説明

ファクシミリ装置、及びその制御方法、記憶媒体、プログラム

【課題】 並行して実行することが可能なファクシミリ通信の通信数を予め設定しておくことにより、複数のファクシミリ通信が並行して実行される場合であっても、各ファクシミリ通信を確実に行えることである。
【解決手段】 第1または第2のデータ通信装置と並行して通信する同時通信数と、それぞれの同時通信数の総和数をそれぞれ個別に設定する。そして、通信開始を要求する相手が第1または第2のデータ通信装置のいずれであるかを判別する(S602)。そして、第1と第2のデータ通信装置との各通信数が、設定された第1〜第3の同時通信数を超えているかを判断する(S603、S607)。そして、第1〜第3の同時通信数いずれかの同時通信数を超えていると判断した場合、第1または第2のデータ通信装置による通信要求を制限する(S606、S610)ことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲートウェイ複数のファクシミリ通信を並行して行うことが可能なファクシミリ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ITU-T勧告T.30に従って公衆回線を介して実行されるG3ファクシミリ通信機能(以下、T.30通信とする)や、ITU-T勧告T.37に従ってインターネットを介して実行されるストアアンドフォワード型インターネットファクス通信機能を備えたが装置が存在する。そして、下記特許文献1に示すように、近年ではインターネットを利用してリアルタイムに通信を行うために、ITU-T勧告T.38に従ってLANまたはインターネットを介して実行されるリアルタイム型インターネットファクシミリ通信機能(以下、T.38通信とする)を備えた装置も出現している。そして、このT.38通信ではITU-T勧告T.38に準拠したゲートウェイ装置を介して、公衆回線に接続されたT.30通信対応の装置との通信も可能になってきている。
【0003】
なお、ここで、T.30通信対応の装置とは、公衆回線に接続可能な電話機やファクシミリ装置などのアナログ端末装置である。これに対して、T.38通信対応の装置とは、ローカルエリアネットワーク(LAN)やインターネットなどのデータ通信網に接続可能な機器であって、インターネットプロトコル(IP)でパケット通信するデジタル端末装置である。
【特許文献1】特開2002−44357号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した各種ネットワークに接続しT.38/T.30通信を行うシステムでは、通信論理チャネルは多数接続可能である。つまり、複数のファクシミリ通信を同時に並行して実行することが可能であるが、ある程度の通信数を超えるとシステム負荷が大きくなり、送信側または受信側の装置における処理が間に合わないという問題がある。特に、送信側での符号化処理または受信側での復号化処理が遅れてしまうと、ファクシミリ信号の遅延が発生する可能性があり、予め決められたタイマー値を超過してしまうと通信が切断されてしまうという問題がある。
【0005】
特にT.38プロトコルのゲートウェイ(以下、GW(T.38)と記載する)を経由して、あるいはPSTNを経由してT.30通信対応の装置と通信する場合にその処理が間に合わず、通信できなくなるという問題があった。すなわち、特にT.30通信の場合は、上述したタイマー値が厳格に規定されているので、通信が頻繁に切断されてしまうおそれがある。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、並行して実行することが可能なファクシミリ通信の通信数を予め設定しておくことにより、複数のファクシミリ通信が並行して実行される場合であっても、各ファクシミリ通信を確実に行える仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する本発明のデータ通信装置は以下に示す構成を備える。
【0008】
公衆回線を含む第1の通信経路を介して実行される第1のファクシミリ通信、または前記公衆回線を含まない第2の通信経路を介して実行される第2のファクシミリ通信を実行するファクシミリ通信手段を備えたファクシミリ装置であって、並行して実行することが可能な前記第1のファクシミリ通信または前記第2のファクシミリ通信の通信数を示す制限情報を管理する管理手段と、前記第1の通信経路または前記第2の通信経路を用いてファクシミリ通信を実行している時に、新たなファクシミリ通信の開始要求を受け付ける受付手段と、前記新たなファクシミリ通信に用いられる通信経路が、前記第1の通信経路または前記第2の通信経路のいずれであるかを判定する判定手段と、前記管理手段により管理された情報及び前記判定手段による判定の結果に基づいて、前記新たなファクシミリ通信を開始するか否かを決定し、前記ファクシミリ通信手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
上記目的を達成する本発明のファクシミリ装置の制御方法は以下に示す構成を備える。
【0010】
公衆回線を含む第1の通信経路を介して実行される第1のファクシミリ通信、または前記公衆回線を含まない第2の通信経路を介して実行される第2のファクシミリ通信を実行することが可能なファクシミリ装置の制御方法であって、並行して実行することが可能な前記第1のファクシミリ通信または前記第2のファクシミリ通信の通信数を示す制限情報を記憶媒体に記憶させて管理する管理工程と、前記第1の通信経路または前記第2の通信経路を用いてファクシミリ通信を実行している時に、新たなファクシミリ通信の開始要求を受け付ける受付工程と、前記新たなファクシミリ通信に用いられる通信経路が、前記第1の通信経路または前記第2の通信経路のいずれであるかを判定する判定工程と、前記管理工程で管理された情報及び前記判定工程における判定の結果に基づいて、前記新たなファクシミリ通信を開始するか否かを決定し、前記ファクシミリ通信手段を制御する制御工程とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、並行して実行することが可能なファクシミリ通信の通信数を予め設定しておくことにより、複数のファクシミリ通信が並行して実行される場合であっても、各ファクシミリ通信を確実に行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
【0013】
<システム構成の説明>
〔第1実施形態〕
以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の第1実施形態を示すデータ通信装置を適用するデータ通信システムの一例を示すブロック図である。本例は、データ通信装置を備える画像形成装置がインターネットを介してT.38プロトコルのファクシミ装置と直接、あるいは、T.38のゲートウェイを介してT.30プロトコルのファクシミリ装置と通信可能なシステム例である。
【0015】
図1において、1001、1006は、例えばT.38プロトコルを搭載した画像形成装置で構成されるマシンあり、インターネット1003とそれぞれネットワーク1002を介して通信可能に接続されている。
【0016】
また、マシン1001は、ネットワーク1002、インターネット1003、T.38プロトコルのゲートウェイ1004、アナログ公衆回線1005を介してG3ファクシミリ装置(FAX)1007と通信可能に構成されている。
【0017】
T.38プロトコルのゲートウェイ1004は、アナログ公衆回線1005を介して接続されたG3FAX1007とT.30プロトコルで通信する。
【0018】
T.38プロトコルを搭載したマシン1001、1006は、インターネット1003を介して接続され、T.38プロトコルを使用したデジタルファクシミリ通信を行う。
【0019】
また、T.38プロトコルを搭載したマシン1001とG3FAX(1007)は、ネットワーク1002とインターネット1003とT.38ゲートウェイ1004を経由して接続され、ファクシミリ通信を行う。
【0020】
この際に、T.38プロトコルを搭載したマシン1001とT.38ゲートウェイ1004の間はT.38プロトコルを使用したデジタルファクシミリ通信を行う。
【0021】
また、T.38ゲートウェイ1004とG3FAX1007の間はアナログ公衆回線1005で接続され、T.30プロトコルを使用したアナログファクシミリ通信を行う。
【0022】
そして、T.38プロトコルを搭載した画像形成装置であるマシン1001はインターネット1003と通信セッションを複数張ることが可能に構成されている。そして、インターネット1003を経由して複数のT.38プロトコルを搭載した画像形成装置やG3FAXと同時に通信を行うことが可能である。なお、図には示さないが、インターネット1003または公衆回線1005上にはマシン1006またはマシン1007と同様の機能を有するデータ通信装置がさらに備えられている。
【0023】
図2は、本実施形態を示すデータ通信装置を適用する画像形成装置の構成を説明するブロック図である。また、ネットワーク201には、後述するようなSIPサーバ、T.38ゲートウェイ、G3ファクシミ装置、T.38ファクシミリ装置等が接続可能に構成されている。なお、本実施形態では、データ通信装置を画像形成装置に適用する場合について説明するが、データ通信装置がコンピュータ装置に適用される場合であってもよい。
【0024】
なお、本実施形態では、ゲートウェイ1004を介してインターネット1002に接続可能な第1のデータ通信装置として、G3FAX1007を例とする。また、インターネット1002に接続可能な第2のデータ通信装置として、マシン1006を例としている。そして、データ通信装置例であるマシン1001がインターネット1003を介してT.38プロトコルで、マシン1007及びマシン1006とそれぞれデータ通信を行う。
【0025】
また、マシン1001では、後述する図7に示す操作画面を介して、ゲートウェイ1004を介してインターネット1002に接続可能なG3FAX1007と同時にT.38プロトコルで通信する第1の同時通信制限数を設定可能である。同様に、インターネット1002に接続可能なマシン1006と同時にT.38プロトコルで通信する第2の同時通信制限数を設定可能である。
【0026】
さらに、G3FAX1007とマシン1006が同時にT.38プロトコルで通信する第3の同時通信制限数とを個別に設定することが可能である。
【0027】
そして、後述するCPU207が図6に示す制御手順に従い、通信開始を要求する相手が第1または第2のデータ通信装置のいずれであるかを判別する。そして、判別された第1または第2のデータ通信装置の通信要求を許可すると、上記設定された第1〜第3の同時通信制限数を超えているかを判断する。
【0028】
そして、第1〜第3の同時通信制限数いずれかの値を超えていると判断した場合、第1または第2のデータ通信装置による通信要求を制限する。これにより、複数のファクシミリ通信を同時に実行することが可能であるが、ある程度の通信数を超えるとシステム負荷が大きくなり、それらの処理が間に合わないという事態を回避する。
【0029】
図2において、デジタル複合機202は、装置全体の動作を司るデジタル複合機の制御ユニット204を備える。また、デジタル複合機202は、出力画像の記録紙への印刷を行うプリンタ装置214と、記録紙から入力画像を読み取り、データとして装置内部に取り込むリーダ装置218とを備える。
【0030】
制御ユニット204は、ネットワーク201と繋がる通信線203を介して個々のクライアント端末やサーバ端末との入出力を司る入出力部205を通じて、各端末装置との通信を行う。また、入出力バッファ206は、ネットワークより入力される印刷のための制御コードや各種PDLデータを含む各種データや装置内の各種データの送受信を行う際に利用される。
【0031】
なお、図2に示した画像形成装置の入出力部205は、ネットワーク201を介して、T.30でT.30対応のファクシミリ装置とファクシミ通信可能に構成されている。また、ゲートウェイを介してT.38プロトコルのG3FAXとファクシミリ装置とファクシミ通信可能に構成されている。
【0032】
CPU207は、制御ユニット204全体の動作を制御する。プログラムROM222は、CPU207の動作を記述するプログラムが内蔵されている。
【0033】
RAM212は、前記制御コード、データの解釈や印刷、画像の読み込みに等に必要な計算、入出力される画像データの処理のためのワークメモリに利用される。なお、RAM上には、装置の電源が遮断されても保持しておく必要のあるデータを格納する不揮発性RAM(NVRAM)233が存在する。
【0034】
プログラムROM222には、ホストコンピュータから受信した印刷制御データを解釈する制御データ解釈部223を備える。プログラムROM222には、PDLを解釈するPDLデータ解釈部224、各種の画像オブジェクトを生成する画像情報生成部225を備える。
【0035】
