説明

ファイル管理装置、ファイル管理方法およびファイル管理プログラム

【課題】利便性が高い新たなファイル管理技術が要望されている。
【解決手段】ファイル管理装置において、地図画像格納部は、複数区域の地図画像を、各区域の現実世界上の位置を示す現実位置情報と対応させて保持する。位置情報指定部112は、画面に表示させる区域を特定するために現実位置情報を指定する指示をユーザから取得する。地図画像表示部114は、取得された現実位置情報に対応する区域の地図画像を地図画像格納部から抽出して画面に表示させる。ファイル指定部116は、地図画像に含まれる地点と関係性をもたせる対象ファイル指定指示と地点を目標地点として指定する指示とをユーザから取得する。位置情報対応関係保持部104は、対象ファイルの所在を示すパス情報を、目標地点の位置を示す目標位置情報と対応させて保持する。アイコン表示部118は、対象ファイルのアイコンを表示された地図画像上の目標地点に対応する位置に重畳表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書ファイルや画像ファイルなどの各種ファイルを管理するファイル管理装置、ファイル管理方法およびファイル管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンピュータのルートのディレクトリ以下にファイルを格納する場所としてのフォルダを適宜設けるとともに、文書ファイルや画像ファイルなどの各種ファイルを適切なフォルダ内に格納するファイル管理技術が知られている。例えば、特許文献1には、複数のフォルダおよびその中に格納されているファイルをノードとするツリー構造を構成することにより、ファイルやフォルダの階層構造の関係を管理するファイル管理装置が開示されている。
【特許文献1】特開2002−278813号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
個々のファイルを単にフォルダで管理する従来の方法では、特にファイルの数が膨大であれば、ユーザはどのファイルがどのフォルダに格納されているかを忘れてしまうことがある。このとき、目的となるファイルをすぐに利用できない場合があり、利便性が高い新たなファイル管理技術が要望されている。
【0004】
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、利便性の高いファイル管理装置、ファイル管理方法およびファイル管理プログラムの提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明のある態様のファイル管理装置は、複数区域の地図画像を、各区域の現実世界における位置を示す現実位置情報と対応させて保持する地図画像格納部と、画面に表示させる区域を特定するために現実位置情報を指定する指示をユーザから取得する位置情報指定部と、前記取得された現実位置情報に対応する区域の地図画像を前記地図画像格納部から抽出して画面に表示させる地図画像表示部と、前記表示された地図画像に含まれる地点と関係性をもたせる対象ファイルを指定する指示と前記地点を目標地点として指定する指示とをユーザから取得するファイル指定部と、所定の格納領域における前記対象ファイルの所在を示すパス情報を、前記目標地点の位置を示す目標位置情報と対応させて保持する位置情報対応関係保持部と、前記対象ファイルを視覚的に表示するためのアイコンを前記表示された地図画像における前記目標地点に対応する位置に重畳させて表示する表示処理を行うアイコン表示部と、を含む。
【0006】
「現実位置情報」とは、実空間で用いられる位置情報であり、例えば緯度経度値を指す。「ファイル」とはデータをまとめたものであり、ファイルの種類の例として、プログラムやスクリプトにより構成された実行形式ファイル、文字データにより構成されたテキストファイル、写真やイラストなどの画像データが記録された画像ファイル、音声データが記録された音声ファイル、音声データおよび映像データが記録された動画ファイル、および、それらファイルを圧縮した圧縮ファイルなどが挙げられる。「所定の格納領域」とは、対象ファイルを格納するための領域であり、例として、ファイル管理装置内部のハードディスク領域、外部のフロッピー(登録商標)ディスク領域、あるいはネットワークに接続されたリモートのストレージ領域などが挙げられる。
【0007】
この態様によると、ファイル管理装置は、テキスト、写真やイラストなどを含む対象ファイルを地図画像上の目標地点に関連付けることで、ユーザによる地理的空間を用いた対象ファイルの管理を可能にする。これにより、ユーザは、対象ファイルの地図画像上における絶対位置や、他の対象ファイルとの地図画像上における相対位置関係を視覚的に簡単に把握でき、ユーザはその対象ファイルをより印象付けて記憶できる。その結果、利便性の高いファイル管理装置をユーザに提供できる。
【0008】
なお、本発明を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムにより表現したもの、それらの表現を入れ替えたもの、本発明の処理の順序を入れ替えたものなどもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザ利便性の高いファイル管理装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
実施の形態1
図1は、実施の形態1に係るファイル管理装置を含む地図配信システムの構成を示す。地図配信システム10は、少なくとも一つ以上のクライアント端末100と、地図画像配信サーバ150と、それら装置間の通信を可能にするネットワーク12とを含む。地図画像配信サーバ150は、ネットワーク12を介してクライアント端末100からの地図画像の取得リクエストを受信したとき、そのサーバ150が保持する地図画像をネットワーク12経由でクライアント端末100に提供する。なお、実施の形態1に係るファイル管理装置は、ネットワーク12経由で接続された地図画像配信サーバ150とクライアント端末100で構成されるものであるが、他の例として、ネットワーク12をさらに含んでもよい。
【0011】
クライアント端末100は、パーソナルコンピュータ、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistance)などの電子機器で実装され、操作のためにマウス、キーボードやボタンなどの各種入力ユニットが用いられる。ネットワーク12はWAN(Wide Area Network)であるが、他の例として、例えばLAN(Local Area Network)、あるいは所定のデータをTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol )等の通信規格に準じて送受信する通信網であってもよい。
【0012】
