ファン組立体
【課題】ファン組立体、特に、部屋、オフィス、又は他の家庭環境において暖かい空気の流れを作り出すためのファンヒーターを提供する。
【解決手段】ファン組立体は、空気流を作り出すための電動羽根車、空気流の第1の部分を加熱するための少なくとも1つのヒーター、空気流の第2の部分をこの少なくとも1つのヒーターから離れる方向に分流させるための手段、及び空気流の第1の部分を放出するための少なくとも1つの第1の空気出口と空気流の第2の部分を放出するための少なくとも1つの第2の空気出口とを含むケーシングを含む。ケーシングの外面を冷却するために、少なくとも1つの第2の空気出口は、空気流の第2の部分の少なくとも一部を外面の上に誘導するように配置される。
【解決手段】ファン組立体は、空気流を作り出すための電動羽根車、空気流の第1の部分を加熱するための少なくとも1つのヒーター、空気流の第2の部分をこの少なくとも1つのヒーターから離れる方向に分流させるための手段、及び空気流の第1の部分を放出するための少なくとも1つの第1の空気出口と空気流の第2の部分を放出するための少なくとも1つの第2の空気出口とを含むケーシングを含む。ケーシングの外面を冷却するために、少なくとも1つの第2の空気出口は、空気流の第2の部分の少なくとも一部を外面の上に誘導するように配置される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファン組立体に関する。好ましい実施形態では、本発明は、部屋、オフィス、又は他の家庭環境において暖かい空気の流れを作り出すためのファンヒーターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の家庭用ファンは、典型的には、軸線の周りで回転するように装着された1組のブレード又はベーンと、空気流を発生させるようにブレードの組を回転させるための駆動装置とを含む。空気流の移動及び循環は、「風冷」又は微風を作り出し、結果として、ユーザは、熱が対流及び蒸発により消散する時に冷却効果を体験する。
【0003】
そのようなファンは、様々な大きさ及び形状で利用可能である。例えば、天井ファンは、少なくとも直径1mにすることができ、通常、空気の下降流を提供して部屋を冷却するように天井から吊り下げ方式で装着される。他方、デスクファンは、多くの場合、直径約30cmであり、通常、自立形及び携帯式である。床置タワーファンは、一般的に、約1mの高さで且つ空気流を発生させるための1つ又はそれよりも多くの組の回転ブレードを収容する細長い垂直に延びるケーシングを含む。空気流が部屋の広い区域にわたって通過するように、首振り機構を使用してタワーファンからの出口を回転させることができる。
【0004】
ファンヒーターは、一般的に、ユーザが回転ブレードによって発生する空気流を加熱することができるように、回転ブレードの背後又はその前のいずれかに位置する多数の加熱要素を含む。加熱要素は、一般的に、熱放射コイル又はフィンの形態である。ユーザがファンヒーターから放出された空気流の温度を制御することができるように、通常は、可変サーモスタット又は多数の所定の出力電力設定が設けられる。
【0005】
このタイプの配置の欠点は、ファンヒーターの回転ブレードによって生成された空気流が、一般的に均一でない点である。これは、ファンヒーターのブレード面にわたる又は外向き面にわたる変動による。これらの変動の程度は、製品によって異なり、また個々のファンヒーターによっても異なる可能性がある。これらの変動は、一連の空気のパルスとして感じられ、ユーザに対して不快である可能性がある乱流又は「不規則な」空気流の発生をもたらす。空気流の乱流から生じる更なる欠点は、ファンヒーターの加熱効果が、距離と共に急速に減少する可能性があるという点である。
【0006】
家庭環境では、電気器具は、空間の制限によりできるだけ小型でコンパクトであるのが望ましい。電気器具の部品が外向きに突出すること、又はユーザがブレードのような任意の可動部品に触れることができるのは望ましくない。ファンヒーターは、可動ブレード又は高熱放射コイルのいずれかとの接触によるユーザ損傷を防止するために、ケージ又は開口付きケーシング内にブレード及び熱放射コイルを収容する傾向があるが、そのような封入部品は掃除することが困難である可能性がある。その結果、かなりの量のほこり又は他の廃棄物が、ファンヒーターの使用と使用の間にケーシング内及び熱放射コイル上に蓄積する可能性がある。熱放射コイルが作動する時に、コイルの外面の温度は、特に、コイルからの電力出力が比較的高い時に、700℃を超える値まで急速に上昇する可能性がある。その結果、ファンヒーターの使用と使用の間にコイルに積もったほこりの一部は燃焼し、ある期間にわたってファンヒーターから不快な臭いの放出をもたらす。
【0007】
本出願人の現在特許出願中の特許出願PCT/GB2010/050272は、ファンヒーターから空気を放出するのにケージに入れたブレードを使用しないファンヒーターを説明している。その代わりに、ファンヒーターは、主空気流を基部内に引き込むための電動羽根車を収容する基部と、基部に接続され、かつ主空気流がファンから放出される環状口部を含む環状ノズルとを含む。ノズルは、ファン組立体の局所環境における空気が口部から放出された主空気流によって引き込まれる中心開口部を形成し、主空気流を増幅して空気の流れを発生させる。ファンヒーターから空気の流れを放出するブレード付きファンの使用なしに、比較的均一な空気の流れを発生させ、かつ部屋内に又はユーザの方向に案内することができる。一実施形態では、ヒーターがノズル内に位置し、主空気流をそれが口部から放出される前に加熱する。ノズル内にヒーターを収容することにより、ユーザは、ヒーターの高温外面から遮蔽される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】PCT/GB2010/050272
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Reba、「Scientific American」、第214巻,1966年6月、84から92ページ
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の態様では、本発明は、空気流を作り出すための手段と、空気流の第1の部分を加熱するための手段と、空気流の第2の部分を加熱手段から離れる方向にそらせるための手段と、空気流の第1の部分を放出するための少なくとも1つの第1の空気出口および空気流の第2の部分を放出するための少なくとも1つの第2の空気出口を含むケーシングとを含み、少なくとも1つの第2の空気出口は、空気流の第2の部分の少なくとも一部をケーシングの外面の上に差し向けるように構成されるファン組立体を提供する。
【0011】
本発明は、従って、異なる温度で空気を放出するための複数の空気出口を有するファン組立体を提供する。1つ又はそれよりも多くの第1の空気出口は、加熱手段によって加熱された比較的高温の空気を放出するために設けられるのに対して、1つ又はそれよりも多くの第2の空気出口は、加熱手段を迂回した比較的低温の空気を放出するために設けられる。
【0012】
ファン組立体内にこのように存在する異なる空気経路は、ファン組立体から放出された空気流の温度を変えるためにユーザによって選択的に開閉することができる。ファン組立体は、空気流の全てが、第1の空気出口又は第2の空気出口のいずれかを通してファン組立体を離れるように、空気経路の1つを選択的に閉鎖するための弁、シャッター、又は他の手段を含むことができる。例えば、シャッターは、第1の空気出口又は第2の空気出口のいずれかを選択的に閉鎖するように、ケーシングの外面の上で摺動可能又はそうでなければ移動可能にすることができ、それによって空気流が加熱手段を通過又は加熱手段を迂回することのいずれかを強制する。これは、ユーザがケーシングから放出された空気流の温度を迅速に変更することを可能にすることができる。
【0013】
代替的に又は追加的に、ケーシングは、空気流の第1及び第2の部分を同時に放出するように構成することができる。
【0014】
上述のように、少なくとも1つの第2の空気出口は、空気流の第2の部分の少なくとも一部をケーシングの外面の上に差し向けるように構成される。これは、ケーシングのその外面をファン組立体の使用中に低温のままにしておくことができる。ケーシングが複数の第2の空気出口を含む場合には、第2の空気出口は、実質的に、空気流の第2の部分全体をケーシングの少なくとも1つの外面の上に差し向けるように構成されてもよい。第2の空気出口は、空気流の第2の部分をケーシングの共通の外面の上に、又はケーシングの前面又は後面のようなケーシングの複数の外面の上に差し向けるように構成されてもよい。
【0015】
この又は各第1の空気出口は、好ましくは、空気流の比較的低温の第2の部分が空気流の比較的高温の第1の部分とケーシングの外面の間に挟まれるように、空気流の第1の部分を空気流の第2の部分の上に差し向けるように構成され、それによって空気流の比較的高温の第1の部分とケーシングの外面の間に断熱層を設ける。
【0016】
ケーシングは、好ましくは、ケーシングの外側からの空気が空気出口から放出された空気流によって引き込まれる開口部を形成することが好ましい環状ケーシングの形態である。少なくとも1つの第2の空気出口は、空気流を開口部から遠隔のケーシングの外面の上に差し向けるように構成することができる。例えば、ケーシングが環状形状である場合には、第2の空気出口の1つは、その第2の空気出口から放出された空気流のその部分が開口部を通過するように、空気流の一部分をケーシングの内側環状区画の外面の上に差し向けるように構成することができるのに対して、第2の空気出口の別の1つは、空気流の別の部分をケーシングの外側環状区画の外面の上に差し向けるように構成することができる。しかし、第1及び第2の空気出口の全ては、好ましくは、ケーシングの外部の空気の同伴によりケーシングから放出された空気流の増幅を最大にするために開口部を通して空気流を放出するように配置される。
【0017】
第2の態様では、本発明は、空気流を作り出すための手段と、空気流の第1の部分を加熱するための手段と、空気流の第2の部分を加熱手段から離れる方向にそらさせるための手段と、ケーシングから空気流を放出するための複数の空気出口を含むケーシングであって、ケーシングの外側からの空気が空気出口から放出された空気流によって引き込まれる開口部を形成する環状外面を有するケーシングとを含み、複数の空気出口は、開口部を通して空気流の第1の部分を放出するための少なくとも1つの第1の空気出口と、開口部を通して空気流の第2の部分を放出するための少なくとも1つの第2の空気出口とを含み、上述の少なくとも1つの第2の空気出口は、空気流の第2の部分をケーシングの上述の外面の上に差し向けるように構成され、上述の少なくとも1つの第1の空気出口は、空気流の第1の部分を空気流の第2の部分の上に差し向けるように構成されるファン組立体を提供する。
【0018】
第2の空気出口から放出された空気流をケーシングの外面の上に差し向けることに加えて、ケーシングは、空気流の第2の部分をケーシングの内面の少なくとも1つの上に又はこれに沿って搬送し、その表面をファン組立体の使用中に比較的低温のままにしておくように構成することができる。代替的に、そらせ手段は、空気流の第2の部分及び第3の部分の両方を加熱手段から離れる方向にそらせるように構成することができ、また内部通路は、空気流の第2の部分をケーシングの第1の内面、例えば、ケーシングの内側環状区画の内面に沿って搬送し、空気流の第3の部分をケーシングの第2の内面、例えば、ケーシングの外側環状区画の内面に沿って搬送するように構成することができる。
【0019】
この場合には、空気流の第1の部分の温度に応じて、個別に空気流の第1の部分から空気流の第2及び第3の部分の両方を排出する必要なく、ケーシングの外面の十分な冷却をもたらすことができることを見出すことができる。例えば、空気流の第1及び第3の部分は、加熱手段の下流で再結合することができるのに対して、空気流の第2の部分は、内側環状ケーシングの外面の上に差し向けられることができる。
【0020】
そらせ手段は、空気流の第2の部分を加熱手段から離れる方向にそらせるために少なくとも1つのバッフル、壁、又は他の表面を含むことができるそらせ手段は、ケーシング区画の1つと一体であるか又はこれに接続することができる。そらせ手段は、加熱手段を保持するためのシャーシの一部を都合よく形成し、又はシャーシに接続することができる。そらせ手段が空気流の第2の部分及び空気流の第3の部分の両方を加熱手段から離れる方向にそらせるように構成される場合には、そらせ手段は、シャーシの2つの相互に離間した部品を含むことができる。
【0021】
好ましくは、ケーシングは、空気流の第1の部分を第1の空気出口に搬送するための第1のチャンネル手段と、空気流の第2の部分を第2の空気出口に搬送するための第2のチャンネル手段と、第2のチャンネル手段から第1のチャンネル手段を分離するための手段と、を含む。分離手段は、空気流の第2の部分を加熱手段から離れる方向にそらせるためのそらせ手段と一体とすることができ、従って、加熱手段を保持するためのシャーシの少なくとも1つの側壁を含むことができる。これは、ファン組立体の個別の構成要素の数を低減することができる。ケーシングはまた、空気流の第3の部分を加熱手段から離れる方向にかつ好ましくはケーシングの内面に沿って搬送するための第3のチャンネル手段を含むことができる。第2のチャンネル手段も、空気流の第2の部分をケーシングの内面に沿って搬送するように構成することができる。
【0022】
シャーシは、その間に加熱組立体を保持するように構成された第1及び第2の側壁を含むことができる。第1及び第2の側壁は、これらの間に、空気流の第1の部分をケーシングの第1の空気出口に搬送するための第1のチャンネルを形成することができ、第1のチャンネルは、加熱手段を含む。第1の側壁及びケーシングの第1の内面は、空気流の第2の部分を第1の内面に沿ってケーシングの第2の空気出口に搬送するための第2のチャンネルを形成することができる。第2の側壁及びケーシングの第2の内面は、空気流の第3の部分を第2の内面に沿って搬送するための第3のチャンネルを任意的に形成することができる。この第3のチャンネルは、第1又は第2のチャンネルと合流することができ、又は第3のチャンネルは、空気流の第3の部分をケーシングの空気出口に搬送することができる。
【0023】
上述のように、ケーシングは、空気流を受け取るためにそれらの間に内部通路を形成する内側環状ケーシング区画及び外側環状ケーシング区画を含むことができ、分離手段は、ケーシング区画の間に位置することができる。各ケーシング区画は、好ましくは、それぞれの環状部材から形成されるが、各ケーシング区画は、そのケーシング区画を形成するために互いに接続された又はそうでなければ組み立てられた複数の部材によって設けることができる。内側ケーシング区画及び外側ケーシング区画は、ケーシングの外面がファン組立体の使用中に過度に熱くなるのを防止するために、比較的低い熱伝導率(1Wm-1K-1未満)を有するプラスチック材料又は他の材料から形成することができる。
【0024】
分離手段はまた、部分的に、ケーシングの第1の空気出口及び/又は第2の空気出口を形成することができる。例えば、第1の空気出口は、外側ケーシング区画の内面と分離手段の間に位置することができる。代替的に又は追加的に、少なくとも1つの第2の空気出口は、内側ケーシング区画の外面と分離手段の間に位置することができる。分離手段が、第2のチャンネルから第1のチャンネルを分離するための壁を含む場合には、第1の空気出口は、外側ケーシング区画の内面と壁の第1の側面の間に位置することができ、第2の空気出口は、内側ケーシング区画の外面と壁の第2の側面の間に位置することができる。