さらに、プログラムROM222には、画像オブジェクトをビットマップ画像に展開するビットマップ画像展開部226、それぞれの処理により得られたビットマップ画像を圧縮/解凍を行う画像圧縮/解凍部227を備える。
【0036】
また、プログラムROM222には、画像データの印刷時の制御を司る画像データ印刷部228、画像データの送信時の制御を司る画像データ送信部229、画像データのスキャン時の制御を司る画像データ読み取り部230を備える。
【0037】
また、プログラムROM222には、展開された画像や、PDLのデータを再利用して印字したり、定型のフォームとして利用するオーバレイのデータを外部メモリ部210に保持して管理する登録画像管理部231を備える。
【0038】
さらに、プログラムROM222には、機器を利用できるユーザのユーザ名、パスワード等のユーザ情報を管理するユーザ管理部232を備える。また、プログラムROM222には、データやパネルにより機器にアクセスされた場合にユーザの認証を行うユーザ認証部236、バリアブルプリント時の色処理不具合警告とその解決を行う画像合成部237を備える。
【0039】
ビットマップ画像転送部217は、ビットマップ画像展開部によって展開されたビットマップ画像や、リーダ装置より読み込まれたビットマップ画像等をプリンタ装置に転送する。スキャナI/F部220は、プリンタ装置214の制御ユニットを繋ぐエンジンI/F部216、リーダ装置218と制御ユニットを繋ぐ。
【0040】
また、ビットマップ画像受信部221は、リーダ装置218から読み込まれたビットマップ画像を取り込む。また、操作パネル部208は、ユーザ毎にコマンドの制限を行う情報の入力や、機器全体の操作、および、エラーや操作ガイドなどの表示を行う。
【0041】
さらに、パネルI/F部209は、制御ユニット204と操作パネル部208を繋ぐ。また、メモリI/F部211は、印刷データや外部より入力された画像データ、印刷装置の各種情報等の保存に利用される外部メモリ部210と制御ユニットと外部メモリを繋ぐ。また。各ユニットをつなぐシステムバス213を備える。
【0042】
操作パネル部208は、登録されている登録画像を表示したり、印刷状況等、本デジタル複写機の各種情報を表示する液晶パネルがあり、この液晶パネルは、同時にタッチパネルとなっている。そして、ユーザがタッチパネルを触れた場合に、その入力を検知して、画面から、文字情報の入力等を行うことが可能となっている。
【0043】
また、操作パネル部208には、コピー等のスタートを指示するスタートキー、機器のリセットを行うリセットキー、電源ON/OFFのスイッチ、コピー枚数等を指定するためのテンキーが配置されている。また、操作パネル部208には、液晶パネルに表示されているカーソルの移動や表示されている機能の選択を行うときに利用するカーソルキーと決定キー、デジタル複合機の機能をコピーが配置されている。さらに、操作パネル部208には、画像送信、文書管理のそれぞれのモードに切り替える機能キー、また、利用するユーザを識別し、認証するためのログインキーが配置されている。
【0044】
また、プリンタ装置214には、紙の給紙から印刷、排出までの印刷の制御を行うエンジン制御部215が存在する。また、リーダ装置218には、画像を読み込むための記録紙の給紙、画像の読み込み、排出までの画像読み込みの制御を行うスキャナ制御部219が存在している。
【0045】
次に図2で説明したデジタル複合機のより詳細について、図3を用いて説明する。この複合機は、コピー・プリンタ・FAX・送信のそれぞれの機能を有している。
【0046】
図3は、本実施形態を示すデータ通信装置を適用した画像形成装置の構成を説明する図であり、(A)はリーダ装置218の原稿台上面を示し、(B)は画像形成装置の断面を示し、(C)はリーダ装置218のADFを外した原稿圧板の側面を示す。
【0047】
図3において、本複合機はスキャナ301とドキュメントフィーダ(DF)302と、カラー4色ドラムを備えるプリント記録用のプリンタ313と、給紙デッキ314とフィニッシャ315からなる。
【0048】
はじめにスキャナ301を中心に行われる読取り動作について説明する。
【0049】
原稿台に原稿をセットして読み込みを行う場合には、原稿台307に原稿をセットしてDF302を閉じる。すると、開閉センサが原稿台が閉じられたことを検知した後、スキャナ301の筐体内にある反射式の原稿サイズ検知センサ331〜335が、セットされた原稿サイズを検知する。
【0050】
このサイズ検知を起点にして光源310で原稿を照射し、反射板311、レンズ312を介してCCD343が画像を読み取り、しかる後デジタル信号に変換される。そして、そのデジタル信号に対して、所望の画像処理を行ってレーザ記録信号に変換される。変換された記録信号は、コントローラ内のメモリに格納される。
【0051】
DF302に原稿をセットして読み込みを行う場合には、DF302の原稿セット部303のトレイに原稿をフェイスアップで載置する。すると、原稿有無センサ304が、原稿がセットされたことを検知する。これを受けて原稿給紙ローラ305と搬送ベルト306が回転して原稿を搬送し、原稿台307上の所定の位置に原稿がセットされる。これ以降は原稿台での読み込みと同様に画像が読み込まれ、コントローラ内のメモリに格納される。
【0052】
このようにして読み込みが完了すると、再び搬送ベルト306が回転して図の右側に原稿を送り、排紙側の搬送ローラ308を経由して原稿排紙トレイ309へ排紙する。
【0053】
原稿が複数存在する場合は、原稿台から原稿が図の右側に排紙搬送されるのと同時に、原稿給紙ローラ305を経由して左側から次原稿が給送され、次原稿の読み込みが連続的に行なわれる。以上がスキャナの動作である。
【0054】
続いて、プリンタ313を中心に行われる印刷動作について説明する。コントローラ内のメモリに一旦記憶された記録信号(印刷画像データ)は、プリンタ313へと転送される。そして、レーザ記録部でYellow、Magenta、Cyan、Blackの4色の記録レーザ光に変換される。そして、各色の感光体316に照射され、感光体に静電潜像を形成する。
【0055】
そして、トナーカートリッジ317から供給されるトナーによりトナー現像を行い、可視化された画像は中間転写ベルト321に一次転写される。
【0056】
その後、中間転写ベルト321は時計回転方向に回転し、用紙カセット318、あるいは給紙デッキ314から給紙搬送路319を通って給送された記録紙が二次転写位置320に到達する。そして、中間転写ベルト321から記録紙へと画像が転写される。
【0057】
画像が転写された記録紙は、定着器322で、加圧と熱によりトナーが定着され、排紙搬送路を搬送された後、機外に排出される。この際、フェイスダウンのセンタートレイ323か、スイッチバックしてフィニッシャへの排紙口324か、あるいはフェイスアップのサイドトレイ325へと排紙される。
【0058】
但し、サイドトレイ325はフィニッシャ315が未装着の場合にのみ排紙可能な排紙口である。
【0059】
フラッパ326および327は、これらの排紙口を切り替えるために搬送路を切り替えるためのものである。両面プリントの場合には、定着器322を通過後に、フラッパ327が搬送路を切り替える。そして、その後用紙がスイッチバックして下方に記録紙が送られ、両面印刷用紙搬送路330を経て再び二次転写位置320に給送され、両面動作を実現する。
【0060】
続いて、フィニッシャ315で行われる動作について説明する。フィニッシャ315では、ユーザに指定された機能に応じ、印刷済み用紙に対して後処理を加える。
【0061】
具体的には、ステイプル(1個所・2箇所綴じ)やパンチ(2穴・3穴)、製本中綴じ等の機能を有する。
【0062】
図3の複合機には排紙トレイ328は2つ有り、フィニッシャ315への排紙口324を通過してきた記録紙は、ユーザの設定によって、例えばコピー・プリンタ・FAX・送信の機能毎に排紙トレイを振り分けられる。
【0063】
プリンタ313は、カラー4ドラムのプリンタではあるが、カラー1ドラムのエンジンでも良いし、白黒記録のプリンタエンジンでも良いことは言うまでもない。
【0064】
プリンタとして利用される場合、ドライバにより白黒プリント/カラープリント、用紙サイズ、2UP・4UP印刷・N-UP印刷、両面、ステイプル、パンチ、製本中綴じ、合紙、表紙、裏表紙などの各種設定が可能である。
【0065】
次に、上述したシステム構成でのデジタル複合機のコントローラでの機能、および、動作について、ホストコンピュータを取り上げて以下に説明する。
【0066】
ここでは、例としてホストコンピュータとの動作を説明するが、ほかのホストコンピュータ、あるいは任意のネットワーク上のホストコンピュータにおいても同様である。
【0067】
<ユーザ認証>
本画像形成装置は、制御データの解釈中にユーザIDおよびパスワードが検出されると、該当のユーザが本デジタル複合機を利用していいかどうかのチェックがユーザ管理部232において行わる。
【0068】
ユーザからの指定により、ホストコンピュータで作成した文書の印刷の実行が指示されると、ホストコンピュータから通信線203を介して送信されてきた制御コード、印刷データ(PDLで記述されたデータ等)が送られる。そして、ホストI/F部205を介して入出力バッファ206を経由してRAM212に蓄えられる。ここで、例えば、データはパケットデータが送信される。
【0069】
そして、パケットデータのヘッダにはパケットの種類を表すIDが格納されており、この場合は、印刷データなので、印刷データを示すIDが格納されている。
【0070】
次に、機器制御データがあり、機器の制御命令や、機器のデフォルト設定の変更、機器の管理状況等を設定するコマンド列となる。
【0071】
また、機器制御データ中には、ホストコンピュータ1において、予め機器を利用するために発行されているユーザIDと、IDに対応したパスワードがデータの一部として埋め込まれている。
【0072】
更に、機器制御データに続く、あるいは機器制御データに挟まれる形で、印刷データとして、PDLのデータが含まれ、送信されることになる。
【0073】
入力されたデータは、機器制御データ解釈中に、ユーザIDを認識すると、ユーザ管理部232により、以下の認証処理を行う。つまり、現在登録してあるNVRAM233上のユーザ情報を管理しているユーザ情報管理テーブル234を参照してユーザIDおよびパスワードを確認する。そして、ここで、認証が得られた場合には、制御データは、処理の終了まで、認証されたユーザ(以下、認証ユーザ)のモードで処理が行われる。
【0074】
また、ここでユーザIDが存在しない、パスワードが間違っているなどにより認証が得られない場合には、認証が得られないユーザ(以下、非認証ユーザ)に許される範囲での動作となる。
【0075】
通常、ユーザ情報が決定するまで処理が待ち状態になってしまうことが多いため、本実施例で示すようにユーザによって処理が変わるような場合には、ユーザの認証処理はなるべく早く行われる方が他の処理を待たせることがない。
【0076】
本実施形態においては、ユーザID、パスワードのデータは、他の制限コマンドよりも先に設定されていると仮定する。
【0077】
また、操作パネル部208においてもユーザ認証が行われ、前記ログインキーを押下すると、ユーザ名およびパスワードを入力するための画面が液晶パネルに現れる。ここで、ユーザが操作するカーソルにより、ユーザIDおよびパスワードを入力することにより、ユーザの認証が行われ、各認証ユーザに応じた処理を行うことが可能となる。また、ログインキーが押されずに操作された場合には、非認証ユーザとして許された範囲の操作が可能となる。
【0078】
<画像生成機能>
本画像形成装置は、ホストコンピュータで指定した文書を印刷、あるいは、登録するための画像生成機能を備えている。CPU207は、プログラムROM222に記述されたプログラムに従い、前記印刷データは、まず、制御データの部分が切り出される。そして、切り出された制御データは、制御データ解釈部223によって機器の各種制御命令により実行される機能の指示や、機器のデフォルト情報の設定などが行われる。
【0079】
ここで、前述のユーザ認証部での処理により、ユーザ認証が行われる。ユーザ認証が行われ、制御データ解釈部223における処理が終ると、PDLデータ解釈部224においてPDLデータの解釈が行われる。そして、PDLデータの解析結果に基づいて画像情報生成部225においてデータを処理し、図形や文字、イメージデータ等1つ1つ(画像オブジェクト)についての画像情報を生成する。
【0080】
そして、印刷を行う1ページ内の全ての画像オブジェクトの画像情報を生成後、ビットマップ画像展開部226において、ページ内の画像オブジェクトを実際に印刷できるビットマップ画像に展開し、RAM212に格納される。
【0081】
そして、画像圧縮/解凍部227により、ビットマップ画像を圧縮して、圧縮画像として格納されることになる。
【0082】
