説明

ピリミジンヌクレオシド誘導体及びその塩

【課題】優れた抗ウイルス特性を有する抗ウイルス治療剤として有用な化合物及びこれを含有する薬剤の提供。
【解決手段】式(1)で表される新規ピリミジンヌクレオシド誘導体及びその塩、並びにこれを有効成分とする医薬組成物。


[式中Rは、置換基として炭素数1〜3のアルキル基、又は炭素数1〜3のアルコキシ基のうちいずれかを1個有してもよい含窒素複素環、又は一級アミノ基を置換基として1個有する炭素数1〜6個のアルキル基を示す]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた抗ウイルス特性を有する新規ピリミジンヌクレオシド誘導体及びその塩並びにそれらの化合物の応用に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ヘルペスウイルスとはラテン語で「身を隠しながら、はうように忍び込む」と言われている。一度感染すると、症状が消えた後も神経節に潜伏し、免疫力が低下したときに再活性化する特性を有する。
現在、人に感染するヘルペスウイルスには8種類が知られている。歯肉口内炎、角膜炎、咽頭炎、口唇ヘルペス等を引き起こす1型単純ヘルペスウイルス(HSV−1)、性器ヘルペス感染症の2型単純ヘルペスウイルス(HSV−2)、水痘−帯状疱疹ウイルス(VZV)、網膜炎、肝炎、間質性肺炎等を起こすサイトメガロウイルス(CMV)、伝染性単核症のEBウイルス(EBV)、突発性発疹を起こすヒトヘルペスウイルス(HHV−6)、ヒトヘルペスウイルス7(HHV−7)及びエイズ患者に見られるカポシ肉腫の起因ウイルスのヒトヘルペスウイルス8(HHV−8)である。
【0003】
ヘルペスウイルス感染症の特徴は、初感染後、体内(主として神経節)に持続感染(潜伏感染)することである。VZV及びHHV−6を除き、初感染は不顕性感染が多く、顕性、不顕性を問わず初感染後は三叉神経節、仙骨神経節に潜伏感染し、疲労、妊娠、怪我、熱性疾患その他の原因によってウイルスが再活性化されると、口唇周辺や陰部など特定の皮膚部位に水疱を生じる(回帰発症)。
帯状疱疹の発症率は、成人10万人あたり年間300人といわれ、特に50〜70歳代の高齢者の患者が多く、やや増加傾向にある。最近では、低年齢化と複数回発症する患者が増えている。痛みが発症後1か月続いた場合、うち半数は3か月以内に痛みが消えるが、残りの半数は3か月以上、2割は1年以上痛みが持続するとされる(ヘルペス後神経痛)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
細菌感染には多くの抗生物質が知られているが、ウイルス感染に効果のある抗ウイルス剤はあまり多くはない。
ソリブジン〔1−β−D−arabinofuranosyl−(E)−5−(2−bromovinyl)uracil〕は、1型単純ヘルペスウイルス(HSV−1)、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)に対して増殖抑制作用をもち、また非感染細胞内ではリン酸化されないため、細胞毒性は著しく低い化合物として知られている(特許文献1)。さらに、代表的な抗ウイルス薬であり、ヘルペスウイルス感染症の治療等に有効とされるアシクロビル9−[(2−hydroxyethoxy)methyl]guanine、acyclovirと、マウスにおけるHSV−1感染に対して外用剤としても同等の有用性が報告されている(非特許文献1)。また、CVAU〔1−β−D−arabinofuranosyl−(E)−5−(2−chlorovinyl)uracil、5−クロロビニルアラU〕にも、ソリブジンと同等の活性を有することが知られている(特許文献1)。しかしながら、in vivo試験での有効性が高く、さらに高い治療効果が期待される抗ウイルス治療薬の開発が望まれている。
【0005】
【特許文献1】特公昭57−48160
【非特許文献1】Antiviral Research, 21, 47−57, 1993 本発明の課題は、優れた抗ウイルス特性を有する抗ウイルス治療剤として有用な化合物及びこれを含有する薬剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、下記の式(1)で表される新規ピリミジンヌクレオシド誘導体が、優れた抗ヘルペスウイルス作用を有することを見出し、かかる知見に基づき本発明を完成した。
【0007】
本発明は、以下の発明に係る。
1.式(1)で表される新規ピリミジンヌクレオシド誘導体及びその塩。
【0008】
【化1】

