説明

ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン誘導体

【課題】タキキニン受容体拮抗作用、特にNK1受容体拮抗作用を有する新規なピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン誘導体を提供する。
【解決手段】一般式(1)


(式中、A環は、1〜3個の置換基(隣接する2個の置換基が互いに結合して環を形成していてもよい)を有していてもよいベンゼン環を示し;B環は5〜7員の含窒素環を示し;Rはアルキル基を示す。)で表されるピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン誘導体又はその塩。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタキキニン受容体拮抗作用を有する新規なピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン誘導体又はその薬理学上許容される塩及びその医薬用途に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タキキニン(サブスタンスP、ニューロキニンA、ニューロキニンB)は、神経ペプチドの総称であり、生体内に存在するそれぞれの受容体(ニューロキニン1(NK1)、ニューロキニン2(NK2)、ニューロキニン3(NK3))と結合することによって様々な生理活性を発現することが知られている。その中でサブスタンスPは、中枢及び末梢の一次知覚ニューロンの伝達物質として働く他、利尿亢進作用、神経細胞興奮作用、血管透過性亢進作用、血管拡張作用、平滑筋収縮作用、免疫作用等の生理活性を有し、種々の病態(頻尿、尿失禁、嘔吐、炎症、アレルギー、気道疾患、痛み、中枢神経系疾患等)に深く関与していると考えられている。従って、上記の様な種々の病態の予防及び治療薬として優れたタキキニン受容体拮抗作用、特にNK1受容体拮抗作用を有し、かつ優れた安全性、薬効の持続性等を有する化合物の開発が望まれている。
【0003】
現在、NK1受容体拮抗作用を有する化合物として次の化合物等が開示されている。
【0004】
(1)特許文献1の明細書には式:
【0005】
【化1】

【0006】
(式中、M環は、部分構造−X=Y<として−N=C<、−CO−N<又は−CS−N<を有する複素環;Ra及びRbは共に結合してA環を形成するか、あるいは同一又は異なって水素原子又はM環における置換基;A環及びB環は、それぞれ置換基を有していてもよい同素又は複素環で、その少なくとも一方が置換基を有していてもよい複素環;C環は置換基を有していてもよい同素又は複素環;Z環は置換されていてもよい環;及びnは1ないし6の整数を示す。)で表される化合物が開示されているが、ピリミド[4,5−b]−1,5−オキサゾシン誘導体又はその塩に関する記載は全くない。
【0007】
(2)特許文献2の明細書には式:
【0008】
【化2】

【0009】
(式中、A環及びB環は、1〜3個の置換基(隣接する2個の置換基が互いに結合して環を形成していてもよい)を有していてもよいベンゼン環を示し;C環は含窒素環を示し;mは1又は2を示し;nは2又は3を示す。)で表される化合物が開示されている。この文献では、ピリミド[4,5−b]−1,5−オキサゾシン誘導体が開示されているが、本発明化合物のようなオキサゾシン環上のメチレン鎖にアルキル基が置換した化合物に関しては開示されていない。
【0010】
また、NK1受容体拮抗作用を有するオキサゾシン誘導体が(非特許文献1)に報告されているが本出願化合物とはまったく構造を異にするものである。
【0011】
【特許文献1】特開平9−263587号
【特許文献2】WO03/062245号パンフレット
【非特許文献1】Ishichiら、Tetrahedron、2004年、第60巻、4481-4490ページ
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、タキキニン受容体に対して優れた拮抗作用、特に優れたNK1受容体拮抗作用を有する新規な化合物を見出し、タキキニン受容体が関与する種々の病態(頻尿、尿失禁、嘔吐、炎症、アレルギー、気道疾患、痛み、中枢神経系疾患等)に対する予防又は治療剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、下記一般式(1)
【0014】
【化3】

【0015】
(式中、A環は、1〜3個の置換基(隣接する2個の置換基が互いに結合して環を形成していてもよい)を有していてもよいベンゼン環を示し;B環は5〜7員の含窒素環を示し;Rはアルキル基を示す。)で表されるピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン誘導体又はその塩がタキキニン受容体に対して優れた拮抗作用(特にNK1受容体拮抗作用)を有することを見出し、本発明を完成した。

【0016】
即ち、本発明は、
1)下記一般式(1)
【0017】
【化4】

【0018】
(式中、A環は、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cのアルキル基又はC〜Cのアルコキシ基の中からそれぞれ独立して選ばれた1〜3個の置換基(隣接する2個の置換基が互いに結合して環を形成していてもよい)を有していてもよいベンゼン環を示し;
B環は、窒素原子以外に窒素原子、硫黄原子、酸素原子から選ばれた1〜3個のヘテロ原子を含んでいてもよい5〜7員の含窒素環を示し、
さらにB環は置換基(C〜Cのアルキル基、ヒドロキシル基、C〜Cのアルコキシ基、ホルミル基、C〜Cのアルキルカルボニル基、C〜Cのアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、或いはモノ又はジ置換のC〜Cのアルキルカルバモイル基、C〜Cのアルキルスルホニル基、アミノ基、モノ又はジ置換のC〜Cのアルキルアミノ基、C〜Cのアルキルカルボニルアミノ基、C〜Cのアルコキシカルボニルアミノ基、C〜Cのアルキルスルホニルアミノ基、オキソ基、6員の芳香族複素環式基、又は式
【0019】
【化5】

【0020】
(式中、C環は窒素原子以外に窒素原子、硫黄原子、酸素原子から選ばれた1〜3個のヘテロ原子を含んでいてもよく、さらに1個又は2個のオキソ基で置換されている炭素原子を含んでいてもよい3〜7員の非芳香族複素環を示す。)の中から選ばれた置換基)を有していてもよく;
RはC〜Cのアルキル基を示す。)で表されるピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン誘導体又はその塩、
【0021】
2)下記一般式(1a)
【0022】
【化6】

【0023】
(式中、A環は、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cのアルキル基又はC〜Cのアルコキシ基の中からそれぞれ独立して選ばれた1〜3個の置換基(隣接する2個の置換基が互いに結合して環を形成していてもよい)を有していてもよいベンゼン環を示し;
B環は、窒素原子以外に窒素原子、硫黄原子、酸素原子から選ばれた1〜3個のヘテロ原子を含んでいてもよい5〜7員の含窒素環を示し、
さらにB環は置換基(C〜Cのアルキル基、ヒドロキシル基、C〜Cのアルコキシ基、ホルミル基、C〜Cのアルキルカルボニル基、C〜Cのアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、或いはモノ又はジ置換のC〜Cのアルキルカルバモイル基、C〜Cのアルキルスルホニル基、アミノ基、モノ又はジ置換のC〜Cのアルキルアミノ基、C〜Cのアルキルカルボニルアミノ基、C〜Cのアルコキシカルボニルアミノ基、C〜Cのアルキルスルホニルアミノ基、オキソ基、6員の芳香族複素環式基、又は式
【0024】
【化7】

【0025】
(式中、C環は窒素原子以外に窒素原子、硫黄原子、酸素原子から選ばれた1〜3個のヘテロ原子を含んでいてもよく、さらに1個又は2個のオキソ基で置換されている炭素原子を含んでいてもよい3〜7員の非芳香族複素環を示す。)の中から選ばれた置換基)を有していてもよい。)で表される前記1)に記載のピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン誘導体又はその塩、
【0026】
3)前記一般式(1a)において、B環が、式
【0027】
【化8】

【0028】
(式中、Rは、C〜Cのアルキルカルボニルアミノ基、C〜Cのアルコキシカルボニルアミノ基又はC〜Cのアルキルスルホニルアミノ基を示す。)で表される前記2)に記載のピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン誘導体又はその塩、
【0029】
4)前記一般式(1a)において、B環が、式
【0030】
【化9】