【0025】
分離手段は、内側ケーシング区画及び外側ケーシング区画の少なくとも一方と係合するための複数のスペーサを含むことができる。これは、第2のチャンネル手段及び第3のチャンネル手段の少なくとも1つの幅を、スペーサと上述の内側ケーシング区画及び外側ケーシング区画の少なくとも一方との間の係合により、その長さに沿って制御することを可能にする。
【0026】
空気が空気出口から放出される方向は、好ましくは、空気流が内部通路の少なくとも一部を通過する方向に対して実質的に直角である。好ましくは、空気流は、実質的に垂直方向に内部通路の少なくとも一部を通過し、空気は、実質的に水平方向に空気出口から放出される。内部通路は、好ましくは、ケーシングの前方の方向に位置するのに対して、空気出口は、好ましくは、ケーシングの後方の方向に位置し、空気をケーシングの前方の方向に及び開口部を通して差し向けるように構成される。その結果、第1及び第2のチャンネル手段の各々は、空気流のそれぞれの部分の流れ方向を実質的に逆にするように成形することができる。
【0027】
内部通路は、好ましくは、環状であり、好ましくは、空気流を開口部の周囲の反対方向に流れる2つの空気の流れに分けるように成形される。この場合には、加熱手段は、好ましくは、各空気の流れの第1の部分を加熱するように構成され、そらせ手段は、各空気の流れの第2の部分を加熱手段から離れる方向にそらせるように構成される。空気の流れのこれらの第1の部分は、ケーシングの共通の第1の空気出口から放出することができる。例えば、単一の第1の空気出口は、ケーシングの開口部の周りに延びることができる。代替的に、空気の流れの各第1の部分は、ケーシングのそれぞれの第1の空気出口から放出することができ、一緒に空気流の第1の部分を形成する。これらの第1の空気出口は、開口部の両側に位置することができる。
【0028】
同様に、2つの空気の流れの第2の部分は、ケーシングの共通の第2の空気出口から放出することができる。ここでも、この単一の第2の空気出口は、ケーシングの開口部の周りに延びることができる。代替的に、各空気の流れの第2の部分は、ケーシングのそれぞれの第2の空気出口から放出することができ、一緒に空気流の第2の部分を形成する。また、これらの第2の空気出口は、開口部の両側に位置することができる。
【0029】
加熱手段の少なくとも一部は、ケーシング内に配置することができる。加熱手段は、開口部の周りに延びることができる。ケーシングが円形開口部を形成する場合には、加熱手段は、好ましくは、開口部の周りで少なくとも270°、より好ましくは、開口部の周りで少なくとも300°延びる。ケーシングが細長開口部、すなわち、ケーシングの幅よりも大きな高さを有する開口部を形成する場合には、加熱手段は、好ましくは、開口部の少なくとも両側に位置する。
【0030】
加熱手段は、内部通路内に位置する少なくとも1つのセラミックヒーターを含むことができる。セラミックヒーターは、空気流の第1の部分が第1の空気出口から放出される前に加熱手段の孔隙を通過するように多孔質とすることができる。ヒーターは、作動すると急速に空気流を加熱することができるPTC(正温度係数)セラミック材料から形成することができる。
【0031】
セラミック材料は、加熱手段を作動させるためにファン組立体内のコントローラへの加熱手段の接続を容易にするために金属又は他の導電材料で少なくとも部分的に被覆することができる。代替的に、少なくとも1つの無孔、好ましくはセラミックのヒーターを内部通路内に位置する金属フレーム内に装着することができ、これは、ファン組立体のコントローラに接続可能である。金属フレームは、好ましくは、より大きな表面積及び従って空気流に対してより多くの熱伝達を提供するように複数のフィンを含むが、加熱手段に対して電気接続の手段も提供する。
【0032】
加熱手段は、好ましくは、少なくとも1つのヒーター組立体を含む。空気流が2つの空気の流れに分かれる場合には、加熱手段は、好ましくは、それぞれの空気の流れの第1の部分を各々加熱するための複数のヒーター組立体を含み、そらせ手段は、好ましくは、それぞれの空気の流れの第2の部分をヒーター組立体から離れる方向に各々そらせるために複数の壁を含む。
【0033】
各空気出口は、好ましくは、スロットの形態であり、これは、好ましくは、0.5から5mmの範囲の幅を有する。第1の空気出口の幅は、好ましくは、第2の空気出口の幅とは異なる。好ましい実施形態では、第1の空気出口の幅は、主空気流の大部分が加熱手段を通過するように第2の空気出口の幅よりも大きい。
【0034】
空気出口がそこから放出される空気流を差し向けるように構成されるケーシングの外面は、好ましくは、曲面であり、より好ましくは、「コアンダ」表面である。好ましくは、ケーシングの内側ケーシング区画の外面は、「コアンダ」表面を形成するように成形される。「コアンダ」表面は、表面に近い出口オリフィスを出た流体流れが「コアンダ」効果を示す公知のタイプの表面である。流体は、表面に殆ど「粘着して」又は「密着して」密接に表面の上を流れる傾向がある。「コアンダ」効果は、主空気流が「コアンダ」表面の上に誘導される既に証明済みの十分に立証された同伴の方法である。「コアンダ」表面の特徴の説明及び「コアンダ」表面の上の流体流れの効果は、Reba、「Scientific American」、第214巻,1966年6月の84から92ページのような論文に見出すことができる。「コアンダ」表面の使用を通して、ファン組立体の外側からの増加した量の空気が、空気出口から放出された空気によって開口部を通して引き込まれる。
【0035】
好ましい実施形態では、空気流は、ファン組立体のケーシングを通して作り出される。以下の説明では、この空気流は、以下では主空気流と呼ぶ。主空気流は、ケーシングの空気出口から放出され、好ましくは、「コアンダ」表面の上を通過する。主空気流は、ケーシングを取り囲む空気を同伴し、これは、主空気流及び同伴空気の両方をユーザに供給する空気増幅器として作用する。同伴空気は、本明細書では、以下に2次空気流と呼ぶ。2次空気流は、ケーシングの口部を取り囲む部屋の空間、領域、又は外部環境から及び置き換えによってファン組立体の周囲の他の領域から引き込まれ、ケーシングによって形成された開口部を主に通過する。同伴2次空気流と組み合わされた「コアンダ」表面の上に差し向けられた主空気流は、ケーシングによって形成された開口部から前方に放出又は発射される総空気流に等しい。
【0036】
好ましくは、ケーシングは、「コアンダ」表面の下流に位置するディフューザ表面を含む。ディフューザ表面は、滑らかな均等出力を維持しながら、放出される空気流をユーザの位置に差し向ける。好ましくは、ケーシングの内側ケーシング区画の外面は、ディフューザ表面を形成するように成形される。外面は、好ましくは、ディフューザ表面の下流に位置するとともにディフューザ表面に対して内向きに傾斜したガイド部分を含む。ガイド部分は、円筒形とすることができ、又はガイド部分は、外面が延びる軸に対して内向き又は外向きにテーパ付きにすることができる。外向きにテーパ付きの表面は、このガイド部分の下流に設けることができる。
【0037】
ファン組立体はまた、好ましくは、空気流を作り出すための上述の手段を収容する基部を含み、ケーシングは、基部に接続される。基部は、好ましくは、ほぼ円筒形の形状であり、空気流がファン組立体に入る複数の空気入口を含む。
【0038】
ケーシングを通して空気流を作り出すための手段は、好ましくは、モータによって駆動する羽根車を含む。これは、効率的に空気流を発生するファン組立体を提供することができる。空気流を作り出すための手段は、好ましくは、DCブラシレスモータを含む。これは、従来のブラシモータで使用するブラシから摩擦損失及び炭素デブリを回避することができる。炭素デブリ及び放出物の減少は、病院又はアレルギーを有する人の周囲のような清潔な又は汚染物質に敏感な環境において有利である。一般的に、ブレード付きファンで使用される誘導モータもブラシがないが、DCブラシレスモータは、誘導モータよりも広い範囲の作動速度を提供することができる。
【0039】
加熱手段は、好ましくは、ケーシング内に位置する。そらせ手段も、ケーシング内に位置することができる。しかし、加熱手段は、ケーシング内に位置する必要があるわけではない。例えば、加熱手段及びそらせ手段の両方は、基部内に位置することができ、ケーシングは、基部から空気流の比較的高温の第1の部分及び空気流の比較的低温の第2の部分を受け取るように、かつ空気流の第1の部分を第1の空気出口に及び空気流の第2の部分を第2の空気出口に搬送するように構成される。ケーシングは、第1のチャンネル手段及び第2のチャンネル手段を形成するために内壁又はバッフルを含むことができる。
【0040】
代替的に、加熱手段は、ケーシング内に位置することができるが、そらせ手段は、基部内に位置することができる。この場合には、第1のチャンネル手段は、空気流の第1の部分を基部から少なくとも1つの第1の空気出口に搬送し、また空気流の第1の部分を加熱するための加熱手段を収容するように構成することができ、一方、第2のチャンネル手段は、単に空気流の第2の部分を基部から少なくとも1つの第2の空気出口に搬送するように構成することができる。
【0041】
ファン組立体は、好ましくは、携帯式ファンヒーターの形態である。
【0042】
本発明の第1の態様に関連して上述した特徴は、本発明の第2の態様にも等しく適用可能であり、逆も同じである。
【0043】
ここで、本発明の実施形態を添付の図面を参照して単に一例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】ファン組立体の上から見た正面斜視図である。
【図2】ファン組立体の正面図である。
【図3】図2の線B−Bに沿った断面図である。
【図4】ファン組立体のノズルの分解組立図である。
【図5】ノズルのヒーターシャーシの正面斜視図である。
【図6】ノズルの内側ケーシング区画に接続されたヒーターシャーシの下から見た正面斜視図である。
【図7】図6に示す領域Xの拡大図である。
【図8】図1に示す領域Yの拡大図である。
【図9】図2の線A−Aに沿った断面図である。
【図10】図9に示す領域Zの拡大図である。
【図11】図9の線C−Cに沿ったノズルの断面図である。
【図12】ファン組立体の制御システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図1及び2は、ファン組立体10の外観図である。ファン組立体10は、携帯式ファンヒーターの形態である。ファン組立体10は、主空気流がファン組立体10に入る空気入口14を含む本体12と、本体12上に装着された環状ケーシングの形態のノズル16とを含み、ノズルは、ファン組立体10から主空気流を放出するための少なくとも1つの空気出口18を含む。
【0046】
本体12は、実質的に円筒形の下部本体区画22上に装着された実質的に円筒形の主本体区画20を含む。主本体区画20及び下部本体区画22は、好ましくは、上部本体区画20の外面が下部本体区画22の外面と実質的に同一平面にあるように、実質的に同じ外径を有する。この実施形態では、本体12は、100から300mmの範囲の高さ及び100から200mmの範囲の直径を有する。
【0047】
主本体区画20は、主空気流がファン組立体10に入る空気入口14を含む。この実施形態では、空気入口14は、主本体区画20に形成された開口のアレイを含む。代替的に、空気入口14は、主本体区画20に形成された窓内に装着された1つ又はそれよりも多くのグリル又はメッシュを含むことができる。主本体区画20は、その上端で(図示のように)開放され、主空気流が本体12から排出される空気出口23を提供する。
【0048】
主本体区画20は、主空気流がファン組立体10から放出される方向を調節するために下部本体区画22に対して傾くことができる。例えば、下部本体区画22の上面及び主本体区画20の下面には、主本体区画20が下部本体区画22から持ち上げられるのを防止しながら、主本体区画20が下部本体区画22に対して移動することを可能にする、相互接続構造を設けることができる。例えば、下部本体区画22及び主本体区画20は、連結L字形部材を含むことができる。
【0049】
下部本体区画22は、ファン組立体10のユーザインタフェースを含む。同様に図12を参照すると、ユーザインタフェースは、ユーザがファン組立体10の様々な機能を制御することを可能にするための複数のユーザ操作可能ボタン24、26、28、30と、ユーザに例えばファン組立体10の温度設定を視覚表示するためにボタン間に位置するディスプレイ32と、ボタン24、26、28、30及びディスプレイ32に接続されたユーザインタフェース制御回路33と、を含む。下部本体区画22はまた、リモコン装置35(図12に概略的に示す)からの信号がファン組立体10に入る窓34を含む。下部本体区画22は、ファン組立体10が位置する表面と係合するために基部36上に装着される。基部36は、好ましくは、200から300mmの範囲の直径を有する任意的なベースプレート38を含む。
【0050】
ノズル16は、開口部40を形成するために中心軸Xの周りに延びる環状形状を有する。ファン組立体10から主空気流を放出するための空気出口18は、ノズル16の後方の方向に位置し、主空気流を開口部40を通してノズル16の前方に差し向けるように配置される。この実施例では、ノズル16は、その幅よりも大きな高さを有する細長開口部40を形成し、空気出口18は、開口部40の対向する細長側上に位置する。この実施例では、開口部40の最大高さは、300から400mmの範囲であるのに対して、開口部40の最大幅は、100から200mmの範囲にある
【0051】
ノズル16の内側環状周囲は、空気出口18に隣接して位置し、空気出口18の少なくとも一部がファン組立体10から放出された空気をその上に差し向ける「コアンダ」表面42と、「コアンダ」表面42の下流に位置するディフューザ表面44と、ディフューザ表面44の下流に位置するガイド表面46と、を含む。ディフューザ表面44は、開口部38の中心軸Xから離れてテーパ付きになるように配置される。ディフューザ表面44と開口部40の中心軸Xとの間で規定される角度は、5から25°の範囲にあり、この実施例では約7°である。ガイド表面46は、好ましくは、開口部38の中心軸Xに対して実質的に平行に配置され、口部40から放出された空気流に対して実質的に平坦な及び実質的に滑らかな面を呈する。視覚的に魅力的なテーパ付き面48は、ガイド表面46の下流に位置し、開口部40の中心軸Xに対して実質的に垂直に位置する先端面50で終端する。テーパ付き面48と開口部40の中心軸Xとの間で規定された角度は、好ましくは、約45°である。
【0052】
図3は、本体12を通る断面図である。下部本体区画22は、ユーザインタフェース制御回路33に接続された全体を符号52で示す主制御回路を収容する。ユーザインタフェース制御回路33は、リモコン装置35から信号を受け取るためのセンサ54を含む。センサ54は、窓34の背後に位置する。ボタン24、26、28、30及びリモコン装置35の作動に応答して、ユーザインタフェース制御回路33は、適切な信号を主制御回路52に伝達してファン組立体10の様々な作動を制御するように構成される。ディスプレイ32は、下部本体区画22内に位置し、下部本体区画22の一部を照らすように構成される。下部本体区画22は、好ましくは、ディスプレイ32をユーザが見ることを可能にする透光性を有するプラスチック材料から形成される。
