説明

ピペラジニル−2(3H)−ベンゾキサゾロン化合物の経皮イオントフォレーシス送達

【化1】


パーキンソン病および下肢静止不能症候群の処置のためのイオントフォレーシスデバイスの製造のための;Rが本明細書で定義される一般式の最低1種の化合物ならびにその製薬学的に許容され得る塩およびプロドラッグの使用。本発明はさらに、イオントフォレーシスデバイス、ならびにカートリッジ、および式Iの化合物を含有する1個若しくはそれ以上のカートリッジと組合せたイオントフォレーシスデバイスを含有するキット、ならびに式Iの化合物を含有するカートリッジに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般式
【0002】
【化1】

【0003】
式中、Rは、メチル、エチル、1個若しくはそれ以上のフッ素原子で置換されているエチル、または、1個若しくはそれ以上のフッ素原子で場合によって置換されていてもよいシクロ−(C3−7)−アルキルメチル、または、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、モノ若しくはジ−C1−3−アルキルアミノ、C1−3−アルコキシ、CF、OCF、SCF、C1−4−アルキル、C1−3−アルキルスルホニルアミノ、フェニル、フラニルおよびチエニルよりなる群から選ばれ、かつ、前記置換基フェニル、フラニルおよびチエニルが、群ヒドロキシ、ハロゲン、C1−4−アルコキシ、C1−4−アルキル、シアノ、アミノカルボニル、モノ若しくはジ−C1−4−アルキルアミノカルボニルからの1〜3個の置換基で場合によってはさらに置換されていてもよい、1個若しくはそれ以上の置換基で場合によって置換されていてもよいベンジル、2−ピリジルメチル、3−ピリジルメチル若しくは4−ピリジルメチルである、
の製薬学的化合物;ならびにそれらの製薬学的に許容され得る塩およびプロドラッグ
の経皮イオントフォレーシス送達に関する。
【0004】
より具体的には、本発明は、Rが、メチル、エチル、1個若しくはそれ以上のフッ素原子で置換されているエチル、または1個若しくはそれ以上のフッ素原子で場合によって置換されていてもよいシクロ−(C3−7)−アルキルメチル、またはベンジル、2−ピリジルメチル、3−ピリジルメチル若しくは4−ピリジルメチル[それらの基は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、モノ若しくはジ−C1−3−アルキルアミノ、C1−3−アルコキシ、CF、OCF、SCF、C1−4−アルキルおよびC1−3−アルキルスルホニルアミノよりなる群からの1個若しくはそれ以上の置換基で置換されうる]である、一般式(I)の製薬学的化合物の経皮イオントフォレーシス送達に関する。
【0005】
より具体的には、本発明は、Rが、群ヒドロキシルおよびハロゲンからの1〜3個の置換基で場合によって置換されていてもよいメチル若しくはベンジルである、一般式(I)の製薬学的化合物の経皮イオントフォレーシス送達に関する。本発明の最も好ましい化合物は、Rがメチル若しくはベンジルである化合物である。
【0006】
なおより好ましくは、本発明は、疼痛障害、とりわけ下肢静止不能症候群およびCNS障害、とりわけパーキンソン病の処置のためのイオントフォレーシスデバイスの製造のための、上で定義されるところの一般式Iの最低1種の化合物若しくはその混合物の使用に
関する。
【0007】
本発明はまた、(a)イオントフォレーシスによる経皮投与のためのデバイス若しくは前記デバイスでの使用の準備ができている化合物を含有するカートリッジを含有するキット中での使用のための溶液、(b)イオントフォレーシスによる経皮投与に適するデバイス[前記経皮デバイスは、式Iの化合物若しくはその組成物および場合によっては製薬学的に許容され得る電解質を含有するリザーバを有し、このデバイスは、一般式(I)の製薬学的化合物およびそれらの組成物の送達プロファイルの制御方法で使用し得る]の製造のための一般式(I)の化合物の使用、ならびに、疼痛障害、とりわけ下肢静止不能症候群およびCNS障害、とりわけパーキンソン病の処置での前記制御された送達プロファイルの使用にも関する。
【背景技術】
【0008】
上で定義されるところの一般式Iの化合物は特許文献1および特許文献2から既知である。これらの化合物は、ドーパミンD受容体での部分アゴニスト若しくはアゴニストのいずれかとして変動する活性を示し、そしてまた5HT1A受容体のアゴニストでもある。活性のこれらの組合せは、ドーパミン作動性若しくはセロトニン作動性いずれかの系の混乱により引き起こされる中枢神経系の苦痛および疾患、例えばパーキンソン病および下肢静止不能症候群の処置のための価値ある化合物を作成する。
【0009】
ある場合、例えば特定の製薬学的有効成分(薬物ともまた称される)の経口送達若しくは注入が、乏しい胃腸の吸収、豊富な初回通過効果、患者の疼痛および不快感、または他の副作用若しくは欠点により無効若しくは許容できないかもしれない場合には、経皮送達がその化合物の有利な送達方法を提供しうる。これは、例えば、眠っている、昏睡状態である、若しくは麻酔されている患者に医薬品を投与する必要性が存在するパーキンソン病について真実である。さらに、継続的ドーパミン刺激が、間歇投与に伴う問題の発生を回避するという増えつつある証拠が存在し、そしてここで継続的な薬物送達が「オフ」期間の発生を減少させることが示された(非特許文献1)。一般に、薬物に皮膚を横断させることは常に容易であるわけではないため、経皮投与はまたその問題も有する。
【0010】
イオントフォレーシス経皮送達は、適用された電場の影響下に身体の組織中に製薬学的有効成分のイオンすなわち可溶性の塩を導入することに関する。
【0011】
受動経皮デバイス、ならびに血流中への製薬学的化合物の他の送達手段と比較してのイオントフォレーシス経皮送達デバイスの特徴および利点は、例えば非特許文献2;非特許文献3および非特許文献4に総説されている。
【0012】
ある場合、例えば貼付剤による経皮送達が、非常に大きな貼付剤に至る皮膚を通る低い通過により無効若しくは許容できないようである場合には、イオントフォレーシス経皮送達がその化合物の有利な送達方法を提供しうる。さらなるイオントフォレーシス経皮送達は、投与される量を、正確に調節し得、そして数週間までの期間にわたりある投与レベルまで患者を容易に滴定するのに使用し得るという大きな利点を有する。
【0013】
これらの利点にもかかわらず、イオントフォレーシス法は、特定の方法の薬物送達プロファイルが投与される特定の薬物に大きく依存するために、制限されているようである。多数の実験が、多様な有効成分のイオントフォレーシス送達を用いてなされたとは言え、当業者に特定の薬物の送達プロファイルを調整させる特定の情報は、常に入手可能であるわけではない。
【0014】
一般式(I)をもつ化合物について、許容され得る大きさをもつ経皮貼付剤を開発する
ことが非常に困難であるようであったため、特定の処置に調整された前記化合物の変動可能な速度の送達を可能にする、前記化合物のイオントフォレーシス送達方法に対する必要性が存在する。
【特許文献1】第WO00/29397号
【特許文献2】第WO01/85725号
【非特許文献1】P.NiallとW.H.Oertel、Congress Report of 7th International Congress of Parkinson’s Disease and Movement Disorders、フロリダ州マイアミ、2002年11月10〜14日
【非特許文献2】Drugs Pharm.Sci.(1994)、62(Drug Permeation Enhancement)中、O.Wong、“Iontophoresis:Fundamentals”、219−46(1994)
