説明

ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、方法、使用及び組成物

本発明は、不安、てんかん及び不眠症を含めた睡眠障害を治療又は予防すること、及び鎮静−催眠、麻酔、睡眠及び筋弛緩を誘発することに有用な新規なピラゾロ[1,5−a]ピリミジンを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GABA受容体に対する親和性を有する薬剤、具体的にはピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、より具体的には、N−{2−置換−5−[3−置換−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−アセトアミド及びN−{2−置換−5−[3−置換−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−メタンスルホンアミドを対象とする。
【背景技術】
【0002】
GABA受容体(γアミノ酪酸)は、膜イオンチャネルを形成する五量体タンパク質である。GABA受容体は、鎮静、不安、筋緊張、てんかん発作性の活動及び記憶機能の制御に関与している。これらの作用は、GABA受容体の決まったサブユニット、特にα1サブユニット及びα2サブユニットによるものである。
【0003】
鎮静状態は、αサブユニットにより調節される。ゾルピデムは、α受容体に対し高い親和性を有するという特徴があり、その鎮静作用及び催眠作用はこれら受容体によりインビボで媒介される。同様に、ザレプロンの催眠作用もα受容体で媒介される。
【0004】
ジアゼパムの不安緩解作用は、α受容体を発現するニューロン集団におけるGABA作動性伝達の増強により媒介される。これは、α受容体が、不安の治療に対して極めて特異的な標的であることを示している。
【0005】
ジアゼパムでの筋弛緩は、α受容体で主に媒介される。なぜならこれらの受容体は、脊髄において極めて特異的な発現を示すからである。
【0006】
ジアゼパムの抗痙攣効果は、一部α受容体によるものである。記憶障害性化合物であるジアゼパムにおいて、順向性健忘症がα受容体で媒介される。
【0007】
GABA受容体並びにそのα−及びα−サブユニットは、H.Mohlerら(J.Pharmacol.Exp.Ther.、300、2〜8、2002)、H.Mohlerら(Curr.Opin.Pharmacol.、1、22〜25、2001)、U.Rudolphら(Nature、401、796〜800、1999)、及びD.J.Nuttら(Br.J.Psychiatry、179、390〜396、2001)で広く概説されている。
【0008】
ジアゼパム及び他の古典的なベンゾジアゼピンは、抗不安薬、催眠薬、抗痙攣剤及び筋弛緩剤として広く使用されている。その副作用は、順向性健忘症、運動活動の低下及びエタノール作用の増強を含む。
【0009】
このような背景で、本発明の化合物は、睡眠障害、好ましくは不眠症、不安及びてんかんの臨床的応用のためのα−及びα−GABA受容体のリガンドである。
【0010】
不眠症は、大いにまん延している疾患である。人口の10%が慢性的にそれに冒されており、一過性不眠症を計算に入れると30%になる。不眠症とは、眠りにつくこと及び眠り続けることが困難であることを言い、疲労感、エネルギー不足、集中力の低下及びいらいらなど、次の日への持ち越される影響を伴う。この病気による社会及び健康への影響は重大で、社会経済に明らかな反動を生じる結果となっている。
【0011】
不眠症の対応における薬理学的治療は、バルビツレート及び抱水クロラールを第一に含むが、これらの薬物は、多数の既知の有害作用、例えば、過量投与による毒性、代謝誘発、及び依存性及び耐性の増大などを引き起こす。加えてこれらは、何よりもレム睡眠段階の持続時間及び数を減らすことによって睡眠の構造に影響を及ぼす。後にベンゾジアゼピンは、その低毒性のため重要な治療上の進歩をもたらしたが、ベンゾジアゼピンは、依存性、筋弛緩、健忘及び投薬の中断後に起こる不眠症への逆戻りという重大な問題をさらに示した。
【0012】
知られている最新の治療手法は、非ベンゾジアゼピン睡眠薬、例えばピロロ[3,4−b]ピラジン(ゾピクロン)、イミダゾ[1,2−a]ピリジン(ゾルピデム)、及び最後にピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(ザレプロン)などの導入である。後に2種の新しいピラゾロ[1,5−a]ピリミジンであるインディプロン及びオシナプロンの開発が開始されたが、後者はむしろ抗不安薬の作用がある。これらすべての化合物は、急速な睡眠の誘発を示し、ベンゾジアゼピンよりも、次の日への影響が少なく、乱用に対する可能性及び不眠症に逆戻りするリスクが低い。これらの化合物が作用する機序は、ベンゾジアゼピン結合部位への結合を介してのGABA受容体のアロステリック活性化である(C.F.P.George、The Lancet、358、1623−1626、2001)。ベンゾジアゼピンは、GABA受容体の結合部位では非特異的リガンドである一方、ゾルピデム及びザレプロンは、α−サブユニットに対してより大きな選択性を示す。これにもかかわらず、これらの薬物は依然として睡眠の構造に影響を及ぼし、長期治療における依存性を誘発する恐れがある。
【0013】
関連する様々なピラゾロ[1,5−a]ピリミジンが、特許刊行物US4178449、US4281000、US4521422(2−ピリジニル[7−(4−ピリジニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル]メタノン、オシナプロン)、US4576943、US4626538(N−{3−[3−(シアノピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−エチル−アセトアミド、ザレプロン)、US4654347、US6399621(N−{3−[3−(チオフェン−2−カルボニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−アセトアミド、インディプロン)、WO2005014596、WO2005014597及びWO2006136530において開示されている。
【0014】
不眠症の対応における新しい活性化合物の研究は、潜在的な健康需要に応えるものである。なぜなら最近導入された睡眠薬でさえ、依然として睡眠の構造に影響を及ぼし、長期の治療における依存性を誘発する恐れがあるからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
したがって、副作用の危険性がより少ない新しい催眠薬の開発に焦点を合わせることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0016】
発明者らは、GABAに対し、特にそのα−及びα−サブユニットに対して活性のある新しいピラゾロ[1,5−a]ピリミジンを発見した。したがって本発明の化合物は、GABA受容体α−及びα−サブユニットにより媒介されるすべての疾患の治療及び予防に有用である。そのような疾患の非限定的な例は、睡眠障害、好ましくは不眠症、不安及びてんかんである。本発明の化合物が関連する適応症の非限定的な例は、不眠症又は麻酔など、睡眠の誘発、鎮静の誘発又は筋弛緩の誘発が必要とされるすべての疾患又は状態である。
【0017】
ザレプロンというピラゾロ[1,5−a]ピリミジン参照化合物は、本発明の化合物と構造が類似する化合物である。しかし、ザレプロンは、アルデヒドオキシダーゼのために広範な生体内変換を示す(B.G.Lakeら、「ヒト肝臓によるザレプロンの代謝:アルデヒドオキシダーゼ介入の証拠(Metabolism of zaleplon by human liver: evidence for involvement of aldehyde oxidase)」、Xenobiotica、2002年10月、32(10):835〜47、及びK.Kawashimaら、「鎮静性−催眠性ザレプロンの肝臓代謝におけるアルデヒドオキシダーゼ依存性の、サルとラット間の顕著な種差(Aldehyde oxidase−dependent marked species difference in hepatic metabolism of the sedative−hypnotic zaleplon,between monkeys and rats)」、Drug Metab Dispos.1999年3月、27(3):422〜8)。ザレプロンよりも代謝安定度が良い別のピラゾロ[1,5−a]ピリミジンが当分野で知られているが、このインディプロンという化合物は、細胞生存度実験で示されるように、中毒性の影響がより大きいという弱点がある。
【0018】
生体内変換に対する化合物の感受性は、代謝安定度、すなわち体内での薬物の半減期、及びそれが代謝物を形成するかどうかに関連する。これらは、生体利用度、毒性及び薬物間の相互作用に対する投薬の可能性を評価する上で重要なパラメータであり、言い換えれば、ヒトへの使用の可能性を決定する上で重要なパラメータである。この観点から、最大の代謝安定度を有する化合物は、薬物間の相互作用の可能性を最低限に抑え、投薬間隔をより短くしないで済む。
【0019】
本発明の化合物は、予想外に少ない生体内変換、すなわち知られている他の関連のピラゾロ[1,5−a]ピリミジンよりも高い代謝安定度を示し、これにより薬物動態学プロファイルが改善され、薬理学的効果の維持を容易にし、さらに完全な夜間睡眠の維持に対し明らかに適応している。この特性は、フェニル環の置換、すなわち、置換基R及びRに関連している。特に優れているのは、化合物がフェニル環上に電子を除去する置換基を有することである。
【0020】
加えて実施例で例示する通り、本発明の化合物は、細胞生存度実験で実証されるように、インビボでの鎮静/催眠の治療作用に優れ、中毒性の影響が低いことも示されている。
【0021】
したがって、本発明は、GABA受容体のリガンドである、式(I)
【化1】