【0053】
下部本体区画22はまた、基部36に対して下部本体区画22を首振りするための全体を符号56で示す機構を収容する。首振り機構56の作動は、リモコン装置35から適切な制御信号を受け取ると主制御回路52によって制御される。基部36に対する下部本体区画22の各首振り周期の範囲は、好ましくは、60°から120°及びこの実施形態では約80°である。この実施形態では、首振り機構56は、1分間当たり約3から5の首振り周期を実施するように構成される。電力をファン組立体10に供給するための電源ケーブル58は、基部36に形成された開口を貫通して延びる。ケーブル58は、プラグ60に接続される。
【0054】
主本体区画20は、主空気流を空気入口14を通して本体12に吸い込むための羽根車64を収容する。好ましくは、羽根車64は、斜流羽根車の形態である。羽根車64は、モータ68から外向きに延びる回転シャフト66に接続される。この実施形態では、モータ68は、ボタン26のユーザ操作及び/又はリモコン装置35から受け取った信号に応答して主制御回路52により可変である速度を有するDCブラシレスモータである。モータ68の最大速度は、好ましくは、5,000から10,000rpmの範囲にある。モータ68は、下部部分72に接続された上部部分70を含むモータバケット内に収容される。モータバケットの上部部分70は、螺旋ブレードを有する静止デスクの形態のディフューザ74を含む。
【0055】
モータバケットは、ほぼ円錐台状の羽根車ハウジング76内に位置してこの上に装着される。羽根車ハウジング76は、次に、基部12の主本体区画20内に位置してこれに接続された複数の角度的に離間した支持体77、この実施例では3つの支持体上に装着される。羽根車64及び羽根車ハウジング76は、羽根車64が羽根車ハウジング76の内面に近接するがこれに接触しないように成形される。実質的に環状入口部材78は、主空気流を羽根車ハウジング76に案内するために羽根車ハウジング76の底部に接続される。
【0056】
可撓性密封部材80が、羽根車ハウジング76上に装着される。可撓性密封部材は、空気が羽根車ハウジングの外面の周囲で入口部材78に通過するのを防止する。密封部材80は、好ましくは、ゴムから形成された環状リップシールを含むことが好ましい。密封部材80は、電気ケーブル82をモータ68に案内するためにグロメットの形態のガイド部分を更に含む。電気ケーブル82は、主本体区画20及び本体12の下部本体区画22に、並びに羽根車ハウジング76及びモータバケットに形成された開口を通して主制御回路52からモータ68に通される。
【0057】
好ましくは、本体12は、本体12からのノイズ放出を低減するための消音発泡体を含む。この実施形態では、本体12の主本体区画20は、空気入口14の下に位置する第1の環状発泡部材84と、モータバケット内に位置する第2の環状発泡部材86とを含む。
【0058】
ノズル16をここで図4から11を参照してより詳細に説明する。最初に図4を参照すると、ノズル16は、環状内側ケーシング区画90に接続されてこの周りに延びる環状外側ケーシング区画88を含む。これらの区画の各々は、複数の接続部品から形成することができるが、この実施形態では、ケーシング区画88、90の各々は、それぞれの単一の成形部品から形成される。内側ケーシング区画90は、ノズル16の中心開口部40を形成し、「コアンダ」表面42、ディフューザ表面44、ガイド表面46、及びテーパ付き面48を形成するように成形された外面92を有する。
【0059】
外側ケーシング区画88及び内側ケーシング区画90は、ノズル16の環状内部通路を一緒に形成する。図9から11に示すように、内部通路は、開口部40の周りに延び、従って、開口部40のそれぞれの細長側面に各々隣接する比較的直線の区画94a、94bと、直線区画94a、94bの上端を接合する上部湾曲区画94cと、直線区画94a、94bの下端を接合する下部湾曲区画94dと、を含む。内部通路は、外側ケーシング区画88の内面96及び内側ケーシング区画90の内面98によって境界付けられる。
【0060】
同様に図1から3に示すように、外側ケーシング区画88は、基部12の主本体区画20の開放上端に又はこの上を覆って接続された基部100を含む。外側ケーシング区画88の基部100は、主空気流が、基部12の空気出口23から内部通路の下部湾曲区画94dに入る空気入口102を含む。下部湾曲区画94d内で、主空気流は、各々が内部通路の直線区画94a、94bのそれぞれの1つに流れ込む2つの空気の流れに分かれる。
【0061】
ノズル16はまた、1対のヒーター組立体104を含む。各ヒーター組立体104は、並列して配置された1列のヒーター要素106を含む。ヒーター要素106は、好ましくは、正温度係数(PTC)セラミック材料から形成される。ヒーター要素の列は、2つの熱放射構成要素108の間に挟まれ、その各々は、フレーム112内に位置する熱放射フィン110のアレイを含む。
【0062】
熱放射構成要素108は、好ましくは、高熱伝導率(約200から400W/mK)を有するアルミニウム又は他の材料から形成され、シリコーン接着剤のビードを使用して又は留め機構によってヒーター要素106の列に取り付けることができる。ヒーター要素106の側面は、好ましくは、ヒーター要素106と熱放射構成要素108の間に電気接点を設けるように金属フィルムで少なくとも部分的に覆われる。このフィルムは、スクリーン印刷又はスパッタアルミニウムから構成することができる。図3及び4に移ると、ヒーター組立体104の両端に位置する電気端子114、116は、それぞれの熱放射構成要素108に各々接続される。各端子114は、電力をヒーター組立体104に供給するためのルーム(loom)の上部部品118に接続されるのに対して、各端子116は、ルームの下部部品120に接続される。ルームは、次に、ワイヤ124によって基部12の主本体区画20に位置するヒーター制御回路122に接続される。ヒーター制御回路122は、次に、ボタン28、30のユーザ操作及び/又はリモコン装置35の使用に応答して主制御回路52によってヒーター制御回路122に供給された制御信号によって制御される。
【0063】
図12は、制御回路33、52、122、ボタン24、26、28、30、及びリモコン装置35を含むファン組立体10の制御システムを概略的に示している。制御回路33、52、122のうちの2つ又はそれよりも多くは、単一の制御回路を形成するために組み合わせることができる。ファン組立体10に入る主空気流の温度を表示するためのサーミスタ126は、ヒーターコントローラ122に接続される。サーミスタ126は、図3に示すように空気入口14のすぐ背後に位置することができる。主制御回路52は、制御信号をユーザインタフェース制御回路33、首振り機構56、モータ68、及びヒーター制御回路124に供給するのに対して、ヒーター制御回路124は、制御信号をヒーター組立体104に供給する。ヒーター制御回路124はまた、サーミスタ126によって検出された温度を表示する信号を主制御回路52に提供し、この信号に応答して、主制御回路52は、例えば、主空気流の温度がユーザ選択温度であるか又はこれを超える場合にディスプレイ32を変えるべきことを示す制御信号をユーザインタフェース制御回路33に出力することができる。ヒーター組立体104は、共通制御信号によって同時に制御することができ、又はこれらは、それぞれの制御信号によって制御することができる。
【0064】
ヒーター組立体104は、シャーシ128によって内部通路のそれぞれの直線区画94a、94b内に各々保持される。シャーシ128は、図5により詳細に示されている。シャーシ128は、ほぼ環状構造を有する。シャーシ128は、ヒーター組立体104が挿入される1対のヒーターハウジング130を含む。各ヒーターハウジング130は、外壁132及び内壁134を含む。内壁134は、ヒーターハウジング130がその前及び後端において開放するように、ヒーターハウジング130の上及び下端138、140にある外壁132に接続される。壁132、134は、従って、ヒーターハウジング130内に位置するヒーター組立体104を通過する第1の空気流チャンネル136を形成する。
【0065】
ヒーターハウジング130は、シャーシ128の上部及び下部湾曲区画142、144によって互いに接続される。各湾曲区画142、144はまた、内向きに湾曲したほぼU字形断面を有する。シャーシ128の湾曲区画142、144は、ヒーターハウジング130の内壁134に接続され、好ましくは、これと一体である。ヒーターハウジング130の内壁134は、前端146及び後端148を有する。図6から9を参照すると、各内壁134の後端148はまた、内壁134の後端148が、シャーシ128の湾曲区画142、144と実質的に連続的であるように、隣接する外壁132から離れる方向に内向きに湾曲する。
【0066】
ノズル16の組み立て中に、シャーシ128は、シャーシ128の湾曲区画142、144及びヒーターハウジング130の内壁134の後端148が、内側ケーシング区画90の後端150に包み込まれるように、内側ケーシング区画90の後端の上に押し込まれる。内側ケーシング区画90の内面98は、内側ケーシング区画90の内面98から内壁134を離間するようにヒーターハウジング130の内壁134と係合する第1の組の隆起スペーサ152を含む。内壁134の後端148はまた、内側ケーシング区画90の外面92から内壁134の後端を離間するように内側ケーシング区画90の外面92と係合する第2の組のスペーサ154を含む。
【0067】
シャーシ128のヒーターハウジング130の内壁134と内側ケーシング区画90とは、従って、2つの第2の空気流チャンネル156を形成する。第2の流れチャンネル156の各々は、内側ケーシング区画90の内面98に沿って及び内側ケーシング区画90の後端150の周囲に延びる。各第2の流れチャンネル156は、ヒーターハウジング130の内壁134によってそれぞれの第1の流れチャンネル136から分離される。各第2の流れチャンネル156は、内側ケーシング区画90の外面92と内壁134の後端148の間に位置する空気出口158で終端する。各空気出口158は、従って、組み立てられたノズル16の開口部40のそれぞれの側に位置する垂直に延びるスロットの形態である。各空気出口158は、好ましくは、0.5から5mmの範囲の幅を有し、この実施例では、空気出口158は、約1mmの幅を有する。
【0068】
シャーシ128は、内側ケーシング区画90の内面98に接続される。図5から7を参照すると、ヒーターハウジング130の内壁134の各々は、1対の開口160を含み、各開口160は、内壁134の上及び下端のそれぞれの1つに又はこの方向に位置する。シャーシ128が内側ケーシング区画90の後端の上に押し込まれると、ヒーターハウジング130の内壁134は、その後開口160を通して突出する内側ケーシング区画90の内面98上に装着されて好ましくはこれと一体の弾性キャッチ162の上をスライドする。次に、内側ケーシング区画90に対するシャーシ128の位置は、内壁134がキャッチ162によって把持されるように調節することができる。内側ケーシング区画90の内面98上に装着されて好ましくは同じくこれと一体の停止部材164も、内側ケーシング区画90上にシャーシ128を保持するように機能することができる。
【0069】
内側ケーシング区画90に接続されたシャーシ128により、ヒーター組立体104は、シャーシ128のヒーターハウジング130及びヒーター組立体104に接続されたルーム内に挿入される。勿論、ヒーター組立体104は、内側ケーシング区画90へのシャーシ128の接続前にシャーシ128のヒーターハウジング130に挿入してもよい。ノズル16の内側ケーシング区画90は、次に、図9に示すように、外側ケーシング区画88の前端166が内側ケーシング区画90の前方に位置するスロット168に入るように、ノズル16の外側ケーシング区画88に挿入される。外側及び内側ケーシング区画88、90は、スロット168に導入された接着剤を使用して互いに接続することができる。
【0070】
外側ケーシング区画88は、外側ケーシング区画88の内面96の一部がシャーシ128のヒーターハウジング130の外壁132の周囲に延びて実質的にこれと平行であるように成形される。ヒーターハウジング130の外壁132は、前端170及び後端172、並びに外壁132の外側面上に位置する1組のリブ174を有し、これらは、外壁132の端部170、172間に延びる。リブ174は、外側ケーシング区画88の内面96と係合し、外側ケーシング区画88の内面96から外壁132を離間するように構成される。シャーシ128のヒーターハウジング130の外壁132及び外側ケーシング区画88は、従って、2つの第3の空気流チャンネル176を形成する。第3の流れチャンネル176の各々は、外側ケーシング区画88の内面96に隣接して位置し、これに沿って延びる。各第3の流れチャンネル176は、ヒーターハウジング130の外壁132によってそれぞれの第1の流れチャンネル136から分離される。各第3の流れチャンネル176は、内部通路内に位置する空気出口178で、ヒーターハウジング130の外壁132の後端172と外側ケーシング区画88の間で、終端する。各空気出口178はまた、ノズル16の内部通路内に位置する垂直に延びるスロットの形態であり、好ましくは、0.5から5mmの範囲の幅を有する。この実施例では、空気出口178は、約1mmの幅を有する。
【0071】
外側ケーシング区画88は、ヒーターハウジング130の内壁134の後端148の一部の周囲で内向きに湾曲するように成形される。内壁134の後端148は、第2の組のスペーサ154とは反対側の内壁134に位置する第3の組のスペーサ182を含み、これらは、外側ケーシング区画88の内面96と係合し、外側ケーシング区画88の内面96から内壁134の後端を離間するように配置される。外側ケーシング区画88及び内壁134の後端148は、従って、更に別の2つの空気出口184を形成する。各空気出口184は、空気出口158のそれぞれの1つに隣接して位置し、各空気出口158は、それぞれの空気出口184と内側ケーシング区画90の外面92の間に位置する。空気出口158と同様に、各空気出口184は、組み立てられたノズル16の開口部40のそれぞれの側に位置する垂直に延びるスロットの形態である。空気出口184は、好ましくは、空気出口158と同じ長さを有する。各空気出口184は、0.5から5mmの範囲の幅を有し、この実施例では、空気出口184は、約2から3mmの幅を有する。従って、ファン組立体10から主空気流を放出するための空気出口18は、2つの空気出口158及び2つの空気出口184を含む。
【0072】
図3及び4に移ると、ノズル16は、好ましくは、ノズル16の内部通路の湾曲区画94c、94dから実質的に空気の漏れがないように、外側ケーシング区画88と内側ケーシング区画90の間にシールを形成するために2つの湾曲密封部材186、188を含む。各密封部材186、188は、内部通路の湾曲区画94c、94d内に位置する2つのフランジ190、192間に挟まれる。フランジ190は、内側ケーシング区画90上に装着されて好ましくはこれと一体であるのに対して、フランジ192は、外側ケーシング区画88上に装着されて好ましくはこれと一体である。空気流が内部通路の上部湾曲区画94cから漏れるのを防止するのに代えて、ノズル16は、空気流がこの湾曲区画94cに入るのを防止するように配置することができる。例えば、内部通路の直線区画94a、94bの上端は、シャーシ128によって又は組み立て中に内側及び外側ケーシング区画88、90間に導入された挿入部分によって遮断することができる。