【非特許文献3】P.Singhら、“Iontophoresis in Drug Delivery:Basic Principles and Applications,”Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems、11(2&3):161−213(1994)
【非特許文献4】Ajay K.Banga、Electrically Assisted Transdermal and Topical Drug Delivery、Taylor and Francis Group Ltd.、英国ロンドン、1998、ISBN 0−7484−0687−5
【発明の開示】
【0015】
[発明の要約]
本発明は、ヒト皮膚を通しての一般式(I)の化合物およびそれらの組成物の送達を提供するイオントフォレーシス経皮技術に関する。
【0016】
より具体的には、イオントフォレーシスによる経皮投与のためのデバイスでの使用に適する組成物の製造のための、一般式(I)の化合物ならびにその製薬学的に許容され得る塩およびプロドラッグの使用を提供することが、本発明の一目的であり、前記組成物は式Iの化合物および場合によっては製薬学的に許容され得る電解質を含んでなる。製造される組成物は、パーキンソン病および下肢静止不能症候群の処置のためのイオントフォレーシスによる経皮投与のためのデバイスでの使用に適する。
【0017】
なおより具体的には、主題の発明の一目的は、パーキンソン病および下肢静止不能症候群の処置のためのイオントフォレーシスによる経皮投与に適するデバイスの製造のための、一般式(I)の化合物ならびにその製薬学的に許容され得る塩およびプロドラッグの使用を提供することであり、前記経皮デバイスは、式Iの化合物若しくはその組成物および場合によっては製薬学的に許容され得る電解質を含有するリザーバを有する。本デバイスを生存する身体の皮膚に適用しかつ皮膚を通して電流を流れさせる場合に、一般式(I)の化合物ならびにそれらの製薬学的に許容され得る塩およびプロドラッグが、皮膚を通ってイオントフォレーシスで送達される。
【0018】
本発明の別の目的は、皮膚を通る一般式(I)の化合物およびその組成物の送達のためのイオントフォレーシスデバイスを提供することであり、該デバイスは皮膚に取付可能な経皮送達デバイスを包含し、該デバイスは第一の電極および第二の電極、ならびに、該第一および第二の電極と電気連絡にある、製薬学的に許容され得る電解質ならびに一般式(I)の化合物およびそれらの組成物を含有するためのリザーバ;ならびに第一および第二の電極に接続された電源を包含し;該リザーバは、一般式(I)の化合物およびそれらの組成物、ならびに場合によっては製薬学的に許容され得る電解質を含有する。
【0019】
一般式(I)の化合物を含んでなる1個若しくはそれ以上のカートリッジと組合せたイオントフォレーシスデバイスを含んでなるキット、若しくは該イオントフォレーシスデバイスのリザーバを補充するために使用されるべき一般式(I)の化合物を含んでなる1個若しくはそれ以上のカートリッジを含有するキットを提供することもまた、本発明の一目的である。キット中のカートリッジの量は、好ましくは2と91個の間、より好ましくは7と28個の間、および最も好ましくは14と28個の間である。
【0020】
送達が起こらなければならない皮膚は動物の皮膚、例えばヒトの皮膚である。
【0021】
[発明の詳細な記述]
イオントフォレーシス経皮送達デバイスは、適するベヒクル若しくは担体および場合によっては浸透増強剤内の電解に利用可能な有効成分を含有する第一の(ドナー)電極、対電極ならびに電源を含むことができ、第一および第二の電極はそれぞれ電源と電導性の連絡にある。第一および第二の電極は、皮膚との間隔を空けられた物理的接触に適合させ得、それにより電極を通して電源により提供される電流に応答して、治療的量の有効成分が皮膚を通って患者に投与される。
【0022】
一般式(I)の特定の有効成分が患者に投与されるイオントフォレーシス送達(用量およびプロファイル)が、薬物および電解質の初期濃度ならびに該イオントフォレーシスデバイスで適用される電圧(定常/可変)の適する組合せにより制御されうることが、驚くべきことに見出された。例えば、電流密度(定常/可変)および電解質の初期量の組合せが、調節されるべき薬物送達プロファイルを可能にする非常に合理的な大きさをもつイオントフォレーシスデバイスに至りうることが見出された。イオントフォレーシスにおける薬物送達プロファイルを調整する能力は、使用者に対する薬物の効果の増大された制御を提供しうる。加えて、イオントフォレーシスにおける薬物送達を調整する能力は、式(I)の化合物のイオントフォレーシス送達を、より実務上有効な投与様式にしうる。
【0023】
本明細書で使用されるところの「浸透プロファイル」という用語は、所定の送達期間についての時間に対する有効成分の流れのプロットを意味している。
【0024】
本明細書で使用されるところの「カートリッジ」という用語は、有効成分が該デバイスにより送達される前のそれの貯蔵に使用される、有効成分を含有する容器を意味している。本発明の少なくとも一態様において、カートリッジはその使いやすさのため選択し得る。有効成分をイオントフォレーシスデバイスと別個に包装するためのいかなる手段も「カートリッジ」とみなしうる。例えば、取り外し可能かつ置換可能なリザーバを、該デバイスに有効成分を送達するのに使用しうる。
【0025】
本発明の方法で使用される電解質は、例えば一価若しくは二価イオンを包含しうる。われわれの方法で使用される電解質の例は、HCl、NaCl、KCl、CaCl、MgCl、塩化トリメチルアンモニウムおよび塩化トリブチルアンモニウムのような水溶解性である全部のCl供与化合物を包含する。好ましい一態様において、電解質はNaClを含んでなる。電解質の必要とされる量は、デバイスの輸送面積、デバイス若しくは担体の体積、有効成分の濃度、電流密度、イオントフォレーシスの持続時間および輸送効率のような因子に依存しうる。電解質は、例えば最低約0.005mモル、最低約0.01mモル、若しくは最低約0.05mモルの量で存在しうる。電解質は、例えば約2mモルを超えない、約1.0mモルを超えない、若しくは約0.3mモルを超えない量で存在しうる。電解質の初期量は、例えば最低約0.005M、最低約0.01M若しくは最低約0.03Mの濃度として表しうる。電解質の初期量は、例えば約2Mを超えない、約0.2Mを超えない、若しくは約0.2Mを超えない濃度として表しうる。
【0026】
本発明で投与されうる化合物は既に上で定義した。上で挙げられる化合物のプロドラッグは本発明の範囲内にある。プロドラッグは、それ自体不活性であるがしかし1種若しくはそれ以上の活性の代謝物に変換される治療薬である。プロドラッグは、親薬物分子の利用性に対するいくつかの障壁を克服するのに使用される、薬物分子の生物可逆的誘導体である。これらの障壁は、限定されるものでないが、溶解性、浸透性、安定性、全身前(presystemic)代謝およびターゲッティングの限界を挙げることができる(Medicinal Chemistry:Principles and Practice、1994、ISBN 0−85186−494−5、F.D.King編、p.215;J.Stella、“Prodrugs as therapeutics”、Expert Opin.Ther.Patents、14(3)、277−280、2004;P.Ettmayerら、“Lessons learned from marketed and investigational prodrugs”、J.Med.Chem.、47、2393−2404、2004)。プロドラッグ、すなわち、いずれかの既知の経路によりヒトに投与される場合に式(1)を有する化合物に代謝される化合物は、本発明に属する。とりわけ、これは、一級若しくは二級アミノ若しくはヒドロキシ基をもつ化合物に関する。こうした化合物は、有機酸と反応させて、限定されるものでないがアミジン、エナミン、マンニッヒ塩基、ヒドロキシルメチレン誘導体、O−(アシルオキシメチレンカルバメート)誘導体、カルバメート、エステル、アミド若しくはエナミノンを挙げることができる、投与後に容易に除去される付加的な基が存在する式(1)を有する化合物を生じさせ得る。
