説明

ファルネソイドX受容体アゴニスト

本発明は新規の置換されたイソオキサゾール化合物、医薬組成物、治療上の使用、および前記を調製する方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はファルネソイドX受容体(FXR)に関する。さらに特に、本発明はFXRに対するアゴニストとして有用な化合物、かかる化合物を含有する医薬製剤、および同製剤の治療における使用に関する。
【背景技術】
【0002】
FXRはリガンド活性化転写因子の核内受容体クラスのメンバーである。生理濃度の胆汁酸はFXRと結合してこれを活性化する[Parks, D.J.ら, 1999 Science 284:1365-1368;Makishima, M.ら, 1999 Science 284:1362-1365]。胆汁酸は両親媒性分子であってミセルを形成して食物中の脂質を乳濁化する。この特性はまた、胆汁酸がもし十分な濃度に達して胆汁酸濃度を強く調節する機構が展開すれば、細胞傷害性としても作用する。FXRは胆汁酸恒常性の調節に重要な役割を果たす[Makishima, M. 2005 J Pharmacol Sci 97:177-183; Kuipers, F.ら, 2004 Rev Endocrine Metab Disorders 5:319-326]。
【0003】
FXRは肝臓、腸、腎臓および副腎で発現される[Kuipers、F.ら 2004 Rev Endocrine Metab Disorders 5:319-326]。肝細胞中のFXR標的遺伝子には小ヘテロ二量体パートナーをコードするSHPが挙げられ、これには遺伝子の転写を抑制する非典型的な核内受容体、例えば、コレステロールの胆汁酸への変換における最初のかつ律速段階であるCYP7A1(コレステロール7a-ヒドロキシラーゼをコードする)、胆汁プールの疎水性を制御するCYP8B1(ステロール12a-ヒドロキシラーゼをコードする)ならびに胆汁酸を門脈および全身循環から肝細胞中にインポートするNTCP(タウロコール酸ナトリウム同時輸送ポリペプチドをコードする)が含まれる。[Goodwin, B.ら, 2000 Mol. Cell. 6:517-526;del Castillo-Olivares, A.ら, 2001 Nucleic Acids Res. 29:4035-4042;Denson, LA,ら, 2001 Gastroenterology 121(1):140-147]。肝臓に誘起される他のFXR標的遺伝子には、胆汁酸を肝細胞から胆汁中に輸送する小管輸送体BSEP(胆汁塩エキスポートポンプをコードする)、リン脂質を肝細胞から胆汁中に輸送する多剤耐性(MDR3)(小管リン脂質フリッパーゼをコードする)および共役ビリルビン、グルタチオンおよびグルタチオン共役体を胆汁に輸送するMRP2(多剤耐性関連タンパク質-2をコードする)が含まれる[Ananthanarayanan, M.ら, 2001 J . Biol. Chem. 276:28857-28865;Huang, L.ら, 2003 J. Biol. Chem. 278(51):51085-51090;Kast, H.R.ら, 2002 J. Biol. Chem. 277:2908-2915]。
【0004】
腸内で、FXRはまた、胆汁酸を胆汁酸の腸肝リサイクルの一部として腸管腔から腸細胞中に運ぶ高親和性の頂端ナトリウム依存性胆汁酸輸送体をコードするASBT遺伝子の転写を抑制するSHPの発現も誘起する[Li, H., ら 2005 Am. J. Physiol. Gastrointest. Liver Physiol. 288(1)G60-6]。IBABP遺伝子発現はまた、腸細胞内でFXRアゴニストによっても誘起される[Grober, J. ら, 1999 J. Biol. Chem 274(42):29749-54]。この回腸胆汁酸結合タンパク質の機能は現在研究が進められている。
【0005】
胆汁うっ滞は胆汁流の低下または停止の症状である。未解決の胆汁うっ滞は原発性胆汁および、原発性胆汁性肝硬変(PBC)および原発性硬化性胆管炎(PSC)の2つの胆汁うっ滞性肝臓病に見られる肝障害を引き起こす。FXRアゴニストは、胆汁うっ滞性肝臓病のげっ歯類モデルを保護することが示されている。[Liu, Y. ら 2003 JCI 112(11):1678-1687;Fiorucci, S.ら, JPET 313(2):604-612;Pelicciari, R.ら, 2002 J.Med. Chem. 45(17):3569-3572]。
【0006】
FXRはまた、肝星状細胞(HSC)においても発現され、線維過程中の細胞外マトリックスの堆積にある役割を果たす。培養HSCを、FXRアゴニストの6-エチル-ケノデオキシコール酸(6EtCDCA)により処理すると、α-平滑筋アクチンおよびα1(I)コラーゲンなどの線維マーカーの発現が低下する。6EtCDCAはまた、肝線維症の発症を予防しかつ回復を促進することが、この疾患の複数のげっ歯類モデルで報じられている[Fiorucci, S.ら, 2004 Gastroenterology 127(5):1497-1512;Fiorucci, S.ら, 2005 JPET 314(2):584-595]。Fiorucciらによると、この抗線維効果はJunのSHP不活性化および次いでTIMP1プロモーター上のAP1結合部位を介するメタロプロテイナーゼ1(TIMP1)の組織インヒビターの抑圧によるものである。
【0007】
近年、S. Kliewerは、the American Association for the study of Liver Diseasse(AASLD)が主催するthe Digestive Diseases Week(DDW)Conference (2005)においてデータを発表し、胆汁うっ滞および腸細菌過増殖の胆道連結マウスモデルにおいて、アゴニストGW4064によるFXRの活性化が粘膜バリアーの改善および細菌過増殖の低下をもたらすことを示した。Dr. Kliewerは、GW4064で処理したマウスにおける細菌の腸間膜リンパ節への移行の低下を示すデータを報じた。GW4064のこの効果はFXRヌルマウスで失われた。
【0008】
FXRアゴニストGW4064を結石形成性食餌のマウスに投与すると、胆汁中のコレステロール生成を防止した。本化合物のこの効果はFXRヌルマウスで失われた[Moschetta, A.ら, 2004 Nat. Med. 10:1352-1358]。
【発明の開示】
【0009】
第1の態様として、本発明は式(I):
【化1】

【0010】
[式中、aは1、2、3、4または5であり;
それぞれのR1は同じであるかまたは異なり、そして独立してハロ、アルキル、アルケニル、-O-CF3、-OR6、-S(O)fR6、-NR6R7、-R5OR6、-R5S(O)fR6、-R5NR6R7およびシアノからなる群より選択され;
bは0、1、2または3であり;
R2はアルキル、アルケニル、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルケニル、-R5OR6、-R5NR6R7、およびシアノからなる群より選択され;
Yは-O-、-S-または-N(R8)-であり;
R3は酸、アミド、エステルまたは酸等価基であり;
R4はH、ハロ、アルキルまたはハロアルキルであり;
それぞれのR5は同じであるかまたは異なり、そして独立してアルキレンおよびアルケニレンからなる群より選択され;
それぞれのR6とR7は同じであるかまたは異なり、そして独立してH、アルキル、アルケニル、C3-6シクロアルキルおよびC3-6シクロアルケニルからなる群より選択され;そして
fは0、1または2であり;
それぞれのR8は同じであるかまたは異なりかつ独立してHまたはアルキルである]
またはその製薬上許容される塩または溶媒和物を提供する。
【0011】
第2の態様において、本発明は式(I)の化合物を含む組成物を提供する。その組成物はさらに製薬上許容される担体または希釈剤を含んでもよい。
【0012】
第3の態様において、本発明は、それを必要とする被験者におけるFXRが介在する症状を治療する方法を提供する。その方法は、被験者に式(I)の化合物の治療上有効な量を投与するステップを含んでなる。
【0013】
第4の態様において、本発明は、それを必要とする被験者における胆汁うっ滞性肝臓病を治療する方法を提供する。その方法は、被験者に式(I)の化合物の治療上有効な量を投与するステップを含んでなる。
【0014】
第5の態様において、本発明はそれを必要とする被験者における器官線維症を治療する方法を提供する。その方法は、被験者に式(I)の化合物の治療上有効な量を投与するステップを含んでなる。
【0015】
第6の態様において、本発明はそれを必要とする被験者における肝線維症を治療する方法を提供する。その方法は、被験者に式(I)の化合物の治療上有効な量を投与するステップを含んでなる。
【0016】
第7の態様において、本発明はそれを必要とする被験者における糖尿病を治療する方法を提供する。その方法は、被験者に式(I)の化合物の治療上有効な量を投与するステップを含んでなる。
【0017】
第8の態様において、本発明はそれを必要とする被験者におけるメタボリックシンドロームを治療する方法を提供する。その方法は、被験者に式(I)の化合物の治療上有効な量を投与するステップを含んでなる。
【0018】
第9の態様において、本発明はそれを必要とする被験者における肥満を治療する方法を提供する。その方法は、被験者に式(I)の化合物の治療上有効な量を投与するステップを含んでなる。
【0019】
第10の態様において、本発明は式(I)の化合物を調製する方法を提供する。その方法は、
a) 式(VIII):
【化2】

【0020】
[式中、X1はクロロ、ヨード、ブロモ、トリフラート、トシラート、ノシラート、ベシラートまたはメシラート、(好ましくはクロロ)であり;そして
全ての他の変数は先に規定した通りである]の化合物を、式(IX):
【化3】

【0021】
の化合物と反応させて
式(I-A):
【化4】

【0022】
の化合物を調製するステップ、および
b) 任意に式(I-A)の化合物を異なる式(I)の化合物に転化するステップ
を含んでなる。
【0023】
他の態様において、本発明は式(I)の化合物を調製する他の方法を提供する。この方法は、
a) 式(VIII-B):
【化5】

【0024】
の化合物を式(IX):
【化6】

【0025】
の化合物と反応させて、式(I-A):
【化7】

【0026】
の化合物を調製するステップ、および
b) 任意に式(I-A)の化合物を異なる式(I)の化合物に転化するステップ
を含んでなる。
【0027】
他の態様において、本発明は治療法に使用する式(I)の化合物を提供する。本発明はまた、被験者におけるFXRが介在する症状の治療に用いる式(I)の化合物;被験者における胆汁うっ滞性肝臓病の治療に用いる式(I)の化合物;被験者における器官線維症の治療に用いる式(I)の化合物;被験者における肝線維症の治療に用いる式(I)の化合物;被験者における糖尿病の治療に用いる式(I)の化合物;被験者におけるメタボリックシンドロームの治療に用いる式(I)の化合物;および被験者における肥満の治療に用いる式(I)の化合物も提供する。
【0028】
他の態様において、本発明は、被験者におけるFXRが介在する症状の治療用医薬を調製するための式(I)の化合物の使用;被験者における胆汁うっ滞性肝臓病の治療用医薬を調製するための式(I)の化合物の使用;被験者における器官線維症の治療用医薬を調製するための式(I)の化合物の使用;被験者における肝線維症の治療用医薬を調製するための式(I)の化合物の使用;被験者における糖尿病の治療用医薬を調製するための式(I)の化合物の使用;被験者におけるメタボリックシンドロームの治療用医薬を調製するための式(I)の化合物の使用;被験者における肥満の治療用医薬を調製するための式(I)の化合物の使用を提供する。
【0029】
他の態様において、本発明はFXRが介在する症状の治療に用いる式(I)の化合物を含む医薬組成物を提供する。
【0030】
本発明のさらなる態様を、特別な実施形態の明細書、実施例、およびそれに続く請求の範囲に記載する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本明細書で使用する「本発明の化合物」または「式(I)の化合物」は、式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物を意味する。同様に、単離しうる中間体、例えば、式(V)、(VI)、(VIII)、(VIII-B)および(IX)の化合物について、表現「式(番号)の化合物」はその式で表わされる化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物を意味する。
【0032】
本明細書で使用する用語「アルキル」は1〜8個の炭素原子を含有する脂肪族の直鎖または分枝鎖の飽和炭化水素鎖を意味する。本明細書で使用する「アルキル」基の例には、限定されるものでないがメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチルなどが含まれる。用語「ハロアルキル」は、ハロゲンにより置換されたアルキルを意味し、それにはとりわけ、トリフルオロメチルおよびトリフルオロエチルなどのトリハロアルキルが含まれる。
【0033】
用語「アルキレン」は直鎖または分枝鎖のアルキル、すなわち先に規定したアルキルグループの架橋を意味する。
【0034】
本明細書で使用する用語「ハロ」はいずれかのハロゲン原子、すなわち、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。
【0035】
本明細書で使用する用語「アルケニル」は2〜8個の炭素原子および少なくとも1個そして3個までの炭素-炭素二重結合を有する脂肪族直鎖または分枝鎖の不飽和炭化水素鎖を意味する。本明細書で使用する「アルケニル」基の例には、限定されるものでないが、エテニルおよびプロペニルが含まれる。
【0036】
用語「アルケニレン」は直鎖または分枝鎖のアルケニル架橋、すなわち先に規定したアルケニルグループの架橋を意味する。
【0037】
本明細書で使用する用語「シクロアルキル」は3〜8個の炭素原子(異なる原子数を記載してない限り)を有しかつ炭素-炭素二重結合を有しない非芳香族の単環式炭素環を意味する。「シクロアルキル」には、例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルが含まれる。「シクロアルキル」はまた、置換されたシクロアルキルも含む。例えば、シクロアルキルはいずれかの利用しうる炭素上で、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、-OH、-O-アルキル、-NH2、-NH(アルキル)、-N(アルキル)2、-CN、-NO2および-N3からなる群より選択される1以上の置換基により任意に置換されていてもよい。当業者は理解しうるように、シクロアルキル環上の可能な置換基の数は環のサイズに依存しうる。具体的なシクロアルキル基には、C3-6シクロアルキルおよび置換されたC3-6シクロアルキルが含まれる。
【0038】
本明細書で使用する用語「シクロアルケニル」は3〜8個の炭素原子(異なる原子数を記載してない限り)を有しかつ1〜3個の炭素-炭素二重結合を有する非芳香族の単環式炭素環を意味する。「シクロアルケニル」には、例として、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニルおよびシクロオクテニルが含まれる。「シクロアルケニル」はまた、置換されたシクロアルケニルも含む。例えば、シクロアルケニルはいずれかの利用しうる炭素上で、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、-OH、-O-アルキル、-NH2、-NH(アルキル)、-N(アルキル)2、-CN、-NO2および-N3からなる群より選択される1以上の置換基により任意に置換されていてもよい。当業者は理解しうるように、シクロアルケニル環上の可能な置換基の数は環のサイズに依存しうる。具体的なシクロアルケニルにはC3-6シクロアルケニルおよび置換されたC3-6シクロアルケニルが含まれる。
【0039】
本明細書で使用する用語「任意に」は、続いて記載した事象が起こってもまたは起こらなくてもよく、起こる事象および起こらない事象の両方を含むことを意味する。
【0040】
本明細書で使用する用語「治療」は、被験者における症状または疾患の症候群の発生の予防、被験者における症状または疾患の症候群の再発の予防、被験者における症状または疾患の症候群の再発の遅延、症状の進行を遅らせるかまたは消滅させて被験者における症状または疾患の外面的症候群の重症度または頻度の低下、ならびに被験者における疾患または症状の症候群の部分的または全体的遅延または消滅を含む。
【0041】
本発明は式(I):
【化8】