地図画像配信サーバ150は内部に地図画像格納領域152を有し、その領域内には複数の異なる縮尺の地図画像、例えば1万分の1、2万5千分の1、5万分の1および20万分の1の縮尺の地図画像が格納されている。なお、それら縮尺の地図画像のうち1万分の1の縮尺の地図画像が最も詳細な地図であり、一方、20万分の1の縮尺の地図画像が最も広域な地図である。以下、地図画像を用いた説明の際に縮尺を区別する必要がなければ、縮尺ごとの地図画像の説明を適宜省略する。
【0013】
その地図画像は、例えば、実空間上の座標系、例えば、緯度経度の座標系が設定された日本地図である。すなわち、その地図画像は、現実世界における位置を示す現実位置情報である緯度経度値と対応付けられている。さらに、その地図画像は、経線と緯線とにより一定サイズの複数の矩形区域に分割されている。他の例として、地図画像配信サーバ150内の分割部(図示しない)が、最新の地図画像がサーバ管理者により地図画像配信サーバ150内に格納されたタイミングやクライアント端末100からの地図画像取得リクエストがあったタイミングなどにおいて、複数の矩形区域に動的に分割してもよい。これにより、地図画像配信サーバ150は地図画像を区域ごとに配信できる。なお、実施の形態1では、区域ごとに分割された地図画像は一つのファイル内に格納されるが、他の例として区域ごとにそれぞれ別のファイル内に格納されてもよい。
【0014】
複数の矩形区域は地域ごとにグループ化されるとともに、各区域を識別するための識別番号が付与される。例えば、第1の区域には識別番号「1201−01」、その第1の区域に隣接する第2の区域には識別番号「1201−02」が付与される。この場合、第1の区域と第2の区域は、地域「1201」内にグループ化されていることを表す。また、実施の形態1では、各区域の地図画像の高速検索を可能にするために、地図画像格納領域152はさらに、各区域の識別番号とその各区域の最北西点および最南東点の緯度経度値との対応関係を有するインデックスファイルを保持してもよい。
【0015】
地図画像は、駅や公園などの対象物を表した対象物画像を含む。その対象物画像もまた、現実世界における位置を示す現実位置情報である緯度経度値と対応付けられている。実施の形態1では、地図画像配信サーバ150は、地図画像格納領域152内に対象物画像の名称と緯度経度値との対応関係を有する対象物対応関係ファイルを保持する。
【0016】
地図画像配信サーバ150はいわゆるウェブサーバ機能をも実装しており、クライアント端末100からの要求に応じて、ユーザが所望するウェブページをネットワーク12を介して送信する。一方、クライアント端末100はウェブブラウザ(図示せず)を実装しており、そのウェブブラウザ上にて、地図画像配信サーバ150から受信したウェブページを表示する。すなわち、ユーザは、クライアント端末100のウェブブラウザを利用して、地図画像配信サーバ150上のウェブサイトにアクセスでき、例えば、そのサイトからのプログラムのダウンロードをも可能にする。詳細は後述するが、ユーザがクライアント端末100上でこのプログラムを実行することにより、地図画像配信サーバ150からユーザが所望する区域の地図画像を取得できる。
【0017】
図2は、実施の形態1に係るクライアント端末の構成を示す。クライアント端末100は、地図画像一時格納領域102と、位置情報対応関係保持部104と、ファイル管理処理部110とを備える。ファイル管理処理部110は具体的にはファイル管理を実行するプログラムで実装され、位置情報指定部112と、地図画像表示部114と、ファイル指定部116と、アイコン表示部118と、表示位置保存部120とを備える。
【0018】
位置情報指定部112は、クライアント端末100のデスクトップ画面上に表示させる区域を特定するために現実位置情報を指定する指示を、マウスやキーボードなどの入力インタフェースを介してユーザから取得する。実施の形態1では、ユーザの指示に従って、地図画像配信サーバ150上のウェブページから、その現実位置情報の入力用のツールバープログラムがダウンロードされる。このツールバープログラムがユーザの指示により実行されれば、キーワード入力欄を有する地図画像検索用のツールバーがクライアント端末100のデスクトップ画面上に表示される。そのキーワード入力欄内に現実位置情報としての住所、駅名や緯度経度値などのキーワードが入力されることで、地図画像配信サーバ150内に格納される地図画像のうちユーザが所望する区域の地図画像を検索できる。
【0019】
他の例として、ツールバーではなく、クライアント端末100のウェブブラウザに表示されるウェブページの入力フォーム内に、それらキーワードが入力されてもよい。いずれの場合でも、位置情報指定部112により取得された現実位置情報は、ネットワーク12を介して地図画像配信サーバ150に送信される。また、上述のキーワード検索によって得られた複数の検索結果がいったんクライアント端末100のデスクトップ画面上に表示され、ユーザは、それら検索結果の中から自身が所望する検索結果をマウスなど入力インタフェースを用いて選択してもよい。この場合、ユーザにより選択された検索結果に相当する区域の地図画像の取得リクエストがクライアント端末100から地図画像配信サーバ150に送信される。
【0020】
地図画像一時格納領域102は、地図画像格納領域152からネットワーク12経由で送信される地図画像を記憶するためにクライアント端末100上に設けられたものであり、具体的にはキャッシュ領域を指す。地図画像表示部114は、取得された現実位置情報に対応する区域の地図画像を地図画像格納領域152および地図画像一時格納領域102のうちいずれかから抽出してデスクトップ上に表示させる。なお、表示された地図画像の範囲を特定する情報は、後述の表示範囲特定ファイル内に格納される。
【0021】
例えば、地図画像表示部114は、最初に、位置情報指定部112により取得された現実位置情報に対応する区域の地図画像が地図画像一時格納領域102内に格納されているか否かを判断し、格納されていると判断した場合、その地図画像一時格納領域102から地図画像を取得する。一方、格納されていないと判断したとき、地図画像表示部114は、その現実位置情報を地図画像配信サーバ150に送信し、地図画像配信サーバ150内の地図画像格納領域152に含まれる地図画像をネットワーク12を介して取得する。なお、ユーザが所望する区域の地図画像が格納されているか否かの判断は、ファイル管理処理部110内の格納判断部(図示せず)が行ってもよい。実施の形態1によれば、キャッシュである地図画像一時格納領域102からの地図画像の取得を優先することで、ネットワーク12を介した、地図画像配信サーバ150からの地図画像の取得処理をスキップすることができ、地図画像の取得に要する時間を短縮できる。
【0022】
地図画像表示部114は、地図画像を格納するためのウインドウをクライアント端末のデスクトップ上に表示し、地図画像格納領域152および地図画像一時格納領域102のうちいずれかから抽出された地図画像をそのウインドウ内に表示する。
