説明

ピロール−オキシインドール誘導体を含むプロゲステロン受容体モジュレータ及びその使用

本発明では、プロゲステロン受容体拮抗薬として有用なピロール−オキシインドール誘導体を提供する。かかる誘導体を含む医薬組成物が開示されており、かかる組成物を避妊及びホルモンに関連する状態に使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピロール−オキシインドール誘導体を含むプロゲステロン受容体モジュレータ及びその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
プロゲステロン受容体(PR)作用薬及び拮抗薬は、PRモジュレータと称されることもあり、避妊及び種々の他の適応症で用いる場合について記載されてきた。
【0003】
米国特許第6,562,857B2号公報には、PR作用薬である化合物について記載されている。その属(genus)は、式:
【化2】

[但し、TがO又は存在せず;
1及びR2がそれぞれ独立して、水素、アルキル又は置換アルキルを表すか、或いは
1及びR2が一緒に結合して、環を形成し且つ−CH2(CH2nCH2−を含み;
nが0〜5を表し;
3が水素を表し;
4が水素又はハロゲンを表し;
5が水素又はアルキルを表し;
6が水素又はアルキルを表す。]
で示される化合物又はその医薬的に許容可能な塩により特徴付けられる。
【0004】
必要とされているのは、プロゲスチン作用薬又はエストロゲン作用薬を必要としない避妊薬として有用な新規のPRモジュレータである。
【発明の開示】
【0005】
本発明の化合物は、避妊及び種々の他の用途で効用を有しているプロゲステロン受容体モジュレータである。このPR拮抗薬型(antagonist mode)の作用は、避妊において有利であり、且つ化合物は、プロゲスチン作用薬又はエストロゲン作用薬を併用投与することなく投与されても良く、これらの薬剤による副作用は生じない。
【0006】
一実施形態において、本発明の化合物(但し、式I中のR9はC1〜C6アルキル、C1〜C4アルキル又はメチルを表す。)は、良好な効能の点で優位性を示す。
【0007】
本発明の他の態様及び利点については、その好ましい実施形態についての以下の詳細な説明に更に記載する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、式I:
【化3】

[但し、R1が水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、C3〜C6アルケニル、又はC3〜C6アルキニルを表し;
2及びR3が独立して、水素、アルキル及び置換アルキルから選択され、或いは
2及びR3が一緒に結合して、環を形成し且つ−CH2−(CH2n−CH2−を含み、且つnが0(すなわち、化学結合)、1又は2を表し;
4が水素を表し;
5が水素を表し;
6が水素を表し;
7が水素又はアルキルを表し;
8が水素を表し;
9が水素、アルキル、置換アルキル又はCOORAを表し、
Aがアルキル又は置換アルキルを表す。]
で示される化合物又はその医薬的に許容可能な塩、そのプロドラッグ又はその互変異性体を含む組成物を提供する。
【0009】
一実施形態において、R1は水素又はアルキルを表し、R2及びR3は一緒に結合して、環を形成し且つ−CH2−(CH2n−CH2−を含み且つnは1又は2を表す。別の実施形態において、R2又はR3或いは両方がC1〜C6アルキルを表す。例えば、R2又はR3のいずれか或いは両方がエチルであっても良い。別の例示において、R2又はR3或いは両方がメチルを表す。別の実施形態において、R9はC1〜C6アルキルを表す。例えば、R9はメチルであっても良い。更に別の実施形態において、R9はCOORAを表す。一例として、RAはtert−ブチルである。しかしながら、本発明は、このように限定されるものではない。
【0010】
一実施形態において、R1及び/又はR9が置換アルキルを表す場合、アルキルは、ハロゲン、ニトリル又はベンゼン環で置換されている。別の実施形態において、R1がシクロアルキルを表す場合、C3〜C6シクロアルキルから選択される。
【0011】
一実施形態において、本発明は、プロゲステロン受容体拮抗薬としての作用を低用量で提供する場合、これにより乳房及び卵巣組織の刺激を含む作用薬の副作用を回避する、本発明の化合物を含む組成物を提供する。
【0012】
別の実施形態において、本発明の化合物は、構造(I)(但し、R9は置換又は無置換のC1〜C6アルキル、置換又は無置換のC1〜C4アルキル又はメチルを表す。)を含む。本発明者らは、この式で示される化合物が特に望ましい拮抗作用を有することを見出した。例えば、以下の表中の2番目、4番目及び6番目の化合物としてそれぞれ列挙された1−アルキルピロール誘導体は、表中の1番目、3番目及び5番目の化合物としてそれぞれ列挙された対応の1−無置換ピロール誘導体より良好な効能を示す。
【0013】
一実施形態において、R1は水素又はC1〜C6アルキル、水素又はC1〜C4アルキル、又は水素を表す。R2及びR3は、独立して水素及びC1〜C6アルキル、水素及びC1〜C4アルキル、又は水素、メチル及びエチルから選択される。或いは、R2及びR3は−CH2−(CH2n−CH2−を表し且つnは1又は2を表す。R4は水素を表す。R5は水素を表す。R6は水素を表す。R7は水素又はアルキル、水素又はC1〜C6アルキル、水素又はC1〜C4アルキル、又は水素を表す。R8は水素を表す。R9はC1〜C6アルキル、C1〜C4アルキル又はメチルを表す。
【0014】
本発明により利用される化合物は、1個以上の非対称中心を含むことが可能であるので、光学異性体及びジアステレオマーを生じさせることが可能である。原子の空間的配置を考慮せずに示すが、化合物は、光学異性体及びジアステレオマー;ラセミ化合物で且つ分解された鏡像異性的に純粋なR及びS立体異性体;R及びS立体異性体の他の混合物;並びにその医薬的に許容可能な塩を含んでいても良い。
【0015】
本明細書で用いられる“アルキル”なる用語は、炭素原子数約1〜約8個、好ましくは炭素原子数約1〜約6個(すなわち、C1、C2、C3、C4、C5又はC6)の、直鎖及び分岐鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素基を指す。
【0016】
本明細書で用いられる“アルケニル”なる用語は、1個以上の炭素−炭素二重結合を有し且つ炭素原子数約3〜約8個の、直鎖及び分岐鎖の両方のアルキル基を指す。アルケニルなる用語は、1又は2個の炭素−炭素二重結合を有し且つ炭素原子数3〜約6個のアルキル基を指す。“アルキニル”基なる用語は、1個以上の炭素−炭素三重結合を有し且つ炭素原子数3〜約8個の、直鎖及び分岐鎖の両方のアルキル基を指すために本明細書で用いられる。アルキニルなる用語は、1又は2個の炭素−炭素三重結合を有し且つ炭素原子数3〜約6個のアルキル基を指すのが好ましい。
【0017】
“置換アルキル”、“置換アルケニル”及び“置換アルキニル”なる用語は、ハロゲン、CN、OH、NO2、アミノ、アリール、複素環式基、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルオキシ、アルキルカルボニル、アルキルカルボキシ、アミノ、及びアリールチオ(これらの基は、任意に置換されていても良い。)を含むが、これらに限定されない1個以上の置換基を有するアルキル、アルケニル及びアルキニル基をそれぞれ指す。
【0018】
本明細書で用いられる“アシル”なる用語は、カルボニル置換基、すなわちC(O)(R)基[但し、Rは直鎖及び分岐鎖の飽和脂肪族炭化水素基であり、非限定例として、アルキル、アルケニル、及びアルキニル基が挙げられる。]を指す。R基は、1〜約8個の炭素原子を有するのが好ましく、1〜約6個の炭素原子を有するのがより好ましい。“置換アシル”なる用語は、ハロゲン、CN、OH及びNO2を含む1個以上の基で置換されたアシル基を指す。
【0019】
本明細書で用いられる“アリール”なる用語は、単一の環或いは一緒に縮合又は結合した複数の芳香族環(この場合、縮合又は結合した環の少なくとも一部は、共役(conjugated)芳香族系を形成する。)を含んでいても良い芳香族系を指す。アリール基は、フェニル、ナフチル、ビフェニル、アントリル、テトラヒドロナフチル、フェナントリル、インデン、ベンゾナフチル、フルオレニル及びカルバゾリルを含むが、これらに限定されない。
【0020】
“置換アリール”なる用語は、ハロゲン、CN、OH、NO2、アミノ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルオキシ、アルキルカルボニル、アルキルカルボキシ、アルキルアミノ、及びアリールチオ(これらの基は、任意に置換されていても良い。)を含む1個以上の置換基で置換されたアリール基を指す。置換アリール基は、1〜約4個の置換基で置換されているのが好ましい。
【0021】
本明細書で用いられる“複素環式”なる用語は、安定な4〜7員の単環又は多環式の複素環であり、飽和、部分不飽和又は完全に不飽和である複素環を指す。複素環は、その骨格内に、炭素原子、並びに窒素、酸素及び硫黄原子を含む1個以上のヘテロ原子を有している。複素環は、環の骨格に約1〜約4個のヘテロ原子を有しているのが好ましい。複素環が環の骨格に窒素又は硫黄原子を含む場合、窒素又は硫黄原子は酸化されても良い。更に、“複素環式”なる用語は、複素環がアリール環に縮合された多環式の環を指す。複素環は、得られる複素環構造が化学的に安定となるようにヘテロ原子又は炭素原子によってアリール環に結合することが可能である。
【0022】
種々の複素環が当該分野で知られており、非限定例として、酸素含有環、窒素含有環、硫黄含有環、混合ヘテロ原子含有環、縮合ヘテロ原子含有環、及びこれらの組み合わせが挙げられる。酸素含有環としては、フリル、テトラヒドロフラニル、ピラニル、ピロニル及びジオキシニル環が挙げられるが、これらに限定されない。窒素含有環としては、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、ピリジル、ピペリジニル、2−オキソピペリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピペラジニル、アゼピニル、トリアジニル、ピロリジニル、及びアゼピニル環が挙げられるが、これらに限定されない。硫黄含有環としては、チエニル及びジチオリル(dithiolyl)環が挙げられるが、これらに限定されない。混合ヘテロ原子含有環としては、オキサチオリル(oxathiolyl)、オキサゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、オキサトリアゾリル(oxatriazolyl)、ジオキサゾリル(dioxazolyl)、オキサチアゾリル(oxathiazolyl)、オキサチオリル、オキサジニル、オキサチアジニル、モルホリニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、オキセピニル、チエピニル、及びジアゼピニル環が挙げられるが、これらに限定されない。縮合ヘテロ原子含有環としては、ベンゾフラニル、チオナフテン、インドリル、ベンアザゾリル(benazazonyl)、プリンジニル(purindinyl)、ピラノピロリル(pyranopyrrolyl)、イソインダゾリル(isoindazolyl)、インドオキサジニル(indoxazinyl)、ベンゾオキサゾリル、アントラニリル(anthranilyl)、ベンゾピラニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾジアゾニル(benzodiazonyl)、ナフチルリジニル(napthylridinyl)、ベンゾチエニル、ピリドピリジニル、ベンゾオキサジニル、キサンテニル、アクリジニル及びプリニル環が挙げられるが、これらに限定されない。
【0023】
本明細書で用いられる“置換複素環式”なる用語は、ハロゲン、CN、OH、NO2、アミノ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルオキシ、アルキルカルボニル、アルキルカルボキシ、アルキルアミノ、及びアリールチオ(これらの基は、任意に置換されていても良い。)を含む1個以上の置換基を有する複素環式基を指す。置換複素環式基は、1〜4個の置換基を有するのが好ましい。
【0024】
本明細書で用いられる“アリールチオ”なる用語は、結合点が硫黄原子であり且つアリール基が任意に置換されていても良いS(アリール)基を指す。本明細書で用いられる“アルコキシ”なる用語は、結合点が酸素原子であり且つアルキル基が任意に置換されているO(アルキル)基を指す。本明細書で用いられる“アリールオキシ”なる用語は、結合点が酸素原子であり且つアリール基が任意に置換されていても良いO(アリール)基を指す。
【0025】
本明細書で用いられる“アルキルカルボニル”なる用語は、結合点がカルボニル部分の炭素原子であり且つアルキル基が任意に置換されているC(O)(アルキル)基を指す。
【0026】
本明細書で用いられる“アルキルカルボキシ”なる用語は、結合点がカルボキシ部分の炭素原子であり且つアルキル基が任意に置換されているC(O)O(アルキル)基を指す。
【0027】
本明細書で用いられる“アミノアルキル”なる用語は、結合点が窒素原子であり且つアルキル基が任意に置換されている第2級及び第3級アミンの両方を指す。アルキル基は、同一でも又は異なっていても良い。
【0028】
本明細書で用いられる“ハロゲン”なる用語は、Cl、Br、F又はI基を指す。
【0029】
本発明の化合物は、図示した構造の生理活性により特徴付けられる、本明細書において提供される構造の互変異性型を包含する。更に、本発明の化合物は、医薬的に又は生理学的に許容可能な酸、塩基、アルカリ金属及びアルカリ土類金属から誘導された塩の形で使用可能である。
【0030】
医薬的に許容可能な塩は、有機及び無機酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、マロン酸、マンデル酸、リンゴ酸、フタル酸、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸、メタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、及び類似の公知の許容可能な酸から形成されても良い。塩は、無機塩基、好ましくはアルカリ金属塩、例えばナトリウム、リチウム又はカリウム、有機塩基、例えばアンモニウム、モノ−、ジ−及びトリメチルアンモニウム、モノ−、ジ−及びトリエチルアンモニウム、モノ−、ジ−及びトリプロピルアンモニウム(イソ及びノルマル)、エチルジメチルアンモニウム、ベンジルジメチルアンモニウム、シクロヘキシルアンモニウム、ベンジルアンモニウム、ジベンジルアンモニウム、ピペリジニウム、モルホリニウム、ピロリジニウム、ピペラジニウム、1−メチルピペリジニウム、4−エチルモルホリニウム、1−イソプロピルピロリジニウム、1,4−ジメチルピペラジニウム、1−n−ブチルピペリジニウム、2−メチルピペリジニウム、1−エチル−2−メチルピペリジニウム、モノ−、ジ−及びトリエタノールアンモニウム、エチルジエタノールアンモニウム、n−ブチルモノエタノールアンモニウム、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアンモニウム、フェニルモノエタノールアンモニウム等から形成されても良い。
【0031】
生理学的に許容可能なアルカリ塩及びアルカリ土類金属塩としては、エステルの形態のナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウム塩、並びにカルバメートが挙げられるが、これに限定されない。他の一般的な“プロドラッグ”の形態を利用しても良く、かかる形態で送達された場合、生体内で活性部位に転化する。
【0032】
これらの塩、並びに本発明の他の化合物は、エステル、カルバメート及び他の一般的な“プロドラッグ”の形態であっても良く、かかる形態で投与された場合、生体内で活性部位に転化する。現在のところ好ましい実施形態において、プロドラッグはエステルである。例えば、B. Testa and J. Caldwell, "Prodrugs Revisited: The "Ad Hoc" Approach as a Complement to Ligand Design", Medicinal Research Reviews, 16(3): 233-241, ed., John Wiley & Sons (1996)を参照。
【0033】
本明細書で記載したように、式Iで示される化合物及び/又はその塩、そのプロドラッグ又はその互変異性体は、避妊又は他の治療/予防の処方計画において送達される。
【0034】
本明細書で検討された化合物は、細胞又は患者により本発明の化合物が加工されることによって形成される特有の生成物である“代謝物質”も包含する。代謝物質は、生体内で形成されるのが好ましい。
【0035】
本発明の化合物は、市販の出発材料又は文献に記載の方法を用いて調製可能な出発材料から以下のスキームに従って当業者により容易に調製される。これらのスキームでは、本発明の代表的な化合物の調製について示している。これらの方法の変法、又は当該分野で公知の他の方法を、本明細書に示された情報に基づき当業者は容易に利用可能である。
【化4】

【0036】
[スキーム1]
スキーム1によれば、適切に置換されたオキシインドール(1)を、好適な塩基(通常、2モル等量以上)及びアルキル化剤で処理して、置換オキシインドール(2)を得る。好適な塩基の範囲には、アルキルリチウム塩基、カリウム第3級ブトキシド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド及び類似の塩基が含まれる。塩基を添加剤と共に用いても良い。一般に、本発明の化合物は、塩化リチウム又は臭化銅の存在下、無水THF中において、塩基としてのn−ブチルリチウムを使用して調製される。アルキル化剤は、通常、ハロゲン化アルキル(例えば、臭化物又はヨウ化物)であるが、トリフレート、トシレート又はメシレートであっても良い。1等量のアルキル化剤を使用する場合、これにより得られるオキシインドールは、モノ置換されている。2等量を使用する場合、オキシインドールは、ジ置換されている。アルキル化剤が二官能性である場合(例えば、アルキル鎖の両端におけるハロゲン化物又は他の脱離基)、スピロ環を形成する。
【0037】
その後、オキシインドール(2)を臭素化して、化合物(3)を得る。臭素化は、酢酸ナトリウム等の添加剤と緩衝され得る溶剤、例えば塩化メチレン又は酢酸中において臭素を用いて行われるのが一般的である。臭素化は、臭化物毎にN−ブロモスクシンイミド又はピリジニウムブロミドを用いて達成しても良い。その後、化合物(3)は、パラジウム触媒及び適切なカップリングパートナーの作用下に化合物(4)に転化する。カップリングパートナーは、ピロール(5)並びにリチウムジイソプロピルアミド及びトリアルキルボレートからその場で形成されても良く、或いは予め形成されたボロン酸(6)であっても良い。パラジウム源は、通常、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)か、又は別の好適な供給源、例えば、トリブチルホスフィン(トリ−tert−ブチルホスフィン)の存在下におけるパラジウムジベンジリデンアセトンである(Fu, G. C. et al. Journal of the American Chemical Society, 2000, 122, 4020, 他の触媒システムの場合には、Hartwig, J. F. et al. Journal of Organic Chemistry, 2002, 67, 5553を参照。)。塩基は、反応で必要とされることもあり、炭酸ナトリウム若しくは炭酸カリウム、フッ化セシウム、フッ化カリウム、リン酸カリウム又は第3級アミン塩基、例えばトリエチルアミンを選択するのが一般的である。溶剤として、特に、THF、ジメトキシエタン、ジオキサン、エタノール、水及びトルエンを選択する。カップリングパートナー及び試薬の反応性に応じて、反応は、溶剤の沸点以下で行われても良く、又は必要により、反応をマイクロ波照射下で実際に促進させても良い。
【0038】
或いは、化合物(1)〜(3)を、米国特許仮出願番号第60/676,149号及び60/676,381号(両方共に、2005年4月29日に出願)の明細書に記載の経路に従って調製可能であり、これらの明細書は、その全体を参照することによって本明細書に取り込まれる。
【化5】

【0039】
[スキーム2]
9が水素の場合、他の方法を用いても良い(スキーム2)。これにより、臭化物(3)を、上述の条件下に式(7)で示されるピロールボロン酸とカップリングさせる。その後、化合物(8)はニトリル(9)に転化し得る。他の方法も利用可能であるが、上記の方法は、クロロスルホニルイソシアネートを作用させ、その後にDMFで処理することによって最も都合良く達成される。その後、t−ブチルカルボネート保護基を除去して、R9がHの生成物(4)を得る。
【0040】
1が置換アルキル基を表す場合、化合物(4)を、THF又はDMF等の溶剤中、好適な塩基(例えば、水素化ナトリウム、カリウムtert−ブトキシド又は炭酸セシウム)で処理し、次に、適切なアルキル化剤で処理する。アルキル化剤は、アルキルハライド又はアルキルスルホネート(例えば、トシレート、メシレート又はトリフレート)であるのが一般的である。
【0041】
本発明は、1種以上の本発明の化合物と医薬的に許容可能な担体又は賦形剤を含む医薬組成物を包含する。更に本発明は、医薬的に有効量の、プロゲステロン受容体の拮抗薬として上述したような1種以上の化合物を哺乳動物に対して投与することを含む処置方法を包含する。
【0042】
本発明の化合物は、避妊、ホルモン補充療法及び良性及び悪性の腫瘍性疾患の治療及び/又は予防の方法に利用可能である。本発明の化合物及び医薬組成物の特定の使用としては、子宮筋腫、子宮内膜症、良性前立腺肥大症;子宮内膜、卵巣、乳房、結腸、前立腺、下垂体のガン及び腺ガン、髄膜腫並びに他のホルモン依存性腫瘍の治療及び/又は予防を含む。本発明のプロゲステロン受容体拮抗薬の更なる使用は、家畜の発情期の同調、月経困難症の治療、不正子宮出血の治療、無月経の誘発、及び月経前症候群及び月経前不快気分障害の症状の治療である。
【0043】
一実施形態において、本発明は、プロゲステロン受容体拮抗薬としての作用を低用量で提供する場合、これにより乳房及び卵巣組織の刺激を含む作用薬の副作用を回避する、本発明の化合物を含む組成物を提供する。
【0044】
用いられる有効成分の有効投与量は、用いられる特定の化合物、投与の形態及び治療する状態の重症度に応じて異なり得る。しかしながら、一般に、本発明の化合物は、約0.2mg〜約100mgの1日投与量で投与するか、或いは1日に1回〜4回に分ける分割投与か、又は持続放出形態で投与する場合、満足のいく結果が得られる。かかる持続放出処方は、当業者等に知られている。殆どの大型哺乳動物の場合、1日投与量の合計は、約0.2mg〜100mg、約0.5〜80mg、又は約1mg〜50mgである。かかる用法を調節して、最適な治療効果を提供することが可能である。例えば、数回に分けた投与量を連日投与しても良く、又はその投与量を、治療状況の緊急性に応じて比例的に少なくしても良い。
【0045】
化合物を上記の効用(utilities)に用いる場合、これを1種以上の医薬的に許容可能な担体又は賦形剤、例えば溶剤、希釈剤等と組み合わせても良く、そしてタブレット、カプセル、分散性粉末、顆粒、又は例えば約0.05〜5%の懸濁化剤を含む懸濁液、例えば例えば約10〜50%の糖を含むシロップ、及び例えば約20〜50%のエタノールを含むエリキシル等の形態で経口投与しても良く、或いは約0.05〜5%の懸濁化剤を等浸透圧の媒体に含む注射可能な滅菌溶液又は懸濁液の形態で非経口的に投与しても良い。かかる医薬製剤は、例えば約25〜約90%の有効成分を担体と一緒に含んでいても良く、より一般的には約5〜60質量%の範囲で含む。
【0046】
これらの有効化合物は経口投与するだけでなく、静脈内、筋肉内、又は皮下の経路によって投与しても良い。有効成分の性質及び望ましい投与の特定の形態に応じて適宜、固体の担体は、デンプン、ラクトース、リン酸ジカルシウム、微結晶性セルロース、スクロース及びカオリンを含んでおり、一方、液体の担体は、滅菌水、ポリエチレングリコール、非イオン性界面活性剤及び食用油、例えばトウモロコシ、ピーナツ及びゴマ油を含む。医薬組成物の調製に一般に用いられる補助剤を含むのが有利な場合があり、例えば、着香料、着色剤、防腐剤、及び酸化防止剤、例えばビタミンE、アスコルビン酸、BHT及びBHAが挙げられる。
【0047】
調製及び投与を容易にする観点から好ましい医薬組成物は、固体の組成物であり、特にタブレット及び硬カプセル又は液体入りカプセルである。化合物を経口投与するのが望ましい。これらの有効化合物は、非経口又は腹腔内投与することも可能である。遊離塩基又は医薬的に許容可能な塩としてのこれらの有効化合物の溶液又は懸濁液は、ヒドロキシプロピルセルロース等の界面活性剤と好適に混合した水中で調製可能である。分散液についても、グリセロール、液体のポリエチレングリコール及び油中におけるこれらの混合物において調製可能である。保存及び使用についての一般的な条件下、これらの製剤は、微生物の増殖を抑制する防腐剤を含む。
【0048】
注射用として使用するために好適な剤形としては、滅菌水溶液又は分散液、及び注射可能な滅菌溶液又は分散液の用時調製に用いられる滅菌粉末が挙げられる。全ての場合において、剤形は無菌である必要があり、そして容易に注射可能な程度に流動的である必要がある。剤形は、製造及び保存条件下で安定である必要があり、そして細菌及び菌類等の微生物の汚染作用から保護する必要がある。担体は、例えば、水、エタノール(例えばグリセロール、プロピレングリコール及び液体のポリエチレングリコール)、これらの好適な混合物、及び植物性油を含む溶剤又は分散媒であっても良い。
【0049】
かかる開示内容において、抗黄体ホルモン薬、抗プロゲスチン及びプロゲステロン受容体拮抗薬(PR拮抗薬)なる用語は、同義であると理解される。同様に、プロゲスチン、黄体ホルモン薬及びプロゲステロン受容体作用薬(PR作用薬)は、同一の活性の化合物を指すと理解される。
【0050】
本発明の使用は、本発明のPR拮抗薬のみの投与に関する周期的な処方計画を含む。別の実施形態において、周期的な処方計画は、本発明のPR拮抗薬をエストロゲン若しくはプロゲスチン又はこれらの両方と組み合わせて投与することに関する。特に望ましいプロゲスチンは、米国特許第6,355,648号、第6,521,657号、第6,436,929号、第6,540,710号及び第6,562,857号並びに米国特許出願公開第2004−0006060−A1号に記載されているものから選択し得る。さらに他のプロゲスチンは、当該分野で公知であり、これを容易に選択可能である。一実施形態において、併用処方計画では、PR作用薬(すなわち、プロゲスチン)である5−(4,4−ジメチル−2−チオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−6−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル(タナプロゲット(tanaproget))を含む。
【0051】
更に本発明は、連続28日間に亘って行われる処方計画を含む。これらの処方計画は、連続的であっても良く、又は周期における最後の数日間、例えば、プロゲスチン、エストロゲン又は抗プロゲスチンを投与しない0〜7日間を含んでいても良い。
【0052】
本明細書に記載の処方計画は避妊に利用しても良く、又は本明細書に記載の他の適応症に利用しても良い。投与が避妊に対して行われる場合、組成物は、経口投与単位で処方されても良い。
【0053】
避妊に利用する場合、妊娠適齢期の女性に対して、本発明のPR拮抗薬は、単独で、又はエストロゲンと一緒に投与しても良い。周期の最初の14〜24日間に関しては、プロゲスチンを投与するが、1日あたり、プロゲステロン活性の点で約35μg〜約150μgのレボノルゲストレルに等しい投与量範囲、望ましくは1日あたり、活性の点で約35μg〜約100μgのレボノルゲストレルに等しい投与量範囲で投与する。次に、PR拮抗薬は、単独で、又はエストロゲンと組み合わせて、1〜11日間に亘って投与しても良く、これにより14〜24日の周期日で始まる。このような組み合わせにおけるPR拮抗薬は、1日あたり約2μg〜約50μgの1投与量で投与されても良く、エストロゲンは、1日あたり、約10μg〜約35μgの1投与量で投与されても良い。経口投与において、28個のタブレットを含むパッケージ又はキットは、本発明のPR拮抗薬又はプロゲスチン若しくはエストロゲンが投与されない日数のためのプラシーボタブレットを包含し得る。
【0054】
本発明の好ましい実施形態において、本発明の化合物を単独で、又はエストロゲンと組み合わせて、28日周期の最初の18〜21日間に亘って投与し、次に、本発明の化合物を単独で、又はエストロゲンと組み合わせて、1〜7日間に亘って投与しても良い。本発明の組み合わせ及び処方で用いられるエストロゲンは、エチニルエストラジオールであるのが望ましい。
【0055】
本発明で有用な黄体ホルモン薬としては、レボノルゲストレル、ノルゲストレル、デソゲストレル、3−ケトデソゲストレル、ノルエチンドロン、ゲストデン、ノルエチンドロンアセテート、ノルゲスチメート、オサテロン、シプロテロンアセテート、トリメゲストン、ジエノゲスト、ドロスピレノン、ノメゲストロール、又は(17−デアセチル)ノルゲスチメートが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の組み合わせで用いる場合に望ましいプロゲスチンの中で、レボノルゲストレル、ゲストデン、トリメゲストン及びタナプロゲットが望ましい。
【0056】
本発明で28日周期に亘る経口投与の処方計画例では、プロゲステロン活性の点で約35〜約100μgのレボノルゲストレルに等しい1日投与量にて、黄体ホルモン薬を単独で最初の21日間に亘って投与することが含まれる。その後、本発明のPR拮抗化合物を、22〜24日目に約2〜50mgの1日投与量で投与し、次に25〜28日目に亘ってプラシーボを投与しないか、又は投与しても良い。関連する各々の有効成分の1日投与量を、組み合わせの1日投与単位に組み込み、合計して、28日周期に対して28日単位とするのが最も望ましい。
【0057】
別の処方計画において、黄体ホルモン薬を、約10〜約35μgの1日投与量範囲のエストロゲン、例えばエチニルエストラジオールと一緒に、プロゲステロン活性の点で約35〜約150μgのレボノルゲストレルに等しい1日投与量にて、最初の21日間に亘って併用投与しても良く、活性の点で約35〜約100μgのレボノルゲストレルに等しい1日投与量にて併用投与するのが望ましい。これに続いて、上述したように、約2〜50mgの1日投与量で投与される本発明のPR拮抗薬と一緒に22〜24日目に投与し、その後、プラシーボを25〜28日目に投与しないか、又は投与しても良い。
【0058】
さらに本発明の範囲内に含まれる別の処方計画では、黄体ホルモン薬、好ましくは、プロゲステロン活性の点で約35〜約100μgのレボノルゲストレルに等しい1日投与量で投与されるレボノルゲストレルと、約10〜約35μgの1日投与量範囲のエストロゲン、例えばエチニルエストラジオールとを1〜21日目に併用投与することを含む。次に、本発明のPR拮抗薬(2〜50mg/日)及び約10〜約35μgの1日投与量のエストロゲン、例えばエチニルエストラジオールを22〜24日目に併用投与する。その後、25〜28日目に、かかる処方計画では、プラシーボを投与しないか、又は投与しても良い。
【0059】
更に本発明は、本明細書に記載の処方計画で用いるために設計された医薬製剤のキット又はパッケージを含む。これらのキットは、28日周期に亘る連日経口投与に用いるように設計するのが望ましく、1日1回の経口投与に用いるように設計するのが好ましく、そして単回経口製剤又は経口製剤の組み合わせを28日周期で毎日服用することを指示するように作製する。各々のキットは、特定の各日に服用する経口タブレットを含むのが望ましく、1個の経口タブレットは、指示される各々の1日投与量の組み合わせを含んでいるのが好ましい。
【0060】
上述の処方計画によれば、1個の28日キットは、(a)プロゲステロン活性の点で約35〜約150μgのレボノルゲストレルに等しく、好ましくはプロゲステロン活性の点で約35〜約100μgのレボノルゲストレルに等しい、14〜24日投与単位(daily dosage units)の黄体ホルモン薬による最初の段階;(b)1〜11日投与単位の、本発明のPR拮抗化合物(各1日投与単位は、約2〜50mgの1日投与量にて抗プロゲスチン化合物を含む。)による第2段階;及び(c)必要により、抗プロゲスチン、プロゲスチン又はエストロゲンが投与されない周期の残りの日に亘る経口的及び医薬的に許容可能なプラシーボによる第3段階を含み得る。
【0061】
このキットの一実施形態において、最初の段階では、先の一節に記載したように21日投与単位を含み、第2段階では、22〜24日目に亘って3日投与単位の本発明のPR拮抗化合物を含み、任意の第3段階では、25〜28日目の各日のための4日投与単位の経口的及び医薬的に許容可能なプラシーボを含む。
【0062】
別の実施形態において、本発明の28日周期パッケージ処方計画又はキットは、18〜21日投与単位、更に好ましくは先の一節に記載されたように21日投与単位で、更に、約10〜約35μgの1日投与量範囲にてエストロゲンとして、エチニルエストラジオールを含む第1段階;1〜7日投与単位、好ましくは上述したように4日投与単位による第
2段階;並びに28日周期のうち、黄体ホルモン薬、エストロゲン又は抗プロゲスチンが投与されない残りの0〜9日、又は約4日間の各日のための任意のプラシーボを含む。
【0063】
さらに本発明の28日パッケージ処方計画又はキットは、(a)プロゲステロン活性の点で約35〜約150μgのレボノルゲストレルに等しく、好ましくは活性の点で約35〜約100μgのレボノルゲストレルに等しい、1日投与量の本発明の黄体ホルモン薬と、約10〜約35μgの1日投与量範囲のエチニルエストラジオールとをそれぞれ含む18〜21日投与単位の第1段階;(b)1〜7日投与単位(各々の1日投与単位が、2〜50mgの濃度の本発明の抗プロゲスチン、及び約10〜約35μgの濃度のエチニルエストラジオールを含む。)による第2段階;及び(c)必要により、28日周期のうち、黄体ホルモン薬、エストロゲン又は抗プロゲスチンが投与されない残りの0〜9日の各日のための経口的及び医薬的に許容可能なプラシーボを含む。
【0064】
一実施形態において、上述のパッケージ又はキットは、21日投与単位の第1段階;22〜24日目に亘る3日投与単位(各投与単位は、2〜50mgの濃度の本発明の抗プロゲスチン、及び約10〜約35μgの濃度のエチニルエストラジオールを含む。)による第2段階;及び必要により、25〜28日目の各日のための4日投与単位の経口的及び医薬的に許容可能なプラシーボによる第3段階を含む。
【0065】
上述の各処方計画、キット及びパッケージにおいて、処方計画における各医薬的に有効な成分の1日投与量は、それが投与される各特定の段階で固定されたままであるのが望ましい。更に、上述の1日投与単位は、上述の順序で投与され、すなわち第1段階に続いて、第2段階及び第3段階の順に投与されると理解される。各処方計画を順守し易くするために、キットは、周期の最後の数日間で上述のプラシーボを含んでいるのが望ましい。更に、各々のパッケージ又はキットは、28日周期の各日についての表示を有する医薬的に許容可能なパッケージ、例えば当該分野で公知の、ラベルを貼付したブリスター・パッケージ又はダイアルディスペンサーパッケージ(dial dispenser package)を含んでいるのが望ましい。
【0066】
このような処方計画を調節して、最適な治療効果を提供することが可能である。例えば、数回に分けた投与量の各成分を連日投与しても良く、又はその投与量を、治療状況の緊急性に応じて比例的に増やし若しくは少なくしても良い。本明細書の記載において、1日投与単位についての言及は、意図された周期の各日に亘って投与される分割単位を含んでいても良い。
【0067】
調製及び投与を容易にする観点から望ましい医薬組成物は、固体の組成物であり、特にタブレット及び硬カプセル又は液体入りカプセルである。化合物を経口投与するのが望ましい。
【0068】
これらの有効化合物は、膣リングを介して投与されても良い。膣リングの使用は28日周期に合わせるのが好適である。一実施形態において、リングを膣に挿入して、そこに3週間に亘って残す。4週間目の期間に、膣リングを取り除き、そして月経が起こる。翌週には、新たなリングを挿入して、新たな処方計画とする。別の実施形態において、膣リングを週単位で挿入し、そして3週間連続してリングを交換する。次に、リング無しで1週間経過後、新たなリングを挿入して、新たな処方計画を開始する。更に別の実施形態において、膣リングをより長期又はより短期に亘って挿入する。
【0069】
PR拮抗化合物は、膣リングで使用する場合、膣リングを介して送達される上述の避妊用化合物について記載された手法に類似の手法で処方される。例えば、米国特許第5,972,372号、第6,126,958号及び第6,125,850号を参照。
【0070】
本発明の更に別の態様において、PR拮抗化合物は、経皮パッチを介して送達される。好適には、パッチの使用を28日周期に合わせる。一実施形態において、パッチは、適切な接着剤によって皮膚に施し、これを1週間に亘って残し、合計で3週間に亘って週に1回交換する。4週間目の期間は、パッチを施さず、月経が起こる。翌週には、新たなパッチを施し、新たな処方計画を開始するために装着する。更に別の実施形態において、パッチをより長期又はより短期に亘って残しておく。
【0071】
更に本発明は、本明細書に記載されているような種々の他の治療上の使用、例えばホルモン補充療法、良性及び悪性の腫瘍性疾患の治療及び/又は予防のために本発明の化合物を含むキット及び送達手段(delivery devices)を提供する。かかるキットは、本発明の化合物に加えて、例えば、本発明の化合物の送達のための説明書、希釈剤、バイアル、注射器、包装等の構成要素を含んでいる。かかるキットは、必要により、選択した用途、例えばホルモン補充療法、子宮筋腫、子宮内膜症、良性前立腺肥大の治療及び/又は予防;子宮内膜、卵巣、乳房、結腸、前立腺、下垂体のガン及び腺ガン、髄膜腫並びに他のホルモン依存性腫瘍の治療及び/又は予防、又は家畜の発情期の同調に適合させても良い。
【0072】
以下の実施例は、本発明の説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。当業者であれば、特定の試薬及び条件の概略を以下の実施例で説明したとしても、本発明の趣旨及び範囲に含まれることを意味するような変更が形成可能であることを認識するであろう。
【実施例】
【0073】
[実施例1]
5−(3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル(2.3g、21.5ミリモル)を無水THF(20ml)に溶解させた溶液を0℃に冷却した。トリ−iso−プロピルボレート(5.0ml、21.5ミリモル)を添加した後、リチウムジ−iso−プロピルアミド(14ml、ヘプタン/THF/エチルベンゼンにおける2Mの溶液、28ミリモル)を滴下した。1時間撹拌した後、水(10ml)を添加し、その後、炭酸ナトリウム(4.5g、43ミリモル)及び5−ブロモ−3,3−ジメチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(2.40g、10ミリモル、CAS120902−45−6、国際特許出願公開第WO/66556号に従って調製)を添加した。混合物を窒素ガス流によって脱気し、その後、テトラキス−(トリフェニルホスフィン)パラジウム0(0.25g)を添加し、そして混合物を窒素雰囲気下で加熱還流した。16時間後、混合物を冷却し、水と酢酸エチルの間に分配した。水層を酢酸エチルで再抽出し、その後、有機層を集めて水洗し、乾燥し(無水MgSO4)、そして蒸発させた。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:酢酸エチル、5:1〜3:2)によって精製して、5−(3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリルを白色粉末として得た(0.131g、0.49ミリモル、5%):HRMS:C16153Oに対する計算値、265.1215;実測値(ESI、[M+H]+)、266.1298;MS(ESI)m/z266;MS(ESI)m/z264。
【0074】
HPLC分析:210〜370nmのウィンドウ(wiindow)にて不純物は検出されなかった。290nm(最大吸収波長(max. abs))にて不純物は検出されず、Xterra(登録商標)RP18カラム、3.5μ、150×4.6mm、10分間に亘って85/15−5/95(Ammon. Form. Buff. pH=3.5/ACN+MeOH)、4分間保持、1.2mL/分、5μl。
【0075】
[実施例2]
1−メチル−5−(2’−オキソ−1’,2’−ジヒドロスピロ[シクロブタン−1,3’−インドール]−5’−イル)−1H−ピロール−2−カルボニトリル
1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル(1.25g、11.87ミリモル)を無水THF(20ml)に溶解させた溶液を0℃に冷却した。トリ−iso−プロピルボレート(2.73ml、11.8ミリモル)を添加した後、リチウムジ−iso−プロピルアミド(7.6ml、ヘプタン/THF/エチルベンゼンにおける2Mの溶液、15.2ミリモル)を滴下した。1時間撹拌した後、水(10ml)を添加し、その後、炭酸カリウム(3.27g、23.7ミリモル)及び5’−ブロモスピロ[シクロブタン−1,3’−インドール]−2’(1’H)−オン(1.38g、5.49ミリモル、CAS304876−39−9、国際特許出願公開第WO/66556号に従って調製)を添加した。混合物を窒素ガス流によって脱気し、その後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0(0.30g)を添加し、そして混合物を窒素雰囲気下に加熱還流した。16時間後、混合物を冷却し、水と酢酸エチルの間に分配した。水層を酢酸エチルで再抽出し、その後、有機層を集めて水洗し、乾燥し(無水MgSO4)、そして蒸発させた。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:酢酸エチル、勾配溶出)によって精製して、1−メチル−5−(2’−オキソ−1’,2’−ジヒドロスピロ[シクロブタン−1,3’−インドール]−5’−イル)−1H−ピロール−2−カルボニトリルを白色の粉末として得た(0.096g、0.34ミリモル、6.2%):MS(ESI)m/z278;MS(ESI)m/z276;HRMS:C17153Oについての計算値、277.1215;実測値(ESI、[M+H]+)、278.1295;メジャー(major)=210〜370nmのウィンドウ(window)にて99.6%及び290nm(最大吸収波長(max. abs))にて99.7%、RT=8.9、XterraRP18カラム、3.5μ、150×4.6mm、10分間に亘って85/15−5/95(Ammon. Form. Buff. pH=3.5/ACN+MeOH)、4分間保持。
【0076】
[実施例3]
5−(3,3−ジエチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
A. 5−ブロモ−3,3−ジエチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン
臭素(0.13mL、2.6ミリモル)及び酢酸(0.3ml)を、室温条件下、3,3−ジエチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(0.5g、2.6ミリモル)及び酢酸ナトリウム(0.2g、2.6ミリモル)を乾燥クロロホルム(10ml)に溶解させた溶液に添加した。1時間後、反応物をクロロホルムで希釈し、そして飽和重炭酸ナトリウムで洗浄した(3×100mL)。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、そして真空下で濃縮して、600mg(85%)の5−ブロモ−3,3−ジエチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(0.60g、85%)を淡黄色の固体として得た。この化合物は更に精製することなく使用した。
【0077】
B. 5−(3,3−ジエチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
乾燥THF(35ml)中における1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル(1.2g、11.3ミリモル)を0℃に冷却した。トリ−iso−プロピルボレート(2.6ml、11.3ミリモル)を添加した後、リチウムジ−iso−プロピルアミン(7.3mL、2.0M、THF/ヘキサン/エチルベンゼンにおいて14.7ミリモル)を添加した。暗褐色の混合物を室温まで暖め、2時間撹拌した。反応は、飽和塩化アンモニウム(50mL)で停止(quench)し、そして酢酸エチルで抽出した(3×100mL)。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、そして真空下で濃縮して、ボロン酸を得た。
【0078】
真空下で蒸発させ、そして窒素でパージ処理した後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.26g、0.2ミリモル)を、5−ブロモ−3,3−ジエチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(0.60mg、2.2ミリモル)を乾燥THF(55mL)に溶解した溶液に添加した。20分後、K2CO3(1.5g、11.1ミリモル)及び上述したように調製されたボロン酸を添加し、その後、水(13mL)を添加した。混合物を60℃に一晩加熱した。反応混合物を冷却し、そして酢酸エチルで濯いだセライトに通過させてろ過した。ろ液を水及びブラインで洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、そして真空下で濃縮して、粗生成物を得て、これをシリカゲルでのクロマトグラフィ(メタノール:ジクロロメタン、勾配溶出)によって精製して、5−(3,3−ジエチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリルを黄色の固体として得た(320mg、49%)。融点233〜235℃。HRMS:C18193Oについての計算値、293.1528;実測値(ESI、[M+H]+)、294.1616;HPLC分析:210〜370nmのウィンドウにて不純物は検出されず;そして288nm(最大吸収波長)にて不純物は検出されず、RT=7.4、10分間に亘って85/15−5/95(Ammon. Form. Buff. pH=3.5/ACN+MeOH)、4分間保持、XterraRP18カラム、3.5μ、150×4.6mm。
【0079】
[実施例4]
1−メチル−5−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1H−ピロール−2−カルボニトリル
1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル(0.5g、4.8ミリモル)及びトリ−iso−プロピルボレート(1.1mL、4.8ミリモル)を、氷浴温度条件下、THF(12ml)に溶解させた。リチウムジ−iso−プロピルアミド(2.5mL、THF/ヘキサン/ジエチルベンゼンにおける2Mの溶液、5ミリモル)を10分間でゆっくり添加した。30分後、混合物を室温まで暖めた。分離フラスコ中で、5−ブロモインドリン−2−オン(0.30g、1.42ミリモル)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.08g)をTHF(12mL)に溶解させ、15分間撹拌した。かかる溶液に、上述したように調製された反応混合物を移し(ピペットにより)、その後、炭酸カリウム(0.7g、5ミリモル)及び水(6mL)を移した。混合物を加熱還流した(3時間)。室温に冷却後、混合物を水に注ぎ、そして酢酸エチルで抽出し、有機層を乾燥し(MgSO4)、そして蒸発させた。8/2、その後に6/4のヘキサン/酢酸エチルのフラッシュSiO2カラムにより、11%の0.035gを得た。
【0080】
HRMS:C14113Oについての計算値、237.0902;実測値(ESI、[M+H]+)、238.0985。HPLC分析:210〜370nmのウィンドウにて不純物は検出されず;そして288nm(最大吸光波長)にて不純物は検出されず、RT=7.4、10分間に亘って85/15−5/95(Ammon. Form. Buff. pH=3.5/ACN+MeOH)、4分間保持、XterraRP18カラム、3.5μ、150×4.6mm。
【0081】
[実施例5]
5−(3−エチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
A. 3−エチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オンの調製
オキシインドール(14.0g、0.10モル)を、−78℃の条件下、450mLの乾燥THF中における14.0g(0.22モル)の臭化リチウムと撹拌した。89mL(0.33モル;ヘキサン中において2.5M)のn−ブチルリチウムを1時間で添加した。これにより得られる黄色の沈殿を−78℃で3時間撹拌した。100mLの乾燥THF中のヨードエタン(18.0mL、0.22モル)を滴下し、そして反応物を室温まで暖めて、一晩撹拌した。反応は飽和塩化アンモニウムで停止し、半分の体積まで濃縮した。橙色の残留物を酢酸エチルで希釈し、層を分離した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、そして真空下で濃縮して、18.0gの橙色の油を得た。粗生成物を、10:1〜6:1のヘキサン:酢酸エチルによる段階勾配を用いるフラッシュクロマトグラフィによって精製して、3−エチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オンを得た(2.4g、12%)。
【0082】
B. 5−ブロモ−3−エチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン
3−エチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(1.2g、7.4ミリモル)、酢酸ナトリウム(0.61g、7.4ミリモル)及び酢酸(0.42mL、7.4ミリモル)をジクロロメタン(40mL)に溶解させた溶液に対して、0℃の条件下、乾燥ジクロロメタン(10mL)中の臭素(0.38mL、7.4ミリモル)を滴下した。0℃で3時間後、反応混合物を5%のチオ硫酸ナトリウム水溶液でクエンチング処理し、そしてブラインで洗浄した。有機層を乾燥硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、そして真空下で濃縮して、2.0gの粗生成物を得た。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィ(SiO2、8:1〜3:1のヘキサン:酢酸エチルによる勾配溶出)によって精製して、5−ブロモ−3−エチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オンを得た(0.8g、44%)。
【0083】
C. 5−(3−エチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
かかる化合物については、11mLの水中における800mg(3.3ミリモル)の5−ブロモ−3−エチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(0.80g、3.3ミリモル)、(5−シアノ−1−メチル−1H−ピロール−2−イル)ボロン酸(1.0g、6.6ミリモル)、テトラキス−(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.38g、0.3ミリモル)及び2.3g(16.6ミリモル)の炭酸カリウム(2.3g、16.6ミリモル)を用い、55mLのTHFと共に、5−(3,3−ジエチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリルの調製で使用された手順と同じ手順にて調製された。粗生成物を、シリカ上において、6:1〜2:1のヘキサン:酢酸エチルによる段階勾配によって精製して、5−(3−エチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリルをエナンチオマーの混合物として回収した(0.42g、59%)。MS(ESI)m/z266、264。
【0084】
[実施例6]
5−[(3R)−3−エチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル]−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
かかる化合物は、35℃、100バールの条件下、50mL/分の速度で、20%のエタノールを含むSFC−CO2のAD−Hカラムを用い、ラセミ体の5−(3−エチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリルのキラル分離により調製して、エナンチオマーを回収した(210mg、42%)。融点144〜146℃。αD=−37、DMSO中でc=0.11、5−[(3R)−3−エチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル]−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリルとして任意に同定(assign)した。
【0085】
[実施例7]
5−[(3S)−3−エチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル]−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
かかる化合物は、エナンチオマーにおける5−[(3R)−3−エチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル]−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル(290mg、58%)として上述と同一のキラル調製方法に基づき単離して、回収した。融点145〜147℃。αD=+27、DMSO中でc=0.01、5−[(3S)−3−エチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル]−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリルとして任意に同定した。
【0086】
[実施例8]
1−メチル−5−(2’−オキソ−1’,2’−ジヒドロスピロ[シクロプロパン−1,3’−インドール]−5’−イル)−1H−ピロール−2−カルボニトリル
A. スピロ[シクロプロパン−1,3’−[3H]インドール]−2’(1’H)−オン
オキシインドール(10.0g、75ミリモル)を乾燥DMF(350mL)に溶解した溶液に、水素化ナトリウム(9.0g、0.2モル、鉱油中において60%)を徐々に添加した。15分後、反応物を0℃に冷却し、100mLの乾燥DMF中における1,4−ジブロモエタンを15分かけて添加した。暗褐色の反応物を室温まで暖めて、一晩撹拌した。反応物を酢酸エチルで希釈し、水を添加した。層を分離し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層をろ過し、真空下で濃縮して、20gの赤色油を得た。粗生成物を、シリカ上で10〜20%の酢酸エチル:ヘキサンによる段階勾配を用いて精製して、スピロ[シクロプロパン−1,3’−[3H]インドール]−2’(1’H)−オンを得た(2.3g、11%)。
【0087】
臭素(0.15mL、3.0ミリモル)を、乾燥ジクロロメタン(120mL)中におけるスピロ[シクロプロパン−1,3’−[3H]インドール]−2’(1’H)−オン(486mg、3.05ミリモル)、174μL(3.0ミリモル)の酢酸(0.174mL、3.0ミリモル)及び酢酸ナトリウム(250mg、3.0ミリモル)の混合物に滴下した。4時間後、反応物を5%のチオ硫酸ナトリウム及びブラインで洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、そして真空下で濃縮して、5’−ブロモスピロ[シクロプロパン−1,3’−インドール]−2’(1’H)−オンを白色の固体として得た(0.75g、100%)。かかる化合物を更に精製することなく使用した。
【0088】
B. 1−メチル−5−(2’−オキソ−1’,2’−ジヒドロスピロ[シクロプロパン−1,3’−インドール]−5’−イル)−1H−ピロール−2−カルボニトリル
かかる化合物は、5−(3−エチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリルの調製で記載された手順と同一の手順で調製した。
【0089】
5’−ブロモスピロ[シクロプロパン−1,3’−インドール]−2’(1’H)−オン(760mg、3.19ミリモル)を乾燥THF(25mL)に溶解した溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.37g、0.32ミリモル)を添加し、室温で20分間撹拌した。水(18mL)中における(5−シアノ−1−メチル−1H−ピロール−2−イル)ボロン酸(1.2g、8.0ミリモル)及び5.5g(40ミリモル)の炭酸カリウム(5.5g、40ミリモル)を添加し、そして混合物を80℃で一晩撹拌した。室温に冷却後、粗反応物を酢酸エチルで希釈し、水洗し、乾燥し(無水Na2SO4)、そして蒸発させた。粗生成物を、シリカ上で1%〜6%のメタノール:塩化メチレンによる段階勾配を用い、その後に逆相予備(preparatory)HPLCを用いて精製して、130mg(15%)の1−メチル−5−(2’−オキソ−1’,2’−ジヒドロスピロ[シクロプロパン−1,3’−インドール]−5’−イル)−1H−ピロール−2−カルボニトリルを回収した。融点226〜229℃。HPLC分析:保持時間=8.3分、純度=210〜300nmにて100%、10分間に亘って85/15−5/95(Ammon. Form. Buff. pH=3.5/ACN+MeOH)、4分間保持、Xterra RP18カラム、3.5μ、150×4.6mm。
【0090】
[実施例9]
5−[(3R)−3−エチル−3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル]−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル及び5−[(3S)−3−エチル−3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル]−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
A. 3−エチル−3−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン
3−メチルオキシインドール(1.5g、10.2ミリモル)及び塩化リチウム(1.26g、30ミリモル)をTHF(100mL)に溶解させた。その後、溶液を−78℃に冷却し、n−ブチルリチウム(4.2mL、ヘキサン中において2.5M、10.5ミリモル)を15分間に亘ってゆっくり添加した。ヨウ化エチル(4.16mL、50ミリモル)を添加し、そして混合物を室温まで暖めた。24時間後、混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥し、そして真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィ(SiO2、ヘキサン/酢酸エチル9/1その後8/2)により、3−エチル−3−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オンを得た(0.750g、25%)。HRMS[M+H]+176.1076。
【0091】
B. 5−ブロモ−3−エチル−3−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン
3−エチル−3−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(0.70g、4ミリモル)を、室温条件下、DCM(40mL)及び酢酸(1mL)に溶解させた。臭素(0.21mL、4.1ミリモル)を添加し、そして溶液を24時間撹拌した。反応混合物をチオ硫酸ナトリウム溶液に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させ、そして粗生成物をヘキサン/酢酸エチル5%で粉末にして、5−ブロモ−3−エチル−3−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オンを得た(0.600、60%)。HRMS[M−H]-254.0185。
【0092】
C. 5−[(3S)−3−エチル−3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル]−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル及び5−[(3R)−3−エチル−3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル]−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル(0.31mL、3ミリモル)及びトリイソプロピルボレート(0.69mL、3ミリモル)を、氷浴温度でTHF(12mL)に溶解させた。2MのLDA(1.5mL、3ミリモル)を10分間に亘ってゆっくり添加した。30分後、混合物を室温まで暖めた。分離フラスコにおいて、5−ブロモ−3−エチル−3−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(0.253g、1ミリモル)及び0.100gのテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)をTHF(5mL)に溶解させ、そして15分間撹拌した。かかる溶液に、ピロールトリイソプロピルボレート溶液を移し(ピペットによって)、その後、炭酸カリウム(0.414g、3ミリモル)及び水(3mL)を添加した。混合物を三時間還流した。その後、混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。4/1、その後3/2のヘキサン/THFのフラッシュSiO2カラムにより、ラセミ生成物を得て、これをキラルhplcによって分離した:Chiralpak OD-H、20mm×250mm、移動相:10分間に亘って85/15−5/95(ギ酸アンモニウム緩衝液. pH=3.5/アセトニトリル+MeOH)、4分間保持。これにより、それぞれ0.062g及び0.061gを得た。HRMS[M+H]+280.1450。
【0093】
最初の溶出化合物(保持時間3.8分)を任意にR−エナンチオマーとした(arbitrarily assigned)。2番目の溶出化合物(保持時間4.38分)を任意にS−エナンチオマーとした。
【0094】
[実施例10]
1−メチル−5−(1,3,3−トリメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1H−ピロール−2−カルボニトリル
5−(3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル(0.50g、1.88ミリモル)を乾燥THF(5ml)に溶解させた溶液を、窒素雰囲気下の室温条件にて、カリウムtert−ブトキシド(THFにおいて1M、2.25ml、2.25ミリモル)で処理した。30分後、ヨードメタン(0.155ml、2.5ミリモル)を添加し、そして混合物を一晩撹拌した。反応混合物を酢酸エチルと水の間に分配し、有機層をブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO4)、そして蒸発させた。残留物をTHF/ヘキサンから再結晶化して、標題の化合物を白色固体として得た(0.37g、1.24ミリモル、66%)。
【0095】
HRMS、HPLC分析:保持時間9.4分、210〜370nm、XterraRP18カラム、3.5μ、150×4.6mm、40℃、10分間に亘って85/15−5/95(Ammon. Form. Buff. pH=3.5/ACN+MeOH)、4分間保持、1.2mL/分、5μLの注入。
【0096】
[実施例11] 薬理
3種類のアッセイを、本発明の化合物の活性に関する評価で使用するために本明細書で説明する。
【0097】
A. T47D細胞におけるアルカリホスファターゼ活性に対するプロゲスチン及び抗プロゲスチンの効果(T47Dアルカリホスファターゼアッセイ)
本発明の分子は、3μM以下の濃度のT47Dアルカリホスファターゼアッセイに対して拮抗薬型で活性を有すると予想される。
【0098】
1. 試薬:
培養培地:5%(v/v)の活性炭処理ウシ胎仔血清(加熱不活性ではない)、100U/mLのペニシリン、100μg/mLのストレプトマイシン及び2mMのGlutaMax(GIBCO、BRL)で補ったDMEM:F12(1:1)(GIBCO、BRL)。
【0099】
アルカリホスファターゼアッセイ緩衝液:I.0.2%のトリトンX−100を含む、0.1Mのトリス−HCl、pH9.8 II.4mMのp−ニトロフェニルホスフェートを含む、0.1Mのトリス−HCl、pH9.8(Sigma)。
【0100】
2. 細胞培養及び処置:
冷凍したT47D細胞を37℃の水浴中で解凍し、培地中で28,0000細胞/mLに希釈する。96ウェルプレート(Falcon, Becton Dickinson Labware)における各ウェルに対して、180μlの希釈した細胞懸濁液を加える。その後、培地で希釈した20μlの対照又は試験化合物を各ウェルに加える。プロゲスチン拮抗薬活性に関して試験する場合、対照抗プロゲスチン又は試験化合物を1nMのプロゲステロンの存在下で加える。細胞を5%のCO2湿潤雰囲気下、37℃にて24時間培養する。ハイスループットスクリーニングの場合、各化合物のいずれかの濃度を0.3μg/mlで試験する。実験室におけるその化合物の平均分子量が300g/モルであることに基づいた場合に、その濃度は約1μMである。次いで、活性化合物は用量反応アッセイで試験して、EC50及びIC50を測定する。
【0101】
3. アルカリホスファターゼ酵素アッセイ:
処置の最後に、培地をプレートから取り除く。50μlのアッセイ緩衝液Iを各ウェルに添加する。プレートをタイタープレート振盪器で15分間振盪する。その後、150μlのアッセイ緩衝液IIを各ウェルに添加する。光学密度を、405nMの試験波長で、5分間隔にて30分間測定する。
【0102】
4. 用量反応データの分析
対照及び試験化合物に関して、用量反応曲線を、酵素反応の速度に対する用量(傾き)について作成した。平方根に変換されたデータを、作用薬型(agonist mode)及び拮抗薬型の両方に適合する分散及び非線形用量反応曲線の分析に使用する。ヒューバーの重み付け(Huber weighting)を用いて、外れ値の影響をダウンウェイト(down-weight)する。EC50又はIC50値は再変換された数値から計算する。JMPソフトウェア(SAS Institute, Inc.)は、単回投与試験及び用量反応試験の両方における一元配置分散分析及び4種類の非線形用量反応分析(non-4 linear dose response analysis)の両方の場合に使用する。
【0103】
5. 対照化合物
プロゲステロン及びトリメゲストンは対照プロゲスチンであり、RU486は対照抗プロゲスチンである。全ての対照化合物を完全な(full)用量反応曲線で処理(run)し、そしてEC50又はIC50値を計算する。
【0104】
6. 比較研究
例えば、米国特許第6,562,857B2により得られる5−(スピロ[シクロヘキサン−1,3’−[3H]インドール]−2’−オキソ−5’−イル)−1H−ピロール−1−メチル−2−カルボニトリルは、T47D細胞アルカリホスファターゼアッセイにおいてEC50=2.8nMのプロゲステロン受容体作用薬である。対照的に、1−メチル−5−(2’−オキソ−1’,2’−ジヒドロスピロ[シクロペンタン−1,3’−インドール]−5’−イル)−1H−ピロール−2−カルボニトリルは、これと同じアッセイにおいて、IC50=30nMのプロゲステロン受容体拮抗薬である。
【0105】
7. 結果
【表1】

【0106】
B. 成熟した卵巣切除ラットにおけるプロゲステロン活性及び抗プロゲステロン活性(ラット脱落膜化アッセイ)
このアッセイを用いて、ラットの子宮脱落膜化に対するプロゲスチン及び抗プロゲスチンの作用を評価し、そして種々の試験化合物の相対的効力を比較する。
【0107】
1. 方法及び試薬
試験化合物を100%のエタノールに溶解し、そしてトウモロコシ油(賦形剤)と混合する。その後、混合物を加熱(〜80℃)して、エタノールを蒸発させることによって試験化合物を油(Mazola(登録商標))に溶解させた原液を調製する。次いで、試験化合物を100%のトウモロコシ油又は10%のエタノール含有トウモロコシ油で希釈した後、動物に処置する。脱落膜反応における差異は、これらの2種類の賦形剤を比較した場合に見出されない。
【0108】
2. 動物
卵巣除去したメスの成熟Sparague−Dawleyラット(〜60日齢及び230g)を、手術後Taconic(Taconic Farms, NY)から得る。卵巣除去は、循環性ステロイドを低減させるための処置の少なくとも10日前に行われる。動物は、12時間の明/暗サイクルの条件下で収容し、標準ラット用エサ及び水を自由に(ad libitum)摂食させる。
【0109】
3. 処置
ラットを秤量し、そして4又は5つのグループに無作為に割り当て、その後処置する。0.2mLの賦形剤中における試験化合物を、襟首への皮下注射によって、又は0.5mlを用いる強制飼養によって投与する。動物を1日1回7日間に亘って処置する。抗プロゲスチンを試験する場合、動物に対して、処置の全期間中に試験化合物及びEC50投与量のプロゲステロン(5.6mg/kg)を与える。EC50投与量のプロゲステロンのみを受ける動物の一群は、陽性対照として用いる。
【0110】
4. 投薬
投与量は、mg/kg群平均体重に基づいて調製する。全ての研究において、賦形剤を受ける対照群が含まれる。用量反応曲線の決定は、半対数(half log)の増加率(例えば、0.1、0.3、1.0、3.0mg/kg)で増加した投与量を用いて行う。
【0111】
5. 脱落膜誘導
3回目の注射の約24時間後、尖っていない21G注射針で子宮間膜側内腔上皮(antimesometrial luminal epithelium)を引っ掻くことによって、麻酔をかけたラットの子宮角のいずれかで脱落膜化を誘導する。反対側の角を引っ掻かず、非誘導対照として用いる。最終の処置の約24時間後、CO窒息によってラットを屠殺し、体重を測定する。子宮を取り除き、そして脂肪組織を取り除く。脱落膜化された(D−角)及び対照(C−角)の子宮角をそれぞれ秤量する。
【0112】
6. 結果の分析
作用薬型において、脱落膜化子宮角の質量の増加を、D−角/C−角により計算し、対数変換を用いて、分散の正規性及び等分散性を最大にする。ヒューバーのM推定量を用いて、用量反応曲線のフィッティングと一元配置分散分析(ANOVA)の両方の場合に変換異常値をダウンウェイトする。EC50を変換値から計算する。拮抗薬型において、未処理反応(raw responses)の平方根変換(D−角/C−角)は、最尤ボックス・コックス変換を用いる場合に推奨される。ヒューバーの重み(Huber weight)を用いて、用量反応曲線のフィッティングと一元配置ANOVAの両方の場合に変換異常値をダウンウェイトする。IC50を再変換値から計算する。JMPソフトウェア(SAS Institute, Inc.)を一元配置ANOVAと非線形用量反応分析の両方に用いる。
【0113】
7. 対照化合物
全てのプロゲスチン又は抗プロゲスチン対照化合物は完全な用量反応曲線で処理し、脱落膜反応に関するEC50又はIC50を計算した。
【0114】
8. 結果
5−(3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリルは、アルカリホスファターゼアッセイにおいてPR拮抗薬であり(IC50=10nM)、ラットの脱落膜アッセイにおいて非常に強力である(ED50=0.2mg/kgのpo)。
【0115】
本明細書で列挙された全ての特許、公開公報及び他の刊行物は、参照することによって本明細書に取り込まれる。本発明では特に好ましい実施形態に関して記載したが、本発明の趣旨から逸脱しない限り変更可能であることは認識されるだろう。かかる変更は添付の特許請求の範囲内にあることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[但し、R1は水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、C3〜C6アルケニル、又はC3〜C6アルキニルを表し;
2及びR3はそれぞれ独立して、水素、アルキル、置換アルキルから選択され、或いは
2及びR3は一緒に結合して、環を形成し且つ−CH2−(CH2n−CH2−を含み、
nは0、1、又は2を表し;
4は水素を表し;
5は水素を表し;
6は水素を表し;
7は水素又はアルキルを表し;
8は水素を表し;
9は水素、アルキル、置換アルキル又はCOORAを表し;
Aはアルキル又は置換アルキルを表す。]
で示される化合物又はその医薬的に許容可能な塩を含むプロゲステロン受容体拮抗薬を含む組成物。
【請求項2】
1が水素又はアルキルを表し;
2及びR3が一緒に結合して、環を形成し且つ−CH2−(CH2n−CH2−を含み;
nが1又は2を表す、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
2及びR3がそれぞれアルキルを表す請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
2又はR3がエチルを表す請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
2又はR3がメチルを表す請求項3に記載の組成物。
【請求項6】
9がC1〜C4アルキルを表す請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
9がメチルを表す請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
化合物が、1−メチル−5−(2’−オキソ−1’,2’−ジヒドロスピロ[シクロブタン−1,3’−インドール]−5’−イル)−1H−ピロール−2−カルボニトリル、1−メチル−5−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1H−ピロール−2−カルボニトリル、5−(3−エチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル、1−メチル−5−(2’−オキソ−1’,2’−ジヒドロスピロ[シクロプロパン−1,3’−インドール]−5’−イル)−1H−ピロール−2−カルボニトリル、1−メチル−5−(1,3,3−トリメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1H−ピロール−2−カルボニトリルからなる群から選択される請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
9がCOORAを表し、そしてRAがtert−ブチルを表す請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
組成物が、5−(3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル、5−[(3R)−3−エチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル]−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル、5−[(3S)−3−エチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル]−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル、5−[(3R)−3−エチル−3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル]−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル、及び5−[(3S)−3−エチル−3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル]−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリルからなる群から選択される低用量の化合物を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
医薬的に許容可能な担体又は賦形剤を更に含む請求項1〜10のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項12】
哺乳動物に投与する薬剤の製造における、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩の使用であって、医薬的に有効量の化合物が避妊を誘導することを特徴とする、前記使用。
【請求項13】
哺乳動物に投与する薬剤の製造における、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩の使用であって、医薬的に有効量の化合物によりホルモン補充療法を提供することを特徴とする、前記使用。
【請求項14】
哺乳動物に投与する薬剤の製造における、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩の使用であって、医薬的に有効量の化合物によりホルモン依存性腫瘍疾患を治療することを特徴とする、前記使用。
【請求項15】
ホルモン依存性腫瘍疾患が、子宮筋腫;子宮内膜症;良性前立腺肥大症;並びに子宮内膜、卵巣、乳房、結腸、前立腺、下垂体のガン及び腺ガン、及び髄膜腫からなる群から選択される請求項13に記載の使用。
【請求項16】
哺乳動物に投与する薬剤の製造における、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩の使用であって、医薬的に有効量の化合物により発情期を同調させることを特徴とする、前記使用。
【請求項17】
哺乳動物に投与する薬剤の製造における、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩の使用であって、医薬的に有効量の化合物により月経困難症を治療することを特徴とする、前記使用。
【請求項18】
哺乳動物に投与する薬剤の製造における、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩の使用であって、医薬的に有効量の化合物により不正子宮出血を治療することを特徴とする、前記使用。
【請求項19】
哺乳動物に投与する薬剤の製造における、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩の使用であって、医薬的に有効量の化合物により無月経を誘発することを特徴とする、前記使用。
【請求項20】
哺乳動物に投与する薬剤の製造における、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩の使用であって、医薬的に有効量の化合物により月経前症候群及び月経前不快気分障害の症状を治療することを特徴とする、前記使用。
【請求項21】
出産適齢期の女性における避妊に有用な薬剤の製造における、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩の使用であって、
薬剤が、28日間連続して投与され、且つ
(a)プロゲステロン活性の点で約35〜約100μgのレボノルゲストレルに等しい、14〜24日投与単位の黄体ホルモン薬による第1段階;及び
(b)約2〜50mgの1日投与量の条件下、1〜11日投与単位の、請求項1に記載の抗プロゲスチン化合物による第2段階、
を含むことを特徴とする、前記使用。
【請求項22】
薬剤が、連続28日のうち、抗プロゲスチン、プロゲスチン又はエストロゲンが投与されない残りの日のための、1日投与単位の経口的及び医薬的に許容可能なプラシーボによる第3段階を更に含む請求項21に記載の使用。
【請求項23】
黄体ホルモン薬がタナプロゲットである請求項21又は22に記載の使用。
【請求項24】
第1段階が、10〜35μgの1日投与量でエストロゲンを併用投与することを更に含む請求項21〜23のいずれか1項に記載の使用。
【請求項25】
第2段階が、10〜35μgの1日投与量でエストロゲンを併用投与することを更に含む請求項21〜24のいずれか1項に記載の使用。
【請求項26】
エストロゲンがエチニルエストラジオールである請求項24又は25に記載の使用。
【請求項27】
第1段階が18〜24日間を含む請求項21〜26のいずれか1項に記載の使用。
【請求項28】
第1段階が21日間を含む請求項21〜27のいずれか1項に記載の使用。
【請求項29】
第2段階が3日間を含む請求項21〜28のいずれか1項に記載の使用。
【請求項30】
第3段階が4日間を含む請求項22〜29のいずれか1項に記載の使用。
【請求項31】
(a)プロゲステロン活性の点で約35〜約150μgのレボノルゲストレルに等しい、14〜21日投与単位の黄体ホルモン薬;
(b)1〜11日投与単位の、請求項1に記載の抗プロゲスチン化合物(各1日投与単位は、約2〜50mgの1日投与量で抗プロゲスチン化合物を含む。);及び
(c)1日投与単位に用いる1つ以上のパッケージ、
を含む連日経口投与に適合させた医薬的に有用なキット。
【請求項32】
1日投与単位の経口的及び医薬的に許容可能なプラシーボを更に含む請求項31に記載の医薬的に有用なキットであって、キットにおける1日投与単位の合計が28であることを特徴とするキット。
【請求項33】
有効量の、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物を妊娠適齢期の女性に対して投与する哺乳動物の避妊方法。

【公表番号】特表2008−509216(P2008−509216A)
【公表日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−525615(P2007−525615)
【出願日】平成17年7月6日(2005.7.6)
【国際出願番号】PCT/US2005/023782
【国際公開番号】WO2006/023107
【国際公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(591011502)ワイス (573)
【氏名又は名称原語表記】Wyeth
【Fターム(参考)】