【0073】
ファン組立体10を作動させるために、ユーザは、ユーザインタフェース回路33のセンサによって受け取られる信号を伝達するためにユーザインタフェースのボタン24を押圧するか又はリモコン装置35の対応するボタンを押圧する。ユーザインタフェース制御回路33は、主制御回路52がモータ68を作動させて羽根車64を回転させるのに応答して、この作動を主制御回路52に伝える。羽根車64の回転は、主空気流が空気入口14を通して本体12に吸い込まれるようにする。ユーザは、ユーザインタフェースのボタン26又はリモコン装置35の対応するボタンを押圧することによって、モータ68の速度、及び従って空気が空気入口14を通して本体12に吸い込まれる速度を制御することができる。モータ68の速度に応じて、羽根車64によって発生する主空気流は、1秒間当たり10から30リットルとすることができる。主空気流は、羽根車ハウジング76及び本体区画22の開放上端を順次通過し、ノズル16の内部通路の下部湾曲区画94dに入る。本体12の出口23における主空気流の圧力は、少なくとも150Paとすることができ、好ましくは、250Paから1.5kPaの範囲である。
【0074】
ユーザは、主空気流がファン組立体10から放出される前に主空気流の第1の部分の温度を上昇させるために、ノズル16内に位置するヒーター組立体104を任意的に作動させ、それによってファン組立体10によって放出された主空気流の温度、及びファン組立体10が位置する部屋又は他の環境における周囲空気の温度の両方を上昇させる。この実施例では、ヒーター組立体104は、同時に作動かつ停止されるが、代替的に、ヒーター組立体104は、個別に作動して停止することができる。ヒーター組立体104を作動させるために、ユーザは、ユーザインタフェースのボタン30を押圧し、又はリモコン装置35の対応するボタンを押圧し、ユーザインタフェース回路33のセンサによって受け取られる信号を伝達する。ユーザインタフェース制御回路33は、主制御回路52が、ヒーター組立体104を作動させるようにヒーター制御回路124に指令を送るのに応答して、この作動を主制御回路52に伝える。ユーザは、ユーザインタフェースのボタン28又はリモコン装置35の対応するボタンを押圧することによって望ましい室温又は温度設定を設定することができる。ユーザインタフェース回路33は、ボタン28又はリモコン装置35の対応するボタンの作動に応答してディスプレイ34によって表示された温度を変更するように配置される。この実施例では、ディスプレイ34は、望ましい室温に対応する、ユーザによって選択された設定温度を表示するように配置される。代替的に、ディスプレイ34は、ユーザによって選択された多数の異なる温度設定のうちの1つを表示するように配置することができる。
【0075】
ノズル16の内部通路の下部湾曲区画94d内で、主空気流は、ノズル16の開口部40周囲を反対方向に通過する2つの空気の流れに分かれる。空気の流れの一方は、開口部40の一方の側に位置する内部通路の直線区画94aに入るのに対して、他方の空気の流れは、開口部40の他方の側に位置する内部通路の直線区画94bに入る。空気の流れが直線区画94a、94bを通過すると、空気の流れは、ノズル16の空気出口18に向かって約90°回転する。直線区画94a、94bの長さに沿って空気の流れを均等に空気出口18に差し向けるために、ノズル16は、直線区画94a、94b内に位置し、各々が空気の流れの一部を空気出口18に差し向ける複数の静止ガイドベーン含むことができる。ガイドベーンは、好ましくは、内側ケーシング区画90の内面98と一体である。ガイドベーンは、好ましくは、空気流が空気出口18に誘導される時に空気流の速度の大きな損失がないように湾曲している。各直線区画94a、94bの内部で、ガイドベーンは、好ましくは、ガイドベーン間に複数の通路を形成するために実質的に垂直に整列し、均等に離間し、かつこれを通して空気は、比較的均等に空気出口18に誘導される。
【0076】
空気の流れが空気出口18の方向に流れると、主空気流の第1の部分は、シャーシ128の壁132、134間に位置する第1の空気流チャンネル136に入る。主空気流を内部通路内で2つの空気の流れに分けることにより、各第1の空気流チャンネル136は、それぞれの空気の流れの第1の部分を受け取ると考えることができる。主空気流の各第1の部分は、それぞれの加熱組立体104を通過する。作動した加熱組立体によって発生する熱は、主空気流の第1の部分の温度を上昇させるように主空気流の第1の部分へ対流によって伝達される。
【0077】
主空気流の第2の部分は、主空気流のこの第2の部分が、内側ケーシング区画90とヒーターハウジング130の内壁の間に位置する第2の空気流チャンネル156に入るように、ヒーターハウジング130の内壁134の前端146によって第1の空気流チャンネル136から離れる方向にそらされる。ここでもまた、主空気流を内部通路内で2つの空気の流れに分けることにより、各第2の空気流チャンネル156は、それぞれの空気の流れの第2の部分を受け取ると考えることができる。主空気流の各第2の部分は、内側ケーシング区画90の内面92に沿って通過し、それによって比較的高温の空気流と内側ケーシング区画90の間の熱障壁として作用する。第2の空気流チャンネル156は、空気流が、ファン組立体10の前方の方向に空気出口158を通して及び開口部40を通して放出されるように、内側ケーシング区画90の後壁150の周囲に延びるように配置され、それによって空気流の第2の部分の流れ方向を逆にする。空気出口158は、主空気流の第2の部分をノズル16の内側ケーシング区画90の外面92の上に誘導するように配置される。
【0078】
主空気流の第3の部分も、第1の空気流チャンネル136から離れる方向にそらされる。主空気流のこの第3の部分は、主空気流の第3の部分が外側ケーシング区画88とヒーターハウジング130の外壁132の間に位置する第3の空気流チャンネル176に入るように、ヒーターハウジング130の外壁132の前端170の側を流れる。ここでもまた、主空気流を内部通路内で2つの空気の流れに分けることにより、各第3の空気流チャンネル176は、それぞれの空気の流れの第3の部分を受け取ると考えることができる。主空気流の各第3の部分は、外側ケーシング区画88の内面96に沿って通過し、それによって比較的高温の主空気流と外側ケーシング区画88の間の熱障壁として作用する。第3の空気流チャンネル176は、主空気流の第3の部分を内部通路内に位置する空気出口178に搬送するように配置される。空気出口178から放出されると、主空気流の第3の部分は、主空気流のその第1の部分と合流する。主空気流のこれらの合流部分は、外側ケーシング区画88の内面96とヒーターハウジングの内壁134の間で空気出口184まで搬送されるので、主空気流のこれらの部分の流れ方向も内部通路内で逆になる。空気出口184は、主空気流の比較的高温の合流した第1及び第3の部分を空気出口158から放出された主空気流の比較的低温の第2の部分の上に差し向けるように配置され、内側ケーシング区画90の外面92と空気出口184から放出された比較的高温の空気との間の熱障壁として作用する。その結果、ノズル16の内面及び外面の大部分は、ファン組立体10から放出された比較的高温の空気から遮蔽される。これは、ノズル16の外面をファン組立体10の使用中に70℃よりも低い温度に維持することを可能にする。
【0079】
空気出口18から放出された主空気流は、ノズル16の「コアンダ」表面42の上を通過し、外部環境からの、特に、空気出口18の周囲の領域から及びノズルの後方の周囲からの空気の同伴によって2次空気流を発生させる。この2次空気流は、ノズル16の開口部40を通過し、ここで、2次空気流は主空気流と組み合わさって、空気出口18から放出された主空気流よりも低い温度であるが、外部環境から同伴した空気よりも高い温度を有し、ファン組立体10から前方に放出される空気流全体を生成する。その結果、暖かい空気の流れが、ファン組立体10から放出される。
【0080】
外部環境の空気の温度が上昇すると、空気入口14を通してファン組立体10に吸い込まれた主空気流の温度も上昇する。この主空気流の温度を示す信号は、サーミスタ126からヒーター制御回路124に出力される。主空気流の温度がユーザによって設定された温度又はユーザの温度設定に関連付けられた温度を約1℃だけ超えた時に、ヒーター制御回路124は、ヒーター組立体104を停止させる。主空気流の温度がユーザによって設定された温度を約1℃下回る温度まで低下した時に、ヒーター制御回路124は、ヒーター組立体104を再作動させる。これは、ファン組立体10が位置する部屋又は他の環境において比較的一定の温度を維持することを可能にする。
【符号の説明】
【0081】
10 ファン組立体
12 本体
14 空気入口
16 ノズル
18 空気出口
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファン組立体に関する。好ましい実施形態では、本発明は、部屋、オフィス、又は他の家庭環境において暖かい空気の流れを作り出すためのファンヒーターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の家庭用ファンは、典型的には、軸線の周りで回転するように装着された1組のブレード又はベーンと、空気流を発生させるようにブレードの組を回転させるための駆動装置とを含む。空気流の移動及び循環は、「風冷」又は微風を作り出し、結果として、ユーザは、熱が対流及び蒸発により消散する時に冷却効果を体験する。
【0003】
そのようなファンは、様々な大きさ及び形状で利用可能である。例えば、天井ファンは、少なくとも直径1mにすることができ、通常、空気の下降流を提供して部屋を冷却するように天井から吊り下げ方式で装着される。他方、デスクファンは、多くの場合、直径約30cmであり、通常、自立形及び携帯式である。床置タワーファンは、一般的に、約1mの高さで且つ空気流を発生させるための1つ又はそれよりも多くの組の回転ブレードを収容する細長い垂直に延びるケーシングを含む。空気流が部屋の広い区域にわたって通過するように、首振り機構を使用してタワーファンからの出口を回転させることができる。
【0004】
ファンヒーターは、一般的に、ユーザが回転ブレードによって発生する空気流を加熱することができるように、回転ブレードの背後又はその前のいずれかに位置する多数の加熱要素を含む。加熱要素は、一般的に、熱放射コイル又はフィンの形態である。ユーザがファンヒーターから放出された空気流の温度を制御することができるように、通常は、可変サーモスタット又は多数の所定の出力電力設定が設けられる。
【0005】
このタイプの配置の欠点は、ファンヒーターの回転ブレードによって生成された空気流が、一般的に均一でない点である。これは、ファンヒーターのブレード面にわたる又は外向き面にわたる変動による。これらの変動の程度は、製品によって異なり、また個々のファンヒーターによっても異なる可能性がある。これらの変動は、一連の空気のパルスとして感じられ、ユーザに対して不快である可能性がある乱流又は「不規則な」空気流の発生をもたらす。空気流の乱流から生じる更なる欠点は、ファンヒーターの加熱効果が、距離と共に急速に減少する可能性があるという点である。
【0006】
家庭環境では、電気器具は、空間の制限によりできるだけ小型でコンパクトであるのが望ましい。電気器具の部品が外向きに突出すること、又はユーザがブレードのような任意の可動部品に触れることができるのは望ましくない。ファンヒーターは、可動ブレード又は高熱放射コイルのいずれかとの接触によるユーザ損傷を防止するために、ケージ又は開口付きケーシング内にブレード及び熱放射コイルを収容する傾向があるが、そのような封入部品は掃除することが困難である可能性がある。その結果、かなりの量のほこり又は他の廃棄物が、ファンヒーターの使用と使用の間にケーシング内及び熱放射コイル上に蓄積する可能性がある。熱放射コイルが作動する時に、コイルの外面の温度は、特に、コイルからの電力出力が比較的高い時に、700℃を超える値まで急速に上昇する可能性がある。その結果、ファンヒーターの使用と使用の間にコイルに積もったほこりの一部は燃焼し、ある期間にわたってファンヒーターから不快な臭いの放出をもたらす。
【0007】
本出願人の現在特許出願中の特許出願PCT/GB2010/050272は、ファンヒーターから空気を放出するのにケージに入れたブレードを使用しないファンヒーターを説明している。その代わりに、ファンヒーターは、主空気流を基部内に引き込むための電動羽根車を収容する基部と、基部に接続され、かつ主空気流がファンから放出される環状口部を含む環状ノズルとを含む。ノズルは、ファン組立体の局所環境における空気が口部から放出された主空気流によって引き込まれる中心開口部を形成し、主空気流を増幅して空気の流れを発生させる。ファンヒーターから空気の流れを放出するブレード付きファンの使用なしに、比較的均一な空気の流れを発生させ、かつ部屋内に又はユーザの方向に案内することができる。一実施形態では、ヒーターがノズル内に位置し、主空気流をそれが口部から放出される前に加熱する。ノズル内にヒーターを収容することにより、ユーザは、ヒーターの高温外面から遮蔽される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】PCT/GB2010/050272
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Reba、「Scientific American」、第214巻,1966年6月、84から92ページ
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の態様では、本発明は、空気流を作り出すための手段と、空気流の第1の部分を加熱するための手段と、空気流の第2の部分を加熱手段から離れる方向にそらせるための手段と、空気流の第1の部分を放出するための少なくとも1つの第1の空気出口および空気流の第2の部分を放出するための少なくとも1つの第2の空気出口を含むケーシングとを含み、少なくとも1つの第2の空気出口は、空気流の第2の部分の少なくとも一部をケーシングの外面の上に差し向けるように構成されるファン組立体を提供する。
【0011】
本発明は、従って、異なる温度で空気を放出するための複数の空気出口を有するファン組立体を提供する。1つ又はそれよりも多くの第1の空気出口は、加熱手段によって加熱された比較的高温の空気を放出するために設けられるのに対して、1つ又はそれよりも多くの第2の空気出口は、加熱手段を迂回した比較的低温の空気を放出するために設けられる。
【0012】
ファン組立体内にこのように存在する異なる空気経路は、ファン組立体から放出された空気流の温度を変えるためにユーザによって選択的に開閉することができる。ファン組立体は、空気流の全てが、第1の空気出口又は第2の空気出口のいずれかを通してファン組立体を離れるように、空気経路の1つを選択的に閉鎖するための弁、シャッター、又は他の手段を含むことができる。例えば、シャッターは、第1の空気出口又は第2の空気出口のいずれかを選択的に閉鎖するように、ケーシングの外面の上で摺動可能又はそうでなければ移動可能にすることができ、それによって空気流が加熱手段を通過又は加熱手段を迂回することのいずれかを強制する。これは、ユーザがケーシングから放出された空気流の温度を迅速に変更することを可能にすることができる。
