説明

ファン

【課題】乱流の現象が生じるのを有効に防止するとともに、放熱効果を高めることができる。
【解決手段】フレーム1は内部の収容空間11と連通するための側面風入口12と側面風出口13が設けられる。ファンホイール22にはハブ221と複数個の羽根222が設けられる。羽根222はそれぞれハブ221の上面223に位置するように形成される。羽根222の第一端222aは外に向くように設けられ、第二端222bの間には導流空間23が形成される。羽根222の第二端222bは共同で囲むように仮想の幾何学的輪郭Cが形成され、仮想の幾何学的輪郭Cによって囲まれた空間の範囲は導流空間23として形成される。仮想の幾何学的輪郭Cには一個の最大外径D1が形成され、隣接する二個の羽根222の第二端222b間には一個の隙間D2が形成され、隙間D2は仮想の幾何学的輪郭Cの最大外径D1より小さくなるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファンに関するもので、特にファンホイールの径方向において気流を径方向に導入したり導出したりすることができるファンに係わるものである。
【背景技術】
【0002】
従来のファンとしては、凡そ軸流式ファンと遠心式ファンの二種類が含まれる。その中、軸流式ファンは軸方向においてそれぞれ相対する一個の軸方向風入口と一個の軸方向風出口を有し、上記軸方向風入口を経由して気流を導入し、それから再び上記軸方向風出口を経由して気流を導出することにより、放熱効果を提供することができる。また、遠心式ファンでは軸方向において一個の軸方向風入口を有し、さらに径方向において一個の径方向風出口を有し、上記軸方向風入口を経由して気流を導入し、それから再び上記径方向風出口を経由して側面方向に気流を導出することにより、同様に放熱効果を提供することができる。
【0003】
しかし、軸流式ファンについて言えば、空気を導引して軸方向に向いて風を排出して放熱を行うだけであって、径方向に向いて風を排出して放熱を行うことができない。そのため、軸流式ファンを各種の電子製品に応用させる時、熱源の上方(例えばノートパソコンの中央処理器の上)に組み立てなければならず、そのため、電子製品の軸方向の高さを低く抑えることができない。また、遠心式ファンについて言えば、径方向風出口を経由して側面方向に導出気流を導出することができるが、依然として軸方向風入口を利用して気流を導入しなければならないため、側面方向から経由して気流を導入する電子製品(例えば携帯電話またはパーソナルディジタルアシスタントなど)には適用することができない。
【0004】
そのため、市場においては径方向に気流を導入したり導出したりすることにより、側面方向を経由して気流を導入する電子製品に適用することができるファンが開発された。例えば、中華民国公告第553323号の「水平対流ファンの構造」(特許文献1を参照)と図10に掲示されているファンを参照すると、従来のファン8には一個の枠座81と一個のファンホイール82が含まれる。枠座81には少なくとも一個の風入口811と少なくとも一個の風出口812が含まれ、風入口811と風出口812の間には一個の水平気流通路813が設けられる。ファンホイール82は水平気流通路813に設けられる。さらにファンホイール82には一個のハブ821が含まれ、ハブ821の外周面には複数個の羽根822が形成される。それにより、ファンホイール82が回動される時、風入口811と風出口812の間において気体の圧力差が生じることにより、風入口811と風出口812の間には水平気流通路813に沿って対流が生じ、そして放熱が形成されるようにしたものがある。
【0005】
また、従来のファンとして、例えば中華民国公告第477492号の「送風ファンの結合構造」(特許文献2を参照)と図11に掲示されているファンを参照すると、従来のファン9には一個のローター座91、一個のファンホイール92と一個の外枠93が含まれる。ローター座91には複数個の突出部911が含まれ、ファンホイール92には複数個の凹部921が含まれ、凹部921と突出部911は互いに結合するように形成される。外枠93はローター座91とファンホイール92を収容するのに用いられる。外枠93には一個の風入口931と一個の風出口932が設けられるため、ファンホイール92が回動される時、同様に空気を導引して径方向に風入口931を経由して外枠93の内部まで導入され、さらに風出口932を経由して気流を導出して放熱が形成されるようにしたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】中華民国公告第553323号公報