[式中Rは、置換基として炭素数1〜3のアルキル基、又は炭素数1〜3のアルコキシ基のうちいずれかを1個有してもよい含窒素複素環、又は一級アミノ基を置換基として1個有する炭素数1〜6個のアルキル基を示す]
【0009】
2.式(1)で表される化合物又はその塩を有効成分とする医薬組成物。
3.式(1)で表される化合物又はその塩を有効成分とする抗ウイルス剤。
4.式(1)で表される化合物又はその塩の少なくとも1種の治療有効量を治療の必要な患者に投与することを含むウイルス感染症の治療方法。
5.ウイルス感染症の患者を治療するための医薬の製造における式(1)で表される化合物又はその塩の使用。
【発明の効果】
【0010】
本発明の新規ピリミジンヌクレオシド誘導体及びその塩は優れた抗ウイルス作用を有し、抗ウイルス剤(ウイルス感染症の治療剤)として有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明のピリミジンヌクレオシド誘導体は、前記式(1)で表される化学構造を有する新規化合物であり、Rは、置換基として炭素数1〜3のアルキル基、又は炭素数1〜3のアルコキシ基のうちいずれかを1個有してもよい含窒素複素環、又は一級アミノ基を置換基として1個有する炭素数1〜6個のアルキル基を表す。前記式(1)で表される本発明の化合物及びその塩には、種々の構造異性体及び立体異性体が存在するが、これらの異性体もすべて本発明のピリミジンヌクレオシド誘導体及びその塩の範囲に包含される。
含窒素複素環としては、位置異性体を含むピペリジン、位置異性体を含むピリジン、位置異性体を含むピリミジンが好ましく、置換基として炭素数1〜3のアルキル基、又は炭素数1〜3のアルコキシ基のうちいずれかを1個有してもよい。
【0012】
含窒素複素環が有していてもよい炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が例示され、好ましくは、メチル基である。
含窒素複素環が有していてもよい炭素数1〜3のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポシキ基、イソプロポキシ基が例示され、好ましくはメトキシ基である。
一級アミノ基を置換基として1個有する炭素数1〜6個のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、イソプロピルメチル基(2−メチルプロピル基)、n−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基等が例示され、好ましくは、イソプロピルメチル基(2−メチルプロピル基)である。
【0013】
Rとしてさらに好ましくは、1−アミノ−2−メチルプロピル基、4−ピペリジル基、N−メチルピペリジル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−メトキシ−5−ピリミジニル基である。
Rとして最も好ましくは、1−アミノ−2−メチル−プロピル基、4−ピペリジル基である。
【0014】
本発明のピリミジンヌクレオシド誘導体の塩としては、薬学的に許容される塩であればいずれでもよく、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の鉱酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩、トリフルオロ酢酸塩等の有機酸塩を例示することができる。また、本発明のピリミジンヌクレオシド誘導体は、水和物に代表される溶媒和物として存在することもでき、かかる水和物に代表される溶媒和物も本発明の範囲に包含される。
【0015】
本発明の新規ピリミジンヌクレオシド誘導体及びその塩は、下記反応工程式1又は2に従い製造することができる。ここで式(2)は、式(1)の置換基Rの窒素原子が、保護基で保護されていてもよいピリミジンヌクレオシド誘導体を示す。
【0016】
【化2】