【0031】
(式中、Xは、−O−又は−S(O)−を示し;pは0、1又は2を示す。)で表される前記2)に記載のピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン誘導体又はその塩、
【0032】
5)前記一般式(1a)において、B環が、式
【0033】
【化10】

【0034】
(式中、Rは、水素原子、C〜Cのアルキル基、ホルミル基、C〜Cのアルキルカルボニル基、C〜Cのアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、モノ又はジ置換のC〜Cのアルキルカルバモイル基又はC〜Cのアルキルスルホニル基を示し;qは1又は2を示す。)で表される前記2)に記載のピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン誘導体又はその塩、
【0035】
6)前記1)〜5)のいずれか1項に記載のピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン誘導体又はその塩を有効成分として含有することを特徴とするタキキニン受容体拮抗剤、
【0036】
7)前記1)〜5)のいずれか1項に記載のピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン誘導体又はその塩を有効成分として含有することを特徴とするNK1受容体拮抗剤、
【0037】
8)前記1)〜5)のいずれか1項に記載のピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン誘導体又はその塩を有効成分として含有することを特徴とする頻尿、尿失禁等の膀胱機能疾患を含む排尿障害の予防又は治療剤、
【0038】
9)前記1)〜5)のいずれか1項に記載のピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン誘導体又はその塩を有効成分として含有することを特徴とする潰瘍性大腸炎、クローン病を含む消化器疾患の予防又は治療剤、
【0039】
10)前記1)〜5)のいずれか1項に記載のピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン誘導体又はその塩を有効成分として含有することを特徴とするX線照射、化学療法剤、妊娠、偏頭痛、術後病、胃腸運動低下又は薬物投与の副作用等によって誘発される嘔吐の予防又は治療剤、
【0040】
11)前記1)〜5)のいずれか1項に記載のピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン誘導体又はその塩を有効成分として含有することを特徴とする喘息、咳、疼痛、偏頭痛、歯痛、リューマチ関節炎等の治療剤に関する。
【発明の効果】
【0041】
一般式(1)
【0042】
【化11】

【0043】
(式中、A環は、1〜3個の置換基(隣接する2個の置換基が互いに結合して環を形成していてもよい)を有していてもよいベンゼン環を示し;B環は5〜7員の含窒素環を示し;Rはアルキル基を示す。)で表されるピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン誘導体又はその塩はタキキニン受容体に対して優れた拮抗作用(特にNK1受容体拮抗作用)を有し、医薬として有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下に、本発明を詳細に説明する。
【0045】
A環について
前記式(1)中、A環は、1〜3個の置換基(隣接する2個の置換基が互いに結合して環を形成していてもよい)を有していてもよいベンゼン環を示す。A環の置換基は、環のうち置換可能ないずれの位置に置換していてもよく、その個数は1〜3個程度であっても良い。また、隣接する2個の置換基が互いに結合して環を形成していてもよい。A環の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cのアルキル基、C〜Cのアルコキシ基が挙げられる。
ここで、「ハロゲン原子」には、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が含まれる。
【0046】
「ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cのアルキル基」としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基、1−フルオロエチル基、1−クロロエチル基、2−クロロエチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基等が挙げられる。
【0047】
「C〜Cのアルコキシ基」としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等が挙げられる。
【0048】
「隣接する2個の置換基が結合して互いに形成していてもよい環」には
【0049】
【化12】

【0050】
等が挙げられる。
【0051】
好ましいA環としては、例えば、式
【0052】
【化13】

【0053】
(式中、R,R及びRは、同一又は異なって、フッ素原子、塩素原子、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基等を示す。)が挙げられる。
更に好ましいA環としては、式
【0054】
【化14】

【0055】
が挙げられる。
【0056】
B環について
B環は、置換基を有していてもよく、窒素原子以外に窒素原子、硫黄原子、酸素原子から選ばれた1〜3個のヘテロ原子を含んでいてもよい5〜7員の含窒素環を示す。前記「窒素原子以外に窒素原子、硫黄原子、酸素原子から選ばれた1〜3個のヘテロ原子を含んでいてもよい5〜7員の含窒素環」には、例えば、窒素原子以外に窒素原子、硫黄原子、酸素原子から選ばれた1〜3個のヘテロ原子を含んでいてもよい5員の芳香族複素環(例えば、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール環など)、或いは、窒素原子以外に窒素原子、硫黄原子、酸素原子から選ばれた1〜3個のヘテロ原子を含んでいてもよい5〜7員の非芳香族複素環(例えば、テトラヒドロピリジン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピラジン、テトラヒドロピリミジン、テトラヒドロピリダジン、ジヒドロピロール、ジヒドロイミダゾール、ジヒドロピラゾール、ジヒドロオキサゾール、ジヒドロイソオキサゾール、ピペリジン、ピペラジン、ヘキサヒドロピリミジン、ヘキサヒドロピリダジン、モルホリン、チオモルホリン、ホモピペリジン、ホモピペラジン、ピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、テトラヒドロオキサゾール、テトラヒドロイソオキサゾール環など)などが含まれる。
【0057】
「B環が有していてもよい置換基」としては、例えば、C〜Cのアルキル基、ヒドロキシル基、C〜Cのアルコキシ基、ホルミル基、C〜Cのアルキルカルボニル基、C〜Cのアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、或いはモノ又はジ置換のC〜Cのアルキルカルバモイル基、C〜Cのアルキルスルホニル基、アミノ基、モノ又はジ置換のC〜Cのアルキルアミノ基、C〜Cのアルキルカルボニルアミノ基、C〜Cのアルコキシカルボニルアミノ基、C〜Cのアルキルスルホニルアミノ基、オキソ基、6員の芳香族複素環式基又は式
【0058】
【化15】

【0059】
(式中、D環は窒素原子以外に窒素原子、硫黄原子、酸素原子から選ばれた1〜3個のヘテロ原子を含んでいてもよく、さらに1個又は2個のオキソ基で置換されている炭素原子を含んでいてもよい3〜7員の非芳香族複素環を示す。)で表される基等が挙げられる。
【0060】
ここで、「C〜Cのアルキル基」としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
【0061】
「C〜Cのアルコキシ基」としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等が挙げられる。
【0062】
「C〜Cのアルキルカルボニル基」としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基等が挙げられる。
【0063】
「C〜Cのアルコキシカルボニル基」としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等が挙げられる。
【0064】
「モノ又はジ置換のC〜Cのアルキルカルバモイル基」としては、メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、プロピルカルバモイル基、イソプロピルカルバモイル基、t−ブチルカルバモイル基、ヘキシルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、ジプロピルカルバモイル基、ジイソプロピルカルバモイル基、ジブチルカルバモイル基、ジヘキシルカルバモイル基等が挙げられる。
【0065】
「C〜Cのアルキルスルホニル基」としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基等が挙げられる。
【0066】
「モノ又はジ置換のC〜Cのアルキルアミノ基」としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、t−ブチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジヘキシルアミノ基等が挙げられる。
【0067】
「C〜Cのアルキルカルボニルアミノ基」としては、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ブチリルアミノ基等が挙げられる。
【0068】
「C〜Cのアルコキシカルボニルアミノ基」としては、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、ヘキシルオキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
【0069】
「C〜Cのアルキルスルホニルアミノ基」としては、メチルスルホニルアミノ基、エチルスルホニルアミノ基等が挙げられる。
【0070】
「6員の芳香族複素環式基」としては、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジル基、ピリダジニル基等が挙げられる。
【0071】
「式
【0072】
【化16】