【0023】
ファイル指定部116は、表示された地図画像に含まれる地点と関係性をもたせる対象ファイルを指定する指示と地点を目標地点として指定する指示とを、マウスやキーボードなどの入力インタフェースを介してユーザから取得する。対象ファイルの種類の例として、プログラムやスクリプトにより構成された実行形式ファイル、文字データにより構成されたテキストファイル、写真やイラストなどの画像データが記録された画像ファイル、音声データが記録された音声ファイル、音声データおよび映像データが記録された動画ファイル、および、それらファイルを圧縮した圧縮ファイルなどが挙げられる。
【0024】
例えば、ユーザによりファイルの内容やファイル名が参照されることで、地図画像上の目標地点に関係性をもたせるファイルが対象ファイルとしてマウスを介して指定される。具体的には、クライアント端末100のデスクトップ画面上に表示された対象ファイルのアイコンにマウスがポイントされることにより、ユーザからの対象ファイルの指定の指示を取得する。この場合、ファイル指定部116は、地図画像表示部114によりデスクトップ画面上に表示された地図画像上のある地点に、同じくデスクトップ画面上に表示された対象ファイルがユーザによりドラッグアンドドロップされることで、地図画像上のその地点と対象ファイルとを関連付ける指示をユーザから取得する。
【0025】
位置情報対応関係保持部104は、所定の格納領域における対象ファイルの所在を示すパス情報を、目標地点の位置を示す目標位置情報と対応させて後述の対象ファイル位置情報対応表内に保持する。所定の格納領域とは、対象ファイルを格納するための領域であり、例として、クライアント端末100内部のハードディスク領域、外部のフロッピー(登録商標)ディスク領域、あるいはネットワーク12に接続されたリモートのストレージ領域などが挙げられる。
【0026】
アイコン表示部118は、対象ファイルを視覚的に表示するためのアイコンを、表示された地図画像における目標地点に対応する位置に重畳させて表示する表示処理を行う。この場合、アイコン表示部118は、対象ファイルが画像ファイルである場合には、画像ファイルのサムネイル、すなわち所定の大きさに縮小した画像を生成し、そのサムネイルをアイコンとして表示してもよい。一方、対象ファイルが画像ファイルでない場合には、対象ファイルについてあらかじめ用意されたアイコンを表示してもよい。ファイル管理処理部110内の画像ファイル判断部(図示しない)が、対象ファイルの種類を参照し、画像ファイルであるか否かを判断してもよい。具体的には、その画像ファイル判断部は対象ファイルのファイル名に含まれる拡張子を参照し、その対象ファイルが画像ファイルであるか否かを判断する。
【0027】
ユーザによりそのアイコンがマウスなどの入力インタフェースでクリックされることで、ファイル管理処理部110は、そのアイコンに対応するファイルを起動できる。また、ユーザは、そのサムネイルをマウスなどの入力インタフェースでクリックすることで、ファイル管理処理部110は本来の大きさの画像をデスクトップ画面上に再現できる。なお、対象ファイルのアイコンやサムネイルを含む地図画像は地図画像ファイル内に保存される。
【0028】
その地図画像ファイルに対応するアイコンもまた、アイコン表示部118によりクライアント端末100のデスクトップ画面上に表示されてもよい。この場合、ユーザは、その地図画像ファイルのアイコンをクリックすることで地図画像をデスクトップ画面上で参照でき、さらに、その表示された地図画像上に重畳されたアイコンをクリックすることで対象ファイルをデスクトップ画面上で参照できる。すなわち、対象ファイルを起動するために、複数の対象ファイルのアイコンをデスクトップ画面上に配置するかわりに、それらアイコンを有する地図画像を含む地図画像ファイルに対応するアイコンを例えば一つだけ配置すればよく、デスクトップ画面上の限られたアイコン配置用スペースを有効に活用できる。特に対象ファイルの数が膨大になったとき、この効果は顕著になる。
【0029】
また、アイコン表示部118によりクライアント端末100のデスクトップ画面上に表示された地図画像ファイルに対応するアイコンがマウス操作によりクリックされた場合、地図画像表示部114は、そのアイコンに対応する地図画像ファイル内の地図画像をクライアント端末100のデスクトップ画面上に表示する。この場合、地図画像表示部114は、後述の表示範囲特定ファイル200内に格納されている、地図画像の範囲を特定するための情報である、表示された地図画像の最北西点と最南東点の緯度経度値と、その地図画像の縮尺情報と、表示された地図画像の中心座標とを地図画像配信サーバ150に送信してもよい。これにより、クライアント端末100は、地図画像配信サーバ150からその特定された範囲の最新の地図画像を取得できる。
【0030】
表示位置保存部120は、地図画像表示部114により表示された地図画像のクライアント端末100のデスクトップ画面上における表示位置を示す表示位置情報を、クライアント端末100の動作が終了する前に、例えばクライアント端末装置がシャットダウンする前に、後述の地図画像位置情報対応表内に保存する。実施の形態1では、クライアント端末100上のデスクトップ画面の左下隅点を原点として、横軸をX軸、縦軸をY軸とした座標系がクライアント端末100上のデスクトップ画面上に設定される。すなわち、デスクトップ画面において右方向にいくほどX座標値が増加し、上方向にいくほどY座標値が増加する。この場合、地図画像のデスクトップ画面上における表示位置は、X座標値およびY座標値により特定される。
【0031】
表示位置保存部120による保存のタイミングは、少なくともクライアント端末100の動作が終了する前であればよく、クライアント端末100の動作が終了する直前に限られない。例えば、表示位置保存部120は、地図画像表示部114により地図画像がデスクトップ画面上に表示された時点で、その地図画像の表示位置情報を保存してもよく、また、クライアント端末100の終了を示すコマンドを受け取ったときに、地図画像の表示位置情報を保存してもよい。いずれの場合でも、地図画像表示部114は、クライアント端末100の動作が再開したときに、保存された地図画像の表示位置情報を参照することにより、終了前の地図画像の表示位置を再現できる。
【0032】
ユーザは通常、クライアント端末100が動作している間、地図画像表示部114により表示された地図画像がデスクトップ画面上の不都合な位置にあれば、その地図画像をマウスなどの入力インタフェースを用いてデスクトップ画面上のユーザが所望する位置に移動させる。その移動した表示位置を、例えばクライアント端末100の再起動時にも再現することにより、再起動時における地図画像の見やすさが向上する。
【0033】