【特許文献2】中華民国公告第477492号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の図10に掲示されるような従来のファンにおいては、一般的に次のような問題点を有している。従来のファン8のファンホイール82が水平気流通路813に設けられる場合、ファンホイール82の羽根822が空気を導引して水平気流通路813に沿って対流を生じる過程において、ファンホイール82のハブ821も水平気流通路813内に位置することにより、ファンホイール82の羽根822によって導引される気流はハブ821の妨げを受け易く乱流の現象を生じるため、従来のファン8の全体の放熱効果は低くなるという問題点があった。
【0008】
また、上記の図11に掲示されるような従来のファンにおいては、一般的に次のような問題点を有している。従来のファン9のローター座91とファンホイール92は全て風入口931と風出口932の間に形成される気流の通路に位置するため、ファンホイール92によって導引される気流も同様にローター座91の妨げを受け易く、乱流の現象を生じる。さらに、ファンホイール92は他にローター座91と組立を行わなければならないため、組立上において極めて不便になるという問題点があった。このように、上記のような従来のファンはさらに改良の余地を残すものであった。
【0009】
本発明はこのような問題点に鑑みて発明されたものであって、その主な目的とするところは、ファンホイールが径方向で気流を導入したり導出したりする過程において、気流が妨げを受けるのを有効に防止することができるファンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明によるファンは、一個のフレームおよび一個のモーターを有する。フレームは上端と下端が封止され、かつ内部に一個の収容空間が形成されるフレーム体からなる。フレームには収容空間と連通するための少なくとも一個の側面風入口と少なくとも一個の側面風出口が設けられる。モーターはフレームの収容空間に結合される。モーターには一個のステータと一個のファンホイールが含まれ、ファンホイールは回動自在にステータと結合する。ファンホイールには一個のハブと複数個の羽根が設けられ、ハブは一個の上面を有し、複数個の羽根はそれぞれハブの上面に位置するように形成される。ファンホイールの径方向において複数個の羽根にはそれぞれ相対する第一端と第二端が形成され、複数個の羽根の第一端は外に向くように設けられ、複数個の羽根の第二端の間には導流空間が形成される。複数個の羽根の第二端は一個の幾何学的形体を輪郭付けるように共同で囲むよう形成される。この仮想の幾何学的輪郭によって囲まれた空間の範囲は導流空間と形成される。仮想の幾何学的輪郭には一個の最大外径が形成され、ファンホイールの隣接する二個の羽根の第二端の間には一個の隙間が形成される。この隙間は仮想の幾何学的輪郭の最大外径より小さくなるように形成される。
【0011】
また、フレームには一個の受け部、一個の封止部と一個の側壁部が含まれこともできる。側壁部は受け部と封止部の間に位置し、受け部、封止部と側壁部の間には一個の収容空間が形成され、ハブの上面は封止部に向くように形成され、複数個の羽根はそれぞれ封止部に向いて軸方向に延伸するように、かつハブの上面から突き出るように形成される。複数個の羽根の第一端は側壁部に向くように形成される。また、ファンホイールの軸方向において、側面風入口の開口の高さは封止部と上面の水平位置の間に位置するように形成されることもできる。また、ファンホイールの軸方向において、側面風出口の開口の高さは封止部と上面の水平位置の間に位置するように形成されることもできる。また、側面風入口はファンホイールの羽根の位置に位置合わせるように形成されることもできる。また、側面風出口はファンホイールの羽根の位置に位置合わせるように形成されることもできる。また、ファンホイールの上面と封止部の間では収容空間において一個の側方向流路が区隔して形成され、複数個の羽根は側方向流路内に位置するように形成されることもできる。