説明

ファクシミリ装置及びファクシミリシステム

【課題】受信通知先等を複数設定可能とし、受信通知先等の時間帯設定等を行えるようにして、使用者にとって利便性の高いファクシミリ装置等を提供する。
【解決手段】ファクシミリ装置41は、計時部54と、公衆回線4と接続されるファクシミリ通信部17と、ローカルエリアネットワーク及び広域網を介して、端末と通信を行うためのインターフェイス部18と、ファクシミリを受信した際、送信元情報に対応する受信通知先及び/又は受信画像データ転送先のアドレス情報又はファクシミリ番号の入力を受け付けるとともに、時間帯設定を受け付ける入力部と、これら入力を記憶する記憶部を有し、ファクシミリ通信部17及びインターフェイス部18は、計時部54による計時と、時間帯設定にあわせて、受信通知及び/又は受信画像データの転送を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファクシミリ装置、複合機等の、ファクシミリ通信機能を有する装置に関する。又、これらのファクシミリ通信機能を有する装置とネットワークにより接続された端末により形成されるファクシミリシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ファクシミリ装置、複合機等の、ファクシミリ通信機能(インターネットファクシミリを含む)を有する装置では、ファクシミリ受信時に、ファクシミリの受信を見落とし難くする等の観点から、電子メール等により、受信通知や、受信した画像データの転送を行うものがある。具体的には、ファクシミリ受信時の相手方のファクシミリ番号やメールアドレス等に関連づけて複合機に記憶されるパソコンや携帯電話等の受信通知先や転送先に、受信通知等が複合機から送信される。
【0003】
このような、受信通知を行う複合機の一例が特許文献1に記載されている。特許文献1には、デジタル複合機と端末が同じネットワークに接続された印刷システムにおいて、デジタル複合機がファクシミリを受信すると、ファクシミリの送信元番号と記憶部に格納されているファクシミリ番号とを照合し、照合結果に基づいて登録している端末のIPアドレスを検出してファクシミリ受信通知を送信することを特徴とする印刷システムが記載されている。(特許文献1:請求項3、段落0008等参照)。
【特許文献1】特開2004−192548
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、帰宅後や外出先でファクシミリの受信や、受信内容を確認できるように、インターネット等を介して接続される外部の端末(例えば、パソコンや携帯電話)やファクシミリ装置に、ファクシミリの受信通知や画像データの転送を行いたい場合がある。
【0005】
しかし、特許文献1にもあるように、通常、受信通知や画像データの転送先は、1つしか設定できず、例えば、帰社後は自宅のパソコンに、外出時は携帯電話や携帯情報端末に受信通知等がされるように設定する場合、使用者は、帰社時や外出時に、その都度、ファクシミリ装置の受信通知先等の変更の入力の作業を行わなければならず、煩雑であり、利便性が悪いという問題がある。
【0006】
又、1つのファクシミリの送信元情報(ファクシミリ番号、メールアドレス等)に対して、ファクシミリの受信通知先や受信画像データの転送先を、複数設定できるようにしても、単に、設定された全ての通知先や転送先に、通知、転送を行うことは、効率が悪く、通信費がかさむ上に、セキュリティ上も好ましいとは言えない。
【0007】
尚、特許文献1記載の発明は、DHCP機能により、IPアドレスを動的に端末に割り当てることができるものの、同じネットワークに接続された端末に対する受信通知に止まっており、1つのファクシミリ受信に対し、複数の受信通知先を設定するどころか、異なるネットワークに接続された端末に対し、帰宅後や外出先で受信通知等をうけることができない。従って、上記の問題を解決することはできない。
【0008】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、受信通知先等を複数設定可能とし、受信通知先等のそれぞれについて、送信の時間帯設定を行えるようにして、使用者の受信通知先等の設定に要する作業を軽減し、使用者にとって利便性の高いファクシミリ装置、ファクシミリシステムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため請求項1に係る発明は、日時を計時する計時部と、公衆回線と接続され、ファクシミリ通信を行うファクシミリ通信部と、ローカルエリアネットワーク及び広域網を介して、装置と通信可能とされる端末と通信を行うためのインターフェイス部と、ファクシミリを受信した際、ファクシミリの送信元情報に対応する受信通知先及び/又は受信画像データ転送先のアドレス情報又はファクシミリ番号の入力を受け付けるとともに、受信通知及び/又は受信画像データの転送を行う時間帯設定を受け付ける入力部と、前記受信通知先及び/又は前記受信画像データの転送先のアドレス情報又はファクシミリ番号と、前記時間帯設定を記憶する記憶部を有し、前記ファクシミリ通信部及び前記インターフェイス部は、前記計時部による計時と、前記時間帯設定にあわせて、受信通知及び/又は受信画像データの転送を行うこととした。
【0010】
この構成によれば、複数の受信通知先、転送先について、それぞれ時間帯の設定が可能であるから、使用者が希望する、必要とする場所、端末で受信通知等を受け取ることができ利便性が高く、効率がよい(例えば、自宅のパソコンや携帯電話等)。又、一度設定を行えば、使用者は、帰宅時や外出時、その都度、受信通知先等の変更・追加を行う必要がなくなり、利便性の高いファクシミリ装置を提供することができる。
【0011】
又、請求項2に係る発明は、相手方ファクシミリの前記送信元情報は、Fコード、相手方ファクシミリ番号、相手方アドレス情報であって、前記記憶部には、その記憶領域に相手方ファクシミリの前記送信元情報ごとに受信した画像データが振り分けられる複数の親展ボックスが設けられ、前記記憶部は、前記親展ボックスごとに、前記受信通知先及び/又は前記受信画像データの転送先のアドレス情報又はファクシミリ番号と時間帯設定を記憶することとした。
【0012】
この構成は、請求項1の発明の構成を具体的に示したものであって、親展ボックスに関連づけて、受信通知等を行うアドレス情報を設定することができる。例えば、親展ボックスに対応する担当者ごとにアドレス情報や時間帯設定を行うことができ、設定を行いやすい。
【0013】