図3は、地図画像ファイル名と、地図画像ファイルに含まれる地図画像の範囲を特定する情報との対応関係を有する表示範囲特定ファイルのデータ構造の一例を示す。このファイル200はクライアント端末100が有するデータベース内に保持されるものであり、地図画像ファイル名欄202と、地図画像位置特定情報欄204と、対象ファイル名欄212とを有する。地図画像ファイル名欄202は、対象ファイルのアイコンまたはサムネイルが表示された地図画像を含む地図画像ファイル名を有する。
【0034】
地図画像位置特定情報欄204は、地図画像ファイルに含まれる地図画像の範囲を特定するための情報を保持し、さらに、地図範囲情報欄206と、縮尺情報欄208と、中心点情報欄210とを有する。地図範囲情報欄206は、地図画像の表示範囲を特定するための情報である、クライアント端末100のデスクトップ画面上に表示された地図画像の最北西点と最南東点の緯度経度値を保持する。縮尺情報欄208は、地図画像の縮尺値を保持する。中心点情報欄210は、地図画像の中心点の座標値を保持する。対象ファイル名欄212は、地図画像上に重畳表示されたアイコンやサムネイルに対応する対象ファイルの名称を保持する。
【0035】
データ214について言えば、地図画像ファイルAは、最北西点「北緯36度15分、東経140度0分」および最南東点「北緯36度5分、東経140度20分」とする矩形区域の地図画像を含む。また、その地図画像の縮尺は2万5千分の1であり、その地図画像の中心点は、「北緯36度10分、東経140度10分」である。さらにその地図画像上には、「海水浴」ファイル、「花火大会」ファイルおよび「時刻表」ファイルのアイコンやサムネイルが重畳されている。
【0036】
図4は、対象ファイルのファイル名と地図画像上の目標位置情報とを関連付けた対象ファイル位置情報対応表のデータ構造の一例を示す。なお、図3と同一の構成については同一の符号を付し、適宜説明を略す。この対応表250は位置情報対応関係保持部104内に保持されるものであり、対象ファイルパス情報欄252と、緯度経度情報欄254と、地図画像ファイル名欄202とを有する。対象ファイルパス情報欄252は、対象ファイルのパス情報としてディレクトリ階層を含む対象ファイルの名称を保持する。なお、他の例として、対象ファイルパス情報欄252は、対象ファイルそのもののファイル名だけを保持してもよいし、対象ファイルに対応するアイコンの名称を保持してもよい。緯度経度情報欄254は、対象ファイルに対応付けられた目標位置情報である緯度経度値を保持する。例えば、データ256について言えば、「¥夏旅行¥海水浴」の対象ファイルは目標位置情報として「北緯36度8分、東経140度10分」に対応付けられ、地図画像ファイルA内の地図画像上に重畳させられる。
【0037】
図5は、地図画像ファイル名と、地図画像ファイルに含まれる地図画像の表示位置に関する表示位置情報との対応関係を有する地図画像位置情報対応表のデータ構造の一例を示す。この対応表260はクライアント端末100が有するデータベース内に保持されるものであり、地図画像ファイル名欄202と表示位置情報欄262とを有する。地図画像ファイル名欄202は、地図画像表示部114により表示された地図画像を有する地図画像ファイルの名称を保持する。表示位置情報欄262は、クライアント端末100のデスクトップ画面上に表示された地図画像の中心点の配置位置をX座標値およびY座標値で保持する。データ264について言えば、地図画像ファイル名に含まれる地図画像のデスクトップ画面上における表示位置は(X座標、Y座標)=(100、600)であることを示す。
【0038】
地図画像位置情報対応表260は、さらに、対象ファイルのアイコンのデスクトップ画面上における配置位置をX座標値およびY座標値で保持するアイコン表示位置情報欄(図示せず)を有してもよい。具体的には、そのアイコン表示位置情報欄は、例えば、地図画像ファイル名に含まれる地図画像の「海水浴」ファイル、「花火大会」ファイルおよび「時刻表」ファイルのアイコンやサムネイルの配置位置を保持する。例えば、「海水浴」ファイルのアイコンやサムネイルの配置位置は(X座標、Y座標)=(90、580)として保持される。
【0039】
以下、図6および図7を用いて、地図画像配信サーバ150からクライアント端末100へのユーザが所望する区域の地図画像の配信動作の流れと、配信された地図画像を用いたファイル管理処理の流れとを説明する。クライアント端末100は、ユーザからのダウンロード指示に従って、そのウェブサイト上に公開されている、地図画像の検索用ツールバープログラムをダウンロードする。そのダウンロードされたツールバープログラムがユーザの指示により実行されたとき、検索用ツールバーがクライアント端末100のデスクトップ画面上に表示される。
【0040】
図6は、クライアント端末上のデスクトップ画面に表示させる地図画像の区域を特定する際にユーザにより操作されるツールバーと、そのツールバーを用いて検索され、表示された地図画像とを示す。クライアント端末100上のツールバー20は、キーワード入力欄22と、検索ボタン24とを含む。キーワード入力欄22には、住所、駅名や緯度経度値などのキーワードがユーザの入力指示に従って入力される。このとき、ユーザは地図画像の縮尺を別の入力欄で指定してもよいが、実施の形態1に係る地図画像配信サーバ150は、特にユーザからの指定がない限り、1万分の1の縮尺の画像を提供するものとする。
【0041】
キーワードがキーワード入力欄22に入力され、検索ボタン24がユーザにより押下されたとき、クライアント端末100内部の地図画像表示部114は、最初に、クライアント端末100内の地図画像一時格納領域102、例えば、キャッシュ領域に含まれる地図画像を検索する。例えば、「X駅」というキーワードがキーワード入力欄22に入力され検索ボタン24が押下されたとき、地図画像表示部114はX駅を含むエリアの地図画像を取得する。地図画像が地図画像一時格納領域102内に存在しない場合、入力されたキーワードはネットワーク12を介して地図画像配信サーバ150に送信される。地図画像配信サーバ150は、その入力されたキーワードをキーにして、ユーザが所望するエリアの地図画像を地図画像配信サーバ150内部の地図画像格納領域152から抽出する。
【0042】
具体的には、駅名や公園名などのキーワードが指定された場合、地図画像配信サーバ150は、上述の対象物対応関係ファイルを参照し、その駅名や公園名に対応付けられた緯度経度値を特定する。その後、地図画像配信サーバ150は、上述のインデックスファイルを参照し、その特定された緯度経度値を含む区域の地図画像を抽出する。一方、緯度経度値が指定された場合についても、地図画像配信サーバ150は、上述のインデックスファイルを参照し、その特定された緯度経度値を含む区域の地図画像を抽出する。なお、抽出対象となる地図画像の区域は一つとは限らない。すなわち、地図画像配信サーバ150は、抽出された区域に隣接する区域の地図画像をもクライアント端末100に送信してもよい。