【0042】
[式中、aは1、2、3、4または5であり;
それぞれのR1は同じであるかまたは異なり、そして独立してハロ、アルキル、アルケニル、-OR6、-S(O)fR6、-NR6R7、-R5OR6、-R5S(O)fR6、-R5NR6R7およびシアノからなる群より選択され;
bは0、1、2または3であり;
R2はアルキル、アルケニル、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルケニル、-R5OR6、-R5NR6R7、およびシアノからなる群より選択され;
Yは-O-、-S-または-N(R8)-であり;
R3は酸、アミド、エステルまたは酸等価基であり;
R4はH、ハロ、アルキルまたはハロアルキルであり;
それぞれのR5は同じであるかまたは異なり、そして独立してアルキレンおよびアルケニレンからなる群より選択され;
それぞれのR6とR7は同じであるかまたは異なり、そして独立してH、アルキル、アルケニル、C3-6シクロアルキルおよびC3-6シクロアルケニルからなる群より選択され;そして
fは0、1または2であり;
それぞれのR8は同じであるかまたは異なりかつ独立してHまたはアルキルである]
の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物に関する。
【0043】
式Iの化合物において、基R1はオルト、メタまたはパラ位置に結合してもよい。一実施形態において、式Iの化合物はaが1、2、3、4または5であると規定される。ある特別な実施形態において、aは1または2である。ある特別な実施形態において、aは2である。ある特別な実施形態において、aは2でありかつR1はオルト位置にある。
【0044】
一実施形態において、式(I)の化合物は、それぞれのR1が同じであるかまたは異なっていてかつ独立してハロ、アルキル、および-OR6、またはそれらのいずれかのサブセットからなる群より選択されると規定される。特別な実施形態において、それぞれのR1は同じであるかまたは異なっていてかつ独立してハロ、アルキル、-O-アルキル、-O-ハロアルキル、またはそれらのいずれかのサブセットからなる群より選択される。特別な実施形態において、それぞれのR1は同じであるかまたは異なっていてかつ独立してハロおよび-OR6、またはそれらのいずれかのサブセットからなる群より選択される。特別な実施形態において、それぞれのR1は同じであるかまたは異なっていてかつハロである。さらに具体的には、一実施形態において、それぞれのR1は同じであるかまたは異なっていてかつ独立してCl、F、メチル、および-O-CF3、またはそれらのいずれかのサブセットからなる群より選択される。さらに具体的には、一実施形態において、それぞれのR1はClである。他の実施形態において、R1はメチルである。
【0045】
一実施形態において、式(I)の化合物はbが0または2であると規定される。ある特別な実施形態において、bは0である。ある特別な実施形態において、bは2である。
【0046】
本発明の一実施形態において、R2はアルキルおよびC3-6シクロアルキルからなる群より選択される。ある特別な実施形態において、R2はアルキルである。さらに具体的には、R2を規定する特別な基は、メチル、エチル、イソプロピル、シクロプロピル、およびシクロブチルおよびそれらのサブセットからなる群より選択される。ある特別な実施形態において、R2はイソプロピルである。
【0047】
一実施形態において、式(I)の化合物はYが-O-であると規定される。他の特別な実施形態において、式(I)の化合物はYが-N(R8)-であると規定される。一実施形態において、Yは-N(R8)-であり、ここでR8はHおよびメチルからなる群より選択される。
【0048】
R3は酸、アミド、エステルまたは酸等価の基である。R3の規定における用語「酸」は基-C(O)2Hを意味する。当業者は理解しうるように、R3が酸である式(I)の化合物の製薬上許容される塩は、かかる酸の塩、例えば-C(O)2-Na+または-C(O)2-K+を意味する。R3の規定における用語「アミド」は基-C(O)2NRaRbを意味し、ここでRaとRbはそれぞれ独立してH、アルキル、アルケニル、シクロアルキルおよびシクロアルケニルまたはRaおよびRbから選択されるかまたはそれらが結合しているN原子と一緒に1個のN原子を含有する3〜8員のヘテロ環を形成する。R3の規定における用語「エステル」は基-C(O)2Rcを意味し、ここでRcはアルキル、アルケニル、シクロアルキルおよびシクロアルケニルから選択される。本明細書で使用する用語「酸等価基」は生物系においてカルボン酸となりうる酸性プロトンをもつ官能基を意味する。本発明による酸等価基の例には、限定されるものでないが、ニトリル、テトラゾール、1,2,4-オキサジアゾリジン-3,5-ジオン、3(2H)-イソキサゾロン、1,2,4-オキサジアゾール-5(2H)-オン、3H-1,2,3,5-オキサチアジアゾール2-オキシドが含まれる。
【0049】
本発明の一実施形態において、R3は酸または酸等価基である。ある特別な実施形態において、R3は酸である。
【0050】
本発明の一実施形態において、R4はHまたはハロからなる群より選択される。ある特別な実施形態において、R4はHである。
【0051】
本発明は、以上に規定した特別な基の全ての組合わせおよびサブセットを意図しかつ包含する。
【0052】
本発明の特別な化合物の具体例は、
6-[4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフトエ酸ナトリウム塩;
6-[4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボン酸;
6-[2-クロロ-4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボン酸;
6-[4-({[5-シクロブチル-3-(2,6-ジクロロフェニル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボン酸;
6-[4-({[3-[(2,6-ジクロロフェニル)メチル]-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボン酸;
6-[4-({[3-[2-(2,6-ジクロロフェニル)エチル]-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボン酸;
6-(4-{[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-イソプロピルイソオキサゾール-4-イル]メトキシ}フェニル)-2-ナフトエ酸;
メチル=6-[4-({[3-[2-(2,6-ジクロロフェニル)エチル]-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-2-ナフタレンカルボキシラート;
7-[4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-2-ナフタレンカルボン酸;
7-[4-({[3-[2-(2,6-ジクロロフェニル)エチル]-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-2-ナフタレンカルボン酸;
7-[4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボン酸;
7-[4-({[3-[2-(2,6-ジクロロフェニル)エチル]-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボン酸;
6-[4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボキサミド;
6-[4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボニトリル;
5-{6-[4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレニル}-1H-テトラゾール;
6-[4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフトエ酸トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩;
からなる群およびそれらの製薬上許容される塩もしくは溶媒和物より選択される。
【0053】
式(I)のある特定の化合物は立体異性型で存在してもよい(例えばそれらは1以上の不斉炭素原子を含有してもよい)。個々の立体異性体(エナンチオマーおよびジアステレオマー)およびこれらの混合物は本発明の範囲に包含される。本発明はまた、式(I)により表わされる化合物の個々の異性体、ならびに1以上のキラル中心が反転したそれらの異性体の混合物を包含する。
【0054】
本発明による好適な製薬上許容される塩は当業者が容易に確認することができて、例えば、無機塩基、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、炭酸リチウム、炭酸水素リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウムおよびカリウムtert-ブトキシド、ならびに有機塩基、例えばジエチルアミン、リシン、アルギニン、コリン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(トロメタミン)、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、およびエタノールアミンから調製される塩が挙げられる。一実施形態において、式(I)の化合物はナトリウム塩の形態である。
【0055】
医薬に用いる場合、式(I)の化合物の塩は製薬上許容されねばならないが、製薬上許容されない塩を好都合に用いて対応する遊離塩基またはその製薬上許容されるその塩を調製することができる。
【0056】
本明細書で使用する用語「溶媒和物」は式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩および化学量論量または非化学量論量いずれかの溶媒を含有する結晶を意味する。溶媒には、例として、水、メタノール、エタノール、または酢酸が含まれる。以後、式(I)の化合物に対する言及は、特別な形態、その塩または溶媒和物を規定しない限り、当該化合物の任意の物理型を意味する。
【0057】
式(I)の化合物の製薬上許容される塩および溶媒和物を調製する方法は当技術分野で慣用される。例えば、Burger's Medicinal Chemistry And Drug Discovery 5th Edition、Vol 1: Principles And Practiceを参照されたい。
【0058】
当業者には明らかなように、以下に記載した式(I)の化合物を調製する方法において、ある特定の中間体は前記化合物の製薬上許容される塩および/または溶媒和物の形態でありうる。式(I)の化合物を調製する方法に使用する中間体に適用されるこれらの用語は、先に記載した式(I)の化合物に対するのと同じ意味を有する。かかる中間体の製薬上許容される塩および溶媒和物を調製する方法は式(I)の化合物の製薬上許容される塩および溶媒和物を調製する方法に類似している。
【0059】
一実施形態において、式(I)の化合物はFXRアゴニストである。本明細書で使用する用語「FXRアゴニスト」は、下記のFXR補因子動員アッセイで4を超えるpEC50を示す化合物を意味する。さらに特に、FXRアゴニストは、下記のFXR補因子動員アッセイで5を超えるpEC50を示す化合物である。
【0060】
式(I)の化合物は哺乳動物、そして特にヒトのような被験者における治療に有用である。特に、式(I)の化合物は哺乳動物、特にヒトのような被験者におけるFXRが介在する症状の治療に有用である。FXRが介在する症状としては、限定されるものでないが、心血管系疾患;脂質異常症(dyslipidemia)に関連する病状および複合症(C. Sinal, Cell 102: 731-744 (2000));胆汁うっ滞性肝臓病などの肝の臓障害(Liu, Y. ら, J. Clin. Invest. 112:1678-1687 (2003))およびコレステロール胆石病(Moschetta, A., ら, Nat. Med. 10:1352-1358 (2004));器官線維症(Fiorucci, S,ら Gastroenterology 127:1497-1512 (2004)、およびFiorucci,ら, JPET 314(2):584-595 (2005))(肝線維症(Fiorucci, S,ら, Gastroenterology 127:1497-1512 (2004))を含む);糖尿病(Duran-Sandoval, D.ら, Diabetes 53:890-898 (2004);Bilz, S. ら, Am.J.Physiol Endocrinol.Metab., (プリント前の電子出版), 2005);Nozawa, H, Biochem.Biophys. Res.Commun., 336:754-761 (2005);Duran-Sandoval,D.,ら, Biochimie, 87:93-98 (2005);Claudel,T.,ら, Arterioscler.Thromb.Vasc.Biol., 25:2020-2030 (2005);Duran-Sandoval,D.,ら, J.Biol.Chem., 280:29971-29979 (2005);Savkur,R.S.,ら, Biochem.Biophys.Res.Commun., 329:391-396 (2005));メタボリックシンドローム;肥満およびうつ病が挙げられる。
【0061】
式(I)の化合物は哺乳動物、特にヒトのような被験者における心血管系疾患の治療に有用である。例えば、式(I)の化合物は、それを必要とする被験者におけるアテローム性動脈硬化症、 高コレステロール血症または高脂血症の治療に有用である。
【0062】
式(I)の化合物はまた、脂質異常症に関連する病状および複合症の治療にも有用である。本発明の化合物は胆汁酸の流れを増加する。胆汁酸の流れの増加は肝臓から腸への流動を改善する。FXRヌルマウスにより実証されたのは、FXRが胆汁酸恒常性に役割を果たし、それ故に脂質異化と排泄に関わる酵素と輸送体の調節によって脂質恒常性にある役割を果たすことである。FXRはそれ故にいくつもの胆汁うっ滞性肝臓病および非アルコール性脂肪変性肝炎を治療するための標的である。
【0063】
式(I)の化合物は胆汁うっ滞性肝臓病を治療するために有用である。例えば、式(I)の化合物は原発性胆汁肝硬変または原発性硬化性胆管炎の治療に有用である。式(I)の化合物は胆石を治療するために有用である。例えば、式(I)の化合物はコレステロール胆石病を治療するために有用である。式(I)の化合物はまた、肝脂質蓄積を低下させるためにも有用である。
【0064】
式(I)の化合物はまた、器官線維症の治療にも有用である。線維性障害は急性または慢性として特徴づけられるが、正常組織を線維性組織により置換えるかまたは取り外すと、過剰コラーゲン蓄積および関連する機能の喪失という共通の特徴が共に見られる。急性型の線維症としては、外傷、感染、外科、火傷、照射および化学療法に対する反応が挙げられる。慢性型の線維症は、ウイルス感染、糖尿病、肥満、脂肪肝臓、高血圧、強皮症および線維症を誘発するその他の慢性症状に因るものでありうる。
【0065】
最も一般的に線維症に侵される器官としては肝臓および腎臓が挙げられる。器官線維症は器官機能の進行性喪失を引き起こしうる。後腹膜線維症(特発性後腹膜線維症を含む)はいずれかの主器官に起因するものでないが、腎などの器官の機能に関わりかつ悪影響を与えうる。
【0066】
従って、本明細書で使用する用語「線維症」は全ての認められる線維性障害を意味し、それには、病理学的症状または疾患に因る線維症、物理的外傷(外傷性線維症)に因る線維症、照射障害による線維症、および化学治療薬への暴露に由る線維症が含まれる。本明細書で使用する用語「器官線維症」には、限定されるものでないが、肝線維症、腎の線維症、および腸の線維症が含まれる。「外傷性線維症」には、限定されるものでないが、外科の二次的線維症(外科瘢痕)、不慮の物理的外傷、火傷、および肥大性瘢痕が含まれる。
【0067】
ある特定の実施形態において、式(I)の化合物は、その治療を必要とする被験者、特にヒトのような哺乳動物における肝線維症の治療に有用である。本明細書で使用する「肝線維症」には、いずれかの原因に因る肝線維症が含まれ、限定されるものでないが、肝炎BまたはCウイルスに因るウイルス誘発性肝線維症;アルコール(アルコール性肝臓病)、医薬化合物、酸化性ストレス、癌照射療法または工業化学品への暴露;および原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、脂肪肝、肥満、非アルコール性脂肪変性肝炎、嚢胞性線維症、血色素症、自己免疫性肝炎、および脂肪変性肝炎などの疾患が含まれる。現行の肝線維症の療法は主に、起因物質の除去、例えば、過剰の鉄の除去(例えば、血色素症の場合)、ウイルス負荷の低減(例えば、慢性ウイルス性肝炎の場合)、または毒素への暴露の排除または低減(例えば、アルコール性肝臓病の場合)に向けられる。また、コルチコステロイドおよびコルヒチンなどの抗炎症性薬を肝線維症を誘発しうる炎症を治療するために使用することも公知である。肝線維症を治療するための他の方法も開発が進められている(例えば、Murphyら, Expert Opin. Investig. Drugs 11:1575 (2002);BatallerおよびBrenner, Semin. Liver Dis. 21:437 (2001)を参照)。従って、他の実施形態において、本発明は、被験者の肝線維症を治療する方法であって、式(I)の化合物の治療上有効な量を、肝線維症に関連する症候群の治療に有用な他の治療薬と組み合わせて投与するステップを含んでなる前記方法を提供する。肝線維症に関連する症候群の治療に有用な治療薬の例としては、コルチコステロイドおよびコルヒチンが挙げられる。
【0068】
肝細胞障害に対する肝臓の反応には、他組織における創傷治癒と同じように、細胞外マトリックスの量と質の付随する変化を伴う炎症および組織再造形が含まれる。I型およびIII型コラーゲンを含む細胞外マトリックスタンパク質の進行性蓄積は線維性瘢痕を形成することにより最終的に肝臓の構造に歪を与え、血流の中断と肝臓機能の究極的悪化をもたらす。肝星細胞(HSC)は肝臓における線維プロセスの重要なメディエーターであることが確認されており、肝臓病に見られる過剰細胞外マトリックスの合成に主に関わると考えられている。肝臓損傷は静止HSCの活性化した筋繊維芽細胞様細胞への変換をもたらし、この細胞は増殖し、遊走し、炎症細胞を動員し、そしてコラーゲンおよびその他の細胞外マトリックスタンパク質を合成しうる。様々なサイトカインがHSCを活性化すると報じられていて、それにはトランスフォーミング成長因子β(TGFβ)が含まれる。肝臓損傷の後、HSCは遊走反応の一部としてα-平滑筋アクチン(α-SMA)を合成し、その結果、α-SMAの著しい蓄積が活性肝線維形成の領域に認められる。胆管細胞損傷/増殖により特徴付けられる正常な上皮/間葉相互作用の撹乱も、細胞外マトリックス-産生および進行性線維形成に導きうる(Pinzani M.ら, Dig.Liver Dis., 36:231-242 (2004))。
【0069】
当技術分野で公知のように、肝線維症は、通常、生検標本の組織学的試験に基づいて臨床的に5段階の重症度(SO〜S4)に分類される。S0は線維症でないことを示すが、S4は肝硬変を示す。肝線維症の重症度を段階付ける様々な判定基準が存在するものの、一般的に線維症の初期段階は、肝臓の1つの門脈(ゾーン)における瘢痕の明確な、限局性領域により同定されるが、線維症の後期段階は架橋性線維症(肝臓の諸ゾーンを横切る瘢痕)により同定される。
【0070】
式(I)の化合物はまた、哺乳動物、特にヒトのような被験者における非アルコール性脂肪肝臓病および非アルコール性脂肪変性肝炎の治療にも有用である。
【0071】
式(I)の化合物は、哺乳動物、特にヒトのような被験者におけるトリグリセリドを低下するために有用である。本明細書で使用する「トリグリセリドを低下する」は、それを必要とする被験者におけるトリグリセリドを、式(I)の化合物投与前の被験者におけるトリグリセリドの初期レベルより低下することを意味する。例えば、式(I)の化合物は、脂肪吸収を減少し、肝臓のトリグリセリド産生を減少しまたは肝臓のトリグリセリド分泌を減少することにより、トリグリセリドを低下することができる。式(I)の化合物はまた、血清および肝臓のトリグリセリドを低下することもできる。
【0072】
式(I)の化合物はまた、うつ病の治療にも有用である。例えば、式(I)の化合物は精神病性特性、緊張性特性、憂うつ性特性、非定形的特性または産後発症を伴うまたは伴わない双極性うつ病、単極性うつ病、単発性または再発性大抑うつ異常事象を含む大抑うつ性障害の治療、不安の治療およびパニック障害の治療にとって有用でありうる。用語「大抑うつ性障害」に包含される他の気分障害としては、早発性または遅発性のおよび非定形的特性を伴うまたは伴わない気分変調性障害、神経うつ病、外傷後のストレス障害および社会恐怖症;早発性または遅発性の、抑うつされた気分を伴うアルツハイマー型痴呆;抑うつされた気分を伴う血管性痴呆;アルコール、アンフェタミン、コカイン、幻覚発現物質、吸入薬、オピオイド、フェニルシクリジン、鎮静薬、催眠薬、抗不安薬およびその他の物質により誘発される気分障害;抑うつ型の分裂情動性障害、および抑うつされた気分を伴う適応障害が挙げられる。大抑うつ性障害はまた、限定されるものでないが、心筋梗塞、糖尿病、流産または中絶を含む一般的医学的症状から生じることもある。
【0073】
式(I)の化合物はまた、哺乳動物、特にヒトのような被験者における糖尿病の治療に有用である。例えば、式(I)の化合物は2型糖尿病の治療に有用である。FXRアゴニストであるGW4064の、体重、ブドウ糖耐性、血清ブドウ糖、血清インスリン、血清トリグリセリド、および肝臓トリグリセリド含量に対する経口投与を介する効果は、高脂肪食で誘発されたインスリン抵抗性、ブドウ糖不耐性および肥満のマウスモデルにおいて観察されている。20〜25gの雄性C57BLマウス(Charles River、Indianapolis、IN)を72°Fおよび50%相対湿度にて12時間、明暗サイクルで飼育して標準げっ歯類固形飼料(Purina 5001、Harlan Teklad、Indianapolis、IN)または高脂肪食(TD93075、Harlan Teklad、Indianapolis、IN)を与えた。2週後に高脂肪食のマウスをビヒクルまたは治療グループに無作為に割り当てた。ビヒクルグループと治療グループの間で、体重、体脂肪、血清ブドウ糖およびインスリン、およびブドウ糖耐性試験(GTT)の対ブドウ糖曲線下面積(AUC)に有意差は認められなかった。第4週から開始して、マウスにビヒクルまたはGW4064(100mg/kg)を毎日2回、経口で与えた。標準げっ歯類固形飼料のマウスにも対照としてビヒクルを与えた。化合物治療の第3週末にGTTを実施し、定量磁気共鳴(QMR)法を用いて体組成を測定した。研究終了時(化合物治療の第4週)に、血液サンプルを下大静脈から取りかつ組織サンプルを採取してさらに分析した。GTT実施中の血液ブドウ糖はBayer Glucometer Elite(登録商標)XLにより測定した。血清化学レベルはInstrumentation Laboratory Ilab600TM 臨床化学分析計(Instrumentation Laboratory、Boston、MA)を用いて測定した。肝臓トリグリセリド含量はメタノール性KOH鹸化法およびトリグリセリドアッセイキット(GPO-TRINDER, Sigma Diagnostics, St. Louis, MO)を用いて測定した。その結果は、GW4064が高脂肪食誘発性の体重取得を低減することを示した。この結果は脂肪重の減少に因ると考えられる。GW4064はまた、ブドウ糖耐性を改善し、血清ブドウ糖、インスリンおよびトリグリセリドを減少し、そして肝臓トリグリセリド含量を低下するようであった。このデータは、式(I)の化合物を含むFXRアゴニストを肥満、インスリン抵抗性、ブドウ糖不耐性、糖尿病、脂肪肝臓病および代謝性症候群の治療に利用できることを示唆する。
【0074】
式(I)の化合物はまた、哺乳動物、特にヒトのような被験者におけるメタボリックシンドロームの治療にも有用である。メタボリックシンドロームは個人における代謝リスク因子のグループにより特徴付けられる。前記因子としては、腹部肥満(腹部内および周囲の過剰脂肪組織)、アテローム生成の脂質異常症(高トリグリセリド、低い高密度リポタンパク質(HDL)コレステロールおよび高い低密度リポタンパク質(LDL)コレステロール)、血圧上昇、インスリン抵抗性またはブドウ糖不耐性、プロトロンビン状態および炎症誘発性状態が挙げられる。メタボリックシンドロームをもつ人たちは冠状動脈の心臓疾患およびアテローム性動脈硬化症関連疾患(例えば、脳卒中および末梢血管の疾患)および2型糖尿病のリスクが高い。米国では5千万人を超える人たちがメタボリックシンドロームを有すると見積もられる(http://www.americanheart.org/)。本発明は、腹部肥満、アテローム生成性脂質異常症およびインスリン抵抗性により特徴付けられるメタボリックシンドロームを治療する方法を提供し、そして被験者におけるその他のメタボリックシンドロームの成分にも役立ちうる。
【0075】
本発明は、それを必要とする哺乳動物、特にヒトのような被験者におけるFXRが介在する症状を治療する方法を提供する。特に、本発明はアテローム性動脈硬化症および高コレステロール血症を含む心血管系疾患を治療する方法を提供する。本発明はまた、心血管系疾患を含む、FXRが介在する症状の治療用医薬を調製するための式(I)の化合物の使用も提供する。
【0076】
本発明はそれを必要とする哺乳動物、特にヒトのような被験者における胆汁うっ滞性肝臓病を治療する方法を提供する。本発明はまた、被験者における胆汁うっ滞性肝臓病の治療用医薬を調製するための式(I)の化合物の使用も提供する。
【0077】
本発明はそれを必要とする哺乳動物、特にヒトのような被験者における器官線維症を治療する方法を提供する。本発明はまた、器官線維症の治療用医薬を調製するための式(I)の化合物の使用も提供する。
【0078】
本発明はそれを必要とする哺乳動物、特にヒトのような被験者における肝線維症を治療する方法を提供する。本発明はまた、肝線維症の治療用医薬を調製するための式(I)の化合物の使用も提供する。
【0079】
本発明はそれを必要とする哺乳動物、特にヒトのような被験者における糖尿病を治療する方法を提供する。本発明はまた、糖尿病の治療用医薬を調製するための式(I)の化合物の使用も提供する。
【0080】
本発明はそれを必要とする哺乳動物、特にヒトのような被験者におけるメタボリックシンドロームを治療する方法を提供する。本発明はまた、メタボリックシンドロームの治療用医薬を調製するための式(I)の化合物の使用も提供する。
【0081】
本発明はそれを必要とする哺乳動物、特にヒトのような被験者における肥満を治療する方法を提供する。本発明はまた、肥満の治療用医薬を調製するための式(I)の化合物の使用も提供する。
【0082】
本発明はそれを必要とする哺乳動物、特にヒトのような被験者におけるトリグリセリドを低下する方法を提供する。本発明はまた、トリグリセリドを低下するための医薬を調製するための式(I)の化合物の使用も提供する。
【0083】
本発明はそれを必要とする哺乳動物、特にヒトのような被験者におけるうつ病を治療する方法を提供する。本発明はまた、うつ病の治療用医薬を調製するための式(I)の化合物の使用も提供する。
【0084】
全ての本発明の方法は、式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和化合物の治療上有効な量を投与するステップを含んでなる。本明細書で使用する用語「治療上有効な量」は、それを投与する被験者において表明された効果を達成するために十分である式(I)の化合物の量を意味する。従って、ヒトにおけるFXRが介在する症状を治療する方法に用いる式(I)の化合物の治療上有効な量はヒトにおけるFXRが介在する症状を治療するために十分な量でありうる。ヒトにおける胆汁うっ滞性肝臓病を治療する方法に用いる式(I)の化合物の治療上有効な量はヒトにおける胆汁うっ滞性肝臓病を治療するために十分な量でありうる。ヒトにおける器官(例えば、肝臓)線維症を治療する方法に用いる式(I)の化合物の治療上有効な量はヒトにおける器官線維症を治療するために十分な量でありうる。ヒトにおける糖尿病を治療する方法に用いる式(I)の化合物の治療上有効な量はヒトにおける糖尿病を治療するために十分な量でありうる。ヒトにおけるうつ病を治療する方法に用いる式(I)の化合物の治療上有効な量はヒトにおけるうつ病を治療するために十分な量でありうる。
【0085】
所望の治療または生物学的効果を達成するために必要である式(I)の化合物の量は、いくつもの因子、例えば、その意図する用途、投与手段、受給者および治療する症状または疾患の重症度に依存しうるのであって、最終的には臨床医または獣医の裁量によるであろう。一般的に、ヒトにおけるFXR介在性疾患または症状を治療するための典型的な一日用量は、例えば、70kgヒトに対してほぼ0.01mg/kg〜ほぼ100mg/kgの範囲にあると予想しうる。この用量を1単位用量としてまたは数回の別々の単位用量としてまたは連続注入として投与してもよい。同様な用量が、ヒトにおける糖尿病および肥満を含むその他の疾患、症状および治療法の処置に適用可能でありうる。
【0086】
式(I)の化合物の治療上有効な量を、治療に使用するために、生のままの化学品として投与できるものの、典型的には医薬組成物または製剤の活性成分として提示される。従って、本発明はさらに式(I)の化合物を含む医薬組成物を提供する。医薬組成物はさらに1以上の製薬上許容される担体または希釈剤を含んでもよい。担体および/または希釈剤は製剤の他の成分と適合しうるものであってかつその受給者に有害でないという意味で許容されるものでなければならない。本発明の他の態様によると、式(I)の化合物を1以上の製薬上許容される単体および/または希釈剤と混合するステップを含んでなる、医薬製剤を調製する方法も提供される。
【0087】
医薬製剤は単位用量当たり予め定めた量の活性成分を含有する単位用量剤形で提示することができる。かかる1単位は、式(I)の化合物の治療上有効な用量を含有してもまたは複数単位投与剤形を所与の時間に投与して所望の治療上有効な用量を達成するような治療上有効な量のある画分を含有してもよい。好ましい単位投与製剤は活性成分の、本明細書に以上記載した1日用量またはサブ用量またはその適当な画分である。さらに、かかる医薬製剤は製薬技術分野で周知の方法のいずれかにより調製することができる。
【0088】
医薬製剤はいずれかの適当な経路により、例えば、経口(頬側または舌下を含む)、直腸、経鼻、局所(頬側、舌下または経皮を含む)、経膣または非経口(皮下、筋肉内、静脈内または皮内を含む)経路により投与するように適合させることができる。かかる製剤は製薬技術分野で公知のいずれかの方法により、例えば活性成分を担体または賦形剤と一緒にすることにより調製することができる。
【0089】
経口投与用に適合させた医薬製剤は、区切られた単位、例えばカプセルまたは錠剤;粉末または顆粒;水または非水液中の溶液または懸濁液;食用泡状物またはホイップ;または水中油型乳濁液または油中水型乳濁液として提示することができる。
【0090】
例えば、錠剤またはカプセルの剤形の経口投与については、活性薬物成分を、エタノール、グリセロール、水などの経口、無毒の製薬上許容される不活性担体と組合わせることができる。粉末は、化合物を適当な微細なサイズに粉砕し、同様に粉砕した医薬担体、例えば食用炭水化物、例えばデンプンまたはマンニトールと混合することにより調製する。また、風味剤、保存剤、分散剤および着色剤が存在してもよい。
【0091】
カプセルは上記粉末混合物を調製して成型ゼラチンシースに充填することにより作られる。充填操作の前に、すべり剤および滑沢剤、例えば、コロイド状シリカ、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたは固体ポリエチレングリコールを粉末混合物に加えてもよい。カプセルを経口摂取する場合、崩壊剤または可溶化剤、例えば、寒天-寒天、炭酸カルシウムまたは炭酸ナトリウムを加えて医薬のアベーラビリティを改善することもできる。
【0092】
さらに、所望もしくは必要であれば、適当な結合剤、滑沢剤、崩壊剤および着色剤を混合物中に組み込んでもよい。好適な結合剤としては、デンプン、ゼラチン、天然の糖類、例えばブドウ糖またはβ-ラクトース、トウモロコシ甘味剤、天然および合成ガム類、たとえ、アカシア、トラガカントまたはアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチル-セルロース、ポリエチレングリコール、ワックスなどが挙げられる。投与剤形に用いられる滑沢剤としては、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが挙げられる。崩壊剤としては、限定されるものでないが、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどが挙げられる。錠剤は、例えば、粉末混合物を調製し、造粒または打錠し、滑沢剤および崩壊剤を加え、そして錠剤をプレスすることにより製剤される。粉末混合物は、適切に粉砕された化合物を上記の希釈剤または基剤、そして任意に、結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、またはポリビニルピロリドン、溶液遅延剤、例えばパラフィン、再吸収促進剤、例えば四級塩および/または吸収剤、例えばベントナイト、カオリンまたはリン酸二カルシウムと混合することにより調製される。粉末混合物は、結合剤、例えばシロップ、デンプンペースト、アカディアゴムまたはセルロース系もしくはポリマー系材料の溶液で湿潤し、スクリーンを強制通過させることにより造粒できる。造粒に替わる方法として、粉末混合物を錠剤機で処理することができ、得られるものは不完全に成型されたスラグが壊れてできた顆粒である。顆粒をステアリン酸、ステアリン酸塩、タルクまたは鉱油を加える方法により潤滑して、錠剤成型ダイに固着するのを防止することができる。次いで潤滑した混合物を錠剤に圧縮する。本発明の化合物はまた、フリーフローの不活性担体と組合わせて、造粒またはスラギングステップを経ることなく直接、錠剤に圧縮することもできる。シェラックのシールコーティング、糖またはポリマー材料のコーティングおよびワックスの磨きコーティングから成る透明または不透明保護コーティングを得ることができる。色素をこれらのコーティングに加えて異なる単位用量を識別することができる。
【0093】
溶液、シロップおよびエリキシルなどの経口液は、所与の量が活性成分の予め定めた量を含有するように、用量単位剤形で調製することができる。シロップを化合物を適切な香りを付けた水溶液に溶解することにより調製することができる一方、エリキシルを無毒のアルコール性ビヒクルを用いて調製することができる。懸濁液を無毒のビヒクルに化合物を分散化することにより製剤することができる。可溶化剤および乳濁化剤、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコールおよびポリオキシエチレンソルビトールエーテル、保存剤、風味添加物、例えばペパーミント油または天然甘味剤またはサッカリンまたはその他の人工甘味剤などを加えることもできる。
【0094】
適当な場合、経口投与用の用量単位製剤をマイクロカプセル化してもよい。製剤はまた、ポリマー、ワックスなどで微粒子材料をコーティングまたは包埋することにより、放出を延長または持続するように調製することもできる。
【0095】
式(I)の化合物はまた、リポソーム送達系の剤形、例えば、小さい単層小胞、大きい単層小胞および多層小胞で投与することもできる。リポソームは、様々なリン脂質、例えばコレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリンから作ることができる。
【0096】
式(I)の化合物はまた、化合物分子を結合させた個々の担体としてモノクローナル抗体を用いて送達することもできる。化合物はまた、標的化可能な薬物担体として可溶性ポリマーと結合させることもできる。かかるポリマーとしては、ポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド-フェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルタミドフェノール、またはパルミトイル残基により置換したポリエチレンオキシドポリリシンが挙げられる。さらに化合物を、薬物の制御放出を達成するのに有用な生物分解性ポリマーのクラス、例えば、ポリ乳酸、ポリイプシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレートおよびヒドロゲルの架橋したまたは両親媒性ブロックコポリマーと結合させることができる。
【0097】
経皮投与用に適合させた医薬組成物を、受給者の表皮と長期間密接な接触を保つように意図した個別のパッチとして提供することができる。例えば、活性成分を、Pharmaceutical Research, 3(6):318 (1986)に概要が記載されているように、パッチからイオン導入法により送達することができる。
【0098】
局所投与用に適合させた医薬組成物は、軟膏、クリーム、懸濁液、ローション、粉末、溶液、ペースト、ゲル、スプレー、エーロゾルまたは油として製剤することができる。
【0099】
眼またはその他の外組織、例えば口および皮膚の治療については、組成物を好ましくは局所軟膏またはクリームとして適用する。軟膏で製剤する場合、活性成分を、パラフィン系または水混和性軟膏基剤を使うことができる。あるいは、活性成分を水中油型クリーム基剤または油中水型基剤によるクリームで製剤することができる。
【0100】
眼への局所投与に適合させた医薬組成物としては、活性成分を好適な担体、とりわけ水性溶媒に溶解または懸濁させた点眼剤が挙げられる。
【0101】
口への局所投与に適合させた医薬組成物としては、トローチ錠(lozenge)、菱形トローチ錠(pastille)および洗口液が挙げられる。
【0102】
直腸投与に適合させた医薬組成物は座剤としてまたは浣腸として提供することができる。
【0103】
経鼻投与に適合させた医薬組成物であって担体が固体である場合としては、例えば、ほぼ20ミクロン〜ほぼ500ミクロンの範囲の粒子径を有する粗い粉末が挙げられ、これは嗅ぐ方法で、すなわち、鼻近くに保持した粉末容器から鼻経路を通しての急速な吸入による方法で投与される。担体が液体である場合の経鼻スプレーまたは経鼻点滴としての投与に好適な製剤としては、活性成分の水溶液または油溶液が挙げられる。
【0104】
吸入による投与用に適合させた医薬組成物としては、様々なタイプの定量の、用量が加圧されたエーロゾル、噴霧器または吸入器の方法で発生させうる微細な粒子ダストまたはミストが挙げられる。
【0105】
膣投与用に適合させた医薬組成物は、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォームまたはスプレー製剤として提供される。
【0106】
非経口投与用に適合させた医薬組成物としては、抗酸化剤、バッファー、静菌剤、および製剤を意図する受給者の血液と等張化する溶質を含有してもよい水性および非水性無菌注入溶液;ならびに懸濁剤および粘稠剤を含んでもよい水性および非水性無菌懸濁液が挙げられる。組成物は単位用量または多用量容器、例えば、シールしたアンプルおよびバイアルに入れて提供し、そして凍結乾燥した(lyophilized)条件で貯蔵してもよく、使用直前に注入用の無菌液体担体、例えば水を加えることだけが必要である。用事調製の注入溶液および懸濁液は、無菌の粉末、顆粒および錠剤から調製することができる。
【0107】
組成物は、特に上述した成分だけでなく、目的の製剤のタイプについて当技術分野で慣用される他の薬剤を含んでもよく、例えば、経口投与に好適な製剤は風味剤を含んでもよい。
【0108】
以上記載した治療の方法および使用において、式(I)の化合物は単独で、1以上の他の式(I)の化合物と組合わせて、または他の治療薬と組合わせて使用することができる。従って、本発明はまた、さらに1以上の治療薬を含む医薬組成物も包含する。一実施形態においては、医薬組成物はさらに1以上の脂質改変薬を含むものである。脂質改変薬の例としては、限定されるものでないが、GlaxoSmithKlineに与えられたPCT公報WO02/24632に記載の肝臓X受容体(LXR)アゴニストが含まれる。その他の治療薬の例としては、限定されるものでないが、3-ヒドロキシ-3-メチル-グルタリル-CoAレダクターゼインヒビター、例えば、スタチン類(アトルバスタチン、フルバスタチン、プラバスタチン、ロバスタチン、セリバスタチン、およびニスバスタチン);スクワレンエポキシダーゼインヒビター、スクワレンシンテターゼインヒビター、胆汁酸輸送インヒビター(BATi)、ヒトペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)γアゴニスト、例えば、ロシグリタゾン、トリグリタゾン、およびピオグリタゾンおよびチアゾリジンジオン;PPAR αアゴニスト、例えば、クロフィブラート、フェノフィブラートおよびゲムフィブロジル;PPARデュアルα/βアゴニスト;シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)インヒビター、例えば、ロフェコキシブおよびセレコキシブ;トロンビンインヒビター;アシル-補酵素A;コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)インヒビター(選択的ACATインヒビターを含む);ミクロソームのトリグリセリド輸送タンパク質(MTP)インヒビター;プロブコール、ナイアシン;コレステロール吸収インヒビター;胆汁酸隔絶薬;LDL受容体インデューサー;血小板凝集インヒビター、例えば、糖タンパク質IIb/IIIaフィブリノーゲン受容体アンタゴニストおよびアスピリン;ビタミンB6およびその製薬上許容される塩;ビタミンB12;葉酸または製薬上許容されるその塩またはエステル;酸化防止剤ビタミン、例えば、CおよびEおよびβカロテン;βブロッカー;アンギオテンシンIIアンタゴニスト、例えば、ロサルタン;アンギオテンシン変換酵素インヒビター、例えば、エナラプリルおよびカプトプリル;カルシウムチャネルブロッカー、例えば、ニフェジピンおよびジルチアゼム;エンドセリン・アンタゴニスト;ATP-結合カセット輸送体-A1遺伝子発現を促進するLXRリガンド以外の薬剤;ならびにビスホスホン酸塩化合物、例えば、アレンドロン酸ナトリウムが挙げられる。
【0109】
これらの組合わせを用いる方法および使用は、式(I)の化合物と他の治療薬の、連続して任意の順序でのまたは同時に別々のもしくは組み合わせた医薬組成物での投与を含むものであってもよい。同じ組成物に一緒にする場合、化合物は安定でありかつお互いにおよび組成物の他の成分と適合しなければならないしかつ投与用に製剤されていると解釈しうる。別々に製剤される場合、それらは、かかる化合物について当技術分野で公知の方法によりいずれかの好都合な製剤で提供されるであろう。
【0110】
式(I)の化合物を他の治療薬と組合わせて用いる場合、それぞれの化合物の用量は、その化合物を単独で用いる場合と異なってもよい。当業者は適当な用量を容易に理解しうる。式(I)の化合物と他の治療活性薬との適当な用量および投与の相対的タイミングは所望の併用治療効果を達成するように選択され、それは臨床医の熟練と熟慮により決定される。
【0111】
本発明の化合物は有機化学のいずれかの好適な方法により作ることができる。一方法によると、式(I)の化合物は次のスキーム1:
【化9】