又、請求項3に係る発明は、前記入力部は、前記時間帯設定に加え、受信通知及び/又は画像データの転送を行う日付設定を受け付け、前記記憶部は、前記入力部から入力された日付設定を記憶し、前記ファクシミリ通信部及び前記インターフェイス部は、前記計時部による計時と、前記日付設定及び前記時間帯設定にあわせて、受信通知及び/又は受信画像データ転送を行うこととした。
【0014】
この構成によれば、時間帯設定に加え、日付設定も行えるから、休日や出張等の日付ごとに設定を行いたい場合にも対応して、受信通知等を行うアドレス情報を設定することができる。又、例えば、1週間の特定の曜日について設定を行うようにしてもよく、より詳細に、使用者が希望する、必要とする場所、端末で受信通知等を受け取る設定を行うことができる。
【0015】
又、請求項4に係る発明は、前記入力部は、時刻を指定してファクシミリ送信を行うタイマー送信の設定と、タイマー送信の送信結果通知先のアドレス情報の入力と、送信結果通知を行う時間帯、日付設定を受け付け、前記記憶部は、タイマー送信を行う画像データを記憶するとともに、送信結果通知先のアドレス情報と、送信結果通知を行う時間帯設定、日付設定を記憶し、前記計時部は、ファクシミリの送信を行う時刻の計時を行い、前記ファクシミリ通信部及び前記インターフェイス部は、前記計時部による計時と、タイマー送信設定にあわせて、相手方ファクシミリ装置にファクシミリ送信を行うとともに時間帯設定、日付設定にあわせて、選択された前記端末に送信結果を発信することとした。
【0016】
この構成によれば、更に、タイマー送信を設定した場合の送信が良好に行われたかどうかを確認するための送信結果を、使用者は希望する場所、時間、端末で受け取ることができる。例えば、相手方ファクシミリ装置が、長時間話し中で送信が行えなかった場合などは、送信未了の結果が送信され、ファクシミリの送信漏れを防ぐことができる。
【0017】
又、請求項5に係る発明は、ファクシミリ装置と、装置と通信可能とされる複数の端末とで構成されるファクシミリシステムにおいて、前記ファクシミリ装置は、日時を計時する計時部と、公衆回線と接続され、ファクシミリ通信を行うファクシミリ通信部と、ローカルエリア及び広域網を介して、装置と通信可能とされる前記端末と通信を行うためのインターフェイス部と、ファクシミリを受信した際、ファクシミリの送信元情報に対応する受信通知先及び/又は受信画像データ転送先のアドレス情報又はファクシミリ番号の入力を受け付けるとともに、受信通知及び/又は受信画像データの転送を行う時間帯設定を受け付ける入力部と、前記受信通知先及び/又は前記受信画像データの転送先のアドレス情報又はファクシミリ番号と、前記時間帯設定を記憶する記憶部を有し、前記ファクシミリ通信部及び前記インターフェイス部は、前記計時部による計時と、前記時間帯設定にあわせて、前記端末に受信通知及び/又は受信画像データの転送を行うこととした。
【0018】
この構成は、本発明を、ファクシミリ装置と受信通知の対象となる端末との組み合わせからなるファクシミリシステムとして捉えたものであり、請求項1と同様に、本システムによれば、使用者が希望する、必要とする場所、端末、ファクシミリ装置で受信通知や画像データの転送を受け取ることができる(例えば、自宅のパソコンや携帯電話等)。又、一度設定を行えば、使用者は、帰宅時や外出時に、その都度、受信通知先等の設定を行わなくてよくなる
【発明の効果】
【0019】
上述したように、本発明によれば、使用者が希望する、必要とする場所、端末で受信通知等を受けることができ利便性が高く、通信費も抑えられ、効率がよいファクシミリ装置及びファクシミリシステムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の第1の実施形態について図1〜4を参照しつつ説明する。但し、本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。尚、本実施形態においては、ファクシミリ装置がファクシミリ機能の他、コピー、プリンタ、スキャナとして使用できる複合機1である場合の例について説明する。
【0021】
まず、図1に基づき、複合機1の属するファクシミリシステムについて説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係るファクシミリシステムの一例を示す構成図である。
【0022】
まず、図1に示す複合機1が属するLAN2(ローカルエリアネットワーク)(2点鎖線で図示)内には、例えば、複合機1の他、複合機1と通信可能な端末として複数のPC21、メールサーバ22、Webサーバ23が設けられる。
【0023】
前記PC21は、ノートパソコンやデスクトップパソコンで構成されるユーザ端末であり、インターフェイスを有し、複合機1とデータの送受信が可能である。これにより、例えば、PC21から画像形成を行うデータを送信し、複合機1がこのデータに基づき画像形成を行えば、複合機1をプリンタとして使用することができる(プリンタ機能)。又、複合機1で読み取った原稿の画像データをPC21に記憶させることにより、複合機1をスキャナとして使用することができる(スキャナ機能)。又、PC21からファクシミリ送信する画像データを複合機1に送信することで、相手方ファクシミリ装置41に直接ファクシミリ送信することも可能である(ファクシミリ機能)。尚、複合機1は、後述する原稿読取部10、画像形成部12を有し、これらを用いて、原稿の複写を行うことも可能である(コピー機能)
【0024】
前記メールサーバ22は、インターネット3に常に接続され、LAN2内の複合機1やPC21の電子メールの送受信に用いられ、電子メールの送信や受信を行う。メールサーバ22は、SMTP、POP3、IMAP4等のプロトコルに基づき電子メール通信を提供する。
【0025】
更に、複合機1をインターネットFAXとして利用する場合、電子メールに送受信する画像データを添付してファクシミリ通信を行うので、複合機1は、メールサーバ22内のメールボックスにアクセス可能である。従って、複合機1がインターネットFAXとしてファクシミリ送信を行う場合、複合機1は、相手方インターネットファクシミリ31のメールアドレス宛の画像データが添付された電子メールを作成し、メールサーバ22に送信する。又、受信の場合、複合機1は、画像データが添付された電子メールをメールサーバ22から受け取り、添付された画像データをプリントし、親展ボックス7(詳細は後述)に画像データを送信する。
【0026】
前記Webサーバ23は、LAN2内のPC21や、インターネット3を介した外部からアクセスする端末(外部のPC32、PDA33、携帯電話34等)に対し、情報送信を行なうコンピュータであり、HTML文書や画像などの情報を蓄積し、外部の端末上のWebブラウザなどのクライアントソフトウェアの要求に応じて、情報を送信する。これにより、外部の端末にWebブラウザを介してWeb画面が表示される。
【0027】