【0027】
上で述べられたとおり、式Iの化合物は、無機若しくは有機酸由来の製薬学的に許容され得る塩の形態で使用し得る。プロドラッグの塩もまた本発明の範囲内にある。「製薬学的に許容され得る塩」という句は、十分な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー応答などを伴わずにヒトおよび下等動物の組織と接触しての使用に適し、かつ、合理的な便益/リスク比にふさわしい塩を意味している。製薬学的に許容され得る塩は当該技術分野で公知である。例えば、S.M.Bergeらは、製薬学的に許容され得る塩をJ.Pharmaceutical Sciences、1977、66:1およびその後に詳細に記述している。該塩は、本発明の化合物の最後の単離および精製の間にin
situで、若しくは遊離塩基官能基を適する有機酸と反応させることにより別個に製造し得る。代表的な酸付加塩は、限定されるものでないが、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、カンファー酸塩、カンファースルホン酸塩、ジグルコン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩(イセチオン酸塩)、乳酸塩、マレイン酸塩、メシル酸塩、メタンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、リン酸塩、グルタミン酸塩、重炭酸塩、p−トルエンスルホン酸塩およびウンデカン酸塩を挙げることができる。製薬学的に許容され得る酸付加塩を形成させるのに使用し得る酸の例は、塩酸、臭化水素酸、硫酸およびリン酸のような無機酸、ならびにシュウ酸、マレイン酸、コハク酸およびクエン酸のような有機酸を包含する。
【0028】
本明細書に記述される方法により投与されうる有効成分は、限定されるものでないが7−(4−メチル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロン若しくはその一塩酸塩(SLV308、Drugs of the Future 2001、26、128−32を参照されたい)および7−(4−ベンジル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロン若しくはその一メシル酸塩(SLV318)のような化合物を挙げることができる。
【0029】
7−(4−メチル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロン若しくはその一塩酸塩、および7−(4−ベンジル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロン若しくはその一メシル酸塩は、下肢静止不能症候群およびパーキンソン病の処置に適する。
【0030】
式(I)の化合物、プロドラッグ、前述のいずれかの製薬学的に許容され得る塩、および前述の2種若しくはそれ以上の混合物を本発明により投与し得る。
【0031】
薬物リザーバ中の溶液のpHは、いくつかの態様において最低約3.0でありうる。他の態様において、pHは約7.5未満若しくはそれに等しいことができる。なお他の態様において、pHは約4.0から約6.5までの範囲にわたりうる。pHは、クエン酸緩衝液若しくはリン酸緩衝液のような緩衝液によって一定のレベルに維持し得る。
【0032】
7−(4−メチル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロン若しくはその一塩酸塩について、有用なpHは約5.0から約6.0までの範囲にわたる。前記化合物の別の可能なpHは約5.5である。7−(4−ベンジル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロン若しくはその一メシル酸塩について、pHは例えば約3.5から約6.0までの範囲にわたりうる。前記化合物の別の有用なpHは約4.0である。
【0033】
送達時間中に、定電流、若しくはパルスのような可変電流、または交流電圧/電流を適用することにより電流を流させうる。あるいは、電流は、式(I)の化合物の増大する濃度を滴定するために、送達時間中に増大させうる。
【0034】
電流適用段階でかけられる電圧は、生存する身体の皮膚を傷つけずかつ有効成分の経皮吸収の速度に不利でない電圧範囲で選択される。電圧は例えば最低約0.1V、若しくは最低約0.5V、若しくは最低約1Vであり得る。電圧はまた、例えば約40V未満、若しくは約20V未満、若しくは約10V未満であり得る。
【0035】
パルス若しくは交流電圧は、例えば最低約0.01Hz、若しくは最低約100Hz、若しくは最低約5kHzの周波数を有しうる。パルス若しくは交流電圧は、例えば約200kHzを超えない、若しくは約100kHzを超えない、若しくは約80kHzを超えない周波数を有しうる。パルス若しくは交流電圧は、例えば正弦、方形、三角形、鋸歯状、矩形などを包含する実質的にいかなる型の波形も使用しうる。加えて、パルス若しくは交流電圧は100%未満の負荷サイクルで適用しうる。
【0036】
電流密度は、例えば最低約0.001mA/cm、若しくは最低約0.005mA/cm、若しくは最低約0.025mA/cmであり得る。電流密度はまた、例えば約1.0mA/cmを超えない、約0.8mA/cmを超えない、若しくは約0.5mA/cmを超えないことができる。
【0037】
薬物リザーバは、ベヒクル若しくは担体としての水性溶液若しくは(ヒドロ)ゲルのいずれかとともに薬物および任意の電解質を含有する。リザーバのゲルは水溶解性ポリマー若しくはヒドロゲルより構成されうる。原則的にいかなるゲルも使用し得る。ゲルは、それらが皮膚に悪影響を及ぼさない(腐蝕および刺激)ように選択し得る。ゲルは、良好な皮膚接触(付着性)および導電特性のような適する特性を表しうる。制限しない例は、寒天、アガロース、ポリビニルアルコール、若しくはヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)およびポリビニルピロリドン(PVP)ならびにポリビニルアセテートフタレート(PVAP)のような架橋ヒドロゲルを包含する。
【0038】
適する皮膚浸透増強剤は当該技術分野で公知のものを包含し、かつ、例えば、エタノールおよびイソプロパノールのようなC−Cアルコール;界面活性剤、例えば5ないし30個の炭素原子の脂肪酸の塩、例えばラウリル硫酸ナトリウム、および脂肪酸の他の硫酸塩のような陰イオン界面活性剤、8ないし22個の炭素原子のアルキルアミン、例えばオレイルアミンのような陽イオン性界面活性剤、ならびにポリソルベートおよびポリオキサマーのような非イオン性界面活性剤;デカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、リノレニルアルコールおよびオレイルアルコールのような8ないし22個の炭素原子の脂肪族一価アルコール;オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸およびカプリル酸のような5ないし30個の炭素原子の脂肪酸、ならびにエチルカプリレート、イソプロピルミリステート、メチルラウレート、ヘキサメチレンパルミテート、グリセリルモノラウレート、ポリプロピレングリコールモノラウレートおよびポリエチレングリコールモノラウレートのようなそれらのエステル;サリチル酸およびその誘導体;デシルメチルスルホキシドおよびジメチルスルホキシドのようなアルキルメチルスルホキシド;1−ドデシルアザシクロ−ヘプタン−2−オン(AZONE(R))のような1−置換アザシクロアルカン−2−オン;オクチルアミド、オレイカミド、ヘキサメチレンラウルアミド、ラウリル酸ジエタノールアミド、ポリエチレングリコール3−ラウルアミド、N,N−ジエチル−m−トルアミドおよびクロタミトンのようなアミド;ならびに一般式(I)の化合物および該デバイスと適合性かつ経皮浸透増強活性を有するいずれかの他の化合物を包含する。