(式中、R及びRはアルキル(C〜C)を表し、Rはシアノ、ニトロ及びチオフェン−2−カルボニルからなる群から選択され、Rは水素及びハロゲンからなる群から選択され、Rは水素、ハロゲン、アルキル(C〜C)及びアルコキシ(C〜C)からなる群から選択され、Rは水素及びアルキル(C〜C)からなる群から選択され、並びにYは−CO−及び−SO−からなる群から選択される)の化合物、並びに医薬として許容可能なその塩及び水和物に関する。
【0022】
本発明の別の目的は、不安、てんかん及び不眠症を含めた睡眠障害を治療又は予防し、前記化合物又は医薬として許容可能なその塩若しくは水和物の治療有効量を投与することによって、鎮静−催眠、麻酔、睡眠及び筋弛緩を誘発するための新規な方法を提供することである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
前記の通り、本発明は、式(I)
【化2】


(式中、R、R、R、R、R、R及びYは、上述の通りである)の化合物、並びに医薬として許容可能なその塩及び水和物に関する。
【0024】
本明細書中で使用する「医薬として許容可能な塩」という用語は、有機酸及び無機酸、例えば臭水素酸、塩酸、リン酸、硝酸、硫酸、酢酸、アジピン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、クエン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、グルタミン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、1,5−ナフタレンジスルホン酸、シュウ酸、ピバル酸、プロピオン酸、p−トルエンスルホン酸、コハク酸、酒石酸などから形成されるいかなる塩も包含する。
【0025】
式(I)の具体的な化合物は、
N−{2−フルオロ−5−[3−ニトロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−アセトアミド;
N−{2−フルオロ−5−[3−シアノ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−アセトアミド;
N−{2−クロロ−5−[3−ニトロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−アセトアミド;
N−{2−クロロ−5−[3−シアノ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−アセトアミド;
N−{2−フルオロ−5−[3−ニトロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−メタンスルホンアミド;
N−{2−フルオロ−5−[3−シアノ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−メタンスルホンアミド;
N−{2−クロロ−5−[3−ニトロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−メタンスルホンアミド;
N−{2−クロロ−5−[3−シアノ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−メタンスルホンアミド;
N−{2−フルオロ−5−[3−シアノ−2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−アセトアミド;
N−{2−クロロ−5−[3−シアノ−2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−アセトアミド;
N−{2−フルオロ−5−[3−シアノ−2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−メタンスルホンアミド;
N−{2−クロロ−5−[3−シアノ−2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−メタンスルホンアミド;
N−{2−メチル−5−[3−(チオフェン−2−カルボニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−アセトアミド;
N−{2−メトキシ−5−[3−(チオフェン−2−カルボニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−アセトアミド;
N−{2,4−ジフルオロ−5−[3−(チオフェン−2−カルボニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−アセトアミド;及び
N−{5−フルオロ−2−メトキシ−3−[3−(チオフェン−2−カルボニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−アセトアミド
からなる群から選択される。
【0026】
以下の反応スキームは、本発明の化合物の調製を例示するものである。
【化3】


