説明

ファルネソール誘導体およびその製造方法

【課題】融点が高く室温で固形であり、同時に高い水溶性を有し、生体内でファルネソールの有用な作用を呈することができる誘導体を提供する。
【解決手段】 下記一般式(1):
【化1】


(式中、Rは窒素置換基を有するカルボン酸残基を意味する。)で表されるファルネソールカルボン酸エステル誘導体。本ファルネソールカルボン酸エステル誘導体は、アミノ基、水酸基及びチオール基等を保護基で保護した保護基結合アミノ酸とファルネソールとをエステル化反応させる、あるいは、N,N-ジアルキルアミノ酸のハロゲン化水素酸塩を用いて活性エステル化試薬の存在下にファルネソールとエステル化反応させることにより製造することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファルネソール誘導体およびその製造方法、特にその固形化と水溶性の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
ファルネソールは3つのイソプレンを持つセスキテルペンの1種類であり、バラ、レモングラス、シトロネラの精油に含まれる無色の液体であり水に全く溶けず、揮発性の化合物である。ファルネソールは香料や皮膚保護剤として使われ、医薬としては高脂血症防止効果、真菌に対する抗菌効果、酸化的障害に対する防護効果など優れた効果が期待されている。
【0003】
しかしながら、ファルネソールは液体であり水に全く溶解しない揮発性の化合物である。このため、ファルネソールの水溶性製剤または水性化粧品の調製には大量の非イオン性界面活性剤の添加による可溶化法が検討されるが、大量の界面活性剤はアナフィラキシーショック等の重篤な問題を生じる場合がある。
そこで、融点が高く室温で固形であり、同時に高い水溶性を有し、生体内でファルネソールの有用な作用を呈することができる誘導体が求められている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は前記技術の課題に鑑みなされたものであり、その目的は融点が高く室温で固形であり、同時に高い水溶性を有し、生体内でファルネソールの有用な作用を呈することができる誘導体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために本発明者等が鋭意検討を行った結果、特定のファルネソールカルボン酸エステル誘導体が、高い融点を持ち室温で固形であり、優れた水溶性を持ち、生体内でファルネソールの有用な作用を呈することができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明にかかるファルネソールカルボン酸エステル誘導体は、下記一般式(1):
【0006】
【化1】

(式中、Rは窒素置換基を有するカルボン酸残基を意味する。)
で表されることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、窒素置換基を有するカルボン酸残基が、アミノ酸、N-アシルアミノ酸、N-アルキルアミノ酸、N,N-ジアルキルアミノ酸、ピリジンカルボン酸及びそれらの生理学的に許容されるハロゲン化水素酸塩、アルキルスルホン酸塩、酸性糖塩の残基からなる群より選択されることを特徴とするファルネソールカルボン酸エステル誘導体を提供する。
【0008】
また、本発明にかかるファルネソールカルボン酸エステル誘導体の製造方法は、1級または2級アミノ基、あるいは側鎖に水酸基またはチオール基を有するアミノ酸の前記アミノ基、水酸基及びチオール基を保護基で保護し、該保護基結合アミノ酸とファルネソールとをエステル化反応させることを特徴とする。
また、本発明にかかるファルネソールカルボン酸エステル誘導体の別の製造方法は、N,N-ジアルキルアミノ酸のハロゲン化水素酸塩を用いて活性エステル化試薬の存在下にファルネソールとエステル化反応させることを特徴とする。
【0009】
なお、一般式(1)で表されるファルネソール誘導体には、ファルネシル基(−[CHCH=CH(CH)CH−H)の2位の水素と3位のメチル基のトランス体とシス体、6位の水素と7位メチル基のトランス体とシス体が存在するが、本発明はこれらの異性体(すなわち、(2E,6E)体、(2E,6Z)体、(2Z,6E)体、(2Z,6Z)体、ならびにそれらの混合体)を包含するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、高い融点を持ち室温で固形であり、優れた水溶性を持ち、生体内でファルネソールの有用な作用を呈することができるファルネソールカルボン酸エステル誘導体が提供される。本発明にかかるファルネソールカルボン酸エステル誘導体は、虚血急性期投与における予防効果だけでなく、虚血再潅流後の亜急性期・慢性期における治療的投与においても虚血あるいは虚血に伴う起炎性物質が発症や憎悪に関与している疾病に対して治療効果を発揮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
本発明は、下記一般式(1)であらわされるファルネソールカルボン酸エステル誘導体及びその製造方法に関する。
【0012】
【化2】