【0017】
R’は窒素原子が保護されてもよいピペリジンカルボン酸、窒素原子が保護されてもよいピリジンカルボン酸、窒素原子が保護されてもよいピリミジンカルボン酸、又は窒素原子が保護されてもよい一級アミノ基を置換基として1個有する炭素数1〜6個のアルキル基を示す。窒素原子の保護基としては、従来公知の保護基であれば特に制限はないが、例えば、T. W. Greene, “Protective groups in Organic Synthesis”, A Wiley-Interscience Publication, John-Wiley & Sons, New York, 1981, p.218-287に記載された保護基が適当であり、代表例としてtert−ブトキシカルボニル基(Boc)が例示される。
(工程1)
本工程では、(E)−5−(2−クロロビニル)−1−β―D−アラビノフラノシルウラシルと、例えば窒素原子が保護されたピペリジンカルボン酸、又は窒素原子が保護された一級アミノ基を置換基として1個有する炭素数1〜6個のアルキル基、或いはピリジンカルボン酸、ピリミジンカルボン酸とを縮合反応により反応させ、式(2)で表される化合物を製造できる。
縮合反応としては、通常カルボン酸とアルコールからエステルを製造するものであれば特に制限はなく、例えば、混酸無水物法や縮合剤を用いる方法等が利用できる。
混酸無水物法を用いる場合、混酸無水物を形成する試薬としては、クロロ炭酸イソブチル、塩化ピバロイル等が挙げられる。また、使用する塩基としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、ルチジン、コリジン等の有機アミン類や炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩基が挙げられる。
【0018】
縮合剤として用いられる試薬としては、例えば1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)、カルボニルジイミダゾール(CDI)、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)等が挙げられる。縮合補助剤としては、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBT)、N−ヒドロキシサクシイミド(HONSu)、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸イミド(HONB)、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)等が挙げられる。使用する溶媒としては反応に関与しないものであればいずれでもよく、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ジエチルエーテル、ベンゼン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等が挙げられ、それらを単独あるいは混合して用いることができる。反応温度は−30〜100℃、好ましくは0〜30℃であり、反応時間は0.1〜100時間、好ましくは1〜20時間である。本反応により製造される式(2)で表される化合物は、必要に応じ単離精製することができるが、精製することなく下記の脱保護又は塩形成反応に用いることもできる。
【0019】
式(2)で表されるピリミジンヌクレオシド誘導体の窒素原子に保護基がかかっている場合は、脱保護化試薬を反応させて保護基を除去し、式(1)に示される化合物を得ることが出来る。例えば保護基がtert−ブトキシカルボニル基(Boc)である場合には、使用される脱保護試薬としては、通常用いられるものであれば特に制限はないが、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の鉱酸、トリフルオロ酢酸、酢酸、プロピオン酸、ギ酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸が挙げられる。
使用される溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ジエチルエーテル、ベンゼン、トルエン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、メタノール、エタノール、水等が挙げられ、それらを単独あるいは混合して用いることができる。反応温度は−30〜150℃、好ましくは0〜100℃であり、反応時間は0.1〜100時間、好ましくは1〜40時間である。
【0020】
(工程2)
本工程では、(E)−5−(2−クロロビニル)−1−β―D−アラビノフラノシルウラシルと、例えばピリジンカルボン酸、ピリミジンカルボン酸から誘導される酸クロライド(X=Cl)とを塩基存在下で反応させ、式(2)で表される化合物を製造できる。
使用する塩基としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、ルチジン、コリジン等の有機アミン類や炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩基が挙げられる。使用する溶媒としては反応に関与しないものであればいずれでもよく、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ジエチルエーテル、ベンゼン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等が挙げられ、それらを単独あるいは混合して用いることができる。反応温度は−30〜100℃、好ましくは0〜30℃であり、反応時間は0.1〜100時間、好ましくは1〜20時間である。式(2)で表されるピリミジンヌクレオシド誘導体の窒素原子に保護基がかかっている場合は、工程1記載の方法に準じて、脱保護化試薬を反応させて保護基を除去して、式(1)に示される化合物を得ることが出来る。
【0021】
工程1又は工程2に従い、上記のごとく得られた式(2)又は式(1)で示される化合物は、通常公知の方法で塩、とりわけ薬理学的に許容される塩を形成することができる。薬理学的に許容される塩として、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の鉱酸、トリフルオロ酢酸、酢酸、プロピオン酸、ギ酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸が挙げられる。式(1)或いは式(2)で表される化合物、又はその塩は、通常公知の分離精製手段、例えば濃縮、溶媒抽出、濾過、再結晶、各種クロマトグラフィー等を用いることにより単離精製可能である。
本発明の化合物を医薬として用いるにあたっては、予防または治療目的に応じて各種の投与形態が採用可能であり、該形態としては、例えば、経口剤、注射剤、坐剤、クリーム剤、貼付剤等のいずれでもよく、好ましくは、クリーム剤が採用される。これらの投与形態は、各々当業者に周知慣用の製剤方法により製造できる。
【0022】
経口用固形製剤を調製する場合は、本発明化合物に賦形剤、必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味・矯臭剤等を加えた後、常法により錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等を製造することができる。そのような添加剤としては、当該分野で一般的に使用されるものでよく、例えば、賦形剤としては、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、微結晶セルロース、珪酸等を、結合剤としては、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン液、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロース、エチルセルロース、シェラック、リン酸カルシウム、ポリビニルピロリドン等が用いられ、崩壊剤としては、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、乳糖等を、滑沢剤としては、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ砂、ポリエチレングリコール等を、着色剤としては、酸化チタン、酸化鉄等を、矯味・矯臭剤としては白糖、橙皮、クエン酸、酒石酸等を例示できる。
【0023】
経口用液体製剤を調製する場合は、本発明化合物に矯味剤、緩衝剤、安定化剤、矯臭剤等を加えて常法により内服液剤、シロップ剤、エリキシル剤等を製造することができる。この場合矯味・矯臭剤としては、上記に挙げられたものでよく、緩衝剤としては、クエン酸ナトリウム等が、安定剤としては、トラガント、アラビアゴム、ゼラチン等が挙げられる。
注射剤を調製する場合は、本発明化合物にpH調節剤、緩衝剤、安定化剤、等張化剤、局所麻酔剤等を添加し、常法により皮下、筋肉内および静脈内用注射剤を製造することができる。この場合のpH調節剤および緩衝剤としては、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等が挙げられる。安定化剤としては、ピロ亜硫酸ナトリウム、EDTA、チオグリコール酸、チオ乳酸等が挙げられる。局所麻酔剤としては、塩酸プロカイン、塩酸リドカイン等が挙げられる。等張化剤としては、塩化ナトリウム、ブドウ糖等が例示できる。
【0024】
坐剤を調製する場合は、本発明化合物に当業界において公知の製剤用担体、例えば、ポリエチレングリコール、ラノリン、カカオ脂、脂肪酸トリグリセリド等を、さらに必要に応じてツイーン(登録商標)のような界面活性剤等を加えた後、常法により製造することができる。
クリーム剤を調製する場合は、本発明化合物に通常使用される基剤、安定剤、湿潤剤、保存剤等が必要に応じて配合され、常法により混合、製剤化される。基剤としては、流動パラフィン、白色ワセリン、サラシミツロウ、オクチルドデシルアルコール、パラフィン等が挙げられる。保存剤としては、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル等が挙げられる。
貼付剤を調製する場合は、通常の支持体に前記クリーム、軟膏、ゲル、ペースト等を常法により塗布すればよい。支持体としては、綿、スフ、化学繊維からなる織布、不織布や軟質塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレタン等のフィルムあるいは発泡体シートが適当である。
【0025】
上記の各投与単位形態中に配合されるべき本発明化合物の量は、これを適用すべき患者の症状により、あるいはその剤形等により一定ではないが、一般に投与単位形態あたり、経口剤では約1〜1000mg、注射剤では約0.1〜500mg、坐剤では約5〜1000mgとするのが望ましい。また、上記投与形態を有する薬剤の1日あたりの投与量は、患者の症状、体重、年齢、性別等によって異なり一概には決定できないが、通常成人1日あたり約0.1〜5000mg、好ましくは1〜1000mgとすればよく、これを1日1回または2〜4回程度に分けて投与するのが好ましい。
【0026】
本発明化合物を含有する薬剤を投与することにより治療できる疾病としては、例えばヒトヘルペス感染症、すなわち歯肉口内炎、角膜炎、咽頭炎、口唇ヘルペス、ヘルペス性脳炎、性器ヘルペス等の1型及び2型単純ヘルペス感染症(HSV−1感染症及びHSV−2感染症)、水痘及び帯状疱疹(VZV感染症)、伝染性単核症のEBウイルス感染症等である。
【実施例】
【0027】
以下に参考例、実施例、薬理試験例及び製剤例を示し、本発明をさらに詳しく説明する。しかしながら、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
【0028】
参考例1
1−β―D−アラビノフラノシル−(E)−5−(2−クロロビニル)ウラシル(CVAU)の合成
特公昭57−48160号等に記載の合成法に準じて、合成した。
【0029】
実施例1
(E)−5−(2−クロロビニル)―1−〔5'−O―(ピペリジン−4−カルボキシル)−β―D−アラビノフラノシル〕ウラシル 塩酸塩(化合物1)の合成
1−β―D−アラビノフラノシル−(E)−5−(2−クロロビニル)ウラシル(CVAU)20.0g、(N−Boc)ピペリジン−4−カルボン酸15.2g、HOBT・1水和物11.1g、トリエチルアミン7.3g、DMF180ml溶液に−6〜−3℃でEDC11.2gを滴下し、終了後室温で一夜撹拌した。減圧下DMFを留去し得られた残渣を酢酸エチル100mlに溶解し5%炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。
無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に酢酸エチルを留去し、淡黄色オイル33.6gを得た。n−ヘキサンで結晶化、ろ取し13.6gの粗生成物を得た。この操作を2回繰り返した。
かくして得た粗生成物17.1gを精製することなくジオキサン50mlに溶解し、氷冷下に4N塩化水素/ジオキサン溶液83mlを滴下し、終了後室温で一夜撹拌した。減圧下ジオキサンを留去し、得られた乳白色結晶14.4gをジオキサン、エタノールで懸濁洗浄後ろ取し12.8gの化合物1を得た。
【0030】
【化3】