また、制御コードの指定によって、以下に説明する画像登録機能と共に動作させることを目的として、以下のデータをRAM212上に格納しておくことも可能である。ここで、データとは、制御データ解釈部223やPDLデータ解釈部224からの処理が行われていないデータと、ビットマップ画像展開部226によって展開されていない画像(中間オブジェクト画像)データとが含まれる。
【0083】
<スキャン画像読み取り機能>
本デジタル複合機は、リーダ部を通して、原稿からの読み取り画像を印刷、あるいは登録するためのスキャン画像読み取り機能を備えている。
【0084】
ユーザからの指定により、操作パネル部208、あるいは、ホストコンピュータ上から、制御コマンドによりスキャンの指示が行われる。
【0085】
具体的には、操作パネル部208からパネルI/F部209を通してユーザの指示が入力される。これを受けて、CPU207は、プログラムROM222に記述された画像データ読み取り部230のプログラムを読み出す。そして、CPU207は、スキャナI/F部220を通してリーダ装置218を動作を制御して、リーダ装置218から原稿文書のスキャン画像をスキャナI/F部220を通して取り込む。
【0086】
そして、取り込まれた画像データは、ビットマップ画像受信部221を通してRAM212に格納され、画像圧縮/解凍部227によりビットマップ画像を圧縮し、圧縮画像としてRAM212に保持することになる。
【0087】
<画像登録機能>
本画像形成装置は、前記画像生成機能、あるいは、前記スキャン画像読み取り機能によって得られた画像を外部メモリ部210に登録して保存する画像登録機能を備えている。
【0088】
上述した画像生成機能、あるいは、スキャン画像読み取り機能によって得られえた画像の登録が指定された場合について説明する。
【0089】
この場合は、RAM212に保持された圧縮画像は、メモリI/F部211を通して外部メモリ部210にそのままFile0001のファイル名で保存され、登録画像管理部231によりRAM212上の各種設定情報と共に登録される。
【0090】
本設定情報は、適宜に不揮発性のNVRAM233に書き込まれ、電源が落とされた場合にも、情報は保存されることになる。
【0091】
また、本画像登録機能においては、前述のビットマップが圧縮された圧縮画像を登録する方式とするが、他の以外であってもよい。例えば制御データ解釈部223、PDLデータ解釈部224によって解釈されていない、データや、ビットマップ画像展開部226によって展開されていない中間オブジェクト画像をそのまま登録することも可能である。
【0092】
<画像印刷機能>
本画像形成装置は、上述したように画像生成機能、あるいは、スキャン画像読み取り機能によりRAM212上に保持された圧縮画像を印刷する画像印刷機能を備えている。
【0093】
また、画像生成機能、スキャン画像読み取り機能によって得られえた画像の印刷が指定されると、CPU207は、プログラムROM222に記述された画像データ印刷部228のプログラムを実行する。そして、CPU207は、RAM212に保持されている圧縮画像を、画像圧縮/解凍部227によりビットマップ画像に展開して印刷処理を行う。
【0094】
この場合、設定されている給紙口や、排紙口、印刷モード等の各種印刷設定をエンジンI/F部216を通してエンジン制御部215に設定する。すると、選択された画像は、ビットマップ画像転送部217においてエンジンI/F部216を通して、エンジン部に送られ、印刷が行われて指定された排紙口より排紙されることになる。
【0095】
また、画像登録機能によって、登録されていた画像を印刷することも可能であり、その場合には、RAM212上に格納されている画像に応じて、制御データを含むデータであれば以下の処理を行う。
【0096】
この場合は、制御データ解釈部223、PDLデータであればPDLデータ解釈部224において、データの解釈を行い、画像情報生成部225においてデータを処理し、 中間オブジェクト画像を生成する。
【0097】
そして、ビットマップ画像展開部226において、ページ内の画像オブジェクトを実際印刷できるビットマップ画像に展開する。そして、展開されたビットマップ画像データがビットマップ画像転送部217においてエンジンI/F部216を通して、エンジン部に送られて印刷が行われる。
【0098】
また、中間オブジェクト画像であれば、ビットマップ画像展開部226において、ページ内の画像オブジェクトを実際印刷できるビットマップ画像にページ単位で展開する。そして、展開されたビットマップが阿蔵データが、ビットマップ画像転送部217においてエンジンI/F部216を通して、エンジン部に送られて印刷が行われる。
【0099】
<プリント機能>
本画像形成装置では、画像生成機能および、画像印刷機能を連続して印刷する機能によりプリント機能を実現している。ユーザによるホストコンピュータからのプリント指示は、このプリント機能により実現されることになる。
【0100】
このようにしてプリント指示が行われると、CPU207は、画像生成機能および画像印刷機能を実行し、ホストから送られた文書の画像が画像生成機能により、展開されて蓄えられる。そして、これと共に、画像印刷機能による印刷が実行され、プリンタ装置よりホストコンピュータで生成された文書が印刷されることになる。
【0101】
<コピー機能>
本画像形成装置では、スキャン画像読み取り機能と画像印刷機能を連続して印刷する機能によりコピー機能を実現している。
【0102】
ユーザが、コピーしたい原稿をリーダ装置にセットし、パネルでコピーキーを選択し、スタートキーを押す、あるいは、ホストコンピュータから制御データのコマンドにより、コピー指示を行う。すると、CPU207は、スキャン画像読み取り機能および画像印刷機能を実行し、スキャン画像読み取り機能により、原稿のスキャン画像がRAM212に蓄えられる。これと共に、画像印刷機能による印刷が実行され、プリンタ装置より読み取られた画像が印刷されることになる。
【0103】
<画像送信機能>
本画像形成装置では、前記画像登録機能により登録されている画像データを送信する機能を有している。ユーザが送信したい原稿をパネルで送信キーを選択して、液晶パネルに表示される文書を選択した場合やホストコンピュータにより選択して指示する。すると、CPU207は、プログラムROM222に記述された画像データ送信部229のプログラムに従い、画像圧縮/解凍部227により画像をビットマップ画像に変換して、RAM212に保存する。
【0104】
その後、RAM212に保存された画像を、ユーザがパネルやホストコンピュータにより指定されたメールアドレスに対して画像を添付し、入出力バッファを通して、入出力部より、送信することになる。
【0105】
なお、本実施形態では、一般的にファクシミリ装置はアナログ公衆回線(電話回線)に接続して、ITU−T勧告T.30によるプロトコルにより、アナログ信号を処理するモデムを使用して画像データを送受信するアナログファクシミリ通信が可能である。
【0106】
一方、ネットワーク回線を経由したファクシミリ通信はITU−T勧告T.38によるプロトコルにより、デジタルデータを送受信するデジタルファクシミリ通信が可能である。
【0107】
図4は、本実施形態を示すデータ通信装置における第1のセッション例を示す図である。本例は、ネットワークを介してT.38プロトコルを搭載した画像形成装置同士の通信状況の概略を示した例である。なお、説明上、送信機と受信機という関係で説明するが、それぞれが、IP通信機能を備えるデータ処理装置、いわゆるコンピュータ装置で構成することも可能である。さらに、後述するように、IP通信機能を備える画像形成装置であっても同様である。なお、図4において、F1〜F14は各セッションを示し、D1〜D4はデータ転送を示す。
【0108】
まず、送信機41から送信側のSIP(Session Initiation Protocol)サーバ42に向けて、セッション開始要求としてINVITEが出され発呼が開始される(F1)。これを受け取った送信側のSIPサーバ42は受信側のSIPサーバ43にINVITEを出す(F2)。これとともに、所定時間内に送信機41に対して応答が必要なため、暫定応答としてTRYINGを送信機41に返す(F4)。
【0109】
そして、送信側のSIPサーバ42からのINVITEを受け取った受信側のSIPサーバ43は受信機44にINVITEを出す(F3)。これとともに、暫定応答としてTRYINGを送信側のSIPサーバ42に返す(F5)。
【0110】
そして、受信側のSIPサーバ43からのINVITEを受け取った受信機44は、応答が可能な場合には受信側のSIPサーバ43に対して、呼び出し音を鳴らしRINGINGを返す(F6)。この応答を受け取った受信側のSIPサーバ43は送信側のSIPサーバ42に対して、RINGINGを返す(F7)。
【0111】
この応答を受け取った送信側のSIPサーバ42は送信機41に対して、RINGINGを返す(F8)。このRINGINGの返答と並行して、送信機41で応答が可能になったら、リクエスト成功としてOKを受信側のSIPサーバ43に返す(F9)。
【0112】
この応答を受け取った受信側のSIPサーバ43は送信側のSIPサーバ42に対して、OKを返す(F10)。この応答を受け取った送信側のSIPサーバ42は送信機41に対して、OKを返す(F11)。
【0113】
この応答を受け取った送信機41は、セッション開始を確認した意味としてACKを受信機に応答する(F12)ことで両者が呼接続される。以上がT.38におけるSIPによる呼制御の一例である。
【0114】
次に、呼接続が確立した送信機41と受信機44の間でMediaSessionとしてT.38プロトコルでのデータ転送D1〜D4が行われる。
【0115】
そして、全てのデータ転送が終了したら、送信機41から受信機44に対して、セッション終了要求としてBYEが出される(F13)。これを受け取った受信機44がOKを送信機41に対して返答する(F14)ことで、呼切断されT.38プロトコルでの通信が終了する。
【0116】
図5は、本実施形態を示すデータ通信装置における第2のセッション例を示す図である。本例は、T.38プロトコルを搭載した画像形成装置とT.38GWを通じて接続されたG3FAXとの通信状況の概略を示した例である。なお、図4において、F21〜F36は各セッションを示し、D11〜D13、D21〜D23はデータ転送を示す。
【0117】
まず、T.38送信機51から送信側のSIPサーバ52に向けて、セッション開始要求としてINVITEが出され発呼が開始され(F21)、これを受け取った送信側のSIPサーバ52は受信側のSIPサーバ53にINVITEを出す(F21)。これとともに、所定時間内にT.38送信機51に対して応答が必要なため、暫定応答としてTRYINGをT.38送信機に返す(F24)。
【0118】
そして、送信側のSIPサーバ52からのINVITEを受け取った受信側のSIPサーバ53はT.38GW54を介してG3FAX55にT.30プロトコルでINVITEを出す(F23)。これとともに、暫定応答としてTRYINGを送信側のSIPサーバに返す(F25)。
【0119】
そして、受信側のSIPサーバ53からのINVITEをT.38GW54を介して受け取ったG3FAX55は、応答が可能な場合には受信側のSIPサーバ54に対して、呼び出し音を鳴らしT.38GW54を介してRINGINGを返す(F26)。
【0120】
この応答をT.38GW54を介して受け取った受信側のSIPサーバ53は送信側のSIPサーバ52に対して、RINGINGを返す(F27)。
【0121】
この応答を受け取った送信側のSIPサーバ52はT.38送信機51に対して、RINGINGを返す。このRINGINGの返答と並行して、G3FAX55で応答が可能になったら、リクエスト成功としてOKをT.38GW54を介して受信側のSIPサーバ53に返す(F29)。
【0122】
この応答をT.38GW54を介して受け取った受信側のSIPサーバ53は送信側のSIPサーバ52に対して、OKを返す(F30)。この応答を受け取った送信側のSIPサーバ52はT.38送信機51に対して、OKを返す(F31)。この応答を受け取ったT.38送信機51は、セッション開始を確認した意味としてACKをT.38GW54に対して応答する(F32)。これを受け取ったT.38GW54はG3FAX55に対してACKを応答する(F33)ことで両者が呼接続される。以上がT.38とT.38GWを介して接続されたG3FAXにおけるSIPによる呼制御である。
【0123】
次に、呼接続が確立したT.38送信機とT.38GWの間でMedia SessionとしてT.38プロトコルでのデータ転送D11〜D13が行われる。
【0124】
さらに、このT.38GW54と呼接続が確立したG3FAX55の間でMedia SessionとしてT.30プロトコルでのデータ転送D21〜D23が行われる。
【0125】
