説明

ピロリルへプタン酸誘導体の合成中間体及び新規合成中間体を利用した製造方法。

【課題】
血中コレステロールの抑制効果のある(3R、5R)−7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−(フェニルカルバモイル)−1H−ピロール−1−イル]−3,5−ジヒドロキシヘプタン酸誘導体を製造するのに用いられる中間体、およびそれから製造されるピロリルヘプタン酸誘導体の製造方法を提供する。
【解決手段】
本発明によれば、5−(4−フルオロフェニル)−2−イソプロピル−4−フェニル−1H−ピロール−3−カルボニル誘導体は1つの(3R、5R)−7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−(フェニルカルバモイル)−1H−ピロール−1−イル]−3,5−ジヒドロキシヘプタン酸誘導体を含むピロリルヘプタン酸誘導体を製造するための新規合成中間体として提供される。したがって、(3R、5R)−7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−(フェニルカルバモイル)−1H−ピロール−1−イル]−3,5−ジヒドロキシヘプタン酸誘導体をカルボニル誘導体から温和な条件で高収率で短時間で製造することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高脂血症への治療効果を表す(3R、5R)−7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−(フェニルカルバモイル)−1H−ピロール−1−イル]−3,5−ジヒドロキシヘプタン酸誘導体を含む、ピロールヘプタン酸誘導体を製造するための新規合成中間体、およびこれを利用したピロールヘプタン酸誘導体の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
(3R、5R)−7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−(フェニルカルバモイル)−1H−ピロール−1−イル]−3,5−ジヒドロキシヘプタン酸誘導体(以下「化1誘導体」という。)は、米国特許公報第4,681,893号および米国特許公報第5,273,995号に記載されており、HMG−CoA還元酵素抑制作用およびアシルコエンザイムA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ(Acyl−coenzyme A:cholesterol acyltransferase,ACAT)抑制効能があるため高脂血症治療に広く使われている。また、下記化1の構造を有するカルシウム塩の形態で市販される薬品である。
【0003】
【化1】

【0004】
前記化1誘導体の製造方法は、米国特許公報第4,681,893号、第5,124,482号、第5,216,174号および大韓民国特許公開番号第2006−8015号など、数多くの特許と文献に開示されており、一般的には下記の式1に表した通り、4−(4−フルオロフェニル)−2−イソブチリル−3−フェニル−4−オキソ−N−フェニル−ブチルアミド誘導体と(4R−シス)−1,1−ジメチルエチル−6−(2−アミノエチル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4−アセテート誘導体のピロール化反応で中間体の(4R−シス)−1,1−ジメチルエチル−6−[2−[2−(4−フルオロフェニル)−5−(1−メチルエチル)−3−フェニル−4−[(フェニルアミノ)カルボニル]−1H−ピロール−1−イル]エチル]−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4−アセテートを製造した後、脱エステル保護反応させて、カルシウムアセテート一水和物と反応させる段階を経て式1の化1が製造される。
【式1】
【0005】

【0006】
前記式1で化1誘導体を製造するための出発物質で使われる4−(4−フルオロフェニル)−2−イソブチリル−3−フェニル−4−オキソ−N−フェニル−ブチルアミドは下記式2の方法により合成されることができる。
【式2】
【0007】

【0008】
ところで、前記製造方法は無水条件が必要で収率が低いだけでなく、副産物が多い工程であり、24時間またはそれ以上反応させなければならないなど製造工程に長時間が必要で、3−エチル−5−(2−ヒドロキシエチル)−4−メチルジアゾニウムブロミドのような高価の触媒を使わなければならないので、製剤学的製造に難しい短所がある。
【0009】
また、式1で化1誘導体を製造するための出発物質で使われる4−(4−フルオロフェニル)−2−イソブチリル−3−フェニル−4−オキソ−N−フェニル−ブチルアミドは国際公開特許公報第03/004457号および大韓民国特許公開公報第2004−1435号に他の製造方法が開始されていて、その製造方法は式3に表した通りである。
【式3】
【0010】