また、受け部には一個の凹部が形成され、凹部は収容空間に位置するように形成され、モーターのステータは凹部に結合され、ファンホイールのハブは凹部内に収容されることもできる。また、受け部は一個の底座からなり、側壁部は底座の側周縁から軸方向に延伸して互いに隣接する複数個の側壁からなり、封止部は一個の蓋板からなり、蓋板は側壁と結合し、蓋板と底座の間には収容空間が形成され、側面風入口と側面風出口はそれぞれ隣接する二個の側壁に設けられることもできる。また、受け部は一個の底座からなり、側壁部は底座の側周縁から軸方向に延伸して互いに隣接する複数個の側壁からなり、封止部は一個の蓋板からなり、蓋板は側壁と結合し、蓋板と底座の間には収容空間が形成され、側面風入口と側面風出口はそれぞれ互いに対向する二個の側壁に設けられることもできる。また、羽根はハブの上面に一体に結合されることもできる。また、ファンホイールの径方向において、複数個の羽根の第一端は側壁部に向いて径方向に延伸するように、かつハブから突き出るように形成されることもできる。また、複数個の羽根の底周縁には一個の底盤が形成され、底盤はハブに連接されることもできる。また、仮想の幾何学的輪郭は円形、楕円形または多角形となるように形成されることもできる。
【発明の効果】
【0012】
本発明のファンによれば、ファンホイールが径方向で空気を導入したり導出したりする過程において、気流が妨げを受けるのを有効に防止することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の実施例1のファンの分解斜視図である。
【図2】図2は、本発明の実施例1のファンの組み立てられた状態の断面図である。
【図3】図3は、本発明の実施例2のファンの分解斜視図である。
【図4】図4は、本発明の実施例2のファンの組み立てられた状態の断面図である。
【図5】図5は、本発明のファンのもう一つの外観形式の分解斜視図である。
【図6】図6は、本発明のファンのもう一つの外観形式の組み立てられた状態の断面図である。
【図7】図7は、本発明のファンのもう一つの外観形式の平面の説明図である。
【図8】図8は、本発明のファンの複数の羽根の軸方向断面形状の説明図である。
【図9】図9は、本発明のファンの側壁部と封止部が一体成形に形成される時の分解斜視図である。
【図10】図10は、従来の第一種のファンの分解斜視図である。
【図11】図11は、従来の第二種のファンの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の形態について、以下、図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は本発明の実施例1のファンの分解斜視図で、図2は本発明の実施例1のファンの組み立てられた状態の断面図である。図1、2を参照すると、本発明の実施例1のファンには一個のフレーム1と一個のモーター2が含まれる。フレーム1は空気が径方向に流動することができるフレーム体の構造からなる。モーター2はフレーム1の内部に結合される。
【0016】
フレーム1はモーター2を収容するのに用いられ、かつ空気が径方向に導入したり導出したりして流動することができる中空のフレーム体の構造からなり、上記フレーム体の上端と下端は封止状(図の配置の方向から見て)に形成される。その中に、フレーム1には少なくとも一個の受け部1a、一個の封止部1bと一個の側壁部1cが含まれる。受け部1aと封止部1bは相互に隔てて対向するように形成され、側壁部1cは受け部1aと封止部1bの間に位置するように形成される。また、受け部1a、封止部1bと側壁部1cの間には一個の収容空間11が形成され、そして側壁部1cには少なくとも一個の側面風入口12と少なくとも一個の側面風出口13が設けられる。少なくとも一個の側面風入口12と少なくとも一個の側面風出口13は収容空間11に連通するように形成される。
【0017】
本実施例において、受け部1aは一個の底座からなり、側壁部1cは上記底座の側周縁から軸方向に延伸して互いに隣接する複数個の側壁からなり、封止部1bは一個の蓋板からなる。上記蓋板は上記側壁の上端縁(図の配置の方向から見て)に結合され、上記蓋板と底座の間には収容空間11(側壁は収容空間11を囲んでいる)が形成される。側面風入口12と側面風出口13はそれぞれ上記側壁に設けられ、そして収容空間11と連通するように形成される。その中、図1に示すように、側面風入口12と側面風出口13はそれぞれ隣接する二個の側壁に設けられるか、または互いに対向する二個の側壁に設けられる。
