説明

ピペリジン類およびピペラジン類

【課題】 有益な薬理学的な特性を有し、特に、中枢神経系に有効な新規なピペラジンおよびピペリジン誘導体およびその生理学的に許容出来る酸付加塩を提供する。
【解決手段】式I
【化1】


[式中Indは 非置換あるいはOH、OA、CN、Hal、COR2あるいはCH22で一置換または多置換されているインドール−3−イル基であり、R1は非置換あるいはCN、CH2OH、CH2OAまたはCOR2で一置換されているベンゾフラン−5−イル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル、クロマン−6−イル、クロマン−4−オン−6−イル、3−クロメン−6−イル、クロメン−4−オン−6−イルであり、QはCm2mであり、ZはNあるいはCR3である]のピペリジンとピペラジン誘導体およびその生理学的に許容出来る塩、それらを含有する医薬品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は式I
【0002】
【化1】

【0003】
[式中
Indは、置換されてないインドール−3−イル基であるかあるいはOH、OA、CN、Hal、COR2あるいはCH22で一置換されているか、あるいは多置換されているインドール−3−イル基であり、
1は、非置換あるいはCN、CH2OH、CH2OAあるいはCOR2で一置換されているベンゾフラン−5−イル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル、クロマン−6−イル、クロマン−4−オン−6−イル、3−クロメン−6−イル、クロメン−4−オン−6−イルであり、
Qは、Cm2mであり、
Zは、NあるいはCR3であり、
Aは、炭素原子1−6を有するアルキルであり、
Halは、F、Cl、BrあるいはIであり、
2は、OH、OA、NH、NHAあるいはNA2であり、
3は、H、OHあるいはOAであり、
mは、2、3あるいは4である]
の新規なピペリジンおよびピペラジン誘導体に関し、さらにその生理学的に許容出来る塩に関する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は医薬品の製造に使用可能である新規な化合物を提供することである。また本発明の別の目的は特に中枢神経系の疾患に使用することができる医薬品の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は式Iのピペリジンおよびピペラジン誘導体並びにその生理学的に許容出来る酸付加塩に関する。式Iの化合物およびその生理学的に許容出来る酸付加塩は有益な薬理学的な特性を有していることが見出されている。かくして、特に、中枢神経系に有効であって、特に5−HT1A−アゴイニストおよび5−HT−再吸収阻害によって有効である。これら化合物はさらにセロトニンアゴニストおよびアンタゴニストとしても有効である。これら化合物はトリチウム化したセロトニンリガンドが海馬のレセプターに結合することを阻害している(Cosseryなど、Eupopean J.Pharmacol.140(1987)、143−155)。これら化合物はBNA線状体中のDOPAの蓄積、縫線核中の5−HTPの蓄積をも緩和する(Zeyfriedなど、Eupopean J.Pharmacol.160(1989)、31−41)。これら化合物は鎮痛効果および昇圧効果をも持っている。従って、カテーテルを使用中の意識のある自発高圧ラット(系統 SHR/オカモト/NIH−MO−CHB−キスレグ(Kisslegg),方法:WeeksおよびJones、Proc.Soc.Explt.Biol.Med. 104(1960)、646−648参照)において、直接測定した血圧がこれら化合物の経口投与によって低下した。これら化合物は発作および脳虚血のような脳硬塞(脳卒中)の余病の防止および制御にも有用である。
【0006】
式Iの化合物およびその生理学的に許容出来る酸付加塩はしたがって血管退向、抗うつ病、抗精神薬、神経弛緩剤、および/または昇圧剤、および他の医薬品活性成分の製造のための中間体としても有用である。
【0007】
基Aは1、2、3、4、5あるいは6個の炭素原子、特に1あるいは2個の炭素原子を有するアルキルであって、このましくはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、第2級あるいは第3級ブチルである。OAは好ましくはメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、第2級あるいは第3級ブトキシである。NHAは好ましくはメチルアミノおよびエチルアミノ、イソプロピルアミノ、n−ブチルアミノ、イソブチルアミノ、第2級あるいは第3級ブチルアミノである。NA2は好ましくはジメチルアミノ、N−エチル−N−エチルアミノ、ジエチルアミノ、ジ−n−プロピルアミノ、ジイソプロピルアミノおよびジ−n−ブチルアミノである。
【0008】
同様にCO−NHAは好ましくはN−メチルカルバモイルあるいはN−エチルカルバモイルであり、CO−NA2は好ましくはN,N−ジメチルカルバモイルあるいはN,N−ジエチルカルバモイルである。
【0009】
基Indは置換されてないインドール−3−イル基であるか、あるいは上記の1基で1置換あるいは2置換されているインドール−3−イル基である。好ましくは5−位で置換されており、また4−、6−あるいは7−位で置換されている。さらに、1−位あるいは2−位の置換も可能である。インドール−3−イル基の好ましい置換基はOH、OA、CN、CONH2、CH2OH、であり、しかしCOOH、F、Cl、Br、I、CH2NH2、CONHA、あるいはCONA2であり、ここでAは好ましくはメチルあるいはエチルである。
【0010】
基R1は好ましくは非置換あるいはCH2OH、CONH2、COOAあるいはCOONHAで一置換されているベンゾフラン−5−イル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル、クロマン−6−イル、クロメン−4−オン−6−イルである。
【0011】
Qは好ましくは−(CH24−であり、しかし−(CH22−あるいは−(CH23−でもあり、ただしZは好ましくは−N−、−C(OH)−あるいは−CH−である。
【0012】
従って、本発明は上記の少なくとも一つの基が上記の意味の一つを、特に上記の好ましい意味の一つを有する式Iの化合物に特に関する。これら化合物の中の好ましいグループは式Iに対応する次の部分式IaないしIgによって示すことが可能である。ここで詳細には記載しなかった基とパラメターが式Iに対して定義されているが、
Iaにおいては、IndはOHあるいはOAで5−位を置換したインドール−3−イル基であり、
Ibにおいては、IndはCONH2あるいはCNで5−位を置換したインドール−3−イル基であり、
Icにおいては、ZはNであり、R1では非置換あるいは置換ベンゾフラン−5−イルであり、
Idにおいては、Zは−C(OH)−であり、R1では置換されてないかあるいは置換されているベンゾフラン−5−イルであり、
Ieにおいては、ZはNであり、R1は2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イルであり、
Ifにおいては、ZはNであり、R1はクロマン−6−イルであり、
Igにおいては、ZはNであり、R1はクロメン−4−オン−6−イルである。
【0013】
特に好ましい化合物は部分式IhとIahないしIghの化合物であり、これらは部分式IおよびIaないしIgに対応する。ここでQは−(CH24−である。
【0014】
本発明はさらに式Iのインドール誘導体およびその塩の製造方法に関し、その特徴とするところは式II
Ind−Q−X1 II
[式中
1は、XあるいはNH2であり、
XはCl、Br、I、OHあるいは反応性基を作るように官能基に修飾されたOH基であり、
IndとQは定義したとおりである]、
の化合物を式III
2−(CH22−ZR1−(CH22−X3 III
[式中