【0011】
前記式3で2−ブロモ−1−(4−フルオロフェニル)−2−フェニルエタン−1−オン誘導体は式1に記載された化1誘導体を製造するための出発物質の4−(4−フルオロフェニル)−2−イソブチリル−3−フェニル−4−オキソ−N−フェニル−ブチルアミドを製造するための反応物質として使われる。しかしながら、前記反応物質で使われる2−ブロモ−1−(4−フルオロフェニル)−2−フェニルエタン−1−オン誘導体は、製造する過程が24時間またはそれ以上という長時間の反応時間が必要で大量生産が難しく、特に有毒な臭素を使うため作業者にだけでなく、環境的にも非常に有害という短所がある。
【0012】
上記のように、従来の化1誘導体を製造するための中間体の4−(4−フルオロフェニル)−2−イソブチリル−3−フェニル−4−オキソ−N−フェニル−ブチルアミド誘導体を製造する方法は、低い収率と多くの副産物が生成されるという問題点があり、また、長時間の反応が必要で無水条件などの難しい反応工程が要求され、環境的にも有害で工業化に問題がある。
【0013】
したがって、公知の化1誘導体を製造するための中間体の4−(4−フルオロフェニル)−2−イソブチリル−3−フェニル−4−オキソ−N−フェニル−ブチルアミドの問題点を克服してピロリルヘプタン酸誘導体を製造できる、新しい中間体を用いた製造方法が要求されてきた。
【0014】
そこで、本発明者らはピロリルヘプタン酸誘導体を製造するための新規合成中間体を開発し、従来の化1誘導体を製造するための中間体の4−(4−フルオロフェニル)−2−イソブチリル−3−フェニル−4−オキソ−N−フェニル−ブチルアミドの問題点の低い収率と多くの副産物が生成されることと、無水条件などの難しい反応工程が要求される問題点を解決し、中間体からピロリルヘプタン酸誘導体を製造することによって本発明を完成した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】米国特許公報第4,681,893号
【特許文献2】米国特許公報第5,273,995号
【特許文献3】米国特許公報第4,681,893号
【特許文献4】米国特許公報第5,124,482号
【特許文献5】米国特許公報第5,216,174号
【特許文献6】大韓民国特許公開番号第2006−8015号
【特許文献7】国際公開特許公報第03/004457号
【特許文献8】大韓民国特許公開公報第2004−1435号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の目的は、以上のような前記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、ピロリルヘプタン酸誘導体を製造するための新規合成中間体およびこれを利用したピロリルヘプタン酸誘導体の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の一態様によれば、ピロリルヘプタン酸誘導体を製造するための新規合成中間体として下記化2と表示される誘導体を提供する。
【0018】
【化2】

【0019】
式中、Rはハロゲンに置換されている、また置換されていない炭素数1ないし6のアルキルオキシ、アリールオキシ、アリールアミノからなる群から選択される残基である。
【0020】
以下、本発明についてより詳しく説明する。
本発明は、ピロリルヘプタン酸誘導体製造に有用な新規合成中間体の前記化2で表示される5−(4−フルオロフェニル)−2−イソプロピル−4−フェニル−1H−ピロール−3−カルボニル誘導体に関するものである。
本発明の実施形態に係る新規合成中間体の化2の誘導体を製造する概略的な製造方法を下記式4に示した。
【式4】
【0021】


【0022】
本発明に係る新規合成中間体の前記化2の誘導体は下記化3のジオン誘導体と下記化4の誘導体を酸性条件下で0ないし130℃の温度範囲で酢酸アンモニウムまたは、水酸化アンモニウムの中で一つまたは両方を使って製造する。
【0023】
【化3】