(式中、Rは窒素置換基を有するカルボン酸残基を意味する。)
【0013】
の窒素置換基を有するカルボン酸残基の好ましい例としては、アミノ酸、N-アシルアミノ酸、N-アルキルアミノ酸、N,N-ジアルキルアミノ酸、ピリジンカルボン酸およびそれらの生理学的に許容されるハロゲン化水素酸塩、アルキルスルホン酸塩、酸性糖塩の残基からなる群より選択されるものが挙げられる。
本発明において、「カルボン酸残基」とは、カルボン酸のカルボキシル基(COOH)からOH基が除去された残基を意味する。
【0014】
窒素置換基を有するカルボン酸残基において、アルキル置換アミノ基のアルキル基とは、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、イソプロピル基、イソブチル基、1-メチルプロピル基、tert-ブチル基、1-エチルプロピル基、イソアミル基などを例示することが可能であり、特にメチル基、エチル基が好ましい。アシル置換アミノ基のアシル基とは炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基を炭化水素鎖とするアシル基が好ましく、アルキル基部分の具体例については前述の通りである。
【0015】
また、アミノ基とカルボニル基の間は、好ましくは炭素数1〜6の直鎖、分岐または環状のアルキレン基で結合される。分岐状のアルキレン基とは、例えば、イソプロピル基、イソブチル基、1-メチルプロピル基、tert-ブチル基、1-エチルプロピル基などのアルキル基から誘導されたアルキレン基を意味する。環状アルキレン基とは、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、あるいはメチルシクロヘキサン環などを構造中に含むアルキレン基を意味する。アルキレン基として特に好ましいのはメチレン基あるいはエチレン基である。
【0016】
窒素置換基を有するカルボン酸残基中の窒素置換基は塩を形成してもよく、例えば、ハロゲン化水素酸塩としては、塩酸塩、臭化水素酸塩などが好ましい。本発明において、ハロゲン化水素酸塩は融点が原体のファルネソールよりも高く、製剤化にあたっての取扱が容易になる利点がある。また、アルキルスルホン酸塩としてはメタンスルホン酸塩などが例示される。糖酸塩としてはグルコン酸塩、グルコヘプタン酸塩、ラクトビオン酸塩などが例示される。
【0017】
次に、本発明にかかるファルネソールカルボン酸エステル誘導体の製造方法としては、以下のような方法が例示される。
下記一般式(2)で表されるファルネソールと窒素置換基を有するカルボン酸、もしくはその反応性酸誘導体、またはこれらのハロゲン化水素酸塩とを、常法によりエステル化反応を行うことにより、本発明のファルネソールカルボン酸エステル(1)を得ることができる。一般式(2)におけるファルネシル基の立体異性は、前記一般式(1)における説明の通りである。
【0018】
【化3】