2およびX3は同一であることもあり、異なっていることもあって、X1=NH2ならばそれぞれXであり、他の場合には共にNHであり、
ZおよびR1は定義済みである]
の化合物と反応させること、
あるいはZがNである式Iの化合物を合成するために式IV
Ind−Q−N(CH2−CH2−X)2 IV
[式中
X、QおよびIndは定義済みである]
の化合物を式V
1−NH2
[式中
1は定義済みである]
と反応させること、
あるいは1個以上の水素原子が1個以上の還元性の基および/または1個以上の追加のC−Cおよび/またはC−N結合で置換されていることを除いては式Iを有する化合物を還元剤で処理すること、
あるいは1個以上の水素原子が1個以上の加溶媒分解可能な基で置換されていることを除いては式Iを有する化合物を加溶媒分解剤で処理すること、
および/またはOA基を場合によっては分解して、OH基を生じさせ、および/またはInd基および/またはAr基を他のIndおよび/またはAr基に転換すること、
あるいは式Iの得られた塩基または酸を酸あるいは塩基による処理によってその塩の1に変換することにある。
【0015】
式Iの化合物はそれ自身公知の文献記載のようなその他の方法で合成することも可能であって(例えば、Houben−Weyl著、有機化学の方法、ゲオルク−ティーメ出版社、シュツットガルト、有機化学反応、John Wiley & Sons社、ニューヨーク)のような標準的な著作、ドイツ公開特許公報41 01 686)すなわち公知であってかつその反応に適した条件のような反応条件下で合成する。それ自身公知の種々の変法を使用することも可能であるが、ここでは詳細には取り上げない。
【0016】
希望するならば、特許請求した方法のための出発物質はその場でそのまま反応混合物から分離せずに、直ちに反応させて式Iの化合物を合成することも可能である。
【0017】
式IIの化合物ではX1は好ましくはXであり、従って、式IIIの化合物では、X2およびX3は一緒に好ましくはNHである。基Xは好ましくはClあるいはBrであるが、I、OHあるいは反応性のある基、特に1−6個の炭素原子を有するアルキルスルフォニルオキシ(例えば、メタンスルフォニルオキシ)あるいは6−10個の炭素原子を有するアリルスルフォニルオキシ(例えば、ベンゼンスルフォニルオキシ、p−トルエンスルフォニルオキシ、ナフタレン−1−あるいは−2−スルフォニルオキシ)を精製するように修飾されたOH基であってもよい。
【0018】
従って、式Iのインドール誘導体は式インドール−Q−ClあるいはInd−Q−Brの化合物をX2およびX3が一緒になってNH基である(以降IIIaと記載する)式IIIのピペリジン/ピペラジン誘導体と反応させることによって得ることができる。
【0019】
式IIおよび特にIIIの化合物のうちの一部は公知であり、式IIおよびIIIの未知の化合物は公知化合物に類似して容易に合成することができる。
【0020】
Ind−Q−OHの第1級アルコールは適当なカルボン酸、あるいはそのエステルを還元することによって得ることができる。チオニルクロライド、臭化水素、三臭化燐、あるいは類似のハロゲン化合物で処理することによって式Ind−Q−Halの対応するハロゲン化物を得る。対応するスルフォニルオキシ化合物はInd−Q−OHアルコールから適当なスルフォニルクロライドを使った反応によって得ることができる。
【0021】
式Ind−Q−Iのヨウ化物は例えば、適当なp−トルエンスルフォン酸エステルでヨウ化カリウムと反応させて得ることができる。式Ind−Q−NH2のアミンを例えばカリウムフタルイミドでハロゲン化物からあるいは適当なニトリルを還元することによって得ることができる。
【0022】
大部分のピペラジン誘導体IIIaは公知であり、例えばビス(2−クロロエチル)アミンあるいはビス(2−クロロエチル)アンモニウムクロライドを5−アミノベンゾフラン、2,3−ジヒドロ−5−アミノベンゾフラン、6−アミノクロマン、あるいは6−アミノクロメン−4−オンあるいはこれら化合物の適当な置換誘導体と反応させることにより得ることができる。
【0023】
式IIIの化合物(X2およびX3がそれぞれの場合に、Xである)は例えば式AlkylOOC−CH2−ZR1−CH2−COO−alkylのジエステルを還元することによって、式OH−CH2−CH2−ZR1−CH2−CH2OH(III、X2=X3=OH)の化合物を作製し、希望するならば、その後SOCl2あるいはPBr3と反応させる。
【0024】
化合物IIおよびIIIの反応はアミンのアルキル化のための文献に公知のような方法によって進行する。溶媒のない場合には、封管中であるいは必要な場合にはオートクレーブ中で、成分を一緒に溶融することも可能である。しかしながら、不活性溶媒中で化合物を反応させることも可能である。適当な溶媒の例はベンゼン、トルエンあるいはキシレンのような炭化水素、アセトン、ブタノンのようなケトン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノールのようなアルコール、テトラヒドロフラン(THF)あるいはジオキサンのようなエーテル類、ジメチルフォルマミド(DMF)あるいはN−メチルピロリドンのようなアミド、アセトニトリルのようなニトリル、希望するならば、その他のこれらの溶媒同士の混合物、および水との混合物である。酸結合剤、例えば、アルカリ金属、あるいはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩あるいはその他の弱酸のアルカリ金属塩あるいはアルカリ土類金属塩、好ましくはカリウム、ナトリウム、カルシウム塩を添加することは好ましく、あるいはトリエチルアミン、ジメチルアニリン、ピリジンあるいはキノリンのような有機塩基を添加すること、あるいはアミン成分Ind−Q−NH2あるいは式IIIaのピペリジンあるいはピペラジン誘導体の過剰量を添加することも好ましいこともある。その反応時間は数分から14日の間にあり、使用した反応条件によって変動する。反応温度は約0ないし150℃、通常は20ないし130℃である。
【0025】
式Ind−Q−N(CH2−CH2−X)2(IV)の化合物を式R1−NH2(V)の化合物と反応させることによって式Iの化合物を得ることも可能である。
【0026】
大部分の式(V)の化合物は公知である。公知でない化合物は公知化合物に類似した方法で合成することができる。例えば、適当に置換したニトロ化合物から出発して、これら出発物質は還元によって式Vのアミンに転換することも可能である。式IVの化合物はInd−Q−Cl、Ind−Q−Br、Ind−Q−IをHN(CH2−CH2−X)2の第二級アミンと反応させることとによって合成することができる。化合物VおよびIVの反応は文献公知の、かつアミンのアルキル化のために上に示したような方法によって進行する。式Iの化合物は水素原子を1個以上の還元性の基および/または1個以上の追加のC−C、C−N結合で置換した前駆体を還元剤によって、好ましくは−80および+250℃の間で少なくとも1種の不活性溶媒中で反応させることによって得ることができる。還元性の基(水素で置換できる基)は特にカルボニル基中の酸素、水酸基、アリールスルフォニルオキシ(例えば、p−トルエンスルフォニルオキシ)、N−ベンゼンスルフォニル、N−ベンジル、O−ベンジルである。原理的には上記の基あるいは追加の結合を1種のみ含有している化合物、あるいは上記の基あるいは互いに隣接した追加の結合を2種以上含有している化合物は還元によって式Iの化合物に転換可能であって、出発物質中に存在するInd基中の置換基を同時に還元することも可能である。この反応は発生期の水素あるいは複雑な金属ハイドライドを使用して、あるいはウオルフ−キシュナー還元、遷移金属触媒の下での水素による還元で行なうことができる。
【0027】
還元のための好ましい出発素材は式VI
【0028】
【化2】

【0029】
[式中
Ind'は1−位でアリルスルフォニル基あるいはアルキルオキシカルボニル基でさらに置換されていることもできるInd基であり、
LはQであるか、または1個以上の−CH2が−CO−で置換されておりおよび/または1個以上の水素原子が1個以上のOH基あるいは二重結合で置換されている場合を除いては基Qに対応する鎖であり、