【0013】
代替的に又は追加的に、ケーシングは、空気流の第1及び第2の部分を同時に放出するように構成することができる。
【0014】
上述のように、少なくとも1つの第2の空気出口は、空気流の第2の部分の少なくとも一部をケーシングの外面の上に差し向けるように構成される。これは、ケーシングのその外面をファン組立体の使用中に低温のままにしておくことができる。ケーシングが複数の第2の空気出口を含む場合には、第2の空気出口は、実質的に、空気流の第2の部分全体をケーシングの少なくとも1つの外面の上に差し向けるように構成されてもよい。第2の空気出口は、空気流の第2の部分をケーシングの共通の外面の上に、又はケーシングの前面又は後面のようなケーシングの複数の外面の上に差し向けるように構成されてもよい。
【0015】
この又は各第1の空気出口は、好ましくは、空気流の比較的低温の第2の部分が空気流の比較的高温の第1の部分とケーシングの外面の間に挟まれるように、空気流の第1の部分を空気流の第2の部分の上に差し向けるように構成され、それによって空気流の比較的高温の第1の部分とケーシングの外面の間に断熱層を設ける。
【0016】
ケーシングは、好ましくは、ケーシングの外側からの空気が空気出口から放出された空気流によって引き込まれる開口部を形成することが好ましい環状ケーシングの形態である。少なくとも1つの第2の空気出口は、空気流を開口部から遠隔のケーシングの外面の上に差し向けるように構成することができる。例えば、ケーシングが環状形状である場合には、第2の空気出口の1つは、その第2の空気出口から放出された空気流のその部分が開口部を通過するように、空気流の一部分をケーシングの内側環状区画の外面の上に差し向けるように構成することができるのに対して、第2の空気出口の別の1つは、空気流の別の部分をケーシングの外側環状区画の外面の上に差し向けるように構成することができる。しかし、第1及び第2の空気出口の全ては、好ましくは、ケーシングの外部の空気の同伴によりケーシングから放出された空気流の増幅を最大にするために開口部を通して空気流を放出するように配置される。
【0017】
第2の態様では、本発明は、空気流を作り出すための手段と、空気流の第1の部分を加熱するための手段と、空気流の第2の部分を加熱手段から離れる方向にそらさせるための手段と、ケーシングから空気流を放出するための複数の空気出口を含むケーシングであって、ケーシングの外側からの空気が空気出口から放出された空気流によって引き込まれる開口部を形成する環状外面を有するケーシングとを含み、複数の空気出口は、開口部を通して空気流の第1の部分を放出するための少なくとも1つの第1の空気出口と、開口部を通して空気流の第2の部分を放出するための少なくとも1つの第2の空気出口とを含み、上述の少なくとも1つの第2の空気出口は、空気流の第2の部分をケーシングの上述の外面の上に差し向けるように構成され、上述の少なくとも1つの第1の空気出口は、空気流の第1の部分を空気流の第2の部分の上に差し向けるように構成されるファン組立体を提供する。
【0018】
第2の空気出口から放出された空気流をケーシングの外面の上に差し向けることに加えて、ケーシングは、空気流の第2の部分をケーシングの内面の少なくとも1つの上に又はこれに沿って搬送し、その表面をファン組立体の使用中に比較的低温のままにしておくように構成することができる。代替的に、そらせ手段は、空気流の第2の部分及び第3の部分の両方を加熱手段から離れる方向にそらせるように構成することができ、また内部通路は、空気流の第2の部分をケーシングの第1の内面、例えば、ケーシングの内側環状区画の内面に沿って搬送し、空気流の第3の部分をケーシングの第2の内面、例えば、ケーシングの外側環状区画の内面に沿って搬送するように構成することができる。
【0019】
この場合には、空気流の第1の部分の温度に応じて、個別に空気流の第1の部分から空気流の第2及び第3の部分の両方を排出する必要なく、ケーシングの外面の十分な冷却をもたらすことができることを見出すことができる。例えば、空気流の第1及び第3の部分は、加熱手段の下流で再結合することができるのに対して、空気流の第2の部分は、内側環状ケーシングの外面の上に差し向けられることができる。
【0020】
そらせ手段は、空気流の第2の部分を加熱手段から離れる方向にそらせるために少なくとも1つのバッフル、壁、又は他の表面を含むことができるそらせ手段は、ケーシング区画の1つと一体であるか又はこれに接続することができる。そらせ手段は、加熱手段を保持するためのシャーシの一部を都合よく形成し、又はシャーシに接続することができる。そらせ手段が空気流の第2の部分及び空気流の第3の部分の両方を加熱手段から離れる方向にそらせるように構成される場合には、そらせ手段は、シャーシの2つの相互に離間した部品を含むことができる。
【0021】
好ましくは、ケーシングは、空気流の第1の部分を第1の空気出口に搬送するための第1のチャンネル手段と、空気流の第2の部分を第2の空気出口に搬送するための第2のチャンネル手段と、第2のチャンネル手段から第1のチャンネル手段を分離するための手段と、を含む。分離手段は、空気流の第2の部分を加熱手段から離れる方向にそらせるためのそらせ手段と一体とすることができ、従って、加熱手段を保持するためのシャーシの少なくとも1つの側壁を含むことができる。これは、ファン組立体の個別の構成要素の数を低減することができる。ケーシングはまた、空気流の第3の部分を加熱手段から離れる方向にかつ好ましくはケーシングの内面に沿って搬送するための第3のチャンネル手段を含むことができる。第2のチャンネル手段も、空気流の第2の部分をケーシングの内面に沿って搬送するように構成することができる。
【0022】
シャーシは、その間に加熱組立体を保持するように構成された第1及び第2の側壁を含むことができる。第1及び第2の側壁は、これらの間に、空気流の第1の部分をケーシングの第1の空気出口に搬送するための第1のチャンネルを形成することができ、第1のチャンネルは、加熱手段を含む。第1の側壁及びケーシングの第1の内面は、空気流の第2の部分を第1の内面に沿ってケーシングの第2の空気出口に搬送するための第2のチャンネルを形成することができる。第2の側壁及びケーシングの第2の内面は、空気流の第3の部分を第2の内面に沿って搬送するための第3のチャンネルを任意的に形成することができる。この第3のチャンネルは、第1又は第2のチャンネルと合流することができ、又は第3のチャンネルは、空気流の第3の部分をケーシングの空気出口に搬送することができる。
【0023】
上述のように、ケーシングは、空気流を受け取るためにそれらの間に内部通路を形成する内側環状ケーシング区画及び外側環状ケーシング区画を含むことができ、分離手段は、ケーシング区画の間に位置することができる。各ケーシング区画は、好ましくは、それぞれの環状部材から形成されるが、各ケーシング区画は、そのケーシング区画を形成するために互いに接続された又はそうでなければ組み立てられた複数の部材によって設けることができる。内側ケーシング区画及び外側ケーシング区画は、ケーシングの外面がファン組立体の使用中に過度に熱くなるのを防止するために、比較的低い熱伝導率(1Wm-1K-1未満)を有するプラスチック材料又は他の材料から形成することができる。
【0024】
分離手段はまた、部分的に、ケーシングの第1の空気出口及び/又は第2の空気出口を形成することができる。例えば、第1の空気出口は、外側ケーシング区画の内面と分離手段の間に位置することができる。代替的に又は追加的に、少なくとも1つの第2の空気出口は、内側ケーシング区画の外面と分離手段の間に位置することができる。分離手段が、第2のチャンネルから第1のチャンネルを分離するための壁を含む場合には、第1の空気出口は、外側ケーシング区画の内面と壁の第1の側面の間に位置することができ、第2の空気出口は、内側ケーシング区画の外面と壁の第2の側面の間に位置することができる。
【0025】
分離手段は、内側ケーシング区画及び外側ケーシング区画の少なくとも一方と係合するための複数のスペーサを含むことができる。これは、第2のチャンネル手段及び第3のチャンネル手段の少なくとも1つの幅を、スペーサと上述の内側ケーシング区画及び外側ケーシング区画の少なくとも一方との間の係合により、その長さに沿って制御することを可能にする。
【0026】
空気が空気出口から放出される方向は、好ましくは、空気流が内部通路の少なくとも一部を通過する方向に対して実質的に直角である。好ましくは、空気流は、実質的に垂直方向に内部通路の少なくとも一部を通過し、空気は、実質的に水平方向に空気出口から放出される。内部通路は、好ましくは、ケーシングの前方の方向に位置するのに対して、空気出口は、好ましくは、ケーシングの後方の方向に位置し、空気をケーシングの前方の方向に及び開口部を通して差し向けるように構成される。その結果、第1及び第2のチャンネル手段の各々は、空気流のそれぞれの部分の流れ方向を実質的に逆にするように成形することができる。
【0027】
内部通路は、好ましくは、環状であり、好ましくは、空気流を開口部の周囲の反対方向に流れる2つの空気の流れに分けるように成形される。この場合には、加熱手段は、好ましくは、各空気の流れの第1の部分を加熱するように構成され、そらせ手段は、各空気の流れの第2の部分を加熱手段から離れる方向にそらせるように構成される。空気の流れのこれらの第1の部分は、ケーシングの共通の第1の空気出口から放出することができる。例えば、単一の第1の空気出口は、ケーシングの開口部の周りに延びることができる。代替的に、空気の流れの各第1の部分は、ケーシングのそれぞれの第1の空気出口から放出することができ、一緒に空気流の第1の部分を形成する。これらの第1の空気出口は、開口部の両側に位置することができる。
【0028】
同様に、2つの空気の流れの第2の部分は、ケーシングの共通の第2の空気出口から放出することができる。ここでも、この単一の第2の空気出口は、ケーシングの開口部の周りに延びることができる。代替的に、各空気の流れの第2の部分は、ケーシングのそれぞれの第2の空気出口から放出することができ、一緒に空気流の第2の部分を形成する。また、これらの第2の空気出口は、開口部の両側に位置することができる。
【0029】
加熱手段の少なくとも一部は、ケーシング内に配置することができる。加熱手段は、開口部の周りに延びることができる。ケーシングが円形開口部を形成する場合には、加熱手段は、好ましくは、開口部の周りで少なくとも270°、より好ましくは、開口部の周りで少なくとも300°延びる。ケーシングが細長開口部、すなわち、ケーシングの幅よりも大きな高さを有する開口部を形成する場合には、加熱手段は、好ましくは、開口部の少なくとも両側に位置する。
【0030】
加熱手段は、内部通路内に位置する少なくとも1つのセラミックヒーターを含むことができる。セラミックヒーターは、空気流の第1の部分が第1の空気出口から放出される前に加熱手段の孔隙を通過するように多孔質とすることができる。ヒーターは、作動すると急速に空気流を加熱することができるPTC(正温度係数)セラミック材料から形成することができる。
【0031】
セラミック材料は、加熱手段を作動させるためにファン組立体内のコントローラへの加熱手段の接続を容易にするために金属又は他の導電材料で少なくとも部分的に被覆することができる。代替的に、少なくとも1つの無孔、好ましくはセラミックのヒーターを内部通路内に位置する金属フレーム内に装着することができ、これは、ファン組立体のコントローラに接続可能である。金属フレームは、好ましくは、より大きな表面積及び従って空気流に対してより多くの熱伝達を提供するように複数のフィンを含むが、加熱手段に対して電気接続の手段も提供する。
【0032】
加熱手段は、好ましくは、少なくとも1つのヒーター組立体を含む。空気流が2つの空気の流れに分かれる場合には、加熱手段は、好ましくは、それぞれの空気の流れの第1の部分を各々加熱するための複数のヒーター組立体を含み、そらせ手段は、好ましくは、それぞれの空気の流れの第2の部分をヒーター組立体から離れる方向に各々そらせるために複数の壁を含む。
【0033】
各空気出口は、好ましくは、スロットの形態であり、これは、好ましくは、0.5から5mmの範囲の幅を有する。第1の空気出口の幅は、好ましくは、第2の空気出口の幅とは異なる。好ましい実施形態では、第1の空気出口の幅は、主空気流の大部分が加熱手段を通過するように第2の空気出口の幅よりも大きい。
【0034】
空気出口がそこから放出される空気流を差し向けるように構成されるケーシングの外面は、好ましくは、曲面であり、より好ましくは、「コアンダ」表面である。好ましくは、ケーシングの内側ケーシング区画の外面は、「コアンダ」表面を形成するように成形される。「コアンダ」表面は、表面に近い出口オリフィスを出た流体流れが「コアンダ」効果を示す公知のタイプの表面である。流体は、表面に殆ど「粘着して」又は「密着して」密接に表面の上を流れる傾向がある。「コアンダ」効果は、主空気流が「コアンダ」表面の上に誘導される既に証明済みの十分に立証された同伴の方法である。「コアンダ」表面の特徴の説明及び「コアンダ」表面の上の流体流れの効果は、Reba、「Scientific American」、第214巻,1966年6月の84から92ページのような論文に見出すことができる。「コアンダ」表面の使用を通して、ファン組立体の外側からの増加した量の空気が、空気出口から放出された空気によって開口部を通して引き込まれる。
【0035】
好ましい実施形態では、空気流は、ファン組立体のケーシングを通して作り出される。以下の説明では、この空気流は、以下では主空気流と呼ぶ。主空気流は、ケーシングの空気出口から放出され、好ましくは、「コアンダ」表面の上を通過する。主空気流は、ケーシングを取り囲む空気を同伴し、これは、主空気流及び同伴空気の両方をユーザに供給する空気増幅器として作用する。同伴空気は、本明細書では、以下に2次空気流と呼ぶ。2次空気流は、ケーシングの口部を取り囲む部屋の空間、領域、又は外部環境から及び置き換えによってファン組立体の周囲の他の領域から引き込まれ、ケーシングによって形成された開口部を主に通過する。同伴2次空気流と組み合わされた「コアンダ」表面の上に差し向けられた主空気流は、ケーシングによって形成された開口部から前方に放出又は発射される総空気流に等しい。
【0036】
好ましくは、ケーシングは、「コアンダ」表面の下流に位置するディフューザ表面を含む。ディフューザ表面は、滑らかな均等出力を維持しながら、放出される空気流をユーザの位置に差し向ける。好ましくは、ケーシングの内側ケーシング区画の外面は、ディフューザ表面を形成するように成形される。外面は、好ましくは、ディフューザ表面の下流に位置するとともにディフューザ表面に対して内向きに傾斜したガイド部分を含む。ガイド部分は、円筒形とすることができ、又はガイド部分は、外面が延びる軸に対して内向き又は外向きにテーパ付きにすることができる。外向きにテーパ付きの表面は、このガイド部分の下流に設けることができる。
【0037】
ファン組立体はまた、好ましくは、空気流を作り出すための上述の手段を収容する基部を含み、ケーシングは、基部に接続される。基部は、好ましくは、ほぼ円筒形の形状であり、空気流がファン組立体に入る複数の空気入口を含む。
【0038】