【0112】
[式中、X1はクロロ、ヨード、ブロモ、トリフラート、トシラート、ノシラート、ベシラートまたはメシラート(好ましくはクロロ)であり;そして全ての他の変数は先に規定した通りである]
に記載の方法を用いて調製することができる。
【0113】
一般的に、スキーム1の方法は、
a)式(VIII)の化合物を式(IX)の化合物と反応させて式(I-A)の化合物を調製するステップ;
b)任意に式(I-A)の化合物を異なる式(I)の化合物に変換するステップを含んでなる。
【0114】
さらに特に、式(I-A)の化合物は、式(IX)の化合物を式(VIII)の化合物と好適な塩基、例えば炭酸セシウムまたは炭酸カルシウムの存在のもとで、極性非プロトン性溶媒、例えばN,N-ジメチルホルムアミド中で周辺温度または高温にて反応させることにより調製することができる。
【0115】
式(VIII)の化合物は、式(VIII-B)の化合物を適当な試薬と反応させて所望の脱離基をもつ化合物を生成することにより調製することができる。
【化10】

【0116】
[式中、全変数は先に規定した通りである]
X1がハロである場合、反応は式(VIII-B)の化合物をハロゲン化することにより実施される。当技術分野で慣用されるいずれかの好適なハロゲン化試薬をこの反応に用いることができる。好適なハロゲン化試薬の例としては、限定されるものでないが、塩化チオニルまたはトリフェニルホスフィンジクロリドが挙げられる。この反応は典型的には非極性溶媒、例えば、ジクロロメタンまたは1,2-ジクロロエタン中で周囲温度にて行われる。
【0117】
X1がトリフラート、トシラートまたはメシラートである場合、反応はそれぞれ、Vedejs, E.ら, J. Org. Chem. 42: 3109-3113 (1977)、Handy, S. T.ら, J. Org. Chem. 69, 2362-2366 (2004)、またはCopp, T.ら, Journal of the Chemistry Society 2021-2025 (1955)に記載された方法により実施することができる。
【0118】
式(VIII-B)の化合物は、式(V)の化合物を還元することにより調製することができる。
【化11】

【0119】
[式中、全変数は先に規定した通りである]
式(V)の化合物を水素化ジイソブチルアルミニウムなどの還元剤を用いて、テトラヒドロフランなどの好適な溶媒中で処理してもよい。
【0120】
式(V)の化合物は、式(III)の化合物を塩素化し、次いで式(IV)のエステルと反応させ、そして環化することにより調製することができる。
【化12】

【0121】
[式中、全変数は先に規定した通りである]。
【0122】
この方法は、Doyle, H.P.ら, Journal of the Chemical Society Part V:5838 (1963)が記載した方法によって好都合に行われる。式(IV)のエステルは市販されているかまたは慣用の技法を用いて調製することができる。
【0123】
式(III)の化合物は、式(II)の化合物をヒドロキシルアミンと縮合することにより調製することができる。
【化13】