【0039】
代替の一態様において、担体若しくはベヒクルは膜により皮膚から分離される。この膜は、例えば、電流に対し低い抵抗性を有するように、かつ/若しくは有効成分の輸送に対し障壁を実質的に生じさせることを回避するように、かつ/若しくは保存および輸送の間にデバイス内に担体を含有するように選びうる。電流に対する低い抵抗は、一態様において皮膚抵抗の20%と定義しうる。有効成分の輸送に対する障壁は、膜を含有するデバイス中の有効成分の流れが例えば膜を含有しないデバイスと比較して75%以上である場合に、膜により実質的に生じられない。使用し得る膜の例は、例えば、Sartoriusの膜CT−10kDA、CT−20kDA、PES−30kDAおよびPSf−100kDA、DiachemaのDialysis−5kDA、AmikaのCA−10kDa、CA−25kDa、CA−50kDおよびCA−100kDa、ならびにNadir FiltrationのNF−PES−10およびNF−CA−30のような、D.F.Stamiatialisら、J.Controlled Release 2002、81、335−345に開示されるところの低い電気抵抗を有する膜である。
【0040】
主題の発明を実施するのに使用されるイオントフォレーシスデバイスは、例えばこうしたイオントフォレーシスデバイスに関する特許および刊行物により教示されるような、多様な商業的に入手可能なデバイス若しくは構成要素、ならびに/または広範な方法および材料から選択されるデバイスおよび/若しくは構成要素を包含しうる。とりわけ、該イオントフォレーシス経皮デバイスは、米国カリフォルニア州マウンテンビューのThe Alza corporation(E−trans(R)経皮技術)、米国ミネソタ州セントポールのBirch Point Medical Inc.(例えばWearable Electronic Disposable Delivery(WEDDTM)技術に従ったIontoPathcTM作用)、米国ユタ州ソルトレークシティのIomed(例えば、IOGEL(R)、TransQ(R)Flex、TransQ(R)E、TransQ(R)1&2若しくはNumby Stuff(R)電極およびGelSponge(R)閉じ込め媒体を使用するIOMEDTM Phoresorデバイス)から入手可能であるようなイオントフォレーシスデバイス、または、米国ニュージャージー州フェアローンのVyterisにより製造されるようなデバイス(能動経皮デバイス)、若しくはミネソタ州セントポールのEmpiにより製造されるようなデバイス(例
えばEmpi DUPELTM)、若しくはカリフォルニア州ロサンゼルスのGeneral Medical Device Corp.により製造されるLECTROTM貼付剤として既知のデバイスを含みうる。
【0041】
電極は反応性電極を含んでも非反応性電極を含んでもよい。反応性電極の例は、米国特許第4,752,285号明細書に記述される塩化銀のような金属塩若しくは素材から作成されるものである。塩化銀電極は、当業者の知識に基づき製造し得るか、若しくはIomedから入手可能である。代替の反応性電極は、Empiから入手可能な電極により例示されるイオン交換樹脂の組合せから作成し得る。非反応性電極の例は、金若しくは白金のような金属、またはLECTROTM貼付剤で使用されるもののようなポリマーマトリックス中に分注されたカーボン粒子から作成されるものである。イオントフォレーシスデバイスを皮膚に固定するのに使用される接着剤は、シリコーン若しくはアクリル酸ポリマー由来のもの、またはポリイソブチレンのようなゴム由来のもののような受動経皮送達デバイスで使用される粘着剤を含みうる。それらの記述される第EPA 0542294号明細書のような加圧接着性および伝導性接着剤の組合せもまた使用し得る。
【0042】
薬物リザーバ中の薬物の濃度は例えば最低約0.1mg/mlでありうる。薬物リザーバ中の薬物の濃度は例えば約90mg/mlを超えないことができる。いくつかの態様において、7−(4−メチル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロン若しくはその一塩酸塩の濃度は、例えば約10ないし約75mg/mlである。他の態様において、その濃度は約20から約55mg/mlまでの範囲にわたる。なお他の態様において、7−(4−ベンジル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロン若しくはその一メシル酸塩の濃度は、例えば約1ないし約30mg/mlである。他の態様において、その濃度は約5から約10mg/mlまでの範囲にわたり得る。
【0043】
加えて、イオントフォレーシスデバイスの薬物リザーバはさらなる添加物を包含しうる。こうした添加物は、イオントフォレーシスの技術分野で公知かつ慣習的であるものから選ぶことができる。こうした添加物は、例えば抗菌薬、保存剤、抗酸化剤、浸透増強剤および緩衝剤を包含する。
【0044】
単一の送達時間に送達されうる単位投薬量の一例は量が変動しうる。例えば、一態様における単位投薬量は最低約0.05mgである。別の態様における単位投薬量は例えば約100mgを越えないことができる。いくつかの態様における7−(4−メチル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロン若しくはその一塩酸塩の単位投薬量は、約0.05から約60mgまでの範囲にわたり得る。他の態様において、その濃度は約0.05から約30mgまでの範囲にわたり得る。
【0045】
送達される単位投薬量は、例えば化合物、状態、齢、体重、排泄などを包含する広範な因子の1個若しくはそれ以上に基づき決定しうる。
【0046】
最低1種の式Iの化合物の皮膚を通る送達の流動速度は、例えば1時間あたり最低約50μgであり得る。他の態様において、皮膚を通る送達の流動速度は、例えば1時間あたり約4000μgを越えないことができる。
【0047】
本発明のいくつかの態様において、製薬学的化合物のイオントフォレーシス送達方法は、1日2回程度頻繁にでもまたは週1回若しくは月1回程度頻繁でなくてもよい間隔でイオントフォレーシス経皮デバイスを定期的に適用することを包含する、薬物送達処置プロトコルを含んでなる。本明細書で単一処置段階と称されるもので、デバイスを適用し、薬物をイオントフォレーシスで送達し、そしてその後デバイスを除去する。送達される薬物の絶対量は実質的に変動しうるとは言え、単位投薬量は、本明細書で、しかしながら、大小にかかわらず、個々の部位での単一デバイスの適用により単一処置段階の間に送達される薬物の量であると定義される。
【0048】
単一処置段階の間に、薬物は定常的に若しくは定義された間隔の間、送達されうる。該間隔は例えば約10分から24若しくは48時間までの範囲にわたりうる。いくつかの態様において、昼/夜周期の一部分、例えば夜6、7若しくは8時間の間、送達を省くことが有利でありうる。
【0049】
薬物の投与の開始に際して、少量の薬物で開始して通常の維持用量まである時間にわたる薬物の直線的若しくは段階的増大を有することが望ましいことができ、この時間は滴定時間ともまた称される。滴定の期間は例えば最低3日若しくは42日を超えないことができる。滴定の期間は、いくつかの態様において7と21日の間、およびなお他の態様において約14日の範囲にわたり得る。本発明のイオントフォレーシス送達方法は、投与される薬物量を、現在の密度の直線的若しくは段階的増大により調節し得るため、薬物投与のこうした直線的若しくは段階的増大に有用でありうる。
【0050】
いくつかの態様において、イオントフォレーシスデバイスは