【0019】
ファルネソールのエステル化反応は常法に従うが、1級又は2級アミノ基、あるいは側鎖に水酸基又はチオール基を有するアミノ酸を用いてエステル化を行う際は、tert-ブトキシカルボニル基(以下t-BOC基と略記)、ベンジルオキシカルボニル基(以下Z基と略記)などの適切な保護基でこれら1級又は2級アミノ基、水酸基、チオール基を保護して用いることが好ましい。
【0020】
また、N,N-ジアルキルアミノ酸はハロゲン化水素酸塩を用いて、ジシクロヘキシルカルボジイミド(以下DCCと略記)、N,N-ジサクシニミドオキザレート(以下DSOと略記)などの活性エステル化試薬の存在下に反応を行うことが好ましい。この際溶媒としては無水ピリジンが好ましい。
また、反応性酸誘導体を用いる方法では、酸ハロゲナイト、特に酸クロリドを用いる方法が好ましい。この際溶媒としては無水ベンゼン−無水ピリジン混合物が好ましい。
【0021】
ハロゲン化水素酸塩、アルキルスルホン酸塩、酸性糖塩は常法により遊離のアミノ酸エステルとハロゲン化水素酸、アルキルスルホン酸、酸性糖のラクトン体を反応させて製造する。また、N-アシルアミノ酸エステルを製造した後、常法によりハロゲン化水素酸で脱保護基化することによってハロゲン化水素酸塩を製造することができる。
本発明のファルネソールカルボン酸エステル(1)のハロゲン化水素酸塩は、高融点の結晶性の粉末であり、製剤技術上、取扱が容易かつ簡便であり、高い水溶性を有する。従って、静脈内投与可能な製剤、点眼剤、経口製剤、水性塗布剤、スプレー剤などに有用である。
【実施例1】
【0022】
以下、本発明の好適な実施例について説明する。なお、本発明の範囲は下記の実施例に限定されるものではない。
【0023】
製造方法A
N,N-ジアルキルアミノ酸塩酸塩3.1mmol、DCC 3.1mmol、無水ピリジン30mlを加え30分間撹拌後、ファルネソール 3.1mmolを加え、室温で16時間撹拌する。溶媒を減圧下留去し、残渣を蒸留水に懸濁させ、酢酸エチルで可溶性画分を抽出する。抽出液を無水硫酸ナトリウムで脱水後減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(溶離溶媒;n-ヘキサン:酢酸エチル)で分離精製し、N,N-ジアルキルアミノ酸ファルネソールエステルを得る。
【0024】
製造方法B
N,N-ジアルキルアミノ酸ファルネソールエステルを少量のアセトンに溶解し、2倍モル量の塩酸-ジオキサンを加え溶媒を減圧下留去し、残渣をアセトンで再結晶してN,N-ジアルキルアミノ酸ファルネソールエステルの塩酸塩を得る。
【0025】
製造方法C
アミノ酸0.1 molを蒸留水-ジオキサン(1:1, v/v)100 mlに溶解し、トリエチルアミン30 mlを加え、ジ-tert-ブチルジカルボネートを徐々に加え30分間室温で撹拌する。減圧下ジオキサンを留去し、炭酸水素ナトリウム水溶液(0.5 M)50 mlを加え酢酸エチル100 mlで洗う。酢酸エチル層を50 mlの炭酸水素ナトリウム液で洗い、水層を合わせて氷冷下でクエン酸水溶液(0.5 M)を加えて酸性(pH 3)とし、塩化ナトリウムを飽和させた後、酢酸エチルで抽出する(100 ml x 3回)。抽出液を無水硫酸ナトリウムで脱水後減圧下溶媒を留去し、油状残渣にイソプロピルエーテルを加えるか、または冷却にて結晶化させてN-t-BOCアミノ酸を得る。
【0026】
ファルネソール5 mmol、N-t-BOCアミノ酸5 mmol、DCC 5 mmolを無水ピリジン30 mlに加え室温で20時間撹拌する。溶媒を減圧下留去し、残渣に酢酸エチルを加えて可溶性画分を抽出する(100 ml x 2回)。抽出液を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離溶媒;n-ヘキサン-酢酸エチル)で分離精製し、ファルネソールN-t-BOC-アミノ酸エステルを得る。
【0027】
ファルネソールN-t-BOC-アミノ酸エステルを少量のアセトンに溶解し、塩酸-ジオキサン(2.5〜4.0 N)を塩酸量がエステルの20倍モル量に相当する量加え1時間撹拌後、減圧下溶媒を留去する。残渣をアセトン-メタノール系または酢酸エチル-メタノール系で再結晶して、ファルネソールアミノ酸エステルの塩酸塩を得る。
【0028】
ファルネソールアミノ酸エステルの塩酸塩3 mmolを水150 mlに加え、炭酸水素ナトリウムを加えて溶液のpHを7〜8にした後に酢酸エチルで抽出する(100 ml x 3回)。抽出液を無水硫酸ナトリウムで脱水後減圧下溶媒を留去し、油状のファルネソールアミノ酸エステルを得る。
【0029】
【表1】