そして、Web画面上では、ファクシミリの受信通知や転送先等の複合機1の設定を変更することができる。この複合機1の設定変更の際には、例えば、認証のため、ユーザID及びパスワード入力画面が表示され、ユーザID及びパスワードが正当であると認められるときのみ、Webサーバ23は、複合機1の設定変更を受け付ける。言い換えると、Webサーバ23は、インターネット3を介したリモートアクセスサーバ(RAS)のように機能する。
【0028】
そして、複合機1は、ファイアウォール24、インターネット3を介し、インターネットファクシミリ31(メールサーバ31a)、PDA33、PC32、携帯電話34等の端末と接続され、通信可能となっている。又、複合機1は、相手方のファクシミリ装置41とファクシミリ通信を行うために、公衆回線4(公衆電話回線)とも接続され、ファクシミリ通信が可能とされる。
【0029】
次に、図2に基づき本発明の第1の実施形態に係る複合機1の詳細について説明する。図2は、本発明の第1の実施形態に係る複合機1の構成の一例を示すブロック図である。
【0030】
図2で示すように、複合機1(2点鎖線で図示)は、原稿読取部10、ワークRAM11、画像形成部12、シート供給部13、シート搬送路14、HDD15、フラッシュROM16、制御部5、ファクシミリ通信部17、インターフェイス部18、外部記憶装置用インターフェイス19等を有する。尚、操作パネル6については、図3により、詳細に後述する。
【0031】
前記原稿読取部10は、原稿を読み取り、読み取った原稿の画像データを形成する。例えば、原稿読取部10の上面にはコンタクトガラスが設けられ、原稿読取部10内には、露光ランプ、反射板、ミラー、レンズ、CCDセンサ(不図示)等が設けられ、光学的に原稿を走査し、画像データを生成する。即ち、原稿の画像を読み取るスキャナに該当する。又、CIS(Contact Image Sensor)によって原稿の読み取りを行うものでも良い。
【0032】
前記ワークRAM11は、原稿読取部10により読み取られた画像データを一時的に蓄積し、原稿の画像データに対し、シェーディング補正、ガンマ補正、濃度補正等、各種画像処理を施す高速メモリである。
【0033】
前記画像形成部12は、シート搬送路14よって搬送されてきたシートに対して所定の画像形成を行う。本実施形態での画像形成部12は、主として、画像形成ユニット12a及び画像形成ユニット12aのシート搬送方向下流側に設けられる定着装置12bを備える。尚、複合機1をカラー対応とする場合は、画像形成ユニット12aを複数備えるようにしてもよい。
【0034】
本実施形態での前記画像形成ユニット12aは、例えば、感光体ドラム及び感光体ドラムの周囲に配設された帯電装置、現像装置、露光装置、転写ローラ、クリーニング部等を備える(不図示)。
【0035】
感光体ドラムは所定方向に回転駆動され、帯電装置は、感光体ドラムの表面を所定電位に均一に帯電させる。露光装置は、原稿読取部10で形成された画像データ、PC21から送信される画像データ、受信したファクシミリの画像データに基づき、光により感光体ドラム表面を、走査露光して画像情報に応じた静電潜像を形成する。現像装置は、静電潜像にトナーを供給して現像する。転写ローラと感光体ドラムとの間ではニップが形成され、このニップを通過する際、搬送されてきたシートや中間転写体(不図示)に感光体ドラム上のトナー像が転写される。クリーニング部は、転写の終了後、感光体ドラムの表面に残留するトナーを清掃する。
【0036】
そして、中間転写体に転写されたトナー像も最終的にシートに転写され、トナー像が転写されたシートは、定着装置12bに送られる。本実施形態における定着装置12bは、例えば、加熱ローラとこれに圧接する加圧ローラとで構成され得る(不図示)。加熱ローラと加圧ローラのニップを、トナー像の転写されたシートが通過することで、トナーが溶融・加熱され、トナー像がシートに定着する。
【0037】
前記シート供給部13は、複合機1に対し、画像形成を行う旨の入力がなされると、画像形成部12に向けてシートを供給する。例えば、シート供給部13は、各サイズの用紙等のシートが収納されるカセット、各カセットからシートを1枚ずつシート搬送路14に送り出すピックアップローラ等を備える(不図示)。
【0038】
前記シート搬送路14は、シート供給部13から供給されたシートを、画像形成ユニット12a、定着装置12bを経て複合機1外まで搬送する。シート搬送路14には、回転駆動する複数の搬送ローラ対やシートの搬送方向を案内するガイドが設けられる。
【0039】
前記HDD15(Hard disk drive)(記憶部に相当)は、大容量の記憶装置である。例えば、原稿読取部10で読み取られた画像データや、ファクシミリ受信した画像データを記憶する。その他、複合機1の制御に必要となるプログラムや制御データを記憶することもできる。又、HDD15の記憶領域には、親展ボックス7を設けることができ、複合機1本体のみで、親展ボックス7機能を実現することも可能である。
【0040】
このHDD15の記憶領域に設けられる複数の親展ボックス7は、利用者や部門ごとの私書箱のように利用するための記憶領域であり、相手方ファクシミリ装置41の送信元情報により、ファクシミリ受信した画像データが各親展ボックス7に振り分けられて保存される。そして、各親展ボックス7は、送信元に対応する各部署や担当者ごとに割り当てられる。又、各親展ボックス7には担当者や管理者のみアクセス可能として、アクセス制限をかけることもできる。
【0041】
ここで、送信元情報とは、相手方のファクシミリ番号や、インターネットファクシミリ31を受信した場合の相手方の電子メールアドレス(アドレス情報)、Fコード(半角の0〜9、♯、*、およびスペースを使い、最大20桁で登録する暗証番号のようなもの。送信先が自己のファクシミリ装置についてFコードを登録し、ファクシミリ送信の際にFコードを送信することで、受信先は送信先を識別できる。)等、相手方ファクシミリ装置41や発信者を特定できる情報である。
【0042】
前記フラッシュROM16(記憶部に相当)は、ファクシミリの受信通知先のアドレス情報や、受信したファクシミリの画像データの転送先のアドレス情報やファクシミリ番号等を記憶する。又、受信通知先、転送先の時間帯設定を記憶することもできる。尚、親展ボックス7ごとに(対応付けて)、受信通知先、受信画像データ転送先となる端末のアドレス情報等を記憶する。又、これらの受信通知先等は、HDD15に保存しても良い。
【0043】
前記制御部5は、複合機1の各部を適切に制御し、各機能を実現する。そのための構成として、制御部5は、CPU51、RAM52、ROM53、計時部54等を有する。
【0044】