【0124】
[式中、全変数は先に規定した通りである]
あるいは、式(V)の化合物は、式(VII)の化合物を塩化スズと式(IV)の化合物の存在のもとで反応させ、次いでヒドロキシルアミンを用いて処理することにより式(V)の化合物を調製することができる(Singh, B.; Lesher, G.Y.; Synthesis, 829-830 (1978))。式(VII)の化合物は市販されているかまたは文献に記載の手順により得ることができる(Guo, H., Zhang, Y., Synth. Commun., 30, 1879-1886 (2000))。次いで式(V)の化合物を水素化ジイソブチルアミルニウムを用いて還元して、先に記載した方法で式(VIII-B)の化合物を調製することができる。
【化14】

【0125】
[式中、全変数は先に規定した通りである]
式(IX)の化合物は、
a) 式(X)のフェノールを脱離基の構築に好適な試薬と反応させて式(XI)の化合物を調製するステップ、および
b) 式(XI)の化合物を式(XII)の化合物と結合させて式(IX)の化合物を調製するステップを含んでなる2ステップの方法により調製することができる。
【化15】

【0126】
[式中、LGはクロロ、ブロモ、 ヨードまたはトリフラートであり;
R10はHまたはアルキルであり;そして全ての他の変数は先に規定した通りである]
式(X)の化合物は市販されているかまたは当技術分野で周知の技法を用いて対応する酸から調製することができる。
【0127】
式(XI)の化合物は市販されているかまたは式(X)の化合物を無水トリフルオロメタンスルホン酸と当技術分野でで慣用の技法を用いて反応させることにより調製することができる。例えば、式(XI)の化合物は、式(X)の化合物を無水トリフルオロメタンスルホン酸と、ピリジンなどの適当な塩基を加えたジクロロメタンの溶液中で反応させることにより調製することができる。あるいは、式(XI)の化合物は、トルエン懸濁液中の式(X)の化合物を三塩基性リン酸カリウムの水溶液と反応させ、次いで無水トリフルオロメタンスルホン酸と反応させることにより調製することができる。
【0128】
式(XI)の化合物を式(XII)のボロン酸またはエステルと反応させて式(IX)の化合物を調製する。この反応はSuzukiカップリング技法を用いて行う。例えば、式(XII)の化合物を式(XI)の化合物とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)などの好適なパラジウム錯体および炭酸ナトリウムなどの塩基の存在のもとで、水と1,2-ジメトキシエタンのようなエーテル溶媒の混合物中で高温にてカップリングさせることにより、式(IX)の化合物を調製することができる。
【0129】
他の実施形態においては、式(I)の化合物をスキーム2によって調製することができる。
【化16】

【0130】
[式中、全変数は先に規定した通りである]
一般的に、スキーム2の方法は、
a) 式(VIII-B)の化合物を式(IX)の化合物と反応させて式(I-A)の化合物を調製するステップ;
b) 任意に式(I-A)の化合物を異なる式(I)の化合物に変換させるステップ
を含んでなる。
【0131】
さらに具体的には、式(I-A)の化合物を式(IX)の化合物を式(VIII-B)の化合物と反応させることにより調製する。典型的には、式(IX)の化合物と式(VIII-B)の化合物との反応をMitsunobu条件のもとで行う。例えば、式(I-A)の化合物の調製は、トリフェニルホスフィンおよびジイソプロピルアゾジカルボキシラートを加えたジクロロメタンまたはトルエンの溶液中で、式(IX)の化合物と式(VIII-B)のアルコールとの反応によって行うことができる。YがNR8である式(IX)の化合物を調製するためには、Mitsunobu反応を実施する前に、最初に式(IX)の化合物のトリフルオロアセトアミド誘導体を形成することが所望されるであろう。当業者は次いで、Mitsunobu反応の生成物を変換してアミン上に所望の置換(R8)を行うことができる。式(VIII-B)の化合物は先に記載したのと類似の方法により調製することができる。
【0132】
当業者には明らかであるように、式(I)の化合物は、当技術分野で周知の技法を用いて、色々な式(I)の化合物に変換することができる。例えば、式(I-A)の化合物は、水およびテトラヒドロフランおよび、任意に、鹸化すべきエステルに対応するアルコール共溶媒の溶液中で、水酸化ナトリウムなどの好適な塩基を用いる鹸化により、対応する酸(すなわち、式(I-B)の化合物)に変換することができる。
【化17】

【0133】
一実施形態において、本発明の方法は式(I-B)の化合物を製薬上許容されるその塩または溶媒和物に変換するステップを含んでなる。
【0134】
他の実施形態において、本方法は任意に式(I-B)の化合物またはその製薬上許容される塩または溶媒和物を、異なる式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩または溶媒和物に変換するさらなるステップを含んでなる。
【0135】
例えば、式(I-B)の化合物をアミンと反応させて対応するアミド(すなわち式(I-C)の化合物)を調製することができる。この反応は慣用の技法を用いて実施することができる。例えば、式(I-B)の化合物をピリジンなどの塩基を加えたアセトニトリル中で二炭酸ジ-tert-ブチルと反応させ、次いで炭酸水素アンモニウムと反応させて式(I-C)の化合物を生成することができる(C. D. Haffnerら, US2004/0171848)。
【化18】

【0136】
式(I)の化合物を他の式(I)の化合物に変換する他の例として、式(I-C)の化合物を脱水して対応するニトリル(すなわち、式(XX)の化合物)を調製することができる。この反応は慣用のアミド 脱水技法を用いて行うことができる。例えば、式(I-C)の化合物をオキシ塩化リンを用いて塩化メチレンおよびトリエチルアミンなどの好適な塩基溶液中で脱水して式(XX)の化合物を調製することができる(P. G. H. Uiterweerdら, Tetrahedron: Asymmetry, 14: 3479-3486 (2003))。式(XX)の化合物をアジ化ナトリウムと縮合して対応するテトラゾール(すなわち、式(I-D)の化合物)を調製することができる。この反応は慣用の技法を用いて行うことができる。例えば、式(I-D)の化合物は、式(XX)の化合物とアジ化ナトリウムとを塩化アンモニウムの存在のもとでN,N-ジメチルホルムアミドなどの極性非プロトン溶媒中で高温にて反応させることにより、調製することができる(E. Meyer,ら, Synthesis 29: 899-905 (2003))。
【化19】

【0137】
これらの例および本明細書に含まれる開示に基づいて、当業者は式(I)の化合物を、他の式(I)の化合物、またはその塩、溶媒和物または生理学的に機能性の誘導体に容易に変換することができる。例えば、式(XX)の化合物は、J. W. Ellingboe,ら, J. Med. Chem.; 36 2485-2493 (1993)およびH. N. Weller,ら, Heterocycles 36 1027-1038 (1993)に記載の方法に従って、CNが酸等価基に置き換えられた化合物に変換することができる。
【実施例】
【0138】
次の実施例は説明のためにのみ意図したものであり、いずれの方法でも本発明の範囲を制限することを意図するものでなく、本発明は請求の範囲によって規定される。
【0139】
実施例において、次の用語は記載した意味を有するものとする。
【0140】
g=グラム;
mg=ミリグラム;
mol=モル;
mmol=ミリモル;
M=モル;
mM=ミリモル;
mM=マイクロモル;
N=規定;
L=リットル;
mL=ミリリットル;
mL=マイクロリットル;
cm=センチメーター;
h=時間;
min=分;
rt=室温;
aq=水性;
Me=メチル;
Et=エチル;
EtOAc=酢酸エチル;
hex=ヘキサン;
THF=テトラヒドロフラン;
N2=窒素;
CH2Cl2=ジクロロメタン;
H2O=水;
SiO2=二酸化ケイ素;
P2O5=五酸化リン;
NaF=フッ化ナトリウム;
NaOH=水酸化ナトリウム;
MgSO4=硫酸マグネシウム;
Na2SO4=硫酸ナトリウム;
DMF=N,N-ジメチルホルムアミド;
DMSO=ジメチルスルホキシド;
P2O5=五酸化リン;
K2CO3=炭酸カルシウム;
PO4=リン酸;
Na2CO3=炭酸ナトリウム;
NaHCO3=炭酸水素ナトリウム;
HCl=塩化水素;
=幾何異性体の混合物;
NMR=核磁気共鳴;
H=水素;
Hz=ヘルツ;OD=光学密度;
HRMS=高解像質量分析;
APCI-LCMS=大気圧化学イオン化-液体クロマトグラフィ質量分析;
ESI-LCMS=エレクトロスプレー-液体クロマトグラフィ質量分析。
【0141】
実施例1:6-[4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフトエ酸ナトリウム塩
【化20】

【0142】
1a) メチル=6-ヒドロキシ-1-ナフトアート
【化21】

【0143】
メタンスルホン酸(18mL、0.28mol)を6-ヒドロキシ-1-ナフトエ酸(262g、1.39mol)のメタノール(1L)中の攪拌溶液にN2のもとで加え、その反応混合物を還流にて18時間加熱した。その反応混合物を室温に冷却し濃縮して紫色の固体を得た。固体を酢酸エチル(1L)に溶解し、水(3 x 300mL)、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(2 x 300mL)、水(500mL)、ブライン(300mL)を用いて洗浄し、次いで無水の硫酸ナトリウムを通して乾燥した。得られる溶液を濾過しかつ濃縮して271gの生成物を淡紅色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO): δ 9.94 (s, 1H), 8.58 (m, 1H), 7.93 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.86 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 7.44 (t, J = 8 Hz, 1H), 7.22 - 7.19 (m, 2H), 3.88 (s, 3H)。ESI-LCMS m/z 203 (M+H)+
【0144】
1b) メチル=6-{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}-1-ナフトアート
【化22】

【0145】
メチル=6-ヒドロキシ-1-ナフトアート(138g、0.68mol)のトルエン(1.3L)中の氷冷した機械攪拌懸濁液を、三塩基性リン酸カリウム(414g、2mol)の水(1.6L)中の溶液を用いて処理した。得られる混合物を、無水トリフルオロメタンスルホン酸(142mL、0.84mol)を滴状で用いて反応温度を25℃に維持する速度で処理した。1時間後、無水トリフルオロメタンスルホン酸(56mL、0.33 mol)を加えて攪拌を続けた。45分後、さらに別の無水トリフルオロメタンスルホン酸(30mL、0.18mol)を加えた。20分後、トルエン層を分離して水で洗った。トルエン層を三塩基性リン酸カリウム(106g、0.5mol)の水(325mL)中の新しい溶液とともに攪拌した。無水トリフルオロメタンスルホン酸(40mL、0.24mol)を滴状で加えた。ほぼ20分後に層を分離した。トルエン層を水(2 x 400 mL)で洗いそして濃縮して232gの赤レンガ色の固体(理論収率と仮定する)を得た。1H NMR (DMSO- d6): δ 8.92 (d, J = 10 Hz, 1H), 8.33 (d, J = 8 Hz, 1H), 8.27 (m, 1H), 8.24 (d, J = 7 Hz, 1H), 7.77 - 7.72 (m, 2H), 3.93 (s, 3H)。ESI-LCMS m/z 335 (M+H)+
【0146】
代替法1b) メチル=6-{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}-1-ナフトアート
【化23】

【0147】
メチル=6-ヒドロキシ-1-ナフトアートのトルエン中の氷冷した機械攪拌懸濁液を、三塩基性リン酸カリウムの水溶液を用いて処理する。得られる混合物に無水トリフルオロメタンスルホン酸を滴状で用いて反応温度を25℃に維持する速度で処理した。30分後、トルエン層を分離し、水で洗いそして濃縮して生成物を得る。
【0148】
1c) メチル=6-(4-ヒドロキシフェニル)-1-ナフトアート
【化24】

【0149】
メチル=6-{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}-1-ナフトアート(271g、0.81mol)(複数バッチから得た)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(37.4g、0.032mol)、2M炭酸ナトリウム溶液(1.3L)および4-ヒドロキシフェニルボロン酸(134g、0.97mol)のエチレングリコールジメチルエーテル(1.5L)中の溶液を80℃にて1.5時間加熱した。反応混合物を室温に冷却しそして酢酸エチル(2L)と水(2L)を用いて希釈した。酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムを通して乾燥し、濾過し、濃縮して暗色の半固体残留物を得た。粗物質をジクロロメタン-ヘプタンから晶析して199gの生成物を黄褐色の固体として得た。1H NMR (DMSO- d6): δ 9.64 (s, 1H), 8.76 (d, J = 9 Hz, 1H), 8.21 (m, 2H), 8.07 (d, J = 7 Hz, 1H), 7.93 (m, 1H), 7.66 (d, J = 9 Hz, 2H), 7.58 (t, J = 8 Hz, 1H), 6.89 (d, J = 9 Hz, 2H), 3.93 (s, 3H)。
【0150】
1d) 4-(クロロメチル)-3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)イソオキサゾール
【化25】

【0151】
塩化チオニル(87mL、1.20mol)を、ベンゾトリアゾール(143g、1.20mol)のジクロロメタン(400mL)中の攪拌溶液に室温にて滴状で加えた。得られる溶液を30分間、[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メタノール(263g、0.92mol)のジクロロメタン(700mL)中の攪拌溶液に滴状で加えた。非常に穏やかな発熱反応が起こり、ベンゾトリアゾール塩酸塩の沈降を伴った。混合物を濾過してベンゾトリアゾール塩酸塩を除去した。濾液を水(2 x 800 mL)、1N水酸化ナトリウム(800mL)で洗浄し次いで無水硫酸ナトリウムを通して乾燥した。得られる溶液を濾過し濃縮して288gの生成物を淡黄色の油として得た。1H NMR (DMSO- d6): δ 7.66 (m, 2H), 7.61 - 7.57 (m, 1H), 4.47 (s, 2H), 3.45 (7重項, J=7 Hz, 1H), 1.31 (d, J = 7 Hz, 6H)。ESI-LCMS m/z 279 (M+H)+
【0152】
1e) メチル=6-[4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボキシラート
【化26】

【0153】
炭酸セシウム(352g、1.08mol)をメチル=6-(4-ヒドロキシフェニル)-1-ナフトアート(199g、0.72mol)のジメチルホルムアミド(1L)中の機械攪拌溶液にN2のもとで加えた。得られる懸濁液を65℃に30分間加熱し、次いでジメチルホルムアミド(500mL)中の4-(クロロメチル)-3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)イソオキサゾール(280g、0.92mol)を加えた。混合物を65℃にて18時間加熱し、室温に冷却しそして酢酸エチル(1L)と水(1L)の間に分配した。酢酸エチル層を水(2 x 1L)を用いて逆洗浄し、濃縮して濃厚な黒色シロップを得た。このシロップをヘキサン(500mL)と酢酸エチル(300mL)を用いて2時間摺り砕いた。濾過して190gの生成物をベージュ色の結晶として得た。1H NMR (DMSO- d6): δ 8.77 (d, J = 9 Hz, 1H), 8.23 - 8.20 (m, 2H), 8.09 (d, J = 7 Hz, 1H), 7.92 (dd, J = 2, 9 Hz, 1H), 7.69 (d, J = 9 Hz, 2H), 7.63 - 7.51 (m, 4H), 6.91 (d, J = 9 Hz, 2H), 4.86 (s, 2H), 3.92 (s, 3H), 3.45 (7重項, J = 7 Hz, 1H), 1.33 (d, J = 7 Hz, 6H)。ESI-LCMS m/z 546 (M+H)+
【0154】
1f) 6-[4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボン酸
【化27】

【0155】
メタノール(380mL)と5N水酸化ナトリウム溶液(190mL)をメチル=6-[4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボキシラート(190g、0.35mol)のテトラヒドロフラン(1L)中の攪拌溶液に加えた。得られる溶液を還流に1.5時間加熱した。混合物を室温に冷却し、濃縮してメタノールとテトラヒドロフランを除去した。残留物を水(500mL)を用いて希釈し、6N HClを用いて酸性化しそして上清をタフィー様固体からデカントした。固体を酢酸エチル(1L)から晶析して170gの生成物を灰白色の結晶として得た。1H NMR (DMSO- d6): δ 9.02 (d, J = 9 Hz, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.80 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.73 (d, J = 7 Hz, 1H), 7.68 - 7.61 (m, 5H), 7.53 (dd, J = 7, 9 Hz, 1H), 7.38 (t, J = 8, 15 Hz, 1H), 6.88 (d, J = 9 Hz, 2H), 4.85 (s, 2H), 3.46 (7重項, J = 7 Hz, 1H), 1.32 (d, J = 7 Hz, 6H)。ESI-LCMS m/z 532 (M+H)+
【0156】
1g) 6-[4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフトエ酸ナトリウム塩
【化28】

【0157】
6-[4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボン酸(166g、0.31mol)のメタノール(500mL)中の機械攪拌懸濁液を1N水酸化ナトリウム(327mL)により処理した。得られる溶液を室温にて攪拌した。混合物を1時間攪拌し、得られる固体を濾過により採集し、アセトン、ヘキサンで洗浄し、次いで乾燥して151gの生成物を白色固体として得た。1H NMR (DMSO- d6): δ 9.04 (d, J = 9 Hz, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.78 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.72 (d, J = 7 Hz, 1H), 7.66 - 7.61 (m, 5H), 7.53 (dd, J = 7, 9 Hz, 1H), 7.37 (t, J = 8 Hz, 1H), 6.88 (d, J = 9 Hz, 2H), 4.85 (s, 2H), 3.46 (7重項, J = 7 Hz, 1H), 1.32 (d, J = 7 Hz, 6H)。ESI-LCMS m/z 532 (M+H)+
【0158】
C30H22Cl2NNaO4・0.75H2Oに対する元素分析値:C, 63.45;H, 4.17;N, 2.47;Cl, 12.49。測定値:C, 63.46;H, 4.02;N, 2.50;Cl, 12.32。
【0159】
実施例2: 6-[2-クロロ-4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボン酸
【化29】

【0160】
2a) メチル=6-(2-クロロ-4-ヒドロキシフェニル)-1-ナフタレンカルボキシラート
【化30】

【0161】
メチル=6-{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}-1-ナフトアート(0.97g、2.91mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.13g、0.116mmol)、2M Na2CO3(13.6mL)および2-クロロ-4-[((1,1-ジメチルエチル)ジメチルシリル)オキシ]フェニルボロン酸(1g、3.49mmol)のエチレングリコールジメチルエーテル(15.5mL)中の溶液を80℃にて40分間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、水とEtOAcを用いて希釈し、そして別の漏斗に移した。有機相を分離し、ブラインを用いて洗浄し、MgSO4を通して乾燥し、濾過し、そして濾液を濃縮して粗生成物を油として得た。粗材料をフラッシュクロマトグラフィにより、SiO2を通してヘキサン:EtOAc(0〜20%EtOAc)勾配を用いて精製し、0.74g(82%)の表題化合物を白色の固体として得た。 1H NMR (400 MHz, DMSO- d6): δ 10.06 (s, 1 H), 8.75 (d, J = 9 Hz, 1 H), 8.22 (d, J = 8 Hz, 1 H), 8.13 (d, J = 7 Hz, 1 H), 8.01 (s, 1 H), 7.68 (m, 1H), 7.61 (t, J = 8 Hz, 1 H), 7.34 (d, J = 9 Hz, 1 H), 6.96 (m, 1 H), 6.86 (m, 1 H), 3.93 (s, 3 H).
2b) メチル=6-[2-クロロ-4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボキシラート
【化31】