【0073】
(式中、C環は窒素原子以外に窒素原子、硫黄原子、酸素原子から選ばれた1〜3個のヘテロ原子を含んでいてもよく、さらに1個又は2個のオキソ基で置換されている炭素原子を含んでいてもよい3〜7員の非芳香族複素環を示す。)で表される基」としては、アゼチジノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、チオモルホリノ基、ピペラジノ基、4−メチルピペラジノ基、ホモピペラジノ基、2−オキソピロリジノ基、3−オキソモルホリノ基、2−オキソモルホリノ基等が挙げられる。
【0074】
好ましいB環として、例えば、式
【0075】
【化17】

【0076】
が挙げられる。更に好ましいB環として、例えば、式
【0077】
【化18】

【0078】
が挙げられる。
【0079】
Rについて
Rは、C〜Cのアルキル基を示し、環のうち置換可能ないずれの位置に置換していてもよい。ここで、「C〜Cのアルキル基」としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
【0080】
好ましいRとして、例えば、メチル基が挙げられる。
【0081】
好ましい置換位置としては、式
【0082】
【化19】

【0083】
で示される位置が挙げられる。
【0084】
本発明の好ましい化合物として、
(8R)−2−(4−アセチル−1−ピペラジニル)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−4−(2−メチルフェニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン、
(8S)−2−(4−アセチル−1−ピペラジニル)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−4−(2−メチルフェニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン、
(8R)−2−(4−アセトアミドピペリジノ)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−4−(2−メチルフェニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン、
(8S)−2−(4−アセトアミドピペリジノ)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−4−(2−メチルフェニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン、
(8R)−2−(4−アセチル−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−4−(2−メチルフェニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン、
(8S)−2−(4−アセチル−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−4−(2−メチルフェニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン、
(8R)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−4−(2−メチルフェニル)−2−(4−メチル−1−ピペラジニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン、
(8S)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−4−(2−メチルフェニル)−2−(4−メチル−1−ピペラジニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン、
(8R)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−4−(2−メチルフェニル)−2−(チオモルホリノ)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン、
(8S)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−4−(2−メチルフェニル)−2−(チオモルホリノ)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン、
(8R)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−4−(2−メチルフェニル)−2−(4−オキソチオモルホリノ)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン、
(8S)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−4−(2−メチルフェニル)−2−(4−オキソチオモルホリノ)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン、
(8R)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−2−(4,4−ジオキソチオモルホリノ)−4−(2−メチルフェニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン、
(8S)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−2−(4,4−ジオキソチオモルホリノ)−4−(2−メチルフェニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン
が例示できる。
【0085】
塩について
本発明化合物が塩を形成する場合、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸等の無機酸、又は酢酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、ステアリン酸、パルミチン酸等の有機酸との薬学上許容な塩が例示できる。
【0086】
さらに本発明化合物又はその塩は、水和物又は溶媒和物として存在することもある。上記に具体的に記載した好ましい化合物を含めて、前記一般式(1)で表される縮合二環式ピリミジン誘導体又はその塩が形成する任意の水和物及び溶媒和物は、いずれも本発明の範囲に包含される。溶媒和物を形成し得る溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、酢酸エチル、塩化メチレン、ジイソプロピルエーテル等が挙げられる。
【0087】
本発明化合物又はその塩には、ラセミ体の他に光学活性体、立体異性体又は回転異性体も含まれる。
【0088】
本発明化合物は、種々の合成法によって製造することができる。次に、本発明化合物及びその塩の代表的な製造法について説明する。
【0089】
【化20】

【0090】
(第一工程)
本工程は、化合物(a)((Rは、ハロゲン原子、C〜Cのアルキルチオ基、アリールチオ基、C〜Cのアルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等の第三工程における脱離基を示し、Rはヒドロキシル基、ハロゲン原子、1−イミダゾリル基、4−ニトロフェノキシ基、コハク酸イミドイルオキシ基、C〜Cのアルコキシ基、ベンジルオキシ基等を示す。)と化合物(b)を縮合させた後、環化することにより8員環を有する二環性化合物(c)(Rは前記に同じ。)を製造する工程である。
【0091】
本工程の縮合反応においてRがヒドロキシル基の場合に用いられる縮合剤としては、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、3−エチル−1−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI)又はジメチルイミダゾリニウムクロライド(DMC)等が挙げられ、これらは固体状又は適当な溶媒に溶かした溶液として添加される。本縮合反応において塩基を用いる場合には、炭酸水素ナトリウム又は炭酸カリウム等のアルカリ炭酸塩、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン又は1,8−ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン等の3級アミン類が例示できる。本縮合反応に用いる溶媒としては反応に関与しない不活性な溶媒、例えばN、N−ジメチルホルムアミド、N、N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルエーテル、ジメトキシエタン、酢酸エチル、ジクロロメタン等が用いられる。
【0092】
本縮合反応は−20℃から80℃で実施することができる。本工程の縮合反応においてR10がハロゲン原子、1−イミダゾリル基、4−ニトロフェノキシ基、コハク酸イミドイルオキシ基等で表されるカルボン酸のハライド、カルボン酸のイミダゾリド、カルボン酸の活性エステルの場合では、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の有機塩基、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩基の存在下、又は非存在下でN、N−ジメチルホルムアミド、N、N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルエーテル、ジメトキシエタン、酢酸エチル、トルエン、ジクロロメタン等の溶媒中、−20〜80℃で30分から48時間処理することにより実施することができる。本工程の縮合反応においてRがC〜Cのアルコキシ基、ベンジルオキシ基等のエステル残基の場合、トリメチルアルミニウム又はテトライソプロポキシチタン等の存在下又は非存在下で、あるいはp−トルエンスルホン酸等、又はナトリウムメトキシド、カリウム−t−ブトキシド、水素化ナトリウム等の酸又は塩基触媒の存在下又は非存在下でN、N−ジメチルホルムアミド、N、N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、キシレン、メシチレン、ピリジン、キノリン、ジクロロメタン等の溶媒中で15〜150℃で30分から48時間処理することにより実施することができる。
【0093】
8員環形成工程は、ナトリウム−tert−ブトキシド、カリウム−tert−ブトキシド等の有機塩基または水素化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、酢酸ナトリウム等の無機塩基の存在下又は非存在下でN、N−ジメチルホルムアミド、N、N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、キシレン、メシチレン、ピリジン、キノリン、ジクロロメタン等の溶媒中、温度範囲0〜150℃で30分から48時間処理することにより実施することができる。
【0094】
(第二工程)
本工程は、化合物(c)(Rは前記に同じ。)と化合物(d)(A環は前記に同じ。Yはハロゲン原子、OSO(Rはハロゲン原子で置換されていても良いC〜Cのアルキル基)、B(R(Rは水酸基、C〜Cのアルキル基またはC〜Cのアルコキシ基またはRは互いに結合して環を形成していても良い。)、Li、MgBrまたはZnClを示す。)をパラジウム又はニッケル錯体等の遷移金属触媒下におけるクロスカップリング反応、或いはグリニャール反応により、化合物(e)(R、A環は前記に同じ)を製造する工程である。本反応は、反応に関与しない不活性な溶媒を用いて行うことが好ましく、例えばN、N−ジメチルホルムアミド、N、N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタン、トルエン、エタノール又は水等が例示できる。これらの溶媒は単独であるいは任意の比で混合して用いられる。
【0095】
本反応に用いられるパラジウム錯体としては、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、アセチルアセトナトパラジウム又はテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等が例示できる。本反応に用いられるニッケル錯体としては、ビス(アセチルアセトナト)ニッケル、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル又はテトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル等が例示できる。これらのパラジウム又はニッケル錯体は、化合物(c)に対して0.001〜1当量、好適には0.01〜0.1当量の範囲で用いられる。本反応においてパラジウム又はニッケル錯体に対するリガンドを用いる場合には、トリフェニルホスフィン、トリ−o−トリルホスフィン、トリ−2−フリルホスフィン、1、2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1、1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン又は2、2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1、1’−ビナフチル等が例示できる。これらのリガンドは、パラジウム又はニッケル錯体に対して0.2〜5当量、好適には0.3〜3当量の範囲で用いられる。本反応は適当な塩基の存在下に行うことが好ましく、例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、ルチジン、コリジン等の有機塩基、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウム又はリン酸三カリウム等の無機塩基が例示できる。これらの塩基は化合物(c)に対して1〜20当量、好適には2〜10当量の範囲で用いられる。本工程のクロスカップリング反応は、15〜150℃、好適には50〜120℃で30分〜24時間処理することにより実施することができる。
【0096】
(第三工程)
本工程は、化合物(e)(R、A環は前記に同じ)と化合物(f)(B環は前記に同じ)を反応させて、化合物(g)(A環及びB環は前記に同じ)を製造する工程である(本工程は、RがB環を示す場合は省略される。)。
【0097】
本反応は、化合物(f)を化合物(e)に対して1〜20当量用いて塩基の存在下あるいは非存在下で80〜200℃、好適には100〜150℃で30分〜24時間処理することにより実施することができる。塩基を用いる場合、適当な塩基として例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、ルチジン、コリジン、N、N−ジメチルアニリン等の有機塩基、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウム又はリン酸三カリウム等の無機塩基が例示できる。溶媒を用いる場合には、反応に関与しない不活性な溶媒、例えば、N、N−ジメチルホルムアミド、N、N−ジメチルアセトアミド、スルホラン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、キシレン、トルエン、エタノール又は水等が用いられる。
【0098】
(第四工程)
本工程は、B環に硫黄原子が存在する化合物(g’)に対して、さらに酸化反応を行うことにより、化合物(g‘’)(nは1又は2を示す)へ導く場合に行われる。本反応は、酸化剤を化合物(g‘)に対して1〜20当量用いて、0〜50℃で30分〜24時間処理することにより実施することができる。本反応に用いる酸化剤として、たとえば、過酸化水素、3−クロロ過安息香酸、過酢酸、過マンガン酸カリウムなどが例示できる。溶媒を用いる場合には、反応に関与しない不活性な溶媒、例えば、N、N−ジメチルホルムアミド、N、N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、塩化メチレン又は水等が用いられる。
【0099】
【化21】