【0024】
【化4】

【0025】
前記化3の誘導体は、アルキルイソブチリルアセテートから製造することができ、特に残基Rがフェニルアミノの場合は一般的に使われる公示の方法(米国特許公報第5,124,482号;J. Org. Chem,1978,43,2087)でアルキルイソブチリルアセテートとアニリンを反応させて製造し、、また5−(4−フルオロフェニル)−2−イソプロピル−4−フェニル−1H−ピロール−3−カルボン酸からも製造することができる。
【0026】
また、本発明で反応に使われる化4の1−(4−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−2−フェニルエタノン誘導体は下記化5の1−(4−フルオロフェニル)−2−フェニルエタノン誘導体から製造されるし、化4の誘導体は下記化5の誘導体を零下の温度条件でリチウムジイソプロピルアミド、カンファリルスルホニルオキサジリジンと反応させて得ることができる。下記化5の誘導体は公示の方法(国際公開特許公報第03/4457号)で2−フェニルアセチルクロリドから高い収率で製造することができる。
【0027】
【化5】

【0028】
また、本発明は化1誘導体を製造するための新規合成中間体の化2と表示される5−(4−フルオロフェニル)−2−イソプロピル−4−フェニル−1H−ピロール−3−カルボニル誘導体を利用したピロリルヘプタン酸誘導体の製造方法に関するものである。
【0029】
本発明による新規合成中間体の化2誘導体の5−(4−フルオロフェニル)−2−イソプロピル−4−フェニル−1H−ピロール−3−カルボニル誘導体を利用したピロリルヘプタン酸誘導体の概略的な製造方法を下記式5に示した。
【式5】
【0030】

【0031】
式中、Rはハロゲン置換される、または置換されていない炭素数1ないし6のアルキルオキシ、アリールオキシ、アリールアミノからなる群から選択される残基で、Xはハロゲンである。
【0032】
前記式5からわかるように、本発明は化2で表示される誘導体と下記化6の(4R−シス)−1,1−ジメチルエチル−6−[2−ハロエチル]−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4−アセテートを反応させた後、化1誘導体の核心中間体である化7の誘導体を脱エステル保護反応させる段階を含んで化1誘導体を製造することができる。
【0033】
【化6】

【0034】
【化7】

【0035】
本発明で化2の誘導体と化6の誘導体は、アセトニトリル、トルエン、ヘプタン、 ジメチルホルムアミドの中で選択された一種以上の溶媒下で、50ないし120℃の温度範囲で触媒として18−クラウン−6またはヨウ化カリウムを一つまたは両方選択して反応を進行する。
【0036】
本発明の一実施態様に係るピロリルヘプタン酸誘導体製造に必要な前記化6の(4R−シス)−1,1−ジメチルエチル−6−[2−ハロエチル]−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4−アセテートは、よく研究され商業的に供給されている中間体を利用して製造することができる。
【0037】
本発明では、化6誘導体は公知の方法を応用し下記式6の方法で、中間体(4R−シス)−1,1−ジメチルエチル−6−[2−ヒドロキシエチル]−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4−アセテートから製造した(Tetrahedron Asymmetry,1993,4(5),793〜805)。
【式6】
【0038】