【0162】
メチル=6-(2-クロロ-4-ヒドロキシフェニル)-1-ナフタレンカルボキシラート(0.25g、0.799mmol)、ポリマー結合したトリフェニルホスフィン(0.27g、0.799mmol)、[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メタノール(0.23g、0.799mmol)および10mLのジクロロメタンの混合物を0℃に冷却した。ジイソプロピルアゾジカルボキシラート(0.16mL、0.799mmol)をゆっくりと反応混合物に加えた。反応混合物を10分間、上記温度にて攪拌し、次いで室温に加温し、18時間攪拌した。反応混合物を濾過しそして濾液を濃縮して油を得た。粗材料を部分的にフラッシュクロマトグラフィにより、シリカゲルを通しヘキサン中の20%EtOAcを用いて精製して0.36gの表題化合物を得た。1H NMR (DMSO- d6): δ 8.75 (d, J = 9 Hz, 1H), 8.22 (d, J = 8 Hz, 1H), 8.14 (d, J = 7 Hz, 1H), 8.0 (s, 1H), 7.53-7.67 (m, 5H), 7.36 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.03-7.04 (m, 1H), 6.84-6.87 (m, 1H), 4.92 (s, 2H), 3.93 (s, 3H), 3.46 (m, 1H), 1.34 (m, 6H)。
【0163】
2c) 6-[2-クロロ-4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボン酸
【化32】

【0164】
メチル=6-[2-クロロ-4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボキシラート(0.36g、0.62mmol)、6.5mLのTHF、3.5mLのメタノールおよび1.3mLの1N NaOHの溶液を室温にて18時間攪拌した。反応混合物を65℃に2時間加熱した。その溶液を室温に冷却しそしてpHを1N HClを用いて調節した。溶液を濃縮しそして残留物を酢酸エチルを用いて抽出した。有機相をMgSO4を通して乾燥し、濾過しそして濾液を濃縮して粗生成物を油として得た。粗材料をフラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル、勾配ヘキサン〜ヘキサン/酢酸エチル、1:1)により精製して表題化合物を白色の泡状物(0.15g、67%)として得た。1H NMR (DMSO-d6): δ 13.13 (s, 1H), 8.87 (d, J = 9 Hz, 1H), 8.19-8.14 (m, 2H), 7.97 (m, 1H), 7.64-7.53 (m, 5H), 7.36 (d, J = 9 Hz, 1H), 7.04 (m, 1H), 6.86-6.84 (m, 1H), 4.92(s, 2H), 3.48 (7重項, J=7Hz, 1H), 1.33 (d, J = 7 Hz, 6 H)。 HRMS C30H22Cl3NO4 m/z 566.0693 (M+H)+(計算値);566.0687 (M+H)+(測定値)。
【0165】
実施例3: 6-[4-({[5-シクロブチル-3-(2,6-ジクロロフェニル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ) フェニル]-1-ナフタレンカルボン酸
【化33】

【0166】
3a) エチル=5-シクロブチル-3-(2,6-ジクロロフェニル)-4-イソオキサゾールカルボキシラート
【化34】

【0167】
2,6-ジクロロベンズアルデヒドオキシム(2.2g、11.6mmol)のN,N,-ジメチルホルムアミド(7mL)中の水浴冷却した溶液に、固体N-クロロスクシンイミド(1.5g、11.6mmol)を加えた。溶液を水浴フラスコでほぼ20分間攪拌し、次いでフラスコを水浴から取り出してほぼ1時間攪拌した。溶液を水中に注ぎ次いでエーテルを用いて2回抽出した。組合わせた有機相を硫酸マグネシウムを通して乾燥しそして濃縮した。エチル=3-シクロブチル-3-オキソプロパノアート(2.4g、13.9mmol)のテトラヒドロフラン(3mL)中の別の溶液に、0℃にて、ナトリウムエトキシドのエタノール(4.4mL、13.9mmol)中の3.16M溶液を速やかに加えた。溶液を数分間攪拌した。その溶液に、テトラヒドロフラン(5 mL)中の単離した塩化イミドイルを滴状で加えた。その溶液を0℃にてほぼ1時間攪拌し次いで周囲温度にて一晩攪拌した。その溶液を水中に注ぎそして酢酸エチルを用いて抽出した。組合わせた有機相を硫酸マグネシウムを通して乾燥し、濃縮しそしてクロマトグラフィ(シリカゲル、ヘキサン中の0〜5%酢酸エチル勾配溶出)により精製して白色の固体を得た(1.5g、38%)。1H-NMR (DMSO-d6) δ 7.63 - 7.53 (m, 3H), 4.25 (quintet, J = 9 Hz, 1H), 4.02 (q, J = 7 Hz, 2H), 2.43 - 2.36 (m, 4H), 2.15 - 1.89 (m, 2H), 0.94 (t, J = 7 Hz, 3H)。
【0168】
3b) [5-シクロブチル-3-(2,6-ジクロロフェニル)-4-イソオキサゾリル]メタノール
【化35】

【0169】
エチル=5-シクロブチル-3-(2,6-ジクロロフェニル)-4-イソオキサゾールカルボキシラート(1.5g、4.47mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)中の溶液に、0℃にて水素化ジイソブチルアルミニウムのトルエン中の1.5M溶液(6.3mL、9.39mmol)を徐々に加えた。その溶液が徐々に周囲温度に温まるのを待って、4時間後にその溶液を0℃に再冷却しそしてさらにトルエン中の1.5M水素化ジイソブチルアルミニウム(6mL、9mmol)を加えた。溶液を、氷浴中のフラスコを用いて1.5時間攪拌した。若干のロッシェル塩水溶液を滴状で加え次いで酢酸エチルを加えた。その混合物を一晩攪拌しそして相を分離した。水層を酢酸エチルを用いてさらに1回抽出した。組合わせた有機相をロッシェル塩、次いでブラインを用いて洗浄し、MgSO4を通して乾燥しそして真空で濃縮して白色の固体を得た(1.3g、98%)。1H-NMR (DMSO-d6,) δ 7.61 - 7.51 (m, 3H), 4.87 (t, J = 5 Hz, 1H), 4.10 (d, J = 5Hz, 2H), 3.87 (5重項, J = 9Hz, 1H), 2.37 - 2.30 (m, 4H), 2.29 - 1.87 (m, 2H)。
【0170】
3c) メチル=6-[4-({[5-シクロブチル-3-(2,6-ジクロロフェニル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボキシラート
【化36】

【0171】
[5-シクロブチル-3-(2,6-ジクロロフェニル)-4-イソオキサゾリル]メタノール(150mg、0.503mmol)、メチル=6-(4-ヒドロキシフェニル)-1-ナフタレンカルボキシラート(140mg、0.503mmol)、トリフェニルホスフィン(145mg、0.553mmol)のジクロロメタン(1.5mL)中の溶液に、ジイソプロピルアゾジカルボキシラート(0.099mL、0.553mmol)を滴状で加えた。その溶液をマイクロ波反応器で100℃にて10分間加熱した。生成物をクロマトグラフィ(シリカゲル、ヘキサン中の0〜15%酢酸エチル勾配溶出)により精製して白色の固体を得た(0.069g、25%)。1H-NMR (DMSO-d6,) δ 8.77 (d, J = 9 Hz, 1H), 8.23 - 8.20 (m, 2H), 8.09 (d, J = 9 Hz, 1H), 7.93 (d, J = 11 Hz, 1H), 7.70 - 7.51 (m, 6H ), 6.90 (d, J = 9Hz, 2H), 4.83 (s, 2H), 4.00 (quintet, J = 9 Hz, 1H), 3.92 (s, 3H), 2.43 - 2.31 (m, 4H), 2.10 - 1.92 (m, 2H). APCI- LCMS m/z 558 (M+H)+
【0172】
3d) 6-[4-({[5-シクロブチル-3-(2,6-ジクロロフェニル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボン酸
【化37】

【0173】
メチル=6-[4-({[5-シクロブチル-3-(2,6-ジクロロフェニル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボキシラート(65mg、0.116mmol)の、テトラヒドロフランとメタノールの2:1混合液(1.5mL)中の溶液に、1N水酸化ナトリウム(0.175mL、0.175mmol)を加えた。その溶液をマイクロ波反応器で120℃にて500秒間加熱した。溶液を濃縮し、水を加え、次いで0.175mLの1N HClを加えた。その溶液を酢酸エチルを用いて2回抽出した。組合わせた有機相をブラインを用いて1回洗浄しそして濃縮した。エーテルを加えかつその溶液を再濃縮して乾固し、表題化合物を白色の固体として得た(56mg、89%)。1H-NMR (DMSO-d6,) δ 13.14 (s, 1H), 8.88 (d, J = 9 Hz, 1H), 8.20 - 8.16 (m, 2H), 8.09 (d, J = 9 Hz, 1H), 7.90 (d, J = 9 Hz, 1H), 7.69 - 7.49 (m, 6H), 6.90 (d, J = 9 Hz, 2H), 4.83 (s, 2H), 4.00 (quintet, J = 9 Hz, 1H), 2.43 - 2.34 (m, 4H), 2.10 - 1.92 (m, 2H)。HRMS C31H23Cl2NO4 m/z 544.10769 (M+H)+ (計算値); 544.10747 (M+H)+(測定値)。
【0174】
実施例4: 6-[4-({[3-[(2,6-ジクロロフェニル)メチル]-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボン酸
【化38】

【0175】
4a) 2-(2,6-ジクロロフェニル)-N-ヒドロキシエタンイミドイルクロリド
【化39】

【0176】
水酸化ナトリウム(0.672g、16.8mmol)およびヒドロキシルアミン塩酸塩(1.17g、16.8mmol)の水(11mL)中の溶液を、(2,6-ジクロロフェニル)アセトアルデヒド(2.78g、14.7mmol)のエタノール(21mL)中の溶液に加えた。得られる溶液を83℃の油浴にて一晩加熱した。サンプルを濃縮して濾過した。得られる固体をP2O5を用いて真空オーブンにて45℃で減圧のもと乾燥し、オキシムを異性体の混合物として得た(2.21g、収率74%)。(2,6-ジクロロフェニル)アセトアルデヒドオキシム(1.05g、4.82mmol)のジメチルホルムアミド(3.8mL)中の溶液を攪拌しながら、N-クロロスクシンイミド(0.64g、4.82mmol)を加え、得られる溶液を1時間続いて攪拌した。その溶液を水中に注ぎそしてエーテルを用いて抽出した。有機層をブラインを用いて洗浄し、硫酸マグネシウムにより乾燥し、濾過しそして濃縮して表題化合物(2.60 g、77%)を得た。1H NMR (DMSO-d6): δ 11.78 (s, 1H), 7.47 (d, J = 8Hz, 2H), 7.33 (t, J = 8Hz, 1H), 4.08 (s, 2H)。
【0177】
4b) メチル=3-[(2,6-ジクロロフェニル)メチル]-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾールカルボキシラート
【化40】

【0178】
メチルイソブチリルアセタート(1.93g、13.4mmol)のテトラヒドロフラン(2.7mL)中の溶液を0℃にて攪拌しながら0.5Nナトリウムメトキシドのメタノール中の溶液(27mL、13.5mmol)を加えた。2-(2,6-ジクロロフェニル)-N-ヒドロキシエタンイミドイルクロリド(2.60g、11.18mmol)のテトラヒドロフラン(8.7mL)中の溶液を加え、その溶液が室温に温まるに任せ一晩攪拌した。混合物を濃縮して次いで水と酢酸エチルの間で分配した。有機層を硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、濾過し、そして濃縮した。残留物をクロマトグラフィ(シリカゲル、ヘキサン中の0%〜30%酢酸エチル)により精製して表題化合物(1.10g、30%)を得た。1H NMR (DMSO-d6): δ 7.48 (d, J=8 Hz, 2H), 7.34 (t, J=8 Hz, 1H), 4.42 (s, 2H), 3.84 (s, 3H), 3.68 (7重項, J=7 Hz, 1H), 1.24 (d, J=7 Hz, 6H)。
【0179】
4c) [3-[(2,6-ジクロロフェニル)メチル]-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メタノール
【化41】

【0180】
メチル=3-[(2,6-ジクロロフェニル)メチル]-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾールカルボキシラート(1.18g、3,6mmol)(複数バッチから)のテトラヒドロフラン(10mL)中の溶液を0℃にて攪拌しながら水素化ジイソブチルアルミニウムのトルエン中の1.5M溶液(3.7mL、5.6mmol)を加えた。その溶液を室温に温まるに任せて一晩攪拌した。メタノール(0.27mL)を加え、次いで水(2.7mL)を加え、さらに2N水酸化ナトリウム(4mL)を加えた。溶液をセライトを通して濾過した。濾液を酢酸エチルと水の間で分配した。ロッシェル塩の水溶液を加えた。有機層を分離し、硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、濃縮しそしてクロマトグラフィ(シリカゲル、ヘキサン中の30%酢酸エチル)により精製して表題化合物(1.07g、99%)を得た。1H NMR (DMSO-d6): δ 7.46 (d, J=8 Hz, 2H), 7.32 (t, J=8 Hz, 1H), 5.01 (t, J=5 Hz, 1H), 4.36 (d, J=5 Hz, 2H), 4.22 (s, 2H), 3.21 (7重項, J=7 Hz, 1H) 1.20 (d, J=7 Hz, 6H)。ESI-LCMS m/z 300 (M+H)+
【0181】
4d) エチル=6-ヒドロキシ-1-ナフタレンカルボキシラート
【化42】

【0182】
塩化チオニル(2.3mL、31.9mmol)を、6-ヒドロキシ-1-ナフトエ酸(3g、15.9mmol)のエタノール(140mL)中の溶液に徐々に加えてN2のもとで攪拌した。加えた後に、反応混合物を還流にて窒素のもとで6日間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、濃縮して粗生成物を油として得た。その油を注意深く5%NaHCO3とEtOAcの間で分配した。有機相を分離し、ブラインを用いて洗浄し、MgSO4を通して乾燥し、濾過しそして濾液を濃縮して3g(87%)の生成物を赤色無定形の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 9.92 (s, 1 H), 8.57 (m, 1 H), 7.92 (d, J = 8 Hz, 1 H), 7.85 (d, J = 7 Hz, 1 H), 7.45 (t, J = 8, 1 H), 7.20-7.18 (m, 2 H), 4.38-4.33 (m, 2 H), 1.34 (t, J = 7 Hz, 3 H)。
【0183】
4e) エチル=6-{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}-1-ナフタレンカルボキシラート
【化43】

【0184】
エチル=6-ヒドロキシ-1-ナフタレンカルボキシラート(3g、13.9mmol)をCH2Cl2(24mL)に溶解してその溶液を-5℃にアセトン-氷浴を用いて冷却した。その冷溶液にピリジン(7mL、83.2mmol)をN2のもとで攪拌しながら加えた。反応混合物を-5℃にて数分間攪拌しそして無水トリフルオロメタンスルホン酸(2.8mL、16.6mmol)を徐々に加えた。その反応混合物を0℃にて1時間攪拌した。反応混合物を水を用いてクエンチし、エーテルを用いて抽出した。有機相を分離し、1N HCl、続いてブラインを用いて洗浄し、MgSO4を用いて乾燥し、濾過し、そしてその濾液を濃縮した。粗材料をフラッシュクロマトグラフィにより、SiO2を通し、ヘキサン:EtOAc(0〜50%EtOAc)勾配を用いて精製し、3.9g(81%)の表題化合物を白色結晶として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.92 (d, J = 10 Hz, 1 H), 8.33 (d, J = 8 Hz, 1H), 8.28 (m, 1 H), 8.23 (d, J =7 Hz, 1 H), 7.77-7.72 (m, 2 H), 4.43-4.38 (m, 2 H), 1.36 (t, J = 7 Hz, 3 H)。
【0185】
4f) エチル=6-(4-ヒドロキシフェニル)-1-ナフタレンカルボキシラート
【化44】

【0186】
エチル=6-{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}-1-ナフタレンカルボキシラート(0.3g、0.861mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.04g、0.0345mmol)、2M Na2CO3(4mL)および4-ヒドロキシフェニルボロン酸(0.143g、1.03mmol)のエチレングリコールジメチルエーテル(5mL)中の溶液を80℃にて1.5時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、水とEtOAcを用いて希釈した。EtOAc層を分離し、ブラインを用いて洗浄し、MgSO4を通して乾燥し、濾過し、そして濾液を濃縮して粗生成物を油として得た。粗材料をフラッシュクロマトグラフィによりSiO2を通してヘキサン:EtOAc(0〜50%EtOAc)勾配で精製して0.23g(92%)の表題化合物を油として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 9.63 (s, 1 H), 8.76 (d, J = 9.0 Hz, 1 H), 8.20 (m, 2 H), 8.07 (d, J = 7 Hz, 1H), 7.93 (m, 1 H), 7.66 (d, J = 9 Hz, 2 H), 7.58 (t, J = 8 Hz, 1 H), 6.88 (d, J = 9 Hz, 2 H), 4.42-4.37 (m, 2 H), 1.37 (t, J = 7 Hz, 3 H)。
【0187】
4g) エチル=6-[4-({[3-[(2,6-ジクロロフェニル)メチル]-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボキシラート
【化45】

【0188】
[3-[(2,6-ジクロロフェニル)メチル]-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メタノール(0.105g、0.35mmol)、エチル=6-(4-ヒドロキシフェニル)-1-ナフタレンカルボキシラート(0.102g、0.35mmol)、トリフェニルホスフィン(0.092g、0.35mmol)およびジイソプロピルアゾジカルボキシラート(0.063mL、0.35mmol)のトルエン(3.5mL)中の溶液をマイクロ波反応器チューブ内に入れて80℃に500秒間加熱した。その溶液を濃縮し、クロマトグラフィ(シリカゲル、ヘキサン〜1:4酢酸エチル:ヘキサン)により精製して表題化合物(0.126g、0.2EtOAcとして60.9%)を得た。1H NMR (DMSO-d6): δ 8.79 (d, J=9 Hz, 1H), 8.28 (d, J=2 Hz, 1H), 8.23 (d, J=8 Hz, 1H), 8.09 (d, J=7 Hz, 1H), 7.98 (dd, J = 2, 9 Hz, 1H), 7.81 (d, J = 9 Hz, 2H), 7.61 (t, J=8 Hz, 1H), 7.46 (d, J=8 Hz, 2H), 7.32 (t, J=8 Hz, 1H), 7.16 (d, J=9 Hz, 2H), 5.08 (s, 2 H), 4.40 (q, J=7 Hz, 2 H), 4.29 (s, 2 H), 3.34 (7重項, J=7 Hz, H2Oと重複 1 H), 1.37 (t, J=7 Hz, 3 H), 1.22 (d, J=7 Hz, 6 H)。ESI-LCMS m/z 574 (M+H)+
【0189】
4h) 6-[4-({[3-[(2,6-ジクロロフェニル)メチル]-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボン酸
【化46】