【0030】
【表2】

【0031】
【表3】

【実施例2】
【0032】
虚血再潅流脳障害の抑制効果の検討
脳梗塞は、脳血流量の低下によって種々の傷害機序がドミノ式に生じ、脳損傷を虚血中心部から虚血周辺部に拡大していく進行性の疾患であり、特に発症後の酸化ストレスや炎症反応の関与が強く、重篤性やQOLを考慮すると発症後の亜急性期、慢性期の治療が極めて重要である。臨床的には、脳梗塞後、投与開始が遅くても虚血再還流障害に対して抑制可能な薬剤が望まれる。
【0033】
脳梗塞発症後の治療剤は極めて少なく、特に発症後の亜急性期、慢性期の治療薬で実用化されているものはない。現時点では、脳血流低下による虚血中心部を改善する脳梗塞急性期の治療薬として、血栓溶解剤のtissue plasminogen activator(tPA)やハイドロオキシラジカル消去剤のエダラボンがあげられるが、これらは出血や腎不全などの重篤な副作用の問題がある。すなわち、脳梗塞発症後の治療開始までの時間に余裕がある優れた亜急性期・慢性期虚血性脳血管障害の治療薬の開発が望まれている。
【0034】
このことから、MCA閉塞モデルにおいて再潅流後に薬物投与することで、再潅流による活性酸素種(ROIs)の直接的障害とROIsによる2次的な酸化ストレスや炎症反応に至る過程を反映した虚血再潅流脳障害の治療効果評価モデルを構築し、被験化合物の治療薬としての効果を検討した。
また、MCA閉塞モデルにおいて梗塞直前及び梗塞中に薬物投与し、予防薬としての効果も検討した。
【0035】
(1)虚血再潅流脳障害の予防効果評価法
ddY雄性マウス25-30 g(6-7週令)を用いKoizumi等の方法(脳卒中、第8巻、1−8頁、1986年)に従って中大脳動脈(MCA)閉塞モデルマウスを作成し、MCA閉塞を4時間とし、梗塞開始直前と梗塞3時間の2回試験薬物溶液を静脈内投与した。梗塞開始24時間後の脳切片標本を作製しトリフェニルテトラゾリウムクロリド染色(TTC steining)後、脳切片標本から画像処理によって脳梗塞巣体積を測定した。
【0036】
(2)虚血再潅流脳障害の治療効果評価法
ddY雄性マウス25-30 g(6-7週令)を用いKoizumi等の方法(脳卒中、第8巻、1−8頁、1986年)に従って中大脳動脈(MCA)閉塞モデルマウスを作成し、MCA閉塞を4時間とし、虚血開始後6時間または10時間(再潅流後2時間または4時間)に薬物溶液を静脈内単回投与した。閉塞開始24時間後の脳切片標本を作製しトリフェニルテトラゾリウムクロリド染色(TTC steining)後、脳切片標本から画像処理によって脳梗塞巣体積を測定した。
【実施例3】
【0037】
ファルネソール(FO)およびファルネソールN,N-ジメチルグリシンエステル塩酸塩(FODMG)の虚血再潅流脳障害の予防効果
上記虚血再潅流脳障害の予防評価法に従って,(2E,6E) ファルネソール(FO)と(2E,6E) ファルネソールN,N-ジメチルグリシネート塩酸塩(FODMG)および市販製剤であるエダラボン(edaravone)の血再潅流脳障害に対する効果を評価した。
図1にMCA閉塞マウスの閉塞24時間後脳切片標本を、図2にMCA閉塞マウスの閉塞24時間後脳切片標本から画像処理によって求めた閉塞開始24時間後の梗塞巣の体積を示した。FOはDMSOに溶解して静脈内投与し、FODMGは水に溶解して静脈内投与した。
【0038】
FOは2μmol/kg x 2投与では有意な梗塞巣体積の抑制は見られず、20μmol/kg x 2の投与量において梗塞巣体積を有意に抑制した。
FODMGは2μmol/kg x 2と20μmol/kg x 2のどちらの投与量においても梗塞巣体積を有意に抑制し、その効果は投与量に依存した。FODMGはFOに比較して優れた血再潅流脳障害の予防効果を示した。
一方、エダラボンは2μmol/kg x 2投与では有意に抑制したが、20μmol/kg x 2の投与量では有意な効果が見られず、投与量が高くなると有効な効果が見られず、有効投与量の範囲が狭いことが示された。
FODMGの効果は投与量に依存することからは有効投与量範囲が広く、エダラボンに比して優れていることが明らかである。
【実施例4】
【0039】
ファルネソールN,N-ジメチルグリシンエステル塩酸塩(FODMG)の虚血再潅流脳障害の治療効果
上記虚血再潅流脳障害の治療効果評価法に従って、エダラボンでは効果が見られない投与量(20μmol/kg)におけるFODMGの虚血再潅流脳障害の治療効果を虚血開始6時間後または10時間後の単回投与で評価した。FOはDMSOに溶解して静脈内投与し、FODMGは水に溶解して静脈内投与した。
FODMGは虚血開始6時間後と10時間後の単回投与の何れにおいても梗塞巣体積を有意に抑制した(図3)。FODMGは静脈内投与が可能であり、脳梗塞発症後の治療開始時間を極めて長く延長できることが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明にかかるファルネソール誘導体による虚血性脳障害の予防効果の説明図である。
【図2】本発明にかかるファルネソール誘導体による虚血性脳障害の予防効果の説明図である。
【図3】本発明にかかるファルネソール誘導体による虚血性脳障害の治療効果の説明図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1):
【化1】