前記CPU51は、中央演算処理装置であって、ROM53、HDD15、フラッシュROM16等に格納され、RAM52に展開される制御プログラム、制御データに基づき複合機1の各部を制御する。前記ROM53は、複合機1の制御プログラムや制御データを格納し、CPU51は、ROM53から制御用プログラム等を読み出す。RAM52は、制御プログラムや制御データを一時的に展開する場合や、画像データを一時的に保存しておく場合などに用いられる。
【0045】
そして、各種制御プログラムをROM53、HDD15、フラッシュROM16等から読み出して、RAM52上に展開し制御プログラムを駆動させ、CPU51が処理、演算することで、複合機1を構成し、又、制御部5と接続される原稿読取部10、画像形成部12等の各部の動作が的確に制御される。
【0046】
前記計時部54は、いわゆるタイマであって、日時を計時する。そして、CPU51は、ファクシミリのタイマー送信や、受信通知等が設定された時間帯設定通りに行われるように、適宜、計時部54から時刻情報、日付情報を受け取る。
【0047】
前記ファクシミリ通信部17は、公衆回線4と接続され、ファクシミリ通信を行う部分であり、例えば、画像メモリ、符号化部、復号化部、モデム、網制御部5等を備える(不図示)。画像メモリは、ファクシミリで送受信される画像データを一時的に保存する。符号化部は、送信する画像データを規格上(例えばG3規格)定められる方式で、データの圧縮を行う。一方、復号化部は、データが圧縮されている受信した画像データの復号化を行う。モデムは、ファクシミリ送信では、符号化部で符号化された画像データの変調を行い、ファクシミリの受信では、受信した画像データの復調を行って、画像データを公衆回線4(電話回線)で送受信するため変換、逆変換を行う。網制御部は、公衆回線4の交換機に対し回線の接続、相手側のファクシミリ番号の通知、切断、通信先等の変更等の処理を行う部分であり、公衆回線4との実際の接続を担う部分である。
【0048】
前記インターフェイス部18は、LAN2及び広域網(インターネット3)を介して、装置と通信可能とされる端末と通信を行うためのインターフェイスであって、複合機1を、LAN2内のPC21や各サーバ、インターネット3と通信可能に接続するためのインターフェイスが集約されたものである。例えば、インターフェイス部18は、制御部5を構成する制御基板に差し込まれ、様々なコネクタを備えるネットワークインターフェイスカードの形態で提供される。
【0049】
例えば、インターフェイス部18は、高速双方向パラレル(IEEE1284準拠)や、ネットワークインタフェース(10Base-T/100Base-TX)等、その他USB(Universal Serial Bus)やコネクタ、ソケットを有する。これらにより、図2に示すように、複合機1と、LAN2により接続されたPC21や、インターネット3を介して接続されるインターネットファクシミリ31、PDA33、PC32、携帯電話34等の端末とデータの送受信、即ち、通信可能とされる。
【0050】
前記外部記憶装置用インターフェイス19は、例えば、コンパクトフラッシュ(登録商標)やSDカードやUSBメモリ等のような、携帯可能なメモリ内のデータ、画像データを複合機1内に取り込むためのインターフェイスである。各メディアを挿入可能なようにコネクタが設けられる。
【0051】
このように、公衆回線4やインターネット3を介し、外部のファクシミリ装置41、インターネットファクシミリ31、PC32、PDA33、携帯電話34等と通信可能に接続された複合機1における、ファクシミリ受信時の受信通知、受信した画像データの転送について、図3及び図4に基づき説明する。
【0052】
図3は、本発明の第1の実施形態に係る複合機1の操作パネル6の一例を示す図であり、(a)は、操作パネル6の全体図、(b)は、受信通知先、転送先の入力方法の一例を示す図である。図4は、本発明の第1の実施形態に係る受信通知及び画像データの転送先の時間帯設定画面の一例を示す図である。
【0053】
まず、本実施形態における複合機1は、LAN2内のPC21や、インターネット3を介して接続されるPC32等に、ファクシミリの受信通知を行う機能を有する。又、受信したファクシミリを他のファクシミリ装置41や、インターネットファクシミリ31やPC32に対し、受信画像データを転送する機能を有する。尚、受信画像データは、PC21、32等の各端末で印刷、閲覧できるように、制御部5が所定のファイル形式(例えばtiff、jpeg、pdf等のファイル形式)に変換した上で、転送される。
【0054】
この設定のため、図3(a)に示すように、操作パネル6(図2参照)が、通常、複合機1の正面上方に設けられる。操作パネル6は、テンキー61、スタートキー62等の入力、設定用の各種キーを備える。又、装置の動作状態や各種メッセージを表示し、タッチパネルにより各種設定、モード選択等を行うことができる液晶表示部63を備える。従って、使用者は、操作パネル6から複合機1を操作・設定可能である。
【0055】
具体的に、使用者は、操作パネル6から、印刷枚数の設定や、画像形成や画像スキャンの際の拡大・縮小処理、濃度変更処理、枠消し処理等、複合機1の有する機能に対する設定を行える。又、本発明に関し、複合機1でファクシミリ通信を行う場合、操作パネル6の左端に位置するファクシミリ機能キー64を押した後、例えば、相手方のファクシミリ番号をテンキー61から入力したり、液晶表示部63で記憶された相手方を指定したり、送信する原稿の読取、解像度、用紙のサイズ等の設定等を行うことができる。
【0056】
そして、図3(b)に示すように、操作パネル6は、液晶表示部63にソフトキーボード65を表示できる。液晶表示部63は、タッチパネルとなっているから、液晶表示部63を押下する位置にあわせて、ソフトキーボード65上でどのキーが押されたかが判別される。そして、その押下した結果が、入力表示欄66に表示される。そして、このソフトキーボード65により、受信通知先や、画像データの転送先のアドレス情報等を操作パネル6から入力することができる。この入力結果は、制御部5に送信されるとともに、フラッシュROM16等に送信され、記憶される。
【0057】
ここで、受信通知先や、画像データの転送先は、上述した各親展ボックス7と対応させ、各親展ボックス7に関連して設定されるようにしてもよい。即ち、親展ボックス7は、送信元情報に基づき、社内の各部署や、各担当者に割り当てられるので、送信元と受信通知先、受信画像データ転送先や各設定と担当者とを対応づけて記憶することができる。言い換えると、親展ボックス7に受信したファクシミリの画像データが送信されたことを契機として、受信通知先又は、受信画像データ転送先として最も適切な、LAN2内の各部署や各担当者のPC21、各担当者の携帯電話34や、自宅のPC32、ファクシミリ装置41等に向けて、受信通知や画像の転送を行うことができる。