1は上述の意味を有するが、以下のような意味Ind'=Ind、かつL=Qを同時には持つことは出来ない]
を有している。
【0030】
式VIの化合物では、Lは好ましくは−CO−(CH2n-2−CO−、[特に−COCO−、−COCH2CO−、−CO−(CH22−CO−、−CO−(CH23−CO−]、−(CH2n-1−CO−[特に−CH2CO−、−CH2CH2−CO−、−(CH23−CO−あるいは−(CH24−CO−]であり、その他の例は−CO−CH2CH2−、−CO−(CH23−、−CH2−CO−CH2CH2−あるいは−CH2CH2−CO−CH2−である。式VIの化合物は例えば4−R1−ピペラジンあるいは4−R1−ピペリジンを式VII
Ind'−L−X1 VII
[式中
R、Ind、LおよびX1は既に定義したとおりである]、
の化合物とIIとIIIとを反応させるために既に記載した条件下で反応させることによって合成できる。
【0031】
発生期の水素を還元剤として使用するならば、この発生期の水素は例えば弱酸あるいは塩基で金属を処理することによって、製造することも出来る。従って、例えば亜鉛とアルカリ金属水酸化物溶液の混合物あるいは鉄と酢酸の混合物を使用することも可能である。ナトリウムあるいはその他のアルカリ金属をエタノール、イソプロパノール、ブタノール、アミルあるいはイソアミルアルコールあるいはフェノールに溶解して使用することも妥当である。アルミニウム−ニッケル合金をアルカリ性水溶液中で使用することも可能であって、必要ならばエタノールを添加しても良い。水性−アルコール性あるいは水性溶液中でナトリウムアマルガム、あるいはアルミニウムアマルガムを使用することは発生期の水素を製造するには適している。反応は水溶液相とベンゼンあるいはトルエン相を利用することが便利な不均一相内で行なうことも可能である。
【0032】
特別の長所になるように使用することができるその他の還元剤はLiAlH4、NaBH4、ジイソブチルアルミニウムハイドライドあるいはNaAl(OCH2CH2OCH322のような複雑な金属水素化物、およびジボランであり、BF3、AlCl3あるいはLiBrのような触媒を希望するならば添加しても良い。この目的に適した溶媒は特にジエチルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、THF、ジオキサン、ジグライムあるいはジメトキシエタンのようなエーテル類、ベンゼンのような炭化水素である。NaBH4による還元に適した溶媒はメタノールあるいはエタノールのような第1級アルコールならびに水あるいはアルコール水溶液類である。これらの方法による還元は好ましくは−80ないし+150℃、特に約0ないし100℃の温度で行なわれる。
【0033】
酸アミド中の−CO基のCH2への還元を(例えば、Lが−(CH2n-1−CO基である式VIの基)THF中で約0ないし66℃の温度でLiAlH4によって行なうことが特に有利である。インドール環の1−位にあるアリルスルフォニル保護基は同時に還元によって除去することができる。N−ベンジル基は液体アンモニア中でナトリウムによって還元すれば除去することができる。
【0034】
ウォルフ−キシュナー法によって1個以上のカルボニル基をCH2基に還元すること、例えば無水エタノール中で加圧下で150ないし250℃の温度で無水のヒドラジンを使用して処理することによって還元することが可能である。触媒としてはナトリウムアルコレートを使用することが有利である。還元はフアン−ミンロン法によって反応をジエチレングリコールあるいはトリエチレングリコールのような高沸点の水混合可能な溶媒中でヒドラジンハイドレートを使用して、水酸化ナトリウムのようなアルカリの存在下に反応を行なわせることで変更することができる。反応混合物は通常は約3−4時間沸騰する。その後に水を蒸留除去し、得られたヒドラゾンを約200℃までの温度で分解する。ウォルフ−キシュナー還元は室温でジメチルスルフォキサイド中でヒドラジンを使って行なうことも出来る。
【0035】
さらに、例えばラネーニッケルあるいはパラジウムのような遷移金属の触媒作用下で、H2気体を使用してある種の還元を行なうことも可能である。このような方法で、例えばCl、Br、I、SHあるいは一部にはOH基さえも水素に置換することができる。ニトロ基はメタノール中でのPd/H2 による接触水素添加によってNH2基に転換することが可能である。
【0036】
1個以上の水素が1個以上の可溶媒分解可能な基で置換されている場合を除いて、式Iを有する化合物は可溶媒分解可能であり、特に加水分解され、式Iの化合物を生成する。
【0037】
可溶媒分解のための出発物質は例えばIIIaを、1個以上の水素原子が1個以上の可溶媒分解可能な基で置換されている場合を除いて式II(X1=X)を有する化合物と反応させることによって得ることが出来る。従って、特に1−アシルインドール誘導体(この誘導体はInd基の1−位において誘導体がアシル基を有し、好ましくは、メタンスルフォニル、ベンゼンスルフォニル、p−トルエンスルフォニルのような10個迄の炭素を有するアルコキシカルボニル、アルカノイル、アルキルスルフォニルあるいはアリールスルフォニル基を有する以外は式Iを有する)は加水分解できて、例えば、酸性のあるいは好ましくは中性のあるいは塩基性の媒体中で0および200℃の間の温度でインドール環の1−位で置換されてない対応するインドール誘導体を生成する。水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウムあるいは炭酸カリウムあるいはアンモニアは好都合なことには塩基として使用される。選択した溶媒は好ましくは水、メタノールあるいはエタノールのような低級アルコール類、THF、ジオキサンのようなエーテル類、テトラメチレンスルフォンのようなスルフォン、これらの混合物、特に水を含有する混合物である。加水分解は水単独で処理して、特に沸点で簡単に行なうことができる。
【0038】
式Iの化合物はさらにそれ自身公知の方法で式Iの他の化合物に転換することも出来る。
【0039】
IndがCO−R1で置換されているインドール−3−イル基である式Iの化合物を適当なカルボキシインドール−3−イル化合物の誘導体を作製することにより入手することが出来る。例えば、それ自身公知の方法を使用して適当なアルコールあるいはアルコレートで酸をエステル化することも可能である。第1級あるいは第2級アミンを使用して、酸あるいはエステルをアミド化することも可能である。ペプチド合成の条件下で遊離のカルボン酸をアミンと反応させることが好ましい。この反応は、例えばジシクロヘキシルカルボジイミド、あるいはその他のN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド、のようなカルボジイミド、あるいはプロパンフォスフォニック無水物(Angew.Chem.92,129(1980)参照)、ジフェニルフォスフォリルアジドあるいは2−エトキシ−N−エトキシ−カルボニル−1,2−ジヒドロキノリンのような脱水剤の存在中にメチレンクロライドのようなハロゲン化炭化水素、THFあるいはジオキサンのようなエーテル類、DMFあるいはジメチルアセタミドのようなアミド、あるいはアセトニトリルのようなニトリルのような不活性溶媒中で−10ないし40℃、好ましくは0と30℃との間の温度で行なうことが好ましい。酸あるいはアミドの代わりに、反応中にこれらの物質の反応性誘導体を、例えば反応性基を中間段階で保護基で保護することによってブロック化した誘導体を使用することも可能である。酸はその活性化したエステルの形で使用することも可能であって、これらはその場で、例えばヒドロキシベンズトリアゾールあるいはN−ヒドロキシサクシニイミドの添加によって、得られることは好都合である。
【0040】
さらに、シアン−置換インドール−3−イル基を加水分解してカルボキシ−インドール−3−イルあるいはカルバミド−インドール−3−イル基とすることができる。
【0041】
しかしながら、逆に、アミドから出発して、例えばトリクロロアセチルクロライド/Et3N[Synthesis(2),184,(1985)]或はPOCl3(J.Org.Chem.26,1003(1961)から、水を除去することによってニトリルを合成することも特に好都合である。