ケーシングを通して空気流を作り出すための手段は、好ましくは、モータによって駆動する羽根車を含む。これは、効率的に空気流を発生するファン組立体を提供することができる。空気流を作り出すための手段は、好ましくは、DCブラシレスモータを含む。これは、従来のブラシモータで使用するブラシから摩擦損失及び炭素デブリを回避することができる。炭素デブリ及び放出物の減少は、病院又はアレルギーを有する人の周囲のような清潔な又は汚染物質に敏感な環境において有利である。一般的に、ブレード付きファンで使用される誘導モータもブラシがないが、DCブラシレスモータは、誘導モータよりも広い範囲の作動速度を提供することができる。
【0039】
加熱手段は、好ましくは、ケーシング内に位置する。そらせ手段も、ケーシング内に位置することができる。しかし、加熱手段は、ケーシング内に位置する必要があるわけではない。例えば、加熱手段及びそらせ手段の両方は、基部内に位置することができ、ケーシングは、基部から空気流の比較的高温の第1の部分及び空気流の比較的低温の第2の部分を受け取るように、かつ空気流の第1の部分を第1の空気出口に及び空気流の第2の部分を第2の空気出口に搬送するように構成される。ケーシングは、第1のチャンネル手段及び第2のチャンネル手段を形成するために内壁又はバッフルを含むことができる。
【0040】
代替的に、加熱手段は、ケーシング内に位置することができるが、そらせ手段は、基部内に位置することができる。この場合には、第1のチャンネル手段は、空気流の第1の部分を基部から少なくとも1つの第1の空気出口に搬送し、また空気流の第1の部分を加熱するための加熱手段を収容するように構成することができ、一方、第2のチャンネル手段は、単に空気流の第2の部分を基部から少なくとも1つの第2の空気出口に搬送するように構成することができる。
【0041】
ファン組立体は、好ましくは、携帯式ファンヒーターの形態である。
【0042】
本発明の第1の態様に関連して上述した特徴は、本発明の第2の態様にも等しく適用可能であり、逆も同じである。
【0043】
ここで、本発明の実施形態を添付の図面を参照して単に一例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】ファン組立体の上から見た正面斜視図である。
【図2】ファン組立体の正面図である。
【図3】図2の線B−Bに沿った断面図である。
【図4】ファン組立体のノズルの分解組立図である。
【図5】ノズルのヒーターシャーシの正面斜視図である。
【図6】ノズルの内側ケーシング区画に接続されたヒーターシャーシの下から見た正面斜視図である。
【図7】図6に示す領域Xの拡大図である。
【図8】図1に示す領域Yの拡大図である。
【図9】図2の線A−Aに沿った断面図である。
【図10】図9に示す領域Zの拡大図である。
【図11】図9の線C−Cに沿ったノズルの断面図である。
【図12】ファン組立体の制御システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図1及び2は、ファン組立体10の外観図である。ファン組立体10は、携帯式ファンヒーターの形態である。ファン組立体10は、主空気流がファン組立体10に入る空気入口14を含む本体12と、本体12上に装着された環状ケーシングの形態のノズル16とを含み、ノズルは、ファン組立体10から主空気流を放出するための少なくとも1つの空気出口18を含む。
【0046】
本体12は、実質的に円筒形の下部本体区画22上に装着された実質的に円筒形の主本体区画20を含む。主本体区画20及び下部本体区画22は、好ましくは、上部本体区画20の外面が下部本体区画22の外面と実質的に同一平面にあるように、実質的に同じ外径を有する。この実施形態では、本体12は、100から300mmの範囲の高さ及び100から200mmの範囲の直径を有する。
【0047】
主本体区画20は、主空気流がファン組立体10に入る空気入口14を含む。この実施形態では、空気入口14は、主本体区画20に形成された開口のアレイを含む。代替的に、空気入口14は、主本体区画20に形成された窓内に装着された1つ又はそれよりも多くのグリル又はメッシュを含むことができる。主本体区画20は、その上端で(図示のように)開放され、主空気流が本体12から排出される空気出口23を提供する。
【0048】
主本体区画20は、主空気流がファン組立体10から放出される方向を調節するために下部本体区画22に対して傾くことができる。例えば、下部本体区画22の上面及び主本体区画20の下面には、主本体区画20が下部本体区画22から持ち上げられるのを防止しながら、主本体区画20が下部本体区画22に対して移動することを可能にする、相互接続構造を設けることができる。例えば、下部本体区画22及び主本体区画20は、連結L字形部材を含むことができる。
【0049】
下部本体区画22は、ファン組立体10のユーザインタフェースを含む。同様に図12を参照すると、ユーザインタフェースは、ユーザがファン組立体10の様々な機能を制御することを可能にするための複数のユーザ操作可能ボタン24、26、28、30と、ユーザに例えばファン組立体10の温度設定を視覚表示するためにボタン間に位置するディスプレイ32と、ボタン24、26、28、30及びディスプレイ32に接続されたユーザインタフェース制御回路33と、を含む。下部本体区画22はまた、リモコン装置35(図12に概略的に示す)からの信号がファン組立体10に入る窓34を含む。下部本体区画22は、ファン組立体10が位置する表面と係合するために基部36上に装着される。基部36は、好ましくは、200から300mmの範囲の直径を有する任意的なベースプレート38を含む。
【0050】
ノズル16は、開口部40を形成するために中心軸Xの周りに延びる環状形状を有する。ファン組立体10から主空気流を放出するための空気出口18は、ノズル16の後方の方向に位置し、主空気流を開口部40を通してノズル16の前方に差し向けるように配置される。この実施例では、ノズル16は、その幅よりも大きな高さを有する細長開口部40を形成し、空気出口18は、開口部40の対向する細長側上に位置する。この実施例では、開口部40の最大高さは、300から400mmの範囲であるのに対して、開口部40の最大幅は、100から200mmの範囲にある
【0051】
ノズル16の内側環状周囲は、空気出口18に隣接して位置し、空気出口18の少なくとも一部がファン組立体10から放出された空気をその上に差し向ける「コアンダ」表面42と、「コアンダ」表面42の下流に位置するディフューザ表面44と、ディフューザ表面44の下流に位置するガイド表面46と、を含む。ディフューザ表面44は、開口部38の中心軸Xから離れてテーパ付きになるように配置される。ディフューザ表面44と開口部40の中心軸Xとの間で規定される角度は、5から25°の範囲にあり、この実施例では約7°である。ガイド表面46は、好ましくは、開口部38の中心軸Xに対して実質的に平行に配置され、口部40から放出された空気流に対して実質的に平坦な及び実質的に滑らかな面を呈する。視覚的に魅力的なテーパ付き面48は、ガイド表面46の下流に位置し、開口部40の中心軸Xに対して実質的に垂直に位置する先端面50で終端する。テーパ付き面48と開口部40の中心軸Xとの間で規定された角度は、好ましくは、約45°である。
【0052】
図3は、本体12を通る断面図である。下部本体区画22は、ユーザインタフェース制御回路33に接続された全体を符号52で示す主制御回路を収容する。ユーザインタフェース制御回路33は、リモコン装置35から信号を受け取るためのセンサ54を含む。センサ54は、窓34の背後に位置する。ボタン24、26、28、30及びリモコン装置35の作動に応答して、ユーザインタフェース制御回路33は、適切な信号を主制御回路52に伝達してファン組立体10の様々な作動を制御するように構成される。ディスプレイ32は、下部本体区画22内に位置し、下部本体区画22の一部を照らすように構成される。下部本体区画22は、好ましくは、ディスプレイ32をユーザが見ることを可能にする透光性を有するプラスチック材料から形成される。
【0053】
下部本体区画22はまた、基部36に対して下部本体区画22を首振りするための全体を符号56で示す機構を収容する。首振り機構56の作動は、リモコン装置35から適切な制御信号を受け取ると主制御回路52によって制御される。基部36に対する下部本体区画22の各首振り周期の範囲は、好ましくは、60°から120°及びこの実施形態では約80°である。この実施形態では、首振り機構56は、1分間当たり約3から5の首振り周期を実施するように構成される。電力をファン組立体10に供給するための電源ケーブル58は、基部36に形成された開口を貫通して延びる。ケーブル58は、プラグ60に接続される。
【0054】
主本体区画20は、主空気流を空気入口14を通して本体12に吸い込むための羽根車64を収容する。好ましくは、羽根車64は、斜流羽根車の形態である。羽根車64は、モータ68から外向きに延びる回転シャフト66に接続される。この実施形態では、モータ68は、ボタン26のユーザ操作及び/又はリモコン装置35から受け取った信号に応答して主制御回路52により可変である速度を有するDCブラシレスモータである。モータ68の最大速度は、好ましくは、5,000から10,000rpmの範囲にある。モータ68は、下部部分72に接続された上部部分70を含むモータバケット内に収容される。モータバケットの上部部分70は、螺旋ブレードを有する静止デスクの形態のディフューザ74を含む。
【0055】
モータバケットは、ほぼ円錐台状の羽根車ハウジング76内に位置してこの上に装着される。羽根車ハウジング76は、次に、基部12の主本体区画20内に位置してこれに接続された複数の角度的に離間した支持体77、この実施例では3つの支持体上に装着される。羽根車64及び羽根車ハウジング76は、羽根車64が羽根車ハウジング76の内面に近接するがこれに接触しないように成形される。実質的に環状入口部材78は、主空気流を羽根車ハウジング76に案内するために羽根車ハウジング76の底部に接続される。
【0056】
可撓性密封部材80が、羽根車ハウジング76上に装着される。可撓性密封部材は、空気が羽根車ハウジングの外面の周囲で入口部材78に通過するのを防止する。密封部材80は、好ましくは、ゴムから形成された環状リップシールを含むことが好ましい。密封部材80は、電気ケーブル82をモータ68に案内するためにグロメットの形態のガイド部分を更に含む。電気ケーブル82は、主本体区画20及び本体12の下部本体区画22に、並びに羽根車ハウジング76及びモータバケットに形成された開口を通して主制御回路52からモータ68に通される。
【0057】
好ましくは、本体12は、本体12からのノイズ放出を低減するための消音発泡体を含む。この実施形態では、本体12の主本体区画20は、空気入口14の下に位置する第1の環状発泡部材84と、モータバケット内に位置する第2の環状発泡部材86とを含む。
【0058】
ノズル16をここで図4から11を参照してより詳細に説明する。最初に図4を参照すると、ノズル16は、環状内側ケーシング区画90に接続されてこの周りに延びる環状外側ケーシング区画88を含む。これらの区画の各々は、複数の接続部品から形成することができるが、この実施形態では、ケーシング区画88、90の各々は、それぞれの単一の成形部品から形成される。内側ケーシング区画90は、ノズル16の中心開口部40を形成し、「コアンダ」表面42、ディフューザ表面44、ガイド表面46、及びテーパ付き面48を形成するように成形された外面92を有する。
【0059】
外側ケーシング区画88及び内側ケーシング区画90は、ノズル16の環状内部通路を一緒に形成する。図9から11に示すように、内部通路は、開口部40の周りに延び、従って、開口部40のそれぞれの細長側面に各々隣接する比較的直線の区画94a、94bと、直線区画94a、94bの上端を接合する上部湾曲区画94cと、直線区画94a、94bの下端を接合する下部湾曲区画94dと、を含む。内部通路は、外側ケーシング区画88の内面96及び内側ケーシング区画90の内面98によって境界付けられる。
【0060】
同様に図1から3に示すように、外側ケーシング区画88は、基部12の主本体区画20の開放上端に又はこの上を覆って接続された基部100を含む。外側ケーシング区画88の基部100は、主空気流が、基部12の空気出口23から内部通路の下部湾曲区画94dに入る空気入口102を含む。下部湾曲区画94d内で、主空気流は、各々が内部通路の直線区画94a、94bのそれぞれの1つに流れ込む2つの空気の流れに分かれる。
【0061】
ノズル16はまた、1対のヒーター組立体104を含む。各ヒーター組立体104は、並列して配置された1列のヒーター要素106を含む。ヒーター要素106は、好ましくは、正温度係数(PTC)セラミック材料から形成される。ヒーター要素の列は、2つの熱放射構成要素108の間に挟まれ、その各々は、フレーム112内に位置する熱放射フィン110のアレイを含む。
【0062】
熱放射構成要素108は、好ましくは、高熱伝導率(約200から400W/mK)を有するアルミニウム又は他の材料から形成され、シリコーン接着剤のビードを使用して又は留め機構によってヒーター要素106の列に取り付けることができる。ヒーター要素106の側面は、好ましくは、ヒーター要素106と熱放射構成要素108の間に電気接点を設けるように金属フィルムで少なくとも部分的に覆われる。このフィルムは、スクリーン印刷又はスパッタアルミニウムから構成することができる。図3及び4に移ると、ヒーター組立体104の両端に位置する電気端子114、116は、それぞれの熱放射構成要素108に各々接続される。各端子114は、電力をヒーター組立体104に供給するためのルーム(loom)の上部部品118に接続されるのに対して、各端子116は、ルームの下部部品120に接続される。ルームは、次に、ワイヤ124によって基部12の主本体区画20に位置するヒーター制御回路122に接続される。ヒーター制御回路122は、次に、ボタン28、30のユーザ操作及び/又はリモコン装置35の使用に応答して主制御回路52によってヒーター制御回路122に供給された制御信号によって制御される。
【0063】
図12は、制御回路33、52、122、ボタン24、26、28、30、及びリモコン装置35を含むファン組立体10の制御システムを概略的に示している。制御回路33、52、122のうちの2つ又はそれよりも多くは、単一の制御回路を形成するために組み合わせることができる。ファン組立体10に入る主空気流の温度を表示するためのサーミスタ126は、ヒーターコントローラ122に接続される。サーミスタ126は、図3に示すように空気入口14のすぐ背後に位置することができる。主制御回路52は、制御信号をユーザインタフェース制御回路33、首振り機構56、モータ68、及びヒーター制御回路124に供給するのに対して、ヒーター制御回路124は、制御信号をヒーター組立体104に供給する。ヒーター制御回路124はまた、サーミスタ126によって検出された温度を表示する信号を主制御回路52に提供し、この信号に応答して、主制御回路52は、例えば、主空気流の温度がユーザ選択温度であるか又はこれを超える場合にディスプレイ32を変えるべきことを示す制御信号をユーザインタフェース制御回路33に出力することができる。ヒーター組立体104は、共通制御信号によって同時に制御することができ、又はこれらは、それぞれの制御信号によって制御することができる。
【0064】