そして、全てのデータ転送が終了したら、T.38送信機51からT.38GW54に対して、セッション終了要求としてBYEが出され(F34)、このT.38GWからG3FAXに対してBYEが出される。これを受け取ったG3FAX55がT.38GW54に対してOKを返答し(F36)、このT.38GW54がT.38送信機51に対してOKを返答する(F37)ことで、呼切断されT.38プロトコル及びT.30プロトコルでの通信が終了する。
【0126】
図6は、本実施形態を示すデータ通信装置における第1の通信処理手順を示すフローチャートである。本処理は、図5に示したシステム環境において、発明における新規通信要求時の通信制御例である。なお、S601〜S611は各ステップを示す。また、各ステップは、図2に示したCPU207がプログラムROM222に記憶される通信制御プログラムをRAM212にロードして実行することで実現される。
【0127】
まず、S601で、新しいセッション開始要求がT.38プロトコルを搭載した画像形成装置に対してくる。
【0128】
そこで、S602で、T.38プロトコルを搭載した画像形成装置のCPU207は、相手先を判定する。具体的には、このセッション開始要求の相手先がT.38送受信機かT.38GW経由でのG3FAXかをCPU207が判別する。これは、図7に後述するように同時通信制限をそれぞれ設定可能なため、どちらの相手先からのセッション開始要求かをCPU207が判別するためである。
【0129】
ここで、新しいセッション開始要求がT.38送受信機からであると判別した場合には、S603で、この通信要求があったときに既にT.38の同時通信制限数に達しているか否かを判別する。
【0130】
なお、T.38の同時通信制限数は、あらかじめ操作パネル部208や図示しないホストコンピュータからのコマンドで設定可能に構成されている。また、操作パネル部208からの同時通信制限数の設定処理については、図7において詳述する。ここで、同時通信制限数を設定するのは、T.38ゲートウェイ(以下、T.38GWと記載する)を経由して、又はPSTNを経由してG3FAXと通信する場合にその処理が間に合わなくなるという問題を回避のためである。なお、同時通信制限数は、初期化処理後、RAM212上に保持されて、通信制御時に、CPU207により参照される。
【0131】
上記S603で、T.38の同時通信制限数に達しているとCPU207が判別した場合は、S606でT.38送受信機からの新しいセッション開始要求を受け付けない処理を実行して、本処理を終了する。
【0132】
一方、S603で、T.38の同時通信制限数に達していないとCPU207が判別した場合は、S604で、T.38プロトコル全体での同時通信制限数に達しているか否かを判別する。ここで、T.38プロトコル全体での同時通信制限数に達しているとCPU207が判別した場合は、S606へ進み、T.38送受信機からの新しいセッション開始要求を受け付けない処理を行う。
【0133】
一方、S604で、T.38プロトコル全体での同時通信制限数に達していないとCPU207が判定した場合には、S605で、新規着呼として、このT.38の送受信機からの新しいセッション開始要求を受け付ける。そして、S611で、全ての同時通信を継続して、本処理を終了する。
【0134】
一方、S602で、新しいセッション開始要求がT.38GW経由でのG3FAXからであると判別した場合には、S607で、この通信要求があったときにすでにT.38GW54経由でのG3FAX55の同時通信制限数に達しているか否かを判別する。
【0135】
ここで、T.38GW54経由でのG3FAX55の同時通信制限数に達しているとCPU207が判別した場合には、S610へ進む。そして、S610で、T.38GW54経由でのG3FAX55からの新しいセッション開始要求を受け付けない処理を行う。
【0136】
一方、S607で、T.38GW54経由でのG3FAX55の同時通信制限数に達していないとCPU207が判別した場合には、S608に進む。そして、S608で、さらに、T.38プロトコル全体での同時通信制限数に達しているか否かをCPU207が判別する。ここで、T.38プロトコル全体での同時通信制限数に達しているとCPU207が判別した場合は、S610へ進む。そして、S610で、T.38GW54経由でのG3FAX55からの新しいセッション開始要求を受け付けない処理を実行して、本処理を終了する。
【0137】
一方、S608で、T.38プロトコル全体での同時通信制限数に達していないとCPU207が判別した場合には、S609へ進む。そして、S609で、新規着呼として、このT.38GW経由でのG3FAXからの新しいセッション開始要求を受け付け、S611で、全ての同時通信を継続して、本処理を終了する。
【0138】
なお、本実施形態では、S603、S607による第1または第2の同時通信数をS604、S608の第3の同時通信数よりも優先して判断して、第1または第2の同時通信数を超えていれば、直ちに通信要求を制限する。
【0139】
これにより、ユーザにより設定された同時通信制限数を超えない場合は、T.38GWを経由して、又はPSTNを経由してG3FAXと通信する場合にその処理が間に合わなくなるという問題を回避することができる。
【0140】
図7は、図2に示した操作パネル部208に表示されるユーザモードのユーザI/F画面の表示推移を説明する図である。本例は、ユーザが操作パネル部208の操作指示に伴って変化するユーザI/F画面の表示遷移例である。ここで、表示遷移は、T.38プロトコルでの同時通信数制限の設定を行うための画面遷移例である。
【0141】
具体的には、図6に示した同時通信制限数の設定に関わる操作画面例である。この同時通信制限数とは、新しいセッション開始要求を受け付けるか否かをCPU207が判別するための情報である。
【0142】
なお、S701〜S704は、操作パネル部208に対する指示と操作画面の状態の遷移の状況に対応する。
【0143】
まず、S701で、操作パネル部208に表示された「ユーザモード」キー(図示しない)を押下すると、CPU207の制御で表示画面がS702に示すユーザモードメイン画面に切り替わる。
【0144】
ここで、このユーザモードメイン画面において、ボタンB1〜B10が表示される。本例で、ボタンB1は「共通仕様設定」を行うためのボタンである。ボタンB2は「タイマー設定」を行うためのボタンである。ボタンB3は「調整/クリーニング」を行うためのボタンである。ボタンB4は「レポート仕様設定」を行うためのボタンである。
【0145】
ボタンB5は「システム管理設定」を行うためのボタンである。ボタンB6は「コピー仕様設定」を行うためのボタンである。ボタンB7は「送信/受信仕様設定」を行うためのボタンである。ボタンB8は「ボックス仕様設定」を行うためのボタンである。ボタンB9は「プリンタ仕様設定」を行うためのボタンである。ボタンB10は「宛先表仕様設定」を行うためのボタンである。
【0146】
ここから「送信/受信仕様設定」に対応するボタンB7をユーザが押下すると、S703に示す送信/受信仕様設定画面に切り替わる。
【0147】
この送信/受信仕様設定画面には、ボタンB11〜B13が表示される。
【0148】
ボタンB11は「送信使用設定」を行うためのボタンである。ボタンB12は「受信仕様設定」を行うためのボタンである。ボタンB13は「T.38同時通信数設定」を行うためのボタンである。この送信/受信仕様設定画面で、ボタンB13に対応する「T.38同時通信数設定」ボタンをユーザが押下すると、S704に示すT.38同時通信数設定画面表示に切り替わる。
【0149】
このT.38同時通信数設定画面では、T.38プロトコルにおける通信制御の中で、特に同時通信数の制限数をユーザが設定可能になっている。
【0150】
すなわち、設定可能な同時通信数の制限値は、例えば3種類あり、「T.38同士の同時通信数」と「T.38GW経由でのG3FAXとの同時通信数」と「T.38プロトコル全体での同時通信数」がある。
【0151】
本実施形態ではそれぞれの制限値の設定可能範囲を、「T.38同士の同時通信数」が「1〜10」と規定した例である。これは、図4に示した送信機41と受信機44のように、相互にT.38プロトコルで通信可能な機器の数の制限値を設定する。
【0152】
また、「T.38GW経由でのG3FAXとの同時通信数」が「1〜3」と規定した例である。さらに、「T.38プロトコル全体での同時通信数」が「2〜13」と規定した例である。これは、図5に示した送信機51とG3FAX受信機55のように、T.38GW経由することでT.38プロトコルで通信可能な機器の数の制限値を設定する。
【0153】
ここで、ユーザは操作パネル部208で、テンキー(図示せず)を用いて3種類の制限値をそれぞれの設定可能範囲内で自由に設定できる。
【0154】
また、本実施形態では、「T.38プロトコル全体での同時通信数」の値は、以下のように設定される。例えば「T.38同士の同時通信数」の値(今回は、例えば10)と「T.38GW経由でのG3FAXとの同時通信数」の値(今回は、例えば3)の総和(今回は、例えば13)が設定される。ただし、この総和以下の値であれば自由に設定可能である。ここで、総和は、T.38プロトコル全体での同時通信制限数を意味する。
【0155】
つまり、T.38同士での同時通信制限数とT.38GW経由でのG3FAXとの同時通信制限数はそれぞれ個別に設けられ、かつ、T.38プロトコル全体での同時通信制限数を独立して設けられる。
【0156】
これにより、ユーザは、ネットワーク回線や公衆アナログ回線のトラフィック状況に応じて細かく設定/動作が可能になる。
【0157】
図8は、本実施形態を示すデータ通信装置を適用した画像形成装置における第1の通信フェーズの一例を説明する図である。本例は、T.38プロトコルを搭載した画像形成装置にて、前述の図7に示される同時通信数制限値を設定可能なユーザモードを持ち、前述の図6に示される新しいセッション開始要求判断がルーチンを持っていることを前提としている。
【0158】
そして、T.38GW83経由でのG3FAX84、85の同時通信数が制限値に達している場合に、T.38GW83経由でのG3FAX84,85からの新しいセッション開始要求がきた場合の通信例である。
【0159】
なお、本実施形態では、前述の図7に示される同時通信数制限値を予め以下のようにユーザが操作パネル部208より設定する。
【0160】
ここでは、「T.38同士の同時通信数」が「10」、「T.38GW経由でのG3FAXとの同時通信数」が「3」、「T.38プロトコル全体での同時通信数」が「13」である。そして、すでに、T.38GW経由でのG3FAXとの同時通信数は制限値の「3」に達している状況で、T.38GW83経由でのG3FAX84、85からの新しいセッション開始要求がきた場合として説明する。
【0161】
なお、以下の説明でマシン(T.38)と表記する場合は、T.38プロトコルで通信可能なマシンを意味する。さらに、GW(T.38)と表記する場合は、T.38プロトコルで通信可能なゲートウェイゲートウェイ(GW)を意味する。また、マシンの機能を明確化するため、マシンがG3FAXである場合には、それを明記する。
【0162】
また、簡略化のため、図8に示す通信例では、マシン84及びマシン85のSIPサーバは省略し、T.38GW83も1つとしている例について説明する。
【0163】
以下、マシン81は、T.38プロトコル対応の画像形成装置である。SIPサーバ82、T.38GW83をG3FAXで構成している例である。また、F81〜F110は各セッションを示す。
【0164】
まず、マシン81からSIPサーバ82に向けて、セッション開始要求としてINVITEが出され発呼が開始される(F81)。これを受け取ったマシン81のSIPサーバ82は、マシン84の図示しないSIPサーバにINVITEを出す(F82)。
【0165】
これとともに、SIPサーバ82は、所定時間内にマシン81に対して応答が必要なため、暫定応答としてTRYINGをマシン81に返す(F83)。マシン81のSIPサーバ82からのINVITEを受け取ったマシン84の図示しないSIPサーバはT.38GW83を介してマシン84(G3FAX)にT.30プロトコルでINVITEを出す。これとともに、暫定応答としてTRYINGをマシン81のSIPサーバ82に返す。
【0166】
このようにしてマシン84の図示しないSIPサーバからのINVITEをT.38GW83を介して受け取ったマシン84(G3FAX)は、応答が可能な場合には以下の処理を行う。例えば、マシン84の図示しないSIPサーバに対して、呼び出し音を鳴らしT.38GW83を介してRINGINGを返す(F84)。
【0167】
この応答をT.38GW83を介して受け取ったマシン84の図示しないSIPサーバはマシン81のSIPサーバ82に対して、RINGINGを返す。
【0168】
この段階で、マシン(G3FAX)85からT.38GW83を介してマシン85の図示しないSIPサーバに向けて、T.30プロトコルで新しいセッション開始要求としてINVITEが出され発呼が開始される。
【0169】