【0039】
本発明の一実施態様によるピロリルヘプタン酸誘導体中間体および上記の段階を含む中間体の製造方法は、反応が簡単かつ反応収率が優秀で、高脂血症治療薬製造に有用に使われることができる。
【発明の効果】
【0040】
前記の説明のごとく、本発明の一態様は新規合成中間体の化2の5−(4−フルオロフェニル)−2−イソプロピル−4−フェニル−1H−ピロール−3−カルボニル誘導体を提供することによって、これを利用する段階を含む化1誘導体の核心中間体の(4R−シス)−1,1−ジメチルエチル−6−[2−[2−(4−フルオロフェニル)−5−(1−メチルエチル)−3−フェニル−4−[(フェニルアミノ)カルボニル]−1H−ピロール−1−イル]エチル]−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4−アセテートの製造方法は簡単で温和な反応条件で、短時間で製造することができ、ピロリルヘプタン酸誘導体製造に有用に使われることができる。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明の実施例を通して発明の内容を詳しく説明する。下記実施例は本発明の例示のために記述されており、本発明の範囲を逸脱することなしに多様な変形、追加および代替がなされることを理解されたい。
【実施例1】
【0042】
1−(4−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−2−フェニルエタノンの製造
1−(4−フルオロフェニル)−2−フェニルエタノン0.5g(2.3mmol)をテトラヒドロフラン50mlに溶かした後、0℃ 以下まで冷却した。リチウムジイソプロピルアミド1.8ml(3.5mmol)を5mlのテトラヒドロフランに溶かした後、0℃ 以下で冷却させた1−(4−フルオロフェニル)−2−フェニルエタノン溶液に滴加した。適加30分後カンファリルスルホニルオキサジリジン1g(4.7mmol)を5mlのテトラヒドロフランに溶かした後、0℃ 以下で冷却させた1−(4−フルオロフェニル)−2−フェニルエタノン溶液に加えた後0℃に常温で保った。30分後飽和アンモニウムクロリド溶液で反応を終結させた後、エチルアセテートを加えて抽出した。抽出したエチルアセテートを水と飽和食塩水で洗浄した後、減圧濃縮しカラムクロマトグラフィーで精製した後白色結晶0.38g(収率71%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ: 5.9(d,1H),7.05(m,2H),7.28〜7.40(m,5H),7.92〜8.20(m,2H)
Mass(M+1): 231
【実施例2】
【0043】
4−メチル−3−オキソ−N−アミルベンゼンアミドの製造
エチルイソブチリルアセテート10g(63.2mmol)をトルエン30mlに溶かした後、アニリン6.5g(70mmol)を加え3時間還流させた。反応終結後1N HCl 50mlを、得られた反応香合仏に加え、撹拌して有機層を分離した。有機層を50mlエチルアセテートで薄めて蒸留水と飽和食塩水で洗浄した後、減圧濃縮して得た茶色オイルを核酸で洗浄して10.5g(収率81%)の茶色オイルを得た。
*1H−NMR(CDCl3)δ:1.14(d、6H),2.71(m、1H),3.58(s、2H),7.09(m、1H),7.24〜7.31(m、2H),7.53(d、2H),9.20(b、1H)
Mass(M+1):206
【実施例3】
【0044】
5−(4−フルオロフェニル)−2−イソプロピル−N、4−ジフェニル−1H−ピロール−3−カルボキサミドの製造
実施例2で製造された4−メチル−3−オキソ−N−アミルベンゼンアミド誘導体3g(14.6mmol)を酢酸50mlに溶かした後、実施例1で製造された1−(4−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−2−フェニルエタノン誘導体3.3g(14.6mmol)を得られた反応混合液に加えた。反応混合液に酢酸アンモニウム12g(146mmol)を加え110〜120℃ 温度で2時間還流させた。反応終了後反応液を冷却し蒸留水で薄めた後エチルアセテートで3回抽出した。抽出した溶液を蒸留水と飽和食塩水で洗浄して減圧濃縮した。得られた誘導体をカラムクロマトグラフィーで精製し白色の固体表題誘導体4.7g(収率81%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.40(d、6H),4.08(m、1H),6.90〜7.23(m、10H),7.38〜7.51(m、5H),8.38(b、1H),
Mass(M+1):399
【実施例4】
【0045】
エチル−5−(4−フルオロフェニル)−2−イソプロピル−4−フェニル−1H−3−カルボキシラートの製造
エチルイソブチリルアセテート1g(6.3mmol)を酢酸50mlに溶かした後実施例1で得た1−(4−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシ−2−フェニルエタノン1.6g(7mmol)を加えた。酢酸アンモニウム4.8g(63mmol)を加えて2時間還流させた。反応終了後反応液を冷却し蒸留水で薄めた後エチルアセテートで3回抽出した。抽出した溶液を蒸留水と飽和食塩水で洗浄して減圧濃縮した。得られた誘導体をカラムクロマトグラフィーで精製して白色の固体表題誘導体1.6g(収率71%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.01(t、3H),1.38(d、6H),3.85(m、1H),4.08(q、2H),6.90〜6.98(m、2H),7.03〜7.12(m、2H),7.21〜7.35(m、5H)
Mass(M+1):352
【実施例5】
【0046】
5−(4−フルオロフェニル)−2−イソプロピル−4−フェニル−1H−ピロール−3−カルボン酸の製造
実施例4で得たエチル5−(4−フルオロフェニル)−2−イソプロピル−4−フェニル−1H−ピロール−3−カルボキシラート1g(2.8mmol)をメタノール20mlに溶かした後、水酸化ナトリウム1.2g(28mmol)水溶液を加え24時間還流させた。反応終了後反応液を冷却し1N HClで中和させた後エチルアセテートで3回抽出した。抽出した溶液を蒸留水と飽和食塩水で洗浄して減圧濃縮した。得られた誘導体をカラムクロマトグラフィーで精製して白色の固体表題誘導体0.5g(収率55%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.41(d、6H),3.90(m、1H),6.91〜7.12(m、4H),7.20〜7.35(m、5H)