【0042】
式Iの塩基を酸で対応する酸付加塩に転換することも可能である。生理学的に許容できる塩を製造する酸はこの反応に適している。従って、無機の酸、例えば硫酸、塩酸、臭酸のようなハロゲン化水素酸、正燐酸のような燐酸、硝酸、スルファミン酸、ならびに有機酸、すなわち特異な脂肪族、アリサイクリック、アラリファチック、芳香族、複素環の一塩基性あるいは多塩基性のカルボン酸類、スルフォンン酸類あるいは硫酸類、例えば義酸、酢酸、プロピオン酸、ピヴァール酸、ジエチル酢酸、マロン酸、琥珀酸、ピメール酸、フマール酸、マレイン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、安息香酸、サリチル酸、2−フェニールプロピオン酸、クエン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、ニコチン酸、イソニコチン酸、メタンスルフォン酸、エタンスルフォン酸、エタンジスルフォン酸、2−ヒドロキシエタンジスルフォン酸、ベンゼンスルフォン酸、p−トルエンスルフォン酸、ナフタレンモノスルフォン酸、ナフタレンジスルフォン酸およびラウリル硫酸を利用することも可能である。
【0043】
希望するならば、式Iの遊離の塩基は水酸化ナトリウムあるいは水酸化カリウムあるいは炭酸ナトリウムあるいは炭酸カリウムのような強い塩基で処理することによってその塩から遊離させることも出来る。ただし分子中に他の酸基が存在しないという前提がある。式Iの化合物が遊離の酸基を持っている場合には、塩基で処理することにより塩を形成することができる。適切な塩基はアルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、あるいは1級、2級、3級アミンの形の有機塩基である。
【0044】
本発明は更に式Iおよびその生理学的に許容できる塩を医薬品の製造用に、特に非化学的ルートによって製造することにも関する。この目的のために、これらを少なくとも1種の賦形剤あるいは補助剤と一緒に、しかも可能ならば、1種以上の追加の活性成分と組み合わせて適当な投与形態に転換することが出来る。
【0045】
本発明はさらに、式Iの少なくとも1種の化合物および/またはその生理学的に許容できる塩の1種を含有する組成物、特に医薬品に関する。これら製品は医薬品としてあるいは獣医薬品として使用することができる。可能な賦形剤は経腸、(例えば経口)、非経口、局所投与に適し、かつ新規化合物とは反応しない有機および無機の物質であって、これらの賦形剤の例は水、植物油、ベンジルアルコール、ポリエチレングリコール、ゼラチン、乳糖あるいは澱粉のような炭水化物ステアリン酸マグネシウム、タルク、石油ゼリーである。錠剤、糖衣錠、カプセル、シロップ、ジュース、ドロップ、座薬は特に経腸投与に使用し、溶液、好ましくは油性溶液のあるいは水溶液、ならびに懸濁液、乳液あるいはインプラントは非経口投与に使用し、軟膏、クリームあるいは粉末を局所投与に使用する。新規化合物は凍結乾燥可能であって、得られた凍結乾燥体は例えば注射薬の製造に使用する。
【0046】
上記の製品は滅菌することも出来て、および/または、滑沢剤、保存剤、安定剤および/または湿潤剤、乳濁剤、浸透圧に影響を及ぼすための塩、緩衝物質、着色剤、香味剤および/または芳香剤のような補助薬を含有することも出来る。さらに希望するならば、1種以上の活性成分、例えば1種以上のビタミンを含有することも出来る。
【0047】
式Iの化合物およびその生理学的に許容できる塩は人体および獣体の治療および疾病の制御に使用することができる。これらは緊張、欝病および/または精神病、高血圧の処置(例えばα−メチルドーパ)の副作用のような中枢神経系の疾患に使用することができる。化合物を内分泌領域、婦人科領域においても使用することができる、例えば、先端巨大症、性機能不全、二次的無月経、月経前症候群、予期しない産褥乳汁分泌、および脳疾患の予防および治療(例えば、片頭痛)、特にある種の麦角アルカロイドに類似した方法で老人医療分野において、搏動および脳虚血のような脳硬塞の続発症(脳卒中)の制御に使用することができる。
【0048】
これらの処置においては、本発明の物質は通常は公知の市販の製品(例えばブロモクリプチン、ジヒドロエルゴコルニン)に類似して、好ましくは約0.2および500mgの間の投与、特に投与単位あたり0.2および50mgの間の投与量で投与する。1日当たりの投与量は好ましくは0.001および10mg/体重kgである。低投与量(投与単位当たり約0.2ないし1mg、約0.001ないし0.005mg/体重kg)は抗片頭痛薬としての使用に適しており、単位投与当たり10および50mg間の投与量はその他の適応に好ましい。個々の患者のための特定の投与量は例えば使用したその化合物の活性、年令、体重、一般健康状態、性別、食餌療法、投与の時間および方法、排泄頻度、併用薬物、治療を行なっている特定の疾患の重篤度等の広範囲の因子によって変動する。経口投与が好ましい。
【0049】
以下の実施例では「慣用の方法での加工処理作業」とは「必要な場合には、水を添加し、メチレンクロライドで抽出し、有機相を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、炉液を蒸発させ、残留物をシリカゲルを使ったクロマトグラフィーおよび/または再結晶で精製すること」を意味する。温度は℃で表示する。Rf値をシリカゲルを使った薄層クロマトグラフィーで求めた。
【実施例】
【0050】
実施例1
3−(4−クロロブチル)−5−メトキシインドール[p−メトキシアニリンのジアゾ化、ジャップ−クリンクマンによるエチルシクロヘキサノン−2−カルボキシレートとの反応により4−(2−カルボエトキシインドール−3−イル)ブチリックアシッドを生成させ、アルカリ加水分解、脱炭酸、LiAlH4 による還元、SOCl2との反応によって得ることができる]1.8gおよび1−(2−ヒドロキシメチルベンゾフラン−5−イル)ピペラジン[N,N−ビス(2−クロロエチルアミン)と2−ヒドロキシメチル−5−アミノベンゾフランとの反応によって得ることができる]1.9gをアセトニトリル200リットルに溶解し、その混合物を室温で10時間攪拌する。通常の加工処理作業の結果、1−[4−(メトキシインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−ヒドロキシメチルベンゾフラン−5−イル)ピペラジンが得られる。融点 159℃。
【0051】
同様にして以下の化合物が得られる、
反応 3−(4−クロロブチル)−5−メトキシインドールと1−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)ピペラジンとの反応
生成物 1−[4−(5−メトキシインドール−3−イル)ブチル]−4−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)ピペラジン、融点 111−112℃。
反応 3−(4−クロロブチル)−5−ヒドキシインドールと1−(クロマン−6−イル)ピペラジンとの反応
生成物 1−[4−(5−ヒドロキシインドール−3−イル)ブチル]−4−(クロマン−6−イル)ピペラジン、融点 220−222℃。
反応 3−(4−クロロブチル)−5−メトキシインドールと1−(クロマン−6−イル)ピペラジンとの反応
生成物 1−[4−(5−メトキシインドール−3−イル)ブチル]−4−(クロマン−6−イル)ピペラジン、融点 129−130℃。
反応 メチル 3−(4−クロロブチル)−5−インドールカルボキシレートと1−(クロマン−6−イル)ピペラジンとの反応
生成物 1−[4−(5−メトキシカルボニルインドール−3−イル)ブチル]−4−(クロマン−6−イル)ピペラジン。
反応 メチル 3−(4−クロロブチル)−5−インドールカルボキシレートと1−(ベンゾフラン−5−イル)ピペラジンとの反応
生成物 1−[4−(5−エトキシカルボニルインドール−3−イル)ブチル]−4−(ベンゾフラン−5−イル)ピペラジン、