R、R、R、R、R、R及びYは上述の通りであり、QはN(ジアルキル(C〜C))、アルキルチオ(C〜C)及びアルコキシ(C〜C)からなる群から選択される適切な脱離基である。Qは、ジメチルアミノ、メチルチオ又はメトキシからなる群から選択されるのが好ましい。
【0027】
一般式(III)のアミノピラゾールと、適切に置換された1−アリール−2−プロペン−1−オン(II)の反応は、50℃〜130℃の温度範囲で、氷酢酸、エタノール、メタノール、ジメチルホルムアミド又はジメチルスルホキシドなどの不活性な極性プロトン溶媒又は極性非プロトン溶媒中で行う。数時間(反応時間)経過後、溶媒を取り除き、得た残留物を炭酸水素ナトリウム水溶液とジクロロメタンとに分割する。有機層を蒸発して乾燥させることによって得た粗原料を以下の方法のうちの1つで精製する:(a)溶出剤として酢酸エチル又はジクロロメタン/メタノールを用いたシリカゲルクロマトグラフィー又は(b)適切な溶媒(酢酸エチル、エタノール、メタノールなど)中での結晶化。
【0028】
Qがジメチルアミノの場合の式(II)の中間体[中間体(VI)]は、スキーム2
【化4】


(式中、R、R、R、R及びYは上述の通りである)に示す反応順序に従い得ることができる。
【0029】
Yがスルホニル基の場合の式(IV)の中間体は、R.H.Ulothら(J.Med.Chem.9、88〜96、1966)に記載の方法に従い調製する。
【0030】
式(V)の中間体をもたらす中間体(IV)のアルキル化は、有機化学の専門家達に周知の方法に従い、アニオンの形成及びそれに続くアルキルハロゲン化物との反応を介して実施される。
【0031】
式(V’)及び(VI)のエナミノンは、J.M.Domagalaら(J.Heterocyclic Chem.、26(4)、1147〜58、1989)及びK.Sawadaら(Chem.Pharm.Bull.、49(7)、799〜813、2001)に記載されているエナミンの一般的な合成手順に従い、アセトフェノンと、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(DMFDMA)又はブレデレック試薬(tert−ブトキシビス(ジメチルアミノ)メタン)を反応させることによって調製する。
【0032】
Qがジメチルアミノであり、Yがスルホニルであり、Rがメチル(VII)である場合の式(II)の中間体は、スキーム3
【化5】


(式中、R、R、及びRは、上の通り定義される)に従い、代わりに調製することができる。
【0033】
(IV)から(VII)への変換は、エナミノンの形成、同時に、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタールのメチル化剤としての特性を使用した結果起こるN−メチル−スルホンアミドの形成へとつながる。
【0034】
Qがジメチルアミノであり、Rがメチル(X)である場合の式(II)の中間体は、スキーム4
【化6】