【0058】
尚、受信通知先等の設定は、必ず親展ボックス7と対応させる必要はなく、親展ボックス機能がない場合などは、相手方ファクシミリ装置41の送信元情報ごとに、受信通知先や、画像データの転送先を設定すれば良い。
【0059】
操作パネル6から設定する受信通知先や、画像データの転送先のアドレス情報には、複合機1とインターネット3を介して接続されるPC32、PDA33、携帯電話34、インターネットファクシミリ31のメールアドレスや、LAN2により接続されるPC21のメールアドレス、IPアドレスが含まれる。又、画像データの転送先には、ファクシミリ装置41も考えられるので、画像データの転送先としてのファクシミリ装置41のファクシミリ番号を設定・入力することが可能である。
【0060】
そして、図4に示すように、本発明の実施形態に係る複合機1では、各受信通知先や、画像データの転送先について、時間帯設定を行うことが可能である。尚、図4では、親展ボックス7と、受信通知先や、画像データの転送先が対応付けられている場合を示す(以下、同じ)。
【0061】
図4は、操作パネル6の液晶表示部63での表示の一例を示し、この親展ボックス7の設定画面では、親展ボックス7のボックス番号やユーザIDが表示される。そして、複数の受信通知先や、受信画像データ転送先の設定と、時間帯設定を行うことが可能であり、具体的には、受信通知チェックボックス71、転送先チェックボックス72、送信先情報表示欄73、時間帯設定ボタン74、時間帯表示欄75が液晶表示部63に表示される。
【0062】
前記受信通知チェックボックス71、前記転送先チェックボックス72は、画面左方に並列して設けられ、各アドレス情報等に対応して、受信通知及び転送先の設定をONとするためのチェックボックスである。そして、受信通知チェックボックス71にチェックが入っていると、送信先情報表示欄73に表示された端末に向けて受信通知を行い、転送先チェックボックス72にチェックが入っていると、その端末や相手方ファクシミリ装置41に画像データの転送を行う。
【0063】
前記送信先情報表示欄73は、転送先チェックボックス72の右方に設けられ、具体的な受信通知先、画像転送先を示すものであり、この欄を押下すれば、例えば、図3(b)に示す、ソフトキーボード65が呼び出され、アドレス情報等を変更することができる。
【0064】
前記時間帯設定ボタン74は、送信先情報表示欄73の下方に設けられ、実際に受信通知や画像データの転送を行う時間帯の設定を行うためのボタンである。この時間帯設定ボタン74を押下し、例えば、テンキー61部での入力や、ソフトキーボード65への入力により時間帯設定を自由に変更することができる。
【0065】
前記時間帯表示欄75は、設定された時間帯を表示する。そして、複合機1は、制御部5による制御により、ファクシミリ通信部17又はインターフェイス部18を介し、計時部54による計時と、時間帯設定にあわせ、設定された端末やファクシミリ装置41に受信通知や受信画像データを発信する。言い換えると、ファクシミリの受信を受けた際に行う受信通知や画像データの転送を、時間帯設定に基づき行う。これにより、使用者が希望する場所、時間に、受信通知や画像データの転送を受けることができる。しかも、受信通知先や画像データの転送先は、複数設定でき、外出時や帰宅時ごとに、設定の変更を行う必要がなくなる。尚、これらの設定は、例えば、フラッシュROM16に保存される。
【0066】
その設定の一例について説明すると、例えば、図4の最上段の送信先情報表示欄73に関する設定では、親展ボックス7の担当者の出社時間帯では、LAN2内での端末に受信通知がなされるように、受信通知チェックボックス71をチェックし、受信通知先を担当者のPC21のメールアドレス(例えば、○○○○@△△△.co.jp、IPアドレスでもよい。)に設定し、時間帯設定を出社時間帯(例えば、AM9:00〜PM5:00)とすることができる。
【0067】
又、例えば、図4の中段の送信先情報表示欄73に関する設定では、1日の勤務が終了し、退社後には、担当者の所有する携帯電話34やPDA33等に、受信通知がなされるように、受信通知チェックボックス71をチェックし、受信通知先を担当者の携帯電話34等のアドレス(例えば、□□□□@×××.co.jp)を設定し、時間帯設定を出社時間帯を除く時間帯設定(例えば、PM5:00〜AM9:00)とすることができる。
【0068】
又、例えば、図4の最下段の送信先情報表示欄73に関する設定では、帰宅後に、自宅のファクシミリ装置41やインターネットファクシミリ31やPC32等で画像データの転送を受けることができるように、転送先チェックボックス72をチェックし、転送先を担当者の自宅のファクシミリ番号(例えば、01−2345−6789)やメールアドレスに設定し、時間帯設定を帰宅後、所定の時間帯設定(例えば、PM6:00〜AM0:00)とすることができる。
【0069】
尚、設定可能な受信通知先、画像データの転送先、時間帯設定は、図4に示したものに限られるものではない。又、更に、受信通知先、画像データの追加設定を行えるように、設定画面は複数ページを持つようにしても良い(次ページに移動するためのボタンがネクストページボタン76)。
【0070】
このように、操作パネル6は、ファクシミリを受信した際に、相手方ファクシミリの送信元情報に対応する受信通知先及び/又は受信画像データの転送先となり得る複数の端末のアドレス情報の入力を受け付けるとともに、端末ごとに受信通知及び/又は画像データの転送を行う時間帯を設定する入力部となる。
【0071】
このようにして、本発明の第1の実施形態によれば、複数の受信通知先、転送先について、それぞれ時間帯の設定が可能であるから、使用者が希望する、必要とする場所、端末で受信通知等を受け取ることができる(例えば、会社の自己のPC21だけでなく、自宅のパソコンや携帯電話34等)。又、一度設定を行えば、使用者は、帰宅時や外出時、その都度、受信通知先等の変更・追加を行う頻度が少なくなり、利便性の高いファクシミリ装置を提供することができる。
【0072】
又、親展ボックス7に関連づけて、受信通知等を行うアドレス情報を設定することができるので、例えば、親展ボックス7に対応する顧客の担当者ごとにアドレス情報や時間帯設定を行うことができ、設定を行いやすい。
【0073】
次に、図5に基づき本発明の第2の実施形態について説明する。図5は本発明の第2の実施形態に係る受信通知及び画像データの転送先の日付設定画面の一例を示す図である。
【0074】