反応 3−(4−クロロブチル)−5−メトキシインドールと1−(ベンゾフラン−5−イル)ピペラジンとの反応
生成物 1−[4−(5−メトキシインドール−3−イル)ブチル]−4−(ベンゾフラン−5−イル)ピペラジン、
反応 3−(4−クロロブチル)−5−メトキシカルボニルインドールと1−(クロメン−4−オン−6−イル)ピペラジンとの反応
生成物 1−[4−(5−メトキシカルボニルインドール−3−イル)ブチル]−4−(クロメン−4−オン−6−イル)ピペラジン、
反応 3−(4−クロロブチル)−5−シアノインドールと1−(クロメン−4−オン−6−イル)ピペラジンとの反応
生成物 1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(クロメン−4−オン−6−イル)ピペラジン、
反応 3−(4−クロロブチル)−5−クロロインドールと1−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)ピペラジンとの反応
生成物 1−[4−(5−クロロインドール−3−イル)ブチル]−4−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)ピペラジン、
反応 3−(4−クロロブチル)−5−メトキシカルボニルインドールと1−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)ピペラジンとの反応
生成物 1−[4−(5−メトキシカルボニルインドール−3−イル)ブチル]−4−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)ピペラジン、
反応 3−(4−クロロブチル)−5−メトキシカルボニルインドールと4−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)ピペリジンとの反応
生成物 1−[4−(5−メトキシカルボニルインドール−3−イル)ブチル]−4−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)ピペリラジン、
反応 3−(4−クロロブチル)−5−メトキシカルボニルインドールと4−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)−4−ヒドロキシピペリジンとの反応
生成物 1−[4−(5−メトキシカルボニルインドール−3−イル)ブチル]−4−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)−4−ヒドロキシピペリジン、
反応 3−(4−クロロブチル)−5,6−ジメトキシインドールと1−(クロマン−6−イル)ピペラジンとの反応
生成物 1−[4−(5,6−ジメトキシインドール−3−イル)ブチル]−4−(クロマン−6−イル)ピペラジン、
反応 3−(4−クロロブチル)−5−シアノインドールと1−(2−カルボキシベンゾフラン−5−イル)ピペラジンとの反応
生成物 1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルボキシベンゾフラン−5−イル)ピペラジン、
反応 3−(4−クロロブチル)−5−フロロインドールと1−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)ピペラジンとの反応
生成物 1−[4−(5−フロロインドール−3−イル)ブチル]−4−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)ピペラジン。
【0052】
実施例2
1−[4−(5−メトキシインドール−3−イル)ブチル]−4−(クロマン−6−イル)ピペラジン[実施例1によって得ることができる]1.8gを2規定のエタノール性水酸化カリウム溶液100ml中で0.5時間煮沸し、通常の方法で加工処理作業を行ない、1−[4−(5−カルボキシインドール−3−イル)ブチル]−4−クロマン−6−イル)ピペラジンを生成する。同様にして以下の出発物質から対応するエステルのアルカリ性加水分解によって以下の化合物が得られる、
出発物質 1−[4−(5−エトキシカルボニルインドール−3−イル)ブチル]−4−ベンゾフラン−5−イル)ピペラジン、
生成物 1−[4−(5−カルボキシインドール−3−イル)ブチル]−4−(ベンゾフラン−5−イル)ピペラジン、
出発物質 1−[4−(5−メトキシカルボニルインドール−3−イル)ブチル]−4−(クロメン−4−オン−6−イル)ピペラジン、
生成物 1−[4−(5−カルボキシインドール−3−イル)ブチル]−4−(クロメン−4−オン−6−イル)ピペラジン、
出発物質 1−[4−(5−メトキシカルボニルインドール−3−イル)ブチル]−4−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)ピペラジン、
生成物 1−[4−(5−カルボキシインドール−3−イル)ブチル]−4−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)ピペラジン、
出発物質 1−[4−(5−メトキシカルボニルインドール−3−イル)ブチル]−4−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)−4−ヒドロキシピペリジン、
生成物 1−[4−(5−カルボキシインドール−3−イル)ブチル]−4−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)−4−ヒドロキシピペリジン。
【0053】
実施例3
1−[4−(5−カルボキシインドール−3−イル)ブチル]−4−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)ピペラジン2.8gをN−メチルピロリドン100ミリリットル中に懸濁する。2−クロロ−1−メチルピリジニウムメタンスルフォネート3.2gを添加し、その混合物を室温で12時間攪拌する。得られた溶液に乾燥したNH3 を飽和するまで通過させ、その後にその混合物を再び10時間攪拌する。通常の加工処理作業の結果、1−[4−(5−カルバモイルインドール−3−イル)ブチル]−4−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)ピペラジンを得る。
【0054】
下記のカルボン酸を2−クロロ−1−メチルピリジニウムメタンスルフォネートでアミド化することによって同様に下記の化合物を得ることができる。
出発物質 1−[4−(5−カルボキシインドール−3−イル)ブチル]−4−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)ピペリジン
生成物 1−[4−(5−カルバモイルインドール−3−イル)ブチル]−4−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)ピペリジン、融点155−157℃、
出発物質 1−[4−(5−カルボキシインドール−3−イル)ブチル]−4−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)−ヒドロキシピペリジン
生成物 1−[4−(5−カルバモイルインドール−3−イル)ブチル]−4−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)−4−ヒドロキシピペリジン、融点 69℃(分解)、
出発物質 1−[4−(5−カルボキシインドール−3−イル)ブチル]−4−(クロマン−6−イル)−ピペラジン
生成物 1−[4−(5−カルバモイルインドール−3−イル)ブチル]−4−(クロマン−6−イル)−ピペラジン。
【0055】
実施例4
実施例3と同様にして、1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルボキシベンゾフラン−5−イル)ピペラジンから出発して2−クロロ−1−メチルピリジニウムメタンスルフォネートと反応させると、1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイルベンゾフラン−5−イル)ピペラジン、融点269−272(塩酸塩)が得られる。