【0100】
本発明化合物(1)は通常の分離手段(例えば抽出、再結晶、蒸留、クロマトグラフィー等)によって単離、精製することができる。又、得られた化合物が塩を形成する様な場合には、通常の方法あるいはそれに準ずる方法(例えば中和等)によって各種の塩を製造することができる。
【0101】
本発明化合物(1)もしくはその塩は、タキキニン受容体拮抗剤、NK1受容体拮抗剤、頻尿、尿失禁等の膀胱機能疾患を含む排尿障害の予防又は治療剤、潰瘍性大腸炎、クローン病を含む消化器疾患の予防又は治療剤、X線照射、化学療法剤、妊娠、偏頭痛、術後病、胃腸運動低下又は薬物投与の副作用等によって誘発される嘔吐の予防又は治療剤、X線照射、化学療法剤、妊娠、偏頭痛、術後病、胃腸運動低下又は薬物投与の副作用等によって誘発される嘔吐の予防又は治療剤、喘息、咳、疼痛、偏頭痛、歯痛、リューマチ関節炎等の治療剤として有用である。
【0102】
本発明化合物(1)もしくはその塩は、単独で、または一種以上の製剤上許容される補助剤と共に医薬組成物として用いることができ、薬理学上許容される担体、賦形剤(例えば、デンプン、乳糖、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム等)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムタルク、ステアリン酸等)、結合剤(例えば、デンプン、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、アラビアゴム、ポリビニルピロリドン、アルギン酸等)、崩壊剤(例えば、タルク、カルボキシメチルセルロースカルシウム等)、希釈剤(例えば、生理食塩水、グルコース、マンニトール、ラクトース等の水溶液等)等と混合し、通常の方法により錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、細粒剤、アンプル剤又は注射剤等の形態で経口的又は非経口的に投与することができる。
【0103】
投与量は本発明化合物(1)又はその塩の種類、投与ルート、患者の年齢、症状等により異なるが、例えば人を含む哺乳動物に対して本発明化合物(1)又はその塩として0.0001〜300mg/kg/日である。投与は例えば1日1回又は数回に分割して投与する。
【実施例】
【0104】
以下、試験例、実施例および参考例に基づいて本発明をより詳細に説明する。また、本発明化合物(1)の製造に用いる原料化合物の中にも新規化合物が含まれているので、原料化合物の製造例についても参考例として説明する。本発明化合物は、下記実施例に記載の化合物に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させても良い。
【0105】
<実施例1>
【0106】
【化22】

【0107】
(8R)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−4−(2−メチルフェニル)−2−(メチルスルホニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン(88.2 mg、参考例5の化合物)に、アセチルピペラジン (23.0 mg), ジイソプロピルエチルアミン (0.1 mL)、テトラヒドロフラン (0.5 mL)を加えて80℃で3時間加熱攪拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウム上乾燥した。溶媒を留去して得られた残渣シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)にて精製すると、(8R)−2−(4−アセチル−1−ピペラジニル)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−4−(2−メチルフェニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン(79.7 mg)が得られた。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ1.15 (3H, d, J =
6.7 Hz), 2.10-2.28 (1H, m), 2,13 (3H, s), 2.25 (3H, s), 3.13 (1H, dd, J = 15.3
and 5.5 Hz), 3.45-3.56 (3H, m), 3.61-3.72 (2H, m), 3.80-3.95 (5H, m), 4.13 (1H,
dd, J = 13.4 and 3.1 Hz), 4.46 (1H, dd, J = 13.5 and 2.4 Hz), 5.32 (1H,
d, J = 15.3 Hz), 6.90-6.96 (1H, m), 6.99-7.07 (1H, m), 7.17-7.28 (2H, m), 7.56
(2H, s), 7.80 (1H, s). HRMS (FAB+) for C31H32F6N5O3
(M++1): calcd, 636.2409; found, 636.2378.
【0108】
<実施例2>
【0109】
【化23】

【0110】
実施例1と同様の合成方法により、(8S)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−4−(2−メチルフェニル)−2−(メチルスルホニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン(88.2
mg)と、アセチルピペラジン (23.0 mg、参考例6の化合物) から、(8S)−2−(4−アセチル−1−ピペラジニル)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−4−(2−メチルフェニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン(85.2 mg)が得られた。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ1.15 (3H, d, J =
6.7 Hz), 2.12-2.27 (1H, m), 2,14 (3H, s), 2.25 (3H, s), 3.13 (1H, dd, J = 15.3
and 5.5 Hz), 3.45-3.55 (3H, m), 3.62-3.72 (2H, m), 3.80-3.95 (5H, m), 4.13 (1H,
dd, J = 13.5 and 2.4 Hz), 4.46 (1H, dd, J = 13.5 and 2.4 Hz), 5.32 (1H,
d, J = 15.3 Hz), 6.90-6.96 (1H, m), 6.99-7.07 (1H, m), 7.17-7.27 (2H, m), 7.56
(2H, s), 7.80 (1H, s). HRMS (FAB+) for C31H32F6N5O3
(M++1): calcd, 636.2409; found, 636.2412.
【0111】
<実施例3>
【0112】
【化24】