【0018】
モーター2はフレーム1に結合される。モーター2には一個のステータ21と一個のファンホイール22(すなわち、ローターである)が含まれる。ステータ21はファンホイール22が回動するように駆動するのに用いられる。ファンホイール22には一個のハブ221と複数個の羽根222が設けられる。ハブ221と複数個の羽根222の結合は一体成形の方式からなることができる。ハブ221には一個の上面223が形成され、上面223は封止部1bに向くように形成される。複数個の羽根222はハブ221に結合され、ファンホイール22の軸方向において複数個の羽根222はそれぞれ封止部1bに向いて延伸するように、かつハブ221の上面223から突き出るように形成される。また、ファンホイール22の径方向において複数個の羽根222にはそれぞれ相対する第一端222aと第二端222bが形成され、その中、複数個の羽根222の第一端222aは側壁部1cに向くように形成される。複数個の羽根222の第二端222bの間には導流空間23(すなわち、複数個の羽根222の第二端222bは連接していない状態である)が形成される。
【0019】
本実施例において、モーター2のステータ21はフレーム1の受け部1aに結合され、ファンホイール22のハブ221は回動自在にステータ21と結合する。その中、ハブ221は一個の基板221aと一個の環状壁221bによって構成され、上面223は基板221aに位置するように形成され、環状壁221bは基板221aの外周縁を囲むように形成される。また、図1に示すように、複数個の羽根222は基板221aの上面223に結合されるか、或いは羽根222が基板221aの上面223に結合される他に、部分的に環状壁221bの外周面まで延伸することもできる。また、本実施例において、羽根222は基板221aの上面223に一体になるように形成されることにより、組立上の便利性を高めることができる。
【0020】
本発明のファンを実際に使用する時、モーター2のステータ21によって生じられる交番磁界でファンホイール22が回動するように駆動することができる。これにより、ファンが各種の電子製品に組み立てられる時、ファンホイール22の羽根222によって側面風入口12から外部の空気を導入してフレーム1の内部に進入し、それから再び側面風出口13を経由して外部の空間まで導出することにより、各種の電子製品の作動時に生じる熱源に対して予定される放熱作用を提供することができる。
【0021】
本発明のファンの主な技術的特徴は、ファンホイール22の径方向において径方向で側面風入口12と側面風出口13を経由して空気を導入したり導出したりすることができ、そしてファンが各種の電子製品に応用される時、ファンを熱源の上方に組み立てる必要がないため、電子製品の軸方向の高さを低く抑えることができるとともに、ファンによって側面風出口13の周辺に位置する熱源に対してよりよい補助的な放熱効果を提供することができる。また、ファンホイール22の軸方向において複数個の羽根222はそれぞれ封止部1bに向いて延伸し、そしてハブ221の上面223から突き出るように形成されるため、ファンホイール22によって空気をスムースに導引して側面風入口12と側面風出口13を経由して放熱を行うことにより、ハブ221によって気流の流通の妨げにならないように防止することができる。さらにもっと重要なことは、複数個の羽根222の第二端222bの間に導流空間23が形成されることにより、気流が複数個の羽根222を通過する過程において乱流の現象が生じ難いため、全体の放熱効果を高めることができる。
【実施例2】
【0022】
図3は本発明の実施例2のファンの分解斜視図で、図4は本発明の実施例2のファンの組み立てられた状態の断面図である。図3、4を参照すると、本発明の実施例2のファンにも同様に一個のフレーム3と一個のモーター4が含まれる。
【0023】
