の帳票をコンテナC内に入れたりして、下流工程で処理するようにしてもよい。
【0082】
ステップ6でピッキングミスがなかった場合およびステップ7で実商品を物品データに一致させた場合には、検品作業者bは、検品用画面上の検品終了ボタン76を押し操作する(ステップ8)。
【0083】
検品終了ボタン76が押し操作されると、ローラコンベヤ43が作動し、コンテナCが検品位置から発進する(ステップ9)。
【0084】
その後、コンテナC内のオーダ単位の物品Wは、コンテナ搬送部13の搬送方向下流で、コンテナCから出荷容器(図示せず)に入れ替えられて出荷処理される(ステップ10)。
【0085】
そして、このようなピッキング設備1によれば、検品エリアに配置された検品用表示手段41は、制御手段42による制御に基づき、要検品印が付いたオーダ情報に関してのみ、自動的に作動して検品用画面を表示するため、検品作業者bは、各オーダ情報のすべてに対して検品作業をする必要がなく、要検品印が付いたオーダ情報に対してのみ検品作業をすればよく、検品作業の作業効率の向上を図ることができ、よって、設備全体の作業性を向上できる。
【0086】
また、例えば物品Wが物品搬送部12上に投入された後にピッキング作業者aがピッキングミスに気付いた場合等であっても、各オーダ情報のすべてに対して検品作業をする必要がなく、検品対象のオーダ範囲を特定できるので、検品作業者bの負担も軽減でき、検品作業の作業効率の向上を図ることができる。
【0087】
さらに、例えば不慣れでピッキングミスする可能性が高い特定のピッキング作業者aがいる場合等であっても、各オーダ情報のすべてに対して検品作業をする必要がなく、検品対象のオーダ範囲を特定できるので、検品作業の作業効率の向上を図ることができる。
【0088】
また、例えば搬送手段11の物品搬送部12に何らかの異常が発生した場合等であっても、各オーダ情報のすべてに対して検品作業をする必要がなく、検品対象のオーダ範囲を特定できるので、検品作業の作業効率の向上を図ることができる。
【0089】
さらに、センタコンベヤである物品搬送部12を停止させることなく、検品作業をすることが可能であるため、ピッキング作業の作業効率の低下を防止でき、設備全体の作業性を向上できる。
【0090】
なお、例えば図10に示すように、コンテナCの順番が前後しても下流工程で支障がない場合等には、搬送手段11のコンテナ搬送部13が検品対象設定部42aにて検品対象と設定されたオーダ情報に対応するオーダ単位の物品Wのみを搬送する検品用分岐搬送部81を有する構成でもよい。
【0091】
つまり、この図10に示す搬送手段11のコンテナ搬送部13は、要検品印が付いていないオーダ情報に対応するオーダ単位の物品Wを収容したコンテナC、すなわち検品不要なコンテナCを停止させることなく搬送する主搬送部82と、この主搬送部82の途中位置に搬送始端部および搬送終端部が連結され検品必要なコンテナCのみを搬送する平面視コ字状の検品用分岐搬送部81とを有している。そして、検品用分岐搬送部81上の検品位置で検品必要なコンテナCが自動停止し、続いて、検品用表示手段41のタッチパネル表示部46が検品用画面を表示し、検品作業者bがその検品用画面を見ながら検品作業をする。
【0092】
そして、この図10の構成とすれば、検品対象と設定されていない検品不要なオーダ単位の物品Wを停止させることなく、搬送方向下流の出荷処理工程に搬送できるため、設備全体の作業性を向上できる。
【0093】
また、ピッキング設備1は、物品Wを自動投入する投入手段31を備えた構成には限定されず、例えばピッキング作業者aがピッキングした物品Wを搬送手段11で搬送される集品箱(コンテナC)に直接投入する構成や、ピッキング作業者aがハンディターミナルを携帯してその表示部をみながらピッキングした物品Wを集品箱に直接投入する構成等であってもよい。
【0094】
さらに、例えば異常時操作手段であるコンベヤ異常時検品ボタン61が、各ピッキング作業者aごとにそれぞれ設けられた構成でもよい。
【0095】
また、例えば検品対象設定解除用操作手段を設けて、検品対象の設定後にその設定を解除できるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0096】
1 ピッキング設備
2 保管手段
3 物品保管部
11 搬送手段
12 物品搬送部
41 検品用表示手段
42 制御手段
42a 検品対象設定部
53 検品対象設定用操作手段である検品ボタン
61 異常時操作手段であるコンベヤ異常時検品ボタン
81 検品用分岐搬送部
a ピッキング作業者
b 検品作業者
W 物品
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物品保管部を有する保管手段と、
ピッキング作業者によって各オーダ情報に基づいて前記物品保管部からピッキングされた物品をオーダ単位で搬送する搬送手段と、