【0113】
実施例1と同様の合成方法により、(8R)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−4−(2−メチルフェニル)−2−(メチルスルホニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン(88.2 mg、参考例5の化合物)と、4-(アセトアミド)ピペリジン(25.5 mg) から、(8R)−2−(4−アセトアミドピペリジノ)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−4−(2−メチルフェニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン(91.5 mg)が得られた。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ1.14 (3H, d, J =
6.8 Hz), 1.26-1.41 (2H, m), 1.93-2.06 (2H, m), 1.98 (3H, s), 2.11-2.22 (1H, m),
2.25 (3H, s), 3.00-3.16 (3H, m), 3.47-3.56 (1H, m), 3.89 (1H, d, J = 15.3 Hz),
3.98-4.15 (2H, m), 4.44 (1H, dd, J = 13.4 and 2.4 Hz), 4.68-4.79 (2H,
m), 5.27-5.35 (1H, m), 5.31 (1H, d, J = 15.3 Hz), 6.89-6.96 (1H, m), 6.98-7.06
(1H, m), 7.17-7.25 (2H, m), 7.56 (2H, s), 7.80 (1H, s). HRMS (FAB+)
for C32H34F6N5O3 (M++1):
calcd, 650.2566; found, 650.2562.
【0114】
<実施例4>
【0115】
【化25】

【0116】
実施例1と同様の合成方法により、(8S)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−4−(2−メチルフェニル)−2−(メチルスルホニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン(88.2 mg、参考例6の化合物)と、4-(アセトアミド)ピペリジン(25.5 mg) から、(8S)−2−(4−アセトアミドピペリジノ)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−4−(2−メチルフェニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン(86.6 mg)が得られた。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ1.14 (3H, d, J =
6.8 Hz), 1.28-1.40 (2H, m), 1.93-2.06 (2H, m), 1.98 (3H, s), 2.10-2.22 (1H, m),
2.25 (3H, s), 3.00-3.15 (3H, m), 3.47-3.567 (1H, m), 3.89 (1H, d, J = 15.3 Hz),
3.98-4.08 (1H, m), 4.11 (1H, dd, J = 13.4 and 2.5 Hz), 4.44 (1H, dd, J =
13.4 and 2.4 Hz), 4.68-4.78 (2H, m), 5.27-5.35 (1H, m), 5.31 (1H, d, J = 15.3
Hz), 6.90-6.96 (1H, m), 6.99-7.06 (1H, m), 7.17-7.25 (2H, m), 7.56 (2H, s),
7.80 (1H, s). HRMS (FAB+) for C32H34F6N5O3
(M++1): calcd, 650.2566; found, 650.2580.
【0117】
<実施例5>
【0118】
【化26】

【0119】
実施例1と同様の合成方法により、(8R)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−4−(2−メチルフェニル)−2−(メチルスルホニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン(80.0 mg、参考例5の化合物)と、1-アセチル-2,6-ジメチルピペラジン(25.5 mg) から、(8R)−2−(4−アセチル−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−4−(2−メチルフェニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン(56.6 mg)が得られた。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ1.15 (3H, d, J =
6.7 Hz), 1.20-1.35 (6H, m), 2.10-2.23 (1H, m), 2.14 (3H, s), 2.26 (3H, s),
3.01-3.09 (3H, m), 3.47-3.57 (1H, m), 3.90 (1H, d, J = 15.3 Hz), 4.09-4.16 (1H,
m), 4.46 (1H, dd, J = 13.4 and 1.8 Hz), 4.62-4.79 (3H, m), 5.30 (1H, d, J =
15.3 Hz), 6.87-6.96 (1H, m), 6.98-7.08 (1H, m), 7.18-7.26 (2H, m), 7.57 (2H,
s), 7.80 (1H, s). HRMS (EI) for C33H35F6N5O3
(M+): calcd, 663.2644; found, 663.2626.
【0120】
<実施例6>
【0121】
【化27】

【0122】
実施例1と同様の合成方法により、(8S)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−4−(2−メチルフェニル)−2−(メチルスルホニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン(88.2 mg、参考例6の化合物)と、1-アセチル-2,6-ジメチルピペラジン(28.0 mg) から、(8S)−2−(4−アセチル−3,5−ジメチル−1−ピペラジニル)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−4−(2−メチルフェニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン(60.2 mg)が得られた。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ1.15 (3H, d, J =
6.7 Hz), 1.20-1.35 (6H, m), 2.10-2.24 (1H, m), 2.14 (3H, s), 2.26 (3H, s),
3.03-3.18 (3H, m), 3.48-3.58 (1H, m), 3.90 (1H, d, J = 14.7 Hz), 4.09-4.17 (1H,
m), 4.46 (1H, dd, J = 13.5 and 2.4 Hz), 4.60-4.80 (3H, m), 5.31 (1H, d, J =
14.7 Hz), 6.88-6.96 (1H, m), 6.99-7.08 (1H, m), 7.19-7.24 (2H, m), 7.57 (2H,
s), 7.80 (1H, s). HRMS (EI) for C33H35F6N5O3
(M+): calcd, 663.2644; found, 663.2626.
【0123】
<実施例7>
【0124】
【化28】

【0125】
実施例1と同様の合成方法により、(8R)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−4−(2−メチルフェニル)−2−(メチルスルホニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン(16.0 mg、参考例5の化合物)と、メチルピペラジン(4 μL) から、(8R)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−4−(2−メチルフェニル)−2−(4−メチル−1−ピペラジニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン(12.9 mg)が得られた。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ1.14 (3H, d, J =
6.7 Hz), 2.01-2.22 (1H, m), 2.26 (3H, s), 2.32 (3H, s), 2.32-2.49 (4H, m), 3.11
(1H, dd, J = 15.3 and 5.5 Hz), 3.47-3.57 (1H, m), 3.80-3.93 (5H, m), 4.11 (1H,
dd, J = 6.7 and 3.7 Hz), 4.44 (1H, dd, J = 13.5 and 2.4 Hz), 5.32 (1H, d, J =
14.7 Hz), 6.90-6.97 (1H, m), 6.99-7.07 (1H, m), 7.17-7.25 (2H, m), 7.56 (2H,
s), 7.79 (1H, s). HRMS (EI) for C30H31F6N5O2
(M+): calcd, 607.2382; found, 607.2405.
【0126】
<実施例8>
【0127】
【化29】

【0128】
実施例1と同様の合成方法により、(8S)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−4−(2−メチルフェニル)−2−(メチルスルホニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン(88.2 mg、参考例6の化合物)と、メチルピペラジン(20 μL) から、(8S)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−4−(2−メチルフェニル)−2−(4−メチル−1−ピペラジニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン(79.5 mg)が得られた。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ1.14 (3H, d, J =
6.7 Hz), 2.11-2.22 (1H, m), 2.26 (3H, s), 2.32 (3H, s), 2.37-2.48 (4H, m), 3.11
(1H, dd, J = 14.7 and 4.9 Hz), 3.47-3.58 (1H, m), 3.80-3.94 (5H, m), 4.11 (1H,
dd, J = 14.1 and 3.7 Hz), 4.44 (1H, dd, J = 13.4 and 2.4 Hz), 5.32 (1H, d, J =
14.7 Hz), 6.90-6.96 (1H, m), 6.98-7.06 (1H, m), 7.17-7.24 (2H, m), 7.56 (2H,
s), 7.79 (1H, s). HRMS (EI) for C30H31F6N5O2
(M+): calcd, 607.2382; found, 607.2372.
【0129】
<実施例9>
【0130】
【化30】