本発明の実施例2のフレーム3とモーター4にそれぞれ掲示されている受け部3a、封止部3b、側壁部3c、収容空間31、側面風入口32、側面風出口33、ステータ41、ファンホイール42、ハブ421、基板421a、環状壁421b、羽根422、第一端422a、第二端422b、上面423、導流空間43は、実施例1の受け部1a、封止部1b、側壁部1c、収容空間11、側面風入口12、側面風出口13、ステータ21、ファンホイール22、ハブ221、基板221a、環状壁221b、羽根222、第一端222a、第二端222b、上面223、導流空間23と略同様にそれぞれ構成されるため、ここではその説明を割愛する。
【0024】
本発明の実施例2に掲示されている受け部3aは同様に一個の底座からなり、側壁部3cは上記底座の側周縁から延伸して互いに隣接する複数個の側壁からなり、封止部3bは一個の蓋板からなる。実施例2のファンと実施例1のファンの主な差異は、受け部3aの中央に凹部34が設けられ、モーター4のハブ421が凹部34に収容される点にある。また、ファンホイール42の上面423と封止部3bの間では収容空間31において一個の側方向流路44が区隔して形成され、複数個の羽根422は側方向流路44内に位置するように形成されることにより、側方向流路44には羽根422しか存在しないように形成され、そして側面風入口32と側面風出口33は、図3に示すように、それぞれ互いに対向する二個の側壁(側壁部3c)に設けられる。
【0025】
その中、ファンホイール42の軸方向において、側面風入口32と側面風出口33の開口の高さ(h)は封止部3bと上面423の水平位置の間に位置され、そして側面風入口32と側面風出口33をそれぞれファンホイール42の羽根422の位置に位置合わせするように形成させることにより、ハブ421は相対的に二個の側壁(側壁部3c)の内側に位置するように形成される。これにより、ハブ421が側方向流路44の外に位置するように形成されているため、側方向流路44には羽根422しか存在しないように確保することができる。そのため、ファンホイール42が側面風入口32を経由して空気を導入する時、気流はハブ421の妨げを受け難くなるとともに、放熱効果をさらに高めることができる。
【0026】
再び図4を参照すると、ファンホイール42の径方向において、複数個の羽根222の第一端422aは側壁部1cに向いて径方向に延伸するように、かつハブ421から突き出るように形成されることにより、全体的に風を駆動する面積を増やすことができる。また、複数個の羽根222がハブ421から突き出る場合、複数個の羽根222の底端縁(図の配置の方向から見て)には一個の底盤45が形成され、底盤45はハブ421に連接されることにより、羽根422の構造の強度を増やすことができるとともに、空気の導流効果を高めることができる。
【0027】
図5は本発明のファンのもう一つの外観形式の分解斜視図で、図6は本発明のファンのもう一つの外観形式の組み立てられた状態の断面図で、図7は本発明のファンのもう一つの外観形式の平面の説明図である。上述した実施例1と実施例2のファンの技術内容に基づいて、図5、6、7に掲示されている本発明のもう一つの外観形式のファンは、実施例1および実施例2のファンとは外観において僅かな差異を有するだけで、その構造的特徴は依然として大体同じである。その中、図7に示すように、ファンホイール22の複数個の羽根222の第二端222bは共同で連接するように一個の仮想の幾何学的輪郭Cが形成され、仮想の幾何学的輪郭Cは各種の規則または不規則の幾何学的形状からなることができ、例えば円形、楕円形または多角形などの形状からなる。仮想の幾何学的輪郭Cによって囲まれた空間の範囲はすなわち導流空間23と形成される。また、仮想の幾何学的輪郭Cには一個の最大外径D1が形成される。
【0028】
その中、ファンホイール22の隣接する二個の羽根222の第二端222bの間には一個の隙間D2が形成され、隙間D2は仮想の幾何学的輪郭Cの最大外径D1より小さくなるように形成される。これにより、複数個の羽根222の第二端222bの間に形成される導流空間23は気流が流通するのに必要とする充分な空間を確保することができるため、よりよい導流効果を提供することにより、ファンホイール22の複数個の羽根222が径方向で側面風入口12または側面風出口13を経由して気流を導入したり導出したりする過程において、乱流の現象は比較的生じ難くなる。
【0029】