Mass(M+1):324
【実施例6】
【0047】
5−(4−フルオロフェニル)−2−イソプロピル−N、4−ジフェニル−1H−ピロール−3−カルボキサミドの製造
実施例5で得た5−(4−フルオロフェニル)−2−イソプロピル−4−フェニル−1H−ピロール−3−カルボン酸0.5g(1.5mmol)をテトラヒドロフラン10mlに溶かした後0℃で冷却した。トリエチルアミン0.65ml(4.6mmol)を加えた後クロロリン酸ジエチル0.274ml(3mmol)を徐々に滴加した。30分後アニリン0.22g(2.3mmol)を加えて常温で4時間撹拌した。反応終了後有機層を50mlエチルアセテートで薄めて蒸留水と飽和食塩水で洗浄した後、減圧濃縮して誘導体を得た。得られた誘導体をカラムクロマトグラフィーで精製して白色の固体表題誘導体0.52g(収率85%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.40(d、6H),4.08(m、1H),6.90〜7.23(m、10H),7.38〜7.51(m、5H),8.38(b、1H)
Mass(M+1):399
【実施例7】
【0048】
(4R−シス)−1,1−ジメチルエチル−6−[2−ヨードエチル]−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4−アセテートの製造
(4R−シス)−1,1−ジメチルエチル−6−[2−ヒドロキシエチル]−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4−アセテート誘導体5g(18mmol)をジメチルホルムアミド100mlに溶かした後トリフェニルホスフィン5.3g(20mmol)を加えて撹拌した。ジメチルホルムアミドに溶かしたヨウ素5.2g (20mmol)を加えた後常温で6時間撹拌した。反応終了後、炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した。減圧濃縮してカラムクロマトグラフィーで精製して無色のオイル誘導体0.98g(収率70%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.37(s、3H),1.42(s、9H),1.49(s、3H),1.05〜1.58(m、2H),1.85(m、2H),2.23〜2.48(m、2H),3.26(m、2H),3.97(m、1H),4.25(m、1H)
Mass(M+Na):407
【実施例8】
【0049】
(4R−シス)−1,1−ジメチルエチル−6−[2−[2−(4−フルオロフェニル)−5−(1−メチルエチル)−3−フェニル−4−[(フェニルアミノ)カルボニル]−1H−ピロール−1−イル]エチル]−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4−アセテートの製造
実施例3または、実施例6で製造した5−(4−フルオロフェニル)−2−イソプロピル−N、4−ジフェニル−1H−ピロール−3−カルボキサミド1g(2.5mmol)をアセトニトリル10mlに溶かした後炭酸カリウム(K2CO3) 0.69g(5mmol),18−クラウン−6(18−crown−6) 0.33g(0.12mmol)を加えて撹拌した。実施例7で製造した(4R−シス)−1,1−ジメチルエチル−6−[2−ヨードエチル]−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4−アセテート1.2g(3mmol)を加えた後、還流させて一晩撹拌した。反応終結後、室温まで冷却した後、飽和クエン酸水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した。減圧濃縮して得た茶色オイルをカラムクロマトグラフィーで精製し、白色固体の表題誘導体1.1g(収率65%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.30(s、3H),1.35(s、3H),1.43(s、9H),1.53(d、6H),1.05〜1.70(m、4H),2.20〜2.44(m、2H),3.57(m、1H),3.68(m、1H),3.85(m、1H),4.07(m、1H),4.15(m、1H),6.80〜7.30(m、14H)
Mass(M+Na):677
【実施例9】
【0050】
エチル1−(2−((4R、6R)−6−(2−t−ブトキシ−2−オキソ−エチル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4−イル)エチル)−5−(4−フルオロフェニル)−2−イソプロピル−4−フェニル−1H−ピロール−3−カルボキシラートの製造
エチル5−(4−フルオロフェニル)−2−イソプロピル−4−フェニル−1H−ピロール−3−カルボキシラート誘導体0.1g(0.28mmol)をアセトニトリル5mlに溶かした後、炭酸カリウム(K2CO3) 0.079g(0.57mmol)および18−クラウン−6(18−crown−6) 0.037g(0.14mmol)を加えて撹拌した。実施例7で製造した(4R−シス)−1,1−ジメチルエチル−6−[2−ヨードエチル]−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4−アセテート0.13g(0.3mmol)を加えた後、還流させて徹夜で撹拌した。反応終結後、室温で冷却させた後、飽和クエン酸水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した。減圧濃縮して得たオイルをカラムクロマトグラフィーで精製し、白色固体の表題誘導体0.11g(収率62%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:0.98(t、3H),1.30(s、3H),1.35(s、3H),1.43(s、9H),1.53(d、6H),1.0〜1.70(m、4H),2.20〜2.44(m、2H),3.57(m、1H),3.68(m、1H),3.85(m、1H),4.05(m、3H),4.15(m、1H),6.91〜7.15(m、9H)
Mass(M+Na):630