【0131】
実施例1と同様の合成方法により、(8R)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−4−(2−メチルフェニル)−2−(メチルスルホニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン(130 mg、参考例5の化合物)と、チオモルホリン(27 μL)から、(8R)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−4−(2−メチルフェニル)−2−(チオモルホリノ)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン(112 mg)が得られた。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ1.15 (3H, d, J =
7.3 Hz), 2.11-2.23 (1H, m), 2.25 (3H, s), 2.59-2.68 (4H, m), 3.12 (1H, dd, J
= 15.3 and 5.5 Hz), 3.47-3.58 (1H, m), 3.89 (1H, d, J = 15.3 Hz),
4.08-4.20 (5H, m), 4.45 (1H, dd, J = 13.5 and 1.8 Hz), 5.32 (1H, d, J =
15.3 Hz), 6.90-6.96 (1H, m), 6.99-7.07 (1H, m), 7.17-7.24 (2H, m), 7.56 (2H,
s), 7.80 (1H, s). HRMS (ESI+) for C29H29F6N4O2S
(M++1): calcd, 611.19154; found, 611.19025.
【0132】
<実施例10>
【0133】
【化31】

【0134】
実施例1と同様の合成方法により、(8S)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−4−(2−メチルフェニル)−2−(メチルスルホニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン(130 mg、参考例6の化合物)と、チオモルホリン(27 μL)から、(8S)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−4−(2−メチルフェニル)−2−(チオモルホリノ)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン(120 mg)が得られた。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ1.15 (3H, d, J =
6.7 Hz), 2.11-2.22 (1H, m), 2.25 (3H, s), 2.58-2.67 (4H, m), 3.12 (1H, dd, J
= 15.3 and 4.8 Hz), 3.47-3.57 (1H, m), 3.89 (1H, d, J = 15.3 Hz),
4.08-4.20 (5H, m), 4.45 (1H, dd, J = 13.5 and 1.8 Hz), 5.32 (1H, d, J =
15.3 Hz), 6.90-6.96 (1H, m), 6.99-7.07 (1H, m), 7.17-7.25 (2H, m), 7.56 (2H,
s), 7.80 (1H, s). HRMS (ESI+) for C29H29F6N4O2S
(M++1): calcd, 611.19154; found, 611.19075.
【0135】
<実施例11>
【0136】
【化32】

【0137】
(8R)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−4−(2−メチルフェニル)−2−(チオモルホリノ)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン(77.0 mg、実施例9の化合物)をテトラヒドロフラン (1 mL)に溶解し、氷冷下で3−クロロ過安息香酸(23.0 mg) を加えて10分間攪拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、炭酸カリウム水溶液、水、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウム上乾燥した。溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール=10:1)にて精製すると、(8R)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−4−(2−メチルフェニル)−2−(4−オキソチオモルホリノ)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン(68.3 mg)が得られた。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ1.16 (3H, d, J =
7.3 Hz), 2.14-2.23 (1H, m), 2.24 (3H, s), 2.70-2.89 (4H, m), 3.15 (1H, dd, J
= 15.3 and 4.9 Hz), 3.45-3.55 (1H, m), 3.89 (1H, d, J = 15.3 Hz),
4.10-4.22 (3H, m), 4.47 (1H, dd, J = 13.5 and 2.4 Hz), 4.52-4.65 (2H, m), 5.32
(1H, d, J = 15.3 Hz), 6.89-6.95 (1H, m), 7.00-7.07 (1H, m), 7.17-7.24
(2H, m), 7.56 (2H, s), 7.80 (1H, s). HRMS (ESI+) for C29H29F6N4O3S
(M++1): calcd, 627.18645; found, 627.18567.
【0138】
<実施例12>
【0139】
【化33】

【0140】
実施例11と同様の合成ルートにより、(8S)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−4−(2−メチルフェニル)−2−(チオモルホリノ)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン(85.0 mg、実施例10の化合物)と3−クロロ過安息香酸(25.2 mg) から、(8S)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−4−(2−メチルフェニル)−2−(4−オキソチオモルホリノ)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン(76.0 mg)が得られた。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ1.16 (3H, d, J =
7.3 Hz), 2.14-2.22 (1H, m), 2.24 (3H, s), 2.69-2.88 (4H, m), 3.15 (1H, dd, J
= 15.3 and 4.9 Hz), 3.45-3.56 (1H, m), 3.89 (1H, d, J = 14.7 Hz),
4.10-4.22 (3H, m), 4.47 (1H, dd, J = 13.5 and 2.4 Hz), 4.52-4.65 (2H, m), 5.32
(1H, d, J = 14.7 Hz), 6.89-6.95 (1H, m), 7.00-7.07 (1H, m), 7.19-7.24
(2H, m), 7.56 (2H, s), 7.80 (1H, s). HRMS (ESI+) for C29H29F6N4O3S
(M++1): calcd, 627.18645; found, 627.18588.
【0141】
<実施例13>
【0142】
【化34】

(8R)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−4−(2−メチルフェニル)−2−(メチルスルホニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン(80.0 mg、参考例5の化合物)に、チオモルホリン (17 μL)、
ジイソプロピルエチルアミン (90 μL)、テトラヒドロフラン (0.5 mL)を加えて80℃で3時間加熱攪拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウム上乾燥した。溶媒を留去して得られた残渣をテトラヒドロフラン (0.5 mL)に溶解し、氷冷下で3−クロロ過安息香酸(60.0 mg) を加えて10分間攪拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、炭酸カリウム水溶液、水、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウム上乾燥した。溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=2:1)にて精製すると、(8R)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−2−(4,4−ジオキソチオモルホリノ)−4−(2−メチルフェニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン(57.3 mg)が得られた。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ1.17 (3H, d, J =
7.3 Hz), 2.15-2.27 (1H, m), 2.23 (3H, s), 2.98-3.11 (4H, m), 3.17 (1H, dd, J
= 15.3 and 5.5 Hz), 3.44-3.55 (1H, m), 3.89 (1H, d, J = 15.3 Hz), 4.16
(1H, dd, J = 13.5 and 2.5 Hz), 4.31-4.44 (4H, m), 4.49 (1H, dd, J = 13.5 and
2.5 Hz), 5.31 (1H, d, J = 15.3 Hz), 6.91 (1H, d, J = 6.7 Hz), 7.03 (1 H,
dd, J = 6.7 and 6.7 Hz), 7.18-7.30 (2H, m), 7.56 (2H, s), 7.81 (1H, s). HRMS
(EI) for C29H28F6N4O4S
(M+): calcd, 642.1735; found, 642.1762.
【0143】
<実施例14>
【0144】
【化35】

【0145】
実施例13と同様の合成方法により、(8S)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−4−(2−メチルフェニル)−2−(メチルスルホニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン(88.2 mg、参考例6の化合物)、チオモルホリン(18 μL) 、mCPBA(70.0 mg)から、(8S)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−2−(4,4−ジオキソチオモルホリノ)−4−(2−メチルフェニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン(50.4 mg)が得られた。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ1.17 (3H, d, J =
6.7 Hz), 2.15-2.26 (1H, m), 2.23 (3H, s), 2.98-3.10 (4H, m), 3.17 (1H, dd, J
= 15.3 and 4.9 Hz), 3.44-3.54 (1H, m), 3.89 (1H, d, J = 15.3 Hz),
4.12-4.19 (1H, m), 4.31-4.42 (4H, m), 4.49 (1H, dd, J = 13.4 and 1.8 Hz), 5.31
(1H, d, J = 15.3 Hz), 6.87-6.93 (1H, m), 6.99-7.06 (1H, m), 7.17-7.27
(2H, m), 7.56 (2H, s), 7.81 (1H, s). HRMS (EI) for C29H28F6N4O4S
(M+): calcd, 642.1735; found, 642.1736.
【0146】
<参考例1>
【0147】
【化36】