(a)皮膚に取付可能な経皮送達デバイスであって、該デバイスは、第一の電極および第二の電極、ならびに、第一および第二の電極と電気連絡にある、上で示されたところの式Iの化合物および場合によっては製薬学的に許容され得る電解質を含むことが可能なリザーバを含んでなり、ならびに
(b)電源を第一および第二の電極に接続するための手段
を含んでなる。
【0051】
電源は、例えば電池、再充電可能な電池若しくは電源コンセントにより送達される電力のようないかなる適切な電源であってもよい。電源を接続するための手段は、いずれかの適する導線、導管、若しくは電気的エネルギーの運搬体を含みうる。該手段は、例えば、配線、電源アダプタ、電力制御デバイス、電力モニター、または前述の2個若しくはそれ以上の組合せを含みうる。
【0052】
イオントフォレーシスデバイスは、第WO 92/17239号明細書、第EPA 0547482号明細書および米国特許第4,764,164号明細書(それらの内容全体は引用することにより本明細書に組み込まれる)に記述されるような、なお他の方法および物質を含みうる。
【0053】
いくつかの態様において、デバイスの輸送面積は最低約1.0cmであり得る。他の態様において、輸送面積は約30cmを越えないことができる。なお他の態様において、輸送面積は約2から約15cmまで、そして、なお他の態様において約5から約10cmまでの範囲にわたり得る。
【0054】
本発明の別の態様において、イオントフォレーシスデバイスの薬物リザーバは空で使用者に供給され、そして、リザーバは、皮膚への該デバイスの適用直前若しくは後に充填される。本態様を使用する場合、該イオントフォレーシスデバイスは、その塩若しくはプロドラッグを包含する上で定義されたところの一般式Iの化合物、またはそれらの2種若しくはそれ以上の組成物、および場合によっては製薬学的に許容され得る電解質を含有する1個若しくはそれ以上のカートリッジと組み合わせられる。イオントフォレーシスデバイスおよび1個若しくはそれ以上のカートリッジのこの組合せをスターターキットと定義しうる。1個のキット中のカートリッジの数は、例えば7から91個まで、および他の態様において14から28個までの範囲にわたり得る。化合物および任意の電解質は、固体の結晶、無定形、若しくは凍結乾燥した物質(この物質はイオントフォレーシスデバイスの
リザーバの充填前に水に溶解しなければならない)の形態であっても、または使用の準備ができている溶液の形態にあってもよい。該イオントフォレーシスデバイスは、例えば3〜48時間ごと、若しくは例えば24時間ごとに1回、新鮮な溶液を補充しうる。別の態様において、例えば、イオントフォレーシスデバイスが適正に作動する限りは1回以上の処置段階に意図されるキットは、その塩若しくはプロドラッグを包含する上で定義されたところの一般式Iの化合物若しくはそれらの組成物を含んでなるカートリッジの1個若しくはそれ以上のみを含有し、そして場合によっては製薬学的に許容され得る電解質が存在しうる。
【0055】
本明細書で使用されるところの値を修飾する場合の「約」という用語は、当業者により理解されるであろうその値に固有の変動性を示す。例えば、「約」は、有意の数字、丸め誤差などが、その数の開示の範囲内にある引用された数字についてのある範囲の値を提供することを示す。
【0056】
以下の実施例は、本発明をより詳細にさらに具体的に説明することのみを意図しており、そして、従って、これらの実施例は本発明の範囲をいかなる方法でも制限すると思われない。
【実施例1】
【0057】
全般的方法。
ヒト角質層の単離
ヒト角質層(HSC)は採皮刀で切開した(dermatomed)健康なヒト皮膚から調製した。ヒト皮膚(腹部若しくは乳房)の外科的除去後24時間以内に残余の皮下脂肪を除去した。汚染する皮下脂肪の妨害を回避するため、70%エタノールに浸積したティッシュペーパーで皮膚表面を慎重に拭った。皮膚を、Padgett電気採皮刀型式B(米国カンサスシティ)を使用して約300μmの厚さに切開した。それをその後、PBS中0.1%トリプシンの溶液に浸積したWhatman紙上を皮膚側にして4℃で一夜、およびその後37℃で1時間インキュベートした。その後、HSCを下の表皮および真皮層から剥離した。PBS、pH7.4中0.1%トリプシン阻害剤溶液中にHSCを浸積することにより、残存トリプシン活性を阻害した。HSCを水で数回洗浄し、そして脂質の酸化を阻害するためにN環境でシリカゲルを含有するデシケーター中で保存した。
【0058】
無毛ラット皮膚の単離
無毛ラットを、こうした使用のため設計された曝露チャンバーを使用する二酸化炭素の吸入により実験開始の30分前に安楽死させた。腹部からの皮膚を慎重に取り出して、筋若しくは脂肪が皮膚に付着していないことを確認した。皮膚をその後、Franz拡散セット(Membrane Transport System、PermGear、米国)に合うように小さな方形に切断し、そして、マウントするまで0.1Mリン酸カリウム緩衝液に入れた。
【0059】
有効成分の合成
7−(4−メチル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロン塩酸塩は、第WO00/29397号明細書およびDrugs of the Future 2001、26、128−32に記述されるとおり合成した。7−(4−ベンジル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロンメシル酸塩は、第WO01/85725号および同第WO02/066449号明細書に記述されるとおり合成した。
【0060】
イオントフォレーシス実験における溶液
HCl塩としての7−(4−メチル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロンを10mMクエン酸ナトリウム溶液に溶解した。pHを10mMクエン酸でpH5.5に調節した。
【0061】
メシル酸塩としての7−(4−ベンジル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロンを0.1Mリン酸カリウム緩衝液に溶解した。pHはo−リン酸を使用してpH4.0に調節した。
【0062】
7−(4−メチル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロンを用いるイオントフォレーシス実験
7−(4−メチル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロンを用いるイオントフォレーシス実験を、定電流を提供するための9チャンネルコンピュータ制御電源(オランダ・ライデン大学ゴルレウス研究所電子工学部(Electronics Department,Gorlaeus Laboratories,Leiden University))を使用して実施した。あるいは、英国Moor Instrumentsの商業的な入手可能な電源PCT−MK1を使用し得る。銀板電極を陽極として(例えば99.99%超純粋な銀箔、1.0mm厚(Ardrich物品番号36,943−8)、5cm長、3mm幅)、また、銀/塩化銀電極(溶融塩化銀粉末(99.999%超純粋、Ardrich物品番号20,438−2)中の垂直電極軸に対し直角で小突起(およそ3mm)を生じさせるため先端で曲げた銀ワイヤ(99.99%超純粋、φ1.0mm(Aldrich物品番号26,559−4)を反復して(2若しくは3回)浸積することにより製造した)を陰極として使用した。(あるいは、銀板および銀/塩化銀電極は、Ajay K.Banga、Electrically Assisted Transldermal and Topical Drug Delivery、Taylor and Francis Group Ltd.、英国ロンドン、1998、ISBN 0−7484−0687−5の第3.4.3.章に従って製造し得るか、若しくはIomedのような商業的供給元から購入し得る。)