(式中、R、R、R及びYは、上の通り定義される)に従い調製することもできる。
【0035】
本方法の利点は、スルホンアミド又はカルボキサミドの形成が、プロセスの最後の状態において生じるという事実に基づく。その結果、多くの系統の生成物の調製において、反応ステップの総数が減少する。さらに、スキームに示すように、(VIII)から(IX)への変換は、ワンポットプロセスにおける以下の3つの反応を引き起こす:(a)エナミノンの形成、(b)トリフルオロアセトアミドのメチル化、及び(c)N−メチル化アミンを生成する脱アシル化。(IX)と、対応するスルホン酸クロライド又はカルボン酸クロライドのその後の反応により、中間体(X)を得ることになる。
【0036】
本発明の化合物又はその医薬として許容可能なそれらの塩又は水和物は、ヒト又は非ヒト哺乳動物におけるGABA受容体の調節に関連する疾患を治療又は予防するための薬物を調製するために使用することができる。より具体的には、GABA受容体の調節に関連する疾患は、α−GABA受容体の調節及び/又はα−GABA受容体の調節に関連する疾患を含む。そのような疾患の非限定的なリストには、不安、てんかん、及び不眠症を含めた睡眠障害などが含まれる。
【0037】
本発明の別の実施形態は、ヒト又は非ヒト哺乳動物における不安を治療又は予防するための薬物を調製するための、本発明の化合物又は医薬として許容可能なその塩又は水和物の使用を提供することである。
【0038】
本発明の別の実施形態は、それを必要とするヒト又は非ヒト哺乳動物におけるてんかんを治療又は予防するための薬物を調製するための、本発明の化合物又は医薬として許容可能なその塩又は水和物の使用を提供することである。
【0039】
本発明の別の実施形態は、それを必要とするヒト又は非ヒト哺乳動物における睡眠障害を治療又は予防するための薬物を調製するための、本発明の化合物又は医薬として許容可能なその塩又は水和物の使用を提供することである。
【0040】
本発明の別の実施形態は、それを必要とするヒト又は非ヒト哺乳動物における不眠症を治療又は予防するための薬物を調製するための、本発明の化合物又は医薬として許容可能なその塩又は水和物の使用を提供することである。
【0041】
本発明の別の実施形態は、それを必要とするヒト又は非ヒト哺乳動物における鎮静−催眠を誘発するための薬物を調製するための、本発明の化合物又は医薬として許容可能なその塩又は水和物の使用を提供することである。
【0042】
本発明の別の実施形態は、それを必要とするヒト又は非ヒト哺乳動物における麻酔を誘発するための薬物を調製するための、本発明の化合物又は医薬として許容可能なその塩又は水和物の使用を提供することである。
【0043】
本発明の別の実施形態は、それを必要とするヒト又は非ヒト哺乳動物における睡眠及びその持続を誘発するのに必要な時間を調節するための薬物を調製するための、本発明の化合物又は医薬として許容可能な塩又は水和物の使用を提供することである。
【0044】
本発明の別の実施形態は、それを必要とするヒト又は非ヒト哺乳動物における筋弛緩を誘発するための薬物を調製するための、本発明の化合物又は医薬として許容可能なその塩又は水和物の使用を提供することである。
【0045】
本発明は、ヒト又は非ヒト哺乳動物におけるGABA受容体の調節に関連する疾患を患っているヒト又は非ヒト哺乳動物への治療又は予防の方法であって、本発明の化合物又は医薬として許容可能なその塩又は水和物の治療有効量を、医薬として許容可能な希釈剤又は担体と共に、それを必要とする前記ヒト又は前記非ヒト哺乳動物に投与することを含む方法にも関する。より具体的には、GABA受容体の調節に関連する疾患は、α−GABA受容体の調節及び/又はα−GABA受容体の調節に関連する疾患を含む。そのような疾患の非限定的なリストは、不安、てんかん、及び不眠症を含めた睡眠障害などが含まれる。
【0046】
本明細書で使用する場合「哺乳動物」という用語は、哺乳動物の種類のより高度な脊椎動物を指すものとする。「哺乳動物」という用語は、ヒトを含むが、これに限らない。
【0047】
本発明の別の実施形態は、本発明の化合物又は医薬として許容可能なその塩及び水和物を、治療上不活性な担体と組み合わせて含有する医薬組成物を提供することである。
【0048】
最も適切な経路は、治療する状態の性質及び重症度によって決まることになるが、組成物は経口、直腸及び非経口(皮下、筋肉内、及び静脈内を含めて)からの投与に適切なものが含まれる。本発明の最も好ましい経路は経口の経路である。組成物は単位剤形の形で好都合に提供され、製薬分野で周知の任意の方法で調製し得る。
【0049】
活性化合物は、従来の薬剤調合の技法に従い医薬担体と組み合わせることができる。担体は、例えば経口又は非経口(静脈注射又は点滴を含む)などの投与に望ましい剤形に応じて、様々な形態を取り得る。経口剤形用の組成物の調製においては、通常の医薬媒体のいずれも使用し得る。通常の医薬媒体には、例えば経口液体製剤(例えば、懸濁液、溶液、乳濁液及びエリキシル剤など)の場合には、水、グリコール類、オイル類、アルコール類、矯味剤、保存剤、着色剤など、エアロゾル、又は経口固体製剤(例えば、粉剤、カプセル剤及び錠剤など)の場合には、デンプン類、糖類、微結晶性セルロース、希釈剤、造粒剤、滑剤、結合剤、崩壊剤などの担体が含まれるが、経口液体製剤よりも経口固体製剤が好ましい。
【0050】
投与しやすさから、錠剤及びカプセル剤が最も有利な経口単位剤形であり、この場合固体医薬担体が使用される。必要に応じて、標準的な水系又は非水系の方法で錠剤をコーティングしてもよい。
【0051】
使用に適切な投与量の範囲は、1日の全投与量が約0.01mg〜約100.00mgであり、1日1回の投与として、又は必要に応じてこれを分割して投与する。
【0052】
本発明の化合物は、α−及びα−GABA受容体に高い親和性を有する。インビトロの結果は、鎮静−催眠試験で得たインビボの結果と一致する。
【0053】
本発明の化合物の薬理学的活性は、以下に示すように求めた。
【0054】
a)リガンド結合実験:α−及びα−GABA受容体に対する試験化合物の親和性の測定
実験時の体重が200〜250gのオスのスプラーグドーリーラットを使用した。その動物を断頭した後、その小脳(α−GABA受容体を主に含有する組織)及び脊髄(α−GABA受容体を主に含有する組織)を取り出した。J.Lamehら(Prog.Neuro−Psychopharmacol.Biol.Psychiatry、24、979−991、2000)及びH.Noguchiら(Eur.J.Pharm.、434、21〜28、2002)の方法にわずかな修正を加えた方法に従い膜を調製した。組織を秤量して、50mMのトリスHCl(pH7.4)溶液中に、1:40(v/v)で懸濁させ、脊髄の場合には0.32Mのショ糖溶液中で懸濁し、ホモジナイズし、次いで7℃で10分間、20000gで遠心した。生成したペレットを同一条件下で再懸濁し、再び遠心した。ペレットは最後に最小容量で再懸濁し、一晩−80℃で保持した。翌日、最終的にペレットが、小脳の場合には1:10(v/v)の比で、脊髄の場合には1:5(v/v)の比で再懸濁されるまで、この工程を繰り返した。
【0055】
リガンドとして放射標識したフルマゼニルを用いた競合試験により親和性を求めた。試験は、96穴のマイクロタイタープレートを用いて、S.Arbillaら(Eur.J.Pharmacol.、130、257〜263、1986)及びY.Wuら(Eur.J.Pharmacol.、278、125〜132、1995)により記載された方法に従い実施した。本研究の受容体を含む膜と、フルマゼニル(最終濃度を1nMに放射標識)と、濃度を高めた試験化合物(50mM[ph7.4]トリスHCl緩衝液中の総容量が230μL)とをインキュベートした。同時に、膜を、放射標識したフルマゼニル(総結合100%)のみと、放射標識していない濃度を高めたフルマゼニル(非特異結合、放射標識したリガンドの推定%)の存在下とでインキュベートした。放射標識したリガンドを加えることで反応を開始し、続いて4℃で60分間インキュベートした。インキュベーション期間の終わりに、200μLの反応物をマルチスクリーンプレート(Millipore)に移し、真空マニフォールドを用いて濾過し、次いで冷たい試験緩衝液で3回洗浄した。マルチスクリーンプレートには、受容体と、受容体に結合している放射標識したリガンドとを含有する膜を保持するGF/Bフィルターが備えられていた。洗浄後、プレートは乾くまで放置した。乾燥させた後、シンチレーション液を加え、撹拌下で一晩放置した。次の日、Perkin−Elmer Microbetaシンチレーションカウンターを用いてプレートをカウントした。
【0056】
結果分析のため、試験化合物の各濃度に対し、特異結合のパーセンテージを以下の通り算出した。
特異結合%=(X−N/T−N)×100
式中、
X:すべての濃度の化合物に対する、結合したリガンドの量
T:完全結合、放射標識したリガンドへの最大結合量
N:非特異結合、使用する受容体に関係なく、非特異的に結合した、放射標識したリガンドの量
【0057】
各濃度の化合物を3通り試験し、その平均値を使用して、特異結合の実験値(%)対化合物濃度を求めた。親和性のデータは、αサブユニットに対しては10−5M及び10−7M濃度で、αサブユニットに対しては10−5Mの濃度で、阻害(%)として表現される。これらの試験の結果をそれぞれ表1及び2に示す。
【0058】
表1.GABA受容体のαサブユニットに対する親和性
【表1】