第2の実施形態は、第1の実施形態で示した時間帯設定に加え、操作パネル6は、受信通知や受信画像データの転送を行う日付の設定を受け付け、フラッシュROM16等は、入力された日付設定を記憶し、インターフェイス部18、ファクシミリ通信部17は、計時部54による計時と、複数の前記端末ごとの日付及び時間帯設定にあわせて、設定されたPC21、32、携帯電話34等やファクシミリ装置41に受信通知や受信画像データを発信する。
【0075】
尚、第2の実施形態の基本的な構成は、図1〜4を用いて説明した上記の第1の実施形態と同様であるから、上記の第1の実施形態と共通する構成については、図面の記載及び説明を省略する。
【0076】
本実施形態では、液晶表示部63に表示される画面は、第1の実施形態に加え、日付設定ボタン77及び日付表示欄78が、追加された態様である。日付設定ボタン77は、時間帯設定ボタン74の下方に設けられ、実際に受信通知や画像データの転送を行う日付の設定を行うためのボタンである。この時間帯設定ボタン74を押下し、例えば、テンキー61部での入力や、呼び出されたソフトキーボード65への入力により日付を設定、変更することができる。
【0077】
前記日付表示欄78は、設定された日付を表示する。そして、複合機1は、ファクシミリ通信部17又はインターフェイス部18を介し、計時部54による計時と、時間帯設定、日付設定にあわせて、設定された端末や転送先ファクシミリ装置41に受信通知や受信した画像データを発信する。即ち、受信通知や画像データの転送を、この時間帯設定と日付設定に基づき行う。これにより、使用者が希望する場所、時間、日付に、受信通知や画像データの転送を受けることができる。しかも、受信通知先や画像データの転送先は、複数設定できる。尚、これらの設定は、例えば、フラッシュROM16に保存される。
【0078】
その設定の一例について説明すると、例えば、図5の上段の送信先情報表示欄73に関する設定では、親展ボックス7の担当者の出社時間帯ではLAN2内での端末に受信通知がなされるように、受信通知チェックボックス71をチェックし、受信通知先を担当者のPC21のアドレスに設定し、時間帯設定を出社時間帯(例えば、AM9:00〜PM5:00)とし、更に、日付設定を平日(月曜日〜金曜日)とすることができる。
【0079】
又、例えば、図5の下段の送信先情報表示欄73に関する設定では、終日出張するため、担当者の所有する携帯電話34、PDA33、ノートパソコン(PC32)等に、受信通知や画像データの転送がなされるように、受信通知チェックボックス71と転送先チェックボックス72にチェックし、受信通知先に担当者の携帯電話34等のアドレス(例えば、□□□□@×××.co.jp)を設定し、時間帯設定を終日(例えば、AM0:00〜PM12:00)とし、更に、日付設定を実際の出張日(◇◇◇◇年☆☆月★★日)とすることができる。
【0080】
このように、日付設定は、具体的な日を設定できるようにしても良いし、又、範囲や特定の曜日を指定できるようにしてもよい。これにより、週間予定や、月間予定に基づき、受信通知先や画像データの転送先の設定を行うことができる。
【0081】
このようにして、本実施形態によれば、時間帯設定に加え、日付設定も行えるから、休日や出張等の日付ごとに設定を行いたい場合にも対応して、受信通知等を行うアドレス情報を設定することができる。又、例えば、1週間の特定の曜日について設定を行うようにしてもよく、使用者の事情をより反映させて、より詳細に、使用者が希望する、必要とする場所、端末で受信通知等を受け取る設定を行うことができ、使用者の利便性が非常に高い。
【0082】
次に、図6に基づき、本発明の第3の実施形態について説明する。図6は本発明の第3の実施形態に係る送信結果通知の設定画面の一例を示す図である。
【0083】
第3の実施形態は、第1、2の実施形態で示した時間帯設定、日付設定に加え、操作パネル6は、ファクシミリの送信を行う時刻を指定するタイマー送信の設定と、タイマー送信の結果を送信する送信結果通知先のアドレス情報の入力と、送信結果通知を行う時間帯、日付設定を受け付け、フラッシュROM16は、送信結果通知先のアドレス情報と、送信結果通知を行う時間帯設定、日付設定を記憶し、計時部54は、ファクシミリの送信を行う時刻の計時を行い、ファクシミリ通信部17又はインターフェイス部18は、計時部54による計時と、タイマー送信設定にあわせて、相手方ファクシミリ装置41にファクシミリ送信を行うとともに時間帯設定、日付設定にあわせて、送信結果通知を発信する。
【0084】
尚、第3の実施形態の基本的な構成は、図1〜5を用いて説明した上記の第1、第2の実施形態と同様であるから、上記の実施形態と共通する構成については、図面の記載及び説明を省略する。
【0085】
本実施形態では、液晶表示部63に表示される画面では、第1、2の実施形態に加え、送信結果通知チェックボックス79が、追加された態様である。具体的には、送信結果通知チェックボックス79は、図6において、転送先チェックボックス72の右方に設けられる。このチェックボックスにチェックを入れることにより、送信先情報表示欄73に表示された送信結果通知先に、タイマー送信の送信結果が通知される。
【0086】
ここで、タイマー送信とは、設定した時刻に到った際に、ファクシミリ送信を行う機能である。例えば、相手方からの送信時刻の指定があった場合や、外国に向けてファクシミリ送信する場合等に利用される。タイマー送信を行う場合には、例えば、ファクシミリ送信を行う画像データをHDD15等に保存しておき、計時部54の計時により、送信時間に到った時に、制御部5は、HDD15、フラッシュROM16等に保存される画像データを相手方ファクシミリ装置41等に送信する。
【0087】
しかし、タイマー送信の設定を行っても、送信先のファクシミリ装置41が長時間話し中の状態や用紙切れ状態となっている場合など、つながらない場合があり、タイマー送信が確実に行われるとは限らない。そこで、本実施形態の複合機1は、タイマー送信の送信結果を通知することができる。例えば、送信結果は、「タイマー送信は、正常に行われました。」、「タイマー送信は、正常に行われませんでした。」のような、テキストデータからなる電子メールの態様で送信される。
【0088】
そして、本実施形態の複合機1では、送信結果通知の送信先や、時間帯設定、日付設定を、親展ボックス7に対応させつつ、受信通知等と同様に設定することができる。即ち、相手方ファクシミリ装置41の送信元情報(ファクシミリ番号、メールアドレス、Fコード等)に基づき、親展ボックス7が設けられるので、タイマー送信を行う相手方ファクシミリ装置41のファクシミリ番号等から、親展ボックス7と対応付けることができる。これにより、使用者は、希望する時間、場所で、送信結果通知を受け取ることができる。
【0089】