ヒーター組立体104は、シャーシ128によって内部通路のそれぞれの直線区画94a、94b内に各々保持される。シャーシ128は、図5により詳細に示されている。シャーシ128は、ほぼ環状構造を有する。シャーシ128は、ヒーター組立体104が挿入される1対のヒーターハウジング130を含む。各ヒーターハウジング130は、外壁132及び内壁134を含む。内壁134は、ヒーターハウジング130がその前及び後端において開放するように、ヒーターハウジング130の上及び下端138、140にある外壁132に接続される。壁132、134は、従って、ヒーターハウジング130内に位置するヒーター組立体104を通過する第1の空気流チャンネル136を形成する。
【0065】
ヒーターハウジング130は、シャーシ128の上部及び下部湾曲区画142、144によって互いに接続される。各湾曲区画142、144はまた、内向きに湾曲したほぼU字形断面を有する。シャーシ128の湾曲区画142、144は、ヒーターハウジング130の内壁134に接続され、好ましくは、これと一体である。ヒーターハウジング130の内壁134は、前端146及び後端148を有する。図6から9を参照すると、各内壁134の後端148はまた、内壁134の後端148が、シャーシ128の湾曲区画142、144と実質的に連続的であるように、隣接する外壁132から離れる方向に内向きに湾曲する。
【0066】
ノズル16の組み立て中に、シャーシ128は、シャーシ128の湾曲区画142、144及びヒーターハウジング130の内壁134の後端148が、内側ケーシング区画90の後端150に包み込まれるように、内側ケーシング区画90の後端の上に押し込まれる。内側ケーシング区画90の内面98は、内側ケーシング区画90の内面98から内壁134を離間するようにヒーターハウジング130の内壁134と係合する第1の組の隆起スペーサ152を含む。内壁134の後端148はまた、内側ケーシング区画90の外面92から内壁134の後端を離間するように内側ケーシング区画90の外面92と係合する第2の組のスペーサ154を含む。
【0067】
シャーシ128のヒーターハウジング130の内壁134と内側ケーシング区画90とは、従って、2つの第2の空気流チャンネル156を形成する。第2の流れチャンネル156の各々は、内側ケーシング区画90の内面98に沿って及び内側ケーシング区画90の後端150の周囲に延びる。各第2の流れチャンネル156は、ヒーターハウジング130の内壁134によってそれぞれの第1の流れチャンネル136から分離される。各第2の流れチャンネル156は、内側ケーシング区画90の外面92と内壁134の後端148の間に位置する空気出口158で終端する。各空気出口158は、従って、組み立てられたノズル16の開口部40のそれぞれの側に位置する垂直に延びるスロットの形態である。各空気出口158は、好ましくは、0.5から5mmの範囲の幅を有し、この実施例では、空気出口158は、約1mmの幅を有する。
【0068】
シャーシ128は、内側ケーシング区画90の内面98に接続される。図5から7を参照すると、ヒーターハウジング130の内壁134の各々は、1対の開口160を含み、各開口160は、内壁134の上及び下端のそれぞれの1つに又はこの方向に位置する。シャーシ128が内側ケーシング区画90の後端の上に押し込まれると、ヒーターハウジング130の内壁134は、その後開口160を通して突出する内側ケーシング区画90の内面98上に装着されて好ましくはこれと一体の弾性キャッチ162の上をスライドする。次に、内側ケーシング区画90に対するシャーシ128の位置は、内壁134がキャッチ162によって把持されるように調節することができる。内側ケーシング区画90の内面98上に装着されて好ましくは同じくこれと一体の停止部材164も、内側ケーシング区画90上にシャーシ128を保持するように機能することができる。
【0069】
内側ケーシング区画90に接続されたシャーシ128により、ヒーター組立体104は、シャーシ128のヒーターハウジング130及びヒーター組立体104に接続されたルーム内に挿入される。勿論、ヒーター組立体104は、内側ケーシング区画90へのシャーシ128の接続前にシャーシ128のヒーターハウジング130に挿入してもよい。ノズル16の内側ケーシング区画90は、次に、図9に示すように、外側ケーシング区画88の前端166が内側ケーシング区画90の前方に位置するスロット168に入るように、ノズル16の外側ケーシング区画88に挿入される。外側及び内側ケーシング区画88、90は、スロット168に導入された接着剤を使用して互いに接続することができる。
【0070】
外側ケーシング区画88は、外側ケーシング区画88の内面96の一部がシャーシ128のヒーターハウジング130の外壁132の周囲に延びて実質的にこれと平行であるように成形される。ヒーターハウジング130の外壁132は、前端170及び後端172、並びに外壁132の外側面上に位置する1組のリブ174を有し、これらは、外壁132の端部170、172間に延びる。リブ174は、外側ケーシング区画88の内面96と係合し、外側ケーシング区画88の内面96から外壁132を離間するように構成される。シャーシ128のヒーターハウジング130の外壁132及び外側ケーシング区画88は、従って、2つの第3の空気流チャンネル176を形成する。第3の流れチャンネル176の各々は、外側ケーシング区画88の内面96に隣接して位置し、これに沿って延びる。各第3の流れチャンネル176は、ヒーターハウジング130の外壁132によってそれぞれの第1の流れチャンネル136から分離される。各第3の流れチャンネル176は、内部通路内に位置する空気出口178で、ヒーターハウジング130の外壁132の後端172と外側ケーシング区画88の間で、終端する。各空気出口178はまた、ノズル16の内部通路内に位置する垂直に延びるスロットの形態であり、好ましくは、0.5から5mmの範囲の幅を有する。この実施例では、空気出口178は、約1mmの幅を有する。
【0071】
外側ケーシング区画88は、ヒーターハウジング130の内壁134の後端148の一部の周囲で内向きに湾曲するように成形される。内壁134の後端148は、第2の組のスペーサ154とは反対側の内壁134に位置する第3の組のスペーサ182を含み、これらは、外側ケーシング区画88の内面96と係合し、外側ケーシング区画88の内面96から内壁134の後端を離間するように配置される。外側ケーシング区画88及び内壁134の後端148は、従って、更に別の2つの空気出口184を形成する。各空気出口184は、空気出口158のそれぞれの1つに隣接して位置し、各空気出口158は、それぞれの空気出口184と内側ケーシング区画90の外面92の間に位置する。空気出口158と同様に、各空気出口184は、組み立てられたノズル16の開口部40のそれぞれの側に位置する垂直に延びるスロットの形態である。空気出口184は、好ましくは、空気出口158と同じ長さを有する。各空気出口184は、0.5から5mmの範囲の幅を有し、この実施例では、空気出口184は、約2から3mmの幅を有する。従って、ファン組立体10から主空気流を放出するための空気出口18は、2つの空気出口158及び2つの空気出口184を含む。
【0072】
図3及び4に移ると、ノズル16は、好ましくは、ノズル16の内部通路の湾曲区画94c、94dから実質的に空気の漏れがないように、外側ケーシング区画88と内側ケーシング区画90の間にシールを形成するために2つの湾曲密封部材186、188を含む。各密封部材186、188は、内部通路の湾曲区画94c、94d内に位置する2つのフランジ190、192間に挟まれる。フランジ190は、内側ケーシング区画90上に装着されて好ましくはこれと一体であるのに対して、フランジ192は、外側ケーシング区画88上に装着されて好ましくはこれと一体である。空気流が内部通路の上部湾曲区画94cから漏れるのを防止するのに代えて、ノズル16は、空気流がこの湾曲区画94cに入るのを防止するように配置することができる。例えば、内部通路の直線区画94a、94bの上端は、シャーシ128によって又は組み立て中に内側及び外側ケーシング区画88、90間に導入された挿入部分によって遮断することができる。
【0073】
ファン組立体10を作動させるために、ユーザは、ユーザインタフェース回路33のセンサによって受け取られる信号を伝達するためにユーザインタフェースのボタン24を押圧するか又はリモコン装置35の対応するボタンを押圧する。ユーザインタフェース制御回路33は、主制御回路52がモータ68を作動させて羽根車64を回転させるのに応答して、この作動を主制御回路52に伝える。羽根車64の回転は、主空気流が空気入口14を通して本体12に吸い込まれるようにする。ユーザは、ユーザインタフェースのボタン26又はリモコン装置35の対応するボタンを押圧することによって、モータ68の速度、及び従って空気が空気入口14を通して本体12に吸い込まれる速度を制御することができる。モータ68の速度に応じて、羽根車64によって発生する主空気流は、1秒間当たり10から30リットルとすることができる。主空気流は、羽根車ハウジング76及び本体区画22の開放上端を順次通過し、ノズル16の内部通路の下部湾曲区画94dに入る。本体12の出口23における主空気流の圧力は、少なくとも150Paとすることができ、好ましくは、250Paから1.5kPaの範囲である。
【0074】
ユーザは、主空気流がファン組立体10から放出される前に主空気流の第1の部分の温度を上昇させるために、ノズル16内に位置するヒーター組立体104を任意的に作動させ、それによってファン組立体10によって放出された主空気流の温度、及びファン組立体10が位置する部屋又は他の環境における周囲空気の温度の両方を上昇させる。この実施例では、ヒーター組立体104は、同時に作動かつ停止されるが、代替的に、ヒーター組立体104は、個別に作動して停止することができる。ヒーター組立体104を作動させるために、ユーザは、ユーザインタフェースのボタン30を押圧し、又はリモコン装置35の対応するボタンを押圧し、ユーザインタフェース回路33のセンサによって受け取られる信号を伝達する。ユーザインタフェース制御回路33は、主制御回路52が、ヒーター組立体104を作動させるようにヒーター制御回路124に指令を送るのに応答して、この作動を主制御回路52に伝える。ユーザは、ユーザインタフェースのボタン28又はリモコン装置35の対応するボタンを押圧することによって望ましい室温又は温度設定を設定することができる。ユーザインタフェース回路33は、ボタン28又はリモコン装置35の対応するボタンの作動に応答してディスプレイ34によって表示された温度を変更するように配置される。この実施例では、ディスプレイ34は、望ましい室温に対応する、ユーザによって選択された設定温度を表示するように配置される。代替的に、ディスプレイ34は、ユーザによって選択された多数の異なる温度設定のうちの1つを表示するように配置することができる。
【0075】
ノズル16の内部通路の下部湾曲区画94d内で、主空気流は、ノズル16の開口部40周囲を反対方向に通過する2つの空気の流れに分かれる。空気の流れの一方は、開口部40の一方の側に位置する内部通路の直線区画94aに入るのに対して、他方の空気の流れは、開口部40の他方の側に位置する内部通路の直線区画94bに入る。空気の流れが直線区画94a、94bを通過すると、空気の流れは、ノズル16の空気出口18に向かって約90°回転する。直線区画94a、94bの長さに沿って空気の流れを均等に空気出口18に差し向けるために、ノズル16は、直線区画94a、94b内に位置し、各々が空気の流れの一部を空気出口18に差し向ける複数の静止ガイドベーン含むことができる。ガイドベーンは、好ましくは、内側ケーシング区画90の内面98と一体である。ガイドベーンは、好ましくは、空気流が空気出口18に誘導される時に空気流の速度の大きな損失がないように湾曲している。各直線区画94a、94bの内部で、ガイドベーンは、好ましくは、ガイドベーン間に複数の通路を形成するために実質的に垂直に整列し、均等に離間し、かつこれを通して空気は、比較的均等に空気出口18に誘導される。
【0076】
空気の流れが空気出口18の方向に流れると、主空気流の第1の部分は、シャーシ128の壁132、134間に位置する第1の空気流チャンネル136に入る。主空気流を内部通路内で2つの空気の流れに分けることにより、各第1の空気流チャンネル136は、それぞれの空気の流れの第1の部分を受け取ると考えることができる。主空気流の各第1の部分は、それぞれの加熱組立体104を通過する。作動した加熱組立体によって発生する熱は、主空気流の第1の部分の温度を上昇させるように主空気流の第1の部分へ対流によって伝達される。
【0077】
主空気流の第2の部分は、主空気流のこの第2の部分が、内側ケーシング区画90とヒーターハウジング130の内壁の間に位置する第2の空気流チャンネル156に入るように、ヒーターハウジング130の内壁134の前端146によって第1の空気流チャンネル136から離れる方向にそらされる。ここでもまた、主空気流を内部通路内で2つの空気の流れに分けることにより、各第2の空気流チャンネル156は、それぞれの空気の流れの第2の部分を受け取ると考えることができる。主空気流の各第2の部分は、内側ケーシング区画90の内面92に沿って通過し、それによって比較的高温の空気流と内側ケーシング区画90の間の熱障壁として作用する。第2の空気流チャンネル156は、空気流が、ファン組立体10の前方の方向に空気出口158を通して及び開口部40を通して放出されるように、内側ケーシング区画90の後壁150の周囲に延びるように配置され、それによって空気流の第2の部分の流れ方向を逆にする。空気出口158は、主空気流の第2の部分をノズル16の内側ケーシング区画90の外面92の上に誘導するように配置される。
【0078】
主空気流の第3の部分も、第1の空気流チャンネル136から離れる方向にそらされる。主空気流のこの第3の部分は、主空気流の第3の部分が外側ケーシング区画88とヒーターハウジング130の外壁132の間に位置する第3の空気流チャンネル176に入るように、ヒーターハウジング130の外壁132の前端170の側を流れる。ここでもまた、主空気流を内部通路内で2つの空気の流れに分けることにより、各第3の空気流チャンネル176は、それぞれの空気の流れの第3の部分を受け取ると考えることができる。主空気流の各第3の部分は、外側ケーシング区画88の内面96に沿って通過し、それによって比較的高温の主空気流と外側ケーシング区画88の間の熱障壁として作用する。第3の空気流チャンネル176は、主空気流の第3の部分を内部通路内に位置する空気出口178に搬送するように配置される。空気出口178から放出されると、主空気流の第3の部分は、主空気流のその第1の部分と合流する。主空気流のこれらの合流部分は、外側ケーシング区画88の内面96とヒーターハウジングの内壁134の間で空気出口184まで搬送されるので、主空気流のこれらの部分の流れ方向も内部通路内で逆になる。空気出口184は、主空気流の比較的高温の合流した第1及び第3の部分を空気出口158から放出された主空気流の比較的低温の第2の部分の上に差し向けるように配置され、内側ケーシング区画90の外面92と空気出口184から放出された比較的高温の空気との間の熱障壁として作用する。その結果、ノズル16の内面及び外面の大部分は、ファン組立体10から放出された比較的高温の空気から遮蔽される。これは、ノズル16の外面をファン組立体10の使用中に70℃よりも低い温度に維持することを可能にする。
【0079】