【0059】
表2.GABA受容体のαサブユニットに対する親和性
【表2】

【0060】
b)予測的鎮静−催眠作用のインビボ測定
マウスにおける予測的鎮静−催眠試験によりこれらの化合物のインビボ効果を評価した(D.J.Sangerら、Eur.J.Pharmacol.、313、35〜42、1996及びG.Griebelら、Psychopharmacology、146、205〜213、1999)。
【0061】
試験時の体重が22〜26gのオスのCD1マウス5〜8匹のグループを使用した。Tween80、1滴を含む0.25%寒天中に懸濁した10mL/kgの容量の試験化合物を、単回の等モルの腹腔内投与量で投与した。各経路につき2回の投与を試験した。対照動物には、賦形剤のみを与えた。Smart System(Panlab、S.L.、Spain)を用いて、各マウスに対し、腹腔内(ip)投薬後30分間の間、5分間隔で移動距離をcmで記録する。治療した動物対対照動物(最初の5分は切り捨てた)の移動距離の阻害のパーセンテージ及びED50数値を算出した。この試験の結果を表3及び4に示す。
【0062】
表3.マウスにおけるインビボの鎮静−催眠活性の測定
【表3】

【0063】
表4.マウスの鎮静を誘発するED50数値の測定
【表4】

【0064】
従来技術の他の代表的なピラゾロ[1,5−a]ピリミジンと比較して、本発明の調製例11の化合物は、明らかにより低いED50を示した。調製例11の化合物は、治療効果を誘発するための投与量がより低くて済むので、インビボでより強力なことを意味する。
【0065】
c)ヒト肝実質細胞のサイトゾル部分における代謝安定度のインビトロ測定
化合物をジメチルスルホキシド中に溶解し、初濃度10mMを達成した。この保存液を次いで溶媒で希釈し、緩衝して最終アッセイ濃度5μMを得る。化合物は、1.0mg/mLの貯蔵ヒトサイトゾル(Xenotech plcから入手)を37℃でインキュベートしたものを、単一濃度5μMで2度繰り返して試験した。代謝は、補助因子の存在下又はその存在なしで評価し、0、60及び120分の時点において、LC/MS分析により親化合物の損失として測定した。次いで残された親化合物のパーセンテージを算出した。結果を表5に示す。ジェネリックのLC方法を使用した。
移動相:A=水中の0.1%ギ酸
B=アセトニトリル中の0.1%ギ酸
HPLC欄:Higgins Clipius C18 5μm、50×3mm
流速:2ml.分−
勾配:
【表5】

【0066】
表5.ヒト肝実質細胞のサイトゾル部分の代謝安定度
【表6】

【0067】
驚いたことに、ザレプロン及びWO2005014596の従来技術の化合物と比較して、調製例6及び11の化合物は、60及び120分の間のインキュベーション後に、より高いパーセンテージ(10〜20%)の親化合物が残っていることを示している。一方ザレプロンでは、残っている親化合物のパーセンテージは、いかなる時点においても低く、60〜120分の生体内変換が高い。
【0068】
d)HepG2、CHO−K1及びHeLa細胞における、細胞毒性の24時間インビトロ測定
HepG2(ヒト肝癌細胞)及びCHO−K1(チャイニーズハムスター卵巣細胞)の両方をアメリカ培養細胞系統保存機関(American Type Culture Collection、ATCC)から入手した。1.87mM Glutamax(登録商標)を含有し、1mMピルビン酸ナトリウム、0.1mM非必須アミノ酸、100000U/Lペニシリン、100000μg/Lストレプトマイシン及び10%のFoetal Bovine Serumを補充した、アール塩溶液含有の最小必須培地(MEM)でHepG2を培養した。1mM Glutamax(登録商標)を含有し、1mM L−グルタミン、100000U/Lペニシリン、100000μg/Lストレプトマイシン及び10%のFoetal Bovine Serumを補充したHam’s F−12培地でCHO−K1を維持した。Promega CellTiter96(登録商標)Aqueous One Solution Cell Viability Assayは、代謝活性のある細胞中に存在するデヒドロゲナーゼ酵素により水溶性のホルマザン産物に変わるテトラゾリウム塩(MTS)を含有する。ホルマザン産物の量は、培養中の生細胞の数に比例する。
【0069】
化合物をDMSO中に溶解し、初濃度100mMを達成した。DMSO中の保存液から段階的な希釈液を生成し、50〜0.25mMの濃度範囲を達成した。次いで、保存液及び段階的な希釈液をそれぞれの細胞培養培地で1:100に希釈した。CHO−K1細胞の場合、1000、500、250、100、50、25、10、5及び2.5μMの濃度のものを調製し、IC50を評価した一方、HepG2細胞の場合には、1000、100、10及び1μMの最終濃度の最後のものをアッセイし、細胞のパーセンテージを算出した。すべての穴のDMSOの最終濃度は1%v/vであった。細胞系は両方とも24時間の間、試験化合物とインキュベートした。MTS染料の添加、さらに1時間のインキュベーションに続き、相対的な細胞生存度を490nmで分光光度法で求めた。陽性対照としてタモキシフェンを使用した。
【0070】
類似プロトコルを使用して、24時間でHeLa細胞の細胞毒性を求めた。結果を表6に示す。
【0071】
表6.HepG2、CHO−K1及びHeLa細胞における24時間での細胞毒性
【表7】

【0072】
これらの結果によると、HepG2細胞系においては、調製例11の化合物に対する細胞生存性がインディプロンより高い(84.5%対70%)ので、本発明の調製例11の化合物は、参照化合物インディプロンよりも毒性が低いことがわかる。アッセイを行った他の2つの細胞系においてもこのような結果が確認された。
【0073】
(調製例1)
N−{2−フルオロ−5−[3−ニトロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−アセトアミド
氷酢酸10mL中の0.048g(0.38mmol)の4−ニトロ−2H−ピラゾール−3−イルアミンと、0.1g(0.38mmol)のN−[5−(3−ジメチルアミノ−アクリロイル)−2−フルオロ−フェニル]−N−メチル−アセトアミドの混合物を、2.5時間還流させ、次いで溶媒を減圧蒸留により取り除いた。生成した残留物に15mLのジクロロメタン及び10mLの飽和した炭酸水素ナトリウム溶液を加えた。2層に分離され、水層を10mLのジクロロメタンで洗浄した。有機層を10mLの水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。ジクロロメタン層を蒸発乾固させることにより、オイルを生成し、溶出剤として酢酸エチル−ジクロロメタンを用いて、これをクロマトグラフにかけると(シリカゲル)、N−{2−フルオロ−5−[3−ニトロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−アセトアミドに相当する固体61mg(収率49%)を得た。
【化7】