【0190】
エチル=6-[4-({[3-[(2,6-ジクロロフェニル)メチル]-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボキシラート(0.116g、0.20mmol)のテトラヒドロフラン(2mL)中の溶液をマイクロ波反応器チューブ内に入れた。エタノール(1mL)を加え、続いて1N水酸化ナトリウム(0.312mL、0.31mmol)を加えた。チューブをシールし、マイクロ波反応器内で100℃にて500秒間加熱した。さらに水酸化ナトリウム溶液(0.2mL、0.2mmol)を加え、その溶液をマイクロ波反応器内で100℃にさらに500秒間加熱した。その溶液を1N塩酸を用いて中和しそして濃縮した。残留物をヘキサン中でスラリー化した。その固体を水中にスラリー化し、その混合物をデカントし、固体を乾燥して表題化合物を白色の固体(0.112g、0.15 EtOAcとして100%)として得た。1H NMR (DMSO-d6) δ 13.14 (s, 1H), 8.91 (d, J=9 Hz, 1H), 8.26 (s, 1H), 8.20 (d, J=8 Hz, 1H), 8.10 (d, J=7 Hz, 1H), 7.96 (dd, J=2, 9 Hz, 1H), 7.80 (d, J=9 Hz, 2H), 7.58 (m, 1H), 7.46 (d, J=8 Hz, 2H), 7.31 ( t, J=8 Hz, 1H), 7.16 (d, J=9 Hz, 2H), 5.08 (s, 2H), 4.29 (s, 2H), 3.36 (7重項, J=7 Hz, H2Oと重複 1H), 1.22 ( d, J=7 Hz, 6H)。HRMS C31H25NO4Cl2 m/z 546.1239(M+H)+(計算値); 546.1226(M+H)+(測定値)。
【0191】
実施例5: 6-[4-({[3-[2-(2,6-ジクロロフェニル)エチル]-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボン酸
【化47】

【0192】
5a) 3-(2,6-ジクロロフェニル)-1-プロパノール
【化48】

【0193】
3-(2,6-ジクロロフェニル)プロパン酸(5.00g、22.8mmol)のTHF(114mL)中の溶液を室温にて攪拌しながらトリエチルアミン(3.2mL、22.8mmol)を加えた。その溶液をついで氷/水浴内で冷却した後、クロロ蟻酸イソプロピルのトルエン(22.8mL、22.8mmol)中の1M溶液を加えた。30分後、その混合物を、水素化ホウ素ナトリウム(1.13g、30mmol)の水(8mL)中の混合物中に濾過した。得られる混合物を氷/水浴内で攪拌しそして徐々に室温に温まるに任せた。混合物を室温にて一晩攪拌し、次いで濾過した。濾液をブラインと酢酸エチルの間で分配した。有機層をMgSO4を用いて乾燥し、濾過しそして濃縮した。残留物をクロマトグラフィ(シリカゲル、3:7酢酸エチル:ヘキサン)により精製して表題化合物(3.85g、0.17EtOAcとして77%)を得た。1H NMR (d6-DMSO): δ 7.41 (d, J = 8 Hz, 2H), 7.22 (t, J = 8 Hz,1H), 4.57 (t, J = 5Hz, 1H), 3.48 - 3.43 (m, 2H), 2.88 - 2.84 (m, 2H), 1.65 - 1.58 (m, 2H)。
【0194】
5b) (1E)-3-(2,6-ジクロロフェニル)プロパナールオキシム、(1Z)-3-(2,6-ジクロロフェニル)プロパナールオキシム
【化49】

【0195】
三酸化イオウ・ピリジン(7.57g、47.6mmol)のDMSO(48mL)中の溶液を、氷/水浴内のトリエチルアミン(6.63mL、47.6mmol)および3-(2,6-ジクロロフェニル)-1-プロパノール(3.25g、15.8mmol)のジクロロメタン(48mL)中の溶液に加えた。その溶液を室温に温まるに任せて3.5時間攪拌し、その後にブラインとエーテルの間で分配した。有機層を、10%クエン酸水溶液、次いでブラインを用いて洗浄し、その後にMgSO4を用いて乾燥し、濾過しそして濃縮してアルデヒド(2.85g、89%)を得た。水酸化ナトリウム(0.728g、18.2mmol)とヒドロキシルアミン塩酸塩(1.26g、18.2mmol)の水(12mL)中の溶液を、未精製3-(2,6-ジクロロフェニル)プロパナール(2.85g、14mmol)のエタノール(23mL)中の溶液に加えた。得られる溶液を90℃にて一晩加熱した。サンプルを濃縮しそして残留物を酢酸エチルとブラインの間で分配した。有機層を硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、濾過しそして濃縮した。残留物をクロマトグラフィ(シリカゲル、ヘキサン〜1:4酢酸エチル:ヘキサン)により精製して表題化合物(1.06g、組合わせ収率、37%)を得た。1H NMR (DMSO-d6): 高Rf幾何異性体 δ 11.47 (s, 1H), 7.43 (d, J = 8 Hz, 2H), 7.36 (t, J = 6 Hz, 1H), 7.25 (t, J = 8 Hz, 1H), 3.03-2.99 (m, 2H), 2.37-2.32 (m, 2H). 低Rf幾何異性体 10.86 (s, 1H), 7.43 (d, J = 8 Hz, 2H), 7.25 (t, J = 8 Hz, 1H), 6.74 (t, J = 5 Hz, 1H), 3.02-2.98 (m, 2H), 2.51-2.46 (m, DMSOと重複, 2H)。
【0196】
5c) 3-(2,6-ジクロロフェニル)-N-ヒドロキシプロパンイミドイルクロリド
【化50】

【0197】
3-(2,6-ジクロロフェニル)プロパナールオキシム(1.05g、4.82mmol)のジメチルホルムアミド(3.8mL)中の溶液を攪拌しながらN-クロロスクシンイミド(0.64g、4.82mmol)を加えた。得られる溶液を1時間攪拌した。その溶液を水中に注ぎそしてエーテルを用いて抽出した。有機層をブラインを用いて洗浄し、硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、濾過しそして濃縮して表題化合物(1.05g、86%)を得た。1H NMR (DMSO-d6): δ 11.67 (s, 1H), 7.45 (d, J=8 Hz, 2H), 7.28 (t, J=8 Hz, 1H), 3.17-3.13 (m, 2H), 2.68-2.64 (m, 2H)。
【0198】
5d) メチル=3-[2-(2,6-ジクロロフェニル)エチル]-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾールカルボキシラート
【化51】

【0199】
メチルイソブチリルアセタート(0.662g、5.8mmol)のテトラヒドロフラン(1.16mL)中の溶液を0℃にて攪拌しながら、0.5Nナトリウムメトキシドのメタノール中の溶液(11.6mL、5.8mmol)を加えた。3-(2,6-ジクロロフェニル)-N-ヒドロキシプロパンイミドイルクロリド(1.04 g、4.82 mmol)のテトラヒドロフラン (3.8 mL)中の溶液を加え、その溶液を室温に温まるに任せて一晩攪拌した。その混合物を濃縮しそして残留物を水とともに摺りつぶし、濾過して白色の固体を得て、それを45℃オーブン内でP2O5を用いて減圧で乾燥し、表題化合物(0.926g、56%)を得た。1H NMR (DMSO-d6): δ 7.43 (d, J=8 Hz, 2H), 7.25 (t, J=8 Hz, 1H), 3.73 (s, 3H), 3.67 (7重項, J=7 Hz, 1H), 3.24-3.20 (m, 2H), 3.07-3.03 (m, 2H), 1.23 (d, J=7Hz, 6H)。
【0200】
5e) [3-[2-(2,6-ジクロロフェニル)エチル]-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メタノール
【化52】

【0201】
メチル=3-[2-(2,6-ジクロロフェニル)エチル]-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾールカルボキシラート(0.900g、2.63mmol)のTHF(7.3mL)中の溶液を0℃にて攪拌しながら、水素化ジイソブチルアルミニウムのトルエン(3.7mL、5.6mmol)中の1.5M溶液を加えた。その溶液を室温に温まるに任せて一晩攪拌した。さらにトルエン(1.8mL、2.7mmol)中の水素化ジイソブチルアルミニウムを加え、その溶液をさらに3時間攪拌し続けた。メタノールを加え、続いてロッシェル塩の飽和水溶液を加えた。その溶液を2時間攪拌し次いで酢酸エチルとブラインの間で分配した。有機層を硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、濃縮しそしてクロマトグラフィ(シリカゲル、ヘキサン中の0〜60%酢酸エチル)により精製して表題化合物(0.80g、0.25EtOAcとして51.6%)を得た。1H NMR (DMSO-d6): δ 7.45 (d, J = 8 Hz, 2H), 7.28 (t, J = 8 Hz, 1H), 4.89 (t, J = 5 Hz, 1H), 4.26 (d, J = 5 Hz, 2H), 3.31-3.18 (m, 3H), 2.83-2.79 (m, 2H), 1.21 (d, J = 7 Hz, 6H)。
【0202】
5f) エチル=6-[4-({[3-[2-(2,6-ジクロロフェニル)エチル]-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボキシラート
【化53】

【0203】
[3-[2-(2,6-ジクロロフェニル)エチル]-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メタノール(0.110g、0.35mmol)(複数バッチから)、エチル=6-(4-ヒドロキシフェニル)-1-ナフタレンカルボキシラート(0.102g、0.35mmol)、トリフェニルホスフィン(0.092g、0.35mmol)およびジイソプロピルアゾジカルボキシラート(0.063mL、0.35mmol)のトルエン(3.5mL)中の溶液をマイクロ波反応チューブに入れて80℃に1000秒間加熱した。その溶液を濃縮してクロマトグラフィ(シリカゲル、ヘキサン〜1:4酢酸エチル:ヘキサン)により精製して表題化合物(0.115g、0.7EtOAcとして51.6%)を得た。1H NMR (DMSO-d6): δ 8.79 (d, J = 9 Hz, 1H), 8.28 (s, 1H), 8.22 (d, J = 8 Hz, 1H), 8.09 (d, J = 7 Hz, 1H), 7.98 (dd, J = 2, 9 Hz, 1H), 7.80 (d, J = 9 Hz, 2H), 7.60 (m, 1H), 7.42 (d, J = 8 Hz, 2H), 7.25 (t, J = 8 Hz, 1H), 7.14 (d, J = 8 Hz, 2H), 4.98 (s, 2H), 4.40 (q, J = 7 Hz, 2H), 3.35 (7重項, J = 7 Hz, H2Oと重複, 1H), 3.24-3.20 (m, 2H), 2.89-2.85 (m, 2H), 1.37 (t, J = 7 Hz, 3H), 1.25 (d, J = 7 Hz, 6H)。ESI-LCMS m/z 588 (M+H)+
【0204】
5g) 6-[4-({[3-[2-(2,6-ジクロロフェニル)エチル]-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボン酸
【化54】

【0205】
エチル=6-[4-({[3-[2-(2,6-ジクロロフェニル)エチル]-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボキシラート(0.110g、0.187mmol)のテトラヒドロフラン(2mL)中の溶液をマイクロ波反応チューブに入れた。エタノール(1mL)を加え、続いて1N水酸化ナトリウム(0.36mL、0.36mmol)を加えた。そのチューブをシールしそしてマイクロ波反応器で100℃にて500秒間加熱した。さらに水酸化ナトリウム溶液(0.2mL、0.2mmol)を加えそしてその溶液をマイクロ波反応器で100℃にてさらに500秒間加熱した。その溶液を中和して濃縮した。残留物を水と酢酸エチルの間で分配した。有機層を濃縮して表題化合物を白色の固体として得た(0.088g、83.8%)。1H NMR (DMSO-d6): δ 13.14 (s, 1H), 8.91 (d, J = 9 Hz, 1H), 8.27 (d, J = 1 Hz, 1H), 8.20 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.96 (dd, J = 2, 9 Hz, 2H), 7.80 (d, J = 9 Hz, 2H), 7.58 (m, 1H), 7.43 (d, J = 8 Hz, 2H), 7.26 ( m, 1H), 7.15 (d, J = 9 Hz, 2H), 4.98 (s, 2H), 3.35 (7重項, J = 7 Hz, H2Oと重複, 1H), 3.25-3.20 ( m, 2H), 2.89 - 2.85 (m, 2H), 1.25 ( d, J = 7 Hz, 6H)。HRMS C32H27NO4Cl2 m/z 560.1395(M+H)+(計算値); 560.1409(M+H)+(測定値)。
【0206】
実施例6: 6-(4-{[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-イソプロピルイソオキサゾール-4-イル]メトキシ}フェニル)-2-ナフトエ酸
【化55】

【0207】
6a) メチル=6-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ナフトアート
【化56】

【0208】
メチル=6-ブロモ-2-ナフトアート(150mg、0.57mmol)、4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェノール(150mg、0.68mmol)、および2.0M Na2CO3(1.10mL、水溶液)のジメトキシエタン(5mL)中の溶液に、[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(14mg、0.02mmol)を加え、その混合物を70℃にて20分間攪拌した。その混合物を25mLのEtOAcを用いて希釈し次いでセライトのプラグおよびシリカゲルを通して濾過した。濾液をH2O、次いでブラインを用いて洗浄し、Na2SO4を通して乾燥し次いで濃縮しそしてシリカゲルクロマトグラフィ(40gのシリカゲル;ヘキサン中の0〜50%EtOAcを用いて45分にわたって溶出する)により精製してメチル=6-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ナフトアートをベージュ色の固体として得た(55mg、35%)。1H NMR (DMSO-d6): δ 9.67 (s, 1H), 8.60 (s, 1 H), 8.17 - 8.13 (m, 2 H), 8.02 (d, J = 9 Hz, 1 H), 7.95 (d, J = 9 Hz, 1 H), 7.87 (d, J = 9 Hz, 1H), 7.67 (d, J = 8 Hz, 2H), 6.89 (d, J = 8 Hz, 2H), 3.89 (s, 3H)。ESI-LCMS m/z 279 (M+H)+
【0209】
6b) 6-(4-{[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-イソプロピルイソオキサゾール-4-イル]メトキシ}フェニル)-2-ナフトエ酸
【化57】

【0210】
メチル=6-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ナフトアート(55mg、0.20mmol)のDMF(1.0mL)中の溶液に、K2CO3(68mg、0.49mmol)および4-(クロロメチル)-3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-イソプロピルイソオキサゾール(91mg、0.30mmol)を加え、そしてその混合物を周囲温度にて12時間攪拌した。さらにDMF(0.5mL)中の4-(クロロメチル)-3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-イソプロピルイソオキサゾール(50mg、0.16mmol)およびK2CO3(68mg、0.49mmol)を加えそしてその混合物を70℃にて3時間攪拌した。その溶液を50mL EtOAcを用いて希釈し次いで25mLづつのH2Oを用いて3回、続いて25mLのブラインにより洗浄し、次いでNa2SO4を通して乾燥し、濾過し、濃縮し、そしてシリカゲルクロマトグラフィ(12gのシリカゲル;ヘキサン中の0〜40%EtOAcを用いて45分間にわたって溶出)により精製した。生成物の画分をプールして濃縮した。この残留物にEtOH(2.5mL)、THF(1.0mL)、H2O(0.5mL)およびNaOH(35mg、0.84mmol)を加え、そしてその溶液を60℃にて12時間攪拌した。溶液をほぼ1/3の体積に濃縮して次いで1.0N HCl(6mL、水溶液)に滴状で加えた。得られる固体を吸引濾過により採集し、H2Oを用いて洗浄し、そして乾燥して表題化合物を灰白色の固体(42mg、94%)として得た。1H NMR (DMSO-d6): δ 13.0 (広域 s, 1H), 8.57 (s, 1H), 8.18 (s, 1H), 8.12 (d, J = 9 Hz, 1H), 8.01 (d, J = 9 Hz, 1H), 7.95 (d, J = 9 Hz, 1H), 7.85 (d, J = 9 Hz, 1H), 7.69 (d, J = 8 Hz, 2H), 7.62 (d, J = 8 Hz, 2H), 7.59 - 7.51 (m, 1H), 6.91 (d, J = 8 Hz, 2H), 4.87 (s, 2 H), 3.45 (7重項, J = 7 Hz, 1H), 1.33 (d, J = 7 Hz, 6H)。ESI-LCMS m/z 532 (M+H)+
【0211】
実施例7: 6-[4-({[3-[2-(2,6-ジクロロフェニル)エチル]-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-2-ナフタレンカルボン酸
【化58】

【0212】
7a) メチル=6-[4-({[3-[2-(2,6-ジクロロフェニル)エチル]-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-2-ナフタレンカルボキシラート
【化59】

【0213】
[3-[2-(2,6-ジクロロフェニル)エチル]-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メタノール(0.085g、0.27mmol)、メチル=6-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ナフタレンカルボキシラート(0.075g、0.27mmol)、トリフェニルホスフィン(0.071g、0.27mmol)およびジイソプロピルアゾジカルボキシラート(0.049mL、0.27mmol)のトルエン(2.7mL)中の溶液をマイクロ波反応チューブ内に入れて80℃にて1000秒間加熱した。その溶液を濃縮しそして残留物を酢酸エチルおよびメタノールの溶液に溶解し、濾過しそして濃縮した。濾液をクロマトグラフィ(シリカゲル、ヘキサン〜3:7酢酸エチル:ヘキサン)により精製して表題化合物(0.038g、24.5%)を得た。1H NMR (DMSO-d6): δ 8.62 (s, 1H), 8.25 (s, 1H), 8.18 (d, J = 9 Hz, 1H), 8.06 (d, J = 9 Hz, 1H), 7.97 (dd, J = 1, 9 Hz, 1H), 7.92 (dd, J = 2, 9 Hz, 1H), 7.81 (d, J = 9 Hz, 2H), 7.42 (d, J = 8 Hz, 2H), 7.25 (t, J = 8 Hz, 1H), 7.14 (d, J = 9 Hz, 2H), 4.99 (s, 2H), 3.90 (s, 3H), 3.35 (7重項, J = 7 Hz, overlapping H2O 1H), 3.24-3.20 (m, 2H), 2.89-2.85 (m, 2H), 1.25 (d, J = 7 Hz, 6H)。ESI-LCMS m/z 574 (M+H)+
【0214】
7b) 6-[4-({[3-[2-(2,6-ジクロロフェニル)エチル]-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-2-ナフタレンカルボン酸
【化60】

【0215】
メチル=6-[4-({[3-[2-(2,6-ジクロロフェニル)エチル]-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-2-ナフタレンカルボキシラート(0.035g、0.061mmol)のテトラヒドロフラン(0.6mL)中の溶液をマイクロ波反応チューブに入れた。メタノール(0.3mL)、続いて1N 水酸化ナトリウム(0.092mL、0.092mmol)を加えた。チューブをシールしそしてマイクロ波反応器で100℃に600秒間加熱した。溶液を中和しそして濃縮した。水を加えそして混合物を濾過した。得られる固体を真空オーブンで45℃にてP2O5を用いて乾燥し、表題化合物(0.027g、77.1%)を得た。1H NMR (DMSO-d6): δ 13.03 (s, 1H), 8.58 (s, 1H), 8.24 (s, 1H), 8.15 (d, J = 9 Hz, 1H), 8.03 (d, J = 9 Hz, 1H), 7.96 (dd, J = 2, 9 Hz, 1H), 7.90 (dd, J = 2, 9 Hz, 1H), 7.81 (d, J = 9, 2H), 7.42 (d, J = 8 Hz, 2H), 7.25 ( m, 1H), 7.14 (d, J = 9 Hz, 2H), 4.98 (s, 2H), 3.35 (7重項, J = 7 Hz, overlapping H2O, 1H), 3.24-3.20 ( m, 2H), 2.89 - 2.85 (m, 2H), 1.25 ( d, J = 7 Hz, 6H)。HRMS C32H27NO4Cl2 m/z 560.1395 (M+H)+(計算値); 560.1409 (M+H)+(測定値)。
【0216】
実施例8: 7-[4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-2-ナフタレンカルボン酸
【化61】

【0217】
8a) メチル=7-{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}-2-ナフタレンカルボキシラート
【化62】