このようにして、本実施形態によれば、更に、タイマー送信を設定した場合の送信が良好に行われたかどうかを確認するための送信結果を、使用者は希望する場所、時間、端末で受け取ることができる。例えば、相手方ファクシミリ装置41が、長時間話し中で送信が行えなかった場合などは、送信未了の結果が送信され、ファクシミリの送信漏れを防ぐことができる。
【0090】
次に、図7に基づき、本発明の第4の実施形態について説明する。図7は本発明の第4の実施形態に係る外部からの設定変更情報の受け付けについて説明する。図7は、本発明の第4の実施形態に係る複合機1の受信通知先等の変更を行う端末の表示装置に表示されるWeb画面の一例であり、(a)は、ユーザID及びパスワード入力画面の一例を示し、(b)は、複合機1の受信通知先等の変更を行う画面の一例を示す。
【0091】
尚、第4の実施形態の基本的な構成は、図1〜6を用いて説明した上記の第1〜3の実施形態と同様であるから、上記の実施形態と共通する構成については、図面の記載及び説明を省略する。
【0092】
本実施形態の複合機1は、図1に示すように、Webサーバ23と通信可能にLAN2により接続される。そして、Webサーバ23は、LAN2内の各PC21等の端末やインターネット3を介してPC32、PDA33、携帯電話34等の端末も通信可能とされる。尚、Webサーバ23を設けず、複合機1自体にサーバ機能を有するサーバ部を設けても良い。
【0093】
従って、複合機1は、設定変更情報を複合機1と通信可能な端末から受け付けることが可能である。尚、設定変更情報とは、受信通知先、受信画像データ転送先、送信結果通知先の追加・変更や、時間帯設定、日付設定、各チェックボックスのチェックのON/OFF等、受信通知、受信画像データ転送、送信結果通知に関する設定を変更するため、各端末から複合機1に向けて送信される情報、データである。
【0094】
そして、本実施形態の複合機1は、この設定変更情報に基づき、制御部5による制御により、フラッシュROM16やHDD15等に記憶される受信通知先、受信画像データ転送先、送信結果通知先等の設定が追加・変更される。これにより、帰宅後や外出時に、受信通知先、受信画像データ転送先、送信結果通知先を変更し忘れた場合や、複合機1等の受信通知先等の設定を変えて帰宅、外出したものの、受信通知等が不要になった場合など、直接複合機1を操作することなく、LAN2内の端末や、インターネット3を介して接続される端末から設定を行うことができる。
【0095】
しかし、複合機1に送信される全ての設定変更情報に基づき、受信通知先等を変更することは、セキュリティ管理上好ましくない。そこで、本実施形態の複合機1は、ユーザID及びパスワードを確認し、正当であると認められた場合に、設定変更情報に基づき、受信通知先及び/又は転送先の設定の追加・変更を行なう。
【0096】
まず、複合機1のフラッシュROM16等は、端末が送信する設定変更情報が権限を有する者から送信されているか否か判断するための複数のユーザID及びパスワードを記憶している。
【0097】
一方、端末での設定変更情報の入力は、各端末の表示装置(例えば、ディスプレイや液晶画面)にブラウザを介して表示されるWeb画面上で行われる。このWeb画面のデータの送信は、複合機1と通信可能に接続されるWebサーバ23が行う。そして、各端末から、複合機1へのアクセス要求があった場合、Webサーバ23が各端末にWeb画面のデータを各端末に送信する。
【0098】
まず、図7(a)に示すように、各端末には、ユーザIDとパスワードを入力するための照合手続画面81が表示される。この照合手続画面81では、ユーザIDを入力するためのユーザID入力欄82と、パスワードを入力するためのパスワード入力欄83が設けられる。そして、設定変更情報を送信しようとする者は、自己に割り当てられた、ユーザID、パスワードを、各端末の入力装置で入力する。そして、OKボタン84を押すことで、Webサーバ23に向けて、ユーザID及びパスワードが送信される。
【0099】
ユーザID及びパスワードの送信を受けたWebサーバ23は、複合機1に転送する。インターフェイス部18を介して複合機1に入力されたユーザID及びパスワードは、制御部5が、フラッシュROM16等に記憶されるユーザID及びパスワードと照合するかを確認する。尚、複合機1がWebサーバ23に対して、照合用のユーザIDとパスワードのデータを送信し、Webサーバ23が、正当なユーザID、パスワードが送信されたかを確認しても良い。
【0100】
そして、各端末からのユーザID、パスワードが照合できない場合は、フラッシュROM16は、受信通知先、受信画像データ転送先、送信結果通知先や時間帯設定等の各種設定の追加・変更を行わない。一方、制御部5による照合の結果、ユーザID及びパスワードが正当であると判断されれば、Webサーバ23は、図7(b)に示すように、設定変更画面85に付いてのデータを、認められた端末に向けて送信する。ここで、Webサーバ23が送信するデータは、ユーザID(即ち、各使用者、各担当者)ごとに割り当てられる親展ボックス7単位とできる。尚、設定変更画面85を表示するために必要なデータ(例えば、現在の受信通知先等の設定情報)は適宜、複合機1から受信すればよい。
【0101】
そして、これにより、各端末から送信される設定変更情報は、各親展ボックス7単位となり、各使用者がアクセスできる記憶領域に制限をかけることができる、言い換えると、各端末からWebサーバ23を介し、複合機1に送信される設定変更情報は、親展ボックス7単位となるから、各端末から送信されたユーザID及びパスワードに応じて、制御部5及びフラッシュROM16は、追加・変更可能な記憶領域に制限をかける。
【0102】
具体的に、各端末のブラウザ上で表示される設定変更画面85の一例を見ると、図7(b)に示すように、基本的には、例えば、図6で示した、操作パネル6の液晶表示部63に表示される受信通知先等の設定画面と同様とすることができる。そして、各端末のキーボード等を駆使して各チェックボックス、アドレス情報、ファクシミリ番号、時間帯設定、日付設定を変更した上で、設定終了ボタンが押されれば、各端末からWebサーバ23に向けて、設定変更情報が送信され、複合機1に転送される。例えば、設定変更情報は、複数登録された受信通知、受信画像データ転送、送信結果通知の設定の切り替えを指示するため、各チェックボックスのON/OFFの切替を指示するものとできる。尚、Web画面上の空欄部分(図4(b)の最下段に位置)に入力することで、新たな受信通知先、時間設定等を行うこともできる。
【0103】
そして、Webサーバ23に送信された設定変更情報は、複合機1のインターフェイス部18、制御部5に転送され、この設定変更情報に基づき、制御部5は、記憶部にフラッシュROM16等に記憶される受信通知先、受信画像データ転送先、送信結果通知先、時間帯設定、日付設定、各チェックボックスのON/OFF等のデータを更新する。