【0056】
実施例5
3−(2−アミノエチル)−5−シアノインドール[5−シアノインドールと2−クロロアセチルクロライドとを反応させて、3−(2−クロロアセチル)−5−シアノインドールを生成させ、その後にジボランで還元し、フタルイミドと反応させ、加水分解することによって得られる]2.6gと1当量の5−[N,N−ビス(2−クロロエチル)アミノ]ベンゾフラン[2−クロロアセチルクロライドと5−アミノベンゾフランとを反応させ、その後にジボランで還元して得られる]のアセトン40mlおよび水40mlに溶解した混合物を20時間煮沸し、その後に通常の加工処理作業を行なうと、1−[2−(5−シアノインドール−3−イル)エチル]−4−(ベンゾフラン−5−イル)ピペラジンが得られる。
【0057】
以下同様にして5−[N,N−ビス(2−クロロエチル)アミノ]ベンゾフランとの反応によって以下の化合物が得られる。
反応物 3−(4−アミノブチル)−5−メトキシメチルインドール
生成物 1−[4−(5−メトキシメチルインドール−3−イル)ブチル]−4−(ベンゾフラン−5−イル)ピペラジン、
反応物 3−(3−アミノプロピル)−5−ヒドロキシインドール
生成物 1−[3−(5−ヒドロキシインドール−3−イル)プロピル]−4−(ベンゾフラン−5−イル)ピペラジン、
反応物 3−(2−アミノエチル)−5−メトキシインドール
生成物 1−[2−(5−メトキシインドール−3−イル)エチル]−4−(ベンゾフラン−5−イル)ピペラジン、
反応物 メチル 3−(3−アミノプロピル)−5−インドールカルボキシレート
生成物 1−[3−(5−メトキシカルボニルインドール−3−イル)プロピル]−4−(ベンゾフラン−5−イル)ピペラジン、
反応物 エチル 3−(2−アミノエチル)−5−インドールカルボキシレート
生成物 1−[2−(5−エトキシカルボニルインドール−3−イル)エチル]−4−(ベンゾフラン−5−イル)ピペラジン、
反応物 3−(4−アミノブチル)−5−フロロインドール
生成物 1−[4−(5−フロロインドール−3−イル)ブチル]−4−(ベンゾフラン−5−イル)ピペラジン、
反応物 3−(3−アミノプロピル)−5−シアノインドール
生成物 1−[3−(5−シアノインドール−3−イル)プロピル]−4−(2−カルボキシベンゾフラン−5−イル)ピペラジン。
【0058】
実施例6
実施例5と同様に3−(2−アミノエチル)−5−メトキシインドール3.2gと6−[N,N−ビス(2−クロロエチル)アミノ]クロマン[2−クロロアセチルクロライドと6−アミノクロマンとを反応させ、その後にジボランで還元して得られる]1.3当量との反応の結果1−[2−(5−メトキシインドール−3−イル)エチル]−4−(クロマン−6−イル)ピペラジンが得られる。同様にして6−[N,N−ビス(2−クロロエチル)アミノ]クロマンとの反応によって以下の化合物が得られる。
反応物 3−(4−アミノブチル)−5−メトキシメチルインドール
生成物 1−[4−(5−メトキシメチルインドール−3−イル)ブチル]−4−(クロマン−6−イル)ピペラジン、
反応物 3−(3−アミノプロピル)−5−ヒドロキシインドール
生成物 1−[3−(5−ヒドロキシインドール−3−イル)プロピル]−4−(クロマン−6−イル)ピペラジン、
反応物 3−(2−アミノエチル)−5−メトキシインドール
生成物 1−[2−(5−メトキシインドール−3−イル)プロピル]−4−(クロマン−6−イル)ピペラジン、
反応物 メチル 3−(3−アミノプロピル)−5−インドールカルボキシレート
生成物 1−[3−(5−メトキシカルボニルインドール−3−イル)プロピル]−4−(クロマン−6−イル)ピペラジン、
反応物 エチル 3−(2−アミノエチル)−5−インドールカルボキシレート
生成物 1−[2−(5−エトキシカルボニルインドール−3−イル)エチル]−4−(クロマン−6−イル)ピペラジン、
反応物 3−(4−アミノブチル)−5−フロロインドール
生成物 1−[4−(5−フロロインドール−3−イル)ブチル]−4−(クロマン−6−イル)ピペラジン、
反応物 3−(3−アミノプロピル)−5−シアノインドール
生成物 1−[3−(5−シアノインドール−3−イル)プロピル]−4−(2−カルボキシクロマン−6−イル)ピペラジン。
【0059】
実施例7
1−[4−(5−カルボキシインドール−3−イル)ブチル]−4−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)ピペラジン3.9gをDMF250mlに溶解した溶液をN−メチルモルフォリン1gで処理する。ターシャリブチルアミン1当量をDMF5mlに溶解した溶液、1−ヒドロキシベンズトリアゾール1.3gおよびN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N'−エチルカルボジイミド塩酸塩1.9gをDMF20mlに溶解した溶液をこの溶液に攪拌しながら添加する。混合物を室温で16時間攪拌し、濾液を蒸発させる。通常の加工処理作業の結果、1−[4−(5−N−ターシャリ−ブチルカルバモイルインドール−3−イル)ブチル]−4−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)ピペラジンが得られる。同様にしてターシャリブチルアミンとの反応で以下の化合物が得られる、
出発物質 1−[4−(5−カルボキシインドール−3−イル)ブチル]−4−(クロマン−6−イル)ピペラジン、
生成物 1−[4−(5−N−ターシャリ−ブチルカルバモイルインドール−3−イル)ブチル]−4−(クロマン−6−イル)ピペラジン、
出発物質 1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(カルボキシベンゾフラン−5−イル)ピペラジン、
生成物 1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−N−ターシャリブチルカルバモイルベンゾフラン−5−イル)ピペラジン。
【0060】
実施例8
1−[4−(5−メトキシインドール−3−イル)ブチル]−4−(クロマン−6−イル)ピペラジン[実施例1によって合成可能]2.1g、ピリジンハイドロクロライド1.8gおよびピリジン50mlの混合物を3時間煮沸する。冷却、蒸発させて、残留物を慣用の方法で加工処理し、その結果 1−[4−(5−ヒドロキシインドール−3−イル)ブチル]−4−(クロマン−6−イル)ピペラジン、融点 220−222℃が得られる。以下の化合物が同様に得られる。
出発物質 1−[4−(5−メトキシインドール−3−イル)ブチル]−4−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)ピペラジン
生成物 1−[4−(5−ヒドロキシインドール−3−イル)ブチル]−4−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)ピペラジン、
出発物質 1−[4−(5−メトキシインドール−3−イル)ブチル]−4−(ベンゾフラン−5−イル)ピペラジン
生成物 1−[4−(5−ヒドロキシインドール−3−イル)ブチル]−4−(ベンゾフラン−5−イル)ピペラジン、
出発物質 1−[4−(5−メトキシカルボニルインドール−3−イル)ブチル]−4−(クロメン−4−オン−6−イル)ピペラジン
生成物 1−[4−(5−ヒドロキシカルボニルインドール−3−イル)ブチル]−4−(クロメン−4−オン−6−イル)ピペラジン、
出発物質 1−[4−(5−メトキシメチルインドール−3−イル)ブチル]−4−(ベンゾフラン−5−イル)ピペラジン
生成物 1−[4−(5−ヒドロキシメチルインドール−3−イル)ブチル]−4−(ベンゾフラン−5−イル)ピペラジン、
出発物質 1−[2−(5−メトキシインドール−3−イル)エチル]−4−(ベンゾフラン−5−イル)ピペラジン