【0148】
塩化チオニル (5.0 mL) に4,6−ジクロロ−2−(メチルチオ)ピリミジン−5−カルボン酸 (645 mg) を加えて30分加熱還流した。減圧下、塩化チオニルを留去した後、残渣をテトラヒドロフラン (5 mL) に溶解したものを、(2R)−3−((3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)−2−メチル−1−プロパノール(850 mg) とトリエチルアミン(2.0 mL)のテトラヒドロフラン (20 mL)溶液に氷冷下で加えた。室温まで昇温し、2時間攪拌した後、酢酸エチルで反応液を希釈し、水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウム上乾燥した。溶媒を留去して得られた残渣をDMF(10 mL)に溶解し、K2CO3
(750 mg)を加えた後、80℃で1時間加熱攪拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄後、無水硫酸ナトリウム上乾燥した。溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)にて精製すると、(8R)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−4−クロロ−2−(メチルチオ)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン(717 mg)が得られた。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ1.14 (3H, d, J =
6.7 Hz), 2.17-2.29 (1H, m), 2.56 (3H, s), 3.15 (1H, dd, J = 15.3 and 5.5
Hz), 3.35 (1H, dd, J = 15.3 and 13.5 Hz), 4.05 (1H, d, J = 15.3 Hz), 4.21 (1H,
dd, J = 13.4 and 2.4 Hz), 4.59 (1H, dd, J = 13.4, 1.8 Hz), 5.61 (1H, d,
J = 15.3 Hz), 7.83 (3H, s). HRMS (EI) for C19H16ClF6N3O2S
(M+): calcd, 499.0556; found, 499.0592.
【0149】
<参考例2>
【0150】
【化37】

【0151】
参考例1と同様の方法により、4,6−ジクロロ−2−(メチルチオ)ピリミジン−5−カルボン酸(835 mg) と、(2S)−3−((3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)−2−メチル−1−プロパノール(1.10 g) から、(8S)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−4−クロロ−2−(メチルチオ)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン(1.17 g)が得られた。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ1.14 (3H, d, J =
6.7 Hz), 2.18-2.28 (1H, m), 2.56 (3H, s), 3.15 (1H, dd, J = 15.3 and 5.5
Hz), 3.35 (1H, dd, J = 15.3 and 13.5 Hz), 4.05 (1H, d, J = 15.3 Hz), 4.21 (1H,
dd, J = 13.4 and 2.4 Hz), 4.59 (1H, dd, J = 13.4, 1.8 Hz), 5.61 (1H, d,
J = 15.3 Hz), 7.83 (3H, s). HRMS (EI) for C19H16ClF6N3O2S
(M+): calcd, 499.0556; found, 499.0579.
【0152】
<参考例3>
【0153】
【化38】

【0154】
(8R)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−4−クロロ−2−(メチルチオ)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン(690 mg、参考例1の化合物)に、2-メチルフェニルボロン酸(225 mg)、Pd(PPh3)4(160 mg)、2mol/L
炭酸ナトリウム溶液 (4 mL)、トルエン(4 mL)、ジオキサン(4 mL)を加えて、8時間加熱還流した。反応液を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウム上乾燥した。溶媒を留去して得られた残渣シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)にて精製すると、(8R)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−4−(2−メチルフェニル)−2−(メチルチオ)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン(581 mg)が得られた。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ1.16 (3H, d, J =
6.7 Hz), 2.16-2.29 (1H, m), 2.28 (3H, s), 2.56 (3H, s), 3.18 (1H, dd, J
= 15.3 and 4.9 Hz), 3.45 (1H, dd, J = 14.7 and 12.7 Hz), 3.90 (1H, d, J = 14.7
Hz), 4.19 (1H, dd, J = 13.4 and 3.1 Hz), 4.52 (1H, dd, J = 13.4, 1.8
Hz), 5.31 (1H, d, J = 14.7 Hz), 6.87-6.93 (1H, m), 6.99-7.05 (1H, m), 7.17-7.25
(2H, m), 7.58 (2H, s), 7.81 (1H, s). HRMS (EI) for C26H23F6N3O2S
(M+): calcd, 555.1415; found, 555.1396.
【0155】
<参考例4>
【0156】
【化39】

参考例3と同様の方法により、(8S)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−4−クロロ−2−(メチルチオ)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン(1.12 g、参考例2の化合物) と、2-メチルフェニルボロン酸
(366 mg) から、(8S)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−4−(2−メチルフェニル)−2−(メチルチオ)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン(905 mg)が得られた。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ1.16 (3H, d, J =
6.7 Hz), 2.16-2.28 (1H, m), 2.23 (3H, s), 2.56 (3H, s), 3.18 (1H, dd, J
= 15.3 and 4.9 Hz), 3.45 (1H, dd, J = 15.3 and 12.2 Hz), 3.90 (1H, d, J = 14.7
Hz), 4.19 (1H, dd, J = 13.4 and 3.1 Hz), 4.52 (1H, dd, J = 13.5, 1.8
Hz), 5.31 (1H, d, J = 14.7 Hz), 6.87-6.93 (1H, m), 6.99-7.05 (1H, m), 7.17-7.24
(2H, m), 7.56 (2H, s), 7.81 (1H, s). HRMS (EI) for C26H23F6N3O2S
(M+): calcd, 555.1415; found, 555.1437.
【0157】
<参考例5>
【0158】
【化40】

(8R)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−4−(2−メチルフェニル)−2−(メチルチオ)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン(560 mg、参考例4の化合物)をテトラヒドロフラン(3 mL)に溶解した後、mCPBA (435 mg) を加えた。室温まで昇温し2時間攪拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した後、無水硫酸ナトリウム上乾燥した。溶媒を留去して得られた残渣シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)にて精製すると、(8R)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−4−(2−メチルフェニル)−2−(メチルスルホニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン(528 mg)が得られた。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ1.20 (3H, d, J =
7.3 Hz), 2.23 (3H, s), 2.25-2.36 (1H, m), 3.25-3.45 (2H, m), 3.34 (3H, s), 3.94
(1H, d, J = 14.7 Hz), 4.31 (1H, dd, J = 13.5 and 2.4 Hz), 4.63 (1H, dd, J
= 13.5, 1.8 Hz), 5.29 (1H, d, J = 14.7 Hz), 6.86 (1H, d, J = 7.9 Hz), 6.99 (1H,
dd, J = 7.9 and 7.9 Hz), 7.21-7.30 (2H, m), 7.57 (2H, s), 7.84 (1H, s). HRMS
(ESI+) for C26H24F6N3O4S
(M++1): calcd, 588.13917; found, 588.14095.
【0159】
<参考例6>
【0160】
【化41】