【0074】
(調製例2)
N−{2−フルオロ−5−[3−シアノ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−アセトアミド
氷酢酸10mL中の0.041g(0.38mmol)の5−アミノ−1H−ピラゾール−4−カルボニトリルと、0.1g(0.38mmol)のN−[5−(3−ジメチルアミノ−アクリロイル)−2−フルオロ−フェニル]−N−メチル−アセトアミドの混合物を、2.5時間還流させ、次いで溶媒を減圧蒸留により取り除いた。生成した残留物にジクロロメタン(15mL)及び飽和した炭酸水素ナトリウム溶液(10mL)を加えた。2層に分離され、水層を10mLのジクロロメタンで洗浄した。有機層を10mLの水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。ジクロロメタン層を蒸発乾固させることにより、オイルを生成し、これから酢酸エチルの存在下で、固体(収率81%)として95mgのN−{2−フルオロ−5−[3−シアノ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−アセトアミドを得た。
【化8】

【0075】
(調製例3)
N−{2−クロロ−5−[3−ニトロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−アセトアミド
氷酢酸10mL中の0.054g(0.43mmol)の4−ニトロ−2H−ピラゾール−3−イルアミンと、0.120g(0.43mmol)のN−[5−(3−ジメチルアミノ−アクリロイル)−2−クロロ−フェニル]−N−メチル−アセトアミドの混合物を、2.5時間還流させ、次いで溶媒を減圧蒸留により取り除いた。生成した残留物にジクロロメタン(15mL)及び飽和した炭酸水素ナトリウム溶液(10mL)を加えた。2層に分離され、水層を10mLのジクロロメタンで洗浄した。有機層を10mLの水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。ジクロロメタン層を蒸発乾固させることにより、オイルを生成し、溶出剤として酢酸エチル−ジクロロメタンを用いて、これをクロマトグラフにかけると(シリカゲル)、N−{2−クロロ−5−[3−ニトロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−アセトアミドに相当する固体35mg(収率24%)を得た。
【化9】

【0076】
(調製例4)
N−{2−クロロ−5−[3−シアノ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−アセトアミド
氷酢酸10mL中の0.046g(0.43mmol)の5−アミノ−1H−ピラゾール−4−カルボニトリルと、0.120g(0.43mmol)のN−[5−(3−ジメチルアミノ−アクリロイル)−2−クロロ−フェニル]−N−メチル−アセトアミドの混合物を、2.5時間還流させ、次いで溶媒を減圧蒸留で取り除いた。生成した残留物に15mLのジクロロメタン及び10mLの飽和した炭酸水素ナトリウム溶液を加えた。2層に分離され、水層を10mLのジクロロメタンで洗浄した。有機層を10mLの水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。ジクロロメタン層を蒸発乾固させることにより、オイルを生成し、これから酢酸エチルの存在下で、固体(収率77%)として108mgのN−{2−クロロ−5−[3−シアノ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−アセトアミドを得た。
【化10】

【0077】
(調製例5)
N−{2−フルオロ−5−[3−ニトロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−メタンスルホンアミド
氷酢酸10mL中の0.043g(0.33mmol)の4−ニトロ−2H−ピラゾール−3−イルアミンと、0.1g(0.33mmol)のN−[5−(3−ジメチルアミノ−アクリロイル)−2−フルオロ−フェニル]−N−メチル−メタンスルホンアミドの混合物を、2.5時間還流させ、次いで溶媒を減圧蒸留により取り除いた。生成した残留物に15mLのジクロロメタン及び10mLの飽和した炭酸水素ナトリウム溶液を加えた。2層に分離され、水層を10mLのジクロロメタンで洗浄した。有機層を10mLの水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。ジクロロメタン層を蒸発乾固させることにより、オイルを生成し、溶出剤として酢酸エチル−ジクロロメタンを用いて、これをクロマトグラフにかけると(シリカゲル)、N−{2−フルオロ−5−[3−ニトロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−メタンスルホンアミドに相当する固体58mg(収率48%)を得た。
【化11】

【0078】
(調製例6)
N−{2−フルオロ−5−[3−シアノ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−メタンスルホンアミド
氷酢酸10mL中の0.036g(0.33mmol)の5−アミノ−1H−ピラゾール−4−カルボニトリルと、0.1g(0.33mmol)のN−[5−(3−ジメチルアミノ−アクリロイル)−2−フルオロ−フェニル]−N−メチル−メタンスルホンアミドの混合物を2.5時間還流させ、次いで溶媒を減圧蒸留により取り除いた。生成した残留物に15mLのジクロロメタン及び10mLの飽和した炭酸水素ナトリウム溶液を加えた。2層に分離され、水層を10mLのジクロロメタンで洗浄した。有機層を10mLの水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。ジクロロメタン層を蒸発乾固させることにより、オイルを生成し、これから酢酸エチルの存在下で、固体(収率70%)として81mgのN−{2−フルオロ−5−[3−シアノ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−メタンスルホンアミドを得た。
【化12】

【0079】
(調製例7)
N−{2−クロロ−5−[3−ニトロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−メタンスルホンアミド
氷酢酸12mL中の0.050g(0.39mmol)の4−ニトロ−2H−ピラゾール−3−イルアミンと、0.124g(0.39mmol)のN−[5−(3−ジメチルアミノ−アクリロイル)−2−クロロ−フェニル]−N−メチル−メタンスルホンアミドの混合物を、1.5時間還流させ、次いで溶媒を減圧蒸留により取り除いた。生成した残留物に15mLのジクロロメタン及び10mLの飽和した炭酸水素ナトリウム溶液を加えた。2層に分離され、水層を10mLのジクロロメタンで洗浄した。有機層を10mLの水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。ジクロロメタン層を蒸発乾固させることにより、オイルを生成し、これから酢酸エチルの存在下で、固体(収率77%)として56mgのN−{2−クロロ−5−[3−ニトロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−メタンスルホンアミドを得た。
【化13】