【0218】
メチル=7-ヒドロキシ-2-ナフタレンカルボキシラート(0.53g、2.62mmol)の塩化メチレン(6.6mL)中の溶液を氷/アセトン浴内で攪拌しながら、ピリジン(1.25mL)、次いで無水トリフルオロメタンスルホン酸(0.53mL、3.12mmol)を加えた。その溶液を1.5時間攪拌し続けた後、水とエーテルの間で分配した。有機層を、1.0N HCl、次いでブラインを用いて洗浄した後、硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、濾過しそして濃縮した。残留物をシリカゲル上のクロマトグラフィ(ヘキサン〜3:17酢酸エチル:ヘキサン)により精製して表題化合物(0.40g、46%)を得た。1H NMR (DMSO-d6): δ 8.79 (s, 1H), 8.41 (d, J = 2 Hz, 1H), 8.23 (d, J = 7 Hz, 1H), 8.16 (d, J = 9 Hz, 1H), 8.09-8.06 (m,1H), 7.78-7.75 (m, 1H), 3.91 (s, 3H)。
【0219】
8b) メチル=7-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ナフタレンカルボキシラート
【化63】

【0220】
メチル=7-{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}-2-ナフタレンカルボキシラート(100mg、0.3mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(14mg、0.012mmol)および4-(4,4,5,5-テトラメチル1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル-)フェノール(79mg、0.36mmol)のジメトキシエタン(1.6mL)および2M Na2CO3(1.3mL)水溶液混合物中の溶液を、70℃油浴にて1時間加熱した。その溶液を酢酸エチルと水の間で分配した。有機層を硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、濾過し、そして濃縮した。粗材料をシリカゲルのクロマトグラフィ(ヘキサン〜3:7酢酸エチル:ヘキサン)により精製して表題化合物(0.085g、0.20酢酸エチルとして95.5%)を得た。1H NMR (DMSO-d6): δ 9.64 (s, 1H), 8.65 (s, 1H), 8.31(s, 1H), 8.03-7.99 (m, 2H), 7.93-7.90 (m, 2H), 7.66 (d, J = 9 Hz, 2H), 6.88 (d, J = 9 Hz, 2H), 3.90 (s, 3H)。
【0221】
8c) メチル=7-[4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-2-ナフタレンカルボキシラート
【化64】

【0222】
4-(クロロメチル)-3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)イソオキサゾール(0.12g、0.36mmol)、メチル=7-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ナフタレンカルボキシラート(0.084g、0.30mmol)、および炭酸セシウム(137mg、0.42mmol)のジメチルホルムアミド(0.73mL)中の溶液を65℃にて3時間加熱した。その溶液を酢酸エチルと水の間で分配した。有機相を硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、濾過しそして濃縮した。濾液をクロマトグラフィ(シリカゲル、ヘキサン〜3:7酢酸エチル:ヘキサン)により精製して表題化合物(0.130g、1.0酢酸エチルとして68.4%)を得た。1H NMR (DMSO-d6): δ 8.66 (s, 1H), 8.34 (s, 1H), 8.04-8.00 (m, 2H), 7.94-7.90 (m, 2H), 7.69 (d, J = 9 Hz, 2H), 7.62 (d, J = 8 Hz, 2H), 7.55-7.51 (m, 1H), 6.91 (d, J = 9 Hz, 2H), 4.87 (s, 2H), 3.90 (s, 3H), 3.46 (7重項, J = 7 Hz, 1H), 1.33 (d, J = 7 Hz, 6H)。ESI-LCMS m/z 546 (M+H)+
【0223】
8d) 7-[4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-2-ナフタレンカルボン酸
【化65】

【0224】
メチル=7-[4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-2-ナフタレンカルボキシラート(0.126g、0.2mmol)のテトラヒドロフラン(2.0mL)中の溶液をマイクロ波反応チューブに入れた。メタノール(1.0mL)、続いて、1N水酸化ナトリウム(0.3mL、0.3mmol)を加えた。チューブをシールしそしてマイクロ波反応器で100 ℃に600秒間加熱した。溶液を中和し、濃縮した。水を加え、混合物を濾過した。得られる固体を真空オーブンで45℃にてP2O5を用いて乾燥して表題化合物(0.082g、0.30テトラヒドロフランとして73.9%)を得た。1H NMR (DMSO-d6): δ 13.3-12.6 (広域 s, ほぼ 1H), 8.61 (s, 1H), 8.29 (s, 1H), 8.02-7.87 (m, 4H), 7.68 (d, J = 9 Hz, 2H), 7.62 (d, J = 8 Hz, 2H), 7.54 (dd, J = 7, 9 Hz, 1H), 6.91 (d, J = 9 Hz, 2H), 4.86 (s, 2H), 3.44 (7重項, J = 7 Hz, H2Oと重複, 1H), 1.33 ( d, J = 7 Hz, 6H)。HRMS C30H23NO4Cl2 m/z 532.1082, (M+H)+(計算値); 532.1087(M+H)+(測定値)。
【0225】
実施例9: 7-[4-({[3-[2-(2,6-ジクロロフェニル)エチル]-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-2-ナフタレンカルボン酸
【化66】

【0226】
9a) メチル=7-[4-({[3-[2-(2,6-ジクロロフェニル)エチル]-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-2-ナフタレンカルボキシラート
【化67】

【0227】
[3-[2-(2,6-ジクロロフェニル)エチル]-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メタノール(0.050g、0.16mmol)、メチル=7-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ナフタレンカルボキシラート(0.045g、0.16mmol)、トリフェニルホスフィン(0.042g、0.16mmol)およびジイソプロピルアゾジカルボキシラート(0.043mL、0.16mmol)のジクロロメタン(1.6mL)中の溶液をマイクロ波反応チューブに入れそして80℃に20分間加熱した。その溶液を濃縮しそして残留物をクロマトグラフィ(シリカゲル、ヘキサン〜3:7酢酸エチル:ヘキサン)により精製して表題化合物(0.059g、64%)を得た。1H NMR (DMSO-d6): δ 8.68 (s, 1H), 8.40 (s, 1H), 8.07-7.93 (m, 4H), 7.80 (d, J = 7 Hz, 2H), 7.42 (d, J = 8 Hz, 2H), 7.28-7.24 (m, 1H), 7.14 (d, J = 7 Hz, 2H), 4.99 (s, 2H), 3.91 (s, 3H), 3.32-3.20 (2m, H2Oと重複、全3H), 2.89-2.85 (m, 2H), 1.25 (d, J = 7 Hz, 6H)。ESI-LCMS m/z 574 (M+H)+
【0228】
9b) 7-[4-({[3-[2-(2,6-ジクロロフェニル)エチル]-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-2-ナフタレンカルボン酸
【化68】

【0229】
メチル=7-[4-({[3-[2-(2,6-ジクロロフェニル)エチル]-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-2-ナフタレンカルボキシラート(0.057g、0.1mmol)のテトラヒドロフラン(1.0mL)中の溶液をマイクロ波反応チューブに入れた。メタノール(0.5mL)、続いて1N水酸化ナトリウム(0.15mL、0.15mmol)を加えた。チューブをシールしそしてマイクロ波反応器で100℃に600秒間加熱した。溶液を中和しそして濃縮した。水を加えそして混合物を濾過した。得られる固体を真空オーブンで45℃にてP2O5を用いて乾燥して表題化合物(0.048g、0.20テトラヒドロフランとして76%)を得た。1H NMR (DMSO-d6) δ 13.4-12.8 (広域 s, ほぼ 1H), 8.59 (s, 1H), 8.31 (s, 1H), 8.01 (d, J = 9 Hz, 1H) 7.94-7.90 (m, 3H), 7.79 (d, J = 8 Hz, 2H), 7.43 (d, J = 8 Hz, 2H), 7.28-7.24 (m, 1H), 7.14 (d, J = 8 Hz, 2H), 4.98 (s, 2H), 3.39-3.21 (2m, H2Oと重複、全3H), 2.89-2.85 (m, 2H), 1.25 (d, J = 7 Hz, 6H)。HRMS C32H27NO4Cl2 m/z 560.1395(M+H)+(計算値); 560.1409(M+H)+(測定値)。
【0230】
実施例10: 7-[4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボン酸
【化69】

【0231】
10a) メチル=7-{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}-1-ナフタレンカルボキシラート
【化70】

【0232】
メチル=7-ヒドロキシ-1-ナフタレンカルボキシラート(1.68g、8.34mmol)の塩化メチレン(21mL)中の溶液を氷/アセトン浴内で攪拌しながら、ピリジン(4.1mL)、次いで無水トリフルオロメタンスルホン酸(1.7mL、10mmol)を加えた。その溶液を1.5時間攪拌した後、水とエーテルの間で分配した。有機層を、1.0N HCl、次いでブラインを用いて洗浄した後、硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、濾過しそして濃縮した。残留物をシリカゲル上のクロマトグラフィ(ヘキサン〜1:9酢酸エチル:ヘキサン)により精製して表題化合物 (2.60 g、93.2%)を得た。1H NMR (DMSO-d6): δ 8.92 (d, J = 2 Hz, 1H), 8.35-8.32 (m, 2H), 8.28 (d, J = 9 Hz, 1H), 7.76-7.72 (m, 2H), 3.93 (s, 3H)。
【0233】
10b) メチル=7-(4-ヒドロキシフェニル)-1-ナフタレンカルボキシラート
【化71】

【0234】
メチル=7-{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}-1-ナフタレンカルボキシラート(1.00g、3.0mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(142mg、0.12mmol)および4-(4,4,5,5-テトラメチル1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル-)フェノール(799mg、3.6mmol)の、1,2-ジメトキシエタン(16mL)と2M Na2CO3(13mL)水溶液の混合物中の溶液を70℃油浴にて90分間加熱した。その溶液を酢酸エチルと水の間で分配した。有機相を硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、濾過し、および濃縮した。粗材料をシリカゲル上のクロマトグラフィ(ヘキサン〜3:7酢酸エチル:ヘキサン)により精製して表題化合物(0.648g、77.7%)を得た。1H NMR (DMSO-d6): δ 9.65 (s, 1H), 8.94 (s, 1H), 8.18-8.13 (m, 2H), 8.05 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.85 (dd, J = 2, 9 Hz; 1H), 7.60 (d, J = 9 Hz, 2H), 7.56-7.53 (m, 1H), 6.90 (d, J = 9 Hz, 2H), 3.93 (s, 3H)。
【0235】
10c) メチル=7-[4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボキシラート
【化72】

【0236】
4-(クロロメチル)-3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)イソオキサゾール(0.11g、0.36mmol)、メチル=7-(4-ヒドロキシフェニル)-1-ナフタレンカルボキシラート(0.083g、0.30mmol)、および炭酸セシウム(137mg、0.42mmol)のジメチルホルムアミド(0.73mL)中の溶液を65℃に3時間加熱した。その溶液を酢酸エチルと水の間で分配した。有機相を硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、濾過し、そして濃縮した。濾液をクロマトグラフィ(シリカゲル、ヘキサン〜1:4酢酸エチル:ヘキサン)により精製して表題化合物(0.123g、75%)を得た。1H NMR (DMSO-d6): δ 8.93 (s, 1H), 8.19-8.14 (m, 2H), 8.07 (d, J = 9 Hz, 1H), 7.84 (dd, J = 2, 9 Hz; 1H), 7.63 (d, J = 8 Hz, 4H), 7.59-7.52 (m, 2H), 6.93 (d, J = 9 Hz, 2H), 4.87 (s, 2H), 3.93 (s, 3H), 3.46 (7重項, J = 7 Hz, 1H), 1.33 (d, J = 7 Hz, 6H)。ESI LCMS m/z 546 (M+H)+
【0237】
10d) 7-[4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボン酸
【化73】

【0238】
メチル=7-[4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボキシラート(0.122g、0.22mmol)のTHF(2.2mL)中の溶液をマイクロ波反応チューブに入れた。メタノール(1.1mL)、次いで1N水酸化ナトリウム(0.33mL、0.33mmol)を加えた。チューブをシールしそしてマイクロ波反応器で100℃に600秒間加熱した。溶液を中和しそして濃縮した。水を加えそして混合物を濾過した。得られる固体を真空オーブンで45℃にてP2O5を用いて乾燥し、表題化合物(0.095g、0.4テトラヒドロフランとして77%)を得た。1H NMR (DMSO-d6): δ 13.3-13.1 (広域 s, ほぼ 1H), 9.05 (s, 1H), 8.14-8.12 (m, 2H), 8.04 (d, J = 9 Hz, 1H), 7.82-7.79 (m, 1H), 7.63-7.52 (m, 6H), 6.92 (d, J = 9 Hz, 2H), 4.87 (s, 2H), 3.46 (7重項, J = 7 Hz, 1H), 1.33 ( d, J = 7 Hz, 6H)。HRMS C30H23NO4Cl2 m/z 532.1082 (M+H)+(計算値); 532.1074(M+H)+(測定値)。
【0239】
実施例11: 7-[4-({[3-[2-(2,6-ジクロロフェニル)エチル]-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボン酸
【化74】

【0240】
11a) メチル=7-[4-({[3-[2-(2,6-ジクロロフェニル)エチル]-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボキシラート
【化75】

【0241】
[3-[2-(2,6-ジクロロフェニル)エチル]-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メタノール(0.050g、0.16mmol)、メチル=7-(4-ヒドロキシフェニル)-1-ナフタレンカルボキシラート(0.045g、0.16mmol)、トリフェニルホスフィン(0.042g、0.16mmol)およびジイソプロピルアゾジカルボキシラート(0.043mL、0.16mmol)のジクロロメタン(1.6mL)中の溶液をマイクロ波反応チューブに入れて80℃に20分間加熱した。溶液を濃縮しそして残留物をクロマトグラフィ(シリカゲル、ヘキサン〜3:7酢酸エチル:ヘキサン)により精製して表題化合物(0.053g、58%)を得た。1H NMR (DMSO-d6): δ 8.99 (s, 1H), 8.20 (d, J = 8 Hz, 1H), 8.16 (d, J = 7 Hz, 1H), 8.09 (d, J = 9 Hz, 1H), 7.90 (d, J = 9 Hz, 1H), 7.74 (d, J = 8 Hz, 2H), 7.59-7.56 (m, 1H), 7.41 (d, J = 8 Hz, 2H), 7.26-7.24 (m,1H), 7.16 (d, J = 8 Hz, 2H), 4.99 (s, 2H), 3.94 (s, 3H), 3.39-3.20 (2m, H2Oと重複、全3H), 2.89-2.85 (m, 2H), 1.25 (d, J = 7 Hz, 6H)。ESI-LCMS m/z 574 (M+H)+
【0242】
11b) 7-[4-({[3-[2-(2,6-ジクロロフェニル)エチル]-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボン酸
【化76】

【0243】
メチル=7-[4-({[3-[2-(2,6-ジクロロフェニル)エチル]-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボキシラート(0.052g、0.09mmol)のテトラヒドロフラン(0.9mL)中の溶液をマイクロ波反応チューブに入れた。メタノール(0.45mL)、続いて1N水酸化ナトリウム(0.14mL、0.14mmol)を加えた。チューブをシールしそしてマイクロ波反応器で100℃に600秒間加熱した。その溶液を中和して濃縮した。水を加えそして混合物を濾過した。得られる固体を真空オーブンで45℃にてP2O5を用いて乾燥して表題化合物(0.039g、0.40テトラヒドロフランとして74%)を得た。1H NMR (DMSO-d6): δ 13.13 (s, 1H), 9.10 (s, 1H), 8.17-8.15 (m, 1H), 8.07 (d, J = 9Hz, 1H) 7.87 (dd, J = 2, 9 Hz; 1H), 7.71 (d, J = 9 Hz, 2H), 7.57-7.54 (m, 1H), 7.41 (d, J = 8 Hz, 2H), 7.28-7.24 (m, J = 8 Hz, 2H), 7.16 (dd, J = 9, 2 Hz, 2H), 4.98 (s, 2H), 3.36 (7重項, H2Oと重複, 1H), 3.23-3.20 (m, 2H), 2.89-2.85 (m, 2H), 1.25 (d, J=7 Hz, 6H)。HRMS C32H27NO4Cl2 m/z 560.1395(M+H)+(計算値); 560.1375(M+H)+(測定値)。
【0244】
実施例12: 5-{6-[4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレニル}-1H-テトラゾール
【化77】

【0245】
12a) 6-[4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボキサミド
【化78】

【0246】
6-[4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボン酸(97mg、0.180mmol)、ジ-tert-ブチルジカルボナート(60mg、0.273mmol)、およびピリジン(0.021mL、0.273mmol)を一緒に無水のアセトニトリル(5mL)中に入れた。その混合物を周囲温度で半時間攪拌した。次いで炭酸水素アンモニウム(25mg、0.273mmol)をその混合物に加えそして反応物を周囲温度にて48時間攪拌した。溶媒を次いで回転蒸発器で除去しそして粗残留物を酢酸エチルに溶解した。次いでその有機溶液を水で3回、続いて飽和炭酸水素ナトリウムにより、次いでブラインにより洗浄した。その粗有機抽出物を次いで硫酸マグネシウムを通して乾燥し、濾過し、次いで蒸発乾固した。残留物をヘキサンを用いて数回洗浄して残留ジ-tert-ブチルジカルボナートを除去し、そして固体を濾過により取り出して表題化合物を白色の固体(94mg、98%)として得た。1H NMR (CDCl3): δ 8.48 (d, J = 9 Hz, 1H), 7.88-8.00 (m, 2H), 7.75 (d, J = 9 Hz, 1H), 7.68 (d, J = 9 Hz, 1H), 7.58 (d, J = 9 Hz, 2H), 7.36-7.51 (m, 3H) 7.25 (d, J=9 Hz, 1 H), 6.88 (d, J = 9 Hz, 2H), 6.42 (広域 s, 1H), 6.13 (広域 s, 1H), 4.81 (s, 2H), 3.26-3.44 (m, 1H), 1.37-1.47 (m, 6H)。ESI-LCMS m/z 531 (M+H)+.
12b) 6-[4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボニトリル
【化79】

【0247】
6-[4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボキサミド(94mg、0.18mmol)およびトリエチルアミン(0.111mL、0.80mmol)の塩化メチレン(2mL)中の溶液に、周囲温度にて窒素のもとでオキシ塩化リン(0.068mL、0.71mmol)を加えた。混合物を周囲温度にて4時間攪拌し、その際、さらに当量のオキシ塩化リン(0.027mL)を加えた。次いで炭酸水素アンモニウム(25mg、0.273mmol)を混合物に加えそして反応物を周囲温度にて48時間攪拌した。次いで溶媒を回転蒸発器で除去しそして粗残留物を酢酸エチルに溶解した。次いで有機溶液を水で3回、続いて飽和炭酸水素ナトリウム、および次いでブラインで洗った。次いで粗有機抽出物を硫酸マグネシウムを通して乾燥し、濾過し、次いで乾固して表題化合物(89mg、98%)を得た。1H NMR (CDCl3): δ 8.24 (d, J = 9 Hz, 1H), 8.13 (d, J = 9 Hz, 1H), 8.02 (d, J = 9 Hz, 1H), 7.82-7.90 (m, 2H), 7.61-7.50 (m, 3H), 7.31-7.52 (m, 3H), 6.88 (d, J = 9 Hz, 2H), 4.78 (s, 2H), 3.28-3.42 (m, 1H), 1.34-1.53 (m, 6H)。ESI-LCMS m/z 513 (M+H)+
【0248】
12c) 5-{6-[4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレニル}-1H-テトラゾール
【化80】