【0161】
参考例5と同様の方法により、(8S)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−4−(2−メチルフェニル)−2−(メチルチオ)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン(875 mg、参考例5の化合物)から、(8S)−6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−4−(2−メチルフェニル)−2−(メチルスルホニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン−5−オン(862 mg)が得られた。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ1.20 (3H, d, J =
6.7 Hz), 2.23 (3H, s), 2.26-2.35 (1H, m), 3.25-3.45 (2H, m), 3.34 (3H, s), 3.94
(1H, d, J = 15.3 Hz), 4.31 (1H, dd, J = 13.4 and 2.4 Hz), 4.63 (1H, dd, J
= 13.4, 1.8 Hz), 5.29 (1H, d, J = 15.3 Hz), 6.86 (1H, d, J = 7.9 Hz), 6.99 (1H,
dd, J = 7.9 and 7.9 Hz), 7.22-7.32 (2H, m), 7.57 (2H, s), 7.84 (1H, s). HRMS
(ESI+) for C26H24F6N3O4S
(M++1): calcd, 588.13917; found, 588.13874.
【0162】
次に本発明化合物について、有用性を裏付ける成績を試験例によって示す。
【0163】
<試験例>
NK1受容体拮抗試験
S.Dionらの方法(「ライフサイエンス(Life Sciences)」41巻、2269頁(1987年))を一部改変して用いた。
モルモットを打撲後、頸動脈より脱血し回腸を摘出した。摘出した回腸は、マグヌス管内に1gの負荷をかけて懸垂した。標本の反応は等張性に記録した。栄養液は、Tyrode液を用い、O295%、CO25%の混合ガスを通気、液温は32℃とした。実験は、モルモット回腸をマグヌス管内に懸垂後、20分間平衡化した後開始した。被検化合物非存在下のサブスタンスPの濃度反応曲線をコントロールとした。被検化合物のNK1受容体拮抗作用は、少なくとも3濃度の被検化合物を10分間前処置し、その後累積的に適用したサブスタンスPの濃度反応曲線より求めた。Kb値は、Schildの方法(「ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・ファーマコロジー(Brit. J. Pharmacol.)」14巻、48ページ(1959年))により求め、その結果を表1に記した。
Tyrode液の組成は以下の通りとした。NaCl;136.9,KCl;2.7,CaCl2・2H2O;2.5,MgCl2・6H2O;1.0,NaH2PO4・2H2O;0.4,NaHCO3;11.9,グルコース;11.1(mmol/L)
【0164】
【表1】

【0165】
表1より、本発明化合物(1)又はその塩が、優れたNK1受容体拮抗作用を示すことが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0166】
本発明は新規なピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン誘導体又はその塩に、優れたタキキニン受容体拮抗作用を有することを見出したものである。
また、本発明化合物及びその塩は、毒性も低く安全である。従って、本発明化合物及びその塩は、タキキニン受容体拮抗剤及び排尿障害治療剤等として高い有用性を有する。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
【化1】

(式中、A環は、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cのアルキル基又はC〜Cのアルコキシ基の中からそれぞれ独立して選ばれた1〜3個の置換基(隣接する2個の置換基が互いに結合して環を形成していてもよい)を有していてもよいベンゼン環を示し;
B環は、窒素原子以外に窒素原子、硫黄原子、酸素原子から選ばれた1〜3個のヘテロ原子を含んでいてもよい5〜7員の含窒素環を示し、
さらにB環は置換基(C〜Cのアルキル基、ヒドロキシル基、C〜Cのアルコキシ基、ホルミル基、C〜Cのアルキルカルボニル基、C〜Cのアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、モノ又はジ置換のC〜Cのアルキルカルバモイル基、C〜Cのアルキルスルホニル基、アミノ基、モノ又はジ置換のC〜Cのアルキルアミノ基、C〜Cのアルキルカルボニルアミノ基、C〜Cのアルコキシカルボニルアミノ基、C〜Cのアルキルスルホニルアミノ基、オキソ基、6員の芳香族複素環式基又は式
【化2】

(式中、C環は窒素原子以外に窒素原子、硫黄原子、酸素原子から選ばれた1〜3個のヘテロ原子を含んでいてもよく、さらに1個又は2個のオキソ基で置換されている炭素原子を含んでいてもよい3〜7員の非芳香族複素環を示す。)の中から選ばれた置換基)を有していてもよく;
RはC〜Cのアルキル基を示す。)で表されるピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン誘導体又はその塩。
【請求項2】
一般式(1a)
【化3】

(式中、A環は、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよいC〜Cのアルキル基又はC〜Cのアルコキシ基の中からそれぞれ独立して選ばれた1〜3個の置換基(隣接する2個の置換基が互いに結合して環を形成していてもよい)を有していてもよいベンゼン環を示し;
B環は、窒素原子以外に窒素原子、硫黄原子、酸素原子から選ばれた1〜3個のヘテロ原子を含んでいてもよい5〜7員の含窒素環を示し、
さらにB環は置換基(C〜Cのアルキル基、ヒドロキシル基、C〜Cのアルコキシ基、ホルミル基、C〜Cのアルキルカルボニル基、C〜Cのアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、或いはモノ又はジ置換のC〜Cのアルキルカルバモイル基、C〜Cのアルキルスルホニル基、アミノ基、モノ又はジ置換のC〜Cのアルキルアミノ基、C〜Cのアルキルカルボニルアミノ基、C〜Cのアルコキシカルボニルアミノ基、C〜Cのアルキルスルホニルアミノ基、オキソ基、6員の芳香族複素環式基又は式
【化4】

(式中、C環は窒素原子以外に窒素原子、硫黄原子、酸素原子から選ばれた1〜3個のヘテロ原子を含んでいてもよく、さらに1個又は2個のオキソ基で置換されている炭素原子を含んでいてもよい3〜7員の非芳香族複素環を示す。)の中から選ばれた置換基)を有していてもよい。)で表される請求項1記載のピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン誘導体又はその塩。
【請求項3】
前記一般式(1a)において、B環が、式
【化5】

(式中、Rは、C〜Cのアルキルカルボニルアミノ基、C〜Cのアルコキシカルボニルアミノ基又はC〜Cのアルキルスルホニルアミノ基を示す。)で表される請求項2記載のピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン誘導体又はその塩。
【請求項4】
前記一般式(1a)において、B環が、式
【化6】

(式中、Xは、−O−又は−S(O)−を示し;pは0、1又は2を示す。)で表される基を示す請求項2記載のピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン誘導体又はその塩。
【請求項5】
前記一般式(1a)において、B環が、式
【化7】

(式中、Rは、水素原子、C〜Cのアルキル基、ホルミル基、C〜Cのアルキルカルボニル基、C〜Cのアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、モノ又はジ置換のC〜Cのアルキルカルバモイル基又はC〜Cのアルキルスルホニル基を示し;qは1又は2を示す。)で表される基を示す請求項2記載のピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン誘導体又はその塩。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン誘導体又はその塩を有効成分として含有することを特徴とするタキキニン受容体拮抗剤。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン誘導体又はその塩を有効成分として含有することを特徴とするNK1受容体拮抗剤。
【請求項8】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン誘導体又はその塩を有効成分として含有することを特徴とする頻尿、尿失禁等の膀胱機能疾患を含む排尿障害の予防又は治療剤。
【請求項9】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン誘導体又はその塩を有効成分として含有することを特徴とする潰瘍性大腸炎、クローン病を含む消化器疾患の予防又は治療剤。
【請求項10】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン誘導体又はその塩を有効成分として含有することを特徴とするX線照射、化学療法剤、妊娠、偏頭痛、術後病、胃腸運動低下又は薬物投与の副作用等によって誘発される嘔吐の予防又は治療剤。
【請求項11】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のピリミド[4,5−b][1,5]オキサゾシン誘導体又はその塩を有効成分として含有することを特徴とする喘息、咳、疼痛、偏頭痛、歯痛、リューマチ関節炎等の治療剤。

【公開番号】特開2008−24597(P2008−24597A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−195049(P2006−195049)
【出願日】平成18年7月18日(2006.7.18)
【出願人】(000001395)杏林製薬株式会社 (120)
【Fターム(参考)】