【0031】
H−NMR(DMSO−d) δ11.63(1H,s), 8.89(1H,br), 8.60(1H,br), 7.65(1H,s), 7.21(1H,d,J=13.17Hz), 6.66(1H,d,J=13.17Hz), 6.06(1H,d,J=3.90Hz), 5.76(1H,d,J=4.39Hz),5.70(1H,d,J=3.90Hz),4.58(1H,dd,J=11.71Hz,J=8.29Hz), 4.22(1H,dd,J=11.71Hz,J=3.42Hz), 4.03−3.95(3H,m), 3.23−3.21(2H,m), 2.94−2.91(2H,m), 2.02−1.99(2H,m), 1.80−1.74(2H,m)
MS(FAB): m/z 450
【0032】
実施例2
1−〔5'−0−(L―バリン)−β−D−アラビノフラノシル〕−(E)−5−(2−クロロビニル)ウラシル 塩酸塩(化合物2)の合成
CVAU20.0g、Boc−L−バリン14.4g、HOBT・1水和物11.1g、トリエチルアミン7.3g、DMF200ml溶液に−6〜−3℃でEDC11.2gを滴下し、終了後室温で一夜撹拌した。減圧下DMFを留去し得られた残渣を酢酸エチル100mlに溶解し5%炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。
無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に酢酸エチルを留去し淡黄色オイル37.6gを得た。n−ヘキサンとクロロホルムで結晶化、ろ取し13.5gの粗生成物を得た。
かくして得た粗生成物13.5gを精製することなくジオキサン130mlに溶解し、氷冷下に4N塩化水素/ジオキサン溶液67mlを滴下し、終了後室温で一夜撹拌した。減圧下ジオキサンを留去し得られた残渣をエーテルで結晶化、ろ取し12.9gの化合物2を得た。
【0033】
【化4】