これにより、マシン(G3FAX)85からのINVITEをT.38GW83を介して受け取ったマシン85の図示しないSIPサーバは、マシン81のSIPサーバ82に対してT.38プロトコルでINVITEを出す(F85)。
【0170】
そして、マシン85の図示しないSIPサーバからのINVITEを受け取ったマシン81のSIPサーバ82は、マシン81(T.38)にINVITEを出す(F86)。
【0171】
そして、マシン81のSIPサーバ82からのINVITEを受け取ったマシン81(T.38)は、すでに、T.38GW83経由でのG3FAXとの同時通信数は制限値の「3」に達している状況である。このため、前述の図6のフローチャートの判断から、このマシン(G3FAX)85からのセッション開始要求は受け付けられない。このため、マシン81のSIPサーバ82に対してBusyを返して(F87)、T.38GW83経由でのG3FAXの新規着呼を受け付けない。
【0172】
このようにして、マシン81(T.38)からBusyを受け取ったマシン81のSIPサーバ82は、マシン85の図示しないSIPサーバにBusyを出す。マシン81のSIPサーバ82からBusyを受け取ったマシン85の図示しないSIPサーバ、T.38GW83を介してマシン85(G3FAX)に対してT.30プロトコルでBusyを出す(F88)。
【0173】
これで、T.38GW83経由でのG3FAXからの新しいセッション開始要求は受け付けられなくなり、それまでの同時通信分のみが続行される。
【0174】
すなわち、マシン84の図示しないSIPサーバからRINGING応答を受け取ったマシン81のSIPサーバ82はマシン81(T.38)に対して、RINGINGを返す。
【0175】
このRINGINGの返答と並行して、G3FAXで応答が可能になったら、マシン(G3FAX)84はリクエスト成功としてOKをT.38GW83を介してマシン84の図示しないSIPサーバに返す。この応答をT.38GW83を介して受け取ったマシン84の図示しないSIPサーバはマシン81のSIPサーバ82に対して、OKを返す(F89)。
【0176】
この応答を受け取ったマシン81のSIPサーバ82はマシン(T.38)81に対して、OKを返す(F90)。
【0177】
この応答を受け取ったマシン(T.38)81は、セッション開始を確認した意味としてACKをマシン84の図示しないSIPサーバに応答する。これを受け取ったマシン84の図示しないSIPサーバは、T.38GW83に対して応答し(F91)、これを受け取ったT.38GW83はマシン(G3FAX)84に対してACKを応答する(F92)ことで両者が呼接続される。
【0178】
以上がT.38とT.38GW83を介して接続されたG3FAXにおけるSIPによる呼制御である。
【0179】
次に、呼接続が確立したマシン(T.38)81とT.38GW83の間でMediaSessionとしてT.38プロトコルでのデータ転送が行われる。さらに、このT.38GW83と呼接続が確立したマシン(G3FAX)84の間でMediaSessionとしてT.30プロトコルでのデータ転送が行われる(D81〜D84)。
【0180】
このようにして、全てのデータ転送が終了したら、マシン(T.38)81からT.38GW83に対して、セッション終了要求としてBYEが出される(F93)。そして、T.38GW83からマシン(G3FAX)84に対してBYEが出される(F94)。
【0181】
これを受け取ったマシン(G3FAX)84がT.38GW83に対してOKを返答し(F95)、このT.38GW83がマシン(T.38)81に対してOKを返答する(F96)ことで呼切断される。これにより、T.38プロトコル及びT.30プロトコルでの通信が終了する。
【0182】
これで、T.38GW83経由でのG3FAXとの同時通信数は制限値の「3」から「2」になるため、マシン85(G3FAX)からの新たな通信が同時に受けられるようになる。
【0183】
そこで、再びマシン(G3FAX)85からT.38GW83を介して図示しないマシン85のSIPサーバに向けて、T.30プロトコルで新しいセッション開始要求としてINVITEが出され発呼が開始される。
【0184】
そして、マシン(G3FAX)85からのINVITEをT.38GW83を介して受け取ったマシン85の図示しないSIPサーバは、マシン81のSIPサーバ82に対してT.38プロトコルでINVITEを出す(F97)。これとともに、所定時間内にマシン(G3FAX)85に対して応答が必要なため、暫定応答としてTRYINGをT.38GW83を介してマシン(G3FAX)85に返す。
【0185】
このようにしてマシン85の図示しないSIPサーバからのINVITEを受け取ったマシン81のSIPサーバ82は、マシン(T.38)81にINVITEを出す(F98)。これとともに暫定応答としてTRYINGをマシンC85のSIPサーバに返す(F99)。そして、マシン81のSIPサーバ82からのINVITEを受け取ったマシン(T.38)81は、前述の図6のフローチャートの判断を行う。そして、この判断結果から、応答が可能な場合にはマシン81のSIPサーバ82に対して、呼び出し音を鳴らしてRINGINGを返す(F100)。
【0186】
この応答を受け取ったマシン81のSIPサーバ82はマシン85の図示しないSIPサーバに対して、RINGINGを返す。この応答を受け取った図示しないマシン85のSIPサーバはT.38GW83を介してマシン(G3FAX)85に対してRINGINGを返す(F101)。
【0187】
このRINGINGの返答と並行して、T.38経由でのG3FAXで応答が可能になったら、マシン81(T.38)はリクエスト成功としてOKをマシン81のSIPサーバ82に返す(F102)。
【0188】
この応答を受け取ったマシン81のSIPサーバはマシン85の図示しないSIPサーバに対して、OKを返す。この応答を受け取ったマシン85の図示しないSIPサーバは、T.38GW83を介してマシン(G3FAX)85に対して、OKを返す(F103)。この応答を受け取ったマシン(G3FAX)85は、セッション開始を確認した意味としてACKをT.38GW83に対して応答する(F104)。そして、これを受け取ったT.38GW83はマシン81(T.38)にACKを応答する(F105)ことで両者が呼接続される。
【0189】
以上がT.38とT.38GWを介して接続されたG3FAXにおけるSIPによる呼制御である。
【0190】
次に、呼接続が確立したマシン(G3FAX)85とT.38GW83の間でMediaSessionとしてT.30プロトコルでのデータ転送が行われる。さらに、このT.38GWと呼接続が確立したマシン81(T.38)の間でMediaSessionとしてT.38プロトコルでのデータ転送(D85〜D88)が行われる。
【0191】
このようにして、全てのデータ転送が終了したら、マシン(G3FAX)85からT.38GW83に対して、セッション終了要求としてBYEが出される(F106)。そして、このT.38GW38からマシン81(T.38)に対してBYEが出される(F107)。これを受け取ったマシン81(T.38)がT.38GW38に対してOKを返答する(F109)。そして、T.38GW38がマシン(G3FAX)85に対してOKを返答する(F110)ことで呼切断されT.38プロトコル及びT.30プロトコルでの通信が終了する。
【0192】
以上述べたように、図7に示したように、T.38プロトコル全体の同時通信数の制限値というかたちでそれぞれ保持する。
【0193】
具体的には、T.38プロトコルで可変な同時通信数制限を、T.38同士の同時通信数の制限値、T.38GW経由でG3FAXとの同時通信数の制限値、T.38プロトコル全体の同時通信数の制限値というかたちでそれぞれ保持する。
【0194】
そして、ネットワークを介して複数の通信が同時に行われている場合に、新規のセッション開始要求があった場合に、3つの同時通信数の制限値に達しているか否かにより、当該新規着呼を受け付けるか否かを決定する。具体的には、T.38同士の通信数とT.38GW経由でG3FAXとの通信数とその総和の通信数が、前述の3つの同時通信数の制限値に達しているか否かにより、当該新規着呼を受け付けるか否かを決定することになる。
【0195】
このように本実施形態では、新規着呼情報(Invite信号)から発信元がT.38かT.38GW経由のG3FAXかを判別する。そして、すでに行われている同時通信数が判別された種類の制限値に達している場合か、総和が制限値に達している場合には、制限値以上の同時通信は不可能なため、新規着呼を受け付けずにBUSYかDisconnectを返す。なお、この新規着呼は、新規着呼と同種の通信が終了したら、再度通信要求を出すことも可能である。
【0196】
本実施形態によれば、T.38GW経由でのG3FAX通信数が同時通信数に達している場合に、新規のT.38GW経由でのG3FAXからの着呼を受け付けなくするように制御する。この結果、通信エラーすることなく安定した通信状況が得られるようになる。
【0197】
〔第2実施形態〕
上記第1実施形態においては、T.38プロトコルを搭載した画像形成装置にて、前述の図7に示される同時通信数制限値を設定可能なユーザモードを持ち、前述の図6に示される新しいセッション開始要求判断がルーチンを備える。そして、T.38GW経由でのG3FAXの同時通信数が制限値に達している場合に、T.38GW経由でのG3FAXからの新しいセッション開始要求がきた場合について説明した。以下、現在通信中のものでT.38プロトコル全体での同時通信数が制限値に達している場合の実施形態について図9を用いて説明する。
【0198】
本実施形態では、図7に示される同時通信数制限値を予め以下のように設定し、「T.38同士の同時通信数」が「10」「T.38GW経由でのG3FAXとの同時通信数」が「3」、「T.38プロトコル全体での同時通信数」が「13」である。そして、すでに、T.38同士の同時通信数は制限値の「10」に達していないが、T.38プロトコル全体での同時通信数は制限値の「13」に達している状況で、T.38からの新しいセッション開始要求がきた場合として述べる。
【0199】
図9は、本実施形態を示すデータ通信装置を適用した画像形成装置における第2の通信フェーズの一例を説明する図である。本例では、簡略化のため、マシン94及びマシン95のSIPサーバは省略し、GW93(T.38)も1つとしている。なお、マシン91、95は、T.38プロトコルで通信可能な画像形成装置とするが、他の通信制御機能を備える情報処理装置であってもよい。マシン94は、G3FAX機能を備える画像形成装置とするが、G3FAX機能を備える情報処理装置であってもよい。
【0200】
また、マシン(T.38)と表記する場合は、T.38プロトコルで通信可能なマシンを意味する。さらに、GW(T.38)と表記する場合は、T.38プロトコルで通信可能なゲートウェイ(GW)を意味する。
【0201】
まず、マシン(T.38)91からSIPサーバ92に向けて、セッション開始要求としてINVITEが出され発呼が開始され(F121)、これを受け取ったマシン91のSIPサーバ92は、マシン94の図示しないSIPサーバにINVITEを出す。これとともに、所定時間内にマシン(T.38)91に対して応答が必要なため、暫定応答としてTRYINGをマシン(T.38)91に返す(F123)。
【0202】
マシン91のSIPサーバ92からのINVITEを受け取った図示しないマシン94のSIPサーバはGW93(T.38)を介してマシン(G3FAX)94にT.30プロトコルでINVITEを出す(F122)。これとともに、暫定応答としてTRYINGをマシン91のSIPサーバ92に返す。
【0203】
このようにしてマシン94の図示しないSIPサーバからのINVITEをGW(T.38)93を介して受け取ったマシン94(G3FAX)は、応答が可能な場合にはマシン94の図示しないSIPサーバに対して、呼び出し音を鳴らす。そして、GW(T.38)93を介してRINGINGを返す(F124)。この応答をGW(T.38)93を介して受け取ったマシン94の図示しないSIPサーバはマシン91のSIPサーバ92に対して、RINGINGを返す。
【0204】
この段階で、マシン(T.38)95からマシン95の図示しないSIPサーバに向けて、T.38プロトコルで新しいセッション開始要求としてINVITEが出され発呼が開始される。そして、マシン(T.38)95からのINVITEを受け取ったマシン95の図示しないSIPサーバは、マシン91のSIPサーバ92に対してINVITEを出す(F125)。
【0205】
このようにしてマシン95の図示しないSIPサーバからのINVITEを受け取ったマシン91のSIPサーバ92は、マシン(T.38)91にINVITEを出す(F126)。
【0206】
マシン91のSIPサーバ92からのINVITEを受け取ったマシン(T.38)91は、既にT.38同士の同時通信数は制限値の「10」に達していないが、T.38プロトコル全体での同時通信数は制限値の「13」に達している状況である。
【0207】