【0063】
全部の拡散実験は、室温で拡散小室を通る3チャンバー連続流を使用して、0.5mA/cmの定電流密度で実施した。拡散の設定は、1個の蠕動ポンプ、1個のフラクションコレクターおよび8個の拡散小室よりなった(拡散小室については図4を参照されたい)。角質層を全拡散試験に使用した。ヒト角質層は、小室にマウントする前にPBS pH7.4中で2時間水和した。2片の角質層を、尖端側が陽極および陰極区画に面して、陽極とアクセプター側の間、およびアクセプターと陰極側の間に置いた。透析膜(カットオフ5,000D)を角質層の支持膜として使用した。パラフィルムの輪を、区画間の緊密な接続を作成するために追加した。アクセプターチャンバーの温度は37℃であった。アクセプターチャンバーを通るPBSの流れを、実験の間、各小室についてほぼ一定、すなわち1時間あたり6〜8mlに保った。6時間の受動拡散後に電流をオンに切り替えた。電流をt=15時間でオフに切り替えた。別の5時間の間(イオントフォレーシス後時間)、イオントフォレーシス後の受動拡散を実施した。イオントフォレーシス中の電流密度は0.5mA/cmであった。角質層シートの全抵抗を、2個の付加的な銀電極を用いて、実験の間にモニターした。非常に低い抵抗は小室中の角質層の漏出を示す。これが観察された場合は得られた拡散データを廃棄した。全条件を最低3回反復した。各条件に使用した皮膚ドナーの数は最低3であった。
【0064】
7−(4−ベンジル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロンを用いるイオントフォレーシス実験。
7−(4−ベンジル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロンを用いるイオントフォレーシス実験は、Keithley 2400 source meterに取り付けた、垂直Franz拡散小室(Membrane Transport System、PermeGear、米国)を使用して実施し、そして電流はマルチメーターを使用してモニターした。小室のドナー半分(donor half)を室温(25℃)に曝露した一方、レセプター半分(receptor half)は37℃に維持した。レセプター区画を継続的に攪拌した。新たに摘出した無毛ラット皮膚を、シンク条件を維持し得る適するレセプター媒体でレセプター区画を満たした後に、垂直拡散小室にマウント
した。レセプター媒体は、シンク条件を維持し得るように、薬物を含まないドナー溶液と同一組成を有した。製剤をドナー区画に入れた。銀ワイヤをドナー中で陽極として使用し、そして銀/塩化銀ワイヤをレセプター中で陰極として使用した。定電流電源を使用して電流を3時間適用した。しかしながら、高められた送達が電流を終了させる際に停止することができるかどうかを見るために、サンプリングを24時間まで継続した。サンプルは予め決められた時間間隔でレセプターから採取し、そして下述されるとおりHPLCにより分析した。サンプルを新鮮なレセプター媒体で置換し、そして計算でこれを考慮に入れた。
【0065】
HPLC分析
7−(4−メチル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロンは、UV検出を伴うHPLCを使用して分析した(Waters Chromatography、オランダ・エテンルール)。Chromsep SSカラムを30℃に温度自動調節して(thermostatted)使用した(250×3mm L*I.D.)。移動相はアセトニトリル/メタノール/pH5.6の0.7g/l酢酸アンモニウム緩衝液(12/6/82 v/v)より成り、そして0.5ml/分で使用した。検出波長は215nmであった。化合物の酸化若しくは分解産物は、サンプル溶液のクロマトグラム中で観察されなかった。
【0066】
7−(4−ベンジル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロンは、UV検出を伴うHPLCを使用して分析した(Waters Allianceデバイス)。Chromsep SSカラムを、5μmの粒子径を用いて40℃に温度自動調節して使用した(150×3mm L*I.D.)。移動相は、460mlの水中1.54gの酢酸アンモニウム(酢酸を使用してpHを4.6に調節した)および540mlのメタノールを使用して作成しかつ脱気した。流速は0.5ml/分であった。検出波長は243nmであった。注入容量は10μlであった。
【実施例2】
【0067】
変動する有効成分濃度を伴う7−(4−メチル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロン一塩酸塩のイオントフォレーシス
クエン酸緩衝液中75mg/mlの7−(4−メチル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロン一塩酸塩の溶液を調製した(これは、pH5.5のクエン酸緩衝液中での7−(4−メチル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロン一塩酸塩の最大溶解度の85%である)。この溶液から、クエン酸緩衝液、pH5.5でさらなる希釈を行った。試験した濃度は:20mg/ml、35mg/ml、55mg/mlおよび75mg/mlであった。
【0068】
図1で観察され得るとおり、電流をオンに切り替えた後に、7−(4−メチル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロンの流れの大幅な増大が存在する。イオントフォレーシス時間中に、観察された7−(4−メチル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロンの流れは極めて大きかった。イオントフォレーシス時間中の平均輸送は、20、35、55、75mg/mlのドナー濃度についてそれぞれ394±26、383±42、459±59、418±31μg/hr/cmであった。一元配置ANOVAにより検定されたように、これらの値の間に有意差は存在しなかった(全群間のp値>0.05)。
【0069】
ドナー溶液のpHは、実験の間に0.2pH単位以上変化しなかった。
【実施例3】
【0070】
変動する活性電解質濃度を伴う7−(4−メチル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベ
ンゾキサゾロン一塩酸塩のイオントフォレーシス
7−(4−メチル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロン一塩酸塩を10mMクエン酸ナトリウム溶液に溶解した。pHを10mMクエン酸でpH5.5に調節した。塩化ナトリウムを添加して0、2若しくは4mg/mlのNaClの溶液をもたらした。7−(4−メチル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロン一塩酸塩の濃度を一定すなわち35mg/mlに保った。4mg/mlのNaClで、選択した7−(4−メチル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロン一塩酸塩濃度は最大溶解度の80%である。7−(4−メチル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロン一塩酸塩の溶解度は、NaCl濃度を低下させるとともに増大する。
【0071】
図2は、電流をオンに切り替えた後に、7−(4−メチル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロンの流れの大幅な増大が存在することを具体的に説明する。イオントフォレーシス時間中に観察された7−(4−メチル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロンの流れは極めて大きかった。イオントフォレーシス時間中の平均輸送は、塩化ナトリウム濃度0、2、4mg/mlについてそれぞれ471±65、377±37および424±50μg/hr/cm(平均±標準誤差)であった。一元配置ANOVAにより検定されたように、これらの値の間に有意差は存在しなかった(全群間のp値>0.05)。ドナー溶液のpHは、実験の間に0.2pH単位以上変化しなかった。