【0034】
H−NMR(DMSO−d) δ11.66(1H,s), 8.37(3H,brs), 7.64(1H,s), 7.23(1H,d,J=13.17Hz), 6.63(1H,d,J=13.17Hz), 6.08(1H,d,J=3.90Hz), 5.79(1H,d,J=4.63Hz), 5.72(1H,d,J=3.90Hz), 4.65(1H,dd,J=11.71Hz,J=8.54Hz),4.39−4.35(1H,m), 4.05−3.99(4H,m), 2.20−2.16(1H,m), 1.00(3H,d,J=6.83Hz), 0.96(3H,d,J=6.83Hz)
MS(FAB): m/z 438
【0035】
実施例3
(E)−5−(2−クロロビニル)―1−〔5'−O―(ピリジン−3−カルボキシル)−β―D−アラビノフラノシル〕ウラシル 塩酸塩(化合物3)の合成
CVAU500mgをDMF4mlに溶解し、室温で塩化ニコチノイル塩酸塩427mg、トリエチルアミン648mgを加え、3時間攪拌した。さらに塩化ニコチノイル塩酸塩114mg、トリエチルアミン80mgを加え2時間攪拌した。メタノールを加え反応を停止後、酢酸エチルを加え、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液次いで水で洗浄し、有機層を減圧下乾固した。残渣をメタノール−クロロホルムで結晶化し、100mgの粗生成物を得た。
粗生成物70mgを10%塩酸メタノール溶液に溶解し、メタノールを減圧下乾固し、80mgの化合物3を得た。
【0036】
【化5】