この搬送手段にて搬送されるオーダ単位の物品が対応するオーダ情報の物品データと一致するか否かを検品作業者が検品するための検品用表示手段と、
検品対象設定部を有し、前記検品用表示手段を制御する制御手段とを備え、
前記検品用表示手段は、前記制御手段による制御に基づき、前記検品対象設定部にて検品対象と設定されたオーダ情報に関してのみ、検品用画面を表示する
ことを特徴とするピッキング設備。
【請求項2】
各ピッキング作業者ごとに設けられた検品対象設定用操作手段を備え、
制御手段の検品対象設定部は、ピッキング作業者によって前記検品対象設定用操作手段が操作された場合には、その操作時点よりも前にそのピッキング作業者によってピッキングされた物品を含むオーダ単位の物品に対応するオーダ情報のうち、予め設定された設定数のオーダ情報を検品対象と設定する
ことを特徴とする請求項1記載のピッキング設備。
【請求項3】
制御手段の検品対象設定部は、特定のピッキング作業者によってピッキングされる物品に対応する物品データを含むオーダ情報を検品対象と設定する
ことを特徴とする請求項1または2記載のピッキング設備。
【請求項4】
搬送手段は、オーダ単位の物品を上面に載せて搬送する物品搬送部を有し、
前記物品搬送部に異常が発生した際に操作される異常時操作手段を備え、
制御手段の検品対象設定部は、前記異常時操作手段が操作された場合には、その操作時点において前記物品搬送部上に位置するオーダ単位の物品に対応するオーダ情報を検品対象と設定する
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載のピッキング設備。
【請求項5】
搬送手段は、検品対象設定部にて検品対象と設定されたオーダ情報に対応するオーダ単位の物品のみを搬送する検品用分岐搬送部を有する
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一記載のピッキング設備。
【請求項1】
複数の物品保管部を有する保管手段と、
ピッキング作業者によって各オーダ情報に基づいて前記物品保管部からピッキングされた物品をオーダ単位で搬送する搬送手段と、
この搬送手段にて搬送されるオーダ単位の物品が対応するオーダ情報の物品データと一致するか否かを検品作業者が検品するための検品用表示手段と、
検品対象設定部を有し、前記検品用表示手段を制御する制御手段とを備え、
前記検品用表示手段は、前記制御手段による制御に基づき、前記検品対象設定部にて検品対象と設定されたオーダ情報に関してのみ、検品用画面を表示する
ことを特徴とするピッキング設備。
【請求項2】
各ピッキング作業者ごとに設けられた検品対象設定用操作手段を備え、
制御手段の検品対象設定部は、ピッキング作業者によって前記検品対象設定用操作手段が操作された場合には、その操作時点よりも前にそのピッキング作業者によってピッキングされた物品を含むオーダ単位の物品に対応するオーダ情報のうち、予め設定された設定数のオーダ情報を検品対象と設定する
ことを特徴とする請求項1記載のピッキング設備。
【請求項3】
制御手段の検品対象設定部は、特定のピッキング作業者によってピッキングされる物品に対応する物品データを含むオーダ情報を検品対象と設定する
ことを特徴とする請求項1または2記載のピッキング設備。
【請求項4】
搬送手段は、オーダ単位の物品を上面に載せて搬送する物品搬送部を有し、
前記物品搬送部に異常が発生した際に操作される異常時操作手段を備え、
制御手段の検品対象設定部は、前記異常時操作手段が操作された場合には、その操作時点において前記物品搬送部上に位置するオーダ単位の物品に対応するオーダ情報を検品対象と設定する
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載のピッキング設備。
【請求項5】
搬送手段は、検品対象設定部にて検品対象と設定されたオーダ情報に対応するオーダ単位の物品のみを搬送する検品用分岐搬送部を有する
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一記載のピッキング設備。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2011−230913(P2011−230913A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−105210(P2010−105210)
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【出願人】(000103426)オークラ輸送機株式会社 (84)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【出願人】(000103426)オークラ輸送機株式会社 (84)
【Fターム(参考)】
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