【0104】
このようにして、使用者が気付いた時点で、受信通知先や受信画像データ転送先の設定を、外部ネットワークの端末(例えば、自宅のパソコンや携帯電話34等)から変更・追加することができる。従って、希望する場所で、希望する時に、受信通知や受信画像データ転送を受けることができるから、使用者の利便性が高く、受信したファクシミリの確認漏れを防ぐことができる。
【0105】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明は、ネットワーク通信機能を有するファクシミリ装置、複合機等に利用可能である。これらの装置とネットワークにより接続された端末により形成されるファクシミリシステムに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】第1の実施形態に係るファクシミリシステムの一例を示す構成図である。
【図2】第1の実施形態に係る複合機の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】第1の実施形態に係る複合機の操作パネルの一例を示す図であり、(a)は、操作パネルの全体図、(b)は、受信通知先、転送先の入力方法の一例を示す図である。
【図4】第1の実施形態に係る受信通知及び画像データの転送先の時間帯設定画面の一例を示す図である。
【図5】第2の実施形態に係る受信通知及び画像データの転送先の日付設定画面の一例を示す図である。
【図6】第3の実施形態に係る送信結果通知の設定画面の一例を示す図である。
【図7】第4の実施形態に係る複合機の受信通知先等の変更を行う端末の表示装置に表示されるWeb画面の一例であり、(a)は、ユーザID及びパスワード入力画面の一例を示し、(b)は、複合機1の受信通知先等の変更を行う画面の一例を示す。
【符号の説明】
【0108】
1 複合機 (ファクシミリ装置) 32 PC(端末)
15 HDD(記憶部) 33 PDA(端末)
16 フラッシュROM(記憶部) 34 携帯電話(端末)
17 ファクシミリ通信部 4 公衆回線
18 インターフェイス部 41 ファクシミリ装置(相手方)
2 LAN 5 制御部
21 PC(端末) 54 計時部
3 インターネット(広域網) 6 操作パネル(入力部)
31 インターネットファクシミリ(端末) 7 親展ボックス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
日時を計時する計時部と、
公衆回線と接続され、ファクシミリ通信を行うファクシミリ通信部と
ローカルエリアネットワーク及び広域網を介して、装置と通信可能とされる端末と通信を行うためのインターフェイス部と、
ファクシミリを受信した際、ファクシミリの送信元情報に対応する受信通知先及び/又は受信画像データ転送先のアドレス情報又はファクシミリ番号の入力を受け付けるとともに、受信通知及び/又は受信画像データの転送を行う時間帯設定を受け付ける入力部と、
前記受信通知先及び/又は前記受信画像データの転送先のアドレス情報又はファクシミリ番号と、前記時間帯設定を記憶する記憶部を有し、
前記ファクシミリ通信部及び前記インターフェイス部は、前記計時部による計時と、前記時間帯設定にあわせて、受信通知及び/又は受信画像データの転送を行うことを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項2】
相手方ファクシミリの前記送信元情報は、Fコード、相手方ファクシミリ番号、相手方アドレス情報であって、
前記記憶部には、その記憶領域に相手方ファクシミリの前記送信元情報ごとに受信した画像データが振り分けられる複数の親展ボックスが設けられ、
前記記憶部は、前記親展ボックスごとに、前記受信通知先及び/又は前記受信画像データの転送先のアドレス情報又はファクシミリ番号と時間帯設定を記憶することを特徴とする請求項1記載のファクシミリ装置。
【請求項3】
前記入力部は、前記時間帯設定に加え、受信通知及び/又は画像データの転送を行う日付設定を受け付け、
前記記憶部は、前記入力部から入力された日付設定を記憶し、
前記ファクシミリ通信部及び前記インターフェイス部は、前記計時部による計時と、前記日付設定及び前記時間帯設定にあわせて、受信通知及び/又は受信画像データ転送を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のファクシミリ装置。
【請求項4】
前記入力部は、時刻を指定してファクシミリ送信を行うタイマー送信の設定と、タイマー送信の送信結果通知先のアドレス情報の入力と、送信結果通知を行う時間帯、日付設定を受け付け、
前記記憶部は、タイマー送信を行う画像データを記憶するとともに、送信結果通知先のアドレス情報と、送信結果通知を行う時間帯設定、日付設定を記憶し、
前記計時部は、ファクシミリの送信を行う時刻の計時を行い、
前記ファクシミリ通信部及び前記インターフェイス部は、前記計時部による計時と、タイマー送信設定にあわせて、相手方ファクシミリ装置にファクシミリ送信を行うとともに時間帯設定、日付設定にあわせて、選択された前記端末に送信結果を発信することを特徴とする請求項3に記載のファクシミリ装置。
【請求項5】
ファクシミリ装置と、装置と通信可能とされる複数の端末とで構成されるファクシミリシステムにおいて、
前記ファクシミリ装置は、
日時を計時する計時部と、
公衆回線と接続され、ファクシミリ通信を行うファクシミリ通信部と
ローカルエリア及び広域網を介して、装置と通信可能とされる前記端末と通信を行うためのインターフェイス部と、
ファクシミリを受信した際、ファクシミリの送信元情報に対応する受信通知先及び/又は受信画像データ転送先のアドレス情報又はファクシミリ番号の入力を受け付けるとともに、受信通知及び/又は受信画像データの転送を行う時間帯設定を受け付ける入力部と、
前記受信通知先及び/又は前記受信画像データの転送先のアドレス情報又はファクシミリ番号と、前記時間帯設定を記憶する記憶部を有し、
前記ファクシミリ通信部及び前記インターフェイス部は、前記計時部による計時と、前記時間帯設定にあわせて、前記端末に受信通知及び/又は受信画像データの転送を行うことを特徴とするファクシミリシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−60187(P2009−60187A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−223324(P2007−223324)
【出願日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】