【0037】
H−NMR (DMSO−d) δ11.60 (s,1H), 9.16(m,1H), 8.86(dd,1H,J=5.0,1.7Hz), 8.41(dt,1H,J=8.0,2.0Hz), 7.65(m,1H), 7.65(s,1H), 7.15(d,1H,J=13.2Hz), 6.53(d,1H,J=13.2Hz), 6.07(d,1H,J=3.6Hz), 4.73(dd,1H,J=11.5Hz,J=7.3Hz), 4.53(dd,1H,J=11.5Hz,J=3.6Hz), 4.07(m,3H)
MS(FAB): m/z 410
【0038】
実施例4
(E)−5−(2−クロロビニル)―1−〔5'−O―(ピリジン−4−カルボキシル)−β―D−アラビノフラノシル〕ウラシル 塩酸塩(化合物4)の合成
DMF8mlにイソニコチン酸689mg、クロロぎ酸イソブチル764mg、トリエチルアミン566mgを溶解し、1時間攪拌した。反応液にCVAU1.0g、トリエチルアミン1.0gを加え、終夜攪拌した。メタノールを加え反応を停止後、酢酸エチルを加え、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、有機層を減圧下乾固した。残渣をメタノール−クロロホルムから結晶化し、220mgの粗生成物を得た。
粗生成物70mgを10%塩酸メタノール溶液に溶解し、メタノールを減圧下乾固後、メタノール中、結晶化させ80mgの化合物4を得た。
【0039】
【化6】

【0040】
H−NMR (DMSO−d) δ11.60(s,1H), 8.90(dd,2H,J=4.6,1.7Hz), 8.04(dd,2H,J=4.6,1.7Hz), 7.67(s,1H), 7.16(d,1H,J=13.2Hz), 6.58(d,1H,J=13.2Hz), 6.07(d,1H,J=3.3Hz), 4.75(dd,1H,J=11.9Hz,J=7.3Hz), 4.65(dd,1H,J=11.9Hz,J=3.6Hz), 4.11(m,3H)
MS(FAB): m/z 410
【0041】
実施例5
(E)−5−(2−クロロビニル)―1−〔5'−O−(N−メチルピペリジン−4−カルボキシル)−β―D−アラビノフラノシル〕ウラシル 塩酸塩(化合物5)の合成
DMF14mlにN−メチルイソニペコチン酸ナトリウム塩1.5gを1N塩酸9.1mlで処理し、乾燥させた得た白色固体をクロロぎ酸イソブチル1.24g、トリエチルアミン1.0gに溶解し、1時間攪拌した。反応液にCVAU1.3g、トリエチルアミン2.7gを加え、一夜攪拌した。メタノールを加え反応を停止後、酢酸エチルを加え有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液次いで飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、有機層を減圧下乾固した。残渣をNHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=7:1)で精製し、粗生成物を得、素早く大過剰の10%塩酸メタノール溶液によって処理し粗塩酸塩を得た。この粗生成物を酢酸エチルに懸濁し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、有機層を減圧下乾固し得られた残渣を再度、NHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=7:1)で精製し、およそ2mol等量の10%塩酸メタノール溶液で処理後凍結乾燥を行い、182mgの化合物5を得た。
【0042】
【化7】

【0043】
H−NMR (DMSO−d) δ11.60(s,1H), 7.63(s,1H), 7.20(d,1H,J=13.3Hz), 6.64(d,1H,J=13.3Hz), 6.04(d,1H,J=4.3Hz), 5.72, 5.66(each d, each 1HJ=4.3,3.6Hz), 4.54(dd,1H,J=11.5Hz,J=7.6Hz), 4.19(dd,1H,J=11.4Hz,J=3.0Hz), 3.97(m,3H), 3.33〜1.71(m,9H), 2.46(s,3H)
MS(FAB): m/z 430
【0044】
実施例6
(E)−5−(2−クロロビニル)―1−〔5'−O―(ピリジン−2−カルボキシル)−β―D−アラビノフラノシル〕ウラシル(化合物6)の合成
CVAU500mgをDMF4mlに溶解し、室温で塩化ピコリノイル塩酸塩427mg、トリエチルアミン647mgを加え、3時間攪拌した。さらに塩化ニコチノイル塩酸塩114mg、トリエチルアミン80mgを加え2時間攪拌した。メタノールを加え反応を停止後、酢酸エチルを加え、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液次いで水で洗浄し、有機層を減圧下乾固した。残渣をメタノール−クロロホルムで結晶化し、220mgの化合物6を得た。
【0045】
【化8】