【0043】
地図画像配信サーバ150は、抽出された区域の地図画像をネットワーク12を介してクライアント端末100に送信する。地図画像一時格納領域102あるいは地図画像格納領域152から取得された地図画像30は、地図画像表示部114によりクライアント端末100のデスクトップ画面上のウインドウ内に表示される。地図画像表示部114により表示された地図画像30のデスクトップ画面上における表示位置を示す表示位置情報が表示位置保存部120により地図画像位置情報対応表260内に保存される。
【0044】
図7は、対象ファイルに対応するアイコンが地図画像上に重畳させて表示される様子を示す。図7に示すクライアント端末100のデスクトップ画面上には、地図画像30と関係性をもたせる対象ファイルを含むフォルダの内部を視覚的に表示するウインドウ40と、地図画像表示部114により表示された地図画像30とが表示されている。
【0045】
図7に示す例では、「夏旅行」フォルダのウインドウ40内の、「海水浴」ファイル42、「花火大会」ファイル44および「時刻表」ファイル46が、地図画像30上のある地点と関係性をもたせる対象ファイルである。例えば、ユーザが「時刻表」ファイル46をマウスを用いてポイントしたとき、ファイル指定部116は、対象ファイルとして「時刻表」ファイル46を指定する指示をユーザから取得する。さらに、ユーザによるマウスのドラッグ操作でその「時刻表」ファイル46が地図画像30上に移動され、地図画像30上のある地点でそのファイルがドロップされたとき、ファイル指定部116は、そのドロップされた地点を目標地点とするユーザからの指示を取得する。
【0046】
この場合、「時刻表」ファイル46の所在を示すパス情報、例えば「¥夏旅行¥時刻表」が、ファイル指定部116により指定された目標地点の位置を示す目標位置情報と対応されて対象ファイル位置情報対応表250内に保持される。その後、アイコン表示部118により、「時刻表」ファイル46を視覚的に表示するためのアイコン36が地図画像30上の目標地点に対応する位置に重畳表示される。他の対象ファイル、例えば、「海水浴」ファイル42および「花火大会」ファイル44もまた同様の方法で地図画像30上に表示される。対象ファイルが画像ファイルである場合、アイコンが重畳表示されるのではなく、その画像ファイルのサムネイルがアイコン表示部118により表示されてもよい。対象ファイルのアイコンやサムネイルを含む地図画像は、地図画像ファイル内に保存される。さらに、地図画像ファイル名と、地図画像ファイルに含まれる地図画像の範囲を特定する情報との対応関係が表示範囲特定ファイル200内に記録される。
【0047】
図8は、実施の形態1に係る地図画像の配信動作の流れとファイル管理処理の流れを表すフローチャートである。クライアント端末100は、ユーザからのダウンロード指示を取得し、地図画像の検索用のツールバープログラムをウェブサイトからダウンロードする(S10)。そのダウンロードされたツールバープログラムがユーザの指示により実行されたとき、検索用ツールバーがクライアント端末100のデスクトップ画面上に表示される(S12)。
【0048】
キーワード入力欄22に、現実位置情報として住所、駅名や緯度経度値などのキーワード、例えば「X駅」がユーザの入力指示に従って入力され、検索ボタン24がユーザにより押下されたとき、位置情報指定部112は、その現実位置情報を指定する指示をユーザから取得する。(S14)。クライアント端末100内部の地図画像表示部114は、最初に、位置情報指定部112により取得された現実位置情報、例えば「X駅」に対応する区域の地図画像が地図画像一時格納領域102内に格納されているか否かを判断する(S16)。キーワードとして「X駅」が指定された場合、地図画像表示部114は、上述の対象物対応関係ファイルを参照し、その駅名や公園名に対応付けられた緯度経度値を特定する。その後、地図画像表示部114は、上述のインデックスファイルを参照し、その特定された緯度経度値を含む区域の地図画像を抽出してもよい。
【0049】
地図画像表示部114は、地図画像一時格納領域102内に「X駅」を含む区域の地図画像が格納されていると判断した場合(S16のY)、その地図画像一時格納領域102から地図画像を抽出する(S18)。一方、格納されていないと判断した場合(S16のN)、地図画像表示部114は、そのキーワード「X駅」を地図画像配信サーバ150に送信し、地図画像配信サーバ150内の地図画像格納領域152に含まれる、地図画像をネットワーク12を介して取得する(S20)。地図画像表示部114は、地図画像一時格納領域102または地図画像格納領域152から抽出したその地図画像をクライアント端末100のデスクトップ画面上に表示する(S22)。
【0050】
表示位置保存部120は、地図画像表示部114により表示された地図画像のクライアント端末100のデスクトップ画面上における表示位置を示す表示位置情報、例えばデスクトップ画面上に設けられた座標系におけるX座標値およびY座標値を地図画像位置情報対応表260内に保存する(S24)。
【0051】
ファイル指定部116は、対象ファイルとして「時刻表」ファイル46を指定する指示をユーザから取得する。さらに、ユーザによるマウスのドラッグ操作でその「時刻表」ファイル46が地図画像30上に移動され、地図画像30上のある地点でそのファイルがドロップされたとき、ファイル指定部116は、そのドロップされた地点を目標地点とするユーザからの指示を取得する(S26)。このとき、「時刻表」ファイル46の所在を示すパス情報、例えば「¥夏旅行¥時刻表」が、ファイル指定部116により指定された目標地点の位置を示す目標位置情報と対応されて対象ファイル位置情報対応表250内に保持される。
【0052】
アイコン表示部118は、対象ファイル位置情報対応表250を参照し、「時刻表」ファイル46を視覚的に表示するためのアイコン36が地図画像30上の目標地点に対応する位置に重畳表示される(S28)。なお、対象ファイルが画像ファイルである場合、アイコンが重畳表示されるのではなく、その画像ファイルのサムネイルがアイコン表示部118により表示されてもよい。対象ファイルのアイコンやサムネイルを含む地図画像は、地図画像ファイル内に保存される(S30)。このとき、地図画像ファイル名と、地図画像ファイルに含まれる地図画像の範囲を特定する情報との対応関係が表示範囲特定ファイル200内に記録される。
【0053】
実施の形態1によれば、ファイル管理装置は、テキスト、写真やイラストなどを含む対象ファイルを地図画像上の目標地点に関連付けることで、ユーザによる地理的空間を用いた対象ファイルの管理を可能にする。そのため、ユーザは、対象ファイルの地図画像上における絶対位置や、他の対象ファイルとの地図画像上における相対位置関係を視覚的に簡単に把握でき、ユーザはその対象ファイルをより印象付けて記憶できる。その結果、利便性の高いファイル管理装置をユーザに提供できる。さらに、対象ファイルが画像ファイルである場合、その対象ファイルのサムネイルが地図画像に重畳表示されることで、ユーザは画像の内容とその画像の地図画像上における絶対位置を一目で把握できる。