このため、前述の図6のフローチャートの判断から、このマシン(T.38)95からのセッション開始要求は受け付けられない。このため、マシン91のSIPサーバ92に対してBusyを返して(F127)、T.38の新規着呼を受け付けない。
【0208】
このようにしてマシン91(T.38)からBusyを受け取ったマシン91のSIPサーバ92は、マシン95のSIPサーバ図示しないにBusyを出す(F129)。
【0209】
このようにしてマシン91のSIPサーバ92からBusyを受け取ったマシン95の図示しないSIPサーバはマシン(T.38)95に対してBusyを出す。これで、T.38同士の新しいセッション開始要求は受け付けられなくなり、それまでの同時通信分のみが続行される。
【0210】
すなわち、マシン94の図示しないSIPサーバからRINGING応答を受け取ったマシン91のSIPサーバ92はマシン91(T.38)に対して、RINGINGを返す(F128)。
【0211】
このRINGINGの返答と並行して、G3FAXで応答が可能になったら、マシン94(G3FAX)はリクエスト成功としてOKをGW93(T.38)を介して図示しないマシン94のSIPサーバに返す。
【0212】
この応答をT.38GW94を介して受け取ったマシン94の図示しないSIPサーバはマシン91のSIPサーバ92に対して、OKを返す(F130)。この応答を受け取ったマシン91のSIPサーバ92はマシン91(T.38)に対して、OKを返す(F130)。
【0213】
この応答を受け取ったマシン91(T.38)は、セッション開始を確認した意味としてACKをマシン94の図示しないSIPサーバに応答する。これを受け取ったマシン94の図示しないSIPサーバはGW93(T.38)に対して応答し(F131)、これを受け取ったGW93(T.38)はマシン(G3FAX)94に対してACKを応答する(F132)ことで両者が呼接続される。
【0214】
以上がT.38とGW93(T.38)を介して接続されたG3FAXにおけるSIPによる呼制御である。
【0215】
次に、呼接続が確立したマシン91(T.38)とGW93(T.38)の間でMediaSessionとしてT.38プロトコルでのデータ転送が行われる。さらに、このGW93(T.38)と呼接続が確立したマシン(G3FAX)94の間でMediaSessionとしてT.30プロトコルでのデータ転送(D91〜D94)が行われる。
【0216】
全てのデータ転送が終了したら、マシン91(T.38)からGW93(T.38)に対して、セッション終了要求としてBYEが出され(F134)、このGW93(T.38)からマシン94(G3FAX)に対してBYEが出される(F135)。これを受け取ったマシン94(G3FAX)がGW93(T.38)に対してOKを返答し(F136)、このGW93(T.38)がマシン91(T.38)に対してOKを返答する(F137)ことで呼切断される。こにより、T.38プロトコル及びT.30プロトコルでの通信が終了する。
【0217】
これで、T.38プロトコル全体の同時通信数は制限値の「13」から「12」になるため、マシン(T.38)94からの新たな通信が同時に受けられるようになる。
【0218】
そこで、再びマシン95(T.38)からマシン95の図示しないSIPサーバに向けて、T.38プロトコルで新しいセッション開始要求としてINVITEが出され発呼が開始される。そして、マシン95(T.38)からのINVITEを受け取ったマシン95の図示しないSIPサーバは、マシン91のSIPサーバ92に対してINVITEを出す(F138)。これとともに、所定時間内にマシン95(T.38)に対して応答が必要なため、暫定応答としてTRYINGをマシン95(T.38)に返す。
【0219】
このようにして、マシン95の図示しないSIPサーバからのINVITEを受け取ったマシン95のSIPサーバ92は、マシン81(T.38)にINVITEを出す(F139)。これとともに、暫定応答としてTRYINGをマシン95のSIPサーバに返す(F140)。
【0220】
マシン91のSIPサーバ92からのINVITEを受け取ったマシン91(T.38)は、図6のフローチャートの判断から、応答が可能な場合にはマシン91のSIPサーバ92に対して呼び出し音を鳴らしてRINGINGを返す(F141)。
【0221】
この応答を受け取ったマシン91のSIPサーバ92はマシン95の図示しないSIPサーバに対して、RINGINGを返す。この応答を受け取ったマシン95の図示しないSIPサーバはマシン95(T.38)に対してRINGINGを返す(F142)。このRINGINGの返答と並行して、T.38で応答が可能になったら、マシン91(T.38)はリクエスト成功としてOKをマシン91のSIPサーバ92に返す(F143)。この応答を受け取ったマシン91のSIPサーバ92はマシン95の図示しないSIPサーバに対して、OKを返す。この応答を受け取ったマシン95の図示しないSIPサーバは、マシンC(T.38)95に対して、OKを返す(F144)。この応答を受け取ったマシン(T.38)95は、セッション開始を確認した意味としてマシン91(T.38)にACKを応答する(F145、F146)ことで両者が呼接続される。以上がT.38同士で接続された場合のSIPによる呼制御である。
【0222】
次に、呼接続が確立したマシンC(T.38)とマシン91(T.38)の間でMediaSessionとしてT.38プロトコルでのデータ転送D95〜D97が行われる。
【0223】
このようにして全てのデータ転送が終了したら、マシン(T.38)95からマシン91(T.38)に対してBYEが出される(F147、F148)。これを受け取ったマシン91(T.38)がマシン(T.38)95に対してOKを返答する(F149、F150)ことで呼切断されT.38プロトコルでの通信が終了する。
【0224】
以上述べたように、図8に示したように、T.38プロトコル全体の同時通信数の制限値というかたちでそれぞれ保持する。
【0225】
具体的には、T.38プロトコルで可変な同時通信数制限を、T.38同士の同時通信数の制限値、T.38GW経由でG3FAXとの同時通信数の制限値、T.38プロトコル全体の同時通信数の制限値というかたちでそれぞれ保持する。
【0226】
そして、ネットワークを介して複数の通信が同時に行われている場合に、新規のセッション開始要求があった場合に、3つの同時通信数の制限値に達しているか否かにより、当該新規着呼を受け付けるか否かを決定する。
【0227】
具体的には、新規着呼情報(Invite信号)から発信元がT.38かT.38GW経由のG3FAXかを判別する。そして、既に行われている同時通信数が判別された種類の制限値に達している場合か、総和が制限値に達している場合には、制限値以上の同時通信は不可能なため、新規着呼を受け付けずにBUSYかDisconnectを返す。なお、この新規着呼は、新規着呼と同種の通信が終了したら、再度通信要求を出すことも可能である。
【0228】
本実施形態によれば、T.38GW経由でのG3FAX通信でトータルの同時通信数制限に達した場合に、新規のT.38のマシンからの着呼を受け付けないことで、その結果、通信エラーすることなく安定した通信状況が得られるようになる。
【0229】
〔第3実施形態〕
上記の第1及び第2実施形態においては、T.38プロトコルで通信する通信機能を搭載した画像形成装置にいて、図7に示される同時通信数制限値を設定可能なユーザモードと、図6に示す新しいセッション開始要求判断がルーチンを備える。そして、T.38GW経由でのG3FAXの同時通信数が制限値に達している場合に、T.38GW経由でのG3FAXまたはT.38からの新しいセッション開始要求がきた場合について説明した。
【0230】
以下、現在通信中のものでT.38同士の同時通信数が制限値に達しているが、T.38GW経由でのG3FAXの同時通信数が制限値に達していない実施形態について図10を用いて説明する。
【0231】
図10は、本実施形態を示すデータ通信装置を適用した画像形成装置における第3の通信フェーズの一例を説明する図である。本例では、前述の図7に示される同時通信数制限値を予め以下のように設定し、「T.38同士の同時通信数」が「10」、「T.38GW経由でのG3FAXとの同時通信数」が「3」、「T.38プロトコル全体での同時通信数」が「13」とする。そして、既に、T.38同士の同時通信数は制限値の「10」に達しているが、T.38GW経由でのG3FAXとの同時通信数は制限値の「3」に達していない状況とする。そして、T.38GW経由でのG3FAXからの新しいセッション開始要求がきた場合として述べる。
【0232】
なお、以下の説明でマシン(T.38)と表記する場合は、T.38プロトコルで通信可能なマシンを意味する。さらに、GW(T.38)と表記する場合は、T.38プロトコルで通信可能なゲートウェイ(GW)を意味する。
【0233】
また、簡略化のため、図10ではマシン104及びマシン105のSIPサーバは省略し、T.38GWも1つとしている。
【0234】
まず、マシン(T.38)101からマシン101のSIPサーバ102に向けて、セッション開始要求としてINVITEが出され(F161)発呼が開始される。これを受け取ったマシン101のSIPサーバ102はマシン104の図示しないSIPサーバにINVITEを出す(F162)。これとともに、所定時間内にマシン(T.38)101に対して応答が必要なため、暫定応答としてTRYINGをマシン(T.38)101に返す(F163)。
【0235】
マシン101のSIPサーバ102からのINVITEを受け取ったマシン104のSIPサーバはマシン104(T.38)にINVITEを出すとともに、暫定応答としてTRYINGをマシン101のSIPサーバ102に返す。
【0236】
このようにして、マシン104の図示しないSIPサーバからのINVITEを受け取ったマシン(T.38)104は、応答が可能な場合には、図示しないマシン104のSIPサーバに対して、呼び出し音を鳴らしRINGINGを返す。この応答を受け取ったマシン104の図示しないSIPサーバはマシン101のSIPサーバ102に対して、RINGINGを返す(F164)。
【0237】
この段階で、マシン(G3FAX)105からGW103(T.38)を介してマシン105の図示しないSIPサーバに向けてT.30プロトコルで新しいセッション開始要求としてINVITEが出され発呼が開始される。
【0238】
そして、図示しないマシン105のSIPサーバは、マシン(G3FAX)105からのT.30プロトコルでのINVITEをGW103(T.38)を介して受け取る。
【0239】
そして、T.30プロトコルでのINVITEをGW103(T.38)を介して受け取った、図示しないマシン105のSIPサーバは、マシン101のSIPサーバ102に対してT.38プロトコルでINVITEを出す(F165)。これとともに所定時間内にマシン105(G3FAX)に対して応答が必要なため、暫定応答としてTRYINGをマシン105(G3FAX)に返す(F166)。
【0240】
このようにして、マシン105の図示しないSIPサーバからのINVITEを受け取ったマシン101のSIPサーバ102は、マシン(T.38)101にINVITEを出す(F167)。これとともに、暫定応答としてTRYINGを図示しないマシン105のSIPサーバに返す。
【0241】
この場面で、マシン(T.38)101とマシン104(T.38)の通信状況は、マシン104からのRINGINGの応答を受け取ったマシン101のSIPサーバ102はマシン101(T.38)に対して、RINGINGを返す(F168)。
【0242】
このRINGINGの返答と並行して、マシン(T.38)104で応答が可能になったら、リクエスト成功としてOKをマシン104の図示しないSIPサーバに返す。この応答を受け取った図示しないマシン104のSIPサーバはマシン101のSIPサーバ102に対して、OKを返す(F169)。
【0243】
この応答を受け取ったマシン101のSIPサーバ102はマシン101(T.38)に対して、OKを返す(F170)。この応答を受け取ったマシン101(T.38)は、セッション開始を確認した意味としてACKをマシン104(T.38)に応答する(F171)ことで両者が呼接続される。以上がT.38におけるSIPによる呼制御である。
【0244】
次に、呼接続が確立したマシン101(T.38)とマシン104(T.38)の間でMediaSessionとしてT.38プロトコルでのデータ転送D111が行われる。
【0245】
一方、マシン105(G3FAX)とマシン101(T.38)の通信状況は、マシン101のSIPサーバ102からのINVITEを受け取ったマシン101(T.38)は、すでに、T.38同士の同時通信数は制限値の「10」に達している。しかし、GW103(T.38)経由でのG3FAXとの同時通信数は制限値の「3」に達していない状況である。
【0246】