【0046】
H−NMR (DMSO−d) δ11.56(s,1H), 8.74(d,1H,J=4.0Hz), 8.10(d,1H,J=8.0Hz), 8.01(dt,1H,J=7.6,1.7Hz), 7.70(s,1H), 7.67(m,1H), 7.19(d,1H,J=13.2Hz), 6.57(d,1H,J=13.2Hz), 6.08(d,1H,J=4.0Hz), 5.73, 5.69(each d, each 1HJ=4.6,4.0Hz), 4.73(dd,1H,J=11.9Hz,J=7.3Hz), 4.52(dd,1H,J=11.9Hz,J=3.6Hz), 4.08(m,3H)
MS(FAB): m/z 410
【0047】
実施例7
(E)−5−(2−クロロビニル)―1−〔5'−O―(2−メトキシピリミジン−5−イル−カルボキシル)−β―D−アラビノフラノシル〕ウラシル(化合物7)の合成
DMF7mlに2−メトキシピリミジン−5−カルボン酸688mg、クロロぎ酸イソブチル610mg、トリエチルアミン452mgを溶解し、1時間攪拌した。反応液にCVAU1.0g、トリエチルアミン730mgを加え、一夜攪拌した。メタノールを加え反応を停止後、酢酸エチルを加え有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液次いで飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、有機層を減圧下乾固した。残渣をメタノール−クロロホルムから結晶化し、180mgの化合物7を得た。
【0048】
【化9】

【0049】
H−NMR (DMSO−d) δ11.59(s,1H), 9.10(s,2H), 7.66(s,1H), 7.14(d,1H,J=13.2Hz), 6.53(d,1H,J=13.2Hz), 6.05(d,1H,J=4.0Hz), 5.72, 5.68(each d, each 1H,J=4.6,4.0Hz), 4.68(dd,1H,J=6.9Hz,J=11.5Hz), 4.51(dd,1H,J=3.3Hz,J=11.5Hz), 4.08(m,3H), 4.01(s,3H)
MS(FAB): m/z 441
【0050】
薬理試験例1 in vitro抗ウイルス試験
本発明化合物のin vitro抗ウイルス活性(抗HSV−1活性、抗VZV活性)を、ヒト胎児肺由来細胞を用いたプラーク半減法(日本化学療法学会誌、Vol.38、No.3、256−261,1990)にて測定した。その結果、表1に示すように、本発明化合物は、CVAUとほぼ同等のin vitro抗ウイルス活性を示し、HSV−1及びVZVに対する抗ウイルス作用を有することが見出された。
【0051】
【表1】

【0052】
薬理試験例2 in vivo抗ウイルス試験
本発明化合物について、製剤例2に準じてクリーム剤を調製し、マウスにおけるHSV−1皮膚感染に対する治療効果を試験した。各治療群における発症率と生存率を表2に示した。また、HSV−1感染マウスの皮膚症状をスコア化(Antiviral Research,17,133−143,1992)し、その平均病変スコアの経時的変化を図1に示した。薬剤無添加のコントロール群と比べ、化合物1は発症率の抑制、顕著な生存率の増加と病変スコアの軽減を認め、化合物2においても顕著な生存率の増加と病変スコアの軽減が認められており、これらの化合物がin vivoにおいても優れた抗ウイルス作用を有することが明らかとなった。
【0053】
【表2】