図8は本発明のファンの複数個の羽根の軸方向の断面形状の説明図である。本発明のファンの複数個の羽根222の軸方向の断面形状は例えば図8の(a)、(b)に示す円弧の形状からなることもでき、または例えば図8の(c)、(d)に示す中央縮径の形状からなることもでき、さらに例えば図8の(e)に示す三角の形状からなることもできる。これにより、よりよい送風の効果を提供することができる。
【0030】
図9は本発明のファンの側壁部と封止部が一体成形に形成される場合における分解斜視図である。図9を参照し、再び実施例2を例に挙げると、本発明のファンの側壁部3cと封止部3bは一体成形になるように設計される。
【0031】
上述の如く、ファンホイール22、42が空気を導引して側面風入口12、32と側面風出口13、33を経由してフレーム1、3に進出する過程において、本発明のファンの複数個の羽根222、422がそれぞれ封止部1b、3bに向いて延伸するように、かつハブ221の上面223から突き出るように形成され、さらに導流空間23、43の構造の設計により、乱流の現象が生じるのを有効に防止することができるとともに、放熱効果を有効に高めることができる。
【0032】
本発明は、その精神及び必須の特徴事項から逸脱することなく他のやり方で実施することができる。従って、本明細書に記載した好ましい実施例は例示的なものであり、限定を意図するものではない。
【符号の説明】
【0033】
1 フレーム
1a 受け部
1b 封止部
1c 側壁部
11 収容空間
12 側面風入口
13 側面風出口
2 モーター
21 ステータ
22 ファンホイール
221 ハブ
221a 基板
221b 環状壁
222 羽根
222a 第一端
222b 第二端
223 上面
23 導流空間
3 フレーム
3a 受け部
3b 封止部
3c 側壁部
31 収容空間
32 側面風入口
33 側面風出口
34 凹部
4 モーター
41 ステータ
42 ファンホイール
421 ハブ
421a 基板
421b 環状壁
422 羽根
422a 第一端
422b 第二端
423 上面
43 導流空間
44 側方向流路
45 底盤
8 ファン
81 枠座
811 風入口
812 風出口
813 水平気流通路
82 ファンホイール
821 ハブ
822 羽根
9 ファン
91 ローター座
911 突出部
92 ファンホイール
921 凹部
93 外枠
931 風入口
932 風出口
C 仮想の幾何学的輪郭
D1 最大外径
D2 隙間
h 開口高さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一個のフレーム(1)および一個のモーター(2)を有するファンにおいて、フレーム(1)は上端と下端が封止され、かつ内部に一個の収容空間(11)が形成されるフレーム体からなり、フレーム(1)には収容空間(11)と連通するための少なくとも一個の側面風入口(12)と少なくとも一個の側面風出口(13)が設けられ、モーター(2)はフレーム(1)の収容空間(11)に結合され、モーター(2)には一個のステータ(21)と一個のファンホイール(22)が含まれ、ファンホイール(22)は回動自在にステータ(21)と結合し、ファンホイール(22)には一個のハブ(221)と複数個の羽根(222)が設けられ、ハブ(221)は一個の上面(223)を有し、複数個の羽根(222)はそれぞれハブ(221)の上面(223)に位置するように形成され、ファンホイール(22)の径方向において複数個の羽根(222)にはそれぞれ相対する第一端(222a)と第二端(222b)が形成され、複数個の羽根(222)の第一端(222a)は外に向くように設けられ、複数個の羽根(222)の第二端(222b)の間には導流空間(23)が形成され、複数個の羽根(222)の第二端(222b)は共同で囲むように一個の仮想の幾何学的輪郭(C)が形成され、仮想の幾何学的輪郭(C)によって囲まれた空間の範囲は導流空間(23)として形成され、仮想の幾何学的輪郭(C)には一個の最大外径(D1)が形成され、ファンホイール(22)の隣接する二個の羽根(222)の第二端(222b)の間には一個の隙間(D2)が形成され、隙間(D2)は仮想の幾何学的輪郭(C)の最大外径(D1)より小さくなるように形成されることを特徴とするファン。
【請求項2】