このため、前述の図6のフローチャートの判断から、マシン105(G3FAX)からのセッション開始要求は受け付けられるため応答が可能となる。そして、マシン101のSIPサーバ102に対して、呼び出し音を鳴らしてRINGINGを返す(F172)。
【0247】
この応答を受け取ったマシン101のSIPサーバ102は、図示しないマシン105のSIPサーバに対して、RINGINGを返す。この応答を受け取ったマシン105の図示しないSIPサーバは、GW103(T.38)を介してマシン105(G3FAX)に対して、RINGINGを返す(F173)。
【0248】
このRINGINGの返答と並行して、GW103(T.38)経由でのG3FAXとの応答が可能になったら、マシン101(T.38)はマシン101のSIPサーバ102に対して、リクエスト成功としてOKを返す(F174)。この応答を受け取ったマシン101のSIPサーバ102はマシン105の図示しないSIPサーバに対してOKを返す。この応答を受け取ったマシン105の図示しないSIPサーバは、GW103(T.38)を介してマシン105(G3FAX)に対してOKを返す(F175)。
【0249】
ここで、マシン101(T.38)とマシン104(T.38)の通信状況は、最後のMediaSessionでデータ転送D112が行われる。
【0250】
一方で、マシン105(G3FAX)とマシン101(T.38)の通信状況は、GW103(T.38)を介してマシン105の図示しないSIPサーバからのOKの応答をマシン105(G3FAX)が受け取る。そして、マシン105(G3FAX)は、セッション開始を確認した意味としてACKをGW103(T.38)に対して応答する(F176)。これを受け取ったGW103(T.38)はマシン101(T.38)に対してACKを応答する(F177)ことで両者が呼接続される。
【0251】
以上がT.38とT.38GWを介して接続されたG3FAXにおけるSIPによる呼制御である。
【0252】
次に、呼接続が確立したマシン105(G3FAX)とGW103(T.38)の間でMediaSessionとしてT.30でのデータ転送D112が行われる。
【0253】
さらに、このGW103(T.38)と呼接続が確立したマシン101(T.38)の間でMediaSessionとしてT.38プロトコルでのデータ転送D113が行われる。
【0254】
ここで、マシン101(T.38)とマシン104(T.38)の通信状況は、全てのデータ転送が終了しているので、マシン101(T.38)からマシン104(T.38)に対して、セッション終了要求としてBYEが出される(F178)。これを受け取った受信機がOKを返答する(F179)ことで呼切断されT.38プロトコルでの通信が終了する。
【0255】
一方で、マシン105(G3FAX)とマシン101(T.38)の通信状況は、最後のMediaSessionでデータ転送D114、D115が行われる。
【0256】
このようにして全てのデータ転送が終了したら、マシン105(G3FAX)からGW103(T.38)に対して、セッション終了要求としてBYEが出される(F180)。そして、このGW103(T.38)からマシン101(T.38)に対して、BYEが出される(F181)。これを受け取ったマシン101(T.38)がGW103(T.38)に対してOKを返答する(F182)。そして、GW103(T.38)がマシン105(G3FAX)にOKを返答する(F183)ことで呼切断されT.38プロトコル及びT.30プロトコルでの通信が終了する。
【0257】
以上述べたように、図10に示したように、T.38プロトコル全体の同時通信数の制限値というかたちでそれぞれ保持する。
【0258】
具体的には、T.38プロトコルで可変な同時通信数制限を、T.38同士の同時通信数の制限値、T.38GW経由でG3FAXとの同時通信数の制限値、T.38プロトコル全体の同時通信数の制限値というかたちでそれぞれ保持する。
【0259】
そして、ネットワークを介して複数の通信が同時に行われている場合に、新規のセッション開始要求があった場合に、3つの同時通信数の制限値に達しているか否かにより、当該新規着呼を受け付けるか否かを決定する。
【0260】
具体的には、新規着呼情報(Invite信号)から発信元がT.38かT.38GW経由のG3FAXかを判別する。そして、既に行われている同時通信数が判別された種類の制限値に達している場合か、総和が制限値に達している場合には、制限値以上の同時通信は不可能なため、新規着呼を受け付けずにBUSYかDisconnectを返す。なお、この新規着呼は、新規着呼と同種の通信が終了したら、再度通信要求を出すことも可能である。
【0261】
本実施形態によれば、T.38同士の通信が同時通信数制限に達した場合であっても、T.38GW経由でのG3FAX通信が同時通信数制限に達していない場合には、新規のT.38GW経由でのG3FAXからの着呼を受け付ける。この結果、通信エラーすることなく安定した通信状況が得られるようになる。
【0262】
〔第4実施形態〕
上記の第1及び第2実施形態においては、T.38プロトコルで通信する通信機能を搭載した画像形成装置にいて、図7に示される同時通信数制限値を設定可能なユーザモードと、図6に示す新しいセッション開始要求判断がルーチンを備える。そして、T.38GW経由でのG3FAXの同時通信数が制限値に達している場合に、T.38GW経由でのG3FAXまたはT.38からの新しいセッション開始要求がきた場合について説明した。
【0263】
つまり、現在通信中のものでT.38同士の同時通信数が制限値に達しているが、T.38GW経由でのG3FAXの同時通信数が制限値に達していない場合について説明した。以下、現在通信中のものでもまだT.38同士の同時通信数が制限値に達していない実施形態について図11を用いて説明する。
【0264】
なお、以下の説明でマシン(T.38)と表記する場合は、T.38プロトコルで通信可能なマシンを意味する。さらに、GW(T.38)と表記する場合は、T.38プロトコルで通信可能なゲートウェイ(GW)を意味する。
【0265】
図11は、本実施形態を示すデータ通信装置を適用した画像形成装置における第4の通信フェーズの一例を説明する図である。
【0266】
本例では、前述の図7に示される同時通信数制限値を予め以下のように設定している。
【0267】
具体的には、「T.38同士の同時通信数」が「10」、「T.38GW経由でのG3FAXとの同時通信数」が「3」、「T.38プロトコル全体での同時通信数」が「13」とする。また、T.38同士の同時通信数は制限値の「10」に達していない状況で、T.38からの新しいセッション開始要求がきた場合として述べる。
【0268】
また、簡略化のため、図11ではマシンB及びマシンCのSIPサーバは省略し、T.38GWも1つとしている。
【0269】
まず、マシン111(T.38)からマシン111のSIPサーバ102に向けて、セッション開始要求としてINVITEが出され発呼が開始される(F191)。これを受け取ったマシン111のSIPサーバ112はマシン114の図示しないSIPサーバにINVITEを出す(F192)。これとともに、所定時間内にマシン111(T.38)に対して応答が必要なため、暫定応答としてTRYINGをマシン111(T.38)に返す(F193)。
【0270】
そして、マシン111のSIPサーバ112からのINVITEを受け取ったマシン114のSIPサーバは、マシン114(T.38)にINVITEを出す。これとともに、暫定応答としてTRYINGをマシン111のSIPサーバに返す。
【0271】
マシン114の図示しないSIPサーバからのINVITEを受け取ったマシン114(T.38)は、応答が可能な場合には、マシン114の図示しないSIPサーバに対して、呼び出し音を鳴らしRINGINGを返す。この応答を受け取ったマシン114の図示しないSIPサーバはマシン111のSIPサーバ112に対して、RINGINGを返す(F194)。
【0272】
この段階で、マシン115(T.38)からマシン105の図示しないSIPサーバに向けてT.38プロトコルで新しいセッション開始要求としてINVITEが出され発呼が開始される。そして、マシン115(T.38)からのINVITEを受け取ったマシン115の図示しないSIPサーバは、マシン111のSIPサーバ112に対してINVITEを出す(F195)。これとともに、所定時間内にマシン115(T.38)に対して応答が必要なため、暫定応答としてTRYINGをマシン115(T.38)に返す(F196)。
【0273】
このようにして、マシン115の図示しないSIPサーバからのINVITEを受け取ったマシン111のSIPサーバ112は、マシン111(T.38)にINVITEを出す(F197)。これとともに、暫定応答としてTRYINGをマシン115の図示しないSIPサーバに返す。
【0274】
この場面で、マシン111(T.38)とマシン114(T.38)の通信状況は、マシン114からのRINGINGの応答を受け取ったマシン111のSIPサーバ112はマシン111(T.38)に対して、RINGINGを返す(F198)。
【0275】
このRINGINGの返答と並行して、マシン114(T.38)で応答が可能になったら、リクエスト成功としてOKをマシン114の図示しないSIPサーバに返す。この応答を受け取ったマシン114の図示しないSIPサーバはマシン111のSIPサーバ112に対して、OKを返す(F199)。
【0276】
この応答を受け取ったマシン111のSIPサーバ112はマシン111(T.38)に対して、OKを返す(F200)。この応答を受け取ったマシン111(T.38)は、セッション開始を確認した意味としてACKをSIPサーバ112(T.38)に応答する(F201)ことで両者が呼接続される。以上がT.38におけるSIPによる呼制御である。
【0277】
次に、呼接続が確立したマシンA(T.38)とマシンB(T.38)の間でMediaSessionとしてT.38プロトコルでのデータ転送D121が行われる。
【0278】
一方、マシン115(T.38)とマシン111(T.38)の通信状況は、マシン111のSIPサーバ112からのINVITEを受け取ったマシン111(T.38)は、T.38同士の同時通信数は制限値の「10」に達していない状況である。このため、前述の図6のフローチャートの判断から、マシン115(T.38)からのセッション開始要求は受け付けられるため応答が可能となる。そこで、マシン111のSIPサーバ112に対して、呼び出し音を鳴らしてRINGINGを返す(F202)。この応答を受け取ったマシン111のSIPサーバ112は、マシン115の図示しないSIPサーバに対して、RINGINGを返す(F203)。
【0279】
この応答を受け取ったマシン115の図示しないSIPサーバは、マシン115(T.38)に対して、RINGINGを返す。このRINGINGの返答と並行して、T.38での応答が可能になったら、マシン111(T.38)はマシン111のSIPサーバ112に対して、リクエスト成功としてOKを返す(F203)。この応答を受け取ったマシン111のSIPサーバ112は図示しないマシン115のSIPサーバに対してOKを返す(F205)。この応答を受け取ったマシン115の図示しないSIPサーバは、マシン111(T.38)に対してOKを返す。
【0280】
ここで、マシン111(T.38)とマシン114(T.38)の通信状況は、最後のMediaSessionでデータ転送D122が行われる。
【0281】
一方で、マシン115(T.38)とマシン111(T.38)の通信状況で、マシン115の図示しないSIPサーバからのOKの応答をマシン115(T.38)が受け取る。そして、OKの応答を受け取ったマシン115(T.38)は、セッション開始を確認した意味としてACKをマシン111(T.38)に応答する(F206)ことで両者が呼接続される。以上がT.38におけるSIPによる呼制御である。
【0282】
次に、呼接続が確立したマシン115(T.38)とマシン111(T.38)の間でMediaSessionとしてT.38プロトコルでのデータ転送D123が行われる。
【0283】
ここで、マシン111(T.38)とマシン114(T.38)の通信状況は、全てのデータ転送が終了しているので、マシン111(T.38)からマシン114(T.38)に対して、セッション終了要求としてBYEが出される(F207)。これを受け取った受信機がOKを返答する(F208)ことで呼切断されT.38プロトコルでの通信が終了する。
【0284】
一方で、マシン115(T.38)とマシン111(T.38)の通信状況は、最後のMediaSessionでデータ転送D124が行われる。
【0285】
このようにして、全てのデータ転送が終了したら、マシン115(T.38)からマシン111(T.38)に対して、BYEが出される(F209)。これを受け取ったマシン111(T.38)がOKを返答する(F210)ことで呼切断されT.38プロトコルでの通信が終了する。