空気出口18から放出された主空気流は、ノズル16の「コアンダ」表面42の上を通過し、外部環境からの、特に、空気出口18の周囲の領域から及びノズルの後方の周囲からの空気の同伴によって2次空気流を発生させる。この2次空気流は、ノズル16の開口部40を通過し、ここで、2次空気流は主空気流と組み合わさって、空気出口18から放出された主空気流よりも低い温度であるが、外部環境から同伴した空気よりも高い温度を有し、ファン組立体10から前方に放出される空気流全体を生成する。その結果、暖かい空気の流れが、ファン組立体10から放出される。
【0080】
外部環境の空気の温度が上昇すると、空気入口14を通してファン組立体10に吸い込まれた主空気流の温度も上昇する。この主空気流の温度を示す信号は、サーミスタ126からヒーター制御回路124に出力される。主空気流の温度がユーザによって設定された温度又はユーザの温度設定に関連付けられた温度を約1℃だけ超えた時に、ヒーター制御回路124は、ヒーター組立体104を停止させる。主空気流の温度がユーザによって設定された温度を約1℃下回る温度まで低下した時に、ヒーター制御回路124は、ヒーター組立体104を再作動させる。これは、ファン組立体10が位置する部屋又は他の環境において比較的一定の温度を維持することを可能にする。
【符号の説明】
【0081】
10 ファン組立体
12 本体
14 空気入口
16 ノズル
18 空気出口
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気流を作り出すための手段と、
前記空気流の第1の部分を加熱するための手段と、
前記空気流の第2の部分を前記加熱手段から離れる方向にそらせるための手段と、
ケーシングであって、該ケーシングから前記空気流を放出するための複数の空気出口を含み、ケーシングの外側からの空気が前記空気出口から放出される空気流によって引き込まれる開口部を形成する環状外面を有するケーシングと、
を含み、
前記複数の空気出口は、前記開口部を通して前記空気流の前記第1の部分を放出するための少なくとも1つの第1の空気出口と、前記開口部を通して前記空気流の前記第2の部分を放出するための少なくとも1つの第2の空気出口とを含み、
前記少なくとも1つの第2の空気出口は、前記空気流の前記第2の部分を前記ケーシングの前記外面の上に差し向けるように構成され、前記少なくとも1つの第1の空気出口は、該空気流の前記第1の部分を該空気流の該第2の部分の上に差し向けるように構成される、
ことを特徴とするファン組立体。
【請求項2】
前記そらせ手段は、前記空気流の前記第2の部分を前記加熱手段から離れる方向にそらせるための少なくとも1つの壁を含むことを特徴とする請求項1に記載のファン組立体。
【請求項3】
前記加熱手段をファン組立体内に保持するためのシャーシを含み、
前記シャーシは、前記そらせ手段を含む、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のファン組立体。
【請求項4】
前記ケーシングは、前記空気流の前記第1の部分を前記少なくとも1つの第1の空気出口に搬送するための第1のチャンネル手段と、前記空気流の前記第2の部分を前記少なくとも1つの第2の空気出口に搬送するための第2のチャンネル手段と、前記第1のチャンネル手段を前記第2のチャンネル手段から分離するための手段とを含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のファン組立体。
【請求項5】
前記分離手段は、前記そらせ手段と一体であることを特徴とする請求項4に記載のファン組立体。
【請求項6】
前記ケーシングは、内側ケーシング区画と、前記内側ケーシング区画を取り囲む外側ケーシング区画と、を含み、
前記分離手段は、前記ケーシング区画の間に位置する、
ことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のファン組立体。
【請求項7】
前記分離手段は、前記ケーシング区画の一方に接続されることを特徴とする請求項6に記載のファン組立体。
【請求項8】
前記少なくとも1つの第1の空気出口は、前記外側ケーシング区画の内面と前記分離手段の間に位置することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のファン組立体。
【請求項9】
前記少なくとも1つの第2の空気出口は、前記内側ケーシング区画の外面と前記分離手段の間に位置することを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか1項に記載のファン組立体。
【請求項10】
前記第2のチャンネル手段は、前記空気流の前記第2の部分を前記ケーシング区画の一方の内面に沿って搬送するように構成されることを特徴とする請求項6から請求項9のいずれか1項に記載のファン組立体。
【請求項11】
前記分離手段は、前記内側ケーシング区画及び前記外側ケーシング区画のうちの少なくとも一方と係合するための複数のスペーサを含むことを特徴とする請求項6から請求項10のいずれか1項に記載のファン組立体。
【請求項12】
前記第1及び第2のチャンネル手段の各々は、前記空気流のそれぞれの部分の流れ方向を実質的に逆にするように成形されることを特徴とする請求項6から請求項11のいずれか1項に記載のファン組立体。
【請求項13】
前記加熱手段は、前記ケーシング内に位置することを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のファン組立体。
【請求項14】
前記そらせ手段は、前記ケーシング内に位置することを特徴とする請求項13に記載のファン組立体。
【請求項15】
前記空気流を作り出すための前記手段を収容する基部を含み、
前記ケーシングは、前記基部に接続される、
ことを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか1項に記載のファン組立体。
【請求項16】
前記少なくとも1つの第1の空気出口は、前記少なくとも1つの第2の空気出口に隣接して位置することを特徴とする請求項1から請求項15のいずれか1項に記載のファン組立体。
【請求項17】
前記空気流を複数の空気の流れに分けるための手段を含み、
前記加熱手段は、各空気の流れの第1の部分を加熱するように配置され、前記そらせ手段は、各空気の流れの第2の部分を該加熱手段から離れる方向にそらせるように構成される、
ことを特徴とする請求項1から請求項16のいずれか1項に記載のファン組立体。
【請求項18】
前記加熱手段は、前記空気流のそれぞれの第1の部分を各々加熱するための複数のヒーター組立体を含むことを特徴とする請求項17に記載のファン組立体。
【請求項19】
前記ヒーター組立体は、前記ケーシングの両側に位置することを特徴とする請求項18に記載のファン組立体。
【請求項20】
前記そらせ手段は、前記空気流のそれぞれの第2の部分をヒーター組立体から離れる方向に各々そらせるための複数の壁を含むことを特徴とする請求項18又は請求項19に記載のファン組立体。
【請求項21】
前記少なくとも1つの第1の空気出口は、前記空気流のそれぞれの第1の部分を各々放出するための複数の第1の空気出口を含むことを特徴とする請求項17から請求項20のいずれか1項に記載のファン組立体。
【請求項22】
前記第1の空気出口は、前記ケーシングの両側に位置することを特徴とする請求項21に記載のファン組立体。
【請求項23】
前記少なくとも1つの第2の空気出口は、前記空気流のそれぞれの第2の部分を放出するために前記ケーシングのそれぞれの側に各々位置する複数の第2の空気出口を含むことを特徴とする請求項17から請求項22のいずれか1項に記載のファン組立体。
【請求項24】
各空気出口は、スロットの形態であることを特徴とする請求項1から請求項23のいずれか1項に記載のファン組立体。
【請求項25】
各空気出口は、0.5から5mmの範囲の幅を有することを特徴とする請求項24に記載のファン組立体。
【請求項26】
前記加熱手段は、少なくとも1つのセラミックヒーターを含むことを特徴とする請求項1から請求項25のいずれか1項に記載のファン組立体。
【請求項1】
空気流を作り出すための手段と、
前記空気流の第1の部分を加熱するための手段と、
前記空気流の第2の部分を前記加熱手段から離れる方向にそらせるための手段と、
ケーシングであって、該ケーシングから前記空気流を放出するための複数の空気出口を含み、ケーシングの外側からの空気が前記空気出口から放出される空気流によって引き込まれる開口部を形成する環状外面を有するケーシングと、
を含み、
前記複数の空気出口は、前記開口部を通して前記空気流の前記第1の部分を放出するための少なくとも1つの第1の空気出口と、前記開口部を通して前記空気流の前記第2の部分を放出するための少なくとも1つの第2の空気出口とを含み、
前記少なくとも1つの第2の空気出口は、前記空気流の前記第2の部分を前記ケーシングの前記外面の上に差し向けるように構成され、前記少なくとも1つの第1の空気出口は、該空気流の前記第1の部分を該空気流の該第2の部分の上に差し向けるように構成される、
ことを特徴とするファン組立体。
【請求項2】
前記そらせ手段は、前記空気流の前記第2の部分を前記加熱手段から離れる方向にそらせるための少なくとも1つの壁を含むことを特徴とする請求項1に記載のファン組立体。
【請求項3】
前記加熱手段をファン組立体内に保持するためのシャーシを含み、
前記シャーシは、前記そらせ手段を含む、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のファン組立体。
【請求項4】
前記ケーシングは、前記空気流の前記第1の部分を前記少なくとも1つの第1の空気出口に搬送するための第1のチャンネル手段と、前記空気流の前記第2の部分を前記少なくとも1つの第2の空気出口に搬送するための第2のチャンネル手段と、前記第1のチャンネル手段を前記第2のチャンネル手段から分離するための手段とを含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のファン組立体。
【請求項5】
前記分離手段は、前記そらせ手段と一体であることを特徴とする請求項4に記載のファン組立体。
【請求項6】
前記ケーシングは、内側ケーシング区画と、前記内側ケーシング区画を取り囲む外側ケーシング区画と、を含み、
前記分離手段は、前記ケーシング区画の間に位置する、
ことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のファン組立体。
【請求項7】
前記分離手段は、前記ケーシング区画の一方に接続されることを特徴とする請求項6に記載のファン組立体。
【請求項8】
前記少なくとも1つの第1の空気出口は、前記外側ケーシング区画の内面と前記分離手段の間に位置することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のファン組立体。
【請求項9】
前記少なくとも1つの第2の空気出口は、前記内側ケーシング区画の外面と前記分離手段の間に位置することを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか1項に記載のファン組立体。
【請求項10】
前記第2のチャンネル手段は、前記空気流の前記第2の部分を前記ケーシング区画の一方の内面に沿って搬送するように構成されることを特徴とする請求項6から請求項9のいずれか1項に記載のファン組立体。
【請求項11】
前記分離手段は、前記内側ケーシング区画及び前記外側ケーシング区画のうちの少なくとも一方と係合するための複数のスペーサを含むことを特徴とする請求項6から請求項10のいずれか1項に記載のファン組立体。
【請求項12】
前記第1及び第2のチャンネル手段の各々は、前記空気流のそれぞれの部分の流れ方向を実質的に逆にするように成形されることを特徴とする請求項6から請求項11のいずれか1項に記載のファン組立体。
【請求項13】
前記加熱手段は、前記ケーシング内に位置することを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のファン組立体。
【請求項14】
前記そらせ手段は、前記ケーシング内に位置することを特徴とする請求項13に記載のファン組立体。
【請求項15】
前記空気流を作り出すための前記手段を収容する基部を含み、
前記ケーシングは、前記基部に接続される、
ことを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか1項に記載のファン組立体。
【請求項16】
前記少なくとも1つの第1の空気出口は、前記少なくとも1つの第2の空気出口に隣接して位置することを特徴とする請求項1から請求項15のいずれか1項に記載のファン組立体。
【請求項17】
前記空気流を複数の空気の流れに分けるための手段を含み、
前記加熱手段は、各空気の流れの第1の部分を加熱するように配置され、前記そらせ手段は、各空気の流れの第2の部分を該加熱手段から離れる方向にそらせるように構成される、
ことを特徴とする請求項1から請求項16のいずれか1項に記載のファン組立体。
【請求項18】
前記加熱手段は、前記空気流のそれぞれの第1の部分を各々加熱するための複数のヒーター組立体を含むことを特徴とする請求項17に記載のファン組立体。
【請求項19】
前記ヒーター組立体は、前記ケーシングの両側に位置することを特徴とする請求項18に記載のファン組立体。
【請求項20】
前記そらせ手段は、前記空気流のそれぞれの第2の部分をヒーター組立体から離れる方向に各々そらせるための複数の壁を含むことを特徴とする請求項18又は請求項19に記載のファン組立体。
【請求項21】
前記少なくとも1つの第1の空気出口は、前記空気流のそれぞれの第1の部分を各々放出するための複数の第1の空気出口を含むことを特徴とする請求項17から請求項20のいずれか1項に記載のファン組立体。
【請求項22】
前記第1の空気出口は、前記ケーシングの両側に位置することを特徴とする請求項21に記載のファン組立体。
【請求項23】
前記少なくとも1つの第2の空気出口は、前記空気流のそれぞれの第2の部分を放出するために前記ケーシングのそれぞれの側に各々位置する複数の第2の空気出口を含むことを特徴とする請求項17から請求項22のいずれか1項に記載のファン組立体。
【請求項24】
各空気出口は、スロットの形態であることを特徴とする請求項1から請求項23のいずれか1項に記載のファン組立体。
【請求項25】
各空気出口は、0.5から5mmの範囲の幅を有することを特徴とする請求項24に記載のファン組立体。
【請求項26】
前記加熱手段は、少なくとも1つのセラミックヒーターを含むことを特徴とする請求項1から請求項25のいずれか1項に記載のファン組立体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−37229(P2012−37229A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−173189(P2011−173189)
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【出願人】(508032310)ダイソン テクノロジー リミテッド (286)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【出願人】(508032310)ダイソン テクノロジー リミテッド (286)
【Fターム(参考)】
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