(式中、Rは窒素置換基を有するカルボン酸残基を意味する。)で表されるファルネソールカルボン酸エステル誘導体。
【請求項2】
請求項1記載の誘導体において、窒素置換基を有するカルボン酸残基が、アミノ酸、N-アシルアミノ酸、N-アルキルアミノ酸、N,N-ジアルキルアミノ酸、ピリジンカルボン酸及びそれらの生理学的に許容されるハロゲン化水素酸塩、アルキルスルホン酸塩、酸性糖塩の残基からなる群より選択されることを特徴とするファルネソールカルボン酸エステル誘導体。
【請求項3】
1級または2級アミノ基、あるいは側鎖に水酸基またはチオール基を有するアミノ酸の前記アミノ基、水酸基及びチオール基を保護基で保護し、該保護基結合アミノ酸とファルネソールとをエステル化反応させることを特徴とする前記請求項1又は2記載のファルネソールカルボン酸エステル誘導体の製造方法。
【請求項4】
N,N-ジアルキルアミノ酸のハロゲン化水素酸塩を用いて活性エステル化試薬の存在下にファルネソールとエステル化反応させることを特徴とする前記請求項1又は2記載のファルネソールカルボン酸エステル誘導体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−73831(P2009−73831A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−223466(P2008−223466)
【出願日】平成20年9月1日(2008.9.1)
【出願人】(500415427)
【Fターム(参考)】