【0286】
以上述べたように、図11に示したように、T.38プロトコル全体の同時通信数の制限値というかたちでそれぞれ保持する。
【0287】
具体的には、T.38プロトコルで可変な同時通信数制限を、T.38同士の同時通信数の制限値、T.38GW経由でG3FAXとの同時通信数の制限値、T.38プロトコル全体の同時通信数の制限値というかたちでそれぞれ保持する。
【0288】
そして、ネットワークを介して複数の通信が同時に行われている場合に、新規のセッション開始要求があった場合に、3つの同時通信数の制限値に達しているか否かにより、当該新規着呼を受け付けるか否かを決定する。
【0289】
具体的には、新規着呼情報(Invite信号)から発信元がT.38かT.38GW経由のG3FAXかを判別する。そして、既に行われている同時通信数が判別された種類の制限値に達している場合か、総和が制限値に達している場合には、制限値以上の同時通信は不可能なため、新規着呼を受け付けずにBUSYかDisconnectを返す。この新規着呼は、新規着呼と同種の通信が終了したら、再度通信要求を出すことも可能である。
【0290】
これにより、T.38同士の通信が同時通信数制限に達していない場合には、新規のT.38からの着呼を受け付けることで、その結果、通信エラーすることなく安定した通信状況が得られるようになる。
【0291】
〔第5実施形態〕
上記各実施形態では、ゲートウェイ1005を介するG3FAX1007と同時に同一プロトコル(T.38)で通信する第1の同時通信数を設定する。
【0292】
そして、画像形成装置1006と同時に同一プロトコル(T.38)で通信する第2の同時通信数を設定する。さらに、G3FAX1007と画像形成装置1006が同時に同一プロトコルで通信する第3の同時通信数とを個別に設定して、同時通信数を制限する場合について説明した。しかし、通信環境の変動を捉えて、設定した各同時通信数を動的に変動させて、一方の通信要求の制限を緩和したり、他方の通信要求を厳しくしたりすることで、利便性を向上させてもよい。
【0293】
〔第6実施形態〕
以下、図12に示すメモリマップを参照して本発明に係るデータ通信装置で読み取り可能なデータ処理プログラムの構成について説明する。
【0294】
図12は、本発明に係るデータ通信装置で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体のメモリマップを説明する図である。
【0295】
なお、特に図示しないが、記憶媒体に記憶されるプログラム群を管理する情報、例えばバージョン情報,作成者等も記憶され、かつ、プログラム読み出し側のOS等に依存する情報、例えばプログラムを識別表示するアイコン等も記憶される場合もある。
【0296】
さらに、各種プログラムに従属するデータも上記ディレクトリに管理されている。また、各種プログラムをコンピュータにインストールするためのプログラムや、インストールするプログラムが圧縮されている場合に、解凍するプログラム等も記憶される場合もある。
【0297】
本実施形態における図6に示す機能が外部からインストールされるプログラムによって、ホストコンピュータにより遂行されていてもよい。そして、その場合、CD−ROMやフラッシュメモリやFD等の記憶媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記憶媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
【0298】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0299】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0300】
従って、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0301】
プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVDなどを用いることができる。
【0302】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0303】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは、圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバやftpサーバ等も本発明の請求項に含まれるものである。
【0304】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0305】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけではない。例えばそのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行う。そして、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0306】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込ませる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0307】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0308】
本発明の様々な例と実施形態を示して説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるのではない。
【図面の簡単な説明】
【0309】
【図1】本発明の第1実施形態を示すデータ通信装置を適用するデータ通信システムの一例を示すブロック図である。
【図2】本実施形態を示すデータ通信装置を適用する画像形成装置の構成を説明するブロック図である。
【図3】本実施形態を示すデータ通信装置を適用した画像形成装置の構成を説明する図である。
【図4】本実施形態を示すデータ通信装置における第1のセッション例を示す図である。
【図5】本実施形態を示すデータ通信装置における第2のセッション例を示す図である。
【図6】本実施形態を示すデータ通信装置における第1の通信処理手順を示すフローチャートである。
【図7】図2に示した操作パネル部に表示されるユーザモードのユーザI/F画面の表示推移を説明する図である。
【図8】本実施形態を示すデータ通信装置を適用した画像形成装置における第1の通信フェーズの一例を説明する図である。
【図9】本実施形態を示すデータ通信装置を適用した画像形成装置における第2の通信フェーズの一例を説明する図である。
【図10】本実施形態を示すデータ通信装置を適用した画像形成装置における第3の通信フェーズの一例を説明する図である。
【図11】本実施形態を示すデータ通信装置を適用した画像形成装置における第4の通信フェーズの一例を説明する図である。
【図12】本発明に係るデータ通信装置で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体のメモリマップを説明する図である。
【符号の説明】
【0310】
1001、1006 画像形成装置
1003 インターネット
1005 ゲートウェイ(GW)
1007 ファクシミ装置(FAX)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
公衆回線を含む第1の通信経路を介して実行される第1のファクシミリ通信、または前記公衆回線を含まない第2の通信経路を介して実行される第2のファクシミリ通信を実行するファクシミリ通信手段を備えたファクシミリ装置であって、
並行して実行することが可能な前記第1のファクシミリ通信または前記第2のファクシミリ通信の通信数を示す制限情報を管理する管理手段と、
前記第1の通信経路または前記第2の通信経路を用いてファクシミリ通信を実行している時に、新たなファクシミリ通信の開始要求を受け付ける受付手段と、
前記新たなファクシミリ通信に用いられる通信経路が、前記第1の通信経路または前記第2の通信経路のいずれであるかを判定する判定手段と、
前記管理手段により管理された情報及び前記判定手段による判定の結果に基づいて、前記新たなファクシミリ通信を開始するか否かを決定し、前記ファクシミリ通信手段を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項2】
前記第1の通信経路は、前記公衆回線、及びLANまたはインターネットを含む通信経路であって、前記第1のファクシミリ通信は、ゲートウェイ装置を介して実行されるリアルタイム型インターネットファクシミリ通信及びG3ファクシミリ通信を含むことを特徴とする請求項1に記載のファクシミリ装置。
【請求項3】
前記第2の通信経路は、前記公衆回線を含まずに、前記LANまたはインターネットを含む通信経路であって、前記第2のファクシミリ通信は、リアルタイム型インターネットファクシミリ通信であることを特徴とする請求項1または2に記載のファクシミリ装置。
【請求項4】
前記管理手段は、並行して実行することが可能な前記第1のファクシミリ通信の通信数を示す第1の制限情報、並行して実行することが可能な前記第2のファクシミリ通信の通信数を示す第2の制限情報、及び並行して実行することが可能な前記第1のファクシミリ通信と前記第2のファクシミリ通信の合計通信数を示す第3の制限情報を、それぞれ個別に管理することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のファクシミリ装置。
【請求項5】
前記第1の制限情報には、前記第2の制限情報により示される通信数よりも少ない通信数が設定されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のファクシミリ装置。
【請求項6】
前記管理手段により管理される制限情報を、ユーザの指示に基づいて設定する設定手段を更に備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のファクシミリ装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記新たなファクシミリ通信と既に並行して実行されているファクシミリ通信とを合計した通信数が、前記管理手段により管理された制御情報を越えない場合に、前記新たなファクシミリ通信を開始すると決定し、前記ファクシミリ通信手段に前記新たなファクシミリ通信を実行させることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のファクシミリ装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記新たなファクシミリ通信を加えた合計通信数が、前記管理手段により管理された制限情報を越えない場合に、前記新たなファクシミリ通信を開始しないと決定し、前記ファクシミリ通信手段に前記新たなファクシミリ通信を拒否させることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のファクシミリ装置。
【請求項9】
公衆回線を含む第1の通信経路を介して実行される第1のファクシミリ通信、または前記公衆回線を含まない第2の通信経路を介して実行される第2のファクシミリ通信を実行することが可能なファクシミリ装置の制御方法であって、
並行して実行することが可能な前記第1のファクシミリ通信または前記第2のファクシミリ通信の通信数を示す制限情報を記憶媒体に記憶させて管理する管理工程と、
前記第1の通信経路または前記第2の通信経路を用いてファクシミリ通信を実行している時に、新たなファクシミリ通信の開始要求を受け付ける受付工程と、
前記新たなファクシミリ通信に用いられる通信経路が、前記第1の通信経路または前記第2の通信経路のいずれであるかを判定する判定工程と、
前記管理工程で管理された情報及び前記判定工程における判定の結果に基づいて、前記新たなファクシミリ通信を開始するか否かを決定し、前記ファクシミリ通信手段を制御する制御工程と、
を備えることを特徴とするファクシミリ装置の制御方法。
【請求項10】
請求項9に記載の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを格納したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
【請求項11】
請求項9に記載の制御をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−131446(P2008−131446A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−315451(P2006−315451)
【出願日】平成18年11月22日(2006.11.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】