【0080】
(調製例8)
N−{2−クロロ−5−[3−シアノ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−メタンスルホンアミド
氷酢酸12mL中の0.042g(0.39mmol)の5−アミノ−1H−ピラゾール−4−カルボニトリルと、0.124g(0.39mmol)のN−[5−(3−ジメチルアミノ−アクリロイル)−2−クロロ−フェニル]−N−メチル−メタンスルホンアミドの混合物を、1.5時間還流させ、次いで溶媒を減圧蒸留により取り除いた。生成した残留物に15mLのジクロロメタン及び10mLの飽和した炭酸水素ナトリウム溶液を加えた。2層に分離され、水層を10mLのジクロロメタンで洗浄した。有機層を10mLの水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。ジクロロメタン層を蒸発乾固させることにより、オイルを生成し、これから酢酸エチルの存在下で、固体(収率70%)として99mgのN−{2−クロロ−5−[3−シアノ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−メタンスルホンアミドを得た。
【化14】

【0081】
(調製例9)
N−{2−フルオロ−5−[3−シアノ−2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−アセトアミド
氷酢酸10mL中の0.046g(0.38mmol)の5−アミノ−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリルと、0.1g(0.38mmol)のN−[5−(3−ジメチルアミノ−アクリロイル)−2−フルオロ−フェニル]−N−メチル−アセトアミドの混合物を、2.5時間還流させ、次いで溶媒を減圧蒸留により取り除いた。生成した残留物に15mLのジクロロメタン及び10mLの飽和した炭酸水素ナトリウム溶液を加えた。2層に分離され、水層を10mLのジクロロメタンで洗浄した。有機層を10mLの水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。ジクロロメタン層を蒸発乾固させることにより、オイルを生成し、これから酢酸エチルの存在下で、固体(収率75%)として92mgのN−{2−フルオロ−5−[3−シアノ−2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−アセトアミドを得た。
【化15】

【0082】
(調製例10)
N−{2−クロロ−5−[3−シアノ−2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−アセトアミド
氷酢酸12mL中で0.055g(0.43mmol)の5−アミノ−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリルと、0.120g(0.43mmol)のN−[5−(3−ジメチルアミノ−アクリロイル)−2−クロロ−フェニル]−N−メチル−アセトアミドの混合物を、1.5時間還流させ、次いで溶媒を減圧蒸留により取り除いた。生成した残留物に15mLのジクロロメタン及び10mLの飽和した炭酸水素ナトリウム溶液を加えた。2層に分離され、水層を10mLのジクロロメタンで洗浄した。有機層を10mLの水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。ジクロロメタン層を蒸発乾固させることにより、オイルを生成し、これから酢酸エチルの存在下で、固体(収率73%)として106mgのN−{2−クロロ−5−[3−シアノ−2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−アセトアミドを得た。
【化16】

【0083】
(調製例11)
N−{2−フルオロ−5−[3−シアノ−2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−メタンスルホンアミド
氷酢酸10mL中の0.041g(0.33mmol)の5−アミノ−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリルと、0.1g(0.33mmol)のN−[5−(3−ジメチルアミノ−アクリロイル)−2−フルオロ−フェニル]−N−メチル−メタンスルホンアミドの混合物を、2.5時間還流させ、次いで溶媒を減圧蒸留により取り除いた。生成した残留物に15mLのジクロロメタン及び10mLの飽和した炭酸水素ナトリウム溶液を加えた。2層に分離され、水層を10mLのジクロロメタンで洗浄した。有機層を10mLの水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。ジクロロメタン層を蒸発乾固させることにより、オイルを生成し、これにより酢酸エチル存在下で、固体(収率55%)として66mgのN−{2−フルオロ−5−[3−シアノ−2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−メタンスルホンアミドを得た。
【化17】

【0084】
(調製例12)
N−{2−クロロ−5−[3−シアノ−2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−メタンスルホンアミド
氷酢酸12mL中の0.048g(0.39mmol)の5−アミノ−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリルと、0.124g(0.39mmol)のN−[5−(3−ジメチルアミノ−アクリロイル)−2−クロロ−フェニル]−N−メチル−メタンスルホンアミドの混合物を、1.5時間還流させ、次いで溶媒を減圧蒸留により取り除いた。生成した残留物に15mLのジクロロメタン及び10mLの飽和した炭酸水素ナトリウム溶液を加えた。2層に分離され、水層を10mLのジクロロメタンで洗浄した。有機層を10mLの水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。ジクロロメタン層を蒸発乾固させることにより、オイルを生成し、これから酢酸エチルの存在下で、固体(収率60.5%)として89mgのN−{2−クロロ−5−[3−シアノ−2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−メタンスルホンアミドを得た。
【化18】

【0085】
(調製例13)
N−{2−メチル−5−[3−(チオフェン−2−カルボニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−アセトアミド
氷酢酸10mL中0.074g(0.38mmol)の(5−アミノ−1H−ピラゾール−4−イル)−チオフェン−2−イル−メタノンと、0.1g(0.38mmol)のN−[5−(3−ジメチルアミノ−アクリロイル)−2−メチル−フェニル]−N−メチル−アセトアミドの混合物を、2.5時間還流させ、次いで溶媒を減圧蒸留により取り除いた。生成した残留物に15mLのジクロロメタン及び10mLの飽和した炭酸水素ナトリウム溶液を加えた。2層に分離され、水層を10mLのジクロロメタンで洗浄した。有機層を10mLの水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。ジクロロメタン層を蒸発乾固させることにより、オイルを生成し、これから酢酸エチルの存在下で、固体(収率88%)として132mgのN−{2−メチル−5−[3−(チオフェン−2−カルボニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−アセトアミドを得た。
【化19】

【0086】
(調製例14)
N−{2−メトキシ−5−[3−(チオフェン−2−カルボニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−アセトアミド
氷酢酸10mL中の0.070g(0.36mmol)の(5−アミノ−1H−ピラゾール−4−イル)−チオフェン−2−イル−メタノンと、0.1g(0.38mmol)のN−[5−(3−ジメチルアミノ−アクリロイル)−2−メトキシ−フェニル]−N−メチル−アセトアミドの混合物を、2.5時間還流させ、次いで溶媒を減圧蒸留で取り除いた。生成した残留物に15mLのジクロロメタン及び10mLの飽和した炭酸水素ナトリウム溶液を加えた。2層に分離され、水層を10mLのジクロロメタンで洗浄した。有機層を10mLの水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。ジクロロメタン層を蒸発乾固させることにより、オイルを生成し、これから酢酸エチルの存在下で、固体(収率92%)として135mgのN−{2−メトキシ−5−[3−(チオフェン−2−カルボニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−アセトアミドを得た。
【化20】