【0054】
実施の形態2
実施の形態1に係るファイル管理処理部110は、地図画像上の目標地点にアイコンを重畳表示したが、実施の形態2では、電子カレンダー上のある日付に対応付けられた対象ファイルのアイコンをデスクトップ画面上に表示する。 図9は、実施の形態2に係るファイル管理装置の構成を示す。実施の形態2に係るファイル管理装置には、実施の形態1に係るファイル管理装置に対して、新たに関係性日付指示取得部122と、日付情報対応関係保持部124と、カレンダー表示部126と、カレンダー指示取得部128とが設けられる。なお、図2と同様の構成については同一の符号を付し適宜説明を略す。
【0055】
関係性日付指示取得部122は、対象ファイルと関係性をもたせる日付を指定する指示をユーザから取得する。具体的には、関係性日付指示取得部122は、日付を入力するための入力フォームをデスクトップ画面上に表示し、ユーザからのマウスやキーボードによる日付の指定をその入力フォームを介して取得する。他の例として、日時を指定する指示をユーザから取得してもよい。日付情報対応関係保持部124は、対象ファイルと取得された日付との対応関係を保持する。具体的には、例えば、対象ファイルのパス情報と日付との対応関係を有する日付対応ファイルを保持する。
【0056】
カレンダー表示部126は、ユーザの指示に従ってデスクトップ画面上に電子カレンダーを表示するとともに、保持された対象ファイルと日付との対応関係を電子カレンダー上の日付と対応させて表示する。具体的には、カレンダー表示部126は、例えば、ユーザが所望する年月を入力するための入力フォームをデスクトップ画面上に表示し、ユーザからのマウスやキーボードによる年月の指定をその入力フォームを介して取得する。その後、カレンダー表示部126は、入力フォームを介して取得した年月の電子カレンダーをクライアント端末100のデスクトップ画面上に表示する。この場合、カレンダー表示部126は、日付対応ファイルを参照し、例えば、電子カレンダー上の日付を含む日付枠内に、その日付に対応付けられた対象ファイルのパス情報を内包するリンクを表示する。
【0057】
カレンダー指示取得部128は、電子カレンダーにおいて対象ファイルを指定する指示をマウスやキーボードなどの入力インタフェースを介してユーザから取得する。具体的には、カレンダー指示取得部128は、電子カレンダー上の日付枠内の対象ファイルへのリンクがマウスによりクリックされることで、ユーザからの対象ファイルの指定指示を取得する。この場合、地図画像表示部114は、対象ファイル位置情報対応表250を参照し、電子カレンダーにおいて指定された対象ファイルと対応付けられた目標地点を含む地図画像を特定し、表示する。この場合、アイコン表示部118は、電子カレンダーにおいて指定された対象ファイルについてのアイコンを表示する。
【0058】
図10は、クライアント端末のデスクトップ画面上に表示された電子カレンダーを示す。図10に示す例では、カレンダー表示部126により「2005年8月」の電子カレンダー300がクライアント端末100のデスクトップ画面上に表示されている。電子カレンダー300は複数の日付枠を含むものであり、例えば「8月17日」の日付枠内にはさらに「花火大会」リンク302が格納されている。ユーザはこの「花火大会」のリンク302をマウスを用いてクリックすることで、地図画像表示部114は、「8月17日」に対応する「花火大会」ファイルに関連付けられた目標地点を含む地図画像を呼び出し、デスクトップ画面上に表示する。
【0059】
図11は、実施の形態2に係るカレンダー表示処理の流れを示すフローチャートである。図11に示すステップ40は、図8に示すステップ30に続く処理である。関係性日付指示取得部122は、日付を入力するための入力フォームをデスクトップ画面上に表示し、ユーザからのマウスやキーボードによる日付の指定をその入力フォームを介して取得する(S40)。日付情報対応関係保持部124は、例えば、図4に示す「花火大会」の対象ファイルと取得された日付である「8月17日」との対応関係を日付対応ファイル内に保持する(S42)。
【0060】
カレンダー表示部126は、例えば、ユーザが所望する年月を入力するための入力フォームをデスクトップ画面上に表示し、ユーザからのマウスやキーボードによる年月の指定をその入力フォームを介して取得する(S44)。このとき、カレンダー表示部126は、入力フォームを介して取得した年月の電子カレンダー、例えば「2005年8月」の電子カレンダーをクライアント端末100のデスクトップ画面上に表示する(S46)。この場合、カレンダー表示部126は、日付対応ファイルを参照し、例えば、「2005年8月」の電子カレンダー上の日付「8月17日」を含む日付枠内に、その日付に対応付けられた対象ファイルのパス情報を内包するリンクを表示する(S48)。
【0061】
カレンダー指示取得部128は、電子カレンダーにおいて、例えば「花火大会」の対象ファイルを指定する指示をマウスやキーボードなどの入力インタフェースを介してユーザから取得する。具体的には、カレンダー指示取得部128は、電子カレンダー上の「8月17日」の日付枠内の「花火大会」の対象ファイルへのリンクがマウスによりクリックされることで、ユーザからの「花火大会」の対象ファイルの指定指示を取得する(S50)。この場合、地図画像表示部114は、対象ファイル位置情報対応表250を参照し、電子カレンダーにおいて指定された「花火大会」の対象ファイルと対応付けられた目標地点を含む地図画像を特定し、表示する(S52)。この場合、アイコン表示部118は、電子カレンダーにおいて指定された「花火大会」の対象ファイルについてのアイコンを地図画像上に重畳表示する(S54)。
【0062】
実施の形態2によれば、対象ファイルに日付を関連付けることにより、対象ファイルのアイコンが重畳された地図画像と電子カレンダーとを関連付けることが可能になる。これにより、ユーザは電子カレンダー上に表示された日付から直接、その日付に関連する対象ファイルを地図画像とともに参照できるため、利便性の高いファイル管理装置を提供できる。
【0063】
実施の形態3
実施の形態1では、クライアント端末100のデスクトップ画面上に対象ファイルのアイコンが重畳された地図画像が表示されたが、実施の形態3では、第1のクライアント端末100aがその対象ファイルとその対象ファイルの目標位置情報とをいったん地図画像配信サーバ150に送信し、第2のクライアント端末100は、地図画像配信サーバ150上のウェブページに掲載されたその対象ファイルのアイコンを含む地図画像を参照する。図12は、実施の形態3に係る第1のクライアント端末100aの構成を示す。実施の形態3に係る第1のクライアント端末100aには、図2に示すクライアント端末100に対して、新たに送信部130が設けられる。また、第2のクライアント端末の構成は、図2に示すクライアント端末100の構成と同様である。なお、図2と同様の構成については同一の符号を付し適宜説明を略す。