【0249】
6-[4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボニトリル(75mg、0.14mmol)のジメチルホルムアミド(1mL)中の溶液に、塩化アンモニウム(8.5mg、0.15mmol)およびアジ化ナトリウム(10mg、0.15mmol)を加えた。次いでその混合物を100℃に18時間加熱した。反応物を水を用いて希釈し(5mL)そして2N HCl(2mL)を用いて酸性化した。酸性化すると白色の沈降物が形成され、それを濾過して取出しそして高真空のもとで4時間乾燥した。次いで粗残留物をメタノール(5mL)に溶解しそして分取用高圧液体クロマトグラフィ(C18Lunaカラム、0.1%蟻酸修飾因子を加えたアセトニトリル10〜100%勾配の水溶液で溶出)を介して精製し、表題化合物を白色の固体(62mg、78%)として得た。1H NMR (CDCl3): δ 8.54 (d, J = 9 Hz, 1H), 7.91-8.02 (m, 2H), 7.75 (d, J = 9 Hz, 1H), 7.73 (d, J = 9 Hz, 1H), 7.54 (dd, J = 2, 8 Hz, 1H), 7.60-7.48 (m, 3H) 7.38 (d, J = 9 Hz, 2H), 7.34-7.27 (m, 1H), 6.88 (d, J = 9 Hz, 2H), 4.78 (s, 2H), 3.42-3.28 (m, 1H), 1.53-1.34 (m, 6H)。ESI-LCMS m/z 556 (M+H)+.
実施例13: 6-[4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフトエ酸トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩
【化81】

【0250】
6-[4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボン酸(11.34g、0.021mol)の95:5アセトニトリル:水(300mL)溶液中の攪拌懸濁液を、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(2.54g、0.021mol)を用いて処理した。得られる溶液を一晩、70℃にて攪拌した。その混合物を5℃に冷却しそして30分間維持した。生成物を濾過により回収し、95:5アセトニトリル:水の溶液で洗浄し、そして真空オーブン内で50℃にて緩やかな窒素気流のもとで乾燥して生成物の結晶トロメタミン塩(13.11g、94.34%)を得た。1H NMR (DMSO- d6): δ 9.02 (d, J=10 Hz, 1H), 8.10 (d, J=2 Hz, 1H), 7.94 (d, J=9 Hz, 1H), 7.88 (d, J=7 Hz, 1H), 7.76 (dd, J=2, 9 Hz, 1H), 7.70 - 7.64 (m, 4H), 7.56 (dd, J=7, 9 Hz, 1H), 7.47 (t, J=8 Hz, 1H), 6.92 (d, J=9 Hz, 2H), 4.89 (s, 2H), 3.53 (s, 6H), 3.48 (7重項, J=7 Hz, 1H), 1.35 (d, J=7 Hz, 6H)。
【0251】
生物学実施例14: FXR補因子結合アッセイ
核内受容体ファルナソイドX受容体(FXR)に対するリガンド結合を数値化するための、リガンド介在性の補因子ペプチド相互作用の測定。本方法は、精製された細菌発現性ヒトFXRリガンド結合ドメイン(LBD)とステロイド受容体活性化補助因子-1(SRC-1)残基676-700{LXXLLを含有するドメイン-2(LCD2)、676-700;ここでLはアミノ酸ロイシンでありかつXは任意の他のアミノ酸を示す}に基づく合成ビオチン化ペプチドとの間の相互作用をモジュレートする推定リガンドの能力を測定する。使用するSRC-1ペプチドは、Iannone, M.A.ら, Cytometry 44:326-337 (2001)に記載されていて、N-末端はビオチン化され(B)かつC-末端はアミド化されている。結合した複合体の検出は時間分解蛍光(TRF)により測定した。精製したFXRのLBDをビオチンを用いて標識し次いで化学量論量のアロフィコシアニン(APC)標識したストレプトアビジン(分子プローブ)と混合した。次いでビオチン化ペプチドを1/2化学量論量のユーロピウム標識したストレプトアビジン(Wallac Inc)と混合した。次いでそれぞれを5倍過剰のビオチンを用いてブロックし15分間平衡化した。等モル量の受容体とペプチドを一緒に混合しそして少なくとも30分間平衡化した後、アフィニティを定量しようとする可変または一定濃度のサンプルに加えた。平衡後、時間分解蛍光シグナルを、蛍光プレートリーダーを用いて数値化した。試験化合物のアフィニティは、蛍光-対-加えた試験化合物濃度のプロットから評価した。
【0252】
FXR:ペプチド複合体形成の基底レベルをリガンドを加えないで測定した。複合体形成を促進するリガンドは濃度に応じた時間分解蛍光シグナルの増加を誘起する。非/無複合化FXRとFXR:ペプチド複合体の両方に等しくよく結合する化合物はシグナルに変化がないと予想されるが、非/無複合化FXRに優先的に結合するリガンドは濃度に応じた測定シグナルの低下を誘起すると予想される。
【0253】
方法と材料
前調製:ヒト・ファルナソイドX受容体リガンド結合ドメイン
ヒトFXRリガンド結合ドメイン(FXR LBD)を大腸菌菌株BL21(DE3)においてアミノ末端ポリヒスチジン標識した融合タンパク質として発現させた。発現はイソプロピル-β-D-チオガラクトピラノシド(IPTG)誘導性T7プロモーターの制御下にあった。この組換えタンパク質をコードするDNAをpRSET-A発現ベクター(Invitrogen)中にサブクローニングした。ヒトFXR LBDのコード配列はGenbank受託番号U68233(アミノ酸237〜472)から誘導した。
【0254】
10リットル発酵バッチを、0.1mg/mLアンピシリンを加えたPO4リッチ培地中で25℃にて12時間増殖し、9℃に冷却しそしてその温度で36時間保持してOD600=14の光学密度とした。この細胞密度にて、0.25mM IPTGを加えそして24時間9℃にて誘導を続けて最終OD600=16とした。細胞を遠心分離(20分間、3500 x 重力、4℃)により収穫し、そして濃縮して細胞スラリーをリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)中で-8℃にて貯蔵した。
【0255】
受容体リガンド結合ドメインの精製
通常の方法で、30〜40gの細胞ペースト(2〜3リットルの発酵バッチと等価)を200〜250mLのトリス緩衝化生理食塩水(TBS)、pH7.2(25mMトリス-ヒドロキシメチルアミノメタン(トリス)、150mM NaCl)中に再懸濁化した。細胞を、フレンチプレスを3回通過させて溶解しそして細胞砕片を遠心分離(30分間、20,000 x 重力、4℃)により除去した。透明な上清を粗プレフィルターを通過させ、そしてTBS、pH7.2、500mMイミダゾールを加えて50mMの最終イミダゾール濃度とした。この溶菌液を、セファロース[Ni++をチャージした]キレート化樹脂(Pharmacia)を充填したカラム(6x8cm)に供給し、TBS pH7.2/50mMイミダゾールを用いて前平衡化した。平衡バッファーを用いて基線吸収まで洗浄した後、90mMイミダゾールを含有する1カラム体積のTBSpH7.2を用いてカラムを洗浄した。FXR LBDを365 mM イミダゾールを用いて直接溶出した。カラム画分をプールしそして0.5mM EDTAおよび5mM DTTを含有するTBS、pH 7.2に対して透析した。透析したタンパク質サンプルをCentri-prep 10K(Amicon)を用いて濃縮し、そして、TBS、pH7.2により前平衡化した、0.5mMエチレンジアミン四酢酸(EDTA)および5mMジチオトレイトール(DTT)を含有するセファロースS-75樹脂(Pharmacia)を充填したカラム(3x90cm)を用いてサイズ排除の処理をした。
【0256】
FXRのビオチン化
精製したFXR LBDを、PD-10ゲル濾過カラムを用いてPBS[100 mM Na2PO4、pH 7.2、150mM NaCI]中に脱塩し/バッファー交換した。FXR LBDの濃度はPBS中のほぼ20〜50mMでありそして5倍モル過剰のNHS-LC-ビオチン(Pierce)を最小限の体積のPBSに入れて加えた。この溶液を静かに30分間室温にて混合しながらインキュベートした。ビオチン化修飾反応を、2000 x モル過剰のトリス-HCl、pH 8を加えて停止した。修飾したFXR LBDを、それぞれ少なくとも50体積で5mMDTT、2mMEDTAおよび2%スクロースを含有するPBSの4回のバッファー交換に対して透析した。次いでビオチン化FXR LBDを質量分析にかけるとビオチン化試薬による修飾の程度が示された。一般的に、ほぼ95%のタンパク質が少なくとも1つのビオチン化部位を有し、かつビオチン化の全範囲は1〜9個の複数部位の正規分布に従った。
【0257】
ストレプトアビジン-(ユーロピウムキレート)-SRC1:ストレプトアビジン-(APC)-FXR複合体の調製
ビオチン化SRC-1(LCD2、676-700)ペプチドと1/2化学量論量のストレプトアビジン-コンジュゲートユーロピウムキレートを、10mM DTTを含有するアッセイバッファー中で少なくとも30分間インキュベートした。化学量論量のビオチン化FXRとストレプトアビジン-コンジュゲートAPCの第2溶液を、10mM DTTを含有するアッセイバッファー中で少なくとも30分間インキュベートした。それぞれの溶液を次に5倍モル過剰のビオチンを用いてブロックし、少なくとも30分間平衡化した。標識した受容体と補因子を混合しそして再び少なくとも30分間平衡化し、例えばTitertek Multidrop 384を用いて、化合物プレートに加えた。
【0258】
材料:
アッセイバッファー:50mM 3-(N-モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)pH7.5、50mM NaF、50mM 3-[(3-コールアミドプロピル)-ジメチルアンモニオ]-1-プロパンスルホナート(CHAPS)、0.1mg/ml画分5 無脂肪酸ウシ血清アルブミン(BSA)。†で示したプロトコルによるサンプルランについては、アッセイバッファーは1mMエチレンジアミン四酢酸(EDTA)も含有した。アッセイでの使用直前に、固体DTTをアッセイバッファーに加えて10mMの最終濃度とした。
【0259】
BSA、無脂肪酸
DTT
NaF
ユーロピウム標識したストレプトアビジン:(Wallac CR28-1 00)
384ウエルプレート
方法:
実験の詳細:
試験化合物および対照を順にDMSOに希釈し、0.1mLまたは0.5mLを所望の濃度で384ウエルプレートに加えた。
【0260】
試験する各ウエルに、予め調製したFXR-APCおよびユーロピウム標識SRC1の溶液を、0.1mLの試験化合物と対照に加えて10mLの最終アッセイ体積(†で示した)とするかまたは0.5mLの試験化合物と対照に加えて25mLの最終アッセイ体積(◇で示した)とした。
【0261】
プレートを少なくとも1時間、室温にてインキュベートし、そして蛍光シグナルを蛍光リーダーにおいて時間分解モードで、例えば、Wallac ViewluxイメージャまたはWallac Victor Multilabelカウンタを用いて測定した。
【0262】
データ解析
試験化合物の各濃度に対して、それぞれの試験ウエルの結果を式1により計算した対照に対する%、Cとして表現された。
【0263】
C = 100 *(Fsample - Fbasal)/(Fstd - Fbasal) (1)
ここで、Fsampleは特定のサンプルウエルで測定したシグナルであり、Fstdは対照インヒビターの存在のもとで測定したシグナルでありそしてFbasalはリガンドの非存在のもとで測定したカウント・レートである。FstdとFbasalに対して用いた値は全プレートで含まれた対応する対照ウエルの平均である。結果を次の表1に報じた。表1において、+は5〜5.99のpEC50を示し; ++はpEC506〜6.99を示し;そして+++はpEC50が7より大きいこと示す。
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、aは1、2、3、4または5であり;
それぞれのR1は同じであるかまたは異なり、そして独立してハロ、アルキル、アルケニル、-O-CF3、-OR6、-S(O)fR6、-NR6R7、-R5OR6、-R5S(O)fR6、-R5NR6R7およびシアノからなる群より選択され;
bは0、1、2または3であり;
R2はアルキル、アルケニル、C3-6シクロアルキル、C3-6シクロアルケニル、-R5OR6、-R5NR6R7、およびシアノからなる群より選択され;
Yは-O-、-S-または-N(R8)-であり;
R3は酸、アミド、エステルまたは酸等価基であり;
R4はH、ハロ、アルキルまたはハロアルキルであり;
それぞれのR5は同じであるかまたは異なり、そして独立してアルキレンおよびアルケニレンからなる群より選択され;
それぞれのR6とR7は同じであるかまたは異なり、そして独立してH、アルキル、アルケニル、C3-6シクロアルキルおよびC3-6シクロアルケニルからなる群より選択され;そして
fは0、1または2であり;
それぞれのR8は同じであるかまたは異なりかつ独立してHまたはアルキルである]
の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項2】
aが1または2である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
それぞれのR1が同じであるかまたは異なりかつ独立してハロまたは-OR6からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
それぞれのR1が同じであるかまたは異なりかつ独立してハロである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
bが0または2である、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
bが0である、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
R2がアルキルまたはC3-6シクロアルキルからなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
Yが-O-である、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
R3が酸である、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
R4がHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
6-[4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフトエ酸ナトリウム塩;
6-[4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボン酸;
6-[2-クロロ-4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボン酸;
6-[4-({[5-シクロブチル-3-(2,6-ジクロロフェニル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボン酸;
6-[4-({[3-[(2,6-ジクロロフェニル)メチル]-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボン酸;
6-[4-({[3-[2-(2,6-ジクロロフェニル)エチル]-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボン酸;
6-(4-{[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-イソプロピルイソオキサゾール-4-イル]メトキシ}フェニル)-2-ナフトエ酸;
メチル=6-[4-({[3-[2-(2,6-ジクロロフェニル)エチル]-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-2-ナフタレンカルボキシラート;
7-[4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-2-ナフタレンカルボン酸;
7-[4-({[3-[2-(2,6-ジクロロフェニル)エチル]-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-2-ナフタレンカルボン酸;
7-[4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボン酸;
7-[4-({[3-[2-(2,6-ジクロロフェニル)エチル]-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボン酸;
6-[4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボキサミド;
6-[4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボニトリル;
5-{6-[4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレニル}-1H-テトラゾール;および
6-[4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフトエ酸トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩
からなる群より選択される化合物。
【請求項12】
6-[4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボン酸またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項13】
6-[4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフトエ酸トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物を含む組成物
【請求項15】
さらに製薬上許容される担体または希釈剤を含む、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
6-[4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボン酸またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物を含む組成物。
【請求項17】
6-[4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフトエ酸トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩を含む組成物。
【請求項18】
それを必要とする被験者におけるFXRが介在する症状を治療する方法であって、前記被験者に請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物の治療上有効な量を投与するステップを含んでなる前記方法。
【請求項19】
それを必要とする被験者における胆汁うっ滞性肝臓病を治療する方法であって、前記被験者に請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物の治療上有効な量を投与するステップを含んでなる前記方法。
【請求項20】
それを必要とする被験者における器官線維症を治療する方法であって、前記被験者に請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物の治療上有効な量を投与するステップを含んでなる前記方法。
【請求項21】
それを必要とする被験者における肝線維症を治療する方法であって、前記被験者に請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物の治療上有効な量を投与するステップを含んでなる前記方法。
【請求項22】
それを必要とする被験者における糖尿病を治療する方法であって、前記被験者に請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物の治療上有効な量を投与するステップを含んでなる前記方法。
【請求項23】
それを必要とする被験者におけるメタボリックシンドロームを治療する方法であって、前記被験者に請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物の治療上有効な量を投与するステップを含んでなる前記方法。
【請求項24】
それを必要とする被験者における肥満を治療する方法であって、前記被験者に請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物の治療上有効な量を投与するステップを含んでなる前記方法。
【請求項25】
それを必要とする被験者における胆汁うっ滞性肝臓病を治療する方法であって、前記被験者に6-[4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボン酸またはその製薬上許容される塩または溶媒和物の治療上有効な量を投与するステップを含んでなる前記方法。
【請求項26】
それを必要とする被験者における胆汁うっ滞性肝臓病を治療する方法であって、前記被験者に6-[4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフトエ酸トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩の治療上有効な量を投与するステップを含んでなる前記方法。
【請求項27】
それを必要とする被験者における糖尿病を治療する方法であって、前記被験者に6-[4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフタレンカルボン酸またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物の治療上有効な量を投与するステップを含んでなる前記方法。
【請求項28】
それを必要とする被験者における糖尿病を治療する方法であって、前記被験者に6-[4-({[3-(2,6-ジクロロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-4-イソオキサゾリル]メチル}オキシ)フェニル]-1-ナフトエ酸トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩の治療上有効な量を投与するステップを含んでなる前記方法。
【請求項29】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物を調製する方法であって、
a) 式(VIII):
【化2】

の化合物を式(IX):
【化3】

の化合物と反応させて式(I-A):
【化4】

の化合物を調製するステップ;および
b) 任意に式(I-A)の化合物を異なる式(I)の化合物に変換するステップ
を含んでなる前記方法。
【請求項30】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物を調製する方法であって、
a) 式(VIII-B):
【化5】

の化合物を式(IX):
【化6】

の化合物と反応させて式(I-A):
【化7】

の化合物を調製するステップ;および
b) 任意に式(I-A)の化合物を異なる式(I)の化合物に変換するステップ
を含んでなる前記方法。
【請求項31】
治療に用いる、請求項1〜13に記載のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項32】
それを必要とする被験者におけるFXRが介在する症状の治療に用いる、請求項1〜13に記載のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項33】
それを必要とする被験者における胆汁うっ滞性肝臓病の治療に用いる、請求項1〜13に記載のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項34】
それを必要とする被験者における器官線維症の治療に用いる、請求項1〜13に記載のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項35】
それを必要とする被験者における肝線維症の治療に用いる、請求項1〜13に記載のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項36】
それを必要とする被験者における糖尿病の治療に用いる、請求項1〜13に記載のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項37】
それを必要とする被験者におけるメタボリックシンドロームの治療に用いる、請求項1〜13に記載のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項38】
それを必要とする被験者における肥満の治療に用いる、請求項1〜13に記載のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項39】
被験者におけるFXRが介在する症状の治療用医薬を調製するための、請求項1〜13に記載のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項40】
被験者における胆汁うっ滞性肝臓病の治療用医薬を調製するための、請求項1〜13に記載のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項41】
被験者における器官線維症の治療用医薬を調製するための、請求項1〜13に記載のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項42】
被験者における肝線維症の治療用医薬を調製するための、請求項1〜13に記載のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項43】
被験者における糖尿病の治療用医薬を調製するための、請求項1〜13に記載のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項44】
被験者におけるメタボリックシンドロームの治療用医薬を調製するための、請求項1〜13に記載のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項45】
被験者における肥満の治療用医薬を調製するための、請求項1〜13に記載のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項46】
FXRが介在する症状の治療に用いる、請求項1〜13に記載のいずれか1項に記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項47】
請求項1に記載の式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩。

【公表番号】特表2009−519965(P2009−519965A)
【公表日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−545947(P2008−545947)
【出願日】平成18年12月13日(2006.12.13)
【国際出願番号】PCT/US2006/061966
【国際公開番号】WO2007/076260
【国際公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(597173680)スミスクライン ビーチャム コーポレーション (157)
【Fターム(参考)】