生成物 1−[2−(5−ヒドロキシインドール−3−イル)エチル]−4−(ベンゾフラン−5−イル)ピペラジン、
出発物質 1−[2−(5−メトキシインドール−3−イル)エチル]−4−(ベンゾフラン−5−イル)ピペラジン
生成物 1−[2−(5−ヒドロキシインドール−3−イル)エチル]−4−(ベンゾフラン−5−イル)ピペラジン。
【0061】
実施例9
実施例1と同様に、3−(4−クロロブチル)−5−シアノインドール[5−シアノインドールを4−クロロブチリルクロライドと反応させ、3−(4−クロロブチリル)−5−メトキシインドールを生じさせ、その後にNaAlH2(OCH2CH2OCH32で還元することによって得られる]と1−(2−エトキシカルボニルベンゾフラン−5−イル)ピペラジン[N,N−ビス(2−クロロエチル)アミンと2−エトキシ−カルボニル−5−アミノベンゾフランとの反応によって得られる]の反応から出発して、通常の加工処理作業の後に、1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−エトキシカルボニルベンゾフラン−5−イル)ピペラジンを得る。融点221−223℃(ジヒドロクロライド)
下記の化合物が同様に得られる:
出発物質 3−(4−クロロブチル)−5−メトキシインドールと1−(2−シアノベンゾフラン−5−イル)ピペラジン
生成物 1−[4−(5−メトキシインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−シアノベンゾフラン−5−イル)ピペラジン
出発物質 3−(4−クロロブチル)−5,6−ジメトキシインドールと1−(クロマン−6−イル)ピペラジン
生成物 1−[4−(5,6−ジメトキシインドール−3−イル)ブチル]−4−(クロマン−6−イル)ピペラジン
出発物質 3−(4−クロロブチル)−5,6−ジフロロインドールと1−(クロマン−6−イル)ピペラジン
生成物 1−[4−(5,6−ジフロロインドール−3−イル)ブチル]−4−(クロマン−6−イル)ピペラジン
出発物質 メチル 3−(4−クロロブチル)−6−インドールカルボキシレートと1−(クロマン−6−イル)ピペラジン
生成物 1−[4−(6−メトキシカルボニルインドール−3−イル)ブチル]−4−(クロマン−6−イル)ピペラジン
出発物質 エチル 3−(3−クロロプロピル)−6−インドールカルボキシレートと1−(2−シアノベンゾフラン−5−イル)ピペラジン
生成物 1−[3−(6−エトキシカルボニルインドール−3−イル)プロピル]−4−(2−シアノベンゾフラン−5−イル)ピペラジン
出発物質 3−(4−クロロブチル)−5−メトキシインドールと1−(2−N−メチルカルバモイルベンゾフラン−5−イル)ピペラジン
生成物 1−[4−(5−メトキシインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−N−メチルカルバモイルベンゾフラン−5−イル)ピペラジン
出発物質 3−(4−クロロブチル)−6−クロロインドールと1−(クロメン−4−オン−6−イル)ピペラジン
生成物 1−[4−(6−クロロインドール−3−イル)ブチル]−4−(クロメン−4−オン−6−イル)ピペラジン
出発物質 3−(2−クロロエチル)−5−シアノインドールと1−(クロメン−4−オン−6−イル)ピペラジン
生成物 1−[2−(5−シアノインドール−3−イル)エチル]−4−(クロメン−4−オン−6−イル)ピペラジン
出発物質 3−(2−クロロエチル)−5,6−ジクロロインドールと1−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)ピペラジン
生成物 1−[2−(5,6−ジクロロインドール−3−イル)エチル]−4−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)ピペラジン
出発物質 3−(4−クロロブチル)−5−メトキシカルボニルインドールと1−(2−カルボキシベンゾフラン−5−イル)ピペラジン
生成物 1−[4−(5−メトキシカルボニルインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルボキシベンゾフラン−5−イル)ピペラジン
出発物質 3−(2−クロロエチル)−5−メトキシカルボニルインドールと4−(2−カルボキシベンゾフラン−5−イル)ピペリジン
生成物 1−[2−(5−メトキシカルボニルインドール−3−イル)エチル]−4−(2−カルボキシベンゾフラン−5−イル)ピペリジン
出発物質 3−(4−クロロブチル)−6−メトキシカルボニルインドールと4−(3−カルボキシベンゾフラン−5−イル)−4−ヒドロキシピペリジン
生成物 1−[4−(6−メトキシカルボニルインドール−3−イル)ブチル]−4−(3−カルボキシベンゾフラン−5−イル)−4−ヒドロキシピペリジン
出発物質 3−(4−クロロブチル)−7−メトキシカルボニルインドールと4−(3−カルボキシベンゾフラン−5−イル)−4−ヒドロキシピペリジン
生成物 1−[4−(7−メトキシカルボニルインドール−3−イル)ブチル]−4−(3−カルボキシベンゾフラン−5−イル)−4−ヒドロキシピペリジン
出発物質 3−(4−クロロブチル)−5,6−ジメトキシインドールと1−(2−カルボキシベンゾフラン−5−イル)ピペラジン
生成物 1−[4−(5,6−ジメトキシインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルボキシベンゾフラン−5−イル)ピペラジン。
【0062】
実施例10
1−[4−(5−メトキシカルボニルインドール−3−イル)ブチル]−4−(クロメン−4−オン−6−イル)ピペラジンをTHF40mlに溶解した溶液を、リチウムアルミニウムハイドライド0.6gをTHF20mlに懸濁した懸濁液に攪拌しながら室温で滴下する。ついでその混合物を25℃でさらに1時間攪拌し、希薄水酸化ナトリウム溶液20mlを添加し、その混合物を濾過し、濾液を通常の方法で加工処理する。1−[4−(5−ヒドロキシメチルインドール−3−イル)ブチル]−4−(クロメン−4−オン−6−イル)ピペラジンが得られる。以下の化合物が還元によって同様に得られる。
出発物質 1−[4−(5−メトキシカルボニルインドール−3−イル)ブチル]−4−(クロマン−6−イル)ピペラジン
生成物 1−[4−(5−ヒドロキシメチルインドール−3−イル)ブチル]−4−(クロマン−6−イル)ピペラジン
出発物質 1−[4−(5−メトキシカルボニルインドール−3−イル)ブチル]−4−(ベンゾフラン−5−イル)ピペラジン
生成物 1−[4−(5−ヒドロキシメチルインドール−3−イル)ブチル]−4−(ベンゾフラン−5−イル)ピペラジン
出発物質 1−[3−(5−メトキシカルボニルインドール−3−イル)プロピル]−4−(クロマン−6−イル)ピペリジン
生成物 1−[3−(5−ヒドロキシメチルインドール−3−イル)プロピル]−4−(クロマン−6−イル)ピペリジン
出発物質 1−[2−(5−メトキシカルボニルインドール−3−イル)エチル]−4−(クロマン−6−イル)ピペリジン
生成物 1−[2−(5−ヒドロキシメチルインドール−3−イル)エチル]−4−(クロマン−6−イル)ピペリジン。
【0063】
実施例11
1−[4−(5−カルボキシインドール−3−イル)ブチル]−4−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)ピペラジン2.5gを無水メタノール50mlに溶解した溶液を沸騰させながら2時間塩化水素ガスを通過させる。この混合物をさらに1時間沸騰させ、通常の方法で加工処理を行ない、1−[4−(5−メトキシカルボニルインドール−3−イル)ブチル]−4−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)ピペラジンが得られる。
【0064】
下記の化合物が同様にエステル化によって得られる。
出発物質 1−[4−(5−カルボキシインドール−3−イル)ブチル]−4−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)−4−ヒドロキシピペリジン