【0064】
実施の形態3は、例えば、ビラなどの配布用情報を含む対象ファイル(以下、単に「配布用ファイル」という)のアイコンが重畳された地図画像の配信に適用される。この場合、第1のクライアント端末100aの所有者は広告配布主体であり、第2のクライアント端末の所有者は利用者であり、地図画像配信サーバ150の所有者は地図画像配信主体である。実施の形態3は、例えば、広告配布主体の第1のクライアント端末100aのデスクトップ画面に表示された配布用ファイルのアイコンが重畳された地図画像を、第2のクライアント端末のデスクトップ画面上に表示することを目的とする。
【0065】
送信部130は、第1のクライアント端末100a上で対象ファイルのアイコンが地図画像上に重畳表示されたとき、地図画像上のアイコンに対応する対象ファイルと、その対象ファイルに関連する目標位置情報を地図画像配信サーバ150に送信する。例えば、地図画像がブラウザに表示されるのであれば、ブラウザに搭載される送信プログラムを用いてそれらの情報を送信してもよい。なお、送信のタイミングは、例えば、アイコンが地図画像上に表示された時点である。地図画像配信サーバ150は、送信部130により送信された対象ファイルの目標位置情報を参照し、その目標位置情報に従って対象ファイルを地図画像格納領域152内の地図画像上に重畳する。
【0066】
第2のクライアント端末は、ユーザが所望する区域の地図画像上を参照したい旨の指示をユーザからマウスやキーボードなどの入力インタフェースを介して取得し、その指示を地図画像配信サーバ150に送信する。具体的には、キーワードがキーワード入力欄22に入力され、検索ボタン24がユーザにより押下されたとき、地図画像配信サーバ150は、そのキーワードを含む区域の地図画像を取得する。地図画像配信サーバ150は、その区域の地図画像をウェブページに掲載し、他のクライアント端末100にそのウェブページのURL(Uniform Resource Locator)を送信してもよい。ユーザは、第2のクライアント端末のウェブブラウザを用いて、IDとパスワードによりそのウェブページにログインし、そのウェブページに掲載された、アイコンが重畳された地図画像を参照する。必要であれば、第2のクライアント端末は、自身のキャッシュメモリ内にその地図画像を取得してもよい。
【0067】
実施の形態3によれば、広告配布主体が、第1のクライアント端末100a上で生成した対象ファイル、例えば配布用ファイルを地図画像配信サーバ150に送信することにより、ユーザは、第2のクライアント端末100上でその配布用ファイルのアイコンが重畳された地図画像を参照できる。また、ユーザによりそのアイコンがマウスなどの入力インタフェースでクリックされることで、ファイル管理処理部110は、そのアイコンに対応するファイルを起動できる。また、ユーザは、そのサムネイルをマウスなどの入力インタフェースでクリックすることで、ファイル管理処理部110は本来の大きさの画像をデスクトップ画面上に再現できる。実施の形態3によれば、広告配布主体と利用者間で配布用ファイルのアイコンを含む地図画像の共有が可能になる。
【0068】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。そうした変形例を以下に挙げる。
【0069】
実施の形態1では、クライアント端末100に含まれる地図画像一時格納領域102にユーザが所望する区域の地図画像が存在しない場合に、地図画像配信サーバ150からネットワーク12を介して地図画像を取得したが、変形例として、ユーザが所望する区域の地図画像が地図画像一時格納領域102に含まれているか否かにかかわらず、地図画像配信サーバ150からその地図画像を取得してもよい。これにより、クライアント端末100は地図画像配信サーバ150から最新の地図画像を取得できる。
【0070】
実施の形態1では、地図画像のデスクトップ画面上における表示位置を示す表示位置情報は、クライアント端末100の動作が終了する前に保存されたが、変形例として、プログラムで実装されるファイル管理処理部110の動作が終了する前に保存されてもよい。これにより、クライアント端末100の動作が終了することなく、プログラムであるファイル管理処理部110の動作が終了した場合でも、そのファイル管理処理部110は、自身の動作を再開したときに、自身の終了前の地図画像の表示位置を再現できる。
【0071】
実施の形態3では、第2のクライアント端末からのリクエストがあった場合に、地図画像配信サーバ150から、第1のクライアント端末100a上で生成された対象ファイルのアイコンを含む地図画像が配信されたが、変形例として、地図画像配信サーバ150は、第2のクライアント端末からのリクエストがない場合でも、広告配布主の配信指示を取得したときに、対象ファイルのアイコンを含む地図画像を提供してもよい。この場合、第2のクライアント端末は、広告配布主の配信指示により開始される地図画像の配信を受け付けるか否かの設定指示をユーザから取得できてもよい。
【0072】
実施の形態1〜実施の形態3に係るファイル管理装置は、地図画像配信サーバ150とクライアント端末100で構成されるものであったが、変形例として、クライアント端末100のみで構成されてもよい。この場合、クライアント端末100には、図2に示す地図画像一時格納領域102のかわりに、上述の地図画像格納領域152と地図画像一時格納領域102とを含む地図画像部が新たに設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】実施の形態1に係るファイル管理装置を含む地図配信システムの構成を示す図である。
【図2】実施の形態1に係るクライアント端末の構成を示す図である。
【図3】地図画像ファイル名と、地図画像ファイルに含まれる地図画像の範囲を特定する情報との対応関係を有する表示範囲特定ファイルのデータ構造の一例を示す図である。
【図4】対象ファイルのファイル名と地図画像上の目標位置情報とを関連付けた対象ファイル位置情報対応表のデータ構造の一例を示す図である。
【図5】地図画像ファイル名と、地図画像ファイルに含まれる地図画像の表示位置に関する表示位置情報との対応関係を有する地図画像位置情報対応表のデータ構造の一例を示す図である。
【図6】クライアント端末上のデスクトップ画面に表示させる地図画像の区域を特定する際にユーザにより操作されるツールバーと、そのツールバーを用いて検索され、表示された地図画像とを示す図である。
【図7】対象ファイルに対応するアイコンが地図画像上に重畳させて表示される様子を示す図である。
【図8】実施の形態1に係る地図画像の配信動作の流れとファイル管理処理の流れとを表すフローチャートである。