フレーム(1)には一個の受け部(1a)、一個の封止部(1b)と一個の側壁部(1c)が含まれ、側壁部(1c)は受け部(1a)と封止部(1b)の間に位置し、受け部(1a)、封止部(1b)と側壁部(1c)の間には一個の収容空間(11)が形成され、ハブ(221)の上面(223)は封止部(1b)に向くように形成され、複数個の羽根(222)はそれぞれ封止部(1b)に向かって軸方向に延伸するように、かつハブ(221)の上面(223)から突き出るように形成され、複数個の羽根(222)の第一端(222a)は側壁部(1c)に向くように形成されることを特徴とする請求項1に記載のファン。
【請求項3】
ファンホイール(22)の軸方向において、側面風入口(12)の開口の高さは封止部(1b)と上面(223)の水平位置の間に位置するように形成されることを特徴とする請求項2に記載のファン。
【請求項4】
ファンホイール(22)の軸方向において、側面風出口(13)の開口の高さは封止部(1b)と上面(223)の水平位置の間に位置するように形成されることを特徴とする請求項2に記載のファン。
【請求項5】
側面風入口(12)はファンホイール(22)の羽根(222)の位置に位置合わせるように形成されることを特徴とする請求項3に記載のファン。
【請求項6】
側面風出口(13)はファンホイール(22)の羽根(222)の位置に位置合わせるように形成されることを特徴とする請求項4に記載のファン。
【請求項7】
ファンホイール(42)の上面(423)と封止部(3b)の間では収容空間(31)において一個の側方向流路(44)が区隔して形成され、複数個の羽根(422)は側方向流路(44)内に位置するように形成されることを特徴とする請求項2、3、4、5または6に記載のファン。
【請求項8】
受け部(3a)には一個の凹部(34)が形成され、凹部(34)は収容空間(31)に位置するように形成され、モーター(4)のステータ(41)は凹部(34)に結合され、ファンホイール(42)のハブ(421)は凹部(34)内に収容されることを特徴とする請求項2、3、4、5または6に記載のファン。
【請求項9】
受け部(1a)は一個の底座からなり、側壁部(1c)は上記底座の側周縁から軸方向に延伸して互いに隣接する複数個の側壁からなり、封止部(1b)は一個の蓋板からなり、上記蓋板は上記側壁と結合し、上記蓋板と底座の間には収容空間(11)が形成され、側面風入口(12)と側面風出口(13)はそれぞれ隣接する二個の側壁に設けられることを特徴とする請求項2、3、4、5または6に記載のファン。
【請求項10】
受け部(3a)は一個の底座からなり、側壁部(3c)は上記底座の側周縁から軸方向に延伸して互いに隣接する複数個の側壁からなり、封止部(3b)は一個の蓋板からなり、上記蓋板は上記側壁と結合し、上記蓋板と底座の間には収容空間(31)が形成され、側面風入口(32)と側面風出口(33)はそれぞれ互いに対向する二個の側壁に設けられることを特徴とする請求項2、3、4、5または6に記載のファン。
【請求項11】
羽根(222)はハブ(221)の上面(223)に一体に結合されることを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6に記載のファン。
【請求項12】
ファンホイール(42)の径方向において、複数個の羽根(422)の第一端(422a)は側壁部(3c)に向いて径方向に延伸するように、かつハブ(421)から突き出るように形成されることを特徴とする請求項2、3、4、5または6に記載のファン。
【請求項13】
複数個の羽根(422)の底周縁には一個の底盤(45)が形成され、底盤(45)はハブ(421)に連接されることを特徴とする請求項12に記載のファン。
【請求項14】
仮想の幾何学的輪郭(C)は円形、楕円形または多角形からなるように形成されることを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6に記載のファン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−15129(P2013−15129A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−155718(P2011−155718)
【出願日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(597149629)建準電機工業股▲分▼有限公司 (53)
【Fターム(参考)】