【0087】
(調製例15)
N−{2,4−ジフルオロ−5−[3−(チオフェン−2−カルボニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−アセトアミド
氷酢酸10mL中の0.217g(1.12mmol)の(5−アミノ−1H−ピラゾール−4−イル)−チオフェン−2−イル−メタノンと、0.3g(1.12mmol)のN−[5−(3−ジメチルアミノ−アクリロイル)−2,4−ジフルオロ−フェニル]−N−メチル−アセトアミドの混合物を、2.5時間還流させ、次いで溶媒を減圧蒸留により取り除いた。生成した残留物に15mLのジクロロメタン及び10mLの飽和した炭酸水素ナトリウム溶液を加えた。2層に分離され、水層を10mLのジクロロメタンで洗浄した。有機層を10mLの水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。ジクロロメタン層を蒸発乾固させることにより、オイルを生成し、これから酢酸エチルの存在下で、固体(収率69%)として320mgのN−{2,4−ジフルオロ−5−[3−(チオフェン−2−カルボニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−アセトアミドを得た。
【化21】

【0088】
(調製例16)
N−{5−フルオロ−2−メトキシ−3−[3−(チオフェン−2−カルボニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−アセトアミド
氷酢酸10mL中の0.180g(0.93mmol)の(5−アミノ−1H−ピラゾール−4−イル)−チオフェン−2−イル−メタノンと、0.275g(0.93mmol)のN−[3−(3−ジメチルアミノ−アクリロイル)−5−フルオロ−2−メトキシ−フェニル]−N−メチル−アセトアミドの混合物を、2.5時間還流させ、次いで溶媒を減圧蒸留により取り除いた。生成した残留物に15mLのジクロロメタン及び10mLの飽和した炭酸水素ナトリウム溶液を加えた。2層に分離され、水層を10mLのジクロロメタンで洗浄した。有機層を10mLの水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥した。ジクロロメタン層を蒸発乾固させることにより、オイルを生成し、これから酢酸エチル存在下で、固体(収率40%)として160mgのN−{5−フルオロ−2−メトキシ−3−[3−(チオフェン−2−カルボニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−アセトアミドを得た。
【化22】

【0089】
(組成例1)
5mg錠剤
【表8】

【0090】
(組成例2)
10mgカプセル剤
【表9】

【0091】
(組成例3)
経口ドロップ剤
【表10】

【0092】
(組成例4)
2.5mg錠剤
【表11】

【0093】
(組成例5)
5mgカプセル剤
【表12】

【0094】
(組成例6)
経口ドロップ剤
【表13】




【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)N−{2−フルオロ−5−[3−ニトロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−アセトアミド;
b)N−{2−フルオロ−5−[3−シアノ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−アセトアミド;
c)N−{2−クロロ−5−[3−ニトロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−アセトアミド;
d)N−{2−クロロ−5−[3−シアノ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−アセトアミド;
e)N−{2−フルオロ−5−[3−ニトロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−メタンスルホンアミド;
f)N−{2−フルオロ−5−[3−シアノ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−メタンスルホンアミド;
g)N−{2−クロロ−5−[3−ニトロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−メタンスルホンアミド;
h)N−{2−クロロ−5−[3−シアノ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−メタンスルホンアミド;
i)N−{2−フルオロ−5−[3−シアノ−2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−アセトアミド;
j)N−{2−クロロ−5−[3−シアノ−2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−アセトアミド;
k)N−{2−フルオロ−5−[3−シアノ−2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−メタンスルホンアミド;
l)N−{2−クロロ−5−[3−シアノ−2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−メタンスルホンアミド;
m)N−{2−メチル−5−[3−(チオフェン−2−カルボニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−アセトアミド;
n)N−{2−メトキシ−5−[3−(チオフェン−2−カルボニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−アセトアミド;
o)N−{2,4−ジフルオロ−5−[3−(チオフェン−2−カルボニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−アセトアミド;及び
p)N−{5−フルオロ−2−メトキシ−3−[3−(チオフェン−2−カルボニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−フェニル}−N−メチル−アセトアミド;
からなる群から選択される化合物並びに医薬として許容可能なその塩及び水和物。
【請求項2】
それを必要とするヒト又は非ヒト哺乳動物におけるGABA受容体の調節に関連する疾患を治療又は予防するための薬物を調製するための、請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項3】
GABA受容体がα−GABA受容体である、請求項2に記載の使用。
【請求項4】
GABA受容体がα−GABA受容体である、請求項2に記載の使用。
【請求項5】
それを必要とするヒト又は非ヒト哺乳動物における不安を治療又は予防するための薬物を調製するための、請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項6】
それを必要とするヒト又は非ヒト哺乳動物におけるてんかんを治療又は予防するための薬物を調製するための、請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項7】
それを必要とするヒト又は非ヒト哺乳動物における睡眠障害を治療又は予防するための薬物を調製するための、請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項8】
それを必要とするヒト又は非ヒト哺乳動物における不眠症を治療又は予防するための薬物を調製するための、請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項9】
それを必要とするヒト又は非ヒト哺乳動物における鎮静−催眠を誘発するための薬物を調製するための、請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項10】
それを必要とするヒト又は非ヒト哺乳動物における麻酔を誘発するための薬物を調製するための、請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項11】
それを必要とするヒト又は非ヒト哺乳動物における睡眠及びその持続を誘発するのに必要な時間を調節するための薬物を調製するための、請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項12】
それを必要とするヒト又は非ヒト哺乳動物における筋弛緩を誘発するための薬物を調製するための、請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項13】
請求項1に記載の化合物の治療有効量を、適量の医薬賦形剤又は医薬担体と共に含む医薬組成物。

【公表番号】特表2009−545568(P2009−545568A)
【公表日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−522280(P2009−522280)
【出願日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際出願番号】PCT/EP2007/058006
【国際公開番号】WO2008/015253
【国際公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願人】(501108452)フエルレル インターナショナル,ソシエダッド アノニマ (39)
【Fターム(参考)】