生成物 1−[4−(5−メトキシカルボニルインドール−3−イル)ブチル]−4−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)−4−ヒドロキシピペリジン
出発物質 1−[4−(5−カルボキシインドール−3−イル)ブチル]−4−(クロマン−6−イル)−ピペラジン
生成物 1−[4−(5−メトキシカルボニルインドール−3−イル)ブチル]−4−(クロマン−6−イル)ピペラジン
出発物質 1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルボキシベンゾフラン−5−イル)−ピペラジン
生成物 1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−メトキシカルボニルベンゾフラン−5−イル)ピペラジン。
【0065】
実施例A:注射用バイアル瓶式Iの活性成分100gとリン酸水素二ナトリウム5gを再蒸留水3リットルに溶解した溶液を2規定の塩酸溶液を使用してpH6.5に調節し、無菌濾過し、注射用バイアル瓶に入れ、凍結乾燥し、無菌熔封する。各注射バイアル瓶は活性成分を5mg含有している。
【0066】
実施例B:坐薬式Iの活性物質20mg、ソーヤレシチン100gとココアバター1400gの混合物を溶融し、鋳型に注入し、放冷する。各座薬は活性物質20mgを含有する。
【0067】
実施例C:溶液式Iの活性成分を1gとNaH2PO4・2H2Oを9.38g,Na2HPO4・12H2Oを28.48g、塩化ベンズアルコニウムを0.1gを再蒸留水を940mlに溶解した溶液を作製する。そのpHを6.8に調節し、その溶液を1リットルにし、紫外線照射によって滅菌する。この溶液を点眼剤の形態で使用することができる。
【0068】
実施例D:軟膏式Iの活性成分500mgを無菌条件下で黄色ワセリン99.5gと混合する。
【0069】
実施例E:錠剤式Iの活性成分1kg、乳糖4kg、馬鈴薯澱粉1.2kg、タルク0.2kg、ステアリン酸マグネシウム0.1kgの混合物を各錠剤が活性成分10mgを含有するように慣用の方法で打錠成形する。
【0070】
実施例F:糖衣錠実施例Eと同じように打錠成形し、その後に慣用の方法で砂糖、馬鈴薯澱粉、タルク、トラガカント、着色剤のコーティングで糖衣錠を作製した。
【0071】
実施例G:カプセル剤各カプセルが活性成分20mgを含有するように式Iの活性成分2kgを慣用の方法でハードゼラチンカプセルに充填する。
【0072】
実施例H:アンプル剤式Iの活性成分1kgを二回蒸留した水60リットルに溶解した溶液をアンプルに充填し、無菌条件下で凍結乾燥し、無菌条件下で熔封する。各アンプルは活性成分を10mgを含有している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】


[式中
Indは、置換されてないインドール−3−イル基であるか、あるいはOH、OA、CN、Hal、COR2あるいはCH22で一置換されているか、あるいは多置換されているインドール−3−イル基であり、
1は、非置換あるいはCN、CH2OH、CH2OAあるいはCOR2で一置換されているベンゾフラン−5−イル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル、クロマン−6−イル、クロマン−4−オン−6−イル、3−クロメン−6−イル、クロメン−4−オン−6−イルであり、
Qは、Cm2mであり、
Zは、NあるいはCR3であり、
Aは、炭素原子1−6個を有するアルキルであり、
Halは、F、Cl、BrあるいはIであり、
2は、OH、OA、NH、NHAあるいはNA2であり、
3は、H、OHあるいはOAであり、
mは、2、3あるいは4である]
のピペリジンおよびピペラジン誘導体並びにその生理学的に許容出来る塩。
【請求項2】
(a) 1−[4−(5−メトキシインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−ヒドロキシ−メチルベンゾフラン−5−イル)ピペラジン、
(b) 1−[4−(5−カルバモイルインドール−3−イル)ブチル]−4−ヒドロキシ−4−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)ピペリジン、
(c) 1−[4−(5−カルバモイルインドール−3−イル)ブチル]−4−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)ピペリジン、
(d) 1−[4−(5−メトキシインドール−3−イル)ブチル]−4−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)ピペラジン、
(e) 1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−エトキシカルボニルベンゾフラン−5−イル)ピペラジン、
(f) 1−[4−(5−シアノインドール−3−イル)ブチル]−4−(2−カルバモイルベンゾフラン−5−イル)ピペラジン、
(g) 1−[4−(5−メトキシインドール−3−イル)ブチル]−4−(クロマン−6−イル)ピペラジン、
(h) 1−[4−(5−ヒドロキシインドール−3−イル)ブチル]−4−(クロマン−6−イル)ピペラジン。
【請求項3】
Ind−Q−X1 II
[式中
1は、XあるいはNH2であり、
XはCl、Br、I、OHあるいは反応性基を作るように官能基に改質したOH基であり、
IndとQは定義したとおりである]
の化合物を式III
2−(CH22−ZR1−(CH22−X3 III
[式中
2およびX3は、同一または、異なっていてもよく、X1=NH2ならばそれぞれXであり、他の場合には一緒にNHであり、
ZおよびR1は定義したとおりである]
の化合物と反応させること、
あるいはZがNである式Iの化合物を合成するために式IV
Ind−Q−N−(CH2−CH2−X)2 IV
[式中
X、QおよびIndは定義したとおりである]
の化合物を式V
1−NH2
[式中
1は定義したとおりである]
の化合物と反応させること、
あるいは1個以上の水素原子が1個以上の還元性の基および/または1個以上の追加のC−Cおよび/またはC−N結合で置換されることを除いては式Iを有する化合物が還元剤で処理すること、
あるいは1個以上の水素原子が1個以上の加溶媒分解可能な基で置換されていることを除いては式Iを有する化合物が加溶媒分解剤で処理すること、
および/またはOA基を場合によっては分解して、OH基を生じさせ、および/またはInd基および/またはR1基は他のIndおよび/またはR1基に転換すること、
および/または式Iの得られた塩基または酸を酸あるいは塩基による処理によってその塩の1種に変換すること
を特徴とする請求項1による式Iのピペラジンおよびピペリジン誘導体並びにその塩の製造方法。
【請求項4】
請求項1による式Iの化合物および/または生理学的に許容できる塩の1種を少なくとも1種の固体、液体あるいは半流動性の賦形剤あるいは補助薬と共に適当な投与形態に変換することを特徴とする医薬品製造方法。
【請求項5】
請求項1による一般式Iの少なくとも1種の化合物および/またはその生理学的に許容できる塩の少なくとも1種を含有することを特徴とする医薬品。
【請求項6】
請求項1による式Iの化合物あるいはその生理学的に許容できる塩の医薬品製造に使用する方法。
【請求項7】
請求項1による式Iの化合物あるいはその生理学的に許容できる塩の疾病制御に使用する方法。

【公開番号】特開2007−119502(P2007−119502A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−34671(P2007−34671)
【出願日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【分割の表示】特願平6−233538の分割
【原出願日】平成6年9月28日(1994.9.28)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】