【0072】
電流をオンおよびオフに切り替える間の強い増大および減少は、輸送の大きな変動がイオントフォレーシスにより達成され得ることを示す。
【実施例4】
【0073】
4g/lのNaClの存在下での変動する有効成分濃度を伴う7−(4−メチル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロン一塩酸塩のイオントフォレーシス
クエン酸緩衝液中55mg/mlの7−(4−メチル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロン一塩酸塩の溶液を調製した(これは、4g/lのNaClの存在下でのpH5.5のクエン酸緩衝液中での7−(4−メチル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロン一塩酸塩の最大溶解度の85%である)。この溶液から、クエン酸緩衝液、pH5.5でさらなる希釈を行った。試験した濃度は:20mg/ml、35mg/ml、55mg/mlであり、そして4g/lの濃度を生じる量でNaClを添加した。
【0074】
図3は、NaClの存在下で、7−(4−メチル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロン一塩酸塩のイオントフォレーシスの流れがその濃度の流れにわずかに依存したことを示す。該流れは、20、35および55mg/mlのドナー濃度についてそれぞれ409±47、467±74および580±87μg/hr/cmであった(平均±標準誤差)。しかしながら、該傾向は、一元配置ANOVAにより検定されたように、統計学的に有意でないようであった(全群間のp値>0.05)。
【0075】
ドナー溶液のpHは、実験の間に0.2pH単位以上変化しなかった。
【実施例5】
【0076】
30mM NaClの存在下で変動する有効成分濃度を伴う7−(4−ベンジル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロンのイオントフォレーシス
リン酸緩衝液中10g/mlの7−(4−ベンジル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロンメシル酸塩の溶液を調製した(これは、30mMのNaClの存在下のpH4.0のリン酸緩衝液中の7−(4−メチル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロン一塩酸塩のほぼ最大溶解度である)。この溶液から、リン酸緩衝液pH
4.0でさらなる希釈を行った。試験した濃度は:1mg/ml、5mg/mlおよび10mg/mlであり、そして30mMの濃度を生じる量でNaClを添加した。
【0077】
図4は、有効成分濃度の1mg/mlから5mg/mlまでの増大でイオントフォレーシスの流れの増大が存在すること、および、有効成分濃度の10mg/mlへのさらなる増大でイオントフォレーシスの流れの増大が存在しないことを示す。
【実施例6】
【0078】
30mMのNaClの存在下で5mg/mlの濃度、変動する電流密度の7−(4−ベンジル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロンのイオントフォレーシス
実施例5で調製したところのリン酸緩衝液中5g/mlの7−(4−ベンジル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロンメシル酸塩の溶液を使用して、電流密度の影響を試験した。流れを0、0.1、0.3および0.5mAの電流密度で測定した。図5は、イオントフォレーシスが7−(4−ベンジル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロンの浸透を受動送達に比較してかなり高めることを示す。さらに、流れと電流密度の間に直線関係が存在することが示される。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】時間に対する有効成分濃度の関数としての、ヒト角質層を横断する7−(4−メチル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロンの流れをプロットする。
【図2】時間に対する電解質濃度の関数としての、ヒト角質層を横断する7−(4−メチル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロンの流れをプロットする。
【図3】4g/lのNaClの存在下での時間に対する有効成分の濃度の関数としての、ヒト角質層を横断する7−(4−メチル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロンの流れをプロットする。
【図4】30ミリモル濃度(mM)のNaClの存在下での時間に対する有効成分の濃度の関数としての、無毛ラット皮膚を横断する7−(4−ベンジル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロンメシル酸塩の流れをプロットする。
【図5】30mMのNaClの存在下での電流密度の関数としての、無毛ラット皮膚を横断する7−(4−ベンジル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロンメシル酸塩の流れをプロットする。
【図6】7−(4−メチル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロンを用いる試験に使用したイオントフォレーシスの構成の図解を描く。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーキンソン病および下肢静止不能症候群の処置のためのイオントフォレーシスデバイスの製造のための、一般式
【化1】

式中、Rは
メチル、エチル、1個若しくはそれ以上のフッ素原子で置換されているエチル、または
1個若しくはそれ以上のフッ素原子で場合によって置換されてもよいシクロ−(C3−7)−アルキルメチル、または
同一若しくは異なりかつ、
ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、モノ−C1−3−アルキルアミノ、ジ−C1−3−アルキルアミノ、C1−3−アルコキシ、CF、OCF、SCF、C1−4−アルキル、C1−3−アルキルスルホニルアミノ、フェニル、フラニルおよびチエニルから独立に選ばれる置換基であって、かつ、前記置換基フェニル、フラニルおよびチエニルは、同一若しくは異なりかつ
ヒドロキシ、ハロゲン、C1−4−アルコキシ、C1−4−アルキル、シアノ、アミノカルボニル、モノ−C1−4−アルキルアミノカルボニルおよびジ−C1−4−アルキルアミノカルボニル
から選ばれる1〜3個の部分で場合によって置換されていてもよい、置換基、1個若しくはそれ以上により場合によって置換されていてもよいベンジル、2−ピリジルメチル、3−ピリジルメチルまたは4−ピリジルメチル
である
の最低1種の化合物、
ならびにその製薬学的に許容され得る塩およびプロドラッグ、若しくは前述のいずれかの混合物、ならびに、場合によって製薬学的に許容され得る電解質の使用。
【請求項2】
Rが、
メチル、エチル、1個若しくはそれ以上のフッ素原子で置換されているエチル、または1個若しくはそれ以上のフッ素原子で場合によって置換されていてもよいシクロ−(C3−7)−アルキルメチル、またはベンジル、2−ピリジルメチル、3−ピリジルメチル若しくは4−ピリジルメチル基[それらの基は、同一若しくは異なりかつ
ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、モノ−C1−3−アルキルアミノ、ジ−C1−3−アルキルアミノ、C1−3−アルコキシ、CF、OCF、SCF、C1−4−アルキルおよびC1−3−アルキルスルホニルアミノ
から独立に選ばれる1個若しくはそれ以上の置換基で場合によって置換されていてもよい]
である、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記イオントフォレーシスデバイスが、式Iの化合物若しくはその組成物および場合によって製薬学的に許容され得る電解質を含有するリザーバを有する、請求項1若しくは2
に記載の使用。
【請求項4】
式Iの化合物および任意の電解質が、水性溶液若しくはゲルよりなるベヒクル若しくは担体に溶解されている、請求項1〜3のいずれかに記載の使用。
【請求項5】
イオントフォレーシスデバイスが、イオントフォレーシスによる経皮投与のために適用される場合にベヒクル若しくは担体を皮膚から分離する膜をさらに含有する、請求項3若しくは4に記載の使用。
【請求項6】
イオントフォレーシスデバイスが、イオントフォレーシスによる経皮投与の電流適用段階の間に定電流を送達することが可能であることを特徴とする、請求項1〜5に記載の使用。
【請求項7】
イオントフォレーシスデバイスが、イオントフォレーシスによる経皮投与の電流適用段階の間に変動する電流を送達することが可能であることを特徴とする、請求項1〜5に記載の使用。
【請求項8】
イオントフォレーシスデバイスが、イオントフォレーシスによる経皮投与の電流適用段階の間に増大する電流を送達することが可能であることを特徴とする、請求項6若しくは7に記載の使用。
【請求項9】
イオントフォレーシスデバイスが、約0.001から約1.0mA/cmまでのレベルの電流密度を送達することが可能であることを特徴とする、請求項1〜7に記載の使用。
【請求項10】
イオントフォレーシスデバイスが、1時間あたり50μgと4000μgの間の式Iの化合物の皮膚を通る流動速度を送達することが可能であることを特徴とする、請求項1〜7に記載の使用。
【請求項11】
溶液中の化合物濃度が0.1ないし90mg/mlである、請求項1〜10に記載の使用。
【請求項12】
溶液のpHが3.0と7.5の間である、請求項1〜11に記載の使用。
【請求項13】
イオントフォレーシスデバイスが、送達段階の間に、皮膚を通して約0.05mgないし約100mgの式Iの化合物の単位投薬量を送達することが可能であることを特徴とする、請求項1〜12に記載の使用。
【請求項14】
イオントフォレーシスデバイスが、約10分ないし約48時間にわたり単位投薬量を送達することが可能であることを特徴とする、請求項1〜13に記載の使用。
【請求項15】
式Iの化合物が、7−(4−メチル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロン)若しくはその製薬学的に許容され得る塩である、請求項1〜14に記載の使用。
【請求項16】
式Iの化合物が、7−(4−メチル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロン)一塩酸塩である、請求項15に記載の使用。
【請求項17】
式Iの化合物が、7−(4−ベンジル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロン若しくはその製薬学的に許容され得る塩である、請求項1〜14に記載の使用。
【請求項18】
式Iの化合物が7−(4−ベンジル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロン一メシル酸塩である、請求項17に記載の使用。
【請求項19】
(a)皮膚に取付可能な経皮送達デバイスであって、該デバイスは第一の電極および第二の電極、ならびに第一および第二の電極と電気連絡にある、一般式Iの化合物若しくはその組成物および場合によっては製薬学的に許容され得る電解質を含有するリザーバを包含し、ならびに(b)電源を該第一および第二の電極に接続するための手段、ならびに(c)場合によってはリザーバを閉鎖する膜を含んでなる、皮膚を通る化合物の送達のためのイオントフォレーシスデバイス。
【請求項20】
化合物が、7−(4−メチル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロン若しくはその製薬学的に許容され得る塩である、請求項19に記載のイオントフォレーシスデバイス。
【請求項21】
化合物が、7−(4−ベンジル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロン若しくはその製薬学的に許容され得る塩である、請求項20に記載のイオントフォレーシスデバイス。
【請求項22】
リザーバが、約3.5から約7.5までの範囲にわたるpHを有する溶液中に、製薬学的に許容され得る電解質および一般式Iの化合物若しくはその組成物を含有する、請求項19〜21に記載のイオントフォレーシスデバイス。
【請求項23】
一般式Iの化合物若しくはその組成物が、約0.1ないし約90mg/mlの濃度の溶液中でリザーバ中に存在する、請求項19〜22に記載のイオントフォレーシスデバイス。
【請求項24】
請求項1若しくは2に記載の一般式Iの化合物および場合によっては製薬学的に許容され得る電解質の送達のためのイオントフォレーシスデバイスを充填若しくは補充することが可能なカートリッジ。
【請求項25】
約3.5から約7.5までの範囲にわたるpHを有する溶液中に、製薬学的に許容され得る電解質および一般式Iの化合物若しくはその組成物を含んでなる、請求項24に記載のカートリッジ。
【請求項26】
約0.1ないし約90mg/mlの濃度で溶液中に一般式Iの化合物若しくは組成物を含んでなる、請求項24〜25に記載のカートリッジ。
【請求項27】
化合物が、7−(4−メチル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロン若しくはその製薬学的に許容され得る塩である、請求項24〜26に記載のカートリッジ。
【請求項28】
化合物が、7−(4−ベンジル−1−ピペラジニル)−2(3H)−ベンゾキサゾロン若しくはその製薬学的に許容され得る塩である、請求項24〜26に記載のカートリッジ。
【請求項29】
(1)(a)皮膚に取付可能な経皮送達デバイスであって、該デバイスは第一の電極および第二の電極、ならびに有効成分の組成物を含有することが可能なリザーバを包含し、ならびに(b)電源を該第一および第二の電極に接続するための手段、ならびに(c)場合によっては輸送、貯蔵および/若しくは適用の間にリザーバを閉鎖する膜を含んでなる、皮膚を通る化合物の送達のためのイオントフォレーシスデバイス
(2)請求項24〜28に記載の1個若しくはそれ以上のカートリッジ
を含んでなるキット。
【請求項30】
請求項24〜28に記載の1個若しくはそれ以上のカートリッジを含んでなるキット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−530512(P2007−530512A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−504423(P2007−504423)
【出願日】平成17年3月25日(2005.3.25)
【国際出願番号】PCT/EP2005/051401
【国際公開番号】WO2005/107754
【国際公開日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(501439149)ソルベイ・フアーマシユーチカルズ・ベー・ブイ (71)
【Fターム(参考)】