【0054】
製剤例1 錠剤
化合物1 50mg
トウモロコシデンプン 50mg
微結晶セルロース 50mg
ハイドロキシプロピルセルロース 15mg
乳糖 47mg
タルク 2mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
エチルセルロース 30mg
不飽和グリセリド 2mg
二酸化チタン 2mg
上記配合割合で、常法に従い、1錠当たり250mgの錠剤を調製した。
【0055】
製剤例2 クリーム剤
化合物2 3.92mg
モノステアリン酸POE(5)グリセル 5.0mg
ジメチルポリシロキサン 0.3mg
セタール 1.5mg
パラフィン 5.0mg
白色ワセリン 9.0mg
モノステアリン酸グリセル 0.5mg
プロピレングリコール 20mg
精製水で各々100mgに調製した。
上記割合で、常法に従いクリーム剤を調製し、薬理試験例2に供試した。
【0056】
製剤例3 顆粒剤
化合物3 300mg
乳糖 540mg
トウモロコシデンプン 100mg
ハイドロキシプロピルセルロース 50mg
タルク 10mg
上記配合割合で、常法に従い、1包当たり1000mgの顆粒剤を調製した。
【0057】
製剤例4 カプセル剤
化合物4 100mg
乳糖 30mg
トウモロコシデンプン 50mg
微結晶セルロース 10mg
ステアリン酸マグネシウム 3mg
上記配合割合で、常法に従い、1カプセル当たり193mgのカプセル剤を調製した。
【0058】
製剤例5 注射剤
化合物5 100mg
塩化ナトリウム 3.5mg
注射用蒸留水適量
(1アンプル当たり2ml)
上記配合割合で、常法に従い、注射剤を調製した。
【0059】
製剤例6 シロップ剤
化合物6 200mg
精製白糖 60g
パラヒドロキシ安息香酸エチル 5mg
パラヒドロキシ安息香酸ブチル 5mg
香料適量
着色料適量
精製水適量
上記配合割合で、常法に従い、シロップ剤を調製した。
【0060】
製剤例7 坐剤
化合物7 300mg
ウィテップゾールW−35 1400mg
(登録商標、ラウリン酸からステアリン酸までの飽和脂肪酸のモノ−、ジ−及びトリ−グリセライド混合物、ダイナマイトノーベル社製)
上記配合割合で、常法に従い、坐剤を調製した。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】抗ウイルス試験における平均病変スコアの経時的変化を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)で示されるピリミジンヌクレオシド誘導体又はその塩。
【化1】

[式中Rは、置換基として炭素数1〜3のアルキル基、又は炭素数1〜3のアルコキシ基のうちいずれかを1個有してもよい含窒素複素環、又は一級アミノ基を置換基として1個有する炭素数1〜6個のアルキル基を示す]
【請求項2】
Rが、置換基として炭素数1〜3のアルキル基を有していてもよいピペリジル基、置換基として炭素数1〜3のアルキル基を有していてもよいピリジル基、又は置換基として炭素数1〜3のアルコキシ基を有していてもよいピリミジニル基である請求項1記載の化合物又はその塩。
【請求項3】
Rが、4−ピペリジル基である請求項1記載の化合物又はその塩。
【請求項4】
Rが、1−アミノ−2−メチル−プロピル基である請求項1記載の化合物又はその塩。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のピリミジンヌクレオシド誘導体又はその塩を有効成分とする医薬組成物。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれかに記載のピリミジンヌクレオシド誘導体又はその塩を有効成分とする抗ウイルス剤。
【請求項7】
ヘルペスウイルス感染症の治療剤として用いる請求項6記載の抗ウイルス剤。
【請求項8】
下記式(1)
【化2】

[式中Rは、置換基として炭素数1〜3のアルキル基、又は炭素数1〜3のアルコキシ基のうちいずれかを1個有してもよい含窒素複素環、又は一級アミノ基を置換基として1個有する炭素数1〜6個のアルキル基を示す]
で示されるピリミジンヌクレオシド誘導体又はその塩の少なくとも1種の治療有効量を治療の必要な患者に投与することを含むウイルス感染症の治療方法。
【請求項9】
ウイルス感染症の患者を治療するための医薬の製造における下記式(1)
【化3】

[式中Rは、置換基として炭素数1〜3のアルキル基、又は炭素数1〜3のアルコキシ基のうちいずれかを1個有してもよい含窒素複素環、又は一級アミノ基を置換基として1個有する炭素数1〜6個のアルキル基を示す]
で示されるピリミジンヌクレオシド誘導体又はその塩の使用。

【図1】
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【公開番号】特開2007−210963(P2007−210963A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−33854(P2006−33854)
【出願日】平成18年2月10日(2006.2.10)
【出願人】(501308753)アリジェン株式会社 (8)
【Fターム(参考)】