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化2で表示されるカルボニル誘導体。
【化1】


(式中、Rはハロゲン置換される、または置換されていない炭素数1ないし6のアルキルオキシ、アリールオキシ、アリールアミノからなる群から選択される残基である。)
【請求項2】
Rがフェニルアミノまたは、エチルオキシである請求項1記載のカルボニル誘導体。
【請求項3】
下記化3で表示される誘導体と下記化4で表示される誘導体を反応させることを特徴とするカルボニル誘導体の製造方法であって、
【化2】


【化3】


【化4】


(式中、Rはハロゲン置換される、または置換されていない炭素数1ないし6のアルキルオキシ、アリールオキシ、アリールアミノからなる群から選択される残基である。)
【請求項4】
エチルイソブチリルアセテートから化3の誘導体を製造して反応させることを特徴とする請求項3記載のカルボニル誘導体の製造方法。
【請求項5】
下記化5で表示される誘導体から化4の誘導体を製造して反応させることを特徴とする請求項3記載のカルボニル誘導体の製造方法。
【化5】

【請求項6】
下記化2の誘導体と下記化6の誘導体を反応させることを特徴とする下記化7の誘導体の製造方法。
【化6】


【化7】


【化8】


(式中、Rはハロゲン置換される、または置換されていない炭素数1ないし6のアルキルオキシ、アリールオキシ、アリールアミノからなる群から選択される残基であり、Xはハロゲンである。)
【請求項7】
下記化3の誘導体と下記化4の誘導体を反応させ化2の誘導体を製造して反応させることを特徴とする請求項6記載の化7誘導体の製造方法。
【化9】


【化10】


(式中、Rはハロゲン置換される、または置換されていない炭素数1ないし6のアルキルオキシ、アリールオキシ、アリールアミノからなる群から選択される残基である。)
【請求項8】
触媒として18−クラウン−6または/およびヨウ化カリウムのうち一つまたは両方を使うことを特徴とする請求項6記載の化7誘導体の製造方法。
【請求項9】
下記化6で表示される誘導体。
【化11】


(式中、残基Xはハロゲンである。)
【請求項10】
Xはヨウ素(I)の誘導体であることを特徴とする請求項9記載の化6誘導体。

【公表番号】特表2011−507947(P2011−507947A)
【公表日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−540562(P2010−540562)
【出願日】平成20年12月12日(2008.12.12)
【国際出願番号】PCT/KR2008/007350
【国際公開番号】WO2009/084827
【国際公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(508165157)ドン−エー ファーム.カンパニー リミテッド (3)
【Fターム(参考)】