【図9】実施の形態2に係るファイル管理装置の構成を示す図である。
【図10】クライアント端末のデスクトップ画面上に表示された電子カレンダーを示す図である。
【図11】実施の形態2に係るカレンダー表示処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】実施の形態3に係る第1のクライアント端末の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0074】
12 ネットワーク、 100 クライアント端末、 100a 第1のクライアント端末、 102 地図画像一時格納領域、 104 位置情報対応関係保持部、 106 日付情報対応関係保持部、 108 表示位置保存部、 112 位置情報指定部、 114 地図画像表示部、 116 ファイル指定部、 118 アイコン表示部、 120 表示位置保存部、 122 関係性日付指示取得部、 124 日付情報対応関係保持部、 126 カレンダー表示部、 128 カレンダー指示取得部、 150 地図画像配信サーバ、 152 地図画像格納領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数区域の地図画像を、各区域の現実世界における位置を示す現実位置情報と対応させて保持する地図画像格納部と、
画面に表示させる区域を特定するために現実位置情報を指定する指示をユーザから取得する位置情報指定部と、
前記取得された現実位置情報に対応する区域の地図画像を前記地図画像格納部から抽出して画面に表示させる地図画像表示部と、
前記表示された地図画像に含まれる地点と関係性をもたせる対象ファイルを指定する指示と前記地点を目標地点として指定する指示とをユーザから取得するファイル指定部と、
所定の格納領域における前記対象ファイルの所在を示すパス情報を、前記目標地点の位置を示す目標位置情報と対応させて保持する位置情報対応関係保持部と、
前記対象ファイルを視覚的に表示するためのアイコンを前記表示された地図画像における前記目標地点に対応する位置に重畳させて表示する表示処理を行うアイコン表示部と、
を含むことを特徴とするファイル管理装置。
【請求項2】
前記アイコン表示部は、前記対象ファイルが画像ファイルである場合に、前記画像ファイルのサムネイルを生成し、そのサムネイルを前記アイコンとして表示することを特徴とする請求項1に記載のファイル管理装置。
【請求項3】
前記対象ファイルと関係性をもたせる日付を指定する指示をユーザから取得する関係性日付指示取得部と、
前記対象ファイルと前記取得された日付との対応関係を保持する日付情報対応関係保持部と、
ユーザの指示に従って画面上に電子カレンダーを表示するとともに、前記保持された前記対象ファイルと前記日付との対応関係を前記電子カレンダー上の日付と対応させて表示するカレンダー表示部と、
前記電子カレンダーにおいて前記対象ファイルを指定する指示をユーザから取得するカレンダー指示取得部と、
をさらに含み、
前記地図画像表示部は、前記電子カレンダーにおいて指定された対象ファイルと対応付けられた目標地点を含む地図画像を表示し、
前記アイコン表示部は、前記電子カレンダーにおいて指定された対象ファイルについて前記アイコンを表示することを特徴とする請求項1または2に記載のファイル管理装置。
【請求項4】
前記地図画像表示部により表示された地図画像の画面上における表示位置を示す表示位置情報を、当該装置の動作が終了する前に保存する表示位置保存部をさらに含み、
前記地図画像表示部は、当該装置の動作が再開したときに、前記表示位置情報を参照することにより、終了前の表示位置を再現することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のファイル管理装置。
【請求項5】
当該装置は、ネットワーク経由で接続されたサーバとクライアント端末で構成され、
前記地図画像格納部は、前記サーバ上に設けられた地図画像格納領域と、前記地図画像格納領域からネットワーク経由で送信される地図画像を記憶するために前記クライアント端末上に設けられた地図画像一時格納領域とから構成され、
前記地図画像表示部は、前記地図画像格納領域および前記地図画像一時格納領域のうちいずれかから前記地図画像を取得することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のファイル管理装置。
【請求項6】
複数区域の地図画像と各区域の現実世界における位置を示す現実位置情報とを対応させるステップと、
画面に表示させる区域を特定するために現実位置情報を指定する指示をユーザから所定のインタフェースを介して取得するステップと、
前記取得された現実位置情報に対応する区域の地図画像を所定のデータベースから抽出して画面に表示させるステップと、
前記表示された地図画像に含まれる地点と関係性をもたせる対象ファイルを指定する指示と前記地点を目標地点として指定する指示とをユーザから所定のインタフェースを介して取得するステップと、
所定の格納領域における前記対象ファイルの所在を示すパス情報と前記目標地点の位置を示す位置情報との対応関係を参照し、前記対象ファイルを視覚的に表示するためのアイコンを前記表示された地図画像における前記目標地点に対応する位置に重畳させて表示するステップと、
を含むことを特徴とするファイル管理方法。
【請求項7】
複数区域の地図画像と各区域の現実世界における位置を示す現実位置情報とを対応させるステップと、
画面に表示させる区域を特定するために現実位置情報を指定する指示をユーザから所定のインタフェースを介して取得するステップと、
前記取得された現実位置情報に対応する区域の地図画像を所定のデータベースから抽出して画面に表示させるステップと、
前記表示された地図画像に含まれる地点と関係性をもたせる対象ファイルを指定する指示と前記地点を目標地点として指定する指示とをユーザから所定のインタフェースを介して取得するステップと、
所定の格納領域における前記対象ファイルの所在を示すパス情報と前記目標地点の位置を示す位置情報との対応関係を参照し、前記対象ファイルを視覚的に表示するためのアイコンを前記表示された地図画像における前記目標地点に対応する位置に重畳させて表示するステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とするファイル管理プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2007−156758(P2007−156758A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−350016(P2005−350016)
【出願日】平成17年12月2日(2005.12.2)
【出願人】(399123328)日本コンピュータグラフィック株式会社 